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第一工業製薬(4461)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 多岐にわたる化学製品事業
    第一工業製薬グループは、界面活性剤、アメニティ材料、ウレタン材料、機能材料、電子デバイス材料、ライフサイエンスといった幅広い分野で製品の製造・販売を行っています。これは、特定の産業に依存せず、多様な市場ニーズに対応することで安定した収益基盤を築いていることを示しています。例えば、洗剤などに使われる界面活性剤から、健康食品まで手掛けています。
  • グローバルな事業展開
    当社グループは、日本国内だけでなく、中国、アジア諸国、欧州などにも子会社や関連会社を展開し、グローバルに事業を展開しています。これにより、各地域の市場特性に合わせた製品供給や、地域ごとの需要変動リスクの分散を図っています。特に、アジア地域での生産・販売拠点の設立は、成長市場への積極的なアプローチを意味します。
  • 研究開発と技術力
    有価証券報告書からは直接的な言及はありませんが、多岐にわたる高機能化学製品を製造していることから、それぞれの分野で高い技術力と研究開発能力を有していると推測されます。これにより、顧客の多様なニーズに応えるカスタマイズ製品やソリューション提案が可能となり、競争優位性を確立していると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 機能材料事業が最大の収益源
    機能材料事業は売上高271.51億円、営業利益40.44億円と、全事業セグメントの中で最も高い売上と利益を上げています。光硬化樹脂材料や水系ウレタン樹脂、難燃剤などを手掛けており、高い付加価値を持つ製品群が収益を牽引していると考えられます。これは、同社の技術力が特に活かされている分野と言えるでしょう。
  • 界面活性剤事業も堅調な収益
    界面活性剤事業は売上高193.18億円、営業利益15.47億円と、機能材料に次ぐ規模で安定した収益を上げています。非イオン界面活性剤やアニオン界面活性剤など、幅広い種類の界面活性剤を製造・販売しており、日用品から産業用途まで幅広い分野で需要があるため、安定的な事業基盤を形成しています。
  • ウレタン材料と電子デバイス材料の課題
    ウレタン材料事業は売上高92.47億円に対し営業利益が-2.19億円、電子デバイス材料事業は売上高79.67億円に対し営業利益が-0.53億円と、それぞれ赤字を計上しています。これらの事業は、ポリエーテルポリオールや電池材料などを扱っており、市場競争の激化や原材料価格の変動、あるいは設備投資などにより、収益性が圧迫されている可能性があります。今後の改善が期待される分野です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Surfactants 事業 193 15 8.0%
AmenityMaterials 事業 91 8 8.5%
PolyurethaneMaterials 事業 92 -2 -2.4%
FunctionalMaterials 事業 272 40 14.9%
ElectronicDevicesMaterials 事業 80 -1 -0.7%
LifeScienceRepotable 事業 4 -7 -168.8%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|765 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社13社及び関連会社2社(2025年3月31日現在)で構成され、界面活性剤、アメニティ材料、ウレタン材料、機能材料、電子デバイス材料、ライフサイエンスの製造、販売を主たる業務としております。 当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりです。 なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。事業区分主要製品主要な会社界面活性剤非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤当社、四日市合成㈱、ゲンブ㈱、晋一化工股份有限公司、PT DAI-ICHI KIMIA RAYA、帝開思(上海)国際貿易有限公司、ケイアンドディーファインケミカル㈱アメニティ材料ショ糖脂肪酸エステル、セルロース系高分子材料、ビニル系高分子材料、アクリル系高分子材料当社、ゲンブ㈱、晋一化工股份有限公司、Sisterna B.V.、PT DAI-ICHI KIMIA RAYA、帝開思(上海)国際貿易有限公司ウレタン材料ポリエーテルポリオール、ウレタンプレポリマー、ウレタンシステム当社、四日市合成㈱、第一建工㈱機能材料光硬化樹脂材料、水系ウレタン樹脂、難燃剤、アミド系滑剤当社、四日市合成㈱、晋一化工股份有限公司、PT DAI-ICHI KIMIA RAYA、帝開思(上海)国際貿易有限公司、DDFR Corporation Ltd.電子デバイス材料イオン液体、電池材料、電子部品用導電性ペースト、射出成形用ペレット当社、京都エレックス㈱、第一セラモ㈱、蘇州開翼電子材料有限公司ライフサイエンス健康食品、消臭・除菌剤当社、㈱バイオコクーン研究所、池田薬草㈱ 事業の系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料価格の高騰を販売価格に転嫁しきれない可能性、競合他社との価格競争
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
高付加価値付与品の研究開発、セルロースナノファイバーの新規用途開発、特許出願206件
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:原材料の市況変動 / 為替の変動 / グローバル経済の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

