事業の概要
- コンタクトセンター向けSaaSモビルスは、企業が顧客対応を行うコンタクトセンター向けに、クラウド上で提供されるソフトウェア(SaaS)を提供しています。これにより、企業は電話だけでなくチャットやAIを活用した自動応答など、多様な方法で顧客とコミュニケーションできるようになります。初期投資を抑えつつ、常に最新のシステムを利用できるのが特徴です。
- プロフェッショナルサービスSaaSの提供だけでなく、顧客の投資対効果(ROI)を高めるためのコンサルティング、データ構築、システムカスタマイズなどの専門サービスも展開しています。これにより、単にツールを提供するだけでなく、顧客がそのツールを最大限に活用し、実際に成果を出せるよう支援することで収益を得ています。
- サブスクリプション型収益モデルSaaS製品の利用料は月額または年額で支払われるサブスクリプション型です。これにより、安定した継続的な収益が見込めます。新規顧客の獲得と既存顧客の継続利用が事業成長の鍵となり、売上は期首から期末にかけて増加する傾向があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- SaaSソリューション事業モビルスグループは、コンタクトセンター向けのSaaSソリューション事業を単一セグメントとして展開しています。この事業は、クラウド環境を通じて顧客にソフトウェアを提供し、月額または年額の利用料を得るビジネスモデルです。顧客はシステム構築の手間なく、常に最新のサービスを利用できます。
- チャネル多様化ソリューションこのソリューション群は「モビシリーズ」を中心に、電話応対中心のコンタクトセンターの顧客接点を多様化・高度化します。有人チャット、チャットボット、ボイスボット、ビジュアルIVRなどが含まれ、市場シェアを確立し、現在は投資回収フェーズにあります。事業の基盤を築く重要な柱です。
- オペレーター支援ソリューションAIを活用した「ムーア(MooA)」シリーズが中心で、オペレーターの業務効率と品質向上を目指します。音声認識による回答案生成や要約、RAGを活用したチャットボット・ボイスボットシステムを提供し、収益貢献が始まり本格的な投資回収フェーズに移行しています。未来の成長を牽引する事業です。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社と連結子会社であるvottia株式会社の2社で構成されており、「CX-Branding Tech.」として「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」というミッションのもと、主にコンタクトセンター(注1)に向けてSaaS(Software as a Service)と呼ばれるクラウド環境下で提供される独自ソリューションの提供と、顧客のROI(Return On Investment、投資収益率)を実現する上で不可欠なコンサルテーションサービス、データ構築サービス及びカスタマイズ開発サービスなどを含むプロフェッショナルサービスを展開しております。従来の電話を中心とした人の労力に依存したサポートにおける様々な課題を解決し、顧客サポートの現場に携わる人々の助けとなるソリューションを開発し提供しております。様々な顧客インターフェースと、様々な支援機能をつなぐことで、カスタマーサービスのオペレーションをより効率化し、高度化することで、顧客サポートの現場の人々のストレスを軽減し、喜びを感じてもらえるようなコミュニケーションプラットフォームの展開を目指しております。当社グループは、コンタクトセンターの課題解決とデジタル活用を支援する幅広いソリューション群を提供することで事業を展開しています。特に、進化する顧客接点とオペレーション効率化のニーズに応えるべく、以下の3つのSaaSソリューション群を柱としています。 1. 問い合わせチャネルの多様化を実現するソリューション群モビシリーズを中心とし、電話応対中心のコンタクトセンターの顧客接点を多様化・高度化することで、事業の基盤を築いています。具体的には、オペレータによる有人チャットツール、チャットボット、電話受付の一部を自動化するボイスボット、問い合わせチャネルの最適化をサポートするビジュアルIVRなどのソリューションを提供しています。これらの製品については主要な機能の開発を終え、それぞれに市場シェアを得て、現在は投資回収フェーズにあります。競争力の維持・向上を目的とした機能のメンテナンスが中心となっています。 2. オペレータの業務をAIで支援するソリューション群「ムーア(MooA)」(注2)シリーズを中心とし、コンタクトセンターのオペレータの業務効率と品質をAIの力で飛躍的に向上させることを目的としています。音声認識技術を活用し、企業内ナレッジを元にした回答案の生成、応対内容の要約、意図抽出といった機能を提供しています。またRAG(Retrieval-Augmented Generation、検索拡張生成)を活用したチャットボット・ボイスボットシステムの提供を通じてより高度な自己解決を支援しています。引き続き機能開発を進めている段階ではありますが、すでに収益貢献が始まっており、本格的な投資回収フェーズに向かう段階に移行しています。 3. 消費者向けAI自動応答ソリューション群最先端技術を活用し、消費者に向けて問い合わせから手続きの実行まで自動で応対をするシステムで、vottia社によるAIエージェント(注3)サービスを提供します。これは、お客様への究極的な利便性の提供と、コンタクトセンターの完全自動化を見据えたソリューションであり、現在は未来の成長に向けた投資フェーズに位置づけられています。 当社グループは、市場の基盤を確立した「チャネル多様化ソリューション」、収益化が進む「オペレータ支援ソリューション」、そして未来の成長の種である「AI自動応答ソリューション」という、異なる成長フェーズにある3つのソリューション群を組み合わせることで、安定した事業基盤と継続的なイノベーションの両立を実現しています。 当社グループが提供するコンタクトセンターを対象としたシステム及びサービスは、以下の特徴を有しております。・ 電話対応中心のコンタクトセンターに対するノンボイスチャネルの拡充及び問い合わせ導線の最適化・ 自動応答(ボット)と有人対応(オペレータ)とのシームレスなハイブリッド連携による効率化・ 生成AI機能を具備したオペレーション支援AI「ムーア(MooA)」によるオペレータや管理者の負荷軽減・ AIエージェントサービスによる問い合わせ対応と後続手続きの業務の自動化・ コンタクトセンターの詳細状況を確認するためのKPI(Key Performance Indicator、重要業績指標)のモニタリング機能・ AIの精度を左右する教師データメンテナンスを可能とする独自機能(コンソール機能、ナレッジ管理機能)の提供及びプロンプトチューニングやデータ作成、メンテナンスのプロフェッショナルサービスの提供・ チャットサポートにおいて、オペレータが顧客の個人情報を安全に受け取り、本人確認や個人情報に基づいた個別対応を実現するセキュア・コミュニケーション機能群「セキュリティスイート(Security Suite)」の提供・ お客様のROIの最大化を追求するための、コンタクトセンターオペレーションに精通したコンサルタントによるROI改善コンサルティングサービス また、当社グループは将来的な商品化や新たなビジネスに繋がる可能性のあるシステム開発については、新たなビジネスの機会を創出する目的のもとCX領域を中心とした受託開発を行っております。 (注1)コールセンターは基本的に電話での対応のみを行う場所ですが、コンタクトセンターでは電話に加えてチャット、メール、SNS、Fax、ウェブページなど複数のチャネルでお客様対応を行います。(注2)「ムーア(MooA)」とは、生成AIや独自のAI技術を取り入れた、オペレータの応対業務の負担を軽減し、応対業務全体の短縮化とVOCの活用を促進するオペレーション支援AIです。高速で精度が高い音声通話の文字起こしをはじめ、FAQ形式などの様々なアウトプットが可能で、チャットボットやボイスボットと連携しながら、応対中のオペレータの回答業務を支援します。(注3)AIエージェントとは、目標達成のため、状況を判断して自ら考えてツールを使い、タスクを自律的に実行するAIシステムです。問い合わせに対して事前に準備された回答を行うだけでなく、問い合わせ内容に応じて、必要な後続手続きまで自動で実行するシステムです。 当社グループはSaaSソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりませんが、当社グループが提供するサービスは次のとおりであります。 (1) SaaSサービス当社グループは、以下に記載するSaaSプロダクトを、クラウド環境により、利用者に提供しております。クラウド環境でサービスを提供することにより、利用者が個別にシステム構築をするのではなく、同じシステムをインターネット経由で共同利用することにより、導入コストの低減が図られ、また常に最新のソフトウエアを利用することが可能となります。利用者は、ソフトウエアを利用開始時に購入するのではなく、利用期間に応じて月額利用料(もしくは年額利用料)を支払います。当社の提供する主な製品の内容については以下に記載の通りです。 ① モビエージェント(MOBI AGENT)「モビエージェント(MOBI AGENT)」は、従来の電話(音声)による対応ではなく、ウェブやLINEなどのSNSアプリなど、様々な顧客チャネルからのチャット問い合わせに対応した、AIとオペレータの最適なワークシェアを実現するコンタクトセンター向けチャットサポートシステムです。「AIの強み」と「人の強み」を組み合わせることで、よくある質問や手続きの対応をAIチャットボットに任せ、オペレータが人ならではの丁寧なサポートに集中できる「ハイブリッドサポート」を強みとし、充実したオペレータ支援機能やKPI・統計管理機能、CRM(顧客関係管理)やRPA(Robotic Process Automation)などのシステム連携によって、顧客満足度を高めるチャットサポートを実現しております。また、チャット対応はテキストベースのコミュニケーション(テキストデータ)であることにより、応対内容のモニタリング・監視・検索・再利用などが容易にでき、FAQや定型文、共有ナレッジの活用から、メッセージ履歴を利用したAIの教師データ作成まで、データ活用の幅が広がります。「モビエージェント(MOBI AGENT)」は数百席規模の大規模チャットセンターにも対応し、メガバンクをはじめとした金融機関、大手メーカー、電力・ガスなどのインフラ企業や官公庁・自治体など、コンタクトセンターが必要となる様々な業種・業態で利用されております。 ② モビボット(MOBI BOT)「モビボット(MOBI BOT)」は、CRM・RPAなどの外部システム連携が可能なチャットボットシステムであり、基本的には「モビエージェント(MOBI AGENT)」と組み合わせて利用します。CRMや基幹システムとの連携による顧客認証・個別自動対応にも対応可能な独自のシナリオ型ボット機能を保有しており、顧客企業のニーズに従ってカスタマイズを行うことが可能です。国内外の主要な対話AIエンジンや生成AIエンジンとの連携も可能となっており、RAGを活用した生成AIによる精度の高い自動回答生成を実現しています。これまで、金融、製造業からEC企業(イーコマース企業)まで、様々な業種に対して、AIによる自動応答から、基幹システムに連携した業務自動化までのソリューションの提供実績があります。自動応答、シナリオ型フロー応答、そして、有人によるオペレータ対応の間を自由に行き来できる機能を標準で実装しているシステムは、当社サービス機能の強みとなっております。 ③ モビボイス(MOBI VOICE)「モビボイス(MOBI VOICE)」は、電話での受注・問い合わせ等を自動受付し、通話内容のテキスト化やメール通知を行うことを可能とするボイスボットシステムです。誰でもノーコードで応答シナリオを作成・変更でき、また、複数の同時着信に耐える電話自動応答をリーズナブルに実現するため、電話問い合わせが殺到する企業や自治体が利用することが可能です。これまで重厚長大なシステムに依存してきた電話対応に、小回りの利くシステムを導入する事で、緊急時対応や負荷対策として多くの企業にご利用頂けると考えております。さらに生成AIと連携することで意味を理解した回答・判断や、顧客の自由な発話への対応も可能となり、生成AIを経由して後続の手続きシステムに指示を送ることで人を介さずに手続き完了までをすべて自動化することも可能になります。 ④ セキュリティスイート(Security Suite)「セキュリティスイート(Security Suite)」は、チャットサポートにおいて個人情報を安全に取得・管理するためのセキュア・コミュニケーション機能群です。その中の機能である「セキュアパス(Secure Path)」では、チャットサポートの中で専用のフォームを通じて個人情報を取得し、PCI DSS(注)を遵守したセキュリティ基準のもとで安全に取り扱われます。従来、個人情報を取り扱うことが避けられていたチャットサポートにおいて、利用状況の確認や登録内容の変更など、本人確認を必要とする幅広いお問い合わせへのチャットでの対応を実現します。(注)PCI DSSは、加盟店やサービスプロバイダにおいて、クレジットカード会員データの安全な取扱いを目的として策定された、クレジットカード業界のセキュリティ基準です。PCI DSS遵守では、他の個人情報保護制度と比べ、具体的なセキュリティポリシーの策定が求められます。クラッカー等による不正アクセスからサイトを保護し、サイトの改ざんや悪用、情報盗用などのリスクを低減します。 ⑤ MooA CommNavi(ムーア コミュナビ)「MooA CommNavi」は、電話応対中の顧客とオペレータの会話をリアルタイムで文字起こしできます。応対内容の要約・意図抽出を行うことで後処理業務を効率化できるほか、上位版となるMooA CommNavi Plus(ムーア コミュナビプラス) では、RAG方式のナレッジ検索を組み合わせ、マニュアルを参照した回答案生成や、応対後の評価やQAドラフトの生成など対応中から対応後までのオペレータ業務を効率化できます。対話内容の録音データをアップロードしての要約・意図抽出も可能です。 ⑥ MooA KnowledgeBase(ムーア ナレッジベース)「MooA KnowledgeBase」によって、企業内にあるドキュメント・Webコンテンツ・応対履歴・FAQをナレッジとして活用し、RAG方式による精度の高いナレッジデータベースを構築します。製品などで参照先を切り分けることができ、辞書登録が無くてもヒット率の高いFAQ検索を行い、生成AIによる回答案の提示ができます。 ⑦ maestra(マエストラ)「maestra」は、連結子会社であるvottia社が提供しているコンタクトセンターの顧客対応に特化したAIエージェント構築基盤です。複雑な問い合わせに対応するマルチエージェントをノーコードで構築することができます。修理受付や住所変更手続きといった具体的かつ様々な業種・企業で発生頻度の高い特定の業務単位で問い合わせ受付から後続手続きの実行までを担うAIエージェントを提供します。 (2) プロフェッショナルサービス当社グループのSaaSサービスは、商品の導入により顧客企業の期待するROIを達成することを目標に開発されていますが、各企業において課題は多様であるため、各企業の固有の状況においてもROIの最大化を達成するために、SaaSサービスの提供のみではなく、初期導入サポート(初期診断支援・目標値設定・プロジェクト設計等)、カスタマイズ開発、オペレータ及び管理者向けトレーニング、コンサルティング、KPI分析サポート、AI教師データ作成、PDCA(Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善))支援、生成AIプロンプトチューニングなどのサービスを提供しております。コンタクトセンターの運営ノウハウを熟知したメンバーによって、企業ニーズをKPIにより可視化し、ROIの実現に向けた施策等をアドバイスしております。また、顧客企業からのリクエストに応じ、SaaSサービスとCRM・RPA・PBXなどの他システムとの連携機能の開発や複雑な自動応答の開発などをカスタマイズして提供しており、企業のニーズを理解し、様々なシステムとの連携に対応する事が可能です。顧客ニーズを機敏に実現できるチームを有していることは当社の差別化要素の一つであると考えております。 なお、当社グループは上記商品及びサービスを顧客企業に提供しておりますが、直販営業に加えて、当社グループからパートナーにサービスを卸し、ユーザー企業に再販する販売代理店との協業を行っております。また、一部のパートナーには当社商品をOEM供給しており、当該パートナーのブランドにてエンドユーザーへサービスを提供しております。 事業系統図
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 SaaSはサブスクリプション型で継続利用が収益源だが、競合他社の新規サービス開発や価格競争のリスクがあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 新技術の開発及びそれに基づく新しいサービスの導入が頻繁に行われる変動の激しい業界であるため。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:顧客業界のソフトウエア投資動向の悪化 / 技術革新への対応遅れ / 競合他社による価格競争激化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
モビルスは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに関する顕著な情報がなく、無形資産による競争優位性は現時点では確認できません。
スイッチングコスト★★★☆☆
同社は、顧客管理システム(CRM)やビジネスチャットツールを提供しており、これらのシステムを導入・運用している企業は、データ移行や従業員トレーニングのコスト、業務フローの変更に伴うリスクから、他社製品への乗り換えに一定の抵抗感を持つと考えられます。特に、長期間利用している顧客にとってはスイッチング・コストは高くなる可能性があります。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
提供サービスにおいて、ユーザー数の増加が直接的にサービス価値を高めるようなネットワーク効果は、現時点では明確に確認できません。
