経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目と認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 「世界を驚かすサービスを創出する」という理念のもと、将棋等の頭脳ゲームAIを開発する過程で培った技術力を活用し、またグループ会社で蓄積されたSaaS関連技術・セキュリティ関連技術等もフルに活かして、AI革命を起こし、未来を創っていく集団であり続けることを当社グループの基本方針としております。 (2)経営環境・経営戦略 当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替・株価変動、中東・ウクライナ情勢及び物価の上昇が国内景気に及ぼすリスクが見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。 その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、OpenAI社による「ChatGPT」のリリースに端を発した、各産業におけるAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、と捉えております。LLMを含むAIが当たり前のように社会全体に浸透していく中で、AIを業務ツールとして断片的に使うのではなく、より根本的な価値創造・人とAIの共創がテーマとなる世界が到来しております。 また、国内外において、AIが社員のように自律的にタスク・業務を遂行する「AIエージェント」に関する機運・注目も高まっており、AIエージェントの実現・拡充を通じた新たな価値提供・業務プロセス変革が求められる時代に突入しています。 そして、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。 このような環境の中で、当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。 また、当連結会計年度は、2024年8月に、当社のグループ会社であるVOIQ株式会社が、bizy株式会社の展開するセールス支援事業等の譲受を行いました。HEROZグループでは、グループ各社が持つ強みと当社が持つAI技術力でシナジーを創出・拡大し、社会やビジネスにおけるAIXをさらに推進させるべく、今後も「オーガニックな成長」「企業価値向上のためのM&A」の両方に積極的に取り組んでまいります。 セグメント別の事業戦略は、以下となります。・AI/DX事業 当社グループに蓄積されたAI技術・ノウハウ・データを活用し、個別のAIソリューション開発とAI SaaSの両軸から、企業のAIXを支援する事業となります。具体的には、HEROZ株式会社の提供するBtoCサービス、BtoBサービスに加えて、株式会社ストラテジット、株式会社エーアイスクエア及び株式会社ティファナ・ドットコム、VOIQ株式会社が運営する事業が含まれています。 ・AI Security事業 マネージドセキュリティサービス・インテグレーションサービスを中心に、AI技術を利用して高度なインターネットセキュリティの実現を目指す事業が対象となります。具体的には、バリオセキュア株式会社が提供するAI Security事業になります。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、継続的な事業拡大のため、以下の課題について対応が必要であると考えております。① AI・SaaS関連の新技術への対応 当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。現在市場に流通しているAIエージェントの多くは、特化型エージェントやワークフロー補助型エージェントなど、ある程度定式化されたプロセス内での業務遂行・実行を行うものとなっておりますが、当社グループは、そこからさらに進化した「AI Agent2.0」として、「Meta Agent」(課題分解、ゴール設定、解決策探索・実行までを完全自律的に遂行し、業務全体を再構築できる自律型AIエージェント)の実現を目指し、社会全体への価値提供・事業成長に繋げてまいりたいと考えております。 上記の戦略推進においては、AI関連・SaaS関連の技術が根幹となりますが、これらの技術は、将来的な利用可能性の高さやニーズの多様化等から、国内外で研究開発が活発に行われております。このような事業環境の下で当社グループが事業を継続的に拡大していくには、様々な新技術にスピード感をもって対応していくことが必要であると認識しております。 特に、先述のとおり、OpenAIによる大規模言語モデル「ChatGPT」をはじめとしてAIに関する技術革新・技術競争は激しさを増しており、またAIエージェントに関する注目・機運も高まる中で、各企業がAIXに関する投資を拡大するなど、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しております。 当社では、現在所属している一般社団法人「人工知能学会」の賛助会員や一般社団法人「日本ディープラーニング協会」の正会員として最先端の情報収集に努めており、技術力向上に取り組んでおります。 また、2024年5月に当社で生成AIを用いたAIアシスタントSaaS「HEROZASK」を、グループ会社の株式会社ストラテジットでSaaS連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を正式リリースしており、同サービスの事業拡大・各種連携を進めることで社会全体のAI実装・AIXをさらに加速していきたいと考えております。それに加えて、今後、各種SaaSサービスのアップデート・機能拡充のみならず、次世代のAIエージェント実現や、従来なかった新規分野・領域におけるAIXを目指し、AI・SaaS・セキュリティ分野等における積極的な研究開発も引き続き進めてまいります。 ② セキュリティサービス関連の新技術への対応 当社のグループ会社であるバリオセキュア株式会社はインターネットセキュリティ関連事業を営んでおりますが、インターネットセキュリティ関連分野においては、クラウドサービスの利用拡大やワークスタイルの変化、そして、巧妙化するサイバー攻撃により、セキュリティの脅威は社外、社内という境界を越えて存在するようになりました。このような環境下、同社では、外部からのリスクを防御するマネージドセキュリティサービスに加え、セキュリティリスクを検知し、脅威を除去する端末側のセキュリティサービスやデータの保護・復旧を行うバックアップサービスなど、事業領域を拡大してまいりました。同社の中期経営計画では、セキュリティサービスを包括的に提供する統合セキュリティベンダーとして、各種サービスの提供を行っていく予定です。今後も新たなセキュリティ課題に対する需要が拡大する中、市場の変化に対応したサービスを提供してまいります。 ③ 人材の確保 当社グループは、AI市場をはじめとする情報サービス業界全体の拡大、新規参入企業の増加、顧客・ユーザのニーズの多様化、急激な技術革新等に迅速に対応していくため、最先端の技術を有する人材の確保、育成が必要と考えております。しかし、優秀な技能を持つ人材獲得は、他社とも競合し、安定した人材確保が容易ではない状況が今後も継続すると考えております。