事業の概要
- 医薬品事業が中心参天製薬グループは、主に「医薬品の研究開発・製造・販売」を手掛ける医薬品事業を核としています。これは、病気の治療や予防に役立つ薬を開発し、製造し、それを必要とする患者さんに届けることで収益を得るビジネスモデルです。特に眼科領域に強みを持っています。
- グローバル展開日本だけでなく、中国、アジア、欧州、中東、アフリカ、北米など世界各地に子会社を持ち、医薬品を供給しています。これにより、特定の地域に依存せず、世界中の市場から収益を得ることで事業の安定性を高めています。
- 医療機器・一般用医薬品医薬品事業に加え、医療機器の製造・販売や、処方箋なしで購入できる一般用医薬品(OTC医薬品)の販売も行っています。これらの事業は、医薬品事業を補完し、多様なニーズに応えることで収益源を多角化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 医療用医薬品事業Santenグループの主要な収益源であり、眼科領域に特化した処方薬の研究開発、製造、販売を行っています。日本、中国、アジア、欧州、中東、アフリカ、北米といった広範な地域で事業を展開し、各地域の医療ニーズに応じた製品を提供しています。
- 一般用医薬品事業主に日本とアジア地域で、処方箋なしで購入できる目薬などの一般用医薬品を扱っています。これは、消費者が直接購入できる製品であり、医療用医薬品とは異なる市場で収益を上げています。
- 医療機器事業日本と欧州、北米を中心に、眼科手術などに使用される医療機器の製造・販売を行っています。医薬品と合わせて、眼科医療における幅広いソリューションを提供することで、事業領域を拡大しています。
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3【事業の内容】 Santenグループは、参天製薬株式会社(以下、当社)と連結子会社33社及び持分法適用関連会社1社(期末現在)により構成されており、「医薬品の研究開発・製造・販売を中心とする医薬品事業」を主な事業として取り組んでいます。 Santenグループの事業区分及び当社と連結子会社に係る位置付けは次のとおりです。 なお、Santenグループは単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しています。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.事業セグメント」に記載のとおりです。 事業区分主な会社医療用医薬品(日本事業)当社参天アイケア株式会社(中国事業)参天投資(中国)有限公司参天製薬(中国)有限公司参天医薬販売(蘇州)有限公司重慶参天科瑞製薬有限公司(アジア事業)韓国参天製薬株式会社台湾参天製薬股份有限公司参天製薬(香港)有限公司Santen India Private LimitedSanten Pharmaceutical Asia Pte. Ltd.SANTEN (THAILAND) CO., LTD.SANTEN PHILIPPINES INC.SANTEN PHARMA MALAYSIA SDN. BHD.Santen Pharmaceutical Vietnam Co., Ltd.(EMEA(欧州、中東及びアフリカ)事業)Santen Holdings EU B.V.Santen OySanten S.A.S.Santen GmbHSanten SASanten Italy S.r.l.Santen UK LimitedSanten Pharmaceutical Spain, S.L.SANTEN LIMITED LIABILITY COMPANY(その他事業)Santen Holdings U.S. Inc.Santen Inc.Santen Canada Inc.Eyevance Pharmaceuticals Holdings Inc.Eyevance Pharmaceuticals LLC一般用医薬品(日本事業)当社(アジア事業)台湾参天製薬股份有限公司 事業区分主な会社医療機器(日本事業)当社(EMEA事業)Santen OySanten S.A.S.Santen GmbHSanten SASanten Italy S.r.l.Santen UK LimitedSanten Pharmaceutical Spain, S.L.(その他事業)Advanced Vision Science, Inc.InnFocus, Inc.その他(日本事業)当社株式会社クレール(中国事業)参天医薬販売(蘇州)有限公司(その他事業)Santen Ventures, Inc. 以上の事業系統図の概略は次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 医療用医薬品事業は各国政府による医療保険制度や薬価に関する規制の影響を受けるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 医薬品の研究開発から承認・発売まで非常に長期間を要し、各国政府による医療保険制度や薬価に関する規制がある。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:サプライチェーンの寸断 / コンプライアンス違反 / ITセキュリティ及び情報管理
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
参天製薬は眼科領域に特化した研究開発力と、長年培ってきたブランド力を持つ。特に「ジルテック」「クラビット」などの主力製品は、医師や患者からの信頼が厚く、ジェネリック医薬品が多数存在する中でも一定のシェアを維持している。また、新規開発パイプラインへの期待も無形資産となりうる。
スイッチングコスト★★☆☆☆
眼科用医薬品は、医師の処方箋に依存する側面が強く、一度処方された薬剤を変更するには、有効性や副作用の観点から慎重な判断が求められる。しかし、競合製品の登場や、より効果的な新薬が出た場合にはスイッチングが発生する可能性はある。患者自身のスイッチングコストは低い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
医薬品の性質上、ネットワーク効果はほとんど見られない。製品の普及は、臨床試験の結果、医師へのプロモーション、保険適用などによって決まる。
コスト優位★☆☆☆☆
医薬品製造には高度な品質管理と設備投資が必要であり、参天製薬が構造的に圧倒的なコスト優位を持つとは考えにくい。ジェネリックメーカーとの価格競争は存在するものの、新薬メーカーとしてのコスト構造は標準的。
規模の経済★★☆☆☆
眼科領域に特化しているため、その分野においては一定の規模を持つが、医薬品業界全体で見ると、大手製薬企業と比較して規模の経済性は限定的。グローバル展開は進めているものの、市場シェアはまだ発展途上。
