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FY2025|8,222 文字|出典 docID: S100X6JN
3【事業の内容】(1)事業の概要 当社グループは「働くを変え、チームの力を解き放つ」というミッションのもと、「チームの成功を支えるプラットフォームになる」をビジョンに掲げ、「TeamSpirit」の提供を主としたSaaS (Software as a Service)(注1)事業を行っており、チーム力の最大化の観点から人的資本の生産性向上を実現するSaaSをTeam Success Platformとして提供しております。また「TeamSpirit」の導入や運用に関してユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスも展開しております。 当社グループは、「B2B」で顧客企業向けにITサービスを提供する事業者です。B2Bの事業者が事業とするシステムには、大きく分けて所有型システム(オンプレミス)と利用型システム(クラウド/SaaS)の2つがありますが、当社は利用型システム(クラウド/SaaS)を提供しています。このようなシステムは、インターネット経由でサービスが利用可能であり、利用者である顧客企業において開発・運用の手間がいらず、時間を掛けずに利用開始できるという特徴があります。また、顧客企業は法制度対応も事業者に任せることができ、AIなど新技術を使いやすいというメリットがあります。 当社グループが提供する「TeamSpirit」は、少子高齢化に伴う労働力減少と需給ギャップの拡大という社会課題に向き合い、チーム力最大化の観点から人的資本の生産性向上を実現するSaaSを「Team Success Platform」として提供しています。具体的には、主力製品である勤怠管理をはじめ工数、経費、安否確認といった業務の改善・効率化のための製品や、ワークログ分析、PCログのAI解析、ピープルアナリティクスといったデータ経営力の強化、さらには、採用、目標設定、評価、組織変更といったチーム力を強化するタレントマネジメントの製品を提供しています。 当社グループのサービスは国内で2,100社以上の顧客企業にご契約いただいており、日々、66万人以上のユーザーが当社製品を利用しています。 当社グループは、米国Salesforce社のプラットフォーム上で製品を提供しており、企業向けIT(BtoB)では最大のアプリストアであるSalesforce社のAppExchangeにおいて、国内No.1の累計販売実績があります。 当社グループは、勤怠管理のSaaS事業のエンタープライズ企業(注2)向けの拡販に注力しています。エンタープライズ市場は、企業の規模別ソフトウエア投資額をみると投資額約7兆円のうち65%を占めており、大きなIT投資予算規模を有していると言えます。また、大企業になればなるほど、新しいシステムの採用には慎重な検討が行われて決定されることが多く、一度採用されると長期にわたってご利用いただけるという特徴があります。そのため、エンタープライズ市場は、予算規模が大きく、長期の取引関係が期待できるSaaSビジネスに最適な市場であると言えます。また、同時に持続的成長に向けたマルチプロダクト化を推進中です。近年発表した新しい製品には、議事録作成を劇的に効率化するAI議事録ソリューション「Synclog」や、社員が持つスキル、資格、業務経験などの人的資本データをSaleforceプラットフォーム上で統合管理する「TeamSpiritタレントマネジメント」、災害などの緊急事態における迅速な初動対応を支援する「TeamSpirit安否確認」といった製品があります。 (2)当社グループのサービスについて<当社グループが提供する主なサービス>種別サービス名称顧客企業サービス内容ライセンスTeamSpiritシリーズ大企業向け「TeamSpirit Enterprise」小規模・中堅企業向け「TeamSpirit勤怠」「TeamSpirit工数」「TeamSpirit経費」の基本機能を単独もしくは複数組み合わせて提供(電子稟議、カレンダー、SNS等の機能も利用可能)アドオンサービスプロジェクト原価管理全企業向けプロジェクト原価管理サービスアサイン管理アサインメントを最適化するサービスプロフェッショナルサービススポットサポートプレミアサポート顧客の本番稼働や着実な運用のために、担当コンサルタントが実施する有償支援業務 a.「TeamSpirit」シリーズ 当社グループの主力製品で、勤怠管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど、従業員が日々利用するシステムです。このクラウドサービスは、顧客企業のニーズに応じて、パッケージとしても単機能としても利用できます。インターネット経由で必要な期間に応じて、単独または複数の機能を組み合わせて利用することができ、ハイブリッドワークやフレックスタイムなど、多様なワークスタイルをサポートします。TeamSpiritシリーズには、従業員1,000名以上の大企業向けの「TeamSpirit Enterprise」と、小規模~中堅企業向けの「TeamSpirit勤怠」「TeamSpirit工数」「TeamSpirit経費」があります。 イ.TeamSpirit Enterprise(製品概要) TeamSpirit Enterpriseは、日本の大企業における複雑な人事制度や厳格なセキュリティ要件にも応える大規模組織向け統合型プラットフォームです。グループ会社全体のガバナンス強化と生産性向上を実現します。従業員1,000名~10万名規模の大企業まで対応でき、多様な勤務形態の管理を一つのシステムで完結することが可能です。 大企業には多様な部署や雇用形態が存在するため、勤怠管理が非常に複雑化しており多様な勤務形態への対応ができていないといった課題や、社会的責任と企業価値向上の観点から時間外労働を正しく管理し、従業員の健康管理が求められる労務リスクの高まり、ミスが許されない業務領域において膨大な量の勤怠情報の処理を行う人事部門の業務負担が大きくなっているという、大企業特有の勤怠管理の課題が存在します。 このような課題に対して、TeamSpirit Enterpriseは、当社グループの顧客企業2,100社以上の導入実績で培ったノウハウをもとに、固定労働制、変形労働制、フレックスタイム制、みなし労働時間制など、多様な勤務形態の管理機能を標準搭載しており、多くの部署・業務内容を有する大企業の勤怠管理業務に対応することができます。 また、TeamSpirit Enterpriseのダッシュボード機能により、従業員・チーム・全社単位など様々な粒度で自社の労務実績をリアルタイムに可視化することができます。作成したダッシュボードはメールやログイン後のホーム画面から全従業員が確認できるため、従業員のセルフマネジメントを促すことができます。これにより、管理者・労働者の双方が働き方をマネジメントし、労務コンプライアンスの強化が可能となります。 さらに、複雑な給与体系への対応が求められる大企業の人事部門のために、TeamSpirit Enterpriseは勤務形態に合わせた計算式を設定して全従業員の勤怠実績を集計できる給与レポート機能を搭載しています。レポートのレイアウトは、顧客企業の給与システムに合わせて自由に定義できるため業務プロセスを簡略化することができ、人事部門の業務負担の削減に寄与することができます。 (強み)大企業のご要望にお応えする“5つの強み”①勤怠管理ソリューションとして、国内初“SAP Store”に登場 TeamSpirit Enterpriseは、大企業における業務を深く理解し、業務設計からシステム導入までの専門ノウハウを持ったドイツのSAP社といったグローバルのビジネスパートナーと提携しています。大企業における人事・労務部門の高度なニーズに対して柔軟に対応し、顧客企業の生産性改革と人材価値の向上を通じた人的資本経営の実現に貢献します。 ②大規模組織でも安定稼働できるクラウド基盤 TeamSpirit Enterpriseはクラウドサービスでありながら、大規模組織での安定稼働を実現しており、常に最新の機能が提供されるクラウドサービスのメリットを強固なシステム基盤で提供しています。 ③人事異動などで発生する設定変更の手間を削減 TeamSpirit Enterpriseでは、人事発令や就業規則改定等により変更が行われるマスターのパラメーターを履歴情報として保持するため、変更が確定した時点で設定変更を反映することができ、大企業特有の大規模かつ頻繁な組織変更にも対応しています。 ④グループ会社など複数会社での同一環境利用・所属兼務対応 TeamSpirit Enterpriseでは、従業員の所属に関して「部署」に加えて「会社」を設定することができます。所属単位で勤務体系や休暇といったマスターを設定でき同一環境内でのマルチテナント運用が可能であるため、大規模組織における多様な働き方を実現することができます。 ⑤自社に合わせた最適な業務フローをご提案 勤怠管理業務の効率化には、自社に合った業務フローの構築が必要ですが豊富な導入実績から得られた大企業の勤怠管理の業務ノウハウを元に、専任コンサルタントが導入企業毎に最適な設定・運用を提案しています。このようなサポート体制により、顧客企業を対象にしたアンケートでは、80%以上の回答者の方から「業務時間の削減ができた」と回答いただいています。 ロ.TeamSpirit勤怠 「TeamSpirit勤怠」は、多様な働き方に柔軟に対応し、従業員の正確な労働時間を把握し、客観的なデータに基づいた労務管理でコンプライアンス強化と健全な組織運営の基盤の構築に貢献します。 特徴①ユーザビリティ 毎日の出退勤登録が徹底されない、承認が遅延してしまう、操作にはマニュアルが必須である、といった顧客企業の課題に対して、便利かつ誰でも使える抜群のユーザビリティで解決します。 特徴②効率的なレポート集計機能 効率的なレポート集計機能により、誰でも簡単に独自レポートを作成することができ従業員自身のタイムマネジメントを効率化することができます。また、勤怠データを各種給与ソフトに連携することが可能であるため、給与計算担当者の業務を効率化することができます。 特徴③業務工数の可視化 出勤時刻と退勤時刻だけでなく、業務内容を工数として記録することが、労働時間のボトルネックを把握して業務全体の効率化に役立てることができます。 ハ.TeamSpirit工数 「TeamSpirit工数」は、プロジェクトや業務ごとの「時間の使い方」を正確に可視化することができます。従来の属人的な感覚に頼らないデータに基づいた分析によりチームの生産性と収益性の向上を支援します。 特徴①入力の手間を削減する多彩な工数登録機能 スケジューラーを元に工数を自動的に割り当て、ストレスフリーな工数登録が可能です。PCだけでなくモバイルから直感的な操作で直接入力することもでき、工数入力作業の手間や負担を大きく削減します。 特徴②勤務実績と一致した正確な工数情報を取得 TeamSpirit 工数は勤怠データと連動し、勤務時間と工数時間を自動で完全に一致させることが可能です。勤怠データは外部からインポートできる他、TeamSpirit 勤怠と併用すればよりシームレスに勤怠と工数を管理することが可能です。 特徴③「ワークログ」を分析して生産性向上を推進 工数情報は「誰が・どんな働き方をしているのか」を示す組織運営に欠かせないデータです。TeamSpirit工数で取得した日々の工数情報をワークログとして分析活用することができます。 ニ.TeamSpirit経費「TeamSpirit経費」は、申請から承認、精算までの煩雑なプロセスを電子化し、従業員と管理部門の負担を大幅に削減します。ペーパーレス化を促進し、迅速な経営判断に必要な経費データをリアルタイムで提供します。電子帳簿保存法・インボイス制度対応し経理業務に必要な機能を標準搭載しながらも、申請者である従業員が真に使いやすい経費精算システムとなっています。 特徴①スマートな精算機能 モバイル対応や交通費の経路検索、領収書のOCR読込みだけでなく、複数明細の一括作成や日付指定作成など申請者が毎日の経費精算入力を楽にするための工夫が機能として盛り込まれています。外貨精算にも完全対応しており、海外出張精算にも対応しています。 特徴②申請種別毎に柔軟なカスタマイズが可能 TeamSpirit経費は柔軟なカスタマイズ機能を備えています。交通費や交際費といった申請種別を設定し、申請種別毎に利用項目やレイアウトを設定することができ、また不正な入力に対するエラー設定も細かく設定することができるため、申請の不備チェックや差し戻しによる作業負担の削減が可能です。 特徴③自社の経費利用状況を分析して経費支出の適正化を促進 TeamSpirit経費はレポート・ダッシュボード機能を標準搭載しており、これにより人別・部門別など様々な視点から自社の経費利用状況を分析することができるため、経費支出の適正化に向けた改善アクションの立案に貢献しています。 「TeamSpirit」シリーズの契約ライセンス数及び契約社数の推移は以下のとおりです。 b.プロジェクト原価管理(アドオンサービス) 「TeamSpirit」のアドオンサービスのひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービスです。主に従業員の作業時間が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、見積りを作成するための工数計画を作成することができ、計画後は「TeamSpirit」で登録された工数実績との比較により原価の予実管理を行うことができます。 c.アサイン管理(アドオンサービス) 「TeamSpirit」と連携してタレントアサインメントを最適化するサービスです。個人のスキルや経験に基づいた最適なアサインや、勤怠管理と連動することでメンバーの負荷状況を考慮したアサインが可能となります。また、過重労働の防止や納期の正確な予測も可能となります。 d. プロフェッショナルサービス 「TeamSpirit」は、原則としてユーザー企業自らで、導入から運用までを実施いただけるようデザインされておりますが、導入目標日に確実な本稼働を迎えたい、導入に係わる担当者の負荷を極力抑えたい、運用段階のシステム設定や新規帳票のレイアウト作成の人材が不足しているなどのお客様の課題に対して、高度なIT及び業務スキルをもったコンサルタントが顧客企業を有償で支援するサービスを提供しております。 なお、販売体制については、ユーザー企業から直接受注する直販ビジネスを中心としておりますが、一部大企業のお客様向けの販売を目的として、パートナーにサービスを卸しユーザー企業に再販でご利用いただく再販パートナーや、既存で取引のある顧客を紹介いただく紹介パートナーとの協業があります。 (3)ビジネスモデルについて《サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル(注3)による安定性と成長性》 「TeamSpirit」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金するビジネスモデルを採用しています。サブスクリプションが複数年にわたり継続して利用されることで、新規・追加の契約数を解約・削減数が上回らない限り、収益が前年度を上回るという安定性がありながら、高い成長を目指すことが可能です。当連結会計年度での当社グループの売上におけるリカーリングレベニュー(継続収益:ライセンス売上+プレミアサポート売上)の比率は約9割となっています。 収益の安定に重要な契約の継続のために定期的なバージョンアップを実施しており、顧客満足度の向上を実現することで高い継続率を維持しています。また当社グループでは既存のお客様に対する活用促進を行う営業体制を構築しており、「TeamSpirit」の追加導入などにも注力し継続的なリカーリングレベニューの成長を目指しております。 サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルの単一事業であることから、経営の安定性と成長性が両立できることに加え、年間の契約金額を一括前払いで回収しているため経常的な運転資金は発生しません。キャッシュ・フローの面でも非常に安定していることが当社グループのビジネスモデルの特徴です。 《エンタープライズ企業に選ばれるSaaS》 「TeamSpirit」は、パブリッククラウド(注4)で利用できるPaaS (Platform as a Service)(注5)である、Salesforce,Inc.(注6)が運営しているLightning Platform上に構築されております。基盤となるサーバーなどのシステム機器の提供・情報セキュリティ対策・バックアップなどの運用は、すべてSalesforce,Inc.が実施します。そのため株式会社セールスフォース・ジャパンとのOEMパートナー契約(注7)を基に1ライセンス当たり月額課金の仕入が発生する以外、サービス提供に関わる設備投資や運用投資を抑制することができます。その上、ワークフローやSNS及びデータ連携機能、レポート・ダッシュボードなどの分析機能、さらにはAI(機械学習・ディープラーニング)機能やIoTとの接続機能など、システムで使う共通機能もPaaSに実装されています。そのため開発リソースをすべて業務アプリケーションに投下できるメリットがあります。そのことによりサービス改善サイクルを高速化し、SaaSビジネスで最も重要な持続的な顧客体験価値の向上が可能になると考えています。 また、世界中で利用されているSalesforce,Inc.が提供するクラウドプラットフォームにより、金融機関からグローバルに活動するエンタープライズ企業まで、安心して「TeamSpirit」をご利用いただける環境を提供できているものと考えています。 (注)1.SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、ソフトウエアをインターネット経由のサービスとして提供することです。2.企業(市場)規模の定義は以下のとおりです。名称定義エンタープライズ企業(市場)従業員が1,000名以上の企業(又はその企業を対象とした市場)ミッド企業(市場)従業員が100~999名の企業(又はその企業を対象とした市場)スモール企業(市場)従業員が99名以下の企業(又はその企業を対象とした市場)3.サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルとは、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金するリカーリングレベニュー(継続収益)型ビジネスモデルのことです。4.パブリッククラウドとは、クラウド上のサービスのうち不特定多数の利用者を対象に広く提供されている形態のことです。特定の利用者を対象として提供される「プライベートクラウド」との対比で用いられます。5.PaaSとは、Platform as a Serviceの略称で、ソフトウエアを稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供することです。6.Salesforce,Inc.とは、米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。株式会社セールスフォース・ジャパンは、Salesforce,Inc.の子会社です。7.OEMパートナー契約とは、Lightning Platformを仕入れ当社グループ商品に結合して販売することができる契約のことです。 [事業系統図]
