4443

Sansan(4443)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • Sansan/Bill One事業
    法人向けに営業DXサービス「Sansan」と経理DXサービス「Bill One」を提供しています。「Sansan」は名刺管理を軸に顧客接点情報を統合し、営業戦略の立案・実行を支援し、企業の売上拡大とコスト削減に貢献します。月額利用料はライセンス費用とスキャナレンタル料等で構成されます。
  • Bill One事業
    法人向けに請求書受領・経費精算・債権管理といった経理業務のDXを推進する「Bill One」を提供しています。紙やPDFなど様々な形式の請求書をクラウドで一元管理し、データ化することで業務効率化と経営の意思決定を加速させます。初期費用とデータ化枚数に応じた月額費用が主な収益源です。
  • Eight事業
    個人ユーザー向けの無料名刺アプリ「Eight」を運営しています。デジタル名刺交換や名刺管理の基本機能を提供し、有料サービスとして個人向け「Eightプレミアム」や企業向け「Eight Team」、ビジネスイベント出展料などで収益を得るビジネスモデルです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • Sansan/Bill One事業
    この事業は、法人向けの営業DXサービス「Sansan」と経理DXサービス「Bill One」を主軸としています。企業の売上拡大やコスト削減、経理業務の効率化を支援し、Sansanグループの主要な収益源となっています。最新年度の売上は377.73億円、営業利益は35.81億円と、最も規模が大きく利益を上げているセグメントです。
  • Eight事業
    個人ユーザー向けの無料名刺アプリ「Eight」を中心に展開しています。デジタル名刺交換や名刺管理機能を提供し、有料のプレミアム機能や企業向けサービス、ビジネスイベントの出展料などで収益を得ています。最新年度の売上は50.39億円、営業利益は0.63億円であり、Sansan/Bill One事業に次ぐ規模のセグメントです。
  • その他事業
    上記の報告セグメントに含まれない、規模の小さいその他のサービスが計上されています。有価証券報告書では具体的なサービス内容や詳細な財務数値は示されていませんが、連結子会社7社の一部がこのセグメントに含まれる可能性があります。
2025-05 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SansanBillOneBusiness 地域 378 36 9.5%
EightBusiness 地域 50 1 1.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,224 文字
3【事業の内容】当社グループは、事業の種類別にSansan/Bill One事業、Eight事業の2つを報告セグメントとしており、当連結会計年度末における連結子会社は7社となっています。なお、報告セグメント外の僅少なその他のサービスはその他に計上しています。当社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げ、クラウドソフトウエアにテクノロジーと人力によってアナログ情報をデータ化する仕組みを組み合わせた手法を軸に、人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる、働き方を変えるDXサービスを提供しています。具体的には、営業DXサービス「Sansan」や経理DXサービス「Bill One」等を展開するSansan/Bill One事業と、名刺アプリ「Eight」やイベント書き起こしサービス「logmi」シリーズを展開するEight事業を運営しています。なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。 (1)Sansan/Bill One事業Sansan/Bill One事業では、営業DXサービス「Sansan」や経理DXサービス「Bill One」等を法人向けに展開しています。 ①「Sansan」「Sansan」は、「名刺管理から、収益を最大化する」をコンセプトに、企業が有するさまざまな接点情報と企業情報とを組み合わせることでユーザーならではの独自のデータベースを構築し、そのデータ活用を促進することで、企業の売上拡大とコスト削減に寄与するサービスです。ユーザーは、「Sansan」上で接点がある企業だけでなく、接点がない企業も含めた100万件以上の企業情報を閲覧できます。また、名刺に加え、メールやウェブサイト経由の問い合わせ情報等、顧客とのさまざまな接点情報を「Sansan」上に蓄積、統合し、可視化することが可能です。このような企業情報と接点情報を組み合わせることで、より高度な営業戦略の立案、実行が可能となり、組織全体の営業成果の最大化につなげることができます。料金モデルとしては、全社員での利用を前提とした基本プランを軸に、企業規模や用途に応じて算出されるライセンス費用に、スキャナのレンタル料等を加算したものが月額利用料となります。また、サービス導入時には、紙で保管している大量の名刺のデータ化や導入支援等の付加サービスを有料で提供しています。 ②「Bill One」「Bill One」は、「経理DXから、全社の働き方を変える」をコンセプトに、請求書や経費精算、債権管理といった証憑を伴う全社的な業務プロセスを効率化し、月次決算を加速させ、組織全体の生産性向上に寄与するサービスです。 主要サービスである「Bill One請求書受領」は、紙やPDF等のさまざまな形式で届く全ての請求書をクラウド上で一元管理できるようにし、請求書関連業務の効率化と経営の意思決定スピードの向上を支援します。紙の請求書は、「Bill One」のスキャン代行センターが代理で受領し、短時間で正確にデータ化します。また、PDF等の請求書は、メール等で「Bill One」が受領した後に、同じくデータ化します。請求書情報は検索性の高いデータベースで一元管理され、コストの可視化やコントロール、営業機会の創出、将来的な収益機会の最大化等にもつなげることができます。また、会計システム等の他社サービスとの連携も可能です。さらに、法人カード「Bill Oneビジネスカード」を用いた経費精算サービス「Bill One経費」や、リアルタイムでの請求情報の可視化と債権管理業務の効率化を実現する「Bill One債権管理」を提供する等、さまざまな価値提供を通じて企業の経理業務を支援しています 。