コスト優位☆☆☆☆☆
同社のビジネスモデルにおいて、構造的に競合他社よりも低コストで製品やサービスを提供できるような優位性は、現時点では確認できません。
規模の経済☆☆☆☆☆
情報通信業の中でも、特定のニッチ市場に特化している可能性があり、業界規模に対して最適な少数寡占を形成するほどの規模の経済性は現時点では確認できません。
- 多様なチャネル対応力従来の電話中心のコンタクトセンターに対し、チャット、チャットボット、ボイスボット、ビジュアルIVRなど、顧客との接点を多様化・高度化する幅広いソリューションを提供しています。これにより、顧客は様々な方法で問い合わせができるようになり、企業の顧客対応力を向上させます。
- AI活用による効率化AIを活用した「ムーア(MooA)」シリーズにより、オペレーターの業務効率と品質を大幅に向上させています。音声認識による回答案生成、応対内容の要約、意図抽出などの機能で、オペレーターの負担を軽減し、顧客対応の質を高めることができます。また、RAGを活用した高度な自己解決支援も強みです。
- 未来志向のAIエージェント連結子会社vottiaが提供するAIエージェントサービスは、問い合わせから手続き実行までを自動で行う最先端のソリューションです。これはコンタクトセンターの完全自動化を見据えたもので、将来の成長に向けた投資フェーズにあります。これにより、長期的な競争優位性を築くことを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「CX-Branding Tech.」として「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」というミッションのもと、大手コンタクトセンター向けチャットサポートシステムを中心としたコミュニケーションプラットフォームの開発を行っております。 (2) 当社グループの強み当社グループのSaaSプロダクトは、下記に記載の強みから、金融、メーカー、運輸、情報通信、自治体など様々な業種、業態の大企業・先進プレーヤーで導入されております。① 大規模コンタクトセンターのオペレーションを効率化するテクノロジー当社グループのSaaSプロダクトの開発プロセスにおいて、リリース前の段階から、プロダクトのユーザーとなる大企業が機能性や仕様の検討に参画しております。メーカー、金融機関、BPO企業、システムインテグレータなど様々な業種の先進的な大企業から、コンタクトセンターのオペレーション視点での意見を取り入れることにより、大規模コンタクトセンターに最適な仕様を開発することが可能となります。具体的には、モニタリング・統計・レポーティング機能、管理者・スーパーバイザー支援機能、在宅オペレーション機能などがあります。また、当社グループにおきましては、コンタクトセンターのオペレーションを効率化するオペレーション支援AI「ムーア(MooA)」を独自開発しております。オペレーション支援AI「ムーア(MooA)」は、生成AIや独自のAI技術を取り入れた、オペレータの応対業務の負担を軽減し、応対業務全体の短縮化とVOCの活用を促進するオペレーション支援AIです。高速で精度が高い音声通話の文字起こしをはじめ、企業内ナレッジを元にした回答案の生成や応対内容の要約・意図抽出が可能で、チャットボットやボイスボットと連携しながら、応対中のオペレータの回答業務を支援します。 ② システムとコンサルティングの両輪で顧客の成功まで支援するカスタマーサクセス当社グループでは、SaaSプロダクトの提供にとどまらず、初期導入サポート(初期診断支援・目標値設定・プロジェクト設計等)、カスタマイズ開発、オペレータ及び管理者向けトレーニング、コンサルティング、KPI分析サポート、AI教師データ作成、PDCA支援、生成AIプロンプトチューニングなどのサービスを提供しております。コンタクトセンターの運営ノウハウを熟知したメンバーによって、企業ニーズをKPIにより可視化し、ROIの実現に向けた施策等をアドバイスしております。また、顧客企業からのリクエストに応じ、当社グループのSaaSプロダクトと他システムとの連携機能の開発や複雑な自動応答の開発などをカスタマイズして提供しております。企業のニーズを理解し、様々なシステムとの連携に対応する事が可能です。顧客ニーズを機敏に実現できるチームを有していることは当社グループの差別化要素の一つであると考えております。このように、検討段階から運用後のすべての期間において幅広いサービスを提供することにより、顧客の成功を支援してまいります。 ③ 業種・地域の垣根を越えた顧客企業へのアクセスを実現する商流網当社グループはSaaSプロダクト及びサービスを顧客企業に提供しておりますが、直販営業に加えて、当社グループからパートナーにサービスを卸し、ユーザー企業に再販する販売代理店との協業を行っております。具体的には、アルティウスリンク株式会社、株式会社ベルシステム24、株式会社NTTネクシア、株式会社NTTマーケティングアクトProCX、株式会社TMJ、ビーウィズ株式会社などのコンタクトセンターのオペレーションを担うBPO企業、株式会社日立システムズ、岩崎通信機株式会社などのコンタクトセンターのシステム構築を担うシステムインテグレータ企業、そして株式会社PKSHA Communication、株式会社エーアイスクエアなどのAI・ツール提供企業など、多様な業態で40社を超える企業と販売代理店契約を締結しております。また、テクマトリックス株式会社、トランス・コスモス株式会社、富士通株式会社へは当社グループプロダクトをOEM供給しており、当該企業(又は関連会社)のブランドにてエンドユーザーへサービスを提供しております。この3つの商流を構築することにより、当社グループだけではアクセスが容易ではない、金融、メーカー、官公庁・自治体などの様々な業界、また様々な地域のお客様にサービスが提供できるようになります。また、大規模コンタクトセンターと関係性を構築しているBPO企業、システムインテグレータ企業、AI・ツール企業それぞれの業界トップ企業とのセールスパートナー網を構築することにより、顧客企業の各意思決定部門へ的確にアプローチすることが可能となります。特に、BPO企業においてはシェアトップ上位10社(注1)中、8社が当社グループのセールスパートナーとなっております。 (注1)BPO企業のシェアトップ上位10社は、「矢野経済研究所 コールセンター市場総覧2025」の「広義のテレマーケティング市場 主要企業売上高推移・予測」におけるシェア上位10社。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するために、当社グループのSaaSサービスから生み出されるサブスクリプション型のリカーリングレベニュー(経常的に得られる製品の利用料)を重視した経営を行っております。契約ドメイン数、顧客当たりのリカーリングレベニュー及び解約率を重要な指標とし、中長期の売上高及び利益の成長を実現し、継続的な企業価値の向上を目指します。 (4) 経営環境当社グループのSaaSソリューション事業はCRMソリューション市場に属しています。2023年度のCRMソリューション市場は9,608億円となっており、今後もゆるやかに拡大基調が続くものと考えられており、2027年度までの年平均成長率は9.3%と予測されています(デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社マーテック市場の現状と展望2023年度版 クラウド型CRM市場編(URL:https://mic-r.co.jp/mr/02970/))。また、広義には当社グループのビジネスはコンタクトセンター向けBPOサービス市場を対象としておりますが、当該コンタクトセンター向けのBPOサービス市場においては、オペレータの採用難、局地的な風水害への対応、電話やメール離れによる旧来の問い合わせチャネル利用率の低下などの課題があります。また、2023年5月に新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が解除されて以降、全国的な経済活動の再開に伴い、コンタクトセンターを含めた幅広い業種で人手不足が深刻化する状態となりました。2024年度のコンタクトセンター向けのBPOサービス市場の市場規模は1兆866億円ほどの見込みであり(矢野経済研究所 コールセンター市場総覧2024)、チャットボット及びチャットサポートの導入によるコンタクトセンターのDX化により、オペレーションの効率化が図られ、今後、同市場の一部がコンタクトセンター向けCRMソリューション市場に取り込まれていくものと考えております。さらに、2022年11月にOpenAI社がChatGPTをリリースしたことをきっかけに注目を集めた生成AIについて、ビジネスの中での活用に向けた取組みが急速に広まっています。生成AIは、人手不足が続くコンタクトセンター業界において、これまで以上の業務自動化を実現できる可能性をもった技術として実用化が進んでおり、技術革新とともにオペレータの支援や消費者からの問い合わせへの自動回答などの領域での活用が進んでいくものと考えております。 (5) 中長期的な成長戦略① 既存事業ドメインでの顧客単価向上及び顧客数の拡大当社グループは、安定的な収益の確保及び持続的な成長を目指すために、SaaSサービスから経常的に生み出されるサブスクリプション型のリカーリングレベニューを継続的に成長させていくことを基本方針としております。