第一工業製薬は特定の強力なブランドや特許、規制ライセンス、独占的IPを前面に押し出した事業モデルではない。汎用的な化学品や機能性化学品を扱っており、無形資産による明確な競争優位性は見出しにくい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客は特定の用途向けにカスタマイズされた化学品を使用している場合、代替品への切り替えには製品性能の検証や製造プロセスの変更が必要となる。しかし、汎用的な化学品も多く、スイッチングコストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、ユーザー数の増加によって製品やサービスの価値が向上するネットワーク効果を生まない。BtoBの化学品メーカーであり、直接的な消費者ネットワークは存在しない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業経験と生産ノウハウは一定のコスト効率に寄与する可能性があるが、原料価格の変動や競合他社との価格競争に晒されており、構造的なコスト優位性は確立されていない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

製薬・化学業界において、特定のニッチ分野や機能性化学品において一定の生産規模と市場シェアを有している。これにより、効率的な生産体制を維持し、業界内での地位を確保していると考えられる。

  • 多様な製品ポートフォリオ
    界面活性剤から電子デバイス材料、ライフサイエンスまで、幅広い製品群を持つことで、特定の市場変動リスクを分散し、安定した事業運営を可能にしています。例えば、洗剤や化粧品に使われる界面活性剤と、電子部品に使われる材料では市場の動きが異なるため、どちらかの市場が低迷しても、もう一方で補うことができます。
  • グローバルな生産・販売網
    中国やアジアを中心に海外に生産・販売拠点を設けているため、各地域の市場ニーズに迅速に対応できるだけでなく、生産コストの最適化やサプライチェーンの強靭化にも貢献しています。これにより、特定の地域に依存せず、世界中の顧客に製品を供給できる体制が整っています。
  • 顧客密着型のソリューション提案
    競合他社との差別化戦略として、顧客との関係を密にし、ソリューション提案や製品のカスタマイズ化を推進していると記載されています。これは、単に製品を販売するだけでなく、顧客の課題解決に貢献することで、長期的な信頼関係を構築し、高いスイッチングコストを生み出す可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断しています。(1)経営方針 当社グループは、創業以来『品質第一、原価逓減、研究努力』の3つの社訓を経営の規範として会社を運営してまいりました。創業者は『品質第一』と『原価逓減』が、「より良い製品を、より安価に、お客様に提供することが会社隆昌の基本」であり、この「2つの社訓を実現する原動力となるのは不断の研究活動である」と3つ目の『研究努力』を説いています。この創業精神に則り、当社グループは、事業環境の急速な変化および市場の多様化に対応し、持続的な企業価値の向上を図ります。翌連結会計年度より従来の材料別6セグメントから、分野別の「電子・情報」、「環境・エネルギー」、「ライフ・ウェルネス」、「コア・マテリアル」の4セグメントへと開示セグメントの区分を変更します。これにより、各分野の特性に即した戦略立案を可能とするとともに、ステークホルダーの皆様に対する当社事業内容の理解促進、ならびに経営資源の効率的な管理・分析を通じた事業運営の高度化を図ってまいります。 <各事業セグメントの方針>■ 電子・情報・次世代高速通信に対応した低誘電材料の拡販・技術トレンドに沿ったディスプレイ向け先端材料の開発促進・独自技術を生かした次世代半導体材料への新規参入■ 環境・エネルギー・サステナブル社会実現に貢献するリチウムイオンバッテリー関連材料の開発・電動化、電装化とともに循環社会に貢献する樹脂材料で拡大・再生可能エネルギーの推進に貢献する太陽電池用材料の拡大■ ライフ・ウェルネス・認知機能維持をサポートする機能性表示食品「冬虫夏草」の拡販・界面活性剤の技術を基盤に、食品添加物、香粧品、クリーニング用薬剤、においビジネスの拡大を図り、新しい用途への素材開発を推進■ コア・マテリアル・脱炭素社会へ貢献する環境負荷の少ない天然由来原料の活用・コア技術である界面技術を注力分野3分野へ展開・伝統ある製品・技術が産業界の基盤強化と発展に寄与 中長期的な成長を見据えた柔軟かつ持続的な経営基盤の構築に努め、安定的な収益を生み出すための企業体質強化の取り組みを継続します。「こたえる、化学。」をミッションに掲げ、当社グループの成長戦略を確実に軌道に乗せるための諸施策を、全社員が一丸となり確実に実行し、新たな会社の歴史を作ります。社訓『品質第一、原価逓減、研究努力』を礎に、社是「産業を通じて、国家・社会に貢献する」の実現に努めてまいります。 (2)経営戦略等 当社は、2025年4月より、5カ年中期経営計画「SMART 2030(スマート ニイゼロサンゼロ)」を始動しました。2030年度の業績目標を設定し、持続的な企業価値の向上を目指しています。本計画においては、以下の基本方針のもと経営体制および事業運営の強化を図ります。1.事業運営体制の強化 事業本部制を導入し、営業部門および研究部門が一体となった分野別の事業部を設置しています。これにより、顧客課題への迅速な対応および新規開発テーマへの取り組みを可能とする体制を構築し、併せて、事業責任の明確化を通じた機動的な組織運営を推進します。2.研究開発体制の強化 経営直轄組織として「生産技術研究所」および「京都中央研究所」を設置し、研究開発力の強化とスピードアップを図ります。取り組むテーマを短期および中長期に区分し、開発期間の短縮を図ることで、事業効率および競争力の一層の向上に取り組んでいます。3.人事制度改革と人財育成の推進 新たな人事制度を導入することで、労働生産性の向上を図っています。成果を正当に評価する制度の構築により、社員一人ひとりの成長が企業の成長に直結する仕組みを整備するとともに、挑戦する社員を賞賛する企業風土の醸成を進めています。また、当社は、従業員の健康保持・増進を重要な経営課題と捉え、「健康経営」の推進に取り組んでいます。その成果として、経済産業省および東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に連続で選定されています。これらの取り組みについては、執行役員が出席する委員会・会議において結果報告および計画の承認を受ける体制としており、企業の生産性ならびに企業価値の更なる向上を図ってまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 2020年4月から開始した中期経営計画「FELIZ 115」の5年間が終了しました。わが国経済は、インバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善が見られ、緩やかな景気回復となりました。