研究開発活動(本文)
FY2025|3,684 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、提出会社の研究開発本部、経営企画部、営業本部が中心となってグループ会社との協力体制を深め、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。2021年9月に研究開発体制を変更し、有望なテーマについて柔軟かつ迅速にリソースの最適配分を行い、早期上市を目指す体制としました。さらには、2023年10月に研究開発方針SmartMaterial®を策定し、新規テーマの探索範囲をより明確化することで、初期検討を加速させています。研究開発本部では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核とし、大学や公的研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めており、主に水電解触媒、メタネーション触媒および5G/6G向け低誘電材料等の開発に取り組んでおります。更には2023年8月に、「既存事業にとらわれない新規事業創出」を目的に「カチ(価値+勝ち)」創造マーケティングを行うプロジェクトを開始し、有望事業の芽が出始めてきました。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,699百万円であります。セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。(1) 電子材料電子材料事業においては、誘電体および誘電体材料の開発を行っております。特に高周波伝送向け誘電体の開発に注力しており、粒子合成技術と表面処理技術を核として、低誘電率から高誘電率の材料開発をおこなっています。チタン酸バリウムに関しては、積層セラミックコンデンサの小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性要求に水熱合成法の特長である微粒子・高結晶・粒度均一な製品を積極的に提案しています。より一層、信頼性が求められる分野にはCaを所定の比率で含む微細かつ粒度均一性の高いチタン酸バリウムカルシウムの開発を進めています。また、誘電体材料についても、易分散性を兼ね備えた、さらなる微粒子化を進めています。なお、電子材料事業における研究開発費用は、356百万円であります。(2) 化粧品材料日焼け止め分野においては、近年、しみや皺の原因となるUVAを防御する酸化亜鉛の注目度が高まるなか、当社「超微粒子酸化亜鉛FINEXシリーズ」の注目度も更に高まってきました。また、海外においては様々な人の肌にマッチするような透明性の高い日焼け止めのニーズが急速に高まり、当社もより透明性・分散性の高い製品の開発に注力してきました。現在、国内外を問わず多くの顧客で評価が進んでおり、海外大手顧客への出荷も順調にスタートしました。メイク分野においては、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」、「板状集積型球状酸化亜鉛のCANDYZINC」や肌を鮮やかに見せる新機能性酸化亜鉛「化粧品用無機蛍光材料Lumate G」など当社の得意とする粉体プロセッシング技術を駆使した多くの材料を展開しております。また、近年、海洋環境、生態系への悪影響が懸念されているマイクロプラスチックビーズの不使用が加速しており、その代替品として、天然鉱物由来の安全性が高く環境負荷の少ない球状硫酸バリウム「ばりまる」、球状炭酸カルシウム「かるまる」を提案しています。これらは幅広い化粧品に配合しやすいよう表面処理されたグレードも取り揃えております。更に、従来から肌感触を良くするとしてファンデーションに使用されている「板状硫酸バリウムHシリーズ」は、+αの機能として荒れた皮膚の機能を回復させる効果がある事を確認し、メイク製品にスキンケア機能を持たせた新たなコンセプトで展開しております。なお、化粧品材料事業における研究開発費用は、272百万円であります。 (3) 有機化学品有機化成品につきましては、イオウを含む有機化合物合成技術をベースとして、電子材料、光学材料などの開発に取り組んでおります。2024年4月に子会社であったSC有機化学株式会社を吸収合併したことにより、研究開発のスピードアップが実現し、現在は耐水性や柔軟性に優れたMulthiol(マルチオール)シリーズや多官能チオール製品群の製品化を進めています。医薬原薬・中間体につきましては、CDMO化を目指すため、実験スペースを約2倍に増強するとともに分析専用の実験室を設置するなど、ハード面から研究開発力の強化を図りました。これらを活かし、CDMOのD(Development :開発)にあたるプロセス開発や不純物合成を実施しております。また、開発受託案件の範囲を拡げるためにはデータの信頼性向上が不可欠であり、信頼性保証基準下でのデータ取得体制を整え、分析装置のDI(Data Integrity)対応を進めております。また、自社品の研究開発として、他社に委託している自社使用原料のプロセス開発も行っております。加えて、将来を見据え、環境負荷が少なく作業者への負荷軽減にも繋がる連続生産技術の確立に向けた検討を継続しておこなっております。なお、有機化学品事業における研究開発費用は、419百万円であります。(4) 受託加工素材の機能性を最大限に発揮させるための、分散や配合技術を駆使した製品開発に取り組んでおり、地球温暖化に対応する遮熱性能を持った製品や、環境負荷の低い素材を使用した繊維向け抗菌製品の開発も行っています。また、分散加工のスペシャリストとして、安定かつ高度な分散加工を行うための技術の向上に取り組んでいます。なお、受託加工における研究開発費用は、173百万円であります。(5) 酸化チタン・亜鉛製品酸化チタン事業は2026年3月期で顔料級酸化チタンについて事業を終了する事としております。現在、「酸化チタン事業終了プロジェクト」を立上げ、事業終了までに対処しておくべき課題に取り組んでおります。課題は営業、生産、技術・開発をはじめとし大きく7項目に分類され、それぞれにタスクチームを編成し、綿密な計画に基づき対応を進めております。具体的には、触媒用、化粧品用酸化チタンの原料の代替品の探索、および小名浜事業所の総合排水処理方式の変更など多岐にわたる技術的課題の解決に鋭意取り組み、事業終了を予定通りに進めて参ります。また、亜鉛事業につきましては、電子基板等の熱マネージメントが活況を呈する中、従来のアルミナより高い放熱性能を有する大粒子酸化亜鉛LPZINCの開発及び顧客提案を進めております。0.1~70μmの幅広い粒子径ラインナップを有し、組み合わせの最適化により高い放熱能を発揮させるだけでなく、放熱性能に電波吸収能力を付与するなど用途拡大も検討しております。なお、酸化チタン・亜鉛製品事業における研究開発費用は、400百万円であります。(6) 樹脂添加剤当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術を、非鉛系安定剤の原料である ハイドロタルサイトや塩化ビニル安定剤原料に応用し、特殊ハイドロタルサイト、独自性の高い塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。なお、樹脂添加剤事業における研究開発費用は、173百万円であります。(7) 触媒水素社会を目指した、水電解触媒の開発に注力しています。一例である固体高分子形水電解触媒では、希少なイリジウム触媒の使用量を低減可能な触媒を開発し、サンプルワークを進めています。一方、低炭素化社会実現のためのカーボンニュートラルに関連した企業との協業で、新規触媒の開発と拡販にも注力してまいります。環境・エネルギー・化学プロセスは当社の重要な研究開発分野であり、これからの水素エネルギー社会が求める技術開発に貢献していくよう取り組んでまいります。なお、触媒事業における研究開発費用は、241百万円であります。(8) 無機材料世界的な近視人口の増加と生活水準の向上に伴い、世界的なメガネ市場の需要も高まるなか、高屈折率材料である「酸化ジルコニウム分散液SZRシリーズ」はメガネレンズ用途での数量が伸びてきております。更なる用途拡大として光学材料用途への提案を進めるべく開発に取り組んでおります。なお、無機材料における研究開発費用は、442百万円であります。 (9) 医療事業注力分野と位置付ける、健診領域や消化器領域および美容領域に、利益を確保できる製品を出来る限り早期に投入できるよう開発を行なっております。このうち消化器領域を中心とする医療事業においては、大学発のベンチャー企業との共同開発や、産学連携の枠組みを活用した共同開発により、新規事業拡大に取り組んでおります。また美容領域においては、ソルプロプリュスシリーズの新規ラインナップの開発を進め、ブランド育成を進めております(2025年度1品目、2026年度に2品目の上市を予定)。なお、医療事業における研究開発費用は、220百万円であります。
