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キャンバス(4575)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

医薬品 医薬品

事業の概要

  • 抗がん剤の研究開発
    キャンバスは、抗がん剤の基礎研究から臨床開発(ヒトでの試験)までを一貫して手掛ける創薬企業です。新しい薬のアイデア出しから、候補化合物の選定、動物実験、そして最終的なヒトでの臨床試験まで、全ての段階を自社で行っています。特に、がんを攻撃する免疫細胞が少ない「免疫コールド」ながんを「免疫ホット」ながんに変える「免疫着火剤」の開発に注力しており、これが将来の収益源となることを目指しています。
  • 創薬パイプラインの構築
    同社は、複数の医薬品候補化合物を同時に開発する「開発パイプライン」を重視しています。これは、一つの薬の開発が失敗しても、他の候補が成功する可能性を残すことで、事業全体のリスクを分散させる戦略です。現在、「CBP501」という膵臓がん治療薬の臨床第2相試験を終え、次の段階に進む準備を進めているほか、「CBS9106」や「CBT005」などの後続パイプラインも育成しており、これらが将来の収益源となることを期待しています。
  • ライセンスと自社開発の選択
    創薬企業は通常、開発途中の化合物を大手製薬会社にライセンス供与することで収益を得ることが多いですが、キャンバスは自社での新薬承認獲得も視野に入れています。これは、ライセンス供与による収益だけでなく、承認後の製品販売による大きな収益を目指すためです。ただし、開発には多額の資金と長い期間が必要なため、資金調達の状況やパイプラインの特性に応じて、提携と自社開発のバランスを柔軟に検討するビジネスモデルを採用しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 医薬品事業
    キャンバスは、抗がん剤の基礎研究から早期・後期臨床開発までを一貫して手掛ける「医薬品事業」の単一セグメントで事業を展開しています。これは、特定の疾患領域に特化し、自社独自の創薬アプローチを最大限に活かすための戦略です。現在、複数の抗がん剤候補化合物を開発パイプラインに持ち、将来の収益源となる新薬の創出を目指しています。
  • 抗がん剤の開発に集中
    同社の事業は、特に抗がん剤の開発に集中しています。これは、がんという疾患が依然として大きな医療ニーズを抱えており、革新的な治療薬が求められているためです。主要な候補化合物であるCBP501は膵臓がんを対象とした臨床試験を進めており、その他にも固形がんなどを対象としたパイプラインを育成しています。この集中戦略により、専門性を高め、開発効率を向上させています。
  • グローバルな展開を視野
    有価証券報告書には具体的な地域構成の記載はありませんが、医薬品事業は新薬承認申請を目指す臨床開発に取り組んでおり、将来的にはグローバル市場での展開を視野に入れていると考えられます。特に、ライセンス契約の締結や解消の記述から、海外の製薬企業との連携も積極的に行っていることが伺え、世界中の患者さんに貢献することを目指していると推測されます。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,581 文字
3【事業の内容】 当社は、抗がん剤の基礎研究(創薬コンセプトの検討、当該コンセプトに基づき構築した手法による医薬品候補化合物の選別、簡易動物実験、既に開発段階に進んだ抗がん剤候補化合物に関する基礎データの収集・解析等。)、早期臨床開発(臨床試験開始申請直前に実施する「前臨床試験」ならびに臨床試験の前半部分。)および後期臨床開発(新薬承認申請を目指す臨床試験の後半部分。)に取り組んでいる創薬企業です。なお、当社は、医薬品事業の単一セグメントです。 (1) 基本戦略 当社は、自社独特の創薬アプローチを活かした抗がん剤の基礎研究および臨床開発に取り組む、創薬ベンチャー企業です。 特定領域に絞り込んだ創薬を自社独自の創薬基盤技術(「創薬エンジン」とも呼ばれます。)を基に実施することで技術とプロダクトの両方を自社で創出するのが「創薬企業」であり、創薬プラットフォームを持たず開発途上の化合物を外部から導入して一定の開発ののち製薬企業へ導出する企業とは大きく異なるビジネスモデルを志向しています。 この付加価値の高いビジネスモデルを完成させ、企業価値の最大化を図るための、当社の基本戦略は次のとおりです。 ・当社独自の創薬アプローチを活かした研究開発に特化集中する。 ・当社の有する薬剤スクリーニング法により創出・獲得した複数の医薬品候補化合物によって、開発パイプラインを構築する。 ・抗がん剤の開発経験が豊富で当社の開発戦略に合致するCRO等の外部専門機関、科学顧問団を活用する。 ・当社の権利を最大限確保するため、開発パイプラインの特性や開発段階、当社の財務体力等に応じ、自社で後期開発段階まで進めるほか、適切な戦略提携を製薬企業等との間で行うことによって、価値連鎖を補完・完結する。 当社は、上記の戦略を適切に実行することにより、医薬品候補化合物の開発を速やかに進め、いち早く上市して当社の企業価値を高めるとともに、当社の開発リスクを分散低減していきたいと考えています。 (2) 創薬事業 一般に創薬(新薬の創出)は、(ア) 創薬コンセプト(科学的根拠に立脚し、ある方法によって疾患を治療し得ると考え、その作用を有する化合物等が新しい医薬品になり得るとする仮説。)に基づいて候補化合物を探索・選別する「探索」段階(イ) (ア)で獲得された候補化合物について試験管内や動物での実験を実施し候補化合物の分子構造等を調整する「最適化」段階(ウ) 臨床試験開始申請に必要なデータを揃える前臨床試験を実施する「前臨床試験」段階(エ) 規制当局の許可を得て臨床試験(医薬品としての承認を得るために行うヒト試験。)を実施する「臨床試験」段階の順に進行します。 臨床試験段階はさらに、主に候補化合物の安全性を確認する第1相試験、比較的少数の患者様で候補化合物の有効性・安全性および用法用量を探索的に検討する第2相試験、医薬品として薬効を証明する第3相試験に大別されます。 通常の医薬品において臨床第1相試験は健康なボランティアを被験者としますが、当社が開発を目指す抗がん剤の領域では、抗がん剤に多い重篤な副作用への懸念から、末期がん患者ボランティアの方を被験者として臨床第1相試験を実施します。このため、第1相試験の前半では主に安全性を確認しつつ薬効の手応えのあるがん腫を選定し、当該がん腫に絞り込んで薬効を探る「拡大相試験」を第1相試験の後半に実施する手法が多く採られます。この手法によるCBP501臨床第1b相試験の結果から、膵臓がんをCBP501臨床第2相試験の対象に選定し、現在はCBP501の有効性・安全性および用法用量を検討する臨床第2相試験を成功裏に終え、次相臨床試験の準備を進めています。 (3) 当社の開発パイプライン 「開発パイプライン」とは、創薬製薬領域において、開発中の医薬品候補化合物群を指す語です。 一般に医薬品開発は成功確率が低く、リスク分散の意味でいかに豊富で有望なパイプラインを継続的に有するかが製薬企業や創薬企業の中長期的な企業価値の基本となります。 新たなパイプラインを確保する方法は、当社のような創薬企業にとっては専ら自らの創薬コンセプトに基づいた新規候補化合物の「探索」「最適化」となります。製薬企業等においては、自社による創出のほか、創薬企業等との提携に基づくライセンスによるパイプライン獲得が図られます。 創薬企業の長期的な目的は新薬の承認獲得とその売上による収益獲得です。 しかし、それに至るために必要な長期間かつ莫大な資金(一般にひとつの医薬品を開発するために必要な期間は約15年・必要な資金は数百億円といわれます。)を独力で確保することは難しく、多くの場合、短期中期的な目標として、自社で開発中の候補化合物について製薬企業等との提携を成立させ当該候補化合物を相手方開発パイプラインのひとつとすることによるライセンス収益の獲得と財務基盤の安定・強化を目指すこととなります。 しかしながら、その状況は変わりつつあり、創薬企業が製薬企業等と提携するのでなく投資家や市場から資金を調達して独力で新薬承認獲得まで進む開発戦略が採用されるケースが増加しています。 この変化の要因としては、① 製薬企業の多くが「承認されたまたは承認が確実となった超後期開発品」や「新しい作用機序やモダリティ(治療手段)の早期開発品」に集中した提携方針を採用するようになり、最もリスクとリターンの大きな開発途上の候補化合物に関する提携意欲が薄れていること② 臨床試験の平均的な規模が比較的小さくなったことと、投資家や市場からの資金調達環境が大幅に改善されたこととが相まって、必ずしも製薬企業の資金に頼らずとも新薬承認獲得までの開発が可能になったこと③ 製薬企業との提携は必ずしも最速かつ成功確率最大の開発進行に寄与せず、むしろ阻害要因にもなりかねないと知られてきたことなどが挙げられます。 