事業の概要
- 塗料の製造販売イサム塗料グループは、塗料の製造と販売を主な事業としています。自動車の補修用塗料、工場で使われる工業用塗料、建物の内外装に使われる建築用塗料など、幅広い種類の塗料を提供しています。
- 関連商品の仕入販売塗料だけでなく、塗装に必要なシンナー類や、塗装関連製品の仕入れ・販売も行っています。子会社が半製品の加工や製品の充填・小分け作業を担い、グループ全体で塗料関連のニーズに対応しています。
- エアゾール製品の製造販売スプレー缶タイプのエアゾール製品も手掛けています。当社で原液を製造し、子会社のイサムエアーゾール工業がエアゾール製品に加工・製造。一部は当社が仕入れて販売することで、多様な製品形態で市場に供給しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 塗料事業イサム塗料グループの主要な事業であり、売上高80.54809億円、営業利益5.82847億円を計上しています。自動車補修用、工業用、建築用など多岐にわたる塗料の製造販売が中心で、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
- 多角的な製品展開塗料事業の中には、各種塗料類やシンナー類の製造販売に加え、エアゾール製品の製造販売も含まれます。当社が原液を製造し、子会社が製品化することで、幅広い顧客ニーズに対応しています。
- 関連事業によるサポート子会社が進勇商事として塗装関連製品の仕入・販売を行うなど、塗料事業を多角的にサポートしています。これにより、塗料製品だけでなく、塗装に必要な周辺製品も提供し、顧客への総合的なサービス提供を可能にしています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PaintBusiness | 地域 | 81 | 6 | 7.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社5社で構成され、塗料の製造販売及び関連商品の仕入販売を主な内容とし事業活動を展開しております。 当社グループの事業に係わる位置づけは次のとおりであります。塗料事業…………塗料事業は、自動車補修用、工業用、建築用等に分かれております。当社グループは、当社が各種塗料類、シンナー類等を製造販売し、各子会社は半製品の加工、製品の充填・小分け作業等または関連商品の仕入・販売を行っております。エアゾール製品については、原液を当社で製造し、子会社イサムエアーゾール工業㈱に販売、同社でエアゾール製品を製造し、一部は当社で仕入れて販売をしております。子会社明勇色彩㈱は、当社塗料製品のチューブ類への充填・小分け作業を行っております。また、子会社進勇商事㈱では、塗装関連製品の仕入・販売をしており、一部は当社で仕入れて販売しております。その他の事業……不動産の賃貸管理・運営業務を行っております。子会社イサム土地建物㈱、イサムモータープール㈱は、それぞれ不動産賃貸、駐車場経営をしております。 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料の石油関連製品への依存度が高く、原油・ナフサ価格の動向に影響を受けるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 多様化・高機能化する市場ニーズに対応できる新製品および塗装システムの開発力。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:原材料の調達(石油関連製品への依存度が高い) / 公的規制(環境関連法や毒物劇物取締法など) / 新製品の開発(市場ニーズへの対応)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
イサム塗料は、自動車補修用塗料分野で長年の歴史と一定のブランド認知を持つ。特に、特定の地域や顧客層においては、品質や信頼性に関する無形資産が蓄積されている可能性がある。しかし、特許や独占的IPに関する具体的な情報は乏しく、ブランド力も大手化学メーカーと比較すると限定的。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
自動車整備工場などの顧客は、塗料の品質や色合わせの精度、納期などを重視するため、一度取引のあるメーカーからの乗り換えには一定のハードルが存在する。しかし、塗料の性能差が劇的に大きくない場合や、価格競争力が他社にあれば乗り換えの可能性は否定できない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
イサム塗料の事業モデルには、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるようなネットワーク効果は観察されない。塗料の利用者は個々の整備工場や塗装業者であり、プラットフォーム型ビジネスではない。
コスト優位★☆☆☆☆
