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オンコリスバイオファーマ(4588)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

医薬品 医薬品

事業の概要

  • 創薬バイオ企業
    オンコリスバイオファーマは、新しい薬の研究開発に特化したバイオ企業です。特に、がんをウイルスで治療する「がんのウイルス療法」と、重いウイルス感染症の治療薬開発に力を入れています。自社で薬を開発し、製薬会社にライセンスを供与することで、契約金や販売に応じた収入を得るビジネスモデルが中心です。
  • ハイブリッド型事業モデル
    これまでは開発した薬のライセンスを製薬会社に提供し、その後の開発や販売は任せる「ライセンス型」が主でした。しかし今後は、自社で薬の製造販売承認を取得し、販売まで手掛ける「製薬会社型」も取り入れる「ハイブリッド型」に移行しています。これにより、収益機会の拡大を目指しています。
  • 主要な開発パイプライン
    がんのウイルス療法では、食道がんなどを対象としたOBP-301や、次世代のがん抑制遺伝子搭載ウイルスOBP-702を開発中です。また、神経難病治療薬としてOBP-601(LINE-1阻害剤)も手掛けており、これらが将来の収益源となることを期待しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 医薬品事業
    医薬品事業は、同社の主力事業であり、がんのウイルス療法や重症ウイルス感染症治療薬の研究開発・事業化を推進しています。売上高は1.96552億円ですが、研究開発先行型のため営業利益は-4.38213億円と赤字です。将来の収益の柱となるパイプラインの育成に注力しています。
  • 診断薬事業
    診断薬事業は、医薬品事業を補完する形で展開されており、売上高は0.32586億円、営業利益は-1.03521億円です。こちらもまだ収益化には至っていませんが、医薬品開発と連携した診断技術の確立を目指していると考えられます。
  • ハイブリッド型への移行
    今後は、従来のライセンス供与だけでなく、自社での製造販売も視野に入れた「ライセンス型と製薬会社型のハイブリッド」事業モデルへの移行を進めています。特にOBP-301の国内承認申請は、この戦略を具体化する重要な一歩であり、将来的な収益構造の変化が期待されます。
FY2017 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PharmaceuticalDivision 事業 2 -4 -223.0%
DiagnosticDivision 事業 0 -1 -317.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,978 文字
3 【事業の内容】当社は創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いがんのウイルス療法や重症ウイルス感染症治療薬などの開発と事業化を推進しています。特に、がんのウイルス療法OBP-301やOBP-702などの「がんのウイルス療法領域」と、ウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心とした「重症ウイルス感染症領域」でパイプラインを構築し、「ウイルス創薬企業」として成長を目指しています。また、これまでHIV感染症治療薬として開発してきたOBP-601はドラッグリポジショニングにより神経難病治療薬として開発されています。今後は、自社によるOBP-301の販売開始や日本以外のアライアンスを推進し、各パイプラインの開発進展や製薬企業とのアライアンス活動を進め、さらに新規パイプラインの創製にも取り組んでゆく方針です。 これまで当社は、パイプラインの開発を一定段階まで進め、その後の開発や販売は製薬企業へライセンスを許諾し、その対価として契約一時金やマイルストーン、ロイヤリティ収入などを得るというライセンス型事業モデルを展開してきました。しかし、今後は従来のライセンス型事業モデルに加えて、自社で製造販売承認を得る製薬会社型事業モデルの展開を行う「ライセンス型事業モデルと製薬会社型事業モデルのハイブリッド」へ移行を進めています。この方針に則り、2020年6月にTransposon社とOBP-601のライセンス契約を締結し、契約一時金やマイルストーン収入などを受領するなどライセンス型事業モデルを具体化しています。また、製薬会社型事業モデルを具体化するために、2025年12月にOBP-301の国内承認申請を行いました。 「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者様が困る」そういう存在感ある創薬を展開し、いち早く医療現場の課題解決に貢献してゆきたいと考えています。なお、当社の事業系統図は以下のとおりです。 [事業系統図] (1) 主要なパイプライン当社は創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いがんのウイルス療法や重症ウイルス感染症治療薬などの開発と事業化を推進しています。特に、がんのウイルス療法OBP-301やOBP-702などの「がんのウイルス療法領域」と、ウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心とした「重症ウイルス感染症領域」でパイプラインを構築しています。さらに、核酸系逆転写酵素阻害剤のメカニズムを活かしてHIV感染症治療薬として開発して参りましたOBP-601は、LINE-1阻害剤としてドラッグリポジショニングを行い、ライセンス先のTransposon社により神経難病治療薬として開発が進められています。 ① がんのウイルス療法OBP-301OBP-301は、5型のアデノウイルス[*1]を遺伝子改変した腫瘍溶解ウイルスです。5型のアデノウイルスは風邪の症状を引き起こすもので、自然界にも存在します。OBP-301は、細胞の寿命を決定づけるテロメラーゼの活性が高いがん細胞で特異的に増殖することによって、がん細胞を破壊します。一方、がん細胞と比較してテロメラーゼ活性が低い正常な細胞の中では、増殖能力が極めて低いため、臨床的な安全性を保つことが期待されています。また、用法としては局所療法が中心となるため、体の負担も少なく、放射線治療や免疫チェックポイント阻害剤などとの併用により、さらに強力な抗腫瘍活性が導き出せることも明らかになっています。さらに局所注射した部位以外でのがんの縮小効果が示唆されており、がん免疫療法等との併用効果が期待されています。これまで嘔吐・脱毛・造血器障害などの重篤な副作用は報告されていないことから患者様のQOL(Quality of Life)の向上が期待されます。 a) 対象疾患食道がんなどの固形がんを対象にします。b) 技術導入の概況OBP-301は、内視鏡を用いる投与方法に関する用法特許が日本国内で特許が成立しており(特許第7674738号)、米国及び欧州では審査中です。この用法特許は当社が単独で保有しています。c) アライアンスの状況2008年3月にMedigen Biotechnology Corp.(台湾)と戦略的アライアンス契約を締結し、2024年12月には台湾での商業化権を許諾しました。また、2024年2月に富士フイルム富山化学と日本における販売提携契約を締結しました。d) 研究開発の概況活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。なお、食道がん治療再生医療等製品として開発を進め、2025年12月に製造販売承認申請を行いました。また、2020年6月に米国においてオーファンドラッグ(希少疾患治療薬)の指定を食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)から、2025年12月に厚生労働省から希少疾病用再生医療等製品(オーファンドラッグ)の指定を受けております。e) 製造体制当社は本剤を自社製造しておらず、他の製造会社に委託して製造しております。f) 販売体制日本国内に関しては、富士フイルム富山化学が販売する予定です。また、台湾はMedigen社へ商業化権を許諾しています。その他の海外に関しては、大手製薬企業等とライセンス契約又は販売提携契約を締結し、契約先が販売する予定です。 <OBP-301の構造> OBP-301は、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)遺伝子プロモーターをアデノウイルス5型遺伝子のE1領域[*2]に組み込み、さらに同領域にIRES配列[*3]を導入することによってがん細胞内での複製効率を高めたがん細胞で特異的に増殖する腫瘍溶解ウイルスです。OBP-301のDNA構造は以下のとおりです。 ② LINE-1阻害剤OBP-601(censavudine)OBP-601(censavudine)は、神経変性疾患への応用が新たに期待されるLINE-1阻害剤です。レトロトランスポゾン[*4]というヒトの遺伝子がRNAからDNAに逆転写されて、DNAの様々な場所に入り込んでしまうことで神経組織の炎症反応が起こり、その結果、筋萎縮性側索硬化症(以下「ALS」)などの神経変性疾患を引き起こされることが近年明らかになりました。OBP-601は、このRNAからDNAへの逆転写を司る酵素を抑制する作用を有しており、これまでにない新しい作用機序をもった神経変性疾患の治療薬になることが期待されています。 