4373

シンプレクス・ホールディングス(4373)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 金融ITソリューション: シンプレクス・ホールディングスは、銀行、証券会社、インターネット証券などの大手金融機関向けに、トレーディング・リスク管理プラットフォームや個人投資家向け取引プラットフォームといったITソリューションを提供しています。創業以来、金融分野で培った専門知識と技術力を基盤に収益を上げています。
  • DXコンサルティング: 近年では、金融領域で培ったAI、UI/UX、クラウド、web3などの先端技術を活用し、官公庁や通信、製造、エンターテイメントといった非金融分野の顧客に対しても、DX(デジタルトランスフォーメーション)特化型の戦略立案から実行支援までを一貫して提供し、事業領域を拡大しています。
  • 一気通貫の支援体制: Xspear Consulting株式会社が戦略/DXコンサルティングと業務設計を、シンプレクス株式会社がテクノロジーを軸としたシステム開発、運用保守、ソリューション提供を担い、両社が連携することで、顧客ビジネスの成功をEnd-to-Endで支援するビジネスモデルを展開しています。これにより、顧客の課題解決からシステム実装、運用までを一貫して手掛けています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 単一セグメントでの事業展開: シンプレクス・ホールディングスは、顧客ビジネスの成功に貢献するITソリューションの提供を中心に事業活動を展開しており、事業セグメントは単一です。そのため、セグメント別の詳細な財務情報は開示されていません。
  • 戦略/DXコンサルティング: Xspear Consulting株式会社が中心となり、幅広い業種の経営層や経営企画部門に対し、AIやweb3などの先端技術を活用したDX戦略の立案と実行支援を行っています。戦略コンサルティング、ITコンサルティング、プロジェクト実行支援、DX人材育成など多岐にわたるサービスを提供しています。
  • 金融ITソリューション: 大手銀行、総合証券、インターネット証券、暗号資産交換業者などの金融機関向けに、キャピタルマーケット(機関投資家向けトレーディング・リスク管理プラットフォーム)と金融リテール(個人投資家向け金融商品取引プラットフォーム)のITソリューションを提供しています。創業以来のコアビジネスであり、国内トップブランドとしての実績と信頼を基盤としています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,058 文字
3【事業の内容】 当社グループは、1997年の創業以来、日本を代表する銀行、総合証券、インターネット証券などの大手金融機関のテクノロジーパートナーとして事業を展開し、金融領域において高い競争優位を築いてまいりました。現在では、金融領域で培った実績やノウハウ、AI、UI/UX、クラウド、web3などの先端技術を活かし、金融・非金融を問わず、官公庁を含む幅広い顧客に対して高付加価値サービスを提供しております。 当社グループは、事業会社であるXspear Consulting株式会社及びシンプレクス株式会社が、それぞれの強みを活かして事業戦略を実行しております。Xspear Consulting株式会社は、戦略/DXコンサルティング及び業務設計を担い、シンプレクス株式会社は、テクノロジーを軸としたシステム開発、運用保守及び各種ソリューションの提供を担っております。当社グループは、これらの機能を一体的に提供することにより、顧客ビジネスの成功をEnd-to-Endに一気通貫で支援しております。 また、当社は、持株会社としての機能を集中・強化し、グループ全体の戦略の策定・推進、適切なガバナンス及びモニタリングを行うことで、さらなる企業価値の向上を目指しております。当連結会計年度末において、当社の連結子会社は6社、持分法適用関連会社は1社となっております。 ① ビジネス領域 当社グループは、顧客ビジネスの成功に貢献するITソリューションの提供を中心に事業活動を展開する単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、主な顧客・マーケットを勘案して区分したビジネス領域は、以下のとおりです。 ⅰ)戦略/DXコンサルティング 幅広い業種の経営層や経営企画部門に対し、AI、UI/UX、クラウド、web3に代表される先端技術に立脚した、DX特化型の戦略立案と実行支援を行っております。 2021年4月から始動したコンサルティングファームであるXspear Consulting株式会社が主要な提供会社となって、戦略コンサルティング、ITコンサルティング、プロジェクト実行支援及びDX人材育成からなる各種コンサルティングサービスを提供しております。 Xspear Consulting株式会社は、コンサルティングとテクノロジーの両面に知見を有する人材を擁し、戦略立案から実行支援までを一体で提供している点を強みとしております。 ⅱ)キャピタルマーケット 主に大手銀行や大手総合証券等の金融機関向けに、ディーラー・トレーダー等の機関投資家をユーザーとするトレーディング・リスク管理プラットフォーム等のITソリューションを提供しております。 創業以来のコアビジネスとして、対応機能(取引管理、時価評価、リスク評価、ストレステスト、シナリオ分析、各種規制対応等)の拡充に加えて、対応商品(金利デリバティブ、為替デリバティブ、クレジットデリバティブ、債券、上場商品等)の拡充を図ることにより、金融機関におけるクロスセルを推進しております。 現在、金融商品ごとにシステムが乱立していたことにより、リーマンショック以降の高度なポジション管理やリスク管理に課題を抱えていた金融機関に対して、金融商品横断的に市場取引を一元管理できるワンプラットフォームを提供しております。 ⅲ)金融リテール 主にネット証券やネットFX会社、暗号資産交換業者等の金融機関向けに、個人投資家向け金融商品取引プラットフォーム等のITソリューションを提供しております。プラットフォームには、株式・先物オプション取引のSPRINT、FX取引のSimplexFX、暗号資産取引のSimplex Crypto Assets、資産運用のSimplex Personal Assets等があり、いずれも共同利用型サービスとして提供しております。 デジタル技術を活用した金融サービスの拡充が重要なテーマとなる中、2005年の参入以降、国内トップブランドとしての豊富な導入実績に裏打ちされた信頼性の高いプラットフォームの提供や、マーケットトレンドに合わせた細やかなコンサルティングを通じて、金融機関の収益最大化を支援しております。 現在、プラットフォームを自社開発する方針を長らく貫いてきた内製志向の金融機関との取引も拡大傾向にあり、従来は開拓できていなかった内製志向の金融機関に対する支援範囲を着実に広げることで、金融リテール領域の深耕を推進しております。 なお、当社グループは、主に生命保険会社や損害保険会社などの保険会社向けに、保険設計・申込から契約管理に至る一連の保険業務を支援するITソリューションを2013年より提供しており、当該サービスを金融リテールのビジネス領域の一部と位置付けております。 ⅳ)エンタープライズDX 主に官公庁、通信、製造、エンターテイメント等の非金融機関向けに、DX支援に特化したITソリューションを提供しております。 エンタープライズDXとは、官公庁、通信、製造、エンターテイメント等の非金融分野におけるDX支援を総称する当社グループ内の造語です。DXに特化したコンサルティングファームであるXspear Consulting株式会社とのシナジーの最大化を図るとともに、金融領域で培ってきたAI、UI/UX、クラウド、web3等のキーテクノロジーを活かした案件の獲得を推進しております。 ② サービス形態 当社グループは、顧客ビジネスの成功に貢献するITソリューションの提供を中心に事業活動を展開する単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、主なサービスの内容は以下のとおりです。 ⅰ)戦略/DXコンサルティング 上記「① ビジネス領域 ⅰ)戦略/DXコンサルティング」の記載をご参照ください。 ⅱ)システムインテグレーション 幅広い業種のユーザー部門やシステム部門に対し、設計・開発・テスト工程のすべての工程を対象としたシステム開発支援を行っております。1997年の創業以来、当社グループの中核企業であるテックファームのシンプレクス株式会社が主要な提供会社となって、顧客ビジネスの成功に貢献するITソリューションを提供しております。 ⅲ)運用サービス 一定規模のシステム開発支援を行ったおおむねすべての顧客を対象として、システム導入後の運用保守や共同利用型サービスの提供を行っております。上流のシステム開発支援を担当したシンプレクス株式会社が主要な提供会社となって、DXの実現に向けたシステム改善提案を行うとともに、24時間365日体制のシステム運用監視やトラブル発生時の復旧活動を支援しております。 ③ 事業系統図 (注) 矢印は、サービスの主な流れを示しております。 用語の説明UI/UXUIはUser Interfaceの略で、利用者がPCやスマートフォン等を操作する際の画面表示や操作方法などを指します。UXはUser Experienceの略で、サービスの利用を通じて得られる体験や満足度を指します。web3ブロックチェーン技術を活用し、データや価値をインターネット上でやり取りする新しい仕組みを指します。特定の管理者に依存しにくい点に特徴があり、代表的なものに、暗号資産、ステーブルコイン(法定通貨などに価値が連動するよう設計されたデジタル資産)、NFT、メタバースなどがあります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