化学品製造業として、規模の経済や効率的な生産プロセスによるコスト優位を追求していると考えられる。しかし、原材料価格の変動や、競合他社も同様の効率化を進めている可能性があり、構造的なコスト優位を確立しているかは不明。
規模の経済★☆☆☆☆
自動車補修用塗料市場は一定の規模を持つが、イサム塗料の市場シェアは限定的であり、業界全体を代表するような寡占的な地位を築いているとは言えない。大手化学メーカーも同分野に参入しており、規模の面での優位性は強くない。
- 多様な塗料製品群自動車補修用、工業用、建築用など、幅広い用途の塗料を製造販売しており、多様な市場ニーズに対応できる製品ラインナップを持っています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な事業運営に繋がる可能性があります。
- グループ内での連携体制当社が塗料の製造を担い、子会社が半製品加工、製品充填、関連商品の仕入販売を行うなど、グループ全体で効率的な事業活動を展開しています。特にエアゾール製品では、原液製造から製品化まで一貫した体制を構築しています。
- 不動産賃貸事業による収益源塗料事業の他に、子会社を通じて不動産の賃貸管理・運営や駐車場経営も行っています。これにより、塗料事業以外の安定的な収益源を確保し、事業ポートフォリオの多角化を図っていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「良品質な塗料を通して、広く社会に貢献する」という経営理念のもと、「時代の要求する製品」「愛される商品」を開発することを社是として、常に「業界の先駆者たれ」をモットーに技術開発を推進してまいりました。 現在は、社員全員が「お客様に一番近いメーカーであり続けよう」という経営ビジョンをしっかり意識して日々業務を遂行し、顧客満足の向上につなげるとともに、地球環境との調和や社会環境の保護を背景とした市場ニーズに基づき、色彩産業としての新しい高い地位を目指して事業活動を行うことにより、顧客および株主の皆様の信頼や期待に応える安定した経営を基本方針としております。(2) 経営環境および経営戦略等 当社グループは、自動車補修用塗料はメンテナンス分野に特化し、建築用塗料はメンテナンスを主軸とし、新築にも対応しております。また、工業用塗料はユーザー個別対応により、積極的な営業活動を推進するとともに、全社員が環境への問題を最優先課題として取り組んでおります。併せて、顧客のみならず社会的に受け入れられる塗料・塗装システムの開発も進めております。 現在、塗料業界におきましては、環境関連法(大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染防止法)や、特化則・有機則・PRTR法などさまざまな法的規制の適用を受けております。このため、当社グループは、社会や業界を取り巻く法律や規制への対応に積極的に取り組んでおり、今後もなお一層、環境・化学物質関連の法規制対応の取り組みを強化してまいります。また、製品化におきましては、これらをクリアした環境対応型製品を主力とする新製品・新システムの開発に注力し、塗装作業従事者の健康維持と地球環境保護を考慮した水性塗料の製品力向上に努めてまいります。 国内の塗料需要が停滞している状況においては、製品開発力を強化し、顧客起点の製品開発を推進することや、新たな市場を創造することで顧客の支持を得られるような営業活動により、市場でのシェア拡大に取り組んでまいります。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、経営指標として従来から株主資本利益率を重視しております。また、経営の安定性と収益性の両立を図りながら企業価値の向上を目指すとともに、資金面におけるキャッシュ・フローを重視し、総合的な結果としてROE等の向上につなげることを目標としております。(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の経済の見通しにつきましては、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の影響による原油価格をはじめとするエネルギー価格の動向、物流・運送業界をとりまく2024年問題の顕在化、通商政策など米国の政策動向がわが国経済に与える影響が見通せず、先行きは極めて不透明な状況であります。 当社グループを取り巻く状況も予断を許しませんが、引き続き、原材料価格、エネルギー価格や物流コスト、人材確保・育成に係る人件費の上昇に対処すべく、生産効率化、業務効率化に注力し、販売シェア・販売数量を維持・拡大することで収益確保に繋げてまいります。 塗料業界におきましては、引き続き企業間競争が激しくなることが予想されます。このような状況の中、当社グループは、「お客様に一番近いメーカーであり続けよう」という経営ビジョンを掲げ、全社員一丸となって次のとおり取り組んでまいります。① 人材の育成 「お客様に一番近いメーカーであり続けよう」という経営ビジョンを掲げる当社グループにとって、顧客の声に耳を傾け、顧客起点の製品開発を推進するための人材育成は最重要課題の一つと位置づけております。