FY2024|5,303 文字|出典 docID: S100UVBG
3【事業の内容】(1)事業の概要 当社グループは「すべての人を、創造する人に。」というミッションのもと、「個を強く。チームを強く。」をビジョンに掲げ、「チームスピリット」の提供を主としたSaaS (Software as a Service)(注1)事業を行っております。また「チームスピリット」の導入や運用に関してユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスも展開しております。 「チームスピリット」は、すべての従業員が日常的に利用する業務システムの内、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSといったシステムを一体化した当社サービスになります。従来この領域は、ERPと組み合わせて一から開発するか、ERPのオプション機能として提供されたシステムを個社仕様にカスタマイズして使用されていましたが、「チームスピリット」は、これらの様々な利用者機能(データの登録機能)を一つのサービスに纏めSaaSとして独立させました。異なる分野の利用者機能が一つのデータベース及びワークフローで展開されることで、それぞれのデータをかけ合わせて分析することや、各種決裁フローをデジタル化することが可能となり、企業に求められる高度な内部統制を実現することができます。 日本は少子高齢化による労働力人口の減少という社会課題に直面しており、多くの日本企業にとって生産性の改善や多様な人材が活躍できる労働環境の整備が重要な経営課題となっています。とりわけ、日本はOECD加盟国の中で労働生産性が最も低いとされています。こうした環境下で企業が成長し続けるためには、既存の組織及びビジネスモデルの根本的な構造改革に挑戦することに加えて、イノベーションを実現することが必要不可欠であり、多くの日本企業にとって、「デジタルトランスフォーメーション」(以下、「DX」という)(注2)による生産性の向上は避けては通れない重要な課題となっています。 「チームスピリット」は、業務の効率化や可視化を通じ、個人やチームの生産性向上を実現するためのサービスです。足下では、“場所や時間にとらわれない新しい働き方”が広まりを見せており、働き方そのものに対するパラダイムシフトが起きています。そのような事業環境の中で、「チームスピリット」の需要は高まっており、2024年8月末時点で「チームスピリット」の契約ライセンス数は545,519ライセンス、契約社数は1,967社となりました。なお、当社グループはSaaS事業の単一事業となります。 (2)当社グループのサービスについて<当社グループが提供する主なサービス>種別サービス名称サービス内容ライセンス「チームスピリット」サービス勤怠管理、工数管理、経費精算の基本機能を単独もしくは複数組み合わせて利用が可能なSaaS(電子稟議、カレンダー、SNS等の機能も利用可能)アドオンサービスプロジェクト原価管理プロジェクト原価管理サービスアサイン管理アサインメントを最適化するサービスプロフェッショナルサービススポットサポートプレミアサポート顧客の本番稼働や着実な運用のために、担当コンサルタントが実施する有償支援業務 a.「チームスピリット」 当社グループの中核サービスで、勤怠管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど、従業員が日々利用するシステムです。このクラウドサービスは、ユーザー企業のニーズに応じて、パッケージとしても単機能としても利用できます。インターネット経由で必要な期間に応じて、単独または複数の機能を組み合わせて利用することができ、ハイブリッドワークやフレックスタイムなど、多様なワークスタイルをサポートします。2023年9月にサービスラインナップを刷新し、「TeamSpirit」と「TeamSpirit EX」のサービス名称を「チームスピリット」に統一しています。 「勤怠管理」の機能においては、単なる出退社時刻の記録だけでなく、残業時間の推移・36協定の順守状況・インターバル時間・有給休暇の取得状況・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現します。 また「工数管理」の機能では、「勤怠管理」と組み合わせることでリアルタイムに従業員の働き方を可視化し、トップパフォーマーの時間や経費の使い方などのワークログ(業務における活動記録)を分析する等して、従業員が生産性高く働くための質の高いコーチングを提供するといったような生産性向上の実現をサポートします。 「チームスピリット」の各機能を使って働き方を可視化することで、従業員一人ひとりの間接業務を効率化してタイムマネジメントの質を向上させ、アウトプットの増大を実現します。 「チームスピリット」の契約ライセンス数及び契約社数の推移は以下のとおりです。 b.プロジェクト原価管理(アドオンサービス) 「チームスピリット」のアドオンサービスのひとつで、「チームスピリット」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービスです。主に人の作業時間が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、見積りを作成するための工数計画を作成することができ、計画後は「チームスピリット」で登録された工数実績との比較により原価の予実管理を行うことができます。 c.アサイン管理(アドオンサービス) 「チームスピリット」と連携してタレントアサインメントを最適化するサービスです。個人のスキルや経験に基づいた最適なアサインや、勤怠管理と連動することでメンバーの負荷状況を考慮したアサインが可能となります。また、過重労働の防止や納期の正確な予測も可能となります。 d. プロフェッショナルサービス 「チームスピリット」は、原則としてユーザー企業自らで、導入から運用までを実施いただけるようデザインされておりますが、導入目標日に確実な本稼働を迎えたい、導入に係わる担当者の負荷を極力抑えたい、運用段階のシステム設定や新規帳票のレイアウト作成の人材が不足しているなどのお客様の課題に対して、高度なIT及び業務スキルをもったコンサルタントがユーザー企業を有償で支援するサービスを提供しております。 なお、販売体制については、ユーザー企業から直接受注する直販ビジネスを中心としておりますが、一部大企業のお客様向けの販売を目的として、パートナーにサービスを卸しユーザー企業に再販でご利用いただく再販パートナーや、既存で取引のある顧客を紹介いただく紹介パートナーとの協業があります。 (3)ビジネスモデルについて《サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル(注3)による安定性と成長性》 「チームスピリット」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金するビジネスモデルを採用しています。サブスクリプションが複数年にわたり継続して利用されることで、新規・追加の契約数を解約・削減数が上回らない限り、収益が前年度を上回るという安定性がありながら、高い成長を目指すことが可能です。当連結会計年度での当社グループの売上におけるリカーリングレベニュー(継続収益:ライセンス売上+プレミアサポート売上)の比率は約9割となっています。 収益の安定に重要な契約の継続のために定期的なバージョンアップを実施しており、顧客満足度の向上を実現することで高い継続率を維持しています。また当社グループでは既存のお客様に対する活用促進を行う営業体制を構築しており、「チームスピリット」の追加導入などにも注力し継続的なリカーリングレベニューの成長を目指しております。 サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルの単一事業であることから、経営の安定性と成長性が両立できることに加え、年間の契約金額を一括前払いで回収しているため経常的な運転資金は発生しません。キャッシュ・フローの面でも非常に安定していることが当社グループのビジネスモデルの特徴です。 《シングルソース・マルチテナント形式(注4)による顧客価値の最大化とコストダウン》 「チームスピリット」は、SaaSという形態で提供しており、ご契約いただいたすべてのお客様がそれぞれ共通のソースコードで作られた1種類のアプリケーションを使用しています。これを、シングルソース・マルチテナント形式と言います。日々増加するお客様からの要望にお応えして、年間複数回の定期メジャーバージョンアップを提供するなど常に機能を強化・拡大させることができるので、お客様にとっての価値を継続的に向上させることができます。開発者は特定のソースの開発に集中できるので比較的少ないリソース(コスト)で高機能なサービスを開発することが可能です。 さらに「チームスピリット」は従業員1,000名以上のエンタープライズ企業(注5)にもご利用いただいておりますが、仕様が複雑な大規模なお客様であってもアプリケーション本体の改造をせずにシングルソース・マルチテナントで提供できる充実した機能性や優れたサポート体制がビジネス上の大きな優位点であると考えています。 《エンタープライズ企業に選ばれるSaaS》 「チームスピリット」は、パブリッククラウド(注6)で利用できるPaaS (Platform as a Service)(注7)である、Salesforce,Inc.(注8)が運営しているLightning Platform上に構築されております。基盤となるサーバーなどのシステム機器の提供・情報セキュリティ対策・バックアップなどの運用は、すべてSalesforce,Inc.が実施します。そのため株式会社セールスフォース・ジャパンとのOEMパートナー契約(注9)を基に1ライセンス当たり月額課金の仕入が発生する以外、サービス提供に関わる設備投資や運用投資を抑制することができます。その上、ワークフローやSNS及びデータ連携機能、レポート・ダッシュボードなどの分析機能、さらにはAI(機械学習・ディープラーニング)機能やIoTとの接続機能など、システムで使う共通機能もPaaSに実装されています。そのため開発リソースをすべて業務アプリケーションに投下できるメリットがあります。そのことによりサービス改善サイクルを高速化し、SaaSビジネスで最も重要な持続的な顧客体験価値の向上が可能になると考えています。 また、世界中で利用されているSalesforce,Inc.が提供するクラウドプラットフォームにより、金融機関からグローバルに活動するエンタープライズ企業まで、安心して「チームスピリット」をご利用いただける環境を提供できているものと考えています。 (注)1.SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、ソフトウエアをインターネット経由のサービスとして提供することです。2.デジタルトランスフォーメーションとは、情報システムによる業務効率化の域を超え、人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)などデジタル技術を活用して新たなビジネスを生み出し、人々の生活をあらゆる面でより良くするという概念のことです。3.サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルとは、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金するリカーリングレベニュー(継続収益)型ビジネスモデルのことです。4.シングルソース・マルチテナント形式とは、ひとつのシステム環境を複数企業で共同利用することです。5.企業(市場)規模の定義は以下のとおりです。名称定義エンタープライズ企業(市場)従業員が1,000名以上の企業(又はその企業を対象とした市場)ミッド企業(市場)従業員が100~999名の企業(又はその企業を対象とした市場)スモール企業(市場)従業員が99名以下の企業(又はその企業を対象とした市場)6.パブリッククラウドとは、クラウド上のサービスのうち不特定多数の利用者を対象に広く提供されている形態のことです。特定の利用者を対象として提供される「プライベートクラウド」との対比で用いられます。7.PaaSとは、Platform as a Serviceの略称で、ソフトウエアを稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供することです。8.Salesforce,Inc.とは、米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。株式会社セールスフォース・ジャパンは、Salesforce,Inc.の子会社です。9.OEMパートナー契約とは、Lightning Platformを仕入れ当社グループ商品に結合して販売することができる契約のことです。 [事業系統図]
FY2023|6,026 文字|出典 docID: S100SCMG
