4260

ハイブリッドテクノロジーズ(4260)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 日本とベトナムの融合
    ハイブリッドテクノロジーズは、日本のIT人材不足という社会課題に対し、成長著しいベトナムの豊富なIT人材を活用するビジネスモデルを展開しています。日本企業が抱えるデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れを解消するため、両国の強みを組み合わせたソフトウェア開発サービスを提供し、顧客の競争力向上を支援しています。
  • ハイブリッド型サービス
    同社グループの主力事業は「ハイブリッド型サービス」と呼ばれ、顧客のDX推進をビジネスとテクノロジーの両面からサポートします。具体的には、企画・提案といった上流工程から、ベトナムでの開発・実装、さらには開発後の運用・改善までを一貫して手掛けることで、高品質なサービス提供を実現しています。
  • ストック型とフロー型
    提供サービスは大きく分けて、継続的な収益が見込める「ストックサービス」と、プロジェクト単位で完結する「フローサービス」の2種類があります。ストックサービスは準委任契約や人材派遣契約に基づき、チームの稼働に応じて収益を得る形態で、2025年9月期には売上収益の84%を占める主要な収益源となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ハイブリッド型サービス
    同社グループは、日本とベトナムのIT人材を融合させ、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのソフトウェア開発を軸とする「ハイブリッド型サービス」を単一セグメントとして提供しています。このサービスは、日本のIT人材不足をベトナムの豊富なIT人材で補うことをコンセプトとしています。
  • ストックサービスが主力
    ハイブリッド型サービスの中でも、継続的な収益が見込める「ストックサービス」が主要な稼ぎ頭です。これは準委任契約や人材派遣契約に基づき、顧客のプロジェクトに開発人員を提供し、その稼働に応じて収益を得る形態で、2025年9月期には売上収益の84%を占めています。
  • 日本とベトナムの連携
    サービス提供の主体はベトナム子会社ですが、日本国内では親会社が顧客との企画、提案、要件定義、コミュニケーション、代金回収といった業務を担当しています。これにより、顧客は日本国内で円滑なコミュニケーションを取りつつ、ベトナムの高品質な開発リソースを活用できる体制が構築されています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,201 文字
3【事業の内容】(1)ミッション 当社グループの起源であるベトナムは、かつて急速な発展を遂げた日本と同じように、より豊かな暮らし、新しい景色への渇望をエネルギー源にして大きな成長の最中にあります。当社グループは、その成長し続けることへの熱量が、今の日本企業が抱えている様々な課題を解決し、新たな景色を生み出す原動力になると考えております。 当社グループは、「私たちは常に発展途上であり、顧客と共に成長し続けます。」をミッションに掲げ、株主、従業員、顧客をはじめとした全てのステークホルダーと共に新しい景色を創造する、という意味を込めた「New View With You」をビジョンとして、日本とベトナムを融合させ、ビジネスとテクノロジーの側面から顧客のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)(補足1)を推進するためのソフトウェア開発を軸とする『ハイブリッド型サービス』を提供しております。 (2)事業コンセプト 当社グループは、日本のIT人材不足に対して、ベトナムのIT人材を活用することで、様々な業界から社会の変革に挑む顧客のDX化を推進し、顧客の競争優位性を高め、新たな景色を創造することを自社のビジネスと定義しております。 現在の日本社会は、従来からのIT人材不足による、ビジネスの変革や、社内システムのアップデート等、デジタル化、DX化の遅れが大きな社会問題となっております。このような状況を打開する取組として、経済産業省は2018年からDXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義し、その推進を呼びかけています。 当社グループはこの定義に基づき、顧客のDXを推進するには、基盤となる開発力に加えて、開発リソースや設計の構想、開発後の検証等を包括的に管理するプロジェクトマネジメント力が必要と考えております。これを実現するため、当社グループは、上流設計から実装、及び実装後のグロースハックにいたる一連の開発工程を一気通貫で行う「ハイブリッド型サービス」を提供しております。 なお、当社グループは、「第1企業の概況 3事業の内容 (4)当社グループの特徴・強み ①グループ各社がそれぞれの領域に特化した高品質な一気通貫の開発体制」に記載している6社及びベトナム子会社Hybrid Techno Camp Co., Ltd.(2021年6月末をもって事業活動を停止し現地の法律に従い、必要な手続きが完了次第、清算結了となる予定です。)の計7社から構成されていますが、事業はハイブリッド型サービスの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については、連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 当社グループの事業系統図は、以下の通りであります。 [図2:事業系統図] 当社顧客へのサービス提供主体は、ベトナム子会社のHybrid Technologies Vietnam Co., Ltd.でありますが、日本国内で顧客と直接かかわる業務(企画、提案、要件定義、顧客とのコミュニケーション及び代金回収等)は、親会社である当社が行っております。そのため、顧客、Hybrid Technologies Vietnam Co., Ltd.及び当社の3社が契約当事者となる3社間契約を締結しております。 日本国内子会社は、それぞれが独自に顧客と契約を締結していますが、一部の案件については受託業務の一部をHybrid Technologies Vietnam Co., Ltd.と相互に再委託する場合があります。 (3)サービスラインアップ ハイブリッド型サービスは、市場や顧客のニーズに応じて、『ストックサービス』と『フローサービス』の2つの形態で提供しています。中でも主要サービスはストックサービスであり、売上収益に占める割合は、2022年9月期で94%、2023年9月期で93%、2024年9月期で89%、2025年9月期で84%となっております。なお、ハイブリッド型サービスの特徴や強みの詳細については、後述の「第1企業の概況 3事業の内容 (4)当社グループの特徴・強み」にて記載しております。 [図1:サービス内容] ① ストックサービス ストックサービスは、準委任契約や人材派遣契約に基づき、顧客のプロジェクトに対して各開発工程を担う人員の役務を提供し、その稼働に応じて収益を申し受けるサービス形態であります。納品物の納入ではなく、チームの稼働に応じて料金が確定するため、顧客が属する市場の動向や顧客の予算に合わせて、開発体制を柔軟に調整することができる点に特徴があります。② フローサービス フローサービスは、受注時点で開発期間、料金、プロダクト等の詳細を確定させ、それに従って開発を実施し、その成果物を顧客に納品することで収益を申し受ける、請負契約に基づくサービス形態です。受注時点で開発期間、料金、成果物の仕様が明確になっているため、顧客は完了時期や費用の見通しが立てやすい一方、ストックサービスよりも外部環境の変化等に柔軟に対応することが難しい特徴があります。 2025年9月期においては、請負契約に基づくフローサービスを主な提供サービスとするドコドア株式会社を前連結会計年度に連結したことに伴い、フローサービスの売上比率が相対的に高まりました。 (4)当社グループの特徴・強み 当社グループは、ハイブリッド型サービスの特徴・強みを、以下のように定義しております。 ① グループ各社がそれぞれの領域に特化した高品質な一気通貫の開発体制 当社グループは、DX支援における一連の流れを、「事業戦略、DX/プロダクト戦略、UX/UIデザイン、開発、保守運用、グロースハック」の6つの工程に細分化し、各工程に高い専門性と実績を有するグループ会社が連携することによって、顧客のニーズに沿った高品質なDX支援を一気通貫で提供できることを強みとしております。各工程を担うグループ会社及びその特徴は、下記の通りであります。 株式会社ハイブリッドテクノロジーズ顧客のサービス設計等の上流工程を担うプロジェクトマネージャー(以下、PM)(補足2)、及びベトナム開発拠点との橋渡しを担うブリッジシステムエンジニア(補足3)顧客のサービス設計、システム設計等の上流工程Hybrid Technologies Vietnam Co., Ltd.上流工程を担う日本法人と連携し、ベトナムのIT人材を活用した開発、実装工程株式会社ハイブリッドテックエージェント日本人のPM、システムエンジニア(以下SE)(補足4)を中心としたIT人材の人材派遣、SESを中心としたIT人材の派遣Wur株式会社新規立ち上げ事業のプロダクト戦略、UX/UIデザイン、開発後のグロースハックドコドア株式会社標準化された開発規格、及び新潟を拠点に日本全国に展開する開発体制を活かしたweb、アプリ制作の企画、開発、保守、及びWEBマーケティング支援株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティング顧客の事業戦略、基幹システムの導入、大規模なPMO、業務改善などを支援するコンサルティング事業(注)1 2023年5月に子会社化した株式会社イクシアスは、2023年10月1日付で、吸収合併いたしました。2 ベトナム子会社Hybrid Techno Camp Co., Ltd.は、2021年6月末をもって事業活動を停止し現地の法律に従い、必要な手続きが完了次第、清算結了となる予定です。 [図3:グループ体制図] ② ベトナムの豊かなIT人材による、日本に対するリソース供給力 当社グループはベトナム国内で高い認知度を獲得しており、特に2021年12月の東証マザーズ市場(現 グロース市場)への上場は、様々なベトナム国内メディアに掲載され、ベトナム国内での知名度向上、採用候補者の獲得に寄与しました。