しかしながら、世界的な資源価格の上昇や原材料価格の高止まりが続いており、円安の進行や物価高騰に伴う消費マインドの変化、海外からの安価な化学品が流入するなど、経済の先行きには依然として不透明感が残っています。 このような状況のもと、中期経営計画「FELIZ 115」の5年目は、継続した価格転嫁とともに、好調なハイエンドサーバ向けの製品の需要が好調を維持し、最高利益の達成となりました。 4月から始動する新中期経営計画は、「SMART 2030」と名付けました。「ユニ・トップ」、「サステナビリティ」、「チャレンジ」の3つをキーワードに、本計画を通じ、社会のさまざまな課題を解決するスマート・ケミカルパートナーを目指してまいります。本計画がぶれる要素としては、原材料価格及びエネルギーコストの高騰、金利の上昇、経済市況の悪化に加え、地政学リスクの継続が考えられます。 なお資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については以下のとおりです。当社グループのPBR(株価純資産倍率)は、2025年3月期末時点で、市場環境の影響により1倍を下回っています。PBR改善に向けては、資本効率の向上に加え、事業ポートフォリオの見直し、成長投資の推進、株主還元の充実、IR活動による市場との対話に取り組み、株主価値の持続的な向上を図ります。中期経営計画「SMART 2030」では、ROIC(投下資本利益率)を重要指標としています。今後もWACC(加重平均資本コスト)を上回るROICと投資収益を確保し、企業価値の向上に努めます。配当については、事業成長に必要な内部留保とのバランスを図りつつ、長期的かつ安定的な配当を基本方針としています。「SMART 2030」計画の2030年3月期の連結配当性向を高めることを目標とし、積極的な株主還元を実施してまいります。内部留保は、国際競争力の強化や将来の成長に向けた投資に活用し、企業価値の増大を図ります。 (4)経営環境 当連結会計年度は、世界的な資源価格の上昇や原材料価格の高止まり、円安の進行や物価高騰、海外からの安価な化学品が流入するなど、経済の先行きには依然として不透明感がある中、価格転嫁、高付加価値製品拡販により、過去最高の営業利益となりました。 2025年4月からスタートする中期経営計画「SMART 2030」において、研究開発の強化とスピードアップにより競争力を高め、営業と研究を一体化した事業本部制を導入します。生産技術研究所、京都中央研究所など新組織を設立し、重点分野で技術革新を推進します。新人事制度で成果を正当に評価し、挑戦を称える企業文化を醸成します。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題企業価値を高めていくために会社が対処すべき課題は、次の3点と認識しています。第1に、研究開発・事業体制の整備を行い、競争力強化を図ります。研究開発の加速と営業との一体化によって、顧客ニーズに迅速に対応できる「事業本部制」を導入し、注力分野(電子・情報、環境・エネルギー、ライフ・ウェルネス、コア・マテリアル)での技術革新を推進します。さらに、生産技術研究所、京都中央研究所で短期・中長期のテーマに基づく開発強化を図ります。第2に、人事制度改革を通じて人財を最大限に活用し、企業文化を変革します。新人事制度を導入し、チャレンジした社員が賞賛される組織風土を醸成します。第3に、ライフサイエンス事業の早期黒字化と市場拡大を進めます。BtoC製品の拡販に注力しつつ、脱臭・消臭技術の応用展開や医薬品GMPをはじめとする受託事業を強化し、収益化を図ります。  2025年度は中期経営計画「SMART 2030」の初年度であり、当社グループが企業価値のさらなる創造を目指して本格的な変革に踏み出す重要な一年です。本年度の年間標語には「付加価値を産み出す企業へ」を掲げ、変革への強い意志を表明しています。「ユニ・トップ」「サステナビリティ」「チャレンジ」の3つをキーワードに、行動規範を整備し、人財の充実に取り組むとともに、人的資本を含む無形資産の最大化と企業の持続的成長を連動させることを基本方針としています。 さらに、サステナビリティ開示の充実に取り組みます。気候変動、人的資本、人権尊重などの課題に対処するための活動を拡充していきます。地球温暖化や資源の枯渇などの環境問題、また少子高齢化などさまざまな社会課題が私たちの暮らしを取り巻いています。当社は、環境や生活の安全性や快適性などを高めるため、「こたえる、化学。」を追求します。今後とも当社グループへのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。 (免責・注意事項) 本計画に記載されている当社の現在の計画、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の実績等に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでおります。そのため、実際の業績につきましては、一般的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等のさまざまな要因により、これら見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。 従って、当社として、その確実性を保証するものではありませんので、ご承知おきください。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断しています。(1)経営方針 当社グループは、創業以来『品質第一、原価逓減、研究努力』の3つの社訓を経営の規範として会社を運営してまいりました。創業者は『品質第一』と『原価逓減』が、「より良い製品を、より安価に、お客様に提供することが会社隆昌の基本」であり、この「2つの社訓を実現する原動力となるのは不断の研究活動である」と3つ目の『研究努力』を説いています。この創業精神に則り、当社グループは、事業環境の急速な変化および市場の多様化に対応し、持続的な企業価値の向上を図ります。翌連結会計年度より従来の材料別6セグメントから、分野別の「電子・情報」、「環境・エネルギー」、「ライフ・ウェルネス」、「コア・マテリアル」の4セグメントへと開示セグメントの区分を変更します。これにより、各分野の特性に即した戦略立案を可能とするとともに、ステークホルダーの皆様に対する当社事業内容の理解促進、ならびに経営資源の効率的な管理・分析を通じた事業運営の高度化を図ってまいります。 <各事業セグメントの方針>■ 電子・情報・次世代高速通信に対応した低誘電材料の拡販・技術トレンドに沿ったディスプレイ向け先端材料の開発促進・独自技術を生かした次世代半導体材料への新規参入■ 環境・エネルギー・サステナブル社会実現に貢献するリチウムイオンバッテリー関連材料の開発・電動化、電装化とともに循環社会に貢献する樹脂材料で拡大・再生可能エネルギーの推進に貢献する太陽電池用材料の拡大■ ライフ・ウェルネス・認知機能維持をサポートする機能性表示食品「冬虫夏草」の拡販・界面活性剤の技術を基盤に、食品添加物、香粧品、クリーニング用薬剤、においビジネスの拡大を図り、新しい用途への素材開発を推進■ コア・マテリアル・脱炭素社会へ貢献する環境負荷の少ない天然由来原料の活用・コア技術である界面技術を注力分野3分野へ展開・伝統ある製品・技術が産業界の基盤強化と発展に寄与 中長期的な成長を見据えた柔軟かつ持続的な経営基盤の構築に努め、安定的な収益を生み出すための企業体質強化の取り組みを継続します。「こたえる、化学。」をミッションに掲げ、当社グループの成長戦略を確実に軌道に乗せるための諸施策を、全社員が一丸となり確実に実行し、新たな会社の歴史を作ります。社訓『品質第一、原価逓減、研究努力』を礎に、社是「産業を通じて、国家・社会に貢献する」の実現に努めてまいります。 (2)経営戦略等 当社は、2025年4月より、5カ年中期経営計画「SMART 2030(スマート ニイゼロサンゼロ)」を始動しました。2030年度の業績目標を設定し、持続的な企業価値の向上を目指しています。本計画においては、以下の基本方針のもと経営体制および事業運営の強化を図ります。1.事業運営体制の強化 事業本部制を導入し、営業部門および研究部門が一体となった分野別の事業部を設置しています。これにより、顧客課題への迅速な対応および新規開発テーマへの取り組みを可能とする体制を構築し、併せて、事業責任の明確化を通じた機動的な組織運営を推進します。2.研究開発体制の強化 経営直轄組織として「生産技術研究所」および「京都中央研究所」を設置し、研究開発力の強化とスピードアップを図ります。取り組むテーマを短期および中長期に区分し、開発期間の短縮を図ることで、事業効率および競争力の一層の向上に取り組んでいます。3.人事制度改革と人財育成の推進 新たな人事制度を導入することで、労働生産性の向上を図っています。成果を正当に評価する制度の構築により、社員一人ひとりの成長が企業の成長に直結する仕組みを整備するとともに、挑戦する社員を賞賛する企業風土の醸成を進めています。また、当社は、従業員の健康保持・増進を重要な経営課題と捉え、「健康経営」の推進に取り組んでいます。その成果として、経済産業省および東京証券取引所が共同で選定する「健康経営銘柄」に連続で選定されています。これらの取り組みについては、執行役員が出席する委員会・会議において結果報告および計画の承認を受ける体制としており、企業の生産性ならびに企業価値の更なる向上を図ってまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 2020年4月から開始した中期経営計画「FELIZ 115」の5年間が終了しました。わが国経済は、インバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善が見られ、緩やかな景気回復となりました。しかしながら、世界的な資源価格の上昇や原材料価格の高止まりが続いており、円安の進行や物価高騰に伴う消費マインドの変化、海外からの安価な化学品が流入するなど、経済の先行きには依然として不透明感が残っています。 このような状況のもと、中期経営計画「FELIZ 115」の5年目は、継続した価格転嫁とともに、好調なハイエンドサーバ向けの製品の需要が好調を維持し、最高利益の達成となりました。 4月から始動する新中期経営計画は、「SMART 2030」と名付けました。「ユニ・トップ」、「サステナビリティ」、「チャレンジ」の3つをキーワードに、本計画を通じ、社会のさまざまな課題を解決するスマート・ケミカルパートナーを目指してまいります。本計画がぶれる要素としては、原材料価格及びエネルギーコストの高騰、金利の上昇、経済市況の悪化に加え、地政学リスクの継続が考えられます。 なお資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については以下のとおりです。当社グループのPBR(株価純資産倍率)は、2025年3月期末時点で、市場環境の影響により1倍を下回っています。PBR改善に向けては、資本効率の向上に加え、事業ポートフォリオの見直し、成長投資の推進、株主還元の充実、IR活動による市場との対話に取り組み、株主価値の持続的な向上を図ります。中期経営計画「SMART 2030」では、ROIC(投下資本利益率)を重要指標としています。今後もWACC(加重平均資本コスト)を上回るROICと投資収益を確保し、企業価値の向上に努めます。配当については、事業成長に必要な内部留保とのバランスを図りつつ、長期的かつ安定的な配当を基本方針としています。「SMART 2030」計画の2030年3月期の連結配当性向を高めることを目標とし、積極的な株主還元を実施してまいります。内部留保は、国際競争力の強化や将来の成長に向けた投資に活用し、企業価値の増大を図ります。 (4)経営環境 当連結会計年度は、世界的な資源価格の上昇や原材料価格の高止まり、円安の進行や物価高騰、海外からの安価な化学品が流入するなど、経済の先行きには依然として不透明感がある中、価格転嫁、高付加価値製品拡販により、過去最高の営業利益となりました。 2025年4月からスタートする中期経営計画「SMART 2030」において、研究開発の強化とスピードアップにより競争力を高め、営業と研究を一体化した事業本部制を導入します。生産技術研究所、京都中央研究所など新組織を設立し、重点分野で技術革新を推進します。新人事制度で成果を正当に評価し、挑戦を称える企業文化を醸成します。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題企業価値を高めていくために会社が対処すべき課題は、次の3点と認識しています。第1に、研究開発・事業体制の整備を行い、競争力強化を図ります。研究開発の加速と営業との一体化によって、顧客ニーズに迅速に対応できる「事業本部制」を導入し、注力分野(電子・情報、環境・エネルギー、ライフ・ウェルネス、コア・マテリアル)での技術革新を推進します。さらに、生産技術研究所、京都中央研究所で短期・中長期のテーマに基づく開発強化を図ります。第2に、人事制度改革を通じて人財を最大限に活用し、企業文化を変革します。新人事制度を導入し、チャレンジした社員が賞賛される組織風土を醸成します。