4063

信越化学工業(4063)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 生活環境基盤材料
    塩化ビニル樹脂や苛性ソーダといった、住宅建材や上下水道管、化学製品の原料となる基礎的な化学品を製造・販売しています。これらは社会インフラに不可欠な素材であり、安定した需要が見込まれる事業です。
  • 電子材料事業
    半導体シリコンウェーハ、フォトレジスト、マスクブランクスなど、半導体製造に不可欠な最先端材料を提供しています。スマートフォンやPC、データセンターなど、デジタル社会を支える製品の進化に貢献し、高い技術力が収益源です。
  • 機能材料事業
    シリコーンやセルロース誘導体といった、幅広い産業で使われる高機能な素材を製造・販売しています。化粧品、自動車部品、医薬品など多岐にわたる用途があり、特定の市場に依存しない安定的な収益構造を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 生活環境基盤材料事業
    売上高1兆415億円、営業利益2,914億円。塩化ビニル樹脂や苛性ソーダなど、社会の基盤を支える化学品を製造・販売しています。安定した需要があり、グループ全体の収益の柱の一つです。
  • 電子材料事業
    売上高9,343億円、営業利益3,247億円。半導体シリコンやフォトレジストなど、最先端の電子デバイス製造に不可欠な材料を提供しています。高い技術力が求められる分野で、高収益を上げています。
  • 機能材料事業
    売上高4,486億円、営業利益1,000億円。シリコーンやセルロース誘導体など、幅広い産業で使われる高機能素材を手掛けています。多様な用途に対応することで、安定的な収益を確保しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
InfrastructureMaterials 事業 10,416 2,915 28.0%
ElectronicsMaterials 事業 9,343 3,248 34.8%
FunctionalMaterials 事業 4,486 1,000 22.3%
DiversifiedBusiness 地域 1,367 288 21.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,415 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、子会社135社及び関連会社12社(2025年3月31日現在)により構成され、塩化ビニル樹脂、か性ソーダ等の製造・販売を主体とする「生活環境基盤材料事業」、半導体シリコン、希土類磁石、フォトレジスト、マスクブランクス、合成石英製品等の製造・販売を主体とする「電子材料事業」、シリコーン、セルロース誘導体、金属珪素等の製造・販売を主体とする「機能材料事業」、信越ポリマーグループの事業およびエンジニアリングをはじめとする各種役務提供を行う「加工・商事・技術サービス事業」を営んでおり、当社及び関係会社が製造・販売等を分担し、相互に協力して、事業活動を展開しています。 事業内容と当社及び主な関係会社の当該事業における位置付けは、おおむね次のとおりです。 なお、次表の区分は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。 区分主要製品及び商品名主要な会社生活環境基盤材料事業塩化ビニル樹脂、か性ソーダ、メタノール、クロロメタン、ポバール国内当社、鹿島電解㈱、鹿島塩ビモノマー㈱、日本酢ビ・ポバール㈱、その他4社 (計8社)海外シンテックINC.、シンエツPVC B.V.、CIRES,Lda.、シンエツインターナショナルヨーロッパB.V.、K-Bin,INC.、その他2社  (計7社)電子材料事業半導体シリコン、希土類磁石(電子産業用・一般用)、半導体用封止材、LED用パッケージ材料、フォトレジスト、マスクブランクス、合成石英製品国内当社、信越半導体㈱、直江津電子工業㈱、長野電子工業㈱、三益半導体工業㈱、直江津精密加工㈱、信越石英㈱、その他3社                  (計10社)海外シンエツハンドウタイアメリカINC.、S.E.H.マレーシアSDN.BHD、台湾信越半導体(股)、シンエツハンドウタイヨーロッパLTD.、S.E.H.シャーラムSDN.BHD.、シンエツエレクトロニクスマテリアルズシンガポールPTE.LTD.、シンエツマグネティクスフィリピンInc.、シンエツマレーシアSDN.BHD.、シンエツマグネティックマテリアルズベトナムCo.,Ltd.その他18社 (計27社)機能材料事業シリコーン、セルロース誘導体、金属珪素、合成性フェロモン、塩ビ・酢ビ共重合樹脂、液状フッ素エラストマー、ペリクル国内当社、日信化学工業㈱、その他9社  (計11社)海外シンエツシリコーンズタイランドLTD.、アジアシリコーンズモノマーLTD.、信越有机硅国際貿易(上海)有限公司、韓国信越シリコーン㈱、台湾信越シリコーン(股)、シンエツシリコーンズオブアメリカINC.、SEタイローズ GmbH & Co. KG、SEタイローズ USA,Inc.、シムコアオペレーションズPTY.LTD.、その他22社 (計31社)加工・商事・技術サービス事業樹脂加工製品、技術・プラント輸出、商品の輸出入、エンジニアリング国内当社、信越ポリマー㈱(東証プライム上場)、信越エンジニアリング㈱、信越アステック㈱、信越ファインテック㈱、その他21社 (計26社)海外シンエツポリマー(マレーシア)SDN.BHD.、シンエツポリマーヨーロッパB.V.、シンエツポリマーアメリカINC.、蘇州信越聚合有限公司、その他27社 (計31社) 《事業系統図》

