有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|15,660 文字
3【事業等のリスク】 当社グループでは、「経営戦略及び経営目標の達成に影響を与え得る当社グループを取り巻く事象がもたらす不確実性及び変化」をリスクと捉えております。中長期的かつ継続的な視点をもって、リスクによる「脅威」の最小化を図るとともに、「機会」を見逃すことなく最大限に活用することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。 当社グループのリスクマネジメントシステム(以下「本システム」といいます。)では、リスクを長期経営計画「VISION 2030」やマテリアリティに基づいて評価し、特に重要性が高いと判定されたリスクについては、優先的に管理すべきリスクとして全社横断的に対処します。 本システムにおけるリスク管理体制、プロセス及び本システムの運営により認識した当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうる主要なリスクは以下のとおりです。 なお、以下の内容は、いずれも当連結会計年度末日現在において当社グループが認識し、全社重点リスクと判断したものです。リスクは常に変化するものであることから、当社グループは、本システムの運用を今後も継続し、内外環境変化を捉えたPDCAを回していく中で適宜の見直し・更新を図ってまいります。 (1) リスク管理体制及びリスク管理プロセス 当社グループでは、本システムの適切な運営のため、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております。本委員会においては、各役付執行役員(※)が所掌する領域のリスクを俯瞰的・網羅的に把握し、優先順位付を行った上で、当社グループ全体に展開し、経営計画システムの中でPDCAサイクルを確実に実行する必要のある「全社重点リスク(案)」として選定します。 この際、各役付執行役員は、それぞれが所掌する領域に関するリスクマネジメントオーナーとなり、所掌領域に関するリスク管理の統括責任を負うとともにリスクマネジメント委員会の構成メンバーとして同委員会での活動を担います。 選定された「全社重点リスク(案)」は、経営会議の審議を経て取締役会の決議により正式に当社グループの「全社重点リスク」として設定されます。(※)リスクマネジメントの目的において役付執行役員と同等の役割・責任を有する役職者として社長が指名する者を含みます(以下、本項目において同じ)。 <リスクマネジメント委員会概要>位置付け社長及びCSO(Chief Strategy Officer)が全社リスクマネジメントに関する役割・責任を果たすための諮問機関役割①当社グループ全体のリスクマネジメントの基本方針案、戦略案、計画案、各種施策案及びその他重要事項(リスクマネジメントにかかるプロセスやツールの改善、従業員のリスクマネジメント意識やリテラシー向上の施策を含む)の審議②全社リスクレビューを通じた全社重点リスク(案)の審議③個別の重要リスクに関する討議(当該個別リスクが当社グループに及ぼす影響や対応方針にかかる討議を含む)④当社グループ全体のリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)の報告及び討議構成委員長 :社長副委員長 :CSO委員(※1) :役付執行役員事務局(※2):経営企画部(※1)常勤監査役も本委員会に出席の上、適宜意見を述べる。(※2)ESG推進室、総務・法務部、人事部、経理部、生産・技術企画部、RC・品質保証部及びCSOが指名する本社機能部門と本委員会の運営に関して協働する。取締役会・経営会議との関係①CSOは、本委員会の審議結果及び活動実績を経営会議に報告する。②本委員会で審議し、経営会議の承認を受けた事項のうち、全社重点リスク(案)は取締役会決議をもって全社重点リスクとして設定する。 当社グループでは、本システムの下、毎年次のプロセス(以下「全社リスクレビュー」といいます。)により全社重点リスクを当社グループの経営計画システムに反映し、PDCAを回していきます。①各リスクマネジメントオーナーは、それぞれが所掌する業務領域のリスクにつき、戦略ローリングを通じて抽出の上、俯瞰的・網羅的に把握し優先順位付けを行い、全社的に重要と判断するリスクをリスクマネジメント委員会に報告する。なお、リスクマネジメントオーナーは、重点リスクの選定と優先順位付けにあたり、自身が担当する委員会や会議体を適宜活用する。②リスクマネジメント委員会は、各リスクマネジメントオーナーから報告されたリスクについて、俯瞰的・網羅的観点から長期・中期・短期別の重要度評価を行い、全社重点リスク(案)を策定する。③全社重点リスク(案)は、経営会議審議を経て、取締役会決議をもって当社グループの全社重点リスクとして設定される。④設定された全社重点リスクは、戦略ローリング・年度予算・実行計画等当社グループの経営計画システムに展開し、各リスクマネジメントオーナーの責任の下、各部門が実務を実行する。⑤リスクマネジメント委員会は継続的に全社重点リスクのモニタリングを行い、環境変化によるリスクの変容等に適時対応する。また、リスクマネジメント全体の進捗や優先的に管理すべきリスクの個別の対応状況については、定期的に取締役会への報告を行う機会を設け、適切なモニタリングに努めます。 <本システム運用イメージ図> (2)全社重点リスク①前連結会計年度における最重要リスクの状況 前連結会計年度において設定した最重要リスク「事業継続(BCP)」については、全社の予算において各部門が具体的方策を策定し取り組み、全社横断的な目線での対応状況の検証、高度化を図ってまいりました。大規模な事故や自然災害等従来から認識しているBCPだけではなく、国際情勢における緊張の高まり、ESGに関する社会的要請、サイバーセキュリティ等、多岐にわたる事象を視野に入れ、グループ・グローバルでのレジリエンスの強化に努めました。 ■具体的な対応例・製品間でのグローバルな生産拠点の相互活用推進・国内外の物流会社・船会社との連携強化による物流ルートの複線化推進・DX技術を活用した輸送時のGHG排出・削減実績把握ツールの開発・国内外関係会社の情報システムセキュリティチェック結果に基づく脆弱性への対応強化・社内横断プロジェクトによる、内部からの情報持ち出しに対する強化策の導入 また、対応に遅れがある部門について、事業継続計画書の整備等具体的な改善に着手する等、グループ全体としてのマネジメントレベルの底上げに繋げることもできました。加えて、リスクが現実の危機として顕在化した際に迅速かつ適切に全社横断的な対応を講じダメージの抑制を図るべく、危機管理に関するルールのアップデートも実施しました。 ②当連結会計年度における全社重点リスク 当連結会計年度においては、上記①の最重要リスクへの対応状況も踏まえつつ、全社リスクレビューにより次のものを当社グループの全社重点リスクとして設定しております。 当社グループは、全社重点リスクについては、環境変化に柔軟に対処し、経営/戦略にタイムリーに反映させるべく、全社リスクレビューを定期的に実施し、影響度・発生確率も含め適宜更新してまいります。足下では、米国の通商政策の影響によるリスクも発生しておりますが、その影響に対しても全社視点での継続的なモニタリングを実施し、適宜必要な対応を取っています。 [全社重点リスク一覧]リスクカテゴリー想定される脅威・機会密接に関連するマテリアリティ1)事業継続に関するリスク事業継続(BCP)、サプライチェーンの分断、海外の有事、プラントトラブル安定生産、住みよいまち、食の安心、健康とくらし、デジタルトランスフォーメーション2)製造・品質に関するリスク安全・環境、品質マネジメント、化学品規制安全、安定生産、品質3)コンプライアンスに関するリスクコンプライアンス、法令・規制の強化・変更コンプライアンス4)技術革新に関するリスク新事業の創出、技術革新イノベーション、ライフサイクル全体を意識した製品設計5)気候変動に関するリスクカーボンニュートラル戦略の遂行(※)気候変動、サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計6)自然資本に関するリスクプラスチック問題、自然資本の保全サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計7)人権に関するリスク人権尊重人権尊重、パートナーシップ8)事業基盤に関するリスク人材マネジメント(※)、DE&I推進、ステークホルダーコミュニケーション企業文化、人的資本、パートナーシップ9)DXに関するリスクDX技術の活用、情報セキュリティ(※)、業務システムの更新デジタルトランスフォーメーション、安定生産、ライフサイクル全体を意識した製品設計10)経営管理・監督に関するリスク資本効率を意識した経営、経営資源配分、投資判断、M&A・事業譲渡-11)マクロ環境に関するリスク市場における競争の激化、戦略連携の強化(※)、市場ニーズの変化、製品コストの上昇、グローバル展開(※)-(※)当連結会計年度において認識した優先的に管理すべきリスク。詳細は、後述「③当連結会計年度に認識した優先的に管理すべきリスク」ご参照。 [全社重点リスク概要]1)事業継続に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、大規模な災害・事故、地政学リスクの顕在化、感染症の発生・拡大、サイバー攻撃等に起因して、生産・販売・研究開発の停止・制限、サプライチェーンの分断等、事業活動の継続に重大な影響が発生する可能性があります。大低~中[対応]・当該リスクは、前連結会計年度の最重要リスクとして、全社で横断的な目線でリスクへの対応状況の検証を行い、各部門における具体的な方策に落とし込むことができました。また当連結会計年度において、「事業継続(BCP)」の構成要素でもある「情報セキュリティ」「グローバル化」及び「カーボンニュートラル戦略の遂行」を含む5つのリスクが特に重要性が高いリスクとして選定されたこと等を踏まえ、最重要リスクへの指定を見直しました。当該リスクに対しては、引き続き、海外危機管理体制の構築、各製品のサプライチェーンの全体像の把握、原料調達等の代替策の確保、準備、市場構造の変化により生じる事業機会への検討等個別に努めることで対応を図ってまいります。 2)製造・品質に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループは、国内外の拠点(工場)にて化学製品の製造を行っておりますが、運転・設備・工事・保全作業に起因するトラブル(事故、危険物の漏洩等)が発生する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合は、労働災害のみならず、近隣地域に対しても被害を及ぼす恐れがあります。また、当社グループは、VISION 2030を推進する中で積極的にM&Aにも取り組みますが、安全管理レベルの異なる会社や事業が当社グループに新たに加わることに起因してトラブルが発生する可能性もあります。・製品の輸送・外部倉庫保管中の事故が発生する可能性もあります。特に危険性の高い製品に関する輸送中の事故は、近隣地域に与える被害も大きくなる恐れがあります。・化学品については、昨今、世界各国で用途制限物質の増加やそれに伴う代替品市場の拡大が進んでおりますが、当社製品に含まれる化学物質が規制対象となり、既存製品の生産・販売が不可能となることにより市場を喪失する、代替品の開発が遅れる、あるいは新材料調達等のためのコストが増大する等の可能性があります。・当社グループの製品の多くは最終消費財の原料として使用されておりますが、予期せぬ品質欠陥の発生や製造物責任訴訟の提起等の可能性があります。また、当社グループが、VISION 2030を推進しソリューション型ビジネスの拡大や新しい分野への参入を図る中で、品質保証に関する責任範囲の拡大も見込まれますが、その際に顧客製品の機能・性能に対する理解が不足し、顧客製品に不具合を発生させる可能性もあります。更には、M&Aにより当社グループに新たに加わった関係会社や事業における品質管理・保証体制の整備・運用状況に起因するトラブルが発生する可能性もあります。[機会]・一方で当該リスクについては、グループ・グローバルでの保安力の強化、設備・運転管理レベルの向上、トラブル撲滅による収益改善、代替物質開発による新製品の創出、適切な品質設計・品質保証による新製品の上市・シェア拡大への貢献等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒安全に関する社内啓蒙活動の徹底、高度なリスクアセスメント体制の構築・推進、関係会社への展開等によるグループ・グローバルでの保安力強化⇒安全監視/管理技術、設備診断技術、設備管理技術の高度化によるトラブル撲滅、機会ロス・固定費削減⇒規制される製品の特定/データ収集と社内共有の徹底、当社事業への影響評価/対応方針の策定・見直しの適切な実施、代替品の開発強化等による化学品規制への対応⇒新たな分野の品質ガイドラインの策定・運用、専門人材の確保・育成等による品質マネジメントの適切な運用 3)コンプライアンスに関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・重大なコンプライアンス違反が発生した際には刑事罰や損害の発生に加え、レピュテーション低下等の可能性があります。また、コンプライアンスについては、新規事業への参入に伴う新たな法規制への対応や法規制の継続的な強化への対応も必要となります。・昨今では、主要国における経済安全保障確保に向けた動き、働き方改革法案等各種制度の強化等、事業活動に影響を及ぼす法令・規制に変化の動きが見られますが、必要な法規制に適切に対応できず、各国当局からの訴追、取引機会喪失、社会実装遅延による負担増につながる可能性もあります。[機会]・一方で、当該リスクについては、規制変化への適切・迅速な対応による事業基盤の優位性向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒グループコンプライアンス施策の計画的推進、教育・啓蒙活動の強化、「三井化学グローバル・ポリシープラットフォーム(M-GRIP)」(※)を活用したグローバル・ポリシーの浸透等によるコンプライアンス意識の改善(※)グローバルに関係会社のガバナンスを強化し、ベストプラクティスを共有するためのプラットホーム。⇒官公庁、業界団体等からの情報収集と社内共有、新たな法令・規制への対応策の確実な実行等、規制変化への適切かつ迅速な対応等による事業基盤の優位性向上 4)技術革新に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・昨今では、市場の複雑化・多様化、事業領域の曖昧化が進み、当社グループの既存アセットだけでは対応できない潜在領域も拡大する等、当社が事業展開を行う各国/地域特有のニーズ・習慣・市場構造変化を踏まえた対応の重要性が高まっております。このような状況に適切に対応できず、継続的な新事業の創出が進まない場合、競争劣位に陥り、成長の機会を逸する可能性があります。・また、革新的な新技術が勃興し、市場環境に変化が起きた際に、当社グループの技術優位性が失われ、製品が陳腐化し競争力を失う可能性もあります。[機会]・一方で当該リスクについては、変化するニーズに対応した新製品開発による新たなビジネスチャンスの創出、グローバルなソリューション型ビジネスの進展、開発体制の適切な構築による新事業パイプラインの充実化・継続的な新事業の創出等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒社内外連携(他社、アカデミア、当社新事業開発センター等)の強化、領域をまたぐ事業開発体制の構築、コーポレート研究の事業化、目指す市場・地域での事業開発拠点整備、地域発のビジネスアイディアの発掘等によるグローバルでの新事業創出⇒中長期的な技術開発計画の策定・見直し、部門間連携プロジェクトを活用した開発体制の強化等による技術革新 5)気候変動に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・2015年のパリ協定の採択を契機として、脱炭素社会実現への取り組みが世界規模で活発化しており、世界各国におけるカーボンプライシング制度導入の進展、国内におけるGX(グリーントランスフォーメーション)政策の進展等、GHG排出量削減への社会的要請が高まっております。多くの化石燃料・エネルギーを使用しGHGを排出する当社グループにおいても、カーボンニュートラルに向けた施策を進めておりますが、GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーションの低下、カーボンプライシングや低炭素原燃料確保の困難化に伴うコストの増加、Blue Value®・Rose Value®製品の開発が遅れることによる製品付加価値の低下・販売の伸び悩み等の可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、社会の脱炭素化に貢献する新規事業創出による企業成長、GHG排出量削減による当社グループのカーボンコストの低減、低炭素・脱炭素の製品提供による顧客のカーボンコストの低減、適応製品の開発・提供を通じた新たな市場ニーズの獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。また、付加価値の高いBlue Value®・Rose Value®製品・サービスを拡大することで、環境・社会に貢献するとともに当社グループの収益性の向上につながる可能性もあります。大中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒低炭素原燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入等による省エネ、再生可能エネルギーの導入、CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入、バイオマス品・リサイクル品の開発、Blue Value®・Rose Value®製品・サービスの拡大、カーボンプライシングに伴うコストの低減等カーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進 6)自然資本に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・プラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上や社会課題の解決に貢献してきましたが、昨今では、資源の枯渇、海洋に流出したプラスチックごみによる環境汚染等の社会課題が深刻化しており、循環型社会への転換が求められております。化学製品の製造・販売を行う当社グループは、この問題に真摯に向き合い、資源の効率的な利用や再生可能資源の活用として、バイオマス原料への転換、バイオマス製品群の拡充やリサイクルの推進等の施策を進め、循環型社会への貢献を目指しておりますが、プラスチックバッシングの増大や各施策の対応が遅れることによるレピュテーションの低下、バイオマス原料・廃プラスチック等の原料調達困難化によるコスト増加等の可能性があります。・昨今では、自然資本の保全・回復に対する社会的要請も高まっております。当社グループにおいても水資源及び生物多様性の保全に関する基本的な考え方を制定し、製造プロセスにおける効率的な水資源の利用や水環境の保全・適正管理、化学製品のライフサイクル全体における生物多様性への悪影響の最小化に努めておりますが、これらの対応が遅れることによるレピュテーションの低下や、水資源価格の高騰によるコスト増加等の可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、リサイクル技術の向上、製品の高付加価値化、原料・製品の調達・供給のサークル構築等資源循環に関する業界リーダーポジションの確保、水問題に資するビジネスの開発・構築等、当社グループの成長につながる可能性もあります。中~大低[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒AEPW(Alliance To End Plastic Waste)やCLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)等業界を超えた連携への参加によるグローバルでの課題の最新動向の把握、リサイクル量/比率の定義・目標設定、リサイクル技術の向上やリサイクル価値を訴求する製品戦略等によるプラスチック問題に関する業界リーダーポジションの確保⇒水セキュリティに対する取り組みの深化、水問題や生物多様性の保全に資するビジネスの開発・構築、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)、CDP(Carbon Disclosure Project)他への開示対応等を通じた、グループ全体での自然資本の保全・回復に対する意識の向上 7)人権に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・昨今では、企業活動における人権尊重に対する社会的要請が高まっており、バリューチェーンを巡って生じ得る様々な人権リスクに適切に対処することが企業に求められております。