事業の概要
- 主要事業の多角化:日本化薬グループは、自動車安全部品、機能性材料、医薬品、農薬など、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の市場変動に左右されにくい安定した収益基盤を築いています。例えば、自動車のエアバッグ部品から、半導体や液晶ディスプレイに使われる化学材料、さらには抗がん剤まで、幅広い分野で製品を提供しています。
- グローバルな事業展開:国内外に多数の子会社や関連会社を持ち、製品・サービスを世界中に供給しています。特にセイフティシステムズ事業では、欧州、中国、メキシコ、マレーシア、米国などに生産拠点を持ち、各地域の自動車メーカーに部品を供給することで、グローバルなサプライチェーンを構築しています。
- 研究開発型ビジネスモデル:各事業領域において、独自の技術やノウハウを活かした高付加価値製品の開発に注力しています。例えば、ファインケミカルズ事業では、エポキシ樹脂やレジスト材料など、最先端の技術を要する製品を提供し、ライフサイエンス事業では、抗悪性腫瘍剤などの医薬品開発を通じて、社会貢献と収益確保の両立を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- モビリティ&イメージング事業領域:この事業は、主に自動車の安全に関わる部品と、液晶ディスプレイやプロジェクター用の部材を提供しています。具体的には、エアバッグ用インフレータやシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータなどのセイフティシステムズ製品と、液晶ディスプレイ用部材などのポラテクノ製品が主力です。最新年度の売上高は913.76億円、営業利益は133.11億円で、同社グループの稼ぎ頭の一つとなっています。
- ファインケミカルズ事業領域:この事業は、エポキシ樹脂やマレイミド樹脂などの機能性材料、インクジェットプリンタ用色素や染料などの色素材料、アクリル酸製造用触媒などの触媒を提供しています。半導体やディスプレイ、インクジェットプリンタなど、幅広い産業分野に貢献しています。最新年度の売上高は662.06億円、営業利益は98.99億円で、高機能な化学製品を通じて安定した収益を上げています。
- ライフサイエンス事業領域:この事業は、抗悪性腫瘍剤や生物学的製剤などの医薬品、殺虫剤や除草剤などのアグロ製品(農薬)、そして不動産賃貸事業で構成されています。人々の健康や食の安全、さらには生活基盤を支える重要な役割を担っています。最新年度の売上高は650.01億円、営業利益は63.54億円で、医薬品開発や農薬提供を通じて社会貢献と収益確保を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MobilityAndImagingBusinessUnitReportableSegment | 地域 | 914 | 133 | 14.6% |
| FineChemicalsBusinessUnitReportableSegment | 地域 | 662 | 99 | 15.0% |
| LifeScienceBusinessUnitReportableSegment | 地域 | 650 | 64 | 9.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】日本化薬グループ(当社グループ)は、日本化薬㈱(当社)、子会社36社、関連会社10社より構成されております。各社当社グループの事業セグメントごとの主要な製品・サービス、及び主要な子会社・関係会社名は次のとおりです。(モビリティ&イメージング事業領域)事業セグメント主要な製品・サービス主要な子会社・関連会社セイフティシステムズエアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、スクイブ・カヤク セイフティシステムズ ヨーロッパ a.s.・化薬(湖州)安全器材有限公司・カヤク セイフティシステムズ デ メキシコ,S.A. de C.V.・カヤク セイフティシステムズ マレーシア Sdn.Bhd.・ニッポンカヤクアメリカ, INC.ポラテクノ液晶ディスプレイ用部材、液晶プロジェクター用部材、X線分析装置部材・無錫宝来光学科技有限公司・モクステック, Inc.・デジマ テック B.V.・デジマ オプティカル フィルムズ B.V.・㈱ポラテクノ・レイスペックLtd. (ファインケミカルズ事業領域)事業セグメント主要な製品・サービス主要な子会社・関連会社機能性材料エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、反応性難燃樹脂、アクリル酸エステル、レジスト用紫外線硬化型樹脂、MEMS用レジスト(液状並びにドライフィルムレジスト)、LCD・半導体用クリーナー、液晶ディスプレイ用シール剤、半導体製造装置(ラミネーター、リムーバー、マウンター、UV照射機)・厚和産業㈱・㈱ニッカファインテクノ・化薬化工(無錫)有限公司・カヤク アドバンスト マテリアルズ, Inc. ・テイコクテーピングシステム㈱色素材料インクジェットプリンタ用色素、インクジェット捺染用染料、産業用インクジェットインク、イメージセンサー用材料、調光ガラス用二色性色素、近赤外線吸収剤、繊維用及び紙用染料、樹脂用着色剤、感熱顕色剤、顔料誘導体(シナジスト)・㈱ニッカファインテクノ・ニッポンカヤクコリア Co., Ltd.・ニッポンカヤク(タイランド)CO., LTD. ・無錫先進化薬化工有限公司・上海化耀国際貿易有限公司触媒アクリル酸製造用触媒、アクロレイン製造用触媒、メタクリル酸製造用触媒・厚和産業㈱ (ライフサイエンス事業領域)事業セグメント主要な製品・サービス主要な子会社・関連会社医薬抗悪性腫瘍剤、生物学的製剤、循環器用剤、光線力学診断用剤、体外診断用医薬品、血管内塞栓材、医薬原薬・中間体、食品添加物、健康食品素材、食品品質保持剤、洗浄除菌剤・日本化薬フードテクノ㈱・台湾日化股份有限公司アグロ殺虫剤、除草剤、殺菌剤、殺ダニ剤、防疫用殺虫剤、土壌殺菌剤、動物忌避剤 不動産不動産賃貸・和光都市開発㈱ 事業の系統
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 原材料高騰が利益低下に繋がる可能性があり、薬価抑制の影響も受けるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 火工品技術、染料系偏光板の一貫開発、次世代高速通信向け材料、新規がん治療薬開発。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:原材料の調達に係るリスク / 製品の品質に係るリスク / 事業環境の変化に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
農薬・医薬中間体分野での長年の研究開発による特許網と、特定のニッチ市場における高い技術力を持つ。特に、農薬原体や機能性化学品分野で独自の地位を確立しており、新規化合物の開発力は競争優位の源泉となっている。
スイッチングコスト★★☆☆☆
医薬中間体や農薬原体は、顧客企業(製薬会社、農薬メーカー)の製造プロセスに組み込まれるため、切り替えには多大な時間とコスト(品質確認、許認可等)がかかる。しかし、代替品の存在や顧客の交渉力によってはスイッチングコストが低下する可能性もある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が働く事業モデルではない。