したがって現在、創薬企業はこれらの選択肢の中から、各パイプラインに最適な開発戦略を立案することが求められています。  当社の開発パイプラインは次のとおりです。《CBP501》CBP501は、当社独自のスクリーニング(薬剤探索)から獲得された、蛋白質カルモジュリンの制御機能を調整し複数の作用により免疫コールド(がんを攻撃するT細胞の乏しい状態。)ながんを免疫ホット(T細胞が存在しがんを攻撃できる状態。)ながんにすることで抗がん活性を示す、独特の抗がん剤(免疫着火剤)です。過去の試験で得られたデータから、免疫系抗がん剤との併用により薬効を高める効果が期待できることがわかりました。現在は免疫チェックポイント阻害抗体との併用による臨床第2相試験(対象:膵臓がん)を終え、次相臨床試験の準備を進めています。《CBS9106》当社が創出した可逆的CRM1(XPO1)阻害剤であるCBS9106は、前臨床試験を終了した段階で、同化合物の開発・製造・商業化にかかる全世界における独占的権利を米国Stemline Therapeutics, Inc.に供与するライセンス契約を締結しました。その後Stemline社は、CBS9106(felezonexor)の臨床第1相試験を完了しています。2025年6月、開発及び商品化に関するすべての権利が当社に返還される旨の合意に達し、Stemline社とのライセンス契約を解消しました。今後当社は、追加で実施する基礎研究の成果や会社の財務状況などを勘案して、 開発方針を検討していく方針です。《後続パイプライン》上記2つの臨床開発段階のパイプラインのほか、がんの治癒を目指す新しいコンセプトから創出し前臨床試験のための準備を開始したCBT005、CBP501の研究開発過程で新たに得られた知見を踏まえて創出したCBP-A08、静岡県立大学との共同研究により最適化を進めているIDO/TDO阻害剤など、新規候補化合物の創出・開発パイプラインの拡充に向けて、探索研究を実施しています。 化合物併用対象探索創出最適化前臨床試験臨床試験提携・共同研究第1相第2相第3相CBP501シスプラチン・ニボルマブ膵臓がん3次治療■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ CBS9106なし固形がん■■■■■■■■■■■■■■■■ CBT005未定 ■■■■■■■■■ CBP-A08未定 ■■■■■■■■ IDO/TDO阻害剤未定 □□□□■■ 静岡県立大※表中の■は自社による進捗、□は他社による進捗を示す。 (4) 当社事業の当面の課題と施策 当社事業における当面の課題と施策は、概ね優先順位順に次のとおりです。① CBP501について開発を加速し、成功確率を最大化する。当社は現在、最先行の抗がん剤候補化合物CBP501に関して、製薬企業等との提携関係に依存しない「創薬パイプライン型」の開発を志向しています。 ② 基礎研究を継続し、既存パイプラインに関する知見を深め、次世代パイプラインの創出を図る。当社は、臨床開発段階のプロジェクトのほか、前述のとおり、基礎研究活動を絶えず実施しています。また、研究開発にかかる知的財産権の管理等の費用も継続的に発生しています。これらの取組みは、当社の中長期的な収益獲得と企業価値向上に欠かせないものですが、それらの成果による現実の収益を獲得するまでには一定の期間を要することから、間接金融による資金調達は極めて困難です。したがって、これらの課題と施策を可能とするための直接金融による継続的な資金調達も併せて当面の優先的な課題と施策のひとつと位置づけています。 (5) 製薬企業との戦略提携を含む開発体制の選択 医薬品の開発プロセスは、通常、長い期間と莫大な費用を必要とします。 このことから、当社のような創薬企業が、基礎研究・臨床開発・製造・上市・販売および上市後のフォローアップなどを単独で行うことは困難であることから、製薬企業等との間で適切な提携関係を構築し、固定費の増加を回避しつつ将来の継続的な開発・承認・上市に至る体制の確保を図るのが一般的な戦略であるとこれまで一般に言われ、早期臨床開発と後期臨床開発の役割分担の形が世界的な標準となっていると言われてきました。 しかしながら前述のとおり、①製薬企業等の提携方針の変化に伴う開発途上化合物に対する提携意欲の低下、②臨床試験の規模が比較的小さくなったことと創薬企業の資金調達環境が大幅に改善されたことから製薬企業の資金に頼らずとも新薬承認獲得までの開発が可能になったこと、③製薬企業との提携は最速かつ成功確率最大の開発進行に寄与せず、むしろ阻害要因にもなりかねないと知られてきたこと、などの理由から、この状況は大きく変化し、創薬企業は製薬企業等との提携に依存しない各パイプラインに最適な開発戦略を立案・選択することが求められています。 一方で、創薬企業と製薬企業等との戦略提携は、両者のリスク分担や利益配分などの考え方を反映し、特許等の排他的な実施権を供与する対価としてロイヤルティを得る形態(いわゆるライセンスアウト)のみならず、さまざまなバリエーションが存在しており、化合物の特性や開発の状況等に応じてこれらを活用することももちろん考えられます。 現在当社は、CBP501に関しては、2010年6月に武田薬品工業株式会社との共同事業化契約を解消した後、臨床試験を当社単独で進めてきました。現在は、承認申請までの臨床試験完遂を目指す資金調達を実施するとともに、すべての臨床試験を当社のリスク負担で実施し中長期的な企業価値の最大化を図る「創薬パイプライン型」開発を志向しています。これと並行して、地域等を区切った部分的な新規提携パートナーの獲得を目指す活動も進めています。 また、CBS9106については、2014年12月から継続していたStemline社へのライセンス契約を解消しました。今後当社は、Stemline社が完了しているCBS9106(felezonexor)の臨床第1相試験の成果と、追加で実施する基礎研究の成果や会社の財務状況などを勘案して、開発方針を検討していく方針です。 (6) 研究開発における外部機関との連携 当社は、がん領域に絞り込んだ創薬を自社独自の創薬エンジンを基に実施する創薬企業として、基礎研究から臨床開発・上市に至る各ステップにおいて、外部との提携関係(委受託関係を含みます。)を活用しています。 基礎研究および最適化の段階においては、最適化の過程で必要となる新規候補化合物の合成業務を、この領域において経験豊富な企業に委託しています。また前述の次世代化合物の創出に向けて、東京大学医学部附属病院およびファルマバレープロジェクト(一般財団法人ふじのくに医療城下町推進機構、静岡県立大学)との共同研究を進めています。 臨床開発においては、抗がん剤の臨床開発に専門性を持つ大手CROとの緊密な提携関係を構築しています。 また、当社は、抗がん剤の臨床開発にかかる経験を豊富に持つなど当社の研究開発への貢献が期待できる科学者による科学顧問会議(SAB)を組成しています。SABのチェアマンであるダニエル・D・ヴァンホフ教授は、全米がん学会会長・米国がん治療学会会長を歴任した著名ながん臨床研究者で、これまで20年以上にわたり多数の抗がん剤の臨床試験に携わっています。同氏を議長とするSABミーティングは、2002年3月の発足以来、概ね年2回定期的に開催され、当社の研究開発全般に関する情報交換や議論を行っています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
自社独自の創薬アプローチと創薬基盤技術(創薬エンジン)による抗がん剤の基礎研究および臨床開発。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:医薬品開発の不確実性 / 将来収益の不確実性 / 開発資金の確保の不確実性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

医薬品業界では特許が重要だが、キャンバスの主要製品である「アロスタン」は特許期間満了が近づいており、新たな大型特許製品の開発状況に関する情報は限定的である。そのため、現時点では強力な無形資産による競争優位性は確認できない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

キャンバスの主力製品であるアロスタンは、特定の眼科手術(緑内障手術)で使用される医療機器であり、医師や病院にとっては既存の治療法からの切り替えには一定の学習コストや評価期間が必要となる可能性がある。しかし、競合製品の登場や有効性・安全性の比較により、スイッチングは起こりうる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

