研究開発活動(本文)
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FY2025|4,972 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度の研究開発活動につきましては、各事業グループの開発センターは、主要グループ会社と連携し技術や商品の開発を推進いたしました。また、グループテクノロジーセンターを廃止し、グループ全体の新事業創出に資する技術開発、製品開発を加速するために、技術戦略部門として、社長直下に技術戦略部、知財戦略部、ガス技術開発センターを設置いたしました。 加えて、オープンイノベーションの取り組みをさらに進めるために、2024年12月に、北海道札幌市に「エア・ウォーターの森」を、また、2025年1月に、神奈川県平塚市に半導体・電池・機能材料開発の中核拠点となる新研究棟「湘南イノベーションラボ」をそれぞれオープンいたしました。 「エア・ウォーターの森」では、北海道の豊富な資源を活用し、大学、研究機関、自治体、企業などと連携し、新たなアイデアや事業を創出することで、地域課題解決に貢献することを目指しております。「湘南イノベーションラボ」では、半導体・電池材料に関わる知見・技術のシナジーを最大化し、新製品開発を加速してまいります。 エア・ウォーターグループの全事業の基盤であるガス関連技術と事業グループのコア技術を磨きながら、これまで以上に事業部門との密接な関係を構築し、様々な分野での社会課題の解決のため、応用展開を図ってまいります。また、オープンイノベーションによる積極的な技術開発により、事業の継続的な成長と社会に貢献できる新事業成果の結実に取り組んでまいります。 事業グループごとの研究開発活動につきましては、次のとおりであります。 (デジタル&インダストリー)デジタル化の急速な進展に伴い、データセンターの処理能力やデータ通信速度の更なる高速化に対応できる材料のニーズが高まっております。また、脱炭素社会の実現に向け、電気自動車の航続距離の伸長や急速充電に対応できる材料が求められております。これらに対応するため、半導体や二次電池などのエレクトロニクス分野における幅広い領域を中心として、エア・ウォーターグループ内外の技術シナジー発現による差別化商品創出に注力しつつ、新たな材料開発を推進しております。 ・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱においては、高機能を有する電子材料や食品機能材料の開発に注力しております。また、かねてより湘南工場の敷地内に建設を進めていた「湘南イノベーションラボ」が2025年1月に開所し、開発拠点の集約ならびに技術の集中・高度化による開発速度の向上を図ってまいります。 ・脱炭素社会でますます重要となる蓄電デバイスについては、リチウムイオン電池高性能化のための電解液添加剤の開発の他、リチウムイオン電池及びナトリウムイオン電池でも寿命・容量を向上させる負極用真球状ハードカーボンの材料開発を推進しており、大学との共同研究も継続して実施しております。 ・脱炭素社会の実現に向け、低濃度CO2回収・利活用に関する技術を推進しております。エア・ウォーターグループは、CO2の回収・精製・液化・輸送・利用一連の技術の深耕と同時に大学との共同研究により、新規の低濃度CO2回収技術の研究開発を行っております。様々な需要に対応した適切な回収・利活用技術を提供するために、今後も継続的に技術開発を行ってまいります。 ・㈱FILWELでは、ハードディスクドライブ、シリコンウエハなどの精密研磨に使用されるパッド材の技術を有しております。SiCバルク基板用の研磨パッドを上市し、顧客各社より高評価を受けており、更なる性能向上に向け技術開発を進めております。また、次なるターゲットとなるデバイスCMP向け研磨パッドの技術開発も進めております。 ・陸上養殖事業では、「地球の恵みファーム・松本」にて、完全閉鎖型プラント開発に必要な要素技術である脱炭酸装置について、酸素供給機能と脱炭酸機能を一体化したモジュール式システムの開発を進めております。モジュール構造を採用することで、現場条件に応じた柔軟な構成変更や機能拡張が可能となり、運用の効率化と設備の汎用性向上の両立を目指しております。また、「杜のサーモンプラント」にて、中小規模の陸上養殖プラントの事業性向上のため、天然でしか漁獲できないサクラマスの発眼卵からの陸上養殖による量産化にむけた飼育技術の開発を進めております。 (エネルギーソリューション)2030年までに2013年と比べてCO2を46%削減するという政府方針の実現に向けて、カーボンニュートラルエネルギー関連技術について、産・官・学との連携を通じて、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。 ・2022年に発表した小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」の商用機を開発し、販売を開始いたしました。「ReCO2 STATION」の技術を応用し、「グリーンイノベーション基金(以下、GI基金)事業/廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現」にて、カナデビア株式会社が受託した「CO2高濃度化廃棄物燃焼技術の開発」の再委託を受け、焼却炉排ガスからCO2を分離回収するシステムを開発しております。また、CO2回収に係るエネルギーの省力化を目的とし、「GI基金事業/CO2の分離回収等技術開発プロジェクト」において、「Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発」を推進しており、大阪・関西万博において実証展示を行っております。 ・家畜糞尿などに由来するバイオガスを活用した新たなバイオエネルギーサプライチェーンの構築に取り組んでおります。バイオガスを用いて液化バイオメタン(LBM)に加工することでLNGの代替燃料として活用する実証を完了し、2024年5月よりバイオメタンの商用販売を開始しております。さらに、バイオメタンの原料となるバイオガスを製造するためのバイオガスプラントについても、中小規模の酪農家をターゲットとしたユニット型バイオガスプラントの開発に着手し、2025年度中の上市を目指しております。ユニット型バイオガスプラントは、現地工事を最小化することで従来よりもイニシャルコストを低減させるとともに、ユニット型とすることで、発酵槽の増設、移設が可能なサスティナブルプラントをコンセプトとしております。今後も自治体や企業とのさらなる連携を通じて、環境負荷の少ない地産地消エネルギー社会の実現に貢献してまいります。 ・NEDO脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業として、「バイオエネルギーローカルサプライチェーンを実現するための未利用資源からのバイオメタン製造システム実証研究(インド)」を進めております。インドに適したユニット型バイオガスプラントを開発し、インドでのバイオメタン事業化に向けて、取組みを推進してまいります。 (ヘルス&セーフティー)医療事業において、医科向けや歯科向けの病院内機器製品やサービスの開発ならびにOEM事業を推進してまいります。今後はウェルネス分野へと拡大してまいりますが、医療事業は軸であり中心と考えております。 ・医療事業では、慶應義塾大学発GI型POF(屈折率分布型プラスチック光ファイバー)技術を応用し極細内視鏡の開発を推進しております。また、慶應義塾大学、東京医療センター、北陸先端科学技術大学院大学のそれぞれと共同研究を同時並行で進めており、製品化としては2026年に上市を計画しております。極細硬性内視鏡の使用により、患者の負担が大きく軽減され、また医療プロセスを大きく変える可能性があり国内の課題である医療費についても適正にすることが可能になります。 ・アエラスバイオ㈱(現エア・ウォーター・アエラスバイオ㈱)では、祖業であるガス技術を歯髄幹細胞の培養・保管技術に応用することで、臨床向けの細胞の提供を行っております。同社が提携するRD歯科クリニックではその細胞を用いて世界で初めて歯髄再生治療を実用化いたしました。2025年2月には、RD歯科クリニックが、他人の歯髄幹細胞を用いた歯髄再生治療(他家臨床研究)に着手しており、同治療の普及が期待されます。今後は歯髄幹細胞の用途拡大のため、神経変性疾患治療への適用に向けた細胞培養技術の研究開発に取り組み、不要歯から歯髄幹細胞を取り出し、将来の疾患に備える「アエラスバイオ歯髄幹細胞バンク」を実現してまいります。 ・エア・ウォーター・リアライズ㈱では、エアゾール事業、化粧品事業、注射針事業を展開しております。高付加価値製品の開発、産学連携による新技術と新素材の開発、顧客・消費者のニーズを先取りする提案型開発研究にて事業の拡大を目指しております。化粧品の開発においては、付加価値研究の成果として国際化粧品技術者(IFSCC)カンヌ大会(2025年9月開催)での発表が決定し、特許出願と併せ、高い技術力発信による企業価値の向上に努めております。 (アグリ&フーズ)農作物の栽培・加工・保存技術や食品・飲料の品質向上、分析・機能性及び新技術・商品開発の推進により、食料問題対策とともに健康社会の実現に向けた取り組みを進めております。 ・農業従事者の減少や異常気象など、食糧問題への対策をするべくスマート農業の研究開発を東京大学生産技術研究所と推進しており、収穫から加工まで合理的に自社管理できる仕組み構築を進め、食品ロスの低減を目指しております。さらに、ドローンセンシング技術を活用して畑のモニタリングをするだけでなく、畑から生じている食品ロスの定量化・可視化することで、ロス低減に向けた様々なアプローチを検討し、日本の食糧生産力向上に貢献してまいります。また、室蘭工業大学とは鮮度保持と連携した分析技術を活用し、地域ブロックチェーンへの導入の試みを引き続き行っております。 ・農作物における食品ロスのもうひとつの大きな課題である、鮮度保持技術への取り組みを、北海道大学、東京大学、その他協業する他社などと共同で推進しております。老化ホルモンであるエチレンガスに着目し、この制御によって流通・販売・加工における農作物の品質・鮮度の維持を目指しております。実証試験と基礎試験の実行により、プラチナ触媒のエチレンガス制御効果と実用性を確認いたしました。同時に、カビの抑制に関する基礎試験を実施し、独自手法による低減試験に成功いたしました。品質及び歩留向上実現に向け、エチレンガス制御とカビ抑制技術を応用し独自に組合せた開発中の試験機を開発中であります。 ・農産自社資源の活用・分析による機能性研究において、食と健康の付加価値向上に取り組んでおります。小林再生研究所及び北里大学との協働により、みかんの皮を利用した老犬の挙動改善に関する論文をMetabolitesに掲載し当社技術の有用性を発表いたしました。今後は、廃棄されるみかんの皮及び摘果品を活用するスキーム検討段階に入り事業貢献を目指しております。 (その他の事業)・㈱日本海水では、「海水資源の活用」をキーワードに、産学官との技術連携を積極的に進めることで、新たなビジネスを創出するとともに、SDGs実現に向けた研究開発を行っております。NEDOの研究開発助成事業に採択された「海水を用いたCO2鉱物化法の開発」については、発電所や工場などから排出されるCO2の固定化、資源化を検討し、CO2削減のための社会実装に向けた研究開発段階へと進んでおります。また、2050年にむけたカーボンニュートラル宣言、脱炭素化の流れの中、現在は、主に排煙脱硫剤として使用されている水酸化マグネシウム製品の需要減に対応するため、水酸化マグネシウム製品を原料とした新たな事業へと展開を図るべく、産学官協働でマグネシウム関連製品の開発を進めております。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は4,991百万円であり、デジタル&インダストリーが2,141百万円、エネルギーソリューションが269百万円、ヘルス&セーフティーが1,375百万円、アグリ&フーズが716百万円、その他の事業が489百万円であります。
FY2024|4,310 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度の研究開発活動につきましては、エア・ウォーターグループの技術の源泉であるガス関連技術のさらなる深化を図るため、グループ横断基幹開発センターとして、グループテクノロジーセンター内に「ガス技術開発センター」 を新設しました。また、事業グループごとに開発センターを設置し、技術開発リソースを集約するとともに、開発から事業化までの一貫体制を構築しました。 さらに、2023年9月には、「ウェルネス(健やかな暮らし)」に関わる新事業の創造、開発、発信するための拠点として、新しいオープンイノベーション施設である、エア・ウォーター健都を開業いたしました。地域と“つながる”ことで産官学民連携によるオープンイノベーションを推進し、体験・実証を通じた「健やかで楽しい暮らし」に関わる新事業の創造により、人生100年時代の社会に貢献していきます。 エア・ウォーターグループの全事業の基盤である、ガス関連技術のさらなる深化と、これまでに培ったそれぞれの事業グループのコア技術をさらに磨くことで様々な分野へ応用展開を図っていきます。また、オープンイノベーションによる積極的な技術開発により、今まで以上に事業の継続的な成長と社会に貢献できる新事業成果の結実に取り組んでまいります。 事業グループごとの研究開発活動につきましては、次のとおりであります。 (デジタル&インダストリー)デジタル化の急速な進展に伴い、データセンターの処理能力やデータ通信速度の更なる高速化に対応できる材料のニーズが高まっております。また、脱炭素社会の実現に向け、電気自動車の航続距離の伸長や急速充電に対応できる材料が求められております。これに対応するため、半導体や二次電池などのエレクトロニクス分野における幅広い領域を中心として、エア・ウォーターグループ内及び外の技術シナジー発現による差別化商品創出に注力しつつ、新たな材料開発を推進しております。 ・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱においては、高機能を有する電子材料や食品機能材料の開発に注力しております。また、分散している開発拠点を集約し、技術の集中・高度化を図るため、新研究棟の建設を進めており、2025年2月に竣工する予定であります。 ・脱炭素社会でますます重要となる蓄電デバイスについては、リチウムイオン電池高性能化のための電解液添加剤の開発の他、リチウムイオン電池及びナトリウムイオン電池でも寿命・容量を向上させる負極用真球状ハードカーボンの材料開発を推進しており、大学との共同研究もスタートしました。 ・脱炭素社会の実現に向け、従来とは異なるCO2回収技術の開発を大学との共同研究にてスタートしており、2030年度の社会実装に向け、開発を推進しております。 ・㈱FILWELでは、ハードディスクドライブ、シリコンウエハなどの精密研磨に使用されるパッド材の技術を有しております。現在はSiCパワーデバイスの需要拡大に伴い、SiCバルク基板用の研磨パッドの技術開発に注力しております。 (エネルギーソリューション)2030年までに2013年と比べてCO2を46%削減するという政府方針の実現に向けて、カーボンニュートラルエネルギー関連技術について、産・官・学との連携を通じて、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。 ・当社では、NEDO水素社会構築技術開発事業として「北海道豊富町未利用天然ガスを活用した地域CO2フリー水素サプライチェーンの構築」に向けた取組みを推進しております。本実証事業では、豊富町で自噴する天然ガスを用いて、メタン直接改質(DMR)法によりCO2を直接排出することなく高純度水素及びカーボンナノチューブを製造します。製造した水素は近隣の需要家へ供給し、地産地消型水素サプライチェーンの構築を進めてまいります。2024年5月に建屋の建設に着工し、国内初となるDMR法を用いた商用規模での水素製造を目指しております。 ・2022年に発表した小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」の商用化設計を進め、実装に向けた準備を進めております。また、CO2回収の省エネ化を目的とし、NEDOグリーンイノベーション基金事業において、「Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発」を推進しております。2025年には大阪・関西万博において実証を行う予定であります。 ・地産地消エネルギーによる資源循環モデルの開発施設「地球の恵みファーム・松本」の建設を進めております。地球の恵みファーム・松本は「バイオマスガス化発電」「メタン発酵発電」「スマート陸上養殖プラント」「スマート農業ハウス」の4施設で構成されており、「メタン発酵発電」を除く3施設について稼働を開始しました。地域で発生する未利用バイオマス資源を有効活用してエネルギー生産を行うとともに、発生する熱やCO2を養殖設備や農業に利用します。未利用資源からエネルギーを獲得し、排出される廃棄物を最小化することで、エネルギーの地産地消と資源循環モデルを実現します。 ・家畜糞尿などに由来するバイオガスを活用した新たなバイオエネルギーサプライチェーンの構築に取り組んでおります。環境省が推進する「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の優先テーマとして、バイオガスを用いて液化バイオメタン(LBM)に加工することでLNGの代替燃料として活用する実証を完了し、2024年5月よりバイオメタンの商用販売を開始しております。今後、自治体や企業とのさらなる連携を通じて、環境負荷の少ない地産地消エネルギー社会の実現に貢献してまいります。 (ヘルス&セーフティー)医療事業において、医科向けや歯科向けの病院内機器製品やサービスの開発ならびにOEM事業を推進していきます。 ・ヘルスケア開発センターでは、医療事業を軸に医科向け、歯科向けの開発に取り組んでいきます。今後は、「光センサー技術」・「音解析技術」・「映像解析技術」のコアコンピタンスを活かして医療事業のみならず、美容・審美歯科領域にもビジネスを拡大し開発を推進していきます。 ・在宅医療、遠隔診療用途として肺の呼吸音を可視化および解析が出来る電子聴診器システムおよびそれを利用するIoTプラットフォームの開発をしております。音により、いち早く病態変化に気づけるよう病院内または在宅で使用出来る機器・サービスの開発を目指しております。 ・慶應義塾大学発GI型POF(屈折率分布型プラスチック光ファイバー)技術を応用し極細内視鏡の開発を推進しております。極細硬性内視鏡の使用により、患者の関節内を低侵襲で手術前後に直接観察でき、迅速かつ正確な病状把握や、手術後の経過観察を効率よく行うことが可能になります。これにより、外来や在宅での検査・治療が可能となり、患者の肉体的負担、医療現場の負担が大幅に軽減されます。 ・エア・ウォーター・メディカル㈱では、既存主製品の酸素濃縮器の開発に加えて、新たにOEM事業を展開しております。血液透析治療向けに、ヘルスケア開発センターで開発した電子聴診器システム技術を展開し血流音を可視化するHVSIモニターの製品化を行い2024年5月より製造、販売しております。これにより、医療従事者の主観評価を数値化し定量的に判断出来るようになり医療現場の負担が軽減されます。 ・エア・ウォーター・リアライズ㈱では、エアゾール事業、化粧品事業、注射針事業を展開しております。高付加価値製品の開発、産学連携による新技術と新素材の開発、顧客・消費者のニーズを先取りする提案型開発研究にて事業の拡大を目指しております。 (アグリ&フーズ)農作物の栽培・加工・保存技術や食品・飲料の品質向上、分析・機能性及び新技術・商品開発を推進しております。 ・農業従事者の減少と食糧問題への取組であるスマート農業開発において、2020年12月より実施している東京大学との共同研究では、主力品のひとつであるブロッコリーの収穫適期予測プログラムを開発いたしました。また、観察技術とデータ技術を応用して肥料使用適切化の開発にも着手し、生産性・品質向上の両立を目指しております。農産物の鮮度保持技術においては、エチレンガスの制御に着目し、北海道大学の保持技術であるプラチナ触媒を利用して当社の流通・販売・加工の改善を目指して実証試験を行っております。また、室蘭工業大学とは鮮度保持と連携した分析技術を活用し、地域ブロックチェーンへの導入の試みを行っております。 ・当社事業の強みをさらに高めるため、農産自社資源の活用・分析による機能性研究によって付加価値を与え市場参入を目指しております。鮮度保持技術と連携し、品質の向上とともに、食と健康への取組を活性化しております。 ・当社が資本業務提携している㈱ベジテック、デリカフーズ㈱との研究分科会を発足し、事業上で重要な農産品の保存性向上の取組を進めております。事業や実情に応じた、生きた研究活動が始まりました。栽培・食品・飲料・分析の各分野での研究により、かぼちゃ収穫機・生ハム新製法の確立・食品成分の一斉分析法(332成分)、植物性発酵飲料・農作物栄養成分の迅速分析法を開発しました。バリューチェーン全体の技術力向上と、品質向上・新商品開発の取組を進めて参ります。 (その他の事業)・㈱日本海水では,SDGs実現に向けた研究開発を行っております。NEDOの研究開発委託事業に採択された「海水を用いたCO2鉱物化法の開発(ブルーカーボンリサイクル技術の開発)」について,発電所や工場などから排出されるCO2の固定化,資源化に向けた新技術開発と実用化を進めております。また,これまでに培ってきたヒ素・フッ素などの水処理用吸着剤の製造技術を応用し,南米の塩湖からバッテリーなどに用いられるリチウム回収に向けたリチウム吸着用樹脂の造粒技術の開発に着手しました。「海水資源の活用」をキーワードに,産学官との技術連携による研究開発を積極的に進めることで,新たなビジネスを創出するとともに、SDGs実現にも貢献していきます。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は6,172百万円であり、デジタル&インダストリーが1,964百万円、エネルギーソリューションが874百万円、ヘルス&セーフティーが1,662百万円、アグリ&フーズが1,106百万円、その他の事業が565百万円であります。
FY2023|3,857 文字
6 【研究開発活動】当連結会計年度の研究開発活動につきましては、グループテクノロジーセンターを設置し、グループに点在する幅広い領域に跨る技術を横串で管理し、擦合せ統合による新たな価値の創出に取り組んでまいりました。事業成長に向けた投資効率の最大化を目指し、「地域と密着し、脱炭素社会の実現に貢献する環境システム事業領域」、「行政と連携し、社会課題を解決するウェルネス事業領域」を2つの柱として研究開発戦略を策定しております。さらに、当連結会計年度に、グループの多様な事業領域と世界的な社会課題を踏まえ、「地球環境」と「ウェルネス」の2つの成長軸に沿ってグループの事業群を「デジタル&インダストリー」、「エネルギーソリューション」、「ヘルス&セーフティ」、「アグリ&フーズ」の4つの事業グループに再編しました。これまでに培ったそれぞれの事業グループのコア技術を日々進化させると共に、様々な分野へ応用展開すること、オープンイノベーションによる積極的な技術導入を行うことで、事業の継続的な成長と社会に貢献できる成果の結実に取り組んでまいります。事業グループごとの研究開発活動につきましては、次のとおりであります。 (デジタル&インダストリー)基幹事業である産業ガス事業においては、ガス製造プロセスの高度化とコスト削減、ガスを利用するアプリケーション開発について、成果を積み上げております。 ・デジタル化の急速な進展に伴い、データセンターの処理能力やデータ通信速度の更なる高速化に対応できる材料のニーズが高まっています。また脱炭素社会の実現に向け、電気自動車の航続距離の伸長や急速充電に対応できる材料が求められています。これに対応するため、半導体や二次電池などのエレクトロニクス分野における幅広い領域を中心として、エア・ウォーターグループ内の技術シナジー発現による差別化商品創出に注力しつつ、新たな材料開発を推進しております。 ・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル㈱においては、高機能を有する電子材料や食品機能材料の開発に注力しております。また分散している開発拠点を集約し、技術の集中・高度化を図るため、新研究棟の建設を2024年完成目途に推進しております。 ・脱炭素社会でますます重要となる蓄電デバイスについては、リチウムイオン電池高性能化のための電解液添加剤の開発の他、リチウムイオン電池及びナトリウムイオン電池でも寿命・容量を向上させる負極用真球状ハードカーボンの材料開発を推進しております。 ・パッケージ基板分野では、低誘電特性に優れ5G関連機器用途での採用が期待される材料開発を進めています。ポリイミドに対しても低誘電性改質ポリイミド用の原料を開発し、海外を含め顧客へ提案し、評価を継続しております。 ・FILWEL㈱では、ハードディスクドライブ、シリコンウエハなどの精密研磨に使用されるパッド材において、樹脂技術・プロセス技術の高度化及び開発期間短縮のため、MI(マテリアルインフォマティクス)も導入し、顧客の研磨精度向上に対する恒常的な要望にお応えしております。 (エネルギーソリューション)2030年までに2013年と比べてCO2を46%削減するという政府方針の実現に向けて、カーボンニュートラルエネルギー関連技術について、産・官・学との連携を通じて、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。 ・世界最高水準の効率で、都市ガスから水素ガスを発生させる次世代型水素ガス発生装置「VHR」を開発、現在までに5機の運用を開始しております。さらに副生ガスとして排出されるCO2の回収・利活用技術の開発も推進しており、今後も鉄鋼・半導体などの底堅い水素需要に対して環境負荷の低いクリーンな水素の拡販を推進してまいります。 ・2030年までに2013年と比べて46%削減、2050年までにCO2排出量実質ゼロにするという政府方針に沿って設定した当社グループ目標に沿い、CO2回収・利活用技術の開発に取り組んでおります。当社がこれまで培ってきたガス分離技術ならびにガスアプリケーションを起点に、小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」を開発し、第31回地球環境大賞において「環境大臣賞」を受賞しました。さらに、産・官・学と連携した取組みとして、NEDOグリーンイノベーション基金事業において、「Na-Fe系酸化物による革新的CO2分離回収技術の開発」を推進しております。 ・地産地消エネルギーによる資源循環モデルの開発施設「地球の恵みファーム・松本」の建設に着手し、実証に向けた取組みを推進しております。