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トリケミカル研究所(4369)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 半導体製造用材料事業
    トリケミカル研究所は、主に半導体デバイスの製造に必要な高純度化学化合物(特殊な化学材料)を開発、製造、販売しています。半導体はスマートフォンやパソコンなど、あらゆる電子機器に使われる重要な部品であり、その製造工程で使われる材料の品質が最終製品の性能を左右します。同社は、この半導体製造の根幹を支える材料を提供することで収益を得ています。
  • CVD・エッチング・拡散材料
    半導体製造工程の中でも、「CVD(化学気相成長)」という薄膜を形成する技術、「エッチング」という不要な部分を削り取る技術、そして「拡散」という不純物を注入する技術に用いられる化学材料が主力製品です。これらの材料は、半導体の微細化・高性能化が進むにつれて、より高い純度や特殊な特性が求められるため、同社の技術力が重要となります。
  • 多角的な材料開発と供給
    設立当初は光ファイバー製造材料が中心でしたが、現在は半導体製造用材料や太陽電池製造用材料にも事業を拡大しています。また、顧客の要望に応じて新しい化学材料の受託合成や、製品の性能評価を行う受託実験も手掛けており、単なる製品販売に留まらず、開発段階から顧客をサポートするビジネスモデルを展開しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 半導体等製造用高純度化学化合物事業
    トリケミカル研究所グループは、半導体や太陽電池の製造に不可欠な高純度化学化合物(特殊な化学材料)の開発、製造、販売を主に行っています。この事業は、半導体デバイスの微細化・高性能化が進む中で、より高度な材料が求められるという市場ニーズに応えるものです。グループ全体でこの単一セグメントで事業を展開しています。
  • グローバルな事業展開
    日本国内の事業に加え、台湾(三化電子材料股份有限公司)、韓国(SK Tri Chem Co., Ltd.)、中国(安徳拓化 (安徽) 電子材料有限公司、上海特李化学科技有限公司)に子会社や関連会社を設立し、高純度化学化合物の開発・製造・販売をグローバルに展開しています。これにより、世界中の半導体メーカーの需要に対応し、地域ごとの市場特性に合わせた事業活動を行っています。
  • 付加価値の高い製品とサービス
    CVD材料、ドライエッチング材料、拡散材料といった主要製品に加え、化学薬品用容器の設計販売、新規薬品の受託合成、共同開発やCVDに関する受託実験、物性調査や分析といった付帯サービスも提供しています。これらの付加作業を通じて製品の高付加価値化を図り、他社との差別化を進めることで、顧客との長期的な関係構築を目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,921 文字
3 【事業の内容】当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであります。当社グループは、当社、連結子会社(三化電子材料股份有限公司)、持分法適用関連会社(SK Tri Chem Co., Ltd.・㈱エッチ・ビー・アール・安徳拓化 (安徽) 電子材料有限公司)、非連結子会社(上海特李化学科技有限公司)の6社で構成されております。連結子会社三化電子材料股份有限公司は、台湾での高純度化学化合物の開発・製造・販売を行うことを目的として設立された会社であります。関連会社SK Tri Chem Co., Ltd.はSK Materials Co., Ltd.(現SK Inc.)との合弁で設立された会社であり、韓国における高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っております。関連会社㈱エッチ・ビー・アールはテイサン㈱(現日本エア・リキード(同))との合弁で設立された会社であり、当社グループの取り扱い製品であります臭化水素の製造・販売を行っております。関連会社安徳拓化 (安徽) 電子材料有限公司は合肥安德科銘半導体科技有限公司との合弁で設立された会社であり、中国における高純度化学薬品の開発・製造・販売を行う予定であります。非連結子会社上海特李化学科技有限公司は、中国での円滑な営業活動推進を目的として設立された会社であります。当社と連結子会社、非連結子会社、及び関連会社3社は相互に連携を保ちながら、主として半導体メーカー向けの高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っております。半導体デバイス製造においては、シリコンのウェハ(注1)上に複雑な電子回路を構成するため、多様な工程を経て作られております。この工程はウェハプロセスと呼ばれておりますが、その中の様々な場面で、化学反応を利用した加工がなされており、当社グループの製品は主にウェハの表面上に薄膜を化学反応を用いて堆積させる「CVD」、薄膜の不必要な部分を腐食させて削り取る「エッチング」、ウェハ上にトランジスタ(注2)やダイオード(注3)等を作るためにウェハの内部に不純物を注入させる「拡散」といった多岐にわたる工程において用いられております。また、これらに供される材料は、半導体デバイスの微細化に伴い、製造プロセス変更や材料の持つ特性の限界、化学物質を取り巻く法規制の強化等の要因により、それまで使用されていた材料から新しい材料への変遷が行われることもあります。当社グループは、この材料変更の要求に対し、材料工学・応用化学の観点から常に新しい材料の開発・提案を行い新材料の供給を行っております。設立当初は光ファイバー製造に供される高純度材料の供給を行うことで成長を遂げてまいりましたが、現在では、それに加えて同様な材料を使用し、ニーズの変化が常に起こる半導体製造用材料や、デバイスの原理的に半導体と共通点の多い太陽電池製造用材料の供給を行っております。また、高純度材料や新規化学材料の試作依頼など開発に供される材料の開発・販売も同様に事業の一部となっております。