事業の概要
- キャッシュレス決済支援ジィ・シィ企画は、カード会社加盟店や企業向けに、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済システムを開発・導入しています。現金からキャッシュレスへの移行が進む中で、多様な決済手段に対応するシステムを提供し、その導入から保守・運用までを一貫してサポートすることで収益を得ています。
- 決済ASPサービス自社でシステムを保有・運用する「オンプレミス型」に加え、顧客が初期費用を抑えて利用できるクラウド型の「決済ASPサービス」も提供しています。これにより、顧客は複雑なシステム管理から解放され、同社は安定した継続的な収益(ストック収益)を確保しています。
- 時間サポート体制導入後の保守・運用サポートは、自社ヘルプデスクが24時間体制で対応しています。これにより、顧客は安心してサービスを利用でき、システムトラブル時にも迅速な対応が期待できるため、顧客満足度向上と信頼構築に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ペイメントインテグレーション事業この事業は、顧客自身が決済処理システムを運用するために必要なシステムを提供するものです。決済パッケージソフトウェア「CARD CREWシリーズ」をライセンス提供し、顧客のニーズに合わせてカスタマイズも行います。売上は7.2114億円で、フロー収益が中心です。
- ペイメントサービス事業この事業は、当社がプロセシングに必要なソフトウェア、通信回線、サーバー、保守・運用までをクラウド型で提供するサービスです。初期費用を抑え、安定的なストック収益を確保しており、売上は11.23189億円と、全収益の60.9%を占める主要な稼ぎ頭です。
- 報告セグメント合計報告セグメント全体の売上は18.44329億円で、営業利益は-0.18998億円です。ペイメントインテグレーション事業がフロー収益、ペイメントサービス事業がストック収益を構成し、全体としてキャッシュレス決済サービス事業を展開しています。
2025-06 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| PaymentIntegrationReportableSegment | 事業 | 7 | -1 | -8.3% |
| PaymentServiceReportableSegment | 事業 | 11 | 0 | 3.7% |
| TotalOfReportableSegmentsReportableSegment | 事業 | 18 | -0 | -1.0% |
| CONSOLDATEDTOTALORCOMPANYWIDETOTAL | 事業 | 18 | -1 | -4.3% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社は、「社会に貢献する企業として、高品質の商品とサービスの提供により、顧客満足度を高め、社員一人一人が高いモラルを維持し、社会にとってなくてはならない会社となる。」を経営理念として、電子マネーの急速な普及に伴い多様化するカード取引に対応するシステムを開発し、キャッシュレス決済サービス事業としてカード会社加盟店や企業への導入及びクラウドによる決済ASPサービスを行ってまいりました。また、導入後の保守・運用に関するサポートサービスは自社でヘルプデスクを備え、24時間体制でタイムリーに対応できるよう整備しております。なお、当社の事業セグメントについて、前事業年度は「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」、「その他事業」の3つに区分しておりましたが、2024年8月にNUCADOCO事業を廃止したことにより「その他事業」セグメントを廃止し、当事業年度より「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」の2セグメントに変更しております。 (1) ビジネスモデルの概要 買い物は現金決済が当たり前で、クレジットカードはお金持ちが使うものという時代から、日々の買い物をカードや電子マネーで決済することが普通に行われる時代へと変遷しております。当社は創業時よりこれらのキャッシュレス決済の仕組みを提供しております。我が国のキャッシュレス決済比率は国家戦略として2025年に40%到達が目標(注1)とされていましたが、2024年に42.8%(注2)に到達しました。しかし2021年の韓国95.3%(注1)、中国83.8%(注1)といったキャッシュレス先進国と比較すると大きく出遅れており、こうした現状を受け今後もキャッシュレス決済の需要は高まるものと考えられます。当社の顧客は中堅から大手の流通事業者が中心となっております。これら事業者は複数のテナントがあったり、フランチャイズで多店舗展開を行ったりしており、複数のレジで発生するクレジットカードや電子マネー等の決済をこなし、これに伴う与信処理や取消・返品の対応、決済後のクレジットカード会社等との精算業務などが必要です。 当社が提供するキャッシュレス決済サービスはこれらカード会社加盟店とカード会社を接続し、クレジットカード会社などの事業者の間に入って決済処理、精算データ生成のうえ、カード会社加盟店にデータ還元を行うなどのプロセシング(注3)の一部を担います。 (注)1 2023年8月 一般社団法人キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ2023」2 2025年3月 経済産業省「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」3 プロセシングとは、会員管理や加盟店管理に関する業務の総称です。当社では、その業務のうち決済に必要な通信環境やシステムを用意し、売上集計や請求等の加盟店業務を補佐するとともに、日々の運用に必要なメンテナンスやコールセンター業務を提供しております。 (注)POS:販売時点情報管理(英語:Point of sale system、略称POS system)ここでは、店舗に置かれたPOSシステムにつながれたレジスターを意味します。 (注)決済端末:クレジットカード決済に対応するために設置する信用照会端末を言います。クレジットカードの有効性をスイッチングセンターを通じてカード会社に問合せて決済を行います。(注)スイッチングセンター:カード会社加盟店とカード会社、金融機関をネットワークで結び、決済を実行するための環境を提供しています。株式会社NTTデータが構築するCAFIS、株式会社日本カードネットワークが構築するCARDNETを指しています。 当社のその他の関係会社である株式会社トランザクション・メディア・ネットワークスは、クラウド型電子マネーサービスを国内で初めて商用化して以来、電子マネーを中心にクレジット、コード決済等あらゆるキャッシュレス決済に対応し、国内でも有数の規模を図る決済ゲートウェイサービスを提携する事業者であり、当社は従前より開発パートナーとして関係を築いてまいりました。今般の資本業務提携により、今後更に技術やノウハウを活かし、金融やマーケティング事業領域で新たなサービス開発を行うなど、イノベーションを加速することで、より便利で安全な消費環境の創出を目指してまいります。 (2) 具体的な商品又はサービスの内容 当社の主要事業であるキャッシュレス決済サービス事業は、カード会社加盟店の運用負担やコスト低減、セキュリティの確保など多様なニーズにお応えするため、カード会社加盟店が自身で管理する環境へシステム構築を行うオンプレミス型(注1)に加え、当社が保有するシステムをクラウドとしてご利用いただく決済ASPサービスを提供しております。いずれの場合にもカード会社加盟店向けのサービスとして24時間365日のヘルプデスクを設置し、開発、導入から保守、運用までワンストップで提供しております。 ① ペイメントインテグレーション事業 プロセシング業務を顧客自身が運用する場合に必要な決済処理システムを提供するものです。顧客は当社が直接契約するカード会社加盟店と大手システムインテグレータを通して契約するカード会社加盟店となっております。基本機能は決済パッケージソフトウェアCARD CREWシリーズ(注2)をライセンス提供しております。顧客ニーズに合わせてオンプレミス型、決済ASPサービス型で提供しておりますが、オンプレミス型ではほとんどの場合、カスタマイズが発生し、決済ASPサービス型では顧客環境に合わせたカスタマイズが発生することがあります。これら顧客に対し直接営業することにより発注をいただくほか、既存顧客からの照会にお応えしプロポーザル方式でのご用命をいただくケースもございます。特にPOSシステムとの親和性が高い事から対面販売事業者(注3)を中心にユーザーを獲得しております。 また、対面販売での決済に欠かせない決済端末の販売もこのカテゴリーに含んでおります。決済端末アプリケーションは全て自社開発し、基本パッケージをベースにご希望のカスタマイズを承っています。収益構造としてはフロー収益であり、需要により売上が変動します。 ② ペイメントサービス事業 上記に対し、ストック収益となっているのが、以下の2つのサービスです。(a) 決済ASPサービス(クラウド型) 顧客環境に当社の決済システムを設置又は導入するのではなく、当社がプロセシングに必要なソフトウェア、通信専用回線、サーバー、保守・運用までを用意しご利用いただくクラウド型のサービスです。当社ではセキュリティが厳しく安定的なシステム運用が可能な外部事業者が提供するデータセンター内にサービスに必要なシステムと通信環境を設置した当社専用データセンターで運用しております(注4)。 初期費用を抑え永くご利用いただくことで、顧客にとっては導入しやすく、当社にとっては安定的なストック収益となっています。第30期事業年度においては、収益全体のうちペイメントインテグレーション事業のフロー収益が39.1%、ペイメントサービス事業のストック収益は60.9%であります。 クレジット取引セキュリティ対策協議会(注5)が2020年3月までにPCI DSSの準拠又はカード情報の非保持化を求めたことから管理コストが上昇したため、顧客にとっては、面倒なシステム管理が不要で、多様化する決済手段にも柔軟に対応することが可能なことから、当初オンプレミス型でスタートした顧客がリプレースの段階でクラウド型の決済ASPサービスに切替えるケースが増加しております。(注)1 オンプレミスとは自社で情報システムを保有し自社内の設備で運用することを指します。これに対し、クラウド上に置いた情報システムを利用しその管理までを委託するクラウド型の対語となっております。2 決済パッケージソフトウェア CARD CREWシリーズとは、キャッシュレス決済を実行するために必要な機能を揃えた基本パッケージソフトウェアです。