料金モデルとして、「Bill One請求書受領」は、専用コンサルタントによる導入支援等が含まれる初期費用と、請求書のデータ化枚数を基に算出される月額費用とで構成されます。また、「Bill One経費」や「Bill One債権管理」については、それぞれ異なる料金モデルを採用しています。 (2)Eight事業「Eight」は、企業ではなく、個人ユーザーを主体とする名刺アプリであり、デジタル名刺の交換や名刺の管理といった基本機能を無料で提供しています。ユーザーは、まず自分の名刺をスキャンすることで、正確な肩書き等が反映された自身のページを「Eight」上に作成することができます。次に、名刺交換をした相手の名刺をスキャンすることで、名刺情報が正確にデータ化され、クラウド上で管理、検索が可能となります。また、「Eight」上でつながった相手の名刺に変更があった場合には通知が届くため、相手の近況情報を取得することができます。ビジネスモデルとしては、個人(BtoC)及び企業(BtoB)の双方に対して、有料サービスを提供しています。BtoCサービスでは、名刺管理のプレミアム機能が利用可能な「Eightプレミアム」を提供しています。BtoBサービスでは、主には、「Eight」ユーザーを集客し、出展企業からの出展料を得るビジネスイベントのほか、中小企業向け名刺管理サービス「Eight Team」等を提供しています。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
全社員利用を前提とした基本プランと企業規模・用途に応じたライセンス費用。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
クラウドソフトウエアにテクノロジーと人力によるアナログ情報データ化を組み合わせた手法。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:個人情報の取り扱いに関する情報セキュリティリスク / 技術革新への対応遅延 / 競合激化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

Sansanは「名刺管理」という独自の市場を創造し、その分野で高いブランド認知度を確立している。独自のデータベースとAI技術による名刺情報のデジタル化・活用支援は、他社が容易に模倣できないIP(知的財産)となっている。特に法人向けサービス「Sansan」は、営業活動のDXを推進するツールとして多くの企業に導入されている。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

Sansanの導入により、企業は蓄積された名刺情報とその活用ノウハウを自社資産として構築している。これらの情報を他社サービスへ移行するには、データ移行の手間、再学習コスト、そして既存の業務フローの変更が必要となり、一定のスイッチングコストが発生する。特に、Sansanの高度な検索・分析機能に慣れたユーザーは、乗り換えに抵抗を感じやすい。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

名刺交換という行為自体にネットワーク効果の要素はあるが、Sansanのサービス自体が直接的なネットワーク効果を生み出す構造は限定的。ユーザーが増えることでサービス価値が飛躍的に向上するわけではない。ただし、企業内での利用者が増えることで、情報共有の効率化という間接的な効果は期待できる。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

SansanはSaaSモデルであり、競合他社も同様のビジネスモデルを採用している。価格競争力で圧倒的な優位性を築いているわけではなく、コスト優位性はモートとして弱い。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

名刺管理市場においてSansanは主要プレイヤーであり、一定の規模を持つ。しかし、市場全体が巨大であること、また競合も複数存在することから、業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言い難い。今後の市場拡大に伴うスケールメリットは期待できる。

  • データ統合と活用促進
    Sansanは名刺だけでなく、メールやウェブサイトからの問い合わせ情報など、多様な顧客接点情報を統合し、企業独自のデータベースを構築します。これにより、顧客情報を多角的に分析し、より高度な営業戦略の立案・実行を可能にする点が強みです。
  • アナログ情報のデジタル化
    Bill Oneは、紙やPDFなど様々な形式で届く請求書をスキャン代行センターやシステムで正確にデータ化し、クラウド上で一元管理します。これにより、アナログな経理業務の効率化と月次決算の加速を実現し、企業の生産性向上に貢献する点が競争優位性です。
  • 強固な情報セキュリティ
    Sansanグループは、顧客の重要情報を扱うサービスを提供しているため、情報セキュリティ対策に非常に力を入れています。個人情報保護マネジメントシステムの構築、プライバシーマークやISO/IEC認証の取得、全役職員への個人情報保護士資格取得義務付けなどにより、信頼性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、企業理念において「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げています。このミッション、ビジョンの実現に向けて、人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる、働き方を変えるDXサービスを展開しており、これらの事業活動の推進が社会課題の解決に寄与し、ひいては当社グループの株主価値及び企業価値の最大化につながるものと考えています。 (2)重視する経営指標と中期財務方針 2025年5月期から2027年5月期の中期財務方針として、売上高の堅調な成長と調整後営業利益(注1)の成長加速を掲げています。最重要の経営指標である売上高については、当該期間の年平均成長率(CAGR)22%から27%を目指しています。また、調整後営業利益については、各事業の売上高成長に向けた投資を行いながらも成長を加速させ、2027年5月期における調整後営業利益率は18%から23%、長期的には30%以上の水準を目指しています。(注)1. 