コスト優位★★☆☆☆
特定の化学品製造プロセスにおいて、長年の経験とノウハウによる効率化が進んでいる可能性がある。しかし、汎用化学品分野では価格競争に晒されるリスクもあり、絶対的なコスト優位性は限定的と考えられる。
規模の経済★★☆☆☆
特定の機能性化学品や農薬中間体分野では一定の生産規模を持つが、化学業界全体で見ると大手と比較して規模の経済性は限定的。ニッチ市場に特化することで、その市場内での効率性を高めている。
- セイフティシステムズの技術力とシェア:自動車のエアバッグ用インフレータやシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータなど、人命に関わる安全部品において高い技術力と信頼性を有しています。これらの製品は自動車の安全性能に直結するため、顧客からの信頼が厚く、安定した需要が見込まれます。
- ファインケミカルズの多様な製品群:エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、レジスト用紫外線硬化型樹脂など、半導体やディスプレイ製造に不可欠な高機能材料を幅広く提供しています。これにより、特定の顧客や製品に依存せず、多様な産業ニーズに対応できる強みを持っています。
- 医薬品事業の専門性と社会貢献:抗悪性腫瘍剤や生物学的製剤など、高度な専門知識と研究開発力を要する医薬品を提供しています。特に、がん治療薬などの開発は、人々の健康に貢献するとともに、高い収益性も期待できる事業領域であり、同社の重要な競争優位性となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針・経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。ただし、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略・経営指標等当社グループの企業ビジョンはKAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」です。また当社グループのありたい姿は、「KAYAKU spiritのもと、存在感をもって、永続的に環境、社会、全てのステークホルダーに幸せやうれしさを提供できる会社であること」です。2022年4月1日に制定したサステナブル経営基本方針に基づき、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスをベースに、事業活動を通じて持続可能な環境と社会の実現に貢献するサステナブル経営を実践しております。このサステナブル経営の実践が、当社グループの経済的価値及び環境・社会的価値を向上し、ありたい姿、またその先のKAYAKU spiritの実現につながると考えております。2022年4月より4ヵ年中期事業計画" KAYAKU Vision 2025(KV25) "をスタートいたしました。モビリティ&イメージング事業領域、ファインケミカルズ事業領域では2025年を、ライフサイエンス事業領域では2030年を「ありたい姿=Vision」の到達点とし、そのゴールに向けてのロードマップを策定しております。本中期事業計画では、そのロードマップを着実に実行し、最終年度の2025年度に売上高2,300億円、営業利益265億円、ROE8%以上、ROIC 10%以上の目標を達成すべく取り組んでおります。そのために、全社重要課題として「新事業・新製品創出」、「気候変動対応」、「DX」、「仕事改革」、「働き方改革」の5つを定めました。これらの課題に対して、全社横断的組織を作り、課題解決に取り組んでおります。「新事業・新製品創出」では、3事業と連携し既存組織の壁を越えて新事業・新製品の創出をより一層加速してまいります。「気候変動対応」では、温室効果ガス排出量削減やカーボンニュートラルの取組目標を設定し、気候変動リスク対策を進めてまいります。「DX」では最新ITを活用し、業務プロセス変革により売上拡大やコストダウンを実現してまいります。「仕事改革」では、A3 (KAIZEN)活動を通した仕事の効率化や生産性向上により資産効率と稼ぐ力を高めてまいります。「働き方改革」では、従業員一人ひとりが活力をもって仕事ができるよう働き方改革と人事制度改革を進め、従業員のエンゲージメントを高めてまいります。これらの取組みと合わせて、各事業のありたい姿到達に向けて、引き続き積極的な研究開発投資と設備投資を続けてまいります。特に新事業・新製品創出はモビリティ、環境エネルギー、エレクトロニクス、ライフサイエンス領域で自社技術にこだわらずオープンイノベーションや製品導入、事業提携、M&Aなどの外部経営資源を取り込むための戦略的投資も精力的に検討してまいります。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当期の世界経済は、底堅い成長を維持しているものの、ロシアのウクライナ侵攻などの地政学リスクや米国新政権の関税の引き上げによる不透明感が続いています。モビリティ&イメージング事業領域においては、グローバルなモビリティ市場の動向に影響を受けます。中国EVメーカーが攻勢を強めるなど構造変化が進んでおりますが、安全性向上や快適さを追求する商品開発のニーズは高く、将来の中長期的な拡大が見込める有望な市場であります。ファインケミカルズ事業領域においては、急速なデジタル技術の進歩により、次世代高速通信(5G/6G)デバイスなどのデジタル機器の高機能化、AIサーバをはじめとするデータセンタ向けサーバの普及拡大及び自動車の高度電装化に伴う半導体関連部材のニーズが高まっております。また、印刷産業においては従来のアナログ印刷からデジタル化が進み、感熱顕色剤分野ではノンフェノール系の材料が求められるなど、環境対応へのニーズが高まっております。 ライフサイエンス事業領域においては、革新的創薬により我が国の健康寿命の延伸に寄与するとともに、医薬品の品質確保・安定供給を通じて、国民が安心して良質な医療を受けられる社会を次世代へと引き継いでいくことが求められています。これらの実現のために、医薬品の研究・開発・製造・供給を迅速かつ安定的に行うことが期待されています。一方で、医療費などの社会保障費の増加により財政が逼迫し、薬剤費を含む医療費の抑制政策がさらに厳しさを増すとともに、持続可能な医療の実現が課題となっています。また、世界人口が増え続け、食の安全保障の重要性が叫ばれる中で、食糧の増産と農業の環境負荷低減の双方に寄与する製品が求められています。これらの実現のために、環境にやさしい優れたアグロケミカルを、その技術・サービスとともに提供し、食糧供給を支え、持続可能な農業の発展に貢献し続けることが求められています。このような状況の中、当社グループは2022年4月より開始した中期事業計画“KAYAKU Vision 2025(KV25)”が3年目に入り、引き続き事業ごとに定めた「ありたい姿=Vision」に向けたロードマップを実行するとともに、ありたい姿実現に向けて定めた全社重要課題に対し取り組みを進めています。 セイフティシステムズ事業では、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ及びスクイブについて、製品ラインアップの拡充と拡販に取り組み、また基盤技術である火薬を生かした新製品の研究開発に注力してまいります。