a) 対象疾患PSP(進行性核上性麻痺)、C9-ALS(筋萎縮性側索硬化症)、アルツハイマー病などの神経変性疾患を対象にします。b) 技術導入の概況当社は、神経変性疾患治療薬の開発を目的に設立されたTransposon社と、2020年6月に全世界における再許諾権付き独占的ライセンス導出契約を締結しました。今後の開発は、Transposon社が全額費用を負担し、欧米を中心に実施します。c) 研究開発の概況活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。なお、2024年5月に米国においてPSPへのファスト・トラック指定を食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)から受けております。d) 製造体制当社は本剤を自社製造しておらず、製造はライセンス導出先のTransposon社が行います。e) 販売体制Transposon社が第三者である大手製薬企業等へOBP-601のライセンスを再許諾した場合、ライセンス再許諾先が販売を行います。 <OBP-601(censavudine)の作用メカニズム> ③ 次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702 OBP-702は、OBP-301に強力ながん抑制遺伝子p53を搭載した次世代腫瘍溶解ウイルスです。p53遺伝子[*5]の欠失又は変異によって細胞ががん化する割合は、がん全体の30~40%になると報告されています。OBP-702はがん細胞に投与されると、ウイルス自体ががん細胞のテロメラーゼ活性を介して増殖し、がん細胞を破壊するのに加え、同時にp53蛋白をがん細胞の中で生成させることにより、さらに強力にがん細胞をアポトーシスさせる機能を有しています。これまでの非臨床試験の結果では、OBP-301と比較し、抗がん活性が約10倍~30倍高いことが示唆され、免疫チェックポイント阻害剤との併用効果が示されています。今後、既存の治療法に抵抗を示すがんや、OBP-301で効果が得られにくかったがん種等、アンメット・メディカル・ニーズを充足させる治療薬を目指して開発してゆきます。 a) 対象疾患膵臓がんなどの各種固形がんを対象にします。b) 技術導入の概況当社は、2015年に次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702をパイプラインに加えています。OBP-702は、OBP-301と同様に内視鏡を用いる投与方法に関する用法特許を日本国内で取得しており、米国及び欧州では審査中です。この用法特許は当社が単独で保有しています。c) 研究開発の概況活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。d) 製造体制当社は、本剤を自社製造しておらず、他の製造会社に委託して製造する予定です。e) 販売体制大手製薬企業等へライセンスを導出し、導出先が販売する予定です。 <次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702の構造> ④ ウイルス感染症治療薬OBP-2011OBP-2011は、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2を強く阻害する新規メカニズムを持った治療薬として開発を行っていました。これまでに行われた前臨床試験の結果から、経口投与が可能であることが確認され、探索的毒性試験や探索的遺伝毒性試験においても問題となるような検査の異常は認められていません。また、アルファ株・ベータ株・ガンマ株・デルタ株・オミクロン株などの変異型コロナウイルス株に対しても、野生型と同等の活性を示すことが細胞培養系の実験で確認されています。今後は、開発優先順位を引き下げ、メカニズム解明を進めるとともに、他のウイルス感染症治療薬としての可能性を探索していきます。 a) 対象疾患ウイルス感染症を対象に効果を探っています。b) 技術導入の概況 当社は、2020年6月に鹿児島大学と抗SARS-CoV-2薬用途特許の特許譲受に関する契約を締結しました。日本国内では、本特許が成立しています(特許第7765835号)。さらに、2021年11月に抗SARS-CoV-2薬物質特許の出願を行いました。これらについても鹿児島大学から持分を譲り受けることで、当社は一元的に権利を保有しています。c) 研究開発の概況 活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。d) 製造体制 当社は、本剤を自社製造しておらず、他の製造会社に委託して製造する予定です。e) 販売体制 大手製薬企業等へライセンスを導出し、導出先が販売を行う予定です。 ⑤ 検査薬OBP-401OBP-401は、がん細胞内で特異的に増殖し、緑の蛍光色を発するタンパク質(GFP)を産生させてがん細胞を特異的に発光させる機能を持った遺伝子改変アデノウイルスです。5型のアデノウイルスの基本構造を持ったOBP-301にクラゲの発光遺伝子を組み入れ、がん細胞や炎症性細胞などのテロメラーゼ陽性細胞で特異的に蛍光発光させる検査用ウイルスです。 <OBP-401の構造模式図>OBP-401を用いた検査プラットフォームは、これまでの技術では検出が困難であった血液中の微量な生きたままのがん細胞(CTC:Circulating Tumor Cell)の検出を可能とし、幅広いがん種での体外検査による予後予測・がん遺伝子検査・超早期発見などへの応用を目指して開発を進めています。特に、肺がん等でがんの組織生検を行うことなく、血液採取でがん患者様に適したがん治療の選択肢を増やすことを目指しており、医療現場での高品質な検査への応用が期待されています。 a) 技術導入の概況OBP-401は、今後AIを用いた検査系の立ち上げを行い、検査感度・精度及びスループットの向上を目指してゆきます。 OBP-1101は医薬基盤研究所より2011年4月28日付で世界における独占実施権を獲得しています。b) 研究開発の概況活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。c) 製造体制当社は、兵庫県神戸市の神戸リサーチラボにおいて、自社製造体制を構築しています。また、必要に応じて他社に委託して製造する予定です。d) 販売体制国内外の検査会社等への遺伝子改変ウイルスを用いたがん検査薬の実施権の許諾と、研究機関や製薬企業へのがん検査及び検査薬販売が主体となります。将来は、検査キットを検査会社や医療機関に提供してゆきます。 ⑥ HDAC阻害剤OBP-801OBP-801はヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase:HDAC)阻害剤[*6]です。OBP-801は、正常細胞のがん化に強く関係しているHDACという酵素の活性を阻害することで、がん細胞の増殖抑制や細胞死などを誘導する効果を示すことを期待して開発されていました。しかし、米国での各種固形がんを対象にしたPhase1臨床試験で用量制限毒性が生じたため、がん領域での開発を中断しています。現在、眼科領域への応用が試みられています。 a) 対象疾患 眼科疾患領域への応用b) 技術導入の概況 当社は、2009年10月にアステラス製薬株式会社よりOBP-801に関する独占実施権を獲得しています。OBP-801は、眼科領域の用途に関する特許を日本国内で取得しております(特許第7542799号)。c) 研究開発の概況 活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。 d) 製造体制 当社は本剤を自社製造しておらず、他社に委託して製造しております。 e) 販売体制 将来的に大手製薬企業等へライセンスを導出し、導出先が販売を行います。 〔主要なパイプラインにかかる用語解説〕[*1] アデノウイルスアデノウイルスは、正二十面体構造の二本鎖DNAウイルスで、ヒトの場合は気道に感染し、のどの腫れなどのいわゆる風邪の症状を起こします。アデノウイルスには、1型から51型まで51の血清型があり、ヒトアデノウイルス5型は小児の上気道感染症の原因となるウイルスで、36kbの2本鎖直線状のDNAゲノムを有しています。組換えDNA実験ではアデノウイルス5型がよく使われます。この属のウイルスは深刻な疾患の原因とはならず、サイズの大きな遺伝子を組み込むことができることから、遺伝子治療に応用されてきました。 [*2] E1領域ヒトアデノウイルスゲノムは、5'逆方向末端反復配列(ITR)、パッケージングシグナル(ψ)、初期遺伝子領域E1A及びE1BからなるE1、E2、E3、E4、後期遺伝子領域L1~L5、及び3’ITRを含みます。E1及びE4は調節タンパク質を含み、E2は複製に必要なタンパク質をコードし、L領域はウイルスの構造タンパク質をコードします。E1A及びE1B遺伝子は、ウイルスの増殖に必須な初期遺伝子です。 [*3] IRES配列IRES(Internal Ribosome Entry Site)と呼ばれる遺伝子配列は、一本のメッセンジャーRNAの途中から翻訳を開始させることができる配列です。このため複数の遺伝子を含むベクターに組み込んで使われています。 [*4] レトロトランスポゾンヒトゲノムの約40%を占めており、逆転写酵素などの作用によってレトロトランスポゾンの複製が行われ、遺伝子内にランダムに転移が起きます。その結果、遺伝子の突然変異が起こりやすくなり、様々な病気が発生すると考えられています。このレトロトランスポゾンがランダムに複数コピーされてくると、様々な反応によりインターフェロンが産生され、神経細胞を傷つけることによりALSなどの神経変性疾患が発生すると考えられています。 [*5] p53遺伝子がん抑制遺伝子の中でも代表的な遺伝子の1つであり、「細胞分裂の停止により、破損した遺伝子が修復するための時間稼ぎ」と「変異した遺伝子を持つ細胞の分裂を、強制的に阻止させる細胞死の発動」の役割を担っています。そのため、p53遺伝子は、ゲノム(遺伝子)の守護神という別名を持っています。 [*6] ヒストン脱アセチル化酵素(Histone Deacetylase; HDAC)阻害剤染色体を構成するタンパク質を脱アセチル化することで染色体構造を緊密にし、遺伝子の発現を抑制する酵素を阻害する薬の総称です。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 強い
