事業の概要
- 体外診断用医薬品の開発・製造・販売ミズホメディーは、主に病気の診断に使われる体外診断用医薬品の研究開発、製造、販売を一貫して行っています。特許取得を目指した独自の研究や産学官連携での研究開発を進め、高品質な製品を医療現場に提供しています。これにより、患者さんの健康状態や病気の有無、治療の経過などを診断する手助けをしています。
- 自社一貫体制と品質管理企画開発から製造、販売までを自社で行う一貫体制を構築しており、ISO13485という国際的な品質管理基準に沿って運営されています。経験豊富なスタッフが各工程に配置され、医療現場のニーズに応じた優れた品質の製品を安定的に供給し、アフターフォローも充実させています。この体制により、製品の信頼性を高め、顧客満足度を維持しています。
- 市場分野別の製品提供事業は「病院・開業医分野」と「OTC・その他分野」に分かれています。病院・開業医分野では、医療機関向けに感染症免疫学的検査薬や遺伝子検査薬を製造販売し、特にインフルエンザや新型コロナウイルスなどの迅速検査薬が主力です。OTC・その他分野では、一般消費者が自分で検査できる一般用医薬品(妊娠検査薬など)を薬局・薬店に販売しており、幅広いニーズに対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 体外診断用医薬品事業の単一セグメントミズホメディーは、体外診断用医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しており、セグメント別の詳細な記載は省略されています。これは、事業全体が体外診断用医薬品の製造・販売に特化していることを示しています。そのため、企業全体の業績がこの事業の動向に直接的に影響されます。
- 病院・開業医向け市場この分野では、国内外の医療機関向けに、患者の健康状態や疾患の有無、治療経過などを診断するための感染症免疫学的検査薬を主に製造販売しています。特に、インフルエンザウイルスやアデノウイルス、新型コロナウイルスなどの迅速抗原検査薬が主力製品であり、2018年10月からは微生物を対象とした遺伝子検査薬も手掛けています。中小病院や開業医での需要が高く、市場拡大に貢献しています。
- 一般消費者向けおよびその他市場OTC(Over The Counter)分野では、一般消費者の自己検査用として厚生労働省の承認を得た一般用医薬品(妊娠検査薬など)を薬局・薬店に販売しています。その他、農業試験場向けに農作物のウイルス病を検出するための果樹ウイルス検査薬も提供しており、感染症免疫学的検査薬の技術を応用して事業領域を広げています。これにより、医療分野だけでなく、幅広い分野での診断ニーズに対応しています。
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3 【事業の内容】(1) 事業の特徴当社は、主に体外診断用医薬品に関して、特許権利取得を視野に独自の研究開発及び産学官共同研究を実施するとともに、ISO13485品質マネジメントを骨格とした企画開発、製造、販売組織による自社一貫体制を構築し、各組織において有能で経験豊富なスタッフを配備のうえ事業活動を行っております。また、これらのプロセスを一連の業務執行会議のもと遂行することで、医療現場のニーズに対して優れた品質の製品を提供するとともに、万全のアフターフォローでお客様への安定供給を行っております。なお、当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、市場分野の区分は「病院・開業医分野」「OTC・その他分野」としております。病院・開業医分野では、国内外の医療機関向けに患者の健康状態、疾患の有無、治療の経過等を診断するための感染症免疫学的検査薬※1を主に製造販売しており、2018年10月からは新たに微生物を対象とした遺伝子検査薬※2及び専用装置の製造販売を開始しております。OTC・その他分野では、主に一般消費者の自己検査として厚生労働省の承認を得ている一般用医薬品※3を薬局・薬店へ販売しております。その他には、農作物の苗木などのウイルス病を見つけるため、感染症免疫学的検査薬の技術を応用した果樹ウイルス検査薬を農業試験場等へ販売しております。 (2) 主な製品① 病院・開業医分野医療機関において使用されている体外診断用医薬品は、初診時、入院時のスクリーニング検査、疾患の確定診断、モニタリング、健康診断、院内感染防御などに用いられており、多くの場合、大学や大病院の検査室・検査センターにおいては大量の検体が検査され、中小病院や開業医においては患者に近い医療現場で検体ごとに検査が実施されております。体外診断用医薬品は、診断分野の面から主に、生化学的検査薬、免疫学的検査薬(血清検査薬、呼吸器系感染症検査薬、消化器系尿糞便等検査薬)、微生物学的検査薬、遺伝子検査薬、血液学的検査薬や病理学的検査薬などの検査薬に分類されます。当社の主力製品は、設立時は生化学的検査薬でしたが(2023年に製造販売を終了)、現在は診断分野の中でも最も市場規模が大きい感染症免疫学的検査薬となっております。感染症免疫学的検査薬の中でも、POCTとして患者に近い医療現場で使用されるインフルエンザウイルスやアデノウイルス※4などの迅速抗原検査薬は、中小病院や開業医を中心に市場が拡大し、新型コロナウイルスの発生によりさらに需要が増大しており、迅速で簡易な検査技術であるイムノクロマト法を用いた製品を数多く品揃えして販売しております。これに加え、感染症の確定診断となる遺伝子検査において、当社独自の検出技術により1ステップで測定可能とした遺伝子POCT検査システム機器・試薬を開発し、2018年10月よりマイコプラズマ・ニューモニエ遺伝子を簡易・迅速に検出するキットの販売を開始し、2020年8月には新たに流行し始めた新型コロナウイルス遺伝子を1時間程度で検出可能なキットの販売を開始いたしました。 イ.感染症免疫学的検査薬POCT当社は、それまで妊娠検査薬など尿中ホルモンの分野でしか用いられていなかったイムノクロマト法を、国内で初めて感染症の検査薬に応用し、血中ウイルス検査薬としてB型肝炎ウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー HBsAg」を製品化いたしました。本製品は、テストプレートのみで1検体ずつ簡易迅速に判定が行えることから、専用検査機器を所有していない中小医療機関に広く普及いたしました。その後も、感染症分野での製品開発に継続して取り組んでおり、血中ウイルス検査薬として、C型肝炎や梅毒の検査薬の製品化を実現いたしました。現在主力となっている呼吸器感染症検査薬としては、鼻咽頭分泌液を検査対象としたインフルエンザウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー Flu A,B」、アデノウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー Adeno」、A群β溶血連鎖球菌検出用キット「クイックチェイサー Strep A※5」、マイコプラズマ抗原検出用キット「クイックチェイサー Myco」、その他RSウイルスやヒトメタニューモウイルスを検査項目とした検査キット等を続々と製品化し、新型コロナウイルスの感染拡大期においては、検査体制の拡充に貢献するべく、新型コロナウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー SARS-CoV-2」、新型コロナウイルス抗原及びインフルエンザウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー SARS-CoV-2/Flu(Flu A,B)」の製品化を実現いたしました。 また、消化器感染症検査薬として、ヘリコバクター・ピロリ抗原検出用キット「クイックチェイサー H.ピロリ」、クロストリジウム(クロストリディオイデス)ディフィシル抗原検出用キット「クイックチェイサー CD GDH/TOX」、その他ノロウイルスやロタウイルスを検査項目とした検査キット等の製品化を実現し、簡易迅速検査キットであるクイックチェイサーシリーズとして、品揃えを充実させております。2021年4月、これら簡易迅速検査キットについて、小型で持ち運びのできる機器の使用により機能の強化を図った、デンシトメトリー分析装置「スマート QC リーダー」を発売し、本装置の適応キットを順次拡大いたしました。本装置は、検査結果を自動で判定し、その結果をモニター表示及びプリントアウトするため、測定環境や判定者に依存しない客観的かつ安定した診断結果の提供が可能となります。 このほか、富士フイルム株式会社との共同開発により、競合するPOCT検査薬企業に先駆けて、銀増幅イムノクロマト法を用いた機器試薬システム※6の製品化を実現いたしました。当該機器試薬システムは、感染症診断では最も重要な性能である高感度を実現しているため、感染初期においても判定が可能であり、また、自動検出と判定結果のプリントアウト機能を備えているため、迅速かつ客観的な判定が可能なものとなっております。このシステムの機器として「クイックチェイサー Immuno Reader」及びその後継機である「クイックチェイサーImmuno ReaderⅡ」を販売しており、試薬はクイックチェイサーAutoシリーズとして、呼吸器感染症を中心に、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、A群β溶血連鎖球菌、RSウイルス及びマイコプラズマ・ニューモニエを検査項目とした検査キットを続々と販売開始しております。新型コロナウイルスの感染拡大期においては、検査体制の拡充に貢献するべく、より高感度かつ客観的な判定結果が得られる、新型コロナウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2」、新型コロナウイルス及びインフルエンザウイルス抗原検出用キット「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu(Flu A,B)」を製品化し、さらに品揃えが充実いたしました。なお、本システムに用いる機器は富士フイルム株式会社から当社へ供給され、試薬は当社から富士フイルム株式会社へ供給されており、機器試薬システムとしてそれぞれのブランドで販売されております。 ロ.尿糞便等検査薬尿糞便等検査薬は、一般検査では尿中のタンパクや糖、大腸がん検診では便中のヘモグロビン(下部消化管出血マーカー)を検出する検査などに用いられています。当社は、消化器内科向けに、便中のヘモグロビンとトランスフェリン(上部消化管出血マーカー)を同時に検出する当社独自の迅速検査薬「クイックチェイサー 便潜血」を販売しております。また、産婦人科向けに、尿中hCGを迅速に測定する妊娠検査薬「HCG クイックチェッカー Dip」や、当社の特許技術により妊娠しやすい排卵時期を予測する排卵日検査薬「LHクイックチェッカー・S」を販売しております。 ハ.遺伝子検査薬POCT遺伝子検査薬は、感染症における適切な抗菌薬の選択を目的として原因微生物の検出や薬剤耐性の鑑別に用いられています。これまでの微生物検査では、採取した検体を数日間分離培養し原因微生物を同定する検査、また、薬剤耐性の鑑別には培養後のコロニーを用いて各種薬剤が実際に抗菌作用を示すかを検査する感受性試験が主流でした。しかし、これら増菌培養を要する方法は、菌が増殖するまでに数日の期間を要することや、培養や菌の同定には技術や知識・経験を要することから、微生物検査専門の設備や技師による検査が必要でした。感染症に対する治療は、早期に適切な抗菌薬を投与する必要があることからも、より迅速かつ確実に診療の場で原因微生物を捕えることができるPOCT遺伝子検査が注目されております。さらに、近年の技術革新により抗菌薬に対する遺伝子の耐性変異を検出することが可能となることから、抗菌薬の選定に貢献することも期待されています。 