(注)1:ICチップの製造に使われる半導体でできた薄い基板。シリコン製のものが多く、これを特に「シリコンウェハ」と呼びます。2:増幅機能を持った半導体素子であります。3:片方向にのみ電流を流す性質を持った半導体素子であります。 事業系統図は、次のとおりであります。 製品事業当社グループが、開発・製造・販売している主な半導体・太陽電池向け製品は、主に以下の3種類であり、また、製品製造・開発の過程において、当社グループの得意とする以下の4つの作業を付加することにより製品の高付加価値化を図り、他社との差別化を図ります。<製品種類>① CVD材料② ドライエッチング材料③ 拡散材料<付加作業の種類>① 化学薬品用容器の設計販売(化学関連法規等をクリアーした化学薬品輸送用タンクの設計及び販売)② 化学薬品の受託合成(新規薬品の受託合成)③ 受託実験(共同開発高純度化学薬品の開発並びに薬品を用いたCVDに関わる受託実験)④ その他付帯サービス(化学薬品の物性調査や分析等のサービス) ①CVD材料CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法とは、化学材料の蒸気を熱等により分解しウェハ上に堆積させる技術であり、CVD材料とはその際に用いられる化学材料を指します。堆積させる薄い膜は絶縁膜や金属・導体膜・半導体膜であり、使用される材料は多岐にわたっております。また、半導体の微細化・高性能化を進めるために、従来の製法・材料では解決できない電気的な問題を解決するための誘電率の低い膜が得られる(low-k)材料や逆に誘電率の高い膜が得られる(high-k)材料・物理的な問題を解決するための金属窒化膜材料等といった新たなニーズに対応するための材料をいち早く提案し、安定供給するのが当社グループの特長であります。 ②ドライエッチング材料主に腐食による化学反応により、CVD法で堆積させた膜等の不要な部分を削り取り、ウェハ表面を凹凸に加工する技術であります。このプロセスに供される材料は、従前は特定フロン(注)に代表される材料を使用しておりましたが、環境問題や半導体の微細化により変わりつつあります。微細化が進むとCVD法等で使用される薄膜の材料も変更されることから、ドライエッチングに使用される化学材料も変更されます。当社グループの取り扱い製品の1つである臭化水素(化学式:HBr)は環境問題・微細化といった問題をクリアーする材料であります。 (注):オゾン層保護のため国際条約により規制の対象となっているフロン。 ③拡散材料ウェハ上等にトランジスタを形成する際、不純物を注入する技術があります。イオン打ち込み法(注1)と熱拡散法(注2)の2種類がありますが、いずれも不純物を注入するということでは同様であります。ここで使用される材料は、周期律表のⅣ族(注3)元素であるシリコンの持つ性質を変えることが求められるため、性質の異なる不純物である必要があります。具体的にひとつはⅢ族(注3)の元素であるホウ素・ガリウム・インジウム等で、もうひとつはⅤ族(注3)の元素であるリン・ヒ素・アンチモン等であります。また、光ファイバーでも同様に光の拡散を制御する目的でゲルマニウムに代表される不純物を使用しております。 当社グループでは、これらに関わる材料を多様にラインナップするとともに、材料の性質や顧客の細かな要求に対応した容器に封入し出荷しております。また、既存製品の単なる販売にとどまらず、新規化学薬品の受託合成や、当社グループの製品を顧客が実際に使用する条件下で性質・性能等の評価を行う各種受託実験も行っており、これも当社グループの大きな特長であります。 (注)1:原子をイオン化して加速し、固体中に打ち込む方法。2:熱的な方法で原子を固体中に注入する方法。3:元素の周期律表の縦列に並ぶものは概ね性質が類似しており、Ⅰ~Ⅷまでの族に分類されます。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
最先端の半導体に用いられる高純度の化学材料において、技術的な優位性やノウハウを保持
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
最先端の半導体に用いられる高純度の化学材料において、技術的な優位性やノウハウを保持
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:特定の業界(半導体)への依存 / 特定の製品(高誘電率絶縁膜材料)への依存 / 原材料の市況変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

トリケミカル研究所は、特定のニッチ分野における高度な合成技術やノウハウを蓄積している可能性があるが、それを裏付ける特許ポートフォリオやブランド力に関する公開情報は限定的である。研究開発への投資は行っているものの、それが明確な無形資産として競争優位に繋がっているかは不明瞭。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社の製品は、半導体材料や医薬品中間体など、高度な品質と安定供給が求められる分野で使用されている。顧客は仕様変更やサプライヤー変更に慎重になる傾向があるが、代替材料や競合製品の存在も考えられ、顧客のスイッチング・コストが極めて高いとは断定できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、特定の顧客からの受託製造や、ニッチな化学品の研究開発・製造販売が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が発生する要素は見当たらない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

化学品製造においては、製造プロセスの効率化やスケールメリットによるコスト削減が重要となる。同社が独自の効率的な製造プロセスを確立している可能性はあるが、業界全体でコスト競争が激しい可能性もあり、明確なコスト優位性を示す情報は少ない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

