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FY2025|13,257 文字
3 【事業等のリスク】 1.当社グループのリスク管理について(1)リスクに対する考え方 当社グループにおいては、複雑さと不安定さが増していく経営環境に対応するため、リスクを「目標の達成に好ましい、好ましくないまたはその両方の影響をもたらす不確かな事象」と定義し、全社的かつ総合的なリスク管理体制を整備、運用することで、先を見越したリスク管理と適切なリスクテイクを伴う経営を推進しています。 (2)リスク管理体制当社グループは、執行役社長を当社グループにおけるリスク管理を統括する最高責任者とし、執行役社長と各執行役・執行役員から構成されるERM委員会を設置しています。ERM委員会においては、グループのリスク管理の基本方針等重要事項を審議し、またグループ全体に大きな影響を及ぼしうる重大リスクを識別・特定し、その管理状況をモニタリングします。また、リスク管理の状況は、取締役会に報告し、その監督を受けています。各組織においては、ビジネスグループ、コーポレートファンクションの長がERM部門責任者となり、その下で実務を担うERM部門管理者及びERM部門担当者を配置して、組織レベルでのリスク管理を推進しています。 (3)リスク管理の推進当社は、事業ポートフォリオ戦略や事業基盤、環境や社会への影響など、当社グループにとっての課題を分類、整理し、社外有識者へのヒアリング、社外取締役連絡会での討議などを通じて多角的な観点から確認したうえで、当社グループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定しています。リスク管理におけるリスクカテゴリーについては、このマテリアリティに基づき、当社グループの経営に影響を与えうるリスクを抽出、分類し、31個のリスクカテゴリーを定めています。 マテリアリティマテリアリティから分類された31個のリスクカテゴリー(2024年度) 当社グループにおけるリスク管理は、経営層が当社グループの経営に影響を与えるリスクを予め特定し、グループをあげて全社的に取り組む活動(全社視点リスク)と、各組織においてリスクを特定し、組織毎に対応を行う活動(組織独自視点リスク)を両輪とする活動になっています。全社視点リスクについては、リスク主管役員がリスク主管部門を指揮し、組織独自視点リスクについては、各組織が自ら自組織の保有するリスクを特定・評価し、それぞれ対応策を検討・実行します。各組織で実施しているリスク対応策の実施状況については、リスク主管部門がモニタリングし、ERM委員会に報告するとともに、必要に応じて各組織に対して追加対応策実行の要請をします。この全社視点リスクの一連の活動は、ERM委員会での審議・報告が行われます。 (4)重大リスクへの対応ERM委員会では、国際情勢や事業環境に照らして、近い将来にグループ全体に影響を与えうる重大なリスクを特定し、重大リスクとして対応を進めています。重大リスクについては、定期的にERM委員会において対応状況の報告がなされ、リスク対応策の有効性を評価し、必要に応じて各組織に対し追加対応策の要請を出すなど、適切にリスク管理が実行されるよう努めています。なお、2024年度は、地政学リスク、サプライチェーンリスク、情報セキュリティリスクなど7つのリスクを重大リスクとして特定し、個別事情に応じた対応策を講じ、当社の経営成績及び財政状態に与える影響の回避・低減に取り組んでおります。 (5)戦略リスクへの対応中長期の戦略、事業目標や計画、投資など経営判断に起因して顕在化しうる戦略リスクは、機会の側面と脅威の側面の両方を有します。当社は、戦略立案から投資の意思決定に至るまでの成長機会と脅威双方の把握と可視化を行い、将来の期待利益だけでなく、脅威に関する評価を視点に加えた適切なリスクテイクを伴う経営を推進しています。 (6)クライシス(危機)への対応 当社では、グループの役職員等の生命及び安全、並びに事業継続、社会的信用、企業価値等に多大な影響を与えるリスクが顕在化またはそのおそれがある事態が生じた場合に、損害の拡大抑止と早急な復旧を行うための危機管理体制の整備を進めています。対象とする危機事象には、大規模自然災害、大規模情報システム障害・情報セキュリティインシデント、パンデミック、保安及び環境上の重大事故、戦争・大規模テロを含みます。各組織は、危機事象の発生に備え、平時から事前対策の実行、BCPの整備、訓練の実施などの活動を行うとともに、危機事象の発生時には、有事の危機管理体制の下、人命・安全確保を最優先として、当社グループの財産・資産並びに社会に与える影響の最小化、社会的信用の保護を基本方針として、事態の収束に向けて最善を尽くします。 2.事業活動における個別リスク 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。なお、以下の事項は有価証券報告書提出日(2025年6月23日)現在において判断した記載となっています。 (1)事業セグメントごとのリスク 当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。事業セグメントごとに想定されるリスクとその対応策は以下のとおりです。なお、現時点における想定・予測を超えて事業環境が変化した場合、また当社の講じるリスク対応策が有効に機能しない場合には、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ①スペシャリティマテリアルズセグメントセグメントスペシャリティマテリアルズセグメント想定されるリスク及び影響 スペシャリティマテリアルズセグメントの製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合または市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、必要な原材料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。情報電子関連製品の中には、アジア等海外のメーカーから原材料を購入しているものも多く、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、需要動向が予測以上に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策 このような事業の特性を踏まえ、当社グループにおいては業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。・製品の品質・性能面での継続的な高度化・原材料の複数購買化及び代替原料の検討・販売動向予測に基づく生産計画の調整及び在庫管理の徹底・製造コストダウンによる競争力の確保・新規顧客の獲得及び新規用途の開発 これらの対策により、急激な価格変動や需給バランスの変化、特定地域・サプライヤーの供給体制の変動に備えています。 ②ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、MMA&デリバティブズ及び産業ガスセグメントセグメントベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、MMA&デリバティブズ及び産業ガスセグメント想定されるリスク及び影響 ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、MMA&デリバティブズ及び産業ガスセグメントでは、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しております。そのため、原油価格、原燃料またはナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合または製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性があります。 また、ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ、MMA&デリバティブズ及び産業ガスセグメントの製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策 このような事業の特性を踏まえ、当社グループにおいては業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。 ・原燃料価格動向の早期の情報収集・販売動向予測に基づく生産計画の調整及び在庫管理の徹底・原燃料の複数購買化の実施・製造コストダウンによる競争力の確保・特許対応による知的財産の保護・コークス炉の減門によるキャパシティの適正化とコスト構造の改善 生産及び販売体制の最適化に向けた構造改革等対策により、急激な価格変動や需給バランスの変化、特定の取引先の需要変動に備えています。 ③ファーマセグメントセグメントファーマセグメント想定されるリスク及び影響 一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画どおりに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、または承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。 ファーマセグメントは、診療報酬や薬価基準等の各種医療保険制度による影響を強く受けることから、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。 共同研究・開発、製品導出入、製造、販売など各種業務に関する委受託を行っております。提携先との契約の変更・解消、提携先の経営環境の悪化及び経営方針の変更並びにこれら企業からの医薬品供給の遅延または停滞が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策 このような事業の特性を踏まえ、当社グループにおいては業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。・中枢神経・免疫炎症・がんを注力領域に研究資源の集中・外部からの導入によるパイプラインの充実・パイプラインの定期的な評価を通じた成功確度の向上・開発段階から市販後における安全性情報の収集・分析を行うグローバルな安全性管理体制の構築・製品の品質管理の厳格化、原料調達体制の多様化・分散化による安定供給・提携先やサプライヤーとの信頼できるパートナーシップの構築 これらの対策により、計画通りに新薬が製品化できない影響及び医薬品の供給遅延・欠品、副作用の発生による影響に備えています。 ④サービスセグメント(その他)セグメントサービスセグメント(その他)想定されるリスク及び影響 エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあります。これらの顧客とは、日常的にコミュニケーションをとり、顧客要望の的確な把握、提案型営業の強化に努めていますが、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策 エンジニアリングや物流等のサービス業については、各事業の特性を踏まえ、業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。・DX(デジタルトランスフォーメーション)ツールの導入による各種管理活動の自動化、効率化の推進・市場動向の早期情報収集・物流業界や建設業界における、いわゆる2024年問題を踏まえた適切な労働環境の整備や従事者の処遇改善 これらの対策により、市場環境の変化、特定の取引先の需要変動に備えています。 (2)グループ全体に影響のあるリスク①サプライチェーン・地政学に関連するリスクリスク項目サプライチェーン(地政学リスク・経済安全保障リスクを含む)想定されるリスク及び影響・当社グループの事業に関連する国・地域における大規模な自然災害、パンデミック、重大事故・トラブル、政治的・軍事的緊張の高まり(地政学リスク)、貿易摩擦や経済制裁の影響、その他、法規制面、税務面、労働環境や当該国・地域固有のリスクに起因する予測困難な事態の発生などにより、サプライチェーンが分断され、業績に影響を与える可能性があります。・原材料ソースが偏在している国・地域で上述のリスクが顕在化し、原材料の調達が困難な事態が発生した場合には、当社グループの生産・供給体制に影響が生じ、業績に影響を与える可能性があります。・昨今のグローバルでのインフレ進行による、原材料・エネルギー価格、物流費の高騰の影響により、業績に影響を与える可能性があります。・当社グループ製品が、法令違反、サプライチェーンにおける環境影響及び人権侵害に係る問題、経済安全保障に係る問題に抵触(関係)した場合、または、経済安全保障に関して他国・地域から経済的な外圧影響等を被るなどした場合に、原材料の調達や製品の販売に影響が生じ、業績に影響を与える可能性があります。・原材料の調達及び製品の販売における物流・サービスに関する人材不足の影響により、調達コストの増加や製品納入遅延などが生じ、業績に影響を与える可能性があります。・当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制や税務面、その他労働環境や慣習等に起因する予測困難な事態の発生などのカントリーリスクにより、当社グループ製品の生産・販売活動に支障を来し、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策・調達先の分散や代替原材料の検討、また、安全操業による製品の生産や製品の品質の維持・向上に努め、安定的な調達・生産・供給体制を構築していくとともに、売上債権についても保険等の活用により、保全に努めています。・取引先への人権デューデリジェンスを実施することで、事業活動を持続可能なものとするよう努めています。・経済安全保障にかかるリスク対応推進体制を構築し、国際情勢や法令の制定・改正、規制動向などの情報収集・分析・提供をするなど、経済安全保障関連法令リスクについて適切な対応を行っています。・当社グループ会社での情報収集や外部機関等を通じて事業を展開している国・地域のカントリーリスクの調査・情報収集・評価を行い、リスク対応のアクションプランの高度化を推進しています。・有事に備えた安全管理体制の整備・運用、事業継続計画(BCP)の強化などを行っています。 ②情報セキュリティに関連するリスクリスク項目情報セキュリティ想定されるリスク及び影響 ・ハードウェア・ソフトウェアの脆弱性や利用者の情報セキュリティリテラシー不足などのため、サイバー攻撃によって自社システムや利用するクラウドサービスが侵害されると、企業活動(生産、販売、出荷、決済、開発等)が停止し、取引先にも多大な影響を及ぼします。その結果、復旧や補償などの対応に費用が生じるだけでなく、社会的信用の失墜やブランド価値の低下を招く可能性があります。・自社が扱う技術情報が漏洩し競合他社や他国に渡ると、不正な転用がなされ競争力低下を招く恐れがあります。さらに、秘密保持契約違反を問われる可能性もあります。・個人情報については犯罪に利用されることにより、個人から損害賠償請求を受ける可能性、個人情報保護委員会など各国監督当局から指導・制裁を受ける可能性、刑事罰(個人情報保護法など)を受ける可能性があります。・自然災害や事故等による大規模システム障害が発生することにより、自社の技術情報、個人情報が漏洩・消失する可能性があります。リスク対策 ・情報管理委員会を設置し、情報セキュリティに関するポリシーや規則の制定、各種セキュリティ施策をグローバルで進めています。・セキュリティインシデント対応チーム(CSIRT)やセキュリティオペレーションセンター(SOC)を設置し、日々社内ネットワークやインターネット通信の監視、アンチウイルスソフト(NGAV)やふるまい検知(EDR)機能を利用したPCの挙動監視により、不正侵入の兆候の早期検知、対処に努めています。また、継続的にインシデント対応訓練を実施して対応強化を図っています。・サイバー攻撃は日々変化し巧妙化しているため、対策は継続して実施するとともにそのレベルを向上させていきます。・IT資産(ハードウェア、ソフトウェア等)の脆弱性を定期的にチェックし、必要に応じパッチやその他の対策を講じることで、セキュリティレベルを維持・向上させています。またインターネットなど外部に公開されている情報資産についても、そのリスクの把握と対策に取り組んでいます。・サイバー攻撃を早期に、未然に対処することができるよう、最新のサイバー脅威情報を収集し、それを基にセキュリティ対策の更新・強化に努めています。・情報資産管理レベル毎に保管区分や持ち出し/閲覧の手続きを厳格化するとともに、PCの管理者権限の制限やデータの読み取り/書き出しの制限等を通じて、容易に情報の持ち出しができないよう管理を強化しています。・情報セキュリティに関する知識と意識を向上させるために、全従業員を対象に、E-learning(情報セキュリティ、情報管理等)や標的型攻撃メール訓練を継続的に実施しています。・自然災害や事故による情報システム障害に備え、システムや情報資産の重要度に応じて冗長化を実施し、一部のシステムが停止しても情報が消失せず、業務を継続できるような環境を構築します。 ③DXに関連するリスクリスク項目デジタルトランスフォーメーション(DX)想定されるリスク及び影響 ・レガシーシステムの残存により、旧式のシステムやプロセスが適切にアップグレードされず、業務の円滑な運営やプロセス改革が効率的に行われない可能性があります。・進化するデジタル技術を効果的に活用することができず競合他社に対して競争力で後れを取ることにより、新たな市場機会を失うだけでなく、既存の製品についても市場ニーズに対応できず売上収益を失うなど、将来における当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。・優秀なデジタル人材の確保及び育成が継続的になされないことにより、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が遅れる可能性があります。・DX投資が計画的かつ適切な投資が行われないことにより、将来に過大な投資が必要になるなど財務的な悪影響が生じるだけでなく、必要な改革プロジェクトの進行が遅れ、将来のビジネス機会を失う可能性があります。リスク対策 ・当社グループの業績改善に貢献するプロセス改革や効率化につながるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することで、「デジタルケミカルカンパニー」となることをめざしています。・従業員一人ひとりがデジタル技術やデジタルビジネスモデルを活用した働き方を実現する「スマート人材」となることをめざした教育体系の整備を進めています。・事業部門でのDX推進(市民開発)とそのための教育・サポート、ガイドラインの整備(DXツール、生成AI利用等)を進めています。・ビジネスプロセスの標準化・自動化の加速に取り組んでいます。・データ戦略をもとにした全社データ基盤整備と利活用の推進に取り組んでいます。・基幹システムの統合をはじめ、DXツールやソリューションの標準化によるグローバルでの全体最適化を推進しています。・デジタルインフラの整備・更新のための計画的かつ継続的な投資を行っています。 ④法規制対応/コンプライアンスに関連するリスクリスク項目法規制対応/コンプライアンス想定されるリスク及び影響・法令・社内規則違反等のコンプライアンス違反が発生した場合、違反の内容によっては、業務停止・許認可の取消・課徴金の支払等の行政処分、取引停止・取引先への損害の賠償、刑事罰等が課せられる可能性があります。これらの場合、当社グループに多額の損失が発生するだけでなく、当社グループのブランドイメージ・社会的信用力が著しく低下することも予想され、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。・上記の違反に対しては、是正及び再発防止措置をとる必要があり、その程度によっては業務負荷が大幅にかかることになり、従業員の疲弊、モチベーションの低下、離職率の増加につながるおそれがあります。・当社グループが事業活動を進めるなかで影響し得る国内外の各種法規制の変更や強化、新たな法制度の整備等により、事業活動の機会も影響を受け、法規制への対応のために投資や労務負荷などの追加コストが発生する可能性があります。リスク対策・チーフコンプライアンスオフィサーを頂点とする「コンプライアンス推進体制」を整備するとともに、グループワイドに適用される「コンプライアンス推進プログラム」を制定しています。活動の方向性として、「不正のトライアングル」を意識しています。・上記コンプライアンス推進プログラムに沿って、経営トップによるコンプライアンスメッセージの発信や必要な規則類の整備、各種の啓発・教育活動や内部通報制度の整備・運用に加えて、従業員のコンプライアンス意識に係る定期的なモニタリングを実施しています。・各法分野、各地域に担当の部門を設置し、現地法律事務所などを活用しながら各国の法規制動向をモニタリングしています。・コンプライアンス違反が発生した場合には、その迅速な是正対応や適切な社内処分を行う体制を整備しています。 ⑤人権に関連するリスクリスク項目人権想定されるリスク及び影響・近年欧米を中心とした児童労働や強制労働などを禁止する人権に関する法規制の強化がなされるなか、当社グループだけでなく、当社グループと取引のあるサプライチェーン先において、人権侵害に関与する事案が発生することにより、社会的信頼やブランド力の低下、取引停止などにつながり、業績に影響を与える可能性があります。・職場で差別やハラスメント行為が発生した場合には、従業員の健康の悪化やモチベーションの低下、離職率の増加などにつながるだけでなく、当該行為が悪質だった場合、または、その対応が遅れたり、対応を誤った場合には、当事者による訴訟の提起やマスメディアによる批判など社会的な信用度の低下を招くおそれがあります。リスク対策・世界人権宣言、国連グローバル・コンパクト、国連のビジネスと人権に関する指導原則、及びISO26000などの国際規範に準拠した具体的な指針として「人権の尊重並びに雇用・労働に関するグローバルポリシー」を定めて、従業員への啓発や教育への取組みを行い、また、人権侵害の是正・救済体制の整備も実施しております。・各国で適用される法令や人権に関する最善の慣行の遵守、従業員満足度の向上に努めています。・適切なサプライチェーンを運営しながらグローバルな事業活動を持続的に展開していけるよう、社内や取引先等への人権デューデリジェンスを進めております。 ⑥大規模自然災害に関連するリスクリスク項目大規模自然災害想定されるリスク及び影響・地震、津波、台風、洪水、山火事等の大規模な自然災害が発生することにより、従業員とその家族への人的な被害の発生、事業所、製造所等における建屋や設備の損壊、道路、公共交通機関や社会インフラ(電気・ガス・水道)の寸断が生じ、当社グループにおける開発・製造・販売等の事業活動が一時的に停止する可能性があります。 ・当社グループに対する自然災害の直接の影響が軽微であったとしても、サプライチェーンや物流関係が被害を受けることで、原材料の調達不足、輸送手段の確保困難により製造や出荷等の遅延、停止が想定され、市場への製品供給に支障が出るおそれがあります。 ・自然災害の被害が広範囲に及び、その復旧・復興が長期にわたる場合には、製造設備等の復旧費用の増大、事業計画の大幅な見直し、消費マインドの冷え込みによる需要減少など、当社グループの業績に多大な影響を与える可能性があります。 リスク対策・大規模自然災害が発生した場合に備え、BCM(Business Continuity Management)ガイドラインや災害対策本部マニュアル等を策定するとともに、いち早く従業員とその家族の安否確認を行う仕組みを導入しています。 ・各製造所において事業継続計画(BCP)を策定するとともに、有事発生時の情報収集体制を整備し、平時から製造所間及び本社との情報共有にも力を入れています。・平時より緊急時に備えた訓練を各事業所において実施するとともに、想定される最大規模の被害を基準として、これに耐え得る設備の防災性能強化を継続的に図り、対策の改善に努めています。 ・万一大規模自然災害が発生した場合には多大な損害が生じることが想定されるため、損害を軽減させるために損害保険へ加入するなどの対策を講じております。 ⑦事故・事業活動に起因する災害に関連するリスクリスク項目事故・事業活動に起因する災害想定されるリスク及び影響・製造プラントにおいて火災爆発などの事故が発生した場合、設備復旧の費用だけでなく、製造、販売などの事業活動の停止による影響も想定され、当社グループの事業目標や業績に多大な影響を与える可能性があります。また、死傷者などの人的被害や地域社会へ影響を与えた場合、補償や復旧のための費用だけでなく、社会的信頼性の低下を招く可能性があります。