顧客環境でご利用いただくためにライセンス供与し、運用も顧客自らが行うオンプレミス型で提供するほか、決済ASPサービスもこのパッケージソフトウェアで運用します。3 対面販売とは、消費者と対面して販売する一般的な販売形式です。インターネットによるEC決済が非対面であることから区分するために使用しています。4 この施設は当社専用ルームとなっており、「ジィ・シィ企画データセンター」(略称GDC)と呼んでおります。5 クレジット取引セキュリティ対策協議会とは「国際水準のセキュリティ環境」を整備することを目指し、 クレジット取引に関わる幅広い事業者(カード会社、カード会社加盟店・関係業界団体、国際ブランド(注6)、端末機器メーカー、決済代行業者、セキュリティ事業者、情報処理センター等)及び行政が参画して2015年に設立されました。割賦販売法に基づき、クレジットカードの不正を防止するための実行計画を立て、クレジットカード番号等取扱契約締結事業者が定められた加盟店調査義務を果たさない場合は経済産業大臣が業務改善命令や登録の取消しを行います。当社の業務ではクレジットカード番号等取扱契約締結事業者の登録は不要とされていますが、その他関係事業者として決済端末やソリューション等の機能・仕様面で情報漏えい防止のための必要なセキュリティ対策を講じることが求められています。6 国際ブランドとは、世界各地に数多くのカード会社加盟店を持ち、国際的に通用するクレジットカードブランドを言います。 VISA(ビザ)、Mastercard(マスターカード)、American Express(アメリカン・エキスプレス)、DinersClub(ダイナースクラブ)、JCB(ジェーシービー)の5大国際ブランドに加え、Discover Card(ディスカバーカード)と銀聯(ぎんれん)を含めることもあります。 (b)保守運用サービス 当社がオンプレミス型で提供したシステムの保守並びに運用サービスを行っております。24時間365日対応の保守運用体制とヘルプデスクを自社で用意し、緊急時には開発者も交えながら万全の体制で決済システムを監視サポートしております。 事業の系統図は、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 顧客のIT投資に対する価格要求が厳しく、同業他社との価格競争に晒されているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 キャッシュレス決済の仕組み提供、国際ブランド決済ネットワーク接続、情報セキュリティ基準PCI DSS準拠。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:価格競争の激化 / 経済情勢の悪化によるIT投資減少 / 為替変動による原価率上昇
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
提供された財務サマリに時系列データが収録されておらず、ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPなどの無形資産に関する具体的な情報や、それらが競争優位にどう寄与しているかの証拠が得られなかった。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客がジィ・シィ企画のサービスから他社へ乗り換える際の具体的なスイッチングコストに関する情報はないが、ITサービスにおいては一般的にシステム連携やデータ移行の負担が発生する可能性があるため、弱いシグナルとして1点とした。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
提供された情報からは、ユーザー数の増加がサービスの価値向上に繋がるネットワーク効果が存在する証拠は確認できなかった。事業内容から直接的なネットワーク効果が期待できる要素は見当たらない。
コスト優位☆☆☆☆☆
ジィ・シィ企画のコスト構造や、競合他社と比較して構造的に安価にサービスを提供できる優位性に関する情報がないため、コスト優位性は評価できない。
規模の経済☆☆☆☆☆
提供された情報だけでは、ジィ・シィ企画が業界規模に対して最適な少数寡占を形成し、効率規模の経済を享受しているかどうかの判断材料がない。
- キャッシュレス専門性創業以来、キャッシュレス決済の仕組みを提供しており、この分野での深いノウハウと経験が強みです。特に、中堅から大手の流通事業者が抱える複雑な決済処理や精算業務に対応できるシステム開発力は、競合他社との差別化に繋がっています。
- 強固な顧客基盤と実績中堅から大手の流通事業者を主要顧客とし、複数のテナントや多店舗展開を行う事業者への導入実績が豊富です。POSシステムとの親和性が高い「CARD CREWシリーズ」は、対面販売事業者を中心にユーザーを獲得しており、安定した顧客基盤を築いています。
- クラウド型サービスPCI DSS準拠やカード情報非保持化の要請が高まる中、顧客の管理コスト上昇に対応するクラウド型決済ASPサービスを提供しています。これにより、顧客はセキュリティ対策やシステム管理の負担を軽減でき、同社は安定的なストック収益を確保しつつ、顧客のニーズに合わせた柔軟なサービス提供が可能です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等当社は、「社会に貢献する企業として、高品質の商品とサービスの提供により、顧客満足度を高め、社員一人一人が高いモラルを維持し、社会にとってなくてはならない会社を目指します。」という理念のもと、お客様をはじめとする全てのステークホルダーに対し、常に最適な商品・サービスを提供するため、先進的で創造性溢れる技術に挑戦し、成長・発展する企業を目指しております。こうした経営方針の下、当社は多店舗展開を行う小売事業者を主なターゲット顧客とし、キャッシュレス決済に係るシステム開発と決済サービスの提供を行っております。当社の持続的な成長を確保するため、利用いただくカード会社加盟店にとって導入が容易(ワンストップ)で低コストとなるクラウド型の決済ASPサービスの拡充に努めてまいります。また、自社で決済システムを管理・運用を行っている既存顧客についても、リプレースを迎える際に決済ASPサービスに誘導することにより、ストックビジネスであるペイメントサービス事業の売上を伸長する戦略を行っております。 ① ペイメントインテグレーション事業<成長戦略>a.コンタクトレス決済などの多様化する決済手段の対応により、幅広い顧客層への普及をめざします。b.当社独自の標準決済端末の開発と展開により開発コストの低減と高性能端末の提供を進めます。 ② ペイメントサービス事業<成長戦略>a.当社が保有する国際ブランド決済ネットワーク(注1)接続資格を活用することにより、カード会社加盟店にこれまでより廉価な決済環境を提供するとともに、トランザクションフィービジネスとすることで収益の増加を目指します。b.決済ASPサービスにおける決済手段拡張により、マーケットターゲットを拡大させ、一層のキャッシュレス決済の普及に貢献します。c.より安価にキャッシュレス決済端末をご利用いただけるサービスとして、マルチ決済端末のサブスクリプションサービスを導入しております。カード会社とのアライアンスによって、従来の大規模、中規模店に加え、小規模店にも展開し、ストック売上の成長のためにマーケットシェアの拡大を目指します。d.当社のユーザーと決済手数料にかかる契約を直接締結して、決済手数料の差額を収益とするビジネスモデルで、決済手数料売上の拡大を目指します。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、持続的な成長と企業価値向上を図るため、主な経営指標として売上高及び売上高営業利益率を重視しております。また、経営基盤の安定化に資するペイメントサービス事業売上の成長率を経営指標としております。算出は以下の方法により行っております。経営指標算出方法評価、モニタリング売上高‐月次、四半期、年次売上高営業利益率営業利益÷総売上高四半期、年次ペイメントサービス事業売上の成長率前期比、前年同期比四半期、年次 また、取引先とエンドユーザーを継続的に増加させること並びに契約額の大きい取引先を獲得することがペイメントサービス事業売上の継続的な成長の支えであることから、ペイメントサービス事業のエンドユーザーの契約数及び月額平均単価について、それぞれ重視しております。 (3) 当社の強み① 技術力・開発力について業界内で一定の評価当社は開業以来、キャッシュレス決済システムの開発と決済サービスの提供を継続的に行なってきたことから、技術力・開発力については業界内で一定の評価を頂いていると認識しております。中でも大手システムインテグレータに当社製品への通信接続が簡易に実現できるモジュールを提供したことや、ソフトウェアのパッケージ化によってユーザーがシステムの利用を早期かつ安定的に実現できる環境を整えてきたことから、引き合いを受けるケースがございます。また国内の決済ネットワーク運営法人である株式会社NTTデータがサービス提供するCAFIS(注2)や株式会社日本カードネットワークのCARDNET(注3)に対し、当社パッケージが製品登録されている事からも信用と評価に繋がっていると考えております。 (注)1 国際ブランド決済ネットワーク :クレジットカード決済などの統合ネットワークシステムの一種のことを言います。全国のカード会社加盟店(お店・企業)とクレジットカード会社や金融機関をつなぎ、取引や決済を処理しています。各国際ブランドが運営しており、ビザはVisaNet(ビザネット)、マスターカードはBANKNET(バンクネット)という決済ネットワークを運営しています。世界各地で標準的に利用されていますが、日本ではほとんどのクレジットカード決済が以下に記載するCAFISまたはCARDNETを利用して行われています。2 CAFIS :クレジットカード決済などの統合ネットワークシステムの一種のことを言います。株式会社NTTデータが運営しており全国のカード会社加盟店(お店・企業)とクレジットカード会社や金融機関をつなぎ、取引や決済を処理しています。日本国内専用の決済ネットワークとなっております。3 CARDNET:クレジットカード決済などの統合ネットワークシステムの一種のことを言います。JCBグループの株式会社日本カードネットワークが運営しており全国のカード会社加盟店(お店・企業)とクレジットカード会社や金融機関をつなぎ、取引や決済を処理しています。日本国内専用の決済ネットワークとなっております。 ② 開発から保守までのワンストップサービスシステム開発やサービス構築の設計から開発までを内製しており、更にヘルプデスクや保守サービス、運用サポートも自社内で運営していることから、システムの導入から運用までをワンストップで提供可能となっております。