当社グループも、企業活動における人権の尊重は、事業展開を行っていく上で基本となる事項と認識し、「すべての人を大切にする」という視点を持ちバリューチェーン全体を通じて正しいビジネスを追求しております。しかしながら、人権リスク管理体制の構築・運用が不十分であり、人権上問題のある調達・購買、不適切な労働環境等がバリューチェーン上に存在することが発覚した場合、レピュテーションの低下ひいては企業価値を毀損する可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、人権尊重の取り組み推進によるステークホルダーからの信頼獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒人権デュー・ディリジェンスの実施、苦情処理メカニズムの構築等、バリューチェーン全体を通じた人権リスクへの対応体制整備による人権リスクの低減 8)事業基盤に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループが今後も事業を継続し成長して行くためには、適切な人材の確保は不可欠です。当社グループでは、必要な人材を確保の上、会社・従業員ともに成長できるよう経営戦略に連動した人材戦略を推進しておりますが、生産労働人口の減少、人材流動化に加え、特定領域における人材ニーズの高まり等により、必要な人材を採用・確保できず、成長戦略が実行できない可能性があります。・また、昨今では、多様な人材が互いに尊重し合い力を発揮できる、多様性が包摂された組織に対する社会的要請が高まっております。当社グループでは、社会的責任を果たすためだけではなく、当社グループの持続可能な成長のためにもダイバーシティを推進しておりますが、目標未達成によるレピュテーションの低下、採用競争力の低下やエンゲージメントの低下等の可能性があります。・企業活動は、様々なステークホルダーからの理解の下成り立っておりますが、昨今は、ステークホルダーからの評価基準も多様化しており、情報開示が不十分である、あるいは、当社への認知・共感が進まないことによる当社への評価の低減ひいては企業価値の毀損の可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、人材獲得による企業文化の変革、組織の活性化、ステークホルダーの意見も踏まえた経営の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒グループ人材の活用促進、リスキル、イノベーター人材・特定の分野の人材が活躍できる社内制度の構築等による新たな人材の獲得・企業文化の変革⇒女性活躍推進のための方策のブラッシュアップ、グループ全体での障害者雇用の促進、性的マイノリティ社員に対する制度の適用拡大・必要な環境整備等による組織の活性化⇒情報開示、主要機関投資家との対話活動の充実等による株主意見の経営への適切な反映、ステークホルダーに対する持続的成長・企業価値創造ストーリーの訴求、財務と非財務を統合した経営の推進等による企業価値の向上 9)DXに関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・昨今では、デジタル技術の進化により、ビジネスにおける様々な側面で変化のスピードが高まっております。他業界での新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例が発生する等、デジタル技術の導入・活用は事業の継続・成長に不可欠な要素となっておりますが、対応が遅れ、業務変革や開発力の強化が進まない可能性があります。・また、アプリケーションの高度化・専門化によるシステムトラブルの増大に加え、サイバー攻撃も激化しておりますが、情報システムセキュリティの構築が不十分な場合、情報システムが機能不全に陥る、あるいは社内からの情報漏洩が発生する等業績や信用にダメージを与える可能性があります。・当社グループは、VISION 2030の基本戦略として「DXを通じた企業変革」を掲げており、それを支えるIT・データ基盤の整備・強化が急務となっております。企業に対する要請が多様化する中、現行の業務システムの使用を継続する場合、新たに対応すべき業務に関する工数の増加やヒューマンエラーの発生等により効率化が実現しない可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、最適なデジタル技術の活用による開発力強化、生産性向上、生成AI等の新規技術の積極的活用による業務効率化・生産性向上の実現、業務システム更新による経営効率の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。中~大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒当社グループのDXロードマップ維持・更新、グループ内DX技術交流の実施による各分野の最新動向・実践状況の共有、GPT等重要技術活用に関する全社ガイドラインの制定・遵守等によるDXへの組織適応力向上、競争優位の実現⇒デジタル技術の活用による業務の見直し、効率化、生産・技術力の向上⇒サイバー攻撃に対する防御体制の構築、インターネットトレーサビリティの向上、AIに関する内容を含む、DX教育による従業員の意識の向上と学習機会の設置・社則の周知徹底等による情報システムセキュリティの強化⇒新たな業務システム導入の推進による経営効率の向上 10)経営管理・監督に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループは、VISION 2030 において、当社グループが目指す未来社会である「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、従来の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な経営基盤・事業基盤を構築し、企業変革の加速に努めておりますが、必要な経営資源の確保、配分及び成長に向けた投資を適切に実行できず、事業の育成・拡大が遅延し、経営目標が未達となる可能性があります。また、タイムリーな投資の意思決定ができず成長の機会を逸する可能性もあります。・近年は、資本コストを意識した経営が強く求められており、当社グループにおいてもROIC経営を浸透させるべく、社員一人一人の投下資本の回収に対する意識を強め、資本収益性の向上を図っておりますが、単なるKPI管理に終始する等施策の徹底が不十分となり、意図した結果が得られない可能性があります。・当社グループの各事業領域においては、M&Aや事業再編の動きが活発化してきており、案件の増加、規模の拡大及びデュー・ディリジェンスの対応範囲の拡大が見込まれますが、適切な人材を十分に育成・確保できず、成長機会を逸するあるいは、M&Aで取得した会社や事業の瑕疵、PMIの不調等により業績への悪影響が発生する可能性もあります。[機会]・一方で当該リスクについては、適切な経営資源の確保・配分による経営目標の実現、タイムリーな投資の実行による競争優位の実現、社員一人一人の意識変革による資本収益性の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒成長率、資本効率性に基づく事業分類によるポートフォリオ変革の加速⇒重点事業分野への集中的な資源投下、重点課題明確化による経営効率の向上、資本効率の低い事業/関係会社の早急な再構築推進⇒ROIC経営浸透に向けた教育の充実、投下資本削減によるROICの向上⇒M&Aに関する知見・情報の全社的な共有・展開、関連人材の育成・獲得、PMI実施・サポート体制の充実化等によるM&Aシナジーの最大化 11)マクロ環境に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループの事業は、顧客、市場、提携先や業界全体の動向、競合他社の事業展開等外部環境の影響を受ける恐れがあり、これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定どおり進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされる可能性があります。・製品については、価値観やライフスタイルの変化、技術革新等による顧客ニーズや市場構造の変化、競合他社の能力拡大や品質・性能向上による価格競争の激化、原材料や物流等のコスト増加、金利・為替相場の変動による収益の悪化等の可能性があります。・また、当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、各国/地域毎にニーズやペインの多様化が進んでおり、グローバルな市場環境に合わせた対応ができず、海外で競争劣位となり、成長機会を失う可能性もあります。・昨今では、国内競合を中心とした業界の再編機運も高まりを見せておりますが、対応が後手に回る場合、当社のプレゼンス低下や競争劣位に陥る可能性があります。[機会]・一方で、当該リスクについては、地域・他社との連携拡大を通じた資本効率の高い事業への転換、新たな市場に対応する素材や機能・サービスの提供による事業の優位性の強化、各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒差別化製品・高機能/環境型製品の市場投入、新規市場の開拓、知的財産への取り組み強化等による市場競争力の維持・向上⇒当社製品の付加価値向上・価格転嫁、原材料の安価調達、最適な稼働調整による原料・製品在庫管理の徹底、設備投資額の精査・最小化等による製品競争力の強化⇒環境変化を捉えた、他社連携も含む当社の取り得るオプションの検討等による資本効率の改善⇒グランドデザインに基づく具体的な地域戦略の策定、ローカル人材の育成、国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化等による各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現 ③当連結会計年度に認識した優先的に管理すべきリスク 当連結会計年度においては、全社リスクレビューにより、上述②のとおり設定した全社重点リスクを更に財務・非財務、リスク管理の時間軸の観点から整理・分類し、次の5つを当社グループが優先的に管理すべきリスクとして選定しました。また、各リスクにリスクオーナーを選定し、それぞれが担当するリスクにつき、全社俯瞰的なリスク管理状況の可視化を図り、必要に応じて関係領域への助言を行うとともに、リスクマネジメント委員会への報告を行う運用とします。リスクオーナーがそれぞれの担当するリスクに関して、各リスクマネジメントオーナーのリスク管理方針を束ね、会社としての均一性や統一性を持たせることで管理の効率化とより高い成果の実現を目指します。 全社重点リスクカテゴリーリスク及び想定される事象リスクオーナー(サブオーナー)5)気候変動に関するリスク・リスク:カーボンニュートラル戦略の遂行・想定される事象[脅威]GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーション低下、カーボンプライシングに伴うコスト増、Blue Value®、Rose Value®製品・サービスの開発・販売の伸び悩みで価値訴求未達[機会]低GHGの新規事業創出による企業成長とカーボンニュートラルの両立、GHG排出量削減によるカーボンコスト増加影響の抑制生産・技術本部及びグリーンケミカル事業推進室管掌社長特別補佐(生産・技術本部担当役付執行役員/研究開発本部担当役付執行役員)[対応]次のカーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進・低炭素原燃料への転換・高エネルギー効率機器の導入等による省エネ・再生可能エネルギーの導入・CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入・バイオマス品、リサイクル品の開発・Blue Value®・Rose Value®製品・サービスの拡大・カーボンプライシングに伴うコストの低減 等 全社重点リスクカテゴリーリスク及び想定される事象リスクオーナー(サブオーナー)8)事業基盤に関するリスク・リスク:人材マネジメント・想定される事象[脅威]必要な人材を採用・確保できず成長戦略が実行できない[機会]新たな人材の獲得と活用による、企業文化の変革の実現人事部・グローバル人材部担当役付執行役員(CTO(※)/生産・技術本部及びグリーンケミカル事業推進室管掌社長特別補佐)[対応]・計画的な定期・キャリア採用の継続・グループ人材の活用促進(女性、シニア、国内外直採)、リスキル・定年後再雇用制度の見直し・イノベーター人材・特定分野の人材が活躍できる社内制度の構築・業務効率化、改善(※)Chief Technology Officer 全社重点リスクカテゴリーリスク及び想定される事象リスクオーナー(サブオーナー)9)DXに関するリスク・リスク:情報セキュリティ・想定される事象[脅威]サイバー攻撃や社内のアクセス管理不備等に起因する情報漏洩により、業績や信用に大きなダメージ発生総務・法務部担当役付執行役員(情報システム統括部担当役付執行役員)[対応]・内外環境変化に対応した会社情報管理体制の強化・社則整備・牽制含む予防体制の構築、発生時の迅速な原因究明と対抗策の策定・情報保管と持ち出し手段の適切な管理・セキュリティ意識の向上と学習機会の設置、社則内容の周知徹底 全社重点リスクカテゴリーリスク及び想定される事象リスクオーナー(サブオーナー)11)マクロ環境に関するリスク・リスク:戦略連携の強化・想定される事象[脅威]国内競合を中心に機運の高まりを見せる業界再編への対応の重要性が高まる[機会]地域・他社との連携拡大を含む業界再編の動きへの的確な対応を通じた資本効率の高い事業への転換経営企画部担当役付執行役員(ベーシック&グリーンマテリアルズ事業本部担当役付執行役員)[対応]環境変化を捉えた、他社連携も含む当社の取り得るオプションの検討等による資本効率の改善 全社重点リスクカテゴリーリスク及び想定される事象リスクオーナー(サブオーナー)11)マクロ環境に関するリスク・リスク:グローバル展開・想定される事象[脅威]各国/地域毎のニーズ/ペインの多様化に合わせた対応を取れないことによる、海外での競争劣位、成長機会の喪失[機会]各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現地域戦略推進部担当役付執行役員(経営企画部担当役付執行役員)[対応]次の取り組み等による、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化及び各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現・地域戦略グランドデザインの策定・グローバルコミュニケーション体制の構築・ローカル人材の育成・国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化 財務●資本効率を意識した経営●サプライチェーンの分断●製品コストの上昇●市場における競争の激化●事業継続(BCP)●M&A、事業譲渡●経営資源配分●戦略連携の強化(※)●市場ニーズの変化●新事業の創出●投資判断非財務●海外の有事●プラントトラブル●品質マネジメント●情報セキュリティ(※)●法令・規制の強化、変更●化学品規制●安全・環境●コンプライアンス●DX技術の活用●技術革新●業務システムの更新●ステークホルダーコミュニケーション●グローバル展開(※)●人材マネジメント(※)●カーボンニュートラル戦略の遂行(※)●プラスチック問題●DE&I推進●人権尊重●自然資本の保全 ← 短期的リスク →← 中長期的リスク →(※)優先的に管理すべきリスク 上記5つの優先的に管理すべきリスクは、対応の緊急性が高いものだけではなく、当社グループ理念あるいは長期経営計画「VISION 2030」達成のため、長期的な視点で今の時点から重点的な対応が必要と判断したリスクも含みます。例えば「情報セキュリティ」リスクは、緊急性が高く当社グループの存続を脅かすリスクと認識している一方で、「カーボンニュートラル戦略の遂行」リスクは企業グループ理念にも直結するマテリアリティとして、VISION 2030の実現に不可欠な「機会」を的確にとらえるため、今の時点から注力していく必要があると考え取り上げました。いずれのリスクも当社の単独部門のみで対処せず複数部門が関わりグループ一丸となって管理すべきリスクと考えています。 リスクマネジメント委員会において5つのリスク特性をとらえた管理手法を議論した結果、特に「情報セキュリティ」リスクは、緊急性が高く全社横断的な取組みの効率的な可視化が必要であるため、2025年度の全社各部の予算書においてその具体的方策を策定の上、達成状況をリスクマネジメント委員会が確認することとしています。その他の4つのリスクについても、個別事業戦略ないし機能戦略の責任者である役付執行役員をリスクオーナーにも指名することで、戦略と一体となったリスク管理に取り組んでまいります。
FY2024|12,029 文字
3【事業等のリスク】 当社グループでは、「経営戦略及び経営目標の達成に影響を与え得る当社グループを取り巻く事象がもたらす不確実性及び変化」をリスクと捉え、中長期的かつ継続的な視点に立ち、リスクによる「脅威」の最小化を図るとともに、「機会」を見逃すことなく最大限に活用することにより、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。 当連結会計年度においては、2023年3月31日開催の取締役会決議を経て構築した、全社視点でのリスクマネジメントシステム(以下「本システム」といいます。)の運営を開始しました。当社グループは、本システムが当社グループのマテリアリティへの取り組みと密接に関連するものとの認識の下、両者を連動させてまいります。 本システムにおけるリスク管理体制、プロセス及び本システムの運営により認識した当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうる主要なリスクは以下のとおりです。 なお、以下の内容は、いずれも当連結会計年度末日現在において当社グループが認識し、全社重点リスクと判断したものです。リスクは常に変化するものであることから、当社グループは、本システムの運用を今後も継続し、内外環境変化を捉えたPDCAを回していく中で適宜の見直し・更新を図ってまいります。 (1) リスク管理体制及びリスク管理プロセス 当社グループでは、本システムの構築に伴い、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置しております。本委員会においては、各役付執行役員が所掌する領域のリスクを俯瞰的・網羅的に把握し、優先順位付を行った上で、当社グループ全体に展開し、経営計画システムの中でPDCAサイクルを確実に実行する必要のある「全社重点リスク(案)」として選定します。 この際、各役付執行役員は、それぞれが所掌する領域に関するリスクマネジメントオーナーとなり、所掌領域に関するリスク管理の統括責任を負うとともにリスクマネジメント委員会の構成メンバーとして同委員会での活動を担います。 選定された「全社重点リスク(案)」は、経営会議の審議を経て取締役会の決議により正式に当社グループの「全社重点リスク」として設定されます。 <リスクマネジメント委員会概要>位置付け社長及びCSO(Chief Strategy Officer)が全社リスクマネジメントに関する役割・責任を果たすための諮問機関役割①当社グループ全体のリスクマネジメントの基本方針案、戦略案、計画案、各種施策案及びその他重要事項(リスクマネジメントにかかるプロセスやツールの改善、従業員のリスクマネジメント意識やリテラシー向上の施策を含む)の審議②全社リスクレビューを通じた全社重点リスク(案)の審議③個別の重要リスクに関する討議(当該個別リスクが当社グループに及ぼす影響や対応方針にかかる討議を含む)④当社グループ全体のリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)の報告及び討議構成委員長 :社長副委員長 :CSO委員(※1) :役付執行役員事務局(※2):経営企画部(※1)常勤監査役も本委員会に出席の上、適宜意見を述べる。(※2)ESG推進室、総務・法務部、人事部、経理部、生産・技技術企画部、RC・品質保証部及びCSOが指名する本社機能部門と本委員会の運営に関して協働する。