・製造プラントにおいては様々な化学物質を取り扱っており、これらの化学物質が製造所外に漏洩した場合、人的被害や環境汚染などの地域社会に影響を生じさせるだけでなく、これを解決、解消するための費用やレピュテーションによる社会的信頼性の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策・製造プラントの運転管理、設備管理、プロセス安全評価、変更管理等の安全活動を継続的かつ確実に実施することで、事故・災害等の未然防止、被害・影響の拡大防止、再発防止に努めています。・DX技術(ビッグデータやAI等)を使用した類似災害防止システムの構築等の災害防止のためのシステム開発にも取り組んでいます。・万一事故が発生した場合には多大な損害が生じることが想定されるため、損害保険への加入や事業継続計画(BCP)に基づく情報収集体制を整え、中核となる事業の継続や事業の早期復旧への取組みを進めています。 ⑧品質・安全性に関連するリスクリスク項目製品の品質・安全性想定されるリスク及び影響・当社グループで製造・販売している各種製品において品質・安全性上の問題が発生した場合には、製品の出荷停止や回収のための追加費用が発生する可能性があります。さらに、品質や安全性上の問題に起因して人的被害が発生した場合には、その補償を含め多大な損害が発生することになります。また、取引先や社会からの信頼も失墜し、当社ブランドの価値が著しく低下する可能性があります。・当社グループで製造・販売している各種製品の品質・安全性上の問題が製造物責任(PL)問題に発展した場合は、業績に多大な影響を与える可能性があります。・当社グループで製造・販売している医薬品において、安全対策を講じてはいるものの、予期せぬ有害事象が発現した場合には、製造・販売中止や製品回収を行う可能性もあり、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策・国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、また、各国・地域の法規制にも対応したそれぞれの事業特性に最適な品質保証体制を構築しています。・万一重大な品質問題が発生した場合に備え、社内外の関係者と連携し、適切な対応を協議した上で、速やかに対応するとともに、再発防止に向けた対応を協議・実施する体制を整えています。・新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。・当社グループで製造・販売した製品等に起因する製造物責任賠償への対策として、PL保険に加入し、万一の事態に備えております。・当社グループの医薬品については、規制当局や社外内の関係者と連携し、患者さんや医療機関への迅速かつ適切な情報提供体制を構築する等により、適正使用に向けた安全性情報提供活動を実施しております。 ⑨知的財産権に関連するリスクリスク項目知的財産想定されるリスク及び影響・当社グループが製造・販売する各種製品が他社の知的財産権等を侵害していた場合、第三者から差止訴訟や損害賠償請求訴訟を提起され、その解決にともなう訴訟費用がかかるだけでなく、当社の主張が認められないときには、対象製品の販売停止や商標の使用禁止、賠償金や当該製品の販売継続のためのロイヤルティー等の支払いが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。・第三者によって当社グループの知的財産権が侵害されることによって、当社製品の売上の減少、当社グループのブランドイメージの低下等の影響が考えられます。リスク対策・当社グループは、新商品の開発や既存製品の改良などに即して、第三者の知的財産権の監視、対策を継続的に実施しています。・商標の使用可否判断を網羅的、継続的に実施しています。・当社グループは、知的財産を適切に保護し、権利化を継続的に実施しています。・第三者による当社グループの知的財産権の侵害を発見した場合には、適切かつ厳正な措置対応を実施しています。 ⑩為替変動・金利変動に関連するリスクリスク項目為替レートの変動/有利子負債・金利変動想定されるリスク及び影響・当社グループは、海外において広く生産・販売活動を展開しており、輸出入を中心とした外貨建て取引に係る為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、連結財務諸表においては、各地域における外貨建の売上、費用、資産、負債等は日本円に換算して表示しているため、換算に使用する為替相場の変動が業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。・金融マーケットで金利が上昇した場合や当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合には、借入や社債発行等の財務活動において条件が悪化し、支払利息が増加するなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。リスク対策・当社グループでは、為替予約等を使ったヘッジにより、為替相場の変動が業績や財政状態に与える影響を低減するように努めております。・当社グループは、国内外における事業の資金需要や社債償還、長期資金の期限到来に伴う返済に対し、フリー・キャッシュ・フローの状況を見ながら、資金調達手段及びソースの多様化を図り、安定的な資金調達を行っています。また、長期資金調達を固定利率にて行うこと等により、金利変動リスクの抑制に努めるとともに、継続的に財務体質の強化に取り組み、資金調達力の維持、向上を図っています。 上記以外にも、サステナビリティに関連するリスク、気候変動等環境問題に関連するリスク、人的資本に関連するリスクを認識しており、当該リスクについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。 なお、本報告書に記載したリスクが発現して当社の事業に悪影響を及ぼした場合には、繰延税金資産の取り崩しや、非金融資産の減損損失が発生する可能性があります。また、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、対応策もこれらのリスクを完全に排除するものではありません。
FY2024|13,815 文字
3 【事業等のリスク】 1.当社グループのリスク管理について(1)リスクに対する考え方 当社グループにおいては、複雑さと不安定さが増していく経営環境に対応するため、リスクを「目標の達成に好ましい、好ましくないまたはその両方の影響をもたらす不確かな事象」と定義し、全社的かつ総合的なリスク管理体制を整備、運用することで、先を見越したリスク管理と適切なリスクテイクを伴う経営を推進しています。 (2)リスク管理体制当社グループは、執行役社長を当社グループにおけるリスク管理を統括する最高責任者とし、執行役社長と各執行役・執行役員から構成されるERM委員会を設置しています。ERM委員会においては、グループのリスク管理の基本方針等重要事項を審議し、またグループ全体に大きな影響を及ぼしうる重大リスクを識別・特定し、その管理状況をモニタリングします。また、リスク管理の状況は、取締役会に報告し、その監督を受けています。各組織においては、ビジネスグループ、コーポレートファンクションの長がERM部門責任者となり、その下で実務を担うERM部門管理者及びERM部門担当者を配置して、組織レベルでのリスク管理を推進しています。 (3)リスク管理の推進当社は、事業ポートフォリオ戦略や事業基盤、環境や社会への影響など、当社グループにとっての課題を分類、整理し、社外有識者へのヒアリング、社外取締役連絡会での討議などを通じて多角的な観点から確認したうえで、当社グループが取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定しています。リスク管理におけるリスクカテゴリーについては、このマテリアリティに基づき、当社グループの経営に影響を与えうるリスクを抽出、分類し、31個のリスクカテゴリーを定めています。 マテリアリティマテリアリティから分類された31個のリスクカテゴリー(2023年度) 当社グループにおけるリスク管理は、経営層が当社グループの経営に影響を与えるリスクを予め特定し、グループをあげて全社的に取り組む活動(全社視点リスク)と、各組織においてリスクを特定し、組織毎に対応を行う活動(組織独自視点リスク)とを両輪とした活動になっています。全社視点リスクについては、リスク主管役員がリスク主管部門を指揮し、組織独自視点リスクについては、各組織が自ら自組織の保有するリスクを特定・評価し、それぞれ対応策を検討・実行します。各組織で実施しているリスク対応策の実施状況については、リスク主管部門がモニタリングし、ERM委員会に報告するとともに、必要に応じて各組織に対して追加対応策実行の要請をします。この全社視点リスクの一連の活動は、ERM委員会での審議・報告が行われます。 (4)重大リスクへの対応ERM委員会では、国際情勢や事業環境に照らして、近い将来にグループ全体に影響を与えうる重大なリスクを特定し、重大リスクとして対応を進めています。重大リスクについては、定期的にERM委員会において対応状況の報告がなされ、リスク対応策の有効性を評価し、必要に応じて各組織に対し追加対応策の要請を出すなど、適切にリスク管理が実行されるよう努めています。なお、2023年度は、地政学リスク、サプライチェーンリスク、情報セキュリティリスクなど9つのリスクを重大リスクとして特定し、個別事情に応じた対応策を講じ、当社の経営成績及び財政状態に与える影響の回避・低減に取り組んでおります。 (5)戦略リスクへの対応中長期の戦略、事業目標や計画、投資など経営判断に起因して顕在化しうる戦略リスクは、機会の側面と脅威の側面の両方を有します。当社は、戦略立案から投資の意思決定に至るまでの成長機会と脅威双方の把握と可視化を行い、将来の期待利益だけでなく、脅威に関する評価を視点に加えた適切なリスクテイクを伴う経営を推進しています。 (6)クライシス(危機)への対応 当社では、グループの役職員等の生命及び安全、並びに事業継続、社会的信用、企業価値等に多大な影響を与えるリスクが顕在化またはそのおそれがある事態が生じた場合に、損害の拡大抑止と早急な復旧を行うための危機管理体制の整備を進めています。対象とする危機事象には、大規模自然災害、大規模情報システム障害・情報セキュリティインシデント、パンデミック、保安及び環境上の重大事故、戦争・大規模テロを含みます。各組織は、危機事象の発生に備え、平時から事前対策の実行、BCPの整備、訓練の実施などの活動を行うとともに、危機事象の発生時には、有事の危機管理体制の下、人命・安全確保を最優先として、当社グループの財産・資産並びに社会に与える影響の最小化、社会的信用の保護を基本方針として、事態の収束に向けて最善を尽くします。 2.事業活動における個別リスク 当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。なお、以下の事項は有価証券報告書提出日(2024年6月25日)現在において判断した記載となっています。 (1)事業分野ごとのリスク 当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。事業分野ごとに想定されるリスクとその対応策は以下のとおりです。なお、現時点における想定・予測を超えて事業環境が変化した場合、また当社の講じるリスク対応策が有効に機能しない場合には、当社の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 ①機能商品分野事業分野機能商品分野(スペシャリティマテリアルズセグメント)想定されるリスク及び影響機能商品分野の製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合または市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、必要な原材料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。情報電子関連製品の中には、アジア等海外のメーカーから原材料を購入しているものも多く、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、需要動向が予測以上に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策このような事業の特性を踏まえ、当社グループにおいては業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。・製品の品質・性能面での継続的な高度化・原材料の複数購買化及び代替原料の検討・販売動向予測に基づく生産計画の調整及び在庫管理の徹底・製造コストダウンによる競争力の確保・新規顧客の獲得及び新規用途の開発これらの対策により、急激な価格変動や需給バランスの変化、特定地域・サプライヤーの供給体制の変動に備えています。 ②素材分野事業分野素材分野(ベーシックマテリアルズセグメント、MMAセグメント、産業ガスセグメント)想定されるリスク及び影響 素材分野では、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しております。そのため、原油価格、原燃料またはナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合または製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性があります。 また、素材分野の製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策このような事業の特性を踏まえ、当社グループにおいては業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。 ・原燃料価格動向の早期の情報収集・販売動向予測に基づく生産計画の調整及び在庫管理の徹底・原燃料の複数購買化の実施・製造コストダウンによる競争力の確保・特許対応による知的財産の保護・コークス炉の高効率化による競争力の強化・輸出販売拡大のための出荷設備の増強など、最適な生産及び販売体制構築に向けた構造改革これらの対策により、急激な価格変動や需給バランスの変化、特定の取引先の需要変動に備えています。 ③ヘルスケア分野事業分野ヘルスケア分野(ヘルスケアセグメント)想定されるリスク及び影響一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画どおりに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、または承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。 医療用医薬品事業は、診療報酬や薬価基準等の各種医療保険制度による影響を強く受けることから、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。 共同研究・開発、製品導出入、製造、販売など各種業務に関する委受託を行っております。提携先との契約の変更・解消、提携先の経営環境の悪化及び経営方針の変更並びにこれら企業からの医薬品供給の遅延または停滞が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策このような事業の特性を踏まえ、当社グループにおいては業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。・中枢神経・免疫炎症・がんを注力領域に研究資源の集中・外部からの導入によるパイプラインの充実・パイプラインの定期的な評価を通じた成功確度の向上・開発段階から市販後における安全性情報の収集・分析を行うグローバルな安全性管理体制の構築・製品の品質管理の厳格化、原料調達体制の多様化・分散化による安定供給・提携先やサプライヤーとの信頼できるパートナーシップの構築これらの対策により、計画通りに新薬が製品化できない影響及び医薬品の供給遅延・欠品、副作用の発生による影響に備えています。 ④サービス業務(その他)事業分野サービス業務(その他)想定されるリスク及び影響エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあります。これらの顧客とは、日常的にコミュニケーションをとり、顧客要望の的確な把握、提案型営業の強化に努めていますが、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動があった場合には、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策エンジニアリングや物流等のサービス業については、各事業の特性を踏まえ、業績に影響を及ぼす機会の追求とリスクの最小化を図るべく、以下の対策を講じております。・DX(デジタルトランスフォーメーション)ツールの導入による各種管理活動の自動化、効率化の推進・市場動向の早期情報収集・物流業界や建設業界における、いわゆる2024年問題を踏まえた適切な労働環境の整備や従事者の処遇改善これらの対策により、市場環境の変化、特定の取引先の需要変動に備えています。 (2)グループ全体に影響のあるリスク①サプライチェーン・地政学に関連するリスクリスク項目サプライチェーン(地政学リスク・経済安全保障リスクを含む)想定されるリスク及び影響・当社グループの事業に関連する国・地域における大規模な自然災害、パンデミック、事故、ユーティリティ供給不足等インフラの未整備、貿易摩擦などの経済や金融環境の変動等、国・地域固有のリスクなどにより、サプライチェーンが寸断され、業績に影響を与える可能性があります。・原材料ソースが偏在している部分について当該原材料の調達が困難な事態が発生した場合には、当社グループの生産・供給体制に影響が生じ、業績に影響を与える可能性があります。・昨今のグローバルな物価上昇に伴う原材料価格の高騰の影響で、業績に影響を与える可能性があります。・当社グループ製品が、法令違反を含むサプライチェーンにおける人権侵害や環境問題等に起因する経済安全保障にかかわる問題に関係した場合、または、経済安全保障に関し他国・地域から経済的威圧を被るなどした場合に、原材料の調達や製品の販売に影響が生じ、業績に影響を与える可能性があります。・原材料の調達及び製品の販売における物流サービスに関する委託先の人材不足の影響により、調達コストの増加や製品納入遅延などが生じ、業績に影響を与える可能性があります。・当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規則、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等のカントリーリスクにより、原材料調達の困難や遅延、または、政府により海外送金規制が課されることなどで、当社グループ製品の供給遅延や販売代金回収不能等の事業環境の悪化などが生じて、業績に影響を与える可能性があります。・特に、地政学リスクの増大が更に他の地域・事業に波及するだけでなく、原燃料の価格上昇及び輸送コストの上昇などによって経済活動にも影響を及ぼしており、また、経済安全保障をめぐる国際情勢の変化によるサプライチェーンの途絶などの可能性も孕んでおり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある重要度の高いリスクと考えています。リスク対策・調達先の分散や代替原材料の検討、また、安全操業による製品の生産や製品の品質の維持・向上に努め、安定的な調達・生産・供給体制を構築していくとともに、売上債権についても保険等の活用により、保全に努めています。・取引先への人権デューデリジェンスを実施することで、事業活動を持続可能なものとするよう努めています。・経済安全保障にかかるリスク対応推進体制を構築し、国際情勢や法令の制定・改正、規制動向などの情報収集・分析・提供をするなど、経済安全保障関連法令リスクについて適切な対応を行っています。・当社グループ会社での情報収集や外部機関等を通じて事業を展開している国・地域のカントリーリスクの調査・情報収集・評価を行い、リスク対応のアクションプランの高度化を推進しています。・有事に備えた安全管理体制の整備・運用、事業継続計画(BCP)の強化などを行っています。 ②情報セキュリティに関連するリスクリスク項目情報セキュリティ想定されるリスク及び影響 ・サイバー犯罪者集団や利用するハードウェア・ソフトウェアの脆弱性、利用者の情報セキュリティに関するリテラシー不足等の要因により、自社システムもしくは自社利用クラウドサービスがサイバー攻撃を受けることで、企業活動(生産、販売、出荷、決済、開発等)が停止し、その結果、取引先に多大な影響を与え、その補償や活動再開のための対策などに追加費用が生じるだけでなく、社会的信用の失墜、ブランド価値が低下する可能性があります。・自社または第三者が利用する技術情報、個人情報が社外に漏洩することで、競合他社や他国に機密情報が渡ってしまう、またそれらを技術転用されることで競争力の低下、契約相手から秘密保持契約違反を問われる可能性があります。・個人情報については犯罪に利用されることにより、個人から損害賠償請求を受ける可能性、個人情報保護委員会など各国監督当局から指導・制裁を受ける可能性、刑事罰(個人情報保護法など)を受ける可能性があります。また、自然災害や事故等による大規模システム障害が発生することにより、自社の技術情報、個人情報が漏洩・消失する可能性があります。リスク対策 ・情報セキュリティ実行委員会を設置し、情報セキュリティに関するポリシーや規則の制定、各種セキュリティ施策をグローバルで進めています。・セキュリティインシデント対応チーム(CSIRT)やセキュリティオペレーションセンター(SOC)を設置し、日々社内ネットワークやインターネット通信の監視、アンチウイルスソフト(NGAV)やふるまい検知(EDR)機能を利用したPCの挙動監視により、不正侵入の兆候の早期検知、対処に努めています。また、継続的にインシデント対応訓練を実施して対応強化を図っています。・サイバー攻撃は日々変化し巧妙化しているため、対策は継続して実施するとともにそのレベルを向上させていく必要があります。・IT資産の脆弱性管理強化IT資産(ハードウェア、ソフトウェア等)の脆弱性を定期的にチェックし、必要に応じパッチやその他の対策を講じることで、セキュリティレベルを維持・向上させています。・サイバー脅威情報収集・活用サイバー攻撃を早期に、未然に対処することができるよう、最新のサイバー脅威情報を収集し、それを基にセキュリティ対策の更新・強化に努めています。・データの管理強化情報資産管理レベル毎に保管区分や持ち出し/閲覧の手続きを厳格化するとともに、PCの管理者権限の制限やデータの読み取り/書き出しの制限等を通じて、容易に情報の持ち出しができないよう管理を強化しています。・情報セキュリティ教育の実施情報セキュリティに関する知識と意識を向上させるために、全従業員を対象に、E-learning(情報セキュリティ、情報管理等)や標的型攻撃メール訓練を継続的に実施しています。・ITインフラ基盤(ネットワーク、データセンターなど)や情報資産の冗長化自然災害や事故による情報システム障害に備え、システムや情報資産の重要度に応じて冗長化を実施し、一部のシステムが停止しても情報の消失リスクを低減、業務を継続できるような環境を構築します。 ③DXに関連するリスクリスク項目デジタルトランスフォーメーション(DX)想定されるリスク及び影響 ・レガシーシステムの残存により、旧式のシステムやプロセスが適切にアップグレードされず、業務の円滑な運営やプロセス改革が効率的に行われない、また、進化するデジタル技術を効果的に活用することができず、競合他社に対して競争力で後れを取ることにより、新たな市場機会を失うだけでなく、既存の製品についても市場ニーズを適切に反映できず売上収益を失うことにつながり、将来における当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。・優秀なデジタル人材の確保及び育成が継続的になされないことにより、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が遅れる可能性があります。・DX投資が計画的かつ適切な投資が行われないことにより、将来に過大な投資が必要になるなど財務的な悪影響が生じるだけでなく、必要な改革プロジェクトの進行が遅れ、将来のビジネス機会を失う可能性があります。リスク対策 ・当社グループの業績改善に貢献するプロセス改革や効率化につながるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することで、「デジタルケミカルカンパニー」となることをめざしています。・従業員一人ひとりがデジタル技術やデジタルビジネスモデルを活用した働き方を実現する「スマート人材」となることをめざした教育体系の整備を進めています。