当社グループとしましては、技術力の高さを通じて市場でのプレゼンスを高めることや、採用領域における次世代型AIエージェントの実現・機能向上、広報活動・マーケティング活動の強化、及び優秀な人材が興味や関心を持つ分野での各種取り組みを強化すること等により、会社の魅力を訴求していくことが重要であると考えております。また、社内研修の強化等を図っていくことで人材の育成につなげるほか、人事制度の整備・運用やエンゲージメントサーベイなどを実施し、従業員の定着率向上に努めてまいりたいと考えております。 ④ 情報管理体制の強化 当社グループでは、現在、様々な業界に対してAI SaaS関連サービスの提供を行っております。このようなAI・SaaS関連のソリューション提供のためには、それぞれの業界において蓄積されたデータが必要になるため、データを有する企業とのパートナーシップ戦略を採用しております。その結果、顧客の機密情報を扱うこととなっているため、情報管理規程等に基づいた管理を徹底しており、今後も社内教育を継続して行ってまいります。 ⑤ SDGsに関する課題への対応 当社グループは、グループ内に蓄積されたAI・SaaS関連技術、データ等を活用して様々な社会課題を解決し、持続可能な社会を実現するべく、以下の重点方針に従い、SDGs(Sustainable Development Goals)に関する取り組みを進めてまいります。<重点方針>・AIXの推進 当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。これらの戦略・事業活動を通じて、国内における労働人口不足問題の解決に取り組むとともに、人とAIが当たり前に協走・協創する社会の実現を目指し、各産業のAI BPaaSを推進してまいります。 ・AIを通じた地域社会や地球環境への貢献 温度や湿度等を快適にする建物制御システムに当社のAIを搭載する等、省エネルギー化につながるAIを提供し、環境負荷を軽減する取り組みに参加いたします。 ・働きがいのある環境づくり 在宅勤務の導入や休暇取得の促進等、従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しております。また、残業時間のモニタリングや産業医面談等、長時間労働や過重労働を防ぐための体制を作り、役職員の健康管理にも配慮しております。 ・人材育成・価値発揮 社員一人一人が、自己の能力を高めることができる業務体制や人事制度を整えているほか、研修や定期的な勉強会を実施する等自己研鑽の機会を設け、社員が個性を発揮しながら創造力を働かせて挑戦し続けることができる環境を提供しております。また、人事制度に関してはグループ内で適宜見直しを行い、臨機応変に整備を行うことにより人材力の強化に努めております。 ・最先端技術のリード 「① AI・SaaS関連の新技術への対応」に記載した内容とも関連しますが、最新技術に関する情報収集等をスピード感をもって行い、高品質で最先端なAIを提供するよう努めております。また、後述の「⑦ 知的財産権の確保等について」にも関連した内容となりますが、当社グループが発案した知的財産の権利化を進め、可能な限り、知的財産を活用できる取り組みも進めております。 ⑥ システム基盤の強化 当社グループの収益の基盤となるサービスを展開するためには、大量の情報処理やシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、システムを安定的に稼働させるための人員の確保及びサーバの最適化を通じて、安定稼働に努めてまいります。 ⑦ 知的財産権の確保等について 当社グループでは、日々のAIソリューション提供やSaaS関連サービスの提供から生じた新規性のある独自技術の保護のために、単独又は共同開発企業等と共同で、それらに関する特許権等の知的財産権の取得を図っております。 しかしながら、AI・SaaS関連分野においては、国内外大手IT企業等が知的財産権の取得に積極的に取り組んでいるため、当社も特許権等の取得により当社の活動領域を確保することが課題であると認識しております。今後、様々な業界に対してAIを開発することによって有用な知見が得られることが期待されるため、外部専門家とも協力しながら、独自の技術分野については、他社に先立って戦略的に特許権等を取得していきます。 ⑧ サービスの安全性及び健全性の確保 当社グループでは、BtoB領域において「HEROZ ASK」「JOINT」「QuickSummary2.0」「AIさくらさん」等のSaaS関連サービスを提供しておりますが、今後これらのサービスをさらに提供・拡大していくにあたり、サービスの品質や安全性の向上は重要な課題であると考えております。今後、生成AI関連の技術も含め最新技術の収集に努めるとともに、より長期的にご利用いただけるサービスを目指し、妥協のない新機能開発・向上を追求していきたいと考えております。 また、当社では、BtoCサービスにおいて「将棋ウォーズ」等の個人向けアプリサービスを提供しており、ユーザが安心して同サービスをご利用いただけるように、下記のガイドラインを設け、その安全性・健全性の確保に努めております。 当社の安全性・健全性に関するガイドライン第1条(目的) このガイドラインは、HEROZ株式会社(以下「当社」という)が運営・提供するゲーム等のサービスについて、当該サービスを利用する者(以下「利用者」という)が安心・安全に楽しめるサービスの提供を実現するために必要な施策を示すことを目的とする。 第2条(施策) 前条の目的を達するために以下の施策を行う。(1)法令遵守の徹底 サービスの開発・提供に際して、景品表示法その他の関連する法令を遵守する。提供するサービスについて将来的に違法と判明した場合は、直ちに停止する。(2)18歳未満の利用者の保護の徹底 入会時もしくは課金時に年齢認証を行い、18歳未満の利用者による過度な課金利用を未然に防止する。月間課金上限額(税抜)については、18歳未満利用者の場合、月額20,000円とし、16歳未満の場合は月額5,000円とする。(3)リアル・マネー・トレード(RMT)の禁止 RMTは一切禁止とする。利用規約においてRMTを禁止している旨を明記するとともに、RMT利用が判明した利用者には、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。(4)不適切行為に対する措置 利用規約違反など、サービスにおいて不適切と判断される行為を行った利用者に対しては、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。(5)利用者間コミュニケーションの監視 利用者間のコミュニケーションが安心・安全に行われるよう、定期的に監視し、利用者間の不適切なコミュニケーションを発見した場合には迅速な対処を行う。(6)適切な有料アイテム出現確率 有料ガチャのようにランダムで出現する有料アイテムについては、その出現確率を適切な水準に設定する。(7)社員研修・教育 サービスの安全性・健全性を向上させるため、社員の研修・教育を実施する。 第3条(更新) サービスの変化、利用者の状況の変化、その他社会状況等の変化に鑑み、当ガイドラインの内容を最適な状態とするべく努力をする。 ⑨ 内部管理体制の強化 当社グループにおきましては、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、当社及び当社グループの事業拡大に応じた内部管理体制の構築を図るとともに、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。 