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
世界的な需給環境により大きな価格変動が起きる製品もあるが、事業の多角化・グローバル化でヘッジ。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
半導体シリコン、フォトレジスト、合成石英製品など、最先端の材料開発と技術革新が求められる。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済動向および製品市況による影響 / 為替相場の変動による影響 / 自然災害・事故災害、感染症等の影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★☆
根拠:強いブランド・特許・許認可

信越化学工業は、半導体シリコンウェーハ分野で世界トップシェアを誇り、その高い技術力と品質は長年にわたり築き上げられた無形資産である。特に、最先端の製造プロセスに関するノウハウや知的財産は、競合他社が容易に模倣できない強力な参入障壁となっている。また、塩化ビニル樹脂でも世界有数のメーカーであり、ブランド力と技術的優位性を有する。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

半導体シリコンウェーハは、顧客である半導体メーカーにとって、品質や供給安定性が極めて重要であり、サプライヤー変更には多大な評価・検証コストとリスクが伴う。一度採用されたサプライヤーとの関係は長期化しやすく、スイッチング・コストは比較的高いと言える。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果は主要な競争優位性とは考えられない。製品の品質や供給能力が重視されるビジネスモデルである。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

塩化ビニル樹脂や半導体シリコンウェーハの製造において、信越化学工業は長年の経験と技術蓄積により、効率的な生産体制とコスト競争力を有している。特に、大規模な生産設備への継続的な投資と、原料調達における交渉力などがコスト優位に寄与していると考えられる。