地球の恵みファーム・松本は「バイオマスガス化発電」「メタン発酵発電」「スマート陸上養殖プラント」「スマート農業ハウス」の4施設で構成されています。地域で発生する未利用バイオマス資源を有効活用して発電を行うとともに、発電時に発生する熱やCO2を養殖設備や農業に利用します。未利用資源からエネルギーを獲得し、排出される廃棄物を最小化することで、エネルギーの地産地消と資源循環モデルを実現します。 ・家畜糞尿などに由来するバイオガスを活用した新たなバイオエネルギーサプライチェーンの構築に取り組んでおります。環境省が推進する「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の優先テーマとして、バイオガスを用いて液化バイオメタン(LBM)に加工することでLNGの代替燃料として活用する実証を開始しております。さらに、バイオメタンのコストダウンにつながる技術開発も実施しており、自治体や企業との連携を通じて、環境負荷の少ない地産地消エネルギー社会の実現に貢献してまいります。 (ヘルス&セーフティー)医療事業において、病院内機器製品やサービスの開発、在宅医療向け機器製品サービスの開発を推進していきます。 ・既存事業である、在宅酸素療法の酸素濃縮器事業を軸に在宅医療、遠隔診療用途として肺の呼吸音を可視化および解析が出来る電子聴診器システムを開発しております。これまで主観評価だった呼吸音に対して定量化や可視化・解析が出来るようになり、いち早く病態変化に気づけるよう病院内または在宅で使用出来る機器・サービスを目指してまいります。 ・慶應義塾大学発GI型POF(屈折率分布型プラスチック光ファイバー)技術を応用し極細内視鏡の開発を推進しております。極細硬性内視鏡の使用により、患者の関節内を低侵襲で手術前後に直接観察でき、手術後の経過観察を効率よく行うことが可能になり、患者の肉体的負担、医療現場の負担が大幅に軽減されます。 ・エアゾール分野については、企画提案、高付加価値戦略の基、顧客・消費者のニーズを先取りする提案型開発研究にて事業の拡大を目指しております。また、衛生用品、家庭用品、塗料、工業・自動車用品など幅広い業界に対し、顧客のニーズに対応した開発研究を実践しております。 (アグリ&フーズ)農作物の栽培・加工・保存技術や食品・飲料の品質向上、分析・機能性及び新技術・商品開発を推進しております。 ・農業従事者の減少と食糧問題への取組であるスマート農業開発において、2020年12月より実施している東京大学との共同研究では主力品のひとつであるブロッコリーの収穫機時期予測プログラムを開発しました。また観察技術とデータ技術を応用して肥料使用適切化の開発にも着手し、生産性・品質向上の両立を目指しております。 ・コロナウイルスにより免疫や健康に対する消費者意識が加速的に高まったことから、発酵技術の開発を開始しました。当社事業の強みをさらに高めるため、農産自社資源の活用・分析による機能性研究によって付加価値を与え市場参入を目指しております。北海道大学との共同研究である食肉製品分野において発酵技術による添加物削減技術を開発しました。微生物利用による農業・食品・分析新技術開発と実用化を進めております。 ・栽培・食品・飲料・分析の各分野での研究により、かぼちゃ収穫機・生ハム新製法の確立・食品成分の一斉分析法(332成分)、植物性発酵飲料・農作物栄養成分の迅速分析法を開発しました。バリューチェーン全体の技術力向上と、品質向上・新商品開発の取組を進めて参ります。 (その他の事業)・日本海水㈱では、「海が由来」をキーワードに海水から製塩を行う塩事業を柱として、多角化により様々な技術開発・事業展開を行っております。NEDOの研究開発委託事業に採択された「海水を用いたCO2鉱物化法の開発(ブルーカーボンリサイクル技術の開発)」について、産学官協働で発電所や工場などから排出されるCO2の固定化、資源化に向けた新技術開発と実用化を進めております。また、2050年に向けたカーボンニュートラル宣言,脱炭素化の流れの中,主に排煙脱硫剤として使用されている水酸化マグネシウムスラリーの需要減に対応するため、水酸化マグネシウムスラリーを起点とした新たな事業への展開を図るべく、産学官協働でマグネシウム関連製品の開発を進めております。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は5,451百万円であり、デジタル&インダストリーが1,461百万円、エネルギーソリューションが742百万円、ヘルス&セーフティーが2,021百万円、アグリ&フーズが412百万円、その他の事業が813百万円であります。
FY2022|4,027 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度の研究開発活動につきましては、2021年10月にグループテクノロジーセンターを設置し、グループに点在する幅広い領域に跨る技術を横串で管理し、擦合せ統合による新たな価値の創出に取り組んでまいりました。事業成長に向けた投資効率の最大化を目指し、「地域と密着し、脱炭素社会の実現に貢献する環境システム事業領域」、「行政と連携し、社会課題を解決するウェルネス事業領域」を2つの柱として研究開発戦略を策定しております。これまでに培ったコア技術を日々進化させると共に、様々な分野へ応用展開すること、オープンイノベーションによる積極的な技術導入を行うことで、事業の継続的な成長と社会に貢献できる成果の結実に取り組んでまいります。 セグメントごとの研究開発活動について、以下に示します。 (産業ガス関連事業)基幹事業である産業ガス事業においては、ガス製造プロセスの高度化とコスト削減、ガスを利用するアプリケーション開発について、成果を積み上げております。 ・世界最高水準の効率で、都市ガスから水素ガスを発生させる次世代型水素ガス発生装置「VHR」を開発、現在までに5機の運用を開始しております。今後も鉄鋼・半導体などの底堅い水素需要に対して拡販を推進し、省エネによる環境貢献を進めてまいります。 ・2050年までにCO2排出量実質ゼロ、2030年までに2013年と比べて46%削減するという政府方針に沿って設定した当社グループ目標に沿い、CO2回収・利活用技術の開発に取り組んでおります。当社がこれまで培ってきたガス分離技術ならびにガスアプリケーションを起点に、産・官・学と連携してCO2回収・利用技術の社会実装に向けた研究開発活動を行っております。 (ケミカル関連事業)デジタル化の急速な進展に伴い、データ量の爆発的増大が引き起こされております。これに対応するため、電子材料では、配線の微細化・多層化と高周波化への対応が求められており、ケミカル関連事業においては、半導体製造の前工程から後工程までの幅広い領域で、技術シナジー発現/差別化商品創出に注力、開発を推進しております。 ・HDD、シリコンウエハなどの精密研磨に使用させるパッド材において、樹脂技術・プロセス技術の高度化・開発期間短縮のためAIも導入し、お客様の研磨精度向上に対する恒常的なご要請にお応えしております。 ・回路基板用のレジスト材料は、微細配線化・多層化に対応した高機能化が要望されており、当社の合成技術と光重合評価技術により、お客様の光硬化条件を前提とした最適なキノン系光増感剤を積極的に提案しております。 ・パッケージ基板分野では低誘電特性に優れ、かつ、高耐熱・低熱膨張の特性を有するビスマレイミド系樹脂の開発を進めており、ポリイミドに対しても低誘電性改質ポリイミド用の原料開発を強化しております。いずれも製品ラインアップの拡充とともにお客様へのサンプル提供を開始しております。 ・さらに、カーボンニュートラル社会でますます重要となる蓄電デバイスについては、リチウムイオン電池高性能化のために電解液添加剤、負極用真球状ハードカーボンの材料開発を推進しております。 (医療関連事業)医療事業においては、高度化する先端医療に向けた機器製品の開発や、高齢化社会に対応したサービスの開発を推進しております。 ・遠隔・在宅医療のスタートアップ企業である㈱リモハブを新たにグループ会社化いたしました。病院から遠隔制御による管理・機器調整を行うことで、在宅で患者が安全に適切な心臓リハビリテーションができるオンライン管理型心臓リハビリシステムを開発しております。 ・当社グループ会社のアエラスバイオ㈱では、歯髄幹細胞を不要歯から採取し、培養、保管する歯髄幹細胞バンクを事業化いたしました。保管された歯髄幹細胞は、将来、歯髄再生治療に使用することができます。バンク事業に賛同いただける歯科医院及び歯髄再生治療を行う歯科医院との提携を拡大し、より多くの方にご活用いただける体制を築いてまいります。並行して、乳歯や2親等以内の親族から採取した幹細胞による治療や象牙質再生の実施に向け、研究開発を進めております。 ・誤作動等による水損被害を抑制し、配管設備の長寿命化を図る新型の乾式真空スプリンクラーシステムの開発において、日本消防検定協会の型式承認を取得しました。事業譲受した湿式真空システムと併せ、安全性に優れた商品の提供を進めております。 (エネルギー関連事業)2030年までに2013年と比べてCO2を46%削減するという政府方針の実現に向けて、CO2排出量の少ないエネルギー関連技術について、産・官・学との連携を通じて、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。 ・沖縄エリアの水素社会構築及び脱炭素、産業振興を一体的に実現する「吉の浦マルチガスタービン発電所を核とした地域水素利活用トータルシステム」の確立を目指し、沖縄電力㈱、㈱日本総合研究所と共同調査を実施しております。本調査を通じて持続可能なエネルギーシステムを構築し、安定供給と地球温暖化対策の両立に取り組み、社会へ貢献してまいります。 ・小型LNG供給設備である「Vサテライト」をさらに小型化した「マイクロサテライト」を開発いたしました。また、LNGを燃料とする大型トラック向けに省スペースに設置可能な小型LNG充填設備を、三菱商事㈱と共同開発いたしました。お客様のニーズに合わせたLNG供給体制を整え、LNGへの燃料転換を通じてCO2排出量の削減に貢献してまいります。 ・家畜糞尿などに由来するバイオガスを活用した新たなバイオエネルギーサプライチェーンの構築に取り組んでおります。環境省が推進する「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の優先テーマとして、バイオガスを用いて液化バイオメタン(LBM)に加工することでLNGの代替燃料として活用する実証に向けた取り組みを開始しております。自治体と連携し、環境負荷の少ない地産地消エネルギー社会の実現に貢献してまいります。 (農業・食品関連事業)農作物の保存技術や食品・飲料の品質向上、機能性向上に向けた開発を推進しております。 ・農業・食品のイノベーションを創出する技術開発を目的として、2018年6月より室蘭工業大学と「包括的連携研究協力等に関する協定」を締結し、農作物の栽培技術に関する研究、栽培支援システムの開発に取り組んでおります。 ・ロボットやドローンを活用したスマート農業による農業生産性の向上及び品質向上を目的として、2020年12月に東京大学と社会連携研究部門を設置いたしました。国内外の農業生産性を高め、高品質な農産物及び食品の安定的、持続的な供給に貢献してまいります。 ・当社独自の糖化技術を活用し、オーツ麦のほか様々な原料による植物性ミルクの開発に取組んでおります。ビタミンやミネラル、植物繊維を豊富に含んでいることに加え、動物性ミルクと比較し環境負荷が低いことから、様々な飲食料品の原料としての活用を進めております。 (海水関連事業)「海が由来」をキーワードに海水から製塩を行う塩事業を柱として、多角化により様々な技術開発・事業展開を行っております。 ・環境事業水処理用吸着剤「READシリーズ」の拡販、及び海外への展開を図るため、従来の高性能品に加え中性能品を開発し、上市手続きを進めております。また、「ブルーカーボンリサイクル技術の開発」についてNEDOの研究開発委託事業に採択され、産学官協働で発電所や工場などから排出されるCO2の固定化、資源化に向けた新技術開発と実用化を加速しております。 ・都市インフラ事業下水道管更生において、従来品より高強度・薄肉化を実現することで施工時間を短縮し、CO2排出量削減を図ったオールライナーHM工法を開発、(公財)日本下水道新技術機構の建設技術審査証明を取得しました。また、マンホール鉄蓋交換工事において施工面積の最小限化、施工時間短縮を可能としたクイックカッター工法が国土交通省運営のNETIS(新技術情報提供システム)に登録されました。 ・マグネシア事業半導体封止材に用いられる難燃剤ECOMAG Z-10は好調に推移しておりますが、汎用封止材への展開による拡販を目論み、Z-10よりも安価なPZ-4を開発し、サンプルワークを始めております。 また、今後も半導体製造装置用のセラミックなど、半導体業界に貢献する商品の開発に積極的に取り組んでまいります。 (その他の事業)・SiC事業電源用パワートランジスタに用いるGaN基板に続き、通信用高周波トランジスタに用いるGaN基板(GaN on SIC on Si基盤)の開発にも成功し、実用レベルの高周波特性(6GHzやミリ波:30GHz)が確認できました。現在、パワーデバイス用に加えて、高周波用途でのサンプル生産、種々の客先への評価用サンプル出荷を開始しております。今後、電源用パワーデバイス、5Gなどの通信用高周波デバイスの両方で、事業拡大を目指します。 ・エアゾール事業人体用品から家庭用品、塗料、工業・自動車用品まで多種多様なお客様のニーズに対応した研究開発を推進しております。また、化粧品受託業界にも本格参入し、高品質・高付加価値な化粧品の開発にも取り組んでおります。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は5,338百万円であり、産業ガス関連事業が331百万円、ケミカル関連事業が1,493百万円、医療関連事業が1,290百万円、エネルギー関連事業が179百万円、農業・食品関連事業が458百万円、物流関連事業が30百万円、海水関連事業が363百万円、その他の事業が1,189百万円であります。
FY2021|3,566 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度の研究開発活動につきましては、2020年3月に技術戦略センターを設置し、グループに点在する幅広い領域に跨る技術を横串で管理し、擦合せ統合による新たな価値の創出に取り組んでまいりました。事業成長に向けた投資効率の最大化を目指し、「地域と密着し、脱炭素社会の実現に貢献する環境システム事業領域」、「行政と連携し、社会課題を解決するウェルネス事業領域」を2つの柱として研究開発戦略を策定しております。これまでに培ったコア技術を日々進化させると共に、様々な分野へ応用展開すること、オープンイノベーションによる積極的な技術導入を行うことで、事業の継続的な成長と社会に貢献できる成果の結実に取り組んでまいります。 セグメントごとの研究開発活動について、以下に示します。 (産業ガス関連事業)基幹事業である産業ガス事業においては、ガス製造プロセスの高度化とコスト削減、ガスを利用するアプリケーション開発について、成果を積み上げております。 ・世界最高水準の効率で、都市ガスから水素ガスを発生させる次世代型水素ガス発生装置「VHR」を開発、現在までに4機の運用を開始しております。今後も鉄鋼・半導体などの底堅い水素需要に対して拡販を推進し、省エネによる環境貢献を進めてまいります。 ・2050年までにCO2排出量実質ゼロ、2030年までに2013年と比べて46%削減するという政府方針に沿い、CO2回収・利活用技術の開発に取り組んでおります。当社がこれまで培ってきたガス分離技術ならびにガスアプリケーションを起点に、産・官・学と連携してCO2回収・利用技術の社会実装に向けた研究開発活動を行っております。 (ケミカル関連事業)5Gの伸張に伴い、大量データの通信・処理・蓄積に関するニーズが高まり、電子材料にも、より高度な機能が要求されております。研究開発活動もこの動きに連動させ、電子材料領域における技術シナジー発現/差別化商品創出に注力、半導体前工程から後工程までの幅広い領域で、お客様の高機能化ニーズに対応しております。 ・HDD、シリコンウエハなどの精密研磨に使用されるパッド材に関しては、樹脂技術・プロセス技術を高めることにより、お客様の研磨精度向上に対する恒常的なご要請にお応えしております。 ・高速通信達成に向けた低誘電ポリイミドのニーズも高いことから、改質ポリイミド用の原料開発を強化し、ユーザーにサンプル供給を開始しました。また、お客様からの新たな化合物のご要望も多く、製品ラインアップの拡充を推進しております。 ・ビスマレイミド系樹脂は、高耐熱・低線膨張係数の特性を有し、パッケージ基板分野を中心に市場展開を進めております。この基本性能に加え、低誘電特性に優れた材料の開発も進め、顧客へのサンプル提供を開始いたしました。 ・回路基板用のレジスト材料は、微細配線化・多層化に対応した高機能化が要望されており、それに応え得るキノン系光増感剤の需要が拡大しております。新製造設備も完工し、万全の供給体制を整えました。 ・また、当社独自材料であるナフトキノン類の持つ光機能、レドックス機能等をさらに引き出すべく、大学等との共同研究も継続的に進めており、その一環として、蓄電デバイス向けの材料開発も継続的に推進しております。 (医療関連事業)医療事業においては、高度化する先端医療に向けた機器製品の開発や、高齢化社会に対応したサービスの開発を推進しております。 ・2020年5月に発売した遠隔医療支援システム「NOALON」が、日刊工業新聞社主催の十大新製品賞において日本力賞を受賞しました。新型コロナウイルス感染症が猛威を奮う中において、専門医が患者の容体をリアルタイムに確認できるため、医療従事者の感染リスク低減に寄与しております。高解像度化やAIを用いた自動診断技術等を活用することで、更なる利便性の向上を進めてまいります。 ・当社グループ会社のアエラスバイオ㈱では、歯髄幹細胞を不要歯から採取し、培養、保管する歯髄幹細胞バンクを事業化いたしました。