3 【事業の内容】当社グループは、2010年10月に入退室管理システムおよび監視カメラシステムの本格販売を開始して以降、入退室管理システム、監視カメラシステムを中心としたセキュリティシステム構築における最適化を柱に着実に事業規模を拡大してまいりました。従来、企業におけるセキュリティは「生命と財産の保全」を主目的として位置付けられてきましたが、2010年以降のSNS普及により、「信用」や「評判」といった無形資産の保全も重要な経営課題となっています。加えて、IT人材の不足や基幹システムの老朽化を背景としたDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした「従業員の健康管理」など、企業が対応すべきセキュリティの領域は大きく拡張してまいりました。これらを背景に、セキュリティはあらゆる企業にとって、いまや不可欠な経営基盤の一つとなっております。一方で、企業が直面する経営課題は、組織体制、事業内容、拠点構成、取り扱う情報資産等により大きく異なり、求められるセキュリティ対策の範囲や水準も多様化しています。従来のセキュリティシステムは、導入そのものによる犯罪抑止効果が中心でしたが、近年では新たな脅威(リスク)への対応やDX推進の観点から、導入後の運用を含めた高度化が求められております。その結果、複数のデバイス間の互換性確保や、膨大なデータを扱うネットワークシステムの安定性とコストの両立、顔認証などのAI(画像認識)技術の適切な実装といった課題が顕在化しています。こうした環境下において、当社グループは「SECURE AC(=Access Control:入退室管理システム)」「SECURE VS(=Video Surveillance:監視カメラシステム)」「SECURE Analytics(画像解析サービス)」という3つのサービスを中核に、顧客ニーズに応じたデバイスとソフトウェアを組み合わせたワンストップ型のソリューションを提供しております。これにより、中小企業から大企業まで幅広い顧客基盤を有し、2025年12月時点で13,000社以上の導入実績を有しております。また、当社グループでは、入退室管理システムにおける顔認証システムや、監視カメラシステムの一部サービスにAI(画像認識)の技術を活用しており、外部パートナーから調達した最適なAIアルゴリズムと自社のシステム構築ノウハウを組み合わせることで、システム構築から導入・施工、アフターフォローまで一貫したソリューションを提供しております。また、2010年のBtoB事業への転換以降、物理セキュリティ分野におけるAI(画像認識)技術の研究開発を継続しており、運用を前提とした最適化を通じて、より付加価値の高いサービスの提供を可能としております。これらのAI(画像認識)技術を実装した物理セキュリティシステムは、防犯の高度化や不正行為の抑止にとどまらず、行動分析による業務改善、マーケティングリサーチ、店舗における省人化・省力化、イベント会場等における本人確認など、セキュリティ領域を超えた用途への展開が可能です。当社グループでは、顧客の業種・業態や多様なニーズに応じてこれらの技術を最適化し、付加価値の高いソリューションとして提供しております。当社グループの強みは、物理セキュリティシステム導入にかかる一連のプロセスを一気通貫で提供できる点にあり、これまで多くのエンドユーザーやパートナー企業からの信認を得てまいりました。今後も、顔認証、行動分析、人検出、群衆解析等のテクノロジーを既存サービスに付加し、物理セキュリティシステムとAI(画像認識)技術を掛け合わせた「安心」「安全」とプラスアルファの価値を提供することにより、顧客企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援し、広く社会課題の解決に貢献してまいります。 (1)当社グループが提供するサービスの内容当社グループが提供する具体的なサービスの内容は以下の通りとなります。 種類 商品・サービス主な特徴SECURE AC入退室管理システムオンプレミス型入退室管理システムIP(※1)ベースのオンプレミス型入退室管理システム。顔・指紋・カード・モバイルなど多様なID認証デバイスをサーバーで一元管理し、小規模から大規模まで柔軟に拡張可能。さらに、ビル管理・警備システムとの連動に加え、APIを介して勤怠管理をはじめとする社内システムや他社システムとも連携でき、施設のセキュリティレベルに応じたフレキシブルな運用を支援。クラウド型入退室管理システムSECURE AI Office Baseセキュリティレベルを強化しつつ、利便性高く運用できるSaaS型のクラウド入退室管理システム。フリーアドレスやサテライトオフィスなど新しいワークスタイルに対応し、AI(画像認識)による事前登録者の入退室管理に加え、勤怠管理・在室管理など幅広い管理機能を提供。さらに、測温による健康管理、オフィスの稼働状況/混雑度の可視化、勤怠状況の分析、AIを活用した表情分析など、多角的なデータ分析が可能。SECURE VS監視カメラシステムオンプレミス型監視カメラシステム幅広い製品群でクライアントの課題を解決する、オンプレミス型の監視カメラシステム。アナログカメラ、IPカメラ、レコーダーなど多様なラインナップを揃え、規格の異なるカメラも統合して運用可能。カメラ4台の小規模構成から10万台超の大規模システムまで構築・運用が可能。さらに、転倒・うろつき・滞留・エリア侵入・混雑の把握、ゾーン/ラインカウント、プライバシーマスキング、ラインクロス等の検知が可能な専用デバイスも提供。AI 検知・通知プラットフォームGUARD-FORCE Standard「環境」と「従業員」をAIでリアルタイムに双方向接続する統合プラットフォーム。カメラ映像をAI解析し、顔認識AIやIoT制御の検知・接点入力をトリガーにクラウドへデータを収集。発生した異常や検知結果を、Buddycom(※2)インカムへ音声(読上げ)・テキスト(チャット)・映像で一斉通知し、現場の状況共有と初動対応を迅速化。また、侵入検知・転倒検知・滞在検知・人物カウント・車両検知・駐車場管理など「数十項目」の検知に対応し、防犯防災の高度化と省人化、従業員の安全性向上、特定人物/逸脱行動の早期検知によるサービス品質向上、既存監視カメラの有効活用までを一体で支援。クラウド型監視カメラシステムSECURE VS Cloudクラウド型映像監視サービス。SaaS型で初期費用を抑えて導入でき、カメラ・録画をクラウドで柔軟に拡張。多拠点をブラウザ/モバイルアプリで一括管理し、AI検知のイベント通知、AI検索で必要シーンを迅速抽出。権限設定やアラート履歴共有で運用を省力化し、現場対応を高速化。顔認証システムFace Tracker AI顔認証技術を採用した監視カメラ用顔認証ソリューション。登録人物、非登録人物を識別し、外部への通知と顔情報を管理する。顔認証によるログ検知によって勤怠管理にも応用可能。 種類 商品・サービス主な特徴SECURE Analytics画像解析サービス客数情報解析アプリケーションVemcountAI(画像認識)専用ステレオカメラで施設の入退場者、滞留人数を正確に計測するサービス。ダッシュボードによる多拠点一括管理が可能。領域制限やアラート出力も可能。混雑見える化ソリューション混雑カウントAI(画像認識)専用ステレオカメラによって人数を計測し、5段階のアイコン表示で混雑具合を見える化するサービス。一般利用者向けにWebサイトにて各種施設(温泉・商業施設等)の混雑具合を表示させたり、従業員向けに社内ポータルサイト等にてカフェ・食堂等の混雑度をリアルタイムで表示することが可能。運営開始後は蓄積した混雑度のデータを解析し、1週間の混雑度予測も可能。 ※1IP:インターネットプロトコルの略であり、インターネット上で情報のやり取りをする際の通信方式※2Buddycom:「Buddycom」は株式会社サイエンスアーツの登録商標 (2)当社グループの事業の特徴①優れた研究開発力当社グループでは、AI(画像認識)技術と物理セキュリティを掛け合わせた高付加価値なシステムの創出を目的として、「Security System Lab」「SECURE AI STORE LAB2.0」の2つのラボ(研究開発施設)に加え、韓国京畿道城南市に子会社「SECURE KOREA, Inc.」を保有し、研究開発に取り組んでおります。 a 「Security System Lab」(最適化に向けたシステム研究)物理セキュリティシステムは、メーカーの異なる多数のセキュリティデバイスやソフトウェア、サーバー、ネットワーク機器を組み合わせて構成される高度に複雑なシステムであり、ITネットワークの設計に加え、建築・施工に関する専門知識も求められます。また、物理セキュリティシステムの導入に際しては、適切なデバイスの選定やAI(画像認識)の実装方法について、非常に幅広い分野のテクニカルスキルおよびノウハウが必要となり、デバイスの設置位置や設定方法によって認証精度は大きく左右されます。当社グループの「Security System Lab」では、こうした多数の構成要素を前提に、顧客が求めるパフォーマンス、安定性およびコストの最適なバランスを実現するシステム構成の研究を行っております。これらの研究開発の成果を最大限に活かすことが可能なデバイスと組み合わせることにより、多様な顧客ニーズに対応した最適化されたセキュリティシステムの構築を可能としております。AI(画像認識)を活用したサービス(顔認証による入退室管理システムおよびVSの一部サービス)においては、顧客のニーズに応じたAIアルゴリズムについて、性能、コスト、安定性の観点から評価・検証を行い、それを搭載するのに最適なデバイスを選定した上で調達し、AI(画像認識)を実装したアプリケーションの開発を行っております。