さらに、ベトナム国内でも高水準な福利厚生等の就労環境等によって、当社のリクルートシステムに登録されている採用候補者リストは、2025年9月末時点で開発経験者は34,000人以上、新卒人材は3,300人以上の規模に成長し、顧客のニーズに合わせた柔軟な採用を可能としております。 [図4:ベトナム法人における採用候補者リスト] 補足1 DX(デジタルトランスフォーメーション) 2004年に「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」という理念で提唱された、デジタル技術を用いたビジネスの変革の総称。日本においては、2018年に経済産業省によって「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義、推進されている取組。『アナログ・物理データのデジタルデータ化による業務改革』を行うデジタイゼーションや、『新しい事業の立ち上げ』を行うデジタライゼーション等、段階毎に細分化される場合がある。2 PM(プロジェクトマネージャー) プロジェクトのスコープ管理、進行管理、予算、品質、納期管理など全体管理責任を持つ人材。3 BSE(ブリッジエンジニア) 言語や文化の異なるメンバーで構成されたプロジェクトを円滑に進行するための橋渡し役となる人材。単なる通訳に留まらず、プロダクトの仕様や、開発手法、納期管理等、専門性の高いコミュニケーションを、誤差が生じないよう正確に遂行するため、コミュニケーションや言語のスキル、開発に関する知識を求められる。4 SE(システムエンジニア) 要求に従い、機能仕様から実装に至るまでの業務に従事する人材。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
準委任契約であるストックサービスは法的に契約不適合責任を負わないが、品質が顧客水準を維持できないと信用低下。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
上流設計から実装、グロースハックまで一貫して行う「ハイブリッド型サービス」の開発力とプロジェクトマネジメント力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:市場認知の不足 / 競争激化による人材確保・育成の遅れ / 特定顧客への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

提供された財務サマリからは、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPなどの無形資産に関する具体的な情報は得られませんでした。事業内容から推測される強固な無形資産の存在は確認できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社は、AIを活用したDX推進支援サービスを提供しており、顧客の業務プロセスに深く関与する可能性があります。しかし、顧客が競合他社へ乗り換える際の具体的なスイッチングコスト(システム統合の複雑さ、学習コストなど)に関する情報は現時点では不明確であり、限定的な優位性を示唆するに留まります。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社のサービスは、現時点では明確なネットワーク効果を生み出す構造(ユーザー数の増加がサービス価値を直接高める、など)を持っているとは言えません。個々の顧客との関係性が中心と考えられます。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

提供された情報からは、同社が競合他社と比較して構造的に低いコストでサービスを提供できるような優位性(規模の経済、独自の生産プロセスなど)は確認できませんでした。

規模の経済☆☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

同社が属するDX推進支援市場は競争が激しく、現時点で業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言えません。市場シェアや規模の経済に関する具体的なデータも不足しています。

  • 一気通貫の開発体制
    同社グループは、事業戦略から開発、保守運用、グロースハックまで、DX支援の全工程を細分化し、各工程に特化したグループ会社が連携することで、高品質なサービスを一貫して提供できる強みを持っています。これにより、顧客は複数のベンダーと契約する手間なく、包括的なDX支援を受けられます。
  • ベトナムのIT人材力
    ベトナム国内での高い知名度と、東証マザーズ(現グロース市場)上場によるブランド力、高水準な福利厚生によって、ベトナムの豊富なIT人材を安定的に確保できる点が強みです。これにより、日本の深刻なIT人材不足を補い、開発リソースの供給力を高めることで、顧客のDXニーズに応えています。
  • 柔軟なサービス提供
    主要サービスであるストックサービスは、チームの稼働に応じて料金が確定するため、顧客の市場動向や予算に合わせて開発体制を柔軟に調整できる特徴があります。これにより、顧客は変化の激しいビジネス環境にも対応しやすく、長期的なパートナーシップを築きやすいという競争優位性を持っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、顧客の課題を解決する適切なDXの推進によって、様々な業界から社会を変革しようとする顧客の挑戦を支え、顧客の競争優位性を高めるパートナーとなり、顧客や、当社事業を共創する全てのステークホルダーと共に「新しい景色の創造」を達成します。 日本ならびに世界が大きな転換期にある中、当社グループの起源であるベトナムと日本の両国がWin-Winとなる形で、顧客と共に成長し、顧客と共に新しい景色を創造し続けることで、今後とも企業グループとしての持続的な成長を目指してまいります。 (2)経営環境 当連結会計年度における日本経済は、緩やかな回復が継続する状況となりました。一方、地政学的リスクの高まりに起因した物価上昇や米国の金利政策や関税政策、中国の継続的な景気減速等、経済的リスクも高まり続けており、依然として経済の見通しは不透明な状況にあります。 こうした経済環境の中、当社グループが属する情報サービス産業の市場におきましては、新型コロナウイルス感染症によるリモートワーク、非対面ビジネスへの移行が収束した後も、企業の競争優位性に直結するデジタル化、DX化への関心の高まりを背景に、様々な産業におけるIT投資意欲の拡大、それによる情報サービス産業市場の継続的な拡大が期待されております。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が発表している「企業IT動向調査報告書2025」によると、調査対象となった企業の90%が前年と同等かそれ以上のIT予算の増額を予測しており、その要因として人件費やベンダー価格の高騰に次いで業務のデジタル化対応、基幹システムの刷新が挙げられています。総じて、市場全体のコスト増が見込まれる環境にあってなお、業務効率化に向けた投資意欲が旺盛であることを示唆しています。 また、当社グループが高い採用優位性を持ち、開発拠点を擁するベトナムは、このような日本の堅実なDX支援、IT人材需要の拡大を充足するパートナーとして、高い優位性を保持しています。ベトナムは厚い労働人口を基盤に高いGDP成長率を誇っております。加えて、ベトナム政府は2050年までにIT人材150万人の輩出を目標に掲げ、高度な理数教育、IT人材の育成及び輩出を促進しております。また、日本との時差が小さいことや、日越の良好な国家関係なども、ビジネスパートナーとしての高い適性に寄与しております。 加えて、近年はベトナム政府が2030年までのDX推進計画を含む「国家DXプログラム」を掲げる等、ベトナム国内においてもDX推進需要が高まっております。アメリカ合衆国国際貿易局の試算では、ベトナムのデジタル経済規模は2025年時点の6.5兆円から堅実な成長を続け、2030年には13兆円に達するとされており、エンジニアやITリソースの源泉に留まらず、ベトナム国内の需要も、今後大きな成長が見込める市場と考えられます。 [図5:日越の市場規模] [図6:ベトナムの優位性]出典:※1…富士キメラ総研「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/企業編」※2…Vietnam Country Commercial Guide (2024), International Trade Administration.※3…経済産業省委託みずほ総研の2019年3月調査報告書※4…TopDev_VietnamITMarketReport2024-2025※5…LP(2020). Chien luoc quoc gia ve phát trien doanh nghiep công nghe so Viet Nam. Hanoi: Socialist Republic of Viet Nam government News.※6…United Nations, Department of Economic and Social Affairs, Population Division (2024).World Population Prospects 2024, Online Edition.※7…株式会社Resorz発行「オフショア開発白書2024年版」※8…OECD (2016), PISA 2015 Results (Volume I): Excellence and Equity in Education,PISA, OECD Publishing, Paris.※9…2023年度ASEANにおける海外対日世論調査(調査対象となったベトナム人300名において、「とても友好関係にある」または「どちらかというと友好関係にある」と回答した割合)※10…厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」※11…ベトナム統計総局(GSO)発表した、2024年(通期)国内総生産の成長率の予測 (3)経営戦略 当社グループは、上述の経営環境に対し、既存事業の開発対応領域の拡大、提供可能なソリューションの拡大、サービスを提供するマーケットの拡大の3つの軸での事業成長を図ってまいります。これらの成長戦略に資する人材採用、M&A等を戦略的に実施することで、多角的な事業成長を推進してまいります。 ① 既存事業の開発対応領域の拡大 当社は従来、顧客の開発需要に対し、要件定義等の上流工程から、実装、保守までを一気通貫で受託する体制を整備しており、M&Aを中心とした戦略で、その対応領域を拡大してまいりました。