3【事業の内容】(1)事業の概要 当社グループは「すべての人を、創造する人に。」というミッションのもと、「個を強く。チームを強く。」をビジョンに掲げ、ERP(注1)のフロントウェア「チームスピリット」の提供を主としたSaaS (Software as a Service)(注2)事業を行っております。また「チームスピリット」の導入や運用に関してユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスも展開しております。 ERPのフロントウェアとは、すべての従業員が日常的に利用する業務システムの内、ERPのフロント側(従業員側)でデータの登録機能を担う勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSといったシステムを総称した当社による造語です。従来このフロントウェアの領域は、ERPと組み合わせて一から開発するか、ERPのオプション機能として提供されたシステムを個社仕様にカスタマイズして使用されていましたが、「チームスピリット」は、これらの様々な利用者機能(データの登録機能)を一つのサービスに纏めSaaSとして独立させました。異なる分野の利用者機能が一つのデータベース及びワークフローで展開されることで、それぞれのデータをかけ合わせて分析することや、各種決裁フローをデジタル化することが可能となり、企業に求められる高度な内部統制を実現することができます。 このERPのフロントウェアが、独立したSaaSとして提供されることにより、利用企業が法制度改正に伴うシステム改造や情報セキュリティ対策の手間から解放されるだけでなく、使い慣れた利用者機能を変更することなく企業のステージに合わせたERPのリプレイス(システムの置き換え)を実施できるようになります。 日本は少子高齢化による労働力人口の減少という社会課題に直面しており、多くの日本企業にとって生産性の改善や多様な人材が活躍できる労働環境の整備が重要な経営課題となっています。とりわけ、日本はOECD加盟国の中で労働生産性が最も低いとされています。こうした環境下で企業が成長し続けるためには、既存の組織及びビジネスモデルの根本的な構造改革に挑戦することに加えて、イノベーションを実現することが必要不可欠であり、多くの日本企業にとって、「デジタルトランスフォーメーション」(以下、「DX」という)(注3)による生産性の向上は避けては通れない重要な課題となっています。 「チームスピリット」は、業務の効率化や可視化を通じ、個人やチームの生産性向上を実現するためのサービスです。足下では、“場所や時間にとらわれない新しい働き方”が急速に広まりを見せており、働き方そのものに対するパラダイムシフトが起きています。そのような事業環境の中で、「チームスピリット」の需要は着実に高まっており、2023年8月末時点で「チームスピリット」の契約ライセンス数は456,716ライセンス、契約社数は1,800社となりました。なお、当社グループはSaaS事業の単一事業となります。 (2)当社グループのサービスについて<当社グループが提供する主なサービス> 種別サービス名称サービス内容ライセンス「チームスピリット」サービス勤怠管理、工数管理、経費精算の基本機能を単独もしくは複数組み合わせて利用が可能なSaaS(電子稟議、カレンダー、SNS等の機能も利用可能)アドオンサービスプロジェクト原価管理プロジェクト原価管理サービスアサイン管理アサインメントを最適化するサービスプロフェッショナルサービススポットサポートプレミアサポート顧客の本番稼働や着実な運用のために、担当コンサルタントが実施する有償支援業務 a.「チームスピリット」 当社グループの中核サービスで、勤怠管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々利用するシステムを統合し、ユーザー企業のニーズに応じてひとつにまとめたクラウドサービスです。インターネット経由で必要な期間に応じて単独または複数機能を組み合わせて利用でき、ハイブリッドワークやフレックスタイム等の多様なワークスタイルをサポートします。2023年9月にサービスラインナップを刷新し、「TeamSpirit」と「TeamSpirit EX」のサービス名称を「チームスピリット」に統一しています。 「勤怠管理」の機能においては、単なる出退社時刻の記録だけでなく、残業時間の推移・36協定の順守状況・インターバル時間・有給休暇の取得状況・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現します。 また「工数管理」の機能では、「勤怠管理」と組み合わせることでリアルタイムに従業員の働き方を可視化し、トップパフォーマーの時間や経費の使い方などのワークログ(業務における活動記録)を分析する等して、従業員が生産性高く働くための質の高いコーチングを提供するといったような生産性向上の実現をサポートします。 「チームスピリット」の各機能を使って働き方を可視化することで、従業員一人ひとりの間接業務を効率化してタイムマネジメントの質を向上させ、アウトプットの増大を実現します。 「チームスピリット」の契約ライセンス数の推移は以下のとおりです。 契約ライセンス数(ライセンス)契約社数(社)2012年8月2,811342013年8月11,7361162014年8月23,6912502015年8月46,3354232016年8月71,5936162017年8月98,9007952018年8月139,1719732019年8月208,6151,2322020年8月277,7141,4092021年8月321,5341,5312022年8月382,0461,6442023年8月456,7161,800 b.プロジェクト原価管理(アドオンサービス) 「チームスピリット」のアドオンサービスのひとつで、「チームスピリット」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービスです。主に人の作業時間が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、見積りを作成するための工数計画を作成することができ、計画後は「チームスピリット」で登録された工数実績との比較により原価の予実管理を行うことができます。 c.アサイン管理(アドオンサービス) 「チームスピリット」と連携してタレントアサインメントを最適化するサービスです。個人のスキルや経験に基づいた最適なアサインや、勤怠管理と連動することでメンバーの負荷状況を考慮したアサインが可能となります。また、過重労働の防止や納期の正確な予測も可能となります。 d. プロフェッショナルサービス 「チームスピリット」は、原則としてユーザー企業自らで、導入から運用までを実施いただけるようデザインされておりますが、導入目標日に確実な本稼働を迎えたい、導入に係わる担当者の負荷を極力抑えたい、運用段階のシステム設定や新規帳票のレイアウト作成の人材が不足しているなどのお客様の課題に対して、高度なIT及び業務スキルをもったコンサルタントがユーザー企業を有償で支援するサービスを提供しております。 なお、販売体制については、ユーザー企業から直接受注する直販ビジネスを中心としておりますが、一部大企業のお客様向けの販売を目的として、パートナーにサービスを卸しユーザー企業に再販でご利用いただく再販パートナーや、既存で取引のある顧客を紹介いただく紹介パートナーとの協業があります。 (3)ビジネスモデルについて《サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル(注4)による安定性と成長性》 「チームスピリット」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金するビジネスモデルを採用しています。サブスクリプションが複数年にわたり継続して利用されることで、新規・追加の契約数を解約・削減数が上回らない限り、収益が前年度を上回るという安定性がありながら、高い成長を目指すことが可能です。当連結会計年度での当社グループの売上におけるリカーリングレベニュー(継続収益:ライセンス売上+プレミアサポート売上)の比率は約9割となっています。 収益の安定に重要な契約の継続のために定期的なバージョンアップを実施しており、顧客満足度の向上を実現することで高い継続率を維持しています。また当社グループでは既存のお客様に対する活用促進を行う営業体制を構築しており、「チームスピリット」の追加導入などにも注力し継続的なリカーリングレベニューの成長を目指しております。 成長性の実現に重要な新規の受注に関しては、標準化されたサービスを月額料金ですぐに提供できることから、受託開発型のサービスや高価なソフトウエアを売り切り型で販売するサービスに比べて、受注までの平均商談期間を短縮でき企業規模に関わらず契約数の拡大が可能になります。無償トライアル利用の機会を提供し導入前に効果を確認していただくことで、ユーザー企業は安心して導入の意思決定ができ、定着率の増加にも寄与しています。 サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルの単一事業であることから、経営の安定性と成長性が両立できることに加え、年間の契約金額を一括前払いで回収しているため経常的な運転資金は発生しません。キャッシュ・フローの面でも非常に安定していることが当社グループのビジネスモデルの特徴です。 《シングルソース・マルチテナント形式(注5)による顧客価値の最大化とコストダウン》 「チームスピリット」は、インターネット経由で必要な機能を必要な分だけ利用できるSaaSという形態で提供しており、「チームスピリット」をご契約いただいたすべてのお客様が、それぞれ共通のソースコードで作られた1種類のアプリケーションを使用しています。これを、シングルソース・マルチテナント形式と言います。日々増加するお客様からの要望にお応えして、年間複数回の定期メジャーバージョンアップを提供するなど、常に機能を強化・拡大させることができるので、お客様にとっての価値を継続的に向上させることができます。さらに開発者は特定のソースの開発に集中できるので比較的少ないリソース(コスト)で高機能なサービスを開発することが可能です。 さらに「チームスピリット」は従業員1,000名以上のエンタープライズ企業(注6)にもご利用いただいておりますが、仕様が複雑な大規模なお客様であってもアプリケーション本体の改造をせずにシングルソース・マルチテナントで提供できる充実した機能性や優れたサポート体制がビジネス上の大きな優位点であると考えています。 《エンタープライズ企業に選ばれるSaaS》 「チームスピリット」は、パブリッククラウド(注7)で利用できるPaaS (Platform as a Service)(注8)である、Salesforce,Inc.(注9)が運営しているLightning Platform上に構築されております。基盤となるサーバーなどのシステム機器の提供・情報セキュリティ対策・バックアップなどの運用は、すべてSalesforce,Inc.が実施します。そのため株式会社セールスフォース・ジャパンとのOEMパートナー契約(注10)を基に1ライセンス当たり月額課金の仕入が発生する以外、サービス提供に関わる設備投資や運用投資を抑制することができます。その上、ワークフローやSNS及びデータ連携機能、レポート・ダッシュボードなどの分析機能、さらにはAI(機械学習・ディープラーニング)機能やIoTとの接続機能など、システムで使う共通機能もPaaSに実装されています。そのため開発リソースをすべて業務アプリケーションに投下できるメリットがあります。そのことによりサービス改善サイクルを高速化し、SaaSビジネスで最も重要な持続的な顧客体験価値の向上が可能になると考えています。 また、世界中で利用されているSalesforce,Inc.が提供するクラウドプラットフォームにより、金融機関からグローバルに活動するエンタープライズ企業まで、安心して「チームスピリット」をご利用いただける環境を提供できているものと考えています。 (注)1.ERPとは、企業内の経営資源を有効活用するために、生産、販売、物流、会計、人事などの情報を統合的に管理するための情報システムのことです。2.SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、ソフトウエアをインターネット経由のサービスとして提供することです。3.デジタルトランスフォーメーションとは、情報システムによる業務効率化の域を超え、人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)などデジタル技術を活用して新たなビジネスを生み出し、人々の生活をあらゆる面でより良くするという概念のことです。4.サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルとは、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金するリカーリングレベニュー(継続収益)型ビジネスモデルのことです。5.シングルソース・マルチテナント形式とは、ひとつのシステム環境を複数企業で共同利用することです。6.企業(市場)規模の定義は以下のとおりです。名称定義エンタープライズ企業(市場)従業員が1,000名以上の企業(又はその企業を対象とした市場)ミッド企業(市場)従業員が100~999名の企業(又はその企業を対象とした市場)スモール企業(市場)従業員が99名以下の企業(又はその企業を対象とした市場)7.パブリッククラウドとは、クラウド上のサービスのうち不特定多数の利用者を対象に広く提供されている形態のことです。特定の利用者を対象として提供される「プライベートクラウド」との対比で用いられます。8.PaaSとは、Platform as a Serviceの略称で、ソフトウエアを稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供することです。9.Salesforce,Inc.とは、米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。株式会社セールスフォース・ジャパンは、Salesforce,Inc.の子会社です。10.OEMパートナー契約とは、Lightning Platformを仕入れ当社グループ商品に結合して販売することができる契約のことです。 [事業系統図]
FY2022|7,476 文字|出典 docID: S100POC3
3【事業の内容】(1)事業の概要 当社グループは「すべての人を、創造する人に。」というミッションのもと、「個を強く。チームを強く。」というビジョンを掲げ、ERP(注1)のフロントウェア「TeamSpirit」並びに「TeamSpirit EX」というサービスを(以下、総称して「TeamSpiritシリーズ」と記載)、SaaS (Software as a Service)(注2)と呼ばれるクラウド上のサービスを通して提供しています。また本サービスの導入や運用に関してユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスを提供しております。 ERPのフロントウェアとは、すべての従業員が日常的に利用する業務システムの内、ERPのフロント側(従業員側)でデータの登録機能を担う勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSといったシステムを総称した当社が定義した造語です。従来このフロントウェアの領域は、ERPと組み合わせて一から開発するか、ERPのオプション機能として提供されたシステムを個社仕様にカスタマイズして使用されていましたが、「TeamSpiritシリーズ」は、これらの様々な利用者機能(データの登録機能)を一つのサービスに纏めSaaSとして独立させました。異なる分野の利用者機能が一つのデータベース及びワークフローで展開されることで、それぞれのデータをかけ合わせて分析することや、各種決裁フローをデジタル化することが可能となり、企業に求められる高度な内部統制を実現することができます。 このERPのフロントウェアが、独立したSaaSとして提供されることにより、利用企業が法制度改正に伴うシステム改造や情報セキュリティ対策の手間から解放されるだけでなく、使い慣れた利用者機能を変更することなく企業のステージに合わせたERPのリプレイス(システムの置き換え)を実施できるようになります。 日本は少子高齢化による労働力人口の減少という社会課題に直面しており、多くの日本企業にとって生産性の改善や多様な人材が活躍できる労働環境の整備が重要な経営課題となっています。とりわけ、日本はOECD加盟国の中で労働生産性が最も低いとされています。こうした環境下で企業が成長し続けるためには、既存の組織及びビジネスモデルの根本的な構造改革に挑戦することに加えて、イノベーションを実現することが必要不可欠であり、多くの日本企業にとって、「デジタルトランスフォーメーション」(以下、「DX」という)(注3)による生産性の向上は避けては通れない重要な課題となっています。 「TeamSpiritシリーズ」は、業務の効率化や可視化を通じ、個人やチームの生産性向上を実現するためのサービスです。足下では、ポストコロナ時代の“場所や時間にとらわれない新しい働き方”が急速に広まりを見せており、働き方そのものに対するパラダイムシフトが起こり始めています。そのような事業環境の中で、「TeamSpiritシリーズ」の需要は着実に高まっており、2022年8月末時点で「TeamSpiritシリーズ」の契約ライセンス数は382,046ライセンス、契約社数は1,644社となりました。なお、当社グループはSaaS事業の単一事業となります (2)当社グループのサービスについて<主な当社グループが提供するサービス> サービス種別サービス名称サービス内容ライセンスTeamSpiritTeamSpirit EX勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS等を一体化したSaaSTeamSpirit Leaders「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用する、プロジェクト原価管理サービスTeamSpirit PSA「TeamSpirit EX」と連携して、タレントアサインメントを最適化するサービスプロフェッショナルサービススポットサポートプレミアサポート顧客の本番稼働や着実な運用のために、担当コンサルタントが実施する有償支援業務 a.