高度な業務知識、先進的なテクノロジー、高い信頼性・性能が求められるシステム構築。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
金融領域で培った実績やノウハウ、AI、UI/UX、クラウド、web3などの先端技術。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:特定業種への依存 / 顧客企業の維持・獲得 / 技術革新への対応
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

シンプレクス・ホールディングスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを基盤とした無形資産による競争優位性は、公開情報からは明確に確認できません。事業内容は金融機関向けシステム開発・提供が中心であり、技術力は高いと推測されますが、それが特許等で保護された強固な無形資産に結びついているかは不明瞭です。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

金融機関向けのシステム開発・提供事業は、顧客である金融機関の基幹システムに関わるものが多く、システム更改には多大なコストと時間がかかるため、顧客のスイッチング・コストは高いと考えられます。特に、長年利用してきたベンダーのシステムは、業務プロセスに深く組み込まれているため、他社への乗り換えは容易ではありません。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

シンプレクス・ホールディングスの事業モデルは、特定のプラットフォーム上でユーザーが増えることで価値が増大するネットワーク効果を直接的に生み出す構造にはなっていません。個々の顧客との個別契約に基づくシステム開発・提供が中心であり、プラットフォーム型のビジネスとは異なります。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

情報通信業、特にシステム開発・提供においては、高度な専門人材の確保や技術開発への投資が不可欠であり、構造的なコスト優位性を確立することは困難です。シンプレクス・ホールディングスも、他社と比較して著しく低いコストでサービスを提供できるような、明確なコスト優位性は見られません。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

金融機関向けシステム開発・提供市場は、一定の規模を持つものの、シンプレクス・ホールディングスが業界全体を支配するような寡占状態を形成しているわけではありません。大手金融機関との取引実績はありますが、市場全体におけるシェアや、規模の経済による圧倒的な優位性は限定的と考えられます。

  • 金融領域での実績と信頼: 1997年の創業以来、日本の大手金融機関をテクノロジーパートナーとして支援し、金融領域において高い競争優位性を確立してきました。金融商品の多様化や複雑な規制対応が求められる中で、市場取引を一元管理できるワンプラットフォームを提供し、顧客からの厚い信頼を得ています。
  • 先端技術と専門知識: AI、UI/UX、クラウド、web3などの先端技術に強みを持つとともに、金融機関の業務に関する深い知識を有しています。コンサルティングとテクノロジーの両面に精通した人材を擁することで、戦略立案から実行支援までを一体で提供できる点が、他社との差別化要因となっています。
  • 一貫したサービス提供能力: 戦略コンサルティングからシステム開発、運用保守、継続的な改善までを一気通貫で支援できる体制が強みです。これにより、顧客のビジネス変革を包括的にサポートし、単なるシステム提供にとどまらない高付加価値サービスを提供することで、顧客との長期的な関係構築と収益の安定化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは、「日本発のイノベーションを世界へ向けて発信する」という経営理念のもと、1997年の創業以来、顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出を追求してまいりました。ビジネスに深く精通したテクノロジーパートナーとして、顧客ビジネスの成功に貢献する高付加価値サービスの提供を通じ、持続的な成長と高い収益性を実現していくことを経営の基本方針としております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長と高い収益性の実現を目指す観点から、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益、売上総利益率、営業利益及び営業利益率を重視しております。また、資本効率を意識した経営に取り組む観点から、ROEについても重要な指標としております。 これらの指標のうち、特に売上総利益率は、当社グループが提供するサービスの付加価値を測る重要な経営指標として位置付けております。当社グループは、豊富なビジネスノウハウと高度なテクノロジーの双方が求められる、参入障壁の高い領域において事業を展開しております。このような事業特性を踏まえ、売上総利益率は、優秀なエンジニア及びコンサルタントの確保・定着、組織的な生産性及び当社グループが創出する付加価値に対する顧客からの評価を総合的に反映するものと考えております。 2026年3月期においては、売上収益は58,682百万円、売上総利益率は43.7%、営業利益は14,420百万円、営業利益率は24.6%、ROEは21.0%となりました。 (3)経営戦略等 当社グループの価値提供モデルの中核は、Xspear Consulting株式会社とシンプレクス株式会社が一体となり、戦略立案から業務設計、開発、運用保守、継続改善に至るまでをEnd-to-Endに一気通貫で支援する点にあります。構想策定にとどまらず、実際の開発や運用、その後の改善まで継続的に支援することで、戦略と実装の両面から顧客ビジネスの変革を支援し、成果創出の確度を高める価値提供モデルを強みとしております。 あらゆる産業においてテクノロジーを活用したビジネスモデルの変革が求められる中、当社グループは、長期成長戦略「Vision1000」で掲げる売上収益1,000億円の実現時期を2030年3月期に明確化し、2027年3月期から2030年3月期までの4カ年を対象期間とする中期経営計画「中計2030 -Vision1000-」を策定し、2026年4月に公表しております。 「中計2030 -Vision1000-」では、当社グループの価値提供モデルをさらに進化させるとともに、生成AIなどの先端技術を積極的に活用し、サービスの品質と生産性を高めることで、収益性の向上、提供価値の高度化及び受注機会の拡大に取り組んでおります。また、web3をはじめとする先端技術や知的資本を活用し、人員数の増加に過度に依存しない非労働集約型ビジネスの確立を目指しております。さらに、金融・非金融双方において、顧客ごとの課題や事業機会を的確に捉えた支援を通じて、顧客基盤の拡大と深耕を進めることで、持続的な成長を実現してまいります。(4)対処すべき課題 「中計2030 -Vision1000-」の実現に向けて、当社グループは、外部環境及び事業環境の変化を踏まえ、マテリアリティ(重要課題)を改めて整理いたしました。顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出を起点に、その源泉となる人的資本及び知的資本の蓄積・高度化を進めるとともに、ガバナンスやリスク管理、気候変動問題への対応を含む実行基盤の強化を通じて、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。  上記の認識に基づき、当社グループが推進する主要戦略は以下のとおりであります。 ① 価値創出の推進 当社グループは、企業価値の源泉を、顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出と捉えております。金融・非金融を問わず、顧客が直面する経営課題や事業課題に深く向き合い、戦略立案から実行・定着に至るまでを一体で支援することにより、構想の実効性と成果創出の確度を高めてまいります。 具体的には、Xspear Consulting株式会社とシンプレクス株式会社が一体となった価値提供モデルをさらに進化させ、戦略と実装の両面から顧客ビジネスの変革を支援してまいります。 金融領域においては、金融サービスの利便性向上及び高度化に取り組んでまいります。非金融領域においては、官公庁や社会インフラ領域を含む多様な領域におけるDX支援を通じて、金融領域で培った知見と技術力を産業横断で展開し、顧客の競争力強化と持続的成長に貢献してまいります。さらに、これらの取り組みを通じて、産業や社会全体の変革を後押しし、経済・社会システムの進化を支える役割を果たしてまいります。 ② 価値を生み出す戦略資本の強化 当社グループが高付加価値サービスを継続的に提供するためには、人的資本及び知的資本を戦略的に強化することが不可欠であると認識しております。特に、特定の技術領域に閉じることなく、変化を機会として捉え、ビジネスとテクノロジーの双方を横断しながら新たな価値を創出できるハイブリッド人材は、当社グループの競争優位の源泉であります。 ハイブリッド人材の獲得にあたっては、人材市場トップ10%をターゲットとして、当社グループの価値観に共感し、高い成長意欲を有する人材の採用に取り組んでまいります。新卒採用では将来の成長可能性を重視したポテンシャル採用を、中途採用では高い専門性を有する人材の確保を推進してまいります。 また、事業戦略に応じた人材配置や体系化された育成プログラムを通じて実践力を高めるとともに、評価・報酬制度の適切な運用や定着・エンゲージメント向上に資する施策を通じて、社員の継続的な成長を支えてまいります。 知的資本については、先端領域で獲得した知見やソフトウェア資産を組織的に活用し、価値提供の高度化につなげてまいります。特に、生成AIの活用を前提に開発・運用プロセスを進化させるAI-Native Deliveryの推進や、web3を活用した業界・市場インフラの構築に取り組むことで、人員数の増加に過度に依存しない収益モデルの確立を目指してまいります。また、研究開発の推進を通じて、当社グループの競争優位を持続的に強化してまいります。 ③ 価値創出を支える実行基盤の充実 当社グループが持続的な成長を実現するためには、価値創出を支える実行基盤を継続的に充実させることが重要であると考えております。機動的な意思決定と成長投資を可能にするため、適切なリスクテイクを支えるガバナンス及びリスク管理体制の実効性向上に取り組んでまいります。 具体的には、戦略との整合性、財務面の健全性、リスク評価を踏まえ、意思決定の質を高めるとともに、取締役会による監督・牽制機能の発揮を図ってまいります。また、AIガバナンス、情報セキュリティ、リスクマネジメント、コンプライアンスを含む管理体制の実効性を高め、事業環境の変化に的確に対応できる経営基盤の構築に努めてまいります。 加えて、株主・投資家、顧客、社員、ビジネスパートナー、社会からの期待や要請を的確に捉え、透明性の高い情報開示と継続的なコミュニケーションを通じて、ステークホルダーとの持続的な信頼関係を構築してまいります。 また、気候変動を含む外部環境の変化についても、事業運営に影響を及ぼし得る重要な経営課題として捉え、リスク及び機会を経営判断に織り込み、事業継続性の確保とレジリエンスの強化に取り組んでまいります。これらの取り組みを通じて、持続的な企業価値向上を支える実行基盤のさらなる充実を図ってまいります。 (5)キャピタルアロケーション方針 当社は、高いキャッシュ・フロー創出力を礎として、財務健全性を維持した上で、事業基盤の強化に資する成長投資を優先的に実行することが、持続的な利益成長と企業価値の向上に資すると考えております。加えて、当社は、資本効率を意識した経営に取り組んでおり、重要な経営指標の一つとしてROE目標を掲げ、資本効率の向上に資する株主還元についても、キャピタルアロケーションにおける重要施策として認識しております。 こうした認識に基づき、当社は、業績動向やROE水準、成長投資の機会等を総合的に勘案した上で、配当を基本として株主還元の充実に努めております。配当については、利益成長を通じた1株当たり配当金の安定的・持続的な増加を基本方針とし、連結配当性向40%を目安として配当を行う方針としております。なお、自己株式の取得についても、資本効率の向上に資する株主還元策として、前述の配当決定に係る検討事項に加え、株価を含めた市場環境を考慮した上で、引き続き機動的に実施していく方針です。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営の基本方針 当社グループは、「日本発のイノベーションを世界へ向けて発信する」という経営理念のもと、1997年の創業以来、顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出を追求してまいりました。ビジネスに深く精通したテクノロジーパートナーとして、顧客ビジネスの成功に貢献する高付加価値サービスの提供を通じ、持続的な成長と高い収益性を実現していくことを経営の基本方針としております。 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長と高い収益性の実現を目指す観点から、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益、売上総利益率、営業利益及び営業利益率を重視しております。また、資本効率を意識した経営に取り組む観点から、ROEについても重要な指標としております。 これらの指標のうち、特に売上総利益率は、当社グループが提供するサービスの付加価値を測る重要な経営指標として位置付けております。当社グループは、豊富なビジネスノウハウと高度なテクノロジーの双方が求められる、参入障壁の高い領域において事業を展開しております。このような事業特性を踏まえ、売上総利益率は、優秀なエンジニア及びコンサルタントの確保・定着、組織的な生産性及び当社グループが創出する付加価値に対する顧客からの評価を総合的に反映するものと考えております。 2026年3月期においては、売上収益は58,682百万円、売上総利益率は43.7%、営業利益は14,420百万円、営業利益率は24.6%、ROEは21.0%となりました。 (3)経営戦略等 当社グループの価値提供モデルの中核は、Xspear Consulting株式会社とシンプレクス株式会社が一体となり、戦略立案から業務設計、開発、運用保守、継続改善に至るまでをEnd-to-Endに一気通貫で支援する点にあります。構想策定にとどまらず、実際の開発や運用、その後の改善まで継続的に支援することで、戦略と実装の両面から顧客ビジネスの変革を支援し、成果創出の確度を高める価値提供モデルを強みとしております。 あらゆる産業においてテクノロジーを活用したビジネスモデルの変革が求められる中、当社グループは、長期成長戦略「Vision1000」で掲げる売上収益1,000億円の実現時期を2030年3月期に明確化し、2027年3月期から2030年3月期までの4カ年を対象期間とする中期経営計画「中計2030 -Vision1000-」を策定し、2026年4月に公表しております。 「中計2030 -Vision1000-」では、当社グループの価値提供モデルをさらに進化させるとともに、生成AIなどの先端技術を積極的に活用し、サービスの品質と生産性を高めることで、収益性の向上、提供価値の高度化及び受注機会の拡大に取り組んでおります。また、web3をはじめとする先端技術や知的資本を活用し、人員数の増加に過度に依存しない非労働集約型ビジネスの確立を目指しております。さらに、金融・非金融双方において、顧客ごとの課題や事業機会を的確に捉えた支援を通じて、顧客基盤の拡大と深耕を進めることで、持続的な成長を実現してまいります。(4)対処すべき課題 「中計2030 -Vision1000-」の実現に向けて、当社グループは、外部環境及び事業環境の変化を踏まえ、マテリアリティ(重要課題)を改めて整理いたしました。顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出を起点に、その源泉となる人的資本及び知的資本の蓄積・高度化を進めるとともに、ガバナンスやリスク管理、気候変動問題への対応を含む実行基盤の強化を通じて、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。  上記の認識に基づき、当社グループが推進する主要戦略は以下のとおりであります。 ① 価値創出の推進 当社グループは、企業価値の源泉を、顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出と捉えております。金融・非金融を問わず、顧客が直面する経営課題や事業課題に深く向き合い、戦略立案から実行・定着に至るまでを一体で支援することにより、構想の実効性と成果創出の確度を高めてまいります。 具体的には、Xspear Consulting株式会社とシンプレクス株式会社が一体となった価値提供モデルをさらに進化させ、戦略と実装の両面から顧客ビジネスの変革を支援してまいります。 金融領域においては、金融サービスの利便性向上及び高度化に取り組んでまいります。非金融領域においては、官公庁や社会インフラ領域を含む多様な領域におけるDX支援を通じて、金融領域で培った知見と技術力を産業横断で展開し、顧客の競争力強化と持続的成長に貢献してまいります。さらに、これらの取り組みを通じて、産業や社会全体の変革を後押しし、経済・社会システムの進化を支える役割を果たしてまいります。 ② 価値を生み出す戦略資本の強化 当社グループが高付加価値サービスを継続的に提供するためには、人的資本及び知的資本を戦略的に強化することが不可欠であると認識しております。特に、特定の技術領域に閉じることなく、変化を機会として捉え、ビジネスとテクノロジーの双方を横断しながら新たな価値を創出できるハイブリッド人材は、当社グループの競争優位の源泉であります。 ハイブリッド人材の獲得にあたっては、人材市場トップ10%をターゲットとして、当社グループの価値観に共感し、高い成長意欲を有する人材の採用に取り組んでまいります。