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ブロードバンドセキュリティ(4398)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 情報セキュリティサービス
    企業の情報漏えいを防ぐためのセキュリティサービスを提供しています。具体的には、24時間365日の監視、マルウェア検知によるネットワーク遮断など、多岐にわたる対策で企業を情報漏えいのリスクから守ることを目的としています。主要顧客は大企業や官公庁です。
  • セキュリティ機器販売とライセンス
    情報漏えいIT対策サービスの一環として、顧客にセキュリティ機器を販売しています。これらの機器はメーカーから仕入れています。また、セキュアメールサービスやマルウェア検知サービスでは、海外のセキュリティソフト会社からライセンス供与を受けてサービスを提供しており、これが収益源の一つとなっています。
  • 直販と代理店販売
    営業形態は、自社の営業担当者が直接顧客に販売する「直販」と、パートナー企業を通じて販売する「代理店(パートナー)経由」の二つの方法があります。これにより、幅広い顧客層にアプローチし、サービス提供を拡大しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • セキュリティ監査・コンサルティング
    企業の情報セキュリティ体制を強化するための分析、改善策の提案、社内ルールや情報システムの支援を行います。特にクレジットカード業界の国際基準であるPCI DSSの監査資格を活かし、企業のセキュリティレベル向上を支援するサービスです。
  • 脆弱性診断サービス
    企業のWebサイトに対し、外部からの侵入や改ざんが可能かどうかを擬似攻撃で診断するサービスです。複数の診断メニューを用意し、脆弱性の特定と解決策を提案することで、企業が悪意ある攻撃を受ける前に自社を防御する手助けをします。
  • 情報漏えいIT対策サービス
    企業の情報漏えいを予防、監視、発見、遮断するためのサービス群です。24時間365日のセキュリティ機器運用監視、セキュアメール、次世代型エンドポイントセキュリティ(EDR-MSS)、標的型メール攻撃訓練、SIEM構築運用支援、緊急時のデジタルフォレンジックなど、多角的な対策を提供します。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,423 文字
3【事業の内容】当社は、企業における情報漏えいの予防や防止、セキュリティ機器の24時間365日体制での遠隔監視、マルウェア(※1)検知によるネットワーク遮断等により、情報漏えいリスクから企業を守ることを目的としたセキュリティサービスを主要な事業としております。サービス区分としては、「セキュリティ監査・コンサルティングサービス」、「脆弱性診断サービス」、「情報漏えいIT対策サービス」の3つに分類されます。また営業形態としては、当社営業担当による直販及び代理店(パートナー)経由の二つの形態に分かれ、顧客は大企業を中心とした民間企業や官公庁等になります。なお、情報漏えいIT対策サービスのうちセキュリティ機器マネージドサービスにおいては、顧客に対してセキュリティ機器を販売しており、当該機器をメーカから仕入れております。またセキュアメールサービスやマルウエア検知サービスにおいては、海外のセキュリティソフト会社からライセンスの提供を受けております。脆弱性診断サービスでは、スマートフォン向け脆弱性診断等の一部を外注することがあります。 (1)セキュリティ監査・コンサルティングサービス① セキュリティ監査当社はクレジットカード業界におけるグローバルセキュリティ基準であるPCI DSS(※2)の監査資格(QSA:Qualified Security Assessor)を法人として保有しており、クレジットカードデータを取り扱っている企業に対して、セキュリティ監査を実施しています。また、企業がPCI DSS準拠監査を通過するために、実際の姿とあるべき姿に違いがある場合には、それが何であり(GAP分析)、どう対処するべきかといったコンサルティングサービスを提供しています。 ② コンサルティングサービス現状の情報セキュリティの分析から対策すべきポイントの抽出、社内体制や情報システムの改善施策とその実現まで、お客様のなすべき目標を明確にかかげ、企業の情報セキュリティ強化に向けた体制作りを、社内ルールおよび情報システム両方の視点から支援するコンサルティングサービスを提供しています。また、オンラインビジネス成功に向けた調査分析サービスも行います。 (2)脆弱性診断サービス企業のWebサイト(いわゆるホームページやEC(電子商取引)サイトなどインターネット上に公開されているすべてのWebページ)に対し、当社のエンジニアが、外部からの侵入や、内容の書き換えが可能かどうか、擬似攻撃をかける事で、Webサイトの安全性を診断するサービスを提供しています。この診断サービスは、健康診断と同じように幾つかのサービスメニューを用意し、複合的なアプローチによりWebサイトを診断した上で、脆弱性の抽出とその解決策を提案しています。企業にとって、その脆弱性を排除することは運営上、欠かせないことです。本サービスを利用することで、悪意ある攻撃を受ける前に、自社を防御する上での問題点を特定することが可能です。(3)情報漏えいIT対策サービス当社のサーバ群や独自に開発したソフトウェアなどを使用し、企業の情報漏えい対策(予防、監視、発見、遮断等)の代行や支援を行うサービスです。具体的には、以下の6つのサービスとなります。 ① セキュリティ機器マネージドサービス24時間365日体制でお客様の代わりに様々なセキュリティ機器を運用・監視するサービスであり、それらを総称して「マネージドサービス」と呼んでいます。その中心になるのがSOC(Security Operation Center)であり、SOCは地震やその他災害が発生した場合においても業務を継続できるインターネットデータセンターの中に設置されています。 ② セキュアメールサービス企業が安全かつ安心してメールをご利用いただけるように設計された様々な機能を搭載したクラウド型のサービスです。例えば、添付資料の自動暗号化、不正なメールを防止するフィルターの設置、悪性添付ファイルの自動停止など、企業ユースに特化したサービスを提供しております。クラウド型のため、利用者は大きな初期投資なくメールシステムを利用する事ができます。 ③ EDR(※3)-MSS従来型アンチウイルス製品では検知が困難な攻撃に対応する、次世代型エンドポイントセキュリティ製品EDR(Endpoint Detection and Response Managed Security Service)に対する、24時間365日体制のMSS(Managed Security Service)。 ④ 標的型メール攻撃訓練サービス(開封率調査)顧客企業が「標的型メール攻撃(※4)」にどの程度耐性を持つのかを調査するサービスであります。具体的には当社が攻撃者になりすまし、悪性ウイルスを添付した偽のメールを送り、その会社で何人(何%)の社員が開封してしまうかを調べるサービスです。 ⑤ SIEM(※5)構築及び運用支援サービスウイルスに感染した際、外部に送信される前にその動きを検知して漏えいを防ぐためのサービスです。これはファイアウォール(※6)やIPS(※7)などのネットワーク機器や、ソフトウェアやアプリケーションが出力するイベントログを一元的に保管して管理し、相関分析することにより、リアルタイムで不審なトラフィックを検知、感染端末を特定し、漏えいする前に遮断するというセキュリティポリシー監視とコンプライアンス支援を行うサービスです。 ⑥ デジタルフォレンジック(※8)サービス(緊急駆けつけサービス)万一企業が情報漏えいを起こしてしまった場合に、速やかにネットワークから該当端末やサーバを切り離して、それ以上情報が漏えいしないようにし、感染経路の特定(原因調査)および漏えいした情報の特定、影響範囲の特定等、企業が行うべき様々な漏えい対応に関するサポートを行うサービスです。なお、当社は、カード情報漏えい事故を取り扱う調査機関であるPFI(PCI Forensic Investigator)としての認定を受け、サービスを提供しております。 ※1 不正かつ有害な動作を行う意図で作成された悪意のあるソフトウエアや悪質なコードの総称。悪意あるソフトウェアをマルウェア(malware=malicious「悪意がある」とsoftware「ソフトウェア」を組み合わせた造語)と呼び、ウイルスもマルウエアに含まれる。※2 Payment Card Industry Data Security Standardの略で、国際カードブランド5社(American Express、Discover、JCB、Master Card、VISA)が共同で設立したPCI SSC(PCI Security Standards Council)により運用・管理されているカード情報セキュリティの国際統一基準の名称。※3 Endpoint Detection and Response Managed Security Serviceの略で、従来型アンチウイルス製品では検知が困難なファイルレス攻撃等に対応する、次世代型エンドポイントセキュリティ製品。※4 特定のターゲットに絞ってメールなどでサイバー攻撃を仕掛ける「標的型攻撃」。その多くがメールを利用して行われるため「標的型メール攻撃」と呼ばれる。※5 Security Information and Event Managementの略で、ファイアウォールやIPSなどのセキュリティ機器、ソフトウェアやアプリケーションが出力するイベント情報を一元的に保管して管理し、脅威となる事象を把握するテクノロジー。※6 社内ネットワークとインターネットの境界に設置され、内外の通信を中継・監視し、外部の攻撃から内部を保護するためのソフトウェアや機器、システムなどのこと。※7 Intrusion Prevention Systemの略で、サーバやネットワークの外部との通信を監視し、侵入の試みなど不正なアクセスを検知して攻撃を未然に防ぐシステムのこと。※8 情報漏えいや不正アクセスなど、コンピュータが関わる犯罪が起きた際に、コンピュータ本体に記録された電子データを収集・分析して、証拠とするための技術のこと。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
情報セキュリティ市場の販売価格はここ数年間で低下しており、競合他社との兼ね合いや顧客要請による。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
日々新しい技術により考え出される攻撃への対策としての防御サービスを絶えず考え実行する必要がある。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:低価格化の進展 / 技術革新への対応の遅れ / 製品のバグや欠陥の発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務サマリーが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPに関する具体的な評価は困難。公開情報からは、特定の強力な無形資産の存在を示唆する情報は確認できない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