  • 多角的な事業展開
    生活環境基盤材料、電子材料、機能材料など、異なる特性を持つ事業を幅広く展開しています。これにより、特定の市場の変動リスクを分散し、安定した収益基盤を築いている点が強みです。
  • グローバルな生産・販売網
    海外売上高比率が80%と非常に高く、世界各地に生産拠点と販売網を持っています。これにより、地域ごとの需要変動に対応し、効率的な供給体制を構築していることが競争優位につながっています。
  • 高い技術開発力
    半導体材料など、急速な技術革新が求められる分野で最先端の材料開発を継続しています。長年の研究開発で培われた技術力とノウハウが、高品質な製品を生み出し、顧客からの信頼を得る源泉となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。(1)会社の経営の基本方針当社の目指すところは、他の追随できない素材技術によって社会と産業のために価値を生み出し、株主の皆さまのご期待にお応えしていくことです。そのために、顧客や産業の課題解決に資する製品を数多く開発しています。同時に、世界最高水準の技術や品質を追求し、生産性の向上に絶え間なく努めながら、世界中の顧客に安定的に製品供給を行っています。その持続のため、顧客の動向や市況の変化に迅速かつ的確に対応することに努めています。生活環境基盤材料において規模の経済と多層的な事業展開を追求します。飛躍的に成長する半導体市場に必要不可欠な素材と技術を提供し、総合電子材料メーカーとしての機能を拡充していきます。珪素化学を駆使した課題解決(Shin-Etsu Silicones Solution-Engineering)を推進します。人間社会の持続的な発展とその質の向上を、環境負荷を抑えつつ実現する必要性の高まる今日、効率を極めることが必須です。そのために当社が担い、果たせる役割は大きいと信じています。当社の多くの製品がこうした目的に資するように、そして当社製品が用いられれば用いられるほど産業と人々の暮らしに貢献できるというように取り組み、世界の産業と人々の生活を支えるエッセンシャルサプライヤーとしての役割を果たしていきます。(2)目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略目標とする経営指標は、年次ごとの増収、増益です。当社の主要製品の中には、市況をはじめとした事業環境の変化の影響を受ける製品があります。それだけに、外部環境の変化に機敏に対応していくことに加え、各事業の耐性をさらに高めます。来期もさらなる事業の成長に取組みます。そのためにも、当社製品がより広くより多く社会と産業に用いられるよう、注力していきます。(3)経営環境及び対処すべき課題顧客の需要に確実に応えていくために供給態勢を常時点検し、拡充の手立てを前広に施します。経済事情の揺れ幅が従前の領域を超えてきていることに加え、中国からの過剰輸出が複数の市場で続くと目され、それに対する対応策を多角的に打っていきます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。(1)会社の経営の基本方針当社の目指すところは、他の追随できない素材技術によって社会と産業のために価値を生み出し、株主の皆さまのご期待にお応えしていくことです。そのために、顧客や産業の課題解決に資する製品を数多く開発しています。同時に、世界最高水準の技術や品質を追求し、生産性の向上に絶え間なく努めながら、世界中の顧客に安定的に製品供給を行っています。その持続のため、顧客の動向や市況の変化に迅速かつ的確に対応することに努めています。生活環境基盤材料において規模の経済と多層的な事業展開を追求します。飛躍的に成長する半導体市場に必要不可欠な素材と技術を提供し、総合電子材料メーカーとしての機能を拡充していきます。珪素化学を駆使した課題解決(Shin-Etsu Silicones Solution-Engineering)を推進します。人間社会の持続的な発展とその質の向上を、環境負荷を抑えつつ実現する必要性の高まる今日、効率を極めることが必須です。そのために当社が担い、果たせる役割は大きいと信じています。当社の多くの製品がこうした目的に資するように、そして当社製品が用いられれば用いられるほど産業と人々の暮らしに貢献できるというように取り組み、世界の産業と人々の生活を支えるエッセンシャルサプライヤーとしての役割を果たしていきます。(2)目標とする経営指標、中長期的な会社の経営戦略目標とする経営指標は、年次ごとの増収、増益です。当社の主要製品の中には、市況をはじめとした事業環境の変化の影響を受ける製品があります。それだけに、外部環境の変化に機敏に対応していくことに加え、各事業の耐性をさらに高めます。来期もさらなる事業の成長に取組みます。そのためにも、当社製品がより広くより多く社会と産業に用いられるよう、注力していきます。(3)経営環境及び対処すべき課題顧客の需要に確実に応えていくために供給態勢を常時点検し、拡充の手立てを前広に施します。経済事情の揺れ幅が従前の領域を超えてきていることに加え、中国からの過剰輸出が複数の市場で続くと目され、それに対する対応策を多角的に打っていきます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要   当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績、財政状態及びキャッ  シュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。   ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の業績は、売上高は、前期に比べ6.1%(1,463億1千2百万円)増加し、2兆5,612億4千9百万円となりました。営業利益は、前期に比べ5.9%(410億6千7百万円)増加し、7,421億5百万円となり、経常利益も、前期に比べ4.2%(333億1千5百万円)増加し、8,205億4千3百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ2.7%(138億8千1百万円)増加し、5,340億2千1百万円となりました。 セグメントごとの経営成績の概要及びその分析等は、次のとおりです。 生活環境基盤材料事業塩化ビニルに関しては、昨年4~6月において主要地域で価格が上昇し、7~9月でさらに水準の改善ないし維持することができましたが、10~12月では地域によって様相が異なりました。今年1~3月でも値上げできた地域とそうでない地域に分かれました。か性ソーダについては、昨年4~6月で値上げを実施し、その後しばらく一進一退の情勢が続きましたが、今年1~3月で改善が見られました。その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ3.1%(312億9千6百万円)増加し、1兆415億7千1百万円となり、営業利益は、前期に比べ9.5%(304億9千5百万円)減少し、2,914億6千6百万円となりました。 電子材料事業半導体市場は、調整局面からの回復は用途・分野によりまだら模様でした。