新卒採用では将来の成長可能性を重視したポテンシャル採用を、中途採用では高い専門性を有する人材の確保を推進してまいります。 また、事業戦略に応じた人材配置や体系化された育成プログラムを通じて実践力を高めるとともに、評価・報酬制度の適切な運用や定着・エンゲージメント向上に資する施策を通じて、社員の継続的な成長を支えてまいります。 知的資本については、先端領域で獲得した知見やソフトウェア資産を組織的に活用し、価値提供の高度化につなげてまいります。特に、生成AIの活用を前提に開発・運用プロセスを進化させるAI-Native Deliveryの推進や、web3を活用した業界・市場インフラの構築に取り組むことで、人員数の増加に過度に依存しない収益モデルの確立を目指してまいります。また、研究開発の推進を通じて、当社グループの競争優位を持続的に強化してまいります。 ③ 価値創出を支える実行基盤の充実 当社グループが持続的な成長を実現するためには、価値創出を支える実行基盤を継続的に充実させることが重要であると考えております。機動的な意思決定と成長投資を可能にするため、適切なリスクテイクを支えるガバナンス及びリスク管理体制の実効性向上に取り組んでまいります。 具体的には、戦略との整合性、財務面の健全性、リスク評価を踏まえ、意思決定の質を高めるとともに、取締役会による監督・牽制機能の発揮を図ってまいります。また、AIガバナンス、情報セキュリティ、リスクマネジメント、コンプライアンスを含む管理体制の実効性を高め、事業環境の変化に的確に対応できる経営基盤の構築に努めてまいります。 加えて、株主・投資家、顧客、社員、ビジネスパートナー、社会からの期待や要請を的確に捉え、透明性の高い情報開示と継続的なコミュニケーションを通じて、ステークホルダーとの持続的な信頼関係を構築してまいります。 また、気候変動を含む外部環境の変化についても、事業運営に影響を及ぼし得る重要な経営課題として捉え、リスク及び機会を経営判断に織り込み、事業継続性の確保とレジリエンスの強化に取り組んでまいります。これらの取り組みを通じて、持続的な企業価値向上を支える実行基盤のさらなる充実を図ってまいります。 (5)キャピタルアロケーション方針 当社は、高いキャッシュ・フロー創出力を礎として、財務健全性を維持した上で、事業基盤の強化に資する成長投資を優先的に実行することが、持続的な利益成長と企業価値の向上に資すると考えております。加えて、当社は、資本効率を意識した経営に取り組んでおり、重要な経営指標の一つとしてROE目標を掲げ、資本効率の向上に資する株主還元についても、キャピタルアロケーションにおける重要施策として認識しております。 こうした認識に基づき、当社は、業績動向やROE水準、成長投資の機会等を総合的に勘案した上で、配当を基本として株主還元の充実に努めております。配当については、利益成長を通じた1株当たり配当金の安定的・持続的な増加を基本方針とし、連結配当性向40%を目安として配当を行う方針としております。なお、自己株式の取得についても、資本効率の向上に資する株主還元策として、前述の配当決定に係る検討事項に加え、株価を含めた市場環境を考慮した上で、引き続き機動的に実施していく方針です。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 近年、デジタル技術の進展・普及に伴い、あらゆる産業において、テクノロジーを駆使してビジネスモデルそのものを改革していく、DXへの対応が急務となっております。こうした流れに連動する形で、当社グループがサービス提供を手掛ける対象領域も急速に拡大しております。 こうした経営環境の下、当社グループにおいては、創設5年目のXspear Consulting株式会社が着実に成長を続けており、当社グループのテックファームであるシンプレクス株式会社とのシナジーを創出した結果、戦略/DXコンサルティング及びシステムインテグレーションの売上が大きく増加しました。 当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。(売上収益) 売上収益は、システムインテグレーション、運用サービスともに売上が好調に推移したこと及び戦略/DXコンサルティングにおける堅調な案件獲得により、58,682百万円(前期47,394百万円、前期比23.8%増)と、過去最高を更新しました。 (売上総利益) 売上総利益は25,623百万円(前期19,638百万円、前期比30.5%増)、売上総利益率は43.7%(前期41.4%)と、ともに前期を大きく上回りました。 (営業利益) 販売費及び一般管理費は、主に新卒採用者数の増加及び研修や中途採用の強化施策により、9,594百万円(前期7,307百万円、前期比31.3%増)と、前期より増加しました。研究開発費は1,572百万円(前期1,475百万円、前期比6.6%増)と、前期より増加しました。また、その他の収益に16百万円、その他の費用に52百万円を計上しております。 この結果、営業利益は14,420百万円(前期10,804百万円、前期比33.5%増)、営業利益率は24.6%(前期22.8%)となりました。 (税引前当期利益) 金融収益96百万円、金融費用195百万円、持分法による投資利益31百万円を計上して、税引前当期利益は14,352百万円(前期10,729百万円、前期比33.8%増)となりました。 (当期利益) 法人所得税費用は3,814百万円(前期2,948百万円)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は10,538百万円(前期7,781百万円、前期比35.4%増)となりました。 ② 財政状態の状況 当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。(資産) 当連結会計年度末における資産合計は、88,169百万円(対前連結会計年度末比9,147百万円増加)となりました。これは主に、増床を含むオフィス契約の更新等により、使用権資産が5,384百万円増加した他、受注案件の規模拡大に伴い、営業債権及びその他の債権が4,003百万円増加したことによるものです。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、36,719百万円(対前連結会計年度末比6,507百万円増加)となりました。これは主に、増床を含むオフィス契約の更新等により、リース負債が5,312百万円増加した他、営業債務及びその他の債務が1,121百万円増加したことによるものです。 (資本) 当連結会計年度末における資本合計は51,450百万円(対前連結会計年度末比2,640百万円増加)となり、親会社所有者帰属持分比率は58.4%(前連結会計年度末は61.8%)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は14,443百万円(対前連結会計年度末比1,005百万円増加)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、10,689百万円の資金取得(前期9,746百万円の資金取得)となりました。これは主に、税引前当期利益14,352百万円、償却費2,628百万円の計上によるキャッシュ・フローの増加と、法人所得税の支払4,573百万円、営業債権及びその他の債権の増加4,003百万円によるキャッシュ・フローの減少によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、1,970百万円の資金取得(前期534百万円の資金取得)となりました。これは主に、持分法で会計処理されている投資の売却による収入1,892百万円、投資有価証券の売却による収入572百万円によるキャッシュ・フローの増加と、主にインフラ環境の増強に伴う有形固定資産の取得による支出370百万円によるキャッシュ・フローの減少によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、11,662百万円の資金使用(前期10,570百万円の資金使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出5,615百万円、配当金の支払額2,847百万円、リース負債の支払による支出2,055百万円、借入金の返済による支出1,480百万円によるキャッシュ・フローの減少によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、ITソリューションの提供を中心に事業活動を展開する単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、当連結会計年度の生産実績、受注実績、販売実績をサービス区分ごとに示すと、以下のとおりであります。a 生産実績サービス形態当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)戦略/DXコンサルティング(百万円)5,580147.8システムインテグレーション(百万円)19,227121.4運用サービス(百万円)8,252101.3その他(百万円)--合計(百万円)33,059119.1 (注)金額は製造原価によっております。 