「TeamSpiritシリーズ」 当社グループの中核サービスで、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々利用するシステムをひとつにまとめたサービスです。インターネット経由で必要な期間に応じて利用できる SaaS という形態で提供され、テレワークやフレックスタイム等の多様なワークスタイルをサポートします。 「勤怠管理・就業管理」の機能においては、単なる出退社時刻の記録だけでなく、残業時間の推移・36協定の順守状況・インターバル時間・有給休暇の取得状況・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現します。また「工数管理」の機能では、「勤怠管理」と組み合わせることで精緻な原価管理が実現できることに加え、リアルタイムに従業員の働き方を可視化し、トップパフォーマーの時間や経費の使い方などの行動を分析する等して、従業員が生産性高く働くための質の高いコーチングを提供するといったような、真の「働き方改革」の実現をサポートします。 「TeamSpiritシリーズ」は4つのステップで、生産性の高い働き方を実現するためのソリューションを提供します。 ステップ1は「間接業務の効率化」です。勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々行わなければいけない煩わしい登録業務を、一つのシステムに纏めることで、入力負担を軽減します。 ステップ2は「内部統制の高度化」です。例えば、原価管理の面では、プロジェクト別の工数を「TeamSpiritシリーズ」で自動集計できるため、その精度が向上します。また、勤怠管理で集計した労働時間を上限とした工数登録の仕組みによって作業工数の水増しを防止できます。さらに、工数の日次承認機能の利用により、事後的に他プロジェクトへ工数を付替えることを防止できるため、不正入力への牽制が働き、統制がとれた原価管理が実現できます。労務管理の面では、「TeamSpiritシリーズ」に入力された情報を活用して、36協定に基づいたレポートの生成が可能であるため、「全社」「部門」「個人」の単位で勤務状況をリアルタイムで可視化・分析でき、法制度違反や未払い残業の発生を防止することができます。また、交際費やタクシーなどの経費精算を勤務・工数データとカレンダーの両方を確認することで業務利用として妥当であるかを判断することもできます。さらに、各種決裁で用いる電子稟議はもちろん、残業や経費精算の承認などの決裁フローをデジタル化することも可能です。 ステップ3は「従業員の活性化」です。働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)が体系的に格納されているため、レポート・ダッシュボード機能で手軽に働き方を可視化でき、この分析から得られた気付きをコーチングに活かすことで、チームメンバーの能力向上をサポートします。 ステップ4は「生産性向上」です。「TeamSpiritシリーズ」の各機能を使って働き方を可視化することで、従業員一人ひとりの間接業務を効率化してタイムマネジメントの質を向上させ、アウトプットの増大を実現します。このように「TeamSpiritシリーズ」では各機能が連携し、ひとつのサービスとして提供されていることにより、「働き方改革」で求められている本質的な問題を解決することが可能となります。 「TeamSpiritシリーズ」の契約ライセンス数の推移は以下のとおりです。 契約ライセンス数(ライセンス)契約社数(社)2012年8月2,811342013年8月11,7361162014年8月23,6912502015年8月46,3354232016年8月71,5936162017年8月98,9007952018年8月139,1719732019年8月208,6151,2322020年8月277,7141,4092021年8月321,5341,5312022年8月382,0461,644 <TeamSpirit> 2011年3月にβ版をローンチして以来、スモール企業(注4)からエンタープライズ企業(注4)まで幅広い顧客層から支持される中核サービスです。 <TeamSpirit EX>エンタープライズ企業のDXニーズに応えるため、2019年6月に「TeamSpirit WSP」としてローンチし、2021年3月に、「TeamSpirit EX」に名称を変更し、本格販売を開始した、エンタープライズ企業向けサービスです。EXは、Enterprise Experience、Expansion、Extend、Exceedを連想させる略語です。 b.「TeamSpirit Leaders」 「TeamSpiritシリーズ」のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービスです。主に人の作業時間が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、見積りを作成するための工数計画を作成することができ、受注後には「TeamSpirit」で登録された工数実績との比較により原価の予実管理を行うことができます。 c. 「TeamSpirit PSA」 「TeamSpirit EX」と連携してタレントアサインメントを最適化するサービスです。個人のスキルや経験に基づいた最適なアサインや、勤怠管理と連動することでメンバーの負荷状況を考慮したアサインが可能となります。また、過重労働の防止や納期の正確な予測も可能となります。 d. プロフェッショナルサービス 「TeamSpiritシリーズ」は、原則としてユーザー企業自らで、導入から運用までを実施いただけるようデザインされておりますが、SaaSの普及に伴いITの基礎知識の少ないお客様への導入事例が増えてまいりました。導入目標日に確実な本稼働を迎えたい、導入に係わる担当者の負荷を極力抑えたい、運用段階のシステム設定や新規帳票のレイアウト作成の人材が不足しているなどのお客様の課題に対して、高度なIT及び業務スキルをもったコンサルタントがユーザー企業を有償で支援するサービスを提供しております。 なお、販売体制については、ユーザー企業から直接受注する直販ビジネスを中心としておりますが、一部大企業のお客様向けの販売を目的として、パートナーにサービスを卸しユーザー企業に再販でご利用いただく再販パートナーや、既存で取引のある顧客を紹介いただく紹介パートナーとの協業があります。 (3)ビジネスモデルについて《サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル(注5)による安定性と成長性》 「TeamSpiritシリーズ」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金する、リカーリングレベニュー(継続収益)方式を採用しています。サブスクリプションが複数年にわたり継続して利用されることで、新規・追加の契約数を解約・削減数が上回らない限り、収益が前年度を上回るという安定性がありながら、高い成長も目指すことができるビジネスモデルです。当連結会計年度での当社グループの売上におけるリカーリングレベニュー(ライセンス売上+プレミアサポート売上)の比率は約9割となっています。 収益の安定に重要な契約の継続のために、エンジニア、デザイナー、カスタマーサポートが一丸となって「働く人の創造的な時間を生み出し、チームの力を引き出す」機能を提供すべく定期的なバージョンアップを実施しております。切れ目のない顧客価値向上を実現することで高い継続率を維持しています。また当社グループでは既存のお客様に対する活用促進を行う営業体制を構築しており、「TeamSpiritシリーズ」の追加導入などにも注力し継続的なリカーリングレベニューの成長を目指しております。 成長性の実現に重要な新規の受注に関しては、標準化されたサービスを月額料金ですぐに提供できることから、受託開発型のサービスや高価なソフトウエアを売り切り型で販売するサービスに比べて、受注までの平均商談期間を短縮でき企業規模に関わらず契約数の拡大が可能になります。無償トライアル利用の機会を提供し導入前に効果を確認していただくことで、ユーザー企業は安心して導入の意思決定ができ、定着率の増加にも寄与しています。 サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルの単一事業であることから、経営の安定性と成長性が両立できることに加え、年間の契約金額を一括前払いで回収しているため経常的な運転資金は発生しません。キャッシュ・フローの面でも非常に安定していることが当社グループのビジネスモデルの特徴です。 《シングルソース・マルチテナント形式(注6)による顧客価値の最大化とコストダウン》 「TeamSpiritシリーズ」は、インターネット経由で必要な機能を必要な分だけ利用できるSaaSという形態で提供しており、2022年8月末時点で1,644社の企業に導入されていますが、「TeamSpiritシリーズ」をご契約いただいたすべてのお客様が、それぞれ共通のソースコードで作られた1種類のアプリケーションを使用しています。これを、シングルソース・マルチテナント形式と言います。日々増加するお客様からの要望にお応えして、年間複数回の定期メジャーバージョンアップを提供するなど、常に機能を強化・拡大させることができるので、お客様にとっての価値を継続的に向上させることができます。さらに開発者は特定のソースの開発に集中できるので比較的少ないリソース(コスト)で高機能なサービスを開発することが可能です。 さらに「TeamSpiritシリーズ」は従業員1,000名以上のエンタープライズ企業にもご利用いただいておりますが、仕様が複雑な大規模なお客様であってもアプリケーション本体の改造をせずにシングルソース・マルチテナントで提供できる充実した機能性や優れたサポート体制がビジネス上の大きな優位点であると考えています。 《エンタープライズ企業に選ばれるSaaS》 「TeamSpiritシリーズ」は、パブリッククラウド(注7)で利用できるPaaS (Platform as a Service)(注8)である、Salesforce,Inc.(注9)が運営しているLightning Platform上に構築されております。基盤となるサーバーなどのシステム機器の提供・情報セキュリティ対策・バックアップなどの運用は、すべてSalesforce,Inc.が実施します。そのため株式会社セールスフォース・ジャパンとのOEMパートナー契約(注10)を基に1ライセンス当たり月額課金の仕入が発生する以外、サービス提供に関わる設備投資や運用投資をほぼゼロに抑制することができます。その上、ワークフローやSNS及びデータ連携機能、レポート・ダッシュボードなどの分析機能、さらにはAI(機械学習・ディープラーニング)機能やIoTとの接続機能など、システムで使う共通機能もPaaSに実装されています。そのため開発リソースをすべて業務アプリケーションに投下できるメリットがあります。そのことによりサービス改善サイクルを高速化し、SaaSビジネスで最も重要な持続的な顧客体験価値の向上が可能になると考えています。 また、世界中で利用されているSalesforce,Inc.が提供するクラウドプラットフォームにより、金融機関からグローバルに活動するエンタープライズ企業まで、安心して「TeamSpiritシリーズ」をご利用いただける環境を提供できているものと考えています。 (注)1 ERPとは、企業内の経営資源を有効活用するために、生産、販売、物流、会計、人事などの情報を統合的に管理するための情報システムのことです。2 SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、ソフトウエアをインターネット経由のサービスとして提供することです。3 デジタルトランスフォーメーションとは、情報システムによる業務効率化の域を超え、人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)などデジタル技術を活用して新たなビジネスを生み出し、人々の生活をあらゆる面でより良くするという概念のことです。4 企業(市場)規模の定義は以下のとおりです。名称定義エンタープライズ企業(市場)従業員が1,000名以上の企業(又はその企業を対象とした市場)ミッド企業(市場)従業員が100~999名の企業(又はその企業を対象とした市場)スモール企業(市場)従業員が99名以下の企業(又はその企業を対象とした市場)5 サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルとは、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金するリカーリングレベニュー(継続収益)型ビジネスモデルのことです。6 シングルソース・マルチテナント形式とは、ひとつのシステム環境を複数企業で共同利用することです。7 パブリッククラウドとは、クラウド上のサービスのうち不特定多数の利用者を対象に広く提供されている形態のことです。特定の利用者を対象として提供される「プライベートクラウド」との対比で用いられます。8 PaaSとは、Platform as a Serviceの略称で、ソフトウエアを稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供することです。9 Salesforce,Inc.とは、米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。株式会社セールスフォース・ジャパンは、Salesforce,Inc.の子会社です。10 OEMパートナー契約とは、Lightning Platformを仕入れ当社グループ商品に結合して販売することができる契約のことです。 [事業系統図]
FY2021|7,357 文字|出典 docID: S100MYWF
3【事業の内容】(1)事業の概要 当社グループは「すべての人を、創造する人に。」というミッションのもと、「個を強く。チームを強く。」というビジョンを掲げ、ERP(注1)のフロントウェア「TeamSpirit」並びに「TeamSpirit EX」というサービスを(以下、総称して「TeamSpiritシリーズ」と記載)、SaaS (Software as a Service)(注2)と呼ばれるクラウド上のサービスを通して提供しています。また本サービスの導入に関してユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスを提供しております。 ERPのフロントウェアとは、すべての従業員が日常的に利用する業務システムの内、ERPのフロント側(従業員側)でデータの登録機能を担う勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSといったシステムを総称した当社が定義した造語です。従来このフロントウェアの領域は、ERPと組み合わせて一から開発するか、ERPのオプション機能として提供されたシステムを個社仕様にカスタマイズして使用されていましたが、「TeamSpiritシリーズ」は、これらの様々な利用者機能(データの登録機能)を一つのサービスに纏めSaaSとして独立させました。異なる分野の利用者機能が一つのデータベース及びワークフローで展開されることで、それぞれのデータをかけ合わせて分析することや、各種決裁フローをデジタル化することが可能となり、企業に求められる高度な内部統制を実現することができます。 このERPのフロントウェアが、独立したSaaSとして提供されることにより、利用企業が法制度改正に伴うシステム改造や情報セキュリティ対策の手間から解放されるだけでなく、使い慣れた利用者機能を変更することなく企業のステージに合わせたERPのリプレイス(システムの置き換え)を実施できるようになります。 IoTや人工知能(AI)などを軸とする「第4次産業革命」が社会に大きな変化をもたらしつつあるなか、企業は最新技術を駆使した「デジタルトランスフォーメーション」(以下、「DX」という)(注3)への取り組みを迫られています。また、少子高齢化に伴い、今後国内の生産年齢人口(15歳〜64歳)が確実に減少する中で企業が成長し続けるためには、既存の組織及びビジネスモデルの根本的な構造改革に挑戦することに加えて、イノベーションを実現することが必要不可欠です。「TeamSpiritシリーズ」は、業務の可視化を通じチームのコミュニケーションやPDCAサイクルを好循環させることで、一人ひとりが専門能力を発揮し自律的に連携するプロフェッショナルなチームを創り出し、圧倒的な生産性向上を実現するためのサービスです。 足下では、ポストコロナ時代の“場所や時間にとらわれない新しい働き方”が急速に広まりを見せており、働き方そのものに対するパラダイムシフトが起こり始めています。そのような事業環境の中で、「TeamSpiritシリーズ」の需要は着実に高まっており、2021年8月末時点で「TeamSpiritシリーズ」の契約ライセンス数は321,534ライセンス、契約社数は1,531社となりました。なお、当社グループはSaaS事業の単一事業となります。 (2)当社グループのサービスについて<主な当社グループが提供するサービス>サービス種別サービス名称サービス内容ライセンスTeamSpiritTeamSpirit EX勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS等を一体化したSaaSTeamSpirit Leaders「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用する、プロジェクト原価管理サービスプロフェッショナルサービススポットサポートプレミアサポート顧客の本番稼働や着実な運用のために、担当コンサルタントが実施する有償支援業務 a.「TeamSpiritシリーズ」 当社グループの中核サービスで、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々利用するシステムをひとつにまとめたサービスです。インターネット経由で必要な期間に応じて利用できる SaaS という形態で提供され、テレワークやフレックスタイム等の多様なワークスタイルをサポートします。「勤怠管理・就業管理」の機能においては、単なる出退社時刻の記録だけでなく、残業時間の推移・36協定の順守状況・インターバル時間・有給休暇の取得状況・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現します。また「工数管理」の機能では、「勤怠管理」と組み合わせることで精緻な原価管理が実現できることに加え、リアルタイムに従業員の働き方を可視化し、トップパフォーマーの時間や経費の使い方などの行動を分析する等して、従業員が生産性高く働くための質の高いコーチングを提供するといったような、真の「働き方改革」の実現をサポートします。 「TeamSpiritシリーズ」は4つのステップで、生産性の高い働き方を実現するためのソリューションを提供します。ステップ1は「間接業務の効率化」です。勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々行わなければいけない煩わしい登録業務を、一つのシステムに纏めることで、入力負担を軽減します。ステップ2は「内部統制の高度化」です。例えば、原価管理の面では、プロジェクト別の工数を「TeamSpiritシリーズ」で自動集計できるため、その精度が向上します。また、勤怠管理で集計した労働時間を上限とした工数登録の仕組みによって作業工数の水増しを防止できます。さらに、工数の日次承認機能の利用により、事後的に他プロジェクトへ工数を付替えることを防止できるため、不正入力への牽制が働き、統制がとれた原価管理が実現できます。労務管理の面では、「TeamSpiritシリーズ」に入力された情報を活用して、36協定に基づいたレポートの生成が可能であるため、「全社」「部門」「個人」の単位で勤務状況をリアルタイムで可視化・分析でき、法制度違反や未払い残業の発生を防止することができます。また、交際費やタクシーなどの経費精算を勤務・工数データとカレンダーの両方を確認することで業務利用として妥当であるかを判断することもできます。さらに、各種決裁で用いる電子稟議はもちろん、残業や経費精算の承認などの決裁フローをデジタル化することも可能です。ステップ3は「従業員の活性化」です。働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)が体系的に格納されているため、レポート・ダッシュボード機能で手軽に働き方を可視化でき、この分析から得られた気付きをコーチングに活かすことで、チームメンバーの能力向上をサポートします。ステップ4は「生産性向上」です。「TeamSpiritシリーズ」の各機能を使って働き方を可視化することで、従業員一人ひとりの間接業務を効率化してタイムマネジメントの質を向上させ、アウトプットの増大を実現します。このように「TeamSpiritシリーズ」では各機能が連携し、ひとつのサービスとして提供されていることにより、「働き方改革」で求められている本質的な問題を解決することが可能となります。 「TeamSpiritシリーズ」の契約ライセンス数の推移は以下のとおりです。 契約ライセンス数(ライセンス)契約社数(社)2012年8月2,811342013年8月11,7361162014年8月23,6912502015年8月46,3354232016年8月71,5936162017年8月98,9007952018年8月139,1719732019年8月208,6151,2322020年8月277,7141,4092021年8月321,5341,531 <TeamSpirit> 2021年3月で販売開始から10周年を迎えた、スモール企業(注4)からエンタープライズ企業(注4)まで幅広い顧客層から支持される中核サービスです。 <TeamSpirit EX>エンタープライズ企業のDXニーズにこたえるため、2019年6月に「TeamSpirit WSP」としてローンチし、一部のお客様に先行販売中であったエンタープライズ企業向けサービスです。2021年3月に、「TeamSpirit EX」に名称を変更し、本格販売を開始しました。EXは、Enterprise Experience、Expansion、Extend、Exceedを連想させる略語です。 b.「TeamSpirit Leaders」 「TeamSpiritシリーズ」のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービスです。主に人の作業時間が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、見積を作成するための工数計画を作成することができ、受注後には「TeamSpirit」で登録された工数実績との比較により原価の予実管理を行うことができます。 c. プロフェッショナルサービス 「TeamSpiritシリーズ」は、原則としてユーザー企業自らで、導入から運用までを実施いただけるようデザインされておりますが、SaaSの普及に伴いITの基礎知識の少ないお客様への導入事例が増えてまいりました。導入目標日に確実な本稼働を迎えたい、導入に係わる担当者の負荷を極力抑えたい、運用段階のシステム設定や新規帳票のレイアウト作成の人材が不足しているなどのお客様の課題に対して、高度なIT及び業務スキルをもったコンサルタントがユーザー企業を有償で支援するサービスを提供しております。 なお、販売体制については、ユーザー企業から直接受注する直販ビジネスを中心としておりますが、一部大企業のお客様向けの販売を目的として、パートナーにサービスを卸しユーザー企業に再販でご利用いただく再販パートナーや、既存で取引のある顧客を紹介いただく紹介パートナーとの協業があります。 (3)ビジネスモデルについて《サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル(注5)による安定性と成長性》 「TeamSpiritシリーズ」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金する、リカーリングレベニュー(継続収益)方式を採用しています。サブスクリプションが複数年にわたり継続して利用されることで、新規・追加の契約数を解約・削減数が上回らない限り、収益が前年度を上回るという安定性がありながら、高い成長も目指すことができるビジネスモデルです。当連結会計年度での当社グループの売上におけるリカーリングレベニュー(ライセンス売上+プレミアサポート売上)の比率は89.3%となっています。 収益の安定に重要な契約の継続のために、エンジニア、デザイナー、カスタマーサポートが一丸となって「働く人の創造的な時間を生み出し、チームの力を引き出す」機能を提供すべく定期的なバージョンアップを実施しております。切れ目のない顧客価値向上を実現することで高い継続率を維持しています。また当社グループでは既存のお客様に対する活用促進を行う営業体制を構築しており、「TeamSpiritシリーズ」の追加導入などにも注力し継続的なリカーリングレベニューの成長を目指しております。 成長性の実現に重要な新規の受注に関しては、標準化されたサービスを月額料金ですぐに提供できることから、受託開発型のサービスや高価なソフトウエアを売り切り型で販売するサービスに比べて、受注までの平均商談期間を短縮でき企業規模に関わらず契約数の拡大が可能になります。無償トライアル利用の機会を提供し導入前に効果を確認していただくことで、ユーザー企業は安心して導入の意思決定ができ、定着率の増加にも寄与しています。 サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルの単一事業であることから、経営の安定性と成長性が両立できることに加え、年間の契約金額を一括前払いで回収しているため経常的な運転資金は発生しません。キャッシュ・フローの面でも非常に安定していることが当社グループのビジネスモデルの特徴です。 《シングルソース・マルチテナント形式(注6)による顧客価値の最大化とコストダウン》 「TeamSpiritシリーズ」は、インターネット経由で必要な機能を必要な分だけ利用できるSaaSという形態で提供しており、2021年8月末時点で1,531社の企業に導入されていますが、「TeamSpiritシリーズ」をご契約いただいたすべてのお客様が、それぞれ共通のソースコードで作られた1種類のアプリケーションを使用しています。これを、シングルソース・マルチテナント形式と言います。日々増加するお客様からの要望にお応えして、年間複数回の定期メジャーバージョンアップを提供するなど、常に機能を強化・拡大させることができるので、お客様にとっての価値を継続的に向上させることができます。さらに開発者は特定のソースの開発に集中できるので比較的少ないリソース(コスト)で高機能なサービスを開発することが可能です。 さらに「TeamSpiritシリーズ」は従業員1,000名以上のエンタープライズ企業にもご利用いただいておりますが、仕様が複雑な大規模なお客様であってもアプリケーション本体の改造をせずにシングルソース・マルチテナントで提供できる充実した機能性や優れたサポート体制がビジネス上の大きな優位点であると考えています。 《エンタープライズ企業に選ばれるSaaS》 「TeamSpiritシリーズ」は、パブリッククラウド(注7)で利用できるPaaS (Platform as a Service)(注8)である、salesforce.com, inc.(注9)が運営しているLightning Platform上に構築されております。基盤となるサーバーなどのシステム機器の提供・情報セキュリティ対策・バックアップなどの運用は、すべてsalesforce.com, inc.が実施します。そのため株式会社セールスフォース・ドットコムとのOEMパートナー契約(注10)を基に1ライセンスあたり月額課金の仕入が発生する以外、サービス提供に関わる設備投資や運用投資をほぼゼロに抑制することができます。その上、ワークフローやSNS及びデータ連携機能、レポート・ダッシュボードなどの分析機能、さらにはAI(機械学習・ディープラーニング)機能やIoTとの接続機能など、システムで使う共通機能もPaaSに実装されています。そのため開発リソースをすべて業務アプリケーションに投下できるメリットがあります。そのことによりサービス改善サイクルを高速化し、SaaSビジネスで最も重要な持続的な顧客体験価値の向上が可能になると考えています。 また、世界でユーザー企業15万社以上、1日あたりのトランザクション数40億以上、稼働アプリケーション数500万以上といった世界中で利用されているsalesforce.com, inc.が提供するクラウドプラットフォームにより、金融機関からグローバルに活動するエンタープライズ企業まで、安心して「TeamSpiritシリーズ」をご利用いただける環境を提供できているものと考えています。 (注)1 ERPとは、企業内の経営資源を有効活用するために、生産、販売、物流、会計、人事などの情報を統合的に管理するための情報システムのことです。2 SaaSとは、Software as a Serviceの略称で、ソフトウエアをインターネット経由のサービスとして提供することです。3 デジタルトランスフォーメーションとは、情報システムによる業務効率化の域を超え、人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)などデジタル技術を活用して新たなビジネスを生み出し、人々の生活をあらゆる面でより良くするという概念のことです。4 企業(市場)規模の定義は以下のとおりです。名称定義エンタープライズ企業(市場)従業員が1,000名以上の企業(又はその企業を対象とした市場)ミッド企業(市場)従業員が100~999名の企業(又はその企業を対象とした市場)スモール企業(市場)従業員が99名以下の企業(又はその企業を対象とした市場)5 サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルとは、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購入)として課金するリカーリングレベニュー(継続収益)型ビジネスモデルのことです。6 シングルソース・マルチテナント形式とは、ひとつのシステム環境を複数企業で共同利用することです。7 パブリッククラウドとは、クラウド上のサービスのうち不特定多数の利用者を対象に広く提供されている形態のことです。特定の利用者を対象として提供される「プライベートクラウド」との対比で用いられます。8 PaaSとは、Platform as a Serviceの略称で、ソフトウエアを稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供することです。9 salesforce.com, inc. とは、米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。株式会社セールスフォース・ドットコムは、salesforce.com, inc.の子会社です。10 OEMパートナー契約とは、Lightning Platformを仕入れ当社グループ商品に結合して販売することができる契約のことです。 [事業系統図]
FY2020|7,322 文字|出典 docID: S100K98D
3【事業の内容】(1)事業の概要 当社グループは「すべての人を、創造する人に。」「個を強く。チームを強く。」というミッション、ビジョンのもと、ERP(注1)のフロントウェア「TeamSpirit」というサービスを、SaaS (Software as a Service)(注2)と呼ばれるクラウド上のサービスを通して提供しています。また「TeamSpirit」の導入に関してユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスを提供しております。 ERPのフロントウェアとは、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSといった企業のバックオフィスにおいて従業員が日常的に使用する様々なアプリケーションを一体化したシステムのことです。従来このフロントウェアの領域は、ERPと組み合わせて一から開発するか、ERPのオプションを利用していましたが、「TeamSpirit」はこれらの利用者機能(データの登録機能)を独立させて一つのサービスにまとめました。異なる分野の利用者機能が一つのデータベース及びワークフローを共有することで、それぞれのデータをかけ合わせて分析することや、企業の決裁権限をシステムに組み込むことが可能となり、企業に求められる内部統制やコンプライアンスを実現することができます。 このERPのフロントウェアが独立したSaaSとして提供されることで、ユーザー企業が法制度改正に伴うシステム改造や情報セキュリティ対策の手間から解放されるだけでなく、使い慣れた利用者機能を変更することなく、企業のステージに合わせて行うERPのリプレース(システムの置き換え)が実施できるようになります。 IoTや人工知能(AI)などを軸とする「第4次産業革命」が社会に大きな変化をもたらしつつあるなか、企業は最新技術を駆使して新たなビジネスモデルや付加価値を創出する「デジタルトランスフォーメーション」(注3)への取り組みに迫られています。また「働き方改革」の名の下、企業の生産性向上に大きな注目が集まっています。ビジネス環境が刻一刻と変化し、かつ国内の生産年齢人口(15歳〜64歳)が今後確実に減り続ける社会で企業が成長し続けるためには、既存の組織及びビジネスモデルの根本的な構造改革に挑戦すること、またイノベーションを実現することが必要不可欠です。そのためにまず企業がなすべきことは、社内の間接業務を極力削減し、従業員一人ひとりが創造的に時間を使うことでアウトプットの質・量を最大化することです。「TeamSpirit」は日々の成果を可視化し、チームのコミュニケーションやPDCAサイクルの仕組みに変えるという新しい価値を提供することで、働く人一人ひとりが専門能力を発揮し自律的に連携するプロフェッショナルなチームを創り出し、組織として圧倒的な生産性の向上を実現します。 