研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-12 | - | 630 |
| 2024-12 | - | 758 |
| 2023-12 | - | 499 |
| 2022-12 | - | 498 |
| 2021-12 | - | 495 |
研究開発活動(本文)
FY2025|2,195 文字
6【研究開発活動】 第2「事業の状況」1(1)①に記載されている会社の経営の基本方針のもと、当社グループは、(A)適応可能な組織の構築、(B)実現力あるコアテクノロジーの開発、(C)周辺市場・新興市場への進出、の3つの柱でイノベーション戦略を構成しています。これは技術的な視点から「株主価値最大化(MSV)」を実現するものです。当社グループは「アセット・アセンブラー」モデルのもと、世界のパートナー会社間で技術協力、知的財産の共有を行っており、パートナー会社の技術チームは、各市場や顧客ニーズに効果的に対応するため、高い自律性を維持しています。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は37,031百万円(前期比12.4%増)であり、連結売上収益に占める割合は2.1%です。主な研究開発活動の概要は次のとおりです。 当社グループは、知的財産の付加価値を向上するため、グローバルな技術提携の強化に適応できる体制を構築しました。例えば、建築用塗料の技術チームは、グローバルな技術コミュニティを形成し、共同の技術開発プロジェクトを通じてベストプラクティスの共有と研究能力の有効活用を進めており、各国の顧客ニーズに対応する中で効果を上げてきました。また、パートナー会社間での技術共有や能力向上を目的として、「LSI(Leveraging(活用)・Sharing(共有)・Integration(統合))」活動を開始し、基盤技術の共有やパートナー会社横断的なプロジェクトの促進を行っています。 当社グループの技術系人材はグローバルで4,400名超、このうち日本では約900名に上ります。技術系人材は、ビジネスの持続的な成長を実現するための強力なイノベーションの原動力であり、競争力を生み出す中核的な存在です。技術系人材は国内外の顧客と消費者のニーズに対応するため、日本・東京と大阪、中国・上海、シンガポール、豪州・メルボルン、米国・ロサンゼルスとコリアービル、フランスなど、世界58ヵ所の研究開発・技術施設に従事しています。2025年には新たに約300件の特許を出願し、2025年末時点で登録されている特許権は1,700件に達しています。 当社グループでは、塗料と塗装に関するコアテクノロジーを12のカテゴリーに分類しながら、知的財産を管理しています。それらは、高分子化学、色彩科学、塗料配合、硬化技術、分散技術、塗装技術、生産技術、レオロジー、耐候・腐食、計測学、人工知能、サステナビリティとなります。研究開発拠点の中核となるチームには各分野の専門技術者が従事しており、世界で展開する技術開発拠点の技術者と協力しながら、グループ全体の製品開発を支援しています。当社グループは、世界の大学や学術研究機関と、幅広いオープン・イノベーション・ネットワークを構築しています。 日本グループは2020年に東京大学と戦略的研究に関する提携を結び、共同研究を行う枠組みを構築し、2025年に延長契約を締結しました。東大との提携は、社会コストの削減、環境負荷の低減及びスマート社会の基盤づくりなどの分野を対象としており、革新的な塗料技術の創造を目指しています。 NIPSEAグループはシンガポールで、数十年にわたり科学技術研究庁(A*STAR)の研究機関と提携しています。最近ではA*STARと戦略的に提携し、自律走行を可能にするスマート・サーフェース分野、塗料研究で人工知能(AI)を応用する分野で破壊的技術を開発しています。さらに、当社グループは米国マサチューセッツ工科大学と世界中の企業の互恵関係を構築・強化することを目的とする産学連携プログラム(MIT-ILP)へ参加しました。 イノベーション創出に向けた取り組みとしては、テクノロジーを駆使して生産された製品の生産量を測定する指標の1つとして、新製品売上高指数(NPSI)を開発しました。過去3年間に製品化された新製品の総売上高に占める比率をNPSIと定義しており、NIPSEAグループでは2018年に、日本グループでは2022年にそれぞれ導入しました。日本グループとNIPSEAグループを合わせると、2025年のNPSIは28%となり、約10,000の新製品を発売しています。 また、研究開発プロジェクトにおけるサステナブル社会実現への有効性を評価する仕組みとしては、「グリーンデザイン・レビュー」を開発しました。これは、研究開発プロジェクトの管理システムに導入されており、日本グループとNIPSEAグループのプロジェクト・ポートフォリオにおいて、研究開発費の51%がサステナブルな優位性を持つ技術や製品の創出に使用されています。 今後も引き続き、国内外のパートナー会社の技術チームが、最新の技術情報とノウハウを共有しながら、事業を展開する各市場に向けての商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。 なお、セグメントごとの研究開発費用は、日本グループが7,302百万円(前期比1.1%減)、NIPSEAグループが20,464百万円(前期比9.5%増)、DuluxGroupが4,672百万円(前期比11.7%増)、米州が2,490百万円(前期比7.0%減)、AOCが2,101百万円です。
FY2024|2,148 文字
6【研究開発活動】 第2「事業の状況」1(1)①に記載されている会社の経営の基本方針のもと、当社グループは、(A)適応可能な組織の構築、(B)実現力あるコアテクノロジーの開発、(C)周辺市場・新興市場への進出、の3つの柱でイノベーション戦略を構成しています。これは技術的な視点から「株主価値最大化(MSV)」を実現するものです。当社グループは「アセット・アセンブラー」モデルのもと、世界のパートナー会社間で技術協力、知的財産の共有を行っており、パートナー会社の技術チームは、各市場や顧客ニーズに効果的に対応するため、高い自律性を維持しています。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は32,942百万円(前期比9.8%増)であり、連結売上収益に占める割合は2.0%です。主な研究開発活動の概要は次のとおりであります。 当社グループは、知的財産の付加価値を向上するため、グローバルな技術提携の強化に適応できる体制を構築しました。例えば、建築用塗料の技術チームは、グローバルな技術コミュニティを形成し、共同の技術開発プロジェクトを通じてベストプラクティスの共有と研究能力の有効活用を進めており、各国の顧客ニーズに対応する中で効果を上げてきました。また、パートナー会社間での技術共有や能力向上を目的として、LSI(Leverage, Share & Integrate)活動を開始し、基盤技術の共有やパートナー会社横断的なプロジェクトの促進を行っています。 当社グループの技術系人材はグローバルで4,200名超、このうち日本では約1,000名に上ります。技術系人材は、ビジネスの持続的な成長を実現するための強力なイノベーションの原動力であり、競争力を生み出す中核的な存在です。技術系人材は国内外の顧客と消費者のニーズに対応するため、日本・東京と大阪、中国・上海、シンガポール、豪州・メルボルン、米国・ロサンゼルスとクリーブランド、フランスなど、世界54ヵ所の研究開発・技術施設に従事しています。2024年には新たに約300件の特許を出願し、2024年末時点で登録されている特許権は1,600件に達しています。 当社グループでは、塗料と塗装に関するコアテクノロジーを12のカテゴリーに分類しながら、知的財産を管理しています。それらは、高分子化学、色彩科学、塗料配合、硬化技術、分散技術、塗装技術、生産技術、レオロジー、耐候・腐食、計測学、人工知能、サステナビリティとなります。研究開発拠点の中核となるチームには各分野の専門技術者が従事しており、世界で展開する技術開発拠点の技術者と協力しながら、グループ全体の製品開発を支援しています。当社グループは、世界の大学や学術研究機関と、幅広いオープン・イノベーション・ネットワークを構築しています。 日本グループは2020年に東京大学と戦略的研究に関する提携を結び、共同研究を行う枠組みを構築しました。東大との提携は、社会コストの削減、環境負荷の低減及びスマート社会の基盤づくりなどの分野を対象としており、革新的な塗料技術の創造を目指しています。 NIPSEAグループはシンガポールで、数十年にわたり科学技術研究庁(A*STAR)の研究機関と提携しています。最近ではA*STARと戦略的に提携し、自律走行を可能にするスマート・サーフェース分野、塗料研究で人工知能(AI)を応用する分野で破壊的技術を開発しています。さらに、当社グループは米国マサチューセッツ工科大学と世界中の企業の互恵関係を構築・強化することを目的とする産学連携プログラム(MIT-ILP)へ参加しました。 イノベーション創出に向けた取り組みとしては、テクノロジーを駆使して生産された製品の生産量を測定する指標の1つとして、新製品売上高指数(NPSI)を開発しました。過去3年間に製品化された新製品の総売上高に占める比率をNPSIと定義しており、NIPSEAグループでは2018年に、日本グループでは2022年にそれぞれ導入しました。日本グループとNIPSEAグループを合わせると、2024年のNPSIは25%となり、約9,000の新製品を発売しています。 また、研究開発プロジェクトにおけるサステナブル社会実現への有効性を評価する仕組みとしては、「グリーンデザイン・レビュー」を開発しました。これは、研究開発プロジェクトの管理システムに導入されており、日本グループとNIPSEAグループのプロジェクト・ポートフォリオにおいて、研究開発費の52%がサステナブルな優位性を持つ技術や製品の創出に使用されています。 今後も引き続き、国内外のパートナー会社の技術チームが、最新の技術情報とノウハウを共有しながら、事業を展開する各市場に向けての商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。 なお、セグメントごとの研究開発費用は、日本が7,384百万円(前期比2.8%減)、NIPSEAが18,695百万円(前期比15.1%増)、DuluxGroupが4,184百万円(前期比10.7%増)、米州が2,678百万円(前期比12.5%増)です。
FY2023|2,147 文字
