4406

新日本理化(4406)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 天然油脂製品事業
    新日本理化グループは、天然油脂を主原料とした脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤などを製造・販売しています。これらの製品は、洗剤や化粧品、医薬品など、私たちの身近な製品の原料として幅広く使われています。自社工場だけでなく、関連会社での製造や市場からの仕入れも行い、多様な製品供給体制を構築しています。
  • 石油化学製品事業
    可塑剤、機能製品、樹脂添加剤といった石油化学製品も手掛けています。これらはプラスチック製品の柔軟性を高めたり、特定の機能を持たせたり、劣化を防いだりするために使われる重要な材料です。天然油脂製品と同様に、自社製造と市場からの仕入れを組み合わせ、顧客のニーズに応えています。
  • 多角的な供給体制
    当社グループは、自社工場(新日本理化、日新理化、日東化成工業)での製造に加え、関連会社(Edenor Oleochemicals Rika (M) Sdn.Bhd.など)からの仕入れ、さらには市場からの調達も活用しています。これにより、安定した製品供給と多様な顧客要求への対応を可能にし、事業の安定性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 化学製品事業
    新日本理化グループの主要事業であり、天然油脂由来の製品(脂肪酸、高級アルコール、界面活性剤など)と石油化学由来の製品(可塑剤、機能製品、樹脂添加剤など)の製造・販売を行っています。このセグメントはグループ全体の売上高の大部分を占める基幹事業です。
  • 売上規模と収益性
    最新年度の化学製品事業の売上高は251億3,600万円ですが、営業利益はマイナス4億1,700万円と赤字を計上しています。これは、原材料価格の高騰や物流コストの増加など、外部環境の変化が収益に大きく影響している可能性を示唆しています。
  • 事業の多角性と課題
    天然油脂と石油化学の両方を扱うことで、幅広い産業分野に製品を提供していますが、現状では収益性に課題を抱えています。原材料価格の変動や物流費用の増加といったリスク要因への対応が、今後の収益改善の鍵となります。
FY2017 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ChemicalProducts 事業 251 -4 -1.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|384 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社6社及び関連会社4社で構成されており、その主な事業内容と当該事業における当社、子会社及び関連会社の位置づけは次のとおりであります。 天然油脂を主たる原料とする主な製品は脂肪酸、高級アルコール、不飽和アルコール、界面活性剤等であり、当社及び子会社である日新理化㈱、日東化成工業㈱で製造し、当社が販売するほか、関連会社であるEdenor Oleochemicals Rika (M) Sdn.Bhd.等で製造し、その一部を当社が仕入れて販売しております。また、一部は市場より仕入れて当社が販売しております。 石油化学製品を主たる原料とする主な製品は可塑剤、機能製品、樹脂添加剤等であり、当社及び子会社である日新理化㈱で製造し、当社が販売するほか、一部は市場より仕入れて販売しております。  事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原材料価格変動に対し、製品販売価格への転嫁等の対策をとっているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
Only Oneの技術・製品の開発、有機EL用材料向けの特殊酸二無水物など特殊な製品を開発。
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:原材料の価格変動 / 原材料の調達 / 為替相場の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

新日本理化は特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性を示唆する情報は公開情報からは確認できない。事業内容は油脂化学製品や機能性化学品が中心であり、これらは一般的に模倣が比較的容易な分野である。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

一部の特殊化学品や顧客仕様に合わせた製品開発においては、顧客との関係性が深く、仕様変更に伴うコストやリスクから乗り換えが抑制される可能性はわずかに存在する。しかし、汎用的な油脂化学製品においてはスイッチングコストは低いと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