足下では、新型コロナウイルスが全世界に猛威を振るい、ニューノーマル(新常態)といわれるテレワーク等が急速に広まりを見せており、働き方そのものに対するパラダイムシフトが起こり始めています。そのような事業環境の中で、「TeamSpirit」の需要は着実に高まっており、2020年8月末時点で「TeamSpirit」の契約ライセンス数は277,714ライセンス、契約社数は1,409社となりました。 なお、当社グループはSaaS事業の単一セグメントとなります。 (2)当社グループ商品についてa.「TeamSpirit」 当社グループの中核商品で、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々利用するシステムをひとつにまとめたサービスです。インターネット経由で必要な期間利用できる SaaS という形態で提供され、テレワークやフレックスタイム等の多様なワークスタイルをサポートします。「勤怠管理・就業管理」の領域においては単なる出退社時刻の記録だけでなく、残業時間の推移・36協定の順守状況・インターバル時間・有給休暇の取得状況・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現します。また「工数管理・SNS」の領域では、リアルタイムに従業員の働き方を可視化し、トップパフォーマーの時間や経費の使い方などの行動を分析することで、従業員が生産性高く、生き生きと働くための質の高いコーチングを提供するなど、真の「働き方改革」の実現をサポートします。 「TeamSpirit」のコンセプトは、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従来は単体で提供されていたシステムが一体化され、出社から退社まで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することで実現する「働き方改革プラットフォーム」という新しい価値の提供にあります。従来それぞれのシステムは給与計算や財務会計、原価管理といった企業の経営管理を司るERPなどの基幹系システムのオプションとして提供されていました。しかしERPには、その性質上、月次の決算に必要な情報しか登録することができないと認識しています。「TeamSpirit」は基幹系システムのオプションに当たる機能を従業員視点でひとつにまとめ、ERPから従業員が毎日使うワークフロー機能を分離独立させたフロントウェアとして提供しています。そのため従業員の日々の活動データを「リアルタイム」にかつ「体系的」にERPから分離した中間的なデータベースに格納します。そこから必要なタイミングで基幹系システムにデータを取り込み処理する業務フローに見直しました。そのため「TeamSpirit」では既存の基幹系システムにアドオンするだけの手軽さで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することができます。 「TeamSpirit」は4つのステップで「働き方改革」に関する潜在的なニーズに対するソリューションを提供します。ステップ1は勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々行わなければいけない業務をひとつのシステムにまとめることで実現する「間接業務の効率化」です。ステップ2は「内部統制の高度化」です。例えば、原価管理の面では、プロジェクト別の工数を「TeamSpirit」で自動集計できるため原価計算の精度が向上します。また、勤怠管理で集計した労働時間を上限とした工数登録の仕組みによって作業工数の水増しを防止できます。さらに、工数の日次承認機能の利用により、事後的に他プロジェクトへ工数を付替えることを防止できるため、不正な調整への牽制が可能となり、統制がとれた原価管理が実現できます。労務管理の面では、「TeamSpirit」に入力された情報を活用して、36協定に基づいたレポートの生成が可能であるため、「全社」「部門」「個人」の単位で勤務状況をリアルタイムで可視化・分析でき、法制度違反や未払い残業の発生の防止を行うことができます。また交際費やタクシーなどの経費精算を勤務・工数データとカレンダーの両方を確認することで業務利用として妥当であるかを判断することもできます。さらに各機能のワークフローが共通化されていることで電子稟議はもちろん残業や経費精算の承認などの決裁権限をシステムに組み込むことができます。ステップ3は「従業員の活性化」です。働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)が体系的に格納されているため、レポーティング機能で手軽に働き方を可視化でき、この分析から得られた気付きをコーチングに活かすことができます。ステップ4は「生産性向上」です。「TeamSpirit」の各機能を使って働き方を可視化することで、従業員一人ひとりのタイムマネジメントの質を向上させ、アウトプットの増大を実現します。このように「TeamSpirit」では各機能が連携しひとつのサービスとして提供されていることにより、「働き方改革」で求められている本質的な問題を解決することが可能となります。 「TeamSpirit」の契約ライセンス数の推移は以下の通りです。 契約ライセンス数(人)契約社数(社)2012年8月2,811342013年8月11,7361162014年8月23,6912502015年8月46,3354232016年8月71,5936162017年8月98,9007952018年8月139,1719732019年8月208,6151,2322020年8月277,7141,409 b.「TeamSpirit Leaders」 「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービスです。主に人の作業時間が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、見積を作成するための工数計画を作成することができ、受注後には「TeamSpirit」で登録された工数実績との比較により原価の予実管理を行うことができます。 c. プロフェッショナルサービス 「TeamSpirit」は、原則としてユーザー企業自らで、導入から運用までを実施いただけるようデザインされておりますが、SaaSの普及に伴いITの基礎知識の少ないお客様による導入事例が増えてまいりました。導入目標日に確実な本稼働を迎えたい、導入に係わる担当者の負荷を極力抑えたい、運用段階のシステム設定や新規帳票のレイアウト作成の人材が不足しているなどのお客様の課題に対して、高度なIT及び業務スキルをもったコンサルタントがユーザー企業を有償で支援するサービスを提供しております。 <主な当社グループ商品>サービス種別サービス名称サービス内容ライセンスTeamSpirit勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS等を一体化したSaaSTeamSpirit Leaders「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用する、プロジェクト原価管理サービスプロフェッショナルサービススポットサポートプレミアサポート顧客の本番稼働や着実な運用のために、担当コンサルタントが実施する有償支援業務 なお、販売体制については、顧客企業から直接受注する直販ビジネスを中心としておりますが、一部大企業のお客様向けの販売を目的として、パートナーにサービスを卸しユーザー企業に再販でご利用いただく再販パートナーや、既存で取引のある顧客を紹介いただく紹介パートナーとの協業があります。 (3)ビジネスモデルについて《サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル(注4)による安定性と成長性》 「TeamSpirit」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購読)として課金する、リカーリングレベニュー(継続収益)方式を採用しています。サブスクリプションが複数年にわたり継続して利用されることで、新規の契約数を解約数が上回らない限り、収益が前年度を上回るという安定性がありながら、高い成長も目指すことができるビジネスモデルです。当連結会計年度での当社グループの売上におけるリカーリングレベニュー(ライセンス売上+プレミアサポート売上)の比率は88.3%となっています。 収益の安定に重要な契約の継続のために、エンジニア、デザイナー、カスタマーサポートが一丸となって「働く人の創造的な時間を生み出し、チームの力を引き出す」機能を提供すべく定期的なバージョンアップを実施しております。切れ目のない顧客価値向上を実現することで高い継続率の維持の実現を目指しています。また当社グループでは既存のお客様に対する活用促進を行う営業体制を構築しております。そのためファミリー製品を追加で導入いただくなど、今まで既存のお客様から年間の解約を上回るリカーリングレベニューの増加を実現しております。 成長性の実現に重要な新規の受注に関しては、高価なソフトウエアを売り切り型で販売するのではなく月額料金ですぐに提供できることから、受注までの平均商談期間を短縮でき企業規模に関わらず契約数の拡大が可能になると認識しております。無償トライアル利用の機会を提供し導入前に効果を確認していただくことで、安心して導入の意思決定ができ、受注リードタイムの短縮も可能になります。 世界のSaaS企業の標準となりつつあるサブスクリプション型リカーリングレベニューモデルの単一事業であることから経営の安定性と成長性が両立できることに加え、年間の契約金額を一括前払いで回収しているため、キャッシュ・フローの観点で有利なことも当社グループのビジネスモデルの特徴です。 《シングルソース・マルチテナント形式(注5)による顧客価値の最大化とコストダウン》 「TeamSpirit」は、インターネット経由で必要な機能を必要な分だけ利用できるSaaSという形態で提供しており、2020年8月末時点で1,409社の企業に導入されていますが、シングルソース・マルチテナント形式で、「TeamSpirit」をご契約いただいたすべてのお客様が共通のソースコードで作られた1種類のアプリケーションを使用しています。日々増加するお客様からの要望にお応えして、年3回の定期メジャーバージョンアップ(4月、8月、12月)を提供するなど、常に機能を強化・拡大させることができるので、お客様にとっての価値を継続的に向上させることができます。さらに開発者はひとつのソースの開発に集中できるので比較的少ないリソース(コスト)で高機能なサービスを開発することが可能です。 さらに「TeamSpirit」は従業員1,000名以上の大手企業にもご利用いただいておりますが、仕様が複雑な大規模なお客様であってもアプリケーション本体の改造をせずにシングルソース・マルチテナントで提供できることが技術上、ビジネス上の大きな優位点であると考えています。 《エンタープライズ企業(注6)に選ばれるSaaS》 「TeamSpirit」は、パブリッククラウド(注7)で利用できるPaaS (Platform as a Service)(注8)である、salesforce.com, inc.(注9)が運営しているLightning Platform上に構築されております。基盤となるサーバーなどのシステム機器の提供・情報セキュリティ対策・バックアップなどの運用は、すべてsalesforce.com, inc.が実施します。そのため株式会社セールスフォース・ドットコムとのOEMパートナー契約(注10)を基に1ライセンスあたり月額課金の仕入が発生する以外、サービス提供に関わる設備投資や運用投資をほぼゼロに抑制することができます。その上、ワークフローやSNSおよびデータ連携機能、レポーティングやダッシュボードなど分析機能、さらにはAI(機械学習・ディープラーニング)機能やIoTとの接続機能など、システムで使う共通機能もPaaSに実装されています。そのため開発リソースをすべて業務アプリケーションに投下できるメリットがあります。そのことによりサービス改善サイクルを高速化し、SaaSビジネスで最も重要な顧客価値の向上が可能であると考えています。 また世界でユーザー企業15万社以上、1日あたりのトランザクション数40億以上、稼働アプリケーション数500万以上のシステム運用体制を持つsalesforce.com, inc.によるシステム運用実績により、金融機関から国際的に活動するエンタープライズ企業まで安心して「TeamSpirit」をご利用いただけるものと考えています。 (注)1 ERPとは、企業内の経営資源を有効活用するために、生産、販売、物流、会計、人事などの情報を統合的に管理するための情報システムのことです。2 SaaSとは、ソフトウエアをインターネット経由のサービスとして提供することです。3 デジタルトランスフォーメーションとは、情報システムによる業務効率化の域を超え、人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)などデジタル技術を活用して新たなビジネスを生み出し、人々の生活をあらゆる面でより良くするという概念のことです。4 サブスクリプション型リカーリングレベニューモデルとは、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購読)として課金するリカーリングレベニュー(継続収益)型ビジネスモデルのことです。5 シングルソース・マルチテナント形式とは、ひとつのシステム環境を複数企業で共同利用することです。6 エンタープライズ企業とは、IT業界における市場や製品カテゴリー区分の一種で、大企業、中堅企業、公的機関などの比較的規模の大きな法人のことを表します。7 パブリッククラウドとは、クラウド上のサービスのうち不特定多数の利用者を対象に広く提供されている形態のことです。特定の利用者を対象として提供される「プライベートクラウド」との対比で用いられます。8 PaaSとは、ソフトウエアを稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供することです。9 salesforce.com, inc. とは、米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。株式会社セールスフォース・ドットコムは、salesforce.com, inc.の子会社です。10 OEMパートナー契約とは、Lightning Platformを仕入れ、当社グループ商品に結合して販売することができる契約のことです。 [事業系統図]
FY2019|7,601 文字|出典 docID: S100HH36