6【研究開発活動】 第2「事業の状況」1(1)①に記載されている会社の経営の基本方針のもと、当社グループは、(A)適応可能な組織の構築、(B)実現力あるコアテクノロジーの開発、(C)周辺市場・新興市場への進出、の3つの柱でイノベーション戦略を構成しています。これは技術的な視点から「株主価値最大化(MSV)」を実現するものです。当社グループは「アセット・アセンブラー」モデルのもと、世界のパートナー会社間で技術協力、知的財産の共有を行っており、パートナー会社の技術チームは、各市場や顧客ニーズに効果的に対応するため、高い自律性を維持しています。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は29,996百万円(前期比6.7%増)であり、連結売上収益に占める割合は2.0%です。主な研究開発活動の概要は次のとおりであります。 当社グループは、知的財産の付加価値を向上するため、グローバルな技術提携の強化に適応できる体制を構築しました。例えば、建築用塗料の技術チームは、グローバルな技術コミュニティを形成し、共同の技術開発プロジェクトを通じてベストプラクティスの共有と研究能力の有効活用を進めており、各国の顧客ニーズに対応する中で効果を上げてきました。また、パートナー会社間での技術共有や能力向上を目的として、LSI(Leverage, Share & Integrate)活動を開始し、基盤技術の共有やパートナー会社横断的なプロジェクトの促進を行っています。 当社グループの技術系人材はグローバルで4,259名、このうち日本では991名に上ります。技術系人材は、ビジネスの持続的な成長を実現するための強力なイノベーションの原動力であり、競争力を生み出す中核的な存在です。技術系人材は国内外の顧客と消費者のニーズに対応するため、日本・東京と大阪、中国・上海、シンガポール、豪州・メルボルン、米国・ロサンゼルスとクリーブランド、フランスなど、世界53ヵ所の研究開発・技術施設に従事しています。2023年には新たに319件の特許を出願し、2023年末時点で登録されている特許権は1,610件に達しています。 当社グループでは、塗料と塗装に関するコアテクノロジーを12のカテゴリーに分類しながら、知的財産を管理しています。それらは、高分子化学、色彩科学、塗料配合、硬化技術、分散技術、塗装技術、生産技術、レオロジー、耐候・腐食、計測学、人工知能、サステナビリティとなります。研究開発拠点の中核となるチームには各分野の専門技術者が従事しており、世界で展開する技術開発拠点の技術者と協力しながら、グループ全体の製品開発を支援しています。当社グループは、世界の大学や学術研究機関と、幅広いオープン・イノベーション・ネットワークを構築しています。 日本グループは2020年に東京大学と戦略的研究に関する提携を結び、共同研究を行う枠組みを構築しました。東大との提携は、感染症のリスク低減、社会コストと環境負荷の抑制、スマート社会の基盤づくりの3分野を対象としており、革新的な塗料技術の創造を目指しています。 NIPSEAグループはシンガポールで、数十年にわたり科学技術研究庁(A*STAR)の研究機関と提携しています。最近ではA*STARと戦略的に提携し、自律走行を可能にするスマート・サーフェース分野、塗料研究で人工知能(AI)を応用する分野で破壊的技術を開発しています。さらに、当社グループは米国マサチューセッツ工科大学と世界中の企業の互恵関係を構築・強化することを目的とする産学連携プログラム(MIT-ILP)へ参加しました。 イノベーション創出に向けた取り組みとしては、テクノロジーを駆使して生産された製品の生産量を測定する指標の1つとして、新製品売上高指数(NPSI)を開発しました。過去3年間に製品化された新製品の総売上高に占める比率をNPSIと定義しており、NIPSEAグループでは2018年に、日本グループでは2022年にそれぞれ導入しました。日本グループとNIPSEAグループを合わせると、2023年のNPSIは25%となり、約10,000の新製品を発売しています。 また、研究開発プロジェクトにおけるサステナブル社会実現への有効性を評価する仕組みとしては、「グリーンデザイン・レビュー」を開発しました。これは、研究開発プロジェクトの管理システムに導入されており、日本グループとNIPSEAグループのプロジェクト・ポートフォリオにおいて、研究開発費の62%がサステナブルな優位性を持つ技術や製品の創出に使用されています。 今後も引き続き、国内外のパートナー会社の技術チームが、最新の技術情報とノウハウを共有しながら、事業を展開する各市場に向けての商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。 なお、セグメントごとの研究開発費用は、日本が7,597百万円(前期比4.0%増)、NIPSEAが16,240百万円(前期比4.6%増)、DuluxGroupが3,778百万円(前期比21.7%増)、米州が2,380百万円(前期比9.4%増)です。
FY2022|1,136 文字
5【研究開発活動】 第2「事業の状況」 1(1)①に記載されている会社の経営の基本方針のもと、当社は、塗料・周辺市場において、あらゆる変化に適応可能な組織の構築、実現力あるコア技術の開発、周辺市場、新興市場への進出の3つの柱で構成されるイノベーション戦略を立案しています。国内外のパートナー会社の技術チームは、各市場や顧客ニーズに効果的に対応するため高い自律性を維持しながら、技術協力や知的財産を共有しており、技術的な視点から、「株主価値最大化(MSV)」の実現を目指しています。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は28,106百万円であり、連結売上収益に占める割合は2.1%です。主な研究開発活動の概要は次のとおりであります。 日本ペイントグループで働いている世界全体の技術系人材は3,895名であり、日本グループの技術系人材は1,141名です。技術系人材は、持続的なビジネスの成長を実現する強力なイノベーションの原動力であり、競争力を生み出す中核的な存在です。技術系人材は国内外の顧客と消費者のニーズに対応するため、東京と大阪、中国・上海、シンガポール、豪州・メルボルン、米国・ロサンゼルスとクリーブランド、欧州・ドイツとフランスなど、世界52ヵ所の研究開発・技術施設に従事しています。2022年は新たに169件の特許を出願しました。2022年末時点で登録されている特許権は1,508件に達しています。 新製品売上高指数(NPSI)は、テクノロジーを駆使して生産された製品の生産量を測定する指標の1つです。当社グループは、総売上高に対する過去3年間に製品化された新製品の売上高比率をNPSIと定義しており、NIPSEAグループでは2018年、日本グループでは2022年に導入を行いました。日本グループとNIPSEAグループを合わせると、2022年のNPSIは19.5%となり、11,786の新製品を発売しています。 また、当社グループでは、新製品の評価に用いる「サステナビリティ・スコアボード(得点システム)」と研究開発プロジェクトの管理システムに導入される「グリーンデザイン・レビュー」をそれぞれ開発するなど、サステナビリティを意識した研究開発を推進しています。 今後も引き続き、国内外のパートナー会社の技術チームが、最新の技術情報とノウハウを共有しながら、事業を展開する各市場に向けての商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。 なお、セグメントごとの研究開発費用は、日本が7,301百万円、NIPSEAが15,525百万円、DuluxGroupが3,103百万円、米州が2,175百万円です。
FY2021|6,650 文字
5【研究開発活動】 第2「事業の状況」 1(1)①に記載されている会社の経営の基本方針のもと、当社は、塗料が持つ魅力を技術の力で最大化するために、国内外のグループ技術の総合力と社外ネットワークとのコラボレーションを強化する取り組みを進め、主力事業における継続的な新製品や、「感染症リスクの低減」、「スマート社会の実現」、「環境負荷の低減」、「社会的コストの低減」の4つの分野の社会課題を解決できる製品・サービスを提供するための技術開発を推進しております。R&D領域においては、2020年5月に東京大学と包括的な共同研究及び人材交流を、高度なレベルで推進する産学協創協定を締結し、東京大学内に『革新的コーティング技術の創生』社会連携講座を設置しました。協創資金は2020年10月から5年間で10億円規模を投入し、塗料とコーティングを軸に、抗ウイルス技術を含む新型コロナウイルス感染症の拡大防止に資する技術や、スマート・リモート社会の基盤づくり、並びに美しく魅力あふれる持続可能型社会を紡ぐための新たな技術を提供すべく研究を開始しております。 特に、抗ウイルス製品の開発においては、最優先課題として、グループ横断の専門チームを中心に、新型コロナウイルス感染症拡大の抑制を含む新たな社会課題の解決に資する製品を生み出し、社会貢献を果たしてまいります。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は24,251百万円であり、連結売上収益に占める割合は2.4%です。またグループ全体の費用のうち、全社に係る研究開発活動費用は841百万円であります。主な研究開発活動の概要及び成果は次のとおりであります。 (1)日本当地域では、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料分野においては、従来の活動である自動車ボデー外板への機能性や意匠価値を付与した高付加価値商品の市場導入に加え、自動運転、カーシェアリング等の世の中の変化を見据えた新たなコーティング技術の開発と、FPD(フラットパネルディスプレイ)分野への市場参入を進めております。また、環境対応面では、溶剤低減塗料・水性塗料・スズフリー電着塗料などの環境に優しい塗料開発・市場導入や、塗装工程の短縮や硬化温度を下げる事などにより、塗装時の消費エネルギー低減に貢献できる塗料開発を強化中です。工業用塗料分野においては、VOC(揮発性有機化合物)排出量削減など国内外で環境規制の強化が進む社会情勢のもと、国内外の法規制(特化則、RoHS指令、SVHCなど)への対応や省エネに寄与する商品の上市により、水性塗料・粉体塗料、ハイソリッド塗料、遮熱塗料などの環境配慮型商品への移行が順調に進んできております。水性塗料では、顔料の沈降を抑え、沈降防止に必要な攪拌の為の電力エネルギー量を大幅に削減できる省エネ電着塗料「パワーフロート」が安定的に市場で定着しております。塗装現場の作業効率化と環境対応を両立させた1液常温乾燥形上塗り塗料「ニッペ1液パワーウレトップ」は、ライン塗装及び現場塗装でのニーズにマッチした商品として評価を受けております。高寿命化が求められる住宅については、外壁材向けに超高耐久を実現する業界初の水性無機クリヤー塗料「オーデパワー3000」の開発に成功し、市場導入を開始いたしました。プレコート用塗料については、市場ニーズにいち早く対応すべく、環境配慮型クロメートフリー塗料の研究開発を推進し、国内外での実証ステージに移行しております。粉体塗料では、耐擦り傷性とエッジカバー性に優れる新たな硬化系の「ビリューシアPL」を開発し、市場導入いたしました。また、都市部のヒートアイランド現象対策としてアスファルト路面の温度を10~15℃下げることが可能な遮熱塗料「ATTSU-9 ROAD(U)」は、都道・国道等の公道だけでなく、駐車場や事業所敷地など民間地舗装にも幅広い採用が進んでおります。抗ウイルス製品としては、瞬時性、持続性、耐久性、安全設計を兼ね備えた抗ウイルススプレー「PROTECTONバリアックススプレー」や、抗ウイルス機能を兼ね備えた不織布用塗料「オーデタイト610」を開発し、市場導入を果たしました。