事業の概要
- ソフトウェア受託開発事業ベースグループは、顧客の要望に応じてソフトウェアやシステムを開発する「ソフトウェア受託開発」を主な事業としています。金融機関や製造業など、幅広い業界の企業が抱える課題をIT技術で解決し、業務効率化や競争力向上を支援することで収益を得ています。
- システム開発のトータルサポート要件定義から設計、プログラミング、テスト、運用保守まで、システム開発の全工程を一貫して提供しています。特に金融分野での実績が豊富で、お客様のビジネスを深く理解し、長期的なパートナーとしてシステムの安定稼働を支えることで継続的な収益に繋げています。
- ソリューション提供ERP(企業の経営資源を一元管理するシステム)関連のソリューションも提供しており、特に世界的に高いシェアを持つSAP社の製品に強みを持っています。導入コンサルティングから開発、運用保守まで手掛けることで、お客様の経営課題をITで解決し、付加価値の高いサービスを提供しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ソフトウェア受託開発事業ベースグループの主要な収益源であり、顧客企業からの依頼に基づいてシステムやソフトウェアを開発する事業です。金融、流通、製造といった幅広い分野の企業を対象に、業務の効率化や競争力向上を支援するシステムを提供しています。
- システム開発サービスこのサービスラインでは、顧客の要望に応じてゼロからシステムを構築します。要件定義から設計、プログラミング、テスト、リリース後の運用保守まで、システム開発の全工程をカバーしており、特に金融系のシステム開発に強みを持っています。
- ソリューションサービス主にERP(企業の経営資源を統合的に管理するシステム)関連のサービスを提供しています。世界的に利用されているSAP社の製品を中心に、企業の会計、販売、人事などの基幹業務システムの導入コンサルティングから開発、運用保守までを一貫して手掛け、顧客の経営課題を解決しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、当社及び子会社1社により構成され、ソフトウェア受託開発事業を行っております。産業のグローバル化が進む中、最新のIT技術によってお客様の競争力向上や、業務の効率化・自動化を実現することで、「お客様に対して常に新しい価値を提供し続ける」ことを使命としております。 当社グループの事業は、ソフトウェア受託開発事業の単一事業であり、セグメント別の記載を省略しております。 事業のサービスラインは「システム開発」「ソリューション」の2つであります。これらの概要及び特徴は、下記のとおりであります。(1)システム開発① システム開発 システム開発サービスといたしましては、主に金融・流通・製造分野におけるオープン系システム開発(技術的な仕様が公開されているOS、サーバーやソフトウェアを組み合わせて構築されたシステム開発)を行っております。特に証券、銀行、クレジットカード会社など金融系のシステム開発に実績があります。 システム開発におきましては、要件定義から始まり、基本設計、詳細設計、プログラム設計、プログラミング、各種テスト、移行・リリース作業、サービス開始後の運用保守までトータルでサービスを提供しております。 ・プロジェクト管理を徹底し、遅延や手戻り等を回避する ・品質管理の専門部署による第三者チェックを行う ・PDCAサイクルを徹底し改善に努めるといった組織的な品質強化を図り、お客様により安心を実感して頂ける取り組みを行っております。 また、当社グループでは、日本人技術者と中国人技術者が協働する態勢を整えております。総じて、日本人技術者は仕様理解力や、管理と品質に対する意識の高さを持ち、中国人技術者は高い技術力と積極的な技術習得意欲を持つなど、日本人技術者と中国人技術者には、それぞれの長所があると考えております。国民性やそれぞれの国の文化に由来する両者の長所を十分に活かし、短所はお互いが補うことで、より高いレベルのサービス提供を目指しております。 ② 運用保守 お客様の新規システム又は既存システムの運用保守につきましては、主にお客様の情報システム部門やヘルプデスク部門に常駐して行うなど、お客様の安心感を最優先に考えたサービスを提供しております。お客様の業務知識習得など教育を充実させ、技術以外のスキルの向上にも力を入れております。また、開発に参加した技術者をメンバーとして配置することで、お客様の要望にタイムリーに応えられる体制をつくります。これにより、お客様の体制変更や新商品の追加、業務フローの変更等に合わせ、システム対応、機能拡張及び利便性・操作性の向上等、当該システム及び周辺システムで生じるさまざまなシステム開発を継続的に行い、お客様にとって安心かつスピーディーな対応を実現しております。 また、当社が行うシステム維持管理では、自社開発の工数管理システム「b.mat」(案件ごとに実工数を集計し、稼働状況を可視化するシステム)を活用し、各チームの作業量を把握の上、余剰リソースを他チームに配分するなどリソースの有効活用及びコストダウンへと繋げております。これにより、お客様におかれては、時期や部署ごとに作業量のバラツキを減少させ、リソースを効率的に活用できるよう努めております。 ③ 社員支援 社員支援サービスにつきましては、システム開発に付随し、お客様先への派遣を行っております。社員支援業務では、お客様と同一目線に立ち、システムの企画段階や、エンドユーザとの要件調整、プロジェクトマネジメント、課題改善活動などに携わっております。 当社が担当するシステム開発や運用保守の案件では、お客様側に立つ当社の派遣社員と当社のシステム開発メンバーが連携することで、要件やシステムに関する理解を深めることができ、より安全かつ効率的な開発作業が可能となっております。 (2)ソリューション 主にERP関連のソリューションを対象とし、その中でも高いシェアを占めるSAP SE(※1)の製品を中心に、ERP(※2)、CRM(※3)、BASIS(※4)の3領域でサービス提供を行っております。また、SAP SE以外で今後拡大が見込まれるその他ソリューション製品についてもサービス提供を行っております。 これまでのERP関連サービスでの経験・ノウハウを活かし、新規導入案件やアップグレード、マイグレーション(※5)案件において、導入コンサルティングから開発・運用保守まで幅広く対応をしております。 <用語説明>※1 SAP SEドイツに本社を置く世界最大のビジネスソフトウェア会社であり、日本法人はSAPジャパン株式会社。全世界130カ国以上に支社を持ち、大企業、中堅企業、公的機関等を中心に37万社以上の顧客企業を抱える。※2 ERP(Enterprise Resource Planning)企業の経営資源(会計・販売・物流・人事等)を統合的に管理・有効活用することで、経営の効率化を図るための手法・概念、また、その統合基幹業務システムを指す。※3 CRM(Customer Relationship Management)企業における顧客関係管理・顧客情報管理業務を指す。