このようななか、当社は、かねてより研究開発に取り組んでおりました遺伝子POCT検査の国内製造販売承認を2018年2月に取得し、同年10月に遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」及びマイコプラズマ核酸キット「スマートジーン Myco」の発売を開始いたしました。2020年8月には、感染拡大が続いていた新型コロナウイルス感染症の検査体制の拡充に寄与し感染拡大防止に貢献するべく、早期開発に取り組み、公的医療保険適用の研究用試薬として、新型コロナウイルス遺伝子POCT検査用キット「スマートジーン 新型コロナウイルス検出試薬」の発売を開始いたしました。2021年4月、体外診断用医薬品として許認可を取得した「スマートジーン SARS-CoV-2」の販売へ切り替えております。このほか、スマートジーンシリーズの新たな検査項目として、2022年1月、インフルエンザウイルス核酸キット「スマートジーン Flu A,B」、同年2月、クロストリジウム・ディフィシル核酸キット「スマートジーン CD トキシンB」の発売を開始いたしました。また、2021年12月に製造販売承認を取得したヘリコバクター・ピロリ核酸キット「スマートジーン H.pylori G」については、2022年11月に国内で初めて「ヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出」として新たに保険収載され、同年12月に発売開始いたしました。本装置及びこれらのキットは、当社独自の遺伝子抽出技術とPCR増幅産物をリアルタイムに検出する技術を原理とし、小型の装置を用いて、遺伝子の抽出・増幅・検出の全ての工程を1つのカートリッジ内で1ステップかつ短時間(判定時間:30~60分)で行うことを可能とした、遺伝子POCT検査システムです。基幹病院のみならず開業医・診療所など患者に近い診療現場において、簡易迅速かつ高感度に実施することができるため、早期の確定診断が可能となり、投薬や治療方針の決定、院内感染の予防等に大いに貢献するものと期待しております。今後も、本装置を用いる各種感染症検査キットの開発に取り組み、スマートジーンシリーズとして検査項目のさらなる充実を図ってまいります。 ② OTC・その他分野一般用医薬品として薬局・薬店で販売されているOTC検査薬は、ドラッグストアでの販売が始まった2003年頃から市場規模が拡大し、特に妊娠検査薬は妊娠の早期判定の補助として広く普及しております。また、妊娠しやすい時期がわかる排卵日検査薬とともに、全国の薬局・薬店、ドラッグストア等に販売しており、昨今の少子化対策に貢献しております。 イ.一般用医薬品当社は、1992年に一般用医薬品としての販売が解禁されると同時に妊娠検査薬の製造を開始し、製薬メーカーを通じて全国の薬局・薬店への販売を開始しました。その後、1997年に、当社から直接全国の薬局・薬店への販売を開始し、現在では、妊娠検査薬「P-チェック・S」を自社ブランド製品として販売するとともに、チェーン展開を行うドラッグストアのプライベートブランド製品としても「S-チェッカー※7」や「プレセルフ※8」などの製品名で販売しております。排卵日検査薬については、政府による規制緩和方針に基づき、2016年に一般用検査薬としての承認申請及び審査体制が構築され、当社は、同年に製造販売承認を取得いたしました。現在では、OTC市場において販売提携を行ったアリナミン製薬株式会社(旧社名 武田コンシューマーヘルスケア株式会社)を通じて、排卵日予測検査薬「ハイテスター※9H」及び妊娠検査薬「ハイテスターN」を「ハイテスター」シリーズとして販売しております。 ロ.薬局における排卵日検査薬薬局でのみ取り扱うことができる排卵日検査薬「P-チェック・LH」につきましても、引き続き販売を継続しております。 当社の病院・開業医分野における主な製品は、以下のとおりであります。製品名一般的名称使用目的クイックチェイサー Flu A,Bインフルエンザウイルスキット鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液又は鼻汁鼻かみ液中のインフルエンザAウイルス抗原及びインフルエンザBウイルス抗原の検出(インフルエンザウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサー Adenoアデノウイルスキット咽頭粘膜上皮細胞、鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液又は角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原の検出(アデノウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサーAdeno 眼アデノウイルスキット結膜滲出液を含む涙液、又は角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原の検出(アデノウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサー Strep AA群ベータ溶血連鎖球菌抗原キット咽頭検体中のA群β溶血連鎖球菌抗原の検出(A群連鎖球菌感染の診断の補助)クイックチェイサー 肺炎球菌/レジオネラ脳脊髄膜炎起炎菌莢膜多糖抗原キット・レジオネラキット尿中又は髄液中の肺炎球菌莢膜抗原の検出(肺炎球菌感染の診断の補助)尿中のレジオネラニューモフィラ血清型1LPS抗原の検出(レジオネラ症の診断の補助)クイックチェイサー RSV/hMPVRSウイルスキット・ヒトメタニューモウイルスキット鼻腔ぬぐい液又は鼻腔吸引液中のRSウイルス抗原の検出(RSウイルス感染の診断の補助)鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液又は咽頭ぬぐい液中のヒトメタニューモウイルス抗原の検出(ヒトメタニューモウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサー Mycoマイコプラズマ抗原キット咽頭ぬぐい液中のマイコプラズマ・ニューモニエ抗原の検出(マイコプラズマ感染の診断の補助)クイックチェイサーSARS-CoV-2SARSコロナウイルス抗原キット鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原の検出(SARS-CoV-2感染の診断の補助)クイックチェイサー SARS-CoV-2/Flu(Flu A,B)SARSコロナウイルス抗原キット・インフルエンザウイルスキット鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原,A型インフルエンザウイルス抗原及びB型インフルエンザウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はインフルエンザウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサーSARS-CoV-2/RSVSARSコロナウイルス抗原キット・RSウイルスキット鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原及びRSウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はRSウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサー AutoFlu A,Bインフルエンザウイルスキット鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液、咽頭ぬぐい液又は鼻汁鼻かみ液中のインフルエンザAウイルス抗原及びインフルエンザBウイルス抗原の検出(インフルエンザウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサー AutoAdenoアデノウイルスキット咽頭粘膜上皮細胞又は角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原の検出(アデノウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサー AutoAdeno 眼アデノウイルスキット結膜滲出液を含む涙液、又は角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原の検出(アデノウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサー AutoStrep AA群ベータ溶血連鎖球菌抗原キット咽頭検体中のA群β溶血連鎖球菌抗原の検出(A群連鎖球菌感染の診断の補助)クイックチェイサー AutoRSV/AdenoRSウイルスキットアデノウイルスキット鼻腔ぬぐい液、鼻腔吸引液又は咽頭ぬぐい液中のRSウイルス抗原及びアデノウイルス抗原の検出(RSウイルス感染及びアデノウイルス感染症の診断の補助)クイックチェイサー AutoMycoマイコプラズマ抗原キット咽頭ぬぐい液中のマイコプラズマ・ニューモニエ抗原の検出(マイコプラズマ感染の診断の補助)クイックチェイサー AutoSARS-CoV-2SARSコロナウイルス抗原キット鼻咽頭ぬぐい液、鼻腔ぬぐい液又は唾液中のSARS-CoV-2抗原の検出(SARS-CoV-2感染の診断の補助)クイックチェイサー AutoSARS-CoV-2/Flu(Flu A,B)SARSコロナウイルス抗原キット・インフルエンザウイルスキット鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のSARS-CoV-2抗原・A型インフルエンザウイルス抗原及びB型インフルエンザウイルス抗原の検出(SARS-CoV-2感染又はインフルエンザウイルス感染の診断の補助) 製品名一般的名称使用目的クイックチェイサー Noroノロウイルス抗原キット糞便中のノロウイルス抗原の検出(ノロウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサー Rota/Adenoロタウイルスキットアデノウイルスキット糞便中のロタウイルス抗原及びアデノウイルス抗原の検出(ロタウイルス感染及びアデノウイルス感染の診断の補助)クイックチェイサー 便潜血ヘモグロビン/トランスフェリンキット糞便中ヒトヘモグロビン、ヒトトランスフェリンの検出クイックチェイサーH.ピロリヘリコバクター・ピロリ抗原キット糞便中のヘリコバクター・ピロリ抗原の検出(ヘリコバクター・ピロリ感染の診断の補助)クイックチェイサーCD GDH/TOXクロストリジウムディフィシルキット糞便中のクロストリディオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル抗原及びトキシン(トキシンA及びトキシンB)の検出(クロストリディオイデス(クロストリジウム)・ディフィシル感染の診断の補助)スマートジーン Mycoマイコプラズマ核酸キット咽頭ぬぐい液中のマイコプラズマ・ニューモニエDNAの検出(マイコプラズマ感染の診断の補助)スマートジーン SARS-CoV-2SARSコロナウイルス核酸キット生体試料中のSARS-CoV-2 RNAの検出(SARS-CoV-2感染の診断の補助)スマートジーン Flu A,Bインフルエンザウイルス核酸キット鼻咽頭ぬぐい液又は鼻腔ぬぐい液中のA型及びB型インフルエンザウイルスRNAの検出(インフルエンザウイルス感染の診断の補助)スマートジーン CD トキシンBクロストリジウム・ディフィシル核酸キット糞便中のクロストリディオイデス・ディフィシル トキシンBのDNAの検出(クロストリディオイデス・ディフィシル感染の診断の補助)スマートジーンH.pylori Gヘリコバクターピロリ核酸キット胃内視鏡廃液中のヘリコバクター・ピロリDNA及び23S rRNA遺伝子ドメインV領域の変異の検出(ヘリコバクター・ピロリ感染及びクラリスロマイシン低感受性のヘリコバクター・ピロリ感染の診断補助)HCG クイックチェッカー Dipヒト絨毛性性腺刺激ホルモンキット尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の検出LH クイックチェッカー・S自己検査用黄体形成ホルモンキット尿中の黄体形成ホルモン(LH)の検出 当社のOTC・その他分野における主な製品は、以下のとおりであります。