その達成状況を判断する上で、ARR(注1)、サブスクリプション売上高(注2)、契約数、契約当たりの平均単価(注4)、解約率(注5)を重要な指標としております。当該収益を継続的に成長させていくために、既存の契約当たりの平均単価の向上及び契約数の拡大を図っていきます。具体的な方策としては、金融機関や各業界を代表する大企業をターゲットに、コンタクトセンターが抱える課題に対するコンサルティング及び最適なソリューションの提供を通じて、顧客の問い合わせ対応でのノンボイス(チャットをはじめとしたテキストベースのコミュニケーション)対応比率の上昇や生成AIを活用した応対業務の自動化・高度化をサポートし、各業界においてベストプラクティスとなる大型のシンボリック案件の創出を図ります。大型案件の獲得による平均単価の向上に加えて、シンボリック案件に追随する同業他社、他業界に対する横展開により契約数の拡大を目指します。その実現に向けて、新規顧客開拓を担うアクイジションセールス及び既存顧客に伴走するアカウントセールスの人員増強による当社の営業体制の拡充、既存代理店の販売力向上サポート及び新規代理店の開拓による代理店商流の強化、カスタマーサクセス活動の強化によるチャーン抑止など、営業及びサービス提供体制の強化を図ります。 ARR(注1)の推移 2024年8月期2025年8月期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期ARR(千円)1,037,5331,082,7261,130,2721,143,8081,241,5461,311,3881,379,2601,418,646うち直販(千円)450,821486,770518,909527,403617,497632,296682,563687,477うち代理店(千円)354,069374,785360,832358,325365,876413,156401,466451,715うちOEM(千円)232,643221,171250,530258,079258,171265,935295,230279,454 (注1)ARR: Annual Recurring Revenueの略語であり、毎年経常的に得られる当社グループ製品の月額利用料と従量課金の合計額。四半期末月のサブスクリプション売上高(毎月経常的に得られる当社グループ製品の月額利用料と従量課金の合計額)を12倍することにより算出。なお、前事業年度までにおいてはサブスクリプション売上高に従量課金は含めておりませんでしたが、生成AI関連製品を含め従量課金を伴うSaaS製品が増加し、製品利用に伴う売上高に占める従量課金の重要度が高まったため、当連結会計年度よりサブスクリプション売上高に従量課金を加えて開示することといたしました。記載の過年度の数字につきましても、同様の基準にて再集計し、開示しております。 サブスクリプション売上高(注2)の推移 2023年8月期2024年8月期2025年8月期サブスクリプション売上高(千円)883,7011,009,9491,364,377売上高全体に占める割合(%)556674 (注2)経常的に得られる当社グループ製品の利用料の12ヶ月間の合計額。 サブスクリプション型のリカーリングレベニューに関わる契約数(注3)及び契約当たりの平均単価(注4)の推移 2024年8月期2025年8月期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期契約数310311307308312317316322契約当たり平均単価(千円)216231239240263275286295 (注3)OEMを除く。(注4)契約当たり平均単価:OEMを除く。四半期末月の月次サブスクリプション売上高を契約数で除することにより算出。なお、(注1)に記載の通り、当連結会計年度よりサブスクリプション売上高に従量課金を加えて開示しております。記載の過年度の数字につきましても、同様の基準にて再集計し、開示しております。 直近12ヶ月平均解約率(注5)の推移 2024年8月期2025年8月期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期解約率(%)0.760.890.981.031.060.830.720.63 (注5)従量課金・OEMを除く。「当月の解約による減少したライセンス売上高÷前月末のライセンス売上高」の12ヵ月平均。 ② 生成AIを活用したオペレータ支援機能およびユーザー向け自動応対機能の提供生成AIの技術革新により音声認識精度や自然言語処理精度が飛躍的に向上したことで、コンタクトセンターにおいて従来ではシステムへの置き換えが困難で人が対応していた様々な業務でAIによる自動化を実現できる技術が一般化しました。当社グループでは生成AI技術のコンタクトセンターでの活用に向けて、一部の大手顧客企業とともに実際の現場でオペレータがかかえる課題を解決する形で生成AI機能開発を進めてまいりました。その取り組みの中で当社グループが開発した「MooA」によるオペレータ支援機能の提供に加えて、同時に培った生成AI活用ノウハウを活かした「モビボット」「モビボイス」での生成AI連携や「maestra」でのAIエージェント機能の提供を通じて、今後急速に市場拡大が見込まれる生成AI型自動化ソリューションでの成長を目指します。 ③ カスタマーエクスペリエンス領域への新規事業拡大企業のコンタクトセンターには過去の電話応対記録など活用されていない膨大なデータが存在しています。従来の技術ではこれらのデータを活用することは困難でしたが、現在のAI技術を活用することで、VOC(ボイス・オブ・カスタマー、お客様の声)を容易に抽出することが可能となりました。当社グループがコンタクトセンターに向けて提供するシステムを通じて収集されるデータを元に、顧客企業の先にいる消費者のVOCを可視化し、顧客企業と共に顧客体験の向上に向けた取り組みを推進していくことを、今後の新規事業として検討いたします。 (6) 事業上及び財務上の対処すべき課題① 新技術への対応、開発体制の強化当社グループは、生成AIを含めた最先端のAIテクノロジーに対応した新しい製品、機能及びサービスを提供しており、最新のテクノロジーに対応できる開発組織の競争力の維持・向上が経営の重要な課題であると認識しております。そのため、最新テクノロジーの把握、エンジニアスタッフの教育、R&D(研究開発)専門の組織の強化など、技術習得活動、開発活動を強化してまいります。 ② 顧客ニーズの把握及びそれに応じたサービス設計当社グループは、コンタクトセンターをはじめとした当社サービスを利用されるお客様の業務・運用に寄り添い、運用の中で真に効果を発揮するシステムの提供を強みとしております。当社グループ顧客の運用上の課題やニーズを的確に把握し、ニーズに合わせたサービスを提供し続けることは重要な経営課題であると認識しております。運用現場のニーズに基づいたSaaS製品開発や、顧客個別の課題に合わせたカスタマイズ開発、活用深化に向けたカスタマーサクセスでの伴走支援の提供などを通じて、顧客課題の解消と当社サービス利用に対する投資リターンの最大化を目指したサービス設計に取り組んでまいります。 ③ サービスや顧客属性に応じた販売チャネルの構築当社グループは、当社グループが直接顧客に対して営業を行う直販チャネルの他、BPO事業者やSIerなどのパートナーを通じてサービスを提供する代理店チャネル、パートナーが当社グループ製品を自社ブランドで提供するOEMチャネルといった販売チャネルを有しています。提供するサービスの内容や顧客企業の業種や部門など顧客属性によって強固な接点を有する事業者は様々に異なることから、適切な販売チャネルを構築することが重要であると認識しております。新しい当社サービスの展開に合わせて当該分野において相互に協力関係を築けるパートナーを拡充することで、最適な販売チャネルの構築に取り組んでまいります。 ④ コーポレート・ガバナンス体制の強化当社グループが継続的な成長を維持するためには、事業拡大だけではなく、コーポレート・ガバナンス体制の強化と内部管理体制、コンプライアンス体制を強化することが重要であると認識しております。そのため経営の公平性、透明性、健全性を確保すべく、社外取締役、監査役監査体制、内部監査、会計監査及び内部統制システムの整備等によりその強化を図ってまいります。 ⑤ 人材の確保、育成について当社グループの展開しているSaaS製品は、自社開発しており、優秀な人材による開発体制が構築できておりますが、今後事業規模をさらに拡大していくためには、優秀な人材の更なる獲得と育成が必要です。特に技術力のあるエンジニアについては、採用が困難であるため、人事専任者複数名によるチームを設置して、即戦力となる中途採用及び中長期の視点で将来の幹部候補社員を育成していく新卒採用を強化するとともに、評価制度、社内キャリアパス制度、定期的な上長との1on1ミーティングの制度を整備することや教育研修を充実していくことで人材の育成に努め、更なる経営体制の強化に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、「CX-Branding Tech.」として「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」というミッションのもと、大手コンタクトセンター向けチャットサポートシステムを中心としたコミュニケーションプラットフォームの開発を行っております。 (2) 当社グループの強み当社グループのSaaSプロダクトは、下記に記載の強みから、金融、メーカー、運輸、情報通信、自治体など様々な業種、業態の大企業・先進プレーヤーで導入されております。① 大規模コンタクトセンターのオペレーションを効率化するテクノロジー当社グループのSaaSプロダクトの開発プロセスにおいて、リリース前の段階から、プロダクトのユーザーとなる大企業が機能性や仕様の検討に参画しております。メーカー、金融機関、BPO企業、システムインテグレータなど様々な業種の先進的な大企業から、コンタクトセンターのオペレーション視点での意見を取り入れることにより、大規模コンタクトセンターに最適な仕様を開発することが可能となります。具体的には、モニタリング・統計・レポーティング機能、管理者・スーパーバイザー支援機能、在宅オペレーション機能などがあります。また、当社グループにおきましては、コンタクトセンターのオペレーションを効率化するオペレーション支援AI「ムーア(MooA)」を独自開発しております。オペレーション支援AI「ムーア(MooA)」は、生成AIや独自のAI技術を取り入れた、オペレータの応対業務の負担を軽減し、応対業務全体の短縮化とVOCの活用を促進するオペレーション支援AIです。高速で精度が高い音声通話の文字起こしをはじめ、企業内ナレッジを元にした回答案の生成や応対内容の要約・意図抽出が可能で、チャットボットやボイスボットと連携しながら、応対中のオペレータの回答業務を支援します。 ② システムとコンサルティングの両輪で顧客の成功まで支援するカスタマーサクセス当社グループでは、SaaSプロダクトの提供にとどまらず、初期導入サポート(初期診断支援・目標値設定・プロジェクト設計等)、カスタマイズ開発、オペレータ及び管理者向けトレーニング、コンサルティング、KPI分析サポート、AI教師データ作成、PDCA支援、生成AIプロンプトチューニングなどのサービスを提供しております。コンタクトセンターの運営ノウハウを熟知したメンバーによって、企業ニーズをKPIにより可視化し、ROIの実現に向けた施策等をアドバイスしております。また、顧客企業からのリクエストに応じ、当社グループのSaaSプロダクトと他システムとの連携機能の開発や複雑な自動応答の開発などをカスタマイズして提供しております。企業のニーズを理解し、様々なシステムとの連携に対応する事が可能です。顧客ニーズを機敏に実現できるチームを有していることは当社グループの差別化要素の一つであると考えております。このように、検討段階から運用後のすべての期間において幅広いサービスを提供することにより、顧客の成功を支援してまいります。 ③ 業種・地域の垣根を越えた顧客企業へのアクセスを実現する商流網当社グループはSaaSプロダクト及びサービスを顧客企業に提供しておりますが、直販営業に加えて、当社グループからパートナーにサービスを卸し、ユーザー企業に再販する販売代理店との協業を行っております。具体的には、アルティウスリンク株式会社、株式会社ベルシステム24、株式会社NTTネクシア、株式会社NTTマーケティングアクトProCX、株式会社TMJ、ビーウィズ株式会社などのコンタクトセンターのオペレーションを担うBPO企業、株式会社日立システムズ、岩崎通信機株式会社などのコンタクトセンターのシステム構築を担うシステムインテグレータ企業、そして株式会社PKSHA Communication、株式会社エーアイスクエアなどのAI・ツール提供企業など、多様な業態で40社を超える企業と販売代理店契約を締結しております。また、テクマトリックス株式会社、トランス・コスモス株式会社、富士通株式会社へは当社グループプロダクトをOEM供給しており、当該企業(又は関連会社)のブランドにてエンドユーザーへサービスを提供しております。この3つの商流を構築することにより、当社グループだけではアクセスが容易ではない、金融、メーカー、官公庁・自治体などの様々な業界、また様々な地域のお客様にサービスが提供できるようになります。また、大規模コンタクトセンターと関係性を構築しているBPO企業、システムインテグレータ企業、AI・ツール企業それぞれの業界トップ企業とのセールスパートナー網を構築することにより、顧客企業の各意思決定部門へ的確にアプローチすることが可能となります。特に、BPO企業においてはシェアトップ上位10社(注1)中、8社が当社グループのセールスパートナーとなっております。 (注1)BPO企業のシェアトップ上位10社は、「矢野経済研究所 コールセンター市場総覧2025」の「広義のテレマーケティング市場 主要企業売上高推移・予測」におけるシェア上位10社。 (3) 目標とする経営指標当社グループは、売上高の継続的かつ累積的な増加を実現するために、当社グループのSaaSサービスから生み出されるサブスクリプション型のリカーリングレベニュー(経常的に得られる製品の利用料)を重視した経営を行っております。契約ドメイン数、顧客当たりのリカーリングレベニュー及び解約率を重要な指標とし、中長期の売上高及び利益の成長を実現し、継続的な企業価値の向上を目指します。 (4) 経営環境当社グループのSaaSソリューション事業はCRMソリューション市場に属しています。2023年度のCRMソリューション市場は9,608億円となっており、今後もゆるやかに拡大基調が続くものと考えられており、2027年度までの年平均成長率は9.3%と予測されています(デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社マーテック市場の現状と展望2023年度版 クラウド型CRM市場編(URL:https://mic-r.co.jp/mr/02970/))。また、広義には当社グループのビジネスはコンタクトセンター向けBPOサービス市場を対象としておりますが、当該コンタクトセンター向けのBPOサービス市場においては、オペレータの採用難、局地的な風水害への対応、電話やメール離れによる旧来の問い合わせチャネル利用率の低下などの課題があります。また、2023年5月に新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が解除されて以降、全国的な経済活動の再開に伴い、コンタクトセンターを含めた幅広い業種で人手不足が深刻化する状態となりました。2024年度のコンタクトセンター向けのBPOサービス市場の市場規模は1兆866億円ほどの見込みであり(矢野経済研究所 コールセンター市場総覧2024)、チャットボット及びチャットサポートの導入によるコンタクトセンターのDX化により、オペレーションの効率化が図られ、今後、同市場の一部がコンタクトセンター向けCRMソリューション市場に取り込まれていくものと考えております。さらに、2022年11月にOpenAI社がChatGPTをリリースしたことをきっかけに注目を集めた生成AIについて、ビジネスの中での活用に向けた取組みが急速に広まっています。生成AIは、人手不足が続くコンタクトセンター業界において、これまで以上の業務自動化を実現できる可能性をもった技術として実用化が進んでおり、技術革新とともにオペレータの支援や消費者からの問い合わせへの自動回答などの領域での活用が進んでいくものと考えております。 (5) 中長期的な成長戦略① 既存事業ドメインでの顧客単価向上及び顧客数の拡大当社グループは、安定的な収益の確保及び持続的な成長を目指すために、SaaSサービスから経常的に生み出されるサブスクリプション型のリカーリングレベニューを継続的に成長させていくことを基本方針としております。その達成状況を判断する上で、ARR(注1)、サブスクリプション売上高(注2)、契約数、契約当たりの平均単価(注4)、解約率(注5)を重要な指標としております。当該収益を継続的に成長させていくために、既存の契約当たりの平均単価の向上及び契約数の拡大を図っていきます。具体的な方策としては、金融機関や各業界を代表する大企業をターゲットに、コンタクトセンターが抱える課題に対するコンサルティング及び最適なソリューションの提供を通じて、顧客の問い合わせ対応でのノンボイス(チャットをはじめとしたテキストベースのコミュニケーション)対応比率の上昇や生成AIを活用した応対業務の自動化・高度化をサポートし、各業界においてベストプラクティスとなる大型のシンボリック案件の創出を図ります。大型案件の獲得による平均単価の向上に加えて、シンボリック案件に追随する同業他社、他業界に対する横展開により契約数の拡大を目指します。その実現に向けて、新規顧客開拓を担うアクイジションセールス及び既存顧客に伴走するアカウントセールスの人員増強による当社の営業体制の拡充、既存代理店の販売力向上サポート及び新規代理店の開拓による代理店商流の強化、カスタマーサクセス活動の強化によるチャーン抑止など、営業及びサービス提供体制の強化を図ります。 