3【事業の内容】(1)事業の概要 当社は「すべての人を、創造する人に。」というミッションのもと、SaaS (Software as a Service)(注1)と呼ばれるクラウド上のサービスを通して、働く人と企業の「働き方改革」を推進する顧客サービスを事業として展開しております。当社では、企業向けに勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS等の従業員が日々利用するアプリケーションをひとつにまとめた「TeamSpirit」やユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスを提供しております。 IoTや人工知能(AI)などを軸とする「第4次産業革命」が社会に大きな変化をもたらしつつあるなか、企業は最新技術を駆使して新たなビジネスモデルや付加価値を創出する「デジタルトランスフォーメーション」(注2)への取り組みに迫られています。ビジネス環境が刻一刻と変化し、かつ国内の生産年齢人口(15歳〜64歳)が今後確実に減り続ける社会で企業が成長し続けるためには、既存の組織及びビジネスモデルの根本的な構造改革に挑戦すること、またイノベーションを実現することが必要不可欠です。そのためにまず企業がなすべきことは、社内の間接業務を極力削減し、従業員一人ひとりの時間の使い方・働き方を可視化することで業務を改善することであり、働く人が創造的に時間を使うことでアウトプットの質・量を最大化することだと当社は考えております。その結果、働く人一人ひとりが専門能力を発揮し、かつ自律的に連携するプロフェッショナルなチームが作られ、組織として圧倒的な生産性を実現することができます。 当社は「個を強く。チームを強く。」というビジョンのもと、主力サービスとして勤怠管理・工数管理・経費精算などのように従業員が日々利用するアプリケーションをひとつのシステムにまとめ、出社から退社までの活動を記録することで働き方を可視化し、創造的な時間を増やすことで生産性向上を実現するサービス「TeamSpirit」を提供しています。「TeamSpirit」は、従業員が日常的に使用する様々なアプリケーションを一体化した働く人視点の「フロントウェア」(注3)をコンセプトに設計されており、出社から退社まで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することで間接業務を効率化するだけではなく、日々の成果を可視化し、チームのコミュニケーションやPDCAサイクルの仕組みに変えるという新しい価値を提供します。 今、「働き方改革」の名の下、企業の生産性向上に大きな注目が集まっています。そのため、単なる労務管理だけではなく、今いる人やチームの活性化に関心を持つお客様からの受注が増加したことにより「TeamSpirit」は2019年8月末時点で契約社数が1,232社、契約ライセンス数は208,615人となりました。 なお、当社はSaaS事業の単一セグメントとなります。 (2)当社商品についてa.「TeamSpirit」 当社の中核商品で、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々利用するシステムをひとつにまとめたサービスです。インターネット経由で必要な期間利用できる SaaS という形態で提供され、テレワークや在宅勤務など多様で先進的なワークスタイルをサポートします。「勤怠管理、就業管理」の領域においては単なる出退社時刻の記録だけでなく、有給休暇の取得状況・残業時間の推移・36協定の抵触・インターバル時間・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現します。また「工数管理・SNS」の領域では、リアルタイムに従業員の働き方を可視化し、トップパフォーマーの時間や経費の使い方などの行動を分析することで、従業員が生産性高く、生き生きと働くための質の高いコーチングを提供するなど、真の「働き方改革」の実現をサポートします。 「TeamSpirit」のコンセプトは、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従来は単体で提供されていたシステムが一体化され、出社から退社まで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することで実現する「働き方改革プラットフォーム」という新しい価値の提供にあります。従来それぞれのシステムは人事部が担当する給与計算や経理部の行う財務会計、部門毎に必要な原価管理や総務部が取りまとめる各種稟議のように、企業の経営管理を司るERP(注4)などの基幹系システムのオプションとして提供されていました。しかしその性質上、月次の決算に必要な情報しか登録することができないと認識しています。「TeamSpirit」は基幹系システムのオプションに当たる機能を従業員視点でひとつにまとめ、ERPから従業員が毎日使うワークフロー機能を分離独立させたフロントウェアとして提供しています。そのため従業員の日々の活動データを「リアルタイム」にかつ「体系的」に中間的なデータベースに格納します。そこから必要なタイミングで基幹系システムにデータを取り込み処理をする業務フローに見直しました。そのため「TeamSpirit」では既存の基幹系システムにアドオンするだけの手軽さで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することができます。 「TeamSpirit」は4つのステップで「働き方改革」に関する潜在的なニーズに対するソリューションを提供します。ステップ1は勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々行わなければいけない業務をひとつのシステムにまとめることで実現する「間接業務の効率化」です。ステップ2は「内部統制の高度化」です。例えば、原価管理の面では、プロジェクト別原価計算を行う際に登録したプロジェクト別の工数を「TeamSpirit」で自動集計できるため原価計算の精度が向上します。また、勤怠管理で集計した労働時間を上限とした工数登録のため作業工数の水増しを防止できます。さらに、工数の日次承認機能の利用により、事後的に他プロジェクトへ工数を付替えることが防止できるため、他プロジェクトへの工数付替え等の不正な調整への牽制が可能となり、統制がとれた原価管理が実現できます。労務管理の面では、「TeamSpirit」に入力された情報を活用して、36協定に基づいたレポートの生成が可能であるため、「全社」「部門」「個人」の単位で勤務状況をリアルタイムで可視化・分析できます。そこから得た情報をもとに、課題の抽出や対策の検討・実践・報告が可能であるため、労務管理の統制を実現できます。また交際費やタクシーなどの経費精算を勤務勤怠の勤務表とカレンダーの両方を確認することで業務利用として妥当であるかを判断することもできます。さらに各機能のワークフローが共通化されていることで電子稟議はもちろん残業の許可や経費精算の承認などの決裁権限をシステムに組み込むことができます。ステップ3は「従業員の活性化」です。働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)が体系的に格納されているため、レポーティング機能で手軽に働き方を可視化でき、この分析から得られた気付きをSNSを使ってコーチングすることで実現します。ステップ4は「生産性向上」です。カレンダーと工数管理の連携で重要なタスクに優先的に取り組むタイムマネジメントによりアウトプットの増大を実現します。このように「TeamSpirit」では「働き方改革」で求められている本質的な問題を解決することができますが、これらすべて各機能が連携しひとつのサービスとして提供されていることで実現されています。 「TeamSpirit」の契約ライセンス数の推移は以下の通りです。 契約ライセンス数(人)契約社数(社)2012年8月2,811342013年8月11,7361162014年8月23,6912502015年8月46,3354232016年8月71,5936162017年8月98,9007952018年8月139,1719732019年8月208,6151,232 b.「TeamSpirit Leaders」 「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービスです。主に人が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、見積を作成するための工数計画を作成することができ、受注後には「TeamSpirit」で登録された工数実績との比較により原価の予実管理を行うことができます。 c. プレミアサポート 当社のサービスは直感的な操作性により、原則としてユーザー企業自ら導入から運用までを実施いただけるようデザインされております。一方で、SaaSの普及に伴いITの基礎知識の少ないお客様による導入事例が増えてまいりました。導入目標日に確実な本稼働を迎えたい、導入に係わる担当者様の負荷を極力抑えたい、運用段階のシステム設定や新規帳票のレイアウト作成の人材が不足しているなどのお客様の課題に対して、高度なIT及び業務スキルをもった当社コンサルタントが、ユーザー企業を有償で支援するサービスを提供しております。 <主な当社商品>サービス種別サービス名称サービス内容ライセンスTeamSpirit勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS等を一体化したSaaSTeamSpirit Leaders「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用する、プロジェクト原価管理サービスプロフェッショナルサービスプレミアサポート顧客の本番稼働や着実な運用のために、担当コンサルタントが実施する有償支援業務 なお、当社は上記商品を直販営業により顧客企業から受注する直販ビジネスを中心としておりますが、一部大企業のお客様向けの販売を目的として、当社からパートナーにサービスを卸し、ユーザー企業に再販でご利用いただく再販パートナーや既存で取引のある顧客を紹介いただく紹介パートナーとの協業がございます。(3)当社のビジネスモデルについて《サブスクリプション型 リカーリングレベニューモデル(注5)による安定性と成長性》 当社の主要サービス「TeamSpirit」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購読)として課金する、リカーリングレベニュー(継続収益)方式を採用しています。サブスクリプションが複数年にわたり継続して利用されることで、新規の契約数を解約数が上回らない限り、収益が前年度を上回るという安定性がありながら、高い成長も目指すことができるビジネスモデルです。当事業年度での当社の売上におけるリカーリングレベニューであるライセンス売上の比率は76.6%となっています。 収益の安定に重要な契約の継続のために、エンジニア・デザイナー・カスタマーサポートが一丸となって「働く人の創造的な時間を生み出し、チームの力を引き出す」機能を提供すべく定期的なバージョンアップを実施しております。切れ目のない顧客価値向上を実現することで高い継続率の維持の実現を目指しています。また当社では既存のお客様に対する活用促進を行う営業体制を構築しております。そのためファミリー製品を追加で導入いただくなど、今まで既存のお客様から年間の解約を上回るリカーリングレベニューの増加を実現しており、これからも引き続き年間の解約を上回るリカーリングレベニューを獲得出来るよう、努力してまいります。 成長性の実現に重要な新規の受注に関しては、高価なソフトウェアを売り切り型で販売するのではなく月額料金ですぐに利用できることから、受注までの平均商談期間が短縮でき企業規模に関わらず契約数の拡大が可能になると認識しております。無償トライアル利用の機会を提供し導入前に効果を確認していただくことで、安心して導入の意思決定ができ、受注リードタイムの短縮も可能になります。そのため、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率ランキング「デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 日本テクノロジー Fast50」において、2019年に32位、2018年に23位、2017年に8位、2016年に9位と4年連続して受賞したことが示しているように、業界の中でも比較的高い成長性の維持の実現を目指すことができるビジネスモデルであると考えています。 世界のSaaS企業の標準となりつつあるサブスクリプション型 リカーリングレベニューモデルの単一事業であることから経営の安定性と成長性が両立できることに加え、年間の契約金額を一括前払いで回収しているため、キャッシュ・フローの観点で有利なことも当社ビジネスモデルの特徴です。 《シングルソース・マルチテナント形式(注6)による顧客価値の最大化とコストダウン》 当社のサービスは、インターネット経由で必要な機能を必要な分だけ利用できるSaaSという形態で提供されています。当社の主要サービス「TeamSpirit」は2019年8月末時点で1,232社の企業に導入されていますが、シングルソース・マルチテナント型を採用することにより、すべてのお客様が共通のソースコードで作られた1種類のアプリケーションを使用しています。日々増加するお客様からの要望にお応えして、年3回の定期メジャーバージョンアップ(4月、8月、12月)を提供するなど、常に機能を強化・拡大させることができるので、お客様にとっての価値を継続的に向上させることができます。さらに開発者はひとつのソースの開発に集中できるので比較的少ないリソース(コスト)で高機能なサービスを開発することが可能です。 さらに当社のサービスは従業員数千名以上の大手企業にもご利用いただいておりますが、仕様が複雑な大規模なお客様であってもアプリケーション本体の改造をせずにシングルソース・マルチテナントで提供できることが技術上、ビジネス上の大きな優位点であると考えています。 《エンタープライズ企業(注7)に選ばれるSaaS》 当社のSaaSは、パブリッククラウド(注8)で利用できるPaaS (Platform as a Service)(注9)である、salesforce.com, inc.(注10)が運営しているLightning Platform上に構築されております。当社サービスの基盤となるサーバーなどシステム機器の提供・情報セキュリティ対策・バックアップなどの運用は、すべてsalesforce.com, inc.が実施します。そのため株式会社セールスフォース・ドットコムとのOEMパートナー契約(注11)を基に1ライセンスあたり月額課金の仕入が発生する以外、サービス提供に関わる設備投資や運用投資をほぼゼロに抑制することができます。その上、ワークフローやSNSおよびデータ連携機能、レポーティングやダッシュボードなど分析機能、さらにはAI(機械学習・ディープラーニング)機能やIoTとの接続機能など、システムが使う共通機能もPaaSに実装されています。そのため当社の開発リソースをすべて業務アプリケーションに投下できるメリットがあります。そのことによりサービス改善サイクルを高速化し、SaaSビジネスで最も重要な顧客価値の向上が可能であると考えています。 また世界でユーザー企業15万社以上、1日あたりのトランザクション数40億以上、稼働アプリケーション数500万以上のシステム運用体制を持つsalesforce.com, inc.によるシステム運用実績により、金融機関から国際的に活動するエンタープライズ企業まで安心して当社サービスをご利用いただけるものと考えています。なお当社は本書提出日現在において、salesforce.com, inc. が認定した日本で唯一の AppExchange Premier Partner であり、同社との良好な関係を構築しております。 (注)1 SaaSとは、ソフトウェアをインターネット経由のサービスとして提供することです。2 デジタルトランスフォーメーションとは、情報システムによる業務効率化の域を超え、人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)などデジタル技術を活用して新たなビジネスを生み出し、人々の生活をあらゆる面でより良くするという概念のことです。3 フロントウェアとは、企業のバックオフィス(経営管理部門)を中心に利用されているERPから、従来オプションとして提供されていた従業員が使うワークフロー(フロント機能)を分離独立したソフトウェアのことです。4 ERPとは、企業内の経営資源を有効活用するために、生産、販売、物流、会計、人事などの情報を統合的に管理するための情報システムのことです。5 サブスクリプション型 リカーリングレベニューモデルとは、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購読)として課金するリカーリングレベニュー(継続収益)型ビジネスモデルのことです。6 シングルソース・マルチテナント形式とは、ひとつのシステム環境を複数企業で共同利用することです。7 エンタープライズ企業とは、IT業界における市場や製品カテゴリー区分の一種で、大企業、中堅企業、公的機関などの比較的規模の大きな法人のことを表します。8 パブリッククラウドとは、クラウド上のサービスのうち不特定多数の利用者を対象に広く提供されている形態のことです。特定の利用者を対象として提供される「プライベートクラウド」との対比で用いられます。9 PaaSとは、ソフトウェアを稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供することです。10 salesforce.com, inc. とは、米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。株式会社セールスフォース・ドットコムは、salesforce.com, inc.の子会社です。11 OEMパートナー契約とは、Lightning Platformを当社ブランド製品に結合して仕入れ販売することができる契約のことです。 [事業系統図]
FY2018|7,611 文字|出典 docID: S100ENHE