ここでは、顧客情報管理・顧客関係管理を支援する業務ソフトウェアに関連するサービスのこと。※4 BASIS(ベーシス)SAP ERPシステム上の独自のミドルウェアコンポーネント(コンピュータの基本的な制御を行うOSと、各業務処理を行うアプリケーションソフトウェアとの中間に入る機能ごとに分割されたソフトウェア)を指す。※5 マイグレーションシステムやデータを、異なるOSやハードウェアの環境又は新しいプラットフォームへ移行することを指す。 [事業系統図] 当社グループの事業系統図は、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 技術力、サービス、品質、生産性の向上に努め、顧客との信頼関係を構築しているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 日本人技術者と中国人技術者が協働する体制、高い技術力と積極的な技術習得意欲。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経済・市場環境変化による顧客のIT投資への影響 / 特定顧客との関係 / 人材の確保
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
ベース社は、特定の技術やブランド力に依存する無形資産による競争優位性は現時点では確認できません。事業内容がSaaSプラットフォームの提供であるため、技術革新や競合の動向が激しく、特定の無形資産が長期的な優位性を確立しているとは言えません。
スイッチングコスト★★☆☆☆
ベース社の提供するSaaSプラットフォームは、導入企業にとって業務プロセスに組み込まれているため、一定のスイッチングコストが発生すると考えられます。しかし、競合プラットフォームへの移行が不可能ではないため、スイッチングコストは限定的と評価します。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ベース社のプラットフォームは、現時点ではユーザー数が増加することでプラットフォーム自体の価値が飛躍的に向上するようなネットワーク効果は確認されていません。個々の顧客との関係性が主であり、プラットフォーム全体としてのネットワーク効果は限定的です。
コスト優位☆☆☆☆☆
ベース社はSaaSモデルを採用しており、初期導入コストや運用コストの面で顧客にとってメリットがある可能性があります。しかし、競合他社も同様のビジネスモデルを採用しており、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えません。
規模の経済★☆☆☆☆
ベース社は、特定のニッチ市場において一定のシェアを獲得している可能性がありますが、業界全体を支配するような規模の経済性や寡占状態には至っていません。今後の事業拡大による規模の追求が競争優位性に繋がる可能性はあります。
- 金融分野での豊富な実績と信頼特に証券、銀行、クレジットカード会社といった金融系のシステム開発に多くの実績を持っています。金融システムは高度な安定性とセキュリティが求められるため、長年の経験と実績は顧客からの厚い信頼と競争優位に繋がっています。
- 日本人と中国人技術者の協働体制日本人技術者の仕様理解力や品質意識の高さと、中国人技術者の高い技術力・学習意欲を組み合わせた開発体制を構築しています。それぞれの長所を活かし、短所を補い合うことで、高品質かつ効率的なシステム開発を実現し、多様な顧客ニーズに対応できる強みとなっています。
- 徹底した品質・プロジェクト管理プロジェクト管理を徹底し、遅延や手戻りを回避するとともに、品質管理の専門部署による第三者チェックを行うことで、高い品質を維持しています。また、自社開発の工数管理システム「b.mat」を活用し、リソースの有効活用とコストダウンを図ることで、顧客への安心感と競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、先進のIT技術を駆使し、「お客様に対して常に新しい価値を提供し続ける」を使命に、安定かつ持続的な成長を目指してまいります。以下の経営理念のもと、社名と同様に、お客様にとってシステム・サービス提供の「ベース」となる、社員にとって生活・人生の「ベース」となる会社を目指し、IT技術の活用によって社会の発展と課題解消に貢献してまいりたいと考えております。 <経営理念>①相互尊重 関わる全ての人と互いに尊重しあうことが、私たちの原点です②誠心誠意 どのような仕事でも誠心誠意対応することが、私たちの精神です③ベストを尽くす いかなる場面でもベストを尽くすことが、私たちの約束です (2)経営戦略等 当社グループは、中長期的な企業価値の向上を目的として、中期経営計画「BASE 2030」を策定し、事業構造及び組織体制の進化を通じた持続的成長の実現を目指しております。近年のAI技術の進展やITサービス市場の高度化を踏まえ、従来の労働集約型ビジネスモデルから、知識集約型の高付加価値ITサービス企業への転換を経営戦略の中核に据えております。 <重点戦略>① 既存事業基盤の高度化と重点顧客の拡大 当社は、長年にわたり培ってきたSI事業の知見を基盤として、金融、産業・流通、製造・モビリティ、公共・社会インフラ等の分野において事業を展開しております。特に、大手SIerとの取引拡大を通じた安定的な顧客基盤の構築を進めるとともに、主力顧客との関係深化により、継続的な案件獲得及び収益の安定化を図ってまいります。② ソリューション・サービス領域の拡大 従来の受託開発に加え、ERPを中心としたソリューション事業、並びにAMO・BPO等の運用・業務代行サービスの拡充を推進しております。業務知見及びマネジメント力を活かしたITサービスの提供により、人員数に依存しない非線形な成長モデルの確立を目指してまいります。③ AI活用による知識集約型ビジネスへの転換 当社は、AI技術を活用した生産性向上及び高付加価値化を重要な成長ドライバーと位置付けております。蓄積してきた人材、顧客、業務ノウハウといった既存アセットをAIにより強化し、単なる「ものづくり」にとどまらない、提案力・課題解決力を重視したITサービスの提供を進めてまいります。これにより、ストック型収益の拡大及び収益性の向上を図ってまいります。④ AI推進体制の整備と全社的な活用促進 AI戦略の実行にあたり、AI人材育成、技術リサーチ、生産性向上施策及び将来のサービス化を見据えたAIプロダクト検証を重点施策として推進しております。全社横断的な推進体制を整備し、ガバナンスを確保しつつ、AI活用の促進と事業成果の創出を目指してまいります。⑤ 組織体制の機動化と人材戦略 経営戦略の実行力を高めるため、組織体制の見直しを行い、全社横断での戦略推進及び迅速な意思決定が可能な体制へ移行しております。