独自性の高いがんのウイルス療法や重症ウイルス感染症治療薬などの開発
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
医薬品の研究開発における薬機法、GLP、GMP、GCP、GQP、GVPなどのガイドライン
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:研究開発投資が高額であること / パイプラインの安全性及び有効性 / 法的規制にかかる事項
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

オンコリスバイオファーマは、医薬品の研究開発を行う企業であり、現時点では特許やブランドによる明確な無形資産の優位性は確認できない。開発中の医薬品が上市され、成功した場合に将来的な無形資産となり得る可能性はあるが、現段階では評価は難しい。

スイッチングコスト☆☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社は医薬品の研究開発段階にあり、現時点では製品・サービスを提供していないため、顧客が存在せず、スイッチング・コストは発生しない。将来的に製品が上市された場合、医療機関や患者との関係性構築が重要となる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

医薬品の研究開発企業であり、現時点ではプラットフォームやサービスを提供していないため、ネットワーク効果は発生しない。将来的に、特定の疾患領域における治療法を確立した場合、その情報や治療ノウハウの共有が限定的なネットワークを形成する可能性はある。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

医薬品の研究開発は、高度な専門知識と設備投資を要する分野であり、現時点では同社が構造的なコスト優位性を持つ証拠はない。研究開発の効率性や、将来的な製造コストの低減が競争力の源泉となり得る。

規模の経済☆☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

医薬品の研究開発段階であり、現時点では市場シェアや事業規模において明確な効率規模の優位性は見られない。将来的に開発成功し、事業が拡大した場合、規模の経済が働く可能性はあるが、現段階では評価は困難。

  • 独自のがんウイルス療法
    同社は、がん細胞に特異的に感染・増殖して破壊する「腫瘍溶解ウイルス」という独自技術を強みとしています。特にOBP-301は、正常細胞への影響を抑えつつ、がん細胞のみを標的とするため、副作用が少なく患者のQOL向上に貢献できる可能性があります。
  • ドラッグリポジショニング
    既存薬OBP-601をHIV治療薬から神経難病治療薬へと用途変更する「ドラッグリポジショニング」に成功しています。これにより、開発期間やコストを抑えつつ、新たな治療ニーズに応える薬を生み出すことができ、効率的なパイプライン構築に繋がっています。
  • 希少疾病用医薬品指定
    OBP-301は、米国FDAからオーファンドラッグ(希少疾患治療薬)の指定を受けており、日本でも希少疾病用再生医療等製品の指定を受けています。これにより、開発・承認プロセスにおいて優遇措置が受けられる可能性があり、市場での競争優位性を確保しやすくなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社は創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いがんのウイルス療法薬や重症感染症治療薬などの開発と事業化を推進しています。特に、腫瘍溶解ウイルスであるOBP-301並びに次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702を中心とした「がんのウイルス療法」と、ウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心とした「重症ウイルス感染症治療薬」を主な事業領域とした「ウイルス創薬企業」として成長を目指しています。さらに、核酸系逆転写酵素阻害剤のメカニズムを活かしてHIV感染症治療薬として開発して参りましたOBP-601は、LINE-1阻害剤としてドラッグリポジショニングを行い、ライセンス先のTransposon社により神経難病治療薬として開発が進められています。 これまで当社は、パイプラインの開発を一定段階まで進め、その後の開発や販売は製薬企業へライセンスを許諾し、その対価として契約一時金やマイルストーン、ロイヤリティ収入などを得るというライセンス型事業モデルを展開してきました。しかし、今後は従来のライセンス型事業モデルに加えて、自社で製造販売承認を得る製薬会社型事業モデルの展開を行う「ライセンス型事業モデルと製薬会社型事業モデルのハイブリッド」へ移行を進めています。この方針に則り、2020年6月にTransposon社とOBP-601のライセンス契約を締結し、契約一時金やマイルストーン収入などを受領するなどライセンス型事業モデルを具体化しています。また、製薬会社型事業モデルを具体化するために、2025年12月にOBP-301の国内承認申請を行いました。 「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者様が困る」そういう存在感ある創薬を展開することを基本方針とし、いち早く医療現場の課題解決に貢献してゆきたいと考えています。 (2) 当社を取り巻く経営環境がんのウイルス療法は1990年代から欧米を中心に研究開発が進み、2010年代以降に大きな進展を遂げました。2015年に米国アムジェン社が遺伝子改変ヘルペスウイルスを使ったがんのウイルス療法を上市させ、日本国内では2021年に第一三共(株)が同様なヘルペスウイルス製剤「デリタクト注」(一般名:テセルパツレブ)を日本国内で上市させました。現在も、世界で数十社が様々なウイルス療法の開発に着手し、開発競争が激しくなっています。一方で、遺伝子改変型アデノウイルスによるウイルス療法は未だ薬事承認されたものはなく、当社が開発しているOBP-301は、食道がんへの適応に対して開発の最終段階にあり、2025年には厚生労働省へ製造販売承認申請を行いました。また、医薬品業界では、大手製薬企業の命運を左右させるようなパテントクリフを補う新薬の創出が大きな課題となってきており、大手製薬会社も独自の新薬の創出に頼るのではなく、ベンチャー企業が創出した従来にない遺伝子治療や細胞治療などの新しいモダリティを求めるようになってきました。このような環境下、当社のような小規模組織は、経営資源であるヒト・モノ・カネを戦略的かつ効率的に活用し、事業のスピードと質を最大化できるというメリットがあります。効率的な経営を実現させるためにCRO(臨床試験・前臨床試験受託企業)やCDMO(医薬品製造受託企業)に業務委託を行い、早期にパイプラインのPOC(Proof of Concept)を明確化させるとともに、規制当局との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務を強化しています。ニューモダリティを求める大手製薬会社との提携に繋げて新薬承認へのスピードアップを実現させ、世界の医療や研究機関との共同研究開発を通じて先進技術を取り込み、技術レベルの向上を図るとともに、アウトソーシング先を積極的に活用し、ローコスト且つハイレベルな研究開発体制の構築を行います。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社は、組織戦略において下記の課題を重要な課題として取り組んでおります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において判断したものであります。 a.経営理念の浸透当社のビジョンは、「未来のがん治療に新たな選択肢を与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」です。私たちが求めて止まないのは、医療の“イノベーション”です。そのために、普段からの医学研鑽を惜しみません。少人数で大きな仕事を成し遂げてこそ、アドベンチャーと言えるでしょう。大企業にできないことこそ、私たちが成し遂げるべき目標です。いくら儲かるからではなく、どれだけの人を救えるかに価値観をもち、その結果としての利益を追求してゆきたいと考えます。経営者と社員だけではなく、株主様ともこの意識を共有してゆきます。