併せて、こうして最適化されたセキュリティシステムを、物理セキュリティシステム導入にかかる一連のソリューションとして提案できる専門人材の育成についても本Labにて取り組んでおります。また近年では、店舗や公共の空間における不審行動検知や盗撮行為の抑止・検知といった新たな社会課題に対応するセキュリティソリューションの研究開発にも注力しております。これらの取り組みにより、当社グループは、AIアルゴリズムの選定からシステム設計、導入・施工、アフターフォローまでを一気通貫で提供できる体制を構築しており、多くのエンドユーザーおよびパートナー企業から高い信認を得ております。 b 「SECURE AI STORE LAB2.0」(レジレス・無人決済店舗の研究)「SECURE AI STORE LAB2.0」では、従来使用していた重量センサーや赤外線センサーを使用せず、監視カメラ映像のみを活用して、誰がどんな商品を手に取ったかをAI(画像認識)により認識し、レジ操作を伴わずに決済が完了し、そのまま退店できるレジレス店舗の実験運用を行っております。当該AIの開発においては、実際の店舗環境で取得したデータを用いた学習が不可欠であることから、実験運用を通じて得られるデータ等を基に、実用性の高いAIモデルの開発を進めております。これにより、無人店舗ソリューションの高度化にとどまらず、リテール企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に資する商品・サービスの開発にも取組んでおります。 AI STORE LABの全景 c 「SECURE KOREA, Inc.」(新たなサービスの開発)「SECURE KOREA, Inc.」は、当社グループの技術力強化および新たなサービスの開発を目的として、2020年3月に韓国京畿道城南市に設立した研究開発子会社です。「SECURE KOREA, Inc.」には、顔認証技術や映像解析などの分野においてグローバル水準の高度な知見と経験を有する技術者を配置しており、日本国内の「Security System Lab」や「SECURE AI STORE LAB2.0」と連携しながら、当社グループ全体の新たなサービスの開発に取組んでおります。近年の主な研究開発成果としては「GUARD-FORCE Standard」が挙げられます。この「GUARD-FORCE Standard」は、AI画像解析やセキュリティセンサー、設備機器などの接点入力と、株式会社サイエンスアーツが提供するライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」とを連携することで、常駐警備のDX化や、店舗・工場における安全管理およびマーケティングにも資する新しい形のセキュリティソリューションです。30項目以上の検知が可能なSECURE AI BOXの侵入者検知および特定方向姿勢検知カウント機能を活用し、立入禁止区域への侵入や不審行動、車両や人の混雑状況、設備異常等のイベントを音声・テキスト・画像で即時に通知できる新システムとして、2024年7月よりサービスの提供を開始いたしました。 ②顔認証などのAI(画像認識)技術の最適化当社グループでは、AI(画像認識)技術の代表例である顔認証技術を、カメラなど多数の物理デバイスにおいて最適化して実装することで、高度な認証制度と実運用性を両立したソリューションを提供しております。具体的には、特定の人物の顔特徴を分析して映像から顔を検出し、属性情報を解析した結果をリアルタイムに通知することで入退室管理システムをはじめとする多様な用途に対応しております。当社グループが提供する顔認証ソリューションは、ビジュアルベース(2D認証)とIRベース(3D認証)の2つの方式を採用しています。<ビジュアルベース(2D認証)>・撮影した画像から「輪郭」や「目・鼻・口」といったパーツの位置関係を計測し、その情報をテンプレート化することで登録されている人物との照合を行う方式<IRベース(3D認証)>・ビジュアルベースの情報に加え、赤外線カメラを用いて顔の凹凸等の奥行き情報をデータ化し、より高精度に登録されている人物との照合を行う方式 当社グループでは、これらの顔認証に用いるアルゴリズムを外部から調達・選択し、物理セキュリティシステムに最適化して実装することで、より高付加価値のセキュリティシステムとして提供しております。その結果、AI顔認証関連商品は、ライセンス・デバイスを合わせて2025年12月末時点で11,630件(うちライセンスは約18%)の導入実績を有しており、入退室管理用途における顔認証の市場シェアは2024年実績で50.0%、2025年見込みで50.8%(数量ベース)となっております(出典:富士経済「DXを実現するセキュリティ関連システム・ソリューション市場の将来展望2025」)。 ③顧客ニーズに合わせた付加価値の高いサービスの提供当社グループでは、単一的なサービスの提供に限らず、顧客の多様なニーズに応じて、複数のシステムや機能を組み合わせた高付加価値サービスを提供しております。例えば、入退室管理システムの導入においては、顔認証による施錠管理に加え、勤怠管理、健康管理、オフィス混雑度の見える化などの機能を組み合わせ、顧客ごとの運用や目的に応じた柔軟なソリューションを実現しております。このようなソリューション提供を通じて、当社グループのサービスは、中小企業から大企業に至るまで、幅広い顧客層に採用されております。 ④販売パートナーとの連携当社グループでは、直接エンドユーザーへの直接販売に加え、幅広い業種の販売パートナー(代理店)企業との連携による間接販売を展開しております。これらの販売パートナーが有する顧客基盤を活用した代理販売を展開していることも大きな特徴であり、販売パートナー経由の売上は全体の約9割を占めております。販売パートナーは、オフィスデザイン会社・警備会社・OA機器販売会社等、企業におけるオフィス移転や設備更新といった情報を早期に把握できる業種を中心に構成されております。こうした幅広い販売パートナー網の構築により、需要の迅速な把握と提案機会の拡大を図るとともに、顧客ニーズに応じたソリューション提案を可能とし、高い競争優位性に繋がっております。今後も、こうした販売パートナーの新規開拓、および既存パートナーとの関係強化を積極的に展開し、効率的かつ強力な営業基盤を維持・拡大し続けてまいります (3)事業系統図の概要当社グループの事業系統図を図式化すると、下記の通りとなります。
FY2024|6,819 文字|出典 docID: S100VGMJ
3 【事業の内容】当社グループは、2010年10月に入退室管理システムおよび監視カメラシステムの本格販売を開始して以降、入退室管理システム、監視カメラシステムを中心としたセキュリティシステム構築における最適化を柱に着実に事業規模を拡大してまいりました。一昔前の企業におけるセキュリティの定義とは「生命と財産の保全」でした。しかしながら、2010年以降、SNSの普及によって企業は新たに「信用や評判」なども守らなければならない重要な要素となるとともに、IT人材の不足や基幹システムの老朽化に対処するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)への取組みが、喫緊の経営課題となってまいりました。さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって「従業員の健康管理」も企業にとって重要なセキュリティ要素として付け加わりました。これらを踏まえ、セキュリティはあらゆる企業にとって、これまで以上に必要不可欠なものとなっております。一方、「これらのリスクから如何に守るのか?」という経営課題への対応は、企業毎に組織や物理的ロケーション、取扱う商品・サービスや技術、重要な情報などがそれぞれ異なるので、対策すべき領域やレベルもそれぞれに異なります。過去において、セキュリティシステムは導入すること自体で犯罪に対する抑止効果を得られ、一定程度の効果を発揮してきましたが、昨今における新たな脅威(リスク)から企業を守るとともにDXを追求していくためには、そのセキュリティシステムの運用を強化することが求められており、そのため企業からのニーズも一層多様なものとなってきております。そうしたニーズに対応できるセキュリティシステムは非常に複雑なものとなっておりシステム導入の主な課題として、様々なデバイスで構成されるセキュリティシステムの互換性をどのように担保すればよいのか、膨大なデータ量が流れるネットワークシステムの安定性とコストをどのように両立させるのか、顔認証などのAI(画像認識)をどのようにセキュリティシステムに実装するのがよいかといった課題があります。そうした中で、当社グループでは「SECURE AC(=Access Control:入退室管理システム)」「SECURE VS(=Video Surveillance:監視カメラシステム)」「SECURE Analytics(画像解析サービス)」という3つのサービスを各社のニーズに合ったデバイスとソフトウェアを組み合わせてワンストップで提供することで中小企業から大企業まで幅広い顧客(2024年12月末時点で11,000社以上)へ販売しております。また入退室管理システムにおける顔認証システムや、監視カメラシステムの一部サービスにはAI(画像認識)の技術を使用しており、当社グループではデバイスとの組み合わせで最適なAIアルゴリズムを外部から調達しAI(画像認識)の実装を含めたシステム構築、導入・施工、アフターフォローまでの一気通貫したソリューションを提供しております。また当社グループでは、2010年にBtoB事業に転換した時からAI(画像認識)技術を監視カメラ等の物理セキュリティシステムに実装し最適化して提供する研究開発を行っており、システム構築の最適化と掛け合わされることでAI(画像認識)の運用効果を高め、より付加価値の高いサービスとして提供することが可能となっております。