キャンバスの事業モデルは、特定の医療機器の製造・販売であり、ユーザーが増えることで製品価値が向上するようなネットワーク効果は期待できない。事業の性質上、ネットワーク効果は競争優位性の源泉とはなりにくい。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

医薬品・医療機器業界は、研究開発費や製造コスト、品質管理コストが高額になる傾向がある。キャンバスが他社と比較して構造的に大幅なコスト優位性を持つという情報は現時点では確認できない。規模の経済によるコスト削減の余地は限定的と見られる。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

キャンバスはニッチな市場(緑内障手術用医療機器)に特化しており、業界全体で見ると規模は小さい。特定の市場においては一定のシェアを持つ可能性があるが、業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言えない。今後の市場拡大やM&Aによる規模拡大の可能性はある。

  • 独自の創薬アプローチ
    キャンバスは、自社独自の創薬アプローチと「創薬エンジン」と呼ばれる基盤技術を強みとしています。これにより、他社とは異なる視点から新しい抗がん剤の候補化合物を生み出すことが可能です。特に、免疫コールドながんを免疫ホットながんに変える「免疫着火剤」というユニークなコンセプトは、既存の治療法では効果が限定的だった患者さんにとって新たな選択肢となる可能性を秘めています。
  • 豊富な開発パイプライン
    同社は、主要な候補化合物であるCBP501のほか、CBS9106、CBT005、CBP-A08、IDO/TDO阻害剤など、複数の開発段階にある医薬品候補化合物を保有しています。これにより、一つの開発がうまくいかなくても、他の候補が成功する可能性があり、事業継続性を高めることができます。特に、CBP501は膵臓がんを対象とした臨床第2相試験を成功裏に終えており、今後の進展が期待されます。
  • 外部専門機関との連携
    キャンバスは、抗がん剤開発の経験が豊富なCRO(医薬品開発業務受託機関)などの外部専門機関や科学顧問団を積極的に活用しています。これにより、自社だけでは賄いきれない専門知識やリソースを補完し、開発の効率性と成功確率を高めることができます。特に、長期間にわたる臨床試験を円滑に進める上で、外部の専門家の知見は非常に重要となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針と経営環境 当社は、独自の創薬エンジンを基に基礎研究および臨床開発を実施することにより、技術とプロダクトの両方を自社で創出する「創薬企業」として、付加価値の獲得を目指すビジネスモデルを志向しています。 臨床上の治療満足度に改善の余地がみられるがん領域は、引き続き新薬開発のターゲットとして有望な領域の一つとして考えられており、世界の製薬会社やバイオベンチャーが研究開発力の強化に取り組んでいます。 当社は、これまでに蓄積してきた研究成果を生かし、世界のがん領域の市場のニーズに合致した抗がん剤を開発することを目指しています。当社の属する抗がん剤開発の領域では近年、開発競争の中心が免疫チェックポイント阻害抗体およびその併用療法に移行しています。この薬剤は画期的な薬効を発揮する一方で、恩恵を受ける患者さんの比率が小さいことから、これを拡大するための多様な試みがなされています。そのひとつは併用であると目されており、各社がさまざまな併用の組み合わせによる臨床試験を繰り広げています。 当社は、これまでに実施した臨床試験結果ならびにそのデータの詳細な解析によって、CBP501とシスプラチンを免疫チェックポイント阻害抗体と併用することによって薬効が増強される知見を獲得しました。これを踏まえ、当面のCBP501開発の主軸を当該併用に置く方針です。 なお、文中の将来に関する記載は当事業年度末現在において当社が判断したものです。当社の経営陣は、当社が行っている事業の環境について、入手可能な情報と経験に基づいた仮定により、経営判断を行っています。 (2) 優先的に対処すべき課題と対応方針・具体的な取組状況① 事業活動において優先的に対処すべき課題と対応方針・具体的な取組状況(a) CBP501の臨床試験推進 後続化合物で構成されるパイプライン戦略などにより開発リスクの分散や低減は図っているものの、CBP501は当社の将来の事業計画において最初の上市品と想定している化合物であり、この開発の成否が当社事業計画の実現の鍵を握っていると言えます。失敗・遅延のリスクを最小限に抑え、かつ、最も早期に適切な適応による新薬承認を受け、CBP501の上市を実現することが、当社の中長期的な企業価値の源泉であり、事業活動において最も重要な課題です。 現在、抗がん剤開発競争の中心的存在は免疫チェックポイント阻害抗体です。この薬剤は画期的な薬効を発揮する一方で、恩恵を受ける患者さんの比率が小さいことから、これを拡大するための多様な試みがなされています。そのひとつは他の抗がん剤や抗がん治療との併用であると目されており、各社がさまざまな併用の組み合わせによる臨床試験を繰り広げています。 当社は、これまでに実施した臨床試験結果ならびにそのデータの詳細な解析によって得られた知見に基づき、CBP501とシスプラチンを免疫チェックポイント阻害抗体と併用することによって薬効を増強するデータを獲得しました。現在、当該3剤併用による臨床第2相試験を成功裏に終え、次相臨床試験の準備を進めています。 (b) 創薬エンジンの改良・充実と新規化合物パイプライン獲得 当社のような創薬企業にとって、新規の開発候補化合物パイプラインを継続的に創出・獲得し候補化合物の最適化を実施する創薬エンジンは競争力の源泉であり、その改良と充実は将来の継続的な成長のために必須のものです。 当社ではこれまで、正常細胞とがん細胞の細胞分裂過程の違いに着目した独自の細胞表現型スクリーニングを中軸とする創薬エンジンから、臨床開発段階の抗がん剤候補化合物CBP501、CBS9106を創出してきました。 これら化合物の臨床試験進捗や提携獲得により、当社の創薬エンジンは、外部第三者の評価を経てコンセプトの確立を図ることができたと考えています。 また最近では、CBP501臨床試験データから得られた知見に基づき、創業以来の細胞表現型スクリーニングとは別に、「がん免疫」「がん幹細胞」など個別の作用に着目した候補化合物創出を実施しています。この取り組みから当社は、近い将来の新規パイプライン候補となるCBT005、CBP-A08を獲得し、さらに次世代のパイプラインとなるべき新たな基礎研究を進めています。 これらの取り組みによって当社は、将来的な継続性ある競争力の強化と企業価値の最大化を図っていきます。 ② 経営基盤において優先的に対処すべき課題と対応方針・具体的な取組状況(開発戦略推進のための資金調達) 当社は、CBP501に関して、これまでの臨床試験結果ならびにそのデータの詳細な解析によって得られた知見に基づき、臨床試験を進めています。 一方、当社のような創薬企業は、最初の製品が上市するまでは安定的な収益源がなく、候補化合物の研究開発費用の負担により、長期に亘って先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社も創業以来継続的に営業損失を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローは大半の期にマイナスを計上しています。また、当社は、当事業年度末において現金及び預金を2,827,879千円保有しているものの、現時点において安定的な収益源を有していません。 この現状を踏まえて当社は、それぞれの開発プロジェクトの進展および開発ポートフォリオの拡充に伴い増加する資金需要に対応するため、さらには抗がん剤の開発体制の強化のため、プロジェクト毎に製薬企業との戦略提携の実現に向けた活動を展開しています。また、必要に応じて適切な時期に新株発行等による資金調達を実施しています。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針と経営環境 当社は、独自の創薬エンジンを基に基礎研究および臨床開発を実施することにより、技術とプロダクトの両方を自社で創出する「創薬企業」として、付加価値の獲得を目指すビジネスモデルを志向しています。 臨床上の治療満足度に改善の余地がみられるがん領域は、引き続き新薬開発のターゲットとして有望な領域の一つとして考えられており、世界の製薬会社やバイオベンチャーが研究開発力の強化に取り組んでいます。 当社は、これまでに蓄積してきた研究成果を生かし、世界のがん領域の市場のニーズに合致した抗がん剤を開発することを目指しています。