同社は特定の化学品分野に特化しているが、グローバルな化学メーカーと比較すると規模は小さい。ニッチ市場での一定のシェアは確保している可能性はあるが、業界全体を寡占するような規模の経済性は見られない。

  • 高純度化学材料の技術優位性
    トリケミカル研究所は、最先端の半導体製造に不可欠な高純度化学材料において、長年の経験と研究開発によって培われた独自の技術力とノウハウを持っています。半導体の微細化が進むにつれて、材料に求められる純度や特性は非常に高度になり、これを安定的に供給できる企業は限られているため、同社の技術力が競争優位の源泉となっています。
  • ニッチ市場での競争力
    同社は、高度な技術が要求されるニッチな市場で事業を展開しており、現状では競合企業が少ないと認識しています。これにより、価格競争に巻き込まれにくく、安定した収益を確保しやすい環境にあると考えられます。特定の高誘電率絶縁膜材料の分野で高い依存度を持つことも、その分野での強みを示唆しています。
  • 顧客開発への貢献と連携
    顧客である半導体メーカーの最先端技術開発に深く関わり、材料工学や応用化学の観点から常に新しい材料の開発・提案を行っています。受託合成や受託実験を通じて顧客のニーズに合わせた製品を開発・供給することで、顧客との強固な関係を築き、スイッチングコスト(他社製品への切り替えコスト)を高めていると考えられます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社は、1978年12月の設立以来、「科学技術を通じて最先端テクノロジーの発展に貢献し、人々にゆとり創造を実現する」を経営理念として掲げ、以下の内容を役職員一丸となって取り組んでおります。① 当社は、開発力の向上及び生産技術の改善に取り組み、顧客により良い製品及び技術を提供することで顧客満足の最大化を目指してまいります。② 当社は、持続した健全性・成長性を兼ね備えた事業に取り組み、企業価値の最大化に努めてまいります。③ 最先端・高純度化学材料の開発・製造・販売を事業としている当社は、「化学物質が環境に与える影響の大きさ」を正しく認識し、顧客・社員の安全性向上や健康増進を常に念頭に置き、かつ、「環境保全活動への取り組み」を経営の最重要課題の一つと位置づけ、事業活動を行うことといたします。④ 当社は、従業員一人ひとりが高い誇りと責任感をもって働くことの出来る公正かつ開かれた企業風土を目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、安定した売上成長を図り、規模の拡大を目指しながらも、経営の効率化を推し進めることで確実に利益をあげられる強靭な企業体質の構築に努めてまいりたいと考えております。そのため売上高及び売上高営業利益率を重視すべき経営指標とし、第51期(2029年1月期)を最終年度とする中期経営計画においては、3年間で売上高を約33%増加させるとともに、売上高営業利益率は25%程度を目標としております。 (3) 経営環境及び対処すべき課題当社グループの主要な販売先であります半導体市場におきましては、大規模データセンター投資の継続に加え、AI機能搭載端末の増加等による裾野の広がりが半導体需要拡大に寄与すると見込んでおり、半導体製造用化学化合物の需要も増加していくと見込んでおります。当社グループといたしましては、このような環境下、より一層経費削減に取り組み、新規材料の市場投入と既存の材料の生産性向上を併せて図ることで、将来的な収益力を確固たるものにする必要があると考えております。品質管理体制の強化や環境負荷の軽減、作業安全性の向上等サステナビリティの追求に関する取り組みにつきましても引き続き推進してまいります。当社グループでは第51期(2029年1月期)を最終年度とする中期経営計画において、売上高営業利益率で25%程度を目標とし、計画最終年度の売上高は317億円としながら、営業利益は86.5億円とする目標の達成を目指してまいります。また、半導体市場の著しい成長が見込まれる中国を含む東アジア市場における中長期的な成長を達成するため、日本においては、南アルプス事業所を基軸とした生産拡大を図ってまいります。台湾においては、子会社三化電子材料股份有限公司の銅鑼工場における生産体制の更なる増強を図ってまいります。中国においては、子会社上海特李化学科技有限公司にて現地での円滑な営業活動の推進並びに関係会社安徳拓化 (安徽) 電子材料有限公司の工場立上げ準備を推進してまいります。韓国においては、関係会社SK Tri Chem Co., Ltd.と中長期的なグループ全体のシナジーを強化し、事業の効率化、新規顧客の獲得を図ることを継続した戦略の柱としてまいります。今後も継続的な海外進出や設備増強等を可能とすべく、財務体質の健全化を推し進め、強固な経営基盤の構築に努めていくとともに、コーポレートガバナンス体制をより一層整備・強化し、経営の透明性と効率性を高めることと、企業倫理、法令等の遵守にも誠実に取り組んでいくことで企業価値の向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営方針当社は、1978年12月の設立以来、「科学技術を通じて最先端テクノロジーの発展に貢献し、人々にゆとり創造を実現する」を経営理念として掲げ、以下の内容を役職員一丸となって取り組んでおります。① 当社は、開発力の向上及び生産技術の改善に取り組み、顧客により良い製品及び技術を提供することで顧客満足の最大化を目指してまいります。② 当社は、持続した健全性・成長性を兼ね備えた事業に取り組み、企業価値の最大化に努めてまいります。③ 最先端・高純度化学材料の開発・製造・販売を事業としている当社は、「化学物質が環境に与える影響の大きさ」を正しく認識し、顧客・社員の安全性向上や健康増進を常に念頭に置き、かつ、「環境保全活動への取り組み」を経営の最重要課題の一つと位置づけ、事業活動を行うことといたします。④ 当社は、従業員一人ひとりが高い誇りと責任感をもって働くことの出来る公正かつ開かれた企業風土を目指してまいります。 (2) 目標とする経営指標当社グループは、安定した売上成長を図り、規模の拡大を目指しながらも、経営の効率化を推し進めることで確実に利益をあげられる強靭な企業体質の構築に努めてまいりたいと考えております。