汎用塗料分野においては、高付加価値商品や環境配慮商品の開発に注力してまいりました。建築用塗料においては、マンションおよび戸建住宅の基礎部の美装と長寿命化に貢献する水性反応硬化形基礎専用シリコン系塗料「ニッペキソエース」と、2工程で仕上げることができ工期の短縮が可能で好評いただいている「ALCワンデートップ」をシリコングレードに耐候性を向上させた「ALCワンデートップSi」を発売し、商品力強化を図っております。鉄構・コンクリート塗料においては、コンクリート表面含浸工法として活用できる「タフガード浸透シール」を発売しました。この商品は、土木学会コンクリート標準示方書[基準編]土木学会基準および関連基準のすべての試験項目でグレードA評価を有し、コンクリート構造物の維持・改修に大きく貢献できるものです。内装塗料の抗ウイルス分野においては、抗ウイルス・抗菌製品のグループ統一ブランドとして、PROTECTON®(プロテクトン)を2020年9月に立ち上げて以降、安心安全な環境づくりへのトータルソリューションに向けた製品開発を拡大しており、2021年度には、PROTECTON® インテリアウォールVK-500を上市し、合計4つの内装塗料製品のラインナップを整えました。加えて、東京大学との共同研究において、同4製品は新型コロナウイルスおよび変異株(アルファ株)に対して不活化効果があることを確認しました。さらに、教育現場における抗ウイルス・抗菌コーティングによる接触感染リスク低減対策の参考ガイドも共同で策定しました。PROTECTON®の接触表面に対する抗ウイルス・抗菌技術が、手洗い、消毒、換気などに加えて、感染症リスク低減のための新たな手段となり、社会貢献を果たすことができると期待しています。自動車補修用塗料分野においては、e3(EASY×EXCITING×ECOLOGY = e3(イーキューブ))コンセプトを開発方針とし、次世代型水性塗料「nax e3 WB」シリーズの製品ラインナップ充足を行い高い評価を受けております。また、架装車両などの大面積塗装向けの2液ウレタン樹脂塗料「nax ネオウレタンエコ」も環境配慮型の2液ウレタン樹脂塗料として着実に実績を伸ばしております。船舶用塗料分野においては、SDGs・ESG視点を経営の中核とし、環境負荷を低減する技術、商品の開発を行っております。昨年上市した船底防汚塗料「FASTAR」は、塗膜表層制御技術により業界初の「親水疎水ナノドメイン構造」を持っており、塗料中に含まれる防汚剤の溶出量を低減しながらも高い防汚性能を発揮できる製品となっており、発売1年目から多くの船舶に採用されております。また、当社が開発する長期防食塗料は、船舶・海洋構造物に要求される国際規格を満たし、資産価値の維持、向上に貢献しています。また施設面においては、自然海水を使用した評価・分析を行っている臨海評価技術センター(岡山県玉野市)が更なる機能・役割の強化を図り、商品開発の中核を担っています。今後も環境を保全し、社会課題の解決に貢献できる商品を生み出してまいります。ファインケミカル分野においては、1マイクロメートル程度の非常に薄膜でありながら、素材の付加価値を飛躍的に高めるユニークな表面処理剤を開発・提供しています。当社の表面処理剤には、主に塗料と一緒に使用されて高い耐食性や塗膜密着性を付与する塗装前処理剤と、素材に親水性や耐汚染性など様々な機能を付与する機能性コーティング剤があります。また、カーボンニュートラルとゼロエミッション実現に向けた革新的な技術開発により、皮膜形成工程におけるエネルギー消費抑制と、廃棄物発生量および排水量を大幅に削減できる塗装前処理システムを確立し、自動車・工業用市場を中心に導入を進めています。この環境配慮型塗装前処理システムは、長年のグローバルスタンダードであるリン酸亜鉛処理剤と同等以上の性能を有し、且つREACH規則・SVHC該当物質を含有しない次世代処理として注目を集めています。さらに、自動車EV化に必要なリチウムイオンバッテリー用アルミ包材向けの高接着コーティング剤(サーフコートNRシリーズ)、空調や冷蔵庫などの熱交換効率を高める高機能親水化コーティング剤(サーフアルコートシリーズ)の導入に加え、更なる技術開発により高付加価値をご提供することで、カーボンニュートラル社会の実現へ挑戦しています。鉄鋼市場においては、新商品となる水性無機亜鉛コーティング剤(サーフコートZNシリーズ)の市場導入を果たし、環境負荷物質の低減、快適な作業環境の提供を実現する事が出来ました。飲料缶市場においては、国内随一の技術をもって、成型加工から塗装前処理工程まで、市場の要求にあった新システムを開発しています。更に潜在的な社会課題解決に向け、生活環境の豊かさを提供する防曇・防汚・滑雪等の機能性コーティング剤の開発・提供を進めています。今後も社会の要求に適合した、高度な機能を有する薄膜コーティングの開発に注力してまいります。当地域における研究開発費用は5,842百万円であります。 (2)アジア当地域では、アジアのパートナー企業グループである海外パートナー会社と共同で、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に、研究開発活動を行っております。自動車用塗料分野においては、新たな取組みであるグループ会社間でのグローバルな研究開発活動の一環として、中国、東南アジア各国で現地法人との協業により、環境配慮型水性塗料や塗装工程での消費エネルギー低減を可能とする塗料の開発を進めています。また、東南アジアで需要が高い二輪向け塗料については、現地ニーズに対応した商品開発が現地主体で完了し、すでに供給が進んでおります。工業用塗料分野においては、海外パートナー会社との連携により、環境配慮型商品を軸に技術融合を積極化しております。VOC(揮発性有機化合物)の含有量を従来型塗料に比べ低減できる水性塗料やハイソリッド塗料など、各国の市場ニーズに適合した商品開発による事業領域の拡大を進めております。汎用塗料分野においては、分野別に共有技術を明確にして、海外パートナー企業との共同研究を進めているとともに、SDGsを視野に入れた水性塗料の開発、普及に注力しております。 船舶用塗料分野においては、中国(張家港)、韓国(釜山)、シンガポールを生産拠点としています。近年厳しくなる各国の環境規制に対応し、グローバルに調達可能な原料や、適切なローカル原料の選択などを行っています。主要商品を現地生産することにより、船舶用塗料の主要消費地となったアジアへの供給体制を構築してまいりました。今後も、既存製品だけでなく、新製品の導入をいち早く行うことのできる研究開発活動を行ってまいります。ファインケミカル分野においては、日本で高めた塗装前処理剤や機能性コーティング剤などの表面処理剤を、アジア顧客の様々な要求に適合させた製品開発活動を進めています。日本の高度な製品技術を礎として、アジア各国の拠点において再設計から製造まで一貫して実施することにより、顧客の技術的な要求を満足するとともに、安価かつ短納期で提供する体制の確立を進めています。当地域における研究開発費用は13,235百万円であります。 (3)オセアニア 当地域では、オーストラリアとニュージーランドを拠点とするDuluxグループが、塗料及び塗料関連事業で研究開発活動を行っております。同社は経営資源を汎用塗料、木材保護塗料、粉末塗料、保護用・防食塗料、自動車補修用塗料及び一般工業用塗料セグメント等に配分しており、また、Selleysブランドの接着剤及び充填剤事業においても研究開発活動を行っております。 汎用塗料事業では、UltraAirシリーズを発売し、新製品開発において持続可能性を主な取り組み課題としております。また、DIY及び業務用ユーザー向けに水性塗料及び低VOC塗料製品の開発を継続しております。同社は、塗料周辺事業の拡大を事業戦略の重要な要素とし、ティルトアップ工法のコンクリート建築及び屋根補修用洗浄剤及び塗装設備の発売に向けた研究活動も実施しております。保護用・防食塗料事業においては、引き続き耐火塗料製品の開発や、重工業セクターのエンドユーザー向けに耐食性塗料製品の開発を行っております。自動車補修用塗料事業においては、日本ペイントとDuluxグループの塗料製品及びカラーシステムの統合に向けた活動を継続しており、また工業用塗料事業においては、引き続きUVコーティングの開発を中心とした活動が中心となります。 Selleysブランドではシーリング材、接着剤、充填剤及び表面処理剤製品を展開しており、Sil-X技術の開発が進行中であり、DIY及びプロジェクト市場向けに、柔軟性に優れ高伸長を実現した高機能の接着剤およびシーリング材を発売しております。Duluxグループは、耐水性などSelleysブランド製品の主な特長を保ちつつ、溶剤系塗料製品に代わるものとして、水性塗料製品や、低VOCの建築用接着剤及び工業用機能性塗料など、低VOC塗料製品の開発に向けた技術開発を行っております。その他、有害性溶剤を含まない塗料剥離剤や研磨時の粉じん発生を減らす充填剤など、ユーザーの安全性やユーザー・エクスペリエンスを向上させた製品開発プロジェクトが進行中です。Selleysブランドでは、2025年までにより持続可能かつリサイクル可能な梱包材料を選択可能とすべく検討を進めております。 当地域における研究開発費用は1,791百万円であります。 (4)米州当地域では、自動車用塗料・汎用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料分野においては、環境配慮型水性塗料や塗装工程での消費エネルギー低減を可能とする塗料あるいは、自動車の車体軽量化に貢献するプラスチック素材向け塗料の開発、導入が進んでおります。汎用塗料分野においては、当社グループであるDunn-Edwards Corporationの研究開発部門と協力して、安全・快適を志向した塗装技術及び商品開発活動を進めております。ファインケミカル分野においては、自動車市場向け塗装前処理剤とアルミニウム箔向け親水化処理剤の導入を進めています。いずれも日本で開発した商品技術を基盤に、現地で製品の最適化と製造を実施し、北米各国とブラジル・アルゼンチンなど南米諸国への拡大が進んでおります。当地域における研究開発費用は2,044百万円であります。 (5)その他欧州地域では、汎用塗料・船舶塗料などの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。船舶用塗料分野においては、環境への意識が日々高まっており、国際海事機関IMOは2050年までにCO2排出量を半減(2008年対比)させるという目標を掲げております。この目標をさらに推し進め、事業活動からのCO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言している船会社もあり、同社には低摩擦塗料「A-LF-Sea」が採用されており、その性能が高く評価されております。クルーズ会社では防汚剤フリー塗料「アクアテラス」の良好な実績が注目されており、今後も「FASTAR」の推進や、環境に配慮した製品の開発を進めてまいります。当地域における研究開発費用は494百万円であります。 今後も引き続き、日本及び各国におけるグループ各社の技術開発部門が、最新の技術情報とノウハウを共有して、グローバル市場に向けての商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。