・事業部門でのDX推進(市民開発)とそのための教育・サポート、ガイドラインの整備(DXツール、生成AI利用等)を進めています。・ビジネスプロセスの標準化・自動化の加速に取り組んでいます。・データ戦略をもとにした全社データ基盤整備と利活用の推進に取り組んでいます。・基幹システムの統合をはじめ、DXツールやソリューションの標準化によるグローバルでの全体最適化を推進しています。・デジタルインフラの整備・更新のための計画的かつ継続的な投資を行っています。 ④法規制対応/コンプライアンスに関連するリスクリスク項目法規制対応/コンプライアンス想定されるリスク及び影響・法令・社内規則違反等のコンプライアンス違反が発生した場合、違反の内容によっては、業務停止・許認可の取消・課徴金の支払等の行政処分、取引停止・取引先への損害の賠償、刑事罰等が課せられる可能性があります。これらの場合、当社グループに多額の損失が発生するだけでなく、当社グループのブランドイメージ・社会的信用力が著しく低下することも予想され、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。・上記の違反に対しては、是正及び再発防止措置をとる必要があり、その程度によっては業務負荷が大幅にかかることになり、従業員の疲弊、モチベーションの低下、離職率の増加につながるおそれがあります。・当社グループが事業活動を進めるなかで影響し得る国内外の各種法規制の変更や強化、新たな法制度の整備等により、事業活動の機会も影響を受け、法規制への対応のために投資や労務負荷などの追加コストが発生する可能性があります。・法規制に違反することにより、課徴金・罰金、取引先からの損害賠償請求等の金銭的な損失のみならず、刑事罰が下される、許認可等を取り消されるなど法律上、契約上の責任が問われ、レピュテーションやブランド価値が毀損され、取引先から取引を停止されるなど、当社グループの経営成績に多大な影響が生じ、事業の継続にも影響する可能性があります。リスク対策・コンプライアンス違反を起こさせない取組みとして、「不正のトライアングル」を意識して、①内部統制の仕組みの文書化等によるプロセス上の統制の強化を図るとともに、②コンプライアンス遵守の企業風土を醸成するために、コンプライアンスガイドブックやメールマガジン、イントラネット等、各種ツールを用いた情報の提供・発信や定期的な各種のコンプライアンス研修を実施し、③内部通報制度の整備・運用を含め、従業員の「声をあげる」環境の整備に努めています。・上記の様々な取組みを効果的・効率的に実施するために、チーフコンプライアンスオフィサーを頂点とする「コンプライアンス推進体制」を整備するとともに、グループワイドに適用される「コンプライアンスプログラム」を制定しています。・上記コンプライアンスプログラムに沿って、先に述べた各種の啓発・教育活動や内部通報制度の整備・運用に加えて、経営トップによるコンプライアンスメッセージの発信や必要な規則類の整備、従業員のコンプライアンス意識に係る定期的なモニタリングを実施しています・コンプライアンス違反が発生した場合には、その迅速な是正対応や適切な社内処分を行う体制を整備しています。・各法分野、各地域に担当の部門を設置し、現地法律事務所などを活用しながら各国の法規制動向をモニタリングしています。・法令遵守のために各種社内規則を整備し、国内外を含めた従業員に社内周知を行っています。・事業活動に関係する各種法規制に関する従業員教育を定期的に実施し、遵法意識を高める活動を行っています。 ⑤人権に関連するリスクリスク項目人権想定されるリスク及び影響・近年欧米を中心とした児童労働や強制労働などを禁止する人権に関する法規制の強化がなされるなか、当社グループだけでなく、当社グループと取引のあるサプライチェーン先において、人権侵害に関与する事案が発生することにより、社会的信頼やブランド力の低下、取引停止などに繋がり、業績に影響を与える可能性があります。・職場で差別やハラスメント行為が発生した場合には、従業員の健康の悪化やモチベーションの低下、離職率の増加などに繋がるだけでなく、当該行為が悪質だった場合、または、その対応が遅れたり、対応を誤った場合には、当事者による訴訟の提起やマスメディアによる批判など社会的な信用度の低下を招くおそれがあります。リスク対策・世界人権宣言、国連グローバル・コンパクト、国連のビジネスと人権に関する指導原則、及びISO26000などの国際規範に準拠した具体的な指針として「人権の尊重並びに雇用・労働に関するグローバルポリシー」を定めて、従業員への啓発や教育への取組みを行い、また、人権侵害の是正・救済体制の整備も実施しております。・各国で適用される法令や人権に関する最善の慣行の遵守、従業員満足度の向上に努めています。・適切なサプライチェーンを運営しながらグローバルな事業活動を持続的に展開していけるよう、社内や取引先等への人権デューデリジェンスを進めております。 ⑥大規模自然災害に関連するリスクリスク項目大規模自然災害想定されるリスク及び影響・地震、津波、台風、洪水、山火事等の大規模な自然災害が発生することにより、従業員とその家族への人的な被害の発生、事業所、製造所等における建屋や設備の損壊、道路、公共交通機関や社会インフラ(電気・ガス・水道)の寸断が生じ、当社グループにおける開発・製造・販売等の事業活動が一時的に停止する可能性があります。 ・当社グループに対する自然災害の直接の影響が軽微であったとしても、サプライチェーンや物流関係が被害を受けることで、原材料の調達不足、輸送手段の確保困難により製造や出荷等の遅延、停止が想定され、市場への製品供給に支障がでるおそれがあります。 ・自然災害の被害が広範囲に及び、その復旧・復興が長期にわたる場合には、製造設備等の復旧費用の増大、事業計画の大幅な見直し、消費マインドの冷え込みによる需要減少など、当社グループの業績に多大な影響を与える可能性があります。 リスク対策・大規模自然災害が発生した場合に備え、BCM(Business Continuity Management)ガイドラインや災害対策本部マニュアル等を策定するとともに、いち早く従業員とその家族の安否確認を行う仕組みを導入しています。 ・各製造所において事業継続計画(BCP)を策定するとともに、有事発生時の情報収集体制を整備し、平時から製造所間及び本社との情報共有にも力を入れています ・平時より緊急時に備えた訓練を各事業所において実施するとともに、想定される最大規模の被害を基準として、これに耐え得る設備の防災性能強化を継続的に図り、対策の改善に努めています。 ・万一大規模自然災害が発生した場合には多大な損害が生じることが想定されるため、損害を軽減させるために損害保険へ加入するなどの対策を講じております。 ⑦事故・事業活動に起因する災害に関連するリスクリスク項目事故・事業活動に起因する災害想定されるリスク及び影響・製造プラントにおいて火災爆発などの事故が発生した場合、設備復旧の費用だけでなく、製造、販売などの事業活動の停止による影響も想定され、当社グループの事業目標や業績に多大な影響を与える可能性があります。また、死傷者などの人的被害や地域社会へ影響を与えた場合、補償や復旧のための費用だけでなく、社会的信頼性の低下を招く可能性があります。・製造プラントにおいては様々な化学物質を取り扱っており、これらの化学物質が製造所外に漏洩した場合、人的被害や環境汚染などの地域社会に影響を生じさせるだけでなく、これを解決、解消するための費用やレピュテーションによる社会的信頼性の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策・製造プラントの運転管理、設備管理、プロセス安全評価、変更管理等の安全活動を継続的かつ確実に実施することで、事故・災害等の未然防止、被害・影響の拡大防止、再発防止に努めています。・DX技術(ビッグデータやAI等)を使用した類似災害防止システムの構築等の災害防止のためのシステム開発にも取り組んでいます。・万一事故が発生した場合には多大な損害が生じることが想定されるため、損害保険への加入や事業継続計画(BCP)に基づく情報収集体制を整え、中核となる事業の継続や事業の早期復旧への取組みを進めています。 ⑧品質・安全性に関連するリスクリスク項目製品の品質・安全性想定されるリスク及び影響・当社グループで製造・販売している各種製品において品質・安全性上の問題が発生した場合には、製品の出荷停止や回収のための追加費用が発生する可能性があります。さらに、品質や安全性上の問題に起因して人的被害が発生した場合には、その補償を含め多大な損害が発生することになります。また、取引先や社会からの信頼も失墜し、当社ブランドの価値が著しく低下する可能性があります。・当社グループで製造・販売している各種製品の品質・安全性上の問題が製造物責任(PL)問題に発展した場合は、業績に多大な影響を与える可能性があります。・当社グループで製造・販売している医薬品において、安全対策を講じてはいるものの、予期せぬ副作用が発現した場合には、製造・販売中止や製品回収を行う可能性もあり、業績に影響を与える可能性があります。リスク対策・国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、また、各国・地域の法規制にも対応したそれぞれの事業特性に最適な品質保証体制を構築しています。・万が一重大な品質問題が発生した場合に備え、社内外の関係者と連携し、適切な対応を協議した上で、速やかに対応するとともに、再発防止に向けた対応を協議・実施する体制を整えています。・新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。・製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事態に備えております。・当社グループの医薬品については、規制当局や社外内の関係者と連携し、患者さんや医療機関への迅速かつ適切な情報提供体制を構築する等により、適正使用に向けた安全性情報提供活動を実施しております。 ⑨知的財産権に関連するリスクリスク項目知的財産想定されるリスク及び影響・当社グループが製造・販売する各種製品が他社の知的財産権等を侵害していた場合、第三者から差止訴訟や損害賠償請求訴訟を提起され、その解決にともなう訴訟費用がかかるだけでなく、当社の主張が認められないときには、対象製品の販売停止や商標の使用禁止、賠償金や当該製品の販売継続のためのロイヤルティー等の支払いが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。・第三者によって当社グループの知的財産権が侵害されることによって、当社製品の売上の減少、当社グループのブランドイメージの低下等の影響が考えられます。リスク対策・当社グループは、新商品の開発や既存製品の改良などに即して、第三者の知的財産権の監視、対策を継続的に実施しています。・商標の使用可否判断を網羅的、継続的に実施しています。・当社グループは、知的財産を適切に保護し、権利化を継続的に実施しています。・第三者による当社グループの知的財産権の侵害を発見した場合には、適切かつ厳正な措置対応を実施しています。 ⑩為替変動・金利変動に関連するリスクリスク項目為替レートの変動/有利子負債・金利変動想定されるリスク及び影響・当社グループは、海外において広く生産・販売活動を展開しており、輸出入を中心とした外貨建て取引に係る為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。また、連結財務諸表においては、各地域における外貨建の売上、費用、資産、負債等は日本円に換算して表示しているため、換算に使用する為替相場の変動が業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。・金融マーケットで金利が上昇した場合や当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合には、借入や社債発行等の財務活動において条件が悪化し、支払利息が増加するなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。リスク対策・当社グループでは、為替予約等を使ったヘッジにより、為替相場の変動が業績や財政状態に与える影響を低減するように努めております。・当社グループは、国内外における事業の資金需要や社債償還、長期資金の期限到来に伴う返済に対し、フリー・キャッシュ・フローの状況を見ながら、資金調達手段及びソースの多様化を図り、安定的な資金調達を行っています。また、長期資金調達を固定利率にて行うこと等により、金利変動リスクの抑制に努めるとともに、継続的に財務体質の強化に取り組み、資金調達力の維持、向上を図っています。 上記以外にも、サステナビリティに関連するリスク、気候変動等環境問題に関連するリスク、人的資本に関連するリスクを認識しており、当該リスクについては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。 本報告書に記載したリスクが発現して当社の事業に悪影響を及ぼした場合には、繰延税金資産の取り崩しや、非金融資産の減損損失が発生する可能性があります。また、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、対応策もこれらのリスクを完全に排除するものではありません。
FY2023|8,418 文字
3 【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を与える可能性がある主要なリスクを以下に記載しております。 当社グループでは、2022年4月より「One Company, One Team」の考え方のもと、グループ全体を一体的に運営する体制に移行し、それに伴い、当社グループの事業活動に関わるリスクを統合的に管理するリスク管理のスキームとして、ERM(Enterprise Risk Management)を導入しております。2022年10月にERM基本規程を制定すると共に、ERM委員会を設置して、社内体制を整備しました。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。 (1) グループ全体に影響のある重大なリスク 当社グループは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外に事業展開しております。当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等のカントリーリスク、大規模な自然災害、パンデミック、人材の採用・確保の困難、ユーティリティ供給不足等インフラの未整備、貿易摩擦などの経済や金融環境の変動等、国・地域固有のリスクなどが業績に影響を与える可能性があります。 近年は、環境などの社会的価値や健康、安全・安心への意識の高まり、バーチャルでのサービス享受の機会拡大等、個人の生活スタイルも大きく変容し始めており、企業においてもこのような環境変化への対応の誤りが新たなリスク要因になりうるなど、企業が直面するリスクも多様化、複雑化しております。 新型コロナウイルス感染症による影響については、日本を含む各国におけるワクチン投与の進展及び治療薬の普及等により収束に向かいつつあります。それに合わせて、国内外の人の往来も増え、経済活動も回復の兆しが見られていますが、変異株の発現や感染の再拡大などの不確定要素も依然孕んでおり、国内外の感染症の動向を引き続き注視しながら対応をする必要があります。 また、2022年2月から始まったロシア・ウクライナ情勢については長期化の様相を呈しており、その影響が更に他の地域・事業に波及するだけでなく、原燃料の価格上昇及び輸送コストの上昇などによって経済活動にも影響を及ぼしている状況です。また、経済安全保障をめぐる国際情勢の変化によるサプライチェーンの途絶などの可能性も孕んでおり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性のある重要度の高いリスクと考えています。本件に関する状況を引き続き注視しながら、あらゆる選択肢を排除せず適切に対応してまいります。 このような状況において、当社グループは「KAITEKIの実現」というPurposeのもと、以下の事項をグループ全体に影響のある重大なリスクとして認識し、そのリスク低減のための対策をとっております。 ①事故・災害 当社グループは、製造設備の定期点検を確実に実施するなど、設備事故等の発生防止に努めております。しかしながら、製造設備等で発生する事故や震災を含む様々な自然災害による影響を完全に防止し、軽減することはできません。万が一、事故により、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合は、生産への影響や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害による物的・人的被害又は社会インフラの重大な障害・機能低下が生じた場合は、当社グループの活動が長期にわたり影響を受けるなど、業績に影響を与える可能性があります。これらの緊急事態発生に備え、当社グループでは、事業継続計画(BCP)に基づく情報収集体制を整え、中核となる事業の継続や事業の早期復旧への取り組みを進めております。 ②法規制・コンプライアンス 当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全、品質、環境や化学物質、医薬品の安全対策、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。 当社グループは、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っております。近年は、海外法令への対応が一層求められていることから、競争法、個人情報保護法、経済安全保障関連法、贈収賄防止法等に関する法執行機関の運用状況を注視するなどリスクの最小化に努めております。 それにもかかわらず、将来的に法令の大幅な変更や規制強化が行われた場合には、当社グループの活動の制限やコストの増加につながる可能性があります。また、万が一これらの法規制に違反し、刑事・民事上の責任を問われ、また、行政処分を課された場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、コンプライアンスを“法令遵守”にとどまらず、企業倫理や社会の一般的ルールの遵守までを含めたより広い意味で捉え、ステークホルダーや社会からの信頼に応える企業であり続けるために、コンプライアンスを経営上の最重要課題と位置づけております。コンプライアンスを当社グループに着実に浸透させるために、グローバル・コンプライアンス推進規程をはじめとする規則、基準を策定し、その周知に努め、また、各国・各地域に応じたコンプライアンス推進のための教育研修を行うとともに、その浸透度をモニタリングするための意識調査を行っております。また、コンプライアンス・ガイドブックの作成、階層別の教育研修・講習会などの啓発活動を実施し、さらに内部通報制度を設け社外窓口を含むホットラインを整備し、その積極的な活用を図っております。 ③情報セキュリティ 当社グループが保有する企業情報及び個人情報については、当社グループが事業活動を進める上での重要な資産であることから、情報資産ガイドラインを始めとする関連規則類を整備し、グループ内に周知するとともに、グループとしての情報セキュリティ施策を検討、実施するために情報セキュリティ実行委員会を設置し厳正な管理に努めております。しかし、これらの情報が一度流出し、不正使用されるなどの問題が発生した場合には、競争力や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、近年被害が増えているランサムウェアなどのサイバー攻撃については、当社グループの情報システムに対する外部からの侵入を検知するシステムの導入や標的型攻撃メールに対する訓練など様々な防御策を講じておりますが、万が一、事業所のプラント制御系システムに問題が発生した場合等には、安全を確保するために生産量を調整するなど、業績に影響を与える可能性があります。 ④人権 当社グループは、世界人権宣言、国連グローバル・コンパクト、国連のビジネスと人権に関する指導原則、及びISO26000などの国際規範に準拠した人権に対する基本的な考え方をグループ構成員に示すとともに、具体的な指針として「人権の尊重並びに雇用・労働に関するグローバルポリシー」を定めております。また、海外グループ会社においては、各国で適用される法令や人権に関する最善の慣行の遵守、従業員満足度の向上に努め、適切なバリューチェーン・マネジメントを構築しながら事業活動を展開しております。しかし、近年欧米を中心とした児童労働や強制労働などを禁止する人権に関する法規制の強化がなされるなか、当社グループだけでなく、当社グループと取引のあるサプライチェーン先において、人権侵害に関与する事案が発生し、社会的信頼の低下や取引停止などに繋がり、業績に影響を与える可能性があります。 ⑤気候変動等環境課題 気候変動や資源・エネルギーをはじめとする環境課題の包括的な解決に向けて、当社グループは、サーキュラーエコノミーを重要な戦略と位置付け、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルや、人工光合成、バイオプラスチックといったキーテクノロジーを軸に、製造プロセス(原料調達~加工)から製品使用後に至るまでのライフサイクル全体を通じて、資源を有効利用する取り組みを推進し、最適化された循環型社会の実現をめざしております。また、温室効果ガス(GHG)排出削減や省エネルギー活動の推進など、気候変動関連の施策にも取り組んでおります。これらに加え、当社は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しており、情報開示の拡充に努めております。 一方で、当社グループが事業展開する各国において、炭素税の賦課や排出権取引制度に代表される温室効果ガス排出規制が導入された場合、業績に影響を与える可能性があります。また、気候変動による自然災害の増加や渇水による水資源の不足等は、当社グループの製造拠点に影響を与える可能性があります。 (2) 事業分野ごとのリスク 当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。事業分野ごとに想定されるリスクは以下のとおりです。 ①機能商品分野(機能商品セグメント) 機能商品分野の製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、複数購買化や代替原料によるリスク低減を図っておりますが、必要な原材料を適時に確保できない場合は業績に影響を与える可能性があります。 情報電子関連製品の中には、アジア等海外の製造メーカーから原材料を購入しているものも多く、複数購買化等のリスク低減を図っていますが、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、新規顧客の獲得及び新規用途の開発などによりリスク低減を図っておりますが、需要動向が予測以上に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ②素材分野(ケミカルズセグメント及び産業ガスセグメント) 素材分野では、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しております。そのため、原油価格、原燃料又はナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合又は製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。このような事態に備え、ナフサ価格の動向に関する早期の情報収集、販売動向の予測に基づく生産計画の調整なども含めた在庫数量管理の徹底などを行っております。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、複数購買化によるリスク低減を図っておりますが、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性がありますので、引き続き製造コストダウンによる競争力の確保、特許対応による知的財産の保護に努めております。 また、素材分野の製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。この対策として、コークス炉の高効率化による競争力の強化、輸出販売拡大のための出荷設備の増強など、最適な生産及び販売体制に向けた構造改革に取り組んでおります。 ③ヘルスケア分野(ヘルスケアセグメント) 一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画どおりに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、特許満了時等に後発品が上市された場合、あるいは承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。 