そのため売上高及び売上高営業利益率を重視すべき経営指標とし、第51期(2029年1月期)を最終年度とする中期経営計画においては、3年間で売上高を約33%増加させるとともに、売上高営業利益率は25%程度を目標としております。 (3) 経営環境及び対処すべき課題当社グループの主要な販売先であります半導体市場におきましては、大規模データセンター投資の継続に加え、AI機能搭載端末の増加等による裾野の広がりが半導体需要拡大に寄与すると見込んでおり、半導体製造用化学化合物の需要も増加していくと見込んでおります。当社グループといたしましては、このような環境下、より一層経費削減に取り組み、新規材料の市場投入と既存の材料の生産性向上を併せて図ることで、将来的な収益力を確固たるものにする必要があると考えております。品質管理体制の強化や環境負荷の軽減、作業安全性の向上等サステナビリティの追求に関する取り組みにつきましても引き続き推進してまいります。当社グループでは第51期(2029年1月期)を最終年度とする中期経営計画において、売上高営業利益率で25%程度を目標とし、計画最終年度の売上高は317億円としながら、営業利益は86.5億円とする目標の達成を目指してまいります。また、半導体市場の著しい成長が見込まれる中国を含む東アジア市場における中長期的な成長を達成するため、日本においては、南アルプス事業所を基軸とした生産拡大を図ってまいります。台湾においては、子会社三化電子材料股份有限公司の銅鑼工場における生産体制の更なる増強を図ってまいります。中国においては、子会社上海特李化学科技有限公司にて現地での円滑な営業活動の推進並びに関係会社安徳拓化 (安徽) 電子材料有限公司の工場立上げ準備を推進してまいります。韓国においては、関係会社SK Tri Chem Co., Ltd.と中長期的なグループ全体のシナジーを強化し、事業の効率化、新規顧客の獲得を図ることを継続した戦略の柱としてまいります。今後も継続的な海外進出や設備増強等を可能とすべく、財務体質の健全化を推し進め、強固な経営基盤の構築に努めていくとともに、コーポレートガバナンス体制をより一層整備・強化し、経営の透明性と効率性を高めることと、企業倫理、法令等の遵守にも誠実に取り組んでいくことで企業価値の向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況イ.財政状態の状況 (流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比1,796,896千円増加し、23,253,287千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が減少した一方で商品及び製品、原材料及び貯蔵品、受取手形及び売掛金、未収消費税等を含む流動資産のその他が増加したこと等によるものであります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比8,533,480千円増加し、24,021,677千円となりました。その主な要因は、南アルプス事業所等の設備投資に伴う有形固定資産の増加、及び持分法による投資利益の計上等により投資有価証券が増加したこと等によるものであります。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比3,422,395千円増加し、7,604,585千円となりました。その主な要因は、南アルプス事業所等の設備投資に伴う未払金の増加、及び買掛金が増加したこと等によるものであります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比2,346,115千円増加し、3,520,829千円となりました。その主な要因は、長期借入金が増加したこと等によるものであります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比4,561,866千円増加し、36,149,551千円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したこと等によるものであります。 ロ.経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、賃上げの広がりや政府の物価高対策等により緩やかな回復基調で推移しましたが、為替変動に伴う輸入コストの不確実性や、米国の通商政策・対中規制の動向、地政学リスク等の影響により、依然として先行き不透明な状況が継続しました。当社グループの主要な販売先であります半導体業界におきましては、生成AIの普及に伴うデータセンター投資の拡大や、先端ロジック・メモリ向けを中心とした投資意欲が堅調であったこと、AI搭載端末や自動車向け需要も底堅く推移し、先端領域での設備投資・稼働が継続されました。それに伴い半導体製造用高純度化学化合物の需要も増加いたしました。このような状況下、当社グループといたしましては、中期経営計画に基づき、生産性の向上や生産開発能力強化へ注力し、新規エッチング材料等の生産拠点である南アルプス事業所での大量生産に向けた各種評価、設備増強、認証取得等の取り組みを推進いたしました。品質管理体制の継続的な強化、環境負荷低減・作業安全性向上、サステナビリティの追求、事業継続計画の改善等にも引き続き取り組みました。利益面では、原材料価格やエネルギー価格の変動等の影響を軽減するため、全社一丸となった経費削減に加え、コスト上昇局面を踏まえた販売価格改定、グループ会社・部門間連携の深化により一層の収益向上を図ってまいりました。その結果、売上高は23,883,175千円(前年同期比26.3%増)、営業利益は5,902,226千円(同12.3%増)となり、また、韓国関係会社SK Tri Chem Co., Ltd.に係る持分法による投資利益の計上等により、経常利益は7,090,219千円(同7.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,515,240千円(同11.1%増)となりました。