今後もこれらの戦略を継続し、より上流のDX戦略領域のコンサルテーションや、サービスローンチ後のマーケティング等の戦略領域等、顧客の事業戦略をより幅広く、力強く支援できる体制を築くことで、既存事業の拡大、特にストックサービスの規模拡大を図ってまいります。 当期においては、顧客の経営戦略や、基幹システムの導入コンサルティングに強みを持つ株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティングを子会社化したことにより、当社が定義するDX支援における事業戦略支援からサービス実装後のグロース支援に至る一連の工程を網羅するグループ体制を構築いたしました。② ソリューションの拡大 現時点における当社グループが顧客に提供できるソリューションは、Web・アプリ開発が主流となっており、M&Aや採用を通じて、このソリューション領域を拡げることが、2つ目の経営戦略であります。具体的には、現在ベトナム合弁会社、外部パートナーとの業務提携を通じて提供しているSalesforce、AWS、クラウド等のインフラ構築ソリューションの深耕、及び、ベトナム国内でSAPを主軸としたERPや金融システム等の導入支援に豊富な実績を有するNGS Consulting Joint Stock Company(以下「NGSC社」)を子会社化することによる、提供ソリューションの拡大を図ってまいります。当社の開発部門、開発技術を管掌する取締役の衣笠嘉展は、自身の経歴の中で様々な技術領域において豊富な知見を有しており、同人がこの成長軸をけん引することで、着実な事業成長を推進してまいります。③ マーケットの拡大 経営戦略の3つ目は、当社の従来の日本国内顧客を対象としたマーケットに加えて、海外の市場を開拓していくものであります。具体的には、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載の通り、昨今DX化や、その関連サービスの需要が高まっているベトナム国内において、当社の日本とベトナムのリソースを活用したハイブリッドな事業体制や、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営戦略 ②ソリューションの拡大」に記載のNGSC社を連結子会社化することにより、当社グループのベトナムマーケットへの拡大は大幅な進展を見込んでおります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループの売上収益は、約84%がストックサービスで構成されていることから、同サービスを維持、拡大させることによって、経営を安定させると共に、経営戦略を速やかに達成できる経営基盤を築くことが、経営上の重要目標であると考えております。新規プロジェクトの獲得によるストックサービス件数の増加、及び既存顧客からの増員、新たなプロジェクトによるチームラインの増加、上流工程からの介在強化を通したストックサービス単価の向上により、市場を拡大し、ノウハウを蓄積するとともに、人材・新規技術獲得等への投資を継続することで、企業グループとしての持続的な成長を図ってまいります。この達成状況を図る指標として、当社はストックサービス件数とストックサービス単価を重要指標としております。 なお、2026年9月期には、売上収益に占めるフローサービスの比率が高まることが想定されることから、管理指標を改定(追加)する方針であります。 ① 2025年9月期までの管理指標 2025年9月期までにおいては、比較的小規模且つ長期に亘る契約に基づく保守契約や、当社の既存案件と比較して金額規模の小さい新規子会社の案件等、総合的な当社事業への影響度の低い案件を考慮対象から除外し、正確に当社事業の進捗を表すことを目的として、「各事業年度末時点(あるいは四半期末時点)における月額取引金額が50万円以上のストックサービス案件の数(ストックサービス件数)」、「各事業年度末時点(あるいは四半期末時点)における月額取引金額が50万円以上のストックサービス単月売上 ÷ 期末時点のストックサービス件数で算出した平均単価(ストックサービス単価)」の2つの指標を設定しており、その推移は下図の通りであります。 [事業年度ごとのストックサービス件数とストックサービス単価](注)ストックサービス件数の指標は、ストックサービスにて受注したプロジェクトのうち、前述の定義に当てはまるプロジェクトの数であり、同一の顧客から複数のプロジェクトを受注することがあるため、顧客数とは異なります。 ② 管理指標の改定(追加)について 2026年9月期より、次の通り指標の定義を改定する方針であります。 2025年10月1日付で当社の連結子会社となるNGSC社は、当社の既存事業においてフローサービスに定義される契約形態の売上収益比率が高く、同社を連結することにより、当社グループ全体の事業におけるフローサービスの重要性が高まることを見込んでおります。 この影響を考慮し、同社を連結対象とする2026年9月期より、より正確に当社事業の進捗を表すことを目的として、下記の通りフローサービスに関する管理指標を定義いたします。 ・フローサービス件数:報告四半期に売上計上される受注金額1,000万円以上のフローサービス数の合計・フローサービス単価:報告四半期に売上計上される受注金額1,000万円以上のフローサービスの売上の合計÷該当四半期に売上計上される受注金額1,000万円以上のフローサービス数の合計  この改定により、ストックサービスと同様に、フローサービスにおいても、より正確に当社事業の進捗を表すことができると期待しております。なお、新たに定義した指標における過年度の推移は、下図のとおりであります。また、既存のストックサービス件数、及びストックサービス単価の指標に改定はございません。 [事業年度ごとのフローサービス件数及びフローサービス単価] (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、今後の持続的な成長を実現する上で、以下の事項を課題として重視しています。 ① 開発体制の継続的な強化 今後、より一層顧客の要件を満たす事業を実現するためには、開発品質レベルの向上は不可欠であります。当社グループは、日本とベトナム両国でのハイブリッドな開発体制に特徴がありますが、グループ間コミュニケーションのさらなる強化を図る一方で、それぞれの特性を活かした開発手法の標準化、開発ノウハウの蓄積・共有を今後も進めてまいります。特に、受注前の見積り精度や受注後のプロジェクト進捗確認等のモニタリングを通じて、開発品質の確保と納期の遵守については最重要課題として取り組んでまいります。なお、2024年9月期は当社ベトナム子会社の保有するダナン拠点において開発品質の低下、人員管理の課題が顕在化したことから、更なる悪影響の発生を回避すべく、同拠点を閉鎖し、既存の2拠点(ホーチミン・ハノイ)に経営リソースを集中し、経営の効率化を図る体制変更を断行いたしました。この2拠点は、従来より強固なマネジメント体制・人材を有しており、体制強化は順調に進んでおり、今後は、この2拠点体制で、更なる体制強化を進めてまいります。 また、日本国内におきましても、2024年4月にWur株式会社、2024年7月にドコドア株式会社を連結子会社化し、バックグラウンドの異なる多数の技術者間の交流を通じて当社グループの技術力の進化を進めてまいりました。2025年8月には、ITコンサルテーション分野に強みを持つ株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティングを連結子会社化することにより、開発フェーズに先立つ中長期のシステム導入計画策定支援等、要件定義以前のフェーズをカバーするITコンサルティング機能も提供できるようになりました。② 技術力のさらなる強化 DX市場の変化、それを支える技術革新は目覚ましいものがあり、それらの最先端技術を迅速、的確に自社のサービスに反映し、市場のニーズに応えられるかは、企業成長において重要な課題であります。当社及び当社グループは、社内外で開発実績を持つAIモデルの構築をはじめ、今後もDX基盤の構築、サイバーセキュリティ等の幅広い最先端技術の習得に努めてまいります。また、開発作業においても積極的に生成AIを取り入れ、開発効率・開発品質の向上を推し進めます。こうした技術力強化の取り組みを通じて、様々な業界・業態の顧客への提案力の向上、さらなる価値創造に努めてまいります。③ 新規顧客の獲得 当社及び当社グループが持続的な成長を続けるためには、売上拡大につながる新規顧客の獲得が必要であると考えております。上場会社としての認知度、知名度も活かして、マスマーケティング、プライベートセミナーの開催、リスティング、動画コンテンツの配信などを展開し、継続的に新規受注を獲得できる体制の確立を目指してまいります。また、更なる顧客層や市場の開拓にはM&Aも重要な戦略であると捉えております。当社はこれまでに、以下のM&Aを実行してまいりました。 2023年9月期:・キャスレーコンサルティング株式会社(現株式会社ハイブリッドテックエージェント)・株式会社イクシアス(現在当社に吸収合併済) 2024年9月期:・Wur株式会社・ドコドア株式会社 2025年9月期:・株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティング これら企業を当社グループに加えることにより、当社グループがお客様に提供できるサービスを非連続的に拡大してまいりました。 更に、2025年10月1日付けで、ベトナムで総合的なIT支援事業を提供するNGSC社を連結子会社化することとなり、ベトナム市場開拓に大きな一歩を踏み出します。 今後も積極的なM&Aを通じて、当社グループの顧客拡大、市場拡大に努めてまいります。④ 人材採用・育成の強化 当社及び当社グループが持続的な成長を図っていくには、専門性を有する優秀な人材を安定的、かつ機動的に確保することが必要不可欠と考えております。ベトナムでの産学連携、日本でのベトナム人脈のさらなる活用等も含めて、ターゲット別に最適な人材採用戦略を講じてまいります。日本国内で開発人材不足がますます顕著になっている今、ベトナムにおける豊富な人材を採用し、育成して日本のお客さまのご要望にお応えすることが当社グループの重要な使命であることを心に留め、今後とも優秀な人材の確保に努めてまいります。さらに、日本国内におきましても、都市部だけではなく、地方でも、優秀な人材を獲得すべく、M&A戦略も含め、種々の施策を実行してまいります。⑤ 情報管理体制の更なる強化 当社及び当社グループは、顧客の開発要件によっては、個人情報を含む顧客の機密情報を取り扱う場合があります。これらに適切に対応するために、開発業務の主力であるベトナムで特に重点的に情報管理体制の強化を進めており、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO27001:2013を取得し、情報管理やセキュリティ管理の徹底を図っております。