第3に、ライフサイエンス事業の早期黒字化と市場拡大を進めます。BtoC製品の拡販に注力しつつ、脱臭・消臭技術の応用展開や医薬品GMPをはじめとする受託事業を強化し、収益化を図ります。  2025年度は中期経営計画「SMART 2030」の初年度であり、当社グループが企業価値のさらなる創造を目指して本格的な変革に踏み出す重要な一年です。本年度の年間標語には「付加価値を産み出す企業へ」を掲げ、変革への強い意志を表明しています。「ユニ・トップ」「サステナビリティ」「チャレンジ」の3つをキーワードに、行動規範を整備し、人財の充実に取り組むとともに、人的資本を含む無形資産の最大化と企業の持続的成長を連動させることを基本方針としています。 さらに、サステナビリティ開示の充実に取り組みます。気候変動、人的資本、人権尊重などの課題に対処するための活動を拡充していきます。地球温暖化や資源の枯渇などの環境問題、また少子高齢化などさまざまな社会課題が私たちの暮らしを取り巻いています。当社は、環境や生活の安全性や快適性などを高めるため、「こたえる、化学。」を追求します。今後とも当社グループへのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。 (免責・注意事項) 本計画に記載されている当社の現在の計画、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の実績等に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでおります。そのため、実際の業績につきましては、一般的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等のさまざまな要因により、これら見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。 従って、当社として、その確実性を保証するものではありませんので、ご承知おきください。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、コメを始めとする食品などの値上がりや寒波の影響を受けて個人消費が停滞しました。2025年度は、実質賃金や個人消費の増加などにより緩やかな回復が見込まれています。一方で、米国による大幅な関税引き上げの不確実性や中国経済の動向といったリスク要因により、世界的に景気後退への警戒感も高まっています。また、為替相場の変動や金融政策の変更に起因する金利上昇の影響についても、一層不透明感が増しています。このような環境下、当社グループは事業環境の急激な変化に迅速に対応し、企業活動の持続的発展に努めてまいりました。その結果、ハイエンドサーバ向け製品や新規電池材料の販売拡大の取り組みが奏功し、前年度比較で増収増益となり、売上高、営業利益ともに過去最高を更新しました。4月から新たな中期経営計画「SMART 2030」が始動しました。さらなる研究開発の確度とスピードの向上を図り、競争力を向上させます。人事制度改革を通じ、人的資源の最大効率活用、企業文化の革新を図ります。これらの戦略的な取り組みにより、新規事業の早期収益化を実現し、当初計画を前倒しすることをめざします。当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ25億75百万円増加し、971億13百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6億32百万円減少し、526億8百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ32億7百万円増加し、445億4百万円となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上高は732億55百万円(前期比16.1%増)、営業利益は53億51百万円(前期比157.6%増)、経常利益は57億37百万円(前期比178.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億85百万円(前期比120.1%増)となりました。  セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 界面活性剤の売上高は193億18百万円(前期比4.3%増)、営業利益は15億47百万円(前期比14.8%減)となりました。 アメニティ材料の売上高は91億30百万円(前期比8.3%増)、営業利益は7億73百万円(前期比68.4%増)となりました。 ウレタン材料の売上高は92億47百万円(前期比4.2%増)、営業損失は2億19百万円(前期は2億43百万円の損失)となりました。 機能材料の売上高は271億51百万円(前期比26.6%増)、営業利益は40億44百万円(前期は10億3百万円の利益)となりました。 電子デバイス材料の売上高は79億67百万円(前期比46.0%増)、営業損失は53百万円(前期は43百万円の損失)となりました。 ライフサイエンスの売上高は4億39百万円(前期比12.0%増)、営業損失は7億41百万円(前期は9億14百万円の損失)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて6億9百万円増加し、165億56百万円となりました。  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、得られた資金は75億28百万円(前期は70億91百万円)となりました。これは、売上債権の増加12億96百万円(前期は31億99百万円の増加)、棚卸資産の増加15億62百万円(前期は26億84百万円の減少)などにより資金が減少したことに対し、税金等調整前当期純利益51億94百万円(前期は23億43百万円)、減価償却費32億23百万円(前期は32億16百万円)、仕入債務の増加13億7百万円(前期は21億50百万円の増加)などにより資金が増加したことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は21億38百万円(前期は20億8百万円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出21億40百万円(前期は25億2百万円)などにより資金が減少したことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は50億45百万円(前期は16億46百万円の収入)となりました。