取締役会・経営会議との関係①CSOは、本委員会の審議結果及び活動実績を経営会議に報告する。②本委員会で審議し、経営会議の承認を受けた事項のうち、全社重点リスク(案)は取締役会決議をもって全社重点リスクとして設定する。 当社グループでは、本システムの下、毎年次のプロセス(以下「全社リスクレビュー」といいます。)により全社重点リスクを当社グループの経営計画システムに反映し、PDCAを回していきます。① 各リスクマネジメントオーナーは、それぞれが所掌する業務領域のリスクにつき、戦略ローリングを通じて抽出の上、俯瞰的・網羅的に把握し優先順位付けを行い、全社的に重要と判断するリスクをリスクマネジメント委員会に報告する。なお、リスクマネジメントオーナーは、重点リスクの選定と優先順位付けにあたり、自身が担当する委員会や会議体を適宜活用する。② リスクマネジメント委員会は、各リスクマネジメントオーナーから報告されたリスクについて、俯瞰的・網羅的観点から長期・中期・短期別の重要度評価を行い、全社重点リスク(案)を策定する。③ 全社重点リスク(案)は、経営会議審議を経て、取締役会決議をもって当社グループの全社重点リスクとして設定される。④ 設定された全社重点リスクは、戦略ローリング・年度予算・実行計画等当社グループの経営計画システムに展開し、各リスクマネジメントオーナーの責任の下、各部門が実務を実行する。⑤ リスクマネジメント委員会は継続的に全社重点リスクのモニタリングを行い、環境変化によるリスクの変容等に適時対応する。 <本システム運用イメージ図> <全社重点リスク(案)選定プロセスイメージ> 各リスクマネジメントオーナーが所掌する業務領域のリスクを抽出の上、影響度、発生確率等を考慮し、優先順位付けを行います。 (2) 全社重点リスク 当連結会計年度においては、全社リスクレビューにより次のものを当社グループの全社重点リスクとして設定しております。 また、当社グループは、全社重点リスクについては、環境変化に柔軟に対処し、経営/戦略にタイムリーに反映させるべく、全社リスクレビューを定期的に実施し、影響度・発生確率も含め適宜更新してまいります。 ①事業継続に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、大規模な災害・事故、地政学リスクの顕在化、感染症の発生・拡大、サイバー攻撃等に起因して、生産・販売・研究開発の停止・制限、サプライチェーンの分断等、事業活動の継続に重大な影響が発生する可能性があります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、後述(3)のとおり、2024年度における最重要リスクとして対応を図ってまいります。※ 密接に関連するマテリアリティ:安定生産、住みよいまち、食の安心、健康とくらし、デジタルトランスフォーメーション ②製造・品質に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループは、国内外の拠点(工場)にて化学製品の製造を行っておりますが、運転・設備・工事・保全作業に起因するトラブル(事故、危険物の漏洩等)が発生する可能性があります。このようなトラブルが発生した場合は、労働災害のみならず、近隣地域に対しても被害を及ぼす恐れがあります。また、当社グループは、VISION 2030を推進する中で積極的にM&Aにも取り組みますが、安全管理レベルの異なる会社や事業が当社グループに新たに加わることに起因してトラブルが発生する可能性もあります。・製品の輸送・外部倉庫保管中の事故が発生する可能性もあります。特に危険性の高い製品に関する輸送中の事故は、近隣地域に与える被害も大きくなる恐れがあります。・化学品については、昨今、世界各国で用途制限物質の増加やそれに伴う代替品市場の拡大が進んでおりますが、当社製品に含まれる化学物質が規制対象となり、既存製品の生産・販売が不可能となることにより市場を喪失する、代替品の開発が遅れる、あるいは新材料調達等のためのコストが増大する等の可能性があります。・当社グループの製品の多くは最終消費財の原料として使用されておりますが、予期せぬ品質欠陥の発生や製造物責任訴訟の提起等の可能性があります。また、当社グループが、VISION 2030を推進しソリューション型ビジネスの拡大や新しい分野への参入を図る中で、品質保証に関する責任範囲の拡大も見込まれますが、その際に顧客製品の機能・性能に対する理解が不足し、顧客製品に不具合を発生させる可能性もあります。更には、M&Aにより当社グループに新たに加わった関係会社や事業における品質管理・保証体制の整備・運用状況に起因するトラブルが発生する可能性もあります。[機会]・一方で当該リスクについては、グループ・グローバルでの保安力の強化、設備・運転管理レベルの向上、トラブル撲滅による収益改善、代替物質開発による新製品の創出、適切な品質設計・品質保証による新製品の上市・シェア拡大への貢献等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒安全に関する社内啓蒙活動の徹底、高度なリスクアセスメント体制の構築・推進、関係会社への展開等によるグループ・グローバルでの保安力強化⇒安全監視/管理技術、設備診断技術、設備管理技術の高度化によるトラブル撲滅、機会ロス・固定費削減⇒規制される製品の特定/データ収集と社内共有の徹底、当社事業への影響評価/対応方針の策定・見直しの適切な実施、代替品の開発強化等による化学品規制への対応⇒新たな分野の品質ガイドラインの策定・運用、専門人材の確保・育成等による品質マネジメントの適切な運用※ 密接に関連するマテリアリティ:安全、安定生産、品質 ③コンプライアンスに関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・重大なコンプライアンス違反が発生した際には刑事罰や損害の発生に加え、レピュテーション低下等の可能性があります。また、コンプライアンスについては、新規事業への参入に伴う新たな法規制への対応や法規制の継続的な強化への対応も必要となります。・また、昨今では、主要国における経済安全保障確保に向けた動き、働き方改革法案等各種制度の強化等、事業活動に影響を及ぼす法令・規制に変化の動きが見られますが、必要な法規制に適切に対応できず、各国当局からの訴追、取引機会喪失、社会実装遅延による負担増につながる可能性もあります。[機会]・一方で、当該リスクについては、規制変化への適切・迅速な対応による事業基盤の優位性向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒グループコンプライアンス施策の計画的推進、教育・啓蒙活動の強化、「三井化学グローバル・ポリシープラットフォーム(M-GRIP)」(※)を活用したグローバル・ポリシーの浸透等によるコンプライアンス意識の改善(※)グローバルに関係会社のガバナンスを強化し、ベストプラクティスを共有するためのプラットホーム。⇒官公庁、業界団体等からの情報収集と社内共有、新たな法令・規制への対応策の確実な実行等、規制変化への適切かつ迅速な対応等による事業基盤の優位性向上※ 密接に関連するマテリアリティ:コンプライアンス ④技術革新に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・昨今では、市場の複雑化・多様化、事業領域の曖昧化が進み、当社グループの既存アセットだけでは対応できない潜在領域も拡大する等、当社が事業展開を行う各国/地域特有のニーズ・習慣・市場構造変化を踏まえた対応の重要性が高まっております。このような状況に適切に対応できず、継続的な新事業の創出が進まない場合、競争劣位に陥り、成長の機会を逸する可能性があります。・また、革新的な新技術が勃興し、市場環境に変化が起きた際に、当社グループの技術優位性が失われ、製品が陳腐化し競争力を失う可能性もあります。[機会]・一方で当該リスクについては、変化するニーズに対応した新製品開発による新たなビジネスチャンスの創出、グローバルなソリューション型ビジネスの進展、開発体制の適切な構築による新事業パイプラインの充実化・継続的な新事業の創出等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒社内外連携(他社、アカデミア、当社新事業開発センター等)の強化、領域をまたぐ事業開発体制の構築、コーポレート研究の事業化、目指す市場・地域での事業開発拠点整備、地域発のビジネスアイディアの発掘等によるグローバルでの新事業創出⇒中長期的な技術開発計画の策定・見直し、部門間連携プロジェクトを活用した開発体制の強化等による技術革新※ 密接に関連するマテリアリティ:イノベーション、ライフサイクル全体を意識した製品設計 ⑤気候変動に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・2015年のパリ協定の採択を契機として、脱炭素社会実現への取り組みが世界規模で活発しており、世界各国におけるカーボンプライシング制度導入の進展、国内におけるGX(グリーントランスフォーメーション)政策の進展等、GHG排出量削減への社会的要請が高まっております。多くの化石燃料・エネルギーを使用しGHGを排出する当社グループにおいても、カーボンニュートラルに向けた施策を進めておりますが、GHG排出削減計画の遅延によるレピュテーションの低下、カーボンプライシングや低炭素原燃料確保の困難化に伴うコストの増加、Blue Value®/Rose Value®製品の開発が遅れることによる製品付加価値の低下・販売の伸び悩み等の可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、社会の脱炭素化に貢献する新規事業創出による企業成長、GHG削減による当社グループのカーボンコストの低減、低炭素・脱炭素の製品提供による顧客のカーボンコストの低減等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒低炭素原燃料への転換、高エネルギー効率機器の導入等による省エネ、再生可能エネルギーの導入、CCUS等カーボンネガティブ技術の開発・導入、バイオマス品、リサイクル品の開発、Blue Value®/Rose Value®製品・サービスの拡大、カーボンプライシングに伴うコストの低減等カーボンニュートラル戦略に関する各施策の適切な推進※ 密接に関連するマテリアリティ:気候変動、サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計 ⑥自然資本に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・プラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上や社会課題の解決に貢献してきましたが、昨今では、資源の枯渇、海洋に流出したプラスチックごみによる環境汚染等の社会課題が深刻化しており、循環型社会への転換が求められております。化学製品の製造・販売を行う当社グループは、この問題に真摯に向き合い、資源の効率的な利用や再生可能資源の活用として、バイオマス原料への転換、バイオマス製品群の拡充やリサイクルの推進等の施策を進め、循環型社会への貢献を目指しておりますが、プラスチックバッシングの増大や各施策の対応が遅れることによるレピュテーションの低下、廃プラスチック等の原料調達困難化によるコスト増加等の可能性があります。・昨今では、自然資本の保全・回復に対する社会的要請も高まっております。当社グループにおいても水資源及び生物多様性の保全に関する基本的な考え方を制定し、製造プロセスにおける効率的な水資源の利用や水環境の保全・適正管理、化学製品のライフサイクル全体における生物多様性への悪影響の最小化に努めておりますが、これらの対応が遅れることによるレピュテーションの低下や、水資源価格の高騰によるコスト増加等の可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、リサイクル技術の向上、製品の高付加価値化、原料・製品の調達・供給のサークル構築等資源循環に関する業界リーダーポジションの確保、水問題に資するビジネスの開発・構築等、当社グループの成長につながる可能性もあります。中~大低[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒AEPWやCLOMA等業界を超えた連携への参加によるグローバルでの課題の最新動向の把握、リサイクル量/比率の定義・目標設定、リサイクル技術の向上やリサイクル価値を訴求する製品戦略等によるプラスチック問題に関する業界リーダーポジションの確保⇒水セキュリティに対する取り組みの深化、水問題や生物多様性の保全に資するビジネスの開発・構築、TNFD、CDP他への開示対応等を通じた、グループ全体での自然資本の保全・回復に対する意識の向上※ 密接に関連するマテリアリティ:サーキュラーエコノミー、ライフサイクル全体を意識した製品設計 ⑦人権に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・昨今では、企業活動における人権尊重に対する社会的要請が高まっており、バリューチェーンを巡って生じ得る様々な人権リスクに適切に対処することが企業に求められております。当社グループも、企業活動における人権の尊重は、事業展開を行っていく上で基本となる事項と認識し、「すべての人を大切にする」という視点を持ちバリューチェーン全体を通じて正しいビジネスを追求しております。しかしながら、人権リスク管理体制の構築・運用が不十分であり、人権上問題のある調達・購買、不適切な労働環境等がバリューチェーン上に存在することが発覚した場合、レピュテーションの低下ひいては企業価値を毀損する可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、人権尊重の取り組み推進によるステークホルダーからの信頼獲得等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒人権デュー・ディリジェンスの実施、苦情処理メカニズムの構築等、バリューチェーン全体を通じた人権リスクへの対応体制整備による人権リスクの低減※ 密接に関連するマテリアリティ:人権尊重、パートナーシップ ⑧事業基盤に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループが今後も事業を継続し成長して行くためには、適切な人材の確保は不可欠です。当社グループでは、必要な人材を確保の上、会社・従業員ともに成長できるよう経営戦略に連動した人材戦略を推進しておりますが、生産労働人口の減少、人材流動化に加え、特定領域における人材ニーズの高まり等により、必要な人材を採用・確保できず、成長戦略が実行できない可能性があります。・また、昨今では、多様な人材が互いに尊重し合い力を発揮できる、多様性が包摂された組織に対する社会的要請が高まっております。当社グループでは、社会的責任を果たすためだけではなく、当社グループの持続可能な成長のためにもダイバーシティを推進しておりますが、目標未達成によるレピュテーションの低下、採用競争力の低下やエンゲージメントの低下等の可能性があります。・企業活動は、様々なステークホルダーからの理解の下成り立っておりますが、昨今は、ステークホルダーからの評価基準も多様化しており、情報開示が不十分である、あるいは、当社への認知・共感が進まないことによる当社への評価の低減ひいては企業価値の毀損の可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、人材獲得による企業文化の変革、組織の活性化、ステークホルダーの意見も踏まえた経営の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒グループ人材の活用促進、リスキル、イノベーター人材・特定の分野の人材が活躍できる社内制度の構築等による新たな人材の獲得・企業文化の変革⇒女性活躍推進のための方策のブラッシュアップ、グループ全体での障害者雇用の促進、性的マイノリティ社員に対する制度の適用拡大・必要な環境整備等による組織の活性化⇒情報開示、主要機関投資家との対話活動の充実等による株主意見の経営への適切な反映、ステークホルダーに対する持続的成長・企業価値創造ストーリーの訴求、財務と非財務を統合した経営の推進等による企業価値の向上※ 密接に関連するマテリアリティ:企業文化、人的資本、パートナーシップ ⑨DX(デジタルトランスフォーメーション)に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・昨今では、デジタル技術の進化により、ビジネスにおける様々な側面で変化のスピードが高まっております。他業界での新たなビジネスモデルにより既存ビジネスが破壊される事例が発生する等、デジタル技術の導入・活用は事業の継続・成長に不可欠な要素となっておりますが、対応が遅れ、業務変革や開発力の強化が進まない可能性があります。・また、アプリケーションの高度化・専門化によるシステムトラブルの増大に加え、サイバー攻撃も激化しておりますが、情報システムセキュリティの構築が不十分な場合、情報システムが機能不全に陥る、あるいは社内からの情報漏洩が発生する等業績や信用にダメージを与える可能性があります。・当社グループは、VISION 2030の基本戦略として「DXを通じた企業変革」を掲げており、それを支えるIT・データ基盤の整備・強化が急務となっております。企業に対する要請が多様化する中、現行の業務システムの使用を継続する場合、新たに対応すべき業務に関する工数の増加やヒューマンエラーの発生等により効率化が実現しない可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、最適なデジタル技術の活用による開発力強化、生産性向上、生成AI等の新規技術の積極的活用による業務効率化・生産性向上の実現、業務システム更新による経営効率の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。中~大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒当社グループのDXロードマップ維持・更新、グループ内DX技術交流の実施による各分野の最新動向・実践状況の共有、GPT等重要技術活用に関する全社ガイドラインの制定・遵守等によるDXへの組織適応力向上、競争優位の実現⇒デジタル技術の活用による業務の見直し、効率化、生産・技術力の向上⇒サイバー攻撃に対する防御体制の構築、インターネットトレーサビリティの向上、従業員の意識向上と学習機会の設置・社則の周知徹底等による情報システムセキュリティの強化⇒新たな業務システム導入の推進による経営効率の向上※ 密接に関連するマテリアリティ:デジタルトランスフォーメーション、安定生産、ライフサイクル全体を意識した 製品設計 ⑩経営管理・監督に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループは、VISION 2030 において、当社グループが目指す未来社会である「環境と調和した循環型社会」、「健康・安心にくらせる快適社会」、「多様な価値を生み出す包摂社会」の実現に向けて、従来の素材提供型ビジネスからの転換を図るとともに、強靭な経営基盤・事業基盤を構築し、企業変革の加速に努めておりますが、必要な経営資源の確保、配分及び成長に向けた投資を適切に実行できず、事業の育成・拡大が遅延し、経営目標が未達となる可能性があります。また、タイムリーな投資の意思決定ができず成長の機会を逸する可能性もあります。・当社グループの各事業領域においては、M&Aや事業再編の動きが活発化してきており、案件の増加、規模の拡大及びデュー・ディリジェンスの対応範囲の拡大が見込まれますが、適切な人材を十分に育成・確保できず、成長機会を逸するあるいは、M&Aで取得した会社や事業の瑕疵、PMIの不調等により業績への悪影響が発生する可能性もあります。・近年は、資本コストを意識した経営が強く求められており、当社グループにおいてもROIC経営を浸透させるべく、社員一人一人の投下資本の回収に対する意識を強め、資本収益性の向上を図っておりますが、単なるKPI管理に終始する等施策の徹底が不十分となり、意図した結果が得られない可能性があります。