さらに、ユーザーの環境に合わせたカスタマイズ対応も自社内で可能なことは強みとなっており、顧客の安心感や満足度は高いと自負しております。 ③ 安定的な経営を支えるストック売上当社のペイメントサービス事業売上は、ユーザーに決済ASPサービスや保守運用サービスを提供する顧客単位の月額固定売上、決済端末台数単位の月額処理料売上等であり、収益構造としては安定したストック売上であります。サブスクリプションサービスの導入により一層の成長を見込んでおり、更に安定的な経営を目指してまいります。 ④ 高いセキュリティと信頼性キャッシュレス決済では、顧客(消費者)の決済に関わる情報を取り扱います。これが漏えいすると、不正使用につながりその被害は甚大になる可能性があります。当社は情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO/IEC 27001(ISMS)やPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)を取得・準拠し、不正アクセスや情報の不正使用、情報漏えいなどセキュリティインシデントのリスク低減に努めております。これらによって当社のセキュリティレベルは高く評価され、カード会社加盟店やシステムインテグレータ、カード会社などから高い信頼を得ております。 ⑤ 多様な決済端末への対応当社は国内外の多種多様な決済端末、POSシステムとの接続実績がありカード会社加盟店のニーズに応えてまいりました。POSシステムを開発するシステムインテグレータへ当社サービスへの接続プログラムを無償で提供することにより、リーズナブルな価格で且つ短期間にシステム構築を実現させることを可能にしております。そのため、カード会社加盟店が使用する決済端末やPOSシステムのメーカーを問わず信用照会データや債権データを中継し決済を成立させるシステムとなっております。 ⑥ 国際ブランド決済ネットワーク接続当社は国際ブランドであるVISAとの契約によりVISAの決済ネットワークであるVISANETに直接接続する権利を有しております。この契約により国内専用の決済ネットワークの利用を迂回するシステムを構築することで、カード会社やカード会社加盟店のコスト負担を低減することが可能となります。国際ブランド決済ネットワーク接続は、当社にとって大きな強みになると考えております。 (4) 経営環境当社は、情報サービス産業に属しており、中でもクレジットカード等によるキャッシュレス決済システムの開発やクラウド方式による決済ASPサービスの提供を中核事業としております。経済産業省の発表(2025年3月31日)によれば、我が国のキャッシュレス決済比率は2024年に42.8%に到達しました。将来的には、世界最高水準のキャッシュレス決済比率80%を目指し、必要な環境整備を進めていくこととされております(注)。キャッシュレス市場はオンラインショッピングを中心に利用率・利用額ともに増加傾向にあり、今後も利用シーンの多様化が進み、更なる市場規模の拡大が見込まれるものと想定しております。一方で、決済手段は多様化の一途をたどっており、スマートフォンを利用したバーコード決済やQRコード決済(総称して「コード決済」といいます)や、乱立と言われるほどの多種多様な電子マネーによる決済が普及し大きな環境の変化も起きております。これらの変化に柔軟な事業戦略を有していること、そこで求められる新技術やノウハウを常に先行して蓄積していること、それらを可能にする体制が構築されていることが重要であると考えております。 (注) 2018年4月 経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」から引用 (5) 中長期的な経営戦略経営環境に記載したとおり、キャッシュレス市場は急速な勢いで拡大を続けております。しかしながら、同時に競合する事業者の参入も加速されることとなり、差別化は喫緊の課題であると認識しております。創業以来築き上げてきたノウハウ並びに顧客からの信用をベースに、多様化する決済手段への柔軟な対応と、顧客の利便性・経済性を一層高めるためのサービスを追求することにより、キャッシュレス決済市場の拡大とともに売上を伸長させてまいります。当事業年度においてデジタルペイメントソリューションの世界的大手プロバイダーであるNewland Payment Technology International (Singapore)Pte. Ltd.と販売店契約を締結したことにより、当社の端末販売及びサブスクリプションサービスのラインアップを充実させ、キャッシュレスでの国内シェア拡大を進めております。また、資本業務提携先である株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(以下、「TMN社」という。)について、当社の強みである決済端末からシステム開発までワンストップで提供できる点で当社と類似性があり、高いシナジー効果を発揮することができると考えております。決済事業領域においてTMN社と当社のサービス・機能を組み合わせ、顧客への提案力強化を図ってまいります。 ① ストック収益の拡大当社のサービスは前述のとおり「ペイメントインテグレーション事業」及び「ペイメントサービス事業」の両輪であります。景気動向による顧客のIT投資意欲に左右される「ペイメントインテグレーション事業」は時に大きな商談をもたらしますが、変動のあるフロー収益であり開発要員の確保や売上計画における不確定要素となります。これに対し、「ペイメントサービス事業」は定期契約に基づくストック収益であり、経営基盤の強化につながっております。過去に「ペイメントインテグレーション事業」として納めたシステム等が更新を迎える時は、当社の「ペイメントサービス事業」の基軸であります決済ASPサービスに誘導することで顧客の負担を軽減するとともに当社のストック収益を増強してまいります。また、以下②③に記載の新たなサービスの導入を進めることで他社との差別化を図り、顧客ニーズに沿ったサービスの提供に努めます。 ② 国際ブランド決済ネットワーク接続によるカード会社加盟店コスト低減とトランザクションフィー売上の強化当社は国際ブランドであるVISAとの契約によりVISAの決済ネットワークであるVISANETに直接接続する権利を有しております。現在我が国においては国内専用の決済ネットワークが運用されており、そこには国内のカード会社が接続され信用照会や債権データの取引が行われております。歴史的に見れば国内専用の決済ネットワークが前述のVISANETに先駆けて構築された為でありますが、世界的には稀な仕組みであり、結果的に我が国の決済コストを高めています。カード会社加盟店の手数料が他国より比較的高額であるのはこの事実と無関係ではありません。当社の決済ASPサービスは現在国内専用の決済ネットワークに接続されておりますが、この契約を有効的に活用し、VISANETへ順次切り替えてまいります。これによりカード会社の運用コストを引き下げ、ひいてはカード会社加盟店の手数料などのコスト低減を進めることにより、当社の決済ASPサービスを契約するカード会社加盟店を増加させる計画です。 一方、カード会社(アクワイアラ)がこれまで負担していたトランザクションフィー(取引1件ごとに加算される手数料)は国内専用の決済ネットワーク事業者に支払われておりましたが、この分が減額されることから、その一部を当社収益とすることで、ストック収益の増加につなげます。 ③ マルチ決済端末サブスクリプションサービスの導入為替変動リスクの影響により決済端末の価格が上昇傾向にあること、当社サービスと他社との競争激化といった環境の変化に対応するため、従来の決済端末の売切り型販売に加え、ユーザーが購入しやすいサブスクリプションサービスを導入しております。カード会社とのアライアンスによって、従来の大規模、中規模店に加え小規模店への展開を行うことにより、マーケットシェアを拡大し、ストック収益の増強を図ってまいります。 ④ 研究開発から創出する新事業既存ビジネスだけにとらわれると、市場のシュリンクまたは様変わりによって持続的な成長が阻害される恐れがあります。そのため、研究開発に力を入れ、以下の2つの柱で取り組んでまいります。a.既存ビジネスの改善と新たな付加価値の創造に係る開発b.大学研究機関との共同研究による実証研究開発取引先との情報共有、社内外におけるセミナー等により最新情報の習得に努め、札幌市に札幌R&Dセンターを開設し最新技術の研究開発を進めるほか、北海道大学、専修大学との共同研究により学術的な観点からの研究も進めております。 (6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社では、キャッシュレス決済分野に特化した高品質なサービスの提供により、業界における存在価値を高めるため、以下の課題に取り組み、経営基盤の強化を図ってまいります。 ① システム開発力と競争力の強化当社は、長年蓄積されたノウハウを生かし、多様なキャッシュレス決済ニーズに対応したシステムを提供しております。情報通信の技術革新は日進月歩であり、常に新技術、新サービスが出現する状況です。当社は競争力のある商品・サービスをお客様にご提供するために、それらの技術やサービスをタイムリーにキャッチし、先行して対応することが重要と認識しております。システム開発においては、プロジェクトの見える化を推進し、問題点の把握・早急な対応策の実施等をとおして、品質、コスト、納期の三面からの管理に取り組んでおります。また、リリース時の検証に十分な時間をかけ、安全性と信頼性の高いシステムとサービスの提供に取り組んでまいります。 ② 優秀な人材の獲得及び育成当社は、新しい技術への対応が常に要求される事業を営んでおります。最先端の技術を習得し、高度な技術力に裏付けられた、顧客にとって使いやすく、顧客業務の効率化に資する商品・サービスの提供を目指しております。高品質なサービスの企画・開発力が競争力の源泉になると認識しておりますが、その確保のためには、優秀なスタッフと、組織体制を整備していくことが必要になると考え、積極的な人材採用活動を進めるとともに、従業員が働きやすい環境の整備、人事制度の構築、人材育成のための研修などを行ってまいります。 ③ サービス品質の向上当社は、サービスの一層の品質向上に向けて、開発技術の精錬に努め、トラブルや不具合などが発生しないよう保守及び運用サービスを強化するとともに、品質保証による信頼を獲得、維持することが重要であると考えております。そのため、品質マネジメントシステムの国際標準規格であるISO 9001の認証を取得し、継続的な改善に努めております。引き続き、品質管理を徹底し、企業価値の向上に努めてまいります。 ④ 情報セキュリティの強化当社が提供するシステムやサービスの顧客数が増加しデータの規模が拡大するのに伴い、外部からの不正な手段による侵入等によって、決済情報やクレジットカード情報等の重要なデータが消去される、あるいは、外部に流出するリスクも増加することになります。