FY2024|2,531 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、研究開発本部、経営企画部、営業本部が連携してグループ会社との協力体制を深め、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。2021年9月に研究開発体制を変更し、有望なテーマについて柔軟かつ迅速にリソースの最適配分を行い、早期上市を目指す体制としました。さらには、2023年10月に研究開発方針SmartMaterial®を策定し、新規テーマの探索範囲をより明確化し、初期検討を加速させています。また、各グループ会社の開発部門でも取り扱い製品の品質向上あるいは新製品上市やプロセス改善のための研究開発を行っております。中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公的研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種発光材料、水電解触媒、5G/6G向け低誘電材料等の開発に取り組んでおります。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,722百万円であります。セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。(化学)(1) 電子材料電子材料事業においては、電子材料用途向けに誘電体の開発を行っております。特に高周波伝送向け誘電体の開発に注力しており、粒子合成技術と表面処理技術を核として、低誘電率から高誘電率の材料開発をおこなっています。チタン酸バリウムに関しては、積層セラミックコンデンサの小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性要求に水熱合成法の特長である微粒子・高結晶・粒度均一な製品を積極的に提案しています。より一層、信頼性が求められる分野にはCaを所定の比率で含む微細かつ粒度均一性の高いチタン酸バリウムカルシウムの開発を進めています。また、誘電体材料についてもさらなる高純度化および微粒子化を進めています。(2) 酸化チタン・亜鉛製品化粧品材料事業においては、従来のUVケア分野に加え、用途拡大としてメイクアップ化粧品向けにも注力しています。肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」、「板状集積型球状酸化亜鉛のCANDYZINC」や肌を鮮やかに見せる新機能性酸化亜鉛「化粧品用無機蛍光材料Lumate G」は、当社の粉体制御技術を駆使して開発したユニークな材料であり、上市して間もないものの順調に採用が進んでおります。また、開発を進めてきた高分散性酸化亜鉛「REAROUZ」は高い透明性とUV遮蔽性を合わせ持ち、低い亜鉛溶出量により生態系への影響を抑えるなどの特徴的な品質を有しています。その効果が認められ、採用に向けて顧客での評価が加速しております。海洋環境、生態系への悪影響が懸念されているマイクロプラスチックビーズの不使用が加速しております。その代替品として、天然鉱物由来の安全性で環境負荷の少ない球状硫酸バリウム「ばりまる」、球状炭酸カルシウム「かるまる」を提案しています。また、幅広い化粧品に配合しやすくした表面処理グレードも取り揃えました。一方、5Gネットワークの拡大や自動車のEV化による電子基板等の熱マネジメントに対する需要増大に伴い、放熱フィラーとして「大粒子酸化亜鉛LPZINCシリーズ」の開発も進めております。(3) 樹脂添加剤当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術をハイドロタルサイトや塩化ビニル安定剤原料に応用し、特殊ハイドロタルサイト、独自性の高い塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。(4) 有機化学品イオウを含む有機化合物合成技術をベースとして、電子材料、光学材料などの開発に取り組んでおり、耐水性や柔軟性に優れたMulthiol(マルチオール)シリーズや多官能チオール製品群の製品化を進めています。(5) 触媒水素社会を目指した、水電解触媒の開発に注力しています。一例である固体高分子形水電解触媒では、希少なイリジウム触媒の使用量を低減可能な触媒を開発し、サンプルワークを進めています。環境・エネルギー・化学プロセスは当社の重要な研究開発分野であり、これからの水素エネルギー社会が求める技術開発に貢献していくよう取り組んでまいります。一方、環境負荷の低減に特化した触媒の開発にも取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しない銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発を進めております。(6) 受託加工現代社会に求められる機能性を付与した分散加工製品開発として、機能性フィラーの分散に取り組んでいます。IT・IoT技術の発展に伴い利用される電子材料、地球温暖化に対応する遮熱性能を持った製品や脱炭素に貢献するバイオマス原料を利用したマスターバッチなどの開発案件に取り組むと共に新規分野として繊維向け抗菌製品の開発も開始しました。合わせて分散加工のスペシャリストとして、これまで培ってきた分散技術のノウハウを次世代に残す技術伝承にも取り組んでいます。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,530百万円であります。(医療)健診領域において、スタートアップ企業との協業により、胸部X線・CT、下部内視鏡の診断支援AIなど、さらなるラインナップの拡充を進め、画像診断の精度向上や新たな価値の創造への貢献が期待されます。また、薬事承認を受けたすい臓がん検査薬は、早期発見が難しいと言われるすい臓がん検査への貢献が期待され、現在上市に向け各関係先と協議中です。ヘルスケア分野では、フレグランスサプリメント「アプローラ」シリーズの新規ラインナップとして、女性のデリケートゾーンのための「アプローラDジェル」を発売しました。また、産学連携の枠組みを活用した複数の共同開発を行い、新規事業拡大に積極的に取り組んでおります。 なお、医療事業に係る研究開発費用は192百万円であります。
FY2023|2,479 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、研究開発本部、経営企画部、営業本部が連携してグループ会社との協力体制を深め、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。2021年9月に研究開発体制を変更し、新規テーマの探索と初期検討を強化するとともに、有望なテーマについて柔軟かつ迅速にリソースの最適配分を行い、早期上市を目指す体制としました。また、各グループ会社の開発部門でも取り扱い製品の品質向上あるいは新製品上市やプロセス改善のための研究開発を行っております。中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公的研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種発光材料、水電解触媒、二次電池用電極材料等の開発に取り組んでおります。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,674百万円であります。セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。(化学)(1) 電子材料電子材料事業においては、電子材料用途向けに誘電体の開発を行っております。特に高周波伝送向け誘電体の開発に注力しており、粒子合成技術と表面処理技術を核として、低誘電率から高誘電率の材料開発をおこなっています。チタン酸バリウムに関しては、積層セラミックコンデンサの小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性要求に水熱合成法の特長である微粒子・高結晶・粒度均一な製品を積極的に提案しています。より一層、信頼性が求められる分野にはCaを所定の比率で含む微細かつ粒度均一性の高いチタン酸バリウムカルシウムの開発を進めています。また、誘電体材料についてもさらなる高純度化および微粒子化を進めています。(2) 酸化チタン・亜鉛製品化粧品材料事業においては、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡大としてメイクアップ化粧品向けにも注力しています。肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」の他、肌を鮮やかに見せる新機能性酸化亜鉛「化粧品用無機蛍光材料Lumate G」を新たに上市しました。また、感染症対策市場が拡大している中、酸化亜鉛の抗菌、抗ウイルス効果に着目し、「FighZinc™シリーズ」を立ち上げた他、新規開発を進めている高分散性微粒子酸化亜鉛「REAROUZ」は高い透明性とUV遮蔽能を合わせ持ち、低い亜鉛溶出量により生態系への影響を抑えるなどの特徴的な品質を有しています。海洋環境、生態系への悪影響が懸念されるマイクロプラスチックスビーズの代替品としては、天然鉱物由来の安全で環境負荷の少ない硫酸バリウム「ばりまる」、炭酸カルシウム「かるまる」を提案しています。粒子径5μmの球状品で肌感触を重視した設計になっています。一方、5Gネットワークの拡大や自動車のEV化による電子基板等の熱マネジメントに対する需要増大に伴い、放熱フィラーとして「大粒子酸化亜鉛LPZINCシリーズ」の開発も進めております。(3) 樹脂添加剤当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術をハイドロタルサイトや塩化ビニル安定剤原料に応用し、特殊ハイドロタルサイト、独自性の高い塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。(4) 有機化学品イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、自動車向け材料等の開発に取り組んでおり、耐水性・柔軟性に優れた新規グレードMulthiol(マルチオール)シリーズや多官能チオール製品群の開発を進めております。 (5) 触媒水素社会を目指した、水電解触媒の開発に注力しています。一例である固体高分子形水電解触媒では、希少なイリジウム触媒の使用量を低減可能な触媒を開発し、サンプルワークを進めています。環境・エネルギー・化学プロセスは当社の重要な研究開発分野であり、これからの水素エネルギー社会が求める技術開発に貢献できるように取り組んでまいります。一方、環境負荷の低減に特化した触媒の開発にも取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しない銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発を進めております。(6) 受託加工現代社会に求められる機能性を付与した分散加工製品開発として、機能性フィラーの分散に取組んでいます。コロナ禍で注目された抗ウイルス性能を持った材料やIT・IoT技術の発展に伴い利用される電子材料、地球温暖化に対応する遮熱性能を持った製品や脱炭素に貢献するバイオマス原料を利用したマスターバッチなどの開発案件に取り組んでいます。分散加工のスペシャリストとして、従来のやり方に囚われない新たな技術ノウハウや加工設備の導入も検討しています。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,450百万円であります。(医療)健診領域において、スタートアップ企業との協業により、胸部X線・CTに加え、下部内視鏡の診断支援AIの販売を開始するなど、さらなるラインナップの拡充を進め、画像診断の精度向上に貢献します。別の協業先による膵臓癌検査薬が薬事承認され、発売準備中です。早期発見が難しい膵臓癌の検査への貢献が期待されます。また別の協業先において膵臓癌検査薬が新たに薬事承認され、発売準備段階に入り早期発見が難しい膵臓癌の検査への貢献が期待されます。ヘルスケア分野では、フレグランスサプリメント「アプローラ」のシリーズ品を新規ラインナップとして発売準備中です。また、産学連携の枠組みを活用した複数の共同開発を行い、新規事業拡大に積極的に取り組んでおります。 なお、医療事業に係る研究開発費用は223百万円であります。
FY2022|2,119 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、研究開発本部、経営企画部、営業本部が連携してグループ会社との協力体制を深め、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。2021年9月に研究開発体制を変更し、新規テーマの探索と初期検討を強化するとともに、有望なテーマについて柔軟かつ迅速にリソースの最適配分を行い、早期上市を目指す体制としました。また、各グループ会社の開発部門でも取り扱い製品の品質向上あるいは新製品上市やプロセス改善のための研究開発を行っております。中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公的研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種発光材料、燃料電池用電極触媒、二次電池用電極材料等の開発に取り組んでおります。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,376百万円であります。セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。(化学)(1) 電子材料電子材料事業においては、電子材料用途向けに誘電体の開発を行っております。チタン酸バリウムに関しては、積層セラミックコンデンサの小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性要求に水熱合成法の特長である微粒子・高結晶・粒度均一な製品を積極的に提案しております。また、誘電体材料についてもさらなる高純度化および微粒子化を進めています。(2) 酸化チタン・亜鉛製品化粧品材料事業においては、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡充としてメイクアップ化粧品向けにも注力しています。肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」のほか、肌を鮮やかに見せる新機能性酸化亜鉛「化粧品用無機蛍光材料Lumate G」を新たに上市しました。また、感染症対策市場が拡大している中、酸化亜鉛の抗菌、抗ウイルス効果に着目し、「FighZinc™シリーズ」を立ち上げたほか、多様化する顧客ニーズに対応すべく表面処理や分散体の開発を進めております。一方、5Gネットワークの拡大や自動車のEV化による熱マネジメントに対する需要増大に伴い、放熱フィラーとして「大粒子酸化亜鉛LPZINCシリーズ」の開発も進めております。(3) 樹脂添加剤当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術をハイドロタルサイトや塩化ビニル安定剤原料に応用し、特殊ハイドロタルサイト、独自性の高い塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。(4) 有機化学品イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、自動車向け材料等の開発に取り組んでおり、耐水性に優れた新規グレードMulthiol(マルチオール)シリーズや多官能チオール製品群の開発を進めております。 (5) 触媒カーボンに代わる無機系の導電性材料としてサブミクロンの低次酸化チタンENETIA(エネティア)の開発を進めており、固体高分子形燃料電池の電極材料や触媒担体向けにサンプルワークを進めています。また、産学連携による人工光合成に用いる光触媒の研究開発も進めております。環境・エネルギー・化学プロセスは当社の重要な研究開発分野であり、これからの水素エネルギー社会が求める技術開発に貢献していくよう取り組んでまいります。一方、環境負荷の低減に特化した触媒の開発にも取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しない銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発を進めております。(6) 受託加工導電材としてのシングルウォールカーボンナノチューブ(SWCNT)に加え、抗ウイルス剤などの機能性フィラーの分散に取り組んでおります。近年、顧客ニーズは多様化しており、高級志向の高まりから一段と高漆黒化を進めたマスターバッチや、環境対応型製品として赤外線遮蔽インキ・マスターバッチ、入浴剤・化粧品向け製品および機能性インキ・マスターバッチの開発に注力しております。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,235百万円であります。(医療)健診領域において、血液ならびに唾液による各種がんリスクスクリーニングのリキッドバイオプシー検査、胸部X線や消化器内視鏡の医用画像の診断支援AI等、スタートアップ企業との協業により、さらなるラインナップの拡充を進めております。ヘルスケア分野では、紫外線対策サプリメント「ソルプロ」のリニューアルに加え、記憶力・注意力維持食品「メモエル」、フレグランスサプリメント「アプローラ」等の新規ラインナップの拡充も進めております。また、産学連携の枠組みを活用した複数の共同開発を行い、新規事業拡大に積極的に取り組んでおります。 なお、医療事業に係る研究開発費用は141百万円であります。