例えば、顔認証や人物の行動分析などを行うことにより、犯罪の早期発見や予知などに役立てることが可能となるように、こうしたAI(画像認識)技術を実装した物理セキュリティシステムは、防犯の高度化を追求する一方で、単なる防犯という意味のセキュリティのみならず、業務の分析やマーケティングリサーチ、店舗におけるレジ等の省力化、イベント会場等での本人確認など、セキュリティ以外の様々な分野に応用が可能であり、当社グループでは、こうした顧客の多様なニーズに合わせて最適化したソリューションとして提供しております。また、物理セキュリティシステム導入にかかる一連のソリューションを一気通貫で提供できることが大きな強みであり、多くのエンドユーザーやパートナー企業の皆さまより信認を得ているものと考えております。今後も、従来からの当社グループの強みである前述のサービスに顔認証、人の行動分析、人検出、群衆解析のテクノロジーを付加し、物理セキュリティシステムとAI(画像認識)技術を掛け合わせた「安心」「安全」とプラスアルファの価値を提供することにより、顧客企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みを積極的にサポートすることを通じて、広く社会に貢献してまいります。 (1)当社グループが提供するサービスの内容当社グループが提供する具体的なサービスの内容は以下の通りとなります。 種類 商品・サービス主な特徴SECURE AC入退室管理システムオンプレミス型入退室管理システムIP(※1)ベースのオンプレ型入退室管理システム。カード認証又はAI(画像認識)を活用した顔認証・指紋認証等のID認証リーダーとサーバーのみの構成で拡張性に優れ、小規模から大規模まで対応が可能。クラウド型入退室管理システムSECURE AI Office Baseオフィスのフリーアドレス化やサテライトオフィスの活用等、新しいワークスタイルを実現するクラウド型入退室管理システム。AI(画像認識)を活用して事前登録を行った社員の入退室管理の他、測温による健康管理や勤怠管理、オフィスの稼働状況、混雑度、勤怠状況、勤務時の表情等様々な分析が可能。SECURE VS監視カメラシステムオンプレミス型監視カメラシステム幅広い製品群からクライアントの課題を解決するオンプレミス型監視カメラシステム。アナログカメラ、IPカメラ、レコーダーなど多種多様なラインナップを揃えており、異なる規格のカメラであっても統合して運用することが可能。カメラ4台から10万台を超える大規模システムまで構築運用が可能。監視カメラの映像を分析する専用デバイスも提供。AI 検知・通知プラットフォームGUARD-FORCE StandardAI画像解析やセキュリティセンサー、設備機器などの接点入力と、株式会社サイエンスアーツが提供するライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom(※2)」とを連携することで常駐警備のDX化、店舗や工場での安全管理やマーケティングにも役立つ新しい形のセキュリティソリューション。30項目以上の検知が可能なSECURE AI BOXの侵入者検知や特定方向姿勢検知カウント機能を活用することで、立入禁止区域への侵入や不審行動、車両や人の混雑状況や設備異常等のイベントを音声やテキスト・画像で即時通知が可能。クラウド型監視カメラシステムSECURE VSaaS初期導入費用を抑え、必要に応じて拡張が可能な小規模向けクラウド型監視カメラシステム。モバイルやPCで高画質な映像を確認することができ、14日間から90日間の録画プランを提供。防犯としての活用方法以外にも各店舗・事業所の業務遂行状況を本社で確認する等、一括管理も可能。顔認証システムFace Tracker AI顔認証技術を採用した監視カメラ用顔認証ソリューション。登録人物、非登録人物を識別し、外部への通知と顔情報を管理する。顔認証によるログ検知によって勤怠管理にも応用可能。 種類 商品・サービス主な特徴SECURE Analytics画像解析サービス客数情報解析アプリケーションVemcountAI(画像認識)専用ステレオカメラで施設の入退場者、滞留人数を正確に計測するサービス。ダッシュボードによる多拠点一括管理が可能。領域制限やアラート出力も可能。混雑見える化ソリューション混雑カウントAI(画像認識)専用ステレオカメラによって人数を計測し、5段階のアイコン表示で混雑具合を見える化するサービス。一般利用者向けにWebサイトにて各種施設(温泉・商業施設等)の混雑具合を表示させたり、従業員向けに社内ポータルサイト等にてカフェ・食堂等の混雑度をリアルタイムで表示することが可能。運営開始後は蓄積した混雑度のデータを解析し、1週間の混雑度予測も可能。 ※1IP:インターネットプロトコルの略であり、インターネット上で情報のやり取りをする際の通信方式※2Buddycom:「Buddycom」は株式会社サイエンスアーツの登録商標 (2)当社グループの事業の特徴①優れた研究開発力当社グループでは「Security System Lab」と「SECURE AI STORE LAB2.0」という2つのラボ(研究開発施設)と、韓国京畿道城南市に「SECURE KOREA, Inc.」を保有し、AI(画像認識)技術と物理セキュリティを掛け合わせたシステムの価値を向上させるための研究開発を行なっております。 a 「Security System Lab」(最適化に向けたシステム研究)物理セキュリティシステムは、それぞれメーカーの違う多数のセキュリティデバイスやソフトウェア・サーバー・ネットワーク機器を用いて構成される非常に複雑なシステムです。また、設置するためにはITネットワークの設計だけでなく、建築・施工のノウハウも必要となります。さらに、物理セキュリティシステムを導入する際に適したデバイスの選定やシステムへのAI(画像認識)の実装方法は、非常に幅広い分野のテクニカルスキル・ノウハウを要し、デバイスの設置位置や設定方法ひとつで認証精度は大きく変化します。当社グループの「Security System Lab」では、無数にある物理セキュリティシステムの構築パターンから、顧客が求めるパフォーマンス・安定性・コストなどを考慮の上で最適化されたシステムの研究に取組んでおります。これらの研究開発の成果を最大限に発揮できるデバイスと組み合わせることにより、多様な顧客ニーズに対応可能な最適化されたセキュリティシステムの構築が可能となっております。AI(画像認識)を活用するサービス(顔認証による入退室管理システムおよびVSの一部サービス)においては、顧客のニーズに合ったAIアルゴリズムの性能・コスト・安定性を考慮・研究・評価し、それを搭載するのに最適なデバイスを選定した上でこれらを調達、AI(画像認識)を実装したアプリケーション開発を行っております。また同時に、こうした最適化されたセキュリティシステムを物理セキュリティシステム導入にかかる一連のソリューションとして提案できる専門人材の育成についても本Labにて実施しております。その結果、当社グループでは、AIアルゴリズムの調達からAI(画像認識)の実装を含めたシステム設計、導入・施工、アフターフォローまでの一気通貫で提供することを可能としており、多くのエンドユーザーやパートナー企業の皆さまより信認を得ているものと考えております。 b 「SECURE AI STORE LAB2.0」(レジレス・無人決済店舗の研究)「SECURE AI STORE LAB2.0」では、従来使用していた重量センサーや赤外線センサーを使用せずに、監視カメラ映像のみで誰がどんな商品を手に取ったかをAI(画像認識)が認識し、レジ操作無くそのまま退店できるレジレス店舗の実験運用を行っております。当該AIの開発にあたっては、無人化店舗が実際に利用されるロケーションにて獲得されたデータを基に学習させる必要があります。当社グループの「SECURE AI STORE LAB2.0」では、実験運用を行うことで獲得するデータ等を基に実際のリテールのシーンで活用可能なAIの開発のみならず、リテール企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)のための商品開発にも取組んでおります。 AI STORE LABの全景 c 「SECURE KOREA, Inc.」(新たなサービスの開発)「SECURE KOREA, Inc.」は、当社グループの技術を活用した新たなサービスの開発を行うため、韓国京畿道城南市に2020年3月に設立した子会社です。グローバルな視点における顔認証技術に関する最先端かつ高度な知識と経験を有する技術者を配置して、当社グループの技術を活用した新たなサービスの開発に取組んでおり、直近の研究開発内容としては「GUARD-FORCE Standard」が挙げられます。この「GUARD-FORCE Standard」はAI画像解析やセキュリティセンサー、設備機器などの接点入力と、株式会社サイエンスアーツが提供するライブコミュニケーションプラットフォーム「Buddycom」とを連携することで常駐警備のDX化、店舗や工場での安全管理やマーケティングにも役立つ新しい形のセキュリティソリューションであり、30項目以上の検知が可能なSECURE AI BOXの侵入者検知や特定方向姿勢検知カウント機能を活用することで、立入禁止区域への侵入や不審行動、車両や人の混雑状況や設備異常等のイベントを音声やテキスト・画像で即時通知が可能な新システムで、2024年7月よりサービスの提供を開始いたしました。 ②顔認証などのAI(画像認識)技術の最適化当社グループでは、AI(画像認識)の代表的な技術である顔認証技術をカメラ等の多数の物理的なデバイスにおいて最適化することで、特定の人物の特徴を分析して映像から顔を検出し、属性の分析を行い、その結果をリアルタイムに通知することで様々なソリューションを提供しております。なお、当社グループで取扱っている顔認証のソリューションは、ビジュアルベース(2D認証)とIRベース(3D認証)の2つの方式を採用しています。<ビジュアルベース(2D認証)>・撮影した画像から「輪郭」や「目・鼻・口」といったパーツの位置関係を計測・計測した顔をテンプレート化して、それを基に登録されている個人かどうかを特定する方式<IRベース(3D認証)>・ビジュアルベースに加え、赤外線カメラによって顔の凹凸など奥行き情報をデータ化して、登録されている人物かどうかを特定する方式 当社グループでは、こうした顔認証に用いるアルゴリズムを外部から調達・選択し、最適化した上で物理セキュリティシステムに実装することで、より高い付加価値のあるセキュリティシステムとして提供しています。その結果、AI顔認証関連の商品はライセンス・デバイスを合わせて2024年12月末時点で9,933件(うちライセンスは約20%程度)の導入実績があり、入退室管理用途の顔認証シェアは2022年実績で48.6%、2023年見込みで50.2%(数量ベース)となっております(出典:富士経済「DXを実現するセキュリティ関連技術・市場の将来展望2023」)。 ③顧客ニーズに合わせた付加価値の高いサービスの提供当社グループでは、単一的なサービスの提供に限らず、顧客の多様なニーズに沿った付加価値の高いサービスを提供することが可能となっております。例えば、入退室管理システムの導入においては、顔認証による扉の施錠管理のみならず、扉の開閉に連動した勤怠管理や、顔認証による測温等の健康管理、監視カメラシステムと連動したオフィスの混雑度の見える化など、物理セキュリティシステムの導入に係る顧客ニーズを解決するための一連のソリューションとして提供することが可能となっているため、その結果として多くの中小企業から大企業に至るまで、幅広い顧客層から選ばれているものと考えております。 ④販売パートナーとの連携当社グループでは、当社が直接エンドユーザーに接触する直販のみならず、幅広い業種の販売パートナー(代理店)企業を有しており、これらの販売パートナーが有する顧客基盤に対しての代理販売を展開していることも大きな特徴であり、販売パートナー経由での売上比率は約9割を占めております。オフィスデザイン会社・警備会社・OA機器販売会社等、企業におけるオフィス移転などの情報を瞬時に感知できる業種を中心に幅広い販売パートナー網を構築することにより、迅速かつ広範な需要の発掘と提案機会の拡大、迅速なソリューションの提案と高い競争優位性を確保することが可能となっております。今後も、こうした販売パートナーの発掘・深耕を積極的に展開し、効率的かつ強力な営業基盤を維持・拡大し続けてまいります。 (3)事業系統図の概要当社グループの事業系統図を図式化すると、下記の通りとなります。
FY2023|6,488 文字|出典 docID: S100T4L3
3 【事業の内容】当社グループは、2010年10月に入退室管理システムおよび監視カメラシステムの本格販売を開始して以降、入退室管理システム、監視カメラシステムを中心としたセキュリティシステム構築における最適化を柱に着実に事業規模を拡大してまいりました。一昔前の企業におけるセキュリティの定義とは「生命と財産の保全」でした。しかしながら、2010年以降、SNSの普及によって企業は新たに「信用や評判」なども守らなければならない重要な要素となるとともに、IT人材の不足や基幹システムの老朽化に対処するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)への取組みが、喫緊の経営課題となってまいりました。さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって「従業員の健康管理」も企業にとって重要なセキュリティ要素として付け加わりました。これらを踏まえ、セキュリティはあらゆる企業にとって、これまで以上に必要不可欠なものとなっております。一方、「これらのリスクから如何に守るのか?」という経営課題への対応は、企業毎に組織や物理的ロケーション、取扱う商品・サービスや技術、重要な情報などがそれぞれ異なるので、対策すべき領域やレベルもそれぞれに異なります。過去において、セキュリティシステムは導入すること自体で犯罪に対する抑止効果を得られ、一定程度の効果を発揮してきましたが、昨今における新たな脅威(リスク)から企業を守るとともにDXを追求していくためには、そのセキュリティシステムの運用を強化することが求められており、そのため企業からのニーズも一層多様なものとなってきております。そうしたニーズに対応できるセキュリティシステムは非常に複雑なものとなっておりシステム導入の主な課題として、様々なデバイスで構成されるセキュリティシステムの互換性をどのように担保すればよいのか、膨大なデータ量が流れるネットワークシステムの安定性とコストをどのように両立させるのか、顔認証などのAI(画像認識)をどのようにセキュリティシステムに実装するのがよいかといった課題があります。そうした中で、当社グループでは「SECURE AC(=Access Control:入退室管理システム)」「SECURE VS(=Video Surveillance:監視カメラシステム)」「SECURE Analytics(画像解析サービス)」という3つのサービスを各社のニーズに合ったデバイスとソフトウェアを組み合わせてワンストップで提供することで中小企業から大企業まで幅広い顧客(2023年12月末時点で9,900社以上)へ販売しております。また入退室管理システムにおける顔認証システムや、監視カメラシステムの一部サービスにはAI(画像認識)の技術を使用しており、当社グループではデバイスとの組み合わせで最適なAIアルゴリズムを外部から調達しAI(画像認識)の実装を含めたシステム構築、導入・施工、アフターフォローまでの一気通貫したソリューションを提供しております。また当社グループでは、2010年にBtoB事業に転換した時からAI(画像認識)技術を監視カメラ等の物理セキュリティシステムに実装し最適化して提供する研究開発を行っており、システム構築の最適化と掛け合わされることでAI(画像認識)の運用効果を高め、より付加価値の高いサービスとして提供することが可能となっております。例えば、顔認証や人物の行動分析などを行うことにより、犯罪の早期発見や予知などに役立てることが可能となるように、こうしたAI(画像認識)技術を実装した物理セキュリティシステムは、防犯の高度化を追求する一方で、単なる防犯という意味のセキュリティのみならず、業務の分析やマーケティングリサーチ、店舗におけるレジ等の省力化、イベント会場等での本人確認など、セキュリティ以外の様々な分野に応用が可能であり、当社グループでは、こうした顧客の多様なニーズに合わせて最適化したソリューションとして提供しております。また、物理セキュリティシステム導入にかかる一連のソリューションを一気通貫で提供できることが大きな強みであり、多くのエンドユーザーやパートナー企業の皆さまより信認を得ているものと考えております。今後も、従来からの当社グループの強みである前述のサービスに顔認証、人の行動分析、人検出、群衆解析のテクノロジーを付加し、物理セキュリティシステムとAI(画像認識)技術を掛け合わせた「安心」「安全」とプラスアルファの価値を提供することにより、顧客企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みを積極的にサポートすることを通じて、広く社会に貢献してまいります。 (1)当社グループが提供するサービスの内容当社グループが提供する具体的なサービスの内容は以下の通りとなります。 種類 商品・サービス主な特徴SECURE AC入退室管理システムオンプレミス型入退室管理システムIP(※)ベースのオンプレ型入退室管理システム。カード認証又はAI(画像認識)を活用した顔認証・指紋認証等のID認証リーダーとサーバーのみの構成で拡張性に優れ、小規模から大規模まで対応が可能。クラウド型入退室管理システムSECURE AI Office Baseオフィスのフリーアドレス化やサテライトオフィスの活用等、新しいワークスタイルを実現するクラウド型入退室管理システム。AI(画像認識)を活用して事前登録を行った社員の入退室管理の他、測温による健康管理や勤怠管理、オフィスの稼働状況、混雑度、勤怠状況、勤務時の表情等様々な分析が可能。のぞき見防止ソフト顔認証覗き見ブロッカーパソコンのぞき見(ショルダーハッキング)による情報漏えいをブロックするAI顔認証ソリューション。登録者以外の顔を検知すると画面をロックし操作中の情報の機密性を担保する。パソコンへのアクセスをコントロールするという概念から、SECURE ACとして分類。SECURE VS監視カメラシステムオンプレミス型監視カメラシステム幅広い製品群からクライアントの課題を解決するオンプレミス型監視カメラシステム。アナログカメラ、IPカメラ、レコーダーなど多種多様なラインナップを揃えており、異なる規格のカメラであっても統合して運用することが可能。カメラ4台から10万台を超える大規模システムまで構築運用が可能。監視カメラの映像を分析する専用デバイスも提供。クラウド型監視カメラシステムSECURE VSaaS初期導入費用を抑え、必要に応じて拡張が可能な小規模向けクラウド型監視カメラシステム。モバイルやPCで高画質な映像を確認することができ、14日間から90日間の録画プランを提供。