事業の概要
- 組込みソフトウェア開発イーソルグループは、自動車や家電、産業機器などに組み込まれるソフトウェアの開発を主力としています。OS(基本ソフト)からアプリケーションまで、一貫した「フルスタックエンジニアリング」を提供し、顧客の製品開発を支援することで収益を得ています。特にリアルタイムOSの開発・販売や、開発支援ツールの提供が強みです。
- リアルタイムOSとロイヤリティ自社開発のリアルタイムOSは、組込み機器の根幹をなす重要なソフトウェアです。顧客はシステム開発時に開発ライセンスを支払い、製品を量産する際にはその数に応じてロイヤリティを支払います。これにより、製品が売れ続ける限り継続的な収益が見込めるビジネスモデルです。
- エンジニアリングサービス顧客の製品企画から量産まで、組込みソフトウェアの開発に関する様々な技術支援(エンジニアリングサービス)を提供しています。これはプロジェクトごとに役務提供する形で、グループ全体の売上の中でも最も高い割合を占めています。長期間にわたる顧客との直接取引が多く、安定した収益基盤となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 組込みソフトウェア事業この事業はイーソルグループの主力であり、売上高115.25964億円、営業利益8.0864億円と、グループの収益の大部分を占めています。自動車、デジタル家電、産業機器、医療機器メーカーなど国内外の幅広い顧客に対し、OSからアプリケーションまで一貫したソフトウェア開発と関連サービスを提供しています。
- センシングソリューション事業この事業は売上高6.03858億円、営業利益0.06471億円と、組込みソフトウェア事業に比べて規模は小さいです。物流関連ビジネスとして車載プリンタなどのニッチ市場向けハードウェア開発・販売を行ってきましたが、今後はIoTを活用したセンサネットワーク関連ビジネスへの再編を進めています。自動販売機ベンダーや地方自治体などが主な顧客です。
- 事業再編と成長性センシングソリューション事業では、成長が見込みにくい物流関連ビジネスから、センサネットワーク関連ビジネスへと事業の軸足を移しています。IoT市場の成長を背景に、新たな収益源の確立を目指していますが、競争激化や事業再編の進捗によっては、将来の安定性が不透明な状況です。
2025-12 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| EmbeddedSoftwareBusiness | 地域 | 115 | 8 | 7.0% |
| SensingSolutionBusiness | 地域 | 6 | 0 | 1.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、当社(イーソル株式会社)、連結子会社(イーソルトリニティ株式会社、eSOL Europe S.A.S.、株式会社KMCホールディングス及びその子会社2社)から構成されており、組込みソフトウェア事業を主体に2つの事業セグメントを展開しております。なお、次の2事業は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一であります。(1)組込みソフトウェア事業当社グループは、1975年の設立以来、組込みソフトウェア事業を主要な事業基盤としております。組込みソフトウェア事業は、国内外の顧客(自動車関連メーカー、デジタル家電メーカー、産業機器メーカー、医療機器メーカー他)に対して、ソフトウェアシステムの基盤層であるOS(オペレーティング・システム)から、ミドルウェア、プラットフォーム、アプリケーションそしてツールとプロセスまでの全ての階層を統合してエンジニアリングを行う「フルスタックエンジニアリング」を提供しております。 当社と連結子会社eSOL Europe S.A.S.が、フルスタックエンジニアリングの中で「リアルタイムOSの開発・販売」、「組込みソフトウェアエンジニアリングサービス」を、連結子会社イーソルトリニティ株式会社が「組込みソフトウェア開発支援のためのツールの販売」、「組込みソフトウェア開発支援にかかわるコンサルティング」、「組込みソフトウェア開発エンジニアの教育」を、株式会社KMCホールディングスを持株会社とする京都マイクロコンピュータ株式会社が、開発環境を中心としたソフトウェア及びハードウェアの開発及び販売を実施しております。これら当社グループの提供するソリューションは、今後、実現していくサイバー空間とフィジカル空間(実世界)が一体化するサイバーフィジカル社会(注)において、フィジカル側の基盤技術であり、下図のイメージのように、個別の応用市場に特化しない産業横断的な技術要素からなる組込みソフトウェア市場において、様々な顧客を対象としております。なお、当社グループはソフトウェアエンジニアリング会社への開発委託や派遣の受入れ、開発ツールメーカー等からのソフトウェア商品の仕入れを行っております。 (注)総務省 データ主導型の「超スマート社会」への移行https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd141100.html ●組込みソフトウェアとはPCやタブレット等、汎用用途向けに多種多様な機能を果たすことを目的とした機器ではなく、特定用途向けに特化、限定した機能を果たすことを目的とした機器を組込み機器といい、組込み機器上で動作するソフトウェアのことを組込みソフトウェアといいます。