[機会]・一方で当該リスクについては、適切な経営資源の確保・配分による経営目標の実現、タイムリーな投資の実行による競争優位の実現、社員一人一人の意識変革による資本収益性の向上等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒重点事業分野への集中的な資源投下、重点課題明確化による経営効率の向上、必要な投資を実施するための必要十分な経営資源の確保・配分⇒ROIC経営浸透に向けた教育の充実、投下資本削減によるROICの向上⇒M&Aに関する知見・情報の全社的な共有・展開、関連人材の育成・獲得、PMI実施・サポート体制の充実化等によるM&Aシナジーの最大化 ⑪マクロ環境に関するリスクリスク概要と対応影響度発生確率[脅威]・当社グループの事業は、顧客、市場、提携先や業界全体の動向、競合他社の事業展開等外部環境の影響を受ける恐れがあり、これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定どおり進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされる可能性があります。・製品については、価値観やライフスタイルの変化、技術革新等による顧客ニーズや市場構造の変化、競合他社の能力拡大や品質・性能向上による価格競争の激化、原材料や物流等のコスト増加、金利・為替相場の変動による収益の悪化等の可能性があります。・また、当社グループは、国内外で幅広く事業活動を展開しておりますが、各国/地域毎にニーズやペインの多様化が進んでおり、グローバルな市場環境に合わせた対応ができず、海外で競争劣位となり、成長機会を失う可能性もあります。・昨今では、国内競合を中心とした業界の再編機運も高まりを見せておりますが、対応が後手に回る場合、当社のプレゼンス低下や競争劣位に陥る可能性があります。[機会]・一方で、当該リスクについては、地域・他社との連携拡大を通じた資本効率の高い事業への転換、新たな市場に対応する素材や機能・サービスの提供による事業の優位性の強化、各地域の市場環境へのタイムリーな対応によるグローバルな事業成長の実現等、当社グループの成長につながる可能性もあります。大低~中[対応]・当該リスクに対しては、次のとおり取り組んでまいります。⇒差別化製品・高機能/環境型製品の市場投入、新規市場の開拓、知的財産への取り組み強化、技術開発ロードマップの策定等による市場競争力の維持・向上⇒当社製品の付加価値向上・価格転嫁、原材料の安価調達、最適な稼働調整による原料・製品在庫管理の徹底、設備投資額の精査・最小化等による製品競争力の強化⇒環境変化を捉えた、他社連携も含む当社の取り得るオプションの検討等による資本効率の改善⇒地域戦略グランドデザインの策定、グローバルコミュニケーション体制の構築、ローカル人材の育成、国/地域発のビジネスアイディアの発掘による事業発信力強化、地域に即した事業企画、製品開発の創出力強化等による各地域の市場環境にタイムリーに対応したグローバルな事業成長の実現 (3) 最重要リスク 全社リスクレビューにより、当連結会計年度において設定した全社重点リスクは、上述「(2)全社重点リスク」のとおりですが、そのうち「事業継続に関するリスク」を当社グループの最重要リスクとして全部門の2024年度予算に展開し具体的な対応方策を策定しております。 昨今では、大国間競争や地域紛争など国際情勢における緊張の高まり、世界各地での自然災害の増加に加え、企業に対して気候変動や環境問題への適切な対応がより強く求められる等、当社グループを取り巻く環境の変化の速度も増しており、グループ・グローバルでのレジリエンスの強化が急務であると認識しております。本システム運用の初年度においては、今一度全社横断的な目線で上記のようなリスクへの対応状況の検証及び高度化を図ってまいります。 [最重要リスク:主な想定事象・対応方策の概要]想定される事象対応方策原因事象大規模な災害・事故、地政学リスクの顕在化、感染症の発生・拡大、サイバー攻撃等の不測の事態・生産・販売・研究開発の停止・制限・サプライチェーンの分断・BCPのアップデート⇒原材料調達先の複数ソース化、グローバル拠点やプラントの相互活用、物流ルートの複数化⇒災害時の生産・研究拠点のレジリエンス強化⇒適正在庫の確保⇒サイバー攻撃発生時の復旧計画のアップデート⇒委託先災害時の対応方法の策定・更新⇒大規模地震を想定したBCPシナリオの更新、全社横断的かつ、より実践的な訓練の実施 等・国内外関係会社の情報システムセキュリティチェック結果に応じた脆弱性への対応・海外有事に備えた地域統括会社との定期的な情報共有、地域安全状況の確認 等気候変動や循環型社会の実現等の社会課題に関する要請の高まり・生産・販売・研究開発の停止・制限・レピュテーションの低下、格付低下、投資撤退・地域統括会社や参画団体を通じた法令・規制に関する情報やグローバル動向の把握、社内情報共有体制の強化・Blue ValueⓇ・Rose ValueⓇ認定・運用ルールの更なる精緻化と実装・リサイクル/バイオマス戦略に関する指標・目標の設定 等
FY2023|9,611 文字
3【事業等のリスク】当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。当連結会計年度末日現在においては、当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクとして、以下のようなものを認識しております。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。なお、当社は、新たなリスクマネジメント体制を構築し、2023年度より運用を開始します。その詳細は、(10)新たなリスクマネジメント体制の構築をご参照ください。 (1) 外部事業環境について当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入による供給過剰に起因する予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。当該リスクに対しては、各事業部において外部事業環境の変化を常に注視しつつ、重要なものについては全社戦略会議で討議のうえ、毎年実施している各事業戦略の見直しに反映させております。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがありますが、顕在化の可能性や具体的な影響等に関しては、合理的に見積もることが困難であります。また、新型コロナウイルス感染症の流行については再拡大の可能性は残っており、今後も活動制限の実施によって販売需要の減少や減産が生じるおそれや、当社グループの生産設備が停止するなどの影響が生じる可能性もあります。当該リスクに対しては、国内外の当社各拠点における影響等の情報収集を行うとともに、関係者の感染リスク低減のための必要な措置(テレワークや時差出勤等)を講じております。 (2) 海外活動について(カントリーリスク)当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。当該リスクに対しては、日ごろから海外の主要地域(アジアパシフィック、中国、米州、欧州)に設置した「地域統括会社」を中心に、関係会社より所在地域・国の情報収集を行い、かつ、関係会社の主たる所在国に地域安全統括者を配し、治安・衛生面の変化に対応した事業継続性の安定化を図っており、仮にリスクが顕在化した場合には、東京本社と連携し、対応にあたることとしております。これらの事象の発生可能性や影響等を合理的に予測することは、困難でありますが、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (3)各事業の経営成績における変動要因について当社グループは、主にライフ&ヘルスケア・ソリューション製品、モビリティソリューション製品、ICTソリューション製品、ベーシック&グリーン・マテリアルズ製品等様々な製品を製造・販売しています。各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。なお、当社では、毎年、内外環境変化、事業リスクの変化等を踏まえ、全社戦略会議等で討議のうえ、各事業戦略を見直しております。これにより、極力リスクが顕在化しないよう、仮に顕在化した場合でも影響を最小化できるよう取り組んでおります。 ①ライフ&ヘルスケア・ソリューションライフ&ヘルスケア・ソリューション事業の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。農業化学品については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的な課題・方策並びにリスク及び機会は次のとおりです。 (課題・方策)<ライフケアソリューション>▶ビジョンケア材料・メガネレンズ材料の需要拡大に即した供給能力確保 → MR™生産能力増強計画の実行・グローバルでのサプライチェーンの強靭化 → 海外ストックポイント設置や原料複数購買化の更なる推進▶不織布・成熟した衛材市場(紙おむつ)におけるコスト競争力の強化 → エアリファ™・伸縮不織布等の差別化製品の拡販、JV設立による統合効果の実現 <ウェルネスソリューション>▶農業化学品・成長ドライバーの海外展開加速 → テネベナール®、フルピリミンの海外重点国インドでの上市・販売促進・サプライチェーンの強靭化 → 大牟田工場・北上工場での原体生産体制の確立・環境配慮型農薬の拡充 → 高い安全性・環境負荷の少ない革新的化学農薬の創薬推進、天然物をはじめとするバイオソリューションの研究推進および生産技術の強化・QOL向上 → マラリア根絶に資するVECTRON™ T500のアフリカ諸国での登録推進▶パーソナルケア材料・QOL向上に資する新事業立ち上げ → 事業基盤獲得 <メディカルソリューション>▶オーラルケア材料・日本市場での事業拡大及び基盤強化 → グループ連携強化・欧州市場での事業拡大及び基盤強化 → 新製品売上拡大▶整形外科材・製品開発の加速と事業基盤強化・拡充 → 日本エム・ディ・エムとの協業を通じた開発推進と戦略の具体化▶パーソナルケア材料・QOL向上に資する新事業立ち上げ → 事業基盤獲得 (リスク及び機会)<ライフケアソリューション>▶ビジョンケア材料・市場のグローバルな拡大▶不織布・国内子供用紙おむつの鈍化、国内大人用紙おむつ・フェミニンケア用品向けの安定成長・電材需要低迷に伴い、一時的な産業材不織布需要は低下も、中長期的拡大が期待・電力・用役コスト等の高騰▶パーソナルケア材料・衛生環境ニーズの高まり <ウェルネスソリューション>▶農業化学品・農薬法制、環境規制の厳格化・作物保護分野におけるアジア、南米市場の拡大・作物保護に資する低環境負荷型農薬のニーズ拡大・ライフソリューション分野の拡大▶検査・診断・早期診断による重症化予防へのシフト <メディカルソリューション>▶オーラルケア材料・歯科技工のデジタル化の加速、適応症例の拡大▶パーソナルケア材料・予防医療や個別化医療の普及▶整形外科材・健康寿命延伸とQOL向上ニーズの拡大 ②モビリティソリューションモビリティソリューション事業の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的な課題・方策並びにリスク及び機会は次のとおりです。 (課題・方策)・市場変化や需要増加に対応するための生産供給能力の不足、および柔軟な生産体制の構築→ 需要に応じた適切な生産能力増強の実行、製品や組織を超えた生産体制最適化の実現 (リスク及び機会)・地政学リスクに端を発する資源価格高騰や、インフレの加速による世界的な景気回復の停滞、物価上昇による購買意欲の低迷・新型コロナウイルス感染症の流行再拡大と半導体等の供給不足に伴う自動車需要・生産の回復遅れ・自動車関連製品の開発サイクルや重要なプレイヤーの変化・自動車における軽量化・快適性向上・電装化などに伴う素材開発へのニーズ拡大・環境負荷低減の取り組み加速を背景としたリサイクル材料・バイオ材料の活用拡大 ③ICTソリューション ICTソリューション事業の製品の内、半導体・光学及び産業用フィルム・シートは、半導体等関連する市場の変動影響を受ける可能性があります。コーティング・機能材及び機能性フィルム・シートについては、ベーシック&グリーン・マテリアルズが扱うポリウレタンやポリオレフィン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、ナフサは中東地域の情勢やその他世界経済情勢により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的な課題・方策並びにリスク及び機会は次のとおりです。 (課題・方策)・ICT顧客のスピードに適した仕組み作づくり → ニーズ起点である海外拠点の企画・マーケティング力強化・ICTプラットフォーマーとのネットワーク構築 → 顧客拠点におけるソリューション・製品・技術を訴求する「Mitsui Day」の開催・顧客プロセス適合性評価等の研究開発機能の強化 → 名古屋ICT研究棟の開設、評価設備の集約・拡充を通じた顧客との共創の推進 (リスクと機会)・中長期的な半導体市場の拡大・地政学的分断によるグローバルサプライチェーンの変化への対応・XR等新たなデバイスの登場と普及に伴う市場の急拡大・リチウムイオン電池および次世代電池市場の継続的な拡大・廃プラスチック削減トレンドに伴うリサイクルニーズの顕在化 ④ベーシック&グリーン・マテリアルズ石油化学製品については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的な課題・方策並びにリスク及び機会は次のとおりです。 (課題・方策)・ボラティリティのさらなる低減 → 市況依存度の高い製品の縮小や撤退、他社提携による事業リスクの低減、原料リンクのフォーミュラの拡充・高機能製品の強化・拡大 → エンドユーザー起点の素材開発、MI(マテリアルズインフォマティクス)活用の拡大による新銘柄開発や処方開発、マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル起点での製品開発(石油由来同等の物性など)・GHG排出量の削減 → 低炭素燃原料への転換、高エネルギー効率機器の導入(Scope1、2)、製品提供を通じたGHG削減貢献量の最大化(Scope3)・サーキュラーエコノミーへの取り組み強化 → バイオマス原料への転換、マテリアル・ケミカルリサイクルの早期実装化 (リスクと機会)・ロシアのウクライナ侵攻による世界・日本経済への影響・米金利上昇に伴う米国および世界経済の減速・米金利上昇に伴う円安の加速・原油価格(ナフサ)高騰・環境対応ニーズの拡大(バイオマス原料、ケミカルリサイクル対応など)・高付加価値品の提供拡大(例:包装材、断熱材など)・DX技術の進化 (4) 財務について当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。当該リスクに対しては、資源投入の優先付けを行うとともに投資の確実な回収を目指すなど、キャッシュ・フローマネジメントの強化に取り組んでいます。また、当社及び地域統括会社を通じたグループファイナンスを行うことにより、グループ全体での有利子負債削減と資金効率の向上に努めております。 (5) 事故・災害について当社グループでは、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象に関し顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。当該リスクに対しては、「安全は全てに優先する」との経営方針のもと、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)の認証取得を積極的に進める他、現場での地道な自主改善活動を通じて、当社グループ全体の安全文化の醸成を図り、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合には、大阪工場に全社対策本部を設置する等の、指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。 (6) 品質について当社グループでは、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。また、当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。これらの事象に関し顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。当該リスクに対しては、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めるとともに、品質に関するコンプライアンス遵守とクレーム・コンプレインの再発防止の徹底(守り)、顧客における製品不具合の未然防止の追求(攻め)により、リスクの低減に努めております。 (7) 知的財産権について当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。当社においては、これまで、重要な知的財産の外部への流出や重大な知的財産に関する紛争が発生したことはなく、また、発生可能性や影響等を合理的に予測することは困難ですが、これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。当該リスクに対しては、厳正なルール運営のもと、情報管理を行うとともに、事業部門、研究開発部門、生産技術部門等の関係部署間での緊密な連携により、競合他社に対して優位となる知的財産の取得・活用の方針を逐次見直し、事業に資する知的財産ポートフォリオを構築し、知的財産を活用した事業機会の最大化と知的財産に起因する事業リスクの最小化に努めております。 (8) 気候変動について気候変動に起因する物理的リスクとして、台風、洪水等の自然災害が深刻化した場合、当社グループの生産から販売に至る一連の事業活動が大きな影響を受ける可能性があります。また、長期的な潮位上昇や渇水が深刻化した場合、当社グループの生産拠点での操業停止、生産活動低下を招く可能性があります。低炭素社会への移行リスクとして、カーボンプライシング等のGHG排出規制が導入された場合、当社グループのエネルギーコストが増加し、収益性の低下をもたらす可能性があります。また、低炭素社会に急激に移行した場合、GHG排出量削減のための研究開発費や新規技術導入に伴う設備費が増加し、当社グループの収益性の低下をもたらす可能性があります。さらに、当社グループは、2050年に向けたカーボンニュートラル宣言を行っている為、低炭素社会移行への対応が不十分であった場合、レピュテーション悪化に伴う社会的信用の失墜によりビジネスの機会を逃す可能性があります。なお、当社グループは、気候変動による事業活動への影響を重要なリスクと捉えており、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿って事業活動への影響の分析を行い、当社Webサイト等を通じ適宜その結果や進捗の開示に努めています。当該リスクに対しては、気候変動対応方針を策定し、緩和と適応の両面から取り組んでいます。緩和策としては、製造における低炭素化の取り組み(Scope1+2の削減)のみならず、製品のライフサイクル全体でのGHG排出量削減に資するBlue Value®製品の提供、適応策としては、防災減災やインフラの長寿命化や食料生産の安定化に資するRose Value®製品の提供等、事業活動を通じた貢献を目指しています。 (9) プラスチック問題についてプラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上と社会課題の解決に貢献していますが、使用後の不適正な処理により陸上から海洋に流出したプラスチックごみが環境汚染を引き起こしているという側面があります。この対策として使い捨てプラスチックに関する規制やリサイクルの推進、他素材への代替が進んだ場合、石油化学原料からプラスチックを製造販売する当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、プラスチックの製造/使用に携わる企業、業界団体等とともに「Alliance to End Plastic Waste(AEPW)」、「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」等に参画し、それらを通じた廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発、清掃活動等に積極的に関与することにより、問題解決に取り組んでいます。また当社グループは、こうしたプラスチック問題への対応を新たな事業機会とも捉えています。マテリアルリサイクルやケミカルリサイクル等の使用済みプラスチックから有用プラスチックを創出するためのリサイクル技術の開発、包装材料の単一素材化等のリサイクルを考慮した製品設計の提案、さらにはブロックチェーン技術によるプラスチック素材のトレーサビリティシステムの構築等、幅広く検討し、プラスチック問題解決に向けた貢献を事業に繋げていくことを目指しています。 (10) 新たなリスクマネジメント体制の構築昨今では、事業環境の不確実性の増加に伴いリスクの多様化が進んでおり、企業におけるリスクマネジメントも従来の脅威への対応というマイナス面だけではなく、事業拡大の機会というプラス面も前向きに捉え、企業価値の向上につなげることが求められております。