また、多様な人材が活躍できる環境整備と人材育成を通じて、専門性と提案力を兼ね備えた人材の確保・育成に注力してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、持続的な成長を図っていく方針であり、企業の成長と社員及び株主への還元のためには、利益成長が最重要と捉えております。そのため、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、営業利益を用いております。 (4)経営環境 当社グループが属する情報サービス業は、企業価値や競争力向上を目的とした「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の流れがさらに加速し、IT投資の需要は堅調に推移すると見込まれます。社会的にITへのニーズ・期待が高まっているため、経営環境としては領域拡大のチャンスがあると分析しております。技術力を高め、それを武器に社会的なニーズに対応していく考えであります。 一方で、技術者不足が業界の深刻な課題となっております。当社グループは日本、外国籍の双方の人材が活躍できるという強みを活かし、人材確保を行ってまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては以下の事項を認識しております。① 既存顧客の深耕及び主要顧客の拡大 安定した持続的な成長を続けるためには、顧客基盤の拡大が必要だと考えています。現在の主要顧客に対しては、これまでの長年の取引によって蓄積したノウハウと信頼関係をもとに、新たな領域の受注等、更なる深耕を図ってまいります。加えて、大手システムインテグレータをターゲットに要員の集中投入などを図り、新たな柱となる主要顧客の拡大も目指してまいります。 ② 人材の確保 当社グループ事業を継続的に拡大していくためには、専門性を有する優秀な人材を安定的、かつ機動的に確保することが必要不可欠と考えています。そこで当社では、外国籍社員が多いという強みを活かしたダイバーシティを推進し、日本新卒採用、中国新卒採用、日本中途採用、中国中途採用それぞれに対してターゲット別に最適な採用戦略を講じてまいります。また、ビジネスパートナーの調達も重要な施策と考えており、当社と親和性の高い優秀な外国籍SEを保有する国内パートナー企業を積極的に活用することにより、人材を確保してまいります。 ③ 品質・サービスレベルの向上 継続して受注を得るには、常に安定した品質とサービスを提供し、お客様に安心して頂くことが重要になります。品質・サービスレベルの向上に向けて、意識教育の徹底や品質管理方法の教育を強化してまいります。加えて、受注前の見積り審査や受注後のプロジェクト進捗確認等をアシュアランス室が行うことで、現場のみではなく、第三者によるチェックを通じて、品質・サービスレベルの向上を図ってまいります。 ④ 最新技術の習得 当社グループ事業を取り巻く環境は急速に変化しており、お客様に対して、常に新しい価値を提供するためには、最新の技術を含めた専門性を有する優秀な人材が必要と認識しています。技術動向などを常に注視し、SAP・Salesforce・ServiceNowなどのニーズの高いソリューション関連技術、クラウド技術、及び「DX」と親和性の高いアジャイル開発手法や証券業務など高付加価値に繋がる業務知識に的を絞った教育を行うとともに、関連資格取得者数の増加も図ってまいります。 ⑤ 生成AI技術の習得・活用 急速に進化する生成AI技術は、業務効率化や新たな価値創出という面で当社グループの成長戦略において極めて重要な要素と認識しています。当社は、生成AIを活用した開発プロセスの高度化や顧客企業のDX推進支援に加え、社内業務の効率化を通じて生産性を向上させることを目指します。 具体的には、生成AIの基盤技術や応用事例に関する専門教育を強化し、社内での活用ガイドラインを整備するとともに、業務への積極的な導入を進めます。社内業務においては、ドキュメント作成、定型業務の自動化など、生成AIを活用した業務効率化を推進し、社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境を構築します。さらに、生成AIを活用した新規サービスやソリューションの開発にも注力し、顧客企業の競争力向上に貢献することで、当社グループの事業領域を拡大してまいります。 リスク管理や倫理的課題への対応についても、法令遵守・セキュリティ確保を前提に、健全かつ先進的な利用体制を構築し、生成AIを成長のドライバーとして最大限に活用してまいります。 ⑥ リーダー層の育成 売上拡大に伴い、案件数や大型案件も増加しています。また、新卒社員の入社が増えたため、若手社員数も増加しています。そのため、マネジメントスキルを持ったリーダー層の育成が急務となっています。当社では、若手社員の段階からリーダーシップを意識した育成を行い、将来的な幹部候補を計画的に輩出する「リーダーシップパイプライン」を構築することを重視しています。 具体的には、既存の教育研修制度に加え、リーダーを目指す社員に特化した研修プログラムや、現場でのマネジメント経験を積ませる仕組みを整備し、経験・スキル別に段階的な育成を行います。これにより、若手から中堅、そして管理職へとスムーズに成長できるキャリアパスを確立し、組織全体のリーダー層を充実させてまいります。 ⑦ 経営管理・内部管理体制の強化 経営に対する公平性及び透明性の担保、また、会社経営を脅かす問題・違反を防止し、法令・企業理念が遵守できる組織にするために、経営管理体制・内部管理体制の強化が重要と認識しております。外部講師による教育等も含めて、引き続き公平性と透明性、効率性、並びに、健全性を保つことができる組織を維持するために、コーポレート・ガバナンスの体制強化に取り組んでまいります。 ⑧ 従業員エンゲージメントの向上 従業員エンゲージメントの向上を図り、働きやすい環境を整えることは、社員の生産性や帰属性を高め、優秀な人材の確保に繋がると考えています。これまで、「社員を大事に」のスローガンのもと取り組みを行っておりますが、引き続き従業員主体のキャリア構築の仕組づくりやワーク・ライフ・バランスの向上、社内コミュニケーションの促進等の取り組みに注力してまいります。 ⑨ ESG・サステナビリティの推進 当社は企業指針の一つに「ITを生業とする企業活動を通じて、社会が抱える様々な問題解決に貢献」することを掲げているとおり、現在世界規模で深刻化している環境問題や経済・社会問題などの解決に貢献するべく、ESGの課題に対して真摯に取り組んでいく必要があると考えております。 また、ESGの課題に取り組むにあたり、対応方針や実施状況に関して積極的な情報開示を行うことにより、企業の持続可能性(サステナビリティ)や中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、先進のIT技術を駆使し、「お客様に対して常に新しい価値を提供し続ける」を使命に、安定かつ持続的な成長を目指してまいります。