一般的に、組込み機器は、リアルタイムで、かつ、長時間の動作が要求され、また、自動車の自動運転等、人命にかかわる部分を担う関係上、信頼性や堅牢性、保守性、セキュリティ等、高い品質が求められます。加えて、ハードウェアの制御を行う部分を含み、ハードウェアとソフトウェア両面の知見が必要なため、技術知見のない企業にとって参入障壁が高くなります。組込みソフトウェアは、全て組込み機器内で動作しますが、効率的に高品質な組込みソフトウェアを開発するためには、開発支援のための各種「ツール」や「コンサルティング」、より高品質な「エンジニアリングサービス」等の支援環境が必要となります。当社グループは、顧客が必要とするこれらの製品やサービスを顧客製品の企画段階から量産開始まで、フルスタックで提供しております。当社グループは、多くの国内の組込みソフトウェア企業の中でも、リアルタイムOSやツール等の自社製ソフトウェアとその開発力を持っており、かつ、エンジニアリングサービスも提供できるユニークな企業グループであります。 ① 組込みソフトウェア製商品イ.リアルタイムOS(オペレーティング・システム)組込み機器向けに特化したオペレーティング・システム(基本ソフトウェア)で、アプリケーションのスケジューリングなどの実行管理機能、コンピュータのメモリの効率的利用を可能にするメモリ管理機能、ネットワーク等の通信機能、ハードディスクやSDカード等のストレージデバイスにデータを書き込むためのファイル機能や各種ハードウェアを制御するデバイスドライバー等を備えています。主体となる自社製のソフトウェア製品と、補完的な位置づけとなる仕入れの発生する他社商品の2種類があります。収益モデルとしては、顧客に対してシステム開発に利用する上での使用許諾を与える開発ライセンスと、組込み機器を量産する上での使用許諾を与えるロイヤリティ、保守活動のための保守ライセンスの3種類が存在します。 ロ.開発支援ツール組込みソフトウェアの設計・開発、不具合の除去、その動作を検証する際に、組込みソフトウェアエンジニアは様々なツール群を利用します。当社グループは自社製、他社製を併せてこれらのツールを販売しております。開発支援ツールは、特に、海外ベンダーに席巻されている分野で、日本のソフトウェア産業を強くするためにも、この技術を発展させていきたいと考えております。開発支援ツールはPCやクラウド上で動作するものなので、ロイヤリティは発生せず、収益モデルは開発ライセンスと保守ライセンスの2種類となります。 ② エンジニアリングサービス等エンジニアリングサービス、エンジニア向けのトレーニング、コンサルティングは全てプロジェクトベースで顧客に提供(役務提供)しております。また、当社グループで最も売上割合が高いのがエンジニアリングサービスです。当社グループのエンジニアリングサービスの特徴としては、メーカーとの直接取引が多いこと、また、顧客との取引期間が非常に長く、長期間継続して取引している企業を多く抱えているということが挙げられます。今後は、製品開発で培ったIP資産(知的財産)を活用し、より付加価値の高いエンジニアリングサービスの提供を推進していきます。[事業系統図]組込みソフトウェア事業の系統図は次のとおりです。 (2)センシングソリューション事業センシングソリューション事業は大きく2つのビジネスから構成され、その全てを当社で行っております。1つ目のビジネスは、組込み技術の応用製品として、ニッチ市場向けのハードウェアを開発・販売する物流関連ビジネスです。こちらは主にハム・食品メーカー、冷食/アイスメーカー・卸小売り、倉庫・運送業、フォークリフトメーカー等を顧客としております。当ビジネスの主たる製商品は、指定伝票発行用車載プリンタ(以下、車載プリンタという。)、常温ハンディターミナル、耐環境ハンディターミナル、フォークリフト専用端末ホルダ及び販売支援用ソフトウェア(業務用端末用開発支援ツール)であり、食肉等の不定貫商品(荷姿ごとによって重量が違う商品)や冷菓等、事前発注されない市場に対してルートセールスマンが使用する複写伝票に印字可能な車載プリンタを中心としたビジネスです。車載プリンタや耐環境ハンディターミナルの開発に関しては、その試作・製造を外部に委託し、当社では製品企画・製造指導と販売のみを行っております。2つ目のビジネスは、今後、大きな成長を見込むことが難しいと考えられる車載プリンタのビジネスに替わるものとしてセンサネットワーク関連ビジネスであります。主に自動販売機ベンダーや地方自治体等に直接または仲介会社を通じて営業活動を行っております。自動販売機や移動販売、防災や減災等、ICT(情報通信技術)が採用されていない市場に対して、当社が培ってきた耐環境技術、センサデータをサーバー上に置いたIoTクラウドシステムを組み合わせることで、効率化、省力化を実現するセンサネットワークシステムを構築するものです。システムがより大規模化、複雑化する際には、組込みソフトウェア事業と協調し、より大きなシナジーを発揮できると考えております。なお、当社グループはハードウェアを販売しておりますが、ファブレスであり、製品の企画設計と販売を行うのみで、製造は全て外部に委託しております。また、ソフトウェアエンジニアリング会社への開発委託や派遣の受入れ、各種センサメーカー等からの商品の仕入れを行っております。 [事業系統図]センシングソリューション事業の系統図は次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 組込みソフトウェアは高い品質が求められ、技術知見が必要なため参入障壁が高い。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 リアルタイム性、信頼性、堅牢性、保守性、セキュリティ等、高い品質とハードウェア・ソフトウェア両面の知見が必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:人材の確保と人件費、外注費の高騰 / 顧客の経営状態に関連するリスク / 自動車関連市場への売上の偏重トレンド