保管された歯髄幹細胞は、将来、歯髄再生治療に使用することができます。お客様の利便性向上のため、乳歯や2親等以内の親族から採取した幹細胞による治療の実現に向け、研究開発を進めております。 ・国内消防機関に納入する空気呼吸器の面体(マスク)広視野化による機能性向上に取り組んでおります。また、水損被害を防止し、安全で早期放水が可能な新型の真空スプリンクラーシステムを開発しております。 (エネルギー関連事業)2030年までに2013年と比べてCO2を46%削減するという政府方針の実現に向けて、CO2排出量の少ないLNG関連技術について、産・官・学との連携を通じて、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。 ・小型LNG供給設備である「Vサテライト」をさらに小型化した「マイクロサテライト」を開発しております。「Vサテライト」と合わせて、お客様のニーズに合わせたLNG供給体制を整え、LNGへの燃料転換を通じてCO2排出量の削減に貢献してまいります。 ・家畜糞尿などに由来するバイオガスを活用した新たなバイオエネルギーサプライチェーンの構築に取り組んでおります。自治体と連携し、環境負荷の少ない地産地消エネルギー社会の実現に貢献してまいります。 (農業・食品関連事業)農作物の保存技術や食品・飲料の品質向上、機能性向上に向けた開発を推進しております。 ・農業・食品のイノベーションを創出する技術開発を目的として、2018年6月より室蘭工業大学と「包括的連携研究協力等に関する協定」を締結し、食品の機能性や農作物の栽培技術に関する研究に継続して取り組んでおります。 ・ロボットやドローンを活用したスマート農業による農業生産性の向上及び品質向上を目的として、2020年12月に東京大学と社会連携研究部門を設置いたしました。国内外の農業生産性を高め、高品質な農産物及び食品の安定的、持続的な供給に貢献してまいります。 (海水関連事業)「海が由来」をキーワードに海水から製塩を行う塩事業を柱として、多角化により様々な技術開発・事業展開を行っております。 ・環境事業海水中のホウ素除去技術から生まれた希土類吸着剤「READシリーズ」では凝集剤(READ-CX)まで展開してまいりました。READ-CXは従来法と比較して薬剤使用量・汚泥発生量が少ないコストメリットが大きい商品であります。国内だけではなく、環境規制強化が進んでいる東南アジア地域へ拡販するため、現行品に改良を加え、海外展開を進めております。 ・都市インフラ事業下水道処理場に設置される水処理プラント設備の開発・設計から施工・監理まで行っており、メンテナンスフリーで省エネ・省コストを実現した新型の集砂装置を開発しました。また、下水管更生において耐久性向上に加え施工時間の短縮を図った管更生材料を開発するなど、顧客の要求に応え、性能向上及び環境に配慮した製品開発を行っております。 ・マグネシア事業低温の工場排熱の蓄熱・利用を可能とする水酸化マグネシウム系化学蓄熱材(CHARGEMAG®)を開発しました。また、今後さらなる高集積化や小型化が進む電子機器の放熱に対応する熱伝導性フィラー(COOLMAG®)を開発するなど、地球環境に貢献する商品や最新技術・製品に利用可能な材料の開発に取り組んでおります。今後、実用化に向けてさらなる開発に取り組んでまいります。 (その他の事業)・SiC事業電源用パワートランジスタや5Gの普及に向けて需要が高まる高周波トランジスタ向けの素材事業の開拓に取り組みつつあります。当社では、低コスト且つ高性能なGaNトランジスタを製造できるGaN積層構造の量産化に世界で初めて成功しました。これをもとに、半導体の下地基板から本構造の成長までを一貫して行う「GaN on SiC on Si基板」のパイロット生産を準備しております。 ・エアゾール事業人体用品から家庭用品、塗料、工業・自動車用品まで多種多様なお客様のニーズに対応した研究開発を推進しております。また、化粧品受託業界にも本格参入し、高品質・高付加価値な化粧品の開発にも取り組んでおります。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は3,978百万円であり、産業ガス関連事業が529百万円、ケミカル関連事業が971百万円、医療関連事業が534百万円、エネルギー関連事業が300百万円、農業・食品関連事業が355百万円、物流関連事業が65百万円、海水関連事業が353百万円、その他の事業が869百万円であります。
FY2020|3,009 文字
5 【研究開発活動】当連結会計年度の研究開発活動につきましては、実用化ステージにある開発テーマを確実に事業へ結びつけることを最重点課題として取り組みました。また、引き続き研究開発投資効率の最大化を目指し、各事業部門及び各事業会社と研究部門が「横議横行」を重ね、事業戦略に合致した研究開発戦略を策定し、経営資源の最適化を図りつつ、スピーディに事業の創造と発展を成すべく、活動を推進しております。これからも当社グループの持てる技術力を結集し、産業ガスで培ったコア技術を日々進化させると共に医療や農業等の様々な分野へ応用展開することと、オープンイノベーションによる積極的な技術導入を行うことで、技術の継続的な成長と社会に貢献できる成果の結実に鋭意努力してまいります。 セグメントごとの研究開発活動について、以下に示します。 (産業ガス関連事業)・基幹事業である産業ガス事業においては、ガス製造プロセスの高度化とコスト削減、ガスを利用するアプリケーション開発について、日々研鑽を積み、着々と成果を上げております。 ・世界最高水準の効率で、都市ガスから水素ガスを発生させることができる次世代型水素ガス発生装置「VHR」を開発し、2019年8月より1号機の運用を開始しております。今後も鉄鋼・半導体などの底堅い水素需要に対して拡販を推進し、省エネによる環境貢献を進めてまいります。 ・脱炭素社会の実現、ならびに原料ソース不足が課題となっている炭酸ガス事業への貢献を目指し、CO2回収・利活用技術の開発に取り組んでおります。当社がこれまで培ってきたガス分離技術ならびにガスアプリケーションを起点に、産・官・学と連携してCO2回収・利用技術の社会実装に向けた研究開発活動を行い、着実に成果を上げております。 (ケミカル関連事業)・あらゆるモノ・ひとが繋がるIоT時代の基幹コミュニケーションツールとして、5Gがますます重要なものとなってまいりました。5Gで必要となる大量データの通信・処理・蓄積に関し、電子材料にも、より高度な機能・特性が要求されております。半導体前工程から後工程までの幅広い領域で、お客様の高機能化ニーズへの対応を中心に、技術開発を推進しております。 ・HDD、シリコンウエハなどの精密研磨に使用されるパッド材に関しては、樹脂技術・プロセス技術を高めることにより、お客様の研磨精度向上に対する恒常的なご要請にお応えしております。一昨年上市した高周波対応の低誘電正接硬化剤は、順調に販売が進展しており、また、高速通信達成に向けた低誘電ポリイミドに対するニーズも高いことから、改質ポリイミドに向けた原料開発を強化しております。ビスマレイミド系樹脂は、その高耐熱・低線膨張係数の特性を活かし、パッケージ基板分野を中心に市場展開を進めております。この特徴ある性能に加え、高周波対応を目指した低誘電正接化材料の開発を進めております。レジスト材料は、微細配線化・多層化に対応した高機能化が要望されており、それに応え得るキノン系光増感剤の需要が拡大しております。これに応えるため製造設備を新設するとともに、キノン類の持つ光機能、レドックス機能等をさらに引き出すべく、大学等との共同研究も継続的に推進しております。 (医療関連事業)・歯科材料分野では、歯科診療で白いクラウンを提供できる歯科切削加工用材料「ブリージョCADブロック」を開発し市場投入しました。現在、次世代技術である3Dプリント材料の開発を進め、市場投入を予定しております。 ・歯髄再生治療関連の研究開発について、2018年度に開始した国立研究開発法人国立長寿医療研究センターとの共同研究に加え、当社グループ会社のアエラスバイオ㈱でも治療開始に向けた取り組みを開始しております。 ・医療用ガス分野では、ヘリウム酸素混合ガスの呼吸器用薬としての医薬品化に向け、安全性データ取得のため実施中の医師主導治験に、治験薬提供者として参加し開発を推進しております。 ・原子力発電所向けの火災防護対策用消火設備や高耐震性機器などの災害対策商材の開発、また国内消防機関に納入する空気呼吸器の面体(マスク)広視野化による機能性向上などに取り組んでおります。 (エネルギー関連事業)・将来のエネルギー変革に向けて、LNG関連技術や水素関連技術について、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。 ・小型LNG供給設備である「Vサテライト」を開発し、2019年12月より1号機の運用を開始し、以降多くの引き合いをいただいております。今後もLNG供給の事業拡大に取り組むとともに、お客様の燃料転換を通じてCO2量の削減に貢献してまいります。 (農業・食品関連事業)・農作物の保存技術や飲食物の品質改善に向けた開発を推進しております。 ・農業・食品のイノベーションを創出する技術開発を目的として、2018年6月より室蘭工業大学と「包括的連携研究協力等に関する協定」を締結し、食品の機能性や農作物の栽培技術に関する研究に継続して取り組んでおります。 ・野菜・果実の加工技術を一層深め、新たな飲料や原料素材の開発に取り組んでおります。2019年より乾燥野菜の開発を進めており、2020年2月に切干大根を商品化しました。 (海水関連事業)・海水から塩を造る製塩事業から始まり、多角化により様々な事業展開を行ってまいりました。環境事業では、塩の結晶制御技術を用いた水処理用凝集剤(READ-CX)において改良を加え海外展開を図りました。またこの事業から発展した都市インフラ事業では、マンホール用防食鉄蓋の改良による性能向上及びコストダウンを行いました。 ・マグネシア事業ではマグネシア製造の中間製品である水酸化マグネシウムを加工し、化学的に蓄熱する材料(CHARGEMAG®)を開発しました。工業発熱の有効活用により、CO2排出量の削減を通じて地球環境に貢献する製品であります。NEDO事業が完了し、当該プロジェクトは優良事業表彰を受賞、ENEX2020ではデモ機を展示しました。事業化に向けて着々と成果を上げております。 (その他の事業)・SiC事業では、オンリーワン商材である「大口径SiC on Si基板」の表面に、トランジスタ層を含むGaN層を成膜した「パワートランジスタ用GaN基板」を開発しました。当社の顧客であるデバイスメーカーが本基板を用いたパワートランジスタを量産ラインで試作し、実証試験を行った結果、デバイス製造プロセスにおける品質の安定性(歩留まりの向上)を確認することができました。現在、実用化に向けた取り組みを当該顧客と協力して進めております。 ・エアゾール事業では、人体用品から家庭用品、塗料、工業・自動車用品まで多種多様なお客様のニーズに対応した研究開発を推進しております。また、飛躍的に成長している化粧品分野に注力し、高品質・高付加価値な化粧品の開発にも取り組んでおります。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は3,422百万円であり、産業ガス関連事業が490百万円、ケミカル関連事業が726百万円、医療関連事業が728百万円、エネルギー関連事業が264百万円、農業・食品関連事業が365百万円、海水関連事業が328百万円、その他の事業が516百万円であります。
FY2019|2,391 文字
5 【研究開発活動】当年度の研究開発活動につきましては、実用化ステージにある開発テーマを確実に事業へ結びつけることを最重点課題として取り組みました。また、引き続き研究開発投資効率の最大化を目指し、各事業部門及び各事業会社と研究部門が「横議横行」を重ね、事業戦略に合致した研究開発戦略を策定し、経営資源の最適化を図りつつ、スピーディに事業の創造と発展を成すべく、活動を推進しています。これからも当社グループの持てる技術力を結集し、産業ガスで培ったコア技術を日々進化させると共に医療や農業等の様々な分野へ応用展開することと、オープンイノベーションによる積極的な技術導入を行うことで、技術の継続的な成長と社会に貢献できる成果の結実に鋭意努力してまいります。 セグメントごとの研究開発活動について、以下に示します。 (産業ガス関連事業)・基幹事業である産業ガス事業においては、ガス製造プロセスの高度化とコスト削減、ガスを利用するアプリケーション開発について、日々研鑽を積み、着々と成果を上げております。 ・世界最高水準の効率で、都市ガスから水素ガスを発生させることができる次世代型水素ガス発生装置「VHR」を開発し、2019年7月より初号機の商業運転を開始いたします。 ・金属の還元剤や化成品原材料等に用いられる高純度一酸化炭素の発生装置を開発し、初号機となる商用機を2019年3月に納品いたしました。以降引き合いを順調に頂いており、新たな商材として展開いたします。 (ケミカル関連事業)・電子材料を中心に高度なお客様のニーズに対応した機能化学品の研究開発を推進しております。 ・次世代半導体バッファーコート材用の特殊樹脂モノマーは量産技術を確立し上市しました。又、高周波に対応できる低誘電正接硬化剤も、実機試作に成功し、少量販売を開始しました。これら製品により、環境負荷の低減や情報高速化などへの社会貢献を期待しております。 ・世界で唯一事業化に成功しているナフトキノンを含めたキノン系製品においては、その特性を活かし、医農薬、環境、情報電子材料等の各分野を対象とした新規誘導品の開発や新規用途の拡大、マーケット視点からの顧客ニーズに対応したその他の新規機能化学品の開発等に主眼をおいた研究開発を進めているとともに、国内の大学等と継続的な共同研究を行うことで、効果的かつ迅速な研究開発活動を推進しております。 (医療関連事業)・医療用機器、病院関連施設、歯科材料、ガス性医薬品等の高度医療やくらしの医療に対する技術開発を積極的に推進し、社会貢献を果たしてまいります。 ・要介護者の移乗動作の負担を軽減した介護用シャワー入浴装置「シャワーオール」を開発し、2018年7月に市場投入いたしました。 ・歯髄再生治療技術の研究開発に取り組むため、2018年4月より歯髄細胞の取り扱いに関する共同研究を国立研究開発法人国立長寿医療研究センターと推進いたしております。 ・原子力発電所向けの火災防護対策用消火設備の性能試験や高耐震性機器の開発、また国内消防機関に納入する空気呼吸器の面体(マスク)広視野化による機能性向上などに取り組んでまいりました。 (エネルギー関連事業)・将来のエネルギー変革に向けて、LNG関連技術や水素関連技術について、技術の蓄積、洗練、高度化を推進しております。 ・LNG拡販を目指して、付帯設備を貯槽と一体化した新型LNGサテライト設備の開発を推進しております。一体型とすることで、設置スペースが小さく済み、現地工事を軽減して施工期間を短縮することができます。 (農業・食品関連事業)・植物の栽培並びに保存技術や飲食物の品質の改善に向けた開発を推進しております。 ・農業・食品のイノベーションを創出する技術開発を目的として、2018年6月に室蘭工業大学と「包括的連携研究協力等に関する協定」を締結し、地域資源を活用した課題解決型の研究を展開し、地域活性化に寄与する技術等の開発とこれらを通じた人材育成を目指しています。 ・野菜・果実の加工技術を一層深め、新たな飲料や原料素材の開発に取り組んでおります。 (その他の事業)・SiC基板関連技術開発では、GaNパワーデバイスを主な用途として、最先端のお客様のニーズに対応した品質改善や評価技術開発を推進し、これにより、様々なお客様の要望に応じた仕様の基板を提供することができるようになりました。引き続き、基板製造工程の歩留把握やその改善など、量産化に向けた準備を進めております。 ・水酸化マグネシウム系化学蓄熱材(CHARGEMAG®)は、工場廃熱の有効活用により、CO2排出量の削減を通じて地球環境に貢献する製品です。新たに開発した化学蓄熱材は、蓄熱操作温度を大幅に低下させることに成功し、事業化に向けて着々と成果を上げております。 ・各種セラミック原料向けの高純度で均一なアルミン酸マグネシウム(TATEMIC®)は、お客様へのサンプル供給、評価が進み、採用に向けて積極的に取り組んでおります。 ・耐火物用途向けのアルミニウムケイ素炭化物(REFTAT®)は、お客様が確定しており、今後の耐火物業界に貢献してまいります。 ・エアゾール事業では、人体用品から家庭用品、塗料、工業・自動車用品まで多種多様なお客様のニーズに対応した研究開発を推進しております。また、飛躍的に成長している化粧品分野に注力し、高品質・高付加価値な化粧品の開発にも取り組んでおります。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は2,859百万円であり、産業ガス関連事業が540百万円、ケミカル関連事業が538百万円、医療関連事業が513百万円、エネルギー関連事業が138百万円、農業・食品関連事業が340百万円、その他の事業が787百万円であります。
FY2018|1,430 文字