また、2022年9月にはベトナムの国家サイバーセキュリティセンターとの間で、サイバーセキュリティに関する相互支援を目的とした協力覚書を締結し、サイバーセキュリティに関する社内体制の整備を継続しております。日本国内においては、従来から体制を整え、徹底した情報管理を行ってまいりましたが、顧客からの信頼性向上の施策として、プライバシーマークも取得し、更なる体制強化を進めております。⑥ 経営管理・内部管理体制の強化 当社及び当社グループは、グループを取りまく事業環境の変化に柔軟に対応し、継続的に企業価値の向上を図っていくためには、内部統制環境の整備・強化が重要な経営課題であると認識しております。全社的なリスク管理体制の整備、コンプライアンス体制の強化、さらには適切なリスクテイク体制の構築を目指して取り組んでまいります。 なお、2025年10月より、当社は株式会社エアトリの連結子会社となりますが、当社の意思決定・業務遂行等のオペレーションの変更を伴うものではありません。今後、株式会社エアトリとは、経営ノウハウの共有・顧客の相互紹介など双方の事業発展に資する協力関係を強化してまいります。⑦ 持続的な企業の成長 当社及び当社グループは、グループのビジョン、ミッション実現のためには、持続的な事業成長が必須であると考えております。そのために、常にお客様のニーズの変化を把握し、当該ニーズに応えるべく当社の技術レベル・サービス品質の向上を追求してまいります。また、企業買収を通じて、当社グループとして、常にお客様のニーズに応えるための技術・人材の獲得に努めてまいります。 更に、2025年10月よりベトナムで総合的なIT支援事業を展開するNGSC社を連結子会社化することにより、ベトナム市場における当社グループの事業の本格展開を開始しますが、今後も機会をとらえ、グローバルな事業展開により、当社グループ事業の持続的な拡大を図ってまいります。当社取締役会長のチャン バン ミンは、2025年12月22日をもって、当社取締役を辞任いたしますが、今後はHybrid Technologies Vietnam Co., Ltd.のチェアマンとしてNGSC社の事業発展をリードしていくとともに、更なるベトナム事業の拡大に集中して取り組んでまいります。⑧ 手元流動性の確保 当社及び当社グループは、継続的な取引である「ストックサービス」が売上収益の過半を占めているため、キャッシュ・フローは、安定していると認識しております。今後も、事業環境の変化に応じた資本政策にも対応できるように、柔軟な財政政策を実施してまいります。また、投資効率を考慮しつつ積極的にM&A戦略を展開できるよう、十分なキャッシュの獲得に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、顧客の課題を解決する適切なDXの推進によって、様々な業界から社会を変革しようとする顧客の挑戦を支え、顧客の競争優位性を高めるパートナーとなり、顧客や、当社事業を共創する全てのステークホルダーと共に「新しい景色の創造」を達成します。 日本ならびに世界が大きな転換期にある中、当社グループの起源であるベトナムと日本の両国がWin-Winとなる形で、顧客と共に成長し、顧客と共に新しい景色を創造し続けることで、今後とも企業グループとしての持続的な成長を目指してまいります。 (2)経営環境 当連結会計年度における日本経済は、緩やかな回復が継続する状況となりました。一方、地政学的リスクの高まりに起因した物価上昇や米国の金利政策や関税政策、中国の継続的な景気減速等、経済的リスクも高まり続けており、依然として経済の見通しは不透明な状況にあります。 こうした経済環境の中、当社グループが属する情報サービス産業の市場におきましては、新型コロナウイルス感染症によるリモートワーク、非対面ビジネスへの移行が収束した後も、企業の競争優位性に直結するデジタル化、DX化への関心の高まりを背景に、様々な産業におけるIT投資意欲の拡大、それによる情報サービス産業市場の継続的な拡大が期待されております。一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が発表している「企業IT動向調査報告書2025」によると、調査対象となった企業の90%が前年と同等かそれ以上のIT予算の増額を予測しており、その要因として人件費やベンダー価格の高騰に次いで業務のデジタル化対応、基幹システムの刷新が挙げられています。総じて、市場全体のコスト増が見込まれる環境にあってなお、業務効率化に向けた投資意欲が旺盛であることを示唆しています。 また、当社グループが高い採用優位性を持ち、開発拠点を擁するベトナムは、このような日本の堅実なDX支援、IT人材需要の拡大を充足するパートナーとして、高い優位性を保持しています。ベトナムは厚い労働人口を基盤に高いGDP成長率を誇っております。加えて、ベトナム政府は2050年までにIT人材150万人の輩出を目標に掲げ、高度な理数教育、IT人材の育成及び輩出を促進しております。また、日本との時差が小さいことや、日越の良好な国家関係なども、ビジネスパートナーとしての高い適性に寄与しております。 加えて、近年はベトナム政府が2030年までのDX推進計画を含む「国家DXプログラム」を掲げる等、ベトナム国内においてもDX推進需要が高まっております。アメリカ合衆国国際貿易局の試算では、ベトナムのデジタル経済規模は2025年時点の6.5兆円から堅実な成長を続け、2030年には13兆円に達するとされており、エンジニアやITリソースの源泉に留まらず、ベトナム国内の需要も、今後大きな成長が見込める市場と考えられます。 [図5:日越の市場規模] [図6:ベトナムの優位性]出典:※1…富士キメラ総研「2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編/企業編」※2…Vietnam Country Commercial Guide (2024), International Trade Administration.※3…経済産業省委託みずほ総研の2019年3月調査報告書※4…TopDev_VietnamITMarketReport2024-2025※5…LP(2020). Chien luoc quoc gia ve phát trien doanh nghiep công nghe so Viet Nam. Hanoi: Socialist Republic of Viet Nam government News.※6…United Nations, Department of Economic and Social Affairs, Population Division (2024).World Population Prospects 2024, Online Edition.※7…株式会社Resorz発行「オフショア開発白書2024年版」※8…OECD (2016), PISA 2015 Results (Volume I): Excellence and Equity in Education,PISA, OECD Publishing, Paris.※9…2023年度ASEANにおける海外対日世論調査(調査対象となったベトナム人300名において、「とても友好関係にある」または「どちらかというと友好関係にある」と回答した割合)※10…厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)」※11…ベトナム統計総局(GSO)発表した、2024年(通期)国内総生産の成長率の予測 (3)経営戦略 当社グループは、上述の経営環境に対し、既存事業の開発対応領域の拡大、提供可能なソリューションの拡大、サービスを提供するマーケットの拡大の3つの軸での事業成長を図ってまいります。これらの成長戦略に資する人材採用、M&A等を戦略的に実施することで、多角的な事業成長を推進してまいります。 ① 既存事業の開発対応領域の拡大 当社は従来、顧客の開発需要に対し、要件定義等の上流工程から、実装、保守までを一気通貫で受託する体制を整備しており、M&Aを中心とした戦略で、その対応領域を拡大してまいりました。今後もこれらの戦略を継続し、より上流のDX戦略領域のコンサルテーションや、サービスローンチ後のマーケティング等の戦略領域等、顧客の事業戦略をより幅広く、力強く支援できる体制を築くことで、既存事業の拡大、特にストックサービスの規模拡大を図ってまいります。 当期においては、顧客の経営戦略や、基幹システムの導入コンサルティングに強みを持つ株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティングを子会社化したことにより、当社が定義するDX支援における事業戦略支援からサービス実装後のグロース支援に至る一連の工程を網羅するグループ体制を構築いたしました。② ソリューションの拡大 現時点における当社グループが顧客に提供できるソリューションは、Web・アプリ開発が主流となっており、M&Aや採用を通じて、このソリューション領域を拡げることが、2つ目の経営戦略であります。具体的には、現在ベトナム合弁会社、外部パートナーとの業務提携を通じて提供しているSalesforce、AWS、クラウド等のインフラ構築ソリューションの深耕、及び、ベトナム国内でSAPを主軸としたERPや金融システム等の導入支援に豊富な実績を有するNGS Consulting Joint Stock Company(以下「NGSC社」)を子会社化することによる、提供ソリューションの拡大を図ってまいります。当社の開発部門、開発技術を管掌する取締役の衣笠嘉展は、自身の経歴の中で様々な技術領域において豊富な知見を有しており、同人がこの成長軸をけん引することで、着実な事業成長を推進してまいります。③ マーケットの拡大 経営戦略の3つ目は、当社の従来の日本国内顧客を対象としたマーケットに加えて、海外の市場を開拓していくものであります。具体的には、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載の通り、昨今DX化や、その関連サービスの需要が高まっているベトナム国内において、当社の日本とベトナムのリソースを活用したハイブリッドな事業体制や、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営戦略 ②ソリューションの拡大」に記載のNGSC社を連結子会社化することにより、当社グループのベトナムマーケットへの拡大は大幅な進展を見込んでおります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標 当社グループの売上収益は、約84%がストックサービスで構成されていることから、同サービスを維持、拡大させることによって、経営を安定させると共に、経営戦略を速やかに達成できる経営基盤を築くことが、経営上の重要目標であると考えております。