以下の経営理念のもと、社名と同様に、お客様にとってシステム・サービス提供の「ベース」となる、社員にとって生活・人生の「ベース」となる会社を目指し、IT技術の活用によって社会の発展と課題解消に貢献してまいりたいと考えております。 <経営理念>①相互尊重 関わる全ての人と互いに尊重しあうことが、私たちの原点です②誠心誠意 どのような仕事でも誠心誠意対応することが、私たちの精神です③ベストを尽くす いかなる場面でもベストを尽くすことが、私たちの約束です (2)経営戦略等 当社グループは、中長期的な企業価値の向上を目的として、中期経営計画「BASE 2030」を策定し、事業構造及び組織体制の進化を通じた持続的成長の実現を目指しております。近年のAI技術の進展やITサービス市場の高度化を踏まえ、従来の労働集約型ビジネスモデルから、知識集約型の高付加価値ITサービス企業への転換を経営戦略の中核に据えております。 <重点戦略>① 既存事業基盤の高度化と重点顧客の拡大 当社は、長年にわたり培ってきたSI事業の知見を基盤として、金融、産業・流通、製造・モビリティ、公共・社会インフラ等の分野において事業を展開しております。特に、大手SIerとの取引拡大を通じた安定的な顧客基盤の構築を進めるとともに、主力顧客との関係深化により、継続的な案件獲得及び収益の安定化を図ってまいります。② ソリューション・サービス領域の拡大 従来の受託開発に加え、ERPを中心としたソリューション事業、並びにAMO・BPO等の運用・業務代行サービスの拡充を推進しております。業務知見及びマネジメント力を活かしたITサービスの提供により、人員数に依存しない非線形な成長モデルの確立を目指してまいります。③ AI活用による知識集約型ビジネスへの転換 当社は、AI技術を活用した生産性向上及び高付加価値化を重要な成長ドライバーと位置付けております。蓄積してきた人材、顧客、業務ノウハウといった既存アセットをAIにより強化し、単なる「ものづくり」にとどまらない、提案力・課題解決力を重視したITサービスの提供を進めてまいります。これにより、ストック型収益の拡大及び収益性の向上を図ってまいります。④ AI推進体制の整備と全社的な活用促進 AI戦略の実行にあたり、AI人材育成、技術リサーチ、生産性向上施策及び将来のサービス化を見据えたAIプロダクト検証を重点施策として推進しております。全社横断的な推進体制を整備し、ガバナンスを確保しつつ、AI活用の促進と事業成果の創出を目指してまいります。⑤ 組織体制の機動化と人材戦略 経営戦略の実行力を高めるため、組織体制の見直しを行い、全社横断での戦略推進及び迅速な意思決定が可能な体制へ移行しております。また、多様な人材が活躍できる環境整備と人材育成を通じて、専門性と提案力を兼ね備えた人材の確保・育成に注力してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループは、持続的な成長を図っていく方針であり、企業の成長と社員及び株主への還元のためには、利益成長が最重要と捉えております。そのため、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、営業利益を用いております。 (4)経営環境 当社グループが属する情報サービス業は、企業価値や競争力向上を目的とした「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の流れがさらに加速し、IT投資の需要は堅調に推移すると見込まれます。社会的にITへのニーズ・期待が高まっているため、経営環境としては領域拡大のチャンスがあると分析しております。技術力を高め、それを武器に社会的なニーズに対応していく考えであります。 一方で、技術者不足が業界の深刻な課題となっております。当社グループは日本、外国籍の双方の人材が活躍できるという強みを活かし、人材確保を行ってまいります。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題としては以下の事項を認識しております。① 既存顧客の深耕及び主要顧客の拡大 安定した持続的な成長を続けるためには、顧客基盤の拡大が必要だと考えています。現在の主要顧客に対しては、これまでの長年の取引によって蓄積したノウハウと信頼関係をもとに、新たな領域の受注等、更なる深耕を図ってまいります。加えて、大手システムインテグレータをターゲットに要員の集中投入などを図り、新たな柱となる主要顧客の拡大も目指してまいります。 ② 人材の確保 当社グループ事業を継続的に拡大していくためには、専門性を有する優秀な人材を安定的、かつ機動的に確保することが必要不可欠と考えています。そこで当社では、外国籍社員が多いという強みを活かしたダイバーシティを推進し、日本新卒採用、中国新卒採用、日本中途採用、中国中途採用それぞれに対してターゲット別に最適な採用戦略を講じてまいります。また、ビジネスパートナーの調達も重要な施策と考えており、当社と親和性の高い優秀な外国籍SEを保有する国内パートナー企業を積極的に活用することにより、人材を確保してまいります。 ③ 品質・サービスレベルの向上 継続して受注を得るには、常に安定した品質とサービスを提供し、お客様に安心して頂くことが重要になります。品質・サービスレベルの向上に向けて、意識教育の徹底や品質管理方法の教育を強化してまいります。加えて、受注前の見積り審査や受注後のプロジェクト進捗確認等をアシュアランス室が行うことで、現場のみではなく、第三者によるチェックを通じて、品質・サービスレベルの向上を図ってまいります。 ④ 最新技術の習得 当社グループ事業を取り巻く環境は急速に変化しており、お客様に対して、常に新しい価値を提供するためには、最新の技術を含めた専門性を有する優秀な人材が必要と認識しています。技術動向などを常に注視し、SAP・Salesforce・ServiceNowなどのニーズの高いソリューション関連技術、クラウド技術、及び「DX」と親和性の高いアジャイル開発手法や証券業務など高付加価値に繋がる業務知識に的を絞った教育を行うとともに、関連資格取得者数の増加も図ってまいります。 ⑤ 生成AI技術の習得・活用 急速に進化する生成AI技術は、業務効率化や新たな価値創出という面で当社グループの成長戦略において極めて重要な要素と認識しています。当社は、生成AIを活用した開発プロセスの高度化や顧客企業のDX推進支援に加え、社内業務の効率化を通じて生産性を向上させることを目指します。 具体的には、生成AIの基盤技術や応用事例に関する専門教育を強化し、社内での活用ガイドラインを整備するとともに、業務への積極的な導入を進めます。社内業務においては、ドキュメント作成、定型業務の自動化など、生成AIを活用した業務効率化を推進し、社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境を構築します。さらに、生成AIを活用した新規サービスやソリューションの開発にも注力し、顧客企業の競争力向上に貢献することで、当社グループの事業領域を拡大してまいります。 