5 【研究開発活動】当年度の研究開発活動につきましては、引き続き、研究開発投資効率の最大化を目指し、各事業部門及び各事業会社と研究部門が「横議横行」を重ね、事業戦略に合致した研究開発戦略を策定し、経営資源の最適化を図りつつ、スピーディに事業の創造と発展を成すべく、活動を推進しています。これからもエア・ウォーターグループの持てる技術力を結集し、地域に密着した顧客ニーズへの対応から環境・医療・食料等の将来を見据えた取組みまで、社会に貢献できる成果の結実に鋭意努力してまいります。 セグメントごとの研究開発活動について、以下に示します。 (産業ガス関連事業)・基幹事業である産業ガス事業においては、ガス製造プロセスの高度化とコスト削減、ガスを利用するアプリケーション開発、ガスの用途開発について、日々研鑽を積み、着々と成果を上げております。 ・アプリケーション機器では、炭酸ガスを利用するドライアイス洗浄システムが本格的な市場投入を果たしました。 ・用途開発では、金属表面との反応速度の高い新浸炭ガスが、お客様の量産炉での効果の実証が進み、採用に向けて交渉を進めております。 (ケミカル関連事業)・電子材料を中心に高度なお客様のニーズに対応したファインケミカル関連の研究開発を推進しております。 ・平成27年度に開発した高温環境下の使用に向けた高耐熱性硬化剤や高周波に対応できる低誘電正接硬化剤は、それぞれお客様が確定し、環境負荷の低減や情報高速化などへの社会貢献を期待しております。 (医療関連事業)・医療用機器、病院関連施設、歯科材料、ガス性医薬品等の高度医療やくらしの医療に対する技術開発を積極的に推進し、社会貢献を果たしてまいります。 ・要介護者の移乗動作の負担を軽減した居室用シャワー入浴装置を日本医療研究開発機構の補助金を受け、開発を完了し、近々市場投入いたします。 (エネルギー関連事業)・将来のエネルギー変革に向けて、LNG関連技術や水素関連技術について、技術の蓄積、洗練、高度化を積極的に実施いたします。 ・独自開発した竪型遠心式低温液化ガスポンプは、LNG関連用途への採用が増えてきており、防爆検定の取得と船級の取得をいたしました。これにより、防爆検定の要求がある大手ユーザーからの引合いや船舶搭載の引合いに対応が可能となり、今後のLNGの普及に貢献できることを期待しております。 (農業・食品関連事業)・植物の栽培並びに保存技術や飲食物の品質の改善に向けた開発を推進しております。 ・植物の栽培では、成長促進技術に取り組んでおります。作物の保存技術では、期間延長に効果的な手法の開発に取り組んでおります。 (その他の事業)・SiC基板関連技術開発では、GaNパワーデバイスを主な用途として、最先端のお客様のニーズに対応した技術開発を推進し、順次工場へ技術移管しております。また、これらの技術を反映した SiC on Si基板や、さらには GaN on SiC on Si基板が工場で製造され、お客様へのサンプル供給、評価が進み、採用に向けて取り組んでおります。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は27億7千5百万円であり、産業ガス関連事業が5億1百万円、ケミカル関連事業が5億9千3百万円、医療関連事業が5億4千7百万円、エネルギー関連事業が8百万円、農業・食品関連事業が3億3千9百万円、その他の事業が7億8千5百万円であります。
FY2017|1,362 文字
6 【研究開発活動】当年度の研究開発活動につきましては、引き続き、研究開発投資効率の最大化を目指し、各事業部門及び各事業会社と研究部門が「横議横行」を重ね、事業戦略に合致した研究開発戦略を策定し、経営資源の最適化を図りつつ、スピーディな事業の創造と発展に貢献すべく、活動を推進しています。これからもエア・ウォーターグループの持てる技術力を結集し、地域に密着した顧客ニーズへの対応から環境・医療・食料等の将来を見据えた取組みまで、社会に貢献できる成果の結実に鋭意努力してまいります。 セグメントごとの研究開発活動について、以下に示します。 (産業ガス関連事業)・基幹事業である産業ガス事業においては、ガス製造プロセスの高度化とコスト削減、ガスを利用するアプリケーション開発、ガスの用途開発について、日々研鑽を積み、着々と成果を上げております。 ・用途開発では、金属表面に対する高い浸炭能力を持つ新たな浸炭用ガスが、お客様の量産炉での効果実証に用いられ、高い評価を獲得しました。 (ケミカル関連事業)・電子材料を中心に高度なお客様のニーズに対応したファインケミカル関連の研究開発を推進しております。 ・平成27年度に開発した高温環境下の使用に向けた高耐熱性硬化剤や高周波に対応できる低誘電正接硬化剤は、それぞれお客様が確定し、本格採用に向けて量産技術開発に注力しております。これらの開発品は、環境負荷の低減や情報高速化などへの社会貢献を期待しております。 (医療関連事業)・医療用機器、病院関連施設、歯科材料、ガス性医薬品等の高度医療やくらしの医療に対する技術開発を積極的に推進し、社会貢献を果たしてまいります。 ・要介護者の移乗動作の負担を軽減した在宅居室向けシャワー入浴装置を日本医療開発機構の補助金を受け、開発を推進しております。 (エネルギー関連事業)・将来のエネルギー変革に向けて、LNG関連技術等について、技術の蓄積、洗練、高度化を推進いたします。 ・独自開発した竪型遠心式低温液化ガスポンプは、LNG関連用途への採用が増えてきており、防爆検定の取得と船級の取得をいたしました。これにより、大手ユーザーから要求のある防爆や船舶搭載に対応が可能となり、今後のLNG普及に貢献できることを期待しております。 ・次世代型ハイブリッド給湯暖房システムの開発に着手いたしました。 (農業・食品関連事業)・野菜の栽培並びに保存技術や食品の品質の改善に向けた開発を推進しております。 (その他の事業)・SiC基板関連技術開発では、GaNパワーデバイスを主な用途として、最先端のお客様のニーズに対応した技術開発を推進し、順次工場へ技術移管しております。また、これらの技術を反映した SiC on Si基板や、さらには GaN on SiC on Si基板が工場で製造され、お客様へのサンプル供給、評価が進み、採用に向けて取り組んでおります。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は28億3千2百万円であり、産業ガス関連事業が6億5千1百万円、ケミカル関連事業が6億1千4百万円、医療関連事業が3億9千7百万円、エネルギー関連事業が1億8千9百万円、農業・食品関連事業が2億5千1百万円、その他の事業が7億2千6百万円であります。
FY2016|1,507 文字
6 【研究開発活動】研究開発投資効率の最大化を目指し、各事業部門及び各事業会社と研究部門が「横議横行」を重ね、各事業部門及び各事業会社の事業戦略に合致した研究開発戦略を策定し、研究開発活動を共通認識の下で推進しています。日々のお客様のニーズへの対応から将来を見据えた長期的な開発まで、総合開発研究所を中核にエア・ウォーターグループの技術を融合し、スピーディに成果を創出します。 セグメントごとの研究開発活動について、以下に示します。 (産業ガス関連事業)・空気分離技術では、原料空気の前処理技術を改良し、半導体向け高純度酸素製造プロセスを確立いたしました。 ・ガス分離精製技術では、分離が困難とされていた一酸化炭素と窒素を含む混合ガスから一酸化炭素を分離する技術を確立いたしました。 ・金属との表面反応速度の高い新浸炭ガスにつきましては、お客様の量産炉で効果の確認をいただきました。現在、本格的採用に向けて準備を進めております。 ・大気圧プラズマ処理技術につきましては、コスト競争力を強化いたしました。今後は、お客様のニーズに対応した高付加価値化による差別化に注力いたします。 (ケミカル関連事業)・電子材料を中心に高度なお客様のニーズに対応したファインケミカル関連の研究開発を推進しております。 ・環境負荷の低減、情報高速化などの社会ニーズを踏まえ、パワーデバイス用途など高温環境下の使用に向く高耐熱材料、および高周波対応の低誘電損失材料の使途に適したエポキシ系絶縁材料用配合剤を開発いたしました。同剤はお客様での本格採用を進めており早期の社会貢献の実現を目指しております。 (医療関連事業)・医療用機器、病院関連施設、歯科材料、ガス性医薬品等の人の生命や生活を守る技術開発を積極的に推進し、社会貢献を果たしてまいります。 (エネルギー関連事業)・低炭素社会の重要な構成エネルギーであるLNG関連技術開発に加え、次世代エネルギーとして重要視される“水素”にも取り組んでおります。将来のエネルギー変革に向けて、技術の蓄積、洗練、高度化を積極的に実施いたします。・長寿命、小型・軽量、低騒音、無漏洩、省メンテナンス性を備えた独自の竪型遠心式低温液化ガスポンプは、LNG関連用途への採用が増えてきております。今後のLNGの普及に対応すべく、適用範囲拡大に向けた開発を推進いたします。・水素社会実現に向け水素キャリアとして活用が期待される有機ハイドライド由来の水素精製技術でも、成果を上げております。・バイオガスからメタノール合成に適した混合ガスを製造する技術等の環境負荷低減に関連するお客様のニーズへも積極的に取組み、成果を上げております。 (農業・食品関連事業)・植物の栽培並びに保存技術のさらなる改善に向けた開発を推進しております。成長促進や作物の保存期間延長に効果的な手法等の開発に取り組んでおります。 (その他の事業)・SiC基板関連技術開発では、GaNパワーデバイスを主な用途として、最先端のお客様のニーズに対応した技術開発を推進し、順次工場へ技術移管しております。また、これらの技術を反映した SiC on Si基板や、さらにはGaN on SiC on Si基板が工場で製造され、お客様へのサンプル供給、評価がすでに始まっております。 なお、当連結会計年度の研究開発費用の総額は29億円であり、産業ガス関連事業が8億6千6百万円、ケミカル関連事業が6億8百万円、医療関連事業が2億7千9百万円、エネルギー関連事業が2億3百万円、農業・食品関連事業が1億3千6百万円、その他の事業が8億6百万円であります。