- 眼科領域の専門性参天製薬は、眼科領域に特化した医薬品の研究開発・製造・販売を長年手掛けており、この分野における深い専門知識と経験が強みです。これにより、特定の疾患に対する高度な治療薬を提供し、競合他社との差別化を図っています。
- グローバルな事業基盤世界各地に事業拠点を持ち、広範な地域で医薬品を提供できるグローバルな供給体制を構築しています。これにより、各国の医療ニーズに合わせた製品展開が可能となり、市場シェアの拡大と安定的な収益確保に貢献しています。
- 品質管理と安定供給医薬品の品質確保と安定供給を最優先課題と位置付け、厳格な品質保証体制と生産計画を含む在庫管理の可視化・一元管理に取り組んでいます。これは、患者さんへの信頼を築き、医療現場からの安定的な需要を確保する上で重要な競争優位性となります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、Santenグループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針Santenグループは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界中の患者さんや生活者、医療関係者の皆さまへの価値ある製品やサービスの提供を通じ、人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献することを目指しています。創業以来、「天機に参与する」という基本理念の下、130年以上にわたり人々の目の健康維持・増進を追求してきました。現在、眼科領域における医薬品の研究開発、製造、販売・マーケティング活動をグローバルに展開し、世界60以上の国・地域で約5,000万人の人々の目の健康をサポートしています。私たちのミッションは、眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、目の病気の予防や診断、治療において今まで提供されていない重要な価値を患者さんや社会に提供し続けることです。一人でも多くの患者さんが幸せで豊かな人生を過ごすことができる未来を創り出すため、世界中の人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現に向けて全力を尽くしてまいります。 (2)中期経営計画及び目標とする経営指標Santenグループは2025~2029年度までの5年間を対象とした新たな中期経営計画を策定し、2025年5月に公表しました。 1.2035年までに目指す姿と実現に向けた事業の在り方Santenグループは、2023年度に発表しました前中期経営計画(~2025年度)について構造改革などの施策を着実に遂行し、2025年度の数値目標を前倒しで達成しました。この度、Santenグループは、長期視点での戦略の展開と収益基盤のさらなる強化を通じた新たな成長軌道への転換を実現すべく、2035年までに目指す姿、及び2029年度までの中期経営計画(2025~2029年度)を策定しました。眼科領域に特化したグローバルカンパニーとして、高い確度での製品開発と確実な収益の確保で堅実なグローバル成長を追求し、製品価値の最大化による最適な眼科医療の提供と眼科医療や患者さんのニーズの深い理解に基づく眼科医療のイノベーションを軸として事業活動を展開します。<Santenグループのビジネスモデル> 2.成長戦略2029年度までの5年間において、これまで培ってきた強みを活かして、「Santenグループのビジネスモデル」の展開を全地域でさらに強化します。眼科市場をリードする企業としての信望を集め、持続的な成長基盤を確立するため、6つのイニシアチブを推進します。 <持続的な成長基盤確立に向けた6つのイニシアチブ>■短中期売上成長1.海外地域(EMEA・アジア・中国)におけるリーダーポジションの確立:日本を含む全地域で市場成長率を上回る収益拡大により、プレゼンスを強化します。日本事業のリーダーポジションを堅持しながら、海外事業の力強い成長により、2029年度の海外事業売上比率は58%を目指します。 2.近視・眼瞼下垂疾患の市場創造と海外展開:新領域となる近視・眼瞼下垂におけるRx市場を創出し、医師や医療機関が積極的に治療提供する環境を地域に即して整備します。近視は、「近視進行抑制点眼治療市場」を確立することで、小児の近視患者さんに対して、近視の進行自体を抑制し、近視による日常生活への負担や将来の目の不安を軽減すること、眼瞼下垂は、点眼薬で治療できる疾患として認知向上と新たな治療概念の普及を促進し、非侵襲的な「眼瞼下垂点眼治療市場」の確立を追求します。 ■中長期売上成長3.Rxポートフォリオ・パイプラインの強化:本中期経営計画期間中の売上へ寄与する現行パイプラインの承認取得早期化やLCM(ライフサイクルマネジメント)を継続推進します。加えて、2030年度以降の持続的な成長につながるRxポートフォリオ・パイプラインの拡充に向け、事業開発のターゲット選定と機能・プロセスを強化すると共に、新たな点眼薬製剤技術の開発や新規モダリティにも挑戦します。 ■事業基盤の継続強化4.安定供給・サプライチェーンの整備:新製品の需要増加を見越し、自社生産キャパシティ拡大と生産ネットワーク見直しにより、安定かつ柔軟な供給体制を強化します。 5.コストの持続的適正化:多角的な原価最適化施策の推進、及び業務プロセス改革によるSG&Aの最適化を徹底します。 6.人材・組織とデジタル・ITの強化:基本理念やビジョンを体現し成長に寄与する人材を最重要のアセットと位置付け、能力向上と人材を活かすことができる生産性の高い組織づくりを推進します。中長期での持続的な成長を見据え、デジタルの効果的活用、また全社のIT・セキュリティ基盤の強化により、事業の生産性と安定性を向上します。 3.2029年度における連結数値目標■KPI売上収益4,000億円コア営業利益800億円(EBITDA:900億円)1ROE14%以上EPS成長率2桁成長2(EPS:160円以上)株主還元・38円/年を配当下限とし、配当性向40%を目安に増配・株価と余資の状況を勘案し、機動的に自社株買いを実施3・ROE、EPSの更なる上昇を企図1 参考値2 2024年度実績-2029年度目標CAGR3 必要運転資金を450億円と定義し、一定期間留保された余資金を原資に実施 4.資本配分・株主還元事業から創出されるキャッシュに加え、運転資金圧縮やグループ内の資金活用、資金需要に合わせた調達の活用により投資余力を最大化し、将来に向けた成長投資として、生産能力拡大に向けた設備増強とイノベーションを生み出す研究開発・事業開発へ優先的に資源を投下します。株主還元については、現在の年間38円の配当を下限値として、累進配当を継続することで利益成長に伴う増配により直接還元を行うとともに、機動的な自社株買いを通じた資本水準の最適化をはかり、ひいては、ROE、EPSの向上を企図します。 5.サステナビリティSantenグループは、社会への貢献と持続的な成長を実現するため、最重要マテリアリティ4つを含む以下の13のマテリアリティを強力に推進します。具体的な取り組みなどについては、今後、ウェブサイトなどを通じて開示していく予定です。 <社会と事業の持続的成長>・目の健康に貢献する製品とサービスの創出*・製品の品質保証と安定供給*・製品の浸透と市場創造* <事業基盤の強化>・Santenで働く価値向上と人・組織の能力強化*・高い倫理観を持った事業運営・情報開示の透明性・DE&I(ダイバーシティ・エクイティ & インクルージョン)の推進・人権の尊重・持続可能な調達・情報セキュリティの確保・デジタル・トランスフォーメーションの推進・気候変動対策・環境負荷低減 *最重要マテリアリティ