常に透明な経営を心がけ、定期的な情報公開を行ってゆきます。社会貢献を目指す社会人として、常にコンプライアンスの遵守を心がけます。この経営理念を役職員に浸透させ、経営理念に基づいた経営戦略の遂行を柔軟且つ活気を持って執り行う組織を構築することが、重要な経営課題です。そのために、経営理念を具現化するための行動規範を策定し、役職員に行動規範の遵守を指導するとともに、経営トップが役職員に経営理念を語る機会を積極的に設定しています。その上で、研究開発部門と事業開発部門が一元的に情報を共有することを第一義に組織を構築しています。また、社内リソースを管理する管理部門は、常にステークホルダーを意識し、コンプライアンス遵守を徹底します。さらに、内部監査部門は、経営理念及び行動規範の浸透状況をはじめとするモニタリング機能を充実させていきます。 b.人財の確保と成長役職員個々の自発的な成長こそが当社の成長を支える必須要素です。その実現のために人財の採用・育成を積極的に推進します。特に、当社の研究開発やビジネスは国内外に渡るため、英語能力をはじめ国際的視野を持つ人財を育てることが重要です。社内外ネットワークを活用し、確かな技術・能力・成長意欲のある人財の採用を行い、併せてOJTや各種研修プログラムによる人財育成を行うことで、陣容の充実を図ります。また、業績評価や株式報酬制度を充実させ、業務のスピード及び質を最大化することに努めます。 c.研究開発体制の強化当社の研究開発は、医薬品候補の探索・創製から前臨床試験及び初期臨床試験(POC: Proof of Concept)までを中心とした前臨床から臨床段階への橋渡し(TR:Translational Research)や、これらの研究開発を進めるための治験薬の製造や品質管理などが従来は主業務でしたが、これらに加え製薬会社モデルに移行した現在は、厚生労働省との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務を強化しています。従って、研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財や、薬事業務経験者や信頼性保証業務の経験者の確保並びに育成が重要な課題です。当社の研究開発体制は、国内のみならず海外にも展開しております。世界の医療や研究機関との共同研究開発を通じて先進技術を取り込み、技術レベルの向上を図るとともに、アウトソーシング先を積極的に活用し、ローコスト且つハイレベルな研究開発体制の構築を行います。 d.事業開発部門の強化当社は、遺伝子改変ウイルス製剤を用いたがんのウイルス療法と重症ウイルス感染治療薬を事業領域に定めており、この業界においては非常に特殊なウイルス創薬の事業化を目指しています。従って、ビジネス能力だけではなく科学的知識の豊富な人財を確保・育成し、世界の製薬企業とのネットワークをより強固なものにしていきます。さらに、海外製薬企業とのライセンスや共同開発の機会を数多く創出し、当社のキャッシュ・フロー獲得に貢献できる事業開発体制を構築します。 e.アウトソーシング戦略アウトソーシングを主体とする当社のビジネスにおいて、その効率化は重要な課題であります。必要且つ十分な研究開発及び製造力の確保に向け、外部委託会社であるCRO(Contract Research Organization)及びCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)との関係を強化するために、オペレーション体制を強化し、専門の人材を育成してゆきます。また、常に効率的なアウトソーシング体制を確保するべく、各々の業務領域において特定の1社依存リスクや地政学的リスクが顕在化せぬよう、セカンドコントラクターの探索及び関係構築も行います。さらに、必要に応じてアウトソーシングを見直し、各々の業務の内製化によるリスクコントロールを検討していきます。 主要製品・サービス内容、顧客基盤、販売網等については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)主要なパイプライン」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照ください。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社は創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高いがんのウイルス療法薬や重症感染症治療薬などの開発と事業化を推進しています。特に、腫瘍溶解ウイルスであるOBP-301並びに次世代腫瘍溶解ウイルスOBP-702を中心とした「がんのウイルス療法」と、ウイルス感染症治療薬OBP-2011を中心とした「重症ウイルス感染症治療薬」を主な事業領域とした「ウイルス創薬企業」として成長を目指しています。さらに、核酸系逆転写酵素阻害剤のメカニズムを活かしてHIV感染症治療薬として開発して参りましたOBP-601は、LINE-1阻害剤としてドラッグリポジショニングを行い、ライセンス先のTransposon社により神経難病治療薬として開発が進められています。 これまで当社は、パイプラインの開発を一定段階まで進め、その後の開発や販売は製薬企業へライセンスを許諾し、その対価として契約一時金やマイルストーン、ロイヤリティ収入などを得るというライセンス型事業モデルを展開してきました。しかし、今後は従来のライセンス型事業モデルに加えて、自社で製造販売承認を得る製薬会社型事業モデルの展開を行う「ライセンス型事業モデルと製薬会社型事業モデルのハイブリッド」へ移行を進めています。この方針に則り、2020年6月にTransposon社とOBP-601のライセンス契約を締結し、契約一時金やマイルストーン収入などを受領するなどライセンス型事業モデルを具体化しています。また、製薬会社型事業モデルを具体化するために、2025年12月にOBP-301の国内承認申請を行いました。 「オンコリスなしでは医療現場が、ひいては患者様が困る」そういう存在感ある創薬を展開することを基本方針とし、いち早く医療現場の課題解決に貢献してゆきたいと考えています。 (2) 当社を取り巻く経営環境がんのウイルス療法は1990年代から欧米を中心に研究開発が進み、2010年代以降に大きな進展を遂げました。2015年に米国アムジェン社が遺伝子改変ヘルペスウイルスを使ったがんのウイルス療法を上市させ、日本国内では2021年に第一三共(株)が同様なヘルペスウイルス製剤「デリタクト注」(一般名:テセルパツレブ)を日本国内で上市させました。現在も、世界で数十社が様々なウイルス療法の開発に着手し、開発競争が激しくなっています。一方で、遺伝子改変型アデノウイルスによるウイルス療法は未だ薬事承認されたものはなく、当社が開発しているOBP-301は、食道がんへの適応に対して開発の最終段階にあり、2025年には厚生労働省へ製造販売承認申請を行いました。また、医薬品業界では、大手製薬企業の命運を左右させるようなパテントクリフを補う新薬の創出が大きな課題となってきており、大手製薬会社も独自の新薬の創出に頼るのではなく、ベンチャー企業が創出した従来にない遺伝子治療や細胞治療などの新しいモダリティを求めるようになってきました。このような環境下、当社のような小規模組織は、経営資源であるヒト・モノ・カネを戦略的かつ効率的に活用し、事業のスピードと質を最大化できるというメリットがあります。効率的な経営を実現させるためにCRO(臨床試験・前臨床試験受託企業)やCDMO(医薬品製造受託企業)に業務委託を行い、早期にパイプラインのPOC(Proof of Concept)を明確化させるとともに、規制当局との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務を強化しています。ニューモダリティを求める大手製薬会社との提携に繋げて新薬承認へのスピードアップを実現させ、世界の医療や研究機関との共同研究開発を通じて先進技術を取り込み、技術レベルの向上を図るとともに、アウトソーシング先を積極的に活用し、ローコスト且つハイレベルな研究開発体制の構築を行います。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社は、組織戦略において下記の課題を重要な課題として取り組んでおります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において判断したものであります。 a.経営理念の浸透当社のビジョンは、「未来のがん治療に新たな選択肢を与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」です。私たちが求めて止まないのは、医療の“イノベーション”です。そのために、普段からの医学研鑽を惜しみません。少人数で大きな仕事を成し遂げてこそ、アドベンチャーと言えるでしょう。大企業にできないことこそ、私たちが成し遂げるべき目標です。いくら儲かるからではなく、どれだけの人を救えるかに価値観をもち、その結果としての利益を追求してゆきたいと考えます。経営者と社員だけではなく、株主様ともこの意識を共有してゆきます。常に透明な経営を心がけ、定期的な情報公開を行ってゆきます。社会貢献を目指す社会人として、常にコンプライアンスの遵守を心がけます。この経営理念を役職員に浸透させ、経営理念に基づいた経営戦略の遂行を柔軟且つ活気を持って執り行う組織を構築することが、重要な経営課題です。そのために、経営理念を具現化するための行動規範を策定し、役職員に行動規範の遵守を指導するとともに、経営トップが役職員に経営理念を語る機会を積極的に設定しています。