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
イーソルは組み込みソフトウェア開発に強みを持つが、特定の強力なブランドや特許による独占的な地位は限定的。長年の実績とノウハウは無形資産となりうるが、競合との差別化要因としてはまだ弱い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客はイーソルの開発したソフトウェアやプラットフォームに依存する度合いがある程度存在する。特に、長期間の開発プロジェクトや特定のハードウェアに最適化されたソフトウェアの場合、乗り換えには相応の時間とコストが発生する可能性がある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
イーソルの事業モデルは、ユーザー数が増えることでサービスの価値が向上するネットワーク効果を直接的に生み出すものではない。
コスト優位★☆☆☆☆
組み込みソフトウェア開発は高度な専門知識を要し、効率的な開発プロセスや人材育成がコスト競争力に繋がる可能性がある。しかし、構造的に圧倒的なコスト優位を築いているとは言えない。
規模の経済★☆☆☆☆
組み込みソフトウェア市場は多様なプレイヤーが存在し、イーソルが業界規模に対して最適化された少数寡占を形成しているとは言えない。特定のニッチ市場では一定のシェアを持つ可能性はある。
- フルスタックエンジニアリングリアルタイムOSからアプリケーション、開発ツール、コンサルティングまで、組込みソフトウェア開発の全工程を自社グループで提供できる「フルスタックエンジニアリング」が強みです。これにより、顧客は一貫したサポートを受けられ、開発効率と品質向上に貢献します。
- リアルタイムOSと開発力多くの組込みソフトウェア企業の中でも、自社製のリアルタイムOSや開発ツールを持ち、その開発力とエンジニアリングサービスを一体で提供できる点がユニークです。これにより、他社にはない高度な技術とノウハウを顧客に提供し、競争優位性を確立しています。
- 長期的な顧客関係エンジニアリングサービスにおいては、メーカーとの直接取引が多く、顧客との取引期間が非常に長いことが特徴です。これにより、安定した収益基盤を築くとともに、顧客の深いニーズを理解し、継続的なビジネスチャンスに繋げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社は、組込みソフトウェア技術をコアコンピタンスとしてグループを拡大・発展させるため、2011年11月に経営理念としての『eSOL Spirit』を制定しております。 (2)当社グループの現状の認識について当社グループの主たる事業である組込みソフトウェア事業は、「私たちは世界の人々のためのサイバーフィジカル社会を実現するワールドクラスのフルスタックエンジニアリング企業である」をビジョンとして掲げております。今後、実現していくサイバー空間とフィジカル空間(実世界)が一体化するサイバーフィジカル社会において、フィジカル側の基盤技術として、産業横断的に利用される技術です。電子化が急速に進展する自動車業界では、SDV(Software-Defined Vehicle)が、乗用車を中心に注目されていますが、当社グループでは、SDVの「V」を自動車に限らず、広義のビークル(自動車、鉄道などの車両や船舶、航空機、ドローン、ロボットなど動くもの全て)と位置付けています。自動車を引き続き、メインターゲットとしつつ、さらに、広義の各種Vehicleシステムも並行して推進し、当事業の拡大を目指します。一方のセンシングソリューション事業は、ハム・食肉や冷食メーカーや卸小売り等、事前発注を行わない商習慣市場に対して車載プリンタ、また、倉庫業等に対して常温/耐環境ハンディターミナルを提供してまいりました。車載プリンタの実質的な競合他社は認識しておりません。しかしながら、顧客市場の成熟化や流通システムの再編成等により、この市場は、今後の成長を見込むことが難しいと判断しております。今後は、耐環境技術等、既存技術を活かしつつ、組込みソフトウェア事業とのシナジーを見込みながら、自動販売機や移動販売等、コンピュータ化による効率化が見込める分野に各種センサーによるIoTシステムを提案し、当事業を成長させてまいります。 (3)当面の事業上及び財務上の対処すべき課題の内容当社は、中期経営計画「eSOL Reborn 2030 – Strategic Business Plan」(2025年4月30日発表)を策定し、当社のビジョン「私たちは、世界の人々のための持続可能なサイバーフィジカル社会を実現するワールドクラスのフルスタックエンジニアリング企業です。」を実現するための課題認識としてのSWOT分析に基づき、分野ごとに11の戦略を立てて取り組んでおります。