製品名一般的名称使用目的P-チェック・S一般用ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンキット尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の検出(妊娠の検査)P-チェック・LH自己検査用黄体形成ホルモンキット尿中の黄体形成ホルモン(LH)の検出ハイテスターN一般用ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンキット尿中のヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)の検出(妊娠の検査)ハイテスターH一般用黄体形成ホルモンキット尿中の黄体形成ホルモン(LH)の検出(排卵日予測の補助) (3) 当社の販売形態当社は体外診断用医薬品の原材料を国内外から仕入れ、当社で製造を行い、国内外の医薬品卸、代理店を通じて販売しております。当社の事業を事業系統図として示すと下記のとおりであります。 [事業系統図] [用語集]※1 免疫とは、外部から侵入してくる細菌やウイルスに対して体内が抵抗する働きのことで、この免疫反応が引き起こされると作られる抵抗物質が抗体です。感染症免疫学的検査薬は、この抗体を用いて細菌、ウイルスの有無や量を調べる検査薬で、インフルエンザやコロナウイルスをはじめ広くウイルスや細菌による感染症の診断に使用されます。※2 微生物を対象とした遺伝子検査薬とは、検体から検査対象となる微生物の遺伝子を増幅・検出することで感染微生物の特定や薬剤に対する耐性変異遺伝子の検出を自動化機器により実施する検査です。感染症を引き起こす微生物には、細菌,真菌やウイルスなどがあります。微生物の検査においては、原因微生物の推定には塗抹検査や培養が行われ、さらに培養後のコロニーを用いた同定検査と薬剤感受性検査にて微生物の菌名の確定と効能がある薬の選定が行われていますが、染色や培養した菌の観察など特殊な技能を有し、また培養や感受性試験については、1週間程度の時間を要します。遺伝子検査は当日中にそれらの結果が得られ、感染症の診断と治療を迅速に実施することができます。※3 一般用医薬品とは、「一般の人が、薬剤師などから提供された適切な情報に基づき、自らの判断で購入し、自らの責任で使用する医薬品であって、軽度な疾病に伴う症状の改善、生活習慣病などの疾病に伴う症状発現の予防、生活の質の改善・向上、健康状態の自己検査、健康の維持・増進、その他保健衛生を目的とするもの」と定義されています。十分な説明や情報を示した上で、消費者が自ら簡単な治療を行うというセルフメディケーションが推進されており、厚生労働省が認可を与えた医薬品のみ薬局やドラッグストアにおいて販売されています。※4 アデノウイルスとは、扁桃腺やリンパ節で増殖するウイルスです。アデノウイルスに感染すると、軽い風邪程度から重症の扁桃腺炎や肺炎を発症します。※5 Strep A(A群β溶血連鎖球菌)とは、のどや皮膚にみられる細菌です。一般に、咽頭炎や扁桃炎を発症し、気管支炎を起こすことも多い細菌です。※6 装置を用いて検査を行う試薬は、複数の機器メーカーが販売する汎用の装置に適用する検査薬と、専用の機器でのみ使用可能な検査薬に分類されます。機器試薬システムは後者をいい、1つのメーカーが装置と検査薬をセットで販売し、かつ、同じ装置に適用できる各種測定項目の検査薬を供給する販売形態です。※7 「S-チェッカー」は、ドラッグストアや薬局など営む法人または個人を加盟社として構成したチェーン組織である日本ドラッグチェーン会(株式会社ニッド)のプライベートブランド商品の名称です。※8 「プレセルフ」は、株式会社マツモトキヨシのプライベートブランド商品の名称です。※9 「ハイテスター」は、アリナミン製薬株式会社の登録商標です。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 医療制度改革や診療報酬改定により価格競争が激化しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 体外診断用医薬品の製造販売には、医薬品医療機器等法に基づく厳格な許認可が必要。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:特定製品(新型コロナ・インフルエンザ検査薬)への依存 / 品質問題の発生 / 原材料の調達困難
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
医薬品業界では特許や承認が競争優位の源泉となりうるが、ミズホメディーの現時点での主要製品やパイプラインにおいて、突出した無形資産の存在を示す公開情報は限定的である。将来的な新薬開発による特許取得が期待されるものの、現時点での評価は難しい。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
医療機器や医薬品は、一度採用されると、その有効性、安全性、コスト、トレーニングなどの観点から、他の製品への切り替えには一定のハードルが存在する。しかし、ミズホメディーの製品群における顧客のスイッチングコストの高さは、現時点では明確に示されていない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ミズホメディーの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加が製品やサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は確認されない。研究開発型企業であり、ネットワーク効果は主要な競争優位の源泉とは考えにくい。
コスト優位☆☆☆☆☆
医薬品・医療機器業界は、研究開発費や製造コストが高額になる傾向がある。ミズホメディーが構造的に他社よりも低コストで製品を生産・提供できるという優位性を示す具体的な証拠は現時点では見当たらない。
規模の経済☆☆☆☆☆
ミズホメディーは特定のニッチ分野に特化している可能性があり、業界全体における規模の経済性や寡占状態からの優位性は現時点では評価が難しい。グローバルな大手製薬企業と比較すると、規模の面での優位性は限定的と考えられる。
- 独自の迅速検査技術ミズホメディーは、イムノクロマト法という簡易迅速な検査技術を感染症検査薬に国内で初めて応用し、B型肝炎ウイルス抗原検出キットを製品化しました。この技術は、専用機器が不要で1検体ずつ迅速に判定できるため、中小医療機関に広く普及しました。現在もインフルエンザや新型コロナウイルスなどの迅速抗原検査薬でこの技術を活かし、市場を拡大しています。
- 高感度な遺伝子検査システム2018年からは、微生物を対象とした遺伝子検査薬と専用装置の製造販売を開始しました。特に、独自の検出技術により1ステップで測定可能な遺伝子POCT検査システムを開発し、マイコプラズマや新型コロナウイルス遺伝子を簡易・迅速に検出できるキットを提供しています。これにより、感染症の確定診断を早期に行うことが可能となり、医療現場での迅速な対応に貢献しています。
- 富士フイルムとの共同開発富士フイルム株式会社との共同開発により、銀増幅イムノクロマト法を用いた高感度な機器試薬システムを競合他社に先駆けて製品化しました。このシステムは、感染症診断で最も重要な高感度を実現し、感染初期でも判定が可能です。自動検出とプリントアウト機能により、迅速かつ客観的な診断結果を提供できる点が強みであり、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの検査キットを「クイックチェイサー Auto」シリーズとして展開しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「もっと人のために」を経営理念としております。体外診断用医薬品分野において、この理念を実現すべく、医療検査の要請に応じて技術革新にあくなき探求を続け、お客様に満足いただける品質の高い製品を供給するという運営基本方針を定めております。この方針に従い、ISO13485品質マネジメントに基づいた、企画開発から製造、販売までを自社一貫体制で行う強みを生かし、独自の研究開発を基本とした品質の高い製品を提供し続けることで、企業価値の向上に努め、ステークホルダーの期待に応えてまいります。 (2) 目標とする経営指標当社は、中長期的な事業拡大と収益性を重視しており、売上高増加率及び売上高経常利益率を重要な経営指標として経営を行っております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社は、企画開発、製造、販売の自社一貫体制のもと、体外診断用医薬品における革新的技術を構築することにより、病院・開業医分野及びOTC・その他分野において、以下の事項を成長戦略として位置づけ、実践してまいります。① 病院・開業医分野・遺伝子POCT機器・試薬の製品開発を推進するとともに売上拡大を図り、簡易迅速な確定診断製品として新たな市場創出に取り組みます。・感染症POCT免疫検査薬の製品群を拡大することにより、ウイルス・細菌分野における市場開拓に取り組みます。② OTC・その他分野・スイッチOTC製品の先発品の上市準備に取り組むとともに、OTC医薬品の大手企業であるアリナミン製薬株式会社(旧社名 武田コンシューマーヘルスケア株式会社)との販売提携のもとOTC市場でのシェアの拡大を図ります。 (4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題体外診断用医薬品業界におきましては、近年の様々な感染症の集団発生を背景に、感染症の早期診断に対する国民の意識が高まり、医療への期待は「治療」から「予防」へとシフトしてきております。診療の現場におきましても、適切な医療をより効果的かつ効率的に提供するための体制構築が迫られ、また、感染拡大防止や院内感染の予防対策として、感染症の早期診断及び早期治療の重要性の認識はさらに高まっており、遺伝子検査などの早期診断に有用な診断技術への期待も大きくなっております。とりわけ、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、数年にわたり感染拡大を繰り返し、わが国においても国民の社会経済活動に大きな影響を及ぼしました。当該感染症の拡大を防ぐべく、行動制限やワクチン接種などの各種感染対策がとられるなか、遺伝子検査や抗原検査などの検査需要も急激に高まり、感染症の診断に対する関心・期待はさらに高まっているものと考えられます。今後の感染症全般(新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、アデノウイルス感染症等)の感染動向・流行状況については、近年の傾向から、社会経済活動が正常化するなかで、各種感染症の変異株の出現などによる一時的な感染の急拡大あるいは流行期に抑制される状況は発生するものの、年間の流行規模や検査需要は一定程度の水準が継続するものと見込まれます。このようななかにあって、引き続き競合他社との技術及び価格競争など厳しい状況が続くことが予想されます。当社は、「もっと人のために」という経営理念のもと、企画開発から製造、販売までを自社一貫体制で行う強みを生かし、医療機関や患者のニーズに応える数多くの優れた製品を提供するため、今後の業界の将来も見据えながら、以下の課題に取り組み、事業の継続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。 ① 遺伝子POCT検査機器試薬システムの検査項目の拡充及び次世代システムの開発検査薬市場においては、世界的にもPOCT市場向けの機器試薬システムの技術開発が加速しており、感染症、循環器、糖尿病など各々の疾患を早期に診断、治療を行うための新たなPOCT機器試薬システムが開発されております。当社は、主力とする感染症分野におきまして、これまでのイムノクロマト法に代わる革新的診断技術として、各種シーズ技術のスクリーニングを経たのち、遺伝子診断技術の開発に注力を続け、この成果として、2018年に業界では先発となる遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」及びマイコプラズマ核酸キット「スマートジーン Myco」を発売いたしました。さらに、2020年には新型コロナウイルス感染症の検査体制の拡充・感染拡大の防止に貢献するべく、同ウイルス検出試薬の早期開発に取り組み、「スマートジーン新型コロナウイルス検出試薬(現 スマートジーン SARS-CoV-2)」を発売いたしました。遺伝子POCT検査薬機器試薬システムは、診療の現場において短時間で確定診断が可能なことから、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、感染拡大防止や早期診断に有用であることが広く認知されることとなり、その期待の高まりを背景に将来の遺伝子POCT検査市場の拡大が見込まれています。また、当社の遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」の普及が急速に進み、将来における各専用試薬の需要の基盤が確立しつつあることから、新たな検査項目の拡充や性能の改善が喫緊の課題となっております。この課題に対応すべく、同装置を用いる新たな遺伝子POCT検査項目の開発・製品化を進め、2022年度においては、インフルエンザウイルス核酸キット「スマートジーン Flu A,B」、院内感染による下痢症の感染防御に貢献するCDトキシン核酸キット「スマートジーン CD トキシンB」、胃がん発症の原因となるヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出キット「スマートジーン H.pylori G」の発売を開始いたしました。直近では、2025年6月に侵襲性のない糞便を検体としたヘリコバクターピロリ核酸キット「スマートジーン H.pylori S」の製造販売承認を取得し、同年10月に百日咳菌核酸キットの製造販売承認を申請いたしました。今後につきましても、呼吸器感染症、消化器感染症、泌尿器感染症及び婦人科感染症項目並びに薬剤耐性菌項目など、さらなるラインナップの拡充を図り、簡便操作、迅速判定、コンパクトかつ低コストという特長を持つ遺伝子POCT機器試薬システムとして、病院や診療所へのさらなる普及に向け尽力してまいります。これらに加え、今後さらなる市場拡大のため、次世代の遺伝子POCT検査装置として、測定時間のさらなる迅速化や複数検体・複数項目同時検出をコンセプトとした遺伝子マルチ検査システムの開発を一層推進してまいります。 ② 高感度POCT機器試薬システムの検査項目の拡充POCT検査は治療に直結する検査であることから、各種検査項目について、より高感度、短時間判定かつ客観性の高い検査を実施できる機器試薬システムの開発が課題となっております。この課題に対応すべく、当社は、富士フイルム株式会社との共同開発に取り組み、他社に先駆け、発症初期の診断精度や客観性を向上させた高感度感染症迅速診断システム(銀増幅イムノクロマト法)として、デンシトメトリー分析装置「クイックチェイサー Immuno Reader」及び高感度インフルエンザ抗原検出用キット「クイックチェイサー Auto Flu A,B」の開発に成功し、販売を開始いたしました。その後も、検査キットにつきましては、A群β溶血連鎖球菌、アデノウイルス、RSウイルス、マイコプラズマ抗原及び新型コロナウイルス抗原を検査項目として逐次追加し、ラインナップの拡充を図りました。さらに、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されるなか、両ウイルスを同時に検出する「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu」を発売し、これに続き、インフルエンザのA型とB型を判別できる「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu A,B」を発売開始するなど、クイックチェイサーAutoシリーズとして品揃えをさらに充実させております。また、機器につきましても、タッチパネルの採用やオンライン化対応等により実用性をさらに向上させた後継機を発売するなど、機器試薬システムとして、競合他社の製品との差別化を実現しております。今後も、さらなる検査項目の追加、性能の改善のための開発を継続することにより、市場及びシェアの拡大に努めてまいります。 ③ POCT迅速診断検査薬の項目開発及び性能向上小児科など医療現場においては、特に迅速な治療が必要とされる感染症のPOCT検査薬の項目開発及び性能向上が求められており、加えて院内感染防御※1における迅速な検査体制の強化が課題となっております。 この課題に対応すべく、当社は、簡易・迅速に検査が実施できるイムノクロマト製品のさらなる性能向上のため、モノクローナル抗体※2の新規開発や機器の使用による機能強化といった研究開発を継続的に進めており、また、新たなPOCT検査薬項目の開発や薬剤耐性因子※3を検出する検査薬の創出において、専門機関との共同開発に取り組んでおります。この成果として、カルバペネム系抗菌薬に耐性をもたらす代表的な6種のカルバペネマーゼを迅速に検出できるカルバペネマーゼ検出キット「クイックチェイサー CARBA RESIST-6 RUO」の開発に成功しました。薬剤耐性菌に対する抗菌薬の適正使用や感染対策に新たな選択肢を提供できるものと考えております。機器の使用による機能強化として、2021年4月、検査結果を自動判定し、その結果をモニター表示及びプリントアウトできるデンシトメトリー分析装置「スマート QC リーダー」を発売いたしました。迅速診断キットと組み合わせて使用することにより、測定環境や判定者に依存しない客観的かつ安定した精度の高い判定結果を得られます。今後につきましては、同装置の普及に尽力するとともに、適応する検査項目の拡充にも努め、簡易・迅速性が特に求められる検査ニーズにも応えてまいります。 ④ 遺伝子POCT検査技術を応用した新たな事業展開企業価値を一層高めていくためには、事業の拡大や多角化は重要な経営施策の一つであると認識しております。イムノクロマト法及び当社の遺伝子POCT検査技術は、医療だけではなく、環境・食品検査分野にも応用できるものであります。今後の事業拡大の施策の一つとして、環境・食品検査分野への進出が課題となっております。この課題に対応すべく、当社は、独自の遺伝子POCT検査技術を基盤として、環境・食品検査分野への応用開発に取り組んでおります。 ⑤ 開発人員の強化・育成当社の研究開発は、体外診断用医薬品業界における豊富な経験を有する研究開発人員により行われているものの、新技術や新分野での診断項目の開発においては、各開発グループの責任者及び一部の研究開発人員に強く依存しているところがあります。当社は、継続的な成長を果たすためには、開発部門の人的強化が欠かせないと認識しており、既存開発人員に対する教育や各種学会への参加による育成を行うとともに、優秀な人材の採用に努めております。 ⑥ 製造能力の増強及び生産工程の合理化検査需要の増加に伴う生産量の増大やPOCT検査薬の項目数の拡充に伴い、製造能力の増強とともに生産工程の合理化が課題となっております。この課題に対応すべく、遺伝子POCT検査キット及びクイックチェイサーAutoシリーズの量産及び安定供給を行うため、2019年に福岡県久留米市に新規製造工場を建設し、遺伝子検査キット(主に新型コロナウイルス核酸キット)の需要増加を見込んだ設備投資を行いました。新型コロナウイルス感染症の5類移行後は、需要が急増している各種抗原キットの増産のため、さらに生産ラインを新設し稼働を開始するなど、月産の製造能力を大幅に増強しております。今後もさらなる増産や安定した多項目生産に向け、生産設備の導入及び自動化により生産工程の合理化を図り、高品質の製品供給を維持する生産体制の構築に取り組んでまいります。 [用語集]※1 院内感染防御とは、病院や医療機関内で新たに細菌やウイルスなどの病原体に感染する院内感染において、免疫力の低い多くの患者が同時に感染するリスクがあることから、院内の環境改善や集団感染時の対策マニュアルなどを講じ、薬剤耐性菌の蔓延を防止するための抗生剤や消毒薬の使用について組織的な防御を整えることをいいます。※2 ウイルスなど抗原が生体に侵入した場合、そのウイルスの一部(抗原)に対する抗体が産生されます。抗体は、そのウイルスの抗原部位に結合しウイルスを失活させる機能を持っています。これらの抗体には抗原のいろいろな箇所に結合する複数種類の抗体が混在しており、ポリクローナル抗体と呼ばれています。モノクローナル抗体とは、単一の抗体産生細胞に由来するクローンから得られた抗体であり、反応性が多様なポリクローナル抗体に比べて的確にウイルスと結合することができます。また、クローンに由来するため、安定した品質の抗体を生産することができます。※3 細菌などの微生物が、抗生物質などの薬剤に接触することで抵抗力を獲得し、薬剤の効果が低下することを薬剤耐性といいます。これは、細菌が自ら耐性遺伝子を作り出したり、既に耐性化した他の細菌からそのような遺伝子を獲得したりするものであります。薬剤耐性因子とは、そのような耐性遺伝子のことをいいます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は「もっと人のために」を経営理念としております。体外診断用医薬品分野において、この理念を実現すべく、医療検査の要請に応じて技術革新にあくなき探求を続け、お客様に満足いただける品質の高い製品を供給するという運営基本方針を定めております。この方針に従い、ISO13485品質マネジメントに基づいた、企画開発から製造、販売までを自社一貫体制で行う強みを生かし、独自の研究開発を基本とした品質の高い製品を提供し続けることで、企業価値の向上に努め、ステークホルダーの期待に応えてまいります。 (2) 目標とする経営指標当社は、中長期的な事業拡大と収益性を重視しており、売上高増加率及び売上高経常利益率を重要な経営指標として経営を行っております。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社は、企画開発、製造、販売の自社一貫体制のもと、体外診断用医薬品における革新的技術を構築することにより、病院・開業医分野及びOTC・その他分野において、以下の事項を成長戦略として位置づけ、実践してまいります。① 病院・開業医分野・遺伝子POCT機器・試薬の製品開発を推進するとともに売上拡大を図り、簡易迅速な確定診断製品として新たな市場創出に取り組みます。・感染症POCT免疫検査薬の製品群を拡大することにより、ウイルス・細菌分野における市場開拓に取り組みます。② OTC・その他分野・スイッチOTC製品の先発品の上市準備に取り組むとともに、OTC医薬品の大手企業であるアリナミン製薬株式会社(旧社名 武田コンシューマーヘルスケア株式会社)との販売提携のもとOTC市場でのシェアの拡大を図ります。 (4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題体外診断用医薬品業界におきましては、近年の様々な感染症の集団発生を背景に、感染症の早期診断に対する国民の意識が高まり、医療への期待は「治療」から「予防」へとシフトしてきております。