その上で、研究開発部門と事業開発部門が一元的に情報を共有することを第一義に組織を構築しています。また、社内リソースを管理する管理部門は、常にステークホルダーを意識し、コンプライアンス遵守を徹底します。さらに、内部監査部門は、経営理念及び行動規範の浸透状況をはじめとするモニタリング機能を充実させていきます。 b.人財の確保と成長役職員個々の自発的な成長こそが当社の成長を支える必須要素です。その実現のために人財の採用・育成を積極的に推進します。特に、当社の研究開発やビジネスは国内外に渡るため、英語能力をはじめ国際的視野を持つ人財を育てることが重要です。社内外ネットワークを活用し、確かな技術・能力・成長意欲のある人財の採用を行い、併せてOJTや各種研修プログラムによる人財育成を行うことで、陣容の充実を図ります。また、業績評価や株式報酬制度を充実させ、業務のスピード及び質を最大化することに努めます。 c.研究開発体制の強化当社の研究開発は、医薬品候補の探索・創製から前臨床試験及び初期臨床試験(POC: Proof of Concept)までを中心とした前臨床から臨床段階への橋渡し(TR:Translational Research)や、これらの研究開発を進めるための治験薬の製造や品質管理などが従来は主業務でしたが、これらに加え製薬会社モデルに移行した現在は、厚生労働省との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務を強化しています。従って、研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財や、薬事業務経験者や信頼性保証業務の経験者の確保並びに育成が重要な課題です。当社の研究開発体制は、国内のみならず海外にも展開しております。世界の医療や研究機関との共同研究開発を通じて先進技術を取り込み、技術レベルの向上を図るとともに、アウトソーシング先を積極的に活用し、ローコスト且つハイレベルな研究開発体制の構築を行います。 d.事業開発部門の強化当社は、遺伝子改変ウイルス製剤を用いたがんのウイルス療法と重症ウイルス感染治療薬を事業領域に定めており、この業界においては非常に特殊なウイルス創薬の事業化を目指しています。従って、ビジネス能力だけではなく科学的知識の豊富な人財を確保・育成し、世界の製薬企業とのネットワークをより強固なものにしていきます。さらに、海外製薬企業とのライセンスや共同開発の機会を数多く創出し、当社のキャッシュ・フロー獲得に貢献できる事業開発体制を構築します。 e.アウトソーシング戦略アウトソーシングを主体とする当社のビジネスにおいて、その効率化は重要な課題であります。必要且つ十分な研究開発及び製造力の確保に向け、外部委託会社であるCRO(Contract Research Organization)及びCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)との関係を強化するために、オペレーション体制を強化し、専門の人材を育成してゆきます。また、常に効率的なアウトソーシング体制を確保するべく、各々の業務領域において特定の1社依存リスクや地政学的リスクが顕在化せぬよう、セカンドコントラクターの探索及び関係構築も行います。さらに、必要に応じてアウトソーシングを見直し、各々の業務の内製化によるリスクコントロールを検討していきます。 主要製品・サービス内容、顧客基盤、販売網等については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (1)主要なパイプライン」及び「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」をご参照ください。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概況当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。  ① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、米国の関税政策による不確実性が上昇した局面もありましたが、日米合意を踏まえて相互関税政策の影響は限定的にとどまる見込みであり、企業活動の底堅さも示されています。一方、中国との政治的関係の悪化、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエル紛争の解決が見えないなど、不安定な状況も継続しています。 このような状況下、当社は「未来のがん治療に新たな選択肢を与え、その実績でがん治療の歴史に私たちの足跡を残してゆくこと」をビジョンとし、特に、腫瘍溶解ウイルスOBP-301を中心に研究・開発・ビジネス活動を推進させ、2025年12月15日に厚生労働省へ製造販売承認申請を行いました。また、当社は、OBP-301の国内ビジネスを製薬会社モデルで展開することにより、従来のライセンス依存の単一の事業モデルから、製薬会社型とライセンス型の『ハイブリッド型事業モデル』へ移行を進めています。LINE-1阻害剤OBP-601(censavudine)は、Transposon社とのライセンス契約の下、同社の全額費用負担により臨床試験が実施され、Transposon社のビジネス活動も進んでいます。当社活動の詳細に関しては、「第2 事業の状況 6.研究開発活動」をご確認ください。以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態当事業年度末における資産は、現預金の増加等により4,555,879千円(前期比42.4%増)となりました。負債は、前受金の受領による契約負債の増加等により555,909千円(前期比24.5%増)となりました。純資産は、新株発行による増資や当期純損失等により3,999,969千円(前期比45.3%増)となりました。 b.経営成績当事業年度は、売上高28,546千円(前期は売上高31,384千円)、営業損失2,024,068千円(前期は営業損失1,681,403千円)を計上しました。また、営業外収益として受取利息3,949千円等を計上し、営業外費用として新株予約権発行費7,177千円、株式交付費9,222千円等を計上し、経常損失2,051,244千円(前期は経常損失1,663,911千円)になりました。さらに、当社の東京本社改修工事等の減損損失2,772千円を特別損失として計上した結果、当期純損失2,058,049千円(前期は当期純損失1,684,778千円)を計上しました。 ② キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,429,561千円(前期比58.3%増)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは1,940,866千円の支出(前期は2,020,088千円の支出)となりました。これは主として、税引前当期純損失2,054,016千円の計上、前払金の減少147,229千円、未収入金の増加199,872千円、契約負債の増加110,000千円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは7,583千円の支出(前期は4,705千円の支出)となりました。これは、主に敷金及び保証金の差入による支出4,496千円、有形固定資産の取得による支出3,014千円等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは3,221,897千円の収入(前期は2,879,444千円の収入)となりました。これは主に株式の発行による収入3,193,862千円、長期借入れによる収入100,000千円、長期借入金の返済による支出94,444千円、リース債務の返済による支出10,177千円等によるものです。  ③ 生産、受注及び販売の実績(1) 生産実績該当事項はありません。 (2) 受注実績該当事項はありません。 (3) 販売実績当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社は、創薬事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載は省略しております。 セグメントの名称当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)創薬事業(千円)28,54690.9合計(千円)28,54690.9 (注) 1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前事業年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)販売高(千円)割合(%)Transposon Therapeutics31,384100.0 相手先当事業年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)販売高(千円)割合(%)Transposon Therapeutics28,546100.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。  ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当事業年度の経営成績等の状況については、上記「(1)経営成績等の状況の概況」をご参照ください。