調整後営業利益:営業利益+株式報酬関連費用+企業結合に伴い生じた費用(のれん償却額及び無形固定資産の償却費) (3)中長期的な経営戦略当社グループの事業には次のような特徴があり、これらに基づいて中長期的な経営戦略を立案しています。 ①広大な市場機会DXへの意識改革や働き方の変化、SaaSビジネスへの関心の高まり等によって、当社サービスに関連する市場は拡大が続いています。DX市場は、2030年度に8兆350億円(2023年度見込比4兆153億円増)(注2)、国内SaaS市場は、2027年度に2兆990億円(2023年度見込比6,862億円増)(注3)の規模に達すると予想されています。また、当社グループのサービスが取り扱う名刺や請求書、契約書といった書類は、現在でも紙のままで日常的に利用されている機会が多く、業務効率化や有効活用の余地が大きく残されています。各サービスの潜在市場について、「Sansan」は法人向け名刺管理サービス市場においてNo.1の売上高シェア(84.1%)(注4)を有していますが、日本国内の総労働人口を対象として捉えた場合、2025年5月期末における「Sansan」利用者数の割合は約4%(注5)に留まっており、広大な開拓余地が残されていると考えています。次に、「Bill One」では、クラウド請求書受領サービス市場においてNo.1の売上高シェア(47.0%)(注6)を獲得していますが、2025年5月期末における利用企業カバー率は、日本国内の企業の1%未満(注5)に過ぎないため、広大な開拓余地が存在していると考えています。 (注)2.「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編、企業編」(富士キメラ総研)3.「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」(富士キメラ総研)4.「営業支援DXにおける名刺管理サービスの最新動向2025」(2025年1月 シード・プランニング調査)5.分母となる国内の総企業数及び従業者数は、総務省統計「令和3年経済センサス活動調査」を基に算出6. デロイトトーマツミック経済研究所「高成長が続くクラウド請求書受領サービス市場」(ミックITリポート2024年12月号) ②アナログ情報のデータ化精度99.9%を実現する仕組みとテクノロジー 当社グループの各サービスにおけるアナログ情報のデータ化精度は、サービスの本質的な品質や競争力に資するものであり、99.9%のデータ化精度を実現する仕組みとテクノロジーを有していることが事業共通の強みです。当社グループでは、機械学習等によって日々進化するテクノロジーと人力の組み合わせによってアナログ情報をデータ化しており、創業以来、名刺をはじめとする膨大なアナログ情報をデータ化してきたことで、大量の情報を正確かつ効率的にデータ化できる体制を確立しています。この技術力と独自の仕組みが競争力の源泉であり、サービスの品質や競争力の向上に向けて、新技術の開発やオペレーションの改善を追求しています。また、現在では、独自に開発した生成AIを活用することで、オペレーションのさらなる効率化に取り組んでいます。 ③高い安定性を誇る財務・収益モデル 主要サービスにおける課金モデルは、継続収入が見込めるサブスクリプション(月額課金)が中心となっています。また、サービスの月次解約率は直近12か月平均で1%未満に留まっており、契約当たり売上高の拡大に努めることで、顧客LTV(ライフタイムバリュー)の最大化を推進しやすいことから、継続的な事業成長が見込める、高い安定性を誇るモデルであると捉えています。 具体的な当社グループの経営戦略は、以下の通りです。 (ⅰ)Sansan/Bill One事業の売上最大化 「Sansan」や「Bill One」「Contract One」は、業種や業態を問わず幅広い企業を対象とするサービスであり、今後も大きな顧客開拓余地があります。「Sansan」においては、全社利用を前提とした新規顧客獲得や既存顧客の利用拡大を推進するとともに、生成AIを活用した機能を強化することで、サービス価値のさらなる向上を目指します。また、「Bill One」においては、現在展開している請求書受領や経費精算、債権管理といったさまざまなサービスをワンパッケージで提供することで、営業活動効果の最大化を図るとともに、生成AIを活用した新サービスによる、新たな収益機会の創出に取り組みます。さらに、「Contract One」においても生成AIを活用した機能拡充を図り、サービス価値を向上させながら、営業体制の強化を通じて、さらなる販売拡大を目指します。 (ⅱ)Eight事業の収益拡大 収益性を重視した事業運営体制の下、登録ユーザー409万人を有する「Eight」のネットワークを活用し、ビジネスイベント等のBtoBサービスのマネタイズを強化することで、さらなる事業成長を目指します。 (ⅲ)M&Aの活用 グループ各社の企業価値向上に向けた施策を推進するとともに、当社グループが保有するリソースやノウハウを有効活用することで、シナジーの創出に取り組みます。また、M&Aの活用は重要な成長戦略の1つに位置付けており、今後も積極的な検討を進めます。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記の経営戦略を進めるに当たって、当社グループの対処すべき主な課題は以下の通りです。 ①優秀な人材の採用・育成と多様性の確保 当社グループの持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を多数採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えています。当社グループの企業理念や事業内容に共感した優秀な人材が、高い意欲を持って働ける環境や仕組みを構築しながら、人材の多様性確保を進めていきます。 ②セキュリティリスクに対する管理体制の継続的な強化 当社グループは、提供サービスを通じて個人情報をはじめとした重要な情報資産を多く取り扱っているため、情報管理体制を継続的に強化していくことが重要であると考えています。現在においても、情報セキュリティ方針や個人情報保護方針等を策定した上で、情報資産を厳重に管理する等、情報保護については万全の注意を払っていますが、今後も社内体制や管理方法の強化、整備を行っていきます。 ③技術力の強化 アナログ情報を正確にデータ化する技術は、当社グループの競争力の源泉であり、さまざまなサービスの成長を支える共通基盤でもあることから、継続的な改善、強化が重要であると考えています。