医療用医薬品事業は、診療報酬や薬価基準等の各種医療保険制度による影響を強く受けることから、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。 共同研究・開発、製品導出入、製造、販売など各種業務に関し各種業務の委受託を行っております。提携先との契約の変更・解消、提携先の経営環境の悪化及び経営方針の変更並びにこれら企業からの医薬品供給の遅延又は停滞が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。加えて、医薬中間体・原薬事業・医薬用カプセル事業においては、薬価改定や顧客製品の特許切れ等により、顧客の医薬品の販売数量が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。 ④サービス業務(その他) エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあります。これらの顧客とは、日常的にコミュニケーションをとり、顧客要望の的確な把握、提案型営業の強化に努めておりますが、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動が、業績に影響を与える可能性があります。 (3) その他のリスク①有利子負債 当社グループは、成長・創造戦略とのバランスを考慮しつつ財務体質の改善に努めており、有利子負債の着実な削減を目標としておりますが、今後の金利の上昇、当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合は、有利子負債にかかる支払利息が増加し、又は設備増強等のための資金調達が不可欠な場合には当社グループに不利な条件による資金調達を余儀なくされるなど、業績に影響を与える可能性があります。 ②知的財産 当社グループは、第三者の知的財産権に対する侵害については、十分注意しておりますが、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ③研究開発 当社グループは、企業の持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、従来から積極的に研究開発を進めており、今後についても長期的視点で計画的・継続的に安定した資源を投入していく方針です。しかしながら、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 また、AIやIoTといったデジタル技術が産業界全体のビジネスモデルやサプライチェーンに劇的な変化をもたらしていますが、この変化に適正に対応できない場合には、当社グループの競争力が低下し、業績に影響を与えるリスクがあります。そこでAI・IoT分野の技術を応用した新たな素材・医薬品開発などを推進し、競争力の維持・獲得をめざしております。 ④買収、合弁、事業再編等 事業規模の拡大や事業ポートフォリオの変革をめざした国内外における合併、買収や合弁事業等を通じた事業展開が、当初期待していたシナジーその他のメリットを獲得できなかった場合や、そのための資金負担や合併、買収等の後に当社グループが想定していない新たな負債その他の問題が生じ又は発見された場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、事業の選択と集中に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。 ⑤繰延税金資産 当社グループでは、将来減算一時差異及び繰越欠損金について、予測される将来の課税所得の見積りに基づいて将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限って繰延税金資産を認識しております。将来課税所得の基礎となる将来の事業計画は、売上収益の予測など、経営者の判断を伴う主要な仮定により影響を受けます。当社はこれらの仮定は妥当なものと考えておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、将来の課税所得の結果が予測・仮定と異なる場合は、繰延税金資産の回収可能性の評価が異なる可能性があります。 ⑥有価証券の評価 当社グループは、株式及び出資金については主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産に分類しており、その評価方法は活発な市場における無調整の公表価格もしくは合理的に入手可能なインプットにより、類似企業比較法等の適切な評価技法を用いて算定しております。これらの評価方法は適切な権限者に承認されており、当社は妥当と考えておりますが、観測可能な市場情報や発行企業の財務状況等の前提条件の変化により、公正価値が変動し、その他の包括利益や財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑦非金融資産の減損 当社グループは有形固定資産、のれん及び無形資産について、減損の兆候がある場合、及び資産に年次の減損テストが必要な場合、その資産の回収可能価額の算定を行っております。収益性の低下等により帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。 ⑧退職給付関係 確定給付制度債務は年金数理計算により算定しており、その前提条件には割引率等の見積りが含まれております。当社は、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、年金資産の公正価値の下落、金利環境の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動により、業績に影響を与える可能性があります。 ⑨在庫評価の影響 当社グループは、棚卸資産の評価を主として加重平均法による原価法で行っており、期中にナフサや重油等の原燃料価格が下落した場合は、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられ、損益に対するマイナス要因となります。一方、期中に原燃料価格が上昇した場合は、期初の相対的に安価な在庫の影響により売上原価が押下げられ、損益に対するプラス要因となります。このため、原燃料価格の変動は、業績に影響を与える可能性があります。また、収益性の低下に基づく簿価切下げを行った場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑩為替レートの変動 当社グループは、輸出入を中心とした外貨建取引に係る為替レートの変動による影響について、為替予約等を通じて短期的な影響を抑制するよう努めておりますが、短期及び中長期の為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、アジア、欧州、北米等、海外において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は外貨における価値が変わらなかったとしても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑪製造物責任 当社グループでは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、PL問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑫訴訟等 当社グループは様々な事業を行っておりますが、事業活動を展開する又は事業再編・再構築を推進していく中で、取引先等の第三者から知的財産権や当社グループの製品等について訴訟の提起等を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果を予測又は判断することは不可能であり、かかる訴訟が業績に影響を与える可能性があります。
FY2022|8,503 文字
2 【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を与える可能性がある主要なリスクを以下に記載しております。 当社グループでは、2022年4月より「One Company, One Team」の考え方のもと、グループ全体を一体的に運営する体制に移行しておりますが、それに伴い、マテリアリティの視点で抽出された重要課題に関連する当社グループの事業活動に関わるリスクを統合的に管理し、全社的な観点から損失の最小化と適切なリスクテイクを促すべく、統合的なリスクマネジメントの導入を決定し、本格的な運用に向けて、関連規則の改訂や委員会の設置といった社内体制の整備に着手しております。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。 (1) グループ全体に影響のある重大なリスク 当社グループは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外に事業展開しております。当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等のカントリーリスク、大規模な自然災害、パンデミック、人材の採用・確保の困難、ユーティリティ供給不足等インフラの未整備、貿易摩擦などの経済や金融環境の変動等、国・地域固有のリスクなどが業績に影響を与える可能性があります。 近年は、環境などの社会的価値や健康、安全・安心への意識の高まり、バーチャルでのサービス享受の機会拡大等、個人の生活スタイルも大きく変容し始めており、企業においてもこのような環境変化への対応の誤りが新たなリスク要因になりうるなど、企業が直面するリスクも多様化、複雑化しております。 新型コロナウイルス感染症による影響については、日本を含む各国におけるワクチン投与の進捗により、このところ改善傾向が見られ、先行きについても各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されるものの、変異株の発現等の不確定要素も依然孕んでおり、国内外の感染症の動向を引き続き注視する必要があります。 また、ウクライナ情勢による影響について、2022年3月期の連結業績に与える影響は現時点では軽微と考えますが、連結子会社において原料及び燃料の一部についてロシア国内から供給を受けてきた事業もあり、国際社会が協調して同国に対する制裁措置をとる中、本件に関する状況を引き続き注視し、あらゆる選択肢を排除せず適切に対応してまいります。なお、当社グループの基本方針として、ロシア連邦・ベラルーシ共和国における販売・マーケティング活動は、原則として既に停止しておりますが、今後ウクライナ情勢の悪化・長期化に伴い、その影響が更に他の地域・事業に波及し、また、原燃料の価格上昇及び輸送コストの上昇などによって、当社グループ業績に影響を及ぼす可能性もあり、依然重要度の高いリスクと考えています。 このような状況において、当社グループは「KAITEKI実現」というビジョンのもと、以下の事項をグループ全体に影響のある重大なリスクとして認識し、そのリスク低減のための対策をとっております。 ①事故・災害 当社グループは、製造設備の定期点検を確実に実施するなど、設備事故等の発生防止に努めております。しかしながら、製造設備等で発生する事故や震災を含む様々な自然災害による影響を完全に防止し、軽減することはできません。万が一、事故により、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合は、生産への影響や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害による物的・人的被害又は社会インフラの重大な障害・機能低下が生じた場合は、当社グループの活動が長期にわたり影響を受けるなど、業績に影響を与える可能性があります。これらの緊急事態発生に備え、当社グループでは、事業継続計画(BCP)に基づく情報収集体制を整え、中核となる事業の継続や事業の早期復旧への取り組みを進めております。 ②法規制・コンプライアンス 当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全、品質、環境や化学物質、医薬品の安全対策、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。 当社グループは、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っております。近年は、海外法令への対応が一層求められていることから、競争法、個人情報保護法、経済安全保障関連法、贈収賄防止法等に関する法執行機関の運用状況を注視するなどリスクの最小化に努めております。 また、ウクライナ危機に際して、国際社会が協調してロシア連邦、ベラルーシ共和国に対する制裁措置をとる中、関連する安全保障に関する法令についても、引き続き注視してまいります。 それにもかかわらず、将来的に法令の大幅な変更や規制強化が行われた場合には、当社グループの活動の制限やコストの増加につながる可能性があります。また、万が一これらの法規制に違反し、刑事・民事上の責任を問われ、また、行政処分を課された場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、コンプライアンスを“法令遵守”にとどまらず、企業倫理や社会の一般的ルールの遵守までを含めたより広い意味で捉え、ステークホルダーや社会からの信頼に応える企業であり続けるために、コンプライアンスを経営上の最重要課題と位置づけております。コンプライアンスを当社グループに着実に浸透させるために、企業行動憲章をはじめとする規則、基準を策定し、その周知に努め、また、各国・各地域に応じたコンプライアンス推進のための教育研修を行うとともに、その浸透度をモニタリングするための意識調査を行っております。また、コンプライアンス・ガイドブックの作成、階層別の教育研修・講習会などの啓発活動を実施し、さらに内部通報制度を設け社外窓口を含むホットラインを整備し、その積極的な活用を図っております。 ③情報セキュリティ 当社グループが保有する企業情報及び個人情報については、厳正な管理に努めておりますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合は、競争力や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、当社グループの情報システムに対する外部からの侵入を検知するシステムの導入や標的型攻撃メールに対する訓練など様々な防御策を講じておりますが、万が一、事業所のプラント制御系システムに問題が発生した場合等には、安全を確保するために生産量を調整するなど、業績に影響を与える可能性があります。 ④人権 当社グループは、世界人権宣言、国連グローバル・コンパクト、国連のビジネスと人権に関する指導原則、及びISO26000などの国際規範に準拠した人権に対する基本的な考え方をグループ構成員に示すとともに、具体的な指針として「人権の尊重並びに雇用・労働に関するグローバルポリシー」を定めております。また、海外グループ会社においては、各国で適用される法令や人権に関する最善の慣行の遵守、従業員満足度の向上に努め、適切なバリューチェーン・マネジメントを構築しながら事業活動を展開しております。 ⑤気候変動等環境課題 気候変動や資源・エネルギーをはじめとする環境課題の包括的な解決に向けて、当社グループは、サーキュラーエコノミーを重要な戦略と位置付け、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルや、人工光合成、バイオプラスチックといったキーテクノロジーを軸に、製造プロセス(原料調達~加工)から製品使用後に至るまでのライフサイクル全体を通じて、資源を有効利用する取り組みを推進し、最適化された循環型社会の実現をめざしております。また、温室効果ガス(GHG)排出削減や省エネルギー活動の推進など、気候変動関連の施策にも取り組んでおります。これらに加え、当社は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しており、情報開示の拡充に努めております。 一方で、当社グループが事業展開する各国において、炭素税の賦課や排出権取引制度に代表される温室効果ガス排出規制が導入された場合、業績に影響を与える可能性があります。また、気候変動による自然災害の増加や渇水による水資源の不足等は、当社グループの製造拠点に影響を与える可能性があります。 (2) 事業分野ごとのリスク 当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。事業分野ごとに想定されるリスクは以下のとおりです。 ①機能商品分野(機能商品セグメント) 機能商品分野の製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、複数購買化や代替原料によるリスク低減を図っておりますが、必要な原材料を適時に確保できない場合は業績に影響を与える可能性があります。 情報電子関連製品の中には、アジア等海外の製造メ-カ-から原材料を購入しているものも多く、複数購買化等のリスク低減を図っていますが、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、新規顧客の獲得及び新規用途の開発などによりリスク低減を図っておりますが、需要動向が予測以上に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ②素材分野(ケミカルズセグメント及び産業ガスセグメント) 素材分野では、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しております。そのため、原油価格、原燃料又はナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合又は製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。このような事態に備え、ナフサ価格の動向に関する早期の情報収集、販売動向の予測に基づく生産計画の調整なども含めた在庫数量管理の徹底などを行っております。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、複数購買化によるリスク低減を図っておりますが、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性がありますので、引き続き製造コストダウンによる競争力の確保、特許対応による知的財産の保護に努めております。 また、素材分野の製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。この対策として、コークス炉の高効率化による競争力の強化、輸出販売拡大のための出荷設備の増強など、最適な生産及び販売体制に向けた構造改革に取り組んでおります。 ③ヘルスケア分野(ヘルスケアセグメント) 一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画どおりに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、特許満了時等に後発品が上市された場合、あるいは承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。 医療用医薬品事業は、診療報酬や薬価基準等の各種医療保険制度による影響を強く受けることから、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。 共同研究・開発、製品導出入、製造、販売など各種業務に関し各種業務の委受託を行っております。提携先との契約の変更・解消、提携先の経営環境の悪化及び経営方針の変更並びにこれら企業からの医薬品供給の遅延又は停滞が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。加えて、医薬中間体・原薬事業・医薬用カプセル事業においては、薬価改定や顧客製品の特許切れ等により、顧客の医薬品の販売数量が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。 ④サービス業務(その他) エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあります。これらの顧客とは、日常的にコミュニケーションをとり、顧客要望の的確な把握、提案型営業の強化に努めておりますが、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動が、業績に影響を与える可能性があります。 (3) その他のリスク①有利子負債 当社グループは、成長・創造戦略とのバランスを考慮しつつ財務体質の改善に努めており、有利子負債の着実な削減を目標としておりますが、今後の金利の上昇、当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合は、有利子負債にかかる支払利息が増加し、又は設備増強等のための資金調達が不可欠な場合には当社グループに不利な条件による資金調達を余儀なくされるなど、業績に影響を与える可能性があります。 ②知的財産 当社グループは、第三者の知的財産権に対する侵害については、十分注意しておりますが、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ③研究開発 当社グループは、企業の持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、従来から積極的に研究開発を進めており、今後についても長期的視点で計画的・継続的に安定した資源を投入していく方針です。しかしながら、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 また、AIやIoTといったデジタル技術が産業界全体のビジネスモデルやサプライチェーンに劇的な変化をもたらしていますが、この変化に適正に対応できない場合には、当社グループの競争力が低下し、業績に影響を与えるリスクがあります。そこでAI・IoT分野の技術を応用した新たな素材・医薬品開発などを推進し、競争力の維持・獲得をめざしております。 ④買収、合弁、事業再編等 事業規模の拡大や事業ポートフォリオの変革をめざした国内外における合併、買収や合弁事業等を通じた事業展開が、当初期待していたシナジーその他のメリットを獲得できなかった場合や、そのための資金負担や合併、買収等の後に当社グループが想定していない新たな負債その他の問題が生じ又は発見された場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、事業の選択と集中に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。 ⑤繰延税金資産 当社グループでは、将来減算一時差異及び繰越欠損金について、予測される将来の課税所得の見積りに基づいて将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限って繰延税金資産を認識しております。将来課税所得の基礎となる将来の事業計画は、売上収益の予測及び原料価格の市況推移の見込みなど、経営者の判断を伴う主要な仮定により影響を受けます。当社はこれらの仮定は妥当なものと考えておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、将来の課税所得の結果が予測・仮定と異なる場合は、繰延税金資産の回収可能性の評価が異なる可能性があります。 ⑥有価証券の評価 当社グループは、株式及び出資金については主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産に分類しており、その評価方法は活発な市場における無調整の公表価格もしくは合理的に入手可能なインプットにより、類似企業比較法等の適切な評価技法を用いて算定しております。これらの評価方法は適切な権限者に承認されており、当社は妥当と考えておりますが、観測可能な市場情報や発行企業の財務状況等の前提条件の変化により、公正価値が変動し、その他の包括利益や財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑦非金融資産の減損 当社グループは有形固定資産、のれん及び無形資産について、減損の兆候がある場合、及び資産に年次の減損テストが必要な場合、その資産の回収価額の算定を行っております。収益性の低下等により帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。 ⑧退職給付関係 確定給付制度債務は年金数理計算により算定しており、その前提条件には割引率等の見積りが含まれております。当社は、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、年金資産の公正価値の下落、金利環境の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動により、業績に影響を与える可能性があります。 ⑨在庫評価の影響 当社グループは、棚卸資産の評価を主として加重平均法による原価法で行っており、期中にナフサや重油等の原燃料価格が下落した場合は、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられ、損益に対するマイナス要因となります。一方、期中に原燃料価格が上昇した場合は、期初の相対的に安価な在庫の影響により売上原価が押下げられ、損益に対するプラス要因となります。このため、原燃料価格の変動は、業績に影響を与える可能性があります。また、収益性の低下に基づく簿価切下げを行った場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑩為替レートの変動 当社グループは、輸出入を中心とした外貨建取引に係る為替レートの変動による影響について、為替予約等を通じて短期的な影響を抑制するよう努めておりますが、短期及び中長期の為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、アジア、欧州、北米等、海外において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は外貨における価値が変わらなかったとしても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑪製造物責任 当社グループでは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、PL問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑫訴訟等 当社グループは様々な事業を行っておりますが、事業活動を展開する又は事業再編・再構築を推進していく中で、取引先等の第三者から知的財産権や当社グループの製品等について訴訟の提起等を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果を予測又は判断することは不可能であり、かかる訴訟が業績に影響を与える可能性があります。 なお、当社グループとノバルティス・ファーマ社(スイス)との間で仲裁手続が進行中である「ジレニア ロイヤリティ」のうち、同社が契約の有効性について疑義を提起している部分が、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」が定める収益認識基準の要件の1つである「契約の当事者が契約を承認しており、それぞれの義務の履行を確約している」を満たしていないため、売上収益の認識を行っておりません。