防犯としての活用方法以外にも各店舗・事業所の業務遂行状況を本社で確認する等、一括管理も可能。顔認証システムFace Tracker AI顔認証技術を採用した監視カメラ用顔認証ソリューション。登録人物、非登録人物を識別し、外部への通知と顔情報を管理する。顔認証によるログ検知によって勤怠管理にも応用可能。SECURE Analytics画像解析サービス客数情報解析アプリケーションVemcountAI(画像認識)専用ステレオカメラで施設の入退場者、滞留人数を正確に計測するサービス。ダッシュボードによる多拠点一括管理が可能。領域制限やアラート出力も可能。混雑見える化ソリューション混雑カウントAI(画像認識)専用ステレオカメラによって人数を計測し、5段階のアイコン表示で混雑具合を見える化するサービス。一般利用者向けにWebサイトにて各種施設(温泉・商業施設等)の混雑具合を表示させたり、従業員向けに社内ポータルサイト等にてカフェ・食堂等の混雑度をリアルタイムで表示することが可能。運営開始後は蓄積した混雑度のデータを解析し、1週間の混雑度予測も可能。 ※IP:インターネットプロトコルの略であり、インターネット上で情報のやり取りをする際の通信方式 (2)当社グループの事業の特徴①優れた研究開発力当社グループでは「Security System Lab」と「SECURE AI STORE LAB2.0」という2つのラボ(研究開発施設)と、韓国京畿道城南市に「SECURE KOREA, Inc.」を保有し、AI(画像認識)技術と物理セキュリティを掛け合わせたシステムの価値を向上させるための研究開発を行なっております。 a 「Security System Lab」(最適化に向けたシステム研究)物理セキュリティシステムは、それぞれメーカーの違う多数のセキュリティデバイスやソフトウェア・サーバー・ネットワーク機器を用いて構成される非常に複雑なシステムです。また、設置するためにはITネットワークの設計だけでなく、建築・施工のノウハウも必要となります。さらに、物理セキュリティシステムを導入する際に適したデバイスの選定やシステムへのAI(画像認識)の実装方法は、非常に幅広い分野のテクニカルスキル・ノウハウを要し、デバイスの設置位置や設定方法ひとつで認証精度は大きく変化します。当社グループの「Security System Lab」では、無数にある物理セキュリティシステムの構築パターンから、顧客が求めるパフォーマンス・安定性・コストなどを考慮の上で最適化されたシステムの研究に取組んでおります。これらの研究開発の成果を最大限に発揮できるデバイスと組み合わせることにより、多様な顧客ニーズに対応可能な最適化されたセキュリティシステムの構築が可能となっております。AI(画像認識)を活用するサービス(顔認証による入退室管理システムおよびVSの一部サービス)においては、顧客のニーズに合ったAIアルゴリズムの性能・コスト・安定性を考慮・研究・評価し、それを搭載するのに最適なデバイスを選定した上でこれらを調達、AI(画像認識)を実装したアプリケーション開発を行っております。また同時に、こうした最適化されたセキュリティシステムを物理セキュリティシステム導入にかかる一連のソリューションとして提案できる専門人材の育成についても本Labにて実施しております。その結果、当社グループでは、AIアルゴリズムの調達からAI(画像認識)の実装を含めたシステム設計、導入・施工、アフターフォローまでの一気通貫で提供することを可能としており、多くのエンドユーザーやパートナー企業の皆さまより信認を得ているものと考えております。 b 「SECURE AI STORE LAB2.0」(レジレス・無人決済店舗の研究)「SECURE AI STORE LAB2.0」では、従来使用していた重量センサーや赤外線センサーを使用せずに、監視カメラ映像のみで誰がどんな商品を手に取ったかをAI(画像認識)が認識し、レジ操作無くそのまま退店できるレジレス店舗の実験運用を行っております。当該AIの開発にあたっては、無人化店舗が実際に利用されるロケーションにて獲得されたデータを基に学習させる必要があります。当社グループの「SECURE AI STORE LAB2.0」では、実験運用を行うことで獲得するデータ等を基に実際のリテールのシーンで活用可能なAIの開発のみならず、リテール企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)のための商品開発にも取組んでおります。 AI STORE LABの全景 c 「SECURE KOREA, Inc.」(新たなサービスの開発)「SECURE KOREA, Inc.」は、当社グループの技術を活用した新たなサービスの開発を行うため、韓国京畿道城南市に2020年3月に設立した子会社です。グローバルな視点における顔認証技術に関する最先端かつ高度な知識と経験を有する技術者を配置して、当社グループの技術を活用した新たなサービスの開発に取組んでおり、直近の研究開発内容としては「SECURE AI Office Base」が挙げられます。この「SECURE AI Office Base」は、AI(画像認識)を活用したクラウド型の入退室管理システムであり、既存のオンプレミス型入退室管理システムにはなかったリモートによるオフィスの入退室状況・混雑状況の把握や従業員の出退勤および在籍管理・健康管理(体温・表情等)までを一元的に管理できる新システムで、2020年9月よりサービスの提供を開始いたしました。 ②顔認証などのAI(画像認識)技術の最適化当社グループでは、AI(画像認識)の代表的な技術である顔認証技術をカメラ等の多数の物理的なデバイスにおいて最適化することで、特定の人物の特徴を分析して映像から顔を検出し、属性の分析を行い、その結果をリアルタイムに通知することで様々なソリューションを提供しております。なお、当社グループで取扱っている顔認証のソリューションは、ビジュアルベース(2D認証)とIRベース(3D認証)の2つの方式を採用しています。<ビジュアルベース(2D認証)>・撮影した画像から「輪郭」や「目・鼻・口」といったパーツの位置関係を計測・計測した顔をテンプレート化して、それを基に登録されている個人かどうかを特定する方式<IRベース(3D認証)>・ビジュアルベースに加え、赤外線カメラによって顔の凹凸など奥行き情報をデータ化して、登録されている人物かどうかを特定する方式 当社グループでは、こうした顔認証に用いるアルゴリズムを外部から調達・選択し、最適化した上で物理セキュリティシステムに実装することで、より高い付加価値のあるセキュリティシステムとして提供しています。その結果、AI顔認証関連の商品はライセンス・デバイスを合わせて2023年12月末時点で7,982件(うちライセンスは約26%程度)の導入実績があり、入退室管理用途の顔認証シェアは2022年実績で48.6%、2023年見込みで50.2%(数量ベース)となっております(出典:富士経済「DXを実現するセキュリティ関連技術・市場の将来展望2023」)。 ③顧客ニーズに合わせた付加価値の高いサービスの提供当社グループでは、単一的なサービスの提供に限らず、顧客の多様なニーズに沿った付加価値の高いサービスを提供することが可能となっております。例えば、入退室管理システムの導入においては、顔認証による扉の施錠管理のみならず、扉の開閉に連動した勤怠管理や、顔認証による測温等の健康管理、監視カメラシステムと連動したオフィスの混雑度の見える化など、物理セキュリティシステムの導入に係る顧客ニーズを解決するための一連のソリューションとして提供することが可能となっているため、その結果として多くの中小企業から大企業に至るまで、幅広い顧客層から選ばれているものと考えております。 ④販売パートナーとの連携当社グループでは、当社が直接エンドユーザーに接触する直販のみならず、幅広い業種の販売パートナー(代理店)企業を有しており、これらの販売パートナーが有する顧客基盤に対しての代理販売を展開していることも大きな特徴であり、販売パートナー経由での売上比率は約9割を占めております。オフィスデザイン会社・警備会社・OA機器販売会社等、企業におけるオフィス移転などの情報を瞬時に感知できる業種を中心に幅広い販売パートナー網を構築することにより、迅速かつ広範な需要の発掘と提案機会の拡大、迅速なソリューションの提案と高い競争優位性を確保することが可能となっております。今後も、こうした販売パートナーの発掘・深耕を積極的に展開し、効率的かつ強力な営業基盤を維持・拡大し続けてまいります。 (3)事業系統図の概要当社グループの事業系統図を図式化すると、下記の通りとなります。
FY2022|6,427 文字|出典 docID: S100QFXK