これらの情報の保護等の体制強化のため、当社は情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格であるISO/IEC 27001及びクレジットカード情報保護におけるセキュリティ基準であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standards)の認証を取得しておりますが、在宅ワークの普及や、情報犯罪の高度化により、情報漏洩又はコンピュータウィルスの侵入リスク等に晒されていることを認識しております。そのため、情報セキュリティ事務局を置き、情報管理やアクセス管理を実施するとともに、情報の取扱いに関する教育・訓練等を含め、情報セキュリティ管理体制の継続的な強化に努めてまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化当社は、今後の事業環境の変化に対応し、継続的な事業拡大を進めるためには内部管理体制の強化が重要であると認識しております。社内規程や業務マニュアルの運用、定期的な社内研修の実施を通じてコンプライアンス体制の強化を行い、コーポレート・ガバナンスを充実していくことで、リスク管理の徹底や業務の効率化を図ってまいります。 ⑥ 収益力の向上持続的な成長を実現するためには収益基盤の強化が必要であると考えており、営業アライアンス先を拡充、特にカード会社との連携を強化することにより、新規顧客獲得を図ってまいります。既存ビジネスに加え、国際ブランド決済ネットワーク接続サービスや決済端末サブスクリプションサービスによるストック売上の拡大に取り組んでおります。また、TMN社との業務提携を深化し、決済領域において当社のサービス・機能を組み合わせ、顧客への提案力強化を図ることで、事業の成長に取り組んでまいります。費用面につきましては、全社的な予算実績管理の徹底を継続し、固定費を中心に費用削減を図り、一層の収益力向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営方針・経営戦略等当社は、「社会に貢献する企業として、高品質の商品とサービスの提供により、顧客満足度を高め、社員一人一人が高いモラルを維持し、社会にとってなくてはならない会社を目指します。」という理念のもと、お客様をはじめとする全てのステークホルダーに対し、常に最適な商品・サービスを提供するため、先進的で創造性溢れる技術に挑戦し、成長・発展する企業を目指しております。こうした経営方針の下、当社は多店舗展開を行う小売事業者を主なターゲット顧客とし、キャッシュレス決済に係るシステム開発と決済サービスの提供を行っております。当社の持続的な成長を確保するため、利用いただくカード会社加盟店にとって導入が容易(ワンストップ)で低コストとなるクラウド型の決済ASPサービスの拡充に努めてまいります。また、自社で決済システムを管理・運用を行っている既存顧客についても、リプレースを迎える際に決済ASPサービスに誘導することにより、ストックビジネスであるペイメントサービス事業の売上を伸長する戦略を行っております。 ① ペイメントインテグレーション事業<成長戦略>a.コンタクトレス決済などの多様化する決済手段の対応により、幅広い顧客層への普及をめざします。b.当社独自の標準決済端末の開発と展開により開発コストの低減と高性能端末の提供を進めます。 ② ペイメントサービス事業<成長戦略>a.当社が保有する国際ブランド決済ネットワーク(注1)接続資格を活用することにより、カード会社加盟店にこれまでより廉価な決済環境を提供するとともに、トランザクションフィービジネスとすることで収益の増加を目指します。b.決済ASPサービスにおける決済手段拡張により、マーケットターゲットを拡大させ、一層のキャッシュレス決済の普及に貢献します。c.より安価にキャッシュレス決済端末をご利用いただけるサービスとして、マルチ決済端末のサブスクリプションサービスを導入しております。カード会社とのアライアンスによって、従来の大規模、中規模店に加え、小規模店にも展開し、ストック売上の成長のためにマーケットシェアの拡大を目指します。d.当社のユーザーと決済手数料にかかる契約を直接締結して、決済手数料の差額を収益とするビジネスモデルで、決済手数料売上の拡大を目指します。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社は、持続的な成長と企業価値向上を図るため、主な経営指標として売上高及び売上高営業利益率を重視しております。また、経営基盤の安定化に資するペイメントサービス事業売上の成長率を経営指標としております。算出は以下の方法により行っております。経営指標算出方法評価、モニタリング売上高‐月次、四半期、年次売上高営業利益率営業利益÷総売上高四半期、年次ペイメントサービス事業売上の成長率前期比、前年同期比四半期、年次 また、取引先とエンドユーザーを継続的に増加させること並びに契約額の大きい取引先を獲得することがペイメントサービス事業売上の継続的な成長の支えであることから、ペイメントサービス事業のエンドユーザーの契約数及び月額平均単価について、それぞれ重視しております。 (3) 当社の強み① 技術力・開発力について業界内で一定の評価当社は開業以来、キャッシュレス決済システムの開発と決済サービスの提供を継続的に行なってきたことから、技術力・開発力については業界内で一定の評価を頂いていると認識しております。中でも大手システムインテグレータに当社製品への通信接続が簡易に実現できるモジュールを提供したことや、ソフトウェアのパッケージ化によってユーザーがシステムの利用を早期かつ安定的に実現できる環境を整えてきたことから、引き合いを受けるケースがございます。また国内の決済ネットワーク運営法人である株式会社NTTデータがサービス提供するCAFIS(注2)や株式会社日本カードネットワークのCARDNET(注3)に対し、当社パッケージが製品登録されている事からも信用と評価に繋がっていると考えております。 (注)1 国際ブランド決済ネットワーク :クレジットカード決済などの統合ネットワークシステムの一種のことを言います。全国のカード会社加盟店(お店・企業)とクレジットカード会社や金融機関をつなぎ、取引や決済を処理しています。各国際ブランドが運営しており、ビザはVisaNet(ビザネット)、マスターカードはBANKNET(バンクネット)という決済ネットワークを運営しています。世界各地で標準的に利用されていますが、日本ではほとんどのクレジットカード決済が以下に記載するCAFISまたはCARDNETを利用して行われています。2 CAFIS :クレジットカード決済などの統合ネットワークシステムの一種のことを言います。株式会社NTTデータが運営しており全国のカード会社加盟店(お店・企業)とクレジットカード会社や金融機関をつなぎ、取引や決済を処理しています。日本国内専用の決済ネットワークとなっております。3 CARDNET:クレジットカード決済などの統合ネットワークシステムの一種のことを言います。JCBグループの株式会社日本カードネットワークが運営しており全国のカード会社加盟店(お店・企業)とクレジットカード会社や金融機関をつなぎ、取引や決済を処理しています。日本国内専用の決済ネットワークとなっております。 ② 開発から保守までのワンストップサービスシステム開発やサービス構築の設計から開発までを内製しており、更にヘルプデスクや保守サービス、運用サポートも自社内で運営していることから、システムの導入から運用までをワンストップで提供可能となっております。さらに、ユーザーの環境に合わせたカスタマイズ対応も自社内で可能なことは強みとなっており、顧客の安心感や満足度は高いと自負しております。 ③ 安定的な経営を支えるストック売上当社のペイメントサービス事業売上は、ユーザーに決済ASPサービスや保守運用サービスを提供する顧客単位の月額固定売上、決済端末台数単位の月額処理料売上等であり、収益構造としては安定したストック売上であります。サブスクリプションサービスの導入により一層の成長を見込んでおり、更に安定的な経営を目指してまいります。 ④ 高いセキュリティと信頼性キャッシュレス決済では、顧客(消費者)の決済に関わる情報を取り扱います。これが漏えいすると、不正使用につながりその被害は甚大になる可能性があります。当社は情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO/IEC 27001(ISMS)やPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)を取得・準拠し、不正アクセスや情報の不正使用、情報漏えいなどセキュリティインシデントのリスク低減に努めております。これらによって当社のセキュリティレベルは高く評価され、カード会社加盟店やシステムインテグレータ、カード会社などから高い信頼を得ております。 ⑤ 多様な決済端末への対応当社は国内外の多種多様な決済端末、POSシステムとの接続実績がありカード会社加盟店のニーズに応えてまいりました。POSシステムを開発するシステムインテグレータへ当社サービスへの接続プログラムを無償で提供することにより、リーズナブルな価格で且つ短期間にシステム構築を実現させることを可能にしております。そのため、カード会社加盟店が使用する決済端末やPOSシステムのメーカーを問わず信用照会データや債権データを中継し決済を成立させるシステムとなっております。 ⑥ 国際ブランド決済ネットワーク接続当社は国際ブランドであるVISAとの契約によりVISAの決済ネットワークであるVISANETに直接接続する権利を有しております。この契約により国内専用の決済ネットワークの利用を迂回するシステムを構築することで、カード会社やカード会社加盟店のコスト負担を低減することが可能となります。国際ブランド決済ネットワーク接続は、当社にとって大きな強みになると考えております。 (4) 経営環境当社は、情報サービス産業に属しており、中でもクレジットカード等によるキャッシュレス決済システムの開発やクラウド方式による決済ASPサービスの提供を中核事業としております。経済産業省の発表(2025年3月31日)によれば、我が国のキャッシュレス決済比率は2024年に42.8%に到達しました。将来的には、世界最高水準のキャッシュレス決済比率80%を目指し、必要な環境整備を進めていくこととされております(注)。キャッシュレス市場はオンラインショッピングを中心に利用率・利用額ともに増加傾向にあり、今後も利用シーンの多様化が進み、更なる市場規模の拡大が見込まれるものと想定しております。