FY2021|8,206 文字
2 【事業等のリスク】 当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を与える可能性がある主要なリスクを以下に記載しています。 当社グループでは、直接出資子会社ごとに、個々の事業特性に応じた評価基準を定めるなど、リスク管理体制を整備し、定期的にリスクアセスメントを実施しております。 また、当社は、当社グループ全体に影響のある重大なリスクを管理するため、グループ全体に対する統一的な評価基準も定めております。その基準をもとに各直接出資子会社が重大と認識したリスクについては、その管理状況や対応策について報告を受け、当社グループとしての対策についての議論及び直接出資子会社間の情報共有を行い、リスク発現の回避及び発現時における影響の最小化に努めています。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。 (1)グループ全体に影響のある重大なリスク 当社グループは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外に事業展開しております。当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等のカントリーリスク、大規模な自然災害、パンデミック、人材の採用・確保の困難、ユーティリティ供給不足等インフラの未整備、貿易摩擦などの経済や金融環境の変動等、国・地域固有のリスクなどが業績に影響を与える可能性があります。 近年は、環境などの社会的価値や健康、安全・安心への意識の高まり、バーチャルでのサービス享受の機会拡大等、個人の生活スタイルも大きく変容し始めており、企業においてもこのような環境変化への対応の誤りが新たなリスク要因になりうるなど、企業が直面するリスクも多様化、複雑化しております。 新型コロナウイルス感染症による影響については、一部の産業に回復の基調が見られ、また、日本を含む各国においてワクチン投与が開始されるという状況下、早期の経済正常化に対する市場の期待はあるものの、変異株の発現も認められており、依然重大かつ緊急性の高いリスクと考えています。 このような状況において、当社グループは「KAITEKI実現」というビジョンのもと、以下のような事項をグループ全体に影響のある重大なリスクとして認識し、そのリスク低減のための対策を取っています。 ①事故・災害 当社グループは、製造設備の定期点検を確実に実施するなど、設備事故等の発生防止に努めています。しかしながら、製造設備等で発生する事故や震災を含む様々な自然災害による影響を完全に防止し、軽減することはできません。万が一、事故により、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合は、生産への影響や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害による物的・人的被害又は社会インフラの重大な障害・機能低下が生じた場合は、当社グループの活動が長期にわたり影響を受けるなど、業績に影響を与える可能性があります。これらの緊急事態発生に備え、当社グループでは、事業継続計画(BCP)に基づく情報収集体制を整え、中核となる事業の継続や事業の早期復旧への取り組みを進めております。 ②法規制・コンプライアンス 当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全、環境や化学物質、医薬品の安全対策、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。当社グループは、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っております。近年は、海外法令への対応が一層求められていることから、競争法、個人情報保護法、経済安全保障関連法、贈収賄防止法等に関する法執行機関の運用状況を注視するなどリスクの最小化に努めています。 それにもかかわらず、将来的に法令の大幅な変更や規制強化が行われた場合には、当社グループの活動の制限やコストの増加につながる可能性があります。また、万が一これらの法規制に違反し、刑事・民事上の責任を問われ、また行政処分を課された場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、コンプライアンスを“法令遵守”にとどまらず、企業倫理や社会の一般的ルールの遵守までを含めたより広い意味で捉え、ステークホルダーや社会からの信頼に応える企業であり続けるために、コンプライアンスを経営上の最重要課題と位置づけています。コンプライアンスを当社グループに着実に浸透させるために、企業行動憲章をはじめとする規則、基準を策定しその周知に努め、また各国・各地域に応じたコンプライアンス推進のための教育研修を行うとともに、その浸透度をモニタリングするための意識調査を行っています。また、各直接出資子会社においては、事業特性に合わせたコンプライアンス・ガイドブックの作成、階層別の教育研修・講習会などの啓発活動を実施しています。さらに当社及び各直接出資子会社に内部通報制度を設け、社外窓口を含むホットラインを整備しその積極的な活用を図っています。 ③情報セキュリティ 当社グループが保有する企業情報及び個人情報については、厳正な管理に努めていますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合は、競争力低下や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、当社グループの情報システムに対する外部からの侵入を検知するシステムの導入や標的型攻撃メールに対する訓練など様々な防御策を講じておりますが、万が一、事業所のプラント制御系システムに問題が発生した場合等には、安全を確保するために生産量を調整するなど、業績に影響を与える可能性があります。 ④人権 当社グループは、世界人権宣言、国連グローバル・コンパクト、国連のビジネスと人権に関する指導原則、及びISO26000などの国際規範に準拠した人権に対する基本的な考え方をグループ構成員に示すとともに、具体的な指針として「人権の尊重並びに雇用・労働に関するグローバルポリシー」を定めています。また、海外グループ会社においては、各国で適用される法令や人権に関する最善の慣行の遵守、従業員満足度の向上に努め、適切なバリューチェーン・マネジメントを構築しながら事業活動を展開しています。 ⑤気候変動等環境課題 気候変動や資源・エネルギーをはじめとする環境課題の包括的な解決に向けて、当社グループは、サーキュラーエコノミーを重要な戦略と位置付け、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクルや、人工光合成、バイオプラスチックといったキーテクノロジーを軸に、製造プロセス(原料調達~加工)から製品使用後に至るまでのライフサイクル全体を通じて、資源を有効利用する取り組みを推進し、最適化された循環型社会の実現をめざしています。また、温室効果ガス(GHG)排出削減や省エネルギー活動の推進など、気候変動関連の施策にも取り組んでいます。これらに加え、当社は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しており、情報開示の拡充に努めています。 一方で、当社グループが事業展開する各国において、炭素税の賦課や排出権取引制度に代表される温室効果ガス排出規制が導入された場合、業績に影響を与える可能性があります。また、気候変動による自然災害の増加や渇水による水資源の不足等は当社グループの製造拠点に影響を与える可能性があります。 (2) 事業分野ごとのリスク 当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。事業分野毎に想定されるリスクは以下のとおりです。 ①機能商品分野(機能商品セグメント) 機能商品分野の製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、複数購買化や代替原料によるリスク低減を図っておりますが、必要な原材料を適時に確保できない場合は業績に影響を与える可能性があります。 情報電子関連製品の中には、アジア等海外の製造メ-カ-から購入している製品も多く、複数購買化等のリスク低減を図っていますが、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、製品供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、新規顧客の獲得及び新規用途の開発などによりリスク低減を図っておりますが、需要動向が予測以上に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ②素材分野(ケミカルズセグメント及び産業ガスセグメント) 素材分野では、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しています。そのため、原油価格、原燃料又はナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合又は製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。このような事態に備え、ナフサ価格の動向に関する早期の情報収集、販売動向の予測に基づく生産計画の調整なども含めた在庫数量管理の徹底などを行っています。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、複数購買化によるリスク低減を図っておりますが、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性がありますので、引き続き製造コストダウンによる競争力の確保、特許対応による知的財産の保護に努めています。 また、素材分野の製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。この対策として、コークス炉の高効率化による競争力の強化、輸出販売拡大のための出荷設備の増強など、最適な生産及び販売体制に向けた構造改革に取り組んでいます。 ③ヘルスケア分野(ヘルスケアセグメント) 一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画どおりに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、他社競合品との競争の激化により販売数量が減少した場合、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、特許満了時等に後発品が上市された場合、あるいは承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。 また医薬事業において、定期的な薬価改定による薬価引き下げに対して、既存薬の販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合や、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。 共同研究・開発、製品導出入、製造、販売など各種業務に関し各種業務の委受託を行っております。提携先との契約の変更・解消、提携先の経営環境の悪化及び経営方針の変更並びにこれら企業からの医薬品供給の遅延又は停滞が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。加えて、医薬中間体・原薬事業においては、薬価改定や顧客製品の特許切れ等により、顧客の医薬品の販売数量が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。 ④サービス業務 エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあります。これらの顧客とは、日常的にコミュニケーションを取り、的確な顧客要望の把握、提案型営業の強化に努めておりますが、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動が、業績に影響を与える可能性があります。 (3)その他のリスク①有利子負債 当社グループは、成長・創造戦略とのバランスを考慮しつつ財務体質の改善に努めており、2021年度から2022年度を対象期間とする新中期経営計画「APTSIS25」Step1におきましても、有利子負債の着実な削減を目標としておりますが、今後の金利の上昇、当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合は、有利子負債にかかる支払利息が増加し、又は設備増強等のための資金調達が不可欠な場合には当社グループに不利な条件による資金調達を余儀なくされるなど、業績に影響を与える可能性があります。 ②知的財産 当社グループは、第三者の知的財産権に対する侵害については、十分注意しておりますが、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ③研究開発 当社グループは、企業の持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、従来から積極的に研究開発を進めており、今後についても長期的視点で計画的・継続的に安定した資源を投入していく方針です。しかしながら、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 また、AIやIoTといったデジタル技術が産業界全体のビジネスモデルやサプライチェーンに劇的な変化をもたらしていますが、この変化に適正に対応できない場合には、当社グループの競争力が低下し、業績に影響を与えるリスクがあります。そこでAI・IoT分野の技術を応用した新たな素材・医薬品開発などを推進し、競争力の維持・獲得をめざしています。 ④買収、合弁、事業再編等 事業規模の拡大や事業ポートフォリオの変革をめざした国内外における合併、買収や合弁事業等を通じた事業展開が、当初期待していたシナジーその他のメリットを獲得できなかった場合や、そのための資金負担や合併、買収等の後に当社グループが想定していない新たな負債その他の問題が生じ又は発見された場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、事業の選択と集中に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。 ⑤繰延税金資産 当社グループでは、過年度に生じた税務上の繰越欠損金を有しておりますが、予測される将来の課税所得の見積りに基づいて将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限って繰延税金資産を認識しております。将来課税所得の基礎となる将来の事業計画は、売上収益の予測及び原料価格の市況推移の見込みなど、経営者の判断を伴う主要な仮定により影響を受けます。当社はこれらの仮定は妥当なものと考えておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、将来の課税所得の結果が予測・仮定と異なる場合は、繰延税金資産の回収可能性の評価が異なる可能性があります。 ⑥有価証券の評価 当社グループは、株式及び出資金については主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産に分類しており、その評価方法は活発な市場における無調整の公表価格もしくは合理的に入手可能なインプットにより、類似企業比較法等の適切な評価技法を用いて算定しております。これらの評価方法は適切な権限者に承認されており、当社は妥当と考えておりますが、観測可能な市場情報や発行企業の財務状況等の前提条件の変化により、公正価値が変動し、その他の包括利益や財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑦固定資産の減損 当社グループでは、大幅な業績の悪化や不動産価格の下落等があった場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。また、企業結合により取得したのれんは、減損テストを実施しておりますが、収益性の低下により、帳簿価額が回収可能価額を超過する場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。 ⑧退職給付関係 確定給付制度債務は年金数理計算により算定しており、その前提条件には割引率等の見積りが含まれております。当社は、使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、年金資産の公正価値の下落、金利環境の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動により、業績に影響を与える可能性があります。 ⑨在庫評価の影響 当社グループは、棚卸資産の評価を主として加重平均法による原価法で行っており、期中にナフサや重油等の原燃料価格が下落した場合は、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられ、損益に対するマイナス要因となります。一方、期中に原燃料価格が上昇した場合は、期初の相対的に安価な在庫の影響により売上原価が押下げられ、損益に対するプラス要因となります。このため、原燃料価格の変動は、業績に影響を与える可能性があります。また、収益性の低下に基づく簿価切下げを行った場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑩為替レートの変動 当社グループは、輸出入を中心とした外貨建取引に係る為替レートの変動による影響について、為替予約等を通じて短期的な影響を抑制するよう努めておりますが、短期及び中長期の為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、アジア、欧州、北米等、海外において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されています。これらの項目は外貨における価値が変わらなかったとしても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑪製造物責任 当社グループでは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、PL問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑫訴訟等 当社グループは様々な事業を行っておりますが、事業活動を展開する又は事業再編・再構築を推進していく中で、取引先等の第三者から知的財産権や当社グループの製品等について訴訟の提起等を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果を予測又は判断することは不可能であり、かかる訴訟が業績に影響を与える可能性があります。 なお、当社グループとノバルティス・ファーマ社(スイス)との間で仲裁手続が進行中である「ジレニア ロイヤリティ」のうち、同社が契約の有効性について疑義を提起している部分が、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」が定める収益認識基準の要件の1つである「契約の当事者が契約を承認しており、それぞれの義務の履行を確約している」を満たさなくなったため、売上収益の認識を行っておりません。