当社の属する抗がん剤開発の領域では近年、開発競争の中心が免疫チェックポイント阻害抗体およびその併用療法に移行しています。この薬剤は画期的な薬効を発揮する一方で、恩恵を受ける患者さんの比率が小さいことから、これを拡大するための多様な試みがなされています。そのひとつは併用であると目されており、各社がさまざまな併用の組み合わせによる臨床試験を繰り広げています。 当社は、これまでに実施した臨床試験結果ならびにそのデータの詳細な解析によって、CBP501とシスプラチンを免疫チェックポイント阻害抗体と併用することによって薬効が増強される知見を獲得しました。これを踏まえ、当面のCBP501開発の主軸を当該併用に置く方針です。 なお、文中の将来に関する記載は当事業年度末現在において当社が判断したものです。当社の経営陣は、当社が行っている事業の環境について、入手可能な情報と経験に基づいた仮定により、経営判断を行っています。 (2) 優先的に対処すべき課題と対応方針・具体的な取組状況① 事業活動において優先的に対処すべき課題と対応方針・具体的な取組状況(a) CBP501の臨床試験推進 後続化合物で構成されるパイプライン戦略などにより開発リスクの分散や低減は図っているものの、CBP501は当社の将来の事業計画において最初の上市品と想定している化合物であり、この開発の成否が当社事業計画の実現の鍵を握っていると言えます。失敗・遅延のリスクを最小限に抑え、かつ、最も早期に適切な適応による新薬承認を受け、CBP501の上市を実現することが、当社の中長期的な企業価値の源泉であり、事業活動において最も重要な課題です。 現在、抗がん剤開発競争の中心的存在は免疫チェックポイント阻害抗体です。この薬剤は画期的な薬効を発揮する一方で、恩恵を受ける患者さんの比率が小さいことから、これを拡大するための多様な試みがなされています。そのひとつは他の抗がん剤や抗がん治療との併用であると目されており、各社がさまざまな併用の組み合わせによる臨床試験を繰り広げています。 当社は、これまでに実施した臨床試験結果ならびにそのデータの詳細な解析によって得られた知見に基づき、CBP501とシスプラチンを免疫チェックポイント阻害抗体と併用することによって薬効を増強するデータを獲得しました。現在、当該3剤併用による臨床第2相試験を成功裏に終え、次相臨床試験の準備を進めています。 (b) 創薬エンジンの改良・充実と新規化合物パイプライン獲得 当社のような創薬企業にとって、新規の開発候補化合物パイプラインを継続的に創出・獲得し候補化合物の最適化を実施する創薬エンジンは競争力の源泉であり、その改良と充実は将来の継続的な成長のために必須のものです。 当社ではこれまで、正常細胞とがん細胞の細胞分裂過程の違いに着目した独自の細胞表現型スクリーニングを中軸とする創薬エンジンから、臨床開発段階の抗がん剤候補化合物CBP501、CBS9106を創出してきました。 これら化合物の臨床試験進捗や提携獲得により、当社の創薬エンジンは、外部第三者の評価を経てコンセプトの確立を図ることができたと考えています。 また最近では、CBP501臨床試験データから得られた知見に基づき、創業以来の細胞表現型スクリーニングとは別に、「がん免疫」「がん幹細胞」など個別の作用に着目した候補化合物創出を実施しています。この取り組みから当社は、近い将来の新規パイプライン候補となるCBT005、CBP-A08を獲得し、さらに次世代のパイプラインとなるべき新たな基礎研究を進めています。 これらの取り組みによって当社は、将来的な継続性ある競争力の強化と企業価値の最大化を図っていきます。 ② 経営基盤において優先的に対処すべき課題と対応方針・具体的な取組状況(開発戦略推進のための資金調達) 当社は、CBP501に関して、これまでの臨床試験結果ならびにそのデータの詳細な解析によって得られた知見に基づき、臨床試験を進めています。 一方、当社のような創薬企業は、最初の製品が上市するまでは安定的な収益源がなく、候補化合物の研究開発費用の負担により、長期に亘って先行投資の期間が続きます。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社も創業以来継続的に営業損失を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローは大半の期にマイナスを計上しています。また、当社は、当事業年度末において現金及び預金を2,827,879千円保有しているものの、現時点において安定的な収益源を有していません。 この現状を踏まえて当社は、それぞれの開発プロジェクトの進展および開発ポートフォリオの拡充に伴い増加する資金需要に対応するため、さらには抗がん剤の開発体制の強化のため、プロジェクト毎に製薬企業との戦略提携の実現に向けた活動を展開しています。また、必要に応じて適切な時期に新株発行等による資金調達を実施しています。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 業績等の概要① 業績 当社は、独自の創薬アプローチに基づき、抗がん剤の基礎研究および臨床開発に取り組んでいます。 当社の開発パイプライン中で最も先行している化合物CBP501は、非小細胞肺がん(扁平上皮がんを除く。)および悪性胸膜中皮腫を対象とした臨床第2相試験を過去に終了し、当該臨床試験のデータの詳細解析から、「がん微小環境」「がん免疫」「がん幹細胞」などに関わるCBP501の多様な作用がわかってきました。この知見は、後続パイプラインとなる新規候補化合物の創出・探索のみならず、現在進めている臨床試験(現在は臨床第2相試験を成功裏に終了し次相臨床試験の準備中です。)にも活かされています。 CBP501に関しては、提携パートナーに依存せず自社で新薬承認まで進める「創薬パイプライン型」開発を志向する傍ら、当面の事業収益源となる提携パートナーの確保を目指した活動も積極的に展開しています。しかしながら、当事業年度中の提携パートナーの確保には至りませんでした。 2つ目の候補化合物CBS9106については、提携パートナーである米国 Stemline社が進行固形がん患者を対象とし主に安全性の評価を目的とした臨床第1相試験を完了した状態で、2025年6月、すべての権利が当社に返還されました。今後当社は、追加で実施する基礎研究の成果や会社の財務状況などを勘案して、次相臨床試験の計画など開発方針を検討していく方針です。 さらに当社は、これら2つの候補化合物の開発を推進すると共に、これらの開発の過程で新たに得られた知見を踏まえて創出した免疫スイッチ作動薬CBT005、CBP-A08、静岡県立大学との共同研究により最適化を進めているIDO/TDO阻害剤、AI(人工知能)を利用した創薬研究など、新規候補化合物の創出・開発パイプラインの拡充に向けて、探索研究と開発準備を実施しています。これらのうちCBT005については、開発の初期段階である前臨床試験(臨床試験開始申請のために必要なデータを揃えるための非臨床試験)へ進めることを決定し、そのための準備を行っています。 以上の結果、当事業年度の研究開発費は、例年水準の基礎研究費支出に次相臨床試験準備を含むCBP501臨床試験費用ならびに次世代プロジェクト関連支出が加わり、前年度比163,492千円減少の820,000千円となりました。販売費及び一般管理費は、前年度比11,014千円増加の289,562千円となり、研究開発費と合わせた事業費用は、前年度比152,478千円減少し、1,109,563千円となりました。 この結果、営業損失は1,109,563千円(前事業年度営業損失1,262,041千円)となり、営業外費用として為替差損42,342千円を計上したことなどにより経常損失は1,156,668千円(前事業年度経常損失1,208,349千円)、当期純損失は1,157,918千円(前事業年度当期純損失1,209,599千円)となりました。 なお、当社は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。 ② キャッシュ・フロー 当事業年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは、日常的な研究費ならびに販売費及び一般管理費の支出、CBP501臨床試験関連費用(現在は臨床第2相試験を終了し次相臨床試験の準備中)支出ならびに次世代プロジェクト関連の支出等により、771,454千円の減少(前事業年度1,280,192千円の減少)となりました。過去に、欧州における臨床第3相試験開始が困難となった場合には速やかに米国臨床第2b相試験を開始できるよう米国臨床試験のCRO(臨床試験実施期間)に対して計上してきた前渡金の未回収分として前事業年度から繰り越された未収入金が全額回収されたこと等により、未収入金が252,430千円減少(営業キャッシュ・フローは増加)しました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローには特筆すべき変動はありませんでした(前事業年度も変動なし。)