FY2021|2,921 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、研究開発本部、堺開発部、小名浜開発部、経営企画部が連携してグループ会社との協力体制を深めながら、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。また、研究開発本部内の中央研究所は中長期的なテーマを、堺、小名浜開発部は早期上市が見込めるテーマを、グループ会社の各々の開発部門は取り扱う各製品の品質向上あるいは新製品上市やプロセス改善のための研究開発を行っております。中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公的研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種発光材料、燃料電池用電極触媒、二次電池用電極材料等の開発に取り組んでおります。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,487百万円であります。セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(化学)(1) 電子材料電子材料事業においては、電子材料用途向けにチタン酸バリウムの開発を行っております。チタン酸バリウムに関しては、電子部品の積層セラミックコンデンサの小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性の要求があり、水熱合成法の特長を活かした微粒子・高結晶・粒度均一な材料開発を進めております。(2) 酸化チタン・亜鉛製品化粧品材料事業においては、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡充としてメイクアップ化粧品向けに、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」を上市、拡販に鋭意注力しております。また、高隠蔽力を付与できる「顔料級酸化チタンMKRシリーズ」もラインナップに加え、その顔料級酸化チタンを用いた「顔料分散体DIPシリーズ(酸化鉄顔料含む4色)」も開発し、多種多様な化粧品商材に対応すべく積極的に提案しております。あわせて、インキやフィルム、電子材料分野へのUV遮蔽、電気特性等機能性を付与するフィラーとしての用途展開にも注力しております。(3) 樹脂添加剤樹脂添加剤事業においては、2018年8月にタイ王国で塩ビ樹脂安定剤の製造・販売を行うSIAM STABILIZERS AND CHEMICALS CO., LTD.の株式の90.0%を取得し、Sakai Chemical(Vietnam) Co., Ltd.とのグループシナジーを最大限に発揮すべく、長年培った塩化ビニル安定剤の技術に基づいて、堅調に成長している海外市場をターゲットとした開発に取り組んでおります。また、当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術をハイドロタルサイトや塩化ビニル安定剤原料に応用し、特殊ハイドロタルサイト、独自性の高い塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。(4) 有機化学品SC有機化学㈱では、イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、中央研究所とも協力し、光学材料、電子材料、自動車向け材料等の有機化成品材料の開発に取り組んでおり、耐水性に優れた新規グレードMulthiolR(マルチオール)シリーズの上市、拡販に注力しております。 (5) 触媒中央研究所では、カーボンに替わる無機系の導電性材料としてサブミクロンの低次酸化チタンENETIA(エネティア)の開発を進めています。固体高分子形燃料電池の電極材料や触媒担体向けにサンプルワークを進めています。また、産学連携による人工光合成に用いる光触媒の研究開発も進めております。環境・エネルギー・化学プロセスは当社の重要な研究開発分野であり、これからの水素エネルギー社会が求める技術開発に貢献していくよう取り組んでまいります。堺開発部では、環境負荷の低減に特化した触媒の開発に取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しない銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発に取り組んでおります。(6) 受託加工レジノカラー工業㈱では、長年の着色剤ビジネスで培った分散技術や原料選択などの技術力と、ユーザーとの綿密な調色作業で養われたサービス力に基づいて、シングルウォールカーボンナノチューブに加え抗ウイルス剤などの機能性フィラーの分散に取り組んでおります。近年、多様化する顧客ニーズへの対応分野が広がっており、従来の電子機器向け導電インキや自動車向け機能性インキに加え、赤外線遮蔽インキ・マスターバッチなどの環境対応型製品の開発にも取り組んでおります。また、クリーン環境を実現した新工場での入浴剤・化粧品向け製品及び機能性インキ・マスターバッチの開発に一層注力しております。大崎工業㈱では、顧客との深い信頼関係と長年にわたって培われた製造技術と評価技術を駆使して顧客ニーズに応える品質の最適化に取り組みながら、主にIT関連分野向け、触媒向け素材として供給し、新たな化成品受託製造も堅調に伸ばしています。(7) その他中央研究所では、今後の市場拡大が期待される次世代二次電池用電極材料についても、産官学連携を強化しながら開発を進めています。小名浜開発部では、酸化チタン・酸化亜鉛・亜鉛末およびバリウム化合物を中心素材として、触媒用途、電子材料用途などの高機能性材料の開発や、粉体表面処理技術を活かした2次電池向け材料の開発に取り組んでおります。堺開発部では高屈折率材料の酸化ジルコニウム、電子材料や歯科材料用途向けなどの球状シリカの開発に注力しております。大崎工業㈱では、収益源である視覚障がい者誘導用標示(点字ブロック)の販売・改良に注力しております。「凸凹した舗道にも貼り易い」という特長を活かし舗道用に販売してきましたが、拡販のため鉄道用や室内用に進出すべく、仕上がりの綺麗さの改善を進めています。また、景観との調和を大切にしながら、交通安全の向上に貢献するため、スクールゾーンや自転車レーン用のカラー路面標示用溶着塗料の拡販・改良にも取り組んでおります。以上のほかに無機・有機化成品の新製品の開発に取り組んでおります。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,355百万円であります。(医療)カイゲンファーマ㈱では、2019年6月に、内視鏡治療用の医療機器2製品(リフタル®K、リフテイン®ニードル)を上市し、拡販に鋭意注力しております。さらに健診領域において、血液ならびに唾液による各種がんリスクスクリーニングのリキッドバイオプシー検査、胸部X線等の医用画像の診断支援AI等、スタートアップ企業との協業により、さらなるラインナップの拡充を進めております。また、産学連携の枠組みを活用した複数の共同開発を行い、新規事業拡大に積極的に取り組んでおります。なお、医療事業に係る研究開発費用は131百万円であります。