ARR(注1)の推移 2024年8月期2025年8月期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期ARR(千円)1,037,5331,082,7261,130,2721,143,8081,241,5461,311,3881,379,2601,418,646うち直販(千円)450,821486,770518,909527,403617,497632,296682,563687,477うち代理店(千円)354,069374,785360,832358,325365,876413,156401,466451,715うちOEM(千円)232,643221,171250,530258,079258,171265,935295,230279,454 (注1)ARR: Annual Recurring Revenueの略語であり、毎年経常的に得られる当社グループ製品の月額利用料と従量課金の合計額。四半期末月のサブスクリプション売上高(毎月経常的に得られる当社グループ製品の月額利用料と従量課金の合計額)を12倍することにより算出。なお、前事業年度までにおいてはサブスクリプション売上高に従量課金は含めておりませんでしたが、生成AI関連製品を含め従量課金を伴うSaaS製品が増加し、製品利用に伴う売上高に占める従量課金の重要度が高まったため、当連結会計年度よりサブスクリプション売上高に従量課金を加えて開示することといたしました。記載の過年度の数字につきましても、同様の基準にて再集計し、開示しております。 サブスクリプション売上高(注2)の推移 2023年8月期2024年8月期2025年8月期サブスクリプション売上高(千円)883,7011,009,9491,364,377売上高全体に占める割合(%)556674 (注2)経常的に得られる当社グループ製品の利用料の12ヶ月間の合計額。 サブスクリプション型のリカーリングレベニューに関わる契約数(注3)及び契約当たりの平均単価(注4)の推移 2024年8月期2025年8月期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期契約数310311307308312317316322契約当たり平均単価(千円)216231239240263275286295 (注3)OEMを除く。(注4)契約当たり平均単価:OEMを除く。四半期末月の月次サブスクリプション売上高を契約数で除することにより算出。なお、(注1)に記載の通り、当連結会計年度よりサブスクリプション売上高に従量課金を加えて開示しております。記載の過年度の数字につきましても、同様の基準にて再集計し、開示しております。 直近12ヶ月平均解約率(注5)の推移 2024年8月期2025年8月期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期解約率(%)0.760.890.981.031.060.830.720.63 (注5)従量課金・OEMを除く。「当月の解約による減少したライセンス売上高÷前月末のライセンス売上高」の12ヵ月平均。 ② 生成AIを活用したオペレータ支援機能およびユーザー向け自動応対機能の提供生成AIの技術革新により音声認識精度や自然言語処理精度が飛躍的に向上したことで、コンタクトセンターにおいて従来ではシステムへの置き換えが困難で人が対応していた様々な業務でAIによる自動化を実現できる技術が一般化しました。当社グループでは生成AI技術のコンタクトセンターでの活用に向けて、一部の大手顧客企業とともに実際の現場でオペレータがかかえる課題を解決する形で生成AI機能開発を進めてまいりました。その取り組みの中で当社グループが開発した「MooA」によるオペレータ支援機能の提供に加えて、同時に培った生成AI活用ノウハウを活かした「モビボット」「モビボイス」での生成AI連携や「maestra」でのAIエージェント機能の提供を通じて、今後急速に市場拡大が見込まれる生成AI型自動化ソリューションでの成長を目指します。 ③ カスタマーエクスペリエンス領域への新規事業拡大企業のコンタクトセンターには過去の電話応対記録など活用されていない膨大なデータが存在しています。従来の技術ではこれらのデータを活用することは困難でしたが、現在のAI技術を活用することで、VOC(ボイス・オブ・カスタマー、お客様の声)を容易に抽出することが可能となりました。当社グループがコンタクトセンターに向けて提供するシステムを通じて収集されるデータを元に、顧客企業の先にいる消費者のVOCを可視化し、顧客企業と共に顧客体験の向上に向けた取り組みを推進していくことを、今後の新規事業として検討いたします。 (6) 事業上及び財務上の対処すべき課題① 新技術への対応、開発体制の強化当社グループは、生成AIを含めた最先端のAIテクノロジーに対応した新しい製品、機能及びサービスを提供しており、最新のテクノロジーに対応できる開発組織の競争力の維持・向上が経営の重要な課題であると認識しております。そのため、最新テクノロジーの把握、エンジニアスタッフの教育、R&D(研究開発)専門の組織の強化など、技術習得活動、開発活動を強化してまいります。 ② 顧客ニーズの把握及びそれに応じたサービス設計当社グループは、コンタクトセンターをはじめとした当社サービスを利用されるお客様の業務・運用に寄り添い、運用の中で真に効果を発揮するシステムの提供を強みとしております。当社グループ顧客の運用上の課題やニーズを的確に把握し、ニーズに合わせたサービスを提供し続けることは重要な経営課題であると認識しております。運用現場のニーズに基づいたSaaS製品開発や、顧客個別の課題に合わせたカスタマイズ開発、活用深化に向けたカスタマーサクセスでの伴走支援の提供などを通じて、顧客課題の解消と当社サービス利用に対する投資リターンの最大化を目指したサービス設計に取り組んでまいります。 ③ サービスや顧客属性に応じた販売チャネルの構築当社グループは、当社グループが直接顧客に対して営業を行う直販チャネルの他、BPO事業者やSIerなどのパートナーを通じてサービスを提供する代理店チャネル、パートナーが当社グループ製品を自社ブランドで提供するOEMチャネルといった販売チャネルを有しています。提供するサービスの内容や顧客企業の業種や部門など顧客属性によって強固な接点を有する事業者は様々に異なることから、適切な販売チャネルを構築することが重要であると認識しております。新しい当社サービスの展開に合わせて当該分野において相互に協力関係を築けるパートナーを拡充することで、最適な販売チャネルの構築に取り組んでまいります。 ④ コーポレート・ガバナンス体制の強化当社グループが継続的な成長を維持するためには、事業拡大だけではなく、コーポレート・ガバナンス体制の強化と内部管理体制、コンプライアンス体制を強化することが重要であると認識しております。そのため経営の公平性、透明性、健全性を確保すべく、社外取締役、監査役監査体制、内部監査、会計監査及び内部統制システムの整備等によりその強化を図ってまいります。 ⑤ 人材の確保、育成について当社グループの展開しているSaaS製品は、自社開発しており、優秀な人材による開発体制が構築できておりますが、今後事業規模をさらに拡大していくためには、優秀な人材の更なる獲得と育成が必要です。特に技術力のあるエンジニアについては、採用が困難であるため、人事専任者複数名によるチームを設置して、即戦力となる中途採用及び中長期の視点で将来の幹部候補社員を育成していく新卒採用を強化するとともに、評価制度、社内キャリアパス制度、定期的な上長との1on1ミーティングの制度を整備することや教育研修を充実していくことで人材の育成に努め、更なる経営体制の強化に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前連結会計年度との比較・分析の記載はしておりません。 (1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績等の状況当連結会計年度の業績は、売上高1,854百万円、営業利益90百万円、経常利益81百万円となりました。当社が50%の持分を有する連結子会社であるvottia株式会社にて先行投資による赤字業績となったことに伴い、当社が有さない持分に相当する損失が非支配株主に帰属する当期純損益へ配分された結果、当社の親会社株主に帰属する当期純利益にプラスとなり親会社株主に帰属する当期純利益90百万円となりました。また、当連結会計年度の財政状態は次のとおりであります。(資産)当連結会計年度末における流動資産は1,404百万円となりました。主な内訳は、現金及び預金1,039百万円、売掛金292百万円であります。固定資産は、813百万円となりました。主な内訳は、ソフトウエア609百万円、本社オフィスの賃借契約に基づく敷金136百万円であります。この結果、資産合計は2,229百万円となりました。(負債)当連結会計年度末における流動負債は476百万円となりました。主な内訳は、契約負債175百万円、未払金113百万円であります。固定負債は300百万円となりました。これは長期借入金300百万円であります。この結果、負債合計は776百万円となりました。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は1,452百万円となりました。