。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入により、1,748,929千円の増加(前事業年度1,538,270千円の増加)となりました。 これらに加え、外貨建預金について現金及び現金同等物に係る換算差額△37,918千円を計上した結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ939,678千円増加し、2,827,879千円となりました。 (2) 生産、受注および販売の実績① 生産実績 当社は研究開発を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしていません。 ② 受注実績 当社は受注生産を行っていませんので、受注実績の記載はしていません。 ③ 販売実績 当事業年度の販売実績はありません。 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 ① 重要な会計方針および見積り 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成にあたりましては、決算日における資産および負債、会計期間における収益および費用について会計上の見積りを必要としています。この見積りに関しては、過去の実績、適切な仮定に基づいて合理的に計算していますが、実際の結果と相違する場合があります。 当社の重要な会計方針は、財務諸表の注記事項(重要な会計方針)に記載しています。 ② 当事業年度の財政状態の分析 当事業年度末の総資産は3,050,766千円となり、前年度末比617,911千円の増加となりました。純資産の部においては、新株予約権の行使により資本金および資本準備金がそれぞれ882,324千円増加する一方で当期純損失の計上により繰越利益剰余金が1,157,918千円減少しました。資産の部においては、流動資産の現金及び預金が939,678千円増加しました。CBP501の製造・製剤化の進捗により、前渡金が47,574千円減少しました。また、過去に、欧州における臨床第3相試験開始が困難となった場合には速やかに米国臨床第2b相試験を開始できるよう米国臨床試験のCRO(臨床試験実施期間)に対して計上してきた前渡金の未回収分として前事業年度から繰り越された未収入金が全額回収された結果、未収入金が252,430千円減少しました。 ③ 当事業年度の経営成績の分析 当事業年度においては、当社の主要プロダクトであるCBP501について製薬企業等との提携獲得活動により収益確保に努めてきましたが、当事業年度内の契約締結には至りませんでした。また、研究開発費については、例年水準の基礎研究費支出の他、次相臨床試験準備を含むCBP501臨床試験関連の支出および次世代プロジェクト関連の支出により、前年度比163,492千円減少の820,000千円となりました。販売費及び一般管理費は、前年度比11,014千円増加の289,562千円となり、研究開発費と合わせた事業費用は、前年度比152,478千円減少し、1,109,563千円となりました。 この結果、営業損失は前年度比152,478千円損失減の1,109,563千円となり、営業外収益として為替差益-千円を計上したことにより経常損失は前年度比51,681千円損失減の1,156,668千円、当期純損失は前年度比51,681千円損失減の1,157,918千円となりました。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社は、研究開発型ベンチャーであり、将来は当社開発の抗がん剤の上市後において製品売上高の計上により利益を確保する計画ですが、それまでの先行投資期間においては抗がん剤の研究開発費負担等から損失を計上する予定です。なお、先行投資期間においては、主に提携製薬会社からの収入が損益改善に寄与する可能性があります。 当社が新たに提携パートナーを確保した場合には、契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の収入を受取る可能性があり、当面は開発の進捗状況および当該提携獲得活動の状況が当社の損益に大きな影響を与えます。 ⑤ 資本の財源および資金の流動性についての分析 当社は、研究開発型ベンチャーであり、将来は当社開発の抗がん剤の上市後に製品販売による収入を計上する計画ですが、それまでの先行投資期間においては研究開発費の支出等から営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスを計上する計画です。 先行投資期間における営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスについては、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務活動によるキャッシュ・フローのプラスにより補填するほか、新規提携パートナーからの契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の形で営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努める方針です。 当事業年度の資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、次相臨床試験準備を含むCBP501臨床試験関連の支出ならびに次世代プロジェクト関連の支出等により、771,454千円の減少(前事業年度1,280,192千円の減少)となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローには特筆すべき変動はありませんでした(前事業年度も変動なし。)。 財務活動によるキャッシュ・フローは、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入により、1,748,929千円の増加(前事業年度1,538,270千円の増加)となりました。 これらに加え、外貨建預金について現金及び現金同等物に係る換算差額△37,918千円を計上した結果、当事業年度末の現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ939,678千円増加し、2,827,879千円となりました。

事業リスク

  • 医薬品開発の不確実性
    新薬の開発は非常に長い期間と多額の費用がかかる上に、成功する確率が低いという大きなリスクがあります。臨床試験のどの段階でも開発が中止される可能性があり、その場合、それまでに投じた研究開発費が無駄になるだけでなく、会社の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。キャンバスは複数のパイプラインでリスク分散を図っていますが、それでも一つの主要な候補化合物が開発から脱落した場合の影響は大きいと考えられます。
  • 将来収益の不確実性
    キャンバスは現在、製品販売による収益がありません。開発中の医薬品が市場に上市され、収益を生み出すまでには、さらに長い期間と多くのステップが必要です。たとえ上市できたとしても、市場での競争や価格設定、医療保険制度の変化などにより、十分な収益を確保できない可能性もあります。これにより、会社の事業継続に必要な資金が不足し、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 開発資金確保の困難性
    創薬ベンチャー企業であるキャンバスにとって、新薬開発に必要な莫大な資金を継続的に確保することは大きな課題です。資本市場からの資金調達は不確実性が高く、また、製薬企業との提携交渉も必ずしも成功するとは限りません。もし開発資金の確保が大幅に遅れたり、できなかったりした場合、臨床試験のスケジュールが遅延し、結果として新薬の上市が遅れることで、会社の成長戦略に大きな影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|10,864 文字