人材育成については、全従業員を対象として社員教育制度を整備し、従業員のモチベーションの向上やスキルアップに取り組んでおります。 また、全社的な労務管理を行うとともに、「働き方改革」やメンタルヘルス対策を推進し、より良い労働環境の整備、運用に努めてまいります。② 高品質、安全・安心な製品の安定供給 当社グループは「環境方針」を定め、社会や業界を取り巻く法律や規制への対応に積極的に取り組むとともに、大規模な事故・災害等の発生に備えて、事業継続計画(BCP)を策定し、社員教育や災害訓練等によりBCPの周知徹底および実効性の向上を図っております。一方、経営環境に大きな影響を及ぼす、いわゆる物流2024年問題の顕在化に伴う物流コストや原材料の価格と安定的な調達も大きな課題ととらえております。③ 顧客ニーズに沿った製品開発と新しいマーケットの開拓 当社グループは自動車補修用塗料を主力としておりますが、自動車業界では、衝突安全装置の普及や自動運転装置の開発・標準化に伴い、自動車補修用塗料の市場は縮小傾向であります。このような状況の中、自動車補修用分野では、より一層の製品開発と新規開拓の推進により、シェアの拡大を図ります。また、大型車両用分野・各種工業用分野など新しいマーケットの獲得を目的に、提案と取り組みを強化し、収益の向上に繋げてまいります。さらに、ソフト面の強化としまして、「YouTube」の公式チャンネルを活用してBtoB、BtoCへ製品をPRし、啓蒙・塗装動画サービスの発信を新たな市場向けに実施してまいります。④ 生産性の向上 経営資源を最適活用し、組織・業務・生産活動の効率化ならびに集約化に努めてまいります。具体的には、管理業務を本社へ、生産・受注業務を滋賀工場へ集中化し、トータルコストの低減・生産性の向上を進めるとともに、情報システムを強化して全社的な業務の効率化を推進してまいります。さらに、滋賀工場における生産ラインにおいて、費用対効果に配慮しつつ、生産設備の更新、合理化投資を実行し、生産力・収益力の向上に繋げてまいります。⑤ グループ経営における社会的責任(CSR) 当社グループの経営につきましては、社会的責任を果たすために、環境保全に積極的に取り組み、適切な企業情報の開示やコンプライアンスを一層推進するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化および内部統制の充実に全力を投入いたします。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、「良品質な塗料を通して、広く社会に貢献する」という経営理念のもと、「時代の要求する製品」「愛される商品」を開発することを社是として、常に「業界の先駆者たれ」をモットーに技術開発を推進してまいりました。 現在は、社員全員が「お客様に一番近いメーカーであり続けよう」という経営ビジョンをしっかり意識して日々業務を遂行し、顧客満足の向上につなげるとともに、地球環境との調和や社会環境の保護を背景とした市場ニーズに基づき、色彩産業としての新しい高い地位を目指して事業活動を行うことにより、顧客および株主の皆様の信頼や期待に応える安定した経営を基本方針としております。(2) 経営環境および経営戦略等 当社グループは、自動車補修用塗料はメンテナンス分野に特化し、建築用塗料はメンテナンスを主軸とし、新築にも対応しております。また、工業用塗料はユーザー個別対応により、積極的な営業活動を推進するとともに、全社員が環境への問題を最優先課題として取り組んでおります。併せて、顧客のみならず社会的に受け入れられる塗料・塗装システムの開発も進めております。 現在、塗料業界におきましては、環境関連法(大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染防止法)や、特化則・有機則・PRTR法などさまざまな法的規制の適用を受けております。このため、当社グループは、社会や業界を取り巻く法律や規制への対応に積極的に取り組んでおり、今後もなお一層、環境・化学物質関連の法規制対応の取り組みを強化してまいります。また、製品化におきましては、これらをクリアした環境対応型製品を主力とする新製品・新システムの開発に注力し、塗装作業従事者の健康維持と地球環境保護を考慮した水性塗料の製品力向上に努めてまいります。 国内の塗料需要が停滞している状況においては、製品開発力を強化し、顧客起点の製品開発を推進することや、新たな市場を創造することで顧客の支持を得られるような営業活動により、市場でのシェア拡大に取り組んでまいります。(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、経営指標として従来から株主資本利益率を重視しております。また、経営の安定性と収益性の両立を図りながら企業価値の向上を目指すとともに、資金面におけるキャッシュ・フローを重視し、総合的な結果としてROE等の向上につなげることを目標としております。