リスク管理や倫理的課題への対応についても、法令遵守・セキュリティ確保を前提に、健全かつ先進的な利用体制を構築し、生成AIを成長のドライバーとして最大限に活用してまいります。 ⑥ リーダー層の育成 売上拡大に伴い、案件数や大型案件も増加しています。また、新卒社員の入社が増えたため、若手社員数も増加しています。そのため、マネジメントスキルを持ったリーダー層の育成が急務となっています。当社では、若手社員の段階からリーダーシップを意識した育成を行い、将来的な幹部候補を計画的に輩出する「リーダーシップパイプライン」を構築することを重視しています。 具体的には、既存の教育研修制度に加え、リーダーを目指す社員に特化した研修プログラムや、現場でのマネジメント経験を積ませる仕組みを整備し、経験・スキル別に段階的な育成を行います。これにより、若手から中堅、そして管理職へとスムーズに成長できるキャリアパスを確立し、組織全体のリーダー層を充実させてまいります。 ⑦ 経営管理・内部管理体制の強化 経営に対する公平性及び透明性の担保、また、会社経営を脅かす問題・違反を防止し、法令・企業理念が遵守できる組織にするために、経営管理体制・内部管理体制の強化が重要と認識しております。外部講師による教育等も含めて、引き続き公平性と透明性、効率性、並びに、健全性を保つことができる組織を維持するために、コーポレート・ガバナンスの体制強化に取り組んでまいります。 ⑧ 従業員エンゲージメントの向上 従業員エンゲージメントの向上を図り、働きやすい環境を整えることは、社員の生産性や帰属性を高め、優秀な人材の確保に繋がると考えています。これまで、「社員を大事に」のスローガンのもと取り組みを行っておりますが、引き続き従業員主体のキャリア構築の仕組づくりやワーク・ライフ・バランスの向上、社内コミュニケーションの促進等の取り組みに注力してまいります。 ⑨ ESG・サステナビリティの推進 当社は企業指針の一つに「ITを生業とする企業活動を通じて、社会が抱える様々な問題解決に貢献」することを掲げているとおり、現在世界規模で深刻化している環境問題や経済・社会問題などの解決に貢献するべく、ESGの課題に対して真摯に取り組んでいく必要があると考えております。 また、ESGの課題に取り組むにあたり、対応方針や実施状況に関して積極的な情報開示を行うことにより、企業の持続可能性(サステナビリティ)や中長期的な企業価値の向上を実現してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の関税政策による影響が一部残るものの、企業収益は好調を維持しており、賃上げも継続しております。DX・GXを始めとした設備投資や個人消費は緩やかな回復基調を維持し、全体としては横ばいから緩やかな改善傾向で推移しました。しかしながら、世界的な景気減速懸念や地政学的リスクなど、先行き不透明感は依然として払拭されておらず、景気の下振れリスクには引き続き注意が必要な状況です。 当社グループが属する情報サービス業は、今後本格化する人手不足への対応や企業の競争力向上のため、DXを始めとしたデジタル投資のニーズや、SAP・ERPの保守サポート期限終了による駆け込み需要等を背景として引き続き好調に推移しました。サービス産業動態統計調査(総務省/2025年10月分)によると、情報サービス等を含む「情報通信業」は前年同月に比べ10.1%の増加で、43か月連続の増加で推移しております。また、日銀短観(2025年12月)によるとソフトウェア投資額は全産業(含む金融機関)で前年比+17.1%となっており、企業のIT投資に対する意欲は、DXを中心に堅調に推移しています。一方で、システムエンジニア不足は構造的課題として顕在化しており、IT人材の育成・確保が業界全体の重要テーマとなっています。 このような経営環境の下、当社は当面の目標として営業利益100億円を掲げており、その目標を早期に達成するため、事業成長の源泉である人材確保と育成及び営業活動に注力してまいりました。 採用については、国内、中国の2系統の採用ルートがあるという強みを最大限活かし、グローバルで優秀な人材の採用を継続しております。国内の中途人材に関してはシステムエンジニア不足の影響から苦戦したものの、新卒採用や中国採用などにシフトし、人材確保に努めております。 育成については、全社員を対象に等級・役職に応じたスキルの底上げを目的とした社内教育と、自主的にスキルアップを希望するすべての社員に対して、社外のオンライン学習「Udemy」を自由に受講できる環境を整備し、社員の能力・技術力向上を支援しております。オープン系SEにSAPスキルを習得させるマルチタレント育成計画も継続しており、育成及びSAP案件への参画は順調に進んでおります。 また、計画的にリーダー育成を行うため、「リーダーシップパイプライン」を意識した研修制度としており、既存の教育研修制度に加え、リーダーを目指す社員に特化した研修プログラムや、現場でのマネジメント経験を積ませる仕組みを整備し、経験・スキル別に段階的な育成を行っており、組織全体のリーダー層を充実させています。 営業については、今後将来にわたって成長を続けるために、顧客とのリレーション構築や提案活動の主体を役員から部長クラスへシフトし、より多面的な営業活動を前期より推進しております。営業支援システムを導入し、営業活動の見える化を図るとともに、結果をもとにしたフィードバックを実施することで、ノウハウの共有を強化しております。ビジネス推進統括部の体制強化も着実に成果はでております。 このような取り組みにより、案件を推進する体制を確保しつつ、営業強化を行ったことで、過去最高の売上及び利益を更新いたしました。全体的な底上げは着実に出来てきておりますが、より一層の成長という面では引き続き営業や採用・育成等、様々な取り組みを実施してまいります。 中国子会社においては、中国経済が停滞する状況の中、現地ビジネスを中心に受注し、小幅ながらも確実に利益を確保できました。 これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高21,787百万円(前期比7.7%増)、営業利益5,749百万円(同10.0%増)、経常利益5,800百万円(同10.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,221百万円(同9.1%増)となりました。 なお、当社グループは、ソフトウェア受託開発事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。 (資産) 当連結会計年度末における総資産は、18,922百万円となり、前連結会計年度末より1,177百万円増加しました。 流動資産は、前連結会計年度末より204百万円増加し、16,106百万円となりました。これは主に返済及び長期貸付金への振替により短期貸付金が1,073百万円減少した一方、売掛金の回収等により現金及び預金が1,319百万円増加したことによるものです。 