診療の現場におきましても、適切な医療をより効果的かつ効率的に提供するための体制構築が迫られ、また、感染拡大防止や院内感染の予防対策として、感染症の早期診断及び早期治療の重要性の認識はさらに高まっており、遺伝子検査などの早期診断に有用な診断技術への期待も大きくなっております。とりわけ、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、数年にわたり感染拡大を繰り返し、わが国においても国民の社会経済活動に大きな影響を及ぼしました。当該感染症の拡大を防ぐべく、行動制限やワクチン接種などの各種感染対策がとられるなか、遺伝子検査や抗原検査などの検査需要も急激に高まり、感染症の診断に対する関心・期待はさらに高まっているものと考えられます。今後の感染症全般(新型コロナウイルス感染症、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、アデノウイルス感染症等)の感染動向・流行状況については、近年の傾向から、社会経済活動が正常化するなかで、各種感染症の変異株の出現などによる一時的な感染の急拡大あるいは流行期に抑制される状況は発生するものの、年間の流行規模や検査需要は一定程度の水準が継続するものと見込まれます。このようななかにあって、引き続き競合他社との技術及び価格競争など厳しい状況が続くことが予想されます。当社は、「もっと人のために」という経営理念のもと、企画開発から製造、販売までを自社一貫体制で行う強みを生かし、医療機関や患者のニーズに応える数多くの優れた製品を提供するため、今後の業界の将来も見据えながら、以下の課題に取り組み、事業の継続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。 ① 遺伝子POCT検査機器試薬システムの検査項目の拡充及び次世代システムの開発検査薬市場においては、世界的にもPOCT市場向けの機器試薬システムの技術開発が加速しており、感染症、循環器、糖尿病など各々の疾患を早期に診断、治療を行うための新たなPOCT機器試薬システムが開発されております。当社は、主力とする感染症分野におきまして、これまでのイムノクロマト法に代わる革新的診断技術として、各種シーズ技術のスクリーニングを経たのち、遺伝子診断技術の開発に注力を続け、この成果として、2018年に業界では先発となる遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」及びマイコプラズマ核酸キット「スマートジーン Myco」を発売いたしました。さらに、2020年には新型コロナウイルス感染症の検査体制の拡充・感染拡大の防止に貢献するべく、同ウイルス検出試薬の早期開発に取り組み、「スマートジーン新型コロナウイルス検出試薬(現 スマートジーン SARS-CoV-2)」を発売いたしました。遺伝子POCT検査薬機器試薬システムは、診療の現場において短時間で確定診断が可能なことから、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、感染拡大防止や早期診断に有用であることが広く認知されることとなり、その期待の高まりを背景に将来の遺伝子POCT検査市場の拡大が見込まれています。また、当社の遺伝子解析装置「全自動遺伝子解析装置 Smart Gene」の普及が急速に進み、将来における各専用試薬の需要の基盤が確立しつつあることから、新たな検査項目の拡充や性能の改善が喫緊の課題となっております。この課題に対応すべく、同装置を用いる新たな遺伝子POCT検査項目の開発・製品化を進め、2022年度においては、インフルエンザウイルス核酸キット「スマートジーン Flu A,B」、院内感染による下痢症の感染防御に貢献するCDトキシン核酸キット「スマートジーン CD トキシンB」、胃がん発症の原因となるヘリコバクター・ピロリ核酸及びクラリスロマイシン耐性遺伝子検出キット「スマートジーン H.pylori G」の発売を開始いたしました。直近では、2025年6月に侵襲性のない糞便を検体としたヘリコバクターピロリ核酸キット「スマートジーン H.pylori S」の製造販売承認を取得し、同年10月に百日咳菌核酸キットの製造販売承認を申請いたしました。今後につきましても、呼吸器感染症、消化器感染症、泌尿器感染症及び婦人科感染症項目並びに薬剤耐性菌項目など、さらなるラインナップの拡充を図り、簡便操作、迅速判定、コンパクトかつ低コストという特長を持つ遺伝子POCT機器試薬システムとして、病院や診療所へのさらなる普及に向け尽力してまいります。これらに加え、今後さらなる市場拡大のため、次世代の遺伝子POCT検査装置として、測定時間のさらなる迅速化や複数検体・複数項目同時検出をコンセプトとした遺伝子マルチ検査システムの開発を一層推進してまいります。 ② 高感度POCT機器試薬システムの検査項目の拡充POCT検査は治療に直結する検査であることから、各種検査項目について、より高感度、短時間判定かつ客観性の高い検査を実施できる機器試薬システムの開発が課題となっております。この課題に対応すべく、当社は、富士フイルム株式会社との共同開発に取り組み、他社に先駆け、発症初期の診断精度や客観性を向上させた高感度感染症迅速診断システム(銀増幅イムノクロマト法)として、デンシトメトリー分析装置「クイックチェイサー Immuno Reader」及び高感度インフルエンザ抗原検出用キット「クイックチェイサー Auto Flu A,B」の開発に成功し、販売を開始いたしました。その後も、検査キットにつきましては、A群β溶血連鎖球菌、アデノウイルス、RSウイルス、マイコプラズマ抗原及び新型コロナウイルス抗原を検査項目として逐次追加し、ラインナップの拡充を図りました。さらに、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が懸念されるなか、両ウイルスを同時に検出する「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu」を発売し、これに続き、インフルエンザのA型とB型を判別できる「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu A,B」を発売開始するなど、クイックチェイサーAutoシリーズとして品揃えをさらに充実させております。また、機器につきましても、タッチパネルの採用やオンライン化対応等により実用性をさらに向上させた後継機を発売するなど、機器試薬システムとして、競合他社の製品との差別化を実現しております。今後も、さらなる検査項目の追加、性能の改善のための開発を継続することにより、市場及びシェアの拡大に努めてまいります。 ③ POCT迅速診断検査薬の項目開発及び性能向上小児科など医療現場においては、特に迅速な治療が必要とされる感染症のPOCT検査薬の項目開発及び性能向上が求められており、加えて院内感染防御※1における迅速な検査体制の強化が課題となっております。 この課題に対応すべく、当社は、簡易・迅速に検査が実施できるイムノクロマト製品のさらなる性能向上のため、モノクローナル抗体※2の新規開発や機器の使用による機能強化といった研究開発を継続的に進めており、また、新たなPOCT検査薬項目の開発や薬剤耐性因子※3を検出する検査薬の創出において、専門機関との共同開発に取り組んでおります。この成果として、カルバペネム系抗菌薬に耐性をもたらす代表的な6種のカルバペネマーゼを迅速に検出できるカルバペネマーゼ検出キット「クイックチェイサー CARBA RESIST-6 RUO」の開発に成功しました。薬剤耐性菌に対する抗菌薬の適正使用や感染対策に新たな選択肢を提供できるものと考えております。機器の使用による機能強化として、2021年4月、検査結果を自動判定し、その結果をモニター表示及びプリントアウトできるデンシトメトリー分析装置「スマート QC リーダー」を発売いたしました。迅速診断キットと組み合わせて使用することにより、測定環境や判定者に依存しない客観的かつ安定した精度の高い判定結果を得られます。今後につきましては、同装置の普及に尽力するとともに、適応する検査項目の拡充にも努め、簡易・迅速性が特に求められる検査ニーズにも応えてまいります。 ④ 遺伝子POCT検査技術を応用した新たな事業展開企業価値を一層高めていくためには、事業の拡大や多角化は重要な経営施策の一つであると認識しております。イムノクロマト法及び当社の遺伝子POCT検査技術は、医療だけではなく、環境・食品検査分野にも応用できるものであります。今後の事業拡大の施策の一つとして、環境・食品検査分野への進出が課題となっております。この課題に対応すべく、当社は、独自の遺伝子POCT検査技術を基盤として、環境・食品検査分野への応用開発に取り組んでおります。 ⑤ 開発人員の強化・育成当社の研究開発は、体外診断用医薬品業界における豊富な経験を有する研究開発人員により行われているものの、新技術や新分野での診断項目の開発においては、各開発グループの責任者及び一部の研究開発人員に強く依存しているところがあります。当社は、継続的な成長を果たすためには、開発部門の人的強化が欠かせないと認識しており、既存開発人員に対する教育や各種学会への参加による育成を行うとともに、優秀な人材の採用に努めております。 ⑥ 製造能力の増強及び生産工程の合理化検査需要の増加に伴う生産量の増大やPOCT検査薬の項目数の拡充に伴い、製造能力の増強とともに生産工程の合理化が課題となっております。この課題に対応すべく、遺伝子POCT検査キット及びクイックチェイサーAutoシリーズの量産及び安定供給を行うため、2019年に福岡県久留米市に新規製造工場を建設し、遺伝子検査キット(主に新型コロナウイルス核酸キット)の需要増加を見込んだ設備投資を行いました。新型コロナウイルス感染症の5類移行後は、需要が急増している各種抗原キットの増産のため、さらに生産ラインを新設し稼働を開始するなど、月産の製造能力を大幅に増強しております。今後もさらなる増産や安定した多項目生産に向け、生産設備の導入及び自動化により生産工程の合理化を図り、高品質の製品供給を維持する生産体制の構築に取り組んでまいります。 [用語集]※1 院内感染防御とは、病院や医療機関内で新たに細菌やウイルスなどの病原体に感染する院内感染において、免疫力の低い多くの患者が同時に感染するリスクがあることから、院内の環境改善や集団感染時の対策マニュアルなどを講じ、薬剤耐性菌の蔓延を防止するための抗生剤や消毒薬の使用について組織的な防御を整えることをいいます。※2 ウイルスなど抗原が生体に侵入した場合、そのウイルスの一部(抗原)に対する抗体が産生されます。抗体は、そのウイルスの抗原部位に結合しウイルスを失活させる機能を持っています。これらの抗体には抗原のいろいろな箇所に結合する複数種類の抗体が混在しており、ポリクローナル抗体と呼ばれています。モノクローナル抗体とは、単一の抗体産生細胞に由来するクローンから得られた抗体であり、反応性が多様なポリクローナル抗体に比べて的確にウイルスと結合することができます。また、クローンに由来するため、安定した品質の抗体を生産することができます。※3 細菌などの微生物が、抗生物質などの薬剤に接触することで抵抗力を獲得し、薬剤の効果が低下することを薬剤耐性といいます。これは、細菌が自ら耐性遺伝子を作り出したり、既に耐性化した他の細菌からそのような遺伝子を獲得したりするものであります。薬剤耐性因子とは、そのような耐性遺伝子のことをいいます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度(2025年1月1日~2025年12月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復などを背景に、各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、継続的な物価上昇による個人消費の減速懸念、米国の関税政策による影響、国際的な紛争による地政学的リスクなど、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。 