FY2020|6,116 文字
5【研究開発活動】 第2「事業の状況」 1(1)①に記載されている会社の経営の基本方針のもと、当社は、塗料が持つ魅力を技術の力で最大化するために、グループ技術の総合力と社外ネットワークとのコラボレーションを強化する取り組みを進め、「顧客の付加価値を高める技術の創造」、「環境にやさしい商品への置換」、「新たな需要の創出」、「次世代型生産システムの構築」などさまざまな社会課題を解決できる製品・サービスを提供するための技術開発を推進しております。R&D領域においては、2020年5月に東京大学と両組織の包括的な共同研究及び人材交流を、高度なレベルで推進する産学協創協定を締結し、東京大学内に『革新的コーティング技術の創生』社会連携講座を設置しました。協創資金は2020年10月から5年間で10億円規模を投入し、塗料とコーティングを軸に、抗ウイルス技術を含む新型コロナウイルス感染症の拡大防止に資する技術や、将来訪れるスマート・リモート社会の基盤づくり、並びに美しく魅力あふれる持続可能型社会を紡ぐための新たな技術を提供すべく研究を開始しております。 特に、抗ウイルス製品の開発においては、最優先課題として、グループ横断の専門チームを組織しました。この組織を中心に、抗ウイルス・抗菌製品ブランド「PROTECTON」として、「PROTECTON インテリアウォール VK-200」を上市するとともに、DIY向け商品として「PROTECTON インテリアペイントプレミアム」「PROTECTON インテリアウォール VK-200 DIY用」を発売しました。加えて、自動車用コーティング技術を応用した防曇性・反射防止性に優れた「ニッペフェイスガード」も発売しました。今後も、新型コロナウイルス感染症拡大の抑制を含む新たな社会課題の解決に資する製品を生み出し、社会貢献を果たしてまいります。 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は18,411百万円であり、連結売上収益に占める割合は2.4%です。主な研究開発活動の概要及び成果は次のとおりであります。 (1)日本 当地域では、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。 自動車用塗料分野においては、従来の活動である外板への機能性や意匠価値を付与した高付加価値商品の市場導入に加え、自動運転、カーシェアリング等の世の中の変化を見据えた新たなコーティング技術の開発と、FPD(フラットパネルディスプレイ)分野への市場参入を進めております。また、環境対応面では、溶剤低減塗料・水性塗料・スズフリー電着塗料などの環境に優しい塗料開発・市場導入や、塗装工程の短縮や硬化温度を下げる事などにより、塗装時の消費エネルギー低減に貢献できる塗料開発を強化中です。 工業用塗料分野においては、VOC(揮発性有機化合物)排出量削減など国内外で環境規制の強化が進む社会情勢のもと、国内外の法規制(特化則、RoHS指令、SVHCなど)への対応や省エネに寄与する商品の上市により、粉体塗料・水性塗料・ハイソリッド塗料、遮熱塗料などの環境配慮型商品への移行が順調に進んでおります。粉体塗料では、千葉工場内の新工場が稼働し、高機動・高効率生産体制が整うとともに、市場が求める「納期が早い」「塗り易い」「リーズナブル」といった3大ニーズに適応したセミカスタム粉体塗料「レヴォックス」を発売し市場拡大が進んでおります。水性塗料では顔料の沈降を抑え、沈降防止に必要な攪拌の為の電力エネルギー量を大幅に削減できる省エネ電着塗料「パワーフロート」が安定的に市場で定着しております。また、広範囲の素材適性を有する1液速乾万能形下塗り塗料「パワーバインド」シリーズでは、ローラー作業適性、調色対応等の機能拡充を行い、新たに発売した1液常温乾燥形上塗り塗料「ニッペ1液パワーウレトップ」と共に、ライン塗装及び現場塗装でのニーズにマッチしたより使いやすい商品として高い評価を受けております。プレコート用塗料については市場ニーズにいち早く対応すべく、環境配慮型クロメートフリー塗料の研究開発を推進し、国内外での実証ステージに移行しております。また、都市部のヒートアイランド現象の対策としてアスファルト道路の路面温度を10~15℃下げることが可能な遮熱塗料「ATTSU-9 ROAD(U)」は、東京都、国交省を中心にした都道、国道等での採用にとどまらず、国際的運動イベントの各体育施設周辺の舗装にも幅広く採用されております。 汎用塗料分野においては、高付加価値商品の開発に注力してまいりました。 建築用塗料においては、意匠の多様化に合わせて昨年上市した外壁に煌めき感のある意匠を演出する水性高意匠光輝性フレーク塗材「クリスタルアートUV」に続き、最高位の耐候性を有する無機系樹脂を採用した「クリスタルアートセラミック」を発売し、商品力強化を図っております。鉄構・コンクリート塗料では、日本下水道事業団適合工法である「タフガードGシステム」を発売し、インフラの維持・改修への一層の貢献を図っております。 自動車補修用塗料分野においては、e3(EASY×EXCITING×ECOLOGY = e3(イーキューブ))コンセプトを開発方針とし、粘性制御技術を駆使した次世代型水性ベース「nax e3 WB」を市場導入し高い評価を得ております。また、溶剤型塗料に匹敵する作業性を有する水性プラサフ「ヴィータ」及び水性クリヤー「NNクリヤー」を上市しました。大型車両や架装車両などの大面積塗装向けの2液ウレタン樹脂塗料「nax ネオウレタンエコ」のラインナップに高隠蔽原色として「パワーシリーズ」を追加しました。環境配慮型の2液ウレタン樹脂塗料として実績を着実に伸ばしており、今後とも高付加価値、環境配慮型商品の開発を進めてまいります。 船舶用塗料分野においては、SDGs・ESG視点を経営の中核とし、環境負荷を低減する技術、商品の開発を行っております。新たに開発した船底防汚塗料「FASTAR」は、塗膜表層制御技術により業界初の「親水疎水ナノドメイン構造」を持っており、塗料中に含まれる防汚剤の溶出量を低減しながらも高い防汚性能を発揮できる製品となっております。また、当社が開発する長期防食塗料は、船舶・海洋構造物に要求される国際規格を満たし、資産価値の維持、向上に貢献しております。また、施設面においては、自然海水を使用した評価・分析を行っている臨海評価技術センター(岡山県玉野市)が更なる機能・役割の強化を図り、商品開発の中核を担っております。今後も環境を保全し、社会課題の解決に貢献できる商品を生み出してまいります。 ファインケミカル分野においては、1マイクロメートル程度の非常に薄膜でありながら、素材の付加価値を飛躍的に高めるユニークな表面処理剤を開発・提供しております。当社の表面処理剤には、主に塗料と一緒に使用されて高い耐食性や塗膜密着性を付与する塗装前処理剤と、素材に親水性や耐汚染性など様々な機能を付与する機能性コーティング剤があります。自動車用・工業用塗料市場における塗装前処理剤として、皮膜形成工程におけるエネルギーや廃棄物を大幅に削減した環境配慮型化成システムを中心に、開発と導入拡大を進めました。飲料缶市場においては、国内随一の技術をもって、成型加工から塗装前処理工程まで、市場の要求にあった新システムを開発しております。アルミニウム箔市場においては、熱交換機向けの高機能親水化処理剤や、電池包材向け高接着性処理など、様々な機能性コーティングの開発と導入に成功してまいりました。社会課題解決に向けて、コア技術を生かした商品開発により、防汚コーティング市場への導入を果たしました。今後も社会の要求に適合した、高度な機能を有する薄膜コーティングの開発に注力してまいります。 当地域における研究開発費用は5,563百万円であります。 (2)アジア 当地域では、アジアのパートナー企業グループであるNIPSEA各社と共同で、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に、研究開発活動を行っております。 自動車用塗料分野においては、新たな取組みであるグループ会社間でのグローバルな研究開発活動の一環として、中国、東南アジア各国で現地法人との協業により、環境配慮型水性塗料や塗装工程での消費エネルギー低減を可能とする塗料の開発を進めております。また、東南アジアで需要が高い二輪向け塗料については、現地ニーズに対応した商品開発が現地主体で完了し、既に供給が進んでおります。 工業用塗料分野においては、NIPSEA各社との連携により、環境配慮型商品を軸に技術融合を積極化しております。VOC(揮発性有機化合物)の含有量を従来型塗料に比べ低減させる水性塗料やハイソリッド塗料など、各国の市場ニーズに適合した商品開発による事業領域の拡大を進めております。 汎用塗料分野においては、分野別に共有技術を明確にして、各国現地法人との共同研究を進めているとともに、SDGsを視野に入れた水性塗料の開発、普及に注力しております。 自動車補修用塗料分野においては、国内で高い評価を得ている次世代型水性塗料「nax e3 WB」を、積極的に市場展開しております。 船舶用塗料分野においては、中国(張家港)、韓国(釜山)、シンガポールを生産拠点としております。近年厳しくなる各国の環境規制に対応し、グローバルに調達可能な原料や、適切なローカル原料の選択などを行っております。主要商品を現地生産することにより、船舶用塗料の主要消費地となったアジアへの供給体制を構築してまいりました。今後も、既存製品だけでなく、新製品の導入をいち早く行うことのできる研究開発活動を行ってまいります。ファインケミカル分野においては、日本で高めた塗装前処理剤や機能性コーティング剤などの表面処理剤を、アジア顧客の様々な要求に適合させた製品開発活動を進めております。日本の高度な製品技術を礎として、アジア各国の拠点において再設計から製造まで一貫して実施することにより、顧客の技術的な要求を満足するとともに、安価かつ短納期で提供する体制の確立を進めております。 当地域における研究開発費用は8,793百万円であります。 (3)オセアニア 当地域では、オーストラリアとニュージーランドを拠点とするDULUXグループが、塗料及び塗料関連事業で研究開発活動を行っております。同社は経営資源を汎用塗料、木材保護塗料、粉末塗料、保護用・防食塗料、自動車補修用塗料及び一般工業用塗料セグメント等に配分しており、また、Selleysブランドの接着剤及び充填剤事業においても研究開発活動を行っております。 汎用塗料事業では、低VOC塗料のEnvirO2シリーズを発売し、新製品開発において持続可能性を主な取り組み課題としております。また、DIY及び業務用ユーザー向けに水性塗料及び低VOC塗料製品の開発を継続しております。同社は、塗料周辺事業の拡大を事業戦略の重要な要素とし、ティルトアップ工法のコンクリート建築用洗浄剤及び塗装設備の発売に向けた研究活動も実施しております。保護用・防食塗料事業においては、引き続き耐火塗料製品の開発や、重工業セクターのエンドユーザー向けに耐食性塗料製品の開発を行っております。