従来も当社グループにおいては、下表の3つのラインにより各職場が担当領域のリスクを、各種専門委員会と会議体が組織横断的な専門リスクを各々個別に取り上げ、発見・未然防止に取り組むことで一定の成果を上げておりました。第1線各部門(本社各部・工場・研究所・支店・関係会社)は、リスク評価を行い、リスクを認識し、対応のための組織コントロールを設計、遂行第2線専門知識を持つ本社機能部門は、第1線の各組織を支援、監査、指導第3線第1線と第2線の両方の業務を独立的立場から監査し、経営者と取締役会に対して、アシュアランスを提供(内部統制室)全社視点での重要度付け、抜け漏れの確認、方策の策定、当社グループ全社に横串を通した総合的な運営という観点から更なる対応を強化するべく、社内会議体や取締役会メンバー等との議論を重ね、2023年3月31日開催の取締役会において、新たなリスクマネジメントシステム(以下「本システム」という。)を構築し、2023年度から運用することを決議致しました。本システムでは、リスクを「経営戦略・目標の達成に影響を与える当社グループを取り巻く事象がもたらす不確実性及び変化」と定義し、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」で各担当役員所掌領域のリスクを網羅的に把握し、優先順位付けを行い「全社重点リスク」を選定の上経営会議の審議を経て取締役会にて決定します。この際、各担当役員はリスクマネジメントオーナーとなり、所掌領域のリスク管理の統括責任を負うと共にリスクマネジメント委員会のメンバーとして同委員会での活動を担います。取締役会で決定された全社重点リスクは、当社グループの経営計画システムに展開され、テイクあるいは回避すべきリスクとして可視化しつつ、事業運営、資源投入等の意思決定に活用します。また、リスクマネジメント委員会は、全社重点リスクの審議に加え、当社グループのリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)の報告・討議や個別重点リスクの対応方針の討議なども行います。本システムの下、次のプロセスにより全社重点リスクを決定し、PDCAを回して行きます。① 各担当役員が所掌領域のリスクを俯瞰的・網羅的に把握し優先順位付を行い、全社的に重要と判断するリスクをリスクマネジメント委員会に報告する。② リスクマネジメント委員会は、各担当役員から報告されたリスクについて、全社的観点から長期・中期・短期別の重要度評価を行い、全社重点リスク案を策定する。③ 全社重点リスクは、経営会議審議を経て、取締役会で最終的に決定する。④ 全社重点リスクは、戦略ローリング・年度予算・実行計画に展開し、テイクあるいは回避するリスクを可視化しつつ、事業運営、資源投入等の意思決定に活用する。⑤ 環境変化を受けたリスクの変容を踏まえ、特に重要なリスクは、リスクマネジメント委員会にて適時かつ継続的なモニタリング、具体的な対応策を討議、決定する。 <本システムイメージ図> 今後は本システムを運用する中で、ステークホルダーに対する説明責任を果たすべく、全社重点リスク等についても適宜情報開示を行います。 <リスクマネジメント委員会概要>位置付け・定義CEO及びCSOが全社リスクマネジメントに関する役割・責任を果たすための諮問機関構成委員長:CEO副委員長:CSOメンバー:担当役員事務局:経営企画部、ESG推進室、総務・法務部、人事部、経理部、生産・技術企画部、RC品質保証部委員会の役割・責任①当社グループのリスクマネジメントの基本方針案、戦略案、計画案、各種施策案及びその他重要事項の審議②全社リスクレビューを通じた全社重点リスク案の審議③個別の重要リスクに関する討議(当該個別リスクが当社グループに及ぼす影響や対応方針に係る討議を含む)④当社グループのリスクマネジメントの状況(全社重点リスクのモニタリング状況を含む)報告及び討議経営会議・取締役会との関係①CSOは、本委員会の審議結果及び活動実績を経営会議に報告する。②本委員会で審議し、経営会議の承認を受けた事項のうち、全社重点リスク案は取締役会で決議する。当社は、本システムの適切な運用を推進し、当社グループを取り巻くリスクによる脅威を最小化するとともに、機会を最大限に活用できる体制を整え、企業価値の向上に努めてまいります。
FY2022|5,797 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 外部事業環境について当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入による供給過剰に起因する予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。以上のような外部事業環境変化については、各事業部において常にウォッチしつつ、重要なものについては全社戦略会議で討議のうえ、毎年実施している各事業戦略の見直しに反映させております。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがありますが、顕在化の可能性や具体的な影響等に関しては、合理的に見積もることが困難であります。新型コロナウイルス感染症の流行については再拡大の可能性は残っており、今後も活動制限の実施によって販売需要の減少や減産が生じるおそれや、当社グループの生産設備が停止するなどの影響が生じる可能性もあります。これに対して、当社は、需要動向の見極めや、サプライチェーンの確保を行いつつ、必要に応じて、在庫等の管理の徹底、不要不急な支出の抑制、借入枠の増大や手元資金の確保等、キャッシュ・フローに注視した対応に注力します。また、当社は、2020年3月4日付で、リスク・コンプライアンス委員会担当役員を本部長とする、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、国内外の当社各拠点における影響等の情報収集を行うとともに、関係者の感染リスク低減のための必要な措置(テレワークや時差出勤等)を講じております。本対策本部において収集した当社各拠点情報や、講じた対策等については、適宜、取締役会でも報告を行っております。併せて、「感染予防」「業務効率化」「円滑なコミュニケーション」をキーワードとする、持続可能な「新しい働き方」に関する検討を進めております。 (2) 海外活動について(カントリーリスク)当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。当社は、日ごろから海外の主要地域(アジアパシフィック、中国、米州、欧州)に設置した「地域統括会社」を中心に、関係会社より所在地域・国の情報収集を行い、かつ、関係会社の主たる所在国に地域安全統括者を配し、治安・衛生面の変化に対応した事業継続性の安定化を図っており、仮にリスクが顕在化した場合には、東京本社と連携し、対応にあたることとしております。これらの事象の発生可能性や影響等を合理的に予測することは、困難でありますが、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (3)各事業の経営成績における変動要因について当社グループは、主にモビリティ製品、ヘルスケア製品、フード&パッケージング製品、基盤素材製品等様々な製品を製造・販売しています。各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。なお、当社では、毎年、内外環境変化、事業リスクの変化等を踏まえ、全社戦略会議等で討議のうえ、各事業戦略を見直しております。これにより、極力リスクが顕在化しないよう、仮に顕在化した場合でも影響を最小化できるよう取り組んでおります。 ①モビリティ部門モビリティ部門の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的なリスク及び機会は次のとおりです。・新型コロナウイルス感染症の流行再拡大や半導体等の供給不足に伴う自動車需要・生産の回復遅れ・自動車関連製品の開発サイクルや重要なプレイヤーの変化・自動車における軽量化・快適性向上・電装化などに伴う素材開発へのニーズ拡大・環境負荷低減の取り組み加速を背景としたリサイクル材料・バイオ材料の活用拡大 ②ヘルスケア部門ヘルスケア部門の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的なリスク及び機会は次のとおりです。ビジョンケア材料・市場のグローバルな拡大不織布・国内での子供用紙おむつ向け需要鈍化、大人用紙おむつおよび生理用品向け安定成長・東・東南アジアでの競争激化・原材料コスト等の高騰歯科材料・デジタル技工市場の急速なトレンド変化と拡大 ③フード&パッケージング部門コーティング・機能材及び機能性フィルム・シートについては、基盤素材部門が扱うポリウレタンやポリオレフィン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、ナフサは中東地域の情勢やその他世界経済情勢により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。農薬については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的なリスク及び機会は次のとおりです。・環境関連の法規制等による既存事業への影響・フードロスや廃棄プラスチック削減のニーズ昂進・農薬のアジア・南米市場拡大、農薬周辺市場(防疫分野)の拡大・包装材料のアジア市場拡大と国内市場の停滞・5G、高機能ディスプレイ、CASE需要などのICT市場の拡大・中国、新興国経済の不透明感・新型コロナウイルス感染症再拡大による開発・調達への影響 ④基盤素材部門石油化学製品については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識しているより具体的なリスク及び機会は次のとおりです。・高機能包装へのシフト・米シェール由来のポリオレフィン流入・米中貿易摩擦・感染症などによる経済減速、変動・原油・大型市況製品のアジア市況の変動・円高による輸入品の攻勢、輸出交易条件悪化・国内需要縮小、アジア経済の変動・気候変動、プラスチックごみなど環境対応ニーズの拡大・デジタル技術・バイオ技術の進化 (4) 財務について当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (5) 事故・災害について当社グループでは、「安全は全てに優先する」との経営方針のもと、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証取得を積極的に進める他、現場での地道な活動を通じて、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合には、大阪工場に全社対策本部を設置する等の、指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象に関し顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (6) 品質について当社グループでは、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めております。しかしながら、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、これらの事象は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (7) 知的財産権について当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、厳正なルール運営のもと、情報管理を行っておりますが、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。当社においては、これまで、重要な知的財産の外部への流出や重大な知的財産に関する紛争が発生したことはなく、また、発生可能性や影響等を合理的に予測することは困難ですが、これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (8) 気候変動について気候変動に起因する物理的リスクとして、台風、洪水等の自然災害が深刻化した場合、当社グループの生産から販売に至る一連の事業活動が大きな影響を受ける可能性があります。また、長期的な潮位上昇や渇水が深刻化した場合、当社グループの生産拠点での操業停止、生産活動低下を招く可能性があります。低炭素社会への移行リスクとして、カーボンプライシング等のGHG排出規制が導入された場合、当社グループのエネルギーコストが増加し、収益性の低下をもたらす可能性があります。また、低炭素社会に急激に移行した場合、GHG排出量削減のための研究開発費や新規技術導入に伴う設備費が増加し、当社グループの収益性の低下をもたらす可能性があります。さらに、当社グループは、2050年に向けたカーボンニュートラル宣言を行っている為、低炭素社会移行への対応が不十分であった場合、レピュテーション悪化に伴う社会的信用の失墜によりビジネスの機会を逃す可能性があります。なお、当社グループは、気候変動による事業活動への影響を重要なリスクと捉えており、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿って事業活動への影響の分析を行い、当社Webサイト等を通じ適宜その結果や進捗の開示に努めています。当該リスクに対しては、気候変動対応方針を策定し、緩和と適応の両面から取り組んでいます。緩和策としては、製造における低炭素化の取り組み(Scope1,2の削減)のみならず、製品のライフサイクル全体でのGHG排出量削減に資するBlue Value®製品の提供、適応策としては、防災減災やインフラの長寿命化や食料生産の安定化に資するRose Value®製品の提供等、事業活動を通じた貢献を目指しています。 (9) プラスチック問題についてプラスチックは広範な用途に用いられる素材として、生活の利便性向上と社会課題の解決に貢献していますが、使用後の不適正な処理により陸上から海洋に流出したプラスチックごみが環境汚染を引き起こしているという側面があります。この対策として使い捨てプラスチックに関する規制やリサイクルの推進、他素材への代替が進んだ場合、石油化学原料からプラスチックを製造販売する当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、プラスチックの製造/使用に携わる企業、業界団体等とともに「Alliance to End Plastic Waste(AEPW)」、「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」、「海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)」等に参画し、それらを通じた廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発、清掃活動等に積極的に関与することにより、問題解決に取り組んでいます。また当社グループは、こうしたプラスチック問題への対応を新たな事業機会とも捉えています。マテリアルリサイクルやケミカルリサイクル等の使用済みプラスチックから有用プラスチックを創出するためのリサイクル技術の開発、包装材料の単一素材化等のリサイクルを考慮した製品設計の提案、さらにはブロックチェーン技術によるプラスチック素材のトレーサビリティシステムの構築等、幅広く検討し、プラスチック問題解決に向けた貢献を事業に繋げていくことを目指しています。
FY2021|6,533 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 外部事業環境について当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入により供給過剰となることでの予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。以上のような外部事業環境変化については、各事業部において常にウォッチしつつ、重要なものについては全社戦略会議で討議のうえ、毎年実施している各事業戦略の見直しに反映させております。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがありますが、顕在化の可能性や具体的な影響等に関しては、合理的に見積もることが困難であります。新型コロナウイルス感染症の流行については依然として予断を許さず、今後も活動制限の実施によって販売需要の減少や減産が生じるおそれや、当社グループの生産設備が停止するなどの影響が出てくる可能性もあります。これに対して、当社は、需要動向の見極めや、サプライチェーンの確保を行いつつ、在庫等の管理の徹底、不要不急な支出の抑制、借入枠の増大や手元資金の確保等、キャッシュ・フローに注視した対応に注力しております。また、当社は、2020年3月4日付で、リスク・コンプライアンス委員会担当役員を本部長とする、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、国内外の当社各拠点における影響等の情報収集を行うとともに、関係者の感染リスク低減のための必要な措置(テレワークや時差出勤等)を講じております。本対策本部において収集した当社各拠点情報や、講じた対策等については、適宜、取締役会でも報告を行っております。併せて、「感染予防」「業務効率化」「円滑なコミュニケーション」をキーワードとする、持続可能な「新しい働き方」に関する検討を進めております。 (2) 海外活動について(カントリーリスク)当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。当社は、日ごろから海外の主要地域(アジアパシフィック、中国、米州、欧州)に設置した「地域統括会社」を中心に、関係会社より所在地域・国の情報収集を行い、かつ、関係会社の主たる所在国に地域安全統括者を配し、治安・衛生面の変化に対応した事業継続性の安定化を図っており、仮にリスクが顕在化した場合には、東京本社と連携し、対応にあたることとしております。これらの事象の発生可能性や影響等を合理的に予測することは、困難でありますが、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (3)各事業の経営成績における変動要因について当社グループは、主にモビリティ製品、ヘルスケア製品、フード&パッケージング製品、基盤素材製品等様々な製品を製造・販売しています。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響を、特にモビリティ製品において顕著に受けましたが、第1四半期を底に回復傾向にあります。一方で、ヘルスケア製品及びフード&パッケージング製品では、マスク向けの不織布や産業用フィルム分野における販売が堅調に推移しました。新型コロナウイルスの流行については未だ収束の兆候が見えないものの、翌連結会計年度においては製造業を中心とした景気持ち直しの動きに伴う需要拡大が見込まれると共に、海外市況も堅調に推移すると見込んでおります。その他、各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。なお、当社では、毎年、内外環境変化、事業リスクの変化等を踏まえ、全社戦略会議で討議のうえ、各事業戦略を見直しております。これにより、極力リスクが顕在化しないよう、仮に顕在化した場合でも影響を最小化できるよう取り組んでおります。 ①モビリティ部門モビリティ部門の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的なリスク及び機会は次のとおりです。・新型コロナウイルス感染症の流行再拡大や半導体の供給不足に伴う自動車需要・生産の回復遅れ・自動車関連製品の開発サイクルや重要なプレイヤーの変化・自動車における軽量化・快適性向上・電装化などに伴う素材開発へのニーズ拡大・環境負荷低減の取組み加速を背景としたリサイクル材料・バイオ材料の活用拡大 ②ヘルスケア部門ヘルスケア部門の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的なリスク及び機会は次のとおりです。ビジョンケア材料・市場のグローバルな拡大不織布・子供用紙おむつ輸出鈍化、一方で、国内大人用紙おむつ安定成長・東・東南アジアでの競争激化歯科材料・デジタル技工市場の急速なトレンド変化と拡大 ③フード&パッケージング部門コーティング・機能材及び機能性フィルム・シートについては、基盤素材部門が扱うポリエチレンやポリプロピレン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、ナフサは中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。