これまで独自で開発したさまざまな技術やAIと、人の力を組み合わせることで高品質のデータ化を実現してきましたが、現在では独自に開発した生成AIを組み合わせることで、さらなる効率化に取り組んでいます。今後も、国内外における優秀な技術者の採用や先端技術への投資、モニタリング等を通じて、技術力のさらなる向上に取り組みます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、企業理念において「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、「ビジネスインフラになる」というビジョンを掲げています。このミッション、ビジョンの実現に向けて、人や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる、働き方を変えるDXサービスを展開しており、これらの事業活動の推進が社会課題の解決に寄与し、ひいては当社グループの株主価値及び企業価値の最大化につながるものと考えています。 (2)重視する経営指標と中期財務方針 2025年5月期から2027年5月期の中期財務方針として、売上高の堅調な成長と調整後営業利益(注1)の成長加速を掲げています。最重要の経営指標である売上高については、当該期間の年平均成長率(CAGR)22%から27%を目指しています。また、調整後営業利益については、各事業の売上高成長に向けた投資を行いながらも成長を加速させ、2027年5月期における調整後営業利益率は18%から23%、長期的には30%以上の水準を目指しています。(注)1. 調整後営業利益:営業利益+株式報酬関連費用+企業結合に伴い生じた費用(のれん償却額及び無形固定資産の償却費) (3)中長期的な経営戦略当社グループの事業には次のような特徴があり、これらに基づいて中長期的な経営戦略を立案しています。 ①広大な市場機会DXへの意識改革や働き方の変化、SaaSビジネスへの関心の高まり等によって、当社サービスに関連する市場は拡大が続いています。DX市場は、2030年度に8兆350億円(2023年度見込比4兆153億円増)(注2)、国内SaaS市場は、2027年度に2兆990億円(2023年度見込比6,862億円増)(注3)の規模に達すると予想されています。また、当社グループのサービスが取り扱う名刺や請求書、契約書といった書類は、現在でも紙のままで日常的に利用されている機会が多く、業務効率化や有効活用の余地が大きく残されています。各サービスの潜在市場について、「Sansan」は法人向け名刺管理サービス市場においてNo.1の売上高シェア(84.1%)(注4)を有していますが、日本国内の総労働人口を対象として捉えた場合、2025年5月期末における「Sansan」利用者数の割合は約4%(注5)に留まっており、広大な開拓余地が残されていると考えています。次に、「Bill One」では、クラウド請求書受領サービス市場においてNo.1の売上高シェア(47.0%)(注6)を獲得していますが、2025年5月期末における利用企業カバー率は、日本国内の企業の1%未満(注5)に過ぎないため、広大な開拓余地が存在していると考えています。 (注)2.「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編、企業編」(富士キメラ総研)3.「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」(富士キメラ総研)4.「営業支援DXにおける名刺管理サービスの最新動向2025」(2025年1月 シード・プランニング調査)5.分母となる国内の総企業数及び従業者数は、総務省統計「令和3年経済センサス活動調査」を基に算出6. デロイトトーマツミック経済研究所「高成長が続くクラウド請求書受領サービス市場」(ミックITリポート2024年12月号) ②アナログ情報のデータ化精度99.9%を実現する仕組みとテクノロジー 当社グループの各サービスにおけるアナログ情報のデータ化精度は、サービスの本質的な品質や競争力に資するものであり、99.9%のデータ化精度を実現する仕組みとテクノロジーを有していることが事業共通の強みです。当社グループでは、機械学習等によって日々進化するテクノロジーと人力の組み合わせによってアナログ情報をデータ化しており、創業以来、名刺をはじめとする膨大なアナログ情報をデータ化してきたことで、大量の情報を正確かつ効率的にデータ化できる体制を確立しています。この技術力と独自の仕組みが競争力の源泉であり、サービスの品質や競争力の向上に向けて、新技術の開発やオペレーションの改善を追求しています。また、現在では、独自に開発した生成AIを活用することで、オペレーションのさらなる効率化に取り組んでいます。 ③高い安定性を誇る財務・収益モデル 主要サービスにおける課金モデルは、継続収入が見込めるサブスクリプション(月額課金)が中心となっています。また、サービスの月次解約率は直近12か月平均で1%未満に留まっており、契約当たり売上高の拡大に努めることで、顧客LTV(ライフタイムバリュー)の最大化を推進しやすいことから、継続的な事業成長が見込める、高い安定性を誇るモデルであると捉えています。 具体的な当社グループの経営戦略は、以下の通りです。 (ⅰ)Sansan/Bill One事業の売上最大化 「Sansan」や「Bill One」「Contract One」は、業種や業態を問わず幅広い企業を対象とするサービスであり、今後も大きな顧客開拓余地があります。「Sansan」においては、全社利用を前提とした新規顧客獲得や既存顧客の利用拡大を推進するとともに、生成AIを活用した機能を強化することで、サービス価値のさらなる向上を目指します。また、「Bill One」においては、現在展開している請求書受領や経費精算、債権管理といったさまざまなサービスをワンパッケージで提供することで、営業活動効果の最大化を図るとともに、生成AIを活用した新サービスによる、新たな収益機会の創出に取り組みます。さらに、「Contract One」においても生成AIを活用した機能拡充を図り、サービス価値を向上させながら、営業体制の強化を通じて、さらなる販売拡大を目指します。 (ⅱ)Eight事業の収益拡大 収益性を重視した事業運営体制の下、登録ユーザー409万人を有する「Eight」のネットワークを活用し、ビジネスイベント等のBtoBサービスのマネタイズを強化することで、さらなる事業成長を目指します。 (ⅲ)M&Aの活用 グループ各社の企業価値向上に向けた施策を推進するとともに、当社グループが保有するリソースやノウハウを有効活用することで、シナジーの創出に取り組みます。