(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 今後の経済の見通しにつきましては、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の影響による原油価格をはじめとするエネルギー価格の動向、物流・運送業界をとりまく2024年問題の顕在化、通商政策など米国の政策動向がわが国経済に与える影響が見通せず、先行きは極めて不透明な状況であります。 当社グループを取り巻く状況も予断を許しませんが、引き続き、原材料価格、エネルギー価格や物流コスト、人材確保・育成に係る人件費の上昇に対処すべく、生産効率化、業務効率化に注力し、販売シェア・販売数量を維持・拡大することで収益確保に繋げてまいります。 塗料業界におきましては、引き続き企業間競争が激しくなることが予想されます。このような状況の中、当社グループは、「お客様に一番近いメーカーであり続けよう」という経営ビジョンを掲げ、全社員一丸となって次のとおり取り組んでまいります。① 人材の育成 「お客様に一番近いメーカーであり続けよう」という経営ビジョンを掲げる当社グループにとって、顧客の声に耳を傾け、顧客起点の製品開発を推進するための人材育成は最重要課題の一つと位置づけております。人材育成については、全従業員を対象として社員教育制度を整備し、従業員のモチベーションの向上やスキルアップに取り組んでおります。 また、全社的な労務管理を行うとともに、「働き方改革」やメンタルヘルス対策を推進し、より良い労働環境の整備、運用に努めてまいります。② 高品質、安全・安心な製品の安定供給 当社グループは「環境方針」を定め、社会や業界を取り巻く法律や規制への対応に積極的に取り組むとともに、大規模な事故・災害等の発生に備えて、事業継続計画(BCP)を策定し、社員教育や災害訓練等によりBCPの周知徹底および実効性の向上を図っております。一方、経営環境に大きな影響を及ぼす、いわゆる物流2024年問題の顕在化に伴う物流コストや原材料の価格と安定的な調達も大きな課題ととらえております。③ 顧客ニーズに沿った製品開発と新しいマーケットの開拓 当社グループは自動車補修用塗料を主力としておりますが、自動車業界では、衝突安全装置の普及や自動運転装置の開発・標準化に伴い、自動車補修用塗料の市場は縮小傾向であります。このような状況の中、自動車補修用分野では、より一層の製品開発と新規開拓の推進により、シェアの拡大を図ります。また、大型車両用分野・各種工業用分野など新しいマーケットの獲得を目的に、提案と取り組みを強化し、収益の向上に繋げてまいります。さらに、ソフト面の強化としまして、「YouTube」の公式チャンネルを活用してBtoB、BtoCへ製品をPRし、啓蒙・塗装動画サービスの発信を新たな市場向けに実施してまいります。④ 生産性の向上 経営資源を最適活用し、組織・業務・生産活動の効率化ならびに集約化に努めてまいります。具体的には、管理業務を本社へ、生産・受注業務を滋賀工場へ集中化し、トータルコストの低減・生産性の向上を進めるとともに、情報システムを強化して全社的な業務の効率化を推進してまいります。さらに、滋賀工場における生産ラインにおいて、費用対効果に配慮しつつ、生産設備の更新、合理化投資を実行し、生産力・収益力の向上に繋げてまいります。⑤ グループ経営における社会的責任(CSR) 当社グループの経営につきましては、社会的責任を果たすために、環境保全に積極的に取り組み、適切な企業情報の開示やコンプライアンスを一層推進するため、コーポレート・ガバナンス体制の強化および内部統制の充実に全力を投入いたします。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益は総じて緩やかに改善の動きがみられました。個人消費、設備投資に持ち直しの動きが、雇用情勢には改善の動きがみられ、景気全体は緩やかに回復しております。一方で世界の景気は、一部の地域において足踏みがみられるものの、持ち直しの動きがみられますが、中東情勢や欧米における高い金利水準に伴う影響、物価上昇等による下振れリスクがあります。わが国においても、原材料価格やエネルギー価格の高止まり、企業物価指数や消費者物価指数の高止まり、自然災害や物価上昇の継続による消費マインドの下振れなどが懸念され、当社グループを取り巻く環境は予断を許さない状況が続いております。 このような状況の中、当社グループは、一定の販売数量を確保し、自動車補修用市場でのシェアの拡大を図るため、顧客ニーズに沿った環境対応型塗料や高機能性塗料で販路拡大に注力するとともに、大型車両分野や工業用分野などの新規市場開拓や建築用塗料の受注拡大に向け、営業活動を展開いたしました。また、原材料価格、エネルギーコスト、人件費等の上昇分を吸収すべく、販売数量が厳しい中、収益向上のための人材確保ならびに人材育成、業務効率化に注力しながら、収益確保に努めてまいりました。 その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。a.財政状態 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ1億25百万円増加して208億87百万円となりました。 