農薬については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的なリスク及び機会は次のとおりです。・環境関連の法規制等による既存事業への影響・フードロスや廃棄プラスチック削減のニーズ昂進・農薬のアジア・南米市場拡大、農薬周辺市場(防疫分野)の拡大・包装材料のアジア市場拡大と国内市場の停滞・5G、高機能ディスプレイ、CASE需要などのICT市場の拡大・中国、新興国経済の不透明感・新型コロナウイルス感染症流行継続による開発・調達への影響 ④基盤素材部門石化については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識しているより具体的なリスク及び機会は次のとおりです。・高機能包装へのシフト・デジタル技術・バイオ技術の進化・米シェール由来のポリオレフィン流入・米中貿易摩擦・感染症などによる経済減速、変動・原油・大型市況製品のアジア市況の変動・円高による輸入品の攻勢、輸出交易条件悪化・国内需要縮小、中国経済の伸長鈍化・環境対応ニーズの拡大 (4) 財務について当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (5) 事故・災害について当社グループでは、「安全は全てに優先する」との経営方針の下、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証取得を積極的に進める他、現場での地道な活動を通じて、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合には、大阪工場に全社対策本部を設置する等の、指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象に関し顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (6) 品質について当社グループでは、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めております。しかしながら、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、これらの事象は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (7) 知的財産権について当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、厳正なルール運営の下、情報管理を行っておりますが、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。当社においては、これまで、重要な知的財産の外部への流出や重大な知的財産に関する紛争が発生したことはなく、また、発生可能性や影響等を合理的に予測することは困難ですが、これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (8) 気候変動について気候変動については、これに起因するとされる世界各地での負の影響の増加に伴い、SDGsに代表される世界共通の解決すべき社会課題と認識され、早急な対応が求められています。化学品の製造では、気候変動の原因とされるGHG(温室効果ガス)を大量に排出します。その為、気候変動に伴う物理的リスク及び低炭素社会への移行によるリスクが、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があり、当社グループとして気候変動にどう対応していくかを重要な課題と捉えています。物理的リスクとして、台風、洪水等の極端な気象現象が深刻化した場合、当社グループの生産拠点の生産能力低下、被害コスト増加を招く可能性があります。また、降雨量の変化により水リスクが高まる地域では渇水による水使用制限から生産拠点での生産活動低下を招く可能性があります。低炭素社会への移行リスクとして、炭素税、排出権取引制度のようなGHG排出規制が導入された場合、原燃料の価格が上昇し、電力価格が上昇する可能性があります。これにより当社グループの製造コストが増加し、収益低下をもたらす可能性があります。また、低炭素社会への移行状況により、ステークホルダーからGHG削減に貢献する製品の要請が高まる場合、研究開発費や新規技術導入に伴う設備費が増加し、当社グループの収益低下をもたらす可能性があります。当社グループは、気候変動への対応をリスクとしてだけでなく機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題の解決を目指します。また、気候変動に関連するリスク、機会及びその影響の評価に取り組む姿勢を明確にするため、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に賛同し、気候変動の影響評価及びその情報開示に継続して取り組んでいます。当社グループは2050年カーボンニュートラルを宣言しました。化学企業として社会変革に大きく貢献すべく、自社のGHG排出量削減推進と、GHG削減に貢献する製品を顧客と共に社会実装することで削減貢献の最大化を目指し、気候変動への取り組みを強化加速してまいります。(9) プラスチック問題についてプラスチックは利便性と恩恵をもたらす素材であり、機能の高度化を通じて食品ロスの削減やエネルギー効率の改善等、社会課題の解決に貢献しています。その一方で、近年の政策やESG諸課題への注目を背景に、年間数百万トンを超えるプラスチック廃棄物がその不適正な処理により陸上から海洋へ流出している問題が関心を集め、解決に向けた動きが世界中で活発化しています。こうした状況を背景に世界では各種規制が検討され、国や企業によってはリサイクルプラスチックの利用促進や使い捨てプラスチック使用の自主規制、他素材への代替を推奨しています。特に欧州ではサーキュラーエコノミーの実現に向けた動きが加速しており、資源を最大限活用するという観点から、プラスチックの回収とリサイクルに関する取り組みがサプライチェーン全体で検討されています。これらの動きは、化石資源由来のプラスチックを製造販売する当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、プラスチックを巡る環境問題を化学産業が率先して取り組むべき重要な課題のひとつであると認識しています。当該リスクに対しては、プラスチックに携わる企業、業界団体等とともに「Alliance to End Plastic Waste(AEPW)」(グローバルなプラスチックバリューチェーン企業が資金を拠出し参加する活動)、「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」、「海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)」等に参画し、それらを通じた廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発、清掃活動等に積極的に関与することにより、問題解決に取り組んでいます。また当社グループは、こうしたプラスチック問題への対応を新たな事業機会とも捉えています。リサイクル原料の使用や、廃プラスチックから有用プラスチックへのケミカルリサイクル等のリサイクル高度化技術の開発、包装材料の単一素材化等のリサイクルを考慮した製品設計の提案、さらにはブロックチェーン技術によるプラスチック素材のトレーサビリティシステムの構築といった幅広い可能性を検討し、プラスチック問題解決への貢献を目指しています。当社グループは、様々な社会課題を解決するプラスチック素材を提供してきたメーカーとして、今後も積極的にプラスチック問題に対応してまいります。
FY2020|8,592 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 外部事業環境について当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入により供給過剰となることでの予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。以上のような外部事業環境変化については、各事業部において常にウォッチしつつ、重要なものについては全社戦略会議で討議のうえ、毎年実施している各事業戦略の見直しに反映させております。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがありますが、顕在化の可能性や具体的な影響等に関しては、合理的に見積もることが困難であります。新型コロナウイルス感染症の流行により、販売需要の減少や減産が生じるなど、当社グループは様々な悪影響を受けております。今後においても、販売需要の更なる減少や当社グループの生産設備が停止するなどの影響が出てくる可能性もあります。これに対して、当社は、需要動向の見極めや、サプライチェーンの確保を行いつつ、在庫等の管理の徹底、不要不急な支出の抑制、借入枠の増大や手元資金の確保等、キャッシュ・フローに注視した対応に注力しております。また、2020年3月4日付で、リスク・コンプライアンス委員会担当役員を本部長とする、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、国内外の当社各拠点における影響等の情報収集を行うとともに、関係者の感染リスク低減のための必要な措置(テレワークや時差出勤等)を講じました。本対策本部において収集した当社各拠点情報や、講じた対策等については、適宜、取締役会でも報告を行いました。5月25日の非常事態宣言解除後も、テレワーク勤務の推奨を継続する等、引き続き、会社の機能維持及び工場の安全・安定運転の確保に努めており、併せて、「感染予防」「業務効率化」「円滑なコミュニケーション」をキーワードとする、持続可能な「新しい働き方」に関する検討を開始しました。現時点において新型コロナウイルス感染症流行の終息時期は不透明であり、この流行が当社グループの経営成績、財務状況及びキャッシュ・フローの状況に与える影響を正確に予測することは困難でありますが、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題」に記載しました、2020年度の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症の影響が上期中にピークを迎え、その後徐々に回復が見込まれること及び原油価格の大幅な下落を前提として、作成しております。 (2) 海外活動について(カントリーリスク)当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。当社は、日ごろから海外の主要地域(アジアパシフィック、中国、米州、欧州)に設置した「地域統括会社」を中心に、関係会社より所在地域・国の情報収集を行い、かつ、関係会社の主たる所在国に地域安全統括者を配し、治安・衛生面の変化に対応した事業継続性の安定化を図っており、仮にリスクが顕在化した場合には、東京本社と連携し、対応にあたることとしております。これらの事象の発生可能性や影響等を合理的に予測することは、困難でありますが、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (3)各事業の経営成績における変動要因について当社グループは、主にモビリティ製品、ヘルスケア製品、フード&パッケージング製品、基盤素材製品等様々な製品を製造・販売しています。足下では、一定程度の新型コロナウイルス感染症による需要減少の影響が生じておりますが、各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。なお、当社では、毎年、内外環境変化、事業リスクの変化等を踏まえ、全社戦略会議で討議のうえ、各事業戦略を見直しております。これにより、極力リスクが顕在化しないよう、仮に顕在化した場合でも影響を最小化できるよう取り組んでおります。※当社は、2020年度より国際財務報告基準(IFRS)を適用する予定です。 以下の①~③において、新型コロナウイルス感染症の影響及びそれを含めた来期(2020年度)の見通しに、2019年度と2020年度対比のコア営業利益の増減幅を記載しておりますが、2019年度のコア営業利益は2020年度との比較のために算出したものであり、経理の状況等で記載の営業利益とは異なります。また現時点の2019年度のIFRS決算値は、監査証明を受けたものではありません。 ①モビリティ部門モビリティ部門の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的なリスク及び機会は次のとおりです。・軽量化ニーズの拡大・安全性・快適性ニーズの拡大・電動化・自動運転等の新たなニーズの台頭 ・新型コロナウイルス感染症の影響による自動車需要の低迷(新型コロナウイルス感染症の影響及びそれを含めた来期の見通し)・グローバル自動車生産減速(△20%)を見込む ・当社ICT用途への影響は軽微 ・2020年度の業績は、コア営業利益で36%の減益を予想 ②ヘルスケア部門ヘルスケア部門の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的なリスク及び機会は次のとおりです。ビジョンケア材料・市場のグローバルな拡大不織布・国内大人用紙おむつ安定成長・東・東南アジアでの競争激化歯科材料・デジタル技工市場の急速なトレンド変化(機器の小型化)と拡大 (新型コロナウイルス感染症の影響及びそれを含めた来期の見通し) ・ビジョンケア材料は、中国、欧州、その他各国での眼鏡小売店の休業により一時的に需要減少したが、 徐々に回復傾向 ・不織布は、マスク、医療用ガウン等の特需とおむつ需要回復 ・歯科診療の減少による歯科材料需要減 ・2020年度の業績は、コア営業利益で17%の減益を予想。 ③フード&パッケージング部門機能性フィルム・シートについては、基盤素材部門が扱うポリエチレンやポリプロピレン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、ナフサは中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。農薬については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識している具体的なリスク及び機会は次のとおりです。・農薬のアジア・南米市場拡大、農薬周辺市場(防疫分野)の拡大・包装材料のアジア市場拡大と国内市場の停滞、環境対応ニーズの拡大・5G、高機能ディスプレイなどのICT市場の拡大・中国、新興国経済の不透明感 (新型コロナウイルス感染症の影響及びそれを含めた来期の見通し)・総じて新型コロナウイルス感染症の影響は軽微・パッケージング分野は巣籠もり需要で堅調・半導体向けは上期減販、下期回復へ・2020年度の業績は、コア営業利益で2%の減益を予想。 ④基盤素材部門石化については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。当事業部門において認識しているより具体的なリスク及び機会は次のとおりです。・事業再構築の完遂とコスト競争力強化・特長ある付加価値誘導品の拡大 ・海洋プラスチック、プラスチック循環等の環境課題等への積極的な対応 (新型コロナウイルス感染症の影響及びそれを含めた来期の見通し)・原油価格急落に伴うナフサ価格急落による在庫評価損等により、2020年度コア営業利益は赤字となる見通 し。・需要に応じた柔軟なクラッカー稼働を実施する。 (4) 財務について当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。現時点における資金調達環境悪化の最大のリスクは、新型コロナウイルス感染症の影響拡大と認識しております。このリスクに対応するため、当社は2020年3月に200億円のシンジケートローン契約を締結する等、長期で安定的な資金調達を行うとともに、複数の金融機関による400億円のコミットメントライン(全額未使用)を有しており、流動性を十分に確保しております。また、コミットメントラインについては、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化・深刻化したワーストシナリオを想定し、設定金額を増額しました。 (5) 固定資産の減損について 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。 将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 現時点においては新型コロナウイルス感染症の影響拡大による、当社グループの工場における生産停止や操業度低下等が最大のリスクと認識しておりますが、当該リスクが顕在化する可能性を合理的に見積もることは困難であります。 (6) 繰延税金資産について 当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来において見直した事業計画が、回収可能性の判断を行った時点の事業計画と乖離する場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響を将来の計画に織り込んだ上で繰延税金資産の回収可能性を見直した結果、繰延税金資産の一部を取崩しました。しかし、当初想定していた予測・仮定を上回る悪影響が将来において判明した場合、繰延税金資産を更に取崩す可能性があります。翌年度において新型コロナウイルス感染症の影響が明らかになった場合、当該リスクが顕在化する可能性があります。 また、税制改正に伴い、税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (7) 退職給付関係について 当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職給付制度の変更等に伴う退職給付費用の変動は、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。このリスクが顕在化する可能性を合理的に見積もることは困難であります。 (8) 事故・災害について当社グループでは、「安全は全てに優先する」との経営方針の下、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証取得を積極的に進める他、現場での地道な活動を通じて、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合には、大阪工場に全社対策本部を設置する等の、指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象に関し顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (9) 品質について当社グループでは、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めております。しかしながら、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、これらの事象は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (10) 知的財産権について当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、厳正なルール運営の下、情報管理を行っておりますが、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。当社は、これまで、重要な知的財産の外部への流出や重大な知的財産に関する紛争が発生したことはございませんし、発生可能性や影響等を合理的に予測することは困難ですが、これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (11) 気候変動について気候変動による悪影響が益々増加し、パリ協定、SDGsに代表されるように世界共通の解決すべき社会課題として認識されています。化学品の製造では、気候変動の原因とされるGHG(温室効果ガス)を大量に排出します。また、気候変動に伴う物理的リスク及び低炭素社会への移行によるリスクは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、気候変動への対応を重要な課題として考えています。物理的リスクとして、台風、洪水等の極端な気象現象が深刻化する可能性があります。これにより、当社グループの生産拠点の生産能力低下、被害コスト増加を招く可能性があります。また、降雨量の変化により水リスクが高まる地域では渇水による水使用制限から生産拠点での生産活動低下を招く可能性があります。