新日本理化の事業モデルは、製品の利用者が増えることでその価値が増大するようなネットワーク効果を生み出す構造にはない。化学製品のサプライヤーとしてのビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスとは根本的に異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた製造ノウハウや、一部原料の調達における交渉力により、同業他社と比較してわずかなコスト優位性を持つ可能性はある。しかし、規模の経済や技術革新による圧倒的なコストリーダーシップは示されていない。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

油脂化学や機能性化学品分野において、一定の事業規模を有しているが、業界全体を寡占するほどの圧倒的なシェアや規模の経済による優位性は限定的である。グローバルな大手化学メーカーと比較すると規模は小さい。

  • 天然油脂の専門性
    長年にわたり天然油脂を主原料とした製品開発・製造を行っており、この分野における深い知見と技術力が強みです。脂肪酸や高級アルコールといった基礎化学品から、界面活性剤などの高機能製品まで、幅広い製品ラインナップを有し、多様な産業分野のニーズに対応できる点が競争優位に繋がっています。
  • 製造・販売の一貫体制
    自社および子会社で製品を製造し、当社が販売までを一貫して行う体制を構築しています。これにより、製品の品質管理を徹底しやすく、顧客への安定供給を実現しています。また、関連会社や市場からの仕入れも活用することで、供給リスクを分散し、柔軟な生産・販売戦略を可能にしています。
  • 多岐にわたる製品展開
    天然油脂由来の製品と石油化学由来の製品の両方を手掛けている点が特徴です。これにより、異なる産業分野の顧客にアプローチでき、特定の市場変動リスクを分散する効果も期待できます。可塑剤や機能製品、樹脂添加剤など、幅広い用途に対応する製品群が事業の安定性を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念及び経営ビジョン 経営理念:私たち新日本理化グループは、もの創りを通して広く社会の発展に貢献します。 ビジョン2030(2030年のありたい姿):Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~  当社は、1919年の創業からこれまで、上記経営理念のもと着実に事業を継続してまいりました。そして2030年のありたい姿を示すものとして、ビジョン2030「Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~」を策定しております。 当社が創るものは、社会の様々なシーンを支える、キラリと光る唯一無二の特性をもった素材です。それらの素材は、当社自身が、多様な価値観を活かす、精鋭の集まりであってこそ生み出されるものだと考えております。当社の一人ひとりが、スパイスのようにお互いを引き立て合い、そして人々の心を躍らせるようなスパイスを提供する企業となること、それが2030年に向けて、当社が目指す姿です。 (2)中期経営計画の進捗と対処すべき課題 ビジョン2030の達成に向け、5ヶ年の中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定の上、多方面で取組みを進めております。なお、計画最終年度の経営目標につきましては、2024年6月6日付で目標数値の修正を行っております。 <中期経営計画の基本コンセプト>・環境・社会・人(命)に関わる課題に果敢にチャレンジし、価値創造企業を目指す。・「情報・通信」「モビリティ」「ライフサイエンス」「環境ソリューション」の4領域に経営資源を集中し、成長戦略を実現する。 <中期経営計画の事業戦略骨子>・稼ぐ力の再構築・技術革新による競争優位の獲得・CSRの推進・組織再編と人材育成の強化 <経営目標(連結)>(2024年6月6日付修正数値) 2025年度目標売上高340億円営業利益8億円ROE6.0%以上 なお、2024年度(2025年3月期)の営業利益は8億2千9百万円であり、上記の2025年度目標を前倒しで達成する形となりました。2025年度(2026年3月期)の営業利益は9億円を予想しております。 <事業戦略の進捗(2021年度~2024年度)>これまでの進捗は以下のとおりです。稼ぐ力の再構築・ステアリン酸の生産を終了・製造の内製化/外製化の戦略見直しと生産拠点の最適化(堺工場での可塑剤・酸無水物の生産終了と他工場への生産集約を含む)・ノンコア製品の製造・販売を終了、製品ラインナップの整理・環境価値を訴求できる製品の開発にリソースを集中投下・政策保有株式の縮減による資産効率の向上技術革新による競争優位の獲得・新研究所「京都R&Dセンター」の開設・他社(異業種含む)や大学との技術交流・共同研究開発の積極推進・事業戦略・開発戦略・知財戦略の三位一体化・生産現場主体のDXによる生産性向上とノウハウの確実な承継・社内サプライチェーン(受注‐生産‐検査‐出荷)のデジタル化CSRの推進・CSR委員会の設置、CSR報告書の発行開始・2050年度カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ策定・一部工場にて再生可能エネルギーの調達を開始・バイオマス由来製品の開発とラインナップ強化・CSR調達基本方針の策定及び「ホワイト物流」推進運動への賛同表明組織再編と人材育成の強化・機能別5本部と本部横断2組織(DX推進/CN推進)への再編・多様な人材の採用・登用・チャレンジを促進する人事制度導入(年功要素削減、等級の役割明確化、挑戦の評価)・定期的な1on1による課題共有、エンゲージメントの定点観測 <対処すべき課題(2025年度)>①稼ぐ力の再構築 事業のスクラップ&ビルドによるポートフォリオの組換えを引き続き進めてまいります。