一方で、決済手段は多様化の一途をたどっており、スマートフォンを利用したバーコード決済やQRコード決済(総称して「コード決済」といいます)や、乱立と言われるほどの多種多様な電子マネーによる決済が普及し大きな環境の変化も起きております。これらの変化に柔軟な事業戦略を有していること、そこで求められる新技術やノウハウを常に先行して蓄積していること、それらを可能にする体制が構築されていることが重要であると考えております。 (注) 2018年4月 経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」から引用 (5) 中長期的な経営戦略経営環境に記載したとおり、キャッシュレス市場は急速な勢いで拡大を続けております。しかしながら、同時に競合する事業者の参入も加速されることとなり、差別化は喫緊の課題であると認識しております。創業以来築き上げてきたノウハウ並びに顧客からの信用をベースに、多様化する決済手段への柔軟な対応と、顧客の利便性・経済性を一層高めるためのサービスを追求することにより、キャッシュレス決済市場の拡大とともに売上を伸長させてまいります。当事業年度においてデジタルペイメントソリューションの世界的大手プロバイダーであるNewland Payment Technology International (Singapore)Pte. Ltd.と販売店契約を締結したことにより、当社の端末販売及びサブスクリプションサービスのラインアップを充実させ、キャッシュレスでの国内シェア拡大を進めております。また、資本業務提携先である株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(以下、「TMN社」という。)について、当社の強みである決済端末からシステム開発までワンストップで提供できる点で当社と類似性があり、高いシナジー効果を発揮することができると考えております。決済事業領域においてTMN社と当社のサービス・機能を組み合わせ、顧客への提案力強化を図ってまいります。 ① ストック収益の拡大当社のサービスは前述のとおり「ペイメントインテグレーション事業」及び「ペイメントサービス事業」の両輪であります。景気動向による顧客のIT投資意欲に左右される「ペイメントインテグレーション事業」は時に大きな商談をもたらしますが、変動のあるフロー収益であり開発要員の確保や売上計画における不確定要素となります。これに対し、「ペイメントサービス事業」は定期契約に基づくストック収益であり、経営基盤の強化につながっております。過去に「ペイメントインテグレーション事業」として納めたシステム等が更新を迎える時は、当社の「ペイメントサービス事業」の基軸であります決済ASPサービスに誘導することで顧客の負担を軽減するとともに当社のストック収益を増強してまいります。また、以下②③に記載の新たなサービスの導入を進めることで他社との差別化を図り、顧客ニーズに沿ったサービスの提供に努めます。 ② 国際ブランド決済ネットワーク接続によるカード会社加盟店コスト低減とトランザクションフィー売上の強化当社は国際ブランドであるVISAとの契約によりVISAの決済ネットワークであるVISANETに直接接続する権利を有しております。現在我が国においては国内専用の決済ネットワークが運用されており、そこには国内のカード会社が接続され信用照会や債権データの取引が行われております。歴史的に見れば国内専用の決済ネットワークが前述のVISANETに先駆けて構築された為でありますが、世界的には稀な仕組みであり、結果的に我が国の決済コストを高めています。カード会社加盟店の手数料が他国より比較的高額であるのはこの事実と無関係ではありません。当社の決済ASPサービスは現在国内専用の決済ネットワークに接続されておりますが、この契約を有効的に活用し、VISANETへ順次切り替えてまいります。これによりカード会社の運用コストを引き下げ、ひいてはカード会社加盟店の手数料などのコスト低減を進めることにより、当社の決済ASPサービスを契約するカード会社加盟店を増加させる計画です。 一方、カード会社(アクワイアラ)がこれまで負担していたトランザクションフィー(取引1件ごとに加算される手数料)は国内専用の決済ネットワーク事業者に支払われておりましたが、この分が減額されることから、その一部を当社収益とすることで、ストック収益の増加につなげます。 ③ マルチ決済端末サブスクリプションサービスの導入為替変動リスクの影響により決済端末の価格が上昇傾向にあること、当社サービスと他社との競争激化といった環境の変化に対応するため、従来の決済端末の売切り型販売に加え、ユーザーが購入しやすいサブスクリプションサービスを導入しております。カード会社とのアライアンスによって、従来の大規模、中規模店に加え小規模店への展開を行うことにより、マーケットシェアを拡大し、ストック収益の増強を図ってまいります。 ④ 研究開発から創出する新事業既存ビジネスだけにとらわれると、市場のシュリンクまたは様変わりによって持続的な成長が阻害される恐れがあります。そのため、研究開発に力を入れ、以下の2つの柱で取り組んでまいります。a.既存ビジネスの改善と新たな付加価値の創造に係る開発b.大学研究機関との共同研究による実証研究開発取引先との情報共有、社内外におけるセミナー等により最新情報の習得に努め、札幌市に札幌R&Dセンターを開設し最新技術の研究開発を進めるほか、北海道大学、専修大学との共同研究により学術的な観点からの研究も進めております。 (6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社では、キャッシュレス決済分野に特化した高品質なサービスの提供により、業界における存在価値を高めるため、以下の課題に取り組み、経営基盤の強化を図ってまいります。 ① システム開発力と競争力の強化当社は、長年蓄積されたノウハウを生かし、多様なキャッシュレス決済ニーズに対応したシステムを提供しております。情報通信の技術革新は日進月歩であり、常に新技術、新サービスが出現する状況です。当社は競争力のある商品・サービスをお客様にご提供するために、それらの技術やサービスをタイムリーにキャッチし、先行して対応することが重要と認識しております。システム開発においては、プロジェクトの見える化を推進し、問題点の把握・早急な対応策の実施等をとおして、品質、コスト、納期の三面からの管理に取り組んでおります。また、リリース時の検証に十分な時間をかけ、安全性と信頼性の高いシステムとサービスの提供に取り組んでまいります。 ② 優秀な人材の獲得及び育成当社は、新しい技術への対応が常に要求される事業を営んでおります。最先端の技術を習得し、高度な技術力に裏付けられた、顧客にとって使いやすく、顧客業務の効率化に資する商品・サービスの提供を目指しております。高品質なサービスの企画・開発力が競争力の源泉になると認識しておりますが、その確保のためには、優秀なスタッフと、組織体制を整備していくことが必要になると考え、積極的な人材採用活動を進めるとともに、従業員が働きやすい環境の整備、人事制度の構築、人材育成のための研修などを行ってまいります。 ③ サービス品質の向上当社は、サービスの一層の品質向上に向けて、開発技術の精錬に努め、トラブルや不具合などが発生しないよう保守及び運用サービスを強化するとともに、品質保証による信頼を獲得、維持することが重要であると考えております。そのため、品質マネジメントシステムの国際標準規格であるISO 9001の認証を取得し、継続的な改善に努めております。引き続き、品質管理を徹底し、企業価値の向上に努めてまいります。 ④ 情報セキュリティの強化当社が提供するシステムやサービスの顧客数が増加しデータの規模が拡大するのに伴い、外部からの不正な手段による侵入等によって、決済情報やクレジットカード情報等の重要なデータが消去される、あるいは、外部に流出するリスクも増加することになります。これらの情報の保護等の体制強化のため、当社は情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格であるISO/IEC 27001及びクレジットカード情報保護におけるセキュリティ基準であるPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standards)の認証を取得しておりますが、在宅ワークの普及や、情報犯罪の高度化により、情報漏洩又はコンピュータウィルスの侵入リスク等に晒されていることを認識しております。そのため、情報セキュリティ事務局を置き、情報管理やアクセス管理を実施するとともに、情報の取扱いに関する教育・訓練等を含め、情報セキュリティ管理体制の継続的な強化に努めてまいります。 ⑤ 内部管理体制の強化当社は、今後の事業環境の変化に対応し、継続的な事業拡大を進めるためには内部管理体制の強化が重要であると認識しております。社内規程や業務マニュアルの運用、定期的な社内研修の実施を通じてコンプライアンス体制の強化を行い、コーポレート・ガバナンスを充実していくことで、リスク管理の徹底や業務の効率化を図ってまいります。 ⑥ 収益力の向上持続的な成長を実現するためには収益基盤の強化が必要であると考えており、営業アライアンス先を拡充、特にカード会社との連携を強化することにより、新規顧客獲得を図ってまいります。既存ビジネスに加え、国際ブランド決済ネットワーク接続サービスや決済端末サブスクリプションサービスによるストック売上の拡大に取り組んでおります。また、TMN社との業務提携を深化し、決済領域において当社のサービス・機能を組み合わせ、顧客への提案力強化を図ることで、事業の成長に取り組んでまいります。費用面につきましては、全社的な予算実績管理の徹底を継続し、固定費を中心に費用削減を図り、一層の収益力向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要 当社における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。 当事業年度の期首より、表示方法の変更を行っており、当該表示方法の変更を反映させた組替え後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(表示方法の変更)」をご参照ください。 ① 財政状態の状況a.資産の部流動資産は、前事業年度末と比べて73,852千円増加し、1,590,436千円となりました。これは主に、現金及び預金が45,998千円、売掛金及び契約資産が50,354千円、リース投資資産が111,897千円、仕掛品が1,947千円増加した一方で、商品が134,988千円減少したことによるものであります。固定資産は、前事業年度末と比べて165,814千円増加し、414,090千円となりました。