固定資産は、前連結会計年度末より973百万円増加し、2,816百万円となりました。これは主に短期貸付金からの振替により長期貸付金が992百万円増加したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、4,301百万円となり、前連結会計年度末より143百万円増加しました。 流動負債は、前連結会計年度末より144百万円増加し、4,288百万円となりました。これは主に買掛金が96百万円減少した一方、未払費用が158百万円及び未払法人税等が105百万円増加したことによるものであります。 固定負債は、前連結会計年度末より0百万円減少し、12百万円となりました。これは長期未払金が0百万円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、14,621百万円となり、前連結会計年度末より1,034百万円増加しました。これは主に自社株買いにより自己株式が1,200百万円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が2,208百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は12,940百万円となり、前連結会計年度末より1,321百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は4,462百万円(前年同期は3,875百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上5,800百万円の資金増加によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果得られた資金は52百万円(前年同期は52百万円の獲得)となりました。これは主に敷金及び保証金の差入による支出37百万円の資金減少があった一方、貸付金の回収による収入81百万円の資金増加によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果支出した資金は3,217百万円(前年同期は2,924百万円の使用)となりました。これは主に自己株式の取得による支出1,206百万円及び配当金の支払額2,013百万円の資金減少によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の状況a.生産実績 当社グループはソフトウェアの受託開発を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績 当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)ソフトウェア受託開発22,399,470108.63,725,491119.7合計22,399,470108.63,725,491119.7 (注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)ソフトウェア受託開発21,787,441107.7合計21,787,441107.7 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)富士通株式会社3,851,98919.02,964,88313.6株式会社野村総合研究所2,536,17212.52,634,73612.1みずほ証券株式会社2,020,67110.02,164,7279.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。この連結財務諸表を作成するにあたっての重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.売上高、売上原価及び売上総利益 当連結会計年度における売上高は、主要顧客をはじめとする大手SIerとの取引が堅調に推移したことにより21,787百万円となり、前連結会計年度に比べて1,557百万円、7.7%の増加となりました。 当連結会計年度における売上原価は、売上拡大に伴う人件費の増加等により14,740百万円となり、前連結会計年度に比べて969百万円、7.0%の増加となりました。 この結果、当連結会計年度における売上総利益は7,047百万円となり、前連結会計年度に比べて588百万円、9.1%の増加となりました。 b.販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、採用関係費の増加等により1,297百万円となり、前連結会計年度に比べて65百万円、5.3%の増加となりました。 この結果、当連結会計年度における営業利益は5,749百万円となり、前連結会計年度に比べて523百万円、10.0%の増加となりました。 c.営業外損益及び経常利益 当連結会計年度における営業外収益は、受取利息の計上等により56百万円となり、前連結会計年度に比べて22百万円、65.1%の増加となりました。 当連結会計年度における営業外費用は、支払手数料の計上等により6百万円となり、前連結会計年度に比べて17百万円の減少となりました。 この結果、当連結会計年度における経常利益は5,800百万円となり、前連結会計年度に比べて563百万円、10.8%の増加となりました。 d.親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度における税効果会計適用後の法人税等負担額は、税金等調整前当期純利益の増加に伴い1,571百万円となり、前連結会計年度に比べて224百万円、16.7%の増加となりました。また、連結子会社にかかる非支配株主に帰属する当期純利益は6百万円となり、前連結会計年度に比べて11百万円の減少となりました。 この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は4,221百万円となり、前連結会計年度に比べて350百万円、9.1%の増加となりました。 なお、財政状態の分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」、キャッシュ・フローの分析については「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析 当社は、運転資金については、当座貸越を利用することにより、手許資金で賄うこととしております。なお、当座貸越枠につきましては、取引銀行4行と契約を締結しており、その限度額は総額2,500百万円であります。 ⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載のとおり、経営指標として営業利益を重視しております。当連結会計年度における営業利益の前年同期比は以下のとおりであり、引き続き対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。 2024年12月期2025年12月期前年同期比営業利益5,226百万円5,749百万円110.0%