FY2020|3,114 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、研究開発本部、堺開発部、小名浜開発部、経営企画部が連携してグループ会社との協力体制を深めながら、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。また、研究開発本部内の中央研究所は中長期的なテーマを、堺、小名浜開発部は早期上市が見込めるテーマを、グループ会社の各々の開発部門は取り扱う各製品の品質向上あるいは新製品上市やプロセス改善のための研究開発を行っております。中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公的研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種発光材料、燃料電池用電極触媒、機能性超微粒子誘電体材料、二次電池用電極材料等の開発に取り組んでおります。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,898百万円であります。セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(化学)(1) 電子材料電子材料事業においては、電子材料用途向けにチタン酸バリウムの開発を行っております。チタン酸バリウムに関しては、電子部品の小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性の要求があり、水熱合成法の特長を活かした微粒子・高結晶・粒度均一な材料開発を進めております。(2) 酸化チタン・亜鉛製品化粧品材料事業においては、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡充としてメイクアップ化粧品向けに、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」を上市、拡販に鋭意注力しております。また、高隠蔽力を付与できる「顔料級酸化チタンMKRシリーズ」もラインナップに加え、その顔料級酸化チタンを用いた「顔料分散体DIPシリーズ(酸化鉄顔料含む4色)」も開発し、多種多様な化粧品商材に対応すべく積極的に提案しております。あわせて、インキやフィルム、電子材料分野へのUV遮蔽、電気特性等機能性を付与するフィラーとしての用途展開にも注力しております。(3) 樹脂添加剤樹脂添加剤事業においては、2018年8月にタイ王国で塩ビ樹脂安定剤の製造・販売を行うSIAM STABILIZERS AND CHEMICALS CO., LTD.の株式の90.0%を取得し、Sakai Chemical(Vietnam) Co., Ltd.とのグループシナジーを最大限に発揮すべく、長年培った塩化ビニル安定剤の技術に基づいて、堅調に成長している海外市場をターゲットとした開発に取り組んでおります。また、当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術をハイドロタルサイトや塩化ビニル安定剤原料に応用し、特殊ハイドロタルサイト、独自性の高い塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。(4) 有機化学品SC有機化学㈱では、イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、自動車向け材料等の有機化成品材料の開発に取り組んでおり、耐水性に優れた新規グレードMulthiolR(マルチオール)シリーズの上市、拡販に注力しております。中央研究所では有機系機能性材料として、チオール変性マレイミド樹脂の市場開拓に注力しています。この開発品は高い耐熱性と柔軟な屈曲性という特徴を生かす用途として炭素繊維強化プラスチックスや耐熱接着剤に向けて顧客へのサンプルワークを進めております。 (5) 触媒中央研究所では、カーボンに替わる無機系の導電性材料としてサブミクロンの低次酸化チタンENETIA(エネティア)の開発を進めています。固体高分子型燃料電池の電極材料や触媒担体向けにサンプルワークを進めています。また、産学連携による人工光合成に用いる光触媒の研究開発も進めております。環境・エネルギー・化学プロセスは当社の重要な研究開発分野であり、これからの水素エネルギー社会が求める技術開発に貢献していくよう取り組んでまいります。堺開発部では、環境負荷の低減に特化した触媒の開発に取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しないクロムフリー銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発に取り組んでおります。(6) 受託加工レジノカラー工業㈱では、長年の着色剤ビジネスで培った分散技術や原料選択などの技術力と、ユーザーとの綿密な調色作業で養われたサービス力に基づいて、シングルウォールカーボンナノチューブなどの機能性フィラーの分散に取り組んでおります。近年、多様化する顧客ニーズへの対応分野が広がっており、従来の電子機器向け導電インキや自動車向け機能性インキに加え、赤外線遮蔽インキ・マスターバッチなどの環境対応型製品の開発にも取り組んでおります。また、クリーン環境を実現した新工場での入浴剤・化粧品向け製品及び機能性インキ・マスターバッチの開発に一層注力しております。大崎工業㈱では、無機系、有機系の新規受託化成品の検討を強化しています。顧客との深い信頼関係と長年に亘って培われた製造技術と評価技術を駆使して、主にIT関連分野向け、触媒向けを用途とする素材として供給しております。(7) その他中央研究所では、発光材料の中でも応力発光体の実用化展開に注力しております。現状、機能性重視の高発光型、汎用性に優れる従来型とラインアップを拡充し、意匠性付与や検査用途等へのサンプルワークを進めております。また、今後の市場拡大が期待される次世代二次電池用電極材料についても、産官学連携を強化しながら開発を進めています。小名浜開発部では、酸化チタン・酸化亜鉛・亜鉛末及びバリウム化合物を中心素材として、触媒用途、電子材料用途などの高機能性材料の開発や、粉体表面処理技術を活かした2次電池向け材料の開発に取り組んでおります。堺開発部では高屈折率材料の酸化ジルコニウム、電子材料や歯科材料用途向けなどの球状シリカの開発に注力しております。大崎工業㈱では、視覚障がい者用誘導標示点字シート「セグリダ®」の開発・販売に注力しております。「セグリダ®」は、二色化による輝度比向上などの特長を生かした、顧客(発注者、施工者、利用者)の要求に幅広く応えられる新製品です。また、景観との調和を大切にしながら、交通安全の向上に貢献するため、スクールゾーンや自転車レーン用のカラー路面標示用溶着塗料の拡販・改良にも取り組んでおります。以上のほかに無機・有機化成品の新製品の開発に取り組んでおります。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,774百万円であります。(医療)カイゲンファーマ㈱では、2019年6月に、内視鏡治療用の医療機器2製品(リフタル®K、リフテイン®ニードル)を上市し、拡販に鋭意注力しております。さらに検診領域において、既存のX線検査造影剤、血液によるがんリスク検査に加え、新たに唾液によるがんリスク検査の受託業務を開始し、更なるラインナップの拡充を進めております。またこれら以外にも、従来から注力している医療用医薬品、医療機器分野の製品に加え、美容医療向けの製品開発にも、産学連携の枠組みも活用しながら積極的に取り組んでおります。なお、医療事業に係る研究開発費用は124百万円であります。
FY2019|3,003 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、研究開発本部、堺開発部、小名浜開発部、経営企画部が連携してグループ会社との協力体制を深めながら、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。また、研究開発本部内の中央研究所は中長期的なテーマを、堺、小名浜開発部は早期上市が見込めるテーマを、グループ会社の各々の開発部門は取り扱う各製品の品質向上あるいは新製品上市やプロセス改善のための研究開発を行っております。中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公的研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種発光材料、燃料電池用電極触媒、機能性超微粒子誘電体材料等の開発に取り組んでおります。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,951百万円であります。セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(化学)(1) 電子材料電子材料事業においては、電子材料用途向けにチタン酸バリウムの開発を行っております。チタン酸バリウムに関しては、電子部品の小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性の要求があり、水熱合成法の特長を活かした微粒子・高結晶・粒度均一な材料開発を進めております。