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、Santenグループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針Santenグループは、眼科領域に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、世界中の患者さんや生活者、医療関係者の皆さまへの価値ある製品やサービスの提供を通じ、人々の「Happiness with Vision」の実現に貢献することを目指しています。創業以来、「天機に参与する」という基本理念の下、130年以上にわたり人々の目の健康維持・増進を追求してきました。現在、眼科領域における医薬品の研究開発、製造、販売・マーケティング活動をグローバルに展開し、世界60以上の国・地域で約5,000万人の人々の目の健康をサポートしています。私たちのミッションは、眼科領域における専門性と患者さん視点から創出される製品やサービスを通じて、目の病気の予防や診断、治療において今まで提供されていない重要な価値を患者さんや社会に提供し続けることです。一人でも多くの患者さんが幸せで豊かな人生を過ごすことができる未来を創り出すため、世界中の人々が「見る」を通じた幸せを実感できる社会の実現に向けて全力を尽くしてまいります。 (2)中期経営計画及び目標とする経営指標Santenグループは2025~2029年度までの5年間を対象とした新たな中期経営計画を策定し、2025年5月に公表しました。 1.2035年までに目指す姿と実現に向けた事業の在り方Santenグループは、2023年度に発表しました前中期経営計画(~2025年度)について構造改革などの施策を着実に遂行し、2025年度の数値目標を前倒しで達成しました。この度、Santenグループは、長期視点での戦略の展開と収益基盤のさらなる強化を通じた新たな成長軌道への転換を実現すべく、2035年までに目指す姿、及び2029年度までの中期経営計画(2025~2029年度)を策定しました。眼科領域に特化したグローバルカンパニーとして、高い確度での製品開発と確実な収益の確保で堅実なグローバル成長を追求し、製品価値の最大化による最適な眼科医療の提供と眼科医療や患者さんのニーズの深い理解に基づく眼科医療のイノベーションを軸として事業活動を展開します。<Santenグループのビジネスモデル> 2.成長戦略2029年度までの5年間において、これまで培ってきた強みを活かして、「Santenグループのビジネスモデル」の展開を全地域でさらに強化します。眼科市場をリードする企業としての信望を集め、持続的な成長基盤を確立するため、6つのイニシアチブを推進します。 <持続的な成長基盤確立に向けた6つのイニシアチブ>■短中期売上成長1.海外地域(EMEA・アジア・中国)におけるリーダーポジションの確立:日本を含む全地域で市場成長率を上回る収益拡大により、プレゼンスを強化します。日本事業のリーダーポジションを堅持しながら、海外事業の力強い成長により、2029年度の海外事業売上比率は58%を目指します。 2.近視・眼瞼下垂疾患の市場創造と海外展開:新領域となる近視・眼瞼下垂におけるRx市場を創出し、医師や医療機関が積極的に治療提供する環境を地域に即して整備します。近視は、「近視進行抑制点眼治療市場」を確立することで、小児の近視患者さんに対して、近視の進行自体を抑制し、近視による日常生活への負担や将来の目の不安を軽減すること、眼瞼下垂は、点眼薬で治療できる疾患として認知向上と新たな治療概念の普及を促進し、非侵襲的な「眼瞼下垂点眼治療市場」の確立を追求します。 ■中長期売上成長3.Rxポートフォリオ・パイプラインの強化:本中期経営計画期間中の売上へ寄与する現行パイプラインの承認取得早期化やLCM(ライフサイクルマネジメント)を継続推進します。加えて、2030年度以降の持続的な成長につながるRxポートフォリオ・パイプラインの拡充に向け、事業開発のターゲット選定と機能・プロセスを強化すると共に、新たな点眼薬製剤技術の開発や新規モダリティにも挑戦します。 ■事業基盤の継続強化4.安定供給・サプライチェーンの整備:新製品の需要増加を見越し、自社生産キャパシティ拡大と生産ネットワーク見直しにより、安定かつ柔軟な供給体制を強化します。 5.コストの持続的適正化:多角的な原価最適化施策の推進、及び業務プロセス改革によるSG&Aの最適化を徹底します。 6.人材・組織とデジタル・ITの強化:基本理念やビジョンを体現し成長に寄与する人材を最重要のアセットと位置付け、能力向上と人材を活かすことができる生産性の高い組織づくりを推進します。中長期での持続的な成長を見据え、デジタルの効果的活用、また全社のIT・セキュリティ基盤の強化により、事業の生産性と安定性を向上します。 3.2029年度における連結数値目標■KPI売上収益4,000億円コア営業利益800億円(EBITDA:900億円)1ROE14%以上EPS成長率2桁成長2(EPS:160円以上)株主還元・38円/年を配当下限とし、配当性向40%を目安に増配・株価と余資の状況を勘案し、機動的に自社株買いを実施3・ROE、EPSの更なる上昇を企図1 参考値2 2024年度実績-2029年度目標CAGR3 必要運転資金を450億円と定義し、一定期間留保された余資金を原資に実施 4.資本配分・株主還元事業から創出されるキャッシュに加え、運転資金圧縮やグループ内の資金活用、資金需要に合わせた調達の活用により投資余力を最大化し、将来に向けた成長投資として、生産能力拡大に向けた設備増強とイノベーションを生み出す研究開発・事業開発へ優先的に資源を投下します。株主還元については、現在の年間38円の配当を下限値として、累進配当を継続することで利益成長に伴う増配により直接還元を行うとともに、機動的な自社株買いを通じた資本水準の最適化をはかり、ひいては、ROE、EPSの向上を企図します。 5.サステナビリティSantenグループは、社会への貢献と持続的な成長を実現するため、最重要マテリアリティ4つを含む以下の13のマテリアリティを強力に推進します。具体的な取り組みなどについては、今後、ウェブサイトなどを通じて開示していく予定です。 <社会と事業の持続的成長>・目の健康に貢献する製品とサービスの創出*・製品の品質保証と安定供給*・製品の浸透と市場創造* <事業基盤の強化>・Santenで働く価値向上と人・組織の能力強化*・高い倫理観を持った事業運営・情報開示の透明性・DE&I(ダイバーシティ・エクイティ & インクルージョン)の推進・人権の尊重・持続可能な調達・情報セキュリティの確保・デジタル・トランスフォーメーションの推進・気候変動対策・環境負荷低減 *最重要マテリアリティ