不採算製品について生産撤退を含む合理化策を講じる一方、事業基盤を担う可塑剤は業界変動を好機とすべく、SCM(サプライチェーンマネジメント)強化を急ぎ、シェア拡大と収益力向上に繋げてまいります。また、次世代品として位置付ける植物油由来の化粧品素材「RiKANATURA®」や樹脂成形の効率向上に寄与する結晶核剤「RiKACRYSTA®」について、リソースを重点投下し事業開発・育成を進めてまいります。 ②技術革新による競争優位の獲得 2022年4月に立ち上げたDX推進室を軸に、生産現場主体のデジタル化及びデータ活用を推進しております。生産・設備データ活用の取組みについては、実証実験を経て全社展開のフェーズに移行しており、今後は実務への定着を図るとともに効果検証を行ってまいります。 また、従来取り組んでいた知的財産活動については、権利化によるリスク低減にとどまらず、知財活用によるプロフィット化を目指しております。特許解析で得た情報を起点に技術開発や営業活動を行うなど、事業機会の創出に資する知的財産戦略を遂行してまいります。 ③CSRの推進 「もの創りを通して広く社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的成長の両立を目指しております。なかでも2050年度のカーボンニュートラル達成を重要課題と位置付けており、製造プロセス改善による省エネ化や再生可能エネルギー導入に加え、顧客の低・脱炭素化に貢献する製品開発に引き続き注力してまいります。さらに、原材料調達のプロセスにおいても、本年策定したCSR調達基本方針に基づき、取引先とともに持続可能なサプライチェーンの構築を進めてまいります。 ④組織再編と人材育成の強化 「誰もがやりがいを持って働ける組織の実現」と「自ら考え行動する挑戦型人材の育成」を主眼に置いた人事戦略を遂行しております。挑戦を支援するための人事制度改革や働く場所・時間の柔軟化などの環境整備を進めてまいりましたが、今後は、挑戦意欲の向上やキャリア意識の醸成、心理的安全性の確保など、ソフト面に重点を置いた取組みを推進してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営理念及び経営ビジョン 経営理念:私たち新日本理化グループは、もの創りを通して広く社会の発展に貢献します。 ビジョン2030(2030年のありたい姿):Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~  当社は、1919年の創業からこれまで、上記経営理念のもと着実に事業を継続してまいりました。そして2030年のありたい姿を示すものとして、ビジョン2030「Be the best SPICE!~心躍る極上のスパイスになる~」を策定しております。 当社が創るものは、社会の様々なシーンを支える、キラリと光る唯一無二の特性をもった素材です。それらの素材は、当社自身が、多様な価値観を活かす、精鋭の集まりであってこそ生み出されるものだと考えております。当社の一人ひとりが、スパイスのようにお互いを引き立て合い、そして人々の心を躍らせるようなスパイスを提供する企業となること、それが2030年に向けて、当社が目指す姿です。 (2)中期経営計画の進捗と対処すべき課題 ビジョン2030の達成に向け、5ヶ年の中期経営計画(2021年度~2025年度)を策定の上、多方面で取組みを進めております。なお、計画最終年度の経営目標につきましては、2024年6月6日付で目標数値の修正を行っております。 <中期経営計画の基本コンセプト>・環境・社会・人(命)に関わる課題に果敢にチャレンジし、価値創造企業を目指す。・「情報・通信」「モビリティ」「ライフサイエンス」「環境ソリューション」の4領域に経営資源を集中し、成長戦略を実現する。 <中期経営計画の事業戦略骨子>・稼ぐ力の再構築・技術革新による競争優位の獲得・CSRの推進・組織再編と人材育成の強化 <経営目標(連結)>(2024年6月6日付修正数値) 2025年度目標売上高340億円営業利益8億円ROE6.0%以上 なお、2024年度(2025年3月期)の営業利益は8億2千9百万円であり、上記の2025年度目標を前倒しで達成する形となりました。2025年度(2026年3月期)の営業利益は9億円を予想しております。 <事業戦略の進捗(2021年度~2024年度)>これまでの進捗は以下のとおりです。稼ぐ力の再構築・ステアリン酸の生産を終了・製造の内製化/外製化の戦略見直しと生産拠点の最適化(堺工場での可塑剤・酸無水物の生産終了と他工場への生産集約を含む)・ノンコア製品の製造・販売を終了、製品ラインナップの整理・環境価値を訴求できる製品の開発にリソースを集中投下・政策保有株式の縮減による資産効率の向上技術革新による競争優位の獲得・新研究所「京都R&Dセンター」の開設・他社(異業種含む)や大学との技術交流・共同研究開発の積極推進・事業戦略・開発戦略・知財戦略の三位一体化・生産現場主体のDXによる生産性向上とノウハウの確実な承継・社内サプライチェーン(受注‐生産‐検査‐出荷)のデジタル化CSRの推進・CSR委員会の設置、CSR報告書の発行開始・2050年度カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ策定・一部工場にて再生可能エネルギーの調達を開始・バイオマス由来製品の開発とラインナップ強化・CSR調達基本方針の策定及び「ホワイト物流」推進運動への賛同表明組織再編と人材育成の強化・機能別5本部と本部横断2組織(DX推進/CN推進)への再編・多様な人材の採用・登用・チャレンジを促進する人事制度導入(年功要素削減、等級の役割明確化、挑戦の評価)・定期的な1on1による課題共有、エンゲージメントの定点観測 <対処すべき課題(2025年度)>①稼ぐ力の再構築 事業のスクラップ&ビルドによるポートフォリオの組換えを引き続き進めてまいります。