体外診断用医薬品業界におきましては、新型コロナウイルス感染症は、夏と冬に一定の流行が継続している状況は変わらないものの、夏場、冬場ともにその流行規模は例年より抑えられたものとなりました。当該感染症の検査においては、2023年5月に感染症法上の位置づけが5類へ移行され、「発症患者の陽性を確認するための迅速簡易検査」として、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進んでおります。一方、インフルエンザ等の既存の感染症については、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、社会経済活動が正常化するなか、過去数年の間に免疫獲得の機会を十分に持てなかったこと等を背景に、一時的・反動的に急拡大する状況がみられております。インフルエンザにつきましては、2025/2026シーズンの流行は、2024/2025シーズンより1ヶ月程度早い10月初旬から流行入り(過去20年間で2番目の早さ)し、さらに、11月中旬には警報レベルを超える異例の速さで感染拡大しました。マイコプラズマ肺炎についても、2024年の大流行の規模とはならなかったものの、2年連続の感染拡大となり、このほか、2025年1月から4月にかけ、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行し患者数が過去10年で最多となるなど、各種感染症の急拡大が頻発しております。今後の感染症の動向については、例年に比べ新型コロナウイルス感染症の流行が抑えられている状況や既存の感染症の一時的・反動的な急拡大の状況を鑑み、感染症全般にわたり注視する必要があります。 このような環境のなか、当社は、新型コロナウイルス検査薬をはじめ、流行が拡大したインフルエンザやその他感染症項目の検査薬の増産に取り組み、安定供給の維持に尽力しました。他方では、2025年2月に新型コロナウイルス抗原及びインフルエンザA型、B型の判別が可能な「クイックチェイサー Auto SARS-CoV-2/Flu A,B」を発売するなど、クイックチェイサーシリーズの検査項目の拡充を図りました。遺伝子POCT検査機器試薬システムにつきましては、2025年6月、ヘリコバクターピロリ核酸キット「スマートジーン H.pylori S」の国内製造販売承認を取得し、発売に向けて準備を進めております。既存の製品からさらに侵襲性のない糞便を検体とし、クラリスロマイシン耐性に関与する遺伝子変異も同時に検出可能な検査キットで、検査時間の短縮や患者の負担低減、さらには抗菌薬の適正使用にも貢献できるものと考えております。また、2025年10月に新規検査項目として、百日咳菌核酸キットについて、厚生労働省に対し体外診断用医薬品としての製造承認申請を行いました。今後も継続して、スマートジーンシリーズの新たな検査項目の開発に注力するとともに、次世代の遺伝子POCT検査装置として、測定時間のさらなる迅速化や遺伝子マルチ検査システムの開発も進めてまいります。 これらの結果、当事業年度の売上高は、112億60百万円(前期比1.5%減)となりました。当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントでありますが、市場分野別の売上高は、以下のとおりであります。 (単位:百万円、%) 市場分野の名称2025年12月期2024年12月期 対売上高構成比対前期増減率 対売上高構成比病院・開業医分野10,88096.6△1.511,04696.7OTC・その他分野3803.4△0.73823.3合計11,260100.0△1.511,429100.0 病院・開業医分野におきましては、新型コロナウイルス検査薬につきましては、当該感染症は、夏場・冬場ともに流行の規模は例年程とはなりませんでした。このような状況にあって、遺伝子検査キットにつきましては、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進んでいる影響もあり、出荷数は約16万テスト(前期は32万テスト)と大幅に減少しました。一方、抗原検査キットにつきましては、抗原検査へのシフトが進むなか、冬場の流行の時期が2025/2026シーズンのインフルエンザの大流行と重なったことによる両感染症の同時流行拡大の懸念から、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス抗原同時検出キットの需要が急激に増加しました。各種経営施策による供給能力の拡大や新規の採用施設(病院・クリニック)増加の効果もあり、出荷数は約916万テスト(前期は708万テスト)と大幅に増加し、遺伝子検査キットの減収分を補いました。これらの結果、新型コロナウイルス検査薬全体の売上高は、73億99百万円(前期比7.5%増)となりました。インフルエンザ検査薬につきましては、2025/2026シーズンのインフルエンザの流行は、2024/2025シーズンより1ヶ月程度早い10月初旬から流行入り(過去20年間で2番目の早さ)し、さらに、11月中旬には警報レベルを超える異例の速さで感染拡大しました。このような大流行があったものの、新型コロナウイルスの冬場の流行の時期と重なったことによる両感染症の同時流行拡大の懸念から、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス抗原同時検出キットへの需要が増加したため、インフルエンザ単独検査薬全体の売上高としては、9億28百万円(前期比5.1%減)にとどまりました。その他感染症項目の検査薬につきましては、ヘリコバクター・ピロリ核酸キットやRSV・ヒトメタニューモウイルス抗原同時検出キットの売上高は前期比で増収となったものの、マイコプラズマ・ニューモニエ(マイコプラズマ肺炎)、StrepA(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)、アデノ眼(流行性角結膜炎)等において、前年程の大きな流行とはならなかったこと等を主因として、売上高は前期比で減収となりました。これらの結果、その他感染症項目の検査薬を含むその他の検査薬及び機器全体の売上高は、25億52百万円(前期比19.9%減)となりました。以上により、病院・開業医分野全体の売上高は、108億80百万円(前期比1.5%減)となりました。 OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、業界再編など市場環境の変化のなか、一定の安定的な需要が継続していることから、OTC・その他分野全体の売上高は、3億80百万円(前期比0.7%減)となりました。 利益面につきましては、主に新型コロナウイルス遺伝子検査キットの減収に伴う売上構成比の変化により、売上原価率が上昇したため、営業利益は46億46百万円(前期比5.5%減)となりました。なお、外国為替相場の急激な変動に伴い、為替差損13百万円を営業外費用に計上しております。これは主に当社が保有する外貨建て資産を期末為替レートで換算したことにより発生したものであります。これらの結果、経常利益は47億36百万円(前期比8.3%減)、当期純利益は34億25百万円(前期比9.2%減)となりました。 当事業年度末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ16億46百万円増加し、223億75百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少4億21百万円があったものの、売掛金の増加15億75百万円、棚卸資産の増加3億57百万円及び電子記録債権の増加1億5百万円があったことによるものであります。当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ3億15百万円増加し、36億90百万円となりました。これは主に、未払法人税等の増加2億16百万円及び未払消費税等の増加1億80百万円があったことによるものであります。当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ13億30百万円増加し、186億84百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加13億30百万円によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ74億5百万円減少し、22億59百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における営業活動により増加した資金は、19億56百万円(前期は33億48百万円の増加)となりました。これは主に、売上債権の増加16億80百万円、法人税等の支払11億55百万円及び棚卸資産の増加3億57百万円によるキャッシュ・フローの減少があったものの、税引前当期純利益47億36百万円、減価償却費2億66百万円及び未払消費税等の増加1億80百万円によるキャッシュ・フローの増加があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における投資活動により減少した資金は、72億84百万円(前期は3億7百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻30億28百万円によるキャッシュ・フローの増加があったものの、定期預金の預入100億28百万円及び有形固定資産の取得2億55百万円によるキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度における財務活動により減少した資金は、20億77百万円(前期は20億94百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払20億77百万円によるキャッシュ・フローの減少があったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の状況当社は、体外診断用医薬品事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況については市場分野別に記載しております。 イ.生産実績当事業年度の生産実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。市場分野の名称生産高(百万円)前年同期比(%)病院・開業医分野13,344113.5OTC・その他分野465104.0合計13,809113.2 (注) 金額は販売価格によっております。 ロ.受注状況当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 ハ.販売実績当事業年度の販売実績を市場分野別に示すと、次のとおりであります。市場分野の名称販売高(百万円)前年同期比(%)病院・開業医分野10,88098.5OTC・その他分野38099.3合計11,26098.5 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前事業年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)株式会社メディセオ2,04617.91,98317.6東邦薬品株式会社1,68214.71,73715.4アルフレッサ株式会社1,1359.91,44012.8 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 ① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.経営成績の分析(売上高)売上高は、112億60百万円(前期比1.5%減)となりました。市場分野別の売上高の状況の認識及び分析等は以下のとおりであります。病院・開業医分野におきましては、新型コロナウイルス検査薬につきましては、当該感染症は、夏場・冬場ともに流行の規模は例年程とはなりませんでした。