① 目標実現のための課題認識(SWOT分析)「顧客視点に立った個の力の統合とリーダーシップ強化」1.SO:OEMのソフトウェアビジネス力+技術力の不足を補い、それらを強化するeSOLのソフトウェア知見2.SO:より効率的なコンピューティング/ソフトウェアの需要拡大に効果的に対応するeSOLのFull Stackソフトウェア技術3.SO:ハードウェアの進化に追従して進化するeSOLのOS技術4.SO:社会のCPS化に対応するeSOLのCPS(組込みシステム)知見5.WO:OEMによる自社開発の増加に伴い変化する顧客ニーズに対応できるシステム/顧客視点の不足6.WT:新興国ベンダによる先進的かつ積極的なビジネス展開が活発化する中での控えめなビジネスアプローチ7.WT:産業横断的なソフトウェアの共通化/プラットフォーム化が進む中、産業分野ごとの縦割りのエンジニアリングサービスビジネス8.WT:日本の人口減少に伴う労働者数の減少により厳しくなる採用環境に対抗できる採用ブランド力9.WT:ソフトウェア技術知見やアーキテクチャ知見が充分でない顧客に対しても先鋭的・科学的な提案力10.WT:グローバル化とローカライズ、統合と特化のバランスを見据えた戦略とグローバル化11.WT:安全・セキュリティ標準等による開発者の負荷増大に対応するeSOLの自動化、システムズエンジニアリング力、コミュニケーション力 (注) S:強み(Strength)、W:弱み(Weakness)、O:機会(Opportunity)、T:脅威(Threat) ② 目標実現のための11の戦略(Core Strategies)分野戦略-Core StrategiesProduct/Service DevelopmentⅠ.Full Stack Engineering(FSE)によるカスタムプラットフォーム開発Ⅱ.Open/Closed原則による「標準」の活用Market AccessⅠ.SDVをターゲットⅡ.ライセンスとサービスビジネスモデルの一体化Ⅲ.eSOLブランドの強化People/OrganizationⅠ.ソフトウェア開発における品質管理(QM)の根幹化Ⅱ.パートナーシップの事業基盤化Ⅲ.人材(HR)の包括的かつ継続的成長を実現するシステム化Ⅳ.トップマネージメントの先鋭化Ⅴ.情報システムへのエンジニアリングアプローチ導入による業務効率向上Ⅵ.攻めの資本政策の実践
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社は、組込みソフトウェア技術をコアコンピタンスとしてグループを拡大・発展させるため、2011年11月に経営理念としての『eSOL Spirit』を制定しております。 (2)当社グループの現状の認識について当社グループの主たる事業である組込みソフトウェア事業は、「私たちは世界の人々のためのサイバーフィジカル社会を実現するワールドクラスのフルスタックエンジニアリング企業である」をビジョンとして掲げております。今後、実現していくサイバー空間とフィジカル空間(実世界)が一体化するサイバーフィジカル社会において、フィジカル側の基盤技術として、産業横断的に利用される技術です。電子化が急速に進展する自動車業界では、SDV(Software-Defined Vehicle)が、乗用車を中心に注目されていますが、当社グループでは、SDVの「V」を自動車に限らず、広義のビークル(自動車、鉄道などの車両や船舶、航空機、ドローン、ロボットなど動くもの全て)と位置付けています。自動車を引き続き、メインターゲットとしつつ、さらに、広義の各種Vehicleシステムも並行して推進し、当事業の拡大を目指します。一方のセンシングソリューション事業は、ハム・食肉や冷食メーカーや卸小売り等、事前発注を行わない商習慣市場に対して車載プリンタ、また、倉庫業等に対して常温/耐環境ハンディターミナルを提供してまいりました。車載プリンタの実質的な競合他社は認識しておりません。しかしながら、顧客市場の成熟化や流通システムの再編成等により、この市場は、今後の成長を見込むことが難しいと判断しております。今後は、耐環境技術等、既存技術を活かしつつ、組込みソフトウェア事業とのシナジーを見込みながら、自動販売機や移動販売等、コンピュータ化による効率化が見込める分野に各種センサーによるIoTシステムを提案し、当事業を成長させてまいります。 (3)当面の事業上及び財務上の対処すべき課題の内容当社は、中期経営計画「eSOL Reborn 2030 – Strategic Business Plan」(2025年4月30日発表)を策定し、当社のビジョン「私たちは、世界の人々のための持続可能なサイバーフィジカル社会を実現するワールドクラスのフルスタックエンジニアリング企業です。」を実現するための課題認識としてのSWOT分析に基づき、分野ごとに11の戦略を立てて取り組んでおります。① 目標実現のための課題認識(SWOT分析)「顧客視点に立った個の力の統合とリーダーシップ強化」1.SO:OEMのソフトウェアビジネス力+技術力の不足を補い、それらを強化するeSOLのソフトウェア知見2.SO:より効率的なコンピューティング/ソフトウェアの需要拡大に効果的に対応するeSOLのFull Stackソフトウェア技術3.SO:ハードウェアの進化に追従して進化するeSOLのOS技術4.SO:社会のCPS化に対応するeSOLのCPS(組込みシステム)知見5.WO:OEMによる自社開発の増加に伴い変化する顧客ニーズに対応できるシステム/顧客視点の不足6.WT:新興国ベンダによる先進的かつ積極的なビジネス展開が活発化する中での控えめなビジネスアプローチ7.WT:産業横断的なソフトウェアの共通化/プラットフォーム化が進む中、産業分野ごとの縦割りのエンジニアリングサービスビジネス8.WT:日本の人口減少に伴う労働者数の減少により厳しくなる採用環境に対抗できる採用ブランド力9.WT:ソフトウェア技術知見やアーキテクチャ知見が充分でない顧客に対しても先鋭的・科学的な提案力10.WT:グローバル化とローカライズ、統合と特化のバランスを見据えた戦略とグローバル化11.WT:安全・セキュリティ標準等による開発者の負荷増大に対応するeSOLの自動化、システムズエンジニアリング力、コミュニケーション力 (注) S:強み(Strength)、W:弱み(Weakness)、O:機会(Opportunity)、T:脅威(Threat) ② 目標実現のための11の戦略(Core Strategies)分野戦略-Core StrategiesProduct/Service DevelopmentⅠ.Full Stack Engineering(FSE)によるカスタムプラットフォーム開発Ⅱ.Open/Closed原則による「標準」の活用Market AccessⅠ.SDVをターゲットⅡ.