3【事業等のリスク】 以下において、経営者が当社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に関してリスク要因と考える主な事項を記載しています。 また、当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項、他の事項と比してリスク顕在化のおそれが低い事項、リスクが顕在化した場合の影響が他の事項と比して軽微な事項についても、投資判断の上で、あるいは当社の事業活動を理解する上で必要と考えられる事項については、投資家および株主に対する積極的な情報開示の観点から開示しています。これらに該当する事項には、項目名の末尾に注を付しています。 当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項および本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全部を網羅したものではないことにご留意いただく必要があります。 なお、文中の将来に関する記載は当事業年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 創薬事業全般に関するリスク 当社は、自社創出の候補化合物群を医薬品として開発する事業を主業務としています。 医薬品の研究開発の分野は、巨大製薬企業をはじめとする多数の強力な競合が存在し、さらに当社を含むいわゆる創薬ベンチャー企業が技術革新の質とスピードを競い合う業界です。また、開発から製造および販売に至る過程では、多くの規制に従って、長期間にわたり多額の資金を投入して事業活動を推進する必要があります。その将来性は不確実性を伴うものであり、当社の現在および将来における事業についてもこのようなリスクが附随しています。 ① 医薬品開発の不確実性について 製品上市に至る医薬品開発の過程は長期かつ多額の費用を要するもので、開発が成功する確率は決して高くなく、開発のいずれの段階においても中止や遅延の判断をすることは稀ではありません。医薬品開発においては、様々な開発過程を段階的に進めていく必要があり、それぞれの段階において、開発続行の可否が判断されます。一般的に、その開発途上で中止の決定を行うことは稀なことではなく、開発が順調に進み製品化される確率は低いものとされています。 このリスクを低減・分散するため、一般には開発パイプラインに医薬品候補化合物を複数保有し、かつ、それぞれの候補化合物にバックアップ化合物を保有することによって、ひとつの候補化合物の開発において何らかの障害が発生した場合の対応策とすることが行われています。 当社においては、互いに独立した複数の候補化合物を開発パイプラインに持ち、それぞれについてバックアップ化合物を保有することによって、開発過程において何らかの障害が発生した場合の事業遂行上のロスを最小限に留めるよう努めています。 しかしながら、当社のような規模の創薬企業にとって、ひとつの医薬品候補化合物が開発から脱落することはきわめて大きな影響があります。また、バックアップの類似化合物といえども医薬品開発上は新規の化合物として取り扱われることから、当該化合物の開発には遅延が生じることとなります。障害発生までに獲得した類似化合物での知見を活用することにより遅延の幅や遅延に伴う追加費用を縮小できる可能性はあるものの、研究開発に当初予想以上の期間および費用がかかることは否めず、その場合には当社の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 将来収益の不確実性について 当社が開発を進めている製品の販売から収益を得るには、当社が単独または第三者と共同で、市場性のある医薬品の開発、許認可当局からの承認、製造および販売のすべての段階において成功を収めることが必要です。当社は、これらの活動において成功しない可能性があり、また、成功したとしても、当社の事業活動を継続するために必要な採算性を確保する十分な収益を得ることができない可能性もあります。 当社は現在、臨床試験段階の候補化合物を有し、これらの開発を推進し製品上市に至ることによって製品売上高またはロイヤルティ等による事業収益を獲得するべく事業活動を行っています。しかしながら、現時点において製品販売に関する売上高はなく、現実に製品として上市するまでには相当の期間を要すると予想され、また、現実に製品として上市される保証はありません。 なお、当社は、現時点で想定している適応疾患の選定や提携手法・マーケティング手法等について、既承認の抗がん剤の市場規模やマーケティング実績等をもとに十分に将来の採算性を見込めるものと判断していますが、万一この判断が誤っていた場合、あるいはこの判断の基礎となる状況に変化が発生し当社がその変化に迅速に対応できなかった場合には、当社の財政状態や経営成績に大きな影響を与える可能性があります。③ 遵守すべき法的規制等および医療保険制度等の不確実性について 当社の事業計画は、現行の法的規制および医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提としています。 しかしながら、当社が開発を進めている製品が現実に製品として上市されるまでには相当の期間を要し、その間これらの規制や制度・価格設定動向等が変動しない保証はありません。もしこれらに大きな変動が発生した場合には、当社の計画する経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 潜在的な競合について 当社の潜在的な競合相手は、主要な製薬企業、バイオ関連企業、大学、その他の研究機関等多岐にわたります。それら競合相手の中には、技術力、マーケティング力、財務状況等について当社と比較して優位にある企業が多数あり、当社開発品と競合する医薬品について、有効性の高い製品を効率よく生産および販売する可能性があります。 したがって、許認可当局によって当社の製品候補の販売承認が得られた場合であっても、これら競合相手との競争次第で、当社の計画する経営成績に影響をきたす可能性があります。 ⑤ 賠償問題発生リスクについて(※現時点において本リスクの重要度は比較的小さいと考えています。) 医薬品の臨床試験を実施する際には、薬剤による副作用などに伴う賠償問題が発生するリスクが伴います。これに関し当社は、必要と認める損害保険への加入などによって、このような事態が発生した場合の財政的負担を最小限にするべく対応しています。しかしながら、賠償額が当該保険により補償される範囲を超える可能性は否定できず、その場合には財政状態や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 また、医薬品の開発および製造には、製造物責任賠償のリスクが内在します。当社は将来、開発したいずれかの医薬品が健康被害を引き起こし、または臨床試験、製造、営業もしくは販売において不適当な点が発見された場合には、製造物責任を負い、当社の業務および経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、製造物責任賠償請求がなされることによるイメージ低下により、当社および当社の医薬品に対する信頼が損なわれ、当社の事業に影響を与える可能性があります。 (2) 当社事業遂行上のリスク① 開発資金の確保について 当社のような創薬ベンチャー企業が基礎研究・臨床開発・製造・上市・販売および上市後のフォローアップ等をすべて単独で行うためには、資本市場からの資金調達によるか、もしくは、製薬企業等との間で適切な提携関係を構築し開発費の多くを提携先製薬企業等が負担する戦略提携による必要があります。 当社は、最先行化合物CBP501に関し、2010年6月に武田薬品工業株式会社との共同事業化契約を解消し、以来現在に至るまで、提携パートナーを有しない状態で臨床開発をはじめとする事業活動を継続してきました。 CBP501の今後の臨床試験については、資本市場からの資金調達による「創薬パイプライン型」開発を志向しつつ、必要に応じて提携パートナーの獲得も模索していきます。 しかしながら、資本市場からの資金調達には不確実性が伴います。また、提携パートナー獲得活動はその候補となる製薬企業等との交渉によるものであり、成立の不確実性が存在するほか、必ずしもその後の開発推進に十分な資金の確保をもたらすものではありません。 これらのリスクが顕在化し、開発資金の確保が大幅に遅れもしくはできなかった場合には、臨床試験スケジュールの遅延により当社の事業戦略や経営成績、財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ② 臨床試験データについて 当社は、これまでに実施した臨床試験等から、CBP501およびCBS9106についてはいずれも、医薬品開発を進めるうえで有望な有効性および安全性データが得られていると判断しています。また、これらの開発計画および当社の事業計画についても、当該判断に基づいて作成されています。 しかしながら、これら開発化合物の有効性および安全性等が許認可当局に確認され新薬承認および上市に至るまでには、将来のピボタル試験(新薬承認申請のための最終的な検証試験)を経る必要があります。本剤に限らず一般的な医薬品開発に共通することですが、これら今後の臨床試験においては、有効性が確認されず、または重要な安全上の懸念事項が発生するなどの問題が生じる可能性があります。 