なお、当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,159,350千円減少し、7,279,978千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は3,795,166千円(前年同期比120,056千円の収入の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上7,090,219千円、減価償却費1,917,499千円等のプラス要因が、法人税等の支払額2,109,289千円、棚卸資産の増加額1,878,171千円、持分法による投資利益1,277,729千円等のマイナス要因を上回ったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は7,054,145千円(同3,938,079千円の支出の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6,286,235千円、関係会社株式の取得による支出718,080千円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は1,088,296千円(前年同期は1,620,462千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の収支のプラス2,346,880千円が、配当金の支払額1,136,649千円等を上回ったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の状況当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであります。イ.生産実績当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式、用途等は必ずしも一様ではないことから、記載しておりません。 ロ.受注状況生産実績と同様の理由に加え、受注生産形態をとらない製品が多いことから、記載しておりません。 ハ.販売実績当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。 セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)高純度化学化合物事業23,883,175+26.3 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)TOPCO Scientific Co., Ltd.3,731,72919.75,293,68322.2日本エア・リキード(同)2,889,78515.33,456,06714.5Changxin Xinqiao Memory Technologies, Inc.2,301,14912.22,589,33710.8 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 5 会計方針に関する事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容イ.経営成績の分析(売上高)売上高は、前連結会計年度に比べ26.3%増の23,883,175千円となりました。その主な要因は、当社グループの主要な販売先であります半導体業界の稼働におきまして、中国市場における一部顧客の生産効率化による材料の需要減はあったものの、生成AIの普及に伴う先端ロジック・メモリ半導体の高い需要や、データセンター投資の拡大等を受け、好調に推移した結果、当社グループの化学材料の出荷が増加したこと等によるものであります。(売上総利益)売上総利益は、売上高の増加等に伴い同12.6%増の9,019,010千円となりました。売上総利益率は減価償却費の増加に伴い製造経費等が増加したこともあり、前連結会計年度の42.4%から当連結会計年度は37.8%となりました。(販売費及び一般管理費、営業利益)販売費及び一般管理費は、同13.1%増の3,116,784千円となりました。その主な要因は、荷造運賃費が増加したこと等によるものであります。その結果、営業利益は同12.3%増の5,902,226千円となりました。(営業外損益、経常利益)営業外収益は、同0.6%減の1,343,992千円となりました。その主な要因は、受取利息が増加した一方で、持分法による投資利益が減少したこと等によるものであります。営業外費用は、シンジケートローン手数料の増加等により、同507.2%増の155,999千円となりました。その結果、経常利益は同7.7%増の7,090,219千円となりました。(特別損益、税金等調整前当期純利益)特別損益は、特別利益及び特別損失ともに計上がありませんでした。その結果、税金等調整前当期純利益は同7.7%増の7,090,219千円となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)法人税、住民税及び事業税に法人税等調整額を加えた税金費用は1,574,979千円となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は同11.1%増の5,515,240千円となりました。 ロ.財政状態の分析当社グループの財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 イ.財政状態の状況」に記載しております。 ハ.経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。 ニ.資本の財源及び資金の流動性当社グループの主な資金需要は事業上必要な運転資金や設備投資であり、これらの資金は主に自己資金のほか、必要に応じて銀行等金融機関の借入によって調達する方針としております。また、運転資金の効率的な調達を行うことを目的として、取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、重要な設備の新設等の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載しております。 