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ3億36百万円減少して32億47百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4億61百万円増加して176億40百万円となりました。b.経営成績売上高については、原材料価格の上昇分の一部を販売価格に転嫁し、収益確保に努めてまいりました。利益面につきましても、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化により原材料価格やエネルギー価格が高止まりしたことから、収益環境を慎重に見極め、生産部門における設備投資を必要最小限とし、不急の設備維持経費を抑制するなど総コスト上昇を一定程度に抑えることに注力いたしました。その結果、当連結会計年度の売上高は、81億57百万円(前年同期比2.0%増加)となりました。利益面につきましては、営業利益は6億28百万円(前年同期比2.8%減少)、経常利益は7億67百万円(前年同期比1.6%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億49百万円(前年同期比5.5%増加)となりました。塗料事業は、売上高80億55百万円(前年同期比2.0%増加)、営業利益5億83百万円(前年同期比3.1%減少)であります。 分野別の販売状況は、自動車補修用塗料分野では、特化則対応、PRTR法対応の1液ベースコート「ハイアートNext」やハイソリッドクリヤー「アクセルクリヤー」シリーズで市場占有率の維持を図るとともに、特殊ウレタン樹脂をベースとした2液型塗料「ベッドライナービースト」で新規ユーザーの獲得に努めました。併せて、水性1液ベースコート塗料「アクアスDRY」では主力ユーザーへの普及促進を行うとともに、水性塗料の安全性を維持しつつ作業効率の改善と作業者の負担軽減を実現した水性1液ベースコート塗料「CRONOS HD」で新規ユーザー獲得に注力しました。大型車両分野では、トラック荷台床面の木部保護塗料「ウッドプロテクト」、特化則対応、PRTR法対応の2液ウレタン樹脂塗料「ハイアートCBエコ」でユーザー獲得に注力し、堅調に推移いたしました。さらに、調色作業を標準化・システム化した測色機「彩選短スマート」の販売を促進し、ユーザーの作業効率改善や若年者の技術教育に大きく貢献いたしました。 建築用塗料分野におきましては、主力の「ネオシリカ」シリーズに加え、JISA6021取得の外壁用塗膜防水材「アトロンエラストマー」、抗ウイルス性、抗菌性、抗カビ性、消臭性に優れた内装用光触媒塗料「エアフレッシュ」など、各種用途に特化した製品を展開いたしました。また、タイル床面等滑り止めの「スキッドガードシリーズ」では、高耐久性を実現した無溶剤2液型ウレタン樹脂塗料「スキッドガードTOUGH」、水性1液型アクリル樹脂塗料「スキッドガードAQUA」の販売促進に取り組みました。 工業用塗料につきましては、ユーザーの環境重視志向を背景に「ハイアートCBエコ」の拡販に注力するとともに、従来の水性塗料と比較して乾燥性・光沢を大幅に向上させた水性1液型アクリル樹脂塗料「アクアシャインGA」において、引き続き個々のユーザーに対応して積極的な個別営業活動に取り組みました。 エアゾール分野におきましても、工業用向けでは、補修用スプレー「エアラッカーエコ」の売上が堅調であったほか、DIY分野では、2液内部混合型エアースプレー「エアーウレタン」、1液カラークリヤー「キャンデーカラー」が堅調に推移しました。その他は、売上高1億2百万円(前年同期比1.1%増加)、営業利益45百万円(前年同期比1.5%増加)であります。②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益7億67百万円、有価証券の売却及び償還による収入6億円、定期預金の払戻による収入3億円などの増加がありましたが、投資有価証券の取得による支出13億4百万円、仕入債務の減少2億31百万円、法人税等の支払額2億28百万円などがあり、全体として期首残高より46百万円増加し、34億72百万円(前連結会計年度末34億26百万円)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は4億86百万円(前連結会計年度7億98百万円)となりました。 その主な要因は、増加した資金では、税金等調整前当期純利益7億67百万円、売上債権の減少1億55百万円、減少した資金では、仕入債務の減少2億31百万円、法人税等の支払額2億28百万円、棚卸資産の増加1億44百万円などによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は3億31百万円(前連結会計年度7億7百万円)となりました。 