情報通信業におけるセキュリティサービスは、導入後の切り替えに一定の手間やコストが発生する可能性がある。しかし、ブロードバンドセキュリティ固有の強固なスイッチングコストを裏付ける具体的な情報は乏しい。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業内容(サイバーセキュリティサービス)からは、直接的なネットワーク効果(ユーザー増がサービス価値を増幅させる構造)は想定しにくい。プラットフォーム型ビジネスではない。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

情報通信業、特にセキュリティ分野では、技術革新が速く、継続的なR&D投資が必要。同社が構造的に競合他社より低コストでサービスを提供できる優位性を持つという証拠はない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

情報通信業全体としては規模の経済が働く側面もあるが、ブロードバンドセキュリティが業界内で圧倒的なシェアを持ち、最適な少数寡占を形成しているとは言えない。市場シェアに関する具体的なデータが不足している。

  • 国際基準の監査資格
    クレジットカード業界の国際セキュリティ基準であるPCI DSSの監査資格(QSA)を法人として保有しています。これにより、クレジットカードデータを扱う企業に対し、セキュリティ監査とコンサルティングを提供できるため、この分野での専門性と信頼性が強みとなります。
  • 時間365日監視体制
    セキュリティ機器マネージドサービスでは、SOC(Security Operation Center)をインターネットデータセンター内に設置し、24時間365日体制で顧客のセキュリティ機器を運用・監視しています。これにより、常に最新の脅威に対応し、顧客に安心感を提供できる点が競争優位性となります。
  • 緊急対応と原因特定能力
    情報漏えい発生時に迅速に対応するデジタルフォレンジックサービスを提供しており、PFI(PCI Forensic Investigator)の認定も受けています。これにより、漏えい経路の特定や影響範囲の調査など、緊急時の専門的な対応が可能であり、顧客からの信頼を得やすい点が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は設立時に「便利で安全なネットワーク社会を創造する」というビジョンを掲げております。セキュリティと利便性はトレードオフであり、便利で安全に使うことは非常に難しいですが、「便利でありながら安全を担保できるようなネットワーク社会の創造に貢献しよう」という決意を込めております。 (2)経営戦略等事業戦略の第一は、多様なサービスラインナップ※を提供することです。セキュリティ事故対応からコンサルティング、脆弱性診断、24時間365日の監視運用まで、多様なサービスラインナップを提供できるサービスベンダーは数も少なく、しかも監査資格(当社はPCI DSSというセキュリティ監査資格を保有しています)を持った企業でのサービス提供はほとんどありません。監査資格を保有しつつ、多様なサービスラインナップを提供することが第一の戦略となります。※多様なサービスラインナップとは、技術ソリューション(情報セキュリティ対策システム等)に加え、セキュリティに対する社員意識を向上させ、万一の時にはインターネットを切断する、という高度な経営判断ができるような「組織防衛体制」を顧客企業が構築できるためのサービスのことを指しております。 事業戦略の第二は、独立系※であることを生かしたサービス展開を図ることです。IT関連機器メーカ等の系列会社は系列の製品を使用する必要があり事業に制約を受けますが、当社は他社から制約を受けない独立系であることから、日々新しく出てくる米国企業などの新製品をどれも取り扱うことができます。今や、セキュリティサービスはメーカ系、総研系、SIer系などの大手資本が参入していますが、いずれも大企業をバックにした資本構成の中で、当社は稀有な存在であり、独立系を維持することが非常に重要な戦略であると考えています。独立系である強みを前面に打ち出して、様々な顧客に対して、客観的なコンサルとその時点で最適と思われるサービスを提供していくことが第二の戦略となります。※情報セキュリティサービスを提供する会社は、メーカ系、総研系、SIer系などの大手資本が参入した系列会社とそれ以外の会社に大きく分けられ、系列に属さない会社を独立系と呼んでおります。当社は、独立系のカテゴリーに属していると認識しております。 事業戦略の第三は、スキルを持った人員によるサービスを徹底することです。企業が情報セキュリティ対策デバイス(機器・装置)の効果をきちんと得ようと思うと、しかるべきスキルを持ったエンジニアを配置し、24時間365日で監視・運用することが必要になります。しかしながら通常の企業では、そのような人員はもとより、そもそもIT人員が不足している状況です。そのような状況でデバイスを導入しても、当初狙った効果を得ることはできないと考えられます。当社のスキルを持った人員がお客様に代わってデバイスを運用したり、サービスそのものをクラウド化して提供したりすることなどを徹底することが、当社の第三の戦略となります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社の目標とする経営指標としては、収益性の向上に重点をおき、売上高営業利益率の向上を掲げております。 (4)経営環境テレワークの増加に伴うWeb会議システムのセキュリティ懸念や、テレワーク終了により社内に持ち込まれる端末のウイルス感染等による情報漏えい事故懸念、大規模製造業や通信事業者に対するサイバー攻撃など、深刻な被害につながる攻撃が増大する一方であります。このような背景から、情報セキュリティ市場は引き続き拡大傾向にあり、当社のサービス需要も継続して増加しました。今後も一人当たりの生産性向上を追求し、利益率の向上に努めております。更に全社員の1日の標準勤務時間を6.5時間とし、社員の満足度向上を進めてまいりました。現在は更に、テレワークも加わった勤務形態の変更に伴う労務管理の強化を進めております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題昨今では、度重なる情報漏えい事故により、顧客企業における危機意識は強くなってきたと言えます。しかし、そのような危機意識は未だ大企業の域に留まっており、今後は中小企業にもその意識が高まることが予想されます。そのような環境の中、当社では以下の点を課題ととらえ、より一層の企業価値向上を目指してまいります。  ①サービス品質の向上当社が提供するサービスにおいて障害等が発生した場合には、サービス利用顧客の事業への影響はもとより、当社のレピュテーションが低下し、受注活動を鈍化させるとともに、既存顧客の解約リスクも発生します。マネージドサービスにおけるサービス提供開始前の検証実施の強化徹底、脆弱性診断サービスにおける担当者以外の技術者による複数回によるチェックなど、障害等が発生しないための体制構築を今後も継続してまいります。  ②新サービスの開発情報セキュリティに対する脅威は日進月歩の状況です。今日の対策が将来の対策になり得ない、と言っても過言ではなく、関連して顧客のニーズも多様化してきております。顧客がセキュリティサービスを手軽に利用できるクラウドモデルでの提供や、新たな脅威に対するサービスの開発等に努め、情報セキュリティサービス市場における差別化を進めてまいります。また、情報セキュリティ強化に対応したサービスの提供も必要であり、既に取り組んでいるデジタルフォレンジックやPCI DSS準拠支援サービス等のコンサルティングサービスにもより一層、注力してまいります。加えて、情報漏えい事故に対する緊急対応サービスについても、態勢拡大を継続しております。  ③ストック型サービスにおける契約解除防止当社が展開する継続サービスにおける顧客の契約解除は、当社の安定的な業績基盤を失い、業績変動に対する影響を増加させるものであるため、その対処として、定期訪問による顧客満足度の調査や新サービスの案内、顧客キーマンとのコミュニケーション強化等、組織をあげての既存顧客フォロー体制を構築し、解約リスクの早期察知と防止を図ってまいります。  ④人材の確保と育成当社のサービスを安定的に継続提供し、更に進化させていくにあたり、人材の確保と育成は重要であります。当社は、積極的な採用活動を行うとともに、社内人材に対して、組織全体でフォローアップできる体制を整備することで、全体のレベルアップを図ってまいります。  ⑤ガバナンスに関する課題当社では、今後内部統制システムの整備を推し進めることにより、企業価値の向上を目指した経営の透明性、健全性及び遵法性の確保、コンプライアンス体制の整備及び迅速かつ公平な経営情報の開示を通じて、法令遵守及び社会的倫理規範尊重に対する役員及び従業員の意識を強化し、当社のコーポレート・ガバナンス体制をより一層整備してまいります。  ⑥中期的な事業経営戦略当社といたしましては、セキュリティ対策が経営における重要事項であるという認識が広がっている現状を鑑み、以下の3つの柱を掲げ、より多くの顧客のニーズに応えてまいる所存です。1.既存事業の継続的拡大および利益率の向上2.成長のための人的資本への積極的投資3.新規事業への参入と収益化
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)経営方針当社は設立時に「便利で安全なネットワーク社会を創造する」というビジョンを掲げております。セキュリティと利便性はトレードオフであり、便利で安全に使うことは非常に難しいですが、「便利でありながら安全を担保できるようなネットワーク社会の創造に貢献しよう」という決意を込めております。 (2)経営戦略等事業戦略の第一は、多様なサービスラインナップ※を提供することです。セキュリティ事故対応からコンサルティング、脆弱性診断、24時間365日の監視運用まで、多様なサービスラインナップを提供できるサービスベンダーは数も少なく、しかも監査資格(当社はPCI DSSというセキュリティ監査資格を保有しています)を持った企業でのサービス提供はほとんどありません。監査資格を保有しつつ、多様なサービスラインナップを提供することが第一の戦略となります。※多様なサービスラインナップとは、技術ソリューション(情報セキュリティ対策システム等)に加え、セキュリティに対する社員意識を向上させ、万一の時にはインターネットを切断する、という高度な経営判断ができるような「組織防衛体制」を顧客企業が構築できるためのサービスのことを指しております。 事業戦略の第二は、独立系※であることを生かしたサービス展開を図ることです。IT関連機器メーカ等の系列会社は系列の製品を使用する必要があり事業に制約を受けますが、当社は他社から制約を受けない独立系であることから、日々新しく出てくる米国企業などの新製品をどれも取り扱うことができます。今や、セキュリティサービスはメーカ系、総研系、SIer系などの大手資本が参入していますが、いずれも大企業をバックにした資本構成の中で、当社は稀有な存在であり、独立系を維持することが非常に重要な戦略であると考えています。独立系である強みを前面に打ち出して、様々な顧客に対して、客観的なコンサルとその時点で最適と思われるサービスを提供していくことが第二の戦略となります。