不採算製品について生産撤退を含む合理化策を講じる一方、事業基盤を担う可塑剤は業界変動を好機とすべく、SCM(サプライチェーンマネジメント)強化を急ぎ、シェア拡大と収益力向上に繋げてまいります。また、次世代品として位置付ける植物油由来の化粧品素材「RiKANATURA®」や樹脂成形の効率向上に寄与する結晶核剤「RiKACRYSTA®」について、リソースを重点投下し事業開発・育成を進めてまいります。 ②技術革新による競争優位の獲得 2022年4月に立ち上げたDX推進室を軸に、生産現場主体のデジタル化及びデータ活用を推進しております。生産・設備データ活用の取組みについては、実証実験を経て全社展開のフェーズに移行しており、今後は実務への定着を図るとともに効果検証を行ってまいります。 また、従来取り組んでいた知的財産活動については、権利化によるリスク低減にとどまらず、知財活用によるプロフィット化を目指しております。特許解析で得た情報を起点に技術開発や営業活動を行うなど、事業機会の創出に資する知的財産戦略を遂行してまいります。 ③CSRの推進 「もの創りを通して広く社会の発展に貢献する」という経営理念のもと、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的成長の両立を目指しております。なかでも2050年度のカーボンニュートラル達成を重要課題と位置付けており、製造プロセス改善による省エネ化や再生可能エネルギー導入に加え、顧客の低・脱炭素化に貢献する製品開発に引き続き注力してまいります。さらに、原材料調達のプロセスにおいても、本年策定したCSR調達基本方針に基づき、取引先とともに持続可能なサプライチェーンの構築を進めてまいります。 ④組織再編と人材育成の強化 「誰もがやりがいを持って働ける組織の実現」と「自ら考え行動する挑戦型人材の育成」を主眼に置いた人事戦略を遂行しております。挑戦を支援するための人事制度改革や働く場所・時間の柔軟化などの環境整備を進めてまいりましたが、今後は、挑戦意欲の向上やキャリア意識の醸成、心理的安全性の確保など、ソフト面に重点を置いた取組みを推進してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における世界経済は、低調な中国経済に対して、欧州及び米国経済は堅調な個人消費に支えられ、底堅く推移しました。わが国経済は、製造業における人手不足感が高まっているものの、好調な外需と国内設備投資により、緩やかな回復基調を保ちました。しかしながら、緊張が続く世界情勢に加え、米国の相互関税引き上げに起因する貿易摩擦の激化が懸念されるなど、先行きは不透明さを増しています。 当社グループにおいては、主要原材料の一つである油脂相場の高騰や、中国による廉価品の海外輸出拡大に端を発した価格競争激化などが、汎用品の収益を圧迫する状況にあります。一方、高耐候性可塑剤や医薬品原料などの高機能製品は、末端需要の増加から販売数量を伸ばし、全社収益を牽引しました。 このような環境のなか、当社グループは、2024年6月に修正いたしました中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)に基づき、モノづくり力の向上と事業ポートフォリオの組換えに注力してまいりました。当連結会計年度におきましては、生産・設備保全・品質管理体制の見直しによる生産ロス低減や調達ソースの多様化など事業基盤の強化を進めました。また、製品の統廃合を含むラインアップ見直しのほか、需要拡大を見込む環境貢献製品の開発・用途開拓など、事業構造転換に向けた取り組みを推進しました。加えて、拠点集約のため生産を停止しておりました堺工場において、すべての製品の移管が完了したことから、建物・設備の撤去及び処分を決定し、当連結会計年度において資産除去債務を計上いたしました。 この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は、327億3百万円(前期比0.5%減)となり、損益面では、営業利益8億2千9百万円(前期比129.2%増)、経常利益11億9千5百万円(前期比53.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億2千2百万円(前期比136.5%増)となりました。  当連結会計年度における主要製品の概況は次のとおりであります。 トイレタリー向け界面活性剤は、国内観光業の好調から製品需要は堅調に推移し、数量、売上高ともに前年並みとなりました。繊維油剤原料をはじめとする工業向け天然高級アルコールは、原料相場の高騰をうけた価格改定及び新規顧客の開拓により数量、売上高ともに前年を上回りました。日用品雑貨などのポリオレフィン樹脂成形物向け添加剤は、主要輸出先である欧州での需要が好調に推移し、食品・医薬品向け添加剤についても、需要が堅調であったことから数量、売上高ともに前年を上回りました。 主に床材や壁紙、電線被覆材などの建築部材に使用される汎用可塑剤は、国内需要の低迷に加え、安価な海外品との競争激化により数量、売上高ともに前年を大きく下回りました。 