ライセンスとサービスビジネスモデルの一体化Ⅲ.eSOLブランドの強化People/OrganizationⅠ.ソフトウェア開発における品質管理(QM)の根幹化Ⅱ.パートナーシップの事業基盤化Ⅲ.人材(HR)の包括的かつ継続的成長を実現するシステム化Ⅳ.トップマネージメントの先鋭化Ⅴ.情報システムへのエンジニアリングアプローチ導入による業務効率向上Ⅵ.攻めの資本政策の実践
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況イ.財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における流動資産は6,315百万円となり、前連結会計年度末に比べて585百万円増加いたしました。これは主に売掛金が633百万円増加したことによるものであります。固定資産は1,876百万円となり、前連結会計年度末に比べて618百万円増加いたしました。これは主にのれんが444百万円、技術関連資産が123百万円それぞれ増加したことによるものであります。この結果、総資産は、8,192百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,204百万円増加いたしました。(負債)当連結会計年度末における流動負債は1,943百万円となり、前連結会計年度末に比べて197百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等が74百万円、契約負債が47百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は343百万円となり、前連結会計年度末に比べて89百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が67百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、2,286百万円となり、前連結会計年度末に比べて286百万円増加いたしました。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は5,906百万円となり、前連結会計年度末に比べて917百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が493百万円増加し、自己株式が359百万円減少したことによるものであります。 ロ.経営成績の状況当連結会計年度における、当社グループの組込みソフトウェア事業の主要取引市場である自動車市場では、自動車が単なる移動手段ではなく、社会インフラの一部に変わりつつある中で、次世代のSoftware-Defined Vehicle(ソフトウェア定義型の自動車)の開発が急務であり、同市場は大きな変革期にあります。また、自動車や医療分野を中心に、安全技術への需要が高まっており、機能安全規格の認証取得が求められる傾向にあります。このような環境の中、当社グループは自動車市場をメインターゲットと位置づけ、「フルスタックエンジニアリング」(注)を提供し、機能安全規格の認証取得を進め、さらに、当社製品に対する研究開発への投資を引き続き行ってまいりました。また、センシングソリューション事業がメインターゲットの1つとしている食肉市場並びに倉庫・物流業界に対し、車載プリンタ並びにハンディターミナルの拡販を進めました。この結果、当連結会計年度の業績は、売上高12,129百万円(前年同期比1.9%増)、前連結会計年度における一時的な自動車向けライセンス収入(ソフトウェア製商品)が当連結会計年度には発生しないこと、また、研究開発への投資により、営業利益815百万円(同26.8%減)、経常利益863百万円(同25.7%減)、法人税等の計上などにより、親会社株主に帰属する当期純利益598百万円(同33.0%減)となりました。 (注)ソフトウェアシステムの基盤層であるOSから、ミドルウェア、プラットフォーム、アプリケーション、そしてツールとプロセスまでの全ての階層を統合してエンジニアリングを行うこと 各セグメントの経営成績は次のとおりであります。(組込みソフトウェア事業)当事業は、フルスタックエンジニアリングの提供として、幅広い分野における電子機器向けの自社製ソフトウェア製品リアルタイムOS(オペレーティング・システム)の開発・販売、エンジニアリングサービスを主に行っております。エンジニアリングサービスが大きく伸長したことから、売上高11,525百万円(前年同期比3.4%増)、上記の一時的な自動車向けライセンス収入(ソフトウェア製商品)がないこと、また、研究開発への投資により、セグメント利益808百万円(同11.2%減)となりました。当セグメントの売上高の内訳としては、ソフトウェア製商品は1,652百万円(前年同期比28.3%減)、エンジニアリングサービス等は9,873百万円(同11.7%増)となりました。 (センシングソリューション事業)当事業は、冷菓・冷凍食品市場、食肉市場及び物流市場において、車載プリンタやハンディターミナルの販売、センサネットワーク関連ビジネスを進めましたが、車載プリンタの販売が前期比で減少し、その結果、売上高603百万円(前年同期比0.2%増)及びセグメント利益6百万円(同81.2%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16百万円増加し、3,191百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度末において営業活動の結果、獲得した資金は229百万円(前年同期に獲得した資金は1,100百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益869百万円の資金増加要因が売上債権の増加額589百万円の資金減少要因を上回ったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度末において投資活動の結果、使用した資金は108百万円(前年同期に使用した資金は29百万円)となりました。これは主に敷金及び保証金の差入れによる支出89百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出86百万円の資金減少要因が、定期預金の払戻による収入92百万円の資金増加要因を上回ったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度末において財務活動の結果、使用した資金は111百万円(前年同期に使用した資金は1,287百万円)となりました。これは主に配当金の支払額104百万円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産及び仕入実績当連結会計年度における生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)生産高及び仕入高(千円)前年同期比(%)組込みソフトウェア事業10,773,412102.4センシングソリューション事業448,768124.1合計11,222,180103.1(注)1.金額は販売価格によっております。2.上記の金額には、保守売上高に係る生産及び仕入実績は含まれておりません。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)組込みソフトウェア事業11,006,228105.51,697,651121.7センシングソリューション事業432,97290.548,92168.8合計11,439,200104.81,746,573119.2(注)上記の金額には、保守売上高に係る受注高及び受注残高は含まれておりません。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)販売高(千円)前年同期比(%)組込みソフトウェア事業11,525,964103.5センシングソリューション事業603,858100.2合計12,129,822101.9(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社デンソー2,738,27123.01,815,92515.0ソニー株式会社1,599,63013.41,497,30812.3本田技研工業株式会社652,4725.5943,9467.8 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 イ.財政状態の状況」をご参照下さい。 b.経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ221百万円増加し、12,129百万円(前年同期比1.9%増)となりました。これは主に、組込みソフトウェア事業において、自動車関連市場向けが増加したことによるものであります。なお、セグメント別の売上高につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 ロ.経営成績の状況」をご参照下さい。(売上原価、売上総利益)当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ931百万円増加し、8,432百万円(前年同期比12.4%増)となりました。これは主に、自動車関連市場の売上の増加に伴う外注費等の原価の増加等によるものであります。この結果、当連結会計年度の売上総利益は、3,697百万円(同16.1%減)となりました。(販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ411百万円減少し、2,882百万円(前年同期比12.5%減)となりました。これは主に、研究開発費の減少によるものであります。この結果、当連結会計年度の営業利益は、815百万円(同26.8%減)となりました。(営業外損益、経常利益)当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ5百万円増加し、56百万円(前年同期比10.1%増)となりました。当連結会計年度における営業外費用は、前連結会計年度に比べ6百万円増加し、7百万円(同425.7%増)となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は、863百万円(同25.7%減)となりました。