主な内訳は資本金449百万円、資本剰余金1,404百万円、利益剰余金△457百万円であります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、313百万円減少し、1,039百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は270百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益82百万円の計上、減価償却費及びその他の償却費151百万円の計上、契約負債の増加69百万円があった一方、売上債権の増加109百万円、仕入債務の減少10百万円及び法人税等の支払額2百万円があったこと等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は615百万円となりました。これは主に、ソフトウエア開発の無形固定資産の取得による支出444百万円、敷金及び保証金の差入による支出98百万円があったこと等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は31百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出66百万円があった一方で、非支配株主からの払込みによる収入95百万円があったこと等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。 b.受注実績当社グループが提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、省略しております。 c.販売実績当社グループはSaaSソリューション事業の単一セグメントのため、販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。なお、前期の参考情報としてモビルス社の個別財務情報との比較(対前年同期比)を記載しています。サービスの名称販売高(千円)対前年同期比(増減率)(%)SaaSサービス1,364,37720.3プロフェッショナルサービス490,36022.6合計1,854,73820.9 (注)1.上記の金額には、消費税等は含んでおりません。2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。3.前事業年度まで「SaaSサービス」「プロフェッショナルサービス」「イノベーションラボサービス」の3つのカテゴリーにて開示を行っておりましたが、プロフェッショナルサービス中のカスタマイズ事業のビジネスモデル転換の進捗により、「イノベーションラボサービス」に区分される新規案件が限られてきたことから、当連結会計年度より「イノベーションラボサービス」を「プロフェッショナルサービス」に統合して開示することといたしました。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の営業利益は90百万円で通期黒字化を達成しました。売上高は、1,854百万円となりました。当社グループの主要事業であるSaaSサービスにおいて、大規模のオペレータを有するコンタクトセンターでの利用が開始されるなど案件が大型化するとともに、MooA(生成AI関連製品)の導入も進んだことが売上高の増加に寄与しました。当連結会計年度末時点で、当社グループのSaaSサービスの契約数は322件、契約当たりの平均単価は295千円となりました。参考情報としての前事業年度モビルス社個別財務情報との比較では、SaaSサービスの売上高は20.3%の成長、契約当たりの平均単価は55千円増加しました。プロフェッショナルサービスにおいては、有償カスタマーサクセス案件の獲得が進んだこととともに、オペレータ支援AI機能のMooA導入に伴う複数のカスタマイズ開発案件が売上高増加に寄与しました。参考情報としての前事業年度モビルス社個別財務情報との比較では、プロフェッショナルサービスの売上高は22.6%の成長となりました。売上高の増加に加え、ソフトウエア償却負担の減少等により、売上総利益率は67.6%と高い水準を維持しました。また、採算性向上に向けたコスト削減施策を進めたことで、参考情報としての前事業年度モビルス社個別財務情報との比較では、売上原価率が前期49%から当期32%に、売上高販管費率が前期74%から当期61%に低下し、これらが営業利益の増加に寄与しました当連結会計年度における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」、キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ② 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金需要として主なものは、当社グループ製品であるソフトウエアへの開発投資、事業の拡大に伴う人件費及び採用費等であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて最適な方法を選択しております。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3 事業等のリスク」をご参照ください。 ④ 経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
事業リスク
- 顧客のソフトウェア投資動向主要顧客であるコンタクトセンター業界のソフトウェア投資は、景気変動の影響を受ける可能性があります。国内外の景気悪化により企業がIT投資を抑制した場合、モビルスのサービス需要が減少し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 急速な技術革新への対応コンタクトセンター向けBPO市場は技術革新が非常に速く、常に新しい技術やサービスが求められます。モビルスがこの変化に対応しきれず、新技術の導入や顧客ニーズへの対応が遅れた場合、競争力が低下し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 情報漏洩・システムトラブル顧客の個人情報を含むメッセージデータなどを取り扱っているため、情報漏洩が発生した場合、顧客からの損害賠償請求や企業の信用失墜につながるリスクがあります。また、システム障害や不正アクセスが発生した場合も、サービス提供に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項であっても、投資者の判断によって有用であると当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式への投資に関する全てのリスクを網羅しているものではございません。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避並びに発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えられます。本項記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 事業環境に関する事項1.顧客業界のソフトウエア投資の動向について当社グループが提供するサービスの主要顧客はコンタクトセンターであります。チャット形式の問い合わせや業務の自動化ニーズが高まっており、業界全体として継続的に投資ニーズは存在し、また、今後はコンタクトセンター以外の業界への顧客開拓も期待できるものと考えております。上述の想定のもと、当社グループとしてもセミナーを積極的に行うことや営業体制の強化を行うこと等によって顧客拡大に努めております。しかしながら、国内外の景気動向の悪化等により、当該グループ顧客のソフトウエア投資が大幅に抑制された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 2.技術革新による影響についてコンタクトセンター向けBPO市場では、新技術の開発及びそれに基づく新しいサービスの導入が頻繁に行われており、顧客ニーズも常に変化している変動が激しい業界となっております。そのため、当社グループとしても常に新しい技術、新しい発想でのサービス開発が求められ、情報収集、顧客ニーズ等の分析、新技術、新サービスへの対応を行うことで技術革新に対応できる体制をとっております。しかしながら、技術革新等により当社グループが予期せぬ業界の急激な変化が発生し、顧客ニーズの変化等が行われ、対応が遅れた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 3.競合他社による影響について当社グループの属するコンタクトセンター向けBPO市場におけるサービス開発のスピードは速く、当社グループとしては、顧客ニーズ等を把握しつつ、ニーズに合った開発を進めておりますが、今後、競合他社が新規サービスを開発した場合、価格競争等がさらに激化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 4.自然災害等について火災、水災、地震、噴火等の自然災害や、新型インフルエンザ等の伝染病の発生等、その他不測の事故等が発生した場合に対応するため、当社グループは事業継続のための検討を常に行っております。しかしながら、これら自然災害等が発生した場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 当社グループの事業内容及びサービスに関する事項1.情報管理体制について当社グループでは、業務に関連して顧客企業が取り交わしたメッセージデータや会話内容に含まれる個人情報を取り扱っております。当社では、プライバシーポリシー及び個人情報保護方針を制定し、またプライバシーマーク及びISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の認証を取得し、社内で運用する他、役員及び従業員に対して情報セキュリティに関する教育研修を実施する等、委託先を含めた情報管理体制の強化に努めております。また、連結子会社においても、当社がバックオフィス業務及び開発環境の提供業務等の委託を受けることにより、当社と同等の情報管理体制を構築しております。しかしながら万が一にも、当社グループより情報の漏洩が発生した場合は、顧客からの損害賠償請求や当社の信用失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 2.システムのトラブルについて当社グループの事業は、通信ネットワークやサーバ、コンピュータシステム等に依存しているため、システム等のトラブルが発生する可能性があります。当社グループとしては、事業の安定的な運用のために災害対策、システム強化、セキュリティ対策等を講じ、トラブル等が発生しないように厳格な運用に努めております。しかしながら、地震や火災等の発生、人的ミス、外部からの不正アクセス、通信事業者に起因するサービスの長期にわたる中断や停止等のシステムトラブルが発生した場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 3.重大な不具合について当社グループが提供する「モビエージェント(MOBI AGENT)」を中心とするSaaSサービスは、開発段階から納品に至るまで厳しい品質チェックを行っております。しかしながら、顧客への納品後に重要な不具合が生じた際などに、補修等の追加コストが発生した場合や損害賠償請求がなされた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 4.経営成績の変動について当社グループのSaaS商品に係るライセンスの売上は、サブスクリプション型のリカーリングモデルであり、既存顧客から経常的に得られる収益に、新規顧客からのライセンス売上や既存顧客のアップセル・クロスセルによる売上等が追加されることにより、売上・利益は期首から期末にかけて増加していく傾向があります。また、プロフェッショナルサービスにおける受注状況及び売上計上時期により、各四半期の売上、利益が変動することがあります。当社グループとしては、日次及び週次での部門内で実施するミーティングを通じて納期管理を徹底することでこれらの対策を行っておりますが、顧客の都合等により検収時期が遅延し、計画通りに売上計上ができない場合があります。特に期末月の8月に予定されていた検収が翌期以降に遅れる場合には、当該会計期間の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 5.SaaS製品に係るライセンスの売上について当社グループのSaaS製品に係るライセンスの売上は、サブスクリプション型のリカーリングモデルであり、当社グループのサービスを継続利用することで生じる売上となります。そのため、当社グループの継続的な成長を実現するためには、新規顧客の獲得と既存顧客の継続率が非常に重要な要素であると認識しております。当社グループとしては、営業活動の強化による新規顧客の拡大及び機能の追加開発やサポートの充実による既存顧客の継続率の維持・向上を図っております。予算及び経営計画には、実績を基に新規獲得数及び一定の解約率を踏まえた継続率を見込んでおりますが、当社サービスの市場競争力の低下等によって新規顧客の獲得が想定より進まない場合や、解約が増加し、経常的に得られる収益が減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 6.販売代理店及びOEM供給先について当社グループはSaaS商品及びサービスを顧客企業に提供しておりますが、当社グループの営業部門による直販営業に加えて、当社グループからセールスパートナーにサービスを卸し、ユーザー企業に再販する販売代理店との協業を行っております。また、一部のセールスパートナーには当社グループの製品をOEM供給しており、当該セールスパートナーのブランドにてエンドユーザーへサービスを提供しております。当社グループは、当該セールスパートナー向けの営業チームを整備し、日々の営業活動を通じて顧客企業に対する共同提案及び共同のカスタマーサクセス活動、またセールスパートナーからのニーズを反映した新機能開発などを行っておりますが、当該セールスパートナーの営業活動については当社グループのコントロールが及ばないことから、新規顧客の獲得が想定より進まない場合、解約が増加してリカーリングによる売上が減少した場合、又は当該セールスパートナーと当社の関係が悪化した場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 法的規制に関する事項1.法的規制等について当社グループが提供するサービスを規制する主な法規則として、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及び「個人情報保護法」等があります。当社グループでは、これらの法的規制の遵守を徹底したサービス運営を行うため、顧問弁護士等とも連携の上、最新の法規則に関する情報の取得や社内のコンプライアンス研修等を通じて、法令遵守体制の強化に努めております。しかしながら、当社事業は比較的新しい領域であるため、今後新たな法令等が成立することで追加の規制を受ける可能性があります。現在特段認識しているものはありませんが、今後の法律改正又は規制の動向によっては、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 2.訴訟に関するリスクについて当社グループは当連結会計年度末現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら当社グループが事業活動を行うなかで、サービスの不備、個人情報の漏洩等により訴訟を受けた場合、当社グループの社会的信用が毀損され、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループでは、コンプライアンスの徹底と社会的信用の向上を図ることを目的に、コンプライアンス規程を整備し研修等を行うことで従業員への周知を徹底し、法令違反などの発生リスクの低減に努めております。 (4) 組織体制に関する事項1.人材の確保及び育成について当社グループが継続して事業を発展していくためには、継続して優秀な人材の獲得及び育成が重要であると認識しております。少子高齢化や労働人口の減少が急速に進んでおり、特にエンジニア人材のニーズの高まりにより人材マーケットが枯渇していることなどから、外部への人材の流動化が進み、優秀な人材の確保だけではなく、既存の人材の育成と維持のための環境は厳しい状況にあります。そのため、当社グループは即戦力となる中途採用において、外部の人材紹介会社や採用媒体等の活用や内部の社員紹介等の採用チャネルの多角化を推進し、また中長期の視点で将来の幹部候補社員を育成していく新卒採用も強化しながら、採用基準に当社の行動指針「Mobilus Value」を取り入れることによる当社グループの企業文化にマッチした人材採用に注力しております。また、入社後は、オンボーディング研修や先輩社員が専任でサポートを行うサポーター制度、成長支援を目的とした定期的な上長との1on1ミーティング、管理職及び将来の幹部候補社員のマネジメントスキル向上を目的とした管理職研修やコーチング研修等の教育研修、そしてスキル習得及び資格補助を目的としたキャリアアップの支援制度等により、人材の確保や育成、そして流出防止に努めております。しかしながら、人材の確保及び育成が当社の計画通りに進まなかった場合は、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 2.内部管理体制について当社の内部管理体制は、現時点で問題はないと考えておりますが、当社グループは未だ成長途上にあるため、今後事業運営及び事業拡大に対応した内部管理体制を構築する必要があると認識しております。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、今後の事業運営又は事業拡大に支障をきたし、当社グループの経営成績及び事業展開に影響を与える可能性があります。 (5) その他の事項1.ストック・オプションの権利行使による株式価値の希薄化について当社は、取締役、従業員等に対して新株予約権を付与しております。当事業年度末現在の新株予約権に関する潜在株式の合計は、377,348株であり、これは本事業年度末日現在の発行済株式総数の6.2%に相当します。これらの新株予約権が行使された場合は、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。 2.配当について当社は、財務基盤の強化のため内部留保の充実をはかり、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら当社は、成長過程にあり、内部留保の充実を優先することが、株主に対する利益還元に繋がると考えており、現時点において配当実施の可能性及び時期については未定であります。