(2) 酸化チタン・亜鉛製品化粧品材料事業においては、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡充としてメイクアップ化粧品向けに、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」を上市、拡販に鋭意注力しております。また、インキやフィルムなどのUV遮蔽用のグレード開発にも着手、更なる用途展開に注力しております。(3) 樹脂添加剤樹脂添加剤事業においては、2018年8月にタイ王国で塩ビ樹脂安定剤の製造・販売を行うSIAM STABILIZERS AND CHEMICALS CO., LTD.の株式の90.0%を取得し、Sakai Chemical(Vietnam) Co., Ltd.とのグループシナジーを最大限に発揮すべく、長年培った塩化ビニル安定剤の技術に基づいて、堅調に成長している海外市場をターゲットとした開発に取り組んでおります。また、当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術をハイドロタルサイトや塩化ビニル安定剤原料に応用し、特殊ハイドロタルサイト、独自性の高い塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。(4) 有機化学品SC有機化学㈱では、イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、自動車向け材料等の有機化成品材料の開発に取り組んでおり、耐水性に優れた新規グレード「マルチチオール」製品の上市、拡販に注力しております。中央研究所では有機系機能性材料開発を強化すべく開発体制の見直しを行い、開発品チオール変性マレイミド樹脂の市場開拓に注力しています。この開発品は高い耐熱性と柔軟な屈曲性という特徴を生かす用途として炭素繊維強化プラスチックスや耐熱接着剤に向けて顧客へのサンプルワークを進めております。(5) 触媒中央研究所では、固体高分子型燃料電池の電極材料開発に注力しています。カーボンに替わる無機系の導電性材料としてサブミクロンの低次酸化チタンENETIA(エネティア)の開発を進めています。また、産学連携による人工光合成に用いる光触媒の研究開発も進めております。環境・エネルギー・化学プロセスは当社の重要な研究開発分野であり、これからの水素エネルギー社会が求める技術開発に貢献していくよう取り組んでまいります。堺開発部では、環境負荷の低減に特化した触媒の開発に取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しないクロムフリー銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発に取り組んでおります。(6) 受託加工レジノカラー工業㈱では、長年の着色剤ビジネスで培った分散技術や原料選択などの技術力と、ユーザーとの綿密な調色作業で養われたサービス力に基づいて、機能性フィラーの分散に取り組んでおります。近年、多様化する顧客ニーズへの対応分野が広がっており、従来の電子機器向け導電インキや自動車向け機能性インキに加え、赤外線遮蔽インキ・マスターバッチなどの環境対応型製品の開発にも取り組んでおります。また、新たな加工機を導入し、クリーン環境を実現した新工場での入浴剤・化粧品向け製品及び機能性インキ・マスターバッチの要求も増えてきており、開発に一層注力しております。(7) その他中央研究所では、発光材料の中でも応力発光体の実用化展開に注力しております。現状、従来型が服飾デザイナーの注目を得て靴や衣服への展開が進んでいますが、さらなる用途拡大を目指し、約2倍の能力の高発光型の開発を進めております。また、昨年開発した高感度型は従来型では困難であった様々な成型物の検査や設計妥当性の検証への展開が考えられ、顧客での実用試験を進めているところです。化粧品用蛍光体は2017年度に赤・緑・青の3色を取り揃え、これらを混合した白色発光による美しい肌の色を演出する機能性色材として顧客への紹介を進めております。その他に、機能性超微粒子誘電体材料の開発を産学連携で進めております。小名浜開発部では、酸化チタン・酸化亜鉛・亜鉛末及びバリウム化合物を中心素材として、触媒用途、電子材料用途などの高機能性材料の開発や、粉体表面処理技術を活かした2次電池向け材料の開発に取り組んでおります。堺開発部では高屈折率材料の酸化ジルコニウム、電子材料や歯科材料用途向けなどの球状シリカの開発に注力しております。大崎工業㈱では、視覚障がい者用誘導標示点字シート「ステップガイド®」に続く新タイプの一体型点字シート「セグリダ®」の開発・施工数の確保に注力しております。「セグリダ®」は、現場での設置作業工程(時間)が少なく、また工事仕上がりの品質安定化に大いに貢献する新製品です。更に景観との調和を大切にしながら、交通安全の向上に貢献するため、スクールゾーンや自転車レーン用のカラー路面標示用溶着塗料の拡販・改良にも取り組んでおります。以上のほかに無機・有機化成品の新製品の開発に取り組んでおります。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,815百万円であります。(医療)カイゲンファーマ㈱では、2019年6月に、内視鏡下での消化管疾患治療を補助する医療機器の発売を開始いたします。さらに、従来からの注力領域である検診領域において、既存のX線検査造影剤に加えて、新しいがん検査用試薬の販売を開始しており、更なるラインナップの拡充を進めております。またこれら以外にも、従来から注力している医療用医薬品、医療機器分野の製品に加え、美容医療向けの製品開発にも、産学連携の枠組みも活用しながら積極的に取り組んでおります。なお、医療事業に係る研究開発費用は136百万円であります。
FY2018|3,073 文字
5【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、当社の研究開発本部が研究・開発各部門を統括し、経営戦略本部と連携してグループ会社との協力体制を深めながら、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。また、研究開発本部内に設置した中央研究所は中長期的なテーマの研究開発を、事業部やグループ会社の各々の開発部門は取り扱う各製品の品質向上あるいは新製品上市のための研究開発を行っております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、3,217百万円であります。セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(化学)(1) 機能性無機材料・ナノ材料中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公設研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種蛍光体、燃料電池用電極触媒、機能性超微粒子誘電体材料等の開発に取り組んでおり、パイロットスケールでその商品価値を確認の後、順次事業部へ技術移管しております。蛍光体材料では、特に蓄光体や応力発光体の実用化展開に注力しています。蓄光体は避難誘導表示板等に需要が見込まれることから顧客紹介に注力しています。また、応力発光体は従来の高発光型が服飾デザイナーの注目を得て靴や衣服への展開が検討されており、加えて新たに小さな歪でも発光する高感度型を開発しました。この高感度型は従来の高発光型では困難であった様々な成型物の検査や設計妥当性の検証への展開が考えられ、顧客での実用試験を進めているところです。化粧品用蛍光体は昨年度に赤・緑・青の3色を取り揃え、これらを混合した白色発光による美しい肌の色を演出する機能性色材として顧客への紹介を進めています。また、機能性超微粒子誘電体材料の開発を産学連携で進めているところです。無機材料事業部では、酸化チタン・酸化亜鉛・亜鉛末及びバリウム化合物を中心素材として、触媒用途、電子材料用途などの高機能性材料の開発に取り組んでおります。その他にも高屈折率材料の酸化ジルコニウム、電子材料や歯科材料用途向けなどの球状シリカ、粉体表面処理技術を活かした2次電池向け材料の開発に注力しております。電子材料事業部では、電子材料用途向けにチタン酸バリウムの開発を行っております。チタン酸バリウムに関しては、電子部品の小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性の要求があり、水熱合成法の特長を活かした微粒子・高結晶・粒度均一な材料開発を進めております。またコンデンサ以外の用途開拓のため、高誘電率、高屈折率の特長を活かせる分野への材料開発もおこなっております。