当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、創薬バイオ企業として研究開発先行型の事業を展開しており、独自性の高い遺伝子改変ウイルスによるがん治療薬、重症ウイルス感染症治療薬及びがん検査薬などの開発と事業化を推進しています。特に、ウイルスの増殖能力を利用してがん細胞を殺す「がんのウイルス療法」と、ウイルスの増殖を止めて治療を行う「重症ウイルス感染症治療薬」を事業領域とし、ウイルスを軸にした業界でも類を見ない『ウイルス創薬』を展開して参りました。また、これまでHIV感染症治療薬として開発してきたOBP-601は、そのメカニズムを基に応用を拡大して神経難病治療薬としての開発が進められています。今後も、各パイプラインの製薬企業へのライセンス活動を推進して商業化を早め、さらに新規パイプラインの創製にも取り組んでゆく方針です。 当事業年度の腫瘍溶解ウイルスOBP-301に関する活動に関しては、2025年12月に食道がん治療再生医療等製品として、製造販売承認申請を行いました。同月には、希少疾病再生医療等製品の指定も受けています。製造面では、18ヶ月の有効期限を確認して商用出荷1ロット目の製剤を製造しました。また、OBP-301の安定供給に向けて、商用出荷2ロット目の原薬も製造を完了しました。知的財産面も強化を進め、2025年4月に、腫瘍溶解アデノウイルスの内視鏡投与に関する特許を日本で成立させました。同特許は、OBP-301に限らずOBP-702や他社の腫瘍溶解アデノウイルスもカバーし、2040年5月まで特許が存続します。一方、OBP-601のライセンス先であるTransposon社による神経難病患者を対象としたPhase2臨床試験の結果を基に、PSP(進行性核上性麻痺)やALS(筋萎縮性側索硬化症)患者に対する臨床試験の準備が進んでいます。また、これらの疾患に加えて、新たにアルツハイマー病の臨床試験の準備が進められています。 当社の経営に影響を与える大きな要因としては、1)研究開発の進捗度合い、2)ウイルス製剤の製造、3)ライセンスや販売提携に伴う資金獲得、4)医薬品市場動向及び5)為替動向等が挙げられます。1) 研究開発については、特に臨床試験では適格な症例を組み入れることがその試験の成功を左右させる大きな要因となります。当社の開発方針はUnmet Medical Needs(治療法が確立されていない医療領域)を対象に臨床開発を展開しており、対象症例が非常に希少であるために臨床試験の症例組み入れが予想よりも遅延する可能性があります。そのために臨床試験受託会社(CRO)を的確にオペレーションし、臨床試験担当医師との情報交換を頻度高く行うなどの努力を最大限行って臨床試験の質とスピードを向上させることを重要視しています。これらに加え今後は厚生労働省との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務を強化していきます。研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財や、薬事業務経験者や信頼性保証業務の経験者の確保並びに育成を行っていきます。2) ウイルス製剤の製造においては、OBP-301の商用製造に向けて原薬及び製剤をヘノジェン社(ベルギー)に委託しています。これまでに商用出荷に向けた製剤製造を実施しました。ウイルス製造には大きな費用が掛かり、さらに品質試験や安定性試験にも時間と費用を要します。これらの遅延又は失敗は、OBP-301の安定供給に悪影響を与える可能性があります。このような状況を防ぐために、当社ではウイルス製造時に当社製造担当者を派遣し、製造受託企業スタッフと綿密な情報交換を行い、当社神戸リサーチラボにおいても補足的検討を即時的に行い、効率的かつ高品質なウイルス製剤が製造できるよう努めています。また、CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)との関係を強化するために、定期訪問等による綿密なコンタクト体制をとるべく全組織に啓蒙しています。なお、常に効率的なアウトソーシング体制を確保するべく、各々の業務領域において特定の1社依存リスクや地政学的リスクが顕在化せぬよう、セカンドコントラクターの探索及び関係構築も行っています。さらに、必要に応じてアウトソーシングを見直し、各々の業務の内製化によるリスクコントロールを検討していきます。3) ライセンス契約や販売提携契約に関しては、研究開発の大幅遅滞や失敗、医療行政の変動、競合薬の進展などのリスクに加え、契約締結先の経営戦略変更により契約が解消されるリスクなどが挙げられます。これらのリスクを回避・低減するため、契約条件をより当社に有利にできるよう、過去の契約事例を参照して不足事項を補い、コンサルタントや弁護士の助言を最大限に活用し、より良い契約が完遂できるよう努力していきます。4) 市場動向については、国内外の大手製薬会社やバイオ企業との熾烈な研究開発競争が今後も展開され、がん治療の標準的治療法が年々変更される時代となったために、マーケット調査を強化して将来を見据えた開発方針を立てる必要があります。常に競合情報やマーケット情報をキャッチアップできるよう、国内外の情報収集に努めてゆきます。5) 為替動向に関しては、当社の海外における臨床試験や製造などが主に外貨建てで行われているという理由により、経営成績が大きく影響を受けるため、為替変動リスクを最小限に抑える必要があります。今後は外貨建て収入を増加させることで、外貨建て債務に係る為替リスクの低減を図っていきます。 このような中で、当社はグローバル市場におけるリスク対応力の高い人財を育成し、「ウイルス創薬」という新しい業態において名実ともに存在感のある企業として成長していくために、収入増大による経営基盤の強化を図り、企業統治を高度化していきます。 ③ 資本の財源及び資金の流動性a.資金需要当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、医薬品及び検査薬の研究開発に伴う研究開発費、各種ライセンス契約や戦略的アライアンス契約に伴う特許関連費、各事業についての一般管理費があります。また、設備・投資資金需要としては、各種機器や戦略的投資に伴う固定資産投資等があります。 b.財務政策当社は事業活動の維持拡大に必要な資金を、ライセンス契約や販売提携による一時金やマイルストーン収入のみならず、商業化によるロイヤリティー収入や製品販売収入を軸とした事業収入によって確保することを第一に考え、内部資金を活用し、必要に応じて資本市場からの資金調達や銀行からの借入を行っています。また、運転資金及び設備・投資資金は、当社において一元管理しています。「ウイルス創薬」による医薬品や検査薬の研究開発という成果を実現させるまで、相対的に時間を要する事業を行っているために、資本性の高い長期資金を得ることで、資金特性のバランスを考慮しています。また、銀行借入の実施により資本コストの引き下げを目指します。

事業リスク

  • 高額な研究開発投資
    医薬品の研究開発は、成功までに長い期間と多額の費用がかかります。ライセンス契約がうまくいかなかったり、自社で上市まで開発する場合、多大な開発費用が会社の業績を圧迫し、開発の遅延や中止につながる可能性があります。
  • 安全性・有効性の問題
    開発中の薬に予期せぬ副作用が見つかったり、期待通りの効果が得られない場合、開発が大幅に遅れたり、中止になるリスクがあります。これにより、これまで投じた研究開発費が無駄になり、会社の事業や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 競合品の登場と技術革新
    医薬品業界は技術革新が速く、常に新しい治療法や薬が開発されています。同社の製品と競合する薬が他社から発売されたり、より優れた技術が登場した場合、市場での競争が激化し、同社の製品の売上や収益に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|8,288 文字
3 【事業等のリスク】当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因には、以下のようなものがあります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は本項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。なお、文中の将来に関する事項は、別段の表示がない限り、本書提出日時点において、当社が判断したものであります。 創薬事業における研究開発について(1) 事業の内容について① 研究開発投資が高額であることにかかる事項当社が行う医薬品及び検査薬の研究開発は、その期間が長期にわたり、コストも高額であります。保有するパイプラインを初期の臨床試験まで効率的に開発を進めることに注力し、そこで得られた有効性と安全性のデータを以って製薬企業へのライセンス契約締結を実現することを基本的な事業活動と位置付けています。また、政府など各種の補助金を利用して経費を下げるとともに、ライセンス契約締結後の後期臨床試験以降の開発費用はライセンス先の拠出となることで、当社が負担する開発コストを最小限に抑えるとともに、契約一時金収入及びマイルストーン収入を確保することで、新規パイプラインへの再投資が実現することを事業サイクルとしております。しかしながら、万一、ライセンス契約締結及び維持に支障が発生した場合は、当社の事業収入が減少し、新規パイプライン開発への再投資が困難になる可能性があります。