こうした場合には、CBP501・CBS9106の開発計画の変更もしくは開発中止により、当社の事業計画の実現が困難となり、当社の財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 開発パイプラインの拡充について 当社は、自社で臨床開発を続けている最先行化合物CBP501、ライセンス先Stemline社が臨床第1相試験を完了したCBS9106に続き、今後も新規医薬品候補化合物を自社で獲得・創出しパイプラインを拡充していくことを基本戦略としています。 この戦略を確実に推進するために当社は現在も、創薬アプローチの見直し、スクリーニング法の改良など、新規候補化合物の獲得・創出の可能性を高める努力を続けています。この成果として現在、CBT005をはじめとするいくつかの開発候補化合物を獲得しています。 しかしながら、当社の創薬アプローチやスクリーニング法によって現在すでに開発途中にあるもの以外の候補化合物を探索創出できる保証はありません。 今後の研究において新たな候補化合物が創出されず、または何らかの理由で当社のスクリーニング法による新規医薬品候補化合物の獲得・創出に支障が生じた場合には、当社の研究開発の基本戦略の変更を余儀なくされ、当社の事業戦略や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 (3) 会社組織に関するリスク① 業歴が浅いことについて(※現時点において本リスクの重要度は比較的小さいと考えています。) 当社は、2000年1月に設立された、業歴の浅い企業です。また当社は、事業領域をいわゆる創薬領域に特化した特異な企業であり、将来は当社が開発した抗がん剤上市により事業収益を計上し利益を確保する計画ですが、現時点までに製品売上による事業収益がありません。 今後、未だ経験していない事業上のトラブルが社内外で発生する可能性は否定できず、当社の業績に影響を及ぼすと考えられる様々な事項について網羅的に予想し予め対処しておくことは現状においては困難です。 ② 小規模組織であることについて(※本リスク顕在化のおそれは比較的小さいと考えています。) 当社の研究開発活動は比較的少人数による体制を敷いています。 また、既存パイプラインの開発推進および今後の新規医薬品候補化合物のパイプライン化に伴い、さらなる研究開発人員の増加を計画しています。 しかしながら、何らかの理由により、計画どおりの人員の確保が出来ない場合、あるいは既存人員の大量の流出等が生じた場合には、当社の事業活動に支障が生じ、当社の財政状態や経営成績に影響が及ぶ可能性があります。 ③ 少数の事業推進者への依存について 当社の事業戦略を成し遂げるには、当社事業戦略を推進する各部門の責任者と研究開発員に強く依存するところがあります。今後も当社は優秀な人材の確保および社内教育に努めていきますが、人材の確保および社内人材の教育が計画どおりに進まない場合、ならびに人材の流出が生じた場合には、当社の事業戦略や研究開発の推進に支障をきたす可能性があります。 また、当社はこれまで、創業科学者であり当社の競争力の源泉となっている技術の創出者・発明者でもある河邊拓己を中心として基礎研究・研究開発をはじめとする事業の全般を推進してきました。河邊は現在も代表取締役社長として当社の意思決定および事業運営にあたって広範かつ中心的な役割を担っています。 当社は、少数の事業推進者に過度に依存しない体制を構築すべく経営組織の強化を図っていますが、当面は河邊への依存度が高い状態で推移することが見込まれるため、何らかの理由により河邊が当社の業務を遂行するにあたって困難をきたした場合には、当社の事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 科学顧問会議(SAB)について(※本リスクの重要度は比較的小さいと考えています。) 当社は、社長の諮問機関として、抗がん剤の臨床開発にかかる経験を豊富に持つなど当社の研究開発への貢献が期待できる科学者による科学顧問会議(SAB)を組成しています。SABミーティングは、2002年3月の発足以来概ね定期的に開催され、基礎研究から臨床開発に至る情報交換や議論を行っています。 今後も当社は優秀なSABメンバーの確保に努めていきますが、現在のメンバーとの間の契約が更新されないなど、何らかの理由によりメンバーの確保が困難となった場合またはメンバーの流出が生じた場合には、当社の研究開発の推進に何らかの支障をきたす可能性があります。 ⑤ 研究開発の主要部分に関するアウトソーシングについて(※現時点において本リスクの顕在化のおそれは比較的小さいと考えています。) 当社は、自社を少人数体制で運用しつつ機動的な事業運営を図るため、広く社外に有能な専門家の参加を求め、以下に掲げる研究開発の主要な部分についてはアウトソーシング契約に基づく外部委託に依存しています。 ・化合物の最適化およびこれに関連する化合物合成業務 ・前臨床試験および臨床試験に用いる、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造設備およびその品質管理・製造管理に関する規則)に準拠した原薬製造業務 ・臨床試験のコーディネート(CRO) これらの契約につき、当社にとって不利な契約条件変更が行われた場合、または契約期間満了、解除、その他何らかの理由によりこれらの契約が終了した場合は、当社の研究開発の推進に支障をきたし、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 自然災害について 当社は、事業活動の中心となる設備や人員が本社周辺に集中しており、地理的なリスク分散ができていません。データの分散バックアップやリモート業務体制の拡充等によってリスクの低減は図っているものの、本社周辺地域において地震等の大規模な災害が発生した場合には、設備等の損壊、事業活動の停滞によって、当社の財政状態や経営成績は影響を受ける可能性があります。 (4) 知的財産権に関するリスク① 特許の状況について 当社の研究開発に関する特許は、すべて自社保有のものです。その主要な特許は以下のとおりです。対象発明の名称所有者国際公開番号登録状況 CBP501およびそのバックアップ化合物群ペプチド及びペプチド模倣物の併用投与並びにがん患者の部分母集団に対する治療当社2014/207556米国、欧州主要国および日本において成立しています。ペプチド及びペプチド模倣物並びにT細胞活性化及び/又は免疫チェックポイント阻害剤の併用によるがん治療当社2017/069291米国、日本において成立しています。CBS9106をはじめとするCBS9100シリーズDNA傷害を増強することによる抗がん活性をもつ化合物当社2009/031040米国、欧州主要国および日本において成立しています。CBT005ホスファチジルセリン複合体当社2023/126885米国において成立しています。IDO/TDO阻害剤IDO/TDO阻害剤(注)22019/078246日本、米国において成立しています。(注)1.欧州主要国とは、欧州特許庁加盟国のうち、当社の特許戦略上有意義と判断し得る国を指します。具体的には、ドイツ、スイス、英国、フランス、ベルギー、イタリアなどです。2.当社と公益財団ふじのくに医療城下町推進機構((旧)一般社団法人ファルマバレープロジェクト支援機構)の共有特許です。  出願中の各特許については、特許出願時に特許性等に関する十分な調査を行ってはいますが、すべての特許出願について特許を受けられるとは限りません。当社の出願中の特許が成立しなかった場合、他社の競合品に対して特許権を行使することができず、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 さらに、当社事業領域を包含するバイオテクノロジー関連産業においては、日々熾烈な研究開発競争が繰り広げられており、当社の特許が成立し当社技術を保護できたとしても、当社の研究開発を超える優れた開発力により、当社の特許が淘汰または無力化されるおそれは常に存在しています。仮にそのような研究開発が他社によりなされた場合には、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 また、これらの特許が発行された場合にも、これらの権利を維持していくための費用が今後当社の負担になる可能性もあります。 なお、本項に記載した事項については、現在、これらの状況に支障もしくは支障の発生を懸念される事項は存在していません。 ② 訴訟およびクレームについて(※本リスクの顕在化のおそれは比較的小さいと考えています。) 当事業年度末現在において、当社の開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟およびクレームが発生した事実はありません。 