FY2020|8,068 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある主要なリスクを以下に記載しています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。当社グループでは、以下のようなリスクを認識した上で、毎年リスクアセスメントを実施し、個々の事業特性に応じたリスク管理体制を整備し、リスクの発生の回避及びリスク発生時における影響の最小化に努めています。 (1) 新型コロナウイルス感染症の大流行に関する対策とリスク世界経済は、新型コロナウイルス感染症の大流行の影響により、経済活動が抑制されており、足下で急速に減速しております。当社グループは新型コロナウイルス感染症に対し、政府による「緊急事態宣言」、及び各自治体からの要請を踏まえ、従業員とその家族、お客様の皆様の健康・安全を第一に考え、それぞれの拠点が担う機能に応じて、必要な感染防止対策を行ってまいりました。 政府の「緊急事態宣言」の対象地域内のオフィスビルへの出社は原則として禁止とし、全員テレワーク又は自宅待機としました。一方、工場等においては、必要最小限の業務運営に必要な人員の出社にとどめる、時差出勤を奨励する、マスク着用等の感染防止策を徹底する等により、その機能の維持に努めました。また拠点に関わらず、面談、会議、会食、国内外の出張を原則として禁止し、イベント、講演会等不特定多数の人が集まる場所への出席、参加等については、例外なく禁止する等の措置を行いました。それに加え、もし従業員及びその同居家族に感染が疑われるケースが発生した場合の、会社への報告方法及び報告ルートを定め、感染の有無に応じた自宅静養期間や勤務再開可能条件等のガイドラインを策定、周知しました。さらにヘルスケア分野においては、MRの訪問自粛規制を行う一方で、デジタルを活用した情報提供活動を強化し、訪問ができないなかでも必要な情報をお届けできる体制を整備しています。 また今後については、治療法の確立やワクチンの開発などにより、人々の健康と安全・安心が十分に確保されるまでの期間を想定し、新型コロナウイルス感染症対策を検討する国の専門家会議によって提唱された「新しい生活様式」をもとに、厚生労働省 要請文(職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防、健康管理の強化について) 、日本経済団体連合会ガイドライン(製造事業場における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン 、オフィスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン)に沿って、テレワークの推奨や社会的距離の確保等、新しい生活様式を含めた働き方のガイドライン等を作成、周知することにより、様々な素材や医療品等を提供する企業としての社会的責任を認識し、感染防止に役立つ製品の供給等を通じて、この新型コロナウイルス感染症危機を乗り越えることに貢献するための取り組みを継続してまいります。 このような状況下、2021年3月期の連結業績の見通しについては、新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せない中で厳しい状況が続くものの、第3四半期連結会計期間以降は回復傾向に転じるとの前提に基づき、各事業における新型コロナウイルス感染症の影響によるリスクを、次のように2021年度3月期の実績予想に織り込んで作成しております。 ① 機能商品分野(機能商品セグメント)機能部材製品については、自動車、建設、情報電子等の分野での減販等の影響による減益を168億円と予想しております。また、機能化学製品については、自動車向け製品の減販、ポリカーボネート樹脂に対する原燃料価格の変動に伴う受払差等の影響による減益を128億円と予想しております。以上のとおり、機能商品分野においては、新型コロナウイルス感染症の影響による減益を、296億円と予想しております。 ② 素材分野(ケミカルズセグメント及び産業ガスセグメント)ケミカルズセグメントにおいては、MMA事業におけるアジアを中心とした減販の影響による減益を99億円、石化事業における原料価格下落に伴う受払差、減販等の影響による減益を159億円、炭素事業におけるコークス、炭素材の減販等の影響による減益を79億円と予想しております。産業ガスセグメントにおいては、減販等による減益を106億円と予想しております。以上のとおり、素材分野においては、新型コロナウイルス感染症の影響による減益を、443億円と予想しております。 ③ ヘルスケア分野ヘルスケア分野においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、受診の抑制等による減益を46億円と予想しております。 上述のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響によるコア営業利益の減益785億円を織り込み、当社グループの2021年3月期の連結業績につきましては、売上収益は3兆3,340億円、コア営業利益は1,400億円、営業利益は1,370億円、税引前利益は1,140億円、当期利益は770億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は490億円と予想しておりますが、国内外の新型コロナウイルス感染症の収束時期、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規等によって影響を受ける可能性があります。 しかしながら、前述の前提が崩れ、収束時期が遅れた場合には、その期間に応じて減益額は大きくなることが予想されます。また、当社グループでは、前述のとおり必要な感染防止対策を行ってまいりますが、万が一、事業場においてクラスター感染が発生する等、業務を停止せざるを得ないような事象が発生した場合には、減益額が大きくなるというリスクがあります。 (2) その他のリスク 新型コロナウイルス感染症の影響とは別に、以下の事項を主要なリスクとして認識しています。 ① 機能商品分野(機能商品セグメント)機能商品分野の製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績(以下「業績」といいます。)に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、必要な原材料を適時に確保できない場合は業績に影響を与える可能性があります。情報電子関連製品の中には、アジア等海外の製造メ-カ-から購入している製品も多く、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、製品供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。特に、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、液晶パネル等の需要動向が急激に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ② 素材分野(ケミカルズセグメント及び産業ガスセグメント)素材分野では、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しています。そのため、原油価格、原燃料又はナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合又は製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性があります。また、素材分野の製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。 ③ ヘルスケア分野(ヘルスケアセグメント)医薬事業において、定期的な薬価改定による薬価引き下げに対して、既存薬の販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合や、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。また、一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画どおりに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、他社競合品との競争の激化により販売数量が減少した場合、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、特許満了時等に後発品が上市された場合、あるいは承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループは、季節性インフルエンザの予防をめざした植物由来VLPワクチン(MT-2271)について、米国での承認申請を行わないことを決定したことに伴い、MT-2271に係る無形資産(仕掛研究開発費)の241億円を減損損失(非経常項目)として2020年3月期決算において計上しました。したがいまして、本件は、2021年3月期の連結業績には、大きな影響は与えません。共同研究・開発、製品導出入、製造、販売など各種業務に関し各種業務の委受託を行っております。提携先との契約の変更・解消、提携先の経営環境の悪化及び経営方針の変更並びにこれら企業からの医薬品供給の遅延又は停滞が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。加えて、医薬中間体・原薬事業・医薬用カプセル事業においては、薬価改定や顧客製品の特許切れ等により、顧客の医薬品の販売数量が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。 ④ サービス業務エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあり、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動が、業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 経営全般当社グループは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外に事業展開しております。パンデミックの他、当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等のカントリーリスク、大規模な自然災害、人材の採用・確保の困難、ユーティリティ供給不足等インフラの未整備、経済や金融環境の変動等、国・地域固有のリスクが業績に影響を与える可能性があります。 ⑥ 有利子負債当社グループは、成長・創造戦略とのバランスを考慮しつつ財務体質の改善に努めておりますが、有利子負債が増加した場合や、今後の金利の上昇、当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合は、有利子負債にかかる支払利息が増加し、又は設備増強等のための資金調達が不可欠な場合には当社グループに不利な条件による資金調達を余儀なくされるなど、業績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 買収、合弁、事業再編等事業規模の拡大や事業ポートフォリオの変革をめざした国内外における合併、買収や合弁事業等を通じた事業展開が、当初期待していたシナジーその他のメリットを獲得できなかった場合や、そのための資金負担や合併、買収等の後に当社グループが想定していない新たな負債その他の問題が生じ又は発見された場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、事業の選択と集中に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。 ⑧ 繰延税金資産「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)重要な会計上の見積り ②繰延税金資産の回収可能性」をご参照ください。 ⑨ 有価証券の評価「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)重要な会計上の見積り ④金融商品の公正価値」をご参照ください。 ⑩ 固定資産の減損「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)重要な会計上の見積り ①非金融資産の減損」をご参照ください。 ⑪ 退職給付関係「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4)重要な会計上の見積り ③確定給付制度債務の測定」をご参照ください。 ⑫ 在庫評価の影響当社グループは、棚卸資産の評価を主として加重平均法による原価法で行っており、期中にナフサや重油等の原燃料価格が下落した場合は、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられ、損益に対するマイナス要因となります。一方、期中に原燃料価格が上昇した場合は、期初の相対的に安価な在庫の影響により売上原価が押下げられ、損益に対するプラス要因となります。このため、原燃料価格の変動は、業績に影響を与える可能性があります。また、収益性の低下に基づく簿価切下げを行った場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑬ 為替レートの変動当社グループは、輸出入を中心とした外貨建取引に係る為替レートの変動による影響について、為替予約等を通じて短期的な影響を抑制するよう努めておりますが、短期及び中長期の為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、アジア、欧州、北米等、海外において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されています。これらの項目は外貨における価値が変わらなかったとしても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑭ 法規制当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全に係るもの、環境や化学物質に係るもの、医薬品の安全対策に係るもの、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。当社グループは、法令の規定よりも厳しいレベルの自主規制を実施しつつ、コンプライアンスの徹底を図りながら、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っておりますが、将来的に法令の大幅な変更や規制強化が行われた場合は、当社グループの活動の制限やコストの増加につながり、また、万が一これらの法規制に違反し工場の操業停止等の処分を受けた場合などには、社会的信頼の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。例えば、製品の輸出に際しては、「外国為替及び外国貿易法」を遵守する必要がありますが、法令違反を未然に防止すべく、当社グループでは安全保障輸出管理プログラムを定め、また、eラーニングや研修等による社員教育など対策を行っております。それにもかかわらず、なお当社グループの役員又は職員が法令等に違反し、罰金、行政処分(輸出の禁止や包括許可の取り消し)を受ける場合や規制強化が図られた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 製造物責任当社グループでは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、PL問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑯ 事故・災害当社グループは、製造設備の定期点検等を確実に実施するなど、設備事故等の発生防止に努めています。しかしながら、製造設備等で発生する事故や震災を含む様々な自然災害等による影響を完全に防止し、軽減することはできません。万一、事故により、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合は、生産への影響や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害等による物的・人的被害又は社会インフラの重大な障害・機能低下が生じた場合は、当社グループの活動が長期にわたり影響を受けるなど、業績に影響を与える可能性があります。これらの緊急事態発生に備え当社グループでは、事業継続計画(BCP)に基づく情報収集体制を整え、中核となる事業の継続や事業の早期復旧への取り組みを進めております。 ⑰ 情報管理当社グループが保有する企業情報及び個人情報については、厳正な管理に努めていますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合は、競争力低下や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、様々な防御策を講じておりますが、万が一、事業所のプラント制御系システムに問題が発生した場合には、安全を確保するために生産量を調整するなど、業績に影響を与える可能性があります。 ⑱ 研究開発当社グループは、企業の持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、従来から積極的に研究開発を進めており、今後についても長期的視点で計画的・継続的に安定した資源を投入していく方針です。しかしながら、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑲ 知的財産当社グループは、第三者の知的財産権に対する侵害については、十分注意しておりますが、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ⑳ 気候変動等環境課題地球温暖化等環境課題に関する取り組みや気候変動等のリスクを企業の財務情報として開示する要請が高まっています。当社グループは、全社的に環境マネジメントを推進し、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しております。当社グループが事業展開する各国において、炭素税の賦課や排出権取引制度に代表される温室効果ガス排出規制が導入された場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動による自然災害の増加や渇水による水資源の不足等は当社グループの製造拠点に影響を与える可能性があります。 ㉑ 訴訟等当社グループは様々な事業を行っておりますが、事業活動を展開する又は事業再編・再構築を推進していく中で、取引先等の第三者から知的財産権や当社グループの製品等について訴訟の提起等を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果を予測又は判断することは不可能であり、かかる訴訟が業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループとノバルティス・ファーマ社(スイス)との間で仲裁手続きが進行中である「ジレニア ロイヤリティ」のうち、同社が契約の有効性について疑義を提起している部分が、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」が定める収益認識基準の要件の1つである「契約の当事者が契約を承認しており、それぞれの義務の履行を確約している」を満たさなくなったため、売上収益の認識を行っておりません。
FY2019|5,975 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある主要なリスクを以下に記載しています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。当社グループでは、以下のようなリスクを認識した上で、毎年リスクアセスメントを実施し、個々の事業特性に応じたリスク管理体制を整備し、リスクの発生の回避及びリスク発生時における影響の最小化に努めています。 (1) 経営成績の変動要因当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。事業分野毎に想定されるリスクは以下のとおりです。 ① 機能商品分野(機能商品セグメント)機能商品分野の製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績(以下「業績」といいます。)に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、必要な原材料を適時に確保できない場合は業績に影響を与える可能性があります。情報電子関連製品の中には、アジア等海外の製造メ-カ-から購入している製品も多く、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、製品供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。特に、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、液晶パネル等の需要動向が急激に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ② 素材分野(ケミカルズセグメント及び産業ガスセグメント)素材分野では、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しています。そのため、原油価格、原燃料又はナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合又は製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性があります。また、素材分野の製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。 ③ ヘルスケア分野(ヘルスケアセグメント)医薬事業において、定期的な薬価改定による薬価引き下げに対して、既存薬の販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合や、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。また、一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画通りに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、他社競合品との競争の激化により販売数量が減少した場合、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、特許満了時等に後発品が上市された場合、あるいは承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。 共同研究・開発、製品導出入、製造、販売など各種業務に関し各種業務の委受託を行っております。提携先との契約の変更・解消、提携先の経営環境の悪化及び経営方針の変更並びにこれら企業からの医薬品供給の遅延又は停滞が発生した場合、業績に影響を与える可能性があります。 加えて、臨床検査や診断薬・診断機器に係る事業においては、定期的な診療報酬改定や薬価改定の影響を受け、これらの引き下げに対し、受注数及び販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合は、業績に影響を与える可能性があります。医薬中間体・原薬事業・医薬用カプセル事業においては、薬価改定や顧客製品の特許切れ等により、顧客の医薬品の販売数量が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。 ④ その他エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあり、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動が、業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 経営全般当社グループは、協奏による、さらなる成長・創造と飛躍の実現を目指し、体質強化、成長戦略の遂行(高機能・高付加価値化等)、将来を見据えた創造事業の育成・展開等の施策に取り組んでおりますが、予想を超えた大きな経済変動や事業環境の変化(地球温暖化対策など環境に関する社会からの要請等も含みます。)が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外に事業展開しております。当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等のカントリーリスク、大規模な自然災害、人材の採用・確保の困難、ユーティリティ供給不足等インフラの未整備、経済や金融環境の変動等、国・地域固有のリスクが業績に影響を与える可能性があります。 (2) 有利子負債当社グループは、成長・創造戦略とのバランスを考慮しつつ財務体質の改善に努めておりますが、有利子負債が増加した場合や、今後の金利の上昇、当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合は、有利子負債にかかる支払利息が増加し、又は設備増強等のための資金調達が不可欠な場合には当社グループに不利な条件による資金調達を余儀なくされるなど、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 買収、合弁、事業再編等に伴うリスク事業規模の拡大や事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における合併、買収や合弁事業等を通じた事業展開が、当初期待していたシナジーその他のメリットを獲得できなかった場合や、そのための資金負担や合併、買収等の後に当社グループが想定していない新たな負債その他の問題が生じ又は発見された場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、事業の選択と集中に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。 (4) 繰延税金資産当社グループは、税務上繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、結果が予測・仮定と異なる可能性があります。