また、当社及び当社グループの成長速度に見合った人材の確保及び育成も重要な課題と認識しており、継続的な採用活動と研修活動を行ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の項目と認識しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針 「世界を驚かすサービスを創出する」という理念のもと、将棋等の頭脳ゲームAIを開発する過程で培った技術力を活用し、またグループ会社で蓄積されたSaaS関連技術・セキュリティ関連技術等もフルに活かして、AI革命を起こし、未来を創っていく集団であり続けることを当社グループの基本方針としております。 (2)経営環境・経営戦略 当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替・株価変動、中東・ウクライナ情勢及び物価の上昇が国内景気に及ぼすリスクが見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。 その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、OpenAI社による「ChatGPT」のリリースに端を発した、各産業におけるAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、と捉えております。LLMを含むAIが当たり前のように社会全体に浸透していく中で、AIを業務ツールとして断片的に使うのではなく、より根本的な価値創造・人とAIの共創がテーマとなる世界が到来しております。 また、国内外において、AIが社員のように自律的にタスク・業務を遂行する「AIエージェント」に関する機運・注目も高まっており、AIエージェントの実現・拡充を通じた新たな価値提供・業務プロセス変革が求められる時代に突入しています。 そして、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。 このような環境の中で、当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。 また、当連結会計年度は、2024年8月に、当社のグループ会社であるVOIQ株式会社が、bizy株式会社の展開するセールス支援事業等の譲受を行いました。HEROZグループでは、グループ各社が持つ強みと当社が持つAI技術力でシナジーを創出・拡大し、社会やビジネスにおけるAIXをさらに推進させるべく、今後も「オーガニックな成長」「企業価値向上のためのM&A」の両方に積極的に取り組んでまいります。 セグメント別の事業戦略は、以下となります。・AI/DX事業 当社グループに蓄積されたAI技術・ノウハウ・データを活用し、個別のAIソリューション開発とAI SaaSの両軸から、企業のAIXを支援する事業となります。具体的には、HEROZ株式会社の提供するBtoCサービス、BtoBサービスに加えて、株式会社ストラテジット、株式会社エーアイスクエア及び株式会社ティファナ・ドットコム、VOIQ株式会社が運営する事業が含まれています。 ・AI Security事業 マネージドセキュリティサービス・インテグレーションサービスを中心に、AI技術を利用して高度なインターネットセキュリティの実現を目指す事業が対象となります。具体的には、バリオセキュア株式会社が提供するAI Security事業になります。 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、継続的な事業拡大のため、以下の課題について対応が必要であると考えております。① AI・SaaS関連の新技術への対応 当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。現在市場に流通しているAIエージェントの多くは、特化型エージェントやワークフロー補助型エージェントなど、ある程度定式化されたプロセス内での業務遂行・実行を行うものとなっておりますが、当社グループは、そこからさらに進化した「AI Agent2.0」として、「Meta Agent」(課題分解、ゴール設定、解決策探索・実行までを完全自律的に遂行し、業務全体を再構築できる自律型AIエージェント)の実現を目指し、社会全体への価値提供・事業成長に繋げてまいりたいと考えております。 上記の戦略推進においては、AI関連・SaaS関連の技術が根幹となりますが、これらの技術は、将来的な利用可能性の高さやニーズの多様化等から、国内外で研究開発が活発に行われております。このような事業環境の下で当社グループが事業を継続的に拡大していくには、様々な新技術にスピード感をもって対応していくことが必要であると認識しております。 特に、先述のとおり、OpenAIによる大規模言語モデル「ChatGPT」をはじめとしてAIに関する技術革新・技術競争は激しさを増しており、またAIエージェントに関する注目・機運も高まる中で、各企業がAIXに関する投資を拡大するなど、新技術への対応は急激なスピードで重要性を増しております。 当社では、現在所属している一般社団法人「人工知能学会」の賛助会員や一般社団法人「日本ディープラーニング協会」の正会員として最先端の情報収集に努めており、技術力向上に取り組んでおります。 また、2024年5月に当社で生成AIを用いたAIアシスタントSaaS「HEROZASK」を、グループ会社の株式会社ストラテジットでSaaS連携プラットフォーム「JOINT iPaaS for SaaS」を正式リリースしており、同サービスの事業拡大・各種連携を進めることで社会全体のAI実装・AIXをさらに加速していきたいと考えております。それに加えて、今後、各種SaaSサービスのアップデート・機能拡充のみならず、次世代のAIエージェント実現や、従来なかった新規分野・領域におけるAIXを目指し、AI・SaaS・セキュリティ分野等における積極的な研究開発も引き続き進めてまいります。 ② セキュリティサービス関連の新技術への対応 当社のグループ会社であるバリオセキュア株式会社はインターネットセキュリティ関連事業を営んでおりますが、インターネットセキュリティ関連分野においては、クラウドサービスの利用拡大やワークスタイルの変化、そして、巧妙化するサイバー攻撃により、セキュリティの脅威は社外、社内という境界を越えて存在するようになりました。このような環境下、同社では、外部からのリスクを防御するマネージドセキュリティサービスに加え、セキュリティリスクを検知し、脅威を除去する端末側のセキュリティサービスやデータの保護・復旧を行うバックアップサービスなど、事業領域を拡大してまいりました。同社の中期経営計画では、セキュリティサービスを包括的に提供する統合セキュリティベンダーとして、各種サービスの提供を行っていく予定です。今後も新たなセキュリティ課題に対する需要が拡大する中、市場の変化に対応したサービスを提供してまいります。 ③ 人材の確保 当社グループは、AI市場をはじめとする情報サービス業界全体の拡大、新規参入企業の増加、顧客・ユーザのニーズの多様化、急激な技術革新等に迅速に対応していくため、最先端の技術を有する人材の確保、育成が必要と考えております。しかし、優秀な技能を持つ人材獲得は、他社とも競合し、安定した人材確保が容易ではない状況が今後も継続すると考えております。