低炭素社会への移行リスクとして、炭素税、排出権取引制度のようなGHG排出規制が導入された場合、原燃料の価格が上昇し、それに伴い電力価格が上昇する可能性があります。これにより、当社グループの製造コストが増加し、収益低下をもたらす可能性があります。また、低炭素社会への移行の状況により、ステークホルダーからのGHG削減製品の要請が増加する可能性があります。その対応のため、研究開発費の増大、新規技術導入での設備費の増加によって、当社グループの収益が低下する可能性があります。以上のようなリスクの顕在化の可能性や影響等を合理的に見積もることは現時点では困難ではありますが、情報収集を継続しつつ、当社グループは、気候変動をリスクとしてだけではなく、機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題を緩和と適応の両面で解決することを目指して対応しています。当社は、グループとしてTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による提言に賛同しており、継続的に気候変動の影響の評価及びその情報開示に取り組んでいます。当社グループ主要事業のうち、気候変動の影響を受けやすい事業領域を選定し、TCFD最終報告書に示されている情報開示のフレームワークに基づき、移行リスク・物理的リスクおよび機会の洗い出しを行いました。今後、特に重要なリスク・機会を抽出し、環境変化を考慮した事業へのインパクトから事業への影響を継続的に検討していきます。 (12) プラスチック問題についてプラスチックは利便性と恩恵をもたらす素材であり、機能の高度化を通じて食品ロスの削減やエネルギー効率の改善等、社会課題の解決に貢献しています。その一方で、年間数百万トンを超えるプラスチック廃棄物がその不適正な処理により陸上から流出している海洋プラスチック問題は、予てより懸念されています。近年、パリ協定、SDGs等、ESG課題への注目を背景に急速に関心が高まり、世界中で問題解決に向けた動きが活発化しています。グローバルに各種の規制が検討され、バーゼル条約の改訂による廃棄プラスチックの国際間取引の規制強化や、国や企業によってはリサイクルプラスチックの利用促進や使い捨てプラスチック使用の自主規制、他素材への代替の検討が進展しています。特に欧州では、資源循環を追求する動きが加速しており、プラスチックにおいても、リサイクルし循環させる取り組みが、バリューチェーン企業全体で検討されています。現段階で、当社の経営成績に対する影響が顕在化する可能性や影響等を合理的に見積もることは困難ですが、これらの動きは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、プラスチックを巡る問題は化学産業が率先して取り組むべき重要な課題のひとつであると認識し、気候変動と共に、真摯に取り組むべき重要な社会課題と捉えています。この課題解決には、資源を消費して廃棄するという一方通行の経済から、資源を回収して再生・再利用する循環経済への転換が必須です。そのためには、気候変動対応とプラスチック問題を一体の課題として捉えることが重要であると考えています。上記リスクに対して、プラスチックに携わるバリューチェーン企業、業界団体等とともに「Alliance to End Plastic Waste」(グローバルなプラスチックのバリューチェーン企業が巨額の資金を拠出し参加する活動)、「海洋プラスチック問題対応協議会」、「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス」等に参画し、それら活動を通じた、イノベーションの促進、廃棄物管理のインフラ整備、教育・啓発活動、清掃活動などに積極的に関与することで、問題解決に取り組んでいます。また、リサイクル戦略とバイオマス戦略を柱とするプラスチック戦略を策定し、資源循環をビジネス機会として捉え推進しています。リサイクル原料の利用、自動車廃材から有用プラスチックへのケミカルリサイクル、プラスチックフィルムの再資源化等のリサイクル技術の開発、包装材料の単一素材化等のリサイクルを考慮した製品設計の提案といった幅広い可能性を検討しています。さらに、バイオポリプロピレン開発を開始する等、気候変動対応に資するバイオマスプラスチックの拡充を図り、資源循環促進に貢献していきます。当社グループは、これまで様々な社会課題を解決するプラスチック素材を提供してきたメーカーとして、今後も積極的にプラスチック問題に対応していきます。
FY2019|5,893 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 外部事業環境について当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入により供給過剰となることでの予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。また、法制度の変更による税負担の増加等のリスクが考えられます。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (2) 海外活動について(カントリーリスク)当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。これらの事象は、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (3) 法令の改変、規制の強化について当社グループでは、事業展開にあたり各種許認可や規制等、さまざまな法令の適用を受けております。そのため、当社グループでは「法令・ルール遵守が会社存続の大前提」であることを強く認識し、社内外の法令違反事例を取り入れた教育実施等の施策を進め、法令遵守に努めております。当社グループに関連する法令に関しては、大幅な変更や規制の強化、また、海外においては予期せぬ改変が行われるリスクが考えられます。これら法令の改変及び規制の強化は、当社グループの活動制限や法令遵守のためのコスト増大等、当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (4)各事業の経営成績における変動要因について当社グループは、主にモビリティ製品、ヘルスケア製品、フード&パッケージング製品、基盤素材製品等様々な製品を製造・販売しています。各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。①モビリティ部門モビリティ部門の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。 ②ヘルスケア部門ヘルスケア部門の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。 ③フード&パッケージング部門機能性フィルム・シートについては、基盤素材部門が扱うポリエチレンやポリプロピレン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、ナフサは中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。農薬については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。 ④基盤素材部門石化については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。 (5) 財務について当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (6) 固定資産の減損について 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (7) 有価証券の減損について 当社グループは、事業上の関係の強化・維持等のため、顧客及び金融機関を中心に時価のある有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落等により、減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (8) 繰延税金資産について 当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得の予測・仮定が変更され、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税制改正に伴い、税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (9) 退職給付関係について 当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職給付制度の変更等に伴う退職給付費用の変動は、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (10) 企業買収、資本提携及び事業再編について 当社グループは、事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における企業買収・資本提携等を実施しておりますが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーその他のメリットを獲得できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、事業再構築に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (11) 事故・災害について当社グループでは、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証取得を積極的に進め、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象は、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (12) 品質について当社グループでは、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めております。しかしながら、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。これらの事象は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (13) 環境について各種の化学物質を取り扱う当社グループでは、「環境との調和」を長期経営目標の一つとして掲げ、環境に関する各種法令や規制を遵守するとともに、GHG(温室効果ガス)の排出量削減や産業廃棄物埋立て量ミニマム化に取り組んでおります。しかしながら、環境に関するリスクとして、政府によるGHGの排出量削減目標を高める等の環境規制の更なる強化や環境保全に対する時流の変化による新たな法的あるいは社会的責任の発生、法整備以前の過去の行為に起因する環境汚染の発生等が考えられます。これらの事象により法令遵守や環境対策のために必要なコストの増加、ひいては、環境規制に係る規制値又は目標値の達成のため、生産規模の縮小を余儀なくされることも想定される等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (14) 知的財産権について当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、厳正なルール運営の下、情報管理を行っておりますが、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (15) 気候変動について気候変動による悪影響が益々増加し、パリ協定、SDGsに代表されるように世界共通の解決すべき社会課題として認識されています。化学品の製造では、気候変動の原因とされるGHG(温室効果ガス)を大量に排出します。また、気候変動に伴う物理的リスク及び低炭素社会への移行によるリスクは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、気候変動にどう対応していくかを重要な課題として考えています。物理的リスクとして、台風、洪水等の極端な気象現象が深刻化する可能性があります。これにより、当社グループの生産拠点の生産能力低下、被害コスト増加を招く可能性があります。また、降雨量の変化により水リスクが高まる地域では渇水による水使用制限から生産拠点での生産活動低下を招く可能性があります。低炭素社会への移行リスクとして、炭素税、排出権取引制度のようなGHG排出規制が導入された場合、原燃料の価格が上昇し、それに伴い電力価格が上昇する可能性があります。これにより、当社グループの製造コストが増加し、収益低下をもたらす可能性があります。また、低炭素社会への移行の状況により、ステークホルダーからのGHG削減製品の要請が増加する可能性があります。その対応のため、研究開発費の増大、新規技術導入での設備費の増加によって、当社グループの収益が低下する可能性があります。当社グループは、気候変動をリスクとしてだけではなく、機会としても捉え、事業活動を通じて気候変動に関する社会課題を解決してくことを目指します。また、気候変動に関連するリスク、機会及びその影響の評価に取り組んでいく姿勢を明確にするため、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)による提言に賛同しており、継続的に気候変動の影響の評価及びその情報開示に取り組んでいきます。 (16) 海洋プラスチック問題についてプラスチックは利便性と恩恵をもたらす素材であり、機能の高度化を通じて食品ロスの削減やエネルギー効率の改善等、社会課題の解決に貢献しています。その一方で、年間数百万トンを超えるプラスチック廃棄物がその不適正な処理により陸上から流出している海洋プラスチック問題は、予てより懸念されています。近年、パリ協定、SDGs等、ESG課題への注目を背景に急速に関心が高まり、世界中で問題解決に向けた動きが活発化しています。グローバルに各種の規制が検討され、国や企業によってはリサイクルプラスチックの利用促進や使い捨てプラスチック使用の自主規制、他素材への代替の検討が進展しています。特に欧州では、資源循環を追求する動きが加速しており、プラスチックにおいても、リサイクルし循環させる取り組みが、バリューチェーン企業全体で検討されています。これらの動きは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、プラスチックを巡る問題は化学産業が率先して取り組むべき重要な課題のひとつであると認識しています。上記リスクに対して、プラスチックに携わるバリューチェーン企業、業界団体等とともに「海洋プラスチック問題対応協議会」、「Alliance to End Plastic Waste」(グローバルなプラスチックのバリューチェーン企業が巨額の資金を拠出し参加する活動)等の活動に参画し、それら活動を通じた、廃棄物管理のインフラ整備、イノベーションの促進、教育・啓発活動、清掃活動などに積極的に関与することで、問題解決に取り組んでいます。また、資源循環に対してはビジネス機会としても捉えています。リサイクル原料の利用、自動車廃材から有用プラスチックへのケミカルリサイクル等のリサイクル技術の開発、包装材料の単一素材化等のリサイクルを考慮した製品設計の提案といった幅広い可能性を検討し、資源循環促進に貢献していきます。当社グループは、これまで様々な社会課題を解決するプラスチック素材を提供してきたメーカーとして、今後も積極的にプラスチック問題に対応していきます。
FY2018|4,403 文字
2【事業等のリスク】当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 外部事業環境について当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入により供給過剰となることでの予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。また、法制度の変更による税負担の増加等のリスクが考えられます。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (2) 海外活動について(カントリーリスク)当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。これらの事象は、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (3) 法令の改変、規制の強化について当社グループでは、事業展開にあたり各種許認可や規制等、さまざまな法令の適用を受けております。そのため、当社グループでは「法令・ルール遵守が会社存続の大前提」であることを強く認識し、社内外の法令違反事例を取り入れた教育実施等の施策を進め、法令遵守に努めております。当社グループに関連する法令に関しては、大幅な変更や規制の強化、また、海外においては予期せぬ改変が行われるリスクが考えられます。これら法令の改変及び規制の強化は、当社グループの活動制限や法令遵守のためのコスト増大等、当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (4)各事業の経営成績における変動要因について当社グループは、主にモビリティ製品、ヘルスケア製品、フード&パッケージング製品、基盤素材製品等様々な製品を製造・販売しています。各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。①モビリティ部門モビリティ部門の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。 ②ヘルスケア部門ヘルスケア部門の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。 ③フード&パッケージング部門機能性フィルム・シートについては、基盤素材部門が扱うポリエチレンやポリプロピレン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、ナフサは中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。農薬については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。 ④基盤素材部門石化については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。 (5) 財務について当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (6) 固定資産の減損について 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (7) 有価証券の減損について 当社グループは、事業上の関係の強化・維持等のため、顧客及び金融機関を中心に時価のある有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落等により、減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (8) 繰延税金資産について 当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得の予測・仮定が変更され、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税制改正に伴い、税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (9) 退職給付関係について 当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職給付制度の変更等に伴う退職給付費用の変動は、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (10) 企業買収、資本提携及び事業再編について 当社グループは、事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における企業買収・資本提携等を実施しておりますが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーその他のメリットを獲得できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、事業再構築に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (11) 事故・災害について当社グループでは、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証取得を積極的に進め、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象は、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。補足事項(当社大阪工場火災事故について)2018年6月21日に、当社大阪工場において、定期修理中の用役プラントで、補修工事中に火災事故が発生いたしました。現時点では、関係当局による調査中であり、今後、原因究明、再発防止策の立案・実行を経て、発災プラントの復旧作業に入ってまいります。なお、今回の火災事故の影響が、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、顧客への製品供給に対する支障となり、当社グループの社会的評価の低下を招く可能性があります。 (12) 品質について当社グループでは、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めております。しかしながら、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。これらの事象は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (13) 環境について各種の化学物質を取り扱う当社グループでは、「環境との調和」を長期経営目標の一つとして掲げ、環境に関する各種法令や規制を遵守するとともに、GHG(温室効果ガス)の排出量削減や産業廃棄物埋立て量ミニマム化に取り組んでおります。しかしながら、環境に関するリスクとして、政府によるGHGの排出量削減目標を高める等の環境規制の更なる強化や環境保全に対する時流の変化による新たな法的あるいは社会的責任の発生、法整備以前の過去の行為に起因する環境汚染の発生等が考えられます。これらの事象により法令遵守や環境対策のために必要なコストの増加、ひいては、環境規制に係る規制値又は目標値の達成のため、生産規模の縮小を余儀なくされることも想定される等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (14) 知的財産権について当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、厳正なルール運営の下、情報管理を行っておりますが、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