結果が予測・仮定と異なる場合、又は税制改正に伴い税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、業績に影響を与える可能性があります。 (5) 有価証券の評価当社グループは、中長期的な企業価値向上に資する場合には、保有意義を認めて顧客及び金融機関を中心に非支配株主としての有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落は、財政状態に影響を与える可能性があります。 (6) 固定資産の減損当社グループでは、大幅な業績の悪化や不動産価格の下落等があった場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。また、企業結合により取得したのれんは、減損テストを実施しておりますが、収益性の低下により、帳簿価額が回収可能価額を超過する場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。 (7) 退職給付関係当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動は、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8) 在庫評価の影響当社グループは、棚卸資産の評価を主として加重平均法による原価法で行っており、期中にナフサや重油等の原燃料価格が下落した場合は、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられ、損益に対するマイナス要因となります。一方、期中に原燃料価格が上昇した場合は、期初の相対的に安価な在庫の影響により売上原価が押下げられ、損益に対するプラス要因となります。このため、原燃料価格の変動は、業績に影響を与える可能性があります。また、収益性の低下に基づく簿価切下げを行った場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (9) 為替レートの変動当社グループは、輸出入を中心とした外貨建取引に係る為替レートの変動による影響について、為替予約等を通じて短期的な影響を抑制するよう努めておりますが、短期及び中長期の為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、アジア、欧州、北米等、海外において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されています。これらの項目は外貨における価値が変わらなかったとしても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (10)法規制当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全に係るもの、環境や化学物質に係るもの、医薬品の安全対策に係るもの、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。 当社グループは、法令の規定よりも厳しいレベルの自主規制を実施しつつ、コンプライアンスの徹底を図りながら、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っておりますが、将来的に法令の大幅な変更や規制強化が行われた場合は、当社グループの活動の制限やコストの増加につながり、また、万が一これらの法規制に違反し工場の操業停止等の処分を受けた場合などには、社会的信頼の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。 (11)製造物責任当社グループでは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、PL問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (12)事故・災害当社グループは、製造設備の定期点検等を確実に実施するなど、設備事故等の発生防止に努めています。しかしながら、製造設備等で発生する事故や震災を含む様々な自然災害等による影響を完全に防止し、軽減することはできません。万一、事故により、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合は、生産への影響や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害等による物的・人的被害又は社会インフラの重大な障害・機能低下が生じた場合は、当社グループの活動が長期にわたり影響を受けるなど、業績に影響を与える可能性があります。 (13)情報管理当社グループが保有する企業情報及び個人情報については、厳正な管理に努めていますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合は、競争力低下や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、様々な防御策を講じておりますが、万が一、事業所のプラント制御系システムに問題が発生した場合には、安全を確保するために生産量を調整するなど、業績に影響を与える可能性があります。 (14)研究開発当社グループは、企業の持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、従来から積極的に研究開発を進めており、今後についても長期的視点で計画的・継続的に安定した資源を投入していく方針です。しかしながら、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (15)知的財産当社グループは、第三者の知的財産権に対する侵害については、十分注意しておりますが、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (16)訴訟等当社グループは、前記(1)に記載のとおり、様々な事業を行っておりますが、事業活動を展開する又は事業再編・再構築を推進していく中で、取引先等の第三者から知的財産権や当社グループの製品等について訴訟の提起等を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果を予測又は判断することは不可能であり、かかる訴訟が業績に影響を与える可能性があります。なお、現在係争中の主な訴訟事件等は、以下のとおりです。 ・当社の連結子会社である田辺三菱製薬㈱は、国等とともに、C型肝炎に関して損害賠償請求訴訟の提起を受けておりましたが、C型肝炎感染者を救済するための特別措置法の公布・施行を受けて、2008年9月、全国原告団・弁護団との間で、その解決に向けた基本合意書を締結しました。全国原告団との訴訟は、原告が同社に対する請求を放棄する等の形で順次終了しておりますが、2009年4月、上記特別措置法に基づきC型肝炎感染者の方々に支給される給付金等の費用負担の方法及び割合に関する基準が告示され、同社は、かかる基準に従ってその費用を負担しております。
FY2018|5,912 文字
2 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある主要なリスクを以下に記載しています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。当社グループでは、以下のようなリスクを認識した上で、毎年リスクアセスメントを実施し、個々の事業特性に応じたリスク管理体制を整備し、リスクの発生の回避及びリスク発生時における影響の最小化に努めています。 (1) 経営成績の変動要因当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。事業分野毎に想定されるリスクは以下のとおりです。 ① 機能商品分野(機能商品セグメント)機能商品分野の製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績(以下「業績」といいます。)に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、必要な原材料を適時に確保できない場合は業績に影響を与える可能性があります。情報電子関連製品の中には、アジア等海外の製造メ-カ-から購入している製品も多く、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、製品供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。特に、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、液晶パネル等の需要動向が急激に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ② 素材分野(ケミカルズセグメント及び産業ガスセグメント)素材分野では、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しています。そのため、原油価格、原燃料又はナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合又は製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性があります。また、素材分野の製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。 ③ ヘルスケア分野(ヘルスケアセグメント)医薬事業において、定期的な薬価改定による薬価引き下げに対して、既存薬の販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合や、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。また、一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画通りに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、他社競合品との競争の激化により販売数量が減少した場合、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、特許満了時等に後発品が上市された場合、あるいは承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。 原材料等の一部は、外部の供給源に依存しており、その供給中断により十分な医薬品を供給できない場合には、業績に影響を与える可能性があります。 加えて、臨床検査や診断薬・診断機器に係る事業においては、定期的な診療報酬改定や薬価改定の影響を受け、これらの引き下げに対し、受注数及び販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合は、業績に影響を与える可能性があります。医薬中間体・原薬事業・医薬用カプセル事業においては、薬価改定や顧客製品の特許切れ等により、顧客の医薬品の販売数量が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。 ④ その他エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあり、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動が、業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 経営全般当社グループは、協奏による、さらなる成長・創造と飛躍の実現を目指し、体質強化、成長戦略の遂行(高機能・高付加価値化等)、将来を見据えた創造事業の育成・展開等の施策に取り組んでおりますが、予想を超えた大きな経済変動や事業環境の変化(地球温暖化対策など環境に関する社会からの要請等も含みます。)が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外に事業展開しております。当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等のカントリーリスク、大規模な自然災害、人材の採用・確保の困難、ユーティリティ供給不足等インフラの未整備、経済や金融環境の変動等、国・地域固有のリスクが業績に影響を与える可能性があります。 (2) 有利子負債当社グループは、成長・創造戦略とのバランスを考慮しつつ財務体質の改善に努めておりますが、有利子負債が増加した場合や、今後の金利の上昇、当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合は、有利子負債にかかる支払利息が増加し、又は設備増強等のための資金調達が不可欠な場合には当社グループに不利な条件による資金調達を余儀なくされるなど、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 買収、合弁、事業再編等に伴うリスク事業規模の拡大や事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における合併、買収や合弁事業等を通じた事業展開が、当初期待していたシナジーその他のメリットを獲得できなかった場合や、そのための資金負担や合併、買収等の後に当社グループが想定していない新たな負債その他の問題が生じ又は発見された場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、事業の選択と集中に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。 (4) 繰延税金資産当社グループは、税務上繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、結果が予測・仮定と異なる可能性があります。結果が予測・仮定と異なる場合、又は税制改正に伴い税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、業績に影響を与える可能性があります。 (5) 有価証券の評価当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、顧客及び金融機関を中心に非支配株主としての有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落は、財政状態に影響を与える可能性があります。 (6) 固定資産の減損当社グループは、減損会計の適用により、大幅な業績の悪化や不動産価格の下落等があった場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。また、企業結合により取得したのれんは、減損テストを実施しておりますが、収益性の低下により、帳簿価額が回収可能価額を超過する場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。 (7) 退職給付関係当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動は、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8) 在庫評価の影響当社グループは、棚卸資産の評価を主として加重平均法による原価法で行っており、期中にナフサや重油等の原燃料価格が下落した場合は、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられ、損益に対するマイナス要因となります。一方、期中に原燃料価格が上昇した場合は、期初の相対的に安価な在庫の影響により売上原価が押下げられ、損益に対するプラス要因となります。このため、原燃料価格の変動は、業績に影響を与える可能性があります。また、収益性の低下に基づく簿価切下げを行った場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (9) 為替レートの変動当社グループは、輸出入を中心とした外貨建取引に係る為替レートの変動による影響について、為替予約等を通じて短期的な影響を抑制するよう努めておりますが、短期及び中長期の為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、アジア、欧州、北米等、海外において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されています。これらの項目は外貨における価値が変わらなかったとしても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (10)法規制当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全に係るもの、環境や化学物質に係るもの、医薬品の安全対策に係るもの、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。 当社グループは、法令の規定よりも厳しいレベルの自主規制を実施しつつ、コンプライアンスの徹底を図りながら、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っておりますが、将来的に法令の大幅な変更や規制強化が行われた場合は、当社グループの活動の制限やコストの増加につながり、また、万が一これらの法規制に違反し工場の操業停止等の処分を受けた場合などには、社会的信頼の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。 (11)製造物責任当社グループでは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、PL問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (12)事故・災害当社グループは、製造設備の定期点検等を確実に実施するなど、設備事故等の発生防止に努めています。しかしながら、製造設備等で発生する事故や震災を含む様々な自然災害等による影響を完全に防止し、軽減することはできません。万一、事故により、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合は、生産への影響や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害等による物的・人的被害又は社会インフラの重大な障害・機能低下が生じた場合は、当社グループの活動が長期にわたり影響を受けるなど、業績に影響を与える可能性があります。 (13)情報管理当社グループが保有する企業情報及び個人情報については、厳正な管理に努めていますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合は、競争力低下や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、様々な防御策を講じておりますが、万が一、事業所のプラント制御系システムに問題が発生した場合には、安全を確保するために生産量を調整するなど、業績に影響を与える可能性があります。 (14)研究開発当社グループは、企業の持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、従来から積極的に研究開発を進めており、今後についても長期的視点で計画的・継続的に安定した資源を投入していく方針です。しかしながら、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (15)知的財産当社グループは、第三者の知的財産権に対する侵害については、十分注意しておりますが、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (16)訴訟等当社グループは、前記(1)に記載のとおり、様々な事業を行っておりますが、事業活動を展開する又は事業再編・再構築を推進していく中で、取引先等の第三者から知的財産権や当社グループの製品等について訴訟の提起等を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果を予測又は判断することは不可能であり、かかる訴訟が業績に影響を与える可能性があります。なお、現在係争中の主な訴訟事件等は、以下のとおりです。 ・当社の連結子会社である田辺三菱製薬㈱は、国等とともに、C型肝炎に関して損害賠償請求訴訟の提起を受けておりましたが、C型肝炎感染者を救済するための特別措置法の公布・施行を受けて、2008年9月、全国原告団・弁護団との間で、その解決に向けた基本合意書を締結しました。全国原告団との訴訟は、原告が同社に対する請求を放棄する等の形で順次終了しておりますが、2009年4月、上記特別措置法に基づきC型肝炎感染者の方々に支給される給付金等の費用負担の方法及び割合に関する基準が告示され、同社は、かかる基準に従ってその費用を負担しております。
FY2017|5,945 文字