機能材料部では、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡充としてメイクアップ化粧品向けに、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」を上市、拡販に鋭意注力しております。加えて、インキやフィルムなどのUV遮蔽用のグレード開発にも着手、更なる用途展開に注力しております。(2) 触媒中央研究所では、固体高分子型燃料電池の電極材料開発に注力しています。カーボンに替わる無機系の導電性材料としてサブミクロンの低次酸化チタンENETIA(エネティア)の開発を進めています。また、産学連携による人工光合成に用いる光触媒の研究開発も進めております。環境・エネルギー・化学プロセスは当社の重要な研究開発分野であり、これからの水素エネルギー社会が求める技術開発に貢献していくよう取り組んでまいります。触媒事業部では、環境負荷の低減に特化した触媒の開発に取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しないクロムフリー銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発に取り組んでおります。(3) 有機化成品イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、医薬中間体、自動車向け材料等の有機化成品材料の開発に取り組んでおります。中央研究所では有機系機能性材料開発を強化すべく開発体制の見直しを行い、開発品チオール変性マレイミド樹脂の市場開拓に注力しています。この開発品は高い耐熱性と柔軟な屈曲性という特徴を生かす用途として炭素繊維強化プラスチックスや耐熱接着剤に向けて顧客へのサンプルワークを進めております。(4) 機能性インキ・各種分散体レジノカラー工業㈱では、長年の着色剤ビジネスで培った分散技術や原料選択などの技術力と、ユーザーとの綿密な調色作業で養われたサービス力に基づいて、機能性フィラーの分散に取り組んでおります。近年、多様化する顧客ニーズへの対応分野が広がっており、従来の電子機器向け導電インキや自動車向け機能性インキに加え、赤外線遮蔽インキ・マスターバッチなどの環境対応型製品の開発にも取り組んでおります。また、クリーン環境を実現した新工場での入浴剤・化粧品向け製品の要求も増えてきており、開発に一層注力しております。(5) 樹脂添加剤樹脂添加剤事業部では、Sakai Chemical(Vietnam)Co.,Ltd.をグローバル展開の拠点とし、長年培った塩化ビニル安定剤の技術に基づいて、堅調に成長している海外市場をターゲットとした開発に取り組んでおります。また、当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術をハイドロタルサイトや塩化ビニル安定剤原料に応用し、特殊ハイドロタルサイト、独自性の高い塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。また、ハイドロタルサイトにおいては、平成29年12月より戸田工業㈱との協業を開始し、堺事業所およびSakai Chemical (Vietnam) Co.,Ltd.を合わせた年間生産能力は15,000トン規模となり、今後の急成長している市場のニーズに応える生産体制となりました。(6) 道路標示材の開発大崎工業㈱では、視覚障がい者用誘導標示点字シート「ステップガイド®」に続く新タイプの一体型点字シート「セグリダTM」の開発・試験施工に注力しています。「セグリダTM」は、現場での設置作業工程(時間)が少なく、また工事仕上がりの品質安定化に大いに貢献する新製品です。更に景観との調和を大切にしながら、交通安全の向上に貢献するため、スクールゾーンや自転車レーン用のカラー路面標示用溶着塗料の拡販・改良にも取り組んでおります。以上のほかに無機・有機化成品の新製品の開発に取り組んでおります。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,764百万円であります。(医療)カイゲンファーマ㈱では、内視鏡下での消化管疾患治療を補助する医療機器の開発に取り組んでおり、国内での臨床試験(治験)が終了致しました。現在平成31年中の発売を目指し準備を進めております。これ以外にも、従来から注力している医療用医薬品に加え、美容整形外科向けの製品や機能性表示食品を含むサプリメント等の新商品開発にも積極的に取り組んでおります。また既存主力製品であるX線検査造影剤の改良検討も継続して実施しております。なお、医療事業に係る研究開発費用は453百万円であります。
FY2017|2,717 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、当社の研究開発本部が研究・開発各部門を統括し、経営戦略本部と連携してグループ会社との協力体制を深めながら、有望開発品の上市に向けてスピードアップを図っております。また、研究開発本部内に設置した中央研究所は中長期的なテーマの研究開発を、事業部やグループ会社の各々の開発部門は取り扱う各製品の品質向上あるいは新製品上市のための研究開発を行っております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,909百万円であります。セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。(化学)(1) 機能性無機材料・ナノ材料中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核として、また、大学や公設研究機関との産学連携も視野に入れて、機能性材料の開発を進めております。主には、各種蛍光体、燃料電池用電極触媒、機能性超微粒子誘電体材料等の開発に取り組んでおり、パイロットスケールでその商品価値を確認の後、順次事業部へ技術移管しております。蛍光体は、化粧品用に赤、緑、青の3色ラインアップを化粧品産業技術展などの展示会で発表し、市場開拓に注力しております。また避難誘導表示板等に用いる長時間発光の蓄光体や、太陽電池用の波長変換材料の開発も進めております。応力発光体は、様々な形状の成型物の検査用途などの実用化を目指しております。燃料電池は水素エネルギー社会での成長が期待されており、当社グループの粉体合成技術、触媒技術を活かせる分野として材料開発に取り組んでおります。無機材料事業部では、酸化チタン・酸化亜鉛・亜鉛末及びバリウム化合物を中心素材として、触媒用途、電子材料用途などの高機能性材料の開発に取り組んでおります。その他にも高屈折率材料の酸化ジルコニウム、電子材料や歯科材料用途向けなどの球状シリカ、粉体表面処理技術を活かした2次電池向け材料の開発に注力しております。電子材料事業部では、電子材料用途向けにチタン酸バリウム、エネルギー用途向けに燃料電池材料の開発を行っております。チタン酸バリウムに関しては、電子部品の小型化・高容量化、自動車部品の高信頼性の要求があり、水熱合成法の特長を活かした微粒子・高結晶・粒度均一な材料開発を進めております。燃料電池材料に関しては、粉体合成技術を活かした酸化物材料を中心に、民生用のみならず、今後の市場拡大が期待される業務用・産業用向けにもサンプルワークを進めております。機能材料部では、従来の日焼け止め分野に加え、用途拡充としてメイクアップ化粧品向けに、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZシリーズ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」を上市、拡販に鋭意注力しております。加えて、インキやフィルムなどのUV遮蔽用のグレード開発にも着手、更なる用途展開に注力しております。(2) 触媒中央研究所では、固体高分子型燃料電池用の電極材料開発に注力しております。環境・エネルギー・化学プロセスを重要な注力分野と決め、触媒事業の拡大を図るべく開発に取り組んでおります。触媒事業部では、環境負荷の低減に特化した触媒の開発に取り組んでおります。化学プロセス分野では、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含有しないクロムフリー銅系触媒の開発に注力しており、ポリエステル重合用触媒としてはアンチモンのような重金属を含有しないチタン系触媒の開発に取り組んでおります。(3) 有機化成品イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、医薬中間体、自動車向け材料等の有機化成品材料の開発に取り組んでおります。新規開発したチオール変性マレイミド樹脂は、中央研究所及びSC有機化学㈱は共同でサンプルワークに注力しております。高い耐熱性と柔軟な屈曲性を有する特徴があり、耐熱接着剤用途など市場開拓を進めております。