そのような事情のなか、伸びの強い市場にシリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を出荷することに注力しました。希土類磁石は、堅調なハードディスクドライブ用の需要に応える一方、車載市場への拡販に努力しました。その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ9.9%(838億7千万円)増加し、9,343億1千2百万円となり、営業利益は、前期に比べ19.3%(525億9千5百万円)増加し、3,247億6千万円となりました。 機能材料事業汎用製品群で中国経済の不振に起因する在庫調整や市況軟化が続きましたが、引き続き機能性の高い製品群の販売を増やすことで収益を補うことに努めました。その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ5.5%(233億9千2百万円)増加し、4,486億4千2百万円となり、営業利益は、前期に比べ17.7%(150億1千8百万円)増加し、1,000億2千2百万円となりました。 加工・商事・技術サービス事業半導体ウエハー関連容器は工程内用を中心に需要が堅調に推移しました。自動車関連製品ではEVバッテリー用延焼防止クッションの生産を開始しました。その結果、当セグメントの売上高は、前期に比べ6.0%(77億5千3百万円)増加し、1,367億2千2百万円となり、営業利益は、前期に比べ19.2%(46億3千5百万円)増加し、287億9千1百万円となりました。  また、財政状態ですが、当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べ、4,886億2千7百万円増加し、5兆6,366億1百万円となりました。主に、円安に伴う在外連結子会社資産の円換算額の増加、及び高水準な投資が続いたことによる有形固定資産の増加によります。 当期末負債合計は、前期末に比べ751億1千5百万円増加し、7,990億1千6百万円となりました。 当期末純資産合計は、前期末に比べ4,135億1千2百万円増加し、4兆8,375億8千5百万円となりました。主な増減内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益5,340億2千1百万円、円安に伴う為替換算調整勘定の増加2,677億6千3百万円、減少として配当金の支払2,047億2千4百万円、自己株式の取得1,939億8千8百万円です。 この結果、自己資本比率は82.7%から0.1ポイント低下し、82.6%となり、1株当たり純資産額は、前期に比べ242円31銭増加し、2,375円48銭となりました。 投下資本利益率(ROIC)は19.4%から1.2ポイント低下し、18.2%となり、自己資本利益率(ROE)は、12.8%から0.8ポイント低下し、12.0%となりました。年間配当金は、前期に比べ6円増の1株当たり106円の予定です。これにより、純資産配当率(DOE)は4.9%から0.2ポイント低下し4.7%となり、配当性向は38.5%から0.8ポイント増加し39.3%となる予定です。   ②キャッシュ・フローの状況 当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に対して49.6%(2,926億1百万円)増加し、8,827億3千6百万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は8,819億3千4百万円(前期比1,267億5千1百万円増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益8,262億2千9百万円、減価償却費2,383億5千7百万円などにより資金が増加した一方、法人税等の支払額が1,870億2千万円などで資金が減少したものです。 投資活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は1,425億5千3百万円(前期比9,566億5千5百万円減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出4,394億7千3百万円、定期預金の純減額3,288億3千7百万円などによります。 財務活動によるキャッシュ・フロー 当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は4,549億5百万円(前期比854億3千9百万円増加)となりました。その内容は、配当金の支払額2,047億2千4百万円、自己株式の取得による支出1,939億8千8百万円などです。 ③生産、受注及び販売の実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産実績は販売実績と傾向が類似しているため、記載を省略しています。また、当社グループは主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載していません。 販売実績については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度において、米国で連邦準備理事会が政策金利の引き下げを開始し、米国景気が総じて堅調さを維持したものの、新政権の打ち出す関税ほかの政策が個人消費や企業投資を下振れさせる傾向が見られ始めました。欧州では金融緩和がなされるとともにドイツが財政出動することを決め、経済情勢の改善が期待されるようになりました。中国がようやく景気対策を講じ始めましたが、供給過剰が政策の一環としてなされているかのようで輸出は収まりませんでした。貿易摩擦が地政学的リスクを高めており、注意は怠れません。そのような情況の中にあって当社は、顧客との意思疎通を密に保ち、求められる品質の製品を安定供給し、機敏な販売を遂行しました。その結果、営業利益は前期に対し6%の増益となり、経常利益も4%の増益となりました。海外子会社からの配当を今期から実施したことに基づく税金費用の一時的な増加にもかかわらず、純利益でも3%の増益となりました。事業の成長と業績の伸長に一段と力を注いでいきます。そのためにも、顧客にとって価値ある製品の開発を急ぎ、かつ顧客と市場からの要望・需要に適時に応えられるよう、中長期の展望を持って投資を積極的に実施していきます。  セグメントごとの経営成績及び財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 当社の連結会計年度末の現・預金及び譲渡性預金を含む有価証券(流動資産)の合計額は1兆8,116億7千9百万円(期間が3カ月を超える分を含む)と流動性を十分に確保しています。また、「1.主要な経営指標等の推移(1)連結経営指標等」に記載のとおり、安定的に「営業活動によるキャッシュ・フロー」を獲得していることから、当面の間は運転資金や設備投資への対応も問題ないと考えています。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5.経理の状況 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。

事業リスク

  • 経済動向と市況変動
    主要市場の景気悪化や、製品の需給バランスによる価格競争の激化は、売上減少や利益率の低下を招く可能性があります。特に基礎化学品は市況の影響を受けやすい特性があります。
  • 為替相場の変動
    海外売上高が80%を占めるため、為替レートの変動は連結業績に大きな影響を与えます。円高に振れた場合、海外子会社の収益を円換算した際の価値が目減りし、業績を押し下げる可能性があります。
  • 自然災害・事故・感染症
    生産拠点が被災したり、サプライチェーンが寸断されたりすると、製品の供給が滞り、売上機会の損失や復旧費用が発生する可能性があります。感染症の流行も需要減少や生産活動の停滞を招く恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,897 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)においては、これらのリスクの発生を防止、分散、あるいはヘッジすることによりリスクの軽減を図っています。しかし、予想を超える事態が生じた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 なお、記載した事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものですが、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。① 経済動向および製品市況による影響 当社グループ製品の主要な市場がある国および地域の経済環境の動向は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、主要製品の中には、世界的な需給環境により大きな価格変動が起きるものもあります。当社グループは事業の多角化・グローバル化等によってそのリスクをヘッジしていますが、製品の需要が減少あるいは価格競争が激化した場合、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。② 為替相場の変動による影響 2025年3月期の当社グループ連結売上高の海外売上高比率は80%となっており、今後も高い水準で推移するものと思われます。在外連結子会社等の財務諸表項目の円換算額は、為替相場に左右され、大幅な変動が生じた場合、当社グループ全体の業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、外国通貨建て取引についても、為替予約等によりリスクを軽減させる措置を講じていますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、同様な可能性があります。③ 自然災害・事故災害、感染症等の影響 当社グループは、生産活動の中断により生じる損害を最小限に抑えるため、製造設備に対し定期的な防災点検及び設備保守、また、安全のための設備投資等を行うとともに、生産拠点の複数化に努めています。しかしながら、突発的に発生する災害や天災、不慮の事故等の影響で、製造設備等が損害を被ったり、サプライチェーンの分断が発生した場合は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループの事業拠点では安全衛生対策を徹底しています。しかしながら、今後発生しうる感染症等の蔓延や、それを受けた各国における経済活動抑制の方針が当社製品に対する需要の大幅な減少や当社事業拠点を含むサプライチェーンに損害を生じさせた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。④ 公的規制 当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、労働、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けています。これらの法令の改変は、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。⑤ 資材等の調達 当社グループの生産活動には、種々の原材料を使用しており、原材料ソースの多様化により安定的な調達に努めていますが、これらについて供給の逼迫や遅延、供給国の通商政策の変更、また、それらに伴う価格上昇等が生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。⑥ 急速な技術革新 当社グループの主要販売先の一つであるエレクトロニクス業界は、技術的な進歩が急速で、当社では常に技術革新に対応できる最先端の材料開発に努めています。しかしながら、当社グループが業界と市場の変化に的確に対応できなかった場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、上記以外の業界向け製品についても、競争力の高い代替製品の出現により、同様の影響を及ぼす可能性があります。⑦ 環境問題について 各種の化学物質を取り扱う当社グループは、環境に関する各種法律、規制を遵守するとともに、効率を極めることにより、地球温暖化防止に向けた省エネルギーや環境影響物質の排出抑制に積極的に取り組んでいます。しかしながら、環境に関する規制が予測を超えて厳しくなり、技術的に対応が難しくなったり、大きな新たな設備投資等の必要が生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。⑧ 製造物責任 当社グループでは、製品の特性に応じた最適な品質の確保に全力を挙げて取り組んでいますが、予期せぬ事情により品質問題が発生した場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

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