新規プロジェクトの獲得によるストックサービス件数の増加、及び既存顧客からの増員、新たなプロジェクトによるチームラインの増加、上流工程からの介在強化を通したストックサービス単価の向上により、市場を拡大し、ノウハウを蓄積するとともに、人材・新規技術獲得等への投資を継続することで、企業グループとしての持続的な成長を図ってまいります。この達成状況を図る指標として、当社はストックサービス件数とストックサービス単価を重要指標としております。 なお、2026年9月期には、売上収益に占めるフローサービスの比率が高まることが想定されることから、管理指標を改定(追加)する方針であります。 ① 2025年9月期までの管理指標 2025年9月期までにおいては、比較的小規模且つ長期に亘る契約に基づく保守契約や、当社の既存案件と比較して金額規模の小さい新規子会社の案件等、総合的な当社事業への影響度の低い案件を考慮対象から除外し、正確に当社事業の進捗を表すことを目的として、「各事業年度末時点(あるいは四半期末時点)における月額取引金額が50万円以上のストックサービス案件の数(ストックサービス件数)」、「各事業年度末時点(あるいは四半期末時点)における月額取引金額が50万円以上のストックサービス単月売上 ÷ 期末時点のストックサービス件数で算出した平均単価(ストックサービス単価)」の2つの指標を設定しており、その推移は下図の通りであります。 [事業年度ごとのストックサービス件数とストックサービス単価](注)ストックサービス件数の指標は、ストックサービスにて受注したプロジェクトのうち、前述の定義に当てはまるプロジェクトの数であり、同一の顧客から複数のプロジェクトを受注することがあるため、顧客数とは異なります。 ② 管理指標の改定(追加)について 2026年9月期より、次の通り指標の定義を改定する方針であります。 2025年10月1日付で当社の連結子会社となるNGSC社は、当社の既存事業においてフローサービスに定義される契約形態の売上収益比率が高く、同社を連結することにより、当社グループ全体の事業におけるフローサービスの重要性が高まることを見込んでおります。 この影響を考慮し、同社を連結対象とする2026年9月期より、より正確に当社事業の進捗を表すことを目的として、下記の通りフローサービスに関する管理指標を定義いたします。 ・フローサービス件数:報告四半期に売上計上される受注金額1,000万円以上のフローサービス数の合計・フローサービス単価:報告四半期に売上計上される受注金額1,000万円以上のフローサービスの売上の合計÷該当四半期に売上計上される受注金額1,000万円以上のフローサービス数の合計  この改定により、ストックサービスと同様に、フローサービスにおいても、より正確に当社事業の進捗を表すことができると期待しております。なお、新たに定義した指標における過年度の推移は、下図のとおりであります。また、既存のストックサービス件数、及びストックサービス単価の指標に改定はございません。 [事業年度ごとのフローサービス件数及びフローサービス単価] (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、今後の持続的な成長を実現する上で、以下の事項を課題として重視しています。 ① 開発体制の継続的な強化 今後、より一層顧客の要件を満たす事業を実現するためには、開発品質レベルの向上は不可欠であります。当社グループは、日本とベトナム両国でのハイブリッドな開発体制に特徴がありますが、グループ間コミュニケーションのさらなる強化を図る一方で、それぞれの特性を活かした開発手法の標準化、開発ノウハウの蓄積・共有を今後も進めてまいります。特に、受注前の見積り精度や受注後のプロジェクト進捗確認等のモニタリングを通じて、開発品質の確保と納期の遵守については最重要課題として取り組んでまいります。なお、2024年9月期は当社ベトナム子会社の保有するダナン拠点において開発品質の低下、人員管理の課題が顕在化したことから、更なる悪影響の発生を回避すべく、同拠点を閉鎖し、既存の2拠点(ホーチミン・ハノイ)に経営リソースを集中し、経営の効率化を図る体制変更を断行いたしました。この2拠点は、従来より強固なマネジメント体制・人材を有しており、体制強化は順調に進んでおり、今後は、この2拠点体制で、更なる体制強化を進めてまいります。 また、日本国内におきましても、2024年4月にWur株式会社、2024年7月にドコドア株式会社を連結子会社化し、バックグラウンドの異なる多数の技術者間の交流を通じて当社グループの技術力の進化を進めてまいりました。2025年8月には、ITコンサルテーション分野に強みを持つ株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティングを連結子会社化することにより、開発フェーズに先立つ中長期のシステム導入計画策定支援等、要件定義以前のフェーズをカバーするITコンサルティング機能も提供できるようになりました。② 技術力のさらなる強化 DX市場の変化、それを支える技術革新は目覚ましいものがあり、それらの最先端技術を迅速、的確に自社のサービスに反映し、市場のニーズに応えられるかは、企業成長において重要な課題であります。当社及び当社グループは、社内外で開発実績を持つAIモデルの構築をはじめ、今後もDX基盤の構築、サイバーセキュリティ等の幅広い最先端技術の習得に努めてまいります。また、開発作業においても積極的に生成AIを取り入れ、開発効率・開発品質の向上を推し進めます。こうした技術力強化の取り組みを通じて、様々な業界・業態の顧客への提案力の向上、さらなる価値創造に努めてまいります。③ 新規顧客の獲得 当社及び当社グループが持続的な成長を続けるためには、売上拡大につながる新規顧客の獲得が必要であると考えております。上場会社としての認知度、知名度も活かして、マスマーケティング、プライベートセミナーの開催、リスティング、動画コンテンツの配信などを展開し、継続的に新規受注を獲得できる体制の確立を目指してまいります。また、更なる顧客層や市場の開拓にはM&Aも重要な戦略であると捉えております。当社はこれまでに、以下のM&Aを実行してまいりました。 2023年9月期:・キャスレーコンサルティング株式会社(現株式会社ハイブリッドテックエージェント)・株式会社イクシアス(現在当社に吸収合併済) 2024年9月期:・Wur株式会社・ドコドア株式会社 2025年9月期:・株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティング これら企業を当社グループに加えることにより、当社グループがお客様に提供できるサービスを非連続的に拡大してまいりました。 更に、2025年10月1日付けで、ベトナムで総合的なIT支援事業を提供するNGSC社を連結子会社化することとなり、ベトナム市場開拓に大きな一歩を踏み出します。 今後も積極的なM&Aを通じて、当社グループの顧客拡大、市場拡大に努めてまいります。④ 人材採用・育成の強化 当社及び当社グループが持続的な成長を図っていくには、専門性を有する優秀な人材を安定的、かつ機動的に確保することが必要不可欠と考えております。ベトナムでの産学連携、日本でのベトナム人脈のさらなる活用等も含めて、ターゲット別に最適な人材採用戦略を講じてまいります。日本国内で開発人材不足がますます顕著になっている今、ベトナムにおける豊富な人材を採用し、育成して日本のお客さまのご要望にお応えすることが当社グループの重要な使命であることを心に留め、今後とも優秀な人材の確保に努めてまいります。さらに、日本国内におきましても、都市部だけではなく、地方でも、優秀な人材を獲得すべく、M&A戦略も含め、種々の施策を実行してまいります。⑤ 情報管理体制の更なる強化 当社及び当社グループは、顧客の開発要件によっては、個人情報を含む顧客の機密情報を取り扱う場合があります。これらに適切に対応するために、開発業務の主力であるベトナムで特に重点的に情報管理体制の強化を進めており、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際規格であるISO27001:2013を取得し、情報管理やセキュリティ管理の徹底を図っております。また、2022年9月にはベトナムの国家サイバーセキュリティセンターとの間で、サイバーセキュリティに関する相互支援を目的とした協力覚書を締結し、サイバーセキュリティに関する社内体制の整備を継続しております。日本国内においては、従来から体制を整え、徹底した情報管理を行ってまいりましたが、顧客からの信頼性向上の施策として、プライバシーマークも取得し、更なる体制強化を進めております。⑥ 経営管理・内部管理体制の強化 当社及び当社グループは、グループを取りまく事業環境の変化に柔軟に対応し、継続的に企業価値の向上を図っていくためには、内部統制環境の整備・強化が重要な経営課題であると認識しております。全社的なリスク管理体制の整備、コンプライアンス体制の強化、さらには適切なリスクテイク体制の構築を目指して取り組んでまいります。 なお、2025年10月より、当社は株式会社エアトリの連結子会社となりますが、当社の意思決定・業務遂行等のオペレーションの変更を伴うものではありません。今後、株式会社エアトリとは、経営ノウハウの共有・顧客の相互紹介など双方の事業発展に資する協力関係を強化してまいります。⑦ 持続的な企業の成長 当社及び当社グループは、グループのビジョン、ミッション実現のためには、持続的な事業成長が必須であると考えております。そのために、常にお客様のニーズの変化を把握し、当該ニーズに応えるべく当社の技術レベル・サービス品質の向上を追求してまいります。また、企業買収を通じて、当社グループとして、常にお客様のニーズに応えるための技術・人材の獲得に努めてまいります。 更に、2025年10月よりベトナムで総合的なIT支援事業を展開するNGSC社を連結子会社化することにより、ベトナム市場における当社グループの事業の本格展開を開始しますが、今後も機会をとらえ、グローバルな事業展開により、当社グループ事業の持続的な拡大を図ってまいります。当社取締役会長のチャン バン ミンは、2025年12月22日をもって、当社取締役を辞任いたしますが、今後はHybrid Technologies Vietnam Co., Ltd.のチェアマンとしてNGSC社の事業発展をリードしていくとともに、更なるベトナム事業の拡大に集中して取り組んでまいります。