これは主に、有形固定資産が13,529千円、自社利用ソフトウエアの開発により無形固定資産が184,992千円増加した一方で、長期前払費用が3,591千円、繰延税金資産が29,313千円減少したことによるものであります。この結果、当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べ239,666千円増加し、2,004,527千円となりました。b.負債の部流動負債は、前事業年度末に比べて1,094千円減少し、1,112,702千円となりました。これは主に、買掛金が13,146千円、1年内返済予定の長期借入金が133,753千円、預り金が17,716千円増加した一方で、未払金が1,863千円、未払費用が6,309千円、契約負債が126,871千円、未払消費税等が30,166千円減少したことによるものであります。固定負債は、前事業年度末と比べて386,198千円増加し、621,810千円となりました。これは主に、長期借入金が386,198千円増加したことによるものであります。この結果、当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べ385,103千円増加し、1,734,512千円となりました。c.純資産の部純資産合計は、前事業年度末に比べて145,436千円減少し、270,015千円となりました。これは主に、新株予約権の行使により、資本金及び資本準備金がそれぞれ225千円、新株式申込証拠金が450千円増加した一方で、当期純損失の計上により利益剰余金が146,336千円減少したことによるものであります。 ② 経営成績の状況当事業年度における我が国経済は、インバウンド需要の継続や賃上げによる雇用・所得環境の改善等により緩やかな回復基調となりました。一方、米国の政策動向や地政学リスクの高まり等の海外情勢不安等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。当社が属する情報サービス産業においては、少子高齢化・生産年齢人口減少の影響等を受け、既存システムの刷新やデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みが進められており、あらゆる産業において、業務効率化・競争力強化を図るためのIT投資意欲は引き続き拡大していくことが見込まれております。経済産業省の発表(2025年3月31日)によれば、2024年のキャッシュレス決済比率は、42.8%と政府目標である4割を達成しました。将来的にはキャッシュレス決済比率80%を目指し、必要な環境整備が進められるものとされています。なかでも、当社の主要な事業領域であるクレジットカードによる決済額は、他の決済手段と比べて依然として高い比率を占めております。このような環境の中、当社はスーパーマーケット・ディスカウントストア等、小売業の新規・既存顧客を中心に、マルチ決済システムの導入やリプレース、決済端末の販売、新たな決済手段やサービス開始の提案等を引き続き進めております。また、マルチ決済端末のサブスクリプションサービス「サクラ」の提供を進め、マーケットターゲットの拡大を図るとともに、安定した収益確保に取り組んでおります。当社は、2024年2月に株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(以下、「TMN社」といいます。)と資本業務提携契約を締結し、2025年3月にはその深化を図り、TMN社は当社の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社となりました。決済事業領域におけるTMN社と当社のサービス・機能を組み合わせ、顧客への提案力を強化することに継続して取り組み、事業の拡大を図っております。以上の結果、当事業年度における売上高は1,844,329千円(前年同期比6.0%増)、営業損失は80,040千円(前年同期は営業利益58,558千円)、経常損失は115,610千円(前年同期は経常利益44,702千円)、当期純損失は146,336千円(前年同期は当期純利益72,602千円)となりました。セグメント別の経営成績は以下のとおりです。当社の事業セグメントは、「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」、「その他事業」の3つに区分しておりましたが、2024年8月にNUCADOCO事業を廃止したことにより「その他事業」セグメントを廃止し、当事業年度より「ペイメントインテグレーション事業」、「ペイメントサービス事業」の2セグメントに変更しております。ヘルスケアアプリの設計・開発・販売・サービスの提供(NUCADOCO事業)は廃止いたしましたが、事業化を検討している新規ビジネス等につきましては、継続して取り組んでまいります。なお、前年同期の数値については、変更後の区分により作成したものを記載しております。 (セグメント売上高):当事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)セグメントの名称売上高(千円)構成比(%)前年同期増減率(%)ペイメントインテグレーション事業721,14039.1△6.9ペイメントサービス事業1,123,18960.916.3合 計1,844,329100.06.0 (ペイメントインテグレーション事業)ペイメントインテグレーション事業は、端末販売は堅調に推移したものの、リプレース大型案件の影響があった前年同期に比べ、受託開発売上が減少しました。棚卸資産(商品)の評価を行い、商品評価損(売上原価)を29,765千円計上したことに加え、積極的な研究開発を行ったため、当事業年度はセグメント損失を計上することとなりました。以上の結果、売上高は、721,140千円(前年同期比6.9%減)、セグメント損失(営業損失)は60,138千円(前年同期は82,680千円のセグメント利益)となりました。(ペイメントサービス事業)ペイメントサービス事業は、決済ASPサービス、保守運用サービスの提供等、ストック売上として計上されるものについて、一部のサービス料金見直しを実施したことにより堅調に推移しました。当事業年度より、ストック売上に加えてサブスク売上を計上しており、売上は増加しました。サブスクのうち、継続的なサービスの提供による分はストック売上として計上されますが、決済端末貸与分については、「リース取引に関する会計基準」(企業会計基準第13号)を適用し、リース取引開始日に売上高と売上原価を計上しております。サブスク案件にかかる端末原価等の計上があったこと、また、利益率の高いASPユーザーよりも利益率の低い電子マネーユーザーが増加するなど、売上構成の変化により、セグメント利益については減少いたしました。以上の結果、売上高は、1,123,189千円(前年同期比16.3%増)、セグメント利益(営業利益)は41,139千円(同27.0%減)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ42,392千円増加し、742,232千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は△229,160千円(前年同期は63,492千円)となりました。これは主に、税引前当期純損失の計上△115,610千円、減価償却費33,274千円、売上債権の増減額△50,354千円、リース投資資産の増減額△111,897千円、棚卸資産の増減額133,040千円、契約負債の増減額△126,871千円、法人税等の支払額又は還付額△1,448千円、そのほか、預り金の増減額、未払消費税等の増減額等によるものであります。受託案件の大型化に伴い売上債権が増加傾向にあること、サブスクのうち決済端末部分については、リース投資資産として一時点で売上計上されるものの、債権回収が長期に渡ることから、当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっているものと分析しております。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は△234,326千円(前年同期は△190,773千円)となりました。これは主に、サーバー等機器類の購入により、有形固定資産の取得による支出△19,570千円、自社利用ソフトウエアの開発を中心に無形固定資産の取得による支出△210,479千円、定期積金の預入による支出△3,606千円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は505,851千円(前年同期は101,943千円)となりました。これは主に、長期借入れによる収入650,000千円、長期借入金の返済による支出△130,048千円及び支払手数料の支出△15,000千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社が提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。b.受注実績当事業年度における受注実績は次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)ペイメントインテグレーション事業881,621189.93409,306164.50合計881,621189.93409,306164.50 (注)1.当事業年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは、ペイメントインテグレーション事業におきまして、大型案件を受注したことによるものであります。2.ペイメントサービス事業については、その事業の性質上、受注生産形態になじまないため、受注実績は記載しておりません。c.販売実績当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)ペイメントインテグレーション事業721,14093.1ペイメントサービス事業1,123,189116.3合計1,844,329106.0 (注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先 第29期事業年度(自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) 第30期事業年度(自 2024年7月1日 至 2025年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス222,12912.8381,58320.7東神開発株式会社 82,7204.8252,06213.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。この財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。