(税金等調整前当期純利益)当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、869百万円(前年同期比24.8%減)となりました。(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における法人税等は、税金等調整前当期純利益が減少したことにより、270百万円(前年同期比3.2%増)となりました。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、598百万円(同33.0%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの資金状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。当社グループの属する組込みソフトウェア業界は、事業の特性から常に新しい技術が創出され技術革新が早い事業環境にあります。このような環境の中で、常に環境の変化に適応した革新的な技術やサービスの提供が求められております。従いまして、研究開発投資について継続的に実施していくことが求められ、かつ、投下した研究開発投資等は比較的短期間のうちに成果に結実しなければならないものと認識しており、必然的に資金の循環は早くなるものと考えております。今後につきましては、引き続き積極的に先行投資的な事業資金を投じていく方針であることから、現状の事業資金は、手元流動性の高い現金及び現金同等物として保持していく方針であります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、該当事項はありません。
事業リスク
- 人材確保とコスト高騰事業の継続と拡大には、技術革新に対応できる優秀な技術者や営業・管理部門の人材確保が不可欠です。しかし、採用難や働き方改革による人件費・外注費の高騰、または人材流出が発生した場合、会社の財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 顧客の経営状態と市場変動主要顧客は自動車、産業機器、医療機器など多岐にわたりますが、大幅な為替変動、グローバルな政策、地政学的要因などにより、これらの産業全体が不振に陥るリスクがあります。特に、数年先の開発案件を受注することが多いため、顧客の投資計画に影響が出る事象が発生した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 品質不良と損害賠償組込みソフトウェアやセンシングソリューション製品において、品質不良が発生した場合、損害賠償責任を負う可能性があります。特に自動車や医療機器向けでは、人命に関わるため甚大な賠償額となるリスクがあり、加入している保険でカバーしきれない場合、会社の財政状態や業績に深刻な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)人材の確保と人件費、外注費の高騰について当社グループの事業継続及び拡大においては、更なる技術革新に対応しうる技術者の確保、また世界マーケットに当社製品を販売していくための営業部門や管理部門等の優秀な人材も充実させる必要があります。当社グループでは、優秀な次世代経営幹部や従業員の採用等を進め、従業員の意識向上と組織の活性化をはかるとともに優秀な人材の定着をはかる方針であります。しかしながら、計画どおりの人材の採用、パートナーの確保が十分できない場合、または現在在籍している人材が流出するような場合、また、近年の採用難や働き方改革を背景にして人件費や外注費の高騰が起こった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (2)顧客の経営状態に関連するリスクについて当社グループの組込みソフトウェア事業の顧客層は、自動車、産業機器、ロボット、医療機器、通信機器等、様々な産業分野に及んでおります。それら顧客企業の個別の経営状態の変動に関しては、多様な産業セクターへの営業活動を行ってその影響をできるだけ小さくするよう努力をしております。しかしながら大幅な為替変動や、グローバルな政策要因、地政学的要因等によって、それらの産業全体が業績に悪影響を被る場合があります。当社グループの組込みソフトウェア事業は、顧客企業の数年先の開発案件に対する受注が多く、数年先に向けた顧客企業の投資計画に影響を与えるほどの事象が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (3)自動車関連市場への売上の偏重トレンドについて電子化が急速に進展する自動車業界では、SDV(Software-Defined Vehicle)への取組みなどにより、同市場は、今後も拡大していくと考えており、当社グループの最重点市場と位置付けていることから、当社グループの自動車関連市場との取引がより一層拡大していくと考えております。当社グループでは、SDVの「V」を自動車に限らず、広義のビークル(自動車、鉄道などの車両や船舶、航空機、ドローン、ロボットなど動くもの全て)と位置付けており、自動車市場を最重点市場としつつ、広義の各種Vehicleシステムも並行して推進し、事業の拡大を目指しておりますが、激しい自動車メーカー間、自動車部品メーカー間の競争の結果、もしくは何らかの要因によって、自動車関連市場全体の成長トレンドが減速、下降していった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (4)品質不良による損害賠償のリスクについて組込みソフトウェア事業の自社製ソフトウェアとエンジニアリングサービス、センシングソリューション事業における車載プリンタやハンディターミナル等による物流関連ビジネスにおいて、品質不良による損害賠償が発生する可能性があります。