自動車産業向け製品は、需要の伸び悩みにより、数量、売上高ともに前年を下回りました。 電子材料向け製品については、ユーザー需要が堅調に推移したことから、数量、売上高ともに前年並みとなりました。  当連結会計年度末の総資産は前期末比6.5%減、金額で25億9千5百万円減少の375億1千9百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ9億1千5百万円減少し、27億8千万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、資金は2億2千4百万円減少(前期は35億7千8百万円増加)しました。これは主に、仕入債務の減少28億2千7百万円及び棚卸資産の増加5億4千7百万円と売上債権の減少20億7千2百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、資金は1億7千4百万円減少(前期は6千万円減少)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6億6千5百万円及び投資有価証券の売却による収入5億6千万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、資金は5億1千3百万円減少(前期は25億9千6百万円減少)しました。これは主に、短期借入金の純減9億9千5百万円及び長期借入金の純増5億4千2百万円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の状況1)生産実績 当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。生産量(トン)前年同期比(%)57,28477.5 2)受注状況 当社グループ(当社及び連結子会社)は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。 3)販売実績 当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。販売高(百万円)前年同期比(%)32,70399.5(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自2023年4月1日至2024年3月31日)当連結会計年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)昭和化成工業(株)3,0889.43,42210.5 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度の売上高は、前期比0.5%減、金額で1億6千万円減少の327億3百万円となりました。これは主に、高耐候性可塑剤や医療用原料などの高機能製品が末端需要の増加から販売数量を伸ばしたものの、汎用品は安価な海外品との価格競争激化などにより販売数量が減少したためであります。 営業利益は前期比129.2%増、金額で4億6千7百万円増加の8億2千9百万円となりました。これは主に、生産・設備保全・品質管理体制の見直しによる生産ロス低減によるものであります。 受取配当金、持分法による投資利益等の営業外損益を加えた経常利益は前期比53.2%増、金額で4億1千4百万円増加の11億9千5百万円となり、原状回復費用や法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比136.5%増、金額で3億1百万円増加の5億2千2百万円となりました。 当連結会計年度末の総資産は前期末比6.5%減、金額で25億9千5百万円減少の375億1千9百万円となりました。 流動資産につきましては、現金及び預金、受取手形及び売掛金が減少した影響などにより前期末比11.4%減、金額で22億6千万円減少の175億8千4百万円となりました。固定資産につきましては、投資有価証券の売却などにより前期末比1.7%減、金額で3億3千4百万円減少の199億3千4百万円となりました。 流動負債につきましては、支払手形及び買掛金が減少したことなどにより前期末比29.3%減、金額で37億6千万円減少の90億7千6百万円となりました。固定負債につきましては、資産除去債務が増加したことなどにより前期末比7.3%増、金額で6億4千5百万円増加の94億4千6百万円となりました。 純資産につきましては、利益剰余金が増加したことなどにより前期末比2.8%増、金額で5億1千9百万円増加の189億9千5百万円となりました。 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は47.4%となりました。  当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金及び設備資金を内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入金による資金調達につきましては、運転資金は短期借入金で、設備資金などの長期資金は長期借入金で調達しております。 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は72億9千5百万円となっております。 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は27億8千万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されています。 連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方などにより、連結貸借対照表上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用などに重要な影響を及ぼすことがあります。 なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 原材料価格の変動リスク