b 受注実績サービス形態受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)戦略/DXコンサルティング11,608146.52,410148.9システムインテグレーション35,655126.110,433122.5運用サービス14,758107.912,100105.7その他5095.847386.5合計62,072124.324,989115.7 (注)受注残高は、向こう1年間の売上収益の計上予定額によっております。 c 販売実績サービス形態当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)戦略/DXコンサルティング(百万円)10,816144.0システムインテグレーション(百万円)33,758128.3運用サービス(百万円)14,093104.2その他(百万円)1533.6合計(百万円)58,682123.8 (注)1.金額は販売価格によっております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、連結売上収益10%以上に該当する販売先がないため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。 見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識されます。 経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは以下のとおりであります。 1.のれんの評価及び減損テスト 当社グループは、のれんについて、毎期一定の時期又は減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。 使用価値は、過去の実績及び外的環境を反映し、経営者が承認した事業計画と事業計画経過後の永久成長率0.7%を基礎としたキャッシュ・フロー見積額を、資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率10.0%により現在価値に割り引いて算定しております。なお、事業計画における主要な仮定は、リカーリング率、リピートオーダー率等であります。 減損テストに使用した主要な仮定が変更された場合には減損が発生するリスクがありますが、使用価値は資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な仮定が合理的に予想可能な範囲で変化したとしても、使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。 2.収益認識に関する総原価の見積り 当社グループは、連結財務諸表注記「3.重要性がある会計方針 (15) 収益」に記載のとおり、売上収益のうち、戦略/DXコンサルティング及びシステムインテグレーションにかかる収益については、一定期間にわたって履行義務が充足されるものであることから、当該履行義務の完全な充足に向けての進捗度に基づいて収益を認識しております。 当連結会計年度において計上された売上収益のうち、進捗度に基づいて認識した売上収益は連結財務諸表注記「23.売上収益 (1) 収益の分解」の「戦略/DXコンサルティング」「システムインテグレーション」にそれぞれ区分して記載しております。 進捗度は、案件別に発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)によって測定されており、インプット法の基礎となる総原価の見積りには、外注費を含む作業工数の見積りが含まれます。 また、顧客ごとのニーズに応じた設計開発やコンサルティング等を行うため、個別性が強く、作業の進捗状況によって想定外の作業工数が必要になる可能性があります。このため、インプット法の基礎となる総原価の見積りのうち、特に作業工数の見積りには一定程度の不確実性を伴い、当該不確実性に対する当社グループの判断が、進捗度に基づく収益認識額に重要な影響を及ぼします。 ② 目標とする客観的な指標等の推移 当社グループは、売上収益、売上総利益率及び営業利益を重視し、これらの向上を目指しております。特に、サービスの付加価値を測る客観的な経営指標として、売上総利益率の安定的な確保を目指しております。 売上収益、売上総利益率及び営業利益の近時の推移は以下のとおりです。 2022年3月期連結会計年度2023年3月期連結会計年度2024年3月期連結会計年度2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度売上収益 (百万円)30,57934,94640,70847,39458,682売上総利益率 (%)42.641.842.941.443.7営業利益 (百万円)6,3627,4518,85010,80414,420 ③ 経営成績の分析 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ④ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。主な資金使途は、運転資金と借入金の返済であり、当面は着実に事業計画を遂行することで営業キャッシュ・フローを蓄積し、安定的な借入金の返済によって有利子負債比率を低減することで、財務体質の更なる強化を図ります。また、持続的な成長を図るため事業領域の拡大と事業領域の深耕を推進しておりますが、これらの要因により、一時的に必要な資金の増加が見込まれる場合は、金融機関計6行と締結済のコミットメントライン契約又は当座貸越契約(総額100億円)を利用して流動性の高い資金調達を実施する方針としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債(借入金)残高は13,320百万円であり、現金及び現金同等物の残高は14,443百万円であります。なお、現時点で重要な資本的支出の予定はございません。 ⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について 当社グループは、「日本発のイノベーションを世界へ向けて発信する」という経営理念のもと、全社員が一丸となり、顧客企業のビジネスの成功に貢献する「高付加価値サービスの創造」を追求しております。 また、事業領域の拡大と事業領域の深耕に向けた各種施策については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載をしております。

事業リスク

  • 特定業種への依存: 売上収益は国内金融機関向けが依然として高い割合を占めており、金融機関のIT投資動向や事業環境の急変、または金融関連の法令・規制変更が、当社グループの事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。非金融分野への拡大を進めていますが、その進捗が遅れるリスクも存在します。
  • 顧客維持と獲得の課題: 既存顧客からの継続的な売上(リカーリングビジネス)を重視していますが、サービスやソリューションが顧客ニーズに合致しない場合、または競争力のある価格で提供できない場合、売上を維持・増加できない可能性があります。また、新規顧客獲得の取り組みが計画通りに進まない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 技術革新への対応遅れ: 生成AIをはじめとする先端技術の急速な進展やデジタル化の高度化に対し、当社グループが適時かつ十分に対応できない場合、競争優位性が低下し、受注機会の減少や収益性の悪化に繋がる可能性があります。技術革新への対応には多額の研究開発投資や人材育成費用が必要となり、業績に影響を与える可能性もあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|12,400 文字
3【事業等のリスク】 当連結会計年度末現在において、事業に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクは、以下のとおりです。ここに記載した事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが認識、判断したものであり、事業を遂行する上で発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、将来に関する事項につきましては別段の記載のない限り、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1)事業及び産業に関するリスク① 特定業種への依存について 当社グループの売上収益のうち、従来は国内金融取引業者、銀行業等の国内金融機関に対するものが大きな割合を占めておりましたが、近年においては非金融機関向けの取引も拡大しており、顧客ポートフォリオの多様化が進んでおります。また、システム開発に加え、戦略・DXコンサルティング等のサービス領域も拡大しており、コンサルティングに係る売上収益の比率も上昇しております。 もっとも、依然として国内金融機関向けの売上収益比率は相対的に高い水準にあり、当該分野における実績や顧客基盤は当社グループの強みであり特徴でもありますが、IT投資動向や事業環境が急変した場合には、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループの主たる事業のうち、金融機関において利用されるシステムの開発については、金融機関の業務を取り巻く法令や規制の変更・強化等が実施された場合、基本的には顧客においてシステム変更等の費用を負担することになりますが、当社グループにおいても、ドキュメント作成等、顧客の法令遵守に対応するための顧客に転嫁できない追加的なコストが発生する可能性があります。