(4) 機能性インキ・各種分散体レジノカラー工業㈱では、長年の着色剤ビジネスで培った分散技術や原料選択などの技術力と、ユーザーとの綿密な調色作業で養われたサービス力に基づいて、機能性フィラーの分散に取り組んでおります。近年、多様化する顧客ニーズへの対応分野が広がっており、従来の電子機器向け導電インキや自動車向け機能性インキに加え、光学用高屈折分散体の開発にも取り組んでおります。また、各種樹脂・エラストマー等に高漆黒性や高輝度性等の機能性を付加するマスターバッチや入浴剤・化粧品などのトイレタリー分野の要求も増えてきており、開発に一層注力しております。(5) 樹脂添加剤樹脂添加剤事業部では、Sakai Chemical(Vietnam)Co.,Ltd.をグローバル展開の拠点とし、長年培った塩化ビニル安定剤の技術に基づいて、堅調に成長している海外市場をターゲットとした開発に取り組んでおります。また、当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術を応用した特徴のあるハイドロタルサイトを応用した塩化ビニル安定剤を展開し、性能の差別化に注力しております。同時にハイドロタルサイトを含め、各種配合剤の自社生産化や高効率化により、コストパフォーマンスに優れる製品の開発を進めております。(6) 道路標示材の開発大崎工業㈱では、視覚障害者用誘導標示材「点字シート」の増販を目指し、従来タイプよりも設置作業工程が少なく、また防滑効果をより高めた新タイプの「一体型点字シート」の開発に注力しております。また、路面標示用溶着塗料においてスクールゾーンや自転車レーン用のカラー材の拡販にも取り組んでおります。以上のほかに無機・有機化成品の新製品の開発に取り組んでおります。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,659百万円であります。(医療)カイゲンファーマ㈱では、既存主力製品のX線検査造影剤関連製品の改良検討を行うとともに、医療機器やヘルスケア領域の新製品開発に取り組んでおります。医療機器分野では、近年増加している内視鏡下での消化管疾患治療を補助する医療機器について、2019年中の発売をめざし国内で臨床試験(治験)を開始いたしました。これ以外にも、従来から注力している内視鏡関連の医療用製品の新規開発を継続的に行っております。ヘルスケア分野では、従来からのOTC医薬品、健康食品だけでなく、機能性表示食品を含む各種サプリメントの開発にも積極的に取り組んでおります。なお、医療事業に係る研究開発費用は249百万円であります。(その他)特記すべき事項はありません。
FY2016|2,626 文字
6【研究開発活動】当社グループの研究開発活動については、当社の研究開発本部が研究・開発各部門を統括し、その傘下にある開発企画部がグループ会社との連携も深めながら、顧客ニーズに逸早く応え、有望開発品の上市のスピードアップを図っている。また、研究開発本部内に設置された中央研究所が中長期的な開発テーマを、事業部やグループ会社は取り扱う各製品の品質向上あるいは新製品開発のための研究を各々の部門において行っている。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費用は、2,773百万円である。セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりである。(化学)(1) 機能性無機材料・ナノ材料中央研究所では、当社グループが得意とする粉体プロセシング技術を核に、電子材料用途向けとして機能性超微粒子誘電体材料、蛍光体等、エネルギー用途向けとして燃料電池材料、太陽電池材料等の開発に取り組み、パイロットスケールでその商品価値を確認の後、順次事業部へ技術移管している。燃料電池は水素エネルギー社会での成長が期待されており、当社グループの粉体合成技術、触媒技術を活かせる分野として特に開発に注力している。蛍光体は、大学あるいは公設研究機関との共同開発を進め、化粧品用蛍光体、太陽電池用蛍光体、応力発光体の市場開拓に注力している。中でも化粧品用蛍光体は、赤、緑に加え青をラインアップし市場拡大を目指す。応力発光体は、トンネルや橋梁などのコンクリート構造物の劣化検査を含めた用途開発に注力している。また、樹脂添加材用ハイドロタルサイトの技術展開として開発した亜鉛置換型ハイドロタルサイトは脱臭剤用途に向けてサンプルワークを進めている。無機材料事業部では、酸化チタン・酸化亜鉛及びバリウム化合物を中心とした高機能性商品の開発に取り組んでいる。特に当社の粉体表面処理技術を活かして、2次電池向け材料開発に注力している。電子材料事業部では、電子材料用途向けにチタン酸バリウム、エネルギー用途向けに燃料電池材料の開発を行っている。チタン酸バリウムに関しては、電子部品の小型化・高容量化といった高度な要求に適した材料開発を進めている。燃料電池材料に関しては、粉体合成技術を生かした酸化物材料を中心に、民生用のみならず、今後伸びると期待される業務用・産業用向けにも範囲を拡大しサンプルワークを進めている。機能材料部では、日焼け止め化粧品分野での用途拡充として、UV遮蔽性の向上や、肌触りの良化を目指して開発した「六角板状酸化亜鉛XZ」や「板状集積型球状酸化亜鉛CANDY ZINC」を上市、拡販に鋭意注力している。加えて、インキやフィルムなどのUV遮蔽用のグレード開発にも着手、更なる用途展開に注力している。(2) 触媒中央研究所では、注力すべき分野を環境・エネルギー・化学プロセスとし、触媒事業の拡大を図るべく開発に取り組んでいる。現在は、固体高分子型燃料電池用の電極材料開発に注力している。触媒事業部では、環境負荷の小さい触媒の開発に特化している。化学プロセス分野にて、脱水素反応、水素添加反応用触媒として有害成分であるクロムを含まない銅系触媒を、ポリエステル重合用触媒として重金属であるアンチモンを含有しないチタン系触媒の開発に取り組んでいる。また、環境分野にて自動車排ガス処理触媒用の担体の開発に注力している。(3) 有機化成品中央研究所及びSC有機化学㈱は共同で、イオウ、リンを含むヘテロ有機化合物合成技術をベースとして、光学材料、電子材料、医薬中間体、自動車向け材料等の有機化成品材料の開発に取り組んでいる。電子材料では、特に電子部品の高温化に対応できる高耐熱性樹脂の開発を進め、今般、チオール変性マレイミド樹脂を新規開発した。高い耐熱性と柔軟な屈曲性を有する特徴があり、展示会等も活用してユーザー紹介に注力している。 (4) 機能性インキ・各種分散体レジノカラー工業㈱では、長年の着色剤ビジネスで培った分散技術や原料選択などの技術力と、ユーザーとの綿密な調色作業で養われたサービス力に基づいて、機能性フィラーの分散に取り組んでいる。近年、多様化する顧客ニーズへの対応分野が広がっており、従来の電子機器向け導電インキや自動車向け機能性インキに加え、光学用高屈折分散体の開発にも取り組んでいる。また、各種樹脂・エラストマー等に機能性を付加するマスターバッチや入浴剤・化粧品などのトイレタリー分野の要求も増えてきており、開発に一層注力している。(5) 樹脂添加剤樹脂添加剤事業部では、Sakai Chemical(Vietnam)Co.,Ltd.をグローバル展開の拠点とし、長年培った塩化ビニル安定剤の技術に基づいて、堅調に成長している海外市場をターゲットとした開発に取り組んでいる。また、当社が得意とする表面処理技術・粒子制御技術を応用したハイドロタルサイト、金属石鹸等にも注力しており、特徴のある原料を使用した樹脂添加剤の開発に取り組んでいる。(6) 道路標示材の開発大崎工業㈱では、視覚障害者用誘導標示材「点字シート」の増販を目指し、防滑仕様タイプの開発に注力している。また、路面標示用溶着塗料においてスクールゾーンや自転車レーン用のカラー材の拡販にも取り組んでいる。以上のほかに無機・有機化成品の新製品の開発に取り組んでいる。なお、化学事業に係る研究開発費用は2,571百万円である。(医療)カイゲンファーマ㈱では、既存主力製品のX線検査造影剤関連製品の改良検討を行うとともに、OTC医薬品、医療機器、健康食品の新製品開発に取り組んでいる。OTC医薬品分野では、かぜ薬を中心とした改源ブランド製品に続き、かぜ以外の領域においても、足のむくみに飲んで効く「ムクトレール」を昨年上市し、その後も引き続き新製品の開発に取り組んでいる。医療機器分野では、内視鏡用洗浄消毒器の改良製品である「クリーントップ KD-1」、大腸内視鏡専用検査食「ダルムスペースファイン」を上市するなど、内視鏡関連の医療用製品の新規開発を継続的に行っている。健康食品分野では、カイゲンファーマ㈱の独自素材である「ソルギン」や「ガニアシ」の応用製品の開発を進めるほか、機能性表示食品分野での新商品開発にも取り組んでいる。なお、医療事業に係る研究開発費用は202百万円である。(その他)特記すべき事項はない。