自動車補修用塗料事業においては、来年度は日本ペイントとDULUXグループの塗料製品及びカラーシステムの統合が活動の中心となります。 Selleysブランドではシーリング材、接着剤、充填剤及び洗浄剤製品を展開しており、Sil-X Tape/Tubeフォーマットの開発により高度なポリマー技術であるSil-X技術の普及拡大を進めております。DULUXグループは、結合強度や屋外耐久性などSelleysブランド製品の主な特長を保ちつつ、持続可能なソリューション開発に向けた技術開発を行っております。その他、美しい仕上げ面を実現した軟性隙間充填剤や、市場をリードする新たな製品特長やメリットなどに関する開発プロジェクトが進行中です。また、Selleysブランドでは、2025年までにより持続可能かつリサイクル可能な梱包材料を選択可能とすべく検討を進めております。 当地域における研究開発費用は1,631百万円であります。 (4)米州 当地域では、自動車用塗料・汎用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。 自動車用塗料分野においては、環境配慮型水性塗料や塗装工程での消費エネルギー低減を可能とする塗料あるいは、自動車の車体軽量化に貢献するプラスチック素材向け塗料の開発、導入が進んでおります。 汎用塗料分野においては、当社グループであるDUNN-EDWARDS CORPORATIONの研究開発部門と協力して、安全・快適を志向した塗装技術及び商品開発活動を進めております。 ファインケミカル分野においては、自動車市場向け塗装前処理剤とアルミニウム箔向け親水化処理剤の導入を進めております。いずれも日本で開発した商品技術を基盤に、現地で製品の最適化と製造を実施し、北米各国とブラジル・アルゼンチンなど南米諸国への拡大が進んでおります。 当地域における研究開発費用は1,093百万円であります。 (5)その他 欧州地域では、自動車用塗料・船舶塗料などの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。 自動車用塗料分野においては、欧州の自動車用塗料事業を担うパートナー企業であるBOLLIG & KEMPER GMBH & CO.KGが、日本、アジア、米国におけるグループ会社の研究開発拠点と連携しながら、環境配慮型商品導入に繋げる研究開発活動を進めております。 船舶用塗料分野においては、環境への意識が日々高まっており、国際海事機構IMOは2050年までにCO2排出量を半減させるという目標を掲げております。この目標を更に推し進め、事業活動からのCO2排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言している船会社もあります。現在、同社には低摩擦塗料「A-LF-Sea」が採用されており、その性能が高く評価されております。さらなるニーズに応えるべく、新製品「FASTAR」の推進や、より環境に配慮した製品の開発を進めてまいります。 当地域における研究開発費用は1,328百万円であります。 今後も引き続き、日本及び各国におけるグループ各社の技術開発部門が、最新の技術情報とノウハウを共有して、グローバル市場に向けての商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。
FY2019|5,434 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、経営理念として以下を掲げております。・Missionわたしたちは、塗料とコーティング技術の持つ力を高めることで、生活に彩と快適さ、安心を提供します。・Visionわたしたちは、熱意と覚悟を持った者が集う活気あふれる風土の下、塗料をコアとした、優れたスペシャリティケミカル製品とサービスを通じた新たな価値を創造し続け、リーディングポジションを勝ち取ります。・Value共存共栄当社事業に携わるすべての方々と相互に切磋琢磨を積み重ね、それぞれの役割を果たすことにより、長期的成長・永続的な繁栄をめざします。先駆開拓日本の塗料工業を興したパイオニア精神を引き継ぎ、未来への革新に挑戦し続けます。やり抜くわたしたちのMission(使命)の達成を信念とし、あきらめることなくかつ柔軟にやり抜きます。 このような理念のもと、国内と海外グループの研究開発組織が一体となって、「顧客の付加価値を高める技術の創造」、「環境にやさしい商品への置換」、「新たな需要の創出」、「次世代型生産システムの構築」などを使命と考え、技術開発を推進しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は17,416百万円であり、連結売上収益に占める割合は2.5%です。主な研究開発活動の概要及び成果は次のとおりであります。 (1) 日本当地域では、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料分野においては、従来の活動である外板への機能性や意匠価値を付与した高付加価値商品の市場導入に加え、自動運転、カーシェアリング等の世の中の変化を見据えた新たなコーティング技術の開発と、FPD(フラットパネルディスプレイ)分野への市場参入を進めております。また、環境対応面では、溶剤低減塗料・水性塗料・スズフリー電着塗料などの環境に優しい塗料開発・市場導入や、工程短縮塗料、低温硬化塗料などの消費エネルギー低減に貢献できる塗料開発の推進強化を実施中です。自動車変革の時代において、当社が塗料・塗膜で社会に貢献できる分野を調査し、その基盤技術開発を積極的に実施しております。工業用塗料分野においては、VOC(揮発性有機化合物)排出量削減など国内外で環境規制の強化が進む社会情勢のもと、国内外の法規制(特化則、RoHS指令、SVHCなど)への対応や省エネに寄与する商品の上市により、粉体塗料・水性塗料・ハイソリッド塗料、遮熱塗料などの環境配慮型商品への移行が順調に進んでおります。粉体塗料では、特殊ボンディング技術を基本としたメタリック粉体塗料「多彩ビリューシアメタフィール」、ヤニ低減低温硬化型粉体塗料「ビリューシアエコレア」などが拡大に寄与しました。水性塗料では顔料の沈降を抑え、沈降防止に必要な攪拌の為の電力エネルギー量を大幅に削減できる省エネ電着塗料「パワーフロート」が安定的に市場で定着しております。また、広範囲の素材適性を有する1液速乾万能型下塗り塗料「パワーバインドシリーズ」では、ローラー作業適性、調色対応等の機能拡充を行い、現場でのニーズにマッチしたより使いやすい商品として高い評価を受けております。低汚染化剤「オーデナノガード」やフッ素樹脂や無機有機ハイブリッド樹脂による超高耐候性塗料「オーデパワー」も住宅外装建材市場で確実に実績を挙げており、プレコート用塗料については市場ニーズにいち早く対応すべく、環境配慮型クロメートフリー塗料の研究開発を推進し、国内外での実証ステージに移行しております。また都市部のヒートアイランド現象の対策としてアスファルト道路の路面温度を10~15℃下げることが可能な遮熱塗料「ATTSU-9 ROAD(U)」は、東京都、国交省を中心にした都道、国道等での採用にとどまらず、国際的運動イベントの各体育施設周辺の舗装にも幅広く採用されており、大幅に伸長しております。汎用塗料分野においては、高付加価値商品の開発に注力してまいりました。建築用塗料においては、最高位の耐候性を有しメンテナンスの難しい高層ビル等に適した超耐候超低汚染水性2液形無機塗料「アプラウドシェラスターⅡ」を上市しました。また、意匠の多様化に合わせ、外壁に煌めき感のある意匠を演出する水性高意匠光輝性フレーク塗材「クリスタルアートUV」を発売し、商品力強化を図っております。鉄構・コンクリート塗料では、コンクリート構造物の保護と視認性による維持管理を両立させる厚膜柔軟形特殊クリヤー被覆工法「タフガードクリヤー工法」が市場から高い評価を得ておりますが、さらにコンクリート片剥落防止機能を有する「タフガードスマートVCメッシュ工法」を上市し、商品ラインナップを充実させました。また、鉄骨領域向けとして、錆止めと上塗りの機能をもち、1日で2コート塗装が可能な、工期工程短縮に対応する「スーパーヘルゴン」も、順調に拡大しております。自動車補修用塗料分野においては、e3(EASY×EXCITING×ECOLOGY = e3(イーキューブ))コンセプトを開発方針とし、粘性制御技術を駆使した次世代型水性「nax e3 WB」を市場導入し高い評価を得ております。また、大型車両や架装車両などの大面積塗装向けの2液ウレタン樹脂塗料「nax ネオウレタン エコ」のラインナップに「nax ネオウレタン エコ(4:1)クリヤー」を追加しました。環境配慮型の2液ウレタン樹脂塗料として実績を着実に伸ばしており、今後とも高付加価値、環境配慮型商品の開発を進めてまいります。船舶用塗料分野においては、持続可能な環境保護を目的に、革新的な技術で排出炭酸ガス低減、低燃費・省エネルギーを提供する「A-LF-Seaシリーズ」(令和元年環境大臣賞受賞)を生み出しました。更に「親水疎水ミクロドメイン構造」をもつ世界初の防汚剤フリー船底防汚塗料「アクアテラス」の開発に成功しました。また、国際規格が要求される船舶・海洋構造物の長期防食塗料を提供し、資産価値の維持向上にも貢献しております。一方で、商品開発のための評価機能は臨海評価技術センター(岡山県玉野市)の機能強化により拡充され、開発の中核を担っております。今後も環境を保全し、社会課題の解決に貢献できる商品を生み出してまいります。ファインケミカル分野においては、1マイクロメートル程度の非常に薄膜でありながら、素材の付加価値を飛躍的に高めるユニークな表面処理剤を開発・提供しております。当社の表面処理剤には、主に塗料と一緒に使用されて高い耐食性や塗膜密着性を付与する塗装前処理剤と、素材に親水性や耐汚染性など様々な機能を付与する機能性コーティング剤があります。自動車・工業用市場における塗装前処理剤として、皮膜形成工程におけるエネルギーや廃棄物を大幅に削減した環境配慮型化成システムを中心に、開発と導入拡大を進めました。飲料缶市場においては、国内随一の技術をもって、成型加工から塗装前処理工程まで、市場の要求にあった新システムを開発しております。アルミニウム箔市場においては、熱交換機向けの高機能親水化処理剤や、電池包材向け高接着性処理など、様々な機能性コーティングの開発と導入に成功してまいりました。今後も社会の要求に適合した、高度な機能を有する薄膜コーティングの開発に注力してまいります。当地域における研究開発費用は6,034百万円であります。 (2) アジア当地域では、NIPSEAグループ(※)と共同で、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に、研究開発活動を行っております。自動車用塗料分野においては、中国、東南アジア各国で現地法人との協業を推進するとともに環境配慮型水性塗料を展開しており、市場での認知も進んでおります。また、東南アジアで需要が高い二輪向け塗料については、現地ニーズに対応した商品開発が現地主体で完了し、すでに供給が始まっております。工業用塗料分野においては、NIPSEAグループとの連携により、環境配慮型商品を軸に技術融合を積極化しております。