ポラテクノ事業では車載領域で求められるヘッドアップディスプレイ用遮光板、携帯型X線分析装置や電子顕微鏡などに使われるX線分析装置用部材といった特徴ある製品の開発に取り組んでまいります。機能性材料事業では次世代高速通信システム(5G/6G)、AIサーバなどのデータセンタの普及拡大や自動車の高度電装化に向けた基板及び封止用高機能樹脂、炭素繊維強化プラスチック用エポキシ樹脂、半導体クリーナー・製造装置、色素材料事業では産業用インクジェットインクをはじめイメージセンサー用材料、調光ガラス用二色性色素、触媒事業では省エネ・省資源に貢献するアクリル酸やメタクリル酸製造用高収率触媒、脱炭素・水素社会の実現に貢献するグリーン触媒といった特徴ある製品の開発に取り組んでまいります。医薬事業は、肺がんに対するバイオ医薬品「ポートラーザ®」、血液がんに対する「ダルビアス®」、光線力学診断用剤「アラグリオ®」などの新薬の市場浸透を図ります。抗体バイオシミラーと製剤工夫した特徴のあるジェネリック医薬品を含めたがん関連領域での製品ラインアップの拡充と、安定供給、品質保証体制の更なる強化に取り組んでまいります。アグロ事業は、海外を含めたフロメトキン製剤の販売数量拡大に注力し、新規工夫製剤・新規殺虫剤の開発、バイオスティミュラントの開発と導入に取り組んでまいります。 コーポレートガバナンス・コードへの対応をはじめ、グループ経営の強化やコンプライアンスの徹底など内部統制の充実に努め、健全で透明性・公正性の高い経営を実行してまいります。また、女性、外国人、キャリア採用者の活躍促進を含めた人材の育成・活用を推進し、多様な意見が尊重され、働きがいのある、心理的安全性の高い職場を作ってまいります。併せて、2022年4月1日に定めた日本化薬グループ人権方針に則り、全ての取引関係者とともに人権を尊重した責任あるサプライチェーンを築いてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針・経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。ただし、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略・経営指標等当社グループの企業ビジョンはKAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」です。また当社グループのありたい姿は、「KAYAKU spiritのもと、存在感をもって、永続的に環境、社会、全てのステークホルダーに幸せやうれしさを提供できる会社であること」です。2022年4月1日に制定したサステナブル経営基本方針に基づき、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスをベースに、事業活動を通じて持続可能な環境と社会の実現に貢献するサステナブル経営を実践しております。このサステナブル経営の実践が、当社グループの経済的価値及び環境・社会的価値を向上し、ありたい姿、またその先のKAYAKU spiritの実現につながると考えております。2022年4月より4ヵ年中期事業計画" KAYAKU Vision 2025(KV25) "をスタートいたしました。モビリティ&イメージング事業領域、ファインケミカルズ事業領域では2025年を、ライフサイエンス事業領域では2030年を「ありたい姿=Vision」の到達点とし、そのゴールに向けてのロードマップを策定しております。本中期事業計画では、そのロードマップを着実に実行し、最終年度の2025年度に売上高2,300億円、営業利益265億円、ROE8%以上、ROIC 10%以上の目標を達成すべく取り組んでおります。そのために、全社重要課題として「新事業・新製品創出」、「気候変動対応」、「DX」、「仕事改革」、「働き方改革」の5つを定めました。これらの課題に対して、全社横断的組織を作り、課題解決に取り組んでおります。「新事業・新製品創出」では、3事業と連携し既存組織の壁を越えて新事業・新製品の創出をより一層加速してまいります。「気候変動対応」では、温室効果ガス排出量削減やカーボンニュートラルの取組目標を設定し、気候変動リスク対策を進めてまいります。「DX」では最新ITを活用し、業務プロセス変革により売上拡大やコストダウンを実現してまいります。「仕事改革」では、A3 (KAIZEN)活動を通した仕事の効率化や生産性向上により資産効率と稼ぐ力を高めてまいります。「働き方改革」では、従業員一人ひとりが活力をもって仕事ができるよう働き方改革と人事制度改革を進め、従業員のエンゲージメントを高めてまいります。これらの取組みと合わせて、各事業のありたい姿到達に向けて、引き続き積極的な研究開発投資と設備投資を続けてまいります。特に新事業・新製品創出はモビリティ、環境エネルギー、エレクトロニクス、ライフサイエンス領域で自社技術にこだわらずオープンイノベーションや製品導入、事業提携、M&Aなどの外部経営資源を取り込むための戦略的投資も精力的に検討してまいります。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当期の世界経済は、底堅い成長を維持しているものの、ロシアのウクライナ侵攻などの地政学リスクや米国新政権の関税の引き上げによる不透明感が続いています。モビリティ&イメージング事業領域においては、グローバルなモビリティ市場の動向に影響を受けます。中国EVメーカーが攻勢を強めるなど構造変化が進んでおりますが、安全性向上や快適さを追求する商品開発のニーズは高く、将来の中長期的な拡大が見込める有望な市場であります。ファインケミカルズ事業領域においては、急速なデジタル技術の進歩により、次世代高速通信(5G/6G)デバイスなどのデジタル機器の高機能化、AIサーバをはじめとするデータセンタ向けサーバの普及拡大及び自動車の高度電装化に伴う半導体関連部材のニーズが高まっております。また、印刷産業においては従来のアナログ印刷からデジタル化が進み、感熱顕色剤分野ではノンフェノール系の材料が求められるなど、環境対応へのニーズが高まっております。 ライフサイエンス事業領域においては、革新的創薬により我が国の健康寿命の延伸に寄与するとともに、医薬品の品質確保・安定供給を通じて、国民が安心して良質な医療を受けられる社会を次世代へと引き継いでいくことが求められています。これらの実現のために、医薬品の研究・開発・製造・供給を迅速かつ安定的に行うことが期待されています。一方で、医療費などの社会保障費の増加により財政が逼迫し、薬剤費を含む医療費の抑制政策がさらに厳しさを増すとともに、持続可能な医療の実現が課題となっています。また、世界人口が増え続け、食の安全保障の重要性が叫ばれる中で、食糧の増産と農業の環境負荷低減の双方に寄与する製品が求められています。これらの実現のために、環境にやさしい優れたアグロケミカルを、その技術・サービスとともに提供し、食糧供給を支え、持続可能な農業の発展に貢献し続けることが求められています。このような状況の中、当社グループは2022年4月より開始した中期事業計画“KAYAKU Vision 2025(KV25)”が3年目に入り、引き続き事業ごとに定めた「ありたい姿=Vision」に向けたロードマップを実行するとともに、ありたい姿実現に向けて定めた全社重要課題に対し取り組みを進めています。 セイフティシステムズ事業では、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ及びスクイブについて、製品ラインアップの拡充と拡販に取り組み、また基盤技術である火薬を生かした新製品の研究開発に注力してまいります。