また、将来的に金融機関の業務領域や業務方法を制限するような法令や規制、又は金融機関のシステム開発に関連するアウトソーシングを制限する法令や規制が実施された場合、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは中長期的な事業戦略として、国内金融機関に限定しない事業領域の拡大に加え、コンサルティングサービスの強化等を通じた収益基盤の多様化を推進してまいります。 ② 顧客企業の維持・獲得について 当社グループは、顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出を企業価値の源泉と捉えております。Xspear Consulting株式会社とシンプレクス株式会社が一体となり、戦略立案から業務設計、開発、運用保守、継続改善に至るまでを一気通貫で支援し、顧客のビジネス変革を支えております。これらの過程において、コンサルティングや設計・構築作業等の「フロービジネス」を拡大させるだけでなく、運用保守や継続改善による追加的なサービス及びソリューションを提供するという既存顧客からの「リカーリングビジネス」を連鎖的に拡大していくビジネスモデルを採用しております。このように、既存顧客からの売上を維持・増加させることを戦略的に実施していますが、当社グループのサービス及びソリューションが顧客のニーズに合致しない場合、又は合致したとしても競争力のある価格でこれを提供できない場合には、当社グループは、既存顧客からの売上を維持・増加させることができない可能性があります。また、顧客は、財政状態の悪化や戦略の変更等の理由により、既存契約の解除、更新拒絶又はプロジェクトの延期等を行う可能性があります。その結果、当社グループが想定していた売上を得ることができず、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、金融領域で確立した当社のビジネスモデルとコンサルティングセールスのノウハウを軸に、非金融分野への拡大に取り組んでおりますが、これらの分野への拡大が成功する保証はなく、既に確立した顧客基盤を有する競合他社との間で効果的に差別化を図ることができなければ、当社グループの想定する収益成長を達成することができない可能性があります。加えて、当社グループは、Xspear Consulting株式会社を中核企業として、非金融系企業を対象とした戦略/DXコンサルティング案件や金融機関(既存顧客)におけるシステム開発に紐づかないコンサルティング案件の受注の拡大にも取り組んでおりますが、当社グループの計画どおりに顧客基盤を拡大することができる保証はありません。 加えて、当社グループの顧客基盤を拡大するために、人件費及び研究開発費を含む多額の営業費用を負担する必要がある場合もありますが、営業活動が奏功する保証はなく、営業費用の負担に応じた顧客基盤の拡大及び売上の増加に至らない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 技術革新への対応について 当社グループは、顧客の本質的な課題解決を通じた価値創出を企業価値の源泉と位置付け、Xspear Consulting株式会社とシンプレクス株式会社が一体となり、戦略立案から業務設計、開発、運用保守、継続的な改善までを一気通貫で提供することにより、顧客のビジネス変革を支援しております。しかしながら、近年は生成AIをはじめとする先端技術の急速な進展やデジタル化の高度化に伴い、顧客におけるIT投資の内容や意思決定プロセス、内製化の動き等が変化しており、当社グループがこれらの変化に適時かつ十分に対応できる保証はありません。また、技術革新により既存ソリューションから新たなソリューションへ需要が移行する可能性があります。これらの変化に適切に対応できない場合、当社グループの技術力、人材、開発基盤等に基づく競争優位性が低下し、受注機会の減少や収益性の悪化等を通じて事業展開に影響を及ぼすおそれがあります。さらに、想定を上回る技術革新や市場環境の変化が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの変化への対応として事業計画の見直しや体制強化等を行う場合、研究開発投資や新技術への対応に係る人材確保・育成、システム投資等の追加的な費用が増加し、業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、これらのリスクに対応するため、新技術の獲得や研究開発への継続的な投資、人材育成の強化等を通じて、顧客需要及び事業環境の変化に柔軟に対応できる体制の整備に努めております。 ④ 他社との競合について 当社グループは、高度な業務知識、先進的なテクノロジー、高い信頼性及び性能が求められるミッションクリティカルなシステム構築を手掛け、事業を展開しております。しかしながら、当社グループがソリューションを提供する市場の競争は激しく、当社グループより財務基盤等において優位にある競合他社がいる場合、それらの競合他社は新たなソリューションを当社グループより早期に提供できる等の可能性があり、また、新規参入者による新たなソリューションの提供により、当社グループのソリューションの優位性が低下する可能性もあります。そのため、当社グループが高い優位性を有する分野に関して、競合他社が同等又はより優れたソリューションを開発した場合には、当社グループの優位性が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、パッケージ製品の普及等に伴い、想定以上の価格競争が発生した場合にも、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは競合他社の状況を注意深く把握し、当社の競争優位性について継続的に検証を実施してまいります。 ⑤ 中期経営計画について 当社グループは、今後想定される市場環境及び顧客ニーズの変化に適切に対応し、更なる成長を実現するための施策の一環として、中期経営計画「中計2030 – Vision1000 -」(2027年3月期~2030年3月期)を策定し、2026年4月に公表しております。本中期経営計画においては、前中期経営計画で掲げた事業領域の拡大及び深耕をさらに推進するとともに、新技術の活用による収益性の向上・高付加価値化、受注機会の拡大を通じて、持続的な成長と収益性の向上を目指しております。しかしながら、中期経営計画は、以下の要因をはじめとする様々なリスク及び不確実性の影響を受けます。・人材の採用、育成及び適切な配置・顧客基盤の拡大・プロジェクトの収益性管理及び不採算案件の抑制・新技術や新たなソリューションの開発・提供・研究開発費や人材関連費等の販売費及び一般管理費の増加に対する適切なコスト管理 これらの要因に適切に対応できない場合、中期経営計画に基づく施策の遂行が困難となる、又は当該施策の有効性が低下するおそれがあります。その結果、同計画における目標を達成できない可能性や、計画の見直しが必要となる可能性があります。さらに、環境変化に応じた有効な施策を適時に実施できない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 人材戦略について 当社グループの事業において中心的な経営資源の一つは人材であり、顧客からの要求に応えるためにビジネスとテクノロジーの双方に精通した優秀な人材を確保・定着させることが最重要戦略の一つです。特に当社グループでは、新卒の優秀な人材を採用し、様々なスキルを習得させる人材の育成に力を入れていますが、技術や業界の急速かつ継続的な変化に対応できるような人材の育成ができない場合には、当社グループは顧客の要求を満たすソリューションの開発・提供ができない可能性があります。中途採用においても、高水準の報酬を用意することに加え、質の良い社内環境を確立することが競合他社との競争に勝つためには必要となりますが、そのための費用負担が過大になる場合には、当社グループは顧客の要求を満たす人材を確保することができない可能性があります。また、優秀な人材を顧客の要求に応じて適時に配置できない場合や、優秀な人材の能力を活かすことができない場合等には、当社グループの収益性や成果物の質を低下させ、又は人材市場における当社グループの評価や評判が低下する可能性があります。また、労務環境の悪化等の要因により、従業員の心身の健康に問題が生じ、労働生産性の低下や、人材の流出が発生する可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは人材戦略を重要経営戦略のひとつに位置づけ、優秀な人材確保・育成の実現に努めてまいります。 ⑦ マクロ経済・政治情勢について 当社グループの業績は、当社グループの事業の大部分が営まれている日本における経済情勢及び政治情勢の影響を受けますが、その見通しは不確実性が高く、様々な要因によって悪影響を受ける可能性があります。また、経済の停滞が、顧客による当社グループとの既存契約に基づく支払に対する減少圧力となる結果、当社グループの事業もまた悪影響を受ける可能性があります。また、地政学的リスクの増大等により日本を含む世界経済が低迷する可能性があります。さらに、将来の日本の財政・金融政策の変化や消費税等の更なる増税により、日本の経済も悪影響を受ける可能性があります。 