ホ.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、最新の外部、内部環境を反映させた、今後の3年間の中期経営計画(毎年見直すローリング方式)を策定し、事業に取り組んでおります。2026年1月期の計画値と実績値の結果は以下のとおりであります。 2026年1月期計画2026年1月期実績計画比売上高(百万円)26,00023,883△2,116営業利益(百万円)6,0505,902△147経常利益(百万円)6,9007,090+190親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)5,0005,515+515売上高営業利益率(%)23.324.7+1.4 売上高及び営業利益につきましては、中国市場において一部顧客の生産効率化による材料の需要減少の影響等を受けた結果、当初の予測を下回り、当社グループの化学材料の出荷が減少し、期初計画を下回る結果となりました。一方で、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、韓国関連会社SK Tri Chem Co., Ltd.の業績が、当初想定していたよりも堅調に推移したこと等により、期初計画を上回る結果となりました。 当社グループでは、安定した売上成長を図り、規模の拡大を目指しながらも、経営の効率化を推し進めることで確実に利益をあげられる強靭な企業体質の構築に努めてまいりたいと考えていることから、特に、売上高及び売上高営業利益率を重視すべき経営指標としております。なお、売上高営業利益率に関しては25%程度への回復・維持を目標としております。

事業リスク

  • 半導体業界への高い依存度
    同社の売上高は半導体市場向けが大部分を占めており、半導体業界の景気変動や大手半導体メーカーの生産動向に大きく影響を受けます。半導体市場が縮小したり、技術革新に追随できなかったりした場合、同社の業績に深刻な影響を与える可能性があります。
  • 特定の製品分野への集中
    売上高が特に高誘電率絶縁膜材料の分野に大きく依存しています。この分野での需要が減少したり、競合他社の参入によって競争が激化したりした場合、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。リスク分散のため、新規材料の開発・拡販に努めています。
  • 原材料の価格変動と調達リスク
    製品の製造には、市況変動の影響を受けやすい化学薬品や特殊な金属材料、ステンレス材料が多用されています。世界の経済情勢や政治動向によって原材料の購入価格が急激に変動したり、調達が困難になったりした場合、生産コストの増加や供給不足により、同社の財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,285 文字
3 【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。また、当社グループとしては必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業内容を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える定量的な影響について、合理的に予見することが困難であるものについては記載しておりません。 (1) 特定の業界に依存していることについて① 半導体業界への依存について 当連結会計年度の売上高は半導体市場向けが高い割合を占めており、半導体業界の動向に大きく影響される傾向にあります。当連結会計年度において、日本、中国、台湾、韓国の大手半導体デバイスメーカー向け売上高が過半(ディーラー経由での販売も含む)を占めており、これらのメーカーの生産動向が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、半導体製造前工程のCVD工程及びエッチング工程を得意とする当社グループは、シリコンウェハの生産動向に特に大きく影響を受ける傾向にあります。当社グループでは、そうしたリスクを防止あるいは分散するため、半導体市場のうち、刻々と変化する先端開発分野における変化を先取りするとともに、市況サイクルの異なる国内市場と海外市場のバランスを取りつつ、他方、これまでの半導体業界依存の軽減のため、新規分野に向けた材料の開発等にも注力し対処していく所存であります。しかしながら、今後市況が大きく変化し、縮小傾向に転じた場合、又は業界の技術革新に当社グループが追随出来ない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ② 特定の製品への依存について当連結会計年度における当社グループの売上高については、半導体向け材料の中でも、特に高誘電率絶縁膜材料といわれる分野への依存度が高くなっております。当社グループでは高誘電率絶縁膜材料以外の新規材料の開発、拡販にも努めておりますが、当分野の売上が減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与えるおそれがあります。 ③ 競合の状況について 当社グループは、最先端の半導体に用いられる高純度の化学材料において、技術的な優位性やノウハウを保持していることや、ニッチな市場であることから、現状、競争相手となる企業は少ないものと考えております。しかしながら、今後、新規に当社グループと競合する分野、製品に他企業が参入した場合、競争の激化によって当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ④ 原材料の市況変動について 当社グループの製品は、その原料に市況変動に左右される化学薬品や特殊な金属材料を多く使用し、他方、金属容器については、同様に市況変動に左右されるステンレス材料を使用しております。当社グループでは、市況及び顧客の需要に基づいた販売計画に基づいて、安定供給を可能とするための在庫水準を適正な価格で確保すべく原料調達を進めておりますが、世界の経済情勢や政治の動向等により、急激に購入価格が変動するとともに入手が困難になる可能性があります。