ポラテクノ事業では車載領域で求められるヘッドアップディスプレイ用遮光板、携帯型X線分析装置や電子顕微鏡などに使われるX線分析装置用部材といった特徴ある製品の開発に取り組んでまいります。機能性材料事業では次世代高速通信システム(5G/6G)、AIサーバなどのデータセンタの普及拡大や自動車の高度電装化に向けた基板及び封止用高機能樹脂、炭素繊維強化プラスチック用エポキシ樹脂、半導体クリーナー・製造装置、色素材料事業では産業用インクジェットインクをはじめイメージセンサー用材料、調光ガラス用二色性色素、触媒事業では省エネ・省資源に貢献するアクリル酸やメタクリル酸製造用高収率触媒、脱炭素・水素社会の実現に貢献するグリーン触媒といった特徴ある製品の開発に取り組んでまいります。医薬事業は、肺がんに対するバイオ医薬品「ポートラーザ®」、血液がんに対する「ダルビアス®」、光線力学診断用剤「アラグリオ®」などの新薬の市場浸透を図ります。抗体バイオシミラーと製剤工夫した特徴のあるジェネリック医薬品を含めたがん関連領域での製品ラインアップの拡充と、安定供給、品質保証体制の更なる強化に取り組んでまいります。アグロ事業は、海外を含めたフロメトキン製剤の販売数量拡大に注力し、新規工夫製剤・新規殺虫剤の開発、バイオスティミュラントの開発と導入に取り組んでまいります。 コーポレートガバナンス・コードへの対応をはじめ、グループ経営の強化やコンプライアンスの徹底など内部統制の充実に努め、健全で透明性・公正性の高い経営を実行してまいります。また、女性、外国人、キャリア採用者の活躍促進を含めた人材の育成・活用を推進し、多様な意見が尊重され、働きがいのある、心理的安全性の高い職場を作ってまいります。併せて、2022年4月1日に定めた日本化薬グループ人権方針に則り、全ての取引関係者とともに人権を尊重した責任あるサプライチェーンを築いてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性によりこれらの見積りと異なる場合があります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当社グループは、2022年度より中期事業計画KV25をスタートしました。事業ごとに定めた「ありたい姿=Vision」に向けたロードマップを実行するとともに、ありたい姿実現に向けて定めた全社重要課題に対し取組みを進めております。 当連結会計年度の連結売上高は、モビリティ&イメージング事業領域、ファインケミカルズ事業領域、ライフサイエンス事業領域の全ての事業領域で前連結会計年度を上回り、2,225億8千4百万円と前連結会計年度に比べ207億9千3百万円(10.3%)増加しました。当社の業績と比べると、当連結会計年度の連結売上高は当社の1.70倍となりました。連結売上総利益は、714億8千2百万円となり、前連結会計年度に比べ101億8千万円(16.6%)増加しました。販売費及び一般管理費は、510億8千万円となり、前連結会計年度に比べ28億8千3百万円(5.3%)減少しました。連結営業利益は、204億1百万円となり、前連結会計年度に比べ130億6千4百万円(178.1%)増加しました。営業利益率は、前連結会計年度に比べ5.5ポイント上昇し、9.2%となりました。営業外損益は、前連結会計年度に比べ33億6千万円減少し、18億6千4百万円の利益となりました。主な営業外損益の減少は為替差益26億9千5百万円であります。連結経常利益は、222億6千6百万円と前連結会計年度に比べ97億4百万円(77.3%)増加しました。特別利益は、前連結会計年度に比べ16億8千6百万円増加し、38億5千8百万円となりました。主な増加は投資有価証券売却益22億2百万円であります。特別損失は、前連結会計年度に比べ34億9百万円減少し、41億1千7百万円となりました。主な減少は減損損失26億4千7百万円、投資有価証券評価損16億8千2百万円であります。税金等調整前当期純利益は、220億7百万円と前連結会計年度と比べ148億1百万円(205.4%)増加しました。法人税等は、前連結会計年度に比べ14億2百万円増加し、44億2千8百万円となりました。法人税等の負担率は、前連結会計年度の41.99%から20.12%に減少しました。非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ3百万円増加し、6千9百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、175億8百万円となり、前連結会計年度と比べ133億9千5百万円(325.6%)増加しました。 経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 セグメントの業績は次のとおりであります。 ①モビリティ&イメージング事業領域売上高は913億7千6百万円となり、前連結会計年度に比べ101億7千4百万円(12.5%)増加しました。セイフティシステムズ事業は、国内は一部大手自動車メーカーでの認証不正問題に伴う影響が解消してきたものの本格的な回復には至らず、エアバッグ用インフレータ及びシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータは前期を下回りました。海外はASEANでは主要市場であるインドネシア・タイの自動車ローン審査の厳格化などにより、自動車販売が低迷しました。一方、中国市場では補助金や様々なインセンティブに支えられ、中国ローカルメーカー向けが好調に推移しました。さらに、円安の進行により売上高が押し上げられたことも加わり、海外はエアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、スクイブが前期を上回りました。この結果、セイフティシステムズ事業全体としては前期を上回りました。ポラテクノ事業は、X線分析装置用部材が堅調に推移したことに加え、円安効果もあり、前期を上回りました。偏光板は前期に実施した一部製品の価格改定の効果もあり、前期を上回りました。この結果、ポラテクノ事業全体としては前期を上回りました。セグメント利益は、両事業の売上高が増加したことにより、133億1千1百万円となり、前連結会計年度に比べ52億8千3百万円(65.8%)増加しました。 ②ファインケミカルズ事業領域売上高は662億6百万円となり、前連結会計年度に比べ91億3千4百万円(16.0%)増加しました。機能性材料事業は、半導体市況の回復によりエポキシ樹脂をはじめ各製品群が堅調に推移し、機能性材料事業全体で前期を上回りました。色素材料事業は、産業用インクジェットインク、コンシューマインクジェットプリンタ用色素及び感熱顕色剤が堅調に推移し、色素材料事業全体で前期を上回りました。触媒事業は大口顧客の触媒交換があったことにより堅調に推移し、前期を上回りました。セグメント利益は、全ての事業の売上高が増加したことにより、98億9千9百万円となり、前連結会計年度に比べ47億1千5百万円(91.0%)増加しました。 ③ライフサイエンス事業領域売上高は650億1百万円となり、前連結会計年度に比べ14億8千3百万円(2.3%)増加しました。医薬事業の国内向け製剤は、抗体バイオシミラー「アダリムマブBS」及び「ベバシズマブBS」の伸長により、薬価改定の影響と前期を下回った国内向け原薬、輸出、受託事業及び診断薬をカバーし、医薬事業全体としては前期並みとなりました。