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度におけるSantenグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。 ①財政状態及び経営成績の状況(ア)財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ264億円減少し、4,093億円となりました。当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ202億円減少し、2,852億円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ62億円減少し、1,241億円となりました。 (イ)経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上収益3,000億円(前年同期比0.6%減)、コア営業利益594億円(前年同期比5.4%減)、営業利益469億円(前年同期比21.6%増)、当期利益359億円(前年同期比34.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益363億円(前年同期比36.1%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動の結果得た資金が609億円あったことなどの一方、有形固定資産の取得による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払いなどにより、前連結会計年度末と比べ16億円減少し、930億円となりました。 ③生産、受注及び販売の実績Santenグループは単一セグメントであり、当連結会計年度における実績は次のとおりです。 (ア)生産実績及び商品仕入実績 金額(百万円)対前年度増減率(%)生産実績208,7495.6商品仕入実績74,0395.6 (注)1 生産実績の金額は販売価格によっています。 2 商品仕入実績の金額は仕入価格によっています。 (イ)受注実績Santenグループは販売計画、在庫状況を基礎として生産計画を立案し、これによって生産を行っていますので受注生産は行っていません。 (ウ)販売実績 金額(百万円)対前年度増減率(%)販売実績300,004△0.6(注)最近2連結会計年度における、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。 前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社スズケン50,11516.643,46314.5株式会社メディセオ34,65311.532,75910.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点によるSantenグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(ア)経営成績等ⅰ 財政状態(単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額資産4,3574,093△264資本3,0542,852△202負債1,3031,241△62親会社所有者帰属持分比率70.2%69.9%△0.3ポイント当連結会計年度末の資産は、4,093億円となりました。製商品等の棚卸資産の増加などがあった一方、営業債権流動化等運転資金の圧縮に取り組んだことに加えて、無形資産の減少などにより前連結会計年度末と比べ264億円減少しました。資本は、2,852億円となりました。自己株式の取得による資本圧縮効果やその他の資本の構成要素の減少などにより前連結会計年度末と比べ202億円減少しました。なお、2024年11月29日に284億円(16,985千株)、2025年2月28日に84億円(5,000千株)の自己株式の消却をそれぞれ実施しました。負債は、1,241億円となりました。営業債務及びその他の債務の減少及び法人所得税等の支払などにより前連結会計年度末と比べ62億円減少しました。以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ0.3ポイント減少し、69.9%となりました。なお、SantenグループではROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を最重要指標に、キャッシュ・フローの最大化と資本コストの低減の両面から株主価値最大化に取り組んでいます。キャッシュの源泉としては営業活動から得られるインフローを基本としつつ、キャッシュ・コンバージョン・サイクル管理により運転資本の効率を高めることでキャッシュ創出力の最大化に取り組みます。その一環として、営業債権の流動化を実施しており、ROIC(投下資本収益率)の改善に取り組んでいます。 ⅱ 経営成績(単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度対前年度増減率売上収益3,0203,000△0.6%コア営業利益※1628594△5.4%営業利益38546921.6%当期利益26735934.3%親会社の所有者に帰属する当期利益26636336.1% [売上収益]前連結会計年度と比べ0.6%減少し、3,000億円となりました。日本では薬価改定の影響やジクアスLX点眼液の自主回収の影響を受けたものの新製品や主力製品の拡大に注力、海外でも主力製品が堅調に推移したことに加え為替影響もあり、前連結会計年度と同水準となりました。 ◇日本6%台後半の薬価改定やジクアスLX点眼液の自主回収の影響はあったものの、2024年4月に販売を開始したアイリーア8mg硝子体内注射液114.3mg/mLや、同5月に販売を開始したアレジオン眼瞼クリーム0.5%等を含む主力製品の拡大に注力した結果、前連結会計年度と比べ5.9%減少し、1,653億円となりました。 ◇中国集中購買や製品供給の影響により、円換算ベースで前連結会計年度と比べ3.1%減少し(為替影響を除いた成長率は△7.9%)、289億円となりました。 ◇アジア(中国除く)韓国における医師ストライキの影響を受けたものの、主力製品が堅調に推移し、円換算ベースで前連結会計年度と比べ5.0%増加し(為替影響を除いた成長率は+2.7%)、301億円となりました。 ◇EMEA※2現地での領域別市場シェア一位の緑内障製品を中心に伸長し※3、円換算ベースで前連結会計年度と比べ14.8%増加し(為替影響を除いた成長率は+10.5%)、743億円となりました。 [コア営業利益]売上総利益について、前連結会計年度と比べ4.4%減少し、1,710億円となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ3.6%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△6.2%)、875億円となりました。研究開発費は、前連結会計年度と比べ4.6%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△7.4%)、241億円となりました。 これらにより、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ5.4%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△6.1%)、594億円となりました。 [営業利益]コアベースからの調整内容として、前連結会計年度に米州の合理化に関する費用が、売上原価に2億円、販売費及び一般管理費に7億円、研究開発費に2億円それぞれ発生し、当連結会計年度に合理化に関する費用が販売費及び一般管理費に4億円発生しました。 製品に係る無形資産償却費は、前連結会計年度と比べ7.0%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△8.6%)、88億円となりました。これは主に、2014年にMerck & Co., Inc.(米国)から譲り受けた眼科製品、2019年より欧州で販売を開始した「プリザーフロ マイクロシャント」、2015年より欧州で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」及び2023年より欧州で販売を開始した「Rhopressa / Rocklatan」に関する無形資産の償却によるものです。 その他の収益は、6億円となりました。その他の費用は、39億円となりました。 これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は前連結会計年度と比べ21.6%増加し(為替影響を除いた対前年度増減率は+21.1%)、469億円となりました。これは主に、前連結会計年度にその他の費用が多額であったことによるものです。 [当期利益]金融収益は、40億円となりました。金融費用は、27億円となりました。持分法による投資損失は、7億円となりました。法人所得税費用は、前連結会計年度より85億円増加し、116億円となりました。これは主に、上述のIFRS(フル)ベースの営業利益の増加に伴う税引前当期利益が増加したこと、及び前連結会計年度に在外子会社で繰延税金資産を認識したことによるものです。 これらにより、当期利益は前連結会計年度と比べ34.3%増加し、359億円となりました。 [親会社の所有者に帰属する当期利益]親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度と比べ36.1%増加し、363億円となりました。売上収益に対するその比率は12.1%となりました。 ※1 Santenグループでは2015年3月期のIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益及び費用を控除した「コアベース」での財務情報を事業活動自体の収益性を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績から以下の収益及び費用を控除し、コアベースの業績を算出しています。 ・製品に係る無形資産償却費・その他の収益・その他の費用・企業買収に係る費用、並びに再成長のための生産性向上及び合理化等に係る費用 ※2 欧州、中東及びアフリカです。 ※3 出典:Copyright © 2025 IQVIA.IQVIA MIDAS 2023.1Q-2023.4Qを基に参天分析 無断転載禁止 (イ)キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析ⅰ 財務戦略財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。中期経営計画(2025~2029年度)においては以下の財務戦略に基づき営業キャッシュ・フロー、ROE及びEPSの成長を財務戦略の中核に、積極的な成長投資と株主還元を両立し、結果としてPER・株主価値の最大化を図ります。① 売上成長とコストの持続的適正化を通じて、事業から創出されるキャッシュに加え、運転資金圧縮、グループ内余資活用、及び資金調達により投資余力を最大化する② 創出したキャッシュは、将来の成長投資として、生産能力拡大に向けた設備増強と、イノベーションを生み出す研究開発・事業開発へ優先的に投資する③ 累進配当を継続し、利益成長に伴う増配により直接還元を行うとともに、投資機会や株価の状況に応じ、自社株買いによる追加還元も実施する当連結会計年度は、業績及び財務状況などを総合的に勘案した結果、中間配当は1株につき17円としました。また、期末配当は2025年6月24日開催予定の第113期定時株主総会での承認を条件に1株につき19円とさせていただく予定です。 ⅱ キャッシュ・フロー(単位:億円) 前連結会計年度当連結会計年度増減額営業活動によるキャッシュ・フロー726609△117投資活動によるキャッシュ・フロー△61△82△21財務活動によるキャッシュ・フロー△340△533△193現金及び現金同等物の期末残高946930△16 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ16億円減少し、930億円となりました。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、609億円の収入(前連結会計年度は、726億円の収入)となりました。