また、当社が上市まで開発する場合、パイプラインの開発費用をライセンス先が負担しないため、当社に発生する多大な研究開発費負担が当社業績を圧迫し、結果として開発の大幅な遅れや開発中止といった事態に及んだ場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ② パイプラインの安全性及び有効性にかかる事項当社が開発するパイプラインにおいて、安全性や有効性に問題が発見された場合は、開発が大幅に遅れる可能性もしくは開発そのものを中止する可能性があります。当社は、保有するパイプラインの安全性及び有効性の評価を確実なものとするために、以下の方針を実施しています。ⅰ) 科学評価顧問等のネットワークを最大限活用したパイプラインの客観的な評価ⅱ) 非臨床・前臨床段階における適正な安全性や有効性の検証ⅲ) PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)やFDA(米国食品医薬品局)等の監督官庁との情報交換また、臨床試験の実施に当たっては、臨床試験のモニタリングを委託するCRO(受託臨床試験機関)と綿密なコンタクトを取り、常に正確な臨床現場情報を収集するとともに、医学専門家を交えたSRB(安全性評価委員会)などを設置し、臨床試験の適正な実行に対して最大の努力を図っております。さらに、治験保険への加入による損害賠償リスクの移転を図っております。上記のような対策を行ってはおりますが、予期せぬ副作用による開発の遅滞・中止のリスクを完全に排除することは困難であり、開発の大幅な遅れや開発中止もしくは国内外の監督官庁の承認が得られないといった事態に及んだ場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ③ 法的規制にかかる事項医薬品の研究開発における薬機法に基づき、医薬品の前臨床試験においてはGLP(Good Laboratory Practice)、原薬等の製造においてはGMP(Good Manufacturing Practice)並びに、臨床試験においてはGCP(Good Clinical Practice)が、また市販後においてはGQP(Good Quality Practice)やGVP(Good Vigilance Practice)などのガイドラインがそれぞれ定められており、その操作手順やQA/QCが確実に実施されていることが必須条件になっております。当社は、再生医療等製品製造販売業者として、関係法令等に則った対応を行っていきます。また、当社は遺伝子組換えウイルス製剤を開発しておりますが、日本においては、2000年に生物多様性条約特別締約国会議で採択された「生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書(カルタヘナ議定書)」に準拠した国内法「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)の定めるところに従って開発・製造・販売を行っていく必要があります。当社は、国内のウイルス取扱施設において、文部科学大臣より「遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする間に執る拡散防止措置の確認」について確認を得るとともに、日本国内でOBP-301の臨床試験を実施するために、カルタヘナに関する厚生労働大臣の承認を得ております。また、今後当社のウイルス製剤が販売された後は、ウイルス拡散防止条例に則った対応を行っていきます。しかしながら、将来医薬品・ウイルス製造等に関する新たな法律や条例などが制定・施行される可能性があった場合には、当社の事業が何らかの制約を受ける可能性があります。その結果、開発の大幅な遅れや中止、或いは販売中止といった事態に及んだ場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ④ 技術革新にかかる事項当社が推進する創薬事業にかかる技術分野においては、いずれも技術革新及び進歩の度合いが著しく速いと考えられます。当社は、常に最新の技術情報の収集・集積に注力しておりますが、万一、医薬品及び検査薬の競合技術等が、当社の対応の及ばない状況下で格段の進歩を遂げた場合、当社の事業に影響を与える可能性があります。また、当該技術の導入等に多大な費用や時間を要する場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 競合にかかる事項当社の業務領域と完全に一致する企業は国内外に見当たりませんが、海外も含めたウイルス製剤の研究・開発・販売の動向には常に注視しています。本書提出日時点で当社が把握できている競合品としては、遺伝子改変ヘルペスウイルス製剤Talimogene laherpareovec:T-VEC(Amgen社:米国)が、進行性黒色腫治療薬として2015年10月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けるとともに欧州医薬品庁(EMA)の諮問委員会の承認推奨を受けました。また、日本国内では2021年に第一三共株式会社により、遺伝子改変ヘルペスウイルス「デリタクト注」(一般名:テセルパツレブ)が承認されました。当社と同様のアデノウイルス製剤を用いた競合品としては、CG-0070(Cold Genesys社:米国)があげられます。同剤は膀胱がんを対象としてアメリカを中心にPhase 3臨床試験を実施しています。さらに、LOKON社(スウェーデン)でも遺伝子改変型のアデノウイルスを開発しておりPhase 2臨床試験の段階です。これら以外にも、レオウイルス(Oncolytic Biotechnology社)やVSV(水疱性口内炎ウイルス)などを用いたウイルス製剤が臨床試験を行っています。当社のOBP-301は2025年12月に食道がんの局所治療薬として承認申請を行いました。現段階で同領域を対象としたウイルス製剤は存在していませんが、同領域を対象とした腫瘍溶解ウイルスや医薬品が参入してきた場合、当社の事業に影響を与える可能性があります。本書提出日時点で、当社が把握する競合の存在及びその研究開発進捗が必ずしも当社にとって直接マイナスの影響をもたらすものではありませんが、競合品が当社と同様の領域で飛躍的に市場を寡占化した場合等、当社のパイプラインによる収入に影響を与える可能性があります。 ⑥ アライアンスにかかる事項現在の当社の収益構造は、それぞれのパイプラインの製品的価値の初期臨床評価であるProof of Concept(POC)に基づいて製薬企業等とライセンス契約を締結し、その対価として契約一時金・研究協力金・開発協力金・マイルストーン収入及び製品の上市以降その販売に伴って発生する製品販売収入やロイヤリティ収入等を段階的に見込むものであります。本書提出日時点において、当社は、Transposon社とLINE-1阻害剤OBP-601(censavudine)の全世界における開発・製造・販売に関する再許諾権付き独占的ライセンス契約を締結しています。また、OBP-301の日本国内での販売は富士フイルム富山化学と販売提携契約を締結しています。さらに、OBP-301の台湾での商業化の権利をMedigen社に許諾しています。導出前の各パイプラインについては、導出先候補となる製薬企業や検査薬企業等のニーズを考慮し、研究開発の進捗状況を効果的に情報提供などの活動を続けています。しかしながら、当社のパイプラインが導出先候補企業のニーズを満たす保証はなく、導出契約の時期や条件が当社の想定するものと大幅に乖離した場合等には、当社の事業・財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。また、パイプラインを導出した場合は、導出後の研究開発・承認申請・製造及び販売活動を導出先企業が行うことになるため、当社の収益は導出先企業の戦略及び開発進捗などに依存することとなります。導出先企業が実施する臨床試験において予期せぬ副作用が発生した場合、及び導出先企業の経営戦略の変更によるポートフォリオの見直し等により、導出済みパイプラインの開発中止等の決定がなされた場合、当社の事業・財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。なお、予期せぬ副作用により開発中止された場合を除き、当社は速やかに新たな導出先を見つける活動を行いますが、新たな導出先が早期に決定しない場合は、当社の事業・財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 為替相場変動リスクにかかる事項現在、当社の業務委託先及び提携先については、欧米の企業・機関がその大半を占めております。外貨建取引は、財務諸表上全て円換算しております。これらの項目は、現地通貨における価値が変化しなかった場合も、換算時のレートによって円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。為替相場の変動に起因する影響を軽減するために、必要に応じて為替予約などのリスクヘッジを行って参りますが、これによって全てのリスクを回避することは困難であり、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (2) 知的財産権について① 特許にかかる事項当社は、本書提出日時点において、当社の事業に対する特許権等の知的財産権に関する第三者との間での苦情及び訴訟等といった問題は認識しておりません。