アグロ事業は、国内はファインセーブ®が伸長したことに加え、海外はダイアジノン、フロメトキンが堅調に推移し、前期を上回りました。不動産事業は、前期並みとなりました。セグメント利益は、63億5千4百万円となり、医薬事業のアンハート社(現ニューベーションバイオ社)への契約締結一時金の支払いに伴う販管費の影響を受けた前連結会計年度に比べ、39億4千4百万円(163.7%)増加しました。 (生産、受注及び販売の状況) a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)モビリティ&イメージング事業領域88,335112.6ファインケミカルズ事業領域56,724136.6ライフサイエンス事業領域32,67379.0合計177,733110.2 (注) 生産金額は販売価格をもって算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b. 受注状況当社グループ(当社及び連結子会社)では、受注生産によらず見込み生産を行っているため、該当事項はありません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)モビリティ&イメージング事業領域91,376112.5ファインケミカルズ事業領域66,206116.0ライフサイエンス事業領域65,001102.3合計222,584110.3 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (中期事業計画の成果)4ヵ年中期事業計画KV25の第3年度となる当連結会計年度は、売上高は過去最高の2,225億円、営業利益は204億円となり、売上高は計画を上回りましたが営業利益は計画を下回りました。来期の売上高は計画どおりに伸長する見込みですが、原材料価格の高止まりを始めとしたインフレによるコスト増などにより営業利益につきましては計画との差異が生じており、本中計期間内での数値目標への到達は難しくなりました。しかしながらKV25後を見据えた医薬事業における新薬導入や市場の需要拡大に備えた積極的な設備投資により、進捗の遅れを取り戻し、早期にKV25の数値目標を達成すべく取り組んでまいります。 4ヵ年中期事業計画KV25の第3年度の成果は以下のとおりであります。(単位:億円) 前々連結会計年度前連結会計年度当連結会計年度翌連結会計年度(第1年度)(第2年度)(第3年度)(第4年度)計画実績計画実績計画実績計画比計画(%)計画見通し連結売上高1,9681,9832,0702,0172,1602,22566103.12,3002,346連結営業利益18421520073225204△2190.7265200 (2) 財政状態総資産は3,737億8百万円となり、前期末に比べ105億3千5百万円増加しました。主な増加は建設仮勘定59億7千4百万円、退職給付に係る資産42億9千6百万円、建物及び構築物(純額)41億2千1百万円、商品及び製品33億5千6百万円、受取手形及び売掛金28億4千4百万円、未収入金22億2千万円であり、主な減少は投資有価証券100億8千8百万円、有価証券50億9千万円であります。負債は1,051億8千8百万円となり、前期末に比べ125億6千3百万円増加しました。主な増加は社債140億円、長期借入金28億8千4百万円であり、主な減少は1年内償還予定の社債80億円であります。純資産は2,685億2千万円となり、前期末に比べ20億2千8百万円減少しました。主な増加は利益剰余金35億円、退職給付に係る調整累計額25億1千1百万円であり、主な減少はその他有価証券評価差額金41億3千4百万円、為替換算調整勘定28億1千8百万円であります。 セグメントの財政状態は次のとおりであります。 ①モビリティ&イメージング事業領域セグメント資産は、現金及び預金、売掛金の増加により1,307億9千9百万円となり、前期に比べ66億1千9万円増加しました。 ②ファインケミカルズ事業領域セグメント資産は、商品及び製品、建物及び構築物(純額)、建設仮勘定の増加により944億9千7百万円となり、前期に比べ119億4千2百万円増加しました。 ③ライフサイエンス事業領域セグメント資産は、建設仮勘定の増加により867億2千万円となり、前期に比べ19億5千4百万円増加しました。 (3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、255億3千万円の収入(前期は232億4千2百万円の収入)となりました。これは主に法人税等の支払額が54億1百万円、棚卸資産の増加が49億7千8百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が220億7百万円、減価償却費が139億3千5百万円あったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、273億1千3百万円の支出(前期は194億9百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が292億5千9百万円あったことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、47億5千6百万円の支出(前期は38億2千3百万円の収入)となりました。これは主に社債発行による収入が140億円、長期借入れによる収入が101億円あったものの、社債の償還による支出が80億円、自己株式の取得による支出が78億8千2百万円、配当金の支払額が73億9千5百万円、長期借入金の返済による支出が54億5千3百万円あったことによるものです。以上の結果、当期における現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ68億5千1百万円減少し、579億2千6百万円となりました。 (資本の財源及び資金の流動性)当社グループの財務戦略は、経営目標・事業戦略に基づいて策定しており、事業が将来にわたり持続的に成長できる強い財務基盤を維持することを基本方針としております。資本コストを考慮しながら投資に必要な資金調達を行い、安定的な自己資本比率となる最適な財政状態を常に意識した財務活動を行います。企業ビジョンを実現するため、市場ニーズを的確に捉え、経営資本を投入する事業・製品領域を明確化し、グローバルな成長市場で既存ビジネスの拡大と新事業・新製品の展開を加速させ、企業価値の向上を図ってまいります。また、サステナビリティ経営の観点から特定した重要課題(マテリアリティ)のもと、持続可能な開発目標(SDGs)を意識した運営を行い、全てのステークホルダーの満足を高め信頼される会社を目指します。なお、今後の資本的支出の内容は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 原材料の調達リスク:国家間紛争、政府方針の変更、感染症、異常気象、為替変動などにより、原材料の供給が途絶えたり、価格が高騰したりする可能性があります。特にセイフティシステムズ事業では、部品供給の途絶が自動車製造会社の生産停止につながる恐れがあり、ファインケミカルズ事業では、主要原材料の高騰が利益を圧迫する可能性があります。
- 製品の品質に係るリスク:製品の品質不良が発生した場合、法令に基づく製品回収や工場の操業停止、製造物責任(PL)法に基づく損害賠償が発生する可能性があります。特にセイフティシステムズ事業では、自動車の安全に関わる部品のため、不作動や誤作動が重大な事故につながる恐れがあり、医薬事業では、健康被害が発生するリスクがあります。