4 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある主要なリスクを以下に記載しています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。当社グループでは、以下のようなリスクを認識した上で、毎年リスクアセスメントを実施し、個々の事業特性に応じたリスク管理体制を整備し、リスクの発生の回避及びリスク発生時における影響の最小化に努めています。 (1) 経営成績の変動要因当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。事業分野毎に想定されるリスクは以下のとおりです。 ① 機能商品分野(エレクトロニクス・アプリケーションズセグメント及びデザインド・マテリアルズセグメント)機能商品分野の製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績(以下「業績」といいます。)に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、必要な原材料を適時に確保できない場合は業績に影響を与える可能性があります。情報電子関連製品の中には、アジア等海外の製造メ-カ-から購入している製品も多く、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、製品供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。特に、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、液晶パネル等の需要動向が急激に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ② ヘルスケア分野(ヘルスケアセグメント)医薬事業において、定期的な薬価改定による薬価引き下げに対して、既存薬の販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合や、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。また、一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画通りに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、他社競合品との競争の激化により販売数量が減少した場合、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、特許満了時等に後発品が上市された場合、あるいは承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。 原材料等の一部は、外部の供給源に依存しており、その供給中断により十分な医薬品を供給できない場合には、業績に影響を与える可能性があります。 加えて、臨床検査や診断薬・診断機器に係る事業においては、定期的な診療報酬改定や薬価改定の影響を受け、これらの引き下げに対し、受注数及び販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合は、業績に影響を与える可能性があります。医薬中間体・原薬事業・医薬用カプセル事業においては、薬価改定や顧客製品の特許切れ等により、顧客の医薬品の販売数量が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。 ③ 素材分野(ケミカルズセグメント及びポリマーズセグメント)素材分野では、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しています。そのため、原油価格、原燃料又はナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合又は製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性があります。また、素材分野の製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。 ④ その他エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあり、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動が、業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 経営全般当社グループは、協奏による、さらなる成長・創造と飛躍の実現を目指し、体質強化、成長戦略の遂行(高機能・高付加価値化等)、将来を見据えた創造事業の育成・展開等の施策に取り組んでおりますが、予想を超えた大きな経済変動や事業環境の変化(地球温暖化対策など環境に関する社会からの要請等も含みます。)が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外に事業展開しております。当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等のカントリーリスク、大規模な自然災害、人材の採用・確保の困難、ユーティリティ供給不足等インフラの未整備、経済や金融環境の変動等、国・地域固有のリスクが業績に影響を与える可能性があります。 (2) 有利子負債当社グループは、成長・創造戦略とのバランスを考慮しつつ財務体質の改善に努めておりますが、有利子負債が増加した場合や、今後の金利の上昇、当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合は、有利子負債にかかる支払利息が増加し、又は設備増強等のための資金調達が不可欠な場合には当社グループに不利な条件による資金調達を余儀なくされるなど、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 買収、合弁、事業再編等に伴うリスク事業規模の拡大や事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における合併、買収や合弁事業等を通じた事業展開が、当初期待していたシナジーその他のメリットを獲得できなかった場合や、そのための資金負担や合併、買収等の後に当社グループが想定していない新たな負債その他の問題が生じ又は発見された場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、事業の選択と集中に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。 (4) 繰延税金資産当社グループは、税務上繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、結果が予測・仮定と異なる可能性があります。結果が予測・仮定と異なる場合、又は税制改正に伴い税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、業績に影響を与える可能性があります。 (5) 有価証券の評価当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、顧客及び金融機関を中心に非支配株主としての有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落は、財政状態に影響を与える可能性があります。 (6) 固定資産の減損当社グループは、減損会計の適用により、大幅な業績の悪化や不動産価格の下落等があった場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。また、企業結合により取得したのれんは、減損テストを実施しておりますが、収益性の低下により、帳簿価額が回収可能価額を超過する場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。 (7) 退職給付関係当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動は、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (8) 在庫評価の影響当社グループは、棚卸資産の評価を主として総平均法による原価法で行っており、期中にナフサや重油等の原燃料価格が下落した場合は、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられ、損益に対するマイナス要因となります。一方、期中に原燃料価格が上昇した場合は、期初の相対的に安価な在庫の影響により売上原価が押下げられ、損益に対するプラス要因となります。このため、原燃料価格の変動は、業績に影響を与える可能性があります。また、収益性の低下に基づく簿価切下げを行った場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (9) 為替レートの変動当社グループは、輸出入を中心とした外貨建取引に係る為替レートの変動による影響について、為替予約等を通じて短期的な影響を抑制するよう努めておりますが、短期及び中長期の為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、アジア、欧州、北米等、海外において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されています。これらの項目は外貨における価値が変わらなかったとしても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。 (10)法規制当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全に係るもの、環境や化学物質に係るもの、医薬品の安全対策に係るもの、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。 当社グループは、法令の規定よりも厳しいレベルの自主規制を実施しつつ、コンプライアンスの徹底を図りながら、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っておりますが、将来的に法令の大幅な変更や規制強化が行われた場合は、当社グループの活動の制限やコストの増加につながり、また、万が一これらの法規制に違反し工場の操業停止等の処分を受けた場合などには、社会的信頼の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。 (11)製造物責任当社グループでは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、PL問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (12)事故・災害当社グループは、製造設備の定期点検等を確実に実施するなど、設備事故等の発生防止に努めています。しかしながら、製造設備等で発生する事故や震災を含む様々な自然災害等による影響を完全に防止し、軽減することはできません。万一、事故により、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合は、生産への影響や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害等による物的・人的被害又は社会インフラの重大な障害・機能低下が生じた場合は、当社グループの活動が長期にわたり影響を受けるなど、業績に影響を与える可能性があります。 (13)情報管理当社グループが保有する企業情報及び個人情報については、厳正な管理に努めていますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合は、競争力低下や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、サイバー攻撃については、様々な防御策を講じておりますが、万が一、事業所のプラント制御系システムに問題が発生した場合には、安全を確保するために生産量を調整するなど、業績に影響を与える可能性があります。 (14)研究開発当社グループは、企業の持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、従来から積極的に研究開発を進めており、今後についても長期的視点で計画的・継続的に安定した資源を投入していく方針です。しかしながら、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (15)知的財産当社グループは、第三者の知的財産権に対する侵害については、十分注意しておりますが、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (16)訴訟等当社グループは、前記(1)に記載のとおり、様々な事業を行っておりますが、事業活動を展開する又は事業再編・再構築を推進していく中で、取引先等の第三者から知的財産権や当社グループの製品等について訴訟の提起等を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果を予測又は判断することは不可能であり、かかる訴訟が業績に影響を与える可能性があります。なお、現在係争中の主な訴訟事件等は、以下のとおりです。 ・当社の連結子会社である田辺三菱製薬㈱は、国等とともに、C型肝炎に関して損害賠償請求訴訟の提起を受けておりましたが、C型肝炎感染者を救済するための特別措置法の公布・施行を受けて、2008年9月、全国原告団・弁護団との間で、その解決に向けた基本合意書を締結しました。全国原告団との訴訟は、原告が同社に対する請求を放棄する等の形で順次終了しておりますが、2009年4月、上記特別措置法に基づきC型肝炎感染者の方々に支給される給付金等の費用負担の方法及び割合に関する基準が告示され、同社は、かかる基準に従ってその費用を負担しております。
FY2016|5,793 文字
4 【事業等のリスク】当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある主要なリスクを以下に記載しています。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、また、事業等のリスクは、これらに限定されるものではありません。当社グループでは、以下のようなリスクを認識した上で、毎年リスクアセスメントを実施し、個々の事業特性に応じたリスク管理体制を整備し、リスクの発生の回避及びリスク発生時における影響の最小化に努めています。 (1) 経営成績の変動要因当社グループの製品の多くは、国内外の需要や製品市況、原油・ナフサ・ユーティリティ等の原燃料・材料の価格や調達数量、為替、関連法規制等によって影響を受ける可能性があります。事業分野ごとに想定されるリスクは以下の通りです。 ① 機能商品分野(エレクトロニクス・アプリケーションズセグメント及びデザインド・マテリアルズセグメント)機能商品分野の製品は、品質・性能面で絶えず高度化が求められており、市場ニーズに合致した製品を適時に開発・提供する必要があります。市場ニーズが当社グループの予想を超えて大きく変化した場合や、市場ニーズに合致した製品を適時に提供できない場合は、当社グループの業績(以下「業績」という。)に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原材料もあり、必要な原材料を適時に確保できない場合は業績に影響を与える可能性があります。情報電子関連製品の中には、アジア等海外の製造メ-カ-から購入している製品も多く、その生産拠点で災害その他の要因により生産が停滞するなど、製品供給体制に不測の事態が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。特に、各種フィルム、シート製品については液晶パネル等の需要に負うところが大きく、液晶パネル等の需要動向が急激に変化した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 ② ヘルスケア分野(ヘルスケアセグメント)医薬事業において、定期的な薬価改定による薬価引き下げに対して、既存薬の販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合や、各国の医療費抑制策の動向等によっては、業績に影響を与える可能性があります。また、一般的に新薬の研究開発期間は他業種に比べて長期にわたる上、新薬が承認取得に至る確率も高くないことから、製品化の確度及び時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画通りに新薬を製品化できなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。新薬が製品化した場合においても、他社競合品との競争の激化により販売数量が減少した場合、新薬が広く普及した段階で新たな副作用等が報告されたことにより販売数量が減少した場合、特許満了時等に後発品が上市された場合、あるいは承認が取り消された場合などは、業績に影響を与える可能性があります。 原材料等の一部は、外部の供給源に依存しており、その供給中断により十分な医薬品を供給できない場合には、業績に影響を与える可能性があります。 加えて、臨床検査や診断薬・診断機器に係る事業においては、定期的な診療報酬改定や薬価改定の影響を受け、これらの引き下げに対し、受注数及び販売数量拡大や合理化等の収益維持策が十分に達成されなかった場合は、業績に影響を与える可能性があります。医薬中間体・原薬事業・医薬用カプセル事業においては、薬価改定や顧客製品の特許切れ等により、顧客の医薬品の販売数量が減少した場合、業績に影響を与える可能性があります。 ③ 素材分野(ケミカルズセグメント及びポリマーズセグメント)素材分野では、ナフサ等の原料を大量に消費するとともに、製造プロセスにおいて相当量の電気や蒸気を使用しています。そのため、原油価格、原燃料又はナフサの需給バランス、為替レート等の影響による急激なナフサ・燃料等の価格変動に対し、製品価格の是正を十分に行うことができない場合又は製品価格の是正が遅れた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、特定の地域やサプライヤーに依存している原燃料もあり、必要な原燃料を適時に確保できない場合は、業績に影響を与える可能性があります。さらに、世界的な景気後退や他社による生産能力増強等により、各製品の需給バランスが崩れ、設備投資に見合う収益、成果を上げられない場合などには、業績に影響を与える可能性があります。また、素材分野の製品には特定の取引先への依存度が高いものがあり、例えば、特定の鉄鋼メーカーへの依存度が高いコークス事業は、粗鋼の需給状況の大きな変動等により当該鉄鋼メーカーの粗鋼生産量が減少した場合はその影響を受けるなど、特定の取引先における需要等が、業績に影響を与える可能性があります。 ④ その他エンジニアリングや物流といった当社グループのサービス業務を担う会社において、これらの会社は当社グループ外からの受注もあり、グループ内外の需要や市況等の大幅な変動が、業績に影響を与える可能性があります。 ⑤ 経営全般当社グループは、協奏による、さらなる成長・創造と飛躍の実現を目指し、体質強化、成長戦略の遂行(高機能・高付加価値化等)、将来を見据えた創造事業の育成・展開等の施策に取り組んでおりますが、予想を超えた大きな経済変動や事業環境の変化(地球温暖化対策など環境に関する社会からの要請等も含む)が生じた場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外に事業展開しております。当社グループの事業に関連する国・地域における紛争、テロリズム、内乱、暴動、デモ、治安悪化等の地政学的問題、法規制、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等のカントリーリスク、大規模な自然災害、人材の採用・確保の困難、ユーティリティ供給不足等インフラの未整備、経済や金融環境の変動等、国・地域固有のリスクが業績に影響を与える可能性があります。 (2) 有利子負債当社グループは、成長・創造戦略とのバランスを考慮しつつ財務体質の改善に努めておりますが、有利子負債が増加した場合や、今後の金利の上昇、当社グループの業績変動等に伴い格付けが低下した場合は、有利子負債にかかる支払利息が増加し、又は設備増強等のための資金調達が不可欠な場合には当社グループに不利な条件による資金調達を余儀なくされるなど、業績に影響を与える可能性があります。 (3) 買収、合弁、事業再編等に伴うリスク事業規模の拡大や事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における合併、買収や合弁事業等を通じた事業展開が、当初期待していたシナジーその他のメリットを獲得できなかった場合や、そのための資金負担や合併、買収等の後に当社グループが想定していない新たな負債その他の問題が生じ又は発見された場合は、業績に影響を与える可能性があります。また、事業の選択と集中に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。 (4) 繰延税金資産当社グループは、税務上繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、結果が予測・仮定と異なる可能性があります。結果が予測・仮定と異なる場合、又は税制改正に伴い税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、業績に影響を与える可能性があります。 (5) 有価証券の減損当社グループは、長期的な取引関係の維持のため、顧客及び金融機関を中心に非支配株主としての有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落は、業績に影響を与える可能性があります。 (6) 固定資産の減損当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。大幅な業績の悪化や不動産価格の下落等があった場合は、減損損失が発生し、業績に影響を与える可能性があります。 (7) 退職給付関係当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職金・年金制度の変更等に伴う退職給付債務及び退職給付費用の変動は、業績に影響を与える可能性があります。 (8) 在庫評価の影響当社グループは、棚卸資産の評価を主として総平均法による原価法で行っており、期中にナフサや重油等の原燃料価格が下落した場合は、期初の相対的に高価な在庫の影響により売上原価が押上げられ、損益に対するマイナス要因となります。一方、期中に原燃料価格が上昇した場合は、期初の相対的に安価な在庫の影響により売上原価が押下げられ、損益に対するプラス要因となります。このため、原燃料価格の変動は、業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号)を適用しており、収益性の低下に基づく簿価切下げを行った場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (9) 為替レートの変動当社グループは、輸出入を中心とした外貨建取引に係る為替レートの変動による影響について、為替予約等を通じて短期的な影響を抑制するよう努めておりますが、短期及び中長期の為替レートの変動が業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループは、アジア、欧州、北米等、海外において生産・販売活動を展開しており、各地域における外貨建の売上、費用、資産等は、連結財務諸表作成のために円換算されています。これらの項目は外貨における価値が変わらなかったとしても、換算に使用する為替レートの変動に伴い円換算後の価値が変動するため、為替レートの変動が業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。 (10)法規制当社グループが行っている事業は、国内外の関連法規制を受け、その規制内容には保安安全に係るもの、環境や化学物質に係るもの、医薬品の安全対策に係るもの、その他事業活動に関するものなど様々なものがあります。 当社グループは、法令の規定よりも厳しいレベルの自主規制を実施しつつ、コンプライアンスの徹底を図りながら、これらの法規制を遵守し、種々の事業活動を行っておりますが、将来的に法令の大幅な変更や規制強化が行われた場合は、当社グループの活動の制限やコストの増加につながり、また、万が一これらの法規制に違反し工場の操業停止等の処分を受けた場合などには、社会的信頼の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。 (11)製造物責任当社グループでは、国際的な品質マネジメントシステム規格であるISO9001等に従って各種製品を製造・販売しており、新製品上市時や品質改善時には、事前に製造物責任(PL)のリスク検討を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、PL問題が発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、PL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (12)事故・災害当社グループは、製造設備の定期点検等を確実に実施するなど、設備事故等の発生防止に努めています。しかしながら、製造設備等で発生する事故や震災を含む様々な自然災害等による影響を完全に防止し、軽減することはできません。万一、事故により、物的・人的被害や環境汚染等が生じた場合は、生産への影響や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。また、自然災害等による物的・人的被害又は社会インフラの重大な障害・機能低下が生じた場合は、当社グループの活動が長期にわたり影響を受けるなど、業績に影響を与える可能性があります。 (13)情報管理当社グループが保有する企業情報及び個人情報については、厳正な管理に努めていますが、これらの情報の流出により問題が発生した場合は、競争力低下や社会的信頼の低下等、業績に影響を与える可能性があります。 (14)研究開発当社グループは、企業の持続的成長を支える原動力は研究開発にあると認識し、従来から積極的に研究開発を進めており、今後についても長期的視点で計画的・継続的に安定した資源を投入していく方針です。しかしながら、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離した場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (15)知的財産当社グループは、第三者の知的財産権に対する侵害については、十分注意しておりますが、第三者から特許等への抵触を理由として差止訴訟、損害賠償請求訴訟等を提起された場合は、業績に影響を与える可能性があります。 (16)訴訟等当社グループは、前記(1)に記載の通り、様々な事業を行っておりますが、事業活動を展開する又は事業再編・再構築を推進していく中で、取引先等の第三者から知的財産権や当社グループの製品等について訴訟の提起等を受ける可能性があります。これらの訴訟の結果を予測又は判断することは不可能であり、かかる訴訟が業績に影響を与える可能性があります。なお、現在係争中の主な訴訟事件等は、以下の通りです。 ・当社の連結子会社である田辺三菱製薬㈱は、国等とともに、C型肝炎に関して損害賠償請求訴訟の提起を受けておりましたが、C型肝炎感染者を救済するための特別措置法の公布・施行を受けて、平成20年9月、全国原告団・弁護団との間で、その解決に向けた基本合意書を締結しました。全国原告団との訴訟は、原告が同社に対する請求を放棄する等の形で順次終了しておりますが、平成21年4月、上記特別措置法に基づきC型肝炎感染者の方々に支給される給付金等の費用負担の方法及び割合に関する基準が告示され、同社は、かかる基準に従ってその費用を負担しております。