    天然油脂原料は気候変動やバイオ燃料需要、石化原料は原油価格や国際情勢に影響され、購入価格が大きく変動する可能性があります。これらの価格変動が製品販売価格に十分に転嫁できない場合、利益が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。製品価格への転嫁や為替予約でリスク低減を図っています。
  • 原材料調達の安定性リスク
    主要原材料の供給元で自然災害、事故、品質不良が発生した場合、製品の安定生産が困難になる可能性があります。これにより、顧客への供給が滞り、売上減少や信頼失墜に繋がる恐れがあります。調達先の多様化を図ることで、特定の供給元への依存度を下げ、安定的な調達を確保するよう努めています。
  • 物流コスト増加と確保難
    人手不足などを背景に物流費用が増加しており、最適な物流手段の確保が困難になるリスクがあります。これは製品の輸送コスト上昇に直結し、利益を圧迫する可能性があります。また、物流の遅延は顧客への供給に影響を与え、事業活動に支障をきたす恐れがあります。国内外の幅広い物流手段を活用し、最適化に努めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,570 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)原材料の価格変動 当社グループの主要原材料である油脂原料及び石化原料の購入価格は、国内外の市況の変動の影響を受けます。植物系油脂原料の購入価格は、気候変動による不作やバイオ燃料需要の拡大により上昇する可能性があります。また、石化原料の購入価格は、原油・ナフサの国際市況の影響を受けます。原油価格は、国際的な需給バランスに加え、中東等の産油国の情勢や先物市場での投機的な要因により変動する可能性があります。これらの原材料価格が大幅に変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、製品販売価格への転嫁等の対策をとっております。 (2)原材料の調達 当社グループが調達する原材料の供給元において、自然災害や事故等による製品供給の停止や遅れ、品質不良が発生した場合、当社製品の安定生産が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、品質・コストを踏まえ調達先の多様化を図るなど安定的な調達に努めております。 (3)為替相場の変動 為替相場の変動により輸入原材料価格が大幅に変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、必要な範囲で為替予約を行うなどの対策をとっております。 (4)物流の確保 当社グループの製品輸送に関し、人手不足等を背景に物流費用の増加が顕著であることから、最適な物流手段の確保が困難となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、国内外の海運及び国内陸送等の幅広い物流手段を活用しており、コスト・時間・品質面での最適化に努めております。 (5)自然災害、事故災害 当社グループの工場において大規模な自然災害や事故災害が発生した場合、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償に加え、近隣地域への損害賠償や社会的信用の失墜に見舞われることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、災害に備えた教育訓練の実施や製造設備の定期保全、損害保険への加入等の対策をとっております。 (6)製品の品質 当社グループの製品に予期しない欠陥が生じる等の重大な品質問題が発生した場合、製品回収や顧客への損害賠償を行うことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、品質マネジメントシステムに基づく品質保証体制の強化のほか、製造物賠償責任保険を付保する等の対策をとっております。 (7)知的財産 当社グループの予期しない事情により第三者との間で知的財産に関する紛争が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、開発した技術を早期に権利化するほか、第三者が保有する知的財産権を十分に調査することにより、第三者の権利を侵害することがないよう努めております。 (8)人材の確保 日本国内の労働者人口の減少や価値観の変化により、優秀な人材の採用及び維持が困難となった場合、人材不足により事業運営に支障をきたすことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 リスク低減のため、採用方法及び雇用形態の多様化や働きやすい環境の整備のほか、デジタル技術を活用した技能伝承を進めるなど人材の確保に努めております。

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