FY2017|4,177 文字
4【事業等のリスク】当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 外部事業環境について当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入により供給過剰となることでの予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。また、法制度の変更による税負担の増加等のリスクが考えられます。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (2) 海外活動について(カントリーリスク)当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。これらの事象は、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (3) 法令の改変、規制の強化について当社グループでは、事業展開にあたり各種許認可や規制等、さまざまな法令の適用を受けております。そのため、当社グループでは「法令・ルール遵守が会社存続の大前提」であることを強く認識し、社内外の法令違反事例を取り入れた教育実施等の施策を進め、法令遵守に努めております。当社グループに関連する法令に関しては、大幅な変更や規制の強化、また、海外においては予期せぬ改変が行われるリスクが考えられます。これら法令の改変及び規制の強化は、当社グループの活動制限や法令遵守のためのコスト増大等、当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (4)各事業の経営成績における変動要因について当社グループは、主にモビリティ製品、ヘルスケア製品、フード&パッケージング製品、基盤素材製品等様々な製品を製造・販売しています。各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。①モビリティ部門モビリティ部門の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。後述のとおり、ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。 ②ヘルスケア部門ヘルスケア部門の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。 ③フード&パッケージング部門機能性フィルム・シートについては、基盤素材部門が扱うポリエチレンやポリプロピレン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、後述のとおり、ナフサは中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。農薬については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。 ④基盤素材部門石化については、主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。基礎化学品については、競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。 (5) 財務について当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (6) 固定資産の減損について 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (7) 有価証券の減損について 当社グループは、事業上の関係の強化・維持等のため、顧客及び金融機関を中心に時価のある有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落等により、減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (8) 繰延税金資産について 当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得の予測・仮定が変更され、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税制改正に伴い、税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (9) 退職給付関係について 当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職給付制度の変更等に伴う退職給付費用の変動は、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (10) 企業買収、資本提携及び事業再編について 当社グループは、事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における企業買収・資本提携等を実施しておりますが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーその他のメリットを獲得できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、事業再構築に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (11) 事故・災害について当社グループでは、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証取得を積極的に進め、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象は、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (12) 品質について当社グループでは、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めております。しかしながら、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。これらの事象は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (13) 環境について各種の化学物質を取り扱う当社グループでは、「環境との調和」を長期経営目標の一つとして掲げ、環境に関する各種法令や規制を遵守するとともに、GHG(温室効果ガス)の排出量削減や産業廃棄物埋立て量ミニマム化に取り組んでおります。しかしながら、環境に関するリスクとして、政府によるGHGの排出量削減目標を高める等の環境規制の更なる強化や環境保全に対する時流の変化による新たな法的あるいは社会的責任の発生、法整備以前の過去の行為に起因する環境汚染の発生等が考えられます。これらの事象により法令遵守や環境対策のために必要なコストの増加、ひいては、環境規制に係る規制値又は目標値の達成のため、生産規模の縮小を余儀なくされることも想定される等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (14)知的財産権について当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、厳正なルール運営の下、情報管理を行っておりますが、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
FY2016|4,269 文字
4【事業等のリスク】当社グループでは、経営活動の脅威となる全ての事象(前兆、予兆)をリスクと認識し、そのリスク顕在化の未然防止及びリスク顕在化の最小化のための対策を講じるよう努めております。当社グループの将来の経営成績、財政状態に影響を与えうるリスクには、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。なお、これらの事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 外部事業環境について当社グループの事業は、顧客、市場、提携先の動向、競合他社の事業展開や法制度の変更といった外部環境の影響を受けるおそれがあります。これらの外部環境の影響により、当社グループの事業戦略の前提となった事実が変化した場合には、事業戦略が予定通り進まず、期待したとおりの効果を奏せず、又はそれらの変更を余儀なくされるリスクが考えられます。製品に関しては、市場における需要減退及び顧客の流出、競合他社の生産能力増強や安価な製品の流入により供給過剰となることでの予想を大幅に上回る販売数量の減少や市況下落、また、代替製品の出現といった要因により、収益が減少するリスクが考えられます。一方、当社グループの製品の生産に必要な原材料に関しては、急激な価格変動による収益の減少や、原材料メーカーの事故、倒産による供給停止の影響で生産活動に支障が生じるリスクが考えられます。また、法制度の変更による税負担の増加等のリスクが考えられます。これらの事象は、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (2) 海外活動について(カントリーリスク)当社グループでは、製品の輸出及び海外における現地生産等、幅広く海外活動を展開しております。この海外展開に関するリスクとして、海外における人材確保の困難さ、政治・経済情勢の悪化、輸入・外資の規制、治安の悪化、労働争議、テロ・戦争の発生等が考えられます。これらの事象は、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (3) 法令の改変、規制の強化について当社グループでは、事業展開にあたり各種許認可や規制等、さまざまな法令の適用を受けております。そのため、当社グループでは「法令・ルール遵守が会社存続の大前提」であることを強く認識し、社内外の法令違反事例を取り入れた教育実施等の施策を進め、法令遵守に努めております。当社グループに関連する法令に関しては、大幅な変更や規制の強化、また、海外においては予期せぬ改変が行われるリスクが考えられます。これら法令の改変及び規制の強化は、当社グループの活動制限や法令遵守のためのコスト増大等、当社グループの事業活動に支障をきたし、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (4)各事業の経営成績における変動要因について当社グループは、主にヘルスケア製品、機能樹脂製品、ウレタン製品、基礎化学製品、石化製品、フード&パッケージング製品等様々な製品を製造・販売しています。各主要事業において想定されるリスクとしては以下のようなものがあります。①ヘルスケア部門ヘルスケア部門の製品は、競合他社の事業展開による価格競争で業績が影響を受ける可能性があります。 ②機能樹脂部門機能樹脂部門の製品は、エチレン、プロピレン等のナフサ誘導品を主原料としています。後述のとおり、ナフサが中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に上昇した場合、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が一時的に遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。 ③ウレタン部門ウレタン部門の製品は、競合他社の新増設を起因とした一時的な供給過剰により、市況の急落等が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。 ④基礎化学品部門基礎化学品部門の製品は競合他社が多く市況変動の影響を受け易いため、供給過剰等により市況の急落が発生した場合、業績が影響を受ける可能性があります。 ⑤石化部門 石化部門製品の主原料であるナフサは、中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給量や供給価格が急激に変動する可能性があります。ナフサ価格の急激な上昇・下落があった場合、製品価格への転嫁遅れや、在庫評価損が発生すること等により業績が影響を受ける可能性があります。 ⑥フード&パッケージング部門 機能性フィルム・シートについては、石化部門が扱うポリエチレンやポリプロピレン等ナフサ誘導品を主原料としていますが、前述のとおり、ナフサは中東地域の情勢やその他世界の経済情勢の影響により、供給価格が急激に変動する可能性があるため、原料価格上昇分の製品価格への転嫁が遅れること等により業績が影響を受ける可能性があります。農薬については、世界各地域の天候、害虫の発生状況に加え、新製品開発にかかる開発・登録に必要な試験費用の変動等により業績が影響を受ける可能性があります。 (5) 財務について当社グループの財務に関するリスクとして、経済情勢悪化に伴う取引先信用不安の増大、為替の急激な変動による為替差損の発生、資金調達に際しての金利上昇や金融機関の貸し渋り等が考えられます。これらの事象は、当社グループの財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (6) 固定資産の減損について 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (7) 有価証券の減損について 当社グループは、事業上の関係の強化・維持等のため、顧客及び金融機関を中心に時価のある有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の大幅な市場価格の下落等により、減損が発生し、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (8) 繰延税金資産について 当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得の予測・仮定が変更され、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、税制改正に伴い、税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (9) 退職給付関係について 当社グループの従業員及び元従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回り等に基づき算出されます。年金資産の時価の下落、金利環境の変動、退職給付制度の変更等に伴う退職給付費用の変動は、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (10) 企業買収、資本提携及び事業再編について 当社グループは、事業ポートフォリオの変革を目指した国内外における企業買収・資本提携等を実施しておりますが、当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業の環境等により、当初期待した成長シナジーその他のメリットを獲得できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 また、事業再構築に伴い、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (11) 事故・災害について当社グループでは、工場における生産活動に関し、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSAS18001)の認証取得を積極的に進め、安全確保に努めております。また、首都圏における大規模地震が発生し、本社機能が麻痺した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画を策定しております。しかしながら、不測の大規模地震や台風等の自然災害による生産設備への被害、工場における事故、製品輸送・外部倉庫保管中の事故等、不測の事態が発生するリスクが考えられます。これらの事象は、工場の操業や顧客への供給に支障が生じることで当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (12) 品質について当社グループでは、各工場で品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証取得を積極的に進め、品質保証体制の確立に努めております。しかしながら、製品の予期せぬ品質欠陥発生や製造物責任訴訟の提起といったリスクが考えられます。当社グループの製品は最終消費財の原料として使用されるものが多く、品質欠陥により顧客における大規模なリコールに発展した場合は甚大な損害につながることが想定されます。これらの事象は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあり、さらには社会的評価の低下を招く可能性があります。 (13) 環境について各種の化学物質を取り扱う当社グループでは、「環境との調和」を長期経営目標の一つとして掲げ、環境に関する各種法令や規制を遵守するとともに、GHG(温室効果ガス)の排出量削減や産業廃棄物埋立て量ミニマム化に取り組んでおります。しかしながら、環境に関するリスクとして、政府によるGHGの排出量削減目標を高める等の環境規制の更なる強化や環境保全に対する時流の変化による新たな法的あるいは社会的責任の発生、法整備以前の過去の行為に起因する環境汚染の発生等が考えられます。これらの事象により法令遵守や環境対策のために必要なコストの増加、ひいては、環境規制に係る規制値又は目標値の達成のため、生産規模の縮小を余儀なくされることも想定される等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。 (14)知的財産権について当社グループは、独自の技術・ノウハウを多く有しており、厳正なルール運営の下、情報管理を行っておりますが、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があります。また、将来、知的財産に関する紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性もあります。これらの事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。