また、M&Aの活用は重要な成長戦略の1つに位置付けており、今後も積極的な検討を進めます。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記の経営戦略を進めるに当たって、当社グループの対処すべき主な課題は以下の通りです。 ①優秀な人材の採用・育成と多様性の確保 当社グループの持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人材を多数採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えています。当社グループの企業理念や事業内容に共感した優秀な人材が、高い意欲を持って働ける環境や仕組みを構築しながら、人材の多様性確保を進めていきます。 ②セキュリティリスクに対する管理体制の継続的な強化 当社グループは、提供サービスを通じて個人情報をはじめとした重要な情報資産を多く取り扱っているため、情報管理体制を継続的に強化していくことが重要であると考えています。現在においても、情報セキュリティ方針や個人情報保護方針等を策定した上で、情報資産を厳重に管理する等、情報保護については万全の注意を払っていますが、今後も社内体制や管理方法の強化、整備を行っていきます。 ③技術力の強化 アナログ情報を正確にデータ化する技術は、当社グループの競争力の源泉であり、さまざまなサービスの成長を支える共通基盤でもあることから、継続的な改善、強化が重要であると考えています。これまで独自で開発したさまざまな技術やAIと、人の力を組み合わせることで高品質のデータ化を実現してきましたが、現在では独自に開発した生成AIを組み合わせることで、さらなる効率化に取り組んでいます。今後も、国内外における優秀な技術者の採用や先端技術への投資、モニタリング等を通じて、技術力のさらなる向上に取り組みます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等に関する説明 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次の通りです。 ①経営成績の分析当連結会計年度の経営成績は以下の通りです。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前連結会計年度比 売上高33,87843,202+27.5%売上総利益28,81437,410+29.8%調整後営業利益1,7093,555+108.0%経常利益1,2242,743+124.1%親会社株主に帰属する当期純利益953424△55.5%  当連結会計年度においては、堅調な受注状況を背景に、さらなる売上高成長の実現に向け、「Sansan」及び「Bill One」の営業体制の強化等に取り組みました。また、Eight事業においては、収益性に焦点を当てた事業方針の下、さらなる収益拡大に取り組みました。  以上の結果、当連結会計年度における売上高は前連結会計年度比27.5%増、売上総利益は前連結会計年度比29.8%増(売上総利益率は86.6%)となり、堅調な実績となりました。また、売上高の伸長や売上総利益率の改善に加え、採用人数が前連結会計年度比で減少したことによる売上高人件費比率の低下等により、調整後営業利益は前連結会計年度比108.0%増、経常利益は前連結会計年度比124.1%増となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、2025年5月22日に公表した「Unipos株式会社に係る優先株式の追加取得及び資本業務提携の解消並びに投資有価証券の譲渡に伴う損失(特別損失)の計上に関するお知らせ」に記載の通り、株式売却契約損失引当金繰入額2,301百万円を特別損失に計上したことにより、前連結会計年度比55.5%減となりました。 セグメント別の業績は以下の通りです。なお、当連結会計年度より、これまで各セグメントに配賦していなかった全社費用を一定の方針に基づき配賦しており、前連結会計年度の実績にも遡及して反映しています。 (ⅰ)Sansan/Bill One事業当報告セグメントには、営業DXサービス「Sansan」や経理DXサービス「Bill One」等のサービスが属しています。当連結会計年度におけるSansan/Bill One事業の成績は以下の通りです。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前連結会計年度比 売上高(注1)29,94837,785+26.2%「Sansan」22,88926,766+16.9%「Sansan」ストック21,50925,136+16.9%「Sansan」その他1,3791,629+18.1%「Bill One」6,1689,790+58.7%その他8891,229+38.1%調整後営業利益2,2513,581+59.1% 「Sansan」  契約件数9,693件10,701件+10.4% 契約当たり月次ストック売上高197千円210千円+6.6% 直近12か月平均月次解約率(注2)0.42%0.49%+0.07pt「Bill One」  MRR(注3)640913+42.7% 有料契約件数2,816件3,932件+39.6% 有料契約当たり月次ストック売上高227千円232千円+2.2% 直近12か月平均月次解約率(注2)0.33%0.33%-  (注)1. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値 2. 各サービスの既存契約のMRRに占める、解約に伴い減少したMRRの割合 3. Monthly Recurring Revenue(月次固定収入) a.「Sansan」 主に人材育成による営業体制の強化に取り組んだこと等により、契約件数は前連結会計年度比10.4%増、契約当たり月次ストック売上高は前連結会計年度比6.6%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.49%(前連結会計年度比0.07ポイント増)となり、1%未満の低水準を維持しました。 この結果、「Sansan」売上高は前連結会計年度比16.9%増、うち、固定収入であるストック売上高は前連結会計年度比16.9%増、その他売上高は前連結会計年度比18.1%増となりました。 b.「Bill One」 人材の採用や育成を中心とした営業体制の強化に取り組んだ結果、有料契約件数は前連結会計年度比39.6%増、有料契約当たり月次ストック売上高は前連結会計年度比2.2%増となりました。