3 【事業の内容】当社グループは、2010年10月に入退室管理システム及び監視カメラシステムの本格販売を開始して以降、入退室管理システム、監視カメラシステムを中心としたセキュリティシステム構築における最適化を柱に着実に事業規模を拡大してまいりました。一昔前の企業におけるセキュリティの定義とは「生命と財産の保全」でした。しかしながら、2010年以降、SNSの普及によって企業は新たに「信用や評判」なども守らなければならない重要な要素となるとともに、IT人材の不足や基幹システムの老朽化に対処するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)への取組みが、喫緊の経営課題となってまいりました。さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって「従業員の健康管理」も企業にとって重要なセキュリティ要素として付け加わりました。これらを踏まえ、セキュリティはあらゆる企業にとって、これまで以上に必要不可欠なものとなっております。一方、「これらのリスクから如何に守るのか?」という経営課題への対応は、企業毎に組織や物理的ロケーション、取扱う商品・サービスや技術、重要な情報などがそれぞれ異なるので、対策すべき領域やレベルもそれぞれに異なります。過去において、セキュリティシステムは導入すること自体で犯罪に対する抑止効果を得られ、一定程度の効果を発揮してきましたが、昨今における新たな脅威(リスク)から企業を守るとともにDXを追求していくためには、そのセキュリティシステムの運用を強化することが求められており、そのため企業からのニーズも一層多様なものとなってきております。そうしたニーズに対応できるセキュリティシステムは非常に複雑なものとなっておりシステム導入の主な課題として、様々なデバイスで構成されるセキュリティシステムの互換性をどのように担保すればよいのか、膨大なデータ量が流れるネットワークシステムの安定性とコストをどのように両立させるのか、顔認証などのAI(画像認識)をどのようにセキュリティシステムに実装するのがよいかといった課題があります。そうした中で、当社グループでは「SECURE AC(=Access Control:入退室管理システム)」「SECURE VS(=Video Surveillance:監視カメラシステム)」「SECURE Analytics(画像解析サービス)」という3つのサービスを各社のニーズに合ったデバイスとソフトウェアを組み合わせてワンストップで提供することで中小企業から大企業まで幅広い顧客(2022年12月末時点で8,000社以上)へ販売しております。また入退室管理システムにおける顔認証システムや、監視カメラシステムの一部サービスにはAI(画像認識)の技術を使用しており、当社グループではデバイスとの組み合わせで最適なAIアルゴリズムを外部から調達しAIの実装を含めたシステム構築、導入・施工、アフターフォローまでの一気通貫したソリューションを提供しております。また当社グループでは、2010年にBtoB事業に転換した時からAI(画像認識)技術を監視カメラ等の物理セキュリティシステムに実装し最適化して提供する研究開発を行っており、システム構築の最適化と掛け合わされることでAI(画像認識)の運用効果を高め、より付加価値の高いサービスとして提供することが可能となっております。例えば、顔認証や人物の行動分析などを行うことにより、犯罪の早期発見や予知などに役立てることが可能となるように、こうしたAI(画像認識)技術を実装した物理セキュリティシステムは、防犯の高度化を追求する一方で、単なる防犯という意味のセキュリティのみならず、業務の分析やマーケティングリサーチ、店舗におけるレジ等の省力化、イベント会場等での本人確認など、セキュリティ以外の様々な分野に応用が可能であり、当社グループでは、こうした顧客の多様なニーズに合わせて最適化したソリューションとして提供しております。また、物理セキュリティシステム導入にかかる一連のソリューションを一気通貫で提供できることが大きな強みであり、多くのエンドユーザーやパートナー企業の皆さまより信認を得ているものと考えております。今後も、従来からの当社グループの強みである前述のサービスに顔認証、人の行動分析、人検出、群衆解析のテクノロジーを付加し、物理セキュリティシステムとAI(画像認識)技術を掛け合わせた「安心」「安全」とプラスアルファの価値を提供することにより、顧客企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みを積極的にサポートすることを通じて、広く社会に貢献してまいります。 (1)当社グループが提供するサービスの内容当社グループが提供する具体的なサービスの内容は以下の通りとなります。 種類 商品・サービス主な特徴SECURE AC入退室管理システムオンプレミス型入退室管理システムIP(※)ベースのオンプレ型入退室管理システム。カード認証又はAI(画像認識)を活用した顔認証・指紋認証等のID認証リーダーとサーバーのみの構成で拡張性に優れ、小規模から大規模まで対応が可能。クラウド型入退室管理システムSECURE AI Office Baseオフィスのフリーアドレス化やサテライトオフィスの活用等、新しいワークスタイルを実現するクラウド型入退室管理システム。AI(画像認識)を活用して事前登録を行った社員の入退室管理の他、測温による健康管理や勤怠管理、オフィスの稼働状況、混雑度、勤怠状況、勤務時の表情等様々な分析が可能。のぞき見防止ソフト顔認証覗き見ブロッカーパソコンのぞき見(ショルダーハッキング)による情報漏えいをブロックするAI顔認証ソリューション。登録者以外の顔を検知すると画面をロックし操作中の情報の機密性を担保する。パソコンへのアクセスをコントロールするという概念から、SECURE ACとして分類。SECURE VS監視カメラシステムオンプレミス型監視カメラシステム幅広い製品群からクライアントの課題を解決するオンプレミス型監視カメラシステム。アナログカメラ、IPカメラ、レコーダーなど多種多様なラインナップを揃えており、異なる規格のカメラであっても統合して運用することが可能。カメラ4台から10万台を超える大規模システムまで構築運用が可能。監視カメラの映像を分析する専用デバイスも提供。クラウド型監視カメラシステムSECURE VSaaS初期導入費用を抑え、必要に応じて拡張が可能な小規模向けクラウド型監視カメラシステム。モバイルやPCで高画質な映像を確認することができ、7日間から90日間の録画プランを提供。防犯としての活用方法以外にも各店舗・事業所の業務遂行状況を本社で確認する等、一括管理も可能。顔認証システムFace Tracker AI顔認証技術を採用した監視カメラ用顔認証ソリューション。登録人物、非登録人物を識別し、外部への通知と顔情報を管理する。顔認証によるログ検知によって勤怠管理にも応用可能。SECURE Analytics画像解析サービス客数情報解析アプリケーションVEMCOUNTAI(画像認識)専用ステレオカメラで施設の入退場者、滞留人数を正確に計測するサービス。ダッシュボードによる多拠点一括管理が可能。領域制限やアラート出力も可能。混雑見える化ソリューション混雑カウントAI(画像認識)専用ステレオカメラによって人数を計測し、5段階のアイコン表示で混雑具合を見える化するサービス。一般利用者向けにWebサイトにて各種施設(温泉・商業施設等)の混雑具合を表示させたり、従業員向けに社内ポータルサイト等にてカフェ・食堂等の混雑度をリアルタイムで表示することが可能。運営開始後は蓄積した混雑度のデータを解析し、1週間の混雑度予測も可能。 ※IP:インターネットプロトコルの略であり、インターネット上で情報のやり取りをする際の通信方式 (2)当社グループの事業の特徴①優れた研究開発力当社グループでは「Security System Lab」と「SECURE AI STORE LAB」という2つのラボ(研究開発施設)と、韓国京畿道城南市に「SECURE KOREA, Inc.」を保有し、AI(画像認識)技術と物理セキュリティを掛け合わせたシステムの価値を向上させるための研究開発を行なっております。 a 「Security System Lab」(最適化に向けたシステム研究)物理セキュリティシステムは、それぞれメーカーの違う多数のセキュリティデバイスやソフトウェア・サーバー・ネットワーク機器を用いて構成される非常に複雑なシステムです。また、設置するためにはITネットワークの設計だけでなく、建築・施工のノウハウも必要となります。さらに、物理セキュリティシステムを導入する際に適したデバイスの選定やシステムへのAI(画像認識)の実装方法は、非常に幅広い分野のテクニカルスキル・ノウハウを要し、デバイスの設置位置や設定方法ひとつで認証精度は大きく変化します。当社グループの「Security System Lab」では、無数にある物理セキュリティシステムの構築パターンから、顧客が求めるパフォーマンス・安定性・コストなどを考慮の上で最適化されたシステムの研究に取組んでおります。これらの研究開発の成果を最大限に発揮できるデバイスと組み合わせることにより、多様な顧客ニーズに対応可能な最適化されたセキュリティシステムの構築が可能となっております。AI(画像認識)を活用するサービス(顔認証による入退室管理システム及びVSの一部サービス)においては、顧客のニーズに合ったAIアルゴリズムの性能・コスト・安定性を考慮・研究・評価し、それを搭載するのに最適なデバイスを選定した上でこれらを調達⇒AIを実装したアプリケーション開発を行っております。また同時に、こうした最適化されたセキュリティシステムを物理セキュリティシステム導入にかかる一連のソリューションとして提案できる専門人材の育成についても本Labにて実施しております。その結果、当社グループでは、AIアルゴリズムの調達からAIの実装を含めたシステム設計、導入・施工、アフターフォローまでの一気通貫で提供することを可能としており、多くのエンドユーザーやパートナー企業の皆さまより信認を得ているものと考えております。 b 「SECURE AI STORE LAB(無人店舗)」(さらなるAI(画像認識)活用方法の研究)「SECURE AI STORE LAB」では、当社グループの入退室管理システムと監視カメラシステムを応用することで、顔認証によって手ぶらで買物ができる次世代型無人化店舗の実験運用を行っております。当該AIの開発にあたっては、無人化店舗が実際に利用されるロケーションにて獲得されたデータを基に学習させる必要があります。当社グループの「SECURE AI STORE LAB」では、実験運用を行うことで獲得するデータ等を基に実際のリテールのシーンで活用可能なAIの開発のみならず、リテール企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)のための商品開発にも取組んでおります。 