今後、販売計画を達成するために必要な主要原料が確保できない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、購入価格が急激に上昇した際に販売価格への転嫁ができない場合、もしくは時間を要する場合や、逆に購入価格が急激に下降した際に相当量の在庫を有していた場合等においても当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (2) 事業遂行上のリスクについて ① 為替変動リスクについて 当社グループは、製品等の輸出及び原材料等の輸入において外貨建取引を行っております。当連結会計年度における総売上高に占める海外ユーザー向けの売上高は、概ね80%となっており、その一部は外貨建の決済条件となっております。当社では財務部門において為替相場を継続的にモニタリングしており、適宜必要に応じて為替予約等を行っておりますが、急激な為替変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、海外関係会社の業績、資産及び負債につきましては、現地通貨で発生したものは円換算したうえで連結財務諸表を作成しておりますが、当該現地通貨の為替変動があった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ② 品質管理について 当社グループは、ISO9001品質マネジメントシステムの採用で、社内生産に関しては当然のこと、主たる協力会社にも同様の体制整備を要請しながら、総合的な品質保証体制と継続的な改良・改善体制の運用に努めてまいりました。そのことにより、不良品発生の低減に注力しておりますが、クレーム発生の可能性は皆無ではありません。また、製造物賠償に関してはPL保険に加入しており、現時点におきましては、企業の存続やユーザーの事業継続を脅かすような甚大なクレームや製造物責任につながる事態は考えられません。しかしながら、万一そうした事態が発生した場合には、クレームに対する補償、対策が製造原価の上昇を招き、当社グループのブランドの評価、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ③ 人材の確保について当社グループは刻々変化する市場環境に対応して、常時、高度な研究開発を継続していく必要があり、そのため優秀な人材の確保と維持は事業展開上非常に重要な事項となっております。そのため、当社グループにおいては社内教育の充実、海外派遣やジョブローテーション等による人材育成体制の強化に努めるとともに、役職員全員が安全かつ安心して働ける職場環境の整備に努めておりますが、必要とする人材の獲得に困難が発生したり、あるいは当社グループの人材が社外に流出した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ④ 顧客情報の漏洩及び技術ノウハウの流出について 当社グループは、半導体メーカーの最先端の半導体に係る製造工程や材料の特性等の情報を知った上で、高純度の化学材料の開発、提案を行っております。当社グループでは不正アクセス等への物理的、システム的なセキュリティ対策を講じるとともに、営業秘密や情報セキュリティに関する社内規程を整備し、社員教育を徹底するなど、当社グループの情報管理体制の維持・強化に努めております。しかしながら当社グループの従業員が事業上知り得た顧客の技術情報を外部に漏洩した場合、当社グループの信用の失墜による取引関係の悪化や、技術情報の漏洩による損害に対する賠償を請求されること等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、当社グループが製造する高純度化学材料は、創業以来蓄積してきた高純度化や安定生産に係るノウハウが重要な要素となっており、当社グループが保有する高純度化のノウハウ等に係る情報が、何らかの形で社外に流出した場合、技術的な優位性を維持できなくなることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 仕入先への高い依存度について当社グループでは高純度化学材料を充填するための容器を外部からの仕入により調達しておりますが、そのうち、当社グループの販売先である半導体メーカー等の半導体製造装置に合わせた特殊仕様の容器については、主に㈱下山工業から仕入れており、同社との取引関係が何らかの理由により解消となった場合、一時的に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、高誘電率絶縁膜材料を含む、当社グループの販売する複数の主要製品の合成に用いられる有機リチウム化合物の約8割を、アジアリチウム㈱から仕入れております。当社グループは安定的に原材料を調達するため、複数仕入先を確保すること及び適切な在庫を保有することに努めておりますが、供給不足、納入の遅延や仕入額の高騰等の問題が発生した場合、当社グループの生産活動の停止等により、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑥ カントリーリスクについて当社グループは台湾及び中国に子会社、韓国及び中国に合弁会社を有しており、台湾と韓国の最終ユーザー向け販売の増加及び、中国向け販売の増加も今後の成長要因と考えております。特に台湾子会社は工場の稼働も本格的となり、より重要な生産拠点となり、輸送コストの削減や台湾半導体メーカーの期待に寄り添えることができたと認識しております。当社グループは、事業展開をしている各国・各地域におけるカントリーリスクに係る情報を収集するとともにモニタリングを実施しており、地政学要素を見極めながら、安定的な事業運営に向けて取り組んでおりますが、上記地域において、法律や規制の変更、テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱等が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 関係会社の業績変動について当社グル―プは、当社と連結子会社1社、非連結子会社1社、関連会社3社で構成されております。