- 事業環境の変化に係るリスク:景気変動、貿易摩擦の激化、地政学リスク、競合との競争激化などにより、収益が低下する可能性があります。特にセイフティシステムズ事業では、自動車関税の変更が消費者の購買意欲を低下させ、自動車販売数の減少につながる恐れがあります。医薬事業では、社会保障費の増大に伴う薬価抑制が利益に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの事業を運営するにあたり、発生する可能性のあるリスクを把握し、対策を行うことでリスクの低減に努めております。当社グループの経営状況(経営成績、株価及び財政状態等)に重要な影響を与えうるリスクには重要項目ごとに以下のようなものがあります。ただし、これらは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したもので、将来的に予想を超える事態が発生する場合もあり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。 ① 経営戦略に係るリスク当社グループの経営戦略に係るリスクには、次に示すような経営状況(経営成績、株価及び財政状態等)に直接影響を与える可能性のあるものがあります。番号リスク区分リスク内容主な対策1原材料の調達に係るリスク当社グループの全ての事業に共通のリスクとして、国家間紛争、政府方針の変更、感染症、異常気象、為替変動等があります。これらのリスクによりサプライヤの操業停止や倒産が起こり、原材料の途絶や安定的な入手が困難な状況となると生産に支障をきたし、事業に影響を及ぼす可能性があります。また、主要原材料や隘路原料が高騰することで経営状況に影響を及ぼす可能性があります。セイフティシステムズ事業では、部品供給の途絶により製品供給が滞り、自動車製造会社の生産が停止となる可能性があります。ファインケミカルズ事業領域では、隘路原料等の高騰により当社グループ会社の利益の低下や原料が確保できず生産に支障をきたす可能性があります。医薬事業では、リードタイムが長い輸入製剤において供給が途絶する可能性があります。各事業において複数購買化による原材料の調達を図り、安定的に原材料を確保するように努めています。サプライヤに対して定期的に監査を実施しています。また情報交換を行い、品質や経営状況等を確認しています。セイフティシステムズ事業では、仕入先業況説明会を定期的に開催し、当社製品及び部品の需要動向等の情報を仕入先に積極的に開示しています。また、サプライチェーン途絶等が発生した場合を想定し、グローバルでの供給補完体制の確立、代替サプライヤの発掘や調査を行っています。ファインケミカルズ事業領域では、主要原材料や隘路原料等の市況把握のため、サプライヤと密な情報交換を継続し、定期的な監査を実施し、リスク低減に努めています。医薬事業では、業界内の情報収集を確実に実施し、他社の販売状況、原料・原薬の調達状況等を早めに察知することで、供給途絶の発生の防止に努めています。代替が不可能な製品については、6ヶ月以上の基準を設け戦略的に在庫を持つ等、供給途絶の発生防止に努めています。 番号リスク区分リスク内容主な対策2製品の品質に係るリスク当社グループでは、品質不良等による不具合が発生した場合、法令に基づく製品の回収、工場の操業が停止する可能性があります。また製造物責任(PL)法に基づく損害賠償が発生すると、社会的信頼性の低下等により当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。セイフティシステムズ事業では、製品の品質不良に起因した不作動、誤作動及び異常作動等が発生する可能性があります。ポラテクノ事業では、製造工程時の異物による欠陥や原材料に起因する品質異常が発生する可能性があります。ファインケミカルズ事業領域では、原材料の品質不良や製造工程の不具合等によって、顧客の品質規格を満たさない品質異常が発生する可能性があります。医薬事業では、製品の品質不良に起因した健康被害が発生する可能性があります。各事業領域、事業部の品質保証部門と連携し、新製品だけでなく既存製品についても、有害事象が発生するような品質リスクの高い事象を中心に適切な監視体制が講じられていることを確認しています。セイフティシステムズ事業では、自動車産業向け品質マネジメントシステムIATF16949を適切かつ厳格に運用し、万一品質異常品が発生した場合においても、流出を防止できるよう、項目によっては全数検査を実施する等、製品品質の維持管理に努めています。日系、中資系、韓国系等それぞれ独自要求項目に対応した形で品質維持体制を構築しています。ポラテクノ事業では、ゼロディフェクト活動を推進し、工程異物欠点起因による品質低下を防いでいます。ファインケミカルズ事業領域では、ISO 9001を取得し、事業部門と独立した品質保証本部を設置し、国内3拠点の工場(福山工場、厚狭工場、東京工場)で品質管理と品質保証業務を分離するとともに、サプライヤの監査を強化する等、品質の維持向上に努めています。医薬事業では、高崎工場、医薬研究所にてISO9001及び医療機器・体外診断用医薬品の品質マネジメントシステム規格であるISO13485の統合認証を取得しています。また、薬機法、GMP、法令遵守ガイドラインへの対応を強化し、原料・原薬サプライヤの監査を行い、製造所の製造管理体制の維持向上に努めています。3事業環境の変化に係るリスク当社グループでは、景気変動、貿易摩擦激化、地政学リスク、競合との競争激化等により収益が低下するリスクがあります。特に国内外の関税に関する政策によって直接的、間接的な影響を受ける可能性があります。セイフティシステムズ事業では、米国の自動車関税や相互関税の変更で顧客の輸送コストアップと、車体価格への転嫁が起こり、消費者の購買意欲の低下により自動車の販売数の低下につながり、業績に大きく影響する可能性があります。ファインケミカルズ事業領域では、ターゲットとする情報・通信(半導体等)関連市場の動向が読みづらいため、在庫調整等の影響を大きく受ける可能性があります。また、新製品をタイムリーに提供できないと、収益低下を招く可能性があります。医薬事業では、社会保障費の増大に伴って、医療費、薬価の抑制が行われ、利益減少等、収益に影響が出る可能性があります。アグロ事業では、地政学的な要因による調達リスクにより、収益に大きな影響を与える可能性があります。グローバルなマーケティング活動や顧客先との良好な関係づくりと情報交換を継続し、市場・技術動向を的確に見据えた研究・技術開発を推進し、適正な在庫管理を行っております。セイフティシステムズ事業では、グローバルな生産拠点を有しており、顧客の近傍の工場で生産し、生産拠点の最適化(関税の高い地域から関税の低い地域への移管等)を行うことで、顧客の輸送コストの低減と車体価格への転嫁低減に努めます。ファインケミカルズ事業領域は、グローバルなマーケティング活動や顧客先との良好な関係づくりと情報交換を継続し、市場・技術動向を的確に見据えた研究・技術開発を推進します。また中国のグループ会社を活用し、中国内での製造、製品の自製化を展開します。医薬事業では、継続的なコストダウンを実施するとともに、イノベーションが高く評価される新薬の開発を推進し、事業の安定を図ります。アグロ事業では、主力製品の原材料調達先において原料調達先のカントリーリスクを考慮し、複数国に調達先を分散することで原料確保についてのリスクの軽減を図ります。 