これは、長期借入れによる収入40億円(前期は86億3百万円)により資金が増加したことに対し、長期借入金の返済70億27百万円(前期は55億34百万円)、配当金の支払い8億61百万円(前期は5億73百万円)などにより資金が減少したことによるものです。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前期比(%)界面活性剤(百万円)17,688103.9アメニティ材料(百万円)6,061111.5ウレタン材料(百万円)8,352103.7機能材料(百万円)15,465135.3電子デバイス材料(百万円)7,777153.7ライフサイエンス(百万円)400110.2合計(百万円)55,744117.7(注)生産実績の金額は平均販売価格で表示しております。 b.受注実績 当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)前期比(%)界面活性剤(百万円)19,318104.3アメニティ材料(百万円)9,130108.3ウレタン材料(百万円)9,247104.2機能材料(百万円)27,151126.6電子デバイス材料(百万円)7,967146.0ライフサイエンス(百万円)439112.0合計(百万円)73,255116.1 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しているため省略しております。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態(資産合計) 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ25億75百万円増加し、971億13百万円となりました。 流動資産は572億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億32百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が6億25百万円、受取手形及び売掛金が15億43百万円、商品及び製品などの棚卸資産の合計が17億59百万円増加したことなどによるものです。 固定資産は398億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億57百万円減少しました。これは主に建設仮勘定が7億21百万円減少したことなどによるものです。(負債合計) 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6億32百万円減少し、526億8百万円となりました。 流動負債は265億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億73百万円増加しました。これは主に、短期借入金が15億47百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が15億4百万円、賞与引当金が6億37百万円増加したことなどによるものです。 固定負債は260億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億5百万円減少しました。これは主に、長期借入金が18億35百万円減少したことなどによるものです。(純資産合計) 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ32億7百万円増加し、445億4百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益25億85百万円及び剰余金の配当8億61百万円などにより利益剰余金が17億24百万円、非支配株主持分が12億25百万円増加したことなどによるものです。 2)経営成績 当連結会計年度の業績としましては、すべてのセグメントが増収になりました。『機能材料』セグメントのハイエンドサーバ向け光硬化樹脂材料及び『電子デバイス材料』セグメントの新規電池材料の販売が大幅に伸長したことから、売上高は732億55百万円(前期比16.1%増)となりました。 損益面につきましては、『機能材料』セグメントを中心として売上高が伸長したことにより収益性が改善し、営業利益53億51百万円(前期比157.6%増)、経常利益は57億37百万円(前期比178.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億85百万円(前期比120.1%増)となりました。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 2020年4月から開始した中期経営計画「FELIZ 115」が終了しました。売上高は、『機能材料』セグメントのハイエンドサーバ向け光硬化樹脂材料及び『電子デバイス材料』セグメントの新規電池材料の販売が大幅に伸長したことから増収となりました。また、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、『機能材料』セグメントを中心として売上高が伸長したことにより収益性が改善したことにより増益となりました。 c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報1) 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。2) 資金需要 当社グループの事業活動による資金需要は主に、製品の原材料の仕入、製造に要した費用、外注費及び販売費といった運転資金需要や、新製品を創製するための研究開発費などがあります。また、投資活動による資金需要は主に、生産性の向上や新製品の製造のための設備の購入、IT設備投資及び事業展開上必要な投資有価証券の取得などがあります。3) 財務政策 当社グループは中期経営計画「FELIZ 115」の資金として2020年2月に銀行保証付私募債を発行し、60億円を調達しております。また、かねてより78億円のコミットメントライン契約(契約期間3年)を締結することで、機動的な資金確保にも留意しております。今後も、資本市場からの調達を視野に入れた財務体質の改善強化、あるいは流動資産をはじめとする資産効率の改善に努めます。 なお、海外子会社につきましては、邦銀の現地拠点等から直接に資金を調達しております。 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等新中期経営計画「SMART 2030」では、2030年3月期を最終年度として、数値目標を掲げております。