このような状況にあって、遺伝子検査キットにつきましては、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進んでいる影響もあり、出荷数は約16万テスト(前期は32万テスト)と大幅に減少しました。一方、抗原検査キットにつきましては、抗原検査へのシフトが進むなか、冬場の流行の時期が2025/2026シーズンのインフルエンザの大流行と重なったことによる両感染症の同時流行拡大の懸念から、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス抗原同時検出キットの需要が急激に増加しました。各種経営施策による供給能力の拡大や新規の採用施設(病院・クリニック)増加の効果もあり、出荷数は約916万テスト(前期は708万テスト)と大幅に増加し、遺伝子検査キットの減収分を補いました。これらの結果、新型コロナウイルス検査薬全体の売上高は、73億99百万円(前期比7.5%増)となりました。インフルエンザ検査薬につきましては、2025/2026シーズンのインフルエンザの流行は、2024/2025シーズンより1ヶ月程度早い10月初旬から流行入り(過去20年間で2番目の早さ)し、さらに、11月中旬には警報レベルを超える異例の速さで感染拡大しました。このような大流行があったものの、新型コロナウイルスの冬場の流行の時期と重なったことによる両感染症の同時流行拡大の懸念から、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス抗原同時検出キットへの需要が増加したため、インフルエンザ単独検査薬全体の売上高としては、9億28百万円(前期比5.1%減)にとどまりました。その他感染症項目の検査薬につきましては、ヘリコバクター・ピロリ核酸キットやRSV・ヒトメタニューモウイルス抗原同時検出キットの売上高は前期比で増収となったものの、マイコプラズマ・ニューモニエ(マイコプラズマ肺炎)、StrepA(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)、アデノ眼(流行性角結膜炎)等において、前年程の大きな流行とはならなかったこと等を主因として、売上高は前期比で減収となりました。これらの結果、その他感染症項目の検査薬を含むその他の検査薬及び機器全体の売上高は、25億52百万円(前期比19.9%減)となりました。以上により、病院・開業医分野全体の売上高は、108億80百万円(前期比1.5%減)となりました。 OTC・その他分野におきましては、妊娠検査薬及び排卵日検査薬は、業界再編など市場環境の変化のなか、一定の安定的な需要が継続していることから、OTC・その他分野全体の売上高は、3億80百万円(前期比0.7%減)となりました。 (売上原価、販売費及び一般管理費)売上原価は、34億41百万円(前期比2.8%増)、売上原価率は30.6%(前期から1.3ポイント上昇)となりました。これは主に、売上構成比が変化したことによるものであります。販売費及び一般管理費は、31億72百万円(前期比0.2%増)となりました。これは主に、人件費の減少や販売委託手数料の減少があったものの、遺伝子POCTをはじめとした新製品に係る研究開発費の増加や物流関連経費の増加があったことによるものであります。 (営業利益)営業利益は、前事業年度に比べ2億70百万円減少して46億46百万円となりました。 (営業外収益、営業外費用)営業外収益は、前事業年度に比べ1億41百万円減少して1億8百万円となりました。営業外費用は、18百万円となりました。これらは主に、受取利息及び配当金が25百万円増加したものの、外国為替相場の急激な変動のなか、当社が保有する外貨建資産を期末為替レートで評価替えしたことにより発生した為替差損によるものであります。 (経常利益)経常利益は、前事業年度に比べ4億30百万円減少して47億36百万円となりました。また、売上高経常利益率は42.1%となり、前事業年度に比べ3.1ポイント低下し、収益性は低下しております。 (特別利益、特別損失)特別利益及び特別損失の計上はありませんでした。 (当期純利益)当期純利益は、前事業年度に比べ3億48百万円減少して34億25百万円となりました。 インフルエンザ検査薬は、過去7年(2013年~2019年)ほどにわたり、当社の売上高の約50%を占める主力製品でありましたが、2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、インフルエンザの流行は著しく低い水準に抑えられ、2020年よりインフルエンザ検査薬の売上高は大幅に減少しました。一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、遺伝子検査や抗原検査の需要が急激に高まるなか、2020年より遺伝子検査キット「スマートジーン SARS-CoV-2」の発売を開始し、これに続き発売を開始した各種抗原キットの売上高が大幅に増加したことから、新型コロナウイルス検査薬への依存度が急激に高まる結果となりました。2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へ移行されてからは、社会経済活動の正常化はさらに加速し、インフルエンザをはじめ、それまで抑えられていた様々な既存の感染症が一時的・反動的に急拡大する状況がみられています。近年においては、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行もみられ、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進むなか、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス同時検査キットの需要が急増しております。今後につきましては、新型コロナウイルス検査薬は、感染拡大の動向や医療・検査体制の変化などによって、本検査薬の需要や売上高は大きく左右される可能性があります。また、新型コロナウイルスやインフルエンザの流行の時期や規模によって、新型コロナウイルス及びインフルエンザウイルスの同時検査キットあるいは各単独検査キットの需要が大きく変動する可能性があり、これらの状況の変化に伴い特定製品への依存度が変化する可能性があります。当事業年度(2025年12月期)の各四半期会計期間の売上高の内訳及び直近5事業年度の売上高の内訳は、以下のとおりであります。 2025年12月期の各四半期会計期間の売上高の内訳 (単位:百万円) 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計売上高2,6491,3262,2505,03311,260 新型コロナウイルス検査薬1,5116781,6323,5777,399 (内 CoV/Flu同時検査薬)(1,059)(390)(897)(3,118)(5,466) インフルエンザ単独検査薬27125△72703928 その他の検査薬及び機器7835265786642,552 OTC・その他839611288380 直近5事業年度の売上高の内訳 (単位:百万円) 2020年 12月期2021年 12月期2022年 12月期2023年 12月期2024年 12月期売上高4,20513,13717,58110,98911,429 新型コロナウイルス検査薬1,2709,79415,1797,6176,881 (内 CoV/Flu同時検査薬)(―)(―)(34)(2,206)(3,730) インフルエンザ単独検査薬750239416949977 その他の検査薬及び機器1,7732,6891,6402,0703,187 OTC・その他411414345352382 ロ.財政状態の分析当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ16億46百万円増加し、223億75百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少4億21百万円があったものの、売掛金の増加15億75百万円、棚卸資産の増加3億57百万円及び電子記録債権の増加1億5百万円があったことによるものであります。当事業年度末における負債の残高は、前事業年度末に比べ3億15百万円増加し、36億90百万円となりました。これは主に、未払法人税等の増加2億16百万円及び未払消費税等の増加1億80百万円があったことによるものであります。当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ13億30百万円増加し、186億84百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加13億30百万円によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。当社の資金需要につきまして、運転資金として主なものは、原材料購入等の製造費用、商品の仕入のほか、研究開発費や人件費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金として主なものは、製造または研究開発のための設備の新設または更新であります。運転資金及び設備資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローからの充当を基本とし、手元資金、回収期間及びリスク等を勘案したうえで、必要に応じて金融機関からの短期借入または長期借入による調達を行う方針であります。また、機動的かつ安定的に資金の調達が行えるよう、取引銀行と当座貸越契約(総額16億円)を締結しており、緊急の資金需要や不測の事態にも備えております。株主の皆様への利益還元につきましては、当社は、業績に対応した配当を行うことを基本としつつ、配当性向、企業体質の一層の強化及び今後の事業展開に備えるための内部留保の充実などを総合的に勘案して決定する方針を採っております。この方針に基づき、配当性向50%を目標として配当を実施するよう努めてまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や会社の状況・経営環境等に応じ、合理的だと想定される様々な仮定に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、将来の不確実性により、最善の見積りを行った結果としての見積られた金額と事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものに該当事項はありません。
事業リスク
- 特定製品への高い依存度新型コロナウイルス検査薬とインフルエンザ検査薬が売上高の大部分を占めており、特に新型コロナウイルス検査薬は2024年12月期で約60%を占めています。感染症の流行状況や医療・検査体制の変化によってこれらの製品の需要が大きく変動するため、業績に大きな影響を与える可能性があります。例えば、新型コロナウイルス感染症の5類移行後、インフルエンザとの同時流行により同時検査キットの需要が増加しましたが、今後の流行状況によっては売上が大きく左右されるリスクがあります。