事業リスク
- 経済・市場環境変化によるIT投資減少一般企業のIT投資は経済情勢や市場環境に影響を受けやすく、景気悪化などによりIT投資が減少した場合、ベースグループの受注が減り、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。幅広い業種の案件を受注することでリスク低減を図っています。
- 特定顧客への売上依存富士通グループ、みずほ証券、野村総合研究所グループ、NTTデータグループの上位4グループへの売上高が約6割を占めており、これらの主要顧客の事業方針変更や業績悪化があった場合、ベースグループの業績に大きな影響が出る可能性があります。新規顧客の開拓と既存顧客との関係強化でリスク分散を図っています。
- 人材確保と中国人社員の就労リスク少子高齢化による労働人口減少で優秀なIT人材の確保が困難になる可能性があります。また、中国人社員の就労には在留資格が必要であり、日中関係の変化や政府方針、パンデミックによる渡航制限などにより、採用計画や事業継続に影響が出る可能性があります。日本・中国での採用強化や国内採用体制の拡充で対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経済・市場環境変化による顧客のIT投資への影響について<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大> 当社グループは、一般企業のシステム受託開発を主要事業としておりますが、一般企業のIT投資の姿勢については経済情勢や市場環境の状況に影響を受ける傾向にあります。IT投資は、企業価値や競争力向上のために不可欠なものであり、DX等のIT投資は堅調に推移しております。ただし、今後、経済情勢や市場環境の悪化等により一般企業のIT投資が減少した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは、業種によってIT投資意欲に濃淡があることを踏まえ、証券、銀行、保険、製造、流通、公共等、幅広い業種の案件を受注することにより、当該リスクの低減を図っております。 (2)競合他社による影響について<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中> 当社グループが属する情報サービス産業界には、多数の事業者が存在しており、市場において当該事業者との競合が生じております。そのため、需要の減少や新規参入の増加等により競争が激化し、当社グループの競争力が相対的に低下した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは技術やマネジメント等の研修を充実させ、技術力、サービス、品質、生産性の向上に努めることにより、当該リスクの低減を図っております。 (3)特定顧客との関係について<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大> 当社グループの主要顧客である富士通グループ、みずほ証券、野村総合研究所グループ、NTTデータグループの上位4グループに対する当社グループの売上高は、2025年12月期において約6割を占めておりますが、当該顧客の事業方針の大幅な見直し、業績及び財務状況の悪化等によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、顧客へ高い技術力を提供することにより相互の信頼関係を構築しており、これが当社グループの強みになっております。今後もこの緊密な関係を維持継続させるとともに、新規顧客の拡大を図るべく、SE連携による営業活動を推進し新たな主要顧客に繋げていくよう拡充に努めてまいります。 これらを講じることにより、当該リスクの低減を図ってまいります。 (4)不採算プロジェクトの発生について<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中> プロジェクトを計画通りに仕上げることは、当社グループの業績向上にとって非常に重要ですが、技術の高度化・複雑化に加え短納期化等の理由により、想定を超える工数増加や納期遅延等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループが行うシステム開発においては、工程別見積り等による見積り精度の向上策の実施とともに、プロジェクトごとの採算管理を徹底しております。また、個々のプロジェクトが円滑に遂行されるように支援する専門部署を設置することにより、当該リスクの低減を図っております。 (5)人材の確保について① 人材採用<発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大> 当社グループでは、優秀な人材を安定的に確保することが極めて重要と考えており、積極的な採用活動及び育成を行っておりますが、日本は少子高齢化による労働人口の減少に伴い、業界全体において優秀な人材を安定的に確保することが困難な状況になりつつあるため、人材の確保や育成が計画どおりに実施できない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは、日本だけでなく中国においても優秀な人材を安定的に採用できる仕組みづくりに注力しており、過去からの実績に基づく関係を維持して中国の主要な大学から技術者として即戦力になり得る優秀な新卒を定期的に採用しております。また、日本企業の業務に従事したことのある経験者を中国で中途採用を行うことにより、即戦力となる優秀な人材を確保しています。加えて、社内研修を充実させて人材の育成にも注力することにより、当該リスクの低減を図っております。 ② 中国人社員の就労<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中> 当社グループでは、中国人社員と日本人社員の混成チームを編成することで、互いの長所を活かしたシナジー効果を発揮し、より質の高いサービスを提供することを強みとしております。中国人社員を含む外国人社員の雇用にあたっては就労可能な在留資格の取得が必要になります。現在までのところ、当社グループからの申請で在留資格が認められず、事業に影響を与える事象は発生しておりませんが、日本政府及び中国政府の方針の変化や、日中関係に大きな変化が生じ、中国人社員の在留資格の認定・更新が認められなくなった場合等には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 また、パンデミックや社会情勢の変化により渡航制限がなされ、中国現地での採用活動の継続や内定後の来日が難しくなった場合等には採用計画に影響し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは、渡航制限が行われた場合でもリモートでの採用活動や、現地子会社を活用した採用活動を継続するとともに、状況を踏まえて日本国内における採用体制を拡充し事業の継続に支障がない体制を整備することにより、当該リスクの低減を図っております。 (6)長時間労働の発生について<発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中> 当社グループでは、法令に則り適切な労務管理を行っておりますが、プロジェクトにおいて想定外の事態が発生した場合には、品質や納期を遵守するために一時的な長時間労働が発生することがあります。その場合、従業員の健康問題や労務問題の発生、労働生産性の低下や品質の低下等を引き起こし、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループではこのような事態を発生させないようプロジェクト管理を徹底し、問題の早期発見及び解決に努めることにより、当該リスクの低減を図っております。 (7)協力会社の確保について<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中> 当社グループでは、ノウハウの蓄積と品質確保を目的に当社及びグループ会社による開発を基本としておりますが、専門性の高いスキルを必要とするプロジェクトや大規模なプロジェクト及び多くのプロジェクトを並行して受注する際には、当社グループのリソースだけで体制を整えることが難しい場合があります。当社の要求基準に合致する協力会社を十分に確保出来なければ外注単価が上昇してコストが増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは外部協力会社の取引社数を増やすとともに、外部協力会社にも当社の技術研修等に参加していただきスキルアップを支援する等、当該リスクの低減を図っております。 (8)情報漏洩等の情報セキュリティリスクについて<発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大> 当社グループでは、業務を遂行する上で顧客の機密情報を取り扱うことがありますが、何らかの理由により機密情報の漏洩が生じた場合には、顧客からの損害賠償請求や信用の失墜等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは、プライバシーマークの認定資格を取得するとともに情報セキュリティ関連の規定を整備し、周知と遵守の徹底を行っております。加えて、社員及びビジネスパートナーに対して定期的に教育・理解度テストを実施する等、情報セキュリティに対する意識の定着を図っております。また、当社の社内環境や開発環境が外部からのサイバー攻撃に晒されるというリスクについては、平時より防止、検知、対応、復旧に関する各種対策を行うことにより、当該リスクの低減を図っております。 (9)M&A・業務提携について<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大> 当社グループは、事業基盤の強化・拡大のため、M&Aや他企業との業務提携を行う可能性がありますが、当初想定した効果や収益が得られない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは、M&A等を行う際には事前にデューデリジェンス等を実施することにより、当該リスクの低減を図ります。 (10)自然災害・パンデミック等による影響について<発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中> 地震等の自然災害やそれに伴う二次災害、又はパンデミック等が発生することにより、事業の全部又は一部が停止し継続が困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは事業継続計画を策定しております。 自然災害等に対して、当社が保有する情報資産・情報システムは、当社オフィス内のサーバルームで管理しており、システムごとに独立したサーバを用意し、電源やディスクの冗長化を行い、マスタファイルを含む機密データの保全、システムの可用性を担保しております。 また、パンデミック等に対しては、テレワーク環境で業務継続できる体制を整えることにより、当該リスクの低減を図っております。 (11)法的規制等について① 法的規制<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中> 当社グループでは、事業パートナーとなる協力会社との間で業務委託契約を締結し業務を委任する場合があり、相手先によっては「中小受託取引適正化法」(取適法)が適用される場合があります。また、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(労働者派遣法)に基づき、派遣契約を締結し労働者派遣を行う場合があります。更に、外国人社員の雇用にあたっては、「出入国管理及び難民認定法」(入管法)に基づき、在留資格の取得等を行う必要があります。 法令変更に対応できなかった等の理由により法令に抵触した場合には、当社グループの事業活動が制限されるとともに、社会的な信用の失墜により当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは、コンプライアンス委員会を設置し、法令に則した社内規定の整備や定期的なコンプライアンス教育の実施・遵守に努めることにより、当該リスクの低減を図っております。 ② 知的財産権の侵害<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中> 当社グループが行うソフトウェア開発においては、特許権や著作権等の知的財産権の確保が業務遂行上重要ですが、第三者より損害賠償及び使用差止め等の請求、並びに特許に関する対価(ロイヤリティ)の支払等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは、当社独自の技術・ノウハウ等の保護・保全とともに、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払うことにより、当該リスクの低減を図っております。 (12)中国事業について<発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中> 当社グループは、中国に子会社を有し事業活動を行っておりますが、当該事業を行うにあたり、①法令の予期せぬ変更、②国交の悪化、③為替の急激な変動、④戦争や紛争、テロ、伝染病等によるリスクが内在しており、想定外の事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 このようなことを鑑み、当社グループでは中国の政治や経済の動向に注視するとともに、連結売上高における中国事業の比率を僅少に抑えることにより、当該リスクの低減を図っております。