その主な要因は、増加した資金では、有価証券の売却及び償還による収入6億円、投資有価証券の売却及び償還による収入3億円、定期預金の払戻による収入3億円などがあり、減少した資金では、投資有価証券の取得による支出13億4百万円、有形固定資産の取得による支出2億13百万円などによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の減少は1億9百万円(前連結会計年度1億6百万円)となりました。 その主な要因は、配当金の支払額95百万円などによるものであります。③生産、受注及び販売の実績a.生産実績及び商品仕入実績生産実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)塗料事業(千円)4,349,6864.5その他(千円)--合計(千円)4,349,6864.5 (注) 金額は製造原価によっております。商品仕入実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)塗料事業(千円)1,565,6725.5その他(千円)--合計(千円)1,565,6725.5 (注) 金額は仕入価格によっております。b.受注実績 主として見込生産によっておりますので、受注ならびに受注残高について特に記載すべき事項はありません。c.販売実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前年同期比(%)塗料事業(千円)8,054,8092.0その他(千円)102,0711.1合計(千円)8,156,8802.0 (注) セグメント間取引については相殺消去しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ1億25百万円増加して208億87百万円となりました。 資産の増加の主なものは、投資有価証券7億6百万円、電子記録債権1億61百万円、商品及び製品1億3百万円、減少の主なものは受取手形3億19百万円、有価証券3億円、現金及び預金2億54百万円であります。 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ3億36百万円減少して32億47百万円となりました。 負債の減少の主なものは、電子記録債務2億59百万円、未払金38百万円であります。 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ4億61百万円増加して176億40百万円となりました。 純資産の増加の主なものは利益剰余金4億54百万円であります。 以上の結果、自己資本比率は1.7ポイント上がり、82.5%となりました。2)経営成績 当社の主力事業の自動車補修用塗料分野の国内市場が停滞している環境において、環境保全の法規制などにより、塗料の低溶剤化・水性化を推進することが不可欠となるなど、事業環境は厳しい状況が続いております。そうした環境のもと、積極的な営業活動を展開いたしました結果、売上高は前連結会計年度比2.0%増加の81億57百万円となりました。 製品の統廃合や総原価低減に取り組み、原材料価格や物流コスト等の上昇分の一部を販売価格に転嫁したことにより、営業利益は前連結会計年度比2.8%減少の6億28百万円、経常利益は前連結会計年度比1.6%増加の7億67百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比5.5%増加の5億49百万円となりました。 3)キャッシュ・フローの状況 キャッシュ・フローの状況におきましては、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ46百万円増加し、34億72百万円(前連結会計年度末34億26百万円)となりました。 営業活動による資金の増加は、4億86百万円となりました。 投資活動による資金の減少は、3億31百万円となりました。 財務活動による資金の減少は、1億9百万円となりました。 なお、詳細は「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの経営に影響を与える大きな要因としましては、使用する原材料の石油関連製品への依存度が高く、原油・ナフサ価格等の動向が塗料原料の価格に影響を及ぼします。また、物流費の上昇もコスト増加の要因であり、原材料価格の上昇によるコスト増とともに収益の圧迫要因となります。このような状況の下、当社グループは生産効率化ならびに業務の効率化によりコスト増を吸収しつつ、一部販売価格への転嫁等により対応しております。 当社グループの主たる事業である塗料業界におきましては、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染防止法などの環境関連法や、毒物劇物取締法、廃掃法、PRTR法などさまざまな法的規制の適用を受けております。当社グループは、社会や業界を取り巻く法律や規制の施行に積極的に取り組むため、「環境方針」を定め、ISO14001等を取得するなど対応に注力しています。また、大規模な事故・災害等の発生に備えて、事業継続計画(BCP)を策定し、社員教育や災害訓練等によりBCPの周知徹底および実効性の向上を図っております。 c.