AI STORE LABの全景 c 「SECURE KOREA, Inc.」(新たなサービスの開発)「SECURE KOREA, Inc.」は、当社グループの技術を活用した新たなサービスの開発を行うため、韓国京畿道城南市に2020年3月に設立した子会社です。グローバルな視点における顔認証技術に関する最先端かつ高度な知識と経験を有する技術者を配置して、当社グループの技術を活用した新たなサービスの開発に取組んでおり、直近の研究開発内容としては「SECURE AI Office Base」が挙げられます。この「SECURE AI Office Base」は、AI(画像認識)を活用したクラウド型の入退室管理システムであり、既存のオンプレミス型入退室管理システムにはなかったリモートによるオフィスの入退室状況・混雑状況の把握や従業員の出退勤及び在籍管理・健康管理(体温・表情等)までを一元的に管理できる新システムで、2020年9月よりサービスの提供を開始いたしました。 ②顔認証などのAI(画像認識)技術の最適化当社グループでは、AI(画像認識)の代表的な技術である顔認証技術をカメラ等の多数の物理的なデバイスにおいて最適化することで、特定の人物の特徴を分析して映像から顔を検出し、属性の分析を行い、その結果をリアルタイムに通知することで様々なソリューションを提供しております。なお、当社グループで取扱っている顔認証のソリューションは、ビジュアルベース(2D認証)とIRベース(3D認証)の2つの方式を採用しています。<ビジュアルベース(2D認証)>・撮影した画像から「輪郭」や「目・鼻・口」といったパーツの位置関係を計測・計測した顔をテンプレート化して、それを基に登録されている個人かどうかを特定する方式<IRベース(3D認証)>・ビジュアルベースに加え、赤外線カメラによって顔の凹凸など奥行き情報をデータ化して、登録されている人物かどうかを特定する方式 当社グループでは、こうした顔認証に用いるアルゴリズムを外部から調達・選択し、最適化した上で物理セキュリティシステムに実装することで、より高い付加価値のあるセキュリティシステムとして提供しています。その結果、AI顔認証関連の商品はライセンス・デバイスを合わせて2022年12月末時点で6,449件(うちライセンスは約32%程度)の導入実績があり、入退室管理用途の顔認証シェアは2021年実績で48.7%、2022年見込で48.4%(数量ベース)となっております(出典:富士経済「2022セキュリティ関連市場の将来展望」)。 ③顧客ニーズに合わせた付加価値の高いサービスの提供当社グループでは、単一的なサービスの提供に限らず、顧客の多様なニーズに沿った付加価値の高いサービスを提供することが可能となっております。例えば、入退室管理システムの導入においては、顔認証による扉の施錠管理のみならず、扉の開閉に連動した勤怠管理や、顔認証による測温等の健康管理、監視カメラシステムと連動したオフィスの混雑度の見える化など、物理セキュリティシステムの導入に係る顧客ニーズを解決するための一連のソリューションとして提供することが可能となっているため、その結果として多くの中小企業から大企業に至るまで、幅広い顧客層から選ばれているものと考えております。 ④販売パートナーとの連携当社グループでは、当社が直接エンドユーザーに接触する直販のみならず、幅広い業種の販売パートナー(代理店)企業を有しており、これらの販売パートナーが有する顧客基盤に対しての代理販売を展開していることも大きな特徴であり、販売パートナー経由での売上比率は約9割を占めております。オフィスデザイン会社・警備会社・OA機器販売会社等、企業におけるオフィス移転などの情報を瞬時に感知できる業種を中心に幅広い販売パートナー網を構築することにより、迅速かつ広範な需要の発掘と提案機会の拡大、迅速なソリューションの提案と高い競争優位性を確保することが可能となっております。今後も、こうした販売パートナーの発掘・深耕を積極的に展開し、効率的かつ強力な営業基盤を維持・拡大し続けてまいります。 (3)事業系統図の概要当社グループの事業系統図を図式化すると、下記の通りとなります。
FY2021|6,441 文字|出典 docID: S100NRAV
3 【事業の内容】当社グループは、2010年10月に入退室管理システム及び監視カメラシステムの本格販売を開始して以降、入退室管理システム、監視カメラシステムを中心としたセキュリティシステム構築における最適化を柱に着実に事業規模を拡大してまいりました。一昔前の企業におけるセキュリティの定義とは「生命と財産の保全」でした。しかしながら、2010年以降、SNSの普及によって企業は新たに「信用や評判」なども守らなければならない重要な要素となるとともに、IT人材の不足や基幹システムの老朽化に対処するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)への取組みが、喫緊の経営課題となってまいりました。さらに新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって「従業員の健康管理」も企業にとって重要なセキュリティ要素として付け加わりました。これらを踏まえ、セキュリティはあらゆる企業にとって、これまで以上に必要不可欠なものとなっております。一方、「これらのリスクから如何に守るのか?」という経営課題への対応は、企業毎に組織や物理的ロケーション、取り扱う商品・サービスや技術、重要な情報などがそれぞれ異なるので、対策すべき領域やレベルもそれぞれに異なります。過去において、セキュリティシステムは導入すること自体で犯罪に対する抑止効果を得られ、一定程度の効果を発揮してきましたが、昨今における新たな脅威(リスク)から企業を守るとともにDXを追求していくためには、そのセキュリティシステムの運用を強化することが求められており、そのため企業からのニーズも一層多様なものとなってきております。そうしたニーズに対応できるセキュリティシステムは非常に複雑なものとなっておりシステム導入の主な課題として、様々なデバイスで構成されるセキュリティシステムの互換性をどのように担保すればよいのか、膨大なデータ量が流れるネットワークシステムの安定性とコストをどのように両立させるのか、顔認証などのAI(画像認識)をどのようにセキュリティシステムに実装するのがよいかといった課題があります。そうした中で、当社グループでは「SECURE AC(=Access Control:入退室管理システム)」「SECURE VS(=Video Surveillance:監視カメラシステム)」「SECURE Analytics(画像解析サービス)」という3つのサービスを各社のニーズに合ったデバイスとソフトウェアを組み合わせてワンストップで提供することで中小企業から大企業まで幅広い顧客(2021年12月末時点で6,754社)へ販売しております。また入退室管理システムにおける顔認証システムや、監視カメラシステムの一部サービスにはAI(画像認識)の技術を使用しており、当社グループではデバイスとの組み合わせで最適なAIアルゴリズムを外部から調達しAIの実装を含めたシステム構築、導入・施工、アフターフォローまでの一気通貫したソリューションを提供しております。また当社グループでは、2010年にBtoB事業に転換した時からAI(画像認識)技術を監視カメラ等の物理セキュリティシステムに実装し最適化して提供する研究開発を行っており、システム構築の最適化と掛け合わされることでAI(画像認識)の運用効果を高め、より付加価値の高いサービスとして提供することが可能となっております。例えば、顔認証や人物の行動分析などを行うことにより、犯罪の早期発見や予知などに役立てることが可能となるように、こうしたAI(画像認識)技術を実装した物理セキュリティシステムは、防犯の高度化を追求する一方で、単なる防犯という意味のセキュリティのみならず、業務の分析やマーケティングリサーチ、店舗におけるレジ等の省力化、イベント会場等での本人確認など、セキュリティ以外の様々な分野に応用が可能であり、当社グループでは、こうした顧客の多様なニーズに合わせて最適化したソリューションとして提供しております。また、物理セキュリティシステム導入にかかる一連のソリューションを一気通貫で提供できることが大きな強みであり、多くのエンドユーザーやパートナー企業の皆さまより信認を得ているものと考えております。今後も、従来からの当社グループの強みである前述のサービスに顔認証、人の行動分析、人検出、群衆解析のテクノロジーを付加し、物理セキュリティシステムとAI(画像認識)技術を掛け合わせた「安心」「安全」とプラスアルファの価値を提供することにより、顧客企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取組みを積極的にサポートすることを通じて、広く社会に貢献してまいります。 (1)当社グループが提供するサービスの内容当社グループが提供する具体的なサービスの内容は以下の通りとなります。 種類 商品・サービス主な特徴SECURE AC入退室管理システムオンプレミス型入退室管理システムIP(※)ベースのオンプレ型入退室管理システム。カード認証又はAI(画像認識)を活用した顔認証・指紋認証等のID認証リーダーとサーバーのみの構成で拡張性に優れ、小規模から大規模まで対応が可能。クラウド型入退室管理システムSECURE AI Office Baseオフィスのフリーアドレス化やサテライトオフィスの活用等、新しいワークスタイルを実現するクラウド型入退室管理システム。