番号リスク区分リスク内容主な対策4事故発生に係るリスク当社グループでは、国内外の多数の生産拠点において、生産活動を行っており、設備トラブルやヒューマンエラー等による事故が発生すると、生産に影響を及ぼす可能性があります。特に工場における安全管理上の不備が原因により火災や爆発等の重篤な災害が発生すると、行政からの処分による長期的な生産停止、操業停止等による販売機会の逸失や顧客への供給責任不履行または近隣住民からの苦情、損害賠償請求やマスコミ報道により社会的な信用失墜を招く可能性があります。セイフティシステムズ事業では、火薬類を製品に使用しているため、火薬の発火事故等が発生する可能性があります。アグロ事業では、物流事故による、製品の漏洩の可能性があります。当社グループでは、「安全をすべてに優先させる」取組みを共通の認識とし、国内だけでなく海外現地の法令遵守をはじめとする環境・安全に関わる事故災害の未然防止を図るよう当社グループの従業員全員でレスポンシブル・ケア活動を進めています。30秒巡視及び定点観察による不安全行動の顕在化に重点を置いた安全衛生活動、リスクアセスメントに重点を置いた中央環境安全衛生診断を推進しています。懸念事項が発生した場合には、速やかに該当部署に状況確認を行うとともに情報共有をしております。緊急事態が発生した場合は、中央対策本部を設置し、適切な対応ができるような体制を整えています。また、当社グループ全体をカバーする保険の付与等の対策を行い、損害賠償請求等に備えております。セイフティシステムズ事業では、火薬技術者を社内で独自に育成しています。また、火薬保安委員会にて技術レベルを向上させ安全を確保する活動を継続しています。設備の新設等で実施する安全審査等を通じ、事前に潜在的なリスクを洗い出し対策を行い、事故の発生防止を徹底しています。アグロ事業では、物流事故により製品が漏洩した想定での訓練を定期的に実施しています。5研究開発に係るリスク当社グループにとって新製品の開発の遅れ、技術的な要因による上市の遅れは、競争力の低下や収益の低下につながり、将来の事業計画へ影響を及ぼす可能性があります。セイフティシステムズ事業では、現行製品のコストダウン、より高性能かつ安価な新型インフレータ、新規デバイス等の開発が遅れる事により販売数量が未達成となり利益を確保できない可能性があります。ファインケミカルズ事業領域では、主要分野である情報・通信分野の技術革新が速く、製品のライフサイクルが短くなる傾向にあるため、新技術・新製品の開発の遅れや他社による画期的な技術革新のため、顧客ニーズを満足させる新製品をタイムリーに提供できないことにより、収益低下を招く可能性があります。医薬事業では、毎年薬価改定により新製品のスケジュール通りの開発・上市が必須となっており、上市の遅延は経営状況に大きな影響を与える可能性があります。アグロ事業では、有効な研究テーマが創出されず、開発テーマが枯渇し、将来の事業部の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。学会・展示会等に積極的に参加し、周辺技術を含めた最先端の技術動向を組織的に把握し、共有化しています。国内外のアカデミアとの共同開発を行い、先端技術の導入を図ります。セイフティシステムズ事業では、開発に必要な要員を確保し、毎月の開発会議及び定期所属長ミーティング等で進捗を確認しています。進捗の遅れがみられる場合には、その原因となる事柄についての善後策を即時講じ、事業部全体で解決します。ファインケミカルズ事業領域では、グローバルなマーケティング活動や顧客先との良好な関係づくりと情報交換を継続し、市場・技術動向を的確に見据えた研究・技術開発を推進します。中長期的な成長につながる新規事業創出に向けたテーマ探索・研究開発を継続して進めます。医薬事業では、開発品、導入品の研究開発計画、スケジュール管理について更なる厳格化を図っていきます。加えて中長期のパイプラインの充足を図るべくアライアンス活動等も積極的に行っていきます。アグロ事業では、海外市場も含めた探索テーマを整理し、新製品テーマの進捗を加速します。積極的に社外から研究テーマを取り入れ、テーマの多様化と充実化を図ります。 番号リスク区分リスク内容主な対策6規制・政策の変更に係るリスク当社グループは、事業を営む各国の法令等に従って、事業活動を行っております。将来における法令、規制及び政策等の制定及び変更による当社グループの事業活動の制限やコストの増加により、当社グループの経営又は事業に重要な影響を与える可能性があります。セイフティシステムズ事業では、各国の火薬類・危険物・隘路原料の輸送及び生産、使用に対する規制が大きく変化する可能性があります。ファインケミカルズ事業領域では、様々な規制が大きく変化した場合、その手続きに時間を要し、原材料や当社製品の輸出入が途絶あるいは遅延が発生することで製品の維持・販売に影響が出る可能性があります。医薬事業では、医療制度や健康保険に関わる行政施策により薬価の引き下げによる利益減少等、収益に影響が出る可能性があります。アグロ事業では、農薬取締法等国内外の法令による規制強化により、製品の維持・販売に影響が出る可能性があります。官報等の定期的な確認と社内やグループ会社への周知、必要に応じた教育の実施、顧問弁護士及びコンサルティング会社との緊密な相談並びに各国のグループ会社の担当者との連携を通じて、法令の制定及び改正に係る情報を迅速に入手可能な環境を整備し、法令遵守に応じた組織体制を構築します。セイフティシステムズ事業では、可能な限り使用する拠点で製造、調達を行い、火薬・危険物・隘路原料輸送に伴うリスクの軽減に努め、インド・中国等、新たな原料類調達先の開拓を進めます。ファインケミカルズ事業領域では、国内外の法令、規制等の改正動向を把握し、輸出先顧客への現地法令に関する適切な情報提供を推進し確実に法対応を実施します。医薬事業では、原価低減やコスト削減活動を推進するとともにバイオシミラー製剤や新規GE抗がん薬の開発により、ラインアップの拡充を図ります。アグロ事業では、農薬取締法において当局との調整を適正に行い、評価に対応できる資料・データを準備します。7関税政策の変更及び為替レート変動に係るリスク当社グループの海外売上比率は、過半数を超えております。国内製品の原材料も、海外のサプライヤから多く購入しています。そのため関税政策の変更は、当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に対米関税の引き上げや新たな関税措置が実施された場合、当社の輸出入コストが増加するため競争力が低下し、収益性の悪化や市場シェアの減少が予測され、追加のコストや運営上の課題が発生する可能性があります。また、在外連結子会社の財務諸表項目は、連結財務諸表作成のために円換算されています。為替レートが大きく変動すると、経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループの海外での事業や輸出に関連した取引において、複数の国に販売・生産拠点を設け、関税の影響を受けにくい製品やサービスの開発・提供を検討します。また最新の関税情報を収集し、適切な対応策を講じます。為替レートの急激な変動に対して外貨建の売買取引額のバランスを取り、必要に応じて為替予約を活用する等により、リスクを最小限にすべく努めております。8知的財産に係るリスク他社の知的財産権(特許・商標・著作権)侵害や特許出願の遅延により、競合会社に技術優位を握られ、販売の差し止めや損害賠償等により経営に重要な影響を与える可能性があります。他社による当社の知的財産権侵害により遺失利益が発生する可能性があります。