VOC(揮発性有機化合物)の含有量を従来型塗料に比べ低減させる水性塗料やハイソリッド塗料など、各国の市場ニーズに適合した商品開発による事業領域の拡大を進めております。汎用塗料分野においては、分野別に共有技術を明確にして、各国現地法人との共同研究を進めているとともに、SDGsを視野に入れた水性塗料の開発、普及に注力しております。自動車補修用塗料分野においては、国内で高い評価を得ている次世代型水性塗料「nax e3 WB」を、積極的に市場展開しております。船舶用塗料分野においては、中国(張家港)、韓国(釜山)、シンガポールを生産拠点とし、近年、厳しくなる各国の法規制に対応し、グローバルに調達可能な原料や、適切なローカル原料の選択などを行い、主要商品を現地生産することにより、船舶用塗料の主要消費地となったアジアへの供給体制を構築してまいりました。今後も、既存製品だけでなく、新製品の導入をいち早く行うことのできる研究開発活動を行ってまいります。ファインケミカル分野においては、日本で高めた塗装前処理剤や機能性コーティング剤などの表面処理剤を、アジア顧客の様々な要求に適合させた製品開発活動を進めております。日本の高度な製品技術を礎として、アジア各国の拠点において再設計から製造まで一貫して実施することにより、顧客の技術的な要求に適合するとともに、安価かつ短納期で提供する体制の確立を進めております。当地域における研究開発費用は8,759百万円であります。(※)シンガポールに拠点を置く協業パートナー(WUTHELAM HOLDINGS LTD.)と展開するアジア地域の合弁事業 (3) オセアニア当地域では、オーストラリアとニュージーランドを拠点とするDULUXGROUP LIMITEDと共同で、汎用塗料・建設用材料などの事業分野を中心に、研究開発活動を行っております。汎用分野においては、耐候性と意匠性に優れた塗替え塗料「Weathershieldシリーズ」を展開しております。またキッチンやバスルームのキャビネット、タイル、カウンターなどの美観と耐久性を高める優れた新製品の開発に注力しております。今年は、「Porter’s Paintsブランド」として、32種の厳選された色彩を発売しました。木工用塗料では、従来の溶剤系塗料から水系塗料への置換を進めております。保護用塗料では、金属や床材の保護に優れた機能を発揮する塗料を開発しております。今年は、建築鋼材向け発泡型耐火塗料である「Fireshield」の発売を開始しました。建設用材料分野においては、シーラントや接着剤などの事業を行っております。様々な素材に対する密着性を高める、当社独自技術Sil-Xを用いた接着剤「Hold Up」の販売を開始しました。このSil-Xとは、高い性能を示すとともに、イソシアネート、有機溶剤、PVCなどの有害物質を含有しない、当社固有の基盤技術であります。当地域における研究開発費用は628百万円であります。 (4) 米州当地域では、自動車用塗料・汎用塗料・ファインケミカルなどの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料分野においては、高機能付加価値塗料の展開が進んでおります。汎用塗料分野においては、当社グループであるDUNN-EDWARDS CORPORATIONの研究開発部門と協力して、安全・快適を志向した塗装技術及び商品開発活動を進めております。ファインケミカル分野においては、自動車市場向け塗装前処理剤とアルミニウム箔向け親水化処理剤の導入を進めております。いずれも日本で開発した商品技術を基盤に、現地で製品の最適化と製造を実施し、北米各国とブラジル・アルゼンチンなど南米諸国への拡大が進んでおります。当地域における研究開発費用は962百万円であります。 (5) その他その他地域では、自動車用塗料・船舶用塗料などの事業分野を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料分野においては、欧州系自動車メーカーを新たな顧客として、更なる商品拡大に繋げる活動を進めております。船舶用塗料分野においては、環境への意識の高い欧州船会社へ参入できたことにより、顧客アクセスが向上し、それにより得られた市場ニーズや社会的ニーズに対応するため、さらなる環境対応の船底防汚塗料などの開発を行っております。防汚剤フリー船底防汚塗料「アクアテラス」はクルーズ会社の大型客船に採用され、その高い性能が評価されており、今後も低溶出型の防汚塗料などの新商品を導入し、さらなる市場の拡大を目指してまいります。当地域における研究開発費用は1,032百万円であります。 今後も引き続き、日本及び各国におけるグループ各社の技術開発部門が、最新の技術情報とノウハウを共有して、グローバル市場に向けての商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。
FY2018|3,977 文字
5 【研究開発活動】当社グループは、経営理念として以下を掲げております。 ・Mission わたしたちは、塗料とコーティング技術の持つ力を高めることで、生活に彩と快適さ、安心を提供します。 ・Vision わたしたちは、熱意と覚悟を持った者が集う活気あふれる風土の下、塗料をコアとした、優れたスペシャリティ ケミカル製品とサービスを通じた新たな価値を創造し続け、リーディングポジションを勝ち取ります。 この理念のもと、「顧客付加価値の創造」、「環境配慮型商品の開発」はもとより「新たな需要創出のための調査及び技術活動」、「安価製造のための技術開発」さらには「海外展開を見据えた技術活動」を使命と考え研究開発を推進しております。 当社グループは、各分野において最適化した独自の研究開発・商品開発を行うとともに、技術共有、情報交換など互いに連携を強化することにより、グループ全体としての効率性を高めながら活動をしております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は169億97百万円であり連結売上収益に占める割合は2.7%です。主な研究開発活動の概要及び成果は次のとおりであります。 (1) 日本当地域では、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルを中心に研究開発活動を行っております。 自動車用塗料においては、お客様により嬉しさを感じて頂ける塗膜価値を提供することを命題に、機能性や意匠価値を付与した高付加価値商品の市場導入を進めております。機能面では、耐擦り傷性を付与したクリヤー塗膜や、世界で初めて遮熱機能を有した塗膜を自動車ボディに採用頂いております。意匠面では、D-LOG(自動車の内外装の意匠価値を高めていく新色開発活動)を通じて、マットクリヤーや積層塗膜プレミアムカラーの多色拡大など、従来にない意匠価値を新たに提供しております。環境面では工場から排出されるCO2削減に取り組んだ中上塗料や、将来に向けた新規防錆システムの開発を促進しております。高機能、新規意匠、新工程システム、環境配慮を軸に、将来に向けた材料開発を実施しております。工業用塗料においては、VOC(揮発性有機化合物)排出削減などの環境規制の強化が進む国内外の社会情勢のもと、水性塗料・粉体塗料・ハイソリッド塗料などの環境配慮型商品での当社戦略が成果を発揮しております。粉体塗料では、特殊ボンディング技術を基本としたメタリック粉体塗料「多彩ビリューシアメタフィール」、ヤニ低減低温硬化型粉体塗料「ビリューシアエコレア」、粉体調色システム「ビリューシアアルティーカラー」などが拡大に寄与いたしました。水性塗料では顔料の沈降を抑え、沈降防止に必要な攪拌の為の電力エネルギー量を大幅に削減できる省エネ電着塗料「パワーフロート」が順調に市場展開しております。また、1回塗りで厚膜化を可能とする省工程タイプの特化則対応1液速乾万能型下塗り塗料「パワーバインドTK」を発売し好評を博しております。低汚染化剤「オーデナノガード」や無機有機ハイブリッド樹脂による長期耐候性塗料「オーデパワー」も住宅外装建材市場で確実に実績を挙げております。グローバル化が進む家電業界の輸出に関するRoHS指令対策用としては、重金属削減塗料「エコ」シリーズを展開し、従来、微量不純物として含まれていた鉛などの規制対象元素の分析結果を提出して、安心してお使いいただける塗料として好評を博しております。 プレコート用塗料については顧客ニーズにいち早く対応すべく、環境配慮型クロメートフリー塗料の研究開発を推進しております。汎用塗料においては、高付加価値商品や環境配慮型商品の開発に注力してまいりました。建設塗料分野では、高い仕上がり感と耐候性が特長の住宅塗替え用塗料「パーフェクト」シリーズのラインナップとして、新たに塗料の付着が難しい高意匠サイディングボードにも適用可能な「ニッペ水性パーフェクトシーラー(透明・ホワイト)」、さまざまな屋根素材の塗り替えに対応可能な、弱溶剤1液タイプの窯業系屋根用下塗り材「ニッペファインパーフェクトベスト強化シーラー」を上市しました。「外壁・付帯部・屋根・内装からベランダ・屋上までまるごとパーフェクトシリーズ」のコンセプトが好評を得て、順調に拡大しております。鉄構・コンクリート塗料分野では、国立研究開発法人 土木研究所との共同開発にて、コンクリート構造物の保護と視認性による維持管理を両立させる厚膜柔軟形特殊クリヤー被覆工法「タフガードクリヤー工法」が市場から高い評価を頂いておりますが、さらに鋼道路橋塗装便覧CC-B仕様に対応可能な「タフガードクリヤー工法 CC-B品質規定合格仕様」を上市しました。自動車補修用塗料においては、e3(EASY×EXCITING×ECOLOGY = e3(イーキューブ))コンセプトを開発方針とし、粘性制御技術を駆使した次世代型水性「nax e3 WB」を市場導入し高い評価を頂いております。また、大型車両や架装車両などの大面積塗装向けの2液ウレタン樹脂塗料「nax ネオウレタン エコ」のラインナップに「nax ネオウレタン エコ(4:1)クリヤー」を追加しました。「nax ネオウレタン エコ」に採用している特殊ポリマーの機能をクリヤーに付与することで大面積を塗装するための作業性と高い仕上がりを実現しました。環境配慮型の2液ウレタン樹脂塗料として実績を拡大しており、今後とも高付加価値、環境配慮型商品の開発を進めてまいります。 船舶用塗料においては、海洋汚染の低減による地球環境保全、就航船の安全や燃費改善の機能を持つ塗料の開発に取り組んでまいりました。マグロの皮膚表面からヒントを得て開発された「LF-Sea」、そしてその上位モデルの「A-LF-Sea」は、従来の防汚剤を使用した船底防汚塗料に比べ10%の燃費低減を目指し、2013年の市場導入以来、採用実績は2,200隻を越えました。さらに、2017年10月より船底防汚塗料「アクアテラス」を上市いたしました。同塗料は防汚剤フリー、自己研磨型の世界初の技術を持つ塗料で、環境負荷低減にこれまでになく大きく寄与いたします。開発にあたっては、血小板の固着を防ぐ人工血管の構造をヒントにし、海洋生物の付着を抑制する技術の製品化に成功しております。ファインケミカルにおいては、金属表面処理剤で市場のニーズが高まっている機能性表面処理技術、及び環境配慮型技術を中心とした開発と製品の市場導入を進めております。熱交換器用では高機能親水化処理剤を開発し、国内外での採用の実績が拡大しております。