資本の財源及び資金の流動性 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは当社グループの主たる事業である塗料事業であります。塗料事業の必要な資金は、製造費用、販売費および一般管理費、設備投資でありますが、これらは全て営業活動によるキャッシュ・フローと内部資金により調達しており、金融機関からの借入や社債の発行による資金調達はありません。今後の事業の維持・発展に必要な運転資金・設備資金についても内部資金による調達で可能であると考えておりますが、取引銀行2行と20億円の当座貸越契約を締結し流動性を補完しています。 ②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。なお、この連結財務諸表作成に当たりましては、引当金の計上など一部に将来の見積りに基づいているものがありますが、これらの見積りは当社グループにおける過去の実績等を勘案し、「退職給付に関する会計基準」「税効果会計に係る会計基準」「金融商品に関する会計基準」などに準拠しております。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
事業リスク
- 原材料価格の変動塗料の主要原材料は石油関連製品に大きく依存しており、原油やナフサの価格変動が塗料原料の価格に直接影響を与えます。これにより、製造コストが増加し、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 法的規制の強化塗料業界は、大気汚染防止法や水質汚濁防止法などの環境関連法規や、毒物劇物取締法など、様々な法的規制の適用を受けています。今後、新たな規制の施行や既存規制の強化があった場合、対応コストの増加や販売活動の制限により、業績に影響が出る可能性があります。
- 生産拠点の一極集中当社グループの主要生産拠点は滋賀工場(滋賀県草津市)のみです。地震などの大規模災害が発生し、この工場が被災して生産が困難になった場合、製品供給が滞り、会社の経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 原材料の調達について 当社グループの使用する原材料は石油関連製品への依存度が高く、原油・ナフサ価格等の動向が塗料原料の価格に影響を及ぼすことが懸念され、業績に多大な影響を受ける可能性があります。また、特定メーカーに依存している原材料について、そのメーカーの罹災や事故により調達が困難となった場合、当社グループの生産に影響を与え、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(2) 公的規制について 塗料業界におきましては、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染防止法などの環境関連法や、毒物劇物取締法、廃掃法、PRTR法などさまざまな法的規制の適用を受けております。当社グループは、社会や業界を取り巻く法律や規制の施行に積極的に取り組むため、「環境方針」を定め、ISO14001等を取得するなど対応に注力していますが、今後、新たな法規制の施行や強化などにより、販売活動の制限や法対応への費用増加などが当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(3) 新製品の開発に対するもの 当社グループは、多様化・高機能化する市場ニーズに対応できる新製品および塗装システムの開発を行なっておりますが、製品開発や販売政策の展開が適正な時期に行なわれなかった場合、将来の成長と収益性が低下し、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(4) 災害に対するもの 危険物を取扱う工場として災害からの安全を確保するために法的な規制を遵守し、災害を未然に防止する対応をとり、万一の災害に対しては火災保険等を付保していますが、当社グループの生産拠点は滋賀工場(滋賀県草津市)のみのため、当工場が地震等の災害に罹災するなどで生産困難となった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス等の感染症拡大により、当社グループの生産拠点、物流体制、営業活動等に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(5) 製造物責任について 当社グループは厳正な品質管理基準に基づき製品を製造しておりますが、万一、製品に欠陥が発生した場合に備えて保険に加入しています。しかし、予期せぬ事情で大規模な製品の欠陥による損失が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(6) ITリスク 当社グループは多数の情報システムを運用しており、権限責任の適切な配分、チェック体制の確立、また、外部からの進入に対する方策などを講じておりますが、情報の消失、情報の漏洩、回線障害、コンピュータやシステム障害、ウイルスによる障害等の影響を受ける可能性があります。