当社グループではグループ間の人的・物的な連携や情報共有等によりグループ各社の事業リスクの軽減や対応に努めておりますが、グループ各社の事業の遂行が順調に進まない場合や、予期せぬ事象等により、これら関係会社の業績に大きな変動が生じた場合、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑧ 物流リスクについて当社グループは、事業を営むに当たり、直接及び間接的に原材料・部材等の輸入を行っているとともに、海外顧客への輸出により販売を行っておりますが、現在、輸出入に際しては、燃料費の上昇等を背景とした輸送費の増加が生じております。今後、物流環境がさらに悪化し、輸送費等の関連費用が増加した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (3) 研究開発について 当社グループは、既存製品の改良や新規製品の研究開発等により、研究開発費、それに関連する設備投資が先行して発生しております。そうしたリスクを防止あるいは分散するため、研究開発段階でのマーケティングに注力してリスクを分散するとともに、研究開発プロジェクト管理の徹底を図り、他企業との提携を積極的に推進しております。しかしながら、多大な研究開発費や設備投資費用を投入したにもかかわらず、製品開発等が軌道に乗らなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (4) 法的規制等について 当社グループの製造する製品には、毒物・劇物が含まれ、またそれらの製品を製造する際に使用する材料にも毒物・劇物が含まれております。また、当社グループは国内での営業取引のみならず、外国企業との輸出入取引を行っている関係上、日本及び諸外国の法令等による諸規制を受けております。それらの製品及び材料取扱を規制する法律・法令等の主なものとしましては、「毒物及び劇物取締法」、「消防法」、「高圧ガス保安法」、「土壌汚染対策法」、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」、「化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律」等があります。当社グループでは、国内外の法令等の遵守並びに運用状況・改訂動向に関する情報収集に努めており、また、当社グループにおきましてはISO14001環境マネジメントシステムにより、周辺環境への配慮を行っていることで、現在のところ主要な事業活動の前提となる事項についてその継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、現在又は将来の法律及び諸規制を遵守できなかった場合には、当社グループが債務を負ったり、免許・届出・認可等の取り消しや一定期間の停止を含む罰則の適用を受けたり、事業の中断を含む公的命令を受けたり、その後の事業の継続に障害となる信用の低下を被ったりすること等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (主な許認可の状況)許認可等の名称有効期限規制法令法令違反の要件及び主な許認可取消事由危険物設備の設置許可(製造所及び貯蔵所)なし消防法許可なく製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更した場合、定める技術上の基準を満たしていない場合等には、製造所、貯蔵所又は取扱所の許可を取り消し、又は期間を定めて、その使用を停止させられる。(消防法第12条第2項)毒物劇物一般販売業登録2027年12月20日毒物及び劇物取締法登録業者が、その有する設備を法令に定める基準に適合させるために監督官庁等から命じられた措置を取らない場合や、規制法令に違反した場合等には、毒物劇物の販売業、製造業、輸入業の登録を取り消し、又は期間を定めて、業務の全部若しくは一部を停止させられる。(毒物及び劇物取締法第19条)毒物劇物製造業登録2029年12月20日毒物劇物輸入業登録2030年7月9日 また、将来において法的規制の強化等がなされ、その対応のための生産コスト等が増大した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (5) 知的財産権等について当社グループの事業分野に関する知的財産権については、特許権を取得しております。当該知的財産については、製品化に至る種々のノウハウと密接不可分の関係にあり、知的財産権を利用されることにより当社グループの業績が重大な影響を受ける可能性は少ないと考えております。しかしながら、万が一類似製品が登場した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。他方、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないよう入念な事前調査を行っておりますが、当社グループの認識の範囲外のことで、これを侵害する可能性があり、これにより、当社グループが第三者と知的財産権をめぐって損害賠償、対価の支払あるいは使用差し止め等を請求され、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 (6) 災害等について 当社グループの生産拠点である本社工場及び上野原第二工場は、山梨県上野原市の工業団地に集中しております。当社グループでは、山梨県南アルプス市に南アルプス事業所及び台湾子会社である三化電子材料股份有限公司において工場を建設する等、生産拠点の分散化に努めておりますが、地震等の自然災害や火災等の事故によって、本社工場と上野原第二工場が同時に被害を受け、設備が壊滅的な損害を被る可能性があります。この場合は当社グループの操業が中断し、生産及び出荷が遅延することにより売上高が低下し、さらに生産拠点等の修復のために多額の費用を要することとなる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

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