AI(画像認識)を活用して事前登録を行った社員の入退室管理の他、測温による健康管理や勤怠管理、オフィスの稼働状況、混雑度、勤怠状況、勤務時の表情等様々な分析が可能。のぞき見防止ソフト顔認証覗き見ブロッカーパソコンのぞき見(ショルダーハッキング)による情報漏えいをブロックするAI顔認証ソリューション。登録者以外の顔を検知すると画面をロックし操作中の情報の機密性を担保する。パソコンへのアクセスをコントロールするという概念から、SECURE ACとして分類。SECURE VS監視カメラシステムオンプレミス型監視カメラシステム幅広い製品群からクライアントの課題を解決するオンプレミス型監視カメラシステム。アナログカメラ、IPカメラ、レコーダーなど多種多様なラインナップを揃えており、異なる規格のカメラであっても統合して運用することが可能。カメラ4台から10万台を超える大規模システムまで構築運用が可能。監視カメラの映像を分析する専用デバイスも提供。クラウド型監視カメラシステムSECURE VSaaS初期導入費用を抑え、必要に応じて拡張が可能な小規模向けクラウド型監視カメラシステム。モバイルやPCで高画質な映像を確認することができ、7日間から90日間の録画プランを提供。防犯としての活用方法以外にも各店舗・事業所の業務遂行状況を本社で確認する等、一括管理も可能。顔認証システムFace Tracker AI顔認証技術を採用した監視カメラ用顔認証ソリューション。登録人物、非登録人物を識別し、外部への通知と顔情報を管理する。顔認証によるログ検知によって勤怠管理にも応用可能。SECURE Analytics画像解析サービス客数情報解析アプリケーションVEMCOUNTAI(画像認識)専用ステレオカメラで施設の入退場者、滞留人数を正確に計測するサービス。ダッシュボードによる多拠点一括管理が可能。領域制限やアラート出力も可能。混雑見える化ソリューション混雑カウントAI(画像認識)専用ステレオカメラによって人数を計測し、5段階のアイコン表示で混雑具合を見える化するサービス。一般利用者向けにWebサイトにて各種施設(温泉・商業施設等)の混雑具合を表示させたり、従業員向けに社内ポータルサイト等にてカフェ・食堂等の混雑度をリアルタイムで表示することが可能。運営開始後は蓄積した混雑度のデータを解析し、1週間の混雑度予測も可能。 ※IP:インターネットプロトコルの略であり、インターネット上で情報のやり取りをする際の通信方式 (2)当社グループの事業の特徴①優れた研究開発力当社グループでは「Security System Lab」と「SECURE AI STORE LAB」という2つのラボ(研究開発施設)と、韓国京畿道城南市に「SECURE KOREA, Inc.」を保有し、AI(画像認識)技術と物理セキュリティを掛け合わせたシステムの価値を向上させるための研究開発を行なっております。 a 「Security System Lab」(最適化に向けたシステム研究)物理セキュリティシステムは、それぞれメーカーの違う多数のセキュリティデバイスやソフトウェア・サーバー・ネットワーク機器を用いて構成される非常に複雑なシステムです。また、設置するためにはITネットワークの設計だけでなく、建築・施工のノウハウも必要となります。さらに、物理セキュリティシステムを導入する際に適したデバイスの選定やシステムへのAI(画像認識)の実装方法は、非常に幅広い分野のテクニカルスキル・ノウハウを要し、デバイスの設置位置や設定方法ひとつで認証精度は大きく変化します。当社グループの「Security System Lab」では、無数にある物理セキュリティシステムの構築パターンから、顧客が求めるパフォーマンス・安定性・コストなどを考慮の上で最適化されたシステムの研究に取組んでおります。これらの研究開発の成果を最大限に発揮できるデバイスと組み合わせることにより、多様な顧客ニーズに対応可能な最適化されたセキュリティシステムの構築が可能となっております。AI(画像認識)を活用するサービス(顔認証による入退室管理システム及びVSの一部サービス)においては、顧客のニーズに合ったAIアルゴリズムの性能・コスト・安定性を考慮・研究・評価し、それを搭載するのに最適なデバイスを選定した上でこれらを調達⇒AIを実装したアプリケーション開発を行っております。また同時に、こうした最適化されたセキュリティシステムを物理セキュリティシステム導入にかかる一連のソリューションとして提案できる専門人材の育成についても本Labにて実施しております。その結果、当社グループでは、AIアルゴリズムの調達からAIの実装を含めたシステム設計、導入・施工、アフターフォローまでの一気通貫で提供することを可能としており、多くのエンドユーザーやパートナー企業の皆さまより信認を得ているものと考えております。 b 「SECURE AI STORE LAB(無人店舗)」(さらなるAI(画像認識)活用方法の研究)「SECURE AI STORE LAB」では、当社グループの入退室管理システムと監視カメラシステムを応用することで、顔認証によって手ぶらで買物ができる次世代型無人化店舗の実験運用を行っております。当該AIの開発にあたっては、無人化店舗が実際に利用されるロケーションにて獲得されたデータを基に学習させる必要があります。当社グループの「SECURE AI STORE LAB」では、実験運用を行うことで獲得するデータ等を基に実際のリテールのシーンで活用可能なAIの開発のみならず、リテール企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)のための商品開発にも取組んでおります。 AI STORE LABの全景 c 「SECURE KOREA, Inc.」(新たなサービスの開発)「SECURE KOREA, Inc.」は、当社グループの技術を活用した新たなサービスの開発を行うため、韓国京畿道城南市に2020年3月に設立した子会社です。グローバルな視点における顔認証技術に関する最先端かつ高度な知識と経験を有する技術者を配置して、当社グループの技術を活用した新たなサービスの開発に取組んでおり、直近の研究開発内容としては「SECURE AI Office Base」が挙げられます。この「SECURE AI Office Base」は、AI(画像認識)を活用したクラウド型の入退室管理システムであり、既存のオンプレミス型入退室管理システムにはなかったリモートによるオフィスの入退室状況・混雑状況の把握や従業員の出退勤及び在籍管理・健康管理(体温・表情等)までを一元的に管理できる新システムで、2020年9月よりサービスの提供を開始いたしました。 ②顔認証などのAI(画像認識)技術の最適化当社グループでは、AI(画像認識)の代表的な技術である顔認証技術をカメラ等の多数の物理的なデバイスにおいて最適化することで、特定の人物の特徴を分析して映像から顔を検出し、属性の分析を行い、その結果をリアルタイムに通知することで様々なソリューションを提供しております。なお、当社グループで取り扱っている顔認証のソリューションは、ビジュアルベース(2D認証)とIRベース(3D認証)の2つの方式を採用しています。<ビジュアルベース(2D認証)>・撮影した画像から「輪郭」や「目・鼻・口」といったパーツの位置関係を計測・計測した顔をテンプレート化して、それを基に登録されている個人かどうかを特定する方式<IRベース(3D認証)>・ビジュアルベースに加え、赤外線カメラによって顔の凹凸など奥行き情報をデータ化して、登録されている人物かどうかを特定する方式 当社グループでは、こうした顔認証に用いるアルゴリズムを外部から調達・選択し、最適化した上で物理セキュリティシステムに実装することで、より高い付加価値のあるセキュリティシステムとして提供しています。その結果、AI顔認証関連の商品はライセンス・デバイスを合わせて2021年12月末時点で5,476件(うちライセンスは約35%程度)の導入実績があり、入退室管理用途の顔認証シェアは2020年実績で51.7%、2021年見込で44.0%(数量ベース)となっております(出典:富士経済「2021セキュリティ関連市場の将来展望」)。 ③顧客ニーズに合わせた付加価値の高いサービスの提供当社グループでは、単一的なサービスの提供に限らず、顧客の多様なニーズに沿った付加価値の高いサービスを提供することが可能となっております。例えば、入退室管理システムの導入においては、顔認証による扉の施錠管理のみならず、扉の開閉に連動した勤怠管理や、顔認証による測温等の健康管理、監視カメラシステムと連動したオフィスの混雑度の見える化など、物理セキュリティシステムの導入に係る顧客ニーズを解決するための一連のソリューションとして提供することが可能となっているため、その結果として多くの中小企業から大企業に至るまで、幅広い顧客層から選ばれているものと考えております。 ④販売パートナーとの連携当社グループでは、当社が直接エンドユーザーに接触する直販のみならず、2021年12月末時点において211社の販売パートナー(代理店)企業を有しており、これらの販売パートナーが有する顧客基盤に対しての代理販売を展開していることも大きな特徴であり、販売パートナー経由での売上比率は約9割を占めております。オフィスデザイン会社・警備会社・OA機器販売会社等、企業におけるオフィス移転などの情報を瞬時に感知できる業種を中心に幅広い販売パートナー網を構築することにより、迅速かつ広範な需要の発掘と提案機会の拡大、迅速なソリューションの提案と高い競争優位性を確保することが可能となっております。今後も、こうした販売パートナーの発掘・深耕を積極的に展開し、効率的かつ強力な営業基盤を維持・拡大し続けてまいります。 (3)事業系統図の概要当社グループの事業系統図を図式化すると、下記の通りとなります。