⑧ 手元流動性の確保 当社及び当社グループは、継続的な取引である「ストックサービス」が売上収益の過半を占めているため、キャッシュ・フローは、安定していると認識しております。今後も、事業環境の変化に応じた資本政策にも対応できるように、柔軟な財政政策を実施してまいります。また、投資効率を考慮しつつ積極的にM&A戦略を展開できるよう、十分なキャッシュの獲得に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度における日本経済は、緩やかな回復が継続する状況となりました。一方、地政学的リスクの高まりに起因した物価上昇や米国の金利政策や関税政策、中国の継続的な景気減速等、経済的リスクも高まり続けており、依然として経済の見通しは不透明な状況にあります。 こうした経済環境の中、当社グループが属する情報サービス産業の市場におきましては、新型コロナウイルス感染症によるリモートワーク、非対面ビジネスへの移行が収束した後も、企業の競争優位性に直結するデジタル化、DX化への関心の高まりを背景に、様々な産業におけるIT投資意欲の拡大、それによる情報サービス産業市場の継続的な拡大が期待されております。 このような状況の下、当社グループが提供するハイブリッド型開発サービスは、従来の日本とベトナムのリソースを融合させた開発体制に加え、積極的なM&Aや業務提携により、サービス提供体制の強化、対応領域の拡大を推進してまいりました。 2023年4月に連結子会社化した、エンジニアの派遣、SES事業を展開する株式会社ハイブリッドテックエージェントに始まり、2024年9月期までに顧客の新規事業の立ち上げに伴走するWur株式会社、新潟を拠点とした幅広い地域で標準化された規格によるコストパフォーマンスに優れた開発を提供するドコドア株式会社の3社を連結子会社化し、グループ全体で開発対応領域、提供ソリューションの拡大を進捗させました。連結子会社化後、各社の既存顧客に対するグループ単位でのクロスセルによる堅実なトップラインの伸長、バックオフィス業務の連携等、事業、管理両面においてPMIは順調に進捗しております。 さらに、当期にはITコンサルティング事業や事業戦略・システム導入支援等の事業を営む株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティングをグループに迎えたことで、当社が定義するDX支援における上流から下流に至る一連の工程を網羅するグループ体制を構築いたしました。 一方、当期業績においては、2024年9月期に案件や人員のマネジメントの不足により閉鎖を決議したダナン拠点から、他拠点に移管した残存案件の正常化に要した追加対応工数、この追加対応にリソースを充当したことによる、新規顧客の開拓や既存顧客の拡大の遅れが、売上収益、および各段階利益を押し下げる要因となりました。また、当期に決議した本社移転に係る減損損失等の計上、M&A関連費用の計上等も、当期営業利益に影響しました。 以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上収益は3,024,742千円(前年同期比3.5%減)、営業利益は28,941千円(前年同期比73.3%減)、税引前損失は14,796千円(前年同期は96,920千円の税引前利益)、親会社の所有者に帰属する当期利益は18,732千円(前年同期比64.7%減)となりました。 なお、当社はハイブリッド型サービスの単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。 ② 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ174,834千円減少し、3,891,579千円となりました。 流動資産は前連結会計年度末に比べ396,395千円減少し、1,334,781千円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が442,503千円減少したことによるものです。 非流動資産は前連結会計年度末に比べ221,560千円増加し、2,556,797千円になりました。これは主に、使用権資産が157,333千円、投資有価証券が122,435千円減少した一方で、のれんが286,718千円、その他の非流動資産が182,920千円増加したことによるものです。 (負債) 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ68,157千円減少し、1,719,662千円となりました。 流動負債は前連結会計年度末に比べ63,603千円減少し、697,268千円となりました。これは主に、その他の流動負債が54,118千円、未払法人所得税が35,575千円減少したことによるものです。 非流動負債は前連結会計年度末に比べ4,554千円減少し、1,022,394千円になりました。これは主に、借入金が185,858千円増加した一方で、リース負債が175,402千円減少したことによるものです。 (資本) 当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ106,677千円減少し、2,171,917千円となりました。これは主に、利益剰余金が115,714千円減少したことによるものです。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末より442,503千円減少し、916,620千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により獲得した資金は、11,724千円となりました(前年同期は361,714千円の獲得)。これは主に、法人所得税の支払額91,112千円、その他173,287千円に使用した一方で、税引前損失14,796千円に対して減価償却費及び償却費197,007千円、金融費用61,995千円及び減損損失35,724千円の調整がなされたことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動により使用した資金は、540,208千円となりました(前年同期は300,220千円の使用)。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出323,958千円、関係会社株式取得のための前払金の支出184,035千円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により獲得した資金は、92,683千円となりました(前年同期は13,288千円の獲得)。これは主に、長期借入れによる収入320,000千円を計上した一方で、リース負債の返済による支出121,649千円、長期借入金の返済による支出91,212千円の計上によるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループのサービス提供は、生産実績の記載になじまないため、生産実績に関する記載は省略しております。 b.受注実績 当社グループの行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。(単位:千円)売上収益の区分当連結会計年度(自 2024年10月1日  至 2025年9月30日)前年同期比(%)ストックサービス2,551,50291.3フローサービス473,241139.2合計3,024,74296.5(注)1.当社グループの事業セグメントは、「ハイブリッド型サービス」を単一の報告セグメントとしているため、サービス別の販売実績を記載しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次の通りであります。相手先前連結会計年度(自 2023年10月1日至 2024年9月30日)当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社エアトリ590,15718.8808,57926.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により実際の結果が、これらの見積りと異なる可能性があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要性がある会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しておりますが、重要なものは以下の通りであります。 (収益認識) 当社グループでは、フローサービスの新規受注案件のうち、進捗部分について成果の確実性が認められる案件については工事進行基準(進捗率の見積りは原価比例法)を適用しております。適用にあたっては、受注総額、総製造原価及び当連結会計年度における進捗率を合理的に見積る必要がありますが、予想し得ない工数の大幅な増加等により当該見積りが変更された場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (受注損失引当金) 受注契約に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における受注契約に係る損失見込額を計上しております。受注契約時に予想し得ない事象の発生やプロジェクトの進捗状況等によって損失額が大きく変動する可能性があります。 (投資有価証券) 当社グループの投資有価証券は非上場株式で構成されております。活発な市場における公表価格が入手できない非上場株式の公正価値は、合理的に入手可能なインプットにより、主に割引キャッシュ・フロー法を使用して測定しております。公正価値の評価は、評価する時点において入手可能な情報に基づく最善の見積りと判断に基づき実施しておりますが、将来の事業環境の変化等の影響により見積りの見直しが必要となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (のれん) 当社グループは経営戦略に基づく事業拡大のため、株式取得による企業結合を行っております。当該企業結合により認識されたのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、又は減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。この減損テストにおいては、評価時点で入手可能な経営者の最善の見積りと判断による将来キャッシュ・フロー予測に基づいて実施されておりますが、将来の事業環境の変化等の影響によりこれらの見積りが変更された場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態の分析 財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載の通りであります。 