特に、自動車・医療機器向け機器に対する損害賠償は甚大なものとなる可能性があります。当社グループは品質管理本部のもと、全社的な品質管理に努めており、当社納品先でも厳密なテストを実施しておりますが、万が一、当社グループの責による品質不良から損害賠償が発生し、当社の加入している業務過誤賠償責任保険(IT保険)及び生産物賠償責任保険(PL保険)では損害賠償額を十分にカバーできなかった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (5)その他訴訟等による賠償責任に関するリスクについて当社グループが属する情報・通信の業界においては技術革新のスピードが速く、他社から知的財産権の侵害についての申し立てを受ける可能性は否定できません。また、当社グループが保有している個人情報や組込みソフトウェア開発に関する仕様等の情報が社外に流出するリスクが存在します。また、安全衛生等の労務上の問題により訴訟が発生する可能性があります。当社グループは、情報セキュリティ委員会を設置し、各種情報の管理体制を強化すると同時に、eラーニングによる従業員への教育等を行っております。また、労働安全や労働災害に関しても従業員のワークライフバランスを重視した経営を行っております。しかしながら、何らかの事由によって訴訟となる事案が発生し、当社が賠償を求められた場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (6)不採算プロジェクトの発生について当社グループの組込みソフトウェア事業におけるエンジニアリングサービスやセンシングソリューション事業のプロジェクトで不採算プロジェクトが発生する可能性があります。不採算となる理由は、発注側の責任となるもの、当社側の責任となるものがあります。具体的には組込み機器メーカーの要求仕様変更や、ハードウェアの開発遅れ、開発した組込みソフトウェアの品質不良等があります。当社グループでは、エンジニアリングサービス案件は全てプロジェクトとして個別に品質管理、予算管理、スケジュール管理を実施しております。しかし、それにもかかわらず、発注側の責任によるものであって交渉しても十分な補償が得られない場合、また、当社グループのプロジェクト管理が十分でない場合、不採算プロジェクトが発生し、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (7)技術革新への対応に関するリスクについて当社グループの組込みソフトウェア事業とセンシングソリューション事業のいずれも開発投資が発生します。コンピュータ技術の進歩は著しく、最新技術への対応の遅れは、ソフトウェア製品の陳腐化につながります。このため新規に開発したソフトウェア製品であっても、その直後からリビジョンアップ(機能維持)作業が必要となります。当社グループは、研究開発費用とリビジョンアップ費用の合計で売上高比10%程度を開発投資の基準としておりますが、近年、増加傾向にあります。当社グループの収益が投資額に見合うだけの利益を上げられない場合、あるいは当社の開発体制が技術革新のスピードに追い付けなかった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (8)センシングソリューション事業について当該事業の物流関連ビジネスは、今後の成長を見込むことが難しいと考えられるため新たにセンサネットワーク関連ビジネスを主力とするよう事業の再編を行っております。IoTの成長が社会的にも想定されている一方で、様々な企業も参入し競争の激化が予想されます。センシングソリューション事業でも様々な引き合いを多くいただいてはおりますが、現時点では、リサーチ段階での販売にとどまっており、将来を安定化できるかは不透明な状況であります。将来的に、事業再編が想定どおりに進展しない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (9)eSOL Europe S.A.S.について当社は、2018年3月にフランスに連結子会社 eSOL Europe S.A.S.を設立いたしました。当面はコストセンターとの位置づけではありますが、将来的に海外売上高の拡大に貢献しない等、子会社運営が想定どおりいかない場合、投資に見合うだけの収益が得られなくなり、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (10)法令違反、法的規制に関するリスクについて当社グループの事業において、税制や商取引、労働問題、知的財産権等、様々な法的規制を受けております。当社グループはコンプライアンス重視のもと、これら法規制やルールを遵守した経営を行っておりますが、万が一これら法規制、ルールを遵守できなかった場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響をおよぼす可能性があります。 (11)自然災害や大規模な感染症等の発生に関する事項について自然災害や大規模な感染症等の発生により、当社グループの事業拠点、従業員等に大きな被害や感染が生じた場合、または通信、交通機関等の社会インフラに棄損が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。