さらに、社内に知的財産権の専任担当者を設置するとともに、顧問弁護士及び弁理士との連携を以って可能な限り特許侵害・被侵害のリスクを軽減すべく活動しております。また、発明者、TLO法に基づく大学等の知的財産管理機関、企業及び研究機関から、「特許権又は特許を受ける権利」を正当に譲り受け、又は「実施権の許諾」を受け、事業化が推進できる体制を築いております。しかし、当社の展開する医薬品・検査薬の一般的なリスクとして、自社で出願した特許以外にも第三者特許が関連する可能性があります。なお、今後、当社が第三者との間で係争に巻き込まれた場合、当社は弁護士や弁理士との協議の上、その内容に応じて対応策を検討していく方針でありますが、係争の解決に労力、時間及び費用を要する可能性があり、その場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来的な事業展開においては、他社が保有する特許権等への抵触により、事業上の制約を受けるなど、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 主力パイプラインにかかる主要な特許の状況は、以下のとおりです。 対象適応症特許権者又は出願人当社備考OBP-301固形がん(食道がんなど)当社特許権者日本で内視鏡投与に関する用法特許が成立。ios Bio Ltd.(旧:Stabilitech Biopharma Limited)世界における独占的実施権日本・米国・欧州を含む24カ国でウイルス保存安定製剤に関する特許が成立。OBP-702固形がん当社特許権者日本で内視鏡投与に関する用法特許が成立。OBP-801眼科領域当社、京都府公立大学法人特許権者日本で眼科領域への用途に関する特許が成立。OBP-1101がんの体外検査国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所世界における独占的実施権日本・米国・欧州を含む13カ国で物質に関する特許が成立。OBP-2011ウイルス感染症当社出願人新型コロナウイルス感染症治療薬用途に関する特許が日本で成立、物質に関する特許を日本・米国に出願中。 ② 職務発明にかかる事項当社における職務発明の取扱に関しては、取締役・従業員が協議の上、取締役会決議により「職務発明規程」を作成し、運用しております。しかしながら、将来、発明者の認定及び職務発明の対価の相当性についての係争が発生した場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (3) 重要な契約について当社の経営上重要と思われる契約の概要は、「第2 事業の状況 5 重要な契約等」に記載のとおりであります。当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合、もしくは当社にとって不利な改定が行われた場合、又は契約の相手方の経営状態が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社の事業戦略及び業績に影響を与える可能性があります。 (4) 社内体制について① 特定人物への依存にかかる事項当社の事業活動においては、当社代表取締役社長である浦田泰生の製薬企業での経験・知識に基づく研究開発及び事業開発戦略に依るところが多く存在しております。浦田泰生の経営ビジョンを、企業理念・経営戦略として明確化して組織に浸透させること、及び後継者育成に専心し、浦田泰生に一元依存しない体制を構築することに努めております。しかしながら、組織強化や後継者育成が遅れをきたし、事業承継が円滑に実施できない場合には、それにより当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 小規模組織であることにかかる事項当社は、小規模な組織であり、社内における管理体制についてもこの規模に応じたものとなっております。当社においては、業務上必要な人員の増員及び育成等を図っていく方針でありますが、各部門において従業員に業務遂行上の支障が生じた場合、人財流出が生じかつ代替要員の不在等の問題が生じた場合には、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ③ 人財育成・確保にかかる事項当社が成長を続けていくために不可欠な要素の1つが、優秀な人財の確保であります。当社は、従来はアウトソーシングを活用したファブレス経営モデルを構築することで、必要人員の絶対数を削減し、統括的なプロジェクトマネジメント能力を有する人財を重点的に確保しつつ、将来当社を担う人財の育成に注力しておりました。しかし、製薬会社モデルに移行した現在は、厚生労働省との窓口業務を行う薬事体制や、製造販売業を管理統制する信頼性保証業務も強化する必要があります。研究開発計画の企画立案並びにその進捗管理を主たる業務とするプロジェクトリーダーを担える人財や、薬事業務経験者や信頼性保証業務の経験者の確保並びに育成に努めております。また、経営理念を社内に浸透させ、その崇高な目的に共感できる従業員を育成すること、トップが率先して基幹人財間のコミュニケーションの充実に関与すること、及び社内の評価制度や人事制度を充実させること等により、社内人財の定着率向上に努めております。しかしながら、人財育成が円滑に進まない場合、又は各部門において中心的役割を担う特定の従業員が万一社外に流出した場合、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (5) 業務上の事故やトラブル等のリスクについて① 研究施設における事故等の発生にかかる事項当社は、神戸リサーチラボを保有しております。同施設で遺伝子組み換えウイルスを取り扱うにあたっては、いわゆるカルタヘナ法の定めに基づき、必要な設備を監督官庁に届け出てその確認を受けております。また、遺伝子組み換えウイルスの取扱に関して、遺伝子組換え実験等安全委員会を設置して、その管理を徹底させ、社員の教育指導に努めております。しかしながら、何らかの要因により火災や環境汚染事故等が発生した場合には、重大な損失を招くリスクがあり、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ② 自然災害等にかかる事項当社は、東京都港区に本社を設置しており、事業活動に関わる資料・データ及び人員の半数以上が本社に集中しております。万一、首都圏直下型の大型地震の発生・台風・津波等の自然災害や大規模な事故・火災・テロ行為等により本社社屋の倒壊、資料・データの散逸、人員の死傷等不測の事態が発生した場合や、有効な治療薬がない感染症等のパンデミックが発生した場合には、当社の事業活動及び国内外において進めている臨床試験の停滞や継続が困難となる状況が生じ、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 ③ 訴訟にかかる事項当社は知的財産権及びその実施権をビジネスの基盤としておりますため、事業を展開する上で、当社の責任の有無に関わらず、第三者から権利又は利益を侵害したとの主張による損害賠償請求訴訟を提起される可能性があります。また、臨床試験において被験者の健康被害が発生した場合、取引関係や労使関係において不測のトラブルが発生した場合等においても、損害賠償請求等の訴訟を提起される可能性があります。当社では、十分な知的財産権の管理や治験保険への加入等リスクの回避・低減に努めております。しかしながら、訴訟が提起された結果、金銭的負担の発生や当社に対する信頼・風評の低下により、当社の事業、財務状況及び業績に影響を与える可能性があります。 (6) その他① 新株予約権及び株式にかかる事項当社は役員、従業員及び社外協力者等に対して、当社事業及び研究開発へのモチベーションの向上を目的として、新株予約権(ストック・オプション)の発行や譲渡制限付株式を交付する株式報酬制度を導入し、事業会社や金融機関等に対して、事業推進のための資金調達を目的として株式や新株予約権を発行しています。また、役員及び従業員に対して、譲渡制限付株式を発行しています。今後も優秀な人財・社外協力者の確保や事業推進のための資金調達を目的として、同様の施策を実施する可能性があります。これらの新株予約権の行使や株式発行が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、当社株価形成に影響を与える可能性があります。また、今後も優秀な人財の確保のためにストック・オプションをはじめとするインセンティブプランや必要に応じた資金調達を実施するために、新たな新株予約権や株式が発行される可能性があります。なお、新株予約権の状況及び内容につきましては、「第4 提出会社の状況 1.株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」をご覧ください。 ② 資金使途及び資金調達にかかる事項 当社が保有する資金は、主に既存パイプラインの研究開発費用、新規パイプラインの導入及びその研究開発費用、戦略的な投資に充当する考えです。当社が本書提出日時点で計画している資金使途は上記のとおりですが、急激な事業環境の変化等により、計画どおりに使用した場合においても、当初の想定どおりの成果が得られない場合があります。また、当社株価が下落した場合には、必要資金を計画どおりに調達できない可能性があります。計画どおりに必要資金を調達できない場合には、資金使途を変更する可能性があるとともに、当初の想定どおりの成果を得られない可能性があります。

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