b.経営成績の分析(売上収益) 当連結会計年度の売上収益は、3,024,742千円(前期比3.5%減)となりました。これは主に、前当連結会計年度中に取得した連結子会社のWur株式会社、ドコドア株式会社の取り込みによる増加及び、新規案件の獲得により増加した一方、主にダナン拠点の既存顧客撤退による減少影響の結果によるものであります。 (売上原価、売上総利益) 当連結会計年度の売上原価は、2,005,861千円(前期比7.2%減)となりました。これは主に、売上規模に応じてエンジニアの稼働が減少したことによるものであります。 以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は、1,018,881千円(前期比4.6%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益) 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、1,001,608千円(前期比18.3%増)となりました。これは主に、M&Aの取得関連費用の計上等によるものであります。また、その他の費用にて、当期に決議した本社オフィスの閉鎖・移転に係る減損損失等の計上いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、28,941千円(前期比73.3%減)となりました。 (金融収益、金融費用、税引前利益) 当連結会計年度の金融収益は、18,259千円(前期比44.9%減)となりました。これは主に、為替差益の減少によるものです。一方で金融費用は、61,995千円(前期比38.8%増)となりました。金融費用は、主に当連結会計年度にて、当社が保有する「投資有価証券」に区分される有価証券のうち実質価額が著しく低下したものについて減損処理を実施し、投資有価証券評価損を計上したことによるものです。 以上の結果、当連結会計年度の税引前損失は、14,796千円(前期は96,920千円の税引前利益)となりました。また、当連結会計年度における法人所得税費用は69,376千円のマイナス(利益方向)となりました。法人所得税費用がマイナスとなった要因は、繰延税金資産の計上を行ったことによります。この結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、18,732千円(前期比64.7%減)となりました。 c.キャッシュ・フローの分析 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ③ 資本の財源及び資金の流動性 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、事業活動のための適切な水準の流動性の維持及び市場から理解を得られる株主価値向上を目指した明確な資金調達戦略の提示と実行を基本方針としております。ハイブリッド型サービスにおいて技術者の採用は重要であり、これらの資金需要は内部資金または資金調達の実施により賄うことを基本としております。 ④ 目標とする客観的な指標等の推移 当社グループは、「第2事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載の通り、売上高の継続的かつ累積的な増加の実現のため、ストックサービス件数とストックサービス単価を重要指標としております。 2025年9月期におけるストックサービス件数は、新規案件の獲得、前連結会計年度に子会社化したWur株式会社の通期貢献、及び当期第4四半期に連結開始した株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティングの案件取込み等により、2024年9月期末から微増し59件(前期比4件増)となりました。 ストックサービス単価においては、一部既存案件の終了や縮小、小規模に始動する新規案件の増加、比較的小規模な傾向がある株式会社ハイブリッドビジネスコンサルティングの算入等により、2024年9月期末時点の3,454千円から161千円減少し3,293千円(前期比4.7%減)となりました。  なお、当社グループは「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標②管理指標の改定(追加)について」に記載の通り、重要な管理指標としておりますストックサービス件数とストックサービス単価に加えて、2026年9月期より、事業の目標や進捗状況を示す指標としての明瞭さを向上させる目的で、フローサービスの進捗を図る管理指標を新たに定義する方針であります。 なお、従来のストックサービス件数、ストックサービス単価の定義等に変更はありません。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は「第2事業の状況 3.事業等のリスク」をご参照ください。

事業リスク

  • 市場認知と競争激化
    日本におけるベトナムオフショア開発の市場認知度が想定通り向上しない場合や、IT人材の確保・育成が計画通りに進まない場合、同社の成長シナリオに影響を及ぼす可能性があります。特に、優秀なIT人材の流出は開発力やコスト競争力の低下を招き、業績に悪影響を与えるリスクがあります。
  • 特定顧客への依存
    2025年9月期において、上位5社への売上収益比率が42.4%と高く、特定の顧客に依存している状況です。新規顧客開拓が進まず、既存顧客の業績が悪化した場合、同社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。顧客基盤の分散が今後の課題となります。
  • ベトナムカントリーリスク
    事業の中核をベトナム子会社が担っているため、ベトナムの人件費高騰、法改正、税制優遇の見直しなどにより、オフショア先としての優位性が失われる可能性があります。また、為替相場の変動も連結業績に影響を与えるリスクがあり、長期的な視点でのリスク管理が求められます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,082 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性を認識している主要なリスクは、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1)事業環境、事業構造面① 市場認知 「第2事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載の通り、現在の日本社会は、深刻なIT人材不足の状況にあり、デジタル化の遅れが大きな社会問題となっていますが、それらは、当社グループがサービスを提供するDX推進市場の可能性を示しているとも考えられます。当社グループでは、ハイブリッド型サービスで実績を積み重ねるとともに、各種プロモーション活動等の啓蒙活動を積極的に展開し、日本におけるベトナムオフショア開発の市場認知度の向上を推し進める活動を実施していますが、これらの取組が想定通りに進展しなかった場合に、当社グループの成長シナリオに重要な影響を及ぼす可能性があります。② 競争激化 今後の事業の拡大を推し進める上で人材の確保・育成が重要な経営課題であり、当社グループは在日ベトナム人コミュニティ内でのリファラル採用や、ベトナム国内における複数大学との産学連携など、日本とベトナムで様々な施策を実施しております。しかしながら、採用が計画通りに進まなかった場合、また人材の流出も含めて人材の育成が進まなかった場合に、当社グループの開発力やコスト競争力が相対的に低下することで、失注や利益率の悪化等を招き、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。③ 特定顧客への依存 当社グループは、主にWeb/ECシステム、モバイルアプリ領域を中心にハイブリッド型サービスで実績をあげており、既存顧客の継続案件が増加傾向にあります。その結果、2025年9月期で上位5社による売上収益比率が42.4%となっております。当社グループは、新規顧客の開拓を行うことで相対的な依存度を下げていく各種取組を進めておりますが、これらの取組が想定通りに進展せず、既存顧客の業績等の影響を受けた場合に、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。④ 法的規則 当社は2023年4月に、人材派遣業を主要事業とする株式会社ハイブリッドテックエージェント(旧:キャスレーコンサルティング株式会社)を子会社化いたしました。その結果、現在、当社グループの事業には、日本においては「労働者派遣法」「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」や「下請代金支払遅延等防止法」、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」等の関連業法や告示が存在します。また、ベトナムにおいても、各種関連法令が存在します。当社グループでは、顧問弁護士のアドバイスも受けながら、業務フローやマニュアルを整備するとともに、法務担当部門が中心となって運用状況を適宜チェックしております。現時点では、事業の継続に大きく影響を及ぼすような法規制は無いものと認識しておりますが、今後の法整備の結果、新たな法規制が発生し、当社グループの対応が遅れた場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。⑤ 移転価格税制 当社グループにおいて、国境を跨ぐ会社間の取引価格の設定においては、適用される移転価格税制の遵守に努めていますが、税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受けた場合、追徴課税や二重課税が生じることにより、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。⑥ ベトナムカントリーリスク 当社グループの事業は、ベトナム子会社が開発業務の中核を担っております。ベトナムは同じIT技術大国であるインドや中国と共に、オフショア先として注目を浴びている国の一つです。長期的な観点ではオフショア先をベトナムに限定することなく、グローバルな視点からリスクを管理してまいりますが、今後ある程度の時間レンジでは、同国の人件費の高騰、法改正や税制面での優遇の見直し等でオフショア先としての優位性が無くなった場合に、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。