※情報セキュリティサービスを提供する会社は、メーカ系、総研系、SIer系などの大手資本が参入した系列会社とそれ以外の会社に大きく分けられ、系列に属さない会社を独立系と呼んでおります。当社は、独立系のカテゴリーに属していると認識しております。 事業戦略の第三は、スキルを持った人員によるサービスを徹底することです。企業が情報セキュリティ対策デバイス(機器・装置)の効果をきちんと得ようと思うと、しかるべきスキルを持ったエンジニアを配置し、24時間365日で監視・運用することが必要になります。しかしながら通常の企業では、そのような人員はもとより、そもそもIT人員が不足している状況です。そのような状況でデバイスを導入しても、当初狙った効果を得ることはできないと考えられます。当社のスキルを持った人員がお客様に代わってデバイスを運用したり、サービスそのものをクラウド化して提供したりすることなどを徹底することが、当社の第三の戦略となります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社の目標とする経営指標としては、収益性の向上に重点をおき、売上高営業利益率の向上を掲げております。 (4)経営環境テレワークの増加に伴うWeb会議システムのセキュリティ懸念や、テレワーク終了により社内に持ち込まれる端末のウイルス感染等による情報漏えい事故懸念、大規模製造業や通信事業者に対するサイバー攻撃など、深刻な被害につながる攻撃が増大する一方であります。このような背景から、情報セキュリティ市場は引き続き拡大傾向にあり、当社のサービス需要も継続して増加しました。今後も一人当たりの生産性向上を追求し、利益率の向上に努めております。更に全社員の1日の標準勤務時間を6.5時間とし、社員の満足度向上を進めてまいりました。現在は更に、テレワークも加わった勤務形態の変更に伴う労務管理の強化を進めております。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題昨今では、度重なる情報漏えい事故により、顧客企業における危機意識は強くなってきたと言えます。しかし、そのような危機意識は未だ大企業の域に留まっており、今後は中小企業にもその意識が高まることが予想されます。そのような環境の中、当社では以下の点を課題ととらえ、より一層の企業価値向上を目指してまいります。  ①サービス品質の向上当社が提供するサービスにおいて障害等が発生した場合には、サービス利用顧客の事業への影響はもとより、当社のレピュテーションが低下し、受注活動を鈍化させるとともに、既存顧客の解約リスクも発生します。マネージドサービスにおけるサービス提供開始前の検証実施の強化徹底、脆弱性診断サービスにおける担当者以外の技術者による複数回によるチェックなど、障害等が発生しないための体制構築を今後も継続してまいります。  ②新サービスの開発情報セキュリティに対する脅威は日進月歩の状況です。今日の対策が将来の対策になり得ない、と言っても過言ではなく、関連して顧客のニーズも多様化してきております。顧客がセキュリティサービスを手軽に利用できるクラウドモデルでの提供や、新たな脅威に対するサービスの開発等に努め、情報セキュリティサービス市場における差別化を進めてまいります。また、情報セキュリティ強化に対応したサービスの提供も必要であり、既に取り組んでいるデジタルフォレンジックやPCI DSS準拠支援サービス等のコンサルティングサービスにもより一層、注力してまいります。加えて、情報漏えい事故に対する緊急対応サービスについても、態勢拡大を継続しております。  ③ストック型サービスにおける契約解除防止当社が展開する継続サービスにおける顧客の契約解除は、当社の安定的な業績基盤を失い、業績変動に対する影響を増加させるものであるため、その対処として、定期訪問による顧客満足度の調査や新サービスの案内、顧客キーマンとのコミュニケーション強化等、組織をあげての既存顧客フォロー体制を構築し、解約リスクの早期察知と防止を図ってまいります。  ④人材の確保と育成当社のサービスを安定的に継続提供し、更に進化させていくにあたり、人材の確保と育成は重要であります。当社は、積極的な採用活動を行うとともに、社内人材に対して、組織全体でフォローアップできる体制を整備することで、全体のレベルアップを図ってまいります。  ⑤ガバナンスに関する課題当社では、今後内部統制システムの整備を推し進めることにより、企業価値の向上を目指した経営の透明性、健全性及び遵法性の確保、コンプライアンス体制の整備及び迅速かつ公平な経営情報の開示を通じて、法令遵守及び社会的倫理規範尊重に対する役員及び従業員の意識を強化し、当社のコーポレート・ガバナンス体制をより一層整備してまいります。  ⑥中期的な事業経営戦略当社といたしましては、セキュリティ対策が経営における重要事項であるという認識が広がっている現状を鑑み、以下の3つの柱を掲げ、より多くの顧客のニーズに応えてまいる所存です。1.既存事業の継続的拡大および利益率の向上2.成長のための人的資本への積極的投資3.新規事業への参入と収益化