また、直近12か月平均月次解約率は0.33%(前連結会計年度と同水準)となり、1%未満の低水準を維持しました。そのほか、2024年6月から「Bill Oneビジネスカード」を活用した「Bill One経費」のサービス提供を開始し、さらに同年9月からは請求書発行から入金消込までを一気通貫で完結可能な「Bill One債権管理」のサービス提供を開始しました。 この結果、「Bill One」の2025年5月におけるARR(注4)は10,962百万円となり、売上高は前連結会計年度比58.7%増となりました。 (注)4. Annual Recurring Revenue(年間固定収入) c. その他 AI契約データベース「Contract One」の売上拡大に向け、既存サービスで培った強みや知見、ノウハウ等を活かして、営業体制の強化や機能拡充等に取り組みました。また、連結子会社であるナインアウト株式会社において、「Ask One」の販売強化等に取り組みました。 この結果、その他売上高は前連結会計年度比38.1%増となりました。 以上の結果、Sansan/Bill One事業の売上高は前連結会計年度比26.2%増、調整後営業利益は前連結会計年度比59.1%増となりました。 (ⅱ)Eight事業当報告セグメントには、名刺アプリ「Eight」やイベント書き起こしサービス「logmi」シリーズが属しています。当連結会計年度におけるEight事業の成績は以下の通りです。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前連結会計年度比 売上高(注5)3,5485,051+42.4%BtoCサービス347402+15.8%BtoBサービス3,2004,649+45.3%調整後営業利益△46263- 「Eight」 「Eight」ユーザー数(注6)372万人409万人+36万人「Eight Team」契約件数4,608件5,451件+18.3% (注)5. 外部顧客への売上高及びセグメント間の内部売上高または振替高の合計値   6. アプリをダウンロード後、自身の名刺をプロフィールに登録した認証ユーザー数 a. BtoCサービス デジタル名刺交換等の機能拡充を行った結果、「Eight」ユーザー数は前連結会計年度比36万人増の409万人となり、BtoCサービス売上高は前連結会計年度比15.8%増となりました。 b. BtoBサービス 各サービスのマネタイズ強化に継続して取り組んだ結果、BtoBサービス売上高は前連結会計年度比45.3%増となりました。また、名刺管理サービス「Eight Team」においては、契約件数が順調に増加し、前連結会計年度比18.3%増となりました。 なお、2024年6月に連結子会社化し、同年9月に連結子会社ログミー株式会社が吸収合併した、かえでIRアドバイザリー株式会社の業績が期首より寄与しています。  以上の結果、Eight事業の売上高は前連結会計年度比42.4%増となりました。調整後営業利益は、売上高の増加に加え、収益性を重視した事業運営に注力した結果、63百万円(前連結会計年度は462百万円の損失)となり、黒字化を実現しました。 ②財政状態の分析 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前連結会計年度末比 資産合計37,59247,984+10,392負債合計22,81931,943+9,123純資産合計14,77216,040+1,268負債純資産合計37,59247,984+10,392 (資産) 当連結会計年度末における総資産は47,984百万円となり、前連結会計年度末に比べ、10,392百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加6,298百万円、建物及び構築物の増加1,681百万円、その他(流動資産)の増加1,026百万円、繰延税金資産の増加1,013百万円、前払費用の増加192百万円及び売掛金の増加179百万円、敷金の減少465百万円によるものです。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は31,943百万円となり、前連結会計年度末に比べ、9,123百万円増加しました。これは主に、顧客企業から契約期間分の料金を一括で受領すること等による前受金の増加3,808百万円、株式売却契約損失引当金の増加2,301百万円、未払金の増加1,007百万円、未払法人税等の増加785百万円、賞与引当金の増加169百万円、長期借入金の減少915百万円によるものです。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産額は16,040百万円となり、前連結会計年度末に比べ、1,268百万円増加しました。これは主に、新株予約権の行使による資本金、資本剰余金の増加がそれぞれ429百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加424百万円及び新株予約権の計上による335百万円、自己株式の増加299百万円によるものです。 ③キャッシュ・フローの分析 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前連結会計年度比 営業活動によるキャッシュ・フロー5,4839,651+4,168投資活動によるキャッシュ・フロー△3,180△2,550-財務活動によるキャッシュ・フロー1,431△654-現金及び現金同等物の期末残高24,72931,172+6,443 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は31,172百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,443百万円増加(前連結会計年度末比26.1%増)しました。当該増加には資金に係る為替変動による影響△3百万円が含まれています。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は9,651百万円(前連結会計年度は5,483百万円の収入)となりました。