当期利益359億円、減価償却費及び償却費179億円、営業債権及びその他の債権の流動化等による減少185億円、並びに法人所得税の支払額122億円などによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、82億円の支出(前連結会計年度は、61億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出67億円及び無形資産の取得による支出44億円などによるものです。また政策保有株式の見直しを継続して実施しており、当連結会計年度は1銘柄の投資の売却による収入が21億円ありました。財務活動によるキャッシュ・フローは、533億円の支出(前連結会計年度は、340億円の支出)となりました。自己株式の取得による支出379億円及び配当金の支払額121億円などによるものです。当連結会計年度の設備投資額は、75億円となりました。製造設備及び研究開発用機器の更新に加え、拡大を続ける需要に対し、安定供給のための生産能力確保を目的として、中国の現地法人「参天製薬(中国)有限公司」の新工場に係る投資を継続しています。今後、見込まれる市場成長に対して、生産キャパシティを構築し、供給能力を確保することで、グローバルでの競争優位を確立し、さらなる事業の成長に繋げていきます。これらの設備投資資金は自己資金により充当しました。 (ウ)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標Santenグループは、2023年度に発表しました前中期経営計画(~2025年度)について構造改革などの施策を着実に遂行し、2025年度の数値目標を前倒しで達成しました。この度、Santenグループは、長期視点での戦略の展開と収益基盤のさらなる強化を通じた新たな成長軌道への転換を実現すべく、2035年までに目指す姿、及び2029年度までの中期経営計画(2025~2029年度)を策定しました。眼科領域に特化したグローバルカンパニーとして、高い確度での製品開発と確実な収益の確保で堅実なグローバル成長を追求し、製品価値の最大化による最適な眼科医療の提供と眼科医療や患者さんのニーズの深い理解に基づく眼科医療のイノベーションを軸として事業活動を展開します。 2029年度における連結数値目標・KPI売上収益4,000億円コア営業利益800億円(EBITDA:900億円)1ROE14%以上EPS成長率2桁成長2(EPS:160円以上)株主還元・38円/年を配当下限とし、配当性向40%を目安に増配・株価と余資の状況を勘案し、機動的に自社株買いを実施3・ROE、EPSの更なる上昇を企図1 参考値2 2024年度実績-2029年度目標CAGR3 必要運転資金を450億円と定義し、一定期間留保された余資金を原資に実施 ②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定Santenグループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。Santenグループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しています。Santenグループの連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用に関する報告金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。Santenグループの財政状態又は経営成績に対して特に重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。
事業リスク
- サプライチェーンの脆弱性特定の工場や外部委託先、原材料供給元に生産や供給を依存している製品があるため、パンデミック、自然災害、火災などにより機能停止や供給停止が発生すると、生産活動の停滞や遅延、製品品質の問題が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- コンプライアンス違反社会規範や法令に違反する事態が発生した場合、企業の社会的信用やブランドイメージが低下し、株価下落、売上減少、損害賠償の支払いなどにより、企業経営に大きな影響を与える可能性があります。特に医療業界は規制が厳しいため、遵守が不可欠です。
- ITセキュリティと情報管理ITシステムの不備、サイバー攻撃、ウイルス感染などにより、システム障害や情報漏洩が発生するリスクがあります。特に個人情報などの機微な情報が流出した場合、信用失墜や損害賠償につながり、業績に深刻な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】[リスク管理体制]Santenグループでは、従来より、リスク管理に係る規程に基づき、事業活動遂行上想定される主要な損失の危険に適確に対処するため、各地域、部門ごとにリスクの抽出、評価、モニタリングを行い、平時から損失の危険の回避・最小化に努めてまいりましたが、リスクマネジメントの高度化に向け、2024年度より三線体制に基づき各リスクオーナーへのインタビューを通じて、リスクシナリオの確認及び「固有リスク」の評価を実施し、「内部統制」の評価を行うことで「残余リスク」を算出しています。そして、「残余リスク」が高いものを全社重要リスクと特定し、リスク管理委員会で審議することにより、効果的な全社的リスクマネジメント体制の整備を行っています。グローバルに事業が拡大する中、高い水準で各種規制を遵守することが求められています。また、製品の安定供給や品質管理、ITセキュリティの確保、コンプライアンス遵守等に対して適切な対応を行うとともに、パンデミック、自然災害、紛争等に対するリスクマネジメントが求められています。特に経営に影響を及ぼす可能性がある多様なリスクに対応するため、危機管理担当役員の下、予防的及び発見的コントロールの効いたリスク管理活動の強化を継続的に図ってまいります。また、内部監査室は、その独立した立場において、業務監査を通じてリスク管理状況を検証しています。 リスク管理体制 リスク評価プロセス 重大な危機に発展する可能性のある事象が発生又は報告された場合には、Santenの代表取締役社長兼CEOを委員長とする「危機管理委員会」を設置し、対応と事態の収拾に努めるとともに再発防止策を実施します。 当連結会計年度末現在において判断した将来の業績又は財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性には、以下のようなものがあります。ただし、将来の業績又は財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、Santenグループが判断したものです。 (主要リスク)(1)サプライチェーンSantenグループでは、品目により生産を一箇所に集中している製品、生産を外部に委託している製品、また、原薬や容器等原材料の供給を特定の取引先に依存している製品があります。これらについて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染再拡大等のパンデミック、自然災害、火災等により特定の工場や外部委託先の機能又は取引先からの原材料の供給が停止し、生産活動の停滞・遅延や何らかの原因により製品品質に問題が発生した場合には、Santenグループの業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。Santenグループでは、従前よりグローバルな製品供給体制並びに品質保証体制の強化を重要な戦略の一つとして掲げています。具体的には、展開国の拡大や点眼剤以外の多様な製品の増加に対応する体制の構築に取り組んでおり、安定供給及び品質保証を確実なものとするプロセス及びシステム等の仕組みを構築するとともに、計画と実行のモニタリングやリスク評価等により、継続的な実態把握と課題への対応を行っています。また、物流関連の規制が厳しい欧州にも対応した製品の生産・供給体制の構築や、生産計画を含む在庫管理の可視化・グローバルでの一元管理にも取り組んでいます。また、製品の品質確保及び安定供給を最優先課題と位置付け、製品に関する品質・在庫水準の維持、工場における安全確保を実施しています。 (2)コンプライアンス社会規範や法令等に違反する事態が発生した場合、Santenグループの社会的信用やブランドイメージの低下、株価下落による企業価値の損失、売上収益の減少や損害賠償の支払い等により、Santenグループの業績悪化や事業継続が困難になる等、企業経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。Santenグループは「天機に参与する」という基本理念のもと、基本理念を社員が遵守すべき基準として具体化した「参天企業倫理綱領」及び「グローバル・コンプライアンス・ポリシー」を制定し、チーフコンプライアンスオフィサーの下、グローバルでのコンプライアンス推進体制を強化するとともに、法令や規制が厳しくなるヘルスケア業界において全従業員へのグローバルでの体系的な教育プログラムを導入し、実施しています。毎年、企業倫理綱領周知月間を設定し、グローバルで共通テーマでのコンプライアンスE-ラーニングの実施や、CEO、地域トップからのコンプライアンスメッセージを発信する等、コンプライアンス意識の醸成及び法令遵守の強化にも努めています。また、コンプライアンスリスク及びその他の組織課題を的確に把握し、課題の発見及び適切なフォローを確実に実施することを目的として、24時間365日利用可能なグローバル通報システムとして「Santenスピークアップ・ポータル」を導入し、グローバルで統一したリスク管理体制の整備も進めています。 (3)ITセキュリティ及び情報管理Santenグループでは、各種ITシステムを利用しているため、システムの不備、サイバー攻撃やコンピュータウィルスの感染等により、業績に影響を与える可能性があります。また、個人情報等の機微情報を有しているため、万一の事故等によりその情報が社外流出した場合、信用を大きく失うことで業績に影響を与える可能性があります。Santenグループでは、情報セキュリティをグローバル社会の進化にとって不可欠な要素と考え、戦略的優先事項と捉えており、日々の業務や規制遵守の継続性維持、及び戦略的な競争優位性の維持に必要な情報の機密性、完全性及び可用性を保証するため、ISO/IEC27001に基づく情報セキュリティマネジメントシステムの実装と維持に取り組んでいます。また、サイバーセキュリティリスクへの対応として、グローバル個人情報保護規程、情報セキュリティ規程、文書管理規程等の社内規程を整備するとともに、セキュリティ研修・訓練を中心とした人的対策、組織対策としてのセキュリティガバナンス強化、並びに技術的対策を行っています。加えて、Santenグループのみならず、サプライチェーンやビジネスパートナーを含めたリスク管理を実施しています。今後も外部環境の変化を捉え、事業継続性の強化、サイバーセキュリティの高度化、データ保護の強化等の施策を継続的に進めていきます。 (4)自然災害大規模地震、津波、台風等の自然災害、火災などの要因により生産活動の停滞・遅延・サプライチェーンの寸断等が起こった場合、Santenグループの業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。また、品目によっては、生産を一箇所に集中しているものや、生産を外部に委託しているものがあり、特定の工場や外部委託先の機能が停止した場合、製品供給が滞る可能性があります。Santenグループではこれらのリスクに備え、事業継続計画(BCP)の策定・緊急時の応急対策訓練の実施、安定在庫の確保、製造ラインのバックアップ計画策定、損害保険への加入など、従業員の安全確保及び製品の安定供給が継続できる体制を整備し、リスクの低減に努めています。 (5)地政学リスク国際情勢の急激な変化や国家間紛争の発生によって、関連する地域において、事業活動への影響やサプライチェーンの寸断等による製品供給等の遅滞等の影響が生じる可能性があります。Santenグループでは、これらのリスクに対し、外部情報の入手や国内及び海外での事業への影響を分析し、有事に備えた安全管理体制の整備、製品供給確保のためのバックアップ体制の構築など、事業継続体制整備を進めています。 (6)投資に関わるリスクSantenグループでは、医薬品の安定供給やグローバルな事業基盤拡大に必要な設備投資を継続して実施しています。また、眼科領域におけるグローバルでの持続的な成長を目指し、パイプラインの強化、グローバルでの事業展開の加速、新規医療技術・イノベーションの拡充のために、有望な事業開発機会と認められる場合には、他社とのアライアンス・M&A(製品・技術導入、買収及び合弁事業等)を積極的に行っています。これらについては、投資判断を行った時点に想定をしていた水準を超える外部環境の悪化等により、当初想定した効果や利益が実現されない可能性があります。また、このような場合には、投資に伴い計上した有形固定資産や無形資産の減損処理により、Santenグループの業績に影響を与える可能性があります。Santenグループでは、これらの投資について、経営戦略との整合性等定性的な観点に加え、収益性の観点から、資本コストを上回るハードルレートを基礎とした社内の評価基準に基づき投資の判断を行っています。これらの投資判断を含めた意思決定プロセスの透明性・客観性を向上させるため、重要な戦略課題について審議する戦略審議委員会を設置し、中長期戦略及び事業・開発ポートフォリオ議論と取締役会に付議される個別議案の有機的な連携を図ると共に、個別案件の全体戦略における位置づけの明確化、論点整理に取り組んでいます。