亜鉛メッキ鋼板用ではノンクロム型処理剤を開発し、建材分野に導入が順調に進展しております。また、自動車分野や工業用分野に関しては、燐酸や有害な重金属を含まずスラッジが大幅に低減できる新化成処理剤システムを開発し、市場導入実績も順調に拡大しております。当地域における研究開発費用は58億57百万円であります。 (2) アジア当地域では、NIPSEA各社の技術拠点と共同で自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料などの研究開発活動を行っております。 自動車用塗料においては、中国、東南アジア各国で現地法人との協業を推進するとともに環境配慮型水性塗料を拡大展開しており、市場での認知も進んでおります。同時に、各国での現地生産も進んでおり、地産地消の方針のもと現地生産比率の向上にも取り組んでおります。また、東南アジアで需要が高い二輪向け塗料については、現地ニーズに対応した商品開発が現地主体で完了し、すでに供給が始まっております。インドにおいては、新たな体制で取組みを始め、シェア拡大に向けて現地体制の強化を進めております。 工業用塗料においては、日本で培った環境配慮型商品の技術を軸にNIPSEA各社と連携し、VOC(揮発性有機化合物)の含有量を従来型塗料に比べ低減させる水性塗料やハイソリッド塗料など、現地の市場ニーズに適応した商品開発による事業領域の拡大を進めております。 汎用塗料においては、主力である住宅内装用塗料において、居住者の安全性・快適性の向上に重点を置き、VOC(揮発性有機化合物)を含まない塗料や施工時の作業性を向上させる塗装用具(刷毛、ローラー)の開発を進めております。 自動車補修用塗料では、国内展開と同時に次世代型水性塗料「nax e3 WB」の評価が完了し、積極的に市場展開を進めています。 当地域における研究開発費用は92億16百万円であります。 (3) 米州当地域では、自動車用塗料を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料においては、高機能付加価値塗料の展開が進んでおります。高い要求品質に応えられる現地支援体制を整え安定供給に努めております。また、建築用塗料についても、現地の市場ニーズに合った商品開発活動を進めております。当地域における研究開発費用は9億22百万円であります。 (4) その他当地域では、自動車用塗料を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料においては、欧州系自動車メーカーに対して現地で生産された電着塗料の供給及び拡大が進んでおります。従来の日系顧客だけでない新たな顧客として、更なる商品拡大に繋げる活動を引き続き進めております。当地域における研究開発費用は10億円であります。 今後も引き続き、日本での研究開発で培った技術を各国へ展開し、グローバル市場に向けての技術開発・商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。
FY2017|3,939 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、経営理念として以下を掲げております。 ・Mission わたしたちは、塗料とコーティング技術の持つ力を高めることで、生活に彩と快適さ、安心を提供します。 ・Vision わたしたちは、熱意と覚悟を持った者が集う活気あふれる風土の下、塗料をコアとした、優れたスペシャリティ ケミカル製品とサービスを通じた新たな価値を創造し続け、リーディングポジションを勝ち取ります。 この理念のもと、「顧客付加価値の創造」、「環境配慮型商品の開発」はもとより「新たな需要創出のための調査及び技術活動」、「安価製造のための技術開発」さらには「海外展開を見据えた技術活動」を使命と考え研究開発を推進しております。 当社グループは、各分野において最適化した独自の研究開発・商品開発を行うとともに、技術共有、情報交換など互いに連携を強化することにより、グループ全体としての効率性を高めながら活動をしております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は148億14百万円であり連結売上高に占める割合は2.4%です。主な研究開発活動の概要及び成果は次のとおりであります。 (1) 日本当地域では、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルを中心に研究開発活動を行っております。 自動車用塗料においては、お客様により嬉しさを感じて頂ける塗膜価値を提供することを命題に、機能性や意匠価値を付与した高付加価値商品の市場導入を進めております。機能面では、耐擦り傷性を付与したクリヤー塗膜や、世界で初めて遮熱機能を有した塗膜を自動車ボディに採用頂いております。意匠面では、D-LOG(自動車の内外装の意匠価値を高めていく新色開発活動)を通じて、マットクリヤーや積層塗膜プレミアムカラーの多色拡大など、従来にない意匠価値を新たに提供しております。環境面では工場から排出されるCO2削減に取り組んだ中上塗料や、将来に向けた新規防錆システムの開発を促進しております。高機能、新規意匠、新工程システム、環境配慮を軸に、将来に向けた材料開発を実施しております。 工業用塗料においては、VOC(揮発性有機化合物)排出削減などの環境規制の強化が進む国内外の社会情勢のもと、水性塗料・粉体塗料・ハイソリッド塗料などの環境配慮型商品での当社戦略が成果を発揮しております。粉体塗料では、特殊ボンディング技術を基本としたメタリック粉体塗料「多彩ビリューシアメタフィール」、ヤニ低減低温硬化型粉体塗料「ビリューシアエコレア」、粉体調色システム「ビリューシアアルティーカラー」などが拡大に寄与いたしました。水性塗料では顔料の沈降を抑え、沈降防止に必要な攪拌の為の電力エネルギー量を大幅に削減できる省エネ電着塗料「パワーフロート」が順調に市場展開しております。また、1回塗りで厚膜化を可能とする省工程タイプの特化則対応1液速乾万能型下塗り塗料「パワーバインドTK」を発売し好評を博しております。低汚染化剤「オーデナノガード」や無機有機ハイブリッド樹脂による長期耐候性塗料「オーデパワー」も住宅外装建材市場で確実に実績を挙げております。グローバル化が進む家電業界の輸出に関するRoHS指令対策用としては、重金属削減塗料「エコ」シリーズを展開し、従来、微量不純物として含まれていた鉛などの規制対象元素の分析結果を提出して、安心してお使いいただける塗料として好評を博しております。 プレコート用塗料については顧客ニーズにいち早く対応すべく、環境配慮型クロメートフリー塗料の研究開発を推進しており、今後も地球に優しく付加価値の高い商品開発に邁進してまいります。 汎用塗料においては、高付加価値商品や環境配慮型商品の開発に注力してまいりました。建設塗料分野では、高い仕上がり感と耐候性が特長の住宅塗替え用塗料「パーフェクト」シリーズのラインナップとして、新たに超高耐候超低汚染無機系塗料「ニッペ パーフェクトセラミックトップG」、室内用高機能(超低臭・消臭・抗菌・抗ウイルス)塗料「ニッペ パーフェクトインテリアエアークリーン」を上市しました。「外壁・付帯部・屋根・内装からベランダ・屋上までまるごとパーフェクトシリーズ」のコンセプトが好評を得て、順調に拡大しております。鉄構・コンクリート塗料分野では、トンネル等の覆工コンクリートにおいて通行する車両の安全性を守るために、万一の覆工コンクリート片のはく落事象への対策が進められる中で、小片を超えるはく落対策用として「タフガードスマートCFクロス工法」の仕様を確立しました。これにより、「タフガードスマートSPメッシュ工法」と併せてシステムとしてトンネルのはく落対策を全面的に対応することが可能となりました。 自動車補修用塗料においては、e3(EASY×EXCITING×ECOLOGY = e3(イーキューブ))コンセプトを開発方針とし、粘性制御技術を駆使した次世代型水性「nax e3 WB」を市場導入し高い評価を頂いております。また、大型車両や架装車両などの大面積塗装向けの2液ウレタン樹脂塗料「nax ネオウレタン エコ」を上市しました。新たに開発した特殊ポリマーの機能が大面積を塗装するための作業性と高い仕上がりを実現し、環境配慮型の2液ウレタン樹脂塗料として実績を拡大しており、今後とも高付加価値、環境配慮型商品の開発を進めてまいります。 船舶用塗料においては、海洋汚染の低減による地球環境保全、就航船の安全や燃費改善の機能を持つ塗料の開発に取り組んでまいりました。マグロの皮膚表面からヒントを得て開発された「LF-Sea」、そしてその上位モデルの「A-LF-Sea」は、従来の防汚剤を使用した船底防汚塗料に比べ10%の燃費低減を目指し、2013年の市場導入以来、ご採用実績は2,200隻を越えました。さらに、2017年10月より船底防汚塗料「アクアテラス」を上市いたしました。同塗料は防汚剤フリー、自己研磨型の世界初の技術を持つ塗料で、環境負荷低減にこれまでになく大きく寄与いたします。開発にあたっては、血小板の固着を防ぐ人工血管の構造をヒントにし、海洋生物の付着を抑制する技術の製品化に成功しております。 ファインケミカルにおいては、金属表面処理剤で市場のニーズが高まっている機能性表面処理技術、及び環境配慮型技術を中心とした開発と製品の市場導入を進めております。熱交換器用では高機能親水化処理剤を開発し、国内外での採用の実績が拡大しております。亜鉛メッキ鋼板用ではノンクロム型処理剤を開発し、建材分野に導入が順調に進展しております。また、自動車分野や工業用分野に関しては、燐酸や有害な重金属を含まずスラッジが大幅に低減できる新化成処理剤システムを開発し、市場導入実績も順調に拡大しております。当地域における研究開発費用は45億23百万円であります。 (2) アジア当地域では、NIPSEA各社の技術拠点と共同で自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料などの研究開発活動を行っております。 自動車用塗料においては、中国、東南アジア各国で現地法人との協業を推進するとともに環境配慮型水性塗料を拡大展開しており、市場での認知も進んでおります。同時に、各国での現地生産も進んでおり、地産地消の方針のもと現地生産比率向上にも取り組んでおります。また、東南アジアで需要が高い二輪向け塗料については、現地ニーズに対応した商品開発が現地主体で完了し、すでに供給が始まっております。インドにおいては、新たな体制で取組みを始め、シェア拡大に向けて現地強化を進めております。 工業用塗料においては、日本で培った環境配慮型商品の技術を軸にNIPSEA各社と連携し、VOC(揮発性有機化合物)の含有量を従来型塗料に比べ低減させる水生塗料やハイソリッド塗料など、現地のマーケット仕様に適応した商品開発による事業領域の拡大を進めております。 汎用塗料においては、主力である住宅内装用塗料において、居住者の安全性・快適性の向上に重点を置き、VOC(揮発性有機化合物)を含まない塗料や施工時の作業性を向上させる塗装用具(刷毛、ローラー)の開発を進めております。 自動車補修用塗料では、国内展開と同時に次世代型水性塗料「nax e3 WB」の評価が完了し、今後積極的に市場展開を進めてまいります。 当地域における研究開発費用は83億75百万円であります。 (3) 米州当地域では、自動車用塗料を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料においては、高機能付加価値塗料の展開が進んでおります。高い要求品質に応えられる現地支援体制を整え安定供給に努めております。また、建築用塗料についても、現地の市場ニーズに合った商品開発活動を進めております。当地域における研究開発費用は8億4百万円であります。 (4) その他当地域では、自動車用塗料を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料においては、欧州系自動車メーカーに対して現地で生産された電着塗料の供給及び拡大が進んでおります。従来の日系顧客だけでない新たな顧客として、更なる商品拡大に繋げる活動を引き続き進めております。当地域における研究開発費用は11億10百万円であります。 今後も引き続き、日本での研究開発で培った技術を各国へ展開し、グローバル市場に向けての技術開発・商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。