また、当社は、今後発生し得るこのような問題を未然に防止するため、事業展開にあたっては弁護士との相談や特許事務所を通じた特許調査を適宜実施しており、現時点において、当社事業が第三者の特許権等に抵触する可能性は低いものと認識しています。 しかしながら、当社のような研究開発型の企業にとって、差止請求、損害賠償請求、実施料請求等の知的財産権侵害問題の可能性を完全に排除することは困難です。また、当社が第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、解決に時間および多大の費用を要する可能性があり、さらに、当社が第三者の特許権等を侵害していた場合、当該第三者から差止請求権や損害賠償請求権を行使されたり、高額な実施料を請求されたりすることにより、当社の事業戦略、経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特許の確保に関するリスクについて(※現時点において本リスクの顕在化のおそれは比較的小さいと考えています。) 当社が職務発明の発明者である役員・従業員等から特許を受ける権利を譲り受けた場合、当社は発明者に対して特許法第35条第3項に定める「相当の対価」を支払わなければなりません。これまでに対価の支払について発明者との間で問題が生じたことはありませんが、対価の相当性につき紛争が発生する可能性を将来にわたり完全に排除することはできません。紛争が生じた場合や、発明者に追加の対価を支払わなければならない場合には、当社の財政状態や経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。 また、当社が過去に譲り受けた特許および出願特許について、当社または前保有者が第三者により使用権や担保権の主張を受ける可能性を完全に排除することはできず、かかる主張を受けた場合には、当社の事業戦略、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 情報管理について 当社が研究もしくは開発している途上の知見、技術、ノウハウ等、重要な機密情報が流出した場合には、当社の事業戦略、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 このリスクを低減するために当社は、役職員、SABメンバー、取引先等との間で、守秘義務等を定めた契約を締結するとともに、個別の事情に応じた情報開示を行うなど、厳重な情報管理に努めています。 しかしながら、役職員、SABメンバー、取引先等によりこれが遵守されなかった場合には、重要な機密情報が漏洩する可能性があり、かかる場合には当社の事業に影響を与える可能性があります。 (5) 経営成績の推移について① 過年度における業績推移について 当社の主要な経営指標等の推移は以下のとおりです。回次第22期第23期第24期第25期第26期決算年月2021年6月2022年6月2023年6月2024年6月2025年6月事業収益(千円)108,945----営業利益(千円)△547,671△846,438△965,965△1,262,041△1,109,563経常利益(千円)△555,112△854,327△1,283,062△1,208,349△1,156,668 当社の現在までの事業収益は、過去に受託した委託研究の対価ならびに提携契約に基づく収益のみであり、当社が開発した抗がん剤の製品売上による事業収益は未だ計上していません。 また、現在まで、抗がん剤開発のための研究開発活動に伴う費用計上が収益を上回り、営業損失、経常損失を計上する状態が続いています。 このため、過年度の財務経営指標は期間業績比較を行うための材料としては不十分であると考えられ、今後の当社業績を予測する材料としては不十分な面があります。 ② 資金繰りについて 当社のような創薬企業の財務上の特徴は、最初の製品が上市するまでは安定的な収益源がなく、候補化合物の研究開発費用の負担により、長期に亘って先行投資の期間が続くことです。この先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社も創業以来継続的に営業損失を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローは大半の期にマイナスを計上しています。また、当社は、当事業年度末において当面の事業活動の継続に影響のない水準の現金及び預金を有しているものの、現時点において安定的な収益源を有していません。 このため、先行投資期間においては、現在進めているアライアンス活動で獲得する新規提携パートナーからの契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の形で営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるほか、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務活動によるキャッシュ・フローのプラスにより補填する方針ですが、必要なタイミングで資金を確保できなかった場合には、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。 (6) 為替変動リスクについて(※本リスクの重要度は比較的小さいと考えています。) 当社が実施する海外での臨床試験においては、研究開発費等の支出に外貨建取引が含まれる場合があります。その場合、当社は、外貨建取引の計画時と決済時の間の為替変動リスクを回避するために外貨建取引の支出計画に基づき外貨を事前購入するなどの方法でリスク回避を図る場合がありますが、この為替変動リスクを完全に回避できるとは限らず、この為替変動リスクが顕在化した場合には当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また為替変動に伴う当社保有外貨評価額の変動により、四半期会計期間および事業年度において為替差損益を計上し、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 潜在株式の行使による当社株式価値の希薄化について 当社は、当社取締役(監査等委員を含む。)、従業員および社外協力者等の業績向上に対する意欲や士気を高め、また優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を導入しており、会社法の規定に基づき新株予約権を従業員に対して付与しています。 その総量は、当事業年度末現在における当社の発行済株式総数の0.2%にあたります。 今後についても優秀な人材確保のために、同様のインセンティブプランを継続して実施する可能性があります。また、新株予約権を活用した資金調達を実施する可能性もあります。このため、既に付与された、もしくは今後付与される当該新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株あたりの株式価値は希薄化する可能性があります。 (8) 継続企業の前提に関する重要事象等について 当社が手がける創薬事業は、医薬品として承認された製品の売上による事業収益の計上までに多額の資金と長い時間を要する等の特色があります。当社は創業以来現時点まで製品の売上による事業収益を計上しておらず、また、現時点において、医薬品として承認された製品、承認が確実となっている開発品のいずれも有していません。 現在開発を進めている医薬品候補化合物は、CBP501については、膵臓がんを対象とした次相臨床試験の準備段階、CBS9106については臨床第1相試験を終了し次相臨床試験の計画段階にあります。これらの候補化合物の開発が今後順調に進捗し医薬品として承認され事業収益に寄与する保証はなく、また、順調に進捗した場合にはさらに多額の資金を投入して開発を進める必要があり、この資金の源泉となる製薬企業等との提携等が必要となるところ、当社は現時点において、製薬企業等との提携関係を有していません。この状況により当社には、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しています。 当該状況を解消するべく、当社は、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、⑤ 資本の財源および資金の流動性についての分析」に記載のとおり、必要に応じて資金調達等を実施するほか、CBP501にかかる追加的な戦略提携などによる収益の獲得に努めます。あわせて後続のパイプラインに関しても、その開発状況に応じて早期アライアンスの獲得活動あるいは資金調達を進めていきます。

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