①連結売上高   1,000億円②連結営業利益   100億円③連結営業利益率   10.0%④総資産回転率    1.0回⑤設備投資額    300億円(5年累計)⑥ROE        10.0%⑦ROIC         8.0% e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(界面活性剤)界面活性剤の売上高は、総じて堅調に推移しました。国内では、IT・電子用途は大きく落ち込みましたが、機械・金属用途、塗料・色材用途は堅調に推移し、石鹸・洗剤用途は大幅に伸長しました。海外では、繊維用途は堅調に推移しましたが、ゴム・プラスチック用途、塗料・色材用途は低調に推移しました。その結果、当セグメントの売上高は193億18百万円(前期比4.3%増)となりました。営業利益は、売上高が堅調に推移したものの営業経費が増加したことにより、15億47百万円(前期比14.8%減)となりました。 (アメニティ材料)アメニティ材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。国内では、ビニル系高分子材料はゴム・プラスチック用途が堅調に推移し、セルロース系高分子材料はエネルギー・環境用途が大幅に伸長しました。ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が大幅に伸長しました。海外では、ショ糖脂肪酸エステルは香粧品用途が堅調に推移し、食品用途が大幅に伸長しました。その結果、当セグメントの売上高は91億30百万円(前期比8.3%増)となりました。営業利益は、売上高が大幅に伸長したことにより、7億73百万円(前期比68.4%増)となりました。 (ウレタン材料)ウレタン材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。フロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は低調に推移しましたが、公共工事に関連する土木用薬剤は堅調に推移し、機能性ウレタンはIT・電子用途が大幅に伸長しました。その結果、当セグメントの売上高は92億47百万円(前期比4.2%増)、営業損失は2億19百万円(前期は2億43百万円の損失)となりました。 (機能材料)機能材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。国内では、難燃剤はゴム・プラスチック用途が低調に推移しましたが、水系ウレタンは繊維用途が堅調に推移し、光硬化樹脂材料はIT・電子用途が大幅に伸長しました。海外では、難燃剤はゴム・プラスチック用途が低調に推移しましたが、光硬化樹脂材料はIT・電子用途が大幅に伸長しました。その結果、当セグメントの売上高は271億51百万円(前期比26.6%増)となりました。営業利益は、売上高が大幅に伸長したことにより、40億44百万円(前期は10億3百万円の利益)となりました。 (電子デバイス材料)電子デバイス材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。ディスプレイ用途のイオン液体は堅調に推移し、太陽電池用途の導電性ペーストは大幅に伸長しました。電池用途のリチウムイオンバッテリー用材料は大幅に伸長しました。その結果、当セグメントの売上高は79億67百万円(前期比46.0%増)となりました。営業利益は、売上高が大幅に伸長したものの研究開発費を中心に営業経費がかさみ、53百万円の営業損失(前期は43百万円の損失)となりました。 (ライフサイエンス)ライフサイエンスの売上高は、前期と比べ47百万円増加し、4億39百万円(前期比12.0%増)となりました。医薬品添加物や天然素材からの抽出物の濃縮化、粉末化による健康食品等の受託事業は堅調に推移しました。営業利益は、売上高が伸長したことに加え、営業経費が減少したことにより、7億41百万円の営業損失(前期は9億14百万円の損失)となりました。

事業リスク

  • 原材料価格の変動リスク
    当社グループは主に石油化学製品系の原材料を使用しており、原油・ナフサ価格の高騰は主要原材料の価格上昇に直結し、生産コストを押し上げる可能性があります。これにより、製品の販売価格に転嫁できない場合、利益率が悪化し、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 為替変動による影響
    中国などのアジアを中心に海外展開を積極的に行っており、在外子会社の財務諸表を円換算する際に、為替相場の大きな変動が経営成績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、外国通貨建ての取引においても、為替予約などの対策を講じていても、想定外の変動が収益を圧迫するリスクがあります。
  • グローバル経済と地政学リスク
    海外での事業展開において、予期せぬ外国の法律・規則の変更、産業基盤の不安定性、紛争や政治情勢の不安定化など、経済的・社会的なリスクが常に存在します。特に、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢、保護主義的な政策の動向といった地政学リスクは、サプライチェーンの分断やエネルギー・原材料価格の高騰を引き起こし、企業活動に大きな影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,872 文字
3【事業等のリスク】 当社グループでは、リスク管理に関し、組織的な対応として「リスクマネジメント統制委員会」を設置して、活動計画の策定、活動のレビュー、リスクの特定と対応策の検討などを行っています。当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものがあります。なお、これらのものは、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれに限られるものではありません。①原材料の市況変動(顕在化する可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループでは、主に石油化学製品系の原材料を使用しております。代理店・サプライヤー・顧客との連携を含む生産コスト削減や販売価格の是正に努めておりますが、原油・ナフサ価格の高騰による主要原材料の価格の上昇は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。②為替の変動(顕在化する可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 中国などのアジアを中心に生産拠点や販売拠点を設立するなど、積極的な海外展開を行っています。