FY2016|4,224 文字
6 【研究開発活動】当社グループは、経営ビジョンとして以下の3点を掲げております。・我々は、塗料をコアに、優れたスペシャリティケミカル製品とサービスを提供し、お客様に満足と感動を届けます・我々は、世界各地域の文化と人々の価値観を尊重し、グローバルに成長します・我々は、果敢にチャレンジする人材が集まり、いきいきと働ける企業風土を追求します このビジョンのもと、「顧客付加価値の創造」、「環境配慮型商品の開発」はもとより「新たな需要創出のための調査及び技術活動」、「安価製造のための技術開発」さらには「海外展開を見据えた技術活動」を第一の使命と考えて研究開発を推進しております。当社グループは、各分野において最適化した独自の研究開発・商品開発を行っていると同時に、技術共有、情報交換など互いに連携を強化することにより、グループ全体としての効率性を、常に高め活動しています。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は120億37百万円であり連結売上高に占める割合は2.6%です。主な研究開発活動の概要及び成果は次のとおりであります。 (1) 日本当地域では、自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料・船舶用塗料・ファインケミカルを中心に研究開発活動を行っております。 自動車用塗料においては、お客様により嬉しさを感じて頂ける塗膜価値を提供することを命題に、機能性や意匠価値を付与した高付加価値商品の市場導入を進めております。機能面では、耐擦り傷性を付与したクリヤー塗膜や、世界で初めて遮熱機能を有した塗膜を自動車ボディに採用頂いております。意匠面では、D-LOG(自動車の内外装の意匠価値を高めていく新色開発活動)を通じて、マットクリヤーや積層塗膜プレミアムカラーの多色拡大など、従来にない意匠価値を新たに提供しております。環境面では工場から排出されるCO2削減に取り組んだ中上塗料や、将来に向けた新規防錆システムの開発を促進しております。高機能、新規意匠、新工程システム、環境配慮を軸に、将来に向けた材料開発を実施しております。 工業用塗料においては、VOC(揮発性有機化合物)排出削減などの環境規制の強化が進む国内外の社会情勢のもと、水性塗料・粉体塗料・ハイソリッド塗料などの環境配慮型商品での当社戦略が成果を発揮しております。粉体塗料では、特殊ボンディング技術を基本としたメタリック粉体塗料「多彩ビリューシアメタフィール」、ヤニ低減低温硬化型粉体塗料「ビリューシアエコレア」、粉体調色システム「ビリューシアアルティーカラー」などが拡大に寄与いたしました。水性塗料では顔料の沈降を抑え、沈降防止に必要な攪拌の為の電力エネルギー量を大幅に削減できる省エネ電着塗料「パワーフロート」が順調に市場展開しております。また、1回塗りで厚膜化を可能とする省工程タイプの1液速乾万能型下塗り塗料「パワーバインドアルファ」、さらに特化則に対応した「パワーバインドTK」を発売し好評を得ております。低汚染化剤「オーデナノガード」や無機有機ハイブリッド樹脂による長期耐候性塗料「オーデパワー」も住宅外装建材市場で確実に実績を挙げております。グローバル化が進む家電業界の輸出に関するRoHS指令対策用としては、重金属削減塗料「エコ」シリーズを展開し、従来、微量不純物として含まれていた鉛などの規制対象元素の分析結果を提出して、安心してお使いいただける塗料として好評を博しております。 プレコート用塗料については顧客ニーズにいち早く対応すべく、環境配慮型クロメートフリー塗料の研究開発を推進しており、今後とも地球に優しく付加価値の高い商品開発に邁進していきます。 汎用塗料においては、高付加価値商品や環境配慮型商品の開発に注力してまいりました。建設塗料分野では、高い仕上がり感と耐候性が特長の住宅塗替え用塗料「パーフェクト」シリーズのラインナップとして、新たにベランダ・屋上用塗膜防水材「ニッペ パーフェクトプルーフ」、屋根用水性遮熱塗料「ニッペ パーフェクトクーラー」を上市しました。「外壁・付帯部・屋根・内装からベランダ・屋上までまるごとパーフェクトシリーズ」のコンセプトが好評を得て、順調に拡大しております。また、「パーフェクトシリーズ」ブランドの内装用シリーズとして、クロスにはない独創的な意匠性、健康・快適な室内空間創出に貢献する塗膜機能を付与した「ニッペ パーフェクトインテリアシリーズ」を上市しました。鉄構・コンクリート塗料分野では、国立研究開発法人 土木研究所との共同開発にて、コンクリート構造物の保護と視認性による維持管理を両立させる厚膜柔軟形特殊クリヤー被覆工法「タフガードクリヤー工法」を業界で初めて上市し、新たな製品として市場より高い評価を頂いております。また、橋梁やプラントなどの重防食領域向けとして、下塗りから上塗りまでのオール水性化に業界で初めて成功した「ニッペ水性防食システム」の品揃えとして防食下地の水性有機ジンクリッチペイント「水性ジンキー8000HB」を上市し、市場より高い評価を頂き、実績を拡大しております。 自動車補修用塗料においては、e3(EASY×EXCITING×ECOLOGY = e3(イーキューブ))コンセプトを開発方針とし、粘性制御技術を駆使した次世代型水性「nax e3 WB」、仕上がり外観を重視した環境配慮型クリヤー「nax e3 GLクリヤー」を市場導入し高い評価を頂いております。また、きめ細かで平滑性の高い仕上がりを実現する「Flat & Smoothテクノロジー」を搭載し、特化則やPRTR制度に対応した「naxマルチエコ(3:1)FSクリヤー」を上市しました。今後とも、高付加価値、環境配慮型商品の開発を進めてまいります。 船舶用塗料においては、イルカの皮膚やマグロの表面状態からヒントを得て、塗装表面の摩擦抵抗を低減できるニューテクノロジー防汚塗料「LF-Sea」を開発し、日本ペイントマリン(株)より販売しております。実際の船舶での実験で、現在の一般的な自己研磨型船底塗料よりさらに数%の燃費低減効果があることが確認できており、世界中で注目を集めておりますが、さらに10%の燃費低減を目指した「A-LF-Sea」を2013年4月から市場導入しました。「A-LF-Sea」および「LF-Sea」の採用拡大とともに、環境保全、就航船の燃費低減に寄与しています。 ファインケミカルにおいては、金属表面処理剤で市場のニーズが高まっている機能性表面処理技術、及び環境配慮型技術を中心とした開発と製品の市場導入を進めております。熱交換器用では高機能親水化処理剤を開発し、国内外での採用の実績が拡大しております。亜鉛メッキ鋼板用ではノンクロム型処理剤を開発し、建材分野に導入が順調に進展しております。また、自動車分野や工業用分野に関しては、燐酸や有害な重金属を含まずスラッジが大幅に低減できる新化成処理剤システムを開発し、市場導入実績も順調に拡大しております。塗料技術をベースにした機能性コーティング材料においては、新規凹凸形成技術や表面に耐指紋性を付与する技術を中心とした光学フィルム向けのコーティング材料を開発し、国内での採用の実績が拡大しております。さらに、環境・エネルギー分野を対象に、環境保全と資源エネルギー消費量低減に貢献する新たな機能性コーティング材料の市場導入にも取り組んでおります。 当地域における研究開発費用は35億2百万円であります。 (2) アジア当地域では、NIPSEA各社の技術拠点と共同で自動車用塗料・工業用塗料・汎用塗料・自動車補修用塗料などの研究開発活動を行っております。 自動車用塗料においては、中国、東南アジア各国で現地法人との協業を推進するとともに環境配慮型水性塗料を拡大展開しており、市場での認知も進んでおります。同時に、各国での現地生産も進んでおり、地産地消の方針のもと現地生産比率向上にも取り組んでおります。また、東南アジアで需要が高い二輪向け塗料については、現地ニーズに対応した商品開発が現地主体で完了し、すでに供給が始まっております。インドにおいては、新たな体制で取組みを始め、シェア拡大に向けて現地強化を進めております。 工業用塗料においては、日本で培った環境配慮型商品の技術を軸にNIPSEA各社と連携し、現地のマーケット仕様に適応した商品開発(水性塗料、電着塗料、およびUV硬化型塗料等)による事業領域の拡大を進めてまいります。 汎用塗料においては、主力である住宅内装用塗料において、居住者の安全性・快適性の向上に重点を置き、VOC(揮発性有機化合物)を含まない塗料や防虫塗料、抗ウィルス塗料などの開発を行なっております。また、施工時の作業性を向上させる塗装用具(刷毛、ローラー)の開発を進めております。 自動車補修用塗料では、国内展開と同時に次世代型水性塗料「nax e3 WB」の評価が完了し今後積極的に市場展開を進めてまいります。また中国においては自社製樹脂の設計・生産技術を確立し、現地のコストニーズに見合った商品をタイムリーに提供できる体制を整え、既に生産を開始しております。 当地域における研究開発費用は75億84百万円であります。 (3) 米州当地域では、自動車用塗料を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料においては、高機能付加価値塗料の展開が進んでおります。高い要求品質に応えられる現地支援体制を整え安定供給に努めております。当地域における研究開発費用は3億50百万円であります。 (4) その他当地域では、自動車用塗料を中心に研究開発活動を行っております。自動車用塗料においては、欧州系自動車メーカーに対して現地で生産された電着塗料の供給及び拡大が進んでおります。従来の日系顧客だけでない新たな顧客として、更なる商品拡大に繋げる活動を引き続き進めております。当地域における研究開発費用は5億99百万円であります。 今後も引き続き、日本での研究開発で培った技術を各国へ展開し、グローバル市場に向けての技術開発・商品開発に取り組むとともに、さらなる製造コストの低減、安定した品質の確保に取り組んでまいります。