主な資金増加要因は、前受金の増加額3,808百万円、株式売却契約損失引当金の増加額2,301百万円、その他の負債の増加額1,509百万円、未払金の増加額969百万円、仕入債務の増加額177百万円、賞与引当金の増加額173百万円、非現金支出となる減価償却費の計上940百万円、株式報酬費用の計上573百万円、投資有価証券評価損の計上126百万円であり、主な資金減少要因は、投資有価証券売却益418百万円、その他の資産の増加額343百万円、前払費用の増加額179百万円及び法人税等の支払額324百万円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は2,550百万円(前連結会計年度は3,180百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,231百万円、無形固定資産の取得による支出470百万円、投資有価証券の取得による支出400百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出230百万円等の支出、投資有価証券の売却による収入668百万円及び敷金の回収による収入783百万円等の収入によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は654百万円(前連結会計年度は1,431百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出907百万円及び自己株式の取得による支出299百万円等の支出、株式の発行による収入642百万円等の収入によるものです。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは、提供するサービスについて生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしていません。 b.受注実績 当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しています。 c.販売実績 当連結会計年度の外部顧客への販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りです。セグメントの名称前連結会計年度(自 2023年6月 1日至 2024年5月31日)当連結会計年度(自 2024年6月 1日至 2025年5月31日)前連結会計年度比Sansan/Bill One事業(百万円)29,93837,773126.2%Eight事業(百万円)3,5425,039142.2%その他(百万円)39738998.1%合計(百万円)33,87843,202127.5%(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しています。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。①重要な会計方針及び見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成に当たって、重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しています。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りです。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等に関する説明」に含めて記載しています。 ③資本の財源及び資金の流動性当社グループは、認知度の向上及びユーザー数の拡大をすべく、積極的に広告宣伝活動を実施しました。今後も広告宣伝投資を継続して実施する方針です。当社グループの資金需要の一定割合は広告宣伝投資であり、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としています。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。 ④経営成績に重要な影響を与える要因について 経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑤経営者の問題意識と今後の方針に関して経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

事業リスク

  • 情報セキュリティリスク
    顧客の個人情報や企業の重要情報を扱うため、外部からの不正アクセスや内部での情報漏洩、消失、改ざんのリスクがあります。これが顕在化すると、企業の信用失墜や損害賠償につながる可能性があります。発生頻度は「低」、利益影響度は「小」と評価されています。
  • 技術革新への対応遅延
    クラウドサービスやDXの分野は技術革新が速く、新たな技術やサービスへの対応が遅れると、競争力を失う可能性があります。また、予想外の開発費用が発生するリスクも存在します。発生頻度は「中」、利益影響度は「中」と評価されています。
  • 競合激化と新規参入
    既存の競合他社に加え、画期的なコンセプトを持つ新規参入企業との競争が激化するリスクがあります。これにより、市場シェアの低下や価格競争に巻き込まれる可能性があり、収益に影響を及ぼす可能性があります。発生頻度は「高」、利益影響度は「中」と評価されています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,470 文字
3【事業等のリスク】 当社グループの経営・事業上のリスクには、名刺や請求書等の企業の重要情報を扱うサービスを提供しているため、個人情報の取り扱いやシステムの整備等、情報セキュリティに関するものが挙げられます。また、インターネットの利用環境や技術革新、ユーザーの行動変容といった不確実性の高いリスクも存在しています。これらのリスクに対して、管理体制や対応策の整備に努めており、急速な事業成長を支える経営基盤の強化に取り組んでいます。 (1)リスク管理当社グループでは、経営に重大な影響を及ぼす可能性があるリスクに対して、その発生可能性を認識した上で、リスク管理体制やリスク対応の手法について整備しています。また、当社グループの事業を取り巻く環境の変化を踏まえ、リスクの発生回避及び発生した場合の対応を実施しています。 ①リスクの把握・分析のプロセス当社グループでは、内部監査規程に則って内部監査計画を策定し、内部監査プロセスにおいて全ての部署が定期的にリスクの見直しを行っており、年度毎に抽出されたリスクの評価と対応計画を取りまとめたリスク分析表を作成しています。各部署が作成したリスク分析表は、内部監査部門が集計した上で、取締役会に報告しており、全社のリスクに対し、迅速かつ全方位的に対処可能な体制となっています。 ②インシデントガイドライン当社グループでは、災害や事故、不正アクセス、脆弱性の問題等のサービス提供に係るインシデントが発生した場合に備え、各部署においてインシデントに対する体制・指揮命令系統や判断基準、対応手順に関するガイドラインを定めています。