在外連結子会社等の財務諸表については、資産及び負債を期末日の為替レートで、収益及び費用を期中平均為替レートで円換算しているため、為替相場の大幅な変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、外国通貨建取引については、為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じていますが、為替相場の大幅な変動により当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。③グローバル経済の変動(顕在化する可能性:低~中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 海外にも生産拠点や販売拠点を設立するなど、グローバルな事業展開を行っています。このような海外展開において、予期し得ないような外国の法律・規則の変更、産業基盤の不安定性、人財確保の困難性、紛争・政治不安定化など、常に経済的、社会的リスクが存在し、これらが顕在化することによって、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。④競争の激化(顕在化する可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 当社グループは、顧客との関係を密にしたソリューション提案や製品のカスタマイズ化などによる差別化戦略の推進により競争優位性の維持・向上に努めておりますが、競合他社の技術水準や生産力の向上による他社安価品への置き換え等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります⑤地政学に関するリスク(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢、米国における保護主義的な政策の動向等により、地政学リスクが著しく高まっています。こうした政治的・社会的情勢の不安定化や外交関係の緊迫化、紛争等により事業環境が悪化し、当社グループの企業活動に対して、エネルギーや原材料価格の高騰、サプライチェーンの分断などが発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。⑥特有の法的規制等に係る課題(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 法規制あるいは当局の法令解釈が従来よりも厳しくなること等により、当社グループの事業が規制を受ける可能性またはこれらの法規制に適合するために当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。⑦自然災害・事故等(顕在化する可能性:低、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 大規模地震等の大きな自然災害、感染症の拡大、製造拠点における火災事故等が発生した場合には、生産活動や原料搬入・製品搬出などが中断させられる可能性があります。製造・物流拠点の分散・見直し、在庫の分散保有等の事業継続計画(BCP)に基づく対策強化を進めておりますが、これらが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります⑧知的財産(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 事業活動に関わる知的財産権の取得に努める一方、第三者の知的財産権侵害を防ぐため、第三者の知的財産等の調査を行っています。しかしながら、第三者との知的財産に関わる問題発生の可能性が無いとは言えず、訴訟等が発生した場合には当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。⑨情報セキュリティ(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) 事業活動において、顧客情報、個人情報、機密情報を保有しており、電子情報の形式で保管しています。したがって、情報セキュリティ方針、対策基準及び実施手順を定め、インフラ基盤を随時最適化することにより情報漏洩等に対する対策を講じています。しかしながら、第三者による不正アクセスやコンピューターウイルスの感染により、当社グループが保有する情報の漏洩や改ざん等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。⑩製品品質(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中) 品質マネジメントシステムを構築し、品質保証の基本方針を遵守して高い品質の確保と顧客満足の向上に取り組んでいますが、予期せぬトラブル等により品質に関する問題が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。⑪気候変動に係るリスク(顕在化する可能性:中、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大) さまざまな化学物質を取り扱うなかで「環境・安全・健康」を確保するためレスポンシブル・ケア活動を推進し、地球環境に配慮した事業活動を行っていますが、気候変動による気温上昇を抑制するためにカーボンプライシングや炭素税等が導入された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社は、気候変動を重要な経営課題の一つとして認識しており、2022年3月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同を表明しています。TCFDの提言に沿ったシナリオ分析を行い、気候変動が当社の事業活動に与える影響等について情報開示を進め、持続可能な社会の実現にむけた施策を推進しています。⑫固定資産の減損(顕在化する可能性:高、顕在化する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小~中) 当社グループが保有する製造設備等の固定資産について、事業環境の変化に伴う収益性の低下や資産価値の下落等により減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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