当社による他社の知的財産権の侵害に対しては、他社特許情報を収録したデータベースを活用し、事業部・研究所とともに特定テーマの他社特許の監視を行います。特許会議を開催し監視体制のチェックを行い、懸念のある特許権、またはその可能性のある公開公報の発見に努めています。また、研究所や事業部との会議等で知財リテラシーや感度を向上させるための知財教育を実施しています。他社による当社の知的財産権侵害に対しては、事業部・研究所と知財部で対応策を検討し、必要に応じ弁護士等と打合せを行い適切に対応します。各研究所と知財部が連携し、電子承認化システムの活用による出願社内手続の円滑化を図り、発明を速やかにキャッチアップし、早期出願に努めます。 番号リスク区分リスク内容主な対策9情報漏洩に係るリスク当社グループでは、事業活動において機密データを含む財務情報、技術情報や個人情報等は、電子情報を含む様々な形式で蓄積・利用しています。ハッカーやコンピュータウイルスによる攻撃並びに情報を管理するシステム及びネットワークにアクセスできる者による不正使用・誤用等によって、機密データの漏洩や業務の中断が生じ、法的請求、訴訟や賠償責任等が発生し、経営成績や財務状況に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、危機管理委員会内に組織された情報リスク管理部会が情報セキュリティリスク全般に関して活動を推進しています。システム関連では、自社ネットワークと外部ネットワークとの間にファイアウォール等を設置し、不正なアクセスを防止するとともに、外部からの不審なメールをチェックし、排除しています。役員や従業員に対しては、それぞれ対象とする情報セキュリティ教育や標的型攻撃メール訓練を行い、情報セキュリティのリテラシー向上や適切な情報の取扱に努めています。 10コンピュータシステムの停止に係るリスク当社では、コンピュータシステムを使用して購買・生産・出荷及び決算の業務を行っています。そのため、コンピュータシステムの予期せぬ障害や災害発生並びにサイバー攻撃等により、コンピュータシステムが一時的に使用不能な状態になってしまい事業活動や決算業務が停止し経営に重要な影響を与える可能性があります。当社のコンピュータシステムは、ハードウェアを専用のデータセンタに設置し、二重化や仮想化及び遠隔地へのデータ退避等により可用性を高めることで、万が一システム障害が発生した場合でも、コンピュータシステムに大きな影響を与えないようリスク管理に努めています。サイバー攻撃に備えて社内デバイスにEDRソリューションを導入するとともに、SOCによる24時間365日体制でのアラート検知を行っており、攻撃の早期検知と初動対応が可能なように体制を構築しています。 ②自然災害・気候変動対応に係るリスク 当社グループの考える自然災害・気候変動対応に係るリスクには人的、物的被害が生じ、事業継続に影響を与え、経営戦略に著しく影響を与える可能性があるものがあります。番号リスク区分リスク内容主な対策11自然災害に係るリスク地震、台風や洪水等による大規模な自然災害が発生した場合、当社の工場・研究所・事業所や倉庫等の施設の稼働が停止する可能性があります。また、物流の途絶等により当社製品の供給に影響を及ぼす可能性があります。上越工場(ポラテクノ事業)は、豪雪地帯にあり、冬季の豪雪災害による操業停止の可能性があります。東京工場、厚狭工場(FC事業)や高崎工場(医薬事業)は、河川に面しており河川氾濫による水害リスクがあります。福山工場(FC事業)や鹿島工場(アグロ)は、臨海工業団地にありライフライン停止や津波の被害が想定されます。当社では地震や台風等による自然災害に備え事業継続(BCP)マニュアル等を策定し、定期的な見直しや計画的な訓練を実施しています。また、災害等の発生に備え適正安全在庫や調達先との緊密な連携による原材料の確保や複数購買化を推進しています。セイフティシステムズ事業では、世界に5か所の生産拠点を持ち、グローバルな供給補完体制を確立しています。ファインケミカルズ事業領域では、製造委託先とのアライアンス等による複数生産拠点化を行い、製造委託先のリスク管理を行っています。また、各工場の設備老朽化対策を計画的に実施しています。医薬事業では、東西に物流センターを配置し災害発生時は効率的に運用し安定供給に備えています。12気候変動対応に係るリスク地球温暖化等に起因して、大規模な自然災害の発生や発生頻度が多くなるような場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、炭素税導入による原材料費高騰や外部支払費用のアップ、CO2削減義務の強化に伴う設備投資費アップ等による利益圧縮等によって、当社グループの経営状況に影響をもたらす可能性があります。気候変動対応に関する顧客からの要望に応えられないことや取組不足による信用失墜やイメージダウンを招く可能性もあります。気候変動に関する国際的な最新動向を把握し、CO2の明確な削減目標・計画を設定し、投入資源のムダや、使用エネルギーのムダを見える化し削減するための手法(MFCA)を展開して、温室効果ガスの排出の削減を進めます。炭素税導入を見据えたサプライヤの選定を行い、グリーン調達を推進し、環境負荷低減と製品の付加価値の増大を図ります。また、成果の大きい改善対策について海外グループ会社への水平展開を図ります。また、当社の気候変動対応を適切に開示するため、TCFDの提言に賛同し、要求事項に沿った開示を推進します。 ③コンプライアンスに係るリスク当社グループの考えるコンプライアンスに係るリスクには、次に示すような企業の予期せぬ損失や信用の失墜を招く恐れがあります。番号リスク区分リスク内容主な対策13法令違反等コンプライアンスに係るリスク当社グループは、事業を営む各国の法令等に従って、事業活動を行っています。また、当社グループの多岐にわたる事業活動の対象となる各種法令の最新要求事項の見逃しや、対応の失念放置によって、法令遵守を維持できない状況に陥る可能性があります。これに関連して、第三者機関等から指摘による処分や、被害者等から重要な訴訟の提起により、経営または事業に重要な影響を及ぼす可能性があります。一方、事業環境の厳しさ等により、製品の差別化要求、販売スケジュールや製品納期の切迫及び業績目標達成圧力等に関連した不正が発生する可能性があります。また、世代間や社員の多様性による価値観の相違により、ハラスメント等の法令違反が発生する可能性もあります。当社グループ及び委託先等で不正行為を含め重大な法令違反が発生した場合、取引の中止や信頼の低下により経営に重要な影響を及ぼす可能性があります。事業活動に関わる各種法令の遵守、契約条件の綿密な検討及び内容の明確化並びに相手方との誠実な協議等により、紛争の発生を未然に防ぐように努めています。また、重要な訴訟の提起や状況に関する報告が迅速かつ確実になされる仕組みを構築し、当社グループの担当者や弁護士等と連携し、訴訟等に対応する体制を維持します。訴訟に備えて、リスクをカバーする適切なPL保険や会社役員賠償責任保険等に加入しています。倫理委員会を設置し、活動を通じてコンプライアンス違反を未然に防ぐよう努めております。従業員に対して、コンプライアンス・ホットラインと称する内部通報窓口を社内・社外に設置、また会社のホームページ上で、お取引先からの問合せ窓口を公開し、法令違反や不正行為などコンプライアンス違反の未然防止並びに早期発見・早期解決に努めています。また、コンプライアンス研修、意識調査等を実施して事業活動に関連する法令等が遵守されるよう当社グループでは取り組んでいます。