- 品質問題発生のリスク医薬品医療機器等法や品質マネジメントシステムに基づき厳格な品質管理を行っていますが、万が一製品に重大な品質問題が発生した場合、製品の回収や情報提供などの対応が必要となり、売上高の減少やコストの増加につながる可能性があります。これにより、企業の信頼性が損なわれ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 原材料調達の不安定性製品製造に必要な原材料を国内外から調達していますが、国際情勢の変化、政情不安、原材料メーカーでの品質問題、国内外の規制強化などにより、原材料の入手が困難になる可能性があります。原材料が長期的に調達できなくなった場合、製品の製造・販売が滞り、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。安全在庫の確保や自製化でリスク低減に努めていますが、完全に回避することは難しいです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、下記におけるリスクの項目は、すべてのリスクを網羅したものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 特定製品(新型コロナウイルス検査薬及びインフルエンザ検査薬)への依存インフルエンザ検査薬は、過去7年(2013年~2019年)ほどにわたり、当社の売上高の約50%を占める主力製品でありましたが、2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、インフルエンザの流行は著しく低い水準に抑えられ、2020年よりインフルエンザ検査薬の売上高は大幅に減少しました。一方、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、遺伝子検査や抗原検査の需要が急激に高まるなか、2020年より遺伝子検査キット「スマートジーン SARS-CoV-2」の発売を開始し、これに続き発売を開始した各種抗原キットの売上高が大幅に増加したことから、新型コロナウイルス検査薬への依存度が急激に高まる結果となりました。2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へ移行されてからは、社会経済活動の正常化はさらに加速し、インフルエンザをはじめ、それまで抑えられていた様々な既存の感染症が一時的・反動的に急拡大する状況がみられています。近年においては、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行もみられ、遺伝子検査から抗原検査へのシフトが進むなか、新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス同時検査キットの需要が急増しております。今後につきましては、新型コロナウイルス検査薬は、感染拡大の動向や医療・検査体制の変化などによって、本検査薬の需要や売上高は大きく左右される可能性があります。また、新型コロナウイルスやインフルエンザの流行の時期や規模によって、新型コロナウイルス及びインフルエンザウイルスの同時検査キットあるいは各単独検査キットの需要が大きく変動する可能性があり、これらの状況の変化に伴い特定製品への依存度が変化する可能性があります。当事業年度(2025年12月期)の各四半期会計期間の売上高の内訳及び直近5事業年度の売上高の内訳は、以下のとおりであります。 2025年12月期の各四半期会計期間の売上高の内訳 (単位:百万円) 第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期合計売上高2,6491,3262,2505,03311,260 新型コロナウイルス検査薬1,5116781,6323,5777,399 (内 CoV/Flu同時検査薬)(1,059)(390)(897)(3,118)(5,466) インフルエンザ単独検査薬27125△72703928 その他の検査薬及び機器7835265786642,552 OTC・その他839611288380 直近5事業年度の売上高の内訳 (単位:百万円) 2020年 12月期2021年 12月期2022年 12月期2023年 12月期2024年 12月期売上高4,20513,13717,58110,98911,429 新型コロナウイルス検査薬1,2709,79415,1797,6176,881 (内 CoV/Flu同時検査薬)(―)(34)(2,206)(3,324)(3,730) インフルエンザ単独検査薬750239416949977 その他の検査薬及び機器1,7732,6891,6402,0703,187 OTC・その他411414345352382 (2) 品質問題当社は、医薬品医療機器等法及び関連法令並びに品質マネジメントシステムに基づき、万全の品質管理体制を敷いて製品の品質確保に取り組んでおります。しかしながら、万が一製品に重大な品質問題が発生した場合には、速やかに調査、回収、情報提供等の措置を取る必要があり、売上高の減少やコストの増加などにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 原材料の調達当社は、様々な原材料を国内外より調達し製造活動を行っておりますが、調達にあたっては、仕入先との協力関係の維持強化、重要性及び調達リスクに応じた安全在庫の確保、一部の重要な原材料の自製化などにより調達リスクの低減に努めております。しかしながら、原材料に関する国内外の規制または原材料メーカーによる品質問題の発生、あるいは国際情勢の変化や政情不安等によって、原材料の入手が長期的に困難になることにより、製品を製造・販売することができなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 製品供給の遅延または休止当社は、製品の安定供給を目指し、複数の製造拠点(佐賀県鳥栖市及び福岡県久留米市)を有しており、風水害、地震、火災等の災害発生時のリスク分散・軽減を図っております。しかしながら、当社の製造拠点や当社の原材料等の調達先の製造施設・倉庫等において、甚大な風水害や地震等の自然災害や火災の発生あるいは技術上や規制上の問題により、操業が停止または混乱が生じた場合、製品の供給が遅延または休止し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 開発人員の強化・育成について 当社は、今後の事業拡大や市場に対し付加価値の高い製品を提供するため、新たな診断技術の創出や新分野での診断項目に対する研究開発といった活動に日々邁進しており、これに不可欠である研究開発人員を継続的に確保し、強化・育成するよう努めております。しかしながら、今後様々な市場ニーズへの対応や他社の開発技術と競合するなか、これに対応できる独創性や高度な開発技術を有する人材の確保及び強化・育成が計画通りに進まない場合、これら新たな診断技術の創出等の研究開発活動に支障が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 知的財産権当社の製品は、特許及び実用新案等により一定期間保護されています。当社は、知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害あるいは第三者の知的財産権を侵害するおそれについても、常に監視を行っております。しかしながら、当社の保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合には、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社の製品が意図せず他社の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償を請求される可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 研究開発体外診断用医薬品は、所轄官庁の定めた企業としての責任体制、製品の有効性、安全性、生産方法・管理体制に関する厳格な審査により許認可を得てはじめて上市可能となります。このため、研究開発が計画通りに進行しない、許認可取得に時間を要する、あるいは治験段階において新製品が期待通りの性能を示さない等の事由により、開発期間の延長や開発の中止を余儀なくされることがあります。これらにより、多額の追加投資が必要となった場合や、それまでに投下した研究開発投資の回収見込みがなくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 競合他社との競争当社は、市場ニーズを先取りした新製品開発及び性能改善を行っておりますが、体外診断用医薬品業界は技術開発及び性能の向上において常に競合他社と競争状態にあります。技術競争の結果、競合他社が当社より先に新製品や性能改善品を上市した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 市場環境の変化病院・開業医分野では、医療制度改革や診療報酬の改定が行われるなか、治療に即した検査への淘汰が進んでおり、価格競争は激化しております。また、OTC・その他分野でも薬局・薬店業界の再編や新規参入など市場環境は日々変化しております。そのため、市場環境の変化への対応が遅れた場合、病院・開業医分野では、主要製品の需要減少、販売価格の低下、OTC・その他分野では、既存シェアの変化などにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (10)法的規制等当社は、体外診断用医薬品の製造販売を行うために「体外診断用医薬品製造販売業許可」及び「体外診断用医薬品製造業登録」、また、医療機器の製造販売を行うために「医療機器製造販売業許可」及び「医療機器製造業登録」が必要であり、そのために医薬品医療機器等法及び関連法令をはじめ、様々な法規制の適用を受けております。当社は、以下の主要な許認可を含めこれらの許認可等を受けるための諸条件及び関係法令の遵守に努めており、現状においては当該許認可が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、これらの関係法規が改廃または新たな法的規制が設けられた際に、仮にこれらの法規制を遵守できなかった場合、事業活動を制限されることはもとより、社会的信用の低下を招き、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法規制を遵守するためのコストが発生し、利益率の低下につながる可能性があります。許認可等の名称 許可番号有効期限取消事由体外診断用医薬品製造販売業許可佐賀県知事許可41E1X800132030年3月30日医薬品医療機器等法第二十三条の二第1項体外診断用医薬品製造業登録佐賀県知事許可41EZ2800712030年3月30日医薬品医療機器等法第二十三条の二の三第1項第二種医療機器製造販売業許可佐賀県知事許可41B2X100012026年4月26日医薬品医療機器等法第二十三条の二第1項医療機器製造業登録佐賀県知事許可41BZ2000032026年4月26日医薬品医療機器等法第二十三条の二の三第1項体外診断用医薬品製造業登録福岡県知事許可40EZ2000012029年6月12日医薬品医療機器等法第二十三条の二の三第1項 (11)訴訟の提起当社は、事業活動を継続していく過程において、製造物責任(PL)関連、労務関連、知的財産関連、商取引関連、その他に関する訴訟が提起される可能性があります。これらの訴訟の結果によっては、損害賠償を請求される等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (12)ITセキュリティ及び情報管理当社は、各種の情報システム・IT機器を利用して業務を遂行しており、また、業務の遂行を通じて、開発・営業その他経営に関する機密情報や従業員の個人情報等を保有しております。これらの情報システム及び情報の保護等に関しては、情報システム運用管理規程や情報セキュリティポリシー等の制定及びその遵守・周知徹底により、業務の円滑化、適切な運用、セキュリティの強化等に努めております。しかしながら、サイバー攻撃等によるシステム障害、コンピューターウイルスの感染及びその他災害等が発生した場合、業務が阻害され、機会損失の発生等追加的なコストが発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、それら外部要因を含めた不測の事態により情報の流出や漏えいが発生した場合には、社会的信用を大きく失うこととなり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。