これらの要因等により、日本を含む世界経済の情勢が悪化した場合、当社グループの提供するソリューションに対する需要が減少し、新規顧客の獲得及び既存顧客の維持に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ システム開発やソリューションに係るトラブルの発生について システム開発事業では、顧客との契約に基づいてサービスの提供が行われ、その契約中では、納品期限、性能要件、機能要件、サービスレベル等が定義されております。当社グループでは契約条項に基づいたサービスの提供に努めておりますが、何らかの理由によって、契約条項を遵守することができない場合には、当該契約に基づき顧客から支払われる報酬が減少する可能性や、当該契約条項を遵守するために追加的な費用の負担を余儀なくされる可能性があります。また、当社グループのソリューションが備えていた新たな技術が予定どおり機能しない場合や、何らかの理由によって、顧客の検収後に発生した不具合(いわゆるバグ)が発見された場合には、予算超過や案件の遅延等を引き起こす可能性があります。 当社グループでは、顧客との契約に損害賠償の限度額を定めるほか、損害賠償保険に加入する等の方法でリスクヘッジを行っておりますが、これらの方法が適切に機能しない場合、損害賠償の発生や信用失墜等によって、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループのソリューションの基礎となる技術基盤は複雑であるため、重大な誤謬や障害が発生する可能性があります。当社グループのソリューションに重大な誤謬が見つかった場合や障害が発生した場合、当社グループの評判、事業及び業績に悪影響が生じる可能性があります。 また、当社グループが提供するソリューションは、インフラの変更、新機能の導入、人為的又はソフトウェア上の誤謬、その他のセキュリティ関連事象等により、パフォーマンスの遅延、中断又は停止等の問題が発生する可能性があります。これにより、顧客満足度の低下やサービス利用の中止につながる可能性があり、さらに、評判の低下、市場からの敬遠、競争力の喪失、損害賠償請求等を通じて、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 第三者が提供するシステムについて 当社グループのソリューションの一部は、第三者のソフトウェア・ハードウェア、第三者が運営するクラウドサービス及び第三者が運営するアプリケーションを使用しております。そのため、当社グループがこれらのサービスを利用するライセンスを失ったり、これらのサービスの機能が長期間停止したりした場合等において、同等の技術又はサービスを当社グループが開発又は確保することが困難な場合には、ソリューションの提供に支障が生じる可能性があり、これにより当社グループは想定外の費用を負担し、又は事業に悪影響が生じる可能性があります。また、これらのサービスにバグ等があった場合、当社グループのソリューションにもバグ等を引き起こす可能性があり、当社グループは顧客に対して一定の免責条項を設けているものの、これにより当社グループの評判、事業、財政状態及び業績に悪影響が生じる可能性があります。 ⑩ ブランド、風評等について 当社は、既存顧客の維持や新規顧客の獲得にとってブランド力が極めて重要であると考えています。もっとも、当社グループに対する否定的な評判が広がった場合や、当社グループの役社員による違法・不正行為や不適切な行動により当社グループのブランドや評判が損なわれた場合には、既存顧客の維持、新規顧客の獲得又は優秀な人材の確保・定着に悪影響が生じる可能性があり、その結果、当社の株価や当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 また、ソーシャルメディアの急激な普及に伴い、当社グループに対する風評が、マスコミ報道やインターネットの掲示板への書き込み等により流布した場合に、当社グループの社会的信頼・信用が毀損される可能性や優秀な人材の確保・定着に悪影響が生じる可能性があります。 加えて、当社グループは、競争の激しい分野や新たな分野への進出・拡大に伴い、ブランド力を維持・向上させるために追加の費用支出を必要とする可能性がありますが、かかる支出によっても当社グループのブランド力の維持・向上が達成できない場合には、競合他社との関係で価格競争力を失う等の結果、顧客の維持・獲得ができなくなる可能性や、費用支出に見合った売上収益の維持・向上に繋がらない可能性もあります。これらの結果、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ⑪ 将来の企業買収、戦略的投資等について 当社グループは、将来、当社グループのソリューション等の補完又は拡大のために、事業等の買収や投資を行う可能性があります。もっとも、当社グループにとって望ましい候補先が将来見つからない可能性、これらの事業等の買収や投資により生じる従業員や事業運営等の統合が順調に進まない可能性や、これらの事業等の買収や投資が当初期待した成果をあげられない可能性等があり、これらによって当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 自然災害等について 当社グループの事業の遂行は、インターネットや第三者が提供するクラウドサーバー等に依存しています。地震、火山噴火、台風、大雨、大雪、火災、洪水等の自然災害、事故、サイバー攻撃、人為的なミス等が発生した場合には、インターネットやクラウドサーバー等のインフラが使用不能になり又はソリューションの開発及び改良の遅延や中断が生じること等により、事業の継続に重大な支障が生じ、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、自然災害等に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害が想定を大きく上回る規模で発生し、物的、人的損害が甚大である場合には、結果として、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 加えて、自然災害等によって顧客の財政状態が悪化しIT投資が減少した場合等においては、当社グループのソリューションに対する需要に悪影響が生じ、当社グループの事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループでは、定期的なデータのバックアップ、システムの稼働状況の常時監視等により、自然災害等による事業への障害発生を事前に防止し又は回避し、影響を最小化するよう努めております。 (2)法規制に関するリスク① 法的規制等について 当社グループは、事業活動を行う上で、様々な国内外の法令及び規制の適用を受けています。当社グループが主として事業を行う金融システムの設計・提供等に関わる事業分野を個別直接的に規制する法令は現時点ではありませんが、当社グループにおいて運営する人材派遣業及び人材紹介業においては、労働者派遣法及び職業安定法に基づく許可を必要としており、これらの法律の規制に服しています。適用ある法令等に違反した場合、当社グループは、刑事罰、当社グループの事業を行うために必要な許認可の喪失、事業の停止、訴訟及びその他の法的手続に服する可能性があり、又は当社グループの評判に重大な影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの主たる顧客企業の大半は規制業種に属しており、これらの顧客企業においては金融商品取引法、銀行法、資金決済法、保険業法、個人情報保護法等の適用法令の遵守について特に厳格な遵守体制の構築が求められていることから、顧客企業の利用するシステムにも高度な安全性及び安定性が要求されています。このため、当社グループのソリューションを利用する顧客企業において、個人情報の流出やシステムダウン、誤操作といった何らかのトラブルが生じた場合には、かかるトラブルが大きく取り上げられる結果、当社グループのソリューションに不備があったか否かにかかわらず、当社グループの業績及び評判の悪化に繋がる可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは外部専門家と適時適切なコミュニケーションを取り、規制動向の変化について注意深く把握をし、同状況発生時に適切な対応を取ることができるよう努めてまいります。 ② 争訟について 当社グループは、事業を展開する中で、知的財産権等に関して第三者との間に、又はシステム開発の不具合や遅延等に関して顧客企業との間に何らかの問題が生じた場合等には、これらに起因した損害賠償の請求等の争訟が生じる可能性があります。その場合、当該争訟に対する防御のために費用と時間を要する可能性があるほか、当社グループの社会的信用が毀損され、また結果等次第では、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対応するため、当社グループは顧問弁護士を始めとする外部専門家と適時適切なコミュニケーションを取り、争訟発生リスクを最小化するとともに、同状況発生時に適切な対応を取ることができるよう努めてまいります。 (3)情報保護及び知的財産に関するリスク① 情報セキュリティについて 当社グループの事業は、電磁的情報を安全に処理、移転及び保管し、顧客企業や提携先の企業等と通信するための情報技術ネットワーク及びシステムに依存しています。