経営者は過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 財政状態の状況財政状態の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」をご参照ください。 ③ 経営成績等の状況a.売上高当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ103,898千円増加し、1,844,329千円(前期比6.0%増)となりました。ペイメントサービス事業売上は前期比16.3%増となり、当社の経営指標の1つであるペイメントサービス事業売上成長率の目標値10%超を達成しました。b.売上原価、売上総利益当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ175,617千円増加し、1,261,492千円(前期比16.2%増)となりました。これは主に、サブスク案件にかかる端末原価等により商品売上原価が80,808千円増加したこと、外注費、支払手数料等により製品売上原価が94,808千円増加したことによるものであります。その結果、当事業年度における売上総利益は582,837千円(同11.0%減)となりました。売上総利益率は6.0ポイント低下し、31.6%となりました。c.販売費及び一般管理費、営業利益当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ66,879千円増加し、662,877千円(前期比11.2%増)となりました。これは主に、研究開発費が46,848千円増加したほか、給与手当の増加等によるものであります。研究開発の内容につきましては、「第2 事業の状況 6 研究開発活動」をご参照ください。この結果、当事業年度における営業損失は、80,040千円(前期は営業利益58,558千円)となりました。d.営業外損益、経常利益当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ4,761千円減少し、3,303千円となりました。また、営業外費用は、支払利息、支払手数料、訴訟関連費用の増加により前事業年度に比べ16,951千円増加し、38,872千円となりました。この結果、経常損失は、115,610千円(前期は経常利益44,702千円)となりました。e.特別損益、当期純利益当事業年度における特別損益の計上はありません。また、当事業年度は繰延税金資産の取崩に伴う法人税等調整額(損)29,313千円(前期は法人税等調整額(益)29,313千円)の計上がありました。この結果、当期純損失は、146,336千円(前期は当期純利益72,602千円)となりました。 ④ キャッシュ・フローの状況キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社の運転資金需要のうち主なものは、労務費、外注加工費、商品仕入、並びに販売費及び一般管理費となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当し、新たなパッケージソフトの開発や、データセンター等への投資が必要な場合には、状況に応じて金融機関等からの借入による資金調達で対応していくこととしております。なお、現在の現金及び現金同等物の残高については、当事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。今後の重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ⑦ 経営戦略の現状と見通し当社の中長期における最重要課題は、当社商品とサービスの機能拡張を行うことにあります。成長戦略の一つとして決済端末の販売方法を従来の売切り型に加え、ユーザーが購入しやすいサブスク型販売を拡大し、マーケットシェアの拡大につなげるなど、積極的に営業推進・研究開発・人材等に投資を行い、将来につながる基礎を確立させてまいります。 ⑧ 経営者の問題意識と今後の方針経営者の問題意識と今後の方針は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
事業リスク
- 価格競争の激化IT投資に対する顧客の価格要求は厳しく、同業他社との競争に常に晒されています。価格低減圧力が続く市場環境において、付加価値の高いサービス提供や国際ブランド決済ネットワーク接続による負担軽減策を講じていますが、競争激化は業績に影響を与える可能性があります。
- 情報セキュリティクレジットカード情報を取り扱うため、情報漏洩のリスクが常に存在します。ISO/IEC27001認証やPCI DSS Ver4.0準拠により対策を講じていますが、万一情報漏洩が発生した場合、社会的信用の低下や損害賠償金の支払いが発生し、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
- 外部ネットワーク依存キャッシュレス決済の中継処理サービスは、NTTデータの「CAFIS」や日本カードネットワークの「CARDNET」といった外部ネットワークに依存しています。これらのネットワークにシステム障害が発生した場合、サービス提供が困難となり、同社の業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても投資家の投資判断上、あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。なお、文中における将来に関する記載事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。 (1) 事業環境に関するリスクについて① 価格競争について顧客のIT投資に対する価格要求はますます厳しさを増しており、価格面、品質面から常に同業他社との競争に晒されております。顧客からの価格低減圧力は依然として強いままとなっており、競争激化の傾向は当面続くものと見込まれております。このような市場環境の中で当社は、キャッシュレス決済分野のノウハウ等得意分野を活かし、より付加価値の高いサービスの提供と、国際ブランド決済ネットワーク接続によりカード会社加盟店の負担軽減を図るなどの方策に努めておりますが、競合相手との価格競争により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 市場環境について当社が事業を展開する情報サービス産業において、経済情勢の低迷や景気の悪化等により、顧客のIT投資への姿勢に影響を受ける傾向があります。当社は、市場の動向や経済情勢を先んじて的確に把握し、その対応策を早期に講じるよう常に努めておりますが、経済情勢の悪化や景気の低迷等による顧客のIT投資の減少により、当社の事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 為替変動のリスクについて当社は、一部の製品の輸入、サービスの利用を台湾、米国の企業に依存しており、外貨建てで購入しているため、為替相場の変動により円換算による仕入価格に変動が生じ、原価率が上昇する可能性があり、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (2) 事業に関するリスクについて① 売上高の計上時期について当社のペイメントインテグレーション事業の売上高は、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い、一時点で充足される履行義務に基づき認識される収益と、一定の期間にわたって履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。当社は納期管理を徹底しており、当社起因による納期遅延は少ないものの、大型開発案件等について、顧客の投資方針の変更や受注後の仕様変更等により納入時期に変更が生じ売上計上のタイミングが翌期にずれ込む場合、計画どおりに売上計上できず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 情報処理センターネットワークの利用について当社のキャッシュレス決済における中継処理サービスについては、株式会社NTTデータが運営する「CAFIS」及び株式会社日本カードネットワークが運営する「CARDNET」のいずれかのネットワークを経由してデータ処理を行っております。そのため、これらのネットワークシステム障害等の理由により、サービス提供が困難になる可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 情報セキュリティに関するリスクについて当社は、事業においてクレジットカード情報を取り扱うため、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格ISO/IEC27001の認証を取得しているほか、国際クレジットカードブランド5社(American Express、Discover、JCB、Mastercard、VISA)が共同で設立したPCISSC(Payment Card Industry Security Standards Council)が認定した、クレジットカード情報保護におけるセキュリティ基準PCI DSS Ver4.0に準拠し、資格確保のための更新審査を受けており、情報セキュリティに関する脅威の監視や分析、未然防止対策を講じて、情報漏洩につながる状況への対応の強化及びリスクの低減に努めております。しかしながら、これらの情報について紛失、漏洩等が発生した場合、当社の社会的信用低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社の経営成績及び財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、何らかの事情により更新ができず、資格を失った場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 人材の確保について当社のビジネスを支えている最大の資産は人材であり、各種サービスの品質向上、新規サービスの企画・開発のためには、優秀な人材の採用・育成・モチベーションの向上が欠かせません。そのために人員の採用を積極的に進めており、また処遇の改善や働きやすい職場環境の改善等に継続的に取組んでおります。しかしながら、人材獲得競争の激化等により十分な人材採用を実現できなかった場合、又は在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ プロジェクトの不採算リスクについて当社の行うシステム開発においては、ISO9001に準拠した品質標準に基づく品質管理のほか、品質保証部を設置し、開発プロセス毎に行うプロジェクトレビューの取組などにより納期・品質・コストについて管理しております。しかしながら、開発途中の大幅な仕様変更の発生や、作業工数が当初の見積もり以上に増加するといった、受注時には予測できなかった要因により不採算プロジェクトが発生した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、上記のような大幅な変更等によるトラブルが発生した場合、納期の未達成や契約条件等の不履行などにより、売上計上の遅延、追加コストの発生、損害賠償請求等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 決済端末の仕入に関するリスクについて当社は、決済端末の大部分をCastles Technology社より仕入れております。当社は、これまで同社とは販売店契約を締結して信頼関係を構築し、継続的な取引関係の強化を図っております。また、新たな仕入先としてNewland Payment Technologyと販売店契約を締結し、複数のメーカーと契約を締結することで仕入ルートの分散化を図っております。しかしながら、仕入先との関係が悪化した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、Castles Technology社の工場は中国や台湾に多く存在していることから、工場のある各国の政治的・社会的な混乱、新たな法的規制や制限、自然災害、紛争、為替の状況、資源価格の高騰や半導体不足による仕入価格の高騰等により、製品の調達に支障が生じた場合にも、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。 ⑦ 棚卸資産に関するリスク当社は、品揃えを充実させ、適時に供給を果たすために顧客からの注文に先行して決済端末の仕入を行い、一定量の在庫を確保しております。 想定を超えた受注量の増加があった場合においては、あらかじめ確保しておいた在庫が不足することによる販売機会の逸失等、受注量の減少があった場合においては、過剰在庫の発生に伴う、在庫の評価損、廃棄損の計上等、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 技術革新の対応に関するリスク当社が属する情報サービス産業は、ITの技術革新が激しく、既存技術の進化や新たな技術への対応の遅れやITサービス市場におけるIT技術の急速な変化により、当社が保有する技能・ノウハウ等が陳腐化し、競争優位性を喪失する可能性があります。当社が技術変化の方向性を予測・認識できない場合や、適切に対応できない場合又は想定以上に多額な研究開発費用が発生した場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 労務管理のリスクソフトウェアによるシステム開発は、知識集約型かつ労働集約型の業務であります。このため、当社では過重労働の撲滅を経営課題として、常に従業員の健康に配慮した労働環境の整備に努めております。しかしながら、予想外のトラブルや開発工程の品質、納期を厳守するために、一時的に特定の従業員に業務負荷がかかる可能性があります。こうした場合には、従業員の健康問題や労務問題に発展し、他の従業員の士気の低下等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 協力会社に関するリスク当社は、社内の工数が不足する場合や当社技術で対応が難しい場合などに協力会社(外注先)から外部委託又は役務の提供を受けることがあります。今後、協力会社技術者の需要バランスの変化による要員の確保難や価格の高騰が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 特定顧客への依存について当社の製品・サービスは、大型プロジェクトが社内外の人材投入のピークとなる開発フェーズに移行した場合等に、一時的に売上全体に占める特定顧客への売上高依存割合が高まる場合があります。当社は、顧客の業種やプロジェクトのフェーズが分散されるように留意し、既存顧客との関係を強化して継続的に受注を獲得するとともに、新規顧客の獲得にも注力しておりますが、特定顧客の経営状況の変化やIT投資の方針の変更が、当社の業績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 株式会社トランザクション・メディア・ネットワークスとの資本業務提携について株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(以下、「TMN社」という。)は、当社の主要株主である筆頭株主及びその他の関係会社に該当しております。当社はTMN社の持分法適用関連会社であり、TMN社の代表取締役社長が当社の社外取締役を兼務しております。また、同社との間で資本業務提携契約を締結しており、同社との取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等は確保しております。当社の経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、現状、TMN社に対して事前承認を要する事項はなく、独立性・自律性は保たれていると認識しております。将来において、TMN社の当社の株式保有方針が変更されたり、同社との業務提携内容に変更が生じた場合、当社株式の流動性及び株価形成、当社の業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) その他のリスクについて① 自然災害等について当社が事業展開する地域において、自然災害、電力・通信・交通その他の社会インフラの障害、大規模な事故等が発生した場合には、当社又は当社の取引先の事業活動に悪影響を及ぼし、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、自然災害やパンデミックの影響により、一時的に想定以上の決済データが発生し、決済ASPサービスの許容量をオーバーしてしまう可能性があります。これに備え、季節的な変動要素と当社の成長性を考慮した上で計画的な設備投資を行っております。更に事業継続計画(BCP)を作成し、予防訓練、想定訓練等を実施したうえ、BCPは年毎の見直しを行っております。 ② コンプライアンスに関するリスク当社において、法令・社会規範・倫理に反する問題が発生した場合や役職員等の内部関係者による贈収賄・横領・インサイダー取引等の不正行為が発生した場合には、当社の社会的な信用が低下し、顧客から取引を停止されたり、多額の課徴金や損害賠償を請求されたりするなど、当社の経営成績、財政状態及びレピュテーションに大きな影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法的規制等について当社が事業運営を行う上で、下請代金支払遅延等防止法、製造物責任法、労働基準法等の一般的な法的規制等を受けており、今後その規制が強化されることも考えられます。また、現時点では存在しない新たな法規制が制定される可能性もあります。その場合、事業活動に対する制約の拡大、規制の変化に対応するための負荷やコストの増加も予想され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。そのため、法令等の改正については、加盟する各種団体からの情報を得るほか、弁護士、社労士との契約に基づき、早期の対応ができるよう体制を整えております。 ④ 知的財産権について当社は、第三者が所有する特許権、商標権、意匠権等(以下、「知的財産権」という。)を侵害しないように、新製品や新サービスの企画段階においては、業界動向や関連情報などを確認し、必要に応じて特許情報プラットフォームにて同種の出願もしくは登録のある知的財産権の有無に関する調査を行っており、疑わしい場合は特許事務所において調査を実施しております。しかしながら、当社の認識の範囲外で第三者が所有する知的財産権を侵害する可能性があります。このような場合、当社への損害賠償請求及び差止請求、信用の低下、風評等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 訴訟等について当社は、株式会社モビリティ及びモビリティ・エックス株式会社(以下「原告ら」)より、当社の販売する決済端末を利用した決済システムが原告らの特許権及び当該特許権の専用実施権を侵害することによって損害を被ったとして、2021年7月12日付けで特許権侵害に基づく損害賠償請求の提起を受け、また株式会社モビリティから2021年9月14日付けで審理対象期間を追加する訴えの提起を受け、これらは東京地方裁判所において併合して審理されておりましたが、東京地方裁判所から、2024年3月22日、原告らの請求をいずれも棄却する旨の第一審判決の言い渡しがありました。原告らは第一審判決を不服として、2024年4月3日、知的財産高等裁判所に第一審判決の取消等を求めて控訴しておりましたが、知的財産高等裁判所から、2025年5月8日、原告らの請求をいずれも棄却する旨の第二審判決の言い渡しがありました。また、当社は、株式会社モビリティ及び外1名(以下「モビリティら」)に対し、2021年8月31日付けで、不正競争防止法等に基づき損害賠償請求をする本訴を提起しており、モビリティらは、当社の本訴提起が、故意又は過失によってモビリティらの権利又は法律上保護される利益を侵害し、これにより有形及び無形の損害を被ったとして、当社に対し損害賠償又は謝罪を求める反訴を提起しましたが、東京地方裁判所から、2024年3月22日、当社の本訴に係る請求、モビリティらの反訴にかかる請求は、いずれも棄却する旨等の第一審判決の言い渡しがありました。モビリティらは第一審判決を不服として、2024年4月5日に知的財産高等裁判所に第一審判決の取消等を求めて控訴を提起しておりました。当社も、2024年4月4日に同様に控訴を提起し、後に控訴審において請求の追加をしておりましたが、知的財産高等裁判所から、2025年5月8日、モビリティらの請求、当社の請求をいずれも棄却する旨等の第二審判決の言い渡しがありました。当該訴訟の結果によっては、当社の事業や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 有利子負債への依存及び金利変動について当社は主に、金融機関等からの借入により資金調達を行っているため、有利子負債の比率が高い水準となっております。有利子負債の抑制に努めてまいりますが、金融情勢の変化等により急激な金利変動が生じた場合や計画どおりに資金調達ができない場合、当社の業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。