⑦ 為替相場の変動 当社グループのベトナムを中心とした事業は、連結財務諸表を作成するにあたっては現地通貨を円換算する必要があり、換算時に使用する為替レートによっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。極端な為替相場の変動に伴うリスクをヘッジするため、為替予約等の対策を講じてまいります。⑧ 新規技術への対応遅れ 当社グループの事業は、インターネットを中心としたITシステムの利用を大前提としておりますが、生成AI技術などの技術革新等でIT環境に大きな変化が起こり、その変化に対応するための技術開発に多大な費用が発生した場合や、当社グループ側の対応が遅れた場合に、競争力が低下することが考えられます。また、インターネットの利用を制約するような新たな法的規制の導入等により、インターネット関連市場の発展が阻害され、当社グループの事業が低迷することが考えられます。以上のような場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。⑨ 知的財産権 当社グループが提供するハイブリッド型サービスにおいては、ソフトウェア開発に関連する特許権や著作権等の知的財産権の確保が業務遂行上重要であり、独自の技術・ノウハウ等の保護・保全とともに、法務担当部門及び品質管理部門が中心となって、第三者の知的財産権を侵害しないよう十分な注意を払っております。しかしながら、第三者より損害賠償及び使用差止め等の請求、並びに特許に関する対価(ロイヤリティ)の支払等が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。⑩ システムトラブル 当社グループは、自社サービスをサーバー上で提供していないものの、日本とベトナム両拠点においてインターネットを中心としたITシステムの環境下でソフトウェア開発を行っています。使用するハードウェア、ソフトウェア、通信回線等の不具合、人為的なミス、さらにはコンピュータウイルス、停電、自然災害等によって作業が中断し、当社グループ側の対応が適切に行われなかった場合に、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。⑪ 情報セキュリティ 当社グループは、サービス提供の過程で、顧客のシステム上で直接開発作業を行うことがあり、各種機密情報にもアクセスすることがあります。そのため、顧客との間で責任範囲を明確にして、ベトナム子会社では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証を取得するとともに、グループの品質管理部門やITインフラ部門が中心となって、情報セキュリティソフトの導入や、各種社内規程や作業手順書の整備、社内教育・啓蒙活動を実施するなど、社員の情報管理には徹底して取組んでおります。しかしながら、不正アクセスや操作ミス等の発生、あるいはコンピュータウイルスによる被害等、不測の事態の結果、機密情報が外部に漏洩した場合には、信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。⑫ ストックサービスの品質について 当社グループが提供するハイブリッド型サービスにおいては、その全体収益の大半を占める準委任契約であるストックサービスについては法的には作業結果に対する契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負いませんが、サービスの品質が顧客の求める水準を維持できなかった場合には、顧客からの信用低下により、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。⑬ 不採算プロジェクトの発生について ハイブリッド型サービスを計画通りに完了させることは、当社グループの業績向上にとって非常に重要であります。特に、当社グループの提供するフローサービスにおいては見積り精度が重要であり、プロジェクトごとの利益管理及び進捗管理を徹底しております。しかしながら、このような施策を講じたにも関わらず、不測の事態により想定を超える工数増加や納期遅延等が発生した場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。⑭ 自然災害による影響について 当社グループは、日本国内では東京、新潟に、ベトナム国内ではホーチミン、ハノイの2ケ所に拠点を設けておりますが、これらの地域で、地震等の自然災害やそれに伴う二次災害等の発生により事業活動が停滞する可能性があります。いずれかの事業拠点で大規模な災害等が発生した場合でも、その他の拠点で業務を継続できる体制を取っておりますが、自然災害等の規模や状況によっては、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。 (2)組織、体制面① 特定人物への依存 当社の取締役、執行役員は、それぞれの管掌する領域において経営方針や戦略の決定、推進等に大きな役割を果たしておりますが、過度な依存からの脱却のために、管理・監督層の人材の育成、権限の移譲を進めております。しかしながら、現時点では、不測の事態により取締役・執行役員の当社経営及び業務執行への関与が困難となった場合、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。② 人材獲得、育成 「第2事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の通り、今後の事業の拡大を推し進める上で人材の確保や育成が重要な経営課題と認識しておりますが、当社グループの取組が想定通りに進展せず、人材の確保、育成が進まなかった場合には、当社グループの事業展開に重要な影響を及ぼす可能性があります。③ 内部管理体制の整備 当社グループは、当社グループを取りまく事業環境の変化に柔軟に対応し、持続的に企業価値の増大を図っていくためには、日本とベトナムの両拠点で内部統制環境の整備、強化を重要な経営課題であると認識して取組んでまいりました。しかしながら、事業の急速な拡大や当社グループの企業数の増加の中で、内部統制環境の構築が追いつかない事態が生じた場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。④ 投融資 当社グループでは、今後の事業展開の過程において、既存サービスの強化、グローバル展開の加速及び新たな事業領域への展開等を目的として引き続き、出資、設備投資、アライアンス、M&A等の投融資を実施する方針であります。投融資については、弁護士・税理士・公認会計士等の外部専門家の助言も得ながら投資リスクを十分に検討し、また、当社グループの財政状態等を総合的に勘案して決定しますが、予定していた投融資の回収ができない場合や、減損損失の対象となる事象が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3)大株主との関係について① 大株主2社が支配権又は重大な影響力を有することに伴うリスク 当連結会計年度末において、Soltec Investments Pte. Ltd.は、当社株式の議決権34.5%、株式会社エアトリは、当社株式の議決権30.3%(間接所有分3.1%を含む)を有しております。Soltec Investments Pte. Ltd.は投資会社であり、そのグループに属する企業から当社はシステム開発業務を受注する場合もありますが、当連結会計年度は該当ありません。② 株式会社エアトリと当社の関係性について 株式会社エアトリは、当社の主要株主であるSoltec Investments Pte. Ltd.との間で、当社の議決権の行使に際して、Soltec Investments Pte.Ltd.が株式会社エアトリの意思と同一の内容の議決権を行使することに同意したことで、2025年10月1日以降、実質支配基準に基づき、当社の親会社に該当することとなりました。 株式会社エアトリは、旅行プラットフォーム「エアトリ」を中心とした旅行コンテンツの提供を行う「オンライン旅行事業」、ベトナムにおけるソフトウェア開発などのオフショア関連事業を行う「ITオフショア開発事業」、戦略的なM&A及び成長企業に対する投資育成を推進する「投資事業」、及びその他事業からなり、現時点において、当社の事業と株式会社エアトリグループの事業の競合等が想定される事象は発生していないものの、将来において株式会社エアトリグループの事業戦略や当社の位置付け等に著しい変更が生じた場合には、当社の財政状況及び経営成積に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 株式会社エアトリグループへの取引依存 株式会社エアトリグループとの取引比率については、当社の連結売上収益に占める割合が、2024年9月期は24.7%、2025年9月期は28.4%となっております。同グループとの取引については、取引条件や各種業務フロー、関連当事者取引に対するチェック体制等の整備を行ってきたことから、当社グループの事業の独立性については確保できていると考えております。また、同グループ以外の顧客の新規開拓を積極的に進めることで、取引依存度を相対的に下げる取組を進めております。しかしながら、これらの取組が想定通りに進展せず、同グループ企業の影響が相対的に高まる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他① 潜在株式による希薄化 当社は、当社グループの役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権(ストック・オプション)を付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。本書提出日現在、ストック・オプションによる潜在株式数は1,486,500株であり、発行済株式総数11,493,548株の12.9%に相当しております。② 配当政策 当社は、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先し、設立以来2025年9月期までは配当を行っておりません。しかしながら、株主に対する安定的な利益還元の実施は、多面的な企業価値の向上において重要な経営課題であると認識しております。 今後の利益配分については、グループ全体の収益基盤の強化が進捗し、安定的な利益創出を実現し、将来の事業拡大や収益の向上を図るための成長投資余力との調和を図りつつ、適切に実施していく方針であります。

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