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態の状況(資産)当事業年度における流動資産は2,561,039千円となり、前事業年度末に比べ472,996千円減少いたしました。その主な内容は、現金及び預金が494,332千円減少したことなどによるものであります。固定資産は1,236,808千円となり、前事業年度末に比べ143,036千円増加いたしました。その主な内容は、投資有価証券が116,117千円増加したことなどによるものであります。この結果、総資産は3,797,848千円となり、前事業年度末に比べ329,959千円減少いたしました。(負債)当事業年度における流動負債は1,304,247千円となり、前事業年度末に比べ378,849千円減少いたしました。その主な内容は、未払法人税等が166,910千円、短期借入金が100,000千円それぞれ減少したことなどによるものであります。固定負債は385,794千円となり、前事業年度末に比べ7,199千円増加いたしました。その主な内容は、長期リース債務が58,928千円減少した一方で、長期借入金が44,060千円増加したことなどによるものであります。この結果、負債合計は1,690,041千円となり、前事業年度末に比べ371,650千円減少いたしました。(純資産)当事業年度における純資産合計は2,107,806千円となり、前事業年度末に比べ41,690千円増加いたしました。その主な内容は、当期純利益142,725千円を計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は55.5%(前事業年度末は50.1%)となりました。 ②経営成績の状況当事業年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進む一方で、国際情勢や地政学リスクの高まりの長期化、為替レートの変動や物価上昇なども相まって、依然として先行きの不透明な状況が続いております。このような環境下において、デジタル化の進展やクラウド基盤の活用、生成AIの登場などに伴い、DX(デジタルトランスフォーメーション)の動きが一段と加速しております。これに伴いセキュリティの重要性も一層高まっております。政府も国家安全保障戦略において、「能動的サイバー防御」を掲げ、関連法案の成立やサイバーセキュリティ対策の推進に取り組んでおり、官民を問わず、セキュリティ強化の流れが続いております。当社は「便利で安全なネットワーク社会を創造する」というビジョンのもと、サイバー犯罪から企業および消費者を守ることを重要な責務と位置付け、事業を展開しています。近年、サイバー犯罪がさらに多様化・高度化する中、当社は、上流工程におけるセキュリティ・コンサルティングから脆弱性診断、セキュリティの監視・運用までフルラインアップでサービスを提供できる体制を有しており、これを強みに総合的なサイバーセキュリティ対策をお客様に提供しております。さらに、金融庁から公表、運用開始がされている「金融分野におけるサイバーセキュリティガイドライン」の準拠支援サービスを提供するなど、企業をサイバー犯罪から守るための取り組みも積極的に展開しております。当事業年度は、期初より営業戦略を総合ソリューション提案の充実へと転換いたしました。具体的には、監査・コンサルティング営業を強化し、そこから派生する脆弱性診断や情報漏えい対策サービスの拡充に取り組みました。この取り組みにより、顧客への提案内容は従来よりも総合的なものとなり、商談規模も拡大いたしました。一方で案件のクロージングや精査には当初の想定よりも時間を要したために売り上げの計上が遅れ、当事業年度の売上高は大幅減少となりました。しかしながら、こうした総合提案型への営業戦略転換は、経済安全保障推進法の施行や政府によるサイバーセキュリティ強化策の推進といった国の政策方針とも合致しており、将来的な事業成長に向けた基盤を構築できたものと考えております。この結果、当事業年度における業績は、売上高6,103,956千円(前期比5.5%減)、営業利益257,905千円(前期比62.6%減)、経常利益251,262千円(前期比63.8%減)、当期純利益142,725千円(前期比68.7%減)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前事業年度末に比べ494,332千円減少し、1,426,410千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において営業活動の結果得られた資金は102,082千円(前期は895,052千円の収入)となりました。その主な内容は、税引前当期純利益251,244千円や減価償却費174,165千円の計上などによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において投資活動の結果使用した資金は298,349千円(前期は225,243千円の支出)となりました。その主な内容は、投資有価証券の取得による支出109,285千円及びその他の投資による支出100,000千円があったことなどによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動の結果使用した資金は275,222千円(前期は116,311千円の支出)となりました。その主な内容は、短期借入金の返済による支出100,000千円があったことなどによるものであります。 ④資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社の資金需要は経常運転資金や設備投資を目的としたものであります。当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資等の中長期の資金需要が生じた場合には、金融機関からの長期借入金を基本としております。 ⑤生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 b.受注実績当事業年度の受注実績を示すと、次のとおりであります。