3【事業の内容】(1)事業の概要 当社は「すべての人を、創造する人に。」というミッションのもと、SaaS (Software as a Service)(注1)と呼ばれるクラウド上のサービスを通して、働く人と企業の「働き方改革」を推進する顧客サービスを事業として展開しております。当社では、企業向けに勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS等の従業員が日々利用するアプリケーションをひとつにまとめた「TeamSpirit」やユーザー企業を有償で支援するプロフェッショナルサービスを提供しております。 IoTや人工知能(AI)などを軸とする「第4次産業革命」が社会に大きな変化をもたらしつつあるなか、企業は最新技術を駆使して新たなビジネスモデルや付加価値を創出する「デジタルトランスフォーメーション」(注2)への取り組みに迫られています。ビジネス環境が刻一刻と変化し、かつ国内の生産年齢人口(15歳〜64歳)が今後確実に減り続ける社会で企業が成長し続けるためには、既存の組織及びビジネスモデルの根本的な構造改革に挑戦すること、またイノベーションを実現することが必要不可欠です。そのためにまず企業がなすべきことは、社内の間接業務を極力削減し、従業員一人ひとりの時間の使い方・働き方を可視化することで業務を改善することであり、働く人が創造的に時間を使うことでアウトプットの質・量を最大化することだと当社は考えております。その結果、働く人一人ひとりが専門能力を発揮し、かつ自律的に連携するプロフェッショナルなチームが作られ、組織として圧倒的な生産性を実現することができます。 当社は「個を強く。チームを強く。」というビジョンのもと、主力サービスとして勤怠管理・工数管理・経費精算などのように従業員が日々利用するアプリケーションをひとつのシステムにまとめ、出社から退社までの活動を記録することで働き方を可視化し、創造的な時間を増やすことで生産性向上を実現するサービス「TeamSpirit」を提供しています。「TeamSpirit」は、従業員が日常的に使用する様々なアプリケーションを一体化した働く人視点の「フロントウェア」(注3)をコンセプトに設計されており、出社から退社まで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することで間接業務を効率化するだけではなく、日々の成果を可視化し、チームのコミュニケーションやPDCAサイクルの仕組みに変えるという新しい価値を提供します。 今、「働き方改革」の名の下、企業の生産性向上に大きな注目が集まっています。そのため、単なる労務管理だけではなく、今いる人やチームの活性化に関心を持つお客様からの受注が増加したことにより「TeamSpirit」は平成30年8月末時点で契約社数が973社、契約ライセンス数は139,171人となりました。 なお、当社はSaaS事業の単一セグメントとなります。 (2)当社商品についてa.「TeamSpirit」 当社の中核商品で、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々利用するシステムをひとつにまとめたサービスです。インターネット経由で必要な期間利用できる SaaS という形態で提供され、テレワークや在宅勤務など多様で先進的なワークスタイルをサポートします。「勤怠管理、就業管理」の領域においては単なる出退社時刻の記録だけでなく、有給休暇の取得状況・残業時間の推移・36協定の抵触・インターバル時間・必要な休日確保の状況など、近年特にニーズの高い長時間労働の抑制や健康確保措置としての労働時間管理を実現します。また「工数管理・SNS」の領域では、リアルタイムに従業員の働き方を可視化し、トップパフォーマーの時間や経費の使い方などの行動を分析することで、従業員が生産性高く、生き生きと働くための質の高いコーチングを提供するなど、真の「働き方改革」の実現をサポートします。 「TeamSpirit」のコンセプトは、勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従来は単体で提供されていたシステムが一体化され、出社から退社まで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することで実現する「働き方改革プラットフォーム」という新しい価値の提供にあります。従来それぞれのシステムは人事部が担当する給与計算や経理部の行う財務会計、部門毎に必要な原価管理や総務部が取りまとめる各種稟議のように、企業の経営管理を司るERP(注4)などの基幹系システムのオプションとして提供されていました。しかしその性質上、月次の決算に必要な情報しか登録することができないと認識しています。「TeamSpirit」は基幹系システムのオプションに当たる機能を従業員視点でひとつにまとめ、ERPから従業員が毎日使うワークフロー機能を分離独立させたフロントウェアとして提供しています。そのため従業員の日々の活動データを「リアルタイム」にかつ「体系的」に中間的なデータベースに格納します。そこから必要なタイミングで基幹系システムにデータを取り込み処理をする業務フローに見直しました。そのため「TeamSpirit」では既存の基幹系システムにアドオンするだけの手軽さで働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)を収集することができます。 「TeamSpirit」は4つのステップで「働き方改革」に関する潜在的なニーズに対するソリューションを提供します。ステップ1は勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど従業員が日々行わなければいけない業務をひとつのシステムにまとめることで実現する「間接業務の効率化」です。ステップ2は「内部統制の高度化」です。例えば、原価管理の面では、プロジェクト別原価計算を行う際に登録したプロジェクト別の工数を「TeamSpirit」で自動集計できるため原価計算の精度が向上します。また、勤怠管理で集計した労働時間を上限とした工数登録のため作業工数の水増しを防止できます。さらに、工数の日次承認機能の利用により、事後的に他プロジェクトへ工数を付替えることが防止できるため、他プロジェクトへの工数付替え等の不正な調整への牽制が可能となり、統制がとれた原価管理が実現できます。労務管理の面では、「TeamSpirit」に入力された情報を活用して、36協定に基づいたレポートの生成が可能であるため、「全社」「部門」「個人」の単位で勤務状況をリアルタイムで可視化・分析できます。そこから得た情報をもとに、課題の抽出や対策の検討・実践・報告が可能であるため、労務管理の統制を実現できます。また交際費やタクシーなどの経費精算を勤務勤怠の勤務表とカレンダーの両方を確認することで業務利用として妥当であるかを判断することもできます。さらに各機能のワークフローが共通化されていることで電子稟議はもちろん残業の許可や経費精算の承認などの決裁権限をシステムに組み込むことができます。ステップ3は「従業員の活性化」です。働く人の活動に関する基礎情報(ビッグデータ)が体系的に格納されているため、レポーティング機能で手軽に働き方を可視化でき、この分析から得られた気付きをSNSを使ってコーチングすることで実現します。ステップ4は「生産性向上」です。カレンダーと工数管理の連携で重要なタスクに優先的に取り組むタイムマネジメントによりアウトプットの増大を実現します。このように「TeamSpirit」では「働き方改革」で求められている本質的な問題を解決することができますが、これらすべて各機能が連携しひとつのサービスとして提供されていることで実現されています。 「TeamSpirit」の契約ライセンス数の推移は以下の通りです。 契約ライセンス数(人)契約社数(社)平成24年8月2,81134平成25年8月11,736116平成26年8月23,691250平成27年8月46,335423平成28年8月71,593616平成29年8月98,900795平成30年8月139,171973 b.「TeamSpirit Leaders」 「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用するプロジェクト原価管理サービスです。主に人が原価となるプロジェクト型のビジネスにおいて、見積を作成するための工数計画を作成することができ、受注後には「TeamSpirit」で登録された工数実績との比較により原価の予実管理を行うことができます。 c. プレミアサポート 当社のサービスは直感的な操作性により、原則としてユーザー企業自ら導入から運用までを実施いただけるようデザインされております。一方で、SaaSの普及に伴いITの基礎知識の少ないお客様による導入事例が増えてまいりました。導入目標日に確実な本稼働を迎えたい、導入に係わる担当者様の負荷を極力抑えたい、運用段階のシステム設定や新規帳票のレイアウト作成の人材が不足しているなどのお客様の課題に対して、高度なIT及び業務スキルをもった当社コンサルタントが、ユーザー企業を有償で支援するサービスを提供しております。 <主な当社商品>サービス種別サービス名称サービス内容ライセンスTeamSpirit勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNS等を一体化したSaaSTeamSpirit Leaders「TeamSpirit」のファミリー製品のひとつで、「TeamSpirit」と組み合わせて使用する、プロジェクト原価管理サービスプロフェッショナルサービスプレミアサポート顧客の本番稼働や着実な運用のために、担当コンサルタントが実施する有償支援業務 なお、当社は上記商品を直販営業により顧客企業から受注する直販ビジネスを中心としておりますが、一部大企業のお客様向けの販売を目的として、当社からパートナーにサービスを卸し、ユーザー企業に再販でご利用いただく再販パートナーや既存で取引のある顧客を紹介いただく紹介パートナーとの協業がございます。(3)当社のビジネスモデルについて《サブスクリプション型 リカーリングレベニューモデル(注5)による安定性と成長性》 当社の主要サービス「TeamSpirit」は顧客企業に対し、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購読)として課金する、リカーリングレベニュー(継続収益)方式を採用しています。サブスクリプションが複数年にわたり継続して利用されることで、新規の契約数を解約数が上回らない限り、収益が前年度を上回るという安定性がありながら、高い成長も目指すことができるビジネスモデルです。当事業年度での当社の売上におけるリカーリングレベニューであるライセンス売上の比率は76.5%となっています。 収益の安定に重要な契約の継続のために、エンジニア・デザイナー・カスタマーサポートが一丸となって「働く人の創造的な時間を生み出し、チームの力を引き出す」機能を提供すべく定期的なバージョンアップを実施しております。切れ目のない顧客価値向上を実現することで高い継続率の維持の実現を目指しています。また当社では既存のお客様に対する活用促進を行う営業体制を構築しております。そのためファミリー製品を追加で導入いただくなど、今まで既存のお客様から年間の解約を上回るリカーリングレベニューの増加を実現しており、これからも引き続き年間の解約を上回るリカーリングレベニューを獲得出来るよう、努力してまいります。 成長性の実現に重要な新規の受注に関しては、高価なソフトウェアを売り切り型で販売するのではなく月額料金ですぐに利用できることから、受注までの平均商談期間が短縮でき企業規模に関わらず契約数の拡大が可能になると認識しております。無償トライアル利用の機会を提供し導入前に効果を確認していただくことで、安心して導入の意思決定ができ、受注リードタイムの短縮も可能になります。そのため、過去3決算期の収益(売上高)に基づく成長率ランキング「デロイト トウシュ トーマツ リミテッド 日本テクノロジー Fast50」において、2018年に50位中23位、2017年に8位、2016年に9位と3年連続して受賞したことが示しているように、業界の中でも比較的高い成長性の維持の実現を目指すことができるビジネスモデルであると考えています。 世界のSaaS企業の標準となりつつあるサブスクリプション型 リカーリングレベニューモデルの単一事業であることから経営の安定性と成長性が両立できることに加え、年間の契約金額を一括前払いで回収しているため、キャッシュ・フローの観点で有利なことも当社ビジネスモデルの特徴です。 《シングルソース・マルチテナント形式(注6)による顧客価値の最大化とコストダウン》 当社のサービスは、インターネット経由で必要な機能を必要な分だけ利用できるSaaSという形態で提供されています。当社の主要サービス「TeamSpirit」は平成30年8月末時点で973社の企業に導入されていますが、シングルソース・マルチテナント型を採用することにより、すべてのお客様が共通のソースコードで作られた1種類のアプリケーションを使用しています。日々増加するお客様からの要望にお応えして、年3回の定期メジャーバージョンアップ(4月、8月、12月)を提供するなど、常に機能を強化・拡大させることができるので、お客様にとっての価値を継続的に向上させることができます。さらに開発者はひとつのソースの開発に集中できるので比較的少ないリソース(コスト)で高機能なサービスを開発することが可能です。 さらに当社のサービスは従業員数千名以上の大手企業にもご利用いただいておりますが、仕様が複雑な大規模なお客様であってもアプリケーション本体の改造をせずにシングルソース・マルチテナントで提供できることが技術上、ビジネス上の大きな優位点であると考えています。 《エンタープライズ企業(注7)に選ばれるSaaS》 当社のSaaSは、パブリッククラウド(注8)で利用できるPaaS (Platform as a Service)(注9)である、salesforce.com, inc.(注10)が運営しているLightning Platform上に構築されております。当社サービスの基盤となるサーバーなどシステム機器の提供・情報セキュリティ対策・バックアップなどの運用は、すべてsalesforce.com, inc.が実施します。そのため株式会社セールスフォース・ドットコムとのOEMパートナー契約(注11)を基に1ライセンスあたり月額課金の仕入が発生する以外、サービス提供に関わる設備投資や運用投資をほぼゼロに抑制することができます。その上、ワークフローやSNSおよびデータ連携機能、レポーティングやダッシュボードなど分析機能、さらにはAI(機械学習・ディープラーニング)機能やIoTとの接続機能など、システムが使う共通機能もPaaSに実装されています。そのため当社の開発リソースをすべて業務アプリケーションに投下できるメリットがあります。そのことによりサービス改善サイクルを高速化し、SaaSビジネスで最も重要な顧客価値の向上が可能であると考えています。 また世界でユーザー企業15万社以上、1日あたりのトランザクション数40億以上、稼働アプリケーション数500万以上のシステム運用体制を持つsalesforce.com, inc.によるシステム運用実績により、金融機関から国際的に活動するエンタープライズ企業まで安心して当社サービスをご利用いただけるものと考えています。なお当社は本書提出日現在において、salesforce.com, inc. が認定した日本で唯一の AppExchange Premier Partner です。平成23年に当社との間で資本提携を行うなど salesforce.com, inc.との良好な関係を構築しております。 (注)1 SaaSとは、ソフトウェアをインターネット経由のサービスとして提供することです。2 デジタルトランスフォーメーションとは、情報システムによる業務効率化の域を超え、人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)などデジタル技術を活用して新たなビジネスを生み出し、人々の生活をあらゆる面でより良くするという概念のことです。3 フロントウェアとは、企業のバックオフィス(経営管理部門)を中心に利用されているERPから、従来オプションとして提供されていた従業員が使うワークフロー(フロント機能)を分離独立したソフトウェアのことです。4 ERPとは、企業内の経営資源を有効活用するために、生産、販売、物流、会計、人事などの情報を統合的に管理するための情報システムのことです。5 サブスクリプション型 リカーリングレベニューモデルとは、使用した期間に応じたサービス料をユーザー人数分のサブスクリプション(定期購読)として課金するリカーリングレベニュー(継続収益)型ビジネスモデルのことです。6 シングルソース・マルチテナント形式とは、ひとつのシステム環境を複数企業で共同利用することです。7 エンタープライズ企業とは、IT業界における市場や製品カテゴリー区分の一種で、大企業、中堅企業、公的機関などの比較的規模の大きな法人のことを表します。8 パブリッククラウドとは、クラウド上のサービスのうち不特定多数の利用者を対象に広く提供されている形態のことです。特定の利用者を対象として提供される「プライベートクラウド」との対比で用いられます。9 PaaSとは、ソフトウェアを稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供することです。10 salesforce.com, inc. とは、米国カリフォルニア州に本社を置く、クラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。株式会社セールスフォース・ドットコムは、salesforce.com, inc.の子会社です。11 OEMパートナー契約とは、Lightning Platformを当社ブランド製品に結合して仕入れ販売することができる契約のことです。 [事業系統図]