また、取締役会で決議した案件を着実に成果につなげるためのモニタリングを定期的且つ継続的に行う仕組みを導入し、コーポレート・ガバナンスの充実・強化に取り組んでいます。 (7)主力製品への依存Santenグループにおける売上収益の上位2製品である「アイリーア硝子体内注射液(アイリーア8mg硝子体内注射液を含む)」及び「アレジオン類(アレジオン点眼液、アレジオンLX点眼液、アレジオン眼瞼クリーム、エピナスチン塩酸塩点眼液、エピナスチン塩酸塩LX点眼液)」の連結売上収益に対する比率は、当連結会計年度で37%です。これらの製品が万一、製品の欠陥、予期せぬ副作用等の要因により販売中止となったり、売上収益が大幅に減少した場合、業績又は財政状態に大きな影響を与える可能性があります。 (8)ライセンス製品への依存Santenグループの製品には、他社から製造販売権、並びに販売権を供与されているものが多くあります。眼科薬における独占的製造販売権の供与を受けている品目には、「クラビット点眼液」、「タプロス点眼液」等があります。国内独占的販売権の供与を受けている品目には、「アイリーア硝子体内注射液(アイリーア8mg硝子体内注射液を含む)」があります。契約期間満了、契約条件の変更や販売提携の解消等が起こった場合、業績に影響を与える可能性があります。 (その他リスク)(1)グローバルな事業展開に関わるリスクSantenグループでは、医薬品の販売や研究開発活動を世界各国で行っています。このような世界各国における事業活動は、法令や規則の変更、政情不安、経済動向の不確実性、商習慣の相違その他のリスクに直面する可能性があり、その結果、当初想定した効果や利益が実現されない可能性があります。 (2)販売中止、製品回収等Santenグループの製品の一部が、製品品質の欠陥、予期せぬ副作用、第三者による異物混入等により、販売中止又は製品回収等の事態となった場合、業績に影響を与える可能性があります。 (3)医薬品行政の動向医療用医薬品事業については、日本並びにその他各国政府による医療保険制度や薬価に関する規制の影響を受けます。日本国内の薬価改定及び医療保険制度については、現在予測可能な範囲に限り、その影響を業績予想等の見通しに織り込んでいます。予測可能な範囲を超えた薬価改定や、その他の医療保険制度の改定があった場合は、業績又は財政状態に対して中長期的に影響を与える可能性があります。海外においても、同様に医療用医薬品の価格等に関する様々な規制があり、政府による価格低下の圧力は継続する傾向にあります。また、国内外における政府当局や医薬保険制度の後発品使用促進策及びそれを背景にした他社による後発品販売は、Santenグループの業績に影響を与える可能性があります。 (4)為替Santenグループは世界各国で事業を展開しているため、為替の変動がSantenグループの業績又は財政状態に影響を与えます。当連結会計年度の海外売上収益は、連結売上収益の約44%でした。 (5)新薬開発の不確実性新製品の創製・開発並びに追加効能・剤形等の開発は将来の成長に必要不可欠であり、Santenグループは毎年多額の研究開発投資を行っていますが、研究開発から承認・発売までは非常に長期間を要し、開発中止、承認申請後の不許可等の不確実性を多く含みます。Santenグループが開発中の新薬あるいは追加効能・剤形等について、販売・製造の許可がおりるかどうか、あるいはいつ承認を得ることができるかを確実に予測することはできません。また、将来、研究開発投資に見合う新薬の売上収益を実現できない可能性があります。 (6)知的財産権Santenグループの事業は、物質・製法等に関する様々な特許によって保護されています。Santenグループでは、これらの特許権を含む知的財産権を適切に管理し、第三者からの侵害にも注意を払っていますが、第三者からの侵害を受けた場合には、Santenグループの業績に影響を与える可能性があります。また、Santenグループの事業が第三者の知的財産権を侵害しないようにも注意を払っていますが、万一、第三者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償を請求される等、業績に影響を与える可能性があります。 (7)訴訟医療用医薬品の製造・販売を主たる事業とするSantenグループでは、将来、特許、製造物責任(PL)法、独占禁止法、消費者、環境等に関わる訴訟を提起される可能性があり、訴訟が発生した場合、それらの訴訟等の動向は、Santenグループの業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。 (8)環境規制・気候変動環境汚染等の環境保全上に問題が発生した場合や関連法令の改正等により、法的措置や損害賠償責任、対策費用等が発生した場合には、業績に重大な影響を与える可能性があります。また、今後の低炭素エネルギー社会への移行により、エネルギー転換に伴う投資額・費用額が増加するリスク等も想定しています。Santenグループは、グローバルで環境保全を推進しており、2050年の環境ビジョン「Santen Vision for the Earth 2050」の策定と、CO2排出量削減など2030年環境目標を設定し、気候変動対策と環境負荷低減に取り組んでいます。 (9)人材確保と育成Santenグループが長期的に持続可能な成長をする上で、基本理念に共感する高度な専門性をもった最適人材を獲得し、多様性を踏まえながら適時・適所に登用できるよう、計画的に育成・登用する必要があります。Santenグループは働く価値とエンゲージメントを向上させるために、「個」の育成プログラムを実行し、サイロのない効果的な組織を構築しています。しかしながら、これらが戦略的・計画的になされない場合、社内人材の流出や社外優秀人材の獲得機会損失につながり、Santenグループの成長への大きな障害となる可能性があります。 (10)内部統制の整備等内部統制が有効に機能せず、あるいは予期せぬ内部統制上の問題により、多大な損失が発生した場合、業績に影響を及ぼします。Santenグループは、会社法及び会社法施行規則に基づき、業務の適正を確保するための体制を整備する旨(内部統制基本方針)の決議を行っています。執行部門はその整備・運用状況について取締役会に対して定期的な報告を行い、取締役会は適宜指示、軌道修正を行うことで、当該整備・運用の質的向上並びに対象範囲の拡大を図っており、グループ各社における内部統制の構築・浸透に取り組んでいます。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに実施基準に準拠して、財務報告に係る内部統制を整備及び運用しています。