当社グループとしましては、技術力の高さを通じて市場でのプレゼンスを高めることや、採用領域における次世代型AIエージェントの実現・機能向上、広報活動・マーケティング活動の強化、及び優秀な人材が興味や関心を持つ分野での各種取り組みを強化すること等により、会社の魅力を訴求していくことが重要であると考えております。また、社内研修の強化等を図っていくことで人材の育成につなげるほか、人事制度の整備・運用やエンゲージメントサーベイなどを実施し、従業員の定着率向上に努めてまいりたいと考えております。 ④ 情報管理体制の強化 当社グループでは、現在、様々な業界に対してAI SaaS関連サービスの提供を行っております。このようなAI・SaaS関連のソリューション提供のためには、それぞれの業界において蓄積されたデータが必要になるため、データを有する企業とのパートナーシップ戦略を採用しております。その結果、顧客の機密情報を扱うこととなっているため、情報管理規程等に基づいた管理を徹底しており、今後も社内教育を継続して行ってまいります。 ⑤ SDGsに関する課題への対応 当社グループは、グループ内に蓄積されたAI・SaaS関連技術、データ等を活用して様々な社会課題を解決し、持続可能な社会を実現するべく、以下の重点方針に従い、SDGs(Sustainable Development Goals)に関する取り組みを進めてまいります。<重点方針>・AIXの推進 当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。これらの戦略・事業活動を通じて、国内における労働人口不足問題の解決に取り組むとともに、人とAIが当たり前に協走・協創する社会の実現を目指し、各産業のAI BPaaSを推進してまいります。 ・AIを通じた地域社会や地球環境への貢献 温度や湿度等を快適にする建物制御システムに当社のAIを搭載する等、省エネルギー化につながるAIを提供し、環境負荷を軽減する取り組みに参加いたします。 ・働きがいのある環境づくり 在宅勤務の導入や休暇取得の促進等、従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しております。また、残業時間のモニタリングや産業医面談等、長時間労働や過重労働を防ぐための体制を作り、役職員の健康管理にも配慮しております。 ・人材育成・価値発揮 社員一人一人が、自己の能力を高めることができる業務体制や人事制度を整えているほか、研修や定期的な勉強会を実施する等自己研鑽の機会を設け、社員が個性を発揮しながら創造力を働かせて挑戦し続けることができる環境を提供しております。また、人事制度に関してはグループ内で適宜見直しを行い、臨機応変に整備を行うことにより人材力の強化に努めております。 ・最先端技術のリード 「① AI・SaaS関連の新技術への対応」に記載した内容とも関連しますが、最新技術に関する情報収集等をスピード感をもって行い、高品質で最先端なAIを提供するよう努めております。また、後述の「⑦ 知的財産権の確保等について」にも関連した内容となりますが、当社グループが発案した知的財産の権利化を進め、可能な限り、知的財産を活用できる取り組みも進めております。 ⑥ システム基盤の強化 当社グループの収益の基盤となるサービスを展開するためには、大量の情報処理やシステム稼働の安定性を確保することが経営上重要な課題であると認識しております。そのため、システムを安定的に稼働させるための人員の確保及びサーバの最適化を通じて、安定稼働に努めてまいります。 ⑦ 知的財産権の確保等について 当社グループでは、日々のAIソリューション提供やSaaS関連サービスの提供から生じた新規性のある独自技術の保護のために、単独又は共同開発企業等と共同で、それらに関する特許権等の知的財産権の取得を図っております。 しかしながら、AI・SaaS関連分野においては、国内外大手IT企業等が知的財産権の取得に積極的に取り組んでいるため、当社も特許権等の取得により当社の活動領域を確保することが課題であると認識しております。今後、様々な業界に対してAIを開発することによって有用な知見が得られることが期待されるため、外部専門家とも協力しながら、独自の技術分野については、他社に先立って戦略的に特許権等を取得していきます。 ⑧ サービスの安全性及び健全性の確保 当社グループでは、BtoB領域において「HEROZ ASK」「JOINT」「QuickSummary2.0」「AIさくらさん」等のSaaS関連サービスを提供しておりますが、今後これらのサービスをさらに提供・拡大していくにあたり、サービスの品質や安全性の向上は重要な課題であると考えております。今後、生成AI関連の技術も含め最新技術の収集に努めるとともに、より長期的にご利用いただけるサービスを目指し、妥協のない新機能開発・向上を追求していきたいと考えております。 また、当社では、BtoCサービスにおいて「将棋ウォーズ」等の個人向けアプリサービスを提供しており、ユーザが安心して同サービスをご利用いただけるように、下記のガイドラインを設け、その安全性・健全性の確保に努めております。 当社の安全性・健全性に関するガイドライン第1条(目的) このガイドラインは、HEROZ株式会社(以下「当社」という)が運営・提供するゲーム等のサービスについて、当該サービスを利用する者(以下「利用者」という)が安心・安全に楽しめるサービスの提供を実現するために必要な施策を示すことを目的とする。 第2条(施策) 前条の目的を達するために以下の施策を行う。(1)法令遵守の徹底 サービスの開発・提供に際して、景品表示法その他の関連する法令を遵守する。提供するサービスについて将来的に違法と判明した場合は、直ちに停止する。(2)18歳未満の利用者の保護の徹底 入会時もしくは課金時に年齢認証を行い、18歳未満の利用者による過度な課金利用を未然に防止する。月間課金上限額(税抜)については、18歳未満利用者の場合、月額20,000円とし、16歳未満の場合は月額5,000円とする。(3)リアル・マネー・トレード(RMT)の禁止 RMTは一切禁止とする。利用規約においてRMTを禁止している旨を明記するとともに、RMT利用が判明した利用者には、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。(4)不適切行為に対する措置 利用規約違反など、サービスにおいて不適切と判断される行為を行った利用者に対しては、強制退会も含め、速やかに必要な措置を講じる。(5)利用者間コミュニケーションの監視 利用者間のコミュニケーションが安心・安全に行われるよう、定期的に監視し、利用者間の不適切なコミュニケーションを発見した場合には迅速な対処を行う。(6)適切な有料アイテム出現確率 有料ガチャのようにランダムで出現する有料アイテムについては、その出現確率を適切な水準に設定する。(7)社員研修・教育 サービスの安全性・健全性を向上させるため、社員の研修・教育を実施する。 第3条(更新) サービスの変化、利用者の状況の変化、その他社会状況等の変化に鑑み、当ガイドラインの内容を最適な状態とするべく努力をする。 ⑨ 内部管理体制の強化 当社グループにおきましては、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、当社及び当社グループの事業拡大に応じた内部管理体制の構築を図るとともに、より一層のコーポレート・ガバナンスの充実に取り組んでまいります。 また、当社及び当社グループの成長速度に見合った人材の確保及び育成も重要な課題と認識しており、継続的な採用活動と研修活動を行ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 Ⅰ 経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替・株価変動、中東・ウクライナ情勢及び物価の上昇が国内景気に及ぼすリスクが見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。 その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、OpenAI社による「ChatGPT」のリリースに端を発した、各産業におけるAIトランスフォーメーション(以下、「AIX」という。)に関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)を含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、と捉えております。LLMを含むAIが当たり前のように社会全体に浸透していく中で、AIを業務ツールとして断片的に使うのではなく、より根本的な価値創造・人とAIの共創がテーマとなる世界が到来しております。また、国内外において、AIが社員のように自律的にタスク・業務を遂行する「AIエージェント」に関する機運・注目も高まっており、AIエージェントの実現・拡充を通じた新たな価値提供・業務プロセス変革が求められる時代に突入しています。 そして、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。 このような環境の中で、当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。当連結会計年度は、AI/DX事業・AI Security事業ともに、当社グループが提供する様々なAIエージェントが事業成長を牽引し、前連結会計年度から更に売上成長を達成しました。 また、2024年8月には、当社のグループ会社であるVOIQ株式会社が、bizy株式会社の展開するセールス支援事業等の譲り受けを行いました。本事業譲受を通じて、VOIQ社がグループ全体におけるインサイドセールスの機能を担うとともに、セールス領域・コンタクトセンター領域において、当社グループのAI関連技術を活用し、AIエージェントとしての成長・AI BPaaSモデルの推進を進めております。VOIQ社は、事業譲受後、早々に当社やバリオセキュア株式会社を中心にインサイドセールス機能を担ったほか、HEROZ ASKの活用等を通じてその他のグループ会社についても支援を広げており、またグループ外の顧客への受注も増加しております。今後も、スピード感をもってシナジー増大を進めてまいります。 なお、セグメント別の経営成績の概況は以下のとおりです。(ⅰ)AI/DX事業 当連結会計年度において、当社グループのAI/DX事業については、BtoC領域におけるコラボ企画の実施・新サービスリリース・機能追加や、BtoB領域におけるグループ会社追加・オーガニックでの案件数増加等の効果により、安定した収益を上げました。なお、当連結会計年度に子会社化したVOIQ株式会社は、AI/DX事業となります。 BtoC領域については、もともと市場において有している圧倒的なネットワーク外部性に加え、将棋への注目度向上が続いたこともあり、「将棋ウォーズ」「棋神アナリティクス」「棋神ラーニング」ともに安定した収益を上げました。当連結会計年度は、「僕とロボコ」のコラボ企画や、棋神戦ヨーロッパ大会の実施、棋神のアップデート等を実施したほか、2025年2月には、将棋ウォーズで累計対局数10億局を達成し、達成を記念して新サービス「スプリント」をリリースしました。スプリントリリースの効果等もあり、将棋ウォーズのMAU(Monthly Active User)や対局数は引き続き増加しており、今後も、新規サービスのリリース・機能アップデートなどを通じ、ユーザの皆様の満足度向上・将棋人口最大化を追求してまいります。 また、BtoB領域についても、LLMやAIエージェントに関する投資拡大・注目度向上を受け、案件数・引き合いの増加や大型案件の獲得等もあり、収益が拡大しております。当連結会計年度前半は、契約開始時期のズレ等により売上計上の進捗に遅延が見られておりましたが、後半にかけて徐々に案件が開始し、下半期については、売上・稼働案件数ともに前年同期を大きく上回る成長を達成しました。加えて、「HEROZ ASK」「AIさくらさん」等のリカーリング売上も引き続き増加したほか、株式会社ストラテジットが提供する「JOINT iPaaS for SaaS」も下半期にかけて徐々に売上が拡大しております。BtoB領域においては、2026年4月期以降も見込み案件が多く、引き続き、前期を上回る成長を目指してまいります。 当セグメントにおいて、LLMの活用・社会実装は事業戦略の中核となるテーマであります。その取り組みとして、2024年5月に生成AIを活用したエンタープライズ向けAI アシスタントSaaS「HEROZ ASK」を本リリースしました。HEROZ ASKは、リリース後も機能追加・拡充を継続しており、2025年1月には新機能「議事録AI」を、4月にはAPI連携機能をリリースしました。5月には累計契約顧客数が250社を突破し、なおも売上・顧客数ともに増加しており、当社のAI BPaaSの中心となるSaaSとして、今後も機能アップデート・事業拡大に取り組んでまいります。 (ⅱ)AI Security事業 AI Security事業は、当社グループ会社であるバリオセキュア株式会社が提供する、インターネットセキュリティ関連の事業となります。 同社は、主に中小企業向けのセキュリティ対策を支援するため、「マネージドサービスの対応領域拡大・競争力強化」「成長セキュリティ市場への参入」「既存販売網と異なる新規営業体制の強化」を中期経営計画の目標として定め、実現に向けて人材の獲得、サービス企画・事業開発の強化、ソフトウエア開発等の事業投資を行ってまいりました。 そして、当連結会計年度においては、中堅・中小企業向けサイバー攻撃対策として、セキュリティ対策の構築から運用まで、24/365WORKで請け負うSecurity BPaaS(BPO as a service)「Vario Ultimate ZERO」を2024年8月より販売開始いたしました。 このような状況のもと、マネージドセキュリティサービスの売上収益は、ストック型の積み上げとその低解約率(0.71%)(注)により、安定的に推移しました。特にエンドポイントセキュリティ対策としてサイバー攻撃の兆候を検知するVarioマネージドEDRは、引き続き高い成長となりました。 (注)解約率(金額ベース)=年間解約金額÷(各年度の期初ベース月次売上収益×12) 費用面に関して、コーポレート機能については適切なコストコントロールを進めましたが、一方で、事業・サービス拡大に伴う、主に営業・マーケティング人材の採用強化による人件費等の増加、また昨今の物価高騰に伴う通信費・各種ライセンス費用等の増加や、新規プロダクト(HEROZ ASK・JOINT)への先行投資等により、売上原価・販売費及び一般管理費は前期比で増加しております。 また、2025年5月29日に「特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」にて発表いたしました通り、特別損失として減損損失96,987千円を計上したほか、主にグループ会社に関して繰延税金資産を新たに計上したこと等により、連結全体での法人税等調整額(△は利益)は減少し△16,359千円となりました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,929,797千円(前期比22.5%増)となり、EBITDA(注)793,932千円(前期比11.9%減)、営業利益306,429千円(前期比32.1%減)、経常利益228,233千円(前期比38.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損失177,709千円(前期は1,134,535千円の損失)となりました。 (注)EBITDA(営業利益+減価償却費+敷金償却+のれん償却額(特別損失計上分を除く)+株式報酬費用+棚卸資産評価損) なお、当社グループの当連結会計年度におけるセグメント別の損益状況については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ456,434千円増加し、8,147,668千円となりました。これは主に、現金及び預金が1,004,074千円、ソフトウエア仮勘定が226,058千円減少した一方で、預け金が1,410,387千円、ソフトウエアが318,161千円増加したことによります。 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ398,071千円増加し、2,946,230千円となりました。これは主に、短期借入金の増加200,000千円及び長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の増加450,606千円があったこと等によります。 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ58,363千円増加し、5,201,437千円となりました。これは主に、利益剰余金が177,709千円減少した一方で、非支配株主持分が208,799千円増加したことによります。 (2)キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、期首より404,390千円増加し、3,145,823千円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、219,035千円(前期は464,004千円の収入)であります。 この主な要因は、税金等調整前当期純利益131,245千円、減価償却費259,069千円、のれん償却額157,771千円、法人税等の支払額204,030千円等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、479,275千円(前期は1,217,003千円の使用)であります。 この主な要因は、有形固定資産の取得による支出86,907千円、無形固定資産の取得による支出332,364千円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、664,630千円(前期は303,958千円の使用)であります。 この主な要因は短期借入れによる収入200,000千円、長期借入れによる収入800,000千円及び長期借入金の返済による支出349,394千円等によるものであります。 (3)生産、受注及び販売の実績① 生産実績 提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 ② 受注実績 提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 ③ 販売実績 当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年5月1日至 2025年4月30日)金額(千円)前年同期比(%)AI/DX事業3,262,257148.2AI Security事業2,667,539101.1合計5,929,797122.5(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年5月1日至 2024年4月30日)当連結会計年度(自 2024年5月1日至 2025年4月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社USEN ICT Solutions797,46516.5868,70614.6Apple Inc.614,21212.7658,54311.1ソフトバンク株式会社584,72812.1--3.ソフトバンク株式会社の当連結会計年度の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。 Ⅱ 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。(1)重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。① のれんの評価 のれんについては、内訳は下記の通りであり、いずれも取得時点での対象会社の将来の事業計画等に基づいて超過収益力を検討し、計上しております。 ・987,195千円 2022年9月に、バリオセキュア株式会社を連結子会社化した際に発生したもの ・240,810千円 2023年11月に、株式会社エーアイスクエアを連結子会社化した際に発生したもの ・632,444千円 2024年3月に、株式会社ティファナ・ドットコムを連結子会社化した際に発生したもの、及 び、条件付取得対価の内容に基づき追加的に認識したもの ・36,000千円 当連結会計年度において子会社として設立したVOIQ株式会社が計上したもの のれんの減損判定については、グループ会社における継続した営業損失の発生、経営環境の著しい悪化、事業計画からの大幅な乖離等の有無をもとに減損の兆候の有無を検討しています。減損の兆候を識別した場合には、のれんの残存償却期間に対応する期間における割引前将来キャッシュ・フローを事業計画に基づいて算定し、帳簿価額と比較して減損損失の認識の要否を判定しています。減損損失の認識が必要と判定された場合、当該のれんについては、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として認識しています。 なお、当連結会計年度においては、減損の兆候はなく、減損損失は認識しておりません。 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、グループ会社の事業計画や経営環境の変化等によって影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なる場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。 ② その他の固定資産の評価 当社グループでは、のれんの他にも、有形固定資産、ソフトウエアなどの固定資産を保有しており、当連結会計年度末時点において、連結貸借対照表において有形固定資産を215,401千円、無形固定資産(のれんを除く)を675,947千円計上しております。 その他の固定資産の減損判定にあたっては、定期的に各資産グループについての減損の兆候の判定を行い、減損の兆候がある場合には、その回収可能価額を見積もっております。回収可能価額の見積りには、当該資産グループから得られると見込まれる将来キャッシュ・フローを使用しております。将来キャッシュ・フローの予測は、将来の市場動向や事業活動の状況等を勘案して策定しておりますが、将来キャッシュ・フローの予測が変更され、回収不能と判断される場合、減損損失を計上する可能性があり、当連結会計年度においては、グループ会社の株式会社ストラテジットにおけるソフトウエアの一部に関して、減損損失96,987千円を計上しております。 上記の減損損失計上に関しては、判定に使用する事業計画の策定及び回収可能価額の算定等において、当該資産グループに紐づく売上高・費用見込みや設備投資予定額、将来キャッシュ・フローの不確実性等を考慮した割引率が主要な仮定となっており、過去及び直近の実績や経営環境等を勘案して決定しております。株式会社ストラテジットのソフトウエアに関しては、上記の仮定に基づき事業計画・将来キャッシュ・フロー等を精査した結果、回収不能と認められる部分について、減損損失を計上することとなりました。 なお、当連結会計年度に計上することとなった減損損失はソフトウエアの一部であり、今後の事業計画・経営環境等を鑑みて、回収可能と認められる部分については引き続きソフトウエアとして計上しております。当連結会計年度末時点での当該ソフトウエアの残高は、98,006千円となります。 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や経営環境の変化等によって影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なる場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。 当社グループとしては、各グループ会社との情報交換・連携を緊密にするとともに、グループ会社における業績状況・事業環境等を定期的にモニタリングし、これらのリスクに対応してまいります。 ③ 繰延税金資産の回収可能性 繰延税金資産については、将来事業年度の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で繰延税金資産を計上しています。今後の経営環境の変化等によっては、翌事業年度において、当該将来事業年度の課税所得の見積り及び繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。 ④ 関係会社株式の評価 市場価格のある株式等は、その時価が著しく下落した時は、回復する見込みがあると認められる場合を除き、当該時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額を当事業年度の損失として認識しております。 また非上場の関係会社に対する投資等、市場価格のない株式等は取得価額をもって貸借対照表価額としていますが、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した時には、回復可能性が十分な論拠によって裏付けられている場合を除いて、相当の減額を行い、評価差額を当事業年度の損失として認識しております。 なお、当事業年度においては、株式会社ストラテジットの株式について231,892千円の関係会社株式評価損を計上しております。 株式の評価については慎重に検討を行っておりますが、今後の経営環境の変化等によって発行体の業績・事業状況が悪化した場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。 そのほか、貸倒引当金、賞与引当金、株主優待引当金の計上基準については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおり計上を行っております。いずれも過去の実績に基づき算定しており、会計上の見積りの重要性は低く、当社の経営成績等に与える影響は軽微であると判断しております。 (2)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 ①財政状態の分析 財政状態に関する分析は、「Ⅰ 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 ②経営成績の分析a 売上高 当連結会計年度の売上高は、5,929,797千円(前期比22.5%増)となりました。セグメント別の分析は以下のとおりです。・AI/DX事業 AI/DX事業については、BtoC領域におけるコラボ企画の実施・新サービスリリース・機能追加や、BtoB領域におけるグループ会社追加・オーガニックでの案件数増加等の効果により、安定した収益を上げ、売上高は3,262,257千円となりました。なお、売上高については連結内部の取引消去後の金額となります。 BtoC領域については、もともと市場において有している圧倒的なネットワーク外部性に加え、将棋への注目度向上が続いたこともあり、「将棋ウォーズ」「棋神アナリティクス」「棋神ラーニング」ともに安定した収益を上げました。当連結会計年度は、「僕とロボコ」のコラボ企画や、棋神戦ヨーロッパ大会の実施、棋神のアップデート等を実施したほか、2025年2月には、将棋ウォーズで累計対局数10億局を達成し、達成を記念して新サービス「スプリント」をリリースしました。スプリントリリースの効果等もあり、将棋ウォーズのMAU(Monthly Active User)や対局数は引き続き増加しており、今後も、新規サービスのリリース・機能アップデートなどを通じ、ユーザの皆様の満足度向上・将棋人口最大化を追求してまいります。 また、BtoB領域についても、LLMやAIエージェントに関する投資拡大・注目度向上を受け、案件数・引き合いの増加や大型案件の獲得等もあり、収益が拡大しております。当連結会計年度前半は、契約開始時期のズレ等により売上計上の進捗に遅延が見られておりましたが、後半にかけて徐々に案件が開始し、下半期については、売上・稼働案件数ともに前年同期を大きく上回る成長を達成しました。加えて、「HEROZ ASK」「AIさくらさん」等のリカーリング売上も引き続き増加したほか、株式会社ストラテジットが提供する「JOINT iPaaS for SaaS」も下半期にかけて徐々に売上が拡大しております。BtoB領域においては、2026年4月期以降も見込み案件が多く、引き続き、前期を上回る成長を目指してまいります。 当セグメントにおいて、LLMの活用・社会実装は事業戦略の中核となるテーマであります。その取り組みとして、2024年5月に生成AIを活用したエンタープライズ向けAI アシスタントSaaS「HEROZ ASK」を本リリースしました。HEROZ ASKは、リリース後も機能追加・拡充を継続しており、2025年1月には新機能「議事録AI」を、4月にはAPI連携機能をリリースしました。5月には累計契約顧客数が250社を突破し、なおも売上・顧客数ともに増加しており、当社のAI BPaaSの中心となるSaaSとして、今後も機能アップデート・事業拡大に取り組んでまいります。 ・AI Security事業 AI Security事業について、当連結会計年度の売上高は2,667,539千円となり、前連結会計年度に比べ27,867千円増加しました。なお、売上高については連結内部の取引消去後の金額となります。 マネージドセキュリティサービスでは、Vario EDRが主要代理店でのエンドポイントセキュリティサービスの案件獲得等によるライセンス数が増加したほか、インテグレーションサービスでも、ネットワーク構築も含めたセキュリティ導入を行うネットワークインテグレーションサービス(以下、IS)における高単価な件数の納品が増加しており、主にこれらの効果により売上高が伸長しております。一方で、VCRにおいては、競合環境の激化により販売数の回復に至っていないため、売上が減少しました。 b 売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益 当社グループの売上原価、販売費及び一般管理費については、人材関連費用、広告宣伝費、機械学習用サーバ等設備の減価償却費・通信費、BtoCサービスに係る課金決済手数料、支払手数料が主な内容となります。 当連結会計年度は、コーポレート機能については適切なコストコントロールを進めましたが、一方で、事業・サービス拡大に伴う、主に営業・マーケティング人材の採用強化による人件費等の増加、また昨今の物価高騰に伴う通信費・各種ライセンス費用等の増加や、新規プロダクト(HEROZ ASK・JOINT)への先行投資等により、売上原価・販売費及び一般管理費は前期比で増加しております。また、2025年5月29日に「特別損失の計上及び通期業績予想の修正に関するお知らせ」にて発表いたしました通り、特別損失として減損損失96,987千円を計上したほか、主にグループ会社に関して繰延税金資産を新たに計上したこと等により、連結全体での法人税等調整額(△は利益)は減少し△16,359千円となりました。 これらの結果、当連結会計年度における売上原価は3,241,852千円となり、当連結会計年度の売上総利益は2,687,944千円となりました。また、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,381,515千円となり、当連結会計年度の営業利益は306,429千円(前期比32.1%減)となりました。 c 営業外収益、営業外費用、経常利益、特別損益 営業外収益及び費用については、当社が出資する投資事業組合に関する運用損益や、借入金に関する支払利息、株主優待関連費用等が主な内容となります。そのほか、当連結会計年度は特別損失としてソフトウエアの減損損失96,987千円が発生しております。 これらの結果、当連結会計年度の経常利益は228,233千円(前期比38.1%減)、税金等調整前当期純利益は131,245千円(前期は純損失707,315千円)となりました。 上記a~cの結果を受け、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は177,709千円(前期は1,134,535千円の損失)となりました。なお、法人税等調整額を含む法人税等合計は106,003千円となっております。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容 キャッシュ・フローの分析・検討内容については、「Ⅰ 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。 (4)経営成績に重要な影響を与える要因について 「3 事業等のリスク」に記載した通り、事業内容、事業運営・組織体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向や業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、事業運営体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。 (5)経営戦略の現状と見通し 当連結会計年度における我が国の経済状況は、所得・雇用環境が改善される中、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されているものの、世界的な金融引締めや急激な為替・株価変動、中東・ウクライナ情勢及び物価の上昇が国内景気に及ぼすリスクが見られる等、先行きが不透明な状況が続いております。 その一方で、情報サービス業界においては、従来なかったスピード感での技術革新や、少子高齢化・生産年齢人口の減少等を受け、デジタル技術を活用したDXに関する投資が引き続き拡大を続けています。特に、AI市場においては、ChatGPTのリリースに端を発した、各産業におけるAIXに関する投資の加速が続いており、まさに現在進行形で、LLMを含むAIの技術競争・需要拡大・社会実装が急激なスピードで進んでおります。なお、当社グループでは、AIXとは、AIを社会に浸透させることにより、その力を通じて既存の業務プロセスやビジネスモデル等を含めて社会全体に抜本的な変革を起こすこと、と捉えております。LLMを含むAIが当たり前のように社会全体に浸透していく中で、AIを業務ツールとして断片的に使うのではなく、より根本的な価値創造・人とAIの共創がテーマとなる世界が到来しております。また、国内外において、AIが社員のように自律的にタスク・業務を遂行する「AIエージェント」に関する機運・注目も高まっており、AIエージェントの実現・拡充を通じた新たな価値提供・業務プロセス変革が求められる時代に突入しています。 そして、SaaS市場においても、導入の需要のみならず、「ニーズの多様化に伴うSaaS間連携」「統合管理の複雑化によるセキュリティ要件の高度化」等に関する需要拡大が見込まれるほか、セキュリティ市場においても、サイバーセキュリティ攻撃による脅威が年々増加しており、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)によるサイバー攻撃被害が国内外の様々な企業や医療機関等で続き、国民生活や社会経済に影響が出る事例も発生しています。 このような環境の中で、当社グループは、HEROZ3.0として「AI BPaaS」を掲げ、単なるSaaSツールの提供会社にとどまらず、生成AIや複数の分野・領域にまたがるAIエージェントをフル活用し、AIが業務全体を自律的に遂行・最適化するAgentic Workというかたちで価値提供を行い、社会全体にAIXを起こしていくことを目指しております。現在市場に流通しているAIエージェントの多くは、特化型エージェントやワークフロー補助型エージェントなど、ある程度定式化されたプロセス内での業務遂行・実行を行うものとなっておりますが、当社グループは、そこからさらに進化した「AI Agent2.0」として、「Meta Agent」(課題分解、ゴール設定、解決策探索・実行までを完全自律的に遂行し、業務全体を再構築できる自律型AIエージェント)の実現を目指し、社会全体への価値提供・事業成長に繋げてまいりたいと考えております。 (6)資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や自社サーバ購入等を目的とした資金需要は自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討してまいります。 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,145,823千円、有利子負債の残高は2,054,662千円となっております。