サービス区分別の名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)セキュリティ監査・コンサルティングサービス1,683,44994.19668,062113.65脆弱性診断サービス1,553,75888.51242,47881.14情報漏えいIT対策サービス2,975,54697.352,007,236104.42合計6,212,75494.142,917,776103.87 c.販売実績当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。(単位:千円)サービス区分別の名称当事業年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)前年同期比(%)セキュリティ監査・コンサルティングサービス1,603,21494.21脆弱性診断サービス1,610,10691.16情報漏えいIT対策サービス2,890,63596.69合計6,103,95694.53 (注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は総販売実績の100分の10未満であるため記載を省略しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しているとおりであります。 ②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の分析(売上高)当事業年度の売上高は6,103,956千円となり、前事業年度と比較して353,514千円の減少となりました。これは主に、営業戦略の転換を一気に行った結果、当事業年度の売上への寄与は限定的だったため、前事業年度と比較し全サービス区分で減少となりました。ただ、着実に成果を上げつつあり、期末受注残高としては過去最高となっております。(売上原価、売上総利益)当事業年度の売上原価は4,354,298千円となり、前事業年度と比較して33,420千円の減少となりました。これは主に、売上の減少に伴う外注・仕入の減少等によるものであります。この結果、売上総利益は1,749,658千円(前期比15.5%減)となりました。(販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費は1,491,752千円となり、前事業年度と比較して111,207千円の増加となりました。これは主に、事業拡大に伴う業務委託費用の増加等によるものであります。この結果、営業利益は257,905千円(前期比62.6%減)となりました。(営業外損益、経常利益)営業外収益は15,885千円となり、前事業年度と比較して4,393千円の増加となりました。これは主に、補助金収入が増加したこと等によるものであります。営業外費用は22,528千円となり、前事業年度と比較して16,119千円の増加となりました。これは主に、為替レートの変動に伴い為替差損が増加したこと等によるものであります。この結果、経常利益は251,262千円(前期比63.8%減)となりました。(特別損益、当期純利益)特別損失は18千円となりました。これは、固定資産除却損が発生したことによるものであります。また、法人税等108,519千円を計上しております。この結果、当期純利益は142,725千円(前期比68.7%減)となりました。 b.財政状態の分析当事業年度の財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。 c.キャッシュ・フローの分析当事業年度の財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 d.経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある事項当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③経営者の問題認識と今後の方針について当社が今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております各種課題に対応していくことが重要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、市場動向をはじめとした外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を推進していく方針であります。

事業リスク

  • 市場価格の低下
    情報セキュリティ市場では、競合激化や顧客からの要請により販売価格が低下傾向にあります。生産性向上やクラウドサービス化で対応していますが、これが奏功しない場合、利益確保が難しくなり、将来の事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 技術革新への対応遅れ
    サイバー攻撃の手法は日々進化しており、常に新しい防御技術を開発・導入する必要があります。標的型メール攻撃やランサムウェアなどへの対応が遅れると、他社に競争で先行され、当社の経営成績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。
  • 人材確保・流出のリスク
    当社のサービスは高度な技術を持つエンジニアに依存しており、人材の確保と育成が不可欠です。ITエンジニア、特にセキュリティ分野の専門家は不足しており、十分な人材を確保できない場合や、優秀な人材が流出した場合、中長期的な事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,478 文字
3【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 低価格化の進展情報セキュリティ市場の販売価格は、ここ数年間で低下しております。競合他社との兼ね合いや顧客要請によるものであり、技術者の生産性の向上やクラウドサービス化を推進して技術者に依存しないサービスの開発等、低価格でも利益の確保が可能な対応を進めております。しかし、それらの対応が奏功せず、採算の確保が出来なかった場合には、今後の事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 技術革新への対応に関するリスク情報を窃取するための攻撃は日々新しい技術により考え出され、セキュリティ業界ではそれらへの対策としての防御サービスを絶えず考え実行しております。昨今では、標的型メール攻撃と呼ばれる攻撃手法やランサムウエアなどが出現してきましたが、それらの防御の為の新しいサービスを都度考案したり、最新技術を当社のサービスに取り入れ、より良い品質提供に努めております。ただし、これらの最新技術への対応が遅れ、他社に大きく先行された場合には、当社の経営成績や財務状況に影響を与える可能性があります。 (3) 当社が提供する製品のバグや欠陥の発生によるリスク当社が提供するセキュリティ機器マネージドサービスやセキュアメールサービスにおいて利用しているプラットフォームは、海外製品を利用しております。予め十分な検証やテストを実施した後サービス提供を行っておりますが、サービス提供開始後に重大なバグや欠陥が発生する可能性も有り、そのバグや欠陥が原因で顧客のサービスに著しい損害を与えた場合、契約解除に伴う売上の減少等により当社の経営成績や財務状況に影響を与える可能性があります。 (4) 人材の確保・育成に関するリスク当社のサービスは技術者の役務提供サービスによって行われており、今後の企業成長には人材の確保・育成が不可欠の要素となっております。当社では、中途採用を中心に即戦力として活用できる技術経験者を採用し、OJTによる実践を通じて社員の育成に注力しておりますが、業界ではITエンジニアが不足しており、中でもセキュリティのノウハウを持ったエンジニアのニーズは高く、その確保は容易ではありません。もし十分な人材の確保・育成ができない場合には今後の中長期的な事業計画に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 人材の流出に関するリスク当社技術者のノウハウは経営の重要資源であります。従って、技術者の流出はサービス継続のリスクであります。日々のコミュニケーション強化の一層の充実に加えて、業績連動型の一時金支給、個人目標の達成度合いを考慮した年俸改定等、競合他社との比較で遜色のない処遇を設計しておりますが、人材が流出した場合には事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 当社情報セキュリティに関するリスク当社のサービスでは顧客の重要な情報を入手します。これらの顧客情報の漏洩は事業展開において大きなリスクであります。社内教育の実践、各種データのアクセス権限による制約、書面情報の施錠管理、オフィスの入退室管理等、対策を講じて実践しておりますが、顧客情報の漏洩が発生した場合、事業展開、経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 為替相場の変動について韓国支店の取引について、為替相場の変動が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該取引の増加量に応じて、各種金融機関から更なる情報収集および相談等を実施してまいります。 (8) セキュリティ事業に特化していることによる影響について当社は、セキュリティ事業に特化したサービス提供をしております。今後、経済環境の悪化その他の要因により、セキュリティ事業の需要が低迷した場合には、当社の経営成績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。 (9) 天災、災害、テロ活動などの発生や停電による影響地震や天災といった災害、国内におけるテロ活動などの予期せぬ事態により、当社の業績や事業活動が影響を受ける可能性があります。特に重要なデータについては、安全と考えられるデータセンターで保管しております。ただし万一、全国的、地域的な停電や入居しているビルやデータセンターの事情によって電力供給が十分に得られなかった場合、当社の事業活動とサービスの提供が停止し、当社の経営成績や財務状況に大きな影響を与える可能性があります。 (10)四半期末月の業績偏重傾向について当社の収益は、顧客のシステム投資等も含めた月ごとの予算配分等に影響を受けており、各四半期の末月である9月、12月、3月、6月に偏る傾向にあります。当社では繁忙期の業務量を勘案して労働力を確保しているため、需要が低調な時期には、一定の固定費が見込まれる中で売上が低水準となり、一時的に損益が悪化する可能性があります。また、当社の決算月である6月に計上を予定していた売上が検収遅延等の理由により月ズレした場合等には、当社の経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (11)ストック・オプション行使による株式価値の希薄化に伴うリスク当社では、取締役、執行役員、従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を用いたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在における新株予約権による潜在株式数は57,900株、発行済株式総数は4,585,674株となっており、希薄化率は1.26%になります。

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