当社グループでは、情報管理を徹底すると共に、全社員に対し研修等においてその重要性を周知徹底しております。また、外部からの不正アクセス等についての対策を行い外部からの攻撃対策を講じると共に、社内からの情報流出についてもシステム的な対策を講じております。しかしながら、当社グループが取り扱う重要な機密情報について、漏洩、改ざん又は不正使用等が生じる可能性が完全に排除されているとはいえず、何らかの要因からこれらの問題が発生した場合、損害賠償責任の発生や信用の失墜等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループのシステム及び外部サービスプロバイダのシステムは、コンピューター・ウイルスやサイバー攻撃のリスクにさらされており、当社グループの認知度や市場シェアが高まった場合、それらの標的となるリスクも増大する可能性があります。不正アクセスやサイバー攻撃の手法は日々変化し、高度化しており、当社グループ又は外部サービスプロバイダは全ての不正アクセスやサイバー攻撃を予測又は防止することができない可能性があります。 また、セキュリティ侵害は、当社グループの従業員又は外部サービスプロバイダその他の当社グループのシステムやデータにアクセスすることのできる外部企業の従業員の故意又は不注意による違反等、技術以外に起因する問題によっても発生する可能性があります。当社グループは重要な機密情報の取扱いについて、機密情報の保護に関する社内規則や取扱いの方針及び手続き等の社内ルールを整備し、適切な運用を義務づけておりますが、このような対策にもかかわらず、当社グループの人為的なミスその他予期せぬ要因等により情報漏洩が発生した場合には、当社グループが損害賠償責任等を負う可能性や顧客企業からの信用を失うことにより取引関係が悪化する可能性があり、その結果、当社グループの事業及び業績に悪影響が及ぶ可能性があります。 また、当社グループは、ソリューションの提供やデータの保管につき第三者やクラウドの基盤を利用しているため、不正アクセス、サイバー攻撃、顧客企業データの悪用の防止につき、第三者のセキュリティ対策に依存している部分があります。第三者が提供するサービスに関して、当社グループは顧客企業に対して一定の免責条項を設けており、また、一定の情報セキュリティに関連する損害賠償責任に対応する保険に加入しております。しかしながら、当該保険は当社グループに生じうる全ての責任を補償するには十分ではない可能性があり、セキュリティ侵害に関する事故が発生した場合、当社グループの評判、事業、業績、財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 ② 知的財産権について 当社グループにおいて利用するシステムプログラム等について、原則として、当社グループが著作権等の知的財産権を取得する方針としておりますが、その場合でも、競合他社、元従業員又はその他の第三者が当社グループのソリューションと類似したソリューションを設計することは妨げられません。また、競合他社等による当社グループの知的財産権の侵害又は不正使用を妨げるために、当社グループが実施した対策が効果的ではない可能性があり、また、違法な知的財産権の利用を発見できず、適切かつ適時に知的財産権を主張することができない可能性があります。当社グループによる知的財産権の主張が認められるためには相応の時間及び費用を要し、かかる主張が認められるとは限らないため、当社グループが許諾を受けている又は保有している知的財産権の不正使用がなされた場合、当社グループの事業、財政状態及び業績に悪影響が生じる可能性があります。 また、当社グループは、知的財産権を保護するために、訴訟の提起等に多大な費用と時間を要する可能性があり、かつ結果として知的財産権を守ることができないおそれがあるため、かかる場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響が生じる可能性があります。 さらに、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないための体制を整えておりますが、当社グループの認識の範囲外で、第三者の知的財産権を侵害する可能性があり、当社グループによる知的財産権の侵害を理由に第三者から訴訟の提起等を受けた場合、その対応に多大な費用と時間を要する可能性があります。加えて、そのような第三者の知的財産権侵害を回避するため、第三者からの当該権利の取得が必要となる可能性があります。これらの対応により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)財務リスク① プロジェクトの採算悪化について 当社グループでは、様々な料金体系及び条件を用いて顧客企業と交渉し、契約代金を決定しております。とりわけシステム開発においては、案件に必要な予想工数(コスト)を見積り、それを元にして利益を測定し、案件の採算性が目標のレベルを維持するよう十分留意しておりますが、当社グループ内の案件に対するコスト又は採算性に関する見通しが不正確であった場合、見積コストを超えた実績コストが発生し、プロジェクトの採算が悪化する場合があります。 これらのリスクに対応するため、システム開発における予想工数(コスト)の見積り手法の高度化・レビュー体制の強化、品質管理部門の強化等、プロジェクトの採算悪化防止に向けた取り組みの強化に努めてまいります。 また、他社との価格競争や特定の分野におけるシェア拡大を優先するマーケット戦略等により、案件の採算性のレベルよりも受注そのものを優先する場合があり、結果的にプロジェクトの採算が悪化する可能性があります。 さらに、開発工程においても品質管理に十分な対策を講じておりますが、開発トラブル等によってプロジェクトの採算が悪化する可能性があります。 これらのプロジェクトの採算悪化が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 内部統制について 当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、当社グループの内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは法令に基づき財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し運用していますが、当社グループの財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、また、将来にわたって常に有効な内部統制システムを構築及び運用できる保証はありません。更に、内部統制システムには本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。 ③ 多額の借入、金利の変動について 当社グループは、今後も、当社グループの成長を支えるための投資資金や当社の事業を遂行するための運転資金の確保を必要とする可能性があります。しかし、金融・証券市場の環境、金利等の動向、資金需給の状況等の変化が、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループが必要とする資金の調達を適時かつ好条件で行うことができない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、金融機関を貸付人とする金銭消費貸借契約を締結し多額の借入れを行っており、2026年3月31日現在でのIFRSに基づく総資産額に占める有利子負債比率は15.1%となっております。今後の金融市場等の動向により、金利が上昇局面となった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 減損に関するリスクについて 当社グループは、2026年3月31日現在、2016年12月1日のファンドイグジットに伴う吸収合併により生じたのれん36,476百万円を連結財政状態計算書に計上しているほか、その他の有形・無形の固定資産も有しています。今後、これらの固定資産に係る事業の収益性が低下する場合、当該固定資産の帳簿価額と公正価値の差を損失とする減損処理により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループが認識しているのれんは、単一セグメントを単一の資金生成単位としてすべて配分されており、毎期減損テストを実施し、回収可能価額が帳簿価額を上回っていることを確認しています。 (5)株式に関するリスク 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社グループの事業は、高水準な技術・スキル・ビジネス感覚を持った人材をいかに多く獲得・維持するかということに大きく依存しております。また、中長期的な企業価値の向上のために当該人材の結束力をより高めていく必要があります。そこで役員及び従業員に対するインセンティブとして新株予約権ならびに募集新株予約権(業績条件付有償ストックオプション)を付与しており、今後も継続的に実施していくことを検討しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当連結会計年度末現在でこれらの新株予約権に係る潜在株式数は8,274,000株であり、発行済株式総数237,045,100株の3.5%に相当します。

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