具体的には、インシデントの種別を機密性・完全性・可用性という3つの観点で種別し、それぞれの対応について優先度を設定した上で、各部署におけるインシデントの判断・対応の意思決定者を定めています。 (2)主なリスク当社グループの事業及び財務・経理の状況等に影響を及ぼす事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について、以下の通り記載しています。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、当社グループの株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。各リスクの発生頻度及び利益影響度については、内部監査室が各部署から収集、集約したリスク分析情報を基に、全社的な評価を行っています。発生頻度は、5段階(1:極めて低い、5:極めて高い)で評価しており、利益影響度は当該リスクが顕在化した場合に当社に与える影響金額を想定し、年間10億円未満の場合を小、10億円以上30億円未満の場合を中、30億円以上の場合を大として表示しています。 種別項目リスク内容発生頻度利益影響度対応情報セキュリティリスク(1)個人情報の取り扱いについて ・外部からの悪意による不正アクセス行為及び内部の故意または過失による顧客情報の漏洩、消失、改ざんまたは不正利用2小・個人情報保護マネジメントシステムの構築、運用・プライバシーマーク付与の認定・ISO/IEC 27001、ISO/IEC 27017、ISO/IEC 27701の認証取得・ISMAP-LIUクラウドサービスリストの登録・全役職員への個人情報保護士資格の取得義務付け・国内外の新たな法的規制等に関する情報収集及び必要な対策の実施・法令遵守の徹底及び業務委託先の安全管理 (2)設備及びネットワークの安定性について・火災、地震等の自然災害や外的破損、人的ミスによるシステム障害、その他予期せぬ事象による当社グループの設備及びネットワーク利用への支障発生2小・複数のサーバーによる負荷の分散や定期的なバックアップ・リアルタイムのアクセスログチェック機能やソフトウエア障害を即時に通知する仕組みの整備・障害発生時を想定した復旧訓練サービスリスク(3)サービス等の不具合について・当社グループのアプリケーション、ソフトウエアやシステムにおける各種不具合の発生・当社グループ事業の運用に支障をきたす致命的な不具合の発見・障害発生時の対応遅延や既存顧客へのフォロー不足2小・信頼度の高い開発体制の構築、維持・サービスのインシデントガイドラインの策定と実施・対応体制の整備外部環境リスク(4)インターネットの利用環境について・インターネットの利用に関する新たな規制の導入や弊害の発生2小・インターネットに関する法的規制等の情報収集及び課題抽出と解決策の実行(5)クラウド事業について・クラウドサービス自体の大幅な需要低迷2小・新たな提供価値の創造・新技術の積極的な投入・特許取得等による知的財産権の保護・M&Aや資本業務提携の推進(6)技術革新への対応について・技術革新等への対応遅延・予想外の開発費等の発生3中(7)競合について・既存事業者や新たな参入事業者との競争激化・画期的なコンセプトの他社サービス出現による競争激化4中(8)自然災害について・地震や台風等の大規模自然災害による事業の遅延や停止1小・BCPマニュアルの策定投資リスク (9)広告宣伝活動やプロダクト開発等の先行投資について・広告宣伝活動の方針や計画変更による大幅な支出増加・サービスの撤退に伴う損失の発生2小・広告宣伝活動の費用対効果のモニタリング・プロダクト開発におけるモニタリング(10)企業買収や投資有価証券の取得等の投資について・買収や出資後における事業計画の遅延・投資有価証券の減損損失の発生3中・対象企業に対する十分なデューデリジェンスの実施・対象企業に対するモニタリングやフォローアップの徹底(11)システムインフラ等への投資について・サービスの安定運用のための、予期せぬハードウエアやソフトウエアへの追加投資2小・外部からのアクセスに関するモニタリングの徹底・事業拡大に応じた適切なシステムインフラ投資の設計人的リスク(12)経営管理体制の確立について・事業規模に応じた体制や内部管理体制構築の遅延・外部委託先のモニタリングや体制不十分による納期遅延2小・業容や従業員の増加に合わせた内部管理体制整備の徹底・外部委託先との情報管理体制の構築(13)人材の育成及び確保について・優秀な人材の不足・営業人材の確保遅延や流出・ハラスメントや多様性への配慮不十分による生産性低下及び流出2小・優秀な人材の採用・社内育成等による体制強化・労働環境の整備(14)特定の人物への依存について・代表取締役である寺田親弘の業務継続が困難となる何らかの事象の発生1小・同氏に過度に依存しない体制の整備・役員間の相互情報共有や経営組織の強化法的リスク(15)法令について・国内外における新たなプライバシー関連法規の制定、インターネット関連事業者を規制する法律及び事業環境の拡大に伴い関連する法律等による影響2小・法的規制等の情報収集及び課題抽出と解決策の実行(16)知的財産権の侵害等について・第三者からの特許権侵害や商標権侵害を理由とする損害賠償請求や差止請求・第三者による当社グループが保有している知的財産権への侵害1小・特許事務所を通じた特許権侵害調査の実施・特許等の出願、登録・法的措置の実施海外リスク(17)海外展開について・対応が困難な海外特有のリスク発生・海外事業の収益化の遅延2小・事業展開地域の情報収集及び課題抽出と解決策の実行・適切な事業計画の策定財務リスク (18)信用について・信用低下による資金調達の制限・クレジットカードサービスの急拡大に伴う決済性資金確保の難易度上昇2小・資本市場との継続的な対話と情報開示による信用維持・資金調達手段の多様化・回収不能リスクに備えた財務基盤の整備その他(19)インセンティブの付与について・発行するストックオプションの行使による既存株主の株式価値の希薄化(注)1小・市場環境や既存株主への影響等を十分に考慮したストックオプションの設計(注)2025年7月31日現在におけるストックオプション(同日までに発行決議したものを含む)による潜在株式数は3,411,244株であり、発行済株式総数の2.7%に相当します。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が Sansan の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →