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FY2025|12,198 文字|出典 docID: S100XV3Y
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社4社(ニューラルマーケティング株式会社、ニューラルエンジニアリング株式会社、Neural Group (Thailand) Co., Ltd.、Neural Solutions (Thailand) Co., Ltd.)で構成されております。なお、当社グループは、AIエンジニアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1) 事業の概況当社グループは「AIで心躍る未来を」をミッションとして、リアル空間のデジタル化による社会課題の解決を目指しております。当社グループ事業は、イノベーション領域とコアサービス領域の2つのサービスドメインで構成されております。イノベーション領域は、AI AgentやLLM等の先端技術領域の研究活動を企業と共同で推進し、AIアルゴリズムの研究をはじめとしたAI技術の研究・開発と売上創出を並行で行う領域であり、コアサービス領域はイノベーション領域を含めて当社グループ内で開発・獲得した新技術を随時取り込みつつ、成熟したAI技術や関連技術をサービス及びプロダクトとして提供・販売することで、AIの社会活用を推進する領域です。 (2) 当社グループの技術の特徴と優位性① 独自の深層学習技術のライブラリ開発当社グループは、技術分野として、深層学習技術に基づく独自のAIライブラリを開発し、当社グループのAIエンジニアリング事業に活用しております。AIライブラリの開発にあたっては、汎用のオープンソースのアルゴリズムを転用せず、独自の学習データを収集して構築した高い検出精度のモデルを使用しております。また、当社グループでは、画像の認識・解析の際に、カメラ特性等を踏まえた独自の前処理、後処理による精度の向上、新しい学習データによるAI技術の使用目的に合わせたカスタマイズを行うことができます。当社グループでは、深層学習における学習データを準備する上で、深い知見を持つ専属のデータアノテーションチームがサービス開始後もAIの精度の継続的な向上を進めております。例えば、ファッショントレンド解析関連サービスでは、ファッションコーディネート画像を学習データとして独自に収集・分類し、98%(注)を超えるファッションアイテムの検知を実現しております。更に、学習データの仕分けに用いる自社開発の独自ソフトウエアを開発・保有しており、数百万枚規模の学習データ分類を用いた学習モデルを数か月という短期間にて実装する能力を保有しております。また、実際の画像を基にコンピュータ・グラフィックスを活用したAIモデルの効率的な学習を可能とする周辺開発も行っております。開発した学習モデルは、さまざまなサービスに活用・転用でき、新規サービス開発期間の短期化や、AIモデルの継続的な精度向上、スケーラビリティをもった事業開発に直結しております。(注)人物の全身が映った100枚の写真を対象に行ったファッションアイテム検知の精度評価において、写真に写っていた424のファッションアイテムのうち416アイテムを正しく検知し、正解率は98.1%となりました。 ② 端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデルの優位性当社グループは、エッジAIと呼ばれる、端末処理(エッジコンピューティング)でAIを実行・動作させる技術の研究開発及び活用を進めております。これまでのAI解析では、動画や写真、音声やデータといった容量の大きな情報を、通信網を用いてサーバーにアップロードし、サーバーで大規模な解析処理を行う必要がありました。こうしたサーバーの活用は、画像を送受信する通信網やサーバーへの負担に加え、通信料やサーバールームの運用コスト、電気代などが大きく膨らむことから、AIサービスが広く社会に浸透するための課題となっていました。エッジAIでは、カメラ等で取得された画像をはじめとしたデータをローカルに設置したエッジコンピュータが取得・解析し、解析後のメタデータ(解析結果を記したテキストデータ)のみを必要に応じてサーバーに送信します。そのため、画像や映像といった容量の大きいデータを通信網を用いて送受信する必要がなく、サーバーが受信するデータはすでに解析後のデータであり、AI解析を行うための大規模なGPUをサーバーが持つ必要もなくなるため、低コスト化・省電力化が実現できます。また、通信網を経由して送受信されるデータの容量も画像や映像に比べてはるかに小さくなるため、携帯電話での通信が行える程度のインターネット環境と電源さえあれば当社の提供するAIサービス・プロダクトは利用可能であり、拡張性の高さも当社サービスの特徴の1つです。さらに、エッジAIの特徴として端末で処理を行うため、個人情報を含む人物の顔画像等をサーバーに送信することなくAIを活用できることから、個人情報やプライバシー保護の面において高い優位性を有しております。エッジAIを動作させるためのエッジコンピュータやそこに搭載されるプロセッサはグローバルで様々なメーカーのものが存在しておりますが、当社グループのAIソフトウエアは特定のデバイスやプロセッサに依存しておらず、デバイス・プロセッサに対して横断的に搭載することが可能です。加えて、当社グループは、商用基準を満たすパッケージを用いた開発の経験を有しており、社会インフラとして設置できる信頼性を担保した製品を開発することが可能です。また、端末の限られた処理性能の中で安定的に動作するように最適化されたアルゴリズムの開発・実装に深い知見を有しており、スマートフォンのような小型・軽量の端末であっても高度なAIを組み込んだアプリケーションの開発が可能です。当社グループはエッジコンピューティングを積極的に用いることにより、保有する深層学習モデルの産業応用を加速すると同時に、省電力化といった環境負荷低減やSDGs(持続可能な開発目標)、プライバシー保護に配慮した産業発展を支援しております。 ③ 独自に開発する軽量・高精度なAIライブラリと、エッジコンピューティングの親和性AIとエッジコンピューティングの親和性の高さは従来から認識されていましたが、エッジコンピュータに深層学習モデルを搭載するにはモデルの軽量化が必須要件でした。誰でも利用できるオープンソースの学習済モデルやライブラリを組み合わせて開発されたAIソフトウェアは一定程度の計算能力を必要とするものが多く、また現実の多様な環境下で商用レベルで活用できる精度を発揮することは困難です。そのため、実環境下で商用レベルの解析精度を発揮し、なおかつエッジコンピュータの限られた計算能力の中で画像解析AIを安定的に実行・動作させるためには独自に軽量化したモデルを開発する必要がありました。当社グループは、独自に開発した軽量・高精度な深層学習モデルとエッジコンピューティングの親和性を最大限に活かし、拡張可能性を担保したエッジAI技術の開発と事業化を進め、AIサービスの活用場面を広げてきました。当社グループは、ビジネス・エコシステムを構築することができる領域において、エッジAI技術を活用したサービスを次々に開発・提供し、事業の創出・拡大を積極的に行っております。 (3) 独自に開発・保有する深層学習モデル及び開発・運用支援ツール当社グループが現在保有している深層学習の学習モデル及び開発・運用支援ツールは、以下のとおりとなっております。深層学習モデル又は開発・運用支援ツール名機能物体検知・分類ライブラリ通行する車両や人物、動物の検知と種別解析。インフラ破損、災害発生の有無の検知。単眼カメラ・360度カメラ・暗視カメラによる奥行き推定ライブラリ多様な単眼カメラで、空間の奥行、距離、位置座標を把握。人間が空間認識をする過程と全く同様な奥行推定を実現。視線検知ライブラリ人物の姿勢などの情報から視線方向を読み取ることで、興味の有無を推定。大人数の中や歩行中などでも適用が可能。グループ解析ライブラリ歩行者が一人で歩いているか、それとも複数人のグループで歩いているかを推定。歩行モード解析ライブラリ歩行速度や経路などのモードを分析することで、通行者の消費意欲 (ショッピングに足を止めそうか等)を推定。通行者属性推定ライブラリカメラを用い、通行者の年齢・性別を、歩行中かつ距離が離れている状態から推定する。ファッション属性解析ライブラリ着衣のアイテム・色・模様などを認識。その情報を組み合わせることで、人物の属性(ビジネス、カジュアル等)を推定。顔画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物特定)人物の顔から、同一人物を特定。複数のカメラにまたがった情報も連携可能。全身画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物推定)人物の体格・ファッション・所有物などから、同一人物を推定。顔が見えない遠距離や、後ろ姿からでも推定が可能。車両ナンバープレート認識ライブラリナンバープレートの文字認識を行う。OCRを用いた既存技術とは異なり、動きブレや汚れなどに頑健な認識を実現。車両ナンバープレート学習用画像生成ツールアクティブラーニングを用い、車両ナンバープレート認識ライブラリ向けの学習データを迅速かつ大量に生成。スマートフォンでも動作可能な軽量化済み物体検出・分類ライブラリ軽量化された物体認識モデルにより、スマートフォンなどの限られた計算リソースの中でもリアルタイムで物体認識を実現。動体検知・分類・追跡ライブラリ動体を対象とし、非常に少ない計算資源においても、高速な物体認識と分類・追跡を行う。3次元箱形状測定ライブラリスマートフォンのカメラにより撮影された画像から、箱の縦・横・高さを非接触で一度に測定。作業工程認識ライブラリ工場などにおける作業員の作業工程をカメラ動画から自動で読み取る。少量のサンプル画像により工程の登録が可能。作業動線解析ライブラリ工場・倉庫などにおける作業員や車両などを、360度カメラなどから認識・追跡することで、動線を解析。異常検知・予知保全ライブラリ構造化データと非構造化データを活用し、機器の故障やパフォーマンス低下を予知。CTスキャン異常検出ライブラリCTスキャン画像から、不良個所を検知。人が目視確認するよりも高い精度で不良を判定。GANを用いた異常検知ライブラリGANの技術を応用し、異常画像が少ない条件下であっても、高感度で異常を検知。ブラウザで高速動作可能なスマホ・人物・顔認識ライブラリスマホ・人物・顔認識といった複数の認識処理を、ブラウザ内で高速に実行可能。満空認識ライブラリカメラで撮影された画像から、駐車場や店舗内の席などの満空状況を認識する。広告配信最適化ライブラリデジタルサイネージ前の通行者属性や過去の視聴率などを元に、広告の配信を自動最適化する。予測・レコメンドエンジンライブラリ時系列情報を用い、将来予測とそれに伴うレコメンドを実現。行動履歴から消費行動や危険行動を予知する。流行自動検出ライブラリファッショントレンドなどの時系列情報から、突発的に発生した流行を自動検出する。単眼カメラによる3次元モーション解析・3Dモデリングライブラリ単眼カメラで、人体の形状や服装のしわなどを正確に3Dモデルで再現。人間の行動解析や、スポーツ選手のパフォーマンス管理を実現。シミュレーションを併用した画像認識モデル生成フレームワークシミュレーションを活用し、かつ、それに適した学習モデルを準備することで、学習モデル開発を加速。アクティブラーニングを用いたアノテーションツールアクティブラーニングを用いることで、迅速なアノテーションを実現。使えば使うほど効率化が進む仕組みを実現する。サービス横断的なデータの統一管理ソリューション当社グループが提供する複数サービス間で、匿名化情報を統一管理するためのデータ管理プラットフォーム。モジュール化された地方自治体向けソリューション地方自治体におけるさまざまなユースケースに対応可能な柔軟性を持つ、モジュール化された分析プログラム。エッジデバイスライブラリ管理システムエッジデバイスに搭載される深層学習モデルを管理する各種ソフトウエア。低コストでスケーラビリティのあるAI活用を実現。エッジデバイス死活監視システムエッジデバイスにおける各種ライブラリ・ハードウエアの稼働状態を監視し、動作ログを一括で管理。エッジデバイス自動インストーラー携帯通信を用いることで、多数のエッジデバイスの、遠隔地からの自動インストール・アップデート・メンテナンスを実現。エッジデバイスセキュリティシステムエッジデバイスの盗難や改ざんなどに対するセキュリティを担保するシステム。 (4) 展開するAIサービスと販売形態 ① イノベーション領域 (I) 駐車場・モビリティ(デジパーク)当社グループは、AI画像解析技術及びエッジ処理技術を応用した駐車場サービスを展開しております。当社グループ技術を活用すると駐車場全体の満空状態だけでなく、具体的にどの車室が空いているのかといった詳細情報を限られた台数のカメラを設置するだけで把握することができます。デジパークを導入した商業施設では、屋外の複数駐車場と屋内立体駐車場の満空状況をリアルタイム(5分間隔)でウェブサイト上で更新しています。また、電光掲示板を活用して現地での満空表示も実施しております。また、従来のOCR(光学的文字認識)技術に代わる新しい技術を開発し、ナンバープレートを100%に近い精度で検知するライセンスも保有しております。事前登録などとあわせてパーキングチケットのチケットレス化への取組みも強化し、精算時の混雑の緩和による快適なパーキング運営の実現を目指しています。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラに搭載するAIソフトウエアの提供・機能更新、データレポーティングを行います。ショッピングモールの大規模駐車場や、物流施設のトラックバース等で導入が進んでいます。AIカメラとその周辺機器を一式セットで提供するユニット販売が主流となっています。電気機器の設置工事を受注できる体制を整備するため、2021年10月1日ニューラルエンジニアリング株式会社を設立し、一般建設業許可(電気通信工事業)を取得いたしました。これによりAIライセンスの提供だけではなく、機器の設置と保守運用まで一気通貫でサービスを提供できるようになりました。(ⅱ) 本サービスの特徴屋外の大規模駐車場から屋内の小規模な駐車場までさまざまなタイプの駐車場で導入いただけるサービスです。1台のカメラで最大200車室の満空を解析することができるのが最大の特徴で、駐車場運営の効率化を実現します。・設置の容易さ本サービスで使用するAIカメラは多くの数値・指標をリアルタイムで取得するという非常に高度な機器ではあるものの、設置においては設置作業者に特別な技術を要求することはなく、設置する機器の画面に表示される指示に従って数分程度の簡単な作業を行うだけで設置を完了できるようにしております。通常、高機能機器はその管理運営面においても相応の技術を要求するケースがあり事業展開の大きな課題となりますが、本サービスで使用する機器はオペレーションの簡易さとして設置作業の難易度が低いという特徴を有しています。・エッジ処理技術の活用取得する数値・指標の判定等の全てを機器の端末内で完結させるエッジ処理技術も大きな特徴となっております。通信負荷が低く長時間にわたり安定稼働ができます。また、データ送信などに有線回線が不要なためAIカメラから外部に出る配線は電源コードのみで、機器の出荷・納入、設置の手軽さにつながっています。 (Ⅱ) 人流・防犯(デジフロー)国内では、新型コロナウイルスは2023年5月には5類感染症に移行し、2023年7月には海外からの外国人観光客は中国からの旅行者を除くと、過去最多だった新型コロナウイルス感染拡大前の2019年7月を上回るなど、国内経済はインバウンド効果による経済の活性化を期待する声が広がっています。一方、観光客数の急回復が「オーバーツーリズム」として住民生活に悪影響を及ぼす懸念も報道されており、人の混雑や交通渋滞を回避できる都市モデルへの社会的ニーズが高まっています。そうした要請に応え、当社グループサービスを観光地での過観光回避や人が密集しやすい場所の防犯対策等での当社グループサービスの活用が進んでいます。また、地方創生の枠組みでは、道の駅などの観光施設の活用の見える化や効率的な施設運営に活かすサービスも徐々に広がっています。具体的には、官公庁や地方自治体、教育機関等と連携して、国内複数拠点の街づくりプロジェクトの実証実験等に参加しております。 (Ⅲ) サイネージ広告(フォーカスチャネル)2021年11月1日よりハイグレードマンションを中心にサイネージ広告事業を展開する株式会社フォーカスチャネルを完全子会社化し、グループに取り込みました。これを契機に、自社ブランドとしてのサイネージ広告事業の展開を加速してまいりました。なお、株式会社フォーカスチャネルはシナジーの加速と、より一層の事業の効率化を図るため、2022年8月1日に当社連結子会社の株式会社ネットテンとの吸収合併を経た後、商号変更を経て、現在ニューラルマーケティング株式会社に含まれる事業となっております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラを搭載したサイネージを無償でマンションに設置し、サイネージで配信する広告枠を販売いたします。広告枠の間にエンターテイメント性の高い情報などを配信することで、自然と目を引く広告メディアを目指しております。また、AIサイネージの隣に紙のチラシを置くことができるラックも設置し、デジタルと紙媒体の両面でマーケティングが打てる仕組みとなっております。AIサイネージはマンションの入り口付近やエレベーターホール、コンシェルジュデスクの脇など、住民の方が必ず通る動線上に配置しており、一定以上の視認回数を確保できるものとなっております。(ii) 本サービスの特徴本サービスで使用するサイネージ機器では、従来品では取得できなかったものを含め、年齢・性別の推定、視線の検知が可能です。コロナ禍でも通行人数に大きな差が出にくいマンションエントランスにAIサイネージを設置することで、安定的な広告視聴回数を維持できるのが特徴です。設置場所となるマンションにも施設が自由に情報配信できる枠を無償で提供しており、これまでは紙で掲示していたマンション側のお知らせをオンラインでサイネージに配信することができるようになります。マンション共有スペースの景観改善と管理業務のデジタル化を推進するツールとして導入が進んでいます。 (IV) ファッショントレンド解析当社グループは、拡大する余剰在庫や商品値引、並びに焼却廃棄等の社会問題に課題認識を持ち、AIを通じた業界再生やSDGs(持続可能な開発目標)の観点での持続可能性の向上、人の感性に頼った手作業からの進化を目指しています。また、ECサイトでのレコメンド機能の拡充やサイネージを活用した実店舗のデジタル化等ファッショントレンド解析サービスから派生したシステム等の開発により、アパレルメーカーの業務効率化、デジタル化に資するサービスを提供しております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいて独自の画像解析エンジン(特許 第6511204号)を用いて、SNSなどにおける2,500万枚以上のファッションコーディネート画像をAIが解析し、ファッションのアイテム(シャツ、ポロシャツなど)、色彩(ホワイト、グレーなど)、シルエット(半袖、長袖など)、素材感(ナイロン、レザーなど)などをビッグデータ化します。本サービスのユーザーとなるアパレル企業は、そのデータ解析結果により、それまで属人的な勘と経験によって断定されていたファッション特性を定量化し、MD(商品企画)業務をデジタル化・強化しています。(ii) 本サービスの特徴AIによるファッション解析を行うことで、トレンドに合わせた商品投入計画の策定に活用され、プロパー消化率(定価で販売した割合)の向上に寄与するサービスです。直近のトレンドデータに基づき、値引き判断を最適化することもできると考えています。結果として、投入商品と在庫水準が最適化され、営業利益率の改善につながると考えています。当社グループのサービスを活用して企画された商品は大手アパレルブランドをはじめ、全国の店舗で販売されています。当社グループのサービスを導入している顧客企業の一部ではプロパー消化率を改善する成果があがるなど、粗利改善に貢献しています。 ② コアサービス領域(I) 1on1支援ツール「KizunaNavi」近年、働き手及び企業・団体を取り巻く環境は大きく変化してきており、特にリモートワークやハイブリッドワークの普及、働き手の価値観の多様化、個々の成長を重視する企業文化の浸透などの結果、マネジメントのあり方も変化が求められてきています。中でも、コミュニケーションの質・量の向上や社員1人1人にあわせた対話の重要性が高まりつつあります。そうした環境において、1on1が働き手から組織へのエンゲージメントや生産性を高めるために有効な手法として取り入れられていますが、そうした成果につなげることができている企業はまだまだ多いとは言えない状況です。このような社会環境において当社は、保有する画像解析・エッジAI技術と、当社グループの資本業務提携先であるソニー株式会社の音声関連技術を組み合わせ、1on1の組織への定着と継続的な改善を支援するツールとして、「KizunaNavi」を共同で開発しました。1on1というプライバシーに配慮すべき領域は、映像や音声をクラウドにアップロードせず端末内で解析を実行できるエッジAI技術の特性と親和性が高く、利用者の心理的安全性に配慮しつつサービスを利用できることが強みとなっております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいてユーザーが使用する一般的なコンピュータに内蔵されたカメラとCPUを使って画像を解析しております。マネージャー・メンバーの会話の比率やキーワード、表情や動きなどを解析することで、1on1の内容を定量化したレポートを作成し、マネージャーに対してよかった点や今後に向けた改善点をレポートと合わせてフィードバックします。1on1の構造上、人事や有識者などの第三者が同席して指導・改善したり、部下から上司への適切なフィードバックを期待することは困難ですが、KizunaNaviを利用することでマネージャーは自身の1on1に関するフィードバックを適切に受けることができるようになり、マネージャーとしてのスキル・マインドの向上に貢献することができます。また、その結果、1on1においてマネージャーからの適切なコミュニケーションが行われることで、メンバーのエンゲージメントの向上などにもつながることが期待できます。また、適切な1on1を実施するためには事前準備が重要であるため、1on1を設定する際にはメンバーがテーマの入力を行うフローになっておりますが、そこで入力されたテーマに基づいて、メンバーの考えや意見を引き出すための質問例を生成してマネージャーに提供します。これにより、マネージャーのスキルに依存せずにメンバーに問いかけができるため、メンバーが中心となった1on1を実施することが期待できます。(ii) 本サービスの特徴本サービスはエッジAIを活用することにより、1on1における画像・音声を通信し続けることなく、解析結果のみが送信・保存される仕組みになっており、マネージャー・メンバーのプライバシーに配慮しながら1on1の定着・継続的な改善を可能とするサービスです。顧客側では特別な機器の導入の必要がなく、容易に導入できるのも特徴の一つです。また、当社の保有する画像解析・エッジAI技術と、ソニー株式会社が保有する音声認識技術を組み合わせており、同様の機能を有するサービスの開発・提供を目指す場合、画像・音声・エッジコンピューティングなどの複数の領域における高い技術力が必要となるため、非常に高い競合優位性があるものと考えております。また、解析・フィードバックの項目や1on1のスムーズな実施に必要な各種機能について、人材育成・組織開発などを手掛ける日本能率協会マネジメントセンターの監修を受けており、当該領域における専門的な知見も踏まえて開発されていることも本サービスの強みとなっております。 (Ⅱ) LEDサイネージ(ニューラルビジョン・デジルック)2022年2月21日よりLEDサイネージのファブレスメーカーである株式会社ネットテンを完全子会社化し、グループに取り込みました。子会社化後、2022年8月1日に同じく当社子会社であった株式会社フォーカスチャネルを吸収合併した後、2022年9月1日にはニューラルマーケティング株式会社へと商号変更を実施しました。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ 「ニューラルビジョン」「デジルック」という自社ブランドのLEDサイネージをこれまでに10,000点以上(当社完全子会社化以前の実績含む)販売・設置した実績を保有しております。全国に10拠点(大阪あべの、大阪住吉、東京、仙台、広島、福岡、札幌、名古屋、高松、宮崎)に営業人員を擁し、訪問販売営業及び法人営業により小売店舗、オフィスビル、商業施設、公共施設、地方自治体、スタジアムなどに対し、屋内外で設置するためサイネージを提供しております。(ii) 本サービスの特徴 設置台数実績は国内最大級(自社調べ)であり、競争力の高い部材仕入れ、安定した供給や設置施工能力、全国にわたる充実したメンテナンス体制、幅広い商品取扱、映像放映に必要となる素材作成能力や独自ソフトウエアの保有から、国内トップクラスのLEDファブレスメーカーとしての実績を保有しております。また、強固な営業販売網と販売ノウハウにより、再現性の高い事業展開が見込まれます。 <事業系統図> 用語集 用語用語の定義アクティブラーニング学習データ作成の労力を低減することを目的として、AIに初期的な推論を行わせ、それを人間が評価を行う学習データ作成手法後処理検出精度の向上を目的として、出力データに対して行う処理アノテーション人工知能の学習に用いられる学習データ作成作業のこと。物体検出であれば、画像内の当該箇所を指定し物体種別を設定する作業を、多数の画像データに対して行うことアノテータ学習データを作成する者アルゴリズムコンピュータ上における問題を解くための手順・解き方AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステムMDMerchandising:目標を達成するために行う商品構成、仕入れ、販売方法、価格設定、陳列、販売促進等を計画・実行・管理すること学習データ学習モデルのアルゴリズムで使用される内部変数を最適化するのに使われるデータであり、特に画像と正解ラベルを組みにしたもの学習モデル画像等を入力とし、推論を行わせるための機械学習アルゴリズム機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピュータ自身が予測・判断を行うための技術・手法強化学習行動が環境の状態変化を引き起こし、目的にかなうと報酬を受け取れるモデルにおいて、試行錯誤による学習を繰り返し、状態に応じて報酬を最大化する行動を学習する計算資源計算機が計算量のために費やす、具体的あるいは抽象的な資源のこと検出精度正解ラベルと学習モデルによる推論結果の一致度構造化データコンピュータが処理できるようにルールに従って作られたデータ、行と列を持つ表形式のデータのことサイネージ表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示する情報・広告媒体深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが学習データから特徴量を抽出できる技術・手法スケーラビリティ機器やソフトウエア、システムなどの拡張性、拡張可能性スマートシティ先進的技術の活用により、街の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する街づくりのこと3Dモデリング2次元の画像データを3次元で表現すること端末処理(エッジコンピューティング)データをデータセンターに送信せず、端末自体によって処理することニューラルネットワーク人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化したものの組み合わせのこと非構造化データ例えば文書テキストや画像など、テーブル形式で整理されていない生データのことプロパー消化率建値消化率のこと。すなわち投入商品が値引き・廃棄等されずに売れた割合のこと前処理検出精度の向上を目的として、入力データ(画像等)に対して行う処理(白黒化、明度調整等)
FY2024|15,163 文字|出典 docID: S100VIOY
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社4社(ニューラルマーケティング株式会社、ニューラルエンジニアリング株式会社、Neural Group (Thailand) Co., Ltd.、Neural Solutions (Thailand) Co., Ltd.)で構成されております。なお、当社グループは、AIエンジニアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1) 事業の概況当社グループは「AIで心躍る未来を」をミッションとして、リアル空間のデジタル化による社会課題の解決を目指しております。当社グループ事業は、デジソリューション、ライフスタイルの2つのサービスドメインで構成されております。デジソリューションサービスドメインでは、AIカメラを活用した駐車場や物流施設のトラックバースの効率的な運用を実現する「デジパーク」、街中の人流解析や防犯に活用いただける「デジフロー」、在宅勤務支援ツール「リモデスク」、屋外及び屋内用LEDディスプレイの「ニューラルビジョン」「デジルック」、デジタルサイネージを媒体とするマンションサイネージ広告サービス「フォーカスチャネル」を提供しているほか、人・車両検知を行いサイネージ・パトランプ等へ即時発報、施設における安全性向上や運用効率化を支援する「エッジアラート」の提供を開始しました。ライフスタイルサービスドメインでは、アパレル向けファッショントレンド解析「AIMD」や、積込み最適化ソリューション「AI-VANNING」といった幅広いAIシステムソリューションを提供しているほか、当社の資本業務提携先であるソニー株式会社と共同で開発した1on1支援ツール「KizunaNavi」の提供を開始しました。当社グループの目指すスマートシティのビジョンは、データが循環する社会であります。当社グループはスマートシティを運営するためのエッジAIプラットフォームの提供を通じ、「待ちのない街」と「情報に出逢える街」を創出します。当社が提供するサービスは相互に密接に関連しており、AIによる解析サービス、エッジAI機器やLEDサイネージの提供、AIライセンスの提供を通じ、未来のAIスマートシティの実現を目指しております。 (2) 当社グループの技術の特徴と優位性① 独自の深層学習技術のライブラリ開発当社グループは、技術分野として、深層学習技術に基づく独自のAIライブラリを開発し、当社グループのAIエンジニアリング事業に活用しております。AIライブラリの開発にあたっては、汎用のオープンソースのアルゴリズムを転用せず、独自の学習データを収集して構築した高い検出精度のモデルを使用しております。また、当社グループでは、画像の認識・解析の際に、カメラ特性等を踏まえた独自の前処理、後処理による精度の向上、新しい学習データによるAI技術の使用目的に合わせたカスタマイズを行うことができます。当社グループでは、深層学習における学習データを準備する上で、深い知見を持つ専属のデータアノテーションチームがサービス開始後もAIの精度の継続的な向上を進めております。例えば、ファッショントレンド解析関連サービスでは、ファッションコーディネート画像を学習データとして独自に収集・分類し、98%(注)を超えるファッションアイテムの検知を実現しております。更に、学習データの仕分けに用いる自社開発の独自ソフトウエアを開発・保有しており、数百万枚規模の学習データ分類を用いた学習モデルを数か月という短期間にて実装する能力を保有しております。また、実際の画像を基にコンピュータ・グラフィックスを活用したAIモデルの効率的な学習を可能とする周辺開発も行っております。開発した学習モデルは、さまざまなサービスに活用・転用でき、新規サービス開発期間の短期化や、AIモデルの継続的な精度向上、スケーラビリティをもった事業開発に直結しております。(注)人物の全身が映った100枚の写真を対象に行ったファッションアイテム検知の精度評価において、写真に写っていた424のファッションアイテムのうち416アイテムを正しく検知し、正解率は98.1%となりました。 ② 端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデルの優位性当社グループは、エッジAIと呼ばれる、端末処理(エッジコンピューティング)でAIを実行・動作させる技術の研究開発及び活用を進めております。これまでのAI解析では、動画や写真、音声やデータといった容量の大きな情報を、通信網を用いてサーバーにアップロードし、サーバーで大規模な解析処理を行う必要がありました。こうしたサーバーの活用は、画像を送受信する通信網やサーバーへの負担に加え、通信料やサーバールームの運用コスト、電気代などが大きく膨らむことから、AIサービスが広く社会に浸透するための課題となっていました。エッジAIでは、カメラ等で取得された画像をはじめとしたデータをローカルに設置したエッジコンピュータが取得・解析し、解析後のメタデータ(解析結果を記したテキストデータ)のみを必要に応じてサーバーに送信します。そのため、画像や映像といった容量の大きいデータを通信網を用いて送受信する必要がなく、サーバーが受信するデータはすでに解析後のデータであり、AI解析を行うための大規模なGPUをサーバーが持つ必要もなくなるため、低コスト化・省電力化が実現できます。また、通信網を経由して送受信されるデータの容量も画像や映像に比べてはるかに小さくなるため、携帯電話での通信が行える程度のインターネット環境と電源さえあれば当社の提供するAIサービス・プロダクトは利用可能であり、拡張性の高さも当社サービスの特徴の1つです。さらに、エッジAIの特徴として端末で処理を行うため、個人情報を含む人物の顔画像等をサーバーに送信することなくAIを活用できることから、個人情報やプライバシー保護の面において高い優位性を有しております。エッジAIを動作させるためのエッジコンピュータやそこに搭載されるプロセッサはグローバルで様々なメーカーのものが存在しておりますが、当社グループのAIソフトウエアは特定のデバイスやプロセッサに依存しておらず、デバイス・プロセッサに対して横断的に搭載することが可能です。加えて、当社グループは、商用基準を満たすパッケージを用いた開発の経験を有しており、社会インフラとして設置できる信頼性を担保した製品を開発することが可能です。また、端末の限られた処理性能の中で安定的に動作するように最適化されたアルゴリズムの開発・実装に深い知見を有しており、スマートフォンのような小型・軽量の端末であっても高度なAIを組み込んだアプリケーションの開発が可能です。当社グループはエッジコンピューティングを積極的に用いることにより、保有する深層学習モデルの産業応用を加速すると同時に、省電力化といった環境負荷低減やSDGs(持続可能な開発目標)、プライバシー保護に配慮した産業発展を支援しております。 ③ 独自に開発する軽量・高精度なAIライブラリと、エッジコンピューティングの親和性AIとエッジコンピューティングの親和性の高さは従来から認識されていましたが、エッジコンピュータに深層学習モデルを搭載するにはモデルの軽量化が必須要件でした。誰でも利用できるオープンソースの学習済モデルやライブラリを組み合わせて開発されたAIソフトウェアは一定程度の計算能力を必要とするものが多く、また現実の多様な環境下で商用レベルで活用できる精度を発揮することは困難です。そのため、実環境下で商用レベルの解析精度を発揮し、なおかつエッジコンピュータの限られた計算能力の中で画像解析AIを安定的に実行・動作させるためには独自に軽量化したモデルを開発する必要がありました。当社グループは、独自に開発した軽量・高精度な深層学習モデルとエッジコンピューティングの親和性を最大限に活かし、拡張可能性を担保したエッジAI技術の開発と事業化を進め、AIサービスの活用場面を広げてきました。当社グループは、ビジネス・エコシステムを構築することができる領域において、エッジAI技術を活用したサービスを次々に開発・提供し、事業の創出・拡大を積極的に行っております。 (3) 独自に開発・保有する深層学習モデル及び開発・運用支援ツール当社グループが現在保有している深層学習の学習モデル及び開発・運用支援ツールは、以下のとおりとなっております。深層学習モデル又は開発・運用支援ツール名機能物体検知・分類ライブラリ通行する車両や人物、動物の検知と種別解析。インフラ破損、災害発生の有無の検知。単眼カメラ・360度カメラ・暗視カメラによる奥行き推定ライブラリ多様な単眼カメラで、空間の奥行、距離、位置座標を把握。人間が空間認識をする過程と全く同様な奥行推定を実現。視線検知ライブラリ人物の姿勢などの情報から視線方向を読み取ることで、興味の有無を推定。大人数の中や歩行中などでも適用が可能。グループ解析ライブラリ歩行者が一人で歩いているか、それとも複数人のグループで歩いているかを推定。歩行モード解析ライブラリ歩行速度や経路などのモードを分析することで、通行者の消費意欲 (ショッピングに足を止めそうか等)を推定。通行者属性推定ライブラリカメラを用い、通行者の年齢・性別を、歩行中かつ距離が離れている状態から推定する。ファッション属性解析ライブラリ着衣のアイテム・色・模様などを認識。その情報を組み合わせることで、人物の属性(ビジネス、カジュアル等)を推定。顔画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物特定)人物の顔から、同一人物を特定。複数のカメラにまたがった情報も連携可能。全身画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物推定)人物の体格・ファッション・所有物などから、同一人物を推定。顔が見えない遠距離や、後ろ姿からでも推定が可能。車両ナンバープレート認識ライブラリナンバープレートの文字認識を行う。OCRを用いた既存技術とは異なり、動きブレや汚れなどに頑健な認識を実現。車両ナンバープレート学習用画像生成ツールアクティブラーニングを用い、車両ナンバープレート認識ライブラリ向けの学習データを迅速かつ大量に生成。スマートフォンでも動作可能な軽量化済み物体検出・分類ライブラリ軽量化された物体認識モデルにより、スマートフォンなどの限られた計算リソースの中でもリアルタイムで物体認識を実現。動体検知・分類・追跡ライブラリ動体を対象とし、非常に少ない計算資源においても、高速な物体認識と分類・追跡を行う。3次元箱形状測定ライブラリスマートフォンのカメラにより撮影された画像から、箱の縦・横・高さを非接触で一度に測定。作業工程認識ライブラリ工場などにおける作業員の作業工程をカメラ動画から自動で読み取る。少量のサンプル画像により工程の登録が可能。作業動線解析ライブラリ工場・倉庫などにおける作業員や車両などを、360度カメラなどから認識・追跡することで、動線を解析。異常検知・予知保全ライブラリ構造化データと非構造化データを活用し、機器の故障やパフォーマンス低下を予知。CTスキャン異常検出ライブラリCTスキャン画像から、不良個所を検知。人が目視確認するよりも高い精度で不良を判定。GANを用いた異常検知ライブラリGANの技術を応用し、異常画像が少ない条件下であっても、高感度で異常を検知。ブラウザで高速動作可能なスマホ・人物・顔認識ライブラリスマホ・人物・顔認識といった複数の認識処理を、ブラウザ内で高速に実行可能。満空認識ライブラリカメラで撮影された画像から、駐車場や店舗内の席などの満空状況を認識する。広告配信最適化ライブラリデジタルサイネージ前の通行者属性や過去の視聴率などを元に、広告の配信を自動最適化する。予測・レコメンドエンジンライブラリ時系列情報を用い、将来予測とそれに伴うレコメンドを実現。行動履歴から消費行動や危険行動を予知する。流行自動検出ライブラリファッショントレンドなどの時系列情報から、突発的に発生した流行を自動検出する。単眼カメラによる3次元モーション解析・3Dモデリングライブラリ単眼カメラで、人体の形状や服装のしわなどを正確に3Dモデルで再現。人間の行動解析や、スポーツ選手のパフォーマンス管理を実現。シミュレーションを併用した画像認識モデル生成フレームワークシミュレーションを活用し、かつ、それに適した学習モデルを準備することで、学習モデル開発を加速。アクティブラーニングを用いたアノテーションツールアクティブラーニングを用いることで、迅速なアノテーションを実現。使えば使うほど効率化が進む仕組みを実現する。サービス横断的なデータの統一管理ソリューション当社グループが提供する複数サービス間で、匿名化情報を統一管理するためのデータ管理プラットフォーム。モジュール化された地方自治体向けソリューション地方自治体におけるさまざまなユースケースに対応可能な柔軟性を持つ、モジュール化された分析プログラム。エッジデバイスライブラリ管理システムエッジデバイスに搭載される深層学習モデルを管理する各種ソフトウエア。低コストでスケーラビリティのあるAI活用を実現。エッジデバイス死活監視システムエッジデバイスにおける各種ライブラリ・ハードウエアの稼働状態を監視し、動作ログを一括で管理。エッジデバイス自動インストーラー携帯通信を用いることで、多数のエッジデバイスの、遠隔地からの自動インストール・アップデート・メンテナンスを実現。エッジデバイスセキュリティシステムエッジデバイスの盗難や改ざんなどに対するセキュリティを担保するシステム。 (4) 展開するAIサービスと販売形態当社グループは、独自に開発した多数のモデル・AIライブラリを用いて事業を創出し、AIサービスを提供しております。「デジソリューション」ドメインでは、独自のAI搭載機器やサービスの設置・販売・メンテナンス、AIライセンス供与、システム開発、サイネージ機器のファブレス開発の他、当社グループがブランドとして提供するマンションサイネージ広告サービスにおいては、広告枠の販売による対価を受領しております。「ライフスタイル」ドメインにおいては、ライセンス供与、システム開発及びAI搭載機器の設置・販売・メンテナンスに係る対価を受領しています。 ① デジソリューション (I) 駐車場・モビリティ(デジパーク)当社グループは、AI画像解析技術及びエッジ処理技術を応用した駐車場サービスを展開しております。当社グループ技術を活用すると駐車場全体の満空状態だけでなく、具体的にどの車室が空いているのかといった詳細情報を限られた台数のカメラを設置するだけで把握することができます。デジパークを導入した商業施設では、屋外の複数駐車場と屋内立体駐車場の満空状況をリアルタイム(5分間隔)でウェブサイト上で更新しています。また、電光掲示板を活用して現地での満空表示も実施しております。また、従来のOCR(光学的文字認識)技術に変わる新しい技術を開発し、ナンバープレートを100%に近い精度で検知するライセンスも保有しております。事前登録などとあわせてパーキングチケットのチケットレス化への取組みも強化し、精算時の混雑の緩和による快適なパーキング運営の実現を目指しています。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラに搭載するAIソフトウエアの提供・機能更新、データレポーティングを行います。ショッピングモールの大規模駐車場や、物流施設のトラックバース等で導入が進んでいます。AIカメラとその周辺機器を一式セットで提供するユニット販売が主流となっています。電気機器の設置工事を受注できる体制を整備するため、2021年10月1日ニューラルエンジニアリング株式会社を設立し、一般建設業許可(電気通信工事業)を取得いたしました。これによりAIライセンスの提供だけではなく、機器の設置と保守運用まで一気通貫でサービスを提供できるようになりました。(ⅱ) 本サービスの特徴屋外の大規模駐車場から屋内の小規模な駐車場までさまざまなタイプの駐車場で導入いただけるサービスです。1台のカメラで最大200車室の満空を解析することができるのが最大の特徴で、駐車場運営の効率化を実現します。・設置の容易さ本サービスで使用するAIカメラは多くの数値・指標をリアルタイムで取得するという非常に高度な機器ではあるものの、設置においては設置作業者に特別な技術を要求することはなく、設置する機器の画面に表示される指示に従って数分程度の簡単な作業を行うだけで設置を完了できるようにしております。通常、高機能機器はその管理運営面においても相応の技術を要求するケースがあり事業展開の大きな課題となりますが、本サービスで使用する機器はオペレーションの簡易さとして設置作業の難易度が低いという特徴を有しています。・エッジ処理技術の活用取得する数値・指標の判定等の全てを機器の端末内で完結させるエッジ処理技術も大きな特徴となっております。通信負荷が低く長時間にわたり安定稼働ができます。また、データ送信などに有線回線が不要なためAIカメラから外部に出る配線は電源コードのみで、機器の出荷・納入、設置の手軽さにつながっています。 (Ⅱ) 人流・防犯(デジフロー)国内では、新型コロナウイルスは2023年5月には5類感染症に移行し、2023年7月には海外からの外国人観光客は中国からの旅行者を除くと、過去最多だった新型コロナウイルス感染拡大前の2019年7月を上回るなど、国内経済はインバウンド効果による経済の活性化を期待する声が広がっています。一方、観光客数の急回復が「オーバーツーリズム」として住民生活に悪影響を及ぼす懸念も報道されており、人の混雑や交通渋滞を回避できる都市モデルへの社会的ニーズが高まっています。そうした要請に応え、当社グループサービスを観光地での過観光回避や人が密集しやすい場所の防犯対策等での当社グループサービスの活用が進んでいます。また、地方創生の枠組みでは、道の駅などの観光施設の活用の見える化や効率的な施設運営に活かすサービスも徐々に広がっています。具体的には、官公庁や地方自治体、教育機関等と連携して、国内複数拠点の街づくりプロジェクトの実証実験等に参加しております。 (Ⅲ) サイネージ広告(フォーカスチャネル)2021年11月1日よりハイグレードマンションを中心にサイネージ広告事業を展開する株式会社フォーカスチャネルを完全子会社化し、グループに取り込みました。これを契機に、自社ブランドとしてのサイネージ広告事業の展開を加速してまいりました。なお、株式会社フォーカスチャネルはシナジーの加速と、より一層の事業の効率化を図るため、2022年8月1日に当社連結子会社の株式会社ネットテンとの吸収合併を経た後、商号変更を経て、現在ニューラルマーケティング株式会社に含まれる事業となっております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラを搭載したサイネージを無償でマンションに設置し、サイネージで配信する広告枠を販売いたします。広告枠の間にエンターテイメント性の高い情報などを配信することで、自然と目を引く広告メディアを目指しております。また、AIサイネージの隣に紙のチラシを置くことができるラックも設置し、デジタルと紙媒体の両面でマーケティングが打てる仕組みとなっております。AIサイネージはマンションの入り口付近やエレベーターホール、コンシェルジュデスクの脇など、住民の方が必ず通る動線上に配置しており、一定以上の視認回数を確保できるものとなっております。(ii) 本サービスの特徴本サービスで使用するサイネージ機器では、従来品では取得できなかったものを含め、年齢・性別の推定、視線の検知が可能です。コロナ禍でも通行人数に大きな差が出にくいマンションエントランスにAIサイネージを設置することで、安定的な広告視聴回数を維持できるのが特徴です。設置場所となるマンションにも施設が自由に情報配信できる枠を無償で提供しており、これまでは紙で掲示していたマンション側のお知らせをオンラインでサイネージに配信することができるようになります。マンション共有スペースの景観改善と管理業務のデジタル化を推進するツールとして導入が進んでいます。 (IV) LEDサイネージ(ニューラルビジョン・デジルック)2022年2月21日よりLEDサイネージのファブレスメーカーである株式会社ネットテンを完全子会社化し、グループに取り込みました。子会社化後、2022年8月1日に同じく当社子会社であった株式会社フォーカスチャネルを吸収合併した後、2022年9月1日にはニューラルマーケティング株式会社へと商号変更を実施しました。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ 「ニューラルビジョン」「デジルック」という自社ブランドのLEDサイネージをこれまでに10,000点以上(当社完全子会社化以前の実績含む)販売・設置した実績を保有しております。全国に10拠点(大阪あべの、大阪住吉、東京、仙台、広島、福岡、札幌、名古屋、高松、宮崎)に営業人員を擁し、訪問販売営業及び法人営業により小売店舗、オフィスビル、商業施設、公共施設、地方自治体、スタジアムなどに対し、屋内外で設置するためサイネージを提供しております。(ii) 本サービスの特徴 設置台数実績は国内最大(自社調べ)であり、競争力の高い部材仕入れ、安定した供給や設置施工能力、全国にわたる充実したメンテナンス体制、幅広い商品取扱、映像放映に必要となる素材作成能力や独自ソフトウエアの保有から、国内トップのLEDファブレスメーカーとしての実績を保有しております。また、強固な営業販売網と販売ノウハウにより、再現性の高い事業展開が見込まれます。 (Ⅴ) 在宅勤務支援(リモデスク)新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言を受け、国内外の多様な事業者において、従業員の在宅化が急速度で進みました。そうした新しい働き方を支えるソリューションとして在宅勤務支援「リモデスク」を開発し、特に個人情報を多く扱うために在宅勤務が難しいとされていたコールセンター中心にサービスを提供しています。エッジAIの優位性を活かし、個人情報保護やプライバシーに配慮しながら自宅でも高い情報セキュリティを維持できるインフラを整えることで、コールセンターの在宅化を推進するツールとして活用の場を広げております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいてユーザーが使用する一般的なコンピュータに内蔵されたカメラとCPUを使って画像を解析しております。コールセンター内で問題行動とされるスマートフォンを使った画面撮影や、本人以外の第三者のなりすまし、画面の覗き込み等の行為が行われた場合に、それを検知して監督者に通知するAIソフトウエアを提供しております。(ⅱ) 本サービスの特徴本サービスはエッジAIを活用することにより勤務中の画像を通信し続けることなく、問題行動が起きた場面だけが通知される仕組みになっており、働く人のプライバシーに配慮しながら機密性の高い情報を扱う方の在宅勤務を可能とするサービスです。顧客側では特別な機器の導入の必要がなく、容易に導入できるのも特徴の一つです。 (Ⅵ) リアルタイム検知・発報(エッジアラート)デジパーク・デジフローなどのサービスで活用している人・車両などの物体検知AIやナンバープレート認識AI、サイネージ関連技術を応用・発展させ、商業・物流施設をはじめとした様々な施設の安全性向上・運用効率化を支援するサービスとして、「エッジアラート」を提供しております。深刻な人手不足が見込まれる施設管理の領域における課題の解決を通じて、持続的・効率的な施設運営と利用者の安全性の向上に貢献いたします。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ本サービスは、施設の出入り口に設置したAIカメラで、周辺の人・車両の動きや車両のナンバープレートを解析し、検出結果を付近に設置したサイネージやパトランプに反映したり、事前に登録したメールアドレス宛のメール通知などを即時に行うものです。これにより、誘導員がいない施設の出入り口付近における人・車両の出会い頭の事故の発生を抑制することができるようになるほか、逆走検知や施設利用が許可されていない車両の検知・通知が可能となり、施設の安全性・運用効率の向上に貢献します。(ⅱ) 本サービスの特徴本サービスでは、安全性の観点からリアルタイムな通知が非常に重要であり、エッジAIの特徴である即時性と親和性の高いユースケースであると考えております。また、本サービスの提供に必要なAIライブラリは、当社グループの既存サービスで活用しているものと共通化されているため、精度の改善や安定性の向上などの活動を効率的に行うことができるようになっており、当社グループのAIライブラリの横展開の実現性・将来性を示すものとなっています。 ② ライフスタイル (I)ファッショントレンド解析当社グループは、拡大する余剰在庫や商品値引、並びに焼却廃棄等の社会問題に課題認識を持ち、AIを通じた業界再生やSDGs(持続可能な開発目標)の観点での持続可能性の向上、人の感性に頼った手作業からの進化を目指しています。また、ECサイトでのレコメンド機能の拡充やサイネージを活用した実店舗のデジタル化等ファッショントレンド解析サービスから派生したシステム等の開発により、アパレルメーカーの業務効率化、デジタル化に資するサービスを提供しております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいて独自の画像解析エンジン(特許 第6511204号)を用いて、SNSなどにおける2,500万枚以上のファッションコーディネート画像をAIが解析し、ファッションのアイテム(シャツ、ポロシャツなど)、色彩(ホワイト、グレーなど)、シルエット(半袖、長袖など)、素材感(ナイロン、レザーなど)などをビッグデータ化します。本サービスのユーザーとなるアパレル企業は、そのデータ解析結果により、それまで属人的な勘と経験によって断定されていたファッション特性を定量化し、MD(商品企画)業務をデジタル化・強化しています。(ii) 本サービスの特徴AIによるファッション解析を行うことで、トレンドに合わせた商品投入計画の策定に活用され、プロパー消化率(定価で販売した割合)の向上に寄与するサービスです。直近のトレンドデータに基づき、値引き判断を最適化することもできると考えています。結果として、投入商品と在庫水準が最適化され、営業利益率の改善につながると考えています。当社グループのサービスを活用して企画された商品は大手アパレルブランドをはじめ、全国の店舗で販売されています。当社グループのサービスを導入している顧客企業の一部ではプロパー消化率を改善する成果があがるなど、粗利改善に貢献しています。 (Ⅱ)AIによる積込み最適化システム「AI-VANNING」 「AI-VANNING」は、リアルタイムで荷物の形状を認識し、形状や重量に合わせ、最善の積込み方法や仕切り板のレイアウトなどの提案を行い、荷崩れによる品質の低下やヒューマンエラーによる遅延時間を削減できるだけでなく、使用コンテナ数を最小限に抑えることにより、輸送費用の減少を実現します。また、これまで手作業に依存していた書類の取り扱い等の作業をペーパーレス化することで、人材不足問題の解消と効率的かつ正確な積込みプロセスを提供します。サービス提供開始後は、完全自動化に向け、順次サービス内容を拡張していく予定です。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ物流業界において人材不足は深刻な課題の一つとして挙げられており、2024年問題(※1)が注目を集めるとともにAI技術を活用した業務効率化サービスへの関心が高まっています。当社グループは、今回のシステム導入を皮切りに、今後も最先端AI技術を活用して海貨業界におけるDX化をリードしていくことを目指し、海貨業界の課題解決の支援と、より効率的かつ持続可能な運送プロセスの実現を支援していきます。(※1)2024年4月1日以降、働き方改革関連法により、ドライバーの時間外労働時間の上限規制が設けられることによって発生する問題(ii) 本サービスの特徴本サービスは、独自開発したAIアルゴリズムに基づき、最適なコンテナ積込みレイアウトを作成します。その結果、作業の手戻りなどが抑制されることで、人的リソースの効率的な利用を実現します。また、従来の手作業で行われていた受注及び入庫報告書の処理を自動化し、エラーの発生を最小限に抑えます。これにより、作業者の負担が軽減され、業務の正確性が向上します。DX化が可能な作業を手作業からオートメーションへ移行することによって、人材はより高度なタスクにシフトされるとともに、技術的なスキルと生産性の向上が期待でき、人手不足の解消につながります。また、海貨業界全体のDXを推進するための強力な支援ツールとして機能します。デジタルプラットフォームを通じて業界内のステークホルダーがリアルタイムで連携し、情報共有と効率的な取引が可能となります。 (Ⅲ)1on1支援ツール「KizunaNavi」近年、働き手及び企業・団体を取り巻く環境は大きく変化してきており、特にリモートワークやハイブリッドワークの普及、働き手の価値観の多様化、個々の成長を重視する企業文化の浸透などの結果、マネジメントのあり方も変化が求められてきています。中でも、コミュニケーションの質・量の向上や社員1人1人にあわせた対話の重要性が高まりつつあります。そうした環境において、1on1が働き手から組織へのエンゲージメントや生産性を高めるために有効な手法として取り入れられていますが、そうした成果につなげることができている企業はまだまだ多いとは言えない状況です。このような社会環境において当社は、保有する画像解析・エッジAI技術と、当社グループの資本業務提携先であるソニー株式会社の音声関連技術を組み合わせ、1on1の組織への定着と継続的な改善を支援するツールとして、「KizunaNavi」を共同で開発しました。1on1というプライバシーに配慮すべき領域は、映像や音声をクラウドにアップロードせず端末内で解析を実行できるエッジAI技術の特性と親和性が高く、利用者の心理的安全性に配慮しつつサービスを利用できることが強みとなっております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいてユーザーが使用する一般的なコンピュータに内蔵されたカメラとCPUを使って画像を解析しております。マネージャー・メンバーの会話の比率やキーワード、表情や動きなどを解析することで、1on1の内容を定量化したレポートを作成し、マネージャーに対してよかった点や今後に向けた改善点をレポートと合わせてフィードバックします。1on1の構造上、人事や有識者などの第三者が同席して指導・改善したり、部下から上司への適切なフィードバックを期待することは困難ですが、KizunaNaviを利用することでマネージャーは自身の1on1に関するフィードバックを適切に受けることができるようになり、マネージャーとしてのスキル・マインドの向上に貢献することができます。また、その結果、1on1においてマネージャーからの適切なコミュニケーションが行われることで、メンバーのエンゲージメントの向上などにもつながることが期待できます。また、適切な1on1を実施するためには事前準備が重要であるため、1on1を設定する際にはメンバーがテーマの入力を行うフローになっておりますが、そこで入力されたテーマに基づいて、メンバーの考えや意見を引き出すための質問例を生成してマネージャーに提供します。これにより、マネージャーのスキルに依存せずにメンバーに問いかけができるため、メンバーが中心となった1on1を実施することが期待できます。 (ii) 本サービスの特徴本サービスはエッジAIを活用することにより、1on1における画像・音声を通信し続けることなく、解析結果のみが送信・保存される仕組みになっており、マネージャー・メンバーのプライバシーに配慮しながら1on1の定着・継続的な改善を可能とするサービスです。顧客側では特別な機器の導入の必要がなく、容易に導入できるのも特徴の一つです。また、当社の保有する画像解析・エッジAI技術と、ソニー株式会社が保有する音声認識技術を組み合わせており、同様の機能を有するサービスの開発・提供を目指す場合、画像・音声・エッジコンピューティングなどの複数の領域における高い技術力が必要となるため、非常に高い競合優位性があるものと考えております。また、解析・フィードバックの項目や1on1のスムーズな実施に必要な各種機能について、人材育成・組織開発などを手掛ける日本能率協会マネジメントセンターの監修を受けており、当該領域における専門的な知見も踏まえて開発されていることも本サービスの強みとなっております。 <事業系統図> 用語集 用語用語の定義アクティブラーニング学習データ作成の労力を低減することを目的として、AIに初期的な推論を行わせ、それを人間が評価を行う学習データ作成手法後処理検出精度の向上を目的として、出力データに対して行う処理アノテーション人工知能の学習に用いられる学習データ作成作業のこと。物体検出であれば、画像内の当該箇所を指定し物体種別を設定する作業を、多数の画像データに対して行うことアノテータ学習データを作成する者アルゴリズムコンピュータ上における問題を解くための手順・解き方AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステムMDMerchandising:目標を達成するために行う商品構成、仕入れ、販売方法、価格設定、陳列、販売促進等を計画・実行・管理すること学習データ学習モデルのアルゴリズムで使用される内部変数を最適化するのに使われるデータであり、特に画像と正解ラベルを組みにしたもの学習モデル画像等を入力とし、推論を行わせるための機械学習アルゴリズム機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピュータ自身が予測・判断を行うための技術・手法強化学習行動が環境の状態変化を引き起こし、目的にかなうと報酬を受け取れるモデルにおいて、試行錯誤による学習を繰り返し、状態に応じて報酬を最大化する行動を学習する計算資源計算機が計算量のために費やす、具体的あるいは抽象的な資源のこと検出精度正解ラベルと学習モデルによる推論結果の一致度構造化データコンピュータが処理できるようにルールに従って作られたデータ、行と列を持つ表形式のデータのことサイネージ表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示する情報・広告媒体深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが学習データから特徴量を抽出できる技術・手法スケーラビリティ機器やソフトウエア、システムなどの拡張性、拡張可能性スマートシティ先進的技術の活用により、街の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する街づくりのこと3Dモデリング2次元の画像データを3次元で表現すること端末処理(エッジコンピューティング)データをデータセンターに送信せず、端末自体によって処理することニューラルネットワーク人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化したものの組み合わせのこと非構造化データ例えば文書テキストや画像など、テーブル形式で整理されていない生データのことプロパー消化率建値消化率のこと。すなわち投入商品が値引き・廃棄等されずに売れた割合のこと前処理検出精度の向上を目的として、入力データ(画像等)に対して行う処理(白黒化、明度調整等)
FY2023|12,446 文字|出典 docID: S100T6VE
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社4社(ニューラルマーケティング株式会社、ニューラルエンジニアリング株式会社、Neural Group (Thailand) Co., Ltd.、Neural Solutions (Thailand) Co., Ltd.)で構成されております。なお、当社グループは、AIエンジニアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。 (1) 事業の概況当社グループは「AIで心躍る未来を」をミッションとして、リアル空間のデジタル化による社会課題の解決を目指しております。当社グループ事業は、デジソリューション、ライフスタイルの2つのサービスドメインで構成されております。 デジソリューションサービスドメインでは、AIカメラを活用した駐車場や物流施設のトラックバースの効率的な運用を実現する「デジパーク」、車番検知による車両の見える化を行う「デジスルー」、街中や商業施設内の人流解析や防犯に活用いただける「デジフロー」、在宅勤務支援ツール「リモデスク」、屋外及び屋内用LEDディスプレイの「デジルック」、デジタルサイネージを媒体とするマンションサイネージ広告サービス「フォーカスチャネル」を提供しております。ライフスタイルサービスドメインでは、AIによる積込み最適化システム「AI-VANNING」、アパレル向けファッショントレンド解析「AIMD」やアパレル企業を中心に幅広いAIシステムソリューションを提供しております。当社グループの目指すスマートシティのビジョンは、データが循環する社会であります。当社グループはスマートシティを運営するためのエッジAIプラットフォームの提供を通じ、「待ちのない街」と「情報に出逢える街」を創出します。当社が提供するサービスは相互に密接に関連しており、AIによる解析サービス、エッジAI機器やLEDサイネージの提供、AIライセンスの提供を通じ、未来のAIスマートシティの実現を目指しております。 (2) 当社グループの技術の特徴と優位性① 独自の深層学習技術のライブラリ開発当社グループは、技術分野として、独自の深層学習技術に基づくAIライブラリを開発し、当社グループのAIエンジニアリング事業に活用しております。深層学習の開発にあたっては、汎用のオープンアルゴリズムを転用せず、独自の学習データを収集して構築した高い検出精度の学習モデルを使用しております。また、当社グループでは、画像の認識・解析の際に、カメラ特性等を踏まえた独自の前処理、後処理による精度の向上、新しい学習データによるAI技術の使用目的に合わせたカスタマイズを行うことができます。当社グループでは、深層学習における学習データを準備する上で、深い知見を持つ専属のデータアノテーションチームがサービス開始後もAIの精度の継続的な向上を進めております。例えば、ファッショントレンド解析関連サービスでは、ファッションコーディネート画像を学習データとして独自に収集・分類し、98%(注)を超えるファッションアイテムの検知を実現しております。更に、学習データの仕分けに用いる自社開発の独自ソフトウエアを開発・保有しており、数百万枚規模の学習データ分類を用いた学習モデルを数か月という短期間にて実装する能力を保有しております。また、実際の画像を基にコンピュータ・グラフィックスを活用したAIモデルの効率的な学習を可能とする周辺開発も行っております。開発した学習モデルは、さまざまなサービスに活用・転用でき、新規サービス開発期間の短期化や、AIモデルの継続的な精度向上、スケーラビリティをもった事業開発に直結しております。(注)人物の全身が映った100枚の写真を対象に行ったファッションアイテム検知の精度評価において、写真に写っていた424のファッションアイテムうち416アイテムを正しく検知し、正解率は98.1%となりました。 ② 端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデルの優位性当社グループは、端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデル(エッジAI)の低コスト活用を進めております。これまでのAI解析では、動画や写真、音声やデータといった容量の大きな情報を、通信網を用いてサーバーにアップロードし、サーバーで大規模処理を行う必要がありました。こうしたサーバーの活用は、画像を送受信する通信網やサーバーへの負担に加え、通信料やサーバールームの運用コスト、電気代などが大きく膨らむことから、AIサービスが広く社会に浸透するための課題となっていました。エッジAIでは、画像を撮影しながらカメラなどにローカルに搭載したエッジコンピュータ内でAI解析が行われ、解析後のメタデータ(解析結果を記したテキストデータ)のみが必要に応じてサーバーに送信されることになります。そのため、容量の大きい動画そのものを通信を使って送受信する必要がなく、大規模なGPUサーバーを使う必要がないため、低コスト化・省電力化が実現できます。また、携帯電話が使える程度のインターネット環境と電源さえあれば、当社のAIを搭載した機器の設置ができることから、拡張性の高いサービスを提供できます。また、エッジコンピューティングを活用することで、個人情報を含む人物の顔画像等をサーバーに送ることなく解析できることから、個人情報やプライバシー保護の面において高い優位性を持つ技術です。当社グループのAIソフトウエアはデバイスとプロセッサ種別に横断的に搭載することが可能です。当社グループは、商用基準を満たすパッケージを用いた開発の経験を有しており、社会インフラとして設置できる信頼性を担保した製品を開発することができます。また、内蔵のメモリに負荷をかけない最適化されたアルゴリズムを実装する開発に深い知見を有しており、スマートフォンにもこれまでになかった高度なAIを組み込むことが可能です。当社グループはエッジコンピューティングを積極的に用いることにより、保有する深層学習モデルの産業応用を加速すると同時に、省電力化といった環境負荷低減やSDGs(持続可能な開発目標)、プライバシー保護に配慮した産業発展を支援しております。 ③ 独自に開発する軽量・高精度な深層学習モデルと、エッジコンピューティングの親和性の活用AIとエッジコンピューティングの親和性の高さは従来から認識されていましたが、エッジコンピュータに深層学習モデルを搭載するにはモデルの軽量化が必須要件でした。オープンソース化された汎用ライブラリを組み合わせて開発した深層学習モデルではメモリサイズが大きすぎることから、エッジコンピュータ上で稼働すためには独自に軽量化したモデルを開発する必要がありました。当社グループは、独自に開発した軽量・高精度な深層学習モデルとエッジコンピューティングの親和性を最大限に活かし、拡張可能性を担保した深層学習の開発と事業化を進め、AIサービスの活用場面を広げてきました。当社グループは、エッジAI技術によるビジネス創出基盤を持つサービスを次々に提供し、事業を推進しております。 (3) 独自に開発・保有する深層学習モデル及び開発・運用支援ツール当社グループが現在保有している深層学習の学習モデル及び開発・運用支援ツールは、以下のとおりとなっております。深層学習モデル又は開発・運用支援ツール名機能物体検知・分類ライブラリ通行する車両や人物、動物の検知と種別解析。インフラ破損、災害発生の有無の検知。単眼カメラ・360度カメラ・暗視カメラによる奥行き推定ライブラリ多様な単眼カメラで、空間の奥行、距離、位置座標を把握。人間が空間認識をする過程と全く同様な奥行推定を実現。視線検知ライブラリ人物の姿勢などの情報から視線方向を読み取ることで、興味の有無を推定。大人数の中や歩行中などでも適用が可能。グループ解析ライブラリ歩行者が一人で歩いているか、それとも複数人のグループで歩いているかを推定。歩行モード解析ライブラリ歩行速度や経路などのモードを分析することで、通行者の消費意欲 (ショッピングに足を止めそうか等)を推定。通行者属性推定ライブラリカメラを用い、通行者の年齢・性別を、歩行中かつ距離が離れている状態から推定する。ファッション属性解析ライブラリ着衣のアイテム・色・模様などを認識。その情報を組み合わせることで、人物の属性(ビジネス、カジュアル等)を推定。顔画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物特定)人物の顔から、同一人物を特定。複数のカメラにまたがった情報も連携可能。全身画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物推定)人物の体格・ファッション・所有物などから、同一人物を推定。顔が見えない遠距離や、後ろ姿からでも推定が可能。車両ナンバープレート認識ライブラリナンバープレートの文字認識を行う。OCRを用いた既存技術とは異なり、動きブレや汚れなどに頑健な認識を実現。車両ナンバープレート学習用画像生成ツールアクティブラーニングを用い、車両ナンバープレート認識ライブラリ向けの学習データを迅速かつ大量に生成。スマートフォンでも動作可能な軽量化済み物体検出・分類ライブラリ軽量化された物体認識モデルにより、スマートフォンなどの限られた計算リソースの中でもリアルタイムで物体認識を実現。動体検知・分類・追跡ライブラリ動体を対象とし、非常に少ない計算資源においても、高速な物体認識と分類・追跡を行う。3次元箱形状測定ライブラリスマートフォンのカメラにより撮影された画像から、箱の縦・横・高さを非接触で一度に測定。作業工程認識ライブラリ工場などにおける作業員の作業工程をカメラ動画から自動で読み取る。少量のサンプル画像により工程の登録が可能。作業動線解析ライブラリ工場・倉庫などにおける作業員や車両などを、360度カメラなどから認識・追跡することで、動線を解析。異常検知・予知保全ライブラリ構造化データと非構造化データを活用し、機器の故障やパフォーマンス低下を予知。CTスキャン異常検出ライブラリCTスキャン画像から、不良個所を検知。人が目視確認するよりも高い精度で不良を判定。GANを用いた異常検知ライブラリGANの技術を応用し、異常画像が少ない条件下であっても、高感度で異常を検知。ブラウザで高速動作可能なスマホ・人物・顔認識ライブラリスマホ・人物・顔認識といった複数の認識処理を、ブラウザ内で高速に実行可能。満空認識ライブラリカメラで撮影された画像から、駐車場や店舗内の席などの満空状況を認識する。広告配信最適化ライブラリデジタルサイネージ前の通行者属性や過去の視聴率などを元に、広告の配信を自動最適化する。予測・レコメンドエンジンライブラリ時系列情報を用い、将来予測とそれに伴うレコメンドを実現。行動履歴から消費行動や危険行動を予知する。流行自動検出ライブラリファッショントレンドなどの時系列情報から、突発的に発生した流行を自動検出する。単眼カメラによる3次元モーション解析・3Dモデリングライブラリ単眼カメラで、人体の形状や服装のしわなどを正確に3Dモデルで再現。人間の行動解析や、スポーツ選手のパフォーマンス管理を実現。シミュレーションを併用した画像認識モデル生成フレームワークシミュレーションを活用し、かつ、それに適した学習モデルを準備することで、学習モデル開発を加速。アクティブラーニングを用いたアノテーションツールアクティブラーニングを用いることで、迅速なアノテーションを実現。使えば使うほど効率化が進む仕組みを実現する。サービス横断的なデータの統一管理ソリューション当社グループが提供する複数サービス間で、匿名化情報を統一管理するためのデータ管理プラットフォーム。モジュール化された地方自治体向けソリューション地方自治体におけるさまざまなユースケースに対応可能な柔軟性を持つ、モジュール化された分析プログラム。エッジデバイスライブラリ管理システムエッジデバイスに搭載される深層学習モデルを管理する各種ソフトウエア。低コストでスケーラビリティのあるAI活用を実現。エッジデバイス死活監視システムエッジデバイスにおける各種ライブラリ・ハードウエアの稼働状態を監視し、動作ログを一括で管理。エッジデバイス自動インストーラー携帯通信を用いることで、多数のエッジデバイスの、遠隔地からの自動インストール・アップデート・メンテナンスを実現。エッジデバイスセキュリティシステムエッジデバイスの盗難や改ざんなどに対するセキュリティを担保するシステム。 (4) 展開するAIサービスと販売形態当社グループは、独自に開発した多数の深層学習モデルを用いて事業を創出し、AIサービスを提供しております。「デジソリューション」ドメインでは、独自のAI搭載機器やサービスの設置・販売・メンテナンス、AIライセンス供与、システム開発、サイネージ機器のファブレス開発の他、当社グループがブランドとして提供するマンションサイネージ広告サービスにおいては、広告枠の販売による対価を受領しております。「ライフスタイル」ドメインにおいては、ライセンス供与、システム開発及びAI搭載機器の設置・販売・メンテナンスに係る対価を受領しています。 ① デジソリューション (I) 駐車場・モビリティ(デジパーク)当社グループは、AI画像解析技術及びエッジ処理技術を応用した駐車場サービスを展開しております。当社グループ技術を活用すると駐車場全体の満空状態だけでなく、具体的にどの車室が空いているのかといった詳細情報を限られた台数のカメラを設置するだけで把握することができます。デジパークを導入した商業施設では、屋外の複数駐車場と屋内立体駐車場の満空状況をリアルタイム(5分間隔)でウェブサイト上で更新しています。また、電光掲示板を活用して現地での満空表示も実施しております。また、従来のOCR(光学的文字認識)技術に変わる新しい技術を開発し、ナンバープレートを100%に近い精度で検知するライセンスも保有しております。事前登録などとあわせてパーキングチケットのチケットレス化への取組みも強化し、精算時の混雑の緩和による快適なパーキング運営の実現を目指しています。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラに搭載するAIソフトウエアの提供・機能更新、データレポーティングを行います。ショッピングモールの大規模駐車場や、物流施設のトラックバース等で導入が進んでいます。AIカメラとその周辺機器を一式セットで提供するユニット販売が主流となっています。電気機器の設置工事を受注できる体制を整備するため、2021年10月1日ニューラルエンジニアリング株式会社を設立し、一般建設業許可(電気通信工事業)を取得いたしました。これによりAIライセンスの提供だけではなく、機器の設置と保守運用まで一気通貫でサービスを提供できるようになりました。(ⅱ) 本サービスの特徴屋外の大規模駐車場から屋内の小規模な駐車場までさまざまなタイプの駐車場で導入いただけるサービスです。1台のカメラで最大200車室の満空を解析することができるのが最大の特徴で、駐車場運営の効率化を実現します。・設置の容易さ本サービスで使用するAIカメラは多くの数値・指標をリアルタイムで取得するという非常に高度な機器ではあるものの、設置においては設置作業者に特別な技術を要求することはなく、設置する機器の画面に表示される指示に従って数分程度の簡単な作業を行うだけで設置を完了できるようにしております。通常、高機能機器はその管理運営面においても相応の技術を要求するケースがあり事業展開の大きな課題となりますが、本サービスで使用する機器はオペレーションの簡易さとして設置作業の難易度が低いという特徴を有しています。・エッジ処理技術の活用取得する数値・指標の判定等の全てを機器の端末内で完結させるエッジ処理技術も大きな特徴となっております。通信負荷が低く長時間にわたり安定稼働ができます。また、データ送信などに有線回線が不要なためAIカメラから外部に出る配線は電源コードのみで、機器の出荷・納入、設置の手軽さにつながっています。 (II) 人流・防犯(デジフロー)国内では、新型コロナウイルスは2023年5月には5類感染症に移行し、2023年7月には海外からの外国人観光客は中国からの旅行者を除くと、過去最多だった新型コロナウイルス感染拡大前の2019年7月を上回るなど、国内経済はインバウンド効果による経済の活性化を期待する声が広がっています。一方、観光客数の急回復が「オーバーツーリズム」として住民生活に悪影響を及ぼす懸念も報道されており、人の混雑や交通渋滞を回避できる都市モデルへの社会的ニーズが高まっています。そうした要請に応え、当社グループサービスを観光地での過観光回避や人が密集しやすい場所の防犯対策等での当社グループサービスの活用が進んでいます。また、地方創生の枠組みでは、道の駅などの観光施設の活用の見える化や効率的な施設運営に活かすサービスも徐々に広がっています。具体的には、官公庁や地方自治体、教育機関等と連携して、国内複数拠点の街づくりプロジェクトの実証実験等に参加しております。 (III) サイネージ広告(フォーカスチャネル)2021年11月1日よりハイグレードマンションを中心にサイネージ広告事業を展開する株式会社フォーカスチャネルを完全子会社化し、グループに取り込みました。これを契機に、自社ブランドとしてのサイネージ広告事業の展開を加速してまいりました。なお、株式会社フォーカスチャネルはシナジーの加速と、より一層の事業の効率化を図るため、2022年8月1日に当社連結子会社の株式会社ネットテンとの吸収合併を経た後、商号変更を経て、現在ニューラルマーケティング株式会社に含まれる事業となっております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラを搭載したサイネージを無償でマンションに設置し、サイネージで配信する広告枠を販売いたします。広告枠の間にエンターテイメント性の高い情報などを配信することで、自然と目を引く広告メディアを目指しております。また、AIサイネージの隣に紙のチラシを置くことができるラックも設置し、デジタルと紙媒体の両面でマーケティングが打てる仕組みとなっております。AIサイネージはマンションの入り口付近やエレベーターホール、コンシェルジュデスクの脇など、住民の方が必ず通る動線上に配置しており、一定以上の視認回数を確保できるものとなっております。(ii) 本サービスの特徴本サービスで使用するサイネージ機器では、従来品では取得できなかったものを含め、年齢・性別の推定、視線の検知が可能です。コロナ禍でも通行人数に大きな差が出にくいマンションエントランスにAIサイネージを設置することで、安定的な広告視聴回数を維持できるのが特徴です。設置場所となるマンションにも施設が自由に情報配信できる枠を無償で提供しており、これまでは紙で掲示していたマンション側のお知らせをオンラインでサイネージに配信することができるようになります。マンション共有スペースの景観改善と管理業務のデジタル化を推進するツールとして導入が進んでいます。 (IV) LEDサイネージ(デジルック)2022年2月21日よりLEDサイネージのファブレスメーカーである株式会社ネットテンを完全子会社化し、グループに取り込みました。子会社化後、2022年8月1日に同じく当社子会社であった株式会社フォーカスチャネルを吸収合併した後、2022年9月1日にはニューラルマーケティング株式会社へと商号変更を実施しました。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ 「デジルック」という自社ブランドのLEDサイネージをこれまでに10,000点以上(当社完全子会社化以前の実績含む)販売・設置した実績を保有しております。全国に10拠点(大阪あべの、大阪住吉、東京、仙台、広島、福岡、横浜、名古屋、新潟、宮崎)に営業人員を擁し、訪問販売営業および法人営業により小売店舗、オフィスビル、商業施設、公共施設、地方自治体、スタジアムなどに対し、屋内外で設置するためサイネージを提供しております。(ii) 本サービスの特徴 設置台数実績は国内最大(自社調べ)であり、競争力の高い部材仕入れ、安定した供給や設置施工能力、全国にわたる充実したメンテナンス体制、幅広い商品取扱、映像放映に必要となる素材作成能力や独自ソフトウエアの保有から、国内トップのLEDファブレスメーカーとしての実績を保有しております。また、強固な営業販売網と販売ノウハウにより、再現性の高い事業展開が見込まれます。 (Ⅴ) 在宅勤務支援(リモデスク)新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言を受け、国内外の多様な事業者において、従業員の在宅化が急速度で進みました。そうした新しい働き方を支えるソリューションとして在宅勤務支援「リモデスク」を開発し、特に個人情報を多く扱うために在宅勤務が難しいとされていたコールセンター中心にサービスを提供しています。エッジAIの優位性を活かし、個人情報保護やプライバシーに配慮しながら自宅でも高い情報セキュリティを維持できるインフラを整えることで、コールセンターの在宅化を推進するツールとして活用の場を広げております。2021年8月にはSaaS版をリリースし、小規模な事業者でも導入しやすいサービスとして、コールセンターだけではなく、在宅勤務中の従業員の勤怠や健康管理にリモデスクを活用したい事業者への導入が進んでおります。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいてユーザーが使用する一般的なコンピュータに内蔵されたカメラとCPUを使って画像を解析しております。コールセンター内で問題行動とされるスマートフォンを使った画面撮影や、本人以外の第三者のなりすまし、画面の覗き込み等の行為が行われた場合に、それを検知して監督者に通知するAIソフトウエアを提供しております。(ⅱ) 本サービスの特徴本サービスはエッジAIを活用することにより勤務中の画像を通信し続けることなく、問題行動が起きた場面だけが通知される仕組みになっており、働く人のプライバシーに配慮しながら機密性の高い情報を扱う方の在宅勤務を可能とするサービスです。顧客側では特別な機器の導入の必要がなく、容易に導入できるのも特徴の一つです。 ② ライフスタイル (I)ファッショントレンド解析当社グループは、拡大する余剰在庫や商品値引、並びに焼却廃棄等の社会問題に課題認識を持ち、AIを通じた業界再生やSDGs(持続可能な開発目標)の観点での持続可能性の向上、人の感性に頼った手作業からの進化を目指しています。また、ECサイトでのレコメンド機能の拡充やサイネージを活用した実店舗のデジタル化等ファッショントレンド解析サービスから派生したシステム等の開発により、アパレルメーカーの業務効率化、デジタル化に資するサービスを提供しております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいて独自の画像解析エンジン(特許 第6511204号)を用いて、SNSなどにおける2,500万枚以上のファッションコーディネート画像をAIが解析し、ファッションのアイテム(シャツ、ポロシャツなど)、色彩(ホワイト、グレーなど)、シルエット(半袖、長袖など)、素材感(ナイロン、レザーなど)などをビッグデータ化します。本サービスのユーザーとなるアパレル企業は、そのデータ解析結果により、それまで属人的な勘と経験によって断定されていたファッション特性を定量化し、MD(商品企画)業務をデジタル化・強化しています。(ii) 本サービスの特徴AIによるファッション解析を行うことで、トレンドに合わせた商品投入計画の策定に活用され、プロパー消化率(定価で販売した割合)の向上に寄与するサービスです。直近のトレンドデータに基づき、値引き判断を最適化することもできると考えています。結果として、投入商品と在庫水準が最適化され、営業利益率の改善につながると考えています。当社グループのサービスを活用して企画された商品は大手アパレルブランドをはじめ、全国の店舗で販売されています。当社グループのサービスを導入している顧客企業の一部ではプロパー消化率を改善する成果があがるなど、粗利改善に貢献しています。 (Ⅱ)AIによる積込み最適化システム「AI-VANNING」 「AI-VANNING」は、リアルタイムで荷物の形状を認識し、形状や重量に合わせ、最善の積込み方法や仕切り板のレイアウトなどの提案を行い、荷崩れによる品質の低下やヒューマンエラーによる遅延時間を削減できるだけでなく、使用コンテナ数を最小限に抑えることにより、輸送費用の減少を実現します。また、これまで手作業に依存していた書類の取り扱い等の作業をペーパーレス化することで、人材不足問題の解消と効率的かつ正確な積込みプロセスを提供します。サービス提供開始後は、完全自動化に向け、順次サービス内容を拡張していく予定です。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ物流業界において人材不足は深刻な課題の一つとして挙げられており、2024年問題(※1)が注目を集めるとともにAI技術を活用した業務効率化サービスへの関心が高まっています。当社グループは、今回のシステム導入を皮切りに、今後も最先端AI技術を活用して海貨業界におけるDX化をリードしていくことを目指し、海貨業界の課題解決の支援と、より効率的かつ持続可能な運送プロセスの実現を支援していきます。(※1)2024年4月1日以降、働き方改革関連法により、ドライバーの時間外労働時間の上限規制が設けられることによって発生する問題 (ii) 本サービスの特徴本サービスは、独自開発したAIアルゴリズムに基づき、最適なコンテナ積込みレイアウトを作成します。その結果、作業の手戻りなどが抑制されることで、人的リソースの効率的な利用を実現します。また、従来の手作業で行われていた受注および入庫報告書の処理を自動化し、エラーの発生を最小限に抑えます。これにより、作業者の負担が軽減され、業務の正確性が向上します。DX化が可能な作業を手作業からオートメーションへ移行することによって、人材はより高度なタスクにシフトされるとともに、技術的なスキルと生産性の向上が期待でき、人手不足の解消につながります。また、海貨業界全体のDXを推進するための強力な支援ツールとして機能します。デジタルプラットフォームを通じて業界内のステークホルダーがリアルタイムで連携し、情報共有と効率的な取引が可能となります。 <事業系統図> 用語集 用語用語の定義アクティブラーニング学習データ作成の労力を低減することを目的として、AIに初期的な推論を行わせ、それを人間が評価を行う学習データ作成手法後処理検出精度の向上を目的として、出力データに対して行う処理アノテーション人工知能の学習に用いられる学習データ作成作業のこと。物体検出であれば、画像内の当該箇所を指定し物体種別を設定する作業を、多数の画像データに対して行うことアノテータ学習データを作成する者アルゴリズムコンピュータ上における問題を解くための手順・解き方AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステムMDMerchandising:目標を達成するために行う商品構成、仕入れ、販売方法、価格設定、陳列、販売促進等を計画・実行・管理すること学習データ学習モデルのアルゴリズムで使用される内部変数を最適化するのに使われるデータであり、特に画像と正解ラベルを組みにしたもの学習モデル画像等を入力とし、推論を行わせるための機械学習アルゴリズム機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピュータ自身が予測・判断を行うための技術・手法強化学習行動が環境の状態変化を引き起こし、目的にかなうと報酬を受け取れるモデルにおいて、試行錯誤による学習を繰り返し、状態に応じて報酬を最大化する行動を学習する計算資源計算機が計算量のために費やす、具体的あるいは抽象的な資源のこと検出精度正解ラベルと学習モデルによる推論結果の一致度構造化データコンピュータが処理できるようにルールに従って作られたデータ、行と列を持つ表形式のデータのことサイネージ表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示する情報・広告媒体深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが学習データから特徴量を抽出できる技術・手法スケーラビリティ機器やソフトウエア、システムなどの拡張性、拡張可能性スマートシティ先進的技術の活用により、街の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する街づくりのこと3Dモデリング2次元の画像データを3次元で表現すること端末処理(エッジコンピューティング)データをデータセンターに送信せず、端末自体によって処理することニューラルネットワーク人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化したものの組み合わせのこと非構造化データ例えば文書テキストや画像など、テーブル形式で整理されていない生データのことプロパー消化率建値消化率のこと。すなわち投入商品が値引き・廃棄等されずに売れた割合のこと前処理検出精度の向上を目的として、入力データ(画像等)に対して行う処理(白黒化、明度調整等)
FY2022|11,267 文字|出典 docID: S100QIYF
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社3社(ニューラルマーケティング株式会社、ニューラルエンジニアリング株式会社、Neural Group (Thailand) Co., Ltd.)で構成されております。なお、当社グループは、AIエンジニアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。(1) 事業の概況当社グループは「世界を便利に、人々を幸せに」をミッションとして、リアル空間のデジタル化による社会課題の解決を目指しております。当社グループ事業は、デジソリューション、ライフスタイルの2つのサービスドメインで構成されております。 デジソリューションサービスドメインでは、AIカメラを活用した駐車場や物流施設のトラックバースの効率的な運用を実現する「デジパーク」、車番検知による車両の見える化を行う「デジスルー」、街中や商業施設内の人流解析や防犯に活用いただける「デジフロー」、在宅勤務支援ツール「リモデスク」、屋外及び屋内用LEDディスプレイの「デジルック」、デジタルサイネージを媒体とするマンションサイネージ広告サービス「フォーカスチャネル」を提供しております。ライフスタイルサービスドメインでは、アパレル向けファッショントレンド解析「AIMD」やアパレル企業を中心に幅広いAIシステムソリューションを提供しております。当社グループの目指すスマートシティのビジョンは、データが循環する社会であります。当社グループはスマートシティを運営するためのエッジAIプラットフォームの提供を通じ、「待ちのない街」と「情報に出逢える街」を創出します。当社が提供するサービスは相互に密接に関連しており、AIによる解析サービス、エッジAI機器やLEDサイネージの提供、AIライセンスの提供を通じ、未来のAIスマートシティの実現を目指しております。 (2) 当社グループの技術の特徴と優位性① 独自の深層学習技術のライブラリ開発当社グループは、技術分野として、独自の深層学習技術に基づくAIライブラリを開発し、当社グループのAIエンジニアリング事業に活用しております。深層学習の開発にあたっては、汎用のオープンアルゴリズムを転用せず、独自の学習データを収集して構築した高い検出精度の学習モデルを使用しております。また、当社グループでは、画像の認識・解析の際に、カメラ特性等を踏まえた独自の前処理、後処理による精度の向上、新しい学習データによるAI技術の使用目的に合わせたカスタマイズを行うことができます。当社グループでは、深層学習における学習データを準備する上で、深い知見を持つ専属のデータアノテーションチームがサービス開始後もAIの精度の継続的な向上を進めております。例えば、ファッショントレンド解析関連サービスでは、ファッションコーディネート画像を学習データとして独自に収集・分類し、98%(注)を超えるファッションアイテムの検知を実現しております。更に、学習データの仕分けに用いる自社開発の独自ソフトウエアを開発・保有しており、数百万枚規模の学習データ分類を用いた学習モデルを数か月という短期間にて実装する能力を保有しております。また、実際の画像を基にコンピュータ・グラフィックスを活用したAIモデルの効率的な学習を可能とする周辺開発も行っております。開発した学習モデルは、さまざまなサービスに活用・転用でき、新規サービス開発期間の短期化や、AIモデルの継続的な精度向上、スケーラビリティをもった事業開発に直結しております。(注)人物の全身が映った100枚の写真を対象に行ったファッションアイテム検知の精度評価において、写真に写っていた424のファッションアイテムうち416アイテムを正しく検知し、正解率は98.1%となりました。 ② 端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデルの優位性当社グループは、端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデル(エッジAI)の低コスト活用を進めております。これまでのAI解析では、動画や写真、音声やデータといった容量の大きな情報を、通信網を用いてサーバーにアップロードし、サーバーで大規模処理を行う必要がありました。こうしたサーバーの活用は、画像を送受信する通信網やサーバーへの負担に加え、通信料やサーバールームの運用コスト、電気代などが大きく膨らむことから、AIサービスが広く社会に浸透するための課題となっていました。エッジAIでは、画像を撮影しながらカメラなどにローカルに搭載したエッジコンピュータ内でAI解析が行われ、解析後のメタデータ(解析結果を記したテキストデータ)のみが必要に応じてサーバーに送信されることになります。そのため、容量の大きい動画そのものを通信を使って送受信する必要がなく、大規模なGPUサーバーを使う必要がないため、低コスト化・省電力化が実現できます。また、携帯電話が使える程度のインターネット環境と電源さえあれば、当社のAIを搭載した機器の設置ができることから、拡張性の高いサービスを提供できます。また、エッジコンピューティングを活用することで、個人情報を含む人物の顔画像等をサーバーに送ることなく解析できることから、個人情報やプライバシー保護の面において高い優位性を持つ技術です。当社グループのAIソフトウエアはデバイスとプロセッサ種別に横断的に搭載することが可能です。当社グループは、商用基準を満たすパッケージを用いた開発の経験を有しており、社会インフラとして設置できる信頼性を担保した製品を開発することができます。また、内蔵のメモリに負荷をかけない最適化されたアルゴリズムを実装する開発に深い知見を有しており、スマートフォンにもこれまでになかった高度なAIを組み込むことが可能です。当社グループはエッジコンピューティングを積極的に用いることにより、保有する深層学習モデルの産業応用を加速すると同時に、省電力化といった環境負荷低減やSDGs(持続可能な開発目標)、プライバシー保護に配慮した産業発展を支援しております。 ③ 独自に開発する軽量・高精度な深層学習モデルと、エッジコンピューティングの親和性の活用AIとエッジコンピューティングの親和性の高さは、従来から認識されていましたが、エッジコンピュータに深層学習モデルを搭載するには、モデルの軽量化が必須要件でした。オープンソース化された汎用ライブラリを組み合わせて開発した深層学習モデルでは、メモリサイズが大きすぎることから、エッジコンピュータ上で稼働すためには独自に軽量化したモデルを開発する必要がありました。当社グループは、独自に開発した軽量・高精度な深層学習モデルと、エッジコンピューティングの親和性を最大限に活かし、拡張可能性を担保した深層学習の開発と事業化を進め、AIサービスの活用場面を広げてきました。当社グループは、エッジAI技術によるビジネス創出基盤を持つサービスを次々に提供し、事業を推進しております。 (3) 独自に開発・保有する深層学習モデル及び開発・運用支援ツール当社グループが現在保有している深層学習の学習モデル及び開発・運用支援ツールは、以下のとおりとなっております。深層学習モデル又は開発・運用支援ツール名機能物体検知・分類ライブラリ通行する車両や人物、動物の検知と種別解析。インフラ破損、災害発生の有無の検知。単眼カメラ・360度カメラ・暗視カメラによる奥行き推定ライブラリ多様な単眼カメラで、空間の奥行、距離、位置座標を把握。人間が空間認識をする過程と全く同様な奥行推定を実現。視線検知ライブラリ人物の姿勢などの情報から視線方向を読み取ることで、興味の有無を推定。大人数の中や歩行中などでも適用が可能。グループ解析ライブラリ歩行者が一人で歩いているか、それとも複数人のグループで歩いているかを推定。歩行モード解析ライブラリ歩行速度や経路などのモードを分析することで、通行者の消費意欲 (ショッピングに足を止めそうか等)を推定。通行者属性推定ライブラリカメラを用い、通行者の年齢・性別を、歩行中かつ距離が離れている状態から推定する。ファッション属性解析ライブラリ着衣のアイテム・色・模様などを認識。その情報を組み合わせることで、人物の属性(ビジネス、カジュアル等)を推定。顔画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物特定)人物の顔から、同一人物を特定。複数のカメラにまたがった情報も連携可能。全身画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物推定)人物の体格・ファッション・所有物などから、同一人物を推定。顔が見えない遠距離や、後ろ姿からでも推定が可能。車両ナンバープレート認識ライブラリナンバープレートの文字認識を行う。OCRを用いた既存技術とは異なり、動きブレや汚れなどに頑健な認識を実現。車両ナンバープレート学習用画像生成ツールアクティブラーニングを用い、車両ナンバープレート認識ライブラリ向けの学習データを迅速かつ大量に生成。スマートフォンでも動作可能な軽量化済み物体検出・分類ライブラリ軽量化された物体認識モデルにより、スマートフォンなどの限られた計算リソースの中でもリアルタイムで物体認識を実現。動体検知・分類・追跡ライブラリ動体を対象とし、非常に少ない計算資源においても、高速な物体認識と分類・追跡を行う。3次元箱形状測定ライブラリスマートフォンのカメラにより撮影された画像から、箱の縦・横・高さを非接触で一度に測定。作業工程認識ライブラリ工場などにおける作業員の作業工程をカメラ動画から自動で読み取る。少量のサンプル画像により工程の登録が可能。作業動線解析ライブラリ工場・倉庫などにおける作業員や車両などを、360度カメラなどから認識・追跡することで、動線を解析。異常検知・予知保全ライブラリ構造化データと非構造化データを活用し、機器の故障やパフォーマンス低下を予知。CTスキャン異常検出ライブラリCTスキャン画像から、不良個所を検知。人が目視確認するよりも高い精度で不良を判定。GANを用いた異常検知ライブラリGANの技術を応用し、異常画像が少ない条件下であっても、高感度で異常を検知。ブラウザで高速動作可能なスマホ・人物・顔認識ライブラリスマホ・人物・顔認識といった複数の認識処理を、ブラウザ内で高速に実行可能。満空認識ライブラリカメラで撮影された画像から、駐車場や店舗内の席などの満空状況を認識する。広告配信最適化ライブラリデジタルサイネージ前の通行者属性や過去の視聴率などを元に、広告の配信を自動最適化する。予測・レコメンドエンジンライブラリ時系列情報を用い、将来予測とそれに伴うレコメンドを実現。行動履歴から消費行動や危険行動を予知する。流行自動検出ライブラリファッショントレンドなどの時系列情報から、突発的に発生した流行を自動検出する。単眼カメラによる3次元モーション解析・3Dモデリングライブラリ単眼カメラで、人体の形状や服装のしわなどを正確に3Dモデルで再現。人間の行動解析や、スポーツ選手のパフォーマンス管理を実現。シミュレーションを併用した画像認識モデル生成フレームワークシミュレーションを活用し、かつ、それに適した学習モデルを準備することで、学習モデル開発を加速。アクティブラーニングを用いたアノテーションツールアクティブラーニングを用いることで、迅速なアノテーションを実現。使えば使うほど効率化が進む仕組みを実現する。サービス横断的なデータの統一管理ソリューション当社グループが提供する複数サービス間で、匿名化情報を統一管理するためのデータ管理プラットフォーム。モジュール化された地方自治体向けソリューション地方自治体におけるさまざまなユースケースに対応可能な柔軟性を持つ、モジュール化された分析プログラム。エッジデバイスライブラリ管理システムエッジデバイスに搭載される深層学習モデルを管理する各種ソフトウエア。低コストでスケーラビリティのあるAI活用を実現。エッジデバイス死活監視システムエッジデバイスにおける各種ライブラリ・ハードウエアの稼働状態を監視し、動作ログを一括で管理。エッジデバイス自動インストーラー携帯通信を用いることで、多数のエッジデバイスの、遠隔地からの自動インストール・アップデート・メンテナンスを実現。エッジデバイスセキュリティシステムエッジデバイスの盗難や改ざんなどに対するセキュリティを担保するシステム。 (4) 展開するAIサービスと販売形態当社グループは、独自に開発した多数の深層学習モデルを用いて事業を創出し、AIサービスを提供しております。「デジソリューション」ドメインでは、独自のAI搭載機器やサービスの設置・販売・メンテナンス、AIライセンス供与、システム開発、サイネージ機器のファブレス開発の他、当社グループがブランドとして提供するマンションサイネージ広告サービスにおいては、広告枠の販売による対価を受領しております。「ライフスタイル」ドメインにおいては、ライセンス供与、システム開発及びAI搭載機器の設置・販売・メンテナンスに係る対価を受領しています。 ① デジソリューション (I) 駐車場・モビリティ(デジパーク)当社グループは、AI画像解析技術及びエッジ処理技術を応用した駐車場サービスを展開しております。当社グループ技術を活用すると駐車場全体の満空状態だけでなく、具体的にどの車室が空いているのかといった詳細情報を限られた台数のカメラを設置するだけで把握することができます。デジパークを導入した商業施設では、屋外の複数駐車場と屋内立体駐車場の満空状況をリアルタイム(5分間隔)でウェブサイト上で更新しています。また、電光掲示板を活用して現地での満空表示も実施しております。また、従来のOCR(光学的文字認識)技術に変わる新しい技術を開発し、ナンバープレートを100%に近い精度で検知するライセンスも保有しております。事前登録などとあわせてパーキングチケットのチケットレス化への取組みも強化し、精算時の混雑の緩和による快適なパーキング運営の実現を目指しています。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラに搭載するAIソフトウエアの提供・機能更新、データレポーティングを行います。ショッピングモールの大規模駐車場や、物流施設のトラックバース等で導入が進んでいます。AIカメラとその周辺機器を一式セットで提供するユニット販売が主流となっています。電気機器の設置工事を受注できる体制を整備するため、2021年10月1日ニューラルエンジニアリング株式会社を設立し、一般建設業許可(電気通信工事業)を取得いたしました。これによりAIライセンスの提供だけではなく、機器の設置と保守運用まで一気通貫でサービスを提供できるようになりました。(ⅱ) 本サービスの特徴屋外の大規模駐車場から屋内の小規模な駐車場までさまざまなタイプの駐車場で導入いただけるサービスです。1台のカメラで最大200車室の満空を解析することができるのが最大の特徴で、駐車場運営の効率化を実現します。・設置の容易さ本サービスで使用するAIカメラは、多くの数値・指標をリアルタイムで取得するという非常に高度な機器ではあるものの、設置においては、設置作業者に特別な技術を要求することはなく、設置する機器の画面に表示される指示に従って数分程度の簡単な作業を行うだけで設置を完了できるようにしております。通常、高機能機器は、その管理運営面においても相応の技術を要求するケースがあり、事業展開の大きな課題となりますが、本サービスで使用する機器は、オペレーションの簡易さとして設置作業の難易度が低いという特徴を有しています。・エッジ処理技術の活用取得する数値・指標の判定等の全てを機器の端末内で完結させるエッジ処理技術も大きな特徴となっております。通信負荷が低く長時間にわたり安定稼働ができ、また、データ送信などに有線回線が不要なため、AIカメラから外部に出る配線は電源コードのみで、機器の出荷・納入、設置の手軽さにつながっています。 (II) 人流・防犯(デジフロー)新型コロナウイルス感染拡大により、人の混雑や交通渋滞を回避できる都市モデルへの社会的ニーズが高まっています。そうした要請に応え、当社グループサービスを観光地での過観光回避や人が密集しやすい場所の防犯対策等での当社グループサービスの活用が進んでいます。また、地方創生の枠組みでは、道の駅などの観光施設の活用の見える化や効率的な施設運営に活かすサービスも徐々に広がっています。具体的には、官公庁や地方自治体、教育機関等と連携して、国内複数拠点の街づくりプロジェクトの実証実験等に参加しております。 (III) サイネージ広告(フォーカスチャネル)2021年11月1日よりハイグレードマンションを中心にサイネージ広告事業を展開する株式会社フォーカスチャネルを完全子会社化し、グループに取り込みました。これを契機に、自社ブランドとしてのサイネージ広告事業の展開を加速してまいりました。なお、株式会社フォーカスチャネルはシナジーの加速と、より一層の事業の効率化を図るため、2022年8月1日に当社連結子会社の株式会社ネットテンとの吸収合併を経た後、商号変更を経て、現在ニューラルマーケティング株式会社に含まれる事業となっております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラを搭載したサイネージを無償でマンションに設置し、サイネージで配信する広告枠を販売いたします。広告枠の間にエンターテイメント性の高い情報などを配信することで、自然と目を引く広告メディアを目指しております。また、AIサイネージの隣に紙のチラシを置くことができるラックも設置し、デジタルと紙媒体の両面でマーケティングが打てる仕組みとなっております。AIサイネージはマンションの入り口付近やエレベーターホール、コンシェルジュデスクの脇など、住民の方が必ず通る動線上に配置しており、一定以上の視認回数を確保できるものとなっております。(ii) 本サービスの特徴本サービスで使用するサイネージ機器では、従来品では取得できなかったものを含め、年齢・性別の推定、視線の検知が可能です。コロナ禍でも通行人数に大きな差が出にくいマンションエントランスにAIサイネージを設置することで、安定的な広告視聴回数を維持できるのが特徴です。設置場所となるマンションにも施設が自由に情報配信できる枠を無償で提供しており、これまでは紙で掲示していたマンション側のお知らせをオンラインでサイネージに配信することができるようになります。マンション共有スペースの景観改善と管理業務のデジタル化を推進するツールとして導入が進んでいます。 (IV) LEDサイネージ(デジルック)2022年2月21日よりLEDサイネージのファブレスメーカーである株式会社ネットテンを完全子会社化し、グループに取り込みました。子会社化後、2022年8月1日に同じく当社子会社であった株式会社フォーカスチャネルを吸収合併した後、2022年9月1日にはニューラルマーケティング株式会社へと商号変更を実施しました。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ 「デジルック」という自社ブランドのLEDサイネージをこれまでに10,000点以上(当社完全子会社化以前の実績含む)販売・設置した実績を保有しております。全国に10拠点(大阪あべの、大阪住吉、東京、仙台、広島、福岡、横浜、名古屋、新潟、宮崎)に営業人員を擁し、訪問販売営業および法人営業により小売店舗、オフィスビル、商業施設、公共施設、地方自治体、スタジアムなどに対し、屋内外で設置するためサイネージを提供しております。(ii) 本サービスの特徴 設置台数実績は国内最大(自社調べ)であり、競争力の高い部材仕入れ、安定した供給や設置施工能力、全国にわたる充実したメンテナンス体制、幅広い商品取扱、映像放映に必要となる素材作成能力や独自ソフトウエアの保有から、国内トップのLEDファブレスメーカーとしての実績を保有しております。また、強固な営業販売網と販売ノウハウにより、再現性の高い事業展開が見込まれます。 (Ⅴ) 在宅勤務支援(リモデスク)新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言を受け、国内外の多様な事業者において、従業員の在宅化が急速度で進みました。そうした新しい働き方を支えるソリューションとして在宅勤務支援「リモデスク」を開発し、特に個人情報を多く扱うために在宅勤務が難しいとされていたコールセンター中心にサービスを提供しています。エッジAIの優位性を活かし、個人情報保護やプライバシーに配慮しながら自宅でも高い情報セキュリティを維持できるインフラを整えることで、コールセンターの在宅化を推進するツールとして活用の場を広げております。2021年8月にはSaaS版をリリースし、小規模な事業者でも導入しやすいサービスとして、コールセンターだけではなく、在宅勤務中の従業員の勤怠や健康管理にリモデスクを活用したい事業者への導入が進んでおります。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいてユーザーが使用する一般的なコンピュータに内蔵されたカメラとCPUを使って画像を解析しております。コールセンター内で問題行動とされるスマートフォンを使った画面撮影や、本人以外の第三者のなりすまし、画面の覗き込み等の行為が行われた場合に、それを検知して監督者に通知するAIソフトウエアを提供しております。(ⅱ) 本サービスの特徴本サービスはエッジAIを活用することにより勤務中の画像を通信し続けることなく、問題行動が起きた場面だけが通知される仕組みになっており、働く人のプライバシーに配慮しながら機密性の高い情報を扱う方の在宅勤務を可能とするサービスです。顧客側では特別な機器の導入の必要がなく、容易に導入できるのも特徴の一つです。 ② ライフスタイル ファッショントレンド解析当社グループは、拡大する余剰在庫や商品値引、並びに焼却廃棄等の社会問題に課題認識を持ち、AIを通じた業界再生やSDGs(持続可能な開発目標)の観点での持続可能性の向上、人の感性に頼った手作業からの進化を目指しています。また、ECサイトでのレコメンド機能の拡充やサイネージを活用した実店舗のデジタル化等ファッショントレンド解析サービスから派生したシステム等の開発により、アパレルメーカーの業務効率化、デジタル化に資するサービスを提供しております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいて独自の画像解析エンジン(特許 第6511204号)を用いて、SNSなどにおける2,500万枚以上のファッションコーディネート画像をAIが解析し、ファッションのアイテム(シャツ、ポロシャツなど)、色彩(ホワイト、グレーなど)、シルエット(半袖、長袖など)、素材感(ナイロン、レザーなど)などをビッグデータ化します。本サービスのユーザーとなるアパレル企業は、そのデータ解析結果により、それまで属人的な勘と経験によって断定されていたファッション特性を定量化し、MD(商品企画)業務をデジタル化・強化しています。(ii) 本サービスの特徴AIによるファッション解析を行うことで、トレンドに合わせた商品投入計画の策定に活用され、プロパー消化率(定価で販売した割合)の向上に寄与するサービスです。直近のトレンドデータに基づき、値引き判断を最適化することもできると考えています。結果として、投入商品と在庫水準が最適化され、営業利益率の改善につながると考えています。当社グループのサービスを活用して企画された商品は大手アパレルブランドをはじめ、全国の店舗で販売されています。当社グループのサービスを導入している顧客企業の一部ではプロパー消化率を改善する成果があがるなど、粗利改善に貢献しています。 <事業系統図> 用語集 用語用語の定義アクティブラーニング学習データ作成の労力を低減することを目的として、AIに初期的な推論を行わせ、それを人間が評価を行う学習データ作成手法後処理検出精度の向上を目的として、出力データに対して行う処理アノテーション人工知能の学習に用いられる学習データ作成作業のこと。物体検出であれば、画像内の当該箇所を指定し物体種別を設定する作業を、多数の画像データに対して行うことアノテータ学習データを作成する者アルゴリズムコンピュータ上における問題を解くための手順・解き方AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステムMDMerchandising:目標を達成するために行う商品構成、仕入れ、販売方法、価格設定、陳列、販売促進等を計画・実行・管理すること学習データ学習モデルのアルゴリズムで使用される内部変数を最適化するのに使われるデータであり、特に画像と正解ラベルを組みにしたもの学習モデル画像等を入力とし、推論を行わせるための機械学習アルゴリズム機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピュータ自身が予測・判断を行うための技術・手法強化学習行動が環境の状態変化を引き起こし、目的にかなうと報酬を受け取れるモデルにおいて、試行錯誤による学習を繰り返し、状態に応じて報酬を最大化する行動を学習する計算資源計算機が計算量のために費やす、具体的あるいは抽象的な資源のこと検出精度正解ラベルと学習モデルによる推論結果の一致度構造化データコンピュータが処理できるようにルールに従って作られたデータ、行と列を持つ表形式のデータのことサイネージ表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示する情報・広告媒体深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが学習データから特徴量を抽出できる技術・手法スケーラビリティ機器やソフトウエア、システムなどの拡張性、拡張可能性スマートシティ先進的技術の活用により、街の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する街づくりのこと3Dモデリング2次元の画像データを3次元で表現すること端末処理(エッジコンピューティング)データをデータセンターに送信せず、端末自体によって処理することニューラルネットワーク人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化したものの組み合わせのこと非構造化データ例えば文書テキストや画像など、テーブル形式で整理されていない生データのことプロパー消化率建値消化率のこと。すなわち投入商品が値引き・廃棄等されずに売れた割合のこと前処理検出精度の向上を目的として、入力データ(画像等)に対して行う処理(白黒化、明度調整等)
FY2021|10,212 文字|出典 docID: S100NT0J
3 【事業の内容】 当社グループは、当社及び連結子会社2社(ニューラルエンジニアリング株式会社、フォーカスチャネル株式会社)で構成されております。なお、当社グループは、AIエンジニアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。(1) 事業の概況当社グループは、「世界を便利に、人々を幸せに」をミッションとし、独自開発のAIアルゴリズムによる画像・動画解析と端末処理(エッジコンピューティング)技術を活用した「AIエンジニアリング事業」を展開しております。なお、当社グループは、AIエンジニアリング事業の単一事業であります。デジタルトランスフォーメーションの潮流が加速し、さまざまな分野でデジタル化が進む中、当社グループも新しい社会の形、人々の働き方の変化に合わせてサービス分野を広げ、スマートシティを形成する多様なサービスを顧客企業や地方自治体、官公庁へ提供してまいりました。「人流・防犯」、「駐車場・モビリティ」、「サイネージ広告」、「在宅勤務支援」、「ファッショントレンド解析」をAIメディア、デジソリューション、ライフスタイルの3つのサービスドメインに分類し、効率的にサービス開発・営業活動が行える体制を整えております。 (2) 当社グループの技術の特徴と優位性① 独自の深層学習技術のライブラリ開発当社グループは、技術分野として、独自の深層学習技術のライブラリを開発し、当社グループのAIエンジニアリング事業に活用しております。深層学習の開発にあたっては、汎用のオープンアルゴリズムを転用せず、独自の学習データを収集して構築した高い検出精度の学習モデルを使用しております。また、当社グループは、光学分野の専門家等を有しており、画像の認識・解析の際に、カメラ特性等を踏まえた独自の前処理、後処理による精度の向上、新しい学習データによるAI技術の使用目的に合わせたカスタマイズを行うことができます。当社グループでは、深層学習における学習データ準備に深い知見をもつアノテータチームがサービス開始後もAIの精度の継続的な向上を進めております。例えば、ファッショントレンド解析関連サービスでは、ファッションコーディネート画像を学習データとして独自に収集・分類し、98%注を超えるファッションアイテムの検知を実現しております。学習データの仕分けに用いる独自のソフトウエアを開発・保有しており、数百万枚規模の学習データ分類を用いた学習モデルを数か月という短期間にて実装する能力を保有しております。また、実際の画像を基にコンピュータ・グラフィックスを活用した学習モデルの開発も行っております。開発した学習モデルは、さまざまなサービスに活用・転用でき、新規サービス開発期間の短期化や、AIモデルの継続的な精度向上、スケーラビリティをもった事業開発に直結しております。(注)人物の全身が映った100枚の写真を対象に行ったファッションアイテム検知の精度評価において、写真に写っていた424のファッションアイテムうち416アイテムを正しく検知し、正解率は98.1%となりました。 ② 端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデルの優位性当社グループは、端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデル(エッジAI)の低コスト活用を進めております。これまでのAI解析では、動画や写真、音声やデータといった容量の大きな情報を、通信網を用いてサーバールームにアップロードし、サーバーで大規模処理を行う必要がありました。こうしたサーバールームの活用は、画像を送受信する通信網やサーバーへの負担に加え、通信料やサーバールームの運用コスト、電気代などが大きく膨らむことから、AIサービスが広く社会に浸透するための課題となっていました。エッジAIでは、画像を撮影しながらカメラなどに搭載したエッジコンピュータ内でAI解析が行われ、解析後のメタデータ(解析結果を記した文字データ)のみが必要に応じてサーバーに送信されることになります。そのため、容量の大きい動画そのものを通信を使って送受信する必要がなく、大規模なGPUサーバーを使う必要がないため、低コスト化・省電力化が実現できます。また、携帯電話が使える程度のインターネット環境と電源さえあれば、当社のAIを搭載した機器の設置ができることから、拡張性の高いサービスを提供できます。エッジコンピューティングを活用することで、個人情報を含む人物の顔画像等をサーバーに送ることなく解析できることから、個人情報やプライバシー保護の面においても優位性の高い技術と言えます。当社グループのAIソフトウエアはデバイスとプロセッサ種別に横断的に搭載することが可能です。当社グループは、商用基準を満たすパッケージを用いた開発の経験を有しており、社会インフラとして設置できる信頼性を担保した製品を開発することができます。また、内蔵のメモリに負荷をかけない最適化されたアルゴリズムを実装する開発に深い知見を有しており、スマートフォンにもこれまでになかった高度なAIを組み込むことが可能です。当社グループはエッジコンピューティングを積極的に用いることにより、保有する深層学習モデルの産業応用を加速すると同時に、省電力化といった環境負荷低減やSDGs(持続可能な開発目標)、プライバシー保護に配慮した産業発展を支援しております。 ③ 独自に開発する軽量・高精度な深層学習モデルと、エッジコンピューティングの親和性の活用AIとエッジコンピューティングの親和性の高さは、従来から認識されていましたが、エッジコンピュータに深層学習モデルを搭載するには、モデルの軽量化が必須要件でした。オープンソース化された汎用ライブラリを組み合わせて開発した深層学習モデルでは、メモリサイズが大きすぎることから、エッジコンピュータ上で動かすためには独自に軽量化したモデルを開発する必要がありました。当社グループは、独自に開発した軽量・高精度な深層学習モデルと、エッジコンピューティングの親和性を最大限に活かし、拡張可能性を担保した深層学習の開発と事業化を進め、AIサービスの活用場面を広げてきました。当社グループは、エッジAI技術によるビジネス創出基盤を持つAIエッジプラットフォーマーとして事業を推進しております。 (3) 独自に開発・保有する深層学習モデル及び開発・運用支援ツール当社グループが現在保有している深層学習の学習モデル及び開発・運用支援ツールは、以下のとおりとなっております。深層学習モデル又は開発・運用支援ツール名機能物体検知・分類ライブラリ通行する車両や人物、動物の検知と種別解析。インフラ破損、災害発生の有無の検知。単眼カメラ・360度カメラ・暗視カメラによる奥行き推定ライブラリ多様な単眼カメラで、空間の奥行、距離、位置座標を把握。人間が空間認識をする過程と全く同様な奥行推定を実現。視線検知ライブラリ人物の姿勢などの情報から視線方向を読み取ることで、興味の有無を推定。大人数の中や歩行中などでも適用が可能。グループ解析ライブラリ歩行者が一人で歩いているか、それとも複数人のグループで歩いているかを推定。歩行モード解析ライブラリ歩行速度や経路などのモードを分析することで、通行者の消費意欲 (ショッピングに足をとめそうか等)を推定。通行者属性推定ライブラリカメラを用い、通行者の年齢・性別を、歩行中かつ距離が離れている状態から推定する。ファッション属性解析ライブラリ着衣のアイテム・色・模様などを認識。その情報を組み合わせることで、人物の属性(ビジネス、カジュアル、等)を推定。顔画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物特定)人物の顔から、同一人物を特定。複数のカメラにまたがった情報も連携可能。全身画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物推定)人物の体格・ファッション・所有物などから、同一人物を推定。顔が見えない遠距離や、後ろ姿からでも推定が可能。車両ナンバープレート認識ライブラリナンバープレートの文字認識を行う。OCRを用いた既存技術とは異なり、動きブレや汚れなどに頑健な認識を実現。車両ナンバープレート学習用画像生成ツールアクティブラーニングを用い、車両ナンバープレート認識ライブラリ向けの学習データを迅速かつ大量に生成。スマートフォンでも動作可能な軽量化済み物体検出・分類ライブラリ軽量化された物体認識モデルにより、スマートフォンなどの限られた計算リソースの中でもリアルタイムで物体認識を実現。動体検知・分類・追跡ライブラリ動体を対象とし、非常に少ない計算資源においても、高速な物体認識と分類・追跡を行う。3次元箱形状測定ライブラリスマートフォンのカメラにより撮影された画像から、箱の縦・横・高さを非接触で一度に測定。作業工程認識ライブラリ工場などにおける作業員の作業工程をカメラ動画から自動で読み取る。少量のサンプル画像により工程の登録が可能。作業動線解析ライブラリ工場・倉庫などにおける作業員や車両などを、360度カメラなどから認識・追跡することで、動線を解析。異常検知・予知保全ライブラリ構造化データと非構造化データを活用し、機器の故障やパフォーマンス低下を予知。CTスキャン異常検出ライブラリCTスキャン画像から、不良個所を検知。人が目視確認するよりも高い精度で、不良を判定。GANを用いた異常検知ライブラリGANの技術を応用し、異常画像が少ない条件下であっても、高感度で異常を検知。ブラウザで高速動作可能なスマホ・人物・顔認識ライブラリスマホ・人物・顔認識といった複数の認識処理を、ブラウザ内で高速に実行可能満空認識ライブラリカメラで撮影された画像から、駐車場や店舗内の席などの満空状況を認識する。広告配信最適化ライブラリデジタルサイネージ前の通行者属性や過去の視聴率などを元に、広告の配信を自動最適化する。予測・レコメンドエンジンライブラリ時系列情報を用い、将来予測とそれに伴うレコメンドを実現。行動履歴から消費行動や危険行動を予知する。流行自動検出ライブラリファッショントレンドなどの時系列情報から、突発的に発生した流行を自動検出する。単眼カメラによる3次元モーション解析・3Dモデリングライブラリ単眼カメラで、人体の形状や服装のしわなどを正確に3Dモデルで再現。人間の行動解析や、スポーツ選手のパフォーマンス管理を実現。シミュレーションを併用した画像認識モデル生成フレームワークシミュレーションを活用し、かつ、それに適した学習モデルを準備することで、学習モデル開発を加速。アクティブラーニングを用いたアノテーションツールアクティブラーニングを用いることで、迅速なアノテーションを実現。使えば使うほど効率化が進む仕組みを実現する。サービス横断的なデータの統一管理ソリューション当社グループが提供する複数サービス間で、匿名化情報を統一管理するためのデータ管理プラットフォーム。モジュール化された地方自治体向けソリューション地方自治体におけるさまざまなユースケースに対応可能な柔軟性を持つ、モジュール化された分析プログラムエッジデバイスライブラリ管理システムエッジデバイスに搭載される深層学習モデルを管理する各種ソフトウエア。低コストでスケーラビリティのあるAI活用を実現。エッジデバイス死活監視システムエッジデバイスにおける各種ライブラリ・ハードウエアの稼働状態を監視し、動作ログを一括で管理。エッジデバイス自動インストーラー携帯通信を用いることで、多数のエッジデバイスの、遠隔地からの自動インストール・アップデート・メンテナンスを実現。エッジデバイスセキュリティシステムエッジデバイスの盗難や改ざんなどに対するセキュリティを担保するシステム。 (4) 展開するAIサービスと販売形態当社グループは、独自に開発した多数の深層学習モデルを用いて事業を創出し、AIサービスを提供しております。「AIメディア」ドメインでは、AIライセンス供与に対する対価の他、当社グループがブランドとして提供するマンションサイネージ広告サービスにおいては、広告枠の販売による対価を受領しております。「デジソリューションズ」ドメイン、「ライフスタイル」ドメインにおいては、ライセンス供与、システム開発及びAI搭載機器の設置・販売・メンテナンスに係る対価を受領しています。① AIメディア2021年11月1日よりハイグレードマンションを中心にサイネージ広告事業を展開する株式会社フォーカスチャネルを完全子会社化し、グループに取り込みました。これを契機に、自社ブランドとしてのサイネージ広告事業の展開を加速してまいりました。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラを搭載したサイネージを無償でマンションに設置し、サイネージで配信する広告枠を販売いたします。広告枠の間にエンターテイメント性の高い情報などを配信することで、自然と目を引く広告メディアを目指しております。また、AIサイネージの隣に紙のチラシを置くことができるラックも設置し、デジタルと紙媒体の両面でマーケティングが打てる仕組みとなっております。AIサイネージはマンションの入り口付近やエレベーターホール、コンシェルジュデスクの脇など、住民の方が必ず通る動線上に配置しており、一定以上の視認回数を確保できるものとなっております。(ii) 本サービスの特徴本サービスで使用するサイネージ機器では、従来品では取得できなかったものを含め、年齢・性別の推定、視線の検知が可能です。コロナ禍でも通行人数に大きな差が出にくいマンションエントランスにAIサイネージを設置することで、安定的な広告視聴回数を維持できるのが特徴です。設置場所となるマンションにも施設が自由に情報配信できる枠を無償で提供しており、これまでは紙で掲示していたマンション側のお知らせをオンラインでサイネージに配信することができるようになります。マンション共有スペースの景観改善と管理業務のデジタル化を推進するツールとして導入が進んでいます。 ② デジソリューションズ (I) 駐車場・モビリティ(デジパーク)当社グループは、AI画像解析技術及びエッジ処理技術を応用した駐車場サービスを展開しております。当社グループ技術を活用すると駐車場全体の満空状態だけでなく、具体的にどの車室が空いているのかといった詳細情報を限られた台数のカメラを設置するだけで把握することができます。デジパークを導入した商業施設では、屋外の複数駐車場と屋内立体駐車場の満空状況をリアルタイム(5分間隔)でウェブサイト上で更新しています。また、電光掲示板を活用して現地での満空表示も実施しております。また、従来のOCR(光学的文字認識)技術に変わる新しい技術を開発し、ナンバープレートを100%に近い精度で検知するライセンスも保有しております。事前登録などとあわせてパーキングチケットのチケットレス化への取組みも強化し、精算時の混雑の緩和による快適なパーキング運営の実現を目指しています。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、AIカメラに搭載するAIソフトウエアの提供・機能更新、データレポーティングを行います。ショッピングモールの大規模駐車場や、物流施設のトラックバース等で導入が進んでいます。AIカメラとその周辺機器を一式セットで提供するユニット販売が主流となっています。電気機器の設置工事を受注できる体制を整備するため、2021年10月1日ニューラルエンジニアリング株式会社を設立し、一般建設業許可(電気通信工事業)を取得いたしました。これによりAIライセンスの提供だけではなく、機器の設置と保守運用まで一気通貫でサービスを提供できるようになりました。(ⅱ) 本サービスの特徴屋外の大規模駐車場から屋内の小規模な駐車場までさまざまなタイプの駐車場で導入いただけるサービスです。1台のカメラで最大200車室の満空を解析することができるのが最大の特徴で、駐車場運営の効率化を実現します。・設置の容易さ本サービスで使用するAIカメラは、多くの数値・指標をリアルタイムで取得するという非常に高度な機器ではあるものの、設置においては、設置作業者に特別な技術を要求することはなく、設置する機器の画面に表示される指示に従って数分程度の簡単な作業を行うだけで設置を完了できるようにしております。通常、高機能機器は、その管理運営面においても相応の技術を要求するケースがあり、事業展開の大きな課題となりますが、本サービスで使用する機器は、オペレーションの簡易さとして設置作業の難易度が低いという特徴を有しています。・エッジ処理技術の活用取得する数値・指標の判定等の全てを機器の端末内で完結させるエッジ処理技術も大きな特徴となっております。通信負荷が低く長時間にわたり安定稼働ができ、また、データ送信などに有線回線が不要なため、AIカメラから外部に出る配線は電源コードのみで、機器の出荷・納入、設置の手軽さにつながっています。 (II) 人流・防犯(デジフロー)新型コロナウイルス感染拡大により、人の混雑や交通渋滞を回避できる都市モデルへの社会的ニーズが高まっています。そうした要請に応え、当社グループサービスを観光地での過観光回避や人が密集しやすい場所の防犯対策等での当社グループサービスの活用が進んでいます。また、地方創生の枠組みでは、道の駅などの観光施設の活用の見える化や効率的な施設運営に活かすサービスも徐々に広がっています。具体的には、官公庁や地方自治体、教育機関等と連携して、国内複数拠点の街づくりプロジェクトの実証実験等に参加しております。 (III) 在宅勤務支援新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言を受け、国内外の多様な事業者において、従業員の在宅化が急速度で進みました。そうした新しい働き方を支えるソリューションとして在宅勤務支援「リモデスク」を開発し、特に、個人情報を多く扱うために在宅勤務が難しいとされていたコールセンター中心にサービスを提供しています。エッジAIの優位性を活かし、個人情報保護やプライバシーに配慮しながら自宅でも高い情報セキュリティを維持できるインフラを整えることで、コールセンターの在宅化を推進するツールとして活用の場を広げております。2021年8月にはSaaS版をリリースし、小規模な事業者でも導入しやすいサービスとして、コールセンターだけではなく、在宅勤務中の従業員の勤怠や健康管理にリモデスクを活用したい事業者への導入が進んでおります。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいて、ユーザーが使用する一般的なコンピュータに内蔵されたカメラとCPUを使って画像を解析しております。コールセンター内で問題行動とされる、スマートフォンを使った画面撮影や、本人以外の第三者のなりすまし、画面の覗き込み等の行為が行われた場合に、それを検知し、監督者に通知するAIソフトウエアを提供しております。(ⅱ) 本サービスの特徴本サービスはエッジAIを活用することにより、勤務中の画像を通信し続けることなく、問題行動が起きた場面だけが通知される仕組みになっており、働く人のプライバシーに配慮しながら、機密性の高い情報を扱う方の在宅勤務を可能とするサービスです。顧客側では特別な機器の導入の必要がなく、容易に導入できるのも特徴の一つです。 ③ ライフスタイル ファッショントレンド解析当社グループは、拡大する余剰在庫や商品値引、並びに焼却廃棄等の社会問題に課題認識を持ち、AIを通じた業界再生やSDGs(持続可能な開発目標)の観点での持続可能性の向上、人の感性に頼った手作業からの進化を目指しています。また、ECサイトでのレコメンド機能の拡充やサイネージを活用した実店舗のデジタル化等ファッショントレンド解析サービスから派生したシステム等の開発により、アパレルメーカーの業務効率化、デジタル化に資するサービスを提供しております。(i) 本サービスにおける当社グループの位置づけ当社グループは、本サービスにおいて独自の画像解析エンジン(特許 第6511204号)を用いて、SNSなどにおける2,500万枚以上のファッションコーディネート画像をAIが解析し、ファッションのアイテム(シャツ、ポロシャツなど)、色彩(ホワイト、グレーなど)、シルエット(半袖、長そでなど)、素材感(ナイロン、レザーなど)などをビッグデータ化します。本サービスのユーザーとなるアパレル企業は、そのデータ解析結果により、それまで属人的な勘と経験によって断定されていたファッション特性を定量化し、MD(商品企画)業務をデジタル化・強化しています。(ii) 本サービスの特徴AIによるファッション解析を行うことで、トレンドに合わせた商品投入計画の策定に活用され、プロパー消化率(定価で販売した割合)の向上に寄与するサービスです。直近のトレンドデータに基づき、値引き判断を最適化することもできると考えています。結果として、投入商品と在庫水準が最適化され、営業利益率の改善につながると考えています。当社グループのサービスを活用して企画された商品は大手アパレルブランドをはじめ、全国の店舗で販売されています。当社グループのサービスを導入している顧客企業の一部ではプロパー消化率を改善する成果があがるなど、粗利改善に貢献しています。 <事業系統図> 用語集 用語用語の定義アクティブラーニング学習データ作成の労力を低減することを目的として、AIに初期的な推論を行わせ、それを人間が評価を行う学習データ作成手法後処理検出精度の向上を目的として、出力データに対して行う処理アノテーション人工知能の学習に用いられる学習データ作成作業のこと。物体検出であれば、画像内の当該箇所を指定し物体種別を設定する作業を、多数の画像データに対して行うことアノテータ学習データを作成する者アルゴリズムコンピュータ上における問題を解くための手順・解き方AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステムMDMerchandising:目標を達成するために行う商品構成、仕入れ、販売方法、価格設定、陳列、販売促進等を計画・実行・管理すること学習データ学習モデルのアルゴリズムで使用される内部変数を最適化するのに使われるデータであり、特に画像と正解ラベルを組みにしたもの学習モデル画像等を入力とし、推論を行わせるための機械学習アルゴリズム機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピュータ自身が予測・判断を行うための技術・手法強化学習行動が環境の状態変化を引き起こし、目的にかなうと報酬を受け取れるモデルにおいて、試行錯誤による学習を繰り返し、状態に応じて報酬を最大化する行動を学習する計算資源計算機が計算量のために費やす、具体的あるいは抽象的な資源のこと検出精度正解ラベルと学習モデルによる推論結果の一致度構造化データコンピュータが処理できるようにルールに従って作られたデータ、行と列を持つ表形式のデータのことサイネージ表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示する情報・広告媒体深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが学習データから特徴量を抽出できる技術・手法スケーラビリティ機器やソフトウエア、システムなどの拡張性、拡張可能性スマートシティ先進的技術の活用により、街の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する街づくりのこと3Dモデリング2次元の画像データを3次元で表現すること端末処理(エッジコンピューティング)データをデータセンターに送信せず、端末自体によって処理することニューラルネットワーク人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化したものの組み合わせのこと非構造化データ例えば文書テキストや画像など、テーブル形式で整理されていない生データのことプロパー消化率建値消化率のこと。すなわち投入商品が値引き・廃棄等されずに売れた割合のこと前処理検出精度の向上を目的として、入力データ(画像等)に対して行う処理(白黒化、明度調整等)
FY2020|10,891 文字|出典 docID: S100L3IS
3 【事業の内容】(1) 事業の概況当社は、「世界を便利に、人々を幸せに」をミッションとし、独自開発のAIアルゴリズムによる画像・動画解析と端末処理(エッジコンピューティング)技術を活用した「AIエンジニアリング事業」を展開しております。なお、当社は、AIエンジニアリング事業の単一事業であります。デジタルトランスフォーメーションの潮流が加速し、さまざまな分野のデジタル化が進む中、新しい社会の形、人々の働き方の変化に合わせて「人流・防犯」、「駐車場・モビリティ」、「3D都市マップ」、「サイネージ広告」、「在宅勤務支援」、「ファッショントレンド解析」の6つのサービスを展開しております。 (2) 当社技術の特徴と優位性① 独自の深層学習技術のライブラリの開発当社は、技術分野として、独自の深層学習技術のライブラリを開発し、当社AIエンジニアリング事業に活用しております。深層学習の開発にあたっては、汎用のオープンアルゴリズムを転用せず、独自の学習データを収集して構築した高い検出精度の学習モデルを使用しております。また、当社は、光学分野の専門家等を有しており、画像の認識・解析の際に、カメラ特性等を踏まえた独自の前処理、後処理による精度の向上、新しい学習データによるAI技術の使用目的に合わせたカスタマイズをおこなうことができます。当社では、深層学習における学習データ準備に深い知見をもつアノテータチームがサービス開始後もAIの精度の継続的な向上を進めております。例えば、ファッショントレンド解析関連サービスでは、ファッションコーディネート画像を学習データとして独自に収集・分類し、98%注を超えるファッションアイテムの検知を実現しております。学習データの仕分けに用いる独自のソフトウエアを開発・保有しており、数百万枚規模の学習データ分類を用いた学習モデルを数ヶ月という短期間にて実装する能力を保有しております。また、実際の画像を基にコンピュータ・グラフィックスを活用した学習モデルの開発も行っております。開発した学習モデルは、さまざまなサービスに活用・転用でき、新規サービス開発期間の短期化や、AIモデルの継続的な精度向上、スケーラビリティをもった事業開発に直結しております。(注)人物の全身が映った100枚の写真を対象に行ったファッションアイテム検知の精度評価において、写真に写っていた424のファッションアイテムうち416アイテムを正しく検知し、正解率は98.1%となりました。 ② 端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデルの優位性当社は、端末処理(エッジコンピューティング)による深層学習モデル(エッジAI)の低コスト活用を進めております。これまでのAI解析では、動画や写真、音声やデータといった容量の大きな情報を、通信網を用いてサーバールームにアップロードし、サーバーで大規模処理を行う必要がありました。こうしたサーバールームの活用は、画像を送受信する通信網やサーバーへの負担に加え、通信料やサーバールームの運用コスト、電気代などが大きく膨らむことから、AIサービスが広く実社会に浸透していくための課題でした。エッジAIでは、画像を撮影しながらカメラなどに搭載したエッジコンピューター内でAI解析が行われ、解析後のメタデータ(解析結果を記した文字データ)のみが必要に応じてサーバーに送信されることになります。そのため、容量の大きい動画そのものを通信を使って送受信する必要がなく、大規模なGPUサーバーを使う必要がないため、低コスト化・省電力化が実現できます。また、携帯電話が使える程度のインターネット環境と電源さえあれば、当社のAIを搭載した機器の設置ができることから、拡張性の高いサービスを提供できます。エッジコンピューティングを活用することで、個人情報を含む人物の顔画像等をサーバーに送ることなく解析できることから、個人情報やプライバシー保護の面においても優位性の高い技術と言えます。当社のAIソフトウエアはデバイスとプロセッサ種別に横断的に搭載することが可能です。当社は、商用基準を満たすパッケージを用いた開発の経験を有しており、社会インフラとして設置できる信頼性を担保した製品を開発することができます。また、内蔵のメモリに負荷をかけない最適化されたアルゴリズムを実装する開発に深い知見を有しており、スマートフォンにもこれまでになかった高度なAIを組み込むことが可能です。当社はエッジコンピューティングを積極的に用いることにより、保有する深層学習モデルの産業応用を加速すると同時に、省電力化といった環境負荷低減やSDGs(持続可能な開発目標)、プライバシー保護に配慮した産業発展を支援しております。 ③ 独自に開発する軽量・高精度な深層学習モデルと、エッジコンピューティングの親和性の活用AIとエッジコンピューティングの親和性の高さは、従来から認識されていましたが、エッジコンピューターに深層学習モデルを搭載するには、モデルの軽量化が必須要件でした。オープンソース化された汎用ライブラリを組み合わせて開発した深層学習モデルでは、メモリサイズが大きすぎることがら、エッジコンピューター上で動かすためには独自に軽量化したモデルを開発する必要がありました。当社は、独自に開発した軽量・高精度な深層学習モデルと、エッジコンピューティングの親和性を最大限に活かし、拡張可能性を担保した深層学習の開発と事業化を進め、AIサービスの活用場面を広げてきました。当社は、エッジAI技術によるビジネス創出基盤を持つAIエッジプラットフォーマーとして事業を推進しております。 (3) 独自に開発・保有する深層学習モデル及び開発・運用支援ツール当社が現在保有している深層学習の学習モデル及び開発・運用支援ツールは、以下の通りとなっております。深層学習モデル又は開発・運用支援ツール名機能物体検知・分類ライブラリ通行する車両や人物、動物の検知と種別解析。インフラ破損、災害発生の有無の検知。単眼カメラ・360度カメラ・暗視カメラによる奥行き推定ライブラリ多様な単眼カメラで、空間の奥行、距離、位置座標を把握。人間が空間認識をする過程と全く同様な奥行推定を実現。視線検知ライブラリ人物の姿勢などの情報から視線方向を読み取ることで、興味の有無を推定。大人数の中や歩行中などでも適用が可能。グループ解析ライブラリ歩行者が一人で歩いているか、それとも複数人のグループで歩いているかを推定。歩行モード解析ライブラリ歩行速度や経路などのモードを分析することで、通行者の消費意欲 (ショッピングに足をとめそうか等)を推定。通行者属性推定ライブラリカメラを用い、通行者の年齢・性別を、歩行中かつ距離が離れている状態から推定する。ファッション属性解析ライブラリ着衣のアイテム・色・模様などを認識。その情報を組み合わせることで、人物の属性(ビジネス、カジュアル、等)を推定。顔画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物特定)人物の顔から、同一人物を特定。複数のカメラにまたがった情報も連携可能。全身画像からの人物検知・認証ライブラリ(同一人物推定)人物の体格・ファッション・所有物などから、同一人物を推定。顔が見えない遠距離や、後ろ姿からでも推定が可能。車両ナンバープレート認識ライブラリナンバープレートの文字認識を行う。OCRを用いた既存技術とは異なり、動きブレや汚れなどに頑健な認識を実現。車両ナンバープレート学習用画像生成ツールアクティブラーニングを用い、車両ナンバープレート認識ライブラリ向けの学習データを迅速かつ大量に生成。スマートフォンでも動作可能な軽量化済み物体検出・分類ライブラリ軽量化された物体認識モデルにより、スマートフォンなどの限られた計算リソースの中でもリアルタイムで物体認識を実現。動体検知・分類・追跡ライブラリ動体を対象とし、非常に少ない計算資源においても、高速な物体認識と分類・追跡を行う。3次元箱形状測定ライブラリスマートフォンのカメラにより撮影された画像から、箱の縦・横・高さを非接触で一度に測定。作業工程認識ライブラリ工場などにおける作業員の作業工程をカメラ動画から自動で読み取る。少量のサンプル画像により工程の登録が可能。作業動線解析ライブラリ工場・倉庫などにおける作業員や車両などを、360度カメラなどから認識・追跡することで、動線を解析。異常検知・予知保全ライブラリ構造化データと非構造化データを活用し、機器の故障やパフォーマンス低下を予知。CTスキャン異常検出ライブラリCTスキャン画像から、不良個所を検知。人が目視確認するよりも高い精度で、不良を判定。GANを用いた異常検知ライブラリGANの技術を応用し、異常画像が少ない条件下であっても、高感度で異常を検知。ブラウザで高速動作可能なスマホ・人物・顔認識ライブラリスマホ・人物・顔認識といった複数の認識処理を、ブラウザ内で高速に実行可能満空認識ライブラリカメラで撮影された画像から、駐車場や店舗内の席などの満空状況を認識する。広告配信最適化ライブラリデジタルサイネージ前の通行者属性や過去の視聴率などを元に、広告の配信を自動最適化する。予測・レコメンドエンジンライブラリ時系列情報を用い、将来予測とそれに伴うレコメンドを実現。行動履歴から消費行動や危険行動を予知する。流行自動検出ライブラリファッショントレンドなどの時系列情報から、突発的に発生した流行を自動検出する。単眼カメラによる3次元モーション解析・3Dモデリングライブラリ単眼カメラで、人体の形状や服装のしわなどを正確に3Dモデルで再現。人間の行動解析や、スポーツ選手のパフォーマンス管理を実現。シミュレーションを併用した画像認識モデル生成フレームワークシミュレーションを活用し、かつ、それに適した学習モデルを準備することで、学習モデル開発を加速。アクティブラーニングを用いたアノテーションツールアクティブラーニングを用いることで、迅速なアノテーションを実現。使えば使うほど効率化が進む仕組みを実現する。サービス横断的なデータの統一管理ソリューション当社が提供する複数サービス間で、匿名化情報を統一管理するためのデータ管理プラットフォーム。モジュール化された地方自治体向けソリューション地方自治体における様々なユースケースに対応可能な柔軟性を持つ、モジュール化された分析プログラムエッジデバイスライブラリ管理システムエッジデバイスに搭載される深層学習モデルを管理する各種ソフトウエア。低コストでスケーラビリティのあるAI活用を実現。エッジデバイス死活監視システムエッジデバイスにおける各種ライブラリ・ハードウエアの稼働状態を監視し、動作ログを一括で管理。エッジデバイス自動インストーラー携帯通信を用いることで、多数のエッジデバイスの、遠隔地からの自動インストール・アップデート・メンテナンスを実現。エッジデバイスセキュリティシステムエッジデバイスの盗難や改ざんなどに対するセキュリティを担保するシステム。 (4) 展開するAIサービスと販売形態当社は、独自に開発した多数の深層学習モデルを用いて事業を創出し、AIサービスを提供しております。現在、当社で展開するAIサービスは、以下の通りであります。いずれのサービスにおいても、ライセンス供与の対価を受領しています。「サイネージ広告」では、当社AIを搭載した機器の広がりに応じて顧客企業の利益の一定割合をサービス対価として受領する予定です。独自開発のライブラリを掛け合わせてサービス開発を行うため、新たに多額の研究開発費を投入することなく新規サービスの開発が可能となります。 ① 人流・防犯新型コロナウィルスの感染拡大により、人の混雑や交通渋滞を回避できる都市モデルへの社会的ニーズが高まっています。そうした要請に応え、当社サービスを観光地での過観光回避や人が密集しやすい場所の防犯対策等での当社サービスの活用が進んでいます。また、地方創生の枠組みでは、道の駅などの観光施設の活用の見える化や効率的な施設運営に活かすサービスも徐々に広がっています。具体的には、官公庁や地方自治体と連携して、国内複数拠点の街づくりプロジェクトの実証実験等に関わり、海外大手デベロッパーと当社顧客企業が共同で進めるASEAN/OCEANIA諸国で進むスマートシティ案件への参入を進めています。 ② 駐車場・モビリティ当社は、AI画像解析技術及びエッジ処理技術を応用した駐車場サービスを展開しております。当社技術を活用すると駐車場全体の満空状態だけでなく、具体的にどの車室が空いているのかといった詳細情報を限られた台数のカメラを設置するだけで把握することができます。また、従来のOCR(光学的文字認識)技術に変わる新しい技術を開発し、ナンバーナンバープレートを100%に近い精度で検知できるようになりました。事前登録などと合わせてパーキングチケットのチケットレス化への取り組みも強化し、精算時の混雑を緩和し、より快適なパーキング運営の実現を目指しています。本サービスにおける当社の位置づけ(i) 本サービスにおける当社の位置づけ当社は、AIカメラに搭載するAIソフトウエアの提供・機能更新、データレポーティングを行います。ショッピングモールの大規模駐車場や、物流施設のトラックバース等で導入が進んでいます。顧客がカメラ等の機器を購入し、当社がそれにAIソフトウエアを搭載する方法が主流ではありますが、顧客の要望に応じてカメラにAIソフトウェアを搭載したAIカメラをセットにして提供するユニット販売も開始しております。(ⅱ) 本サービスの特徴屋外の大規模駐車場から屋内の小規模な駐車場までさまざまなタイプの駐車場で導入いただけるサービスです。1台のカメラで最大200車室の満空を解析することができるのが最大の特徴で、駐車場運営の効率化を実現します。・設置の容易さ本サービスで使用するAIカメラは、多くの数値・指標をリアルタイムで取得するという非常に高度な機器ではあるものの、設置においては、設置作業者に特別な技術を要求することはなく、設置する機器の画面に表示される指示に従って数分程度の簡単な作業を行うだけで設置を完了できるようにしております。通常、高機能機器は、その管理運営面においても相応の技術を要求するケースがあり、事業展開の大きな課題となりますが、本サービスで使用する機器は、オペレーションの簡易さとして設置作業の難易度が低いという特徴を有しています。・エッジ処理技術の活用取得する数値・指標の判定等の全てを機器の端末内で完結させるエッジ処理技術も大きな特徴となっております。通信負荷が低く長時間にわたり安定稼働ができ、また、データ送信などに有線回線が不要なため、AIカメラから外部に出る配線は電源コードのみで、機器の出荷・納入、設置の手軽さにつながっています。 ③ 3D都市マップ当社は、AI画像解析技術及びエッジ処理技術を応用することで、スマートフォンで運用可能なAI搭載のドライブレコーダー「スマートくん」を提供しています。当該アプリケーションをダウンロードすることで、ユーザーのスマートフォンがドライブレコーダーとして使えるようになります。本サービスでは、録画機能を搭載するだけでなく、急発進・急ブレーキ検知や前方車両発信アラートなどの機能を搭載しております。当社は、これを無償で提供し、ユーザーの同意のもと当該ドライブレコーダーを介して運転データや白線欠損、道幅、道路の傾き等の道路情報、駐車場の有無や価格、道の混雑などの道路周辺の情報の取得が可能です。こうした情報をAI解析に活用し、リアルタイムの街の情報が分かる3D都市マップ化し、自動車会社、タクシー会社や保険会社といった事業者へ有償で提供し、さまざまな事業に役立てていくことを想定しています。 ④ サイネージ広告従来のデジタルサイネージは、広告を掲示するだけで、視聴者の属性や視聴率、視聴後の動向などを解析できませんでした。また、ネットワークに接続されておらず、設置するデバイス毎に個別でシステムを設定する必要がありました。そのため、設置の際の初期投資が大きく、作業にも時間がかかり、また、設置後も定期的なメンテナンスや緊急の不具合対応が必要な場合には、エンジニアが設置場所で作業しなければならず、人的にも負担がありました。そうした課題に応えるべく、広告主や不動産企業、商業施設等の施設運営者に向けたAIデジタルサイネージ広告サービスの本格提供に向け、当社、大手通信事業者及び大手広告代理店が連携して取り組みを進めてまいります。当社が提供するAIを搭載したカメラとエッジデバイスを使ったデジタルサイネージでは、オンラインで一斉に端末の設定を行うことができます。また、広告コンテンツを放映しながら、通行人の動きを感知し、視聴情報や施設内の人の流れなどの空間情報を各端末がその場で取得します。服装や人数によってビジネス利用か、家族連れかなどをAIが判定します。そうした属性情報は、その人が端末を見ていた時間などの視聴情報と一緒に解析され、施設運営者と広告主にそれぞれ報告されます。施設運営者においては、施設の来館者数や人の流れ、属性情報を取得でき、それに合わせてクーポンなどを活用したテナントマーケティング支援などによって来訪者行動の流動化を促すことができます。広告主は、サイネージ広告の視聴に係る詳細情報を把握することで、効果を測定し、広告内容を改良することができます。また、来館者等の属性を把握できることで、時間帯ごとの視聴者属性に合わせて放映する広告を変更するターゲティング広告も可能になります。(i) 本サービスにおける当社の位置づけ大手通信事業者は、本事業の旗振り役として各関係者との調整のハブを担います。主な役割としては、サイネージ機器の発注・調達・設置前の保管、設置作業・保守メンテナンス、顧客窓口対応、設置先(商業施設、オフィスビル等)への営業活動、サイネージ機器への通信機能提供を担います。大手広告代理店は、サイネージで放映する広告コンテンツの広告主集め、及び広告コンテンツの制作・集約を担当します。また営業で獲得した設置先ごとの広告枠の管理や配信準備、AI機能で検知した数値の広告主向けのレポーティング準備など、サイネージ展開を実際の広告メディアとして構築する一連の活動を担います。当社は、AIソフトウエアの提供・機能更新、AIで検知した数字(広告視聴率、属性解析等)のデータレポーティングを行います。本サービスの収益については、契約に基づき大手通信事業者から固定報酬を受領しております。今後、本格運用が進んだ段階においては、現行の固定報酬に加え、大手通信事業会社が大手広告代理店から受け取る広告収益のうち一定の割合を受領する報酬形態とするべく、協議が進んでおります。(ⅱ) 本サービスの特徴本サービスで使用するサイネージ機器では、従来品では取得できなかったものを含め、年齢・性別の推定、視線の検知、ペルソナ判定、歩行速度解析、ビジネスパーソンのグループか家族連れかなど多くの数値・指標をリアルタイムで取得できるという特徴があります。また、駐車場・モビリティで使われるAIカメラと同様に、エッジ処理技術の活用で通信負荷が低く長時間にわたり安定稼働ができ、また、有線回線が不要です。機器の出荷・納入、設置の手軽さと高精度のリアルタイム解析を実現しております。 上記のとおり、本サービスで使用するサイネージ機器は、従来の機器では対応できなかった付加価値の提供可能なため、施設運営者側及び広告主側の本サービスを利用することの動機付けになっていると考えています。 ⑤ 在宅勤務支援新型コロナウィルス感染拡大を受けた緊急事態宣言を受け、国内外の多様な事業者において、従業員の在宅化が急速度で進みました。そうした新しい働き方を支えるソリューションとして在宅勤務支援「リモデスク」の開発し、特に、個人情報を多く扱うために在宅勤務が難しいとされているコールセンター向けにサービスを提供しています。エッジAIの優位性を生かし、個人情報保護やプライバシーに配慮しながら自宅でも高い情報セキュリティを維持できるインフラを整えることで、コールセンターの在宅化を推進するツールとして活用の場を広げております。(i) 本サービスにおける当社の位置づけ当社は、本サービスにおいて、ユーザーが使用する一般的なコンピューターに内蔵されたカメラとCPUを使って画像を解析しております。コールセンター内で問題行動とされる、スマートフォンを使った画面撮影や、オペレータ―以外の第三者のなりすまし、画面の覗き込み等の行為が行われた場合に、それを検知し、監督者に通知するAIソフトウエアを提供しております。(ⅱ) 本サービスの特徴本サービスはエッジAIを活用することにより、勤務中の画像を通信し続けることなく、問題行動が起きた場面だけが通知される仕組みになっており、働く人の個人情報やプライバシーを保護しながら、機密性の高い情報を扱う方の在宅勤務を可能とするサービスです。顧客側では特別な機器の導入の必要がなく、容易に導入できるのも特徴の一つです。 ⑥ ファッショントレンド解析当社は、拡大する余剰在庫や商品値引、並びに焼却廃棄等の社会問題に課題認識を持ち、AIを通じた業界再生やSDGs(持続可能な開発目標)の観点での持続可能性の向上、人の感性に頼った手作業からの進化を目指しています。(i) 本サービスにおける当社の位置づけ当社は、本サービスにおいて独自の画像解析エンジン(特許 第6511204号)を用いて、SNSなどにおける2,500万枚以上のファッションコーディネート画像をAIが解析し、ファッションのアイテム(シャツ、ポロシャツなど)、色彩(ホワイト、グレーなど)、シルエット(半袖、長そでなど)、素材感(ナイロン、レザーなど)などをビッグデータ化します。本サービスのユーザーとなるアパレル企業は、そのデータ解析結果により、それまで属人的な勘と経験によって断定されていたファッション特性を定量化し、MD(商品企画)業務をデジタル化・強化しています。(ii) 本サービスの特徴AIによるファッション解析を行うことで、トレンドに合わせた商品投入計画の策定に活用され、プロパー消化率(定価で販売した割合)の向上に寄与するサービスです。直近のトレンドデータに基づき、値引き判断を最適化することもできると考えています。結果として、投入商品と在庫水準が最適化され、営業利益率の改善につながると考えています。当社サービスを活用して企画された商品は大手アパレルブランドをはじめ、全国の店舗で販売されています。当社サービスを導入している顧客企業の一部ではプロパー消化率を改善する成果があがるなど、粗利改善に貢献しています。 ファッショントレンド解析においては、AI MDのトレンド予測を活用したECサイトでのレコメンド機能の拡充やサイネージを活用した実店舗のデジタル化等、新たな取り組みも進んでいます。 <事業系統図> 用語集 用語用語の定義アクティブラーニング学習データ作成の労力を低減することを目的として、AIに初期的な推論を行わせ、それを人間が評価を行う学習データ作成手法後処理検出精度の向上を目的として、出力データに対して行う処理アノテーション人工知能の学習に用いられる学習データ作成作業のこと。物体検出であれば、画像内の当該箇所を指定し物体種別を設定する作業を、多数の画像データに対して行うことアノテータ学習データを作成する者アルゴリズムコンピュータ上における問題を解くための手順・解き方AIArtificial Intelligenceの略称。学習・推論・認識・判断などの人間の知能的な振る舞いを行うコンピュータシステムMDMerchandising:目標を達成するために行う商品構成、仕入れ、販売方法、価格設定、陳列、販売促進等を計画・実行・管理すること学習データ学習モデルのアルゴリズムで使用される内部変数を最適化するのに使われるデータであり、特に画像と正解ラベルを組みにしたもの学習モデル画像等を入力とし、推論を行わせるための機械学習アルゴリズム機械学習技術人工知能技術の主要な研究分野。データを反復的に学習させ、そこに潜むパターンを見つけ出すことで、コンピュータ自身が予測・判断を行うための技術・手法強化学習行動が環境の状態変化を引き起こし、目的にかなうと報酬を受け取れるモデルにおいて、試行錯誤による学習を繰り返し、状態に応じて報酬を最大化する行動を学習する計算資源計算機が計算量のために費やす、具体的あるいは抽象的な資源のこと検出精度正解ラベルと学習モデルによる推論結果の一致度構造化データコンピュータが処理できるようにルールに従ってつくられたデータ、行と列を持つ表形式のデータのことサイネージ表示と通信にデジタル技術を活用して平面ディスプレイやプロジェクタなどによって映像や文字を表示する情報・広告媒体深層学習技術ディープラーニング(Deep Learning、深層学習)。ニューラルネットワークにより機械学習技術を実装するための手法の一種。従来の機械学習技術では人間が特徴量を定義する必要があった(複雑な特徴を表現できない)が、ディープラーニングではアルゴリズムが学習データから特徴量を抽出できる技術・手法スケーラビリティ機器やソフトウエア、システムなどの拡張性、拡張可能性スマートシティ先進的技術の活用により、街の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する街づくりのこと3Dモデリング2次元の画像データを3次元で表現すること端末処理(エッジコンピューティング)データをデータセンターに送信せず、端末自体によって処理することニューラルネットワーク人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化したものの組み合せのこと非構造化データ例えば文書テキストや画像など、テーブル形式で整理されていない生データのことプロパー消化率建値消化率のこと。すなわち投入商品が値引き・廃棄等されずに売れた割合のこと前処理検出精度の向上を目的として、入力データ(画像等)に対して行う処理(白黒化、明度調整等)