4044

セントラル硝子(4044)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 主力は化成品とガラス
    セントラル硝子は、素材化学品、医療化学品、電子材料、エネルギー材料、肥料といった多岐にわたる化成品事業と、建築用ガラス、自動車用ガラス、ガラス繊維などのガラス事業を二本柱としています。これら2つの事業部門が、会社の主要な収益源となっています。
  • グローバルな製造販売網
    化成品事業では、日本国内だけでなく、チェコ、中国、シンガポール、韓国など世界各地に製造・販売拠点を持ち、国際的に事業を展開しています。ガラス事業も、国内の製造子会社と販売子会社が連携し、製品を供給しています。
  • 多角的な製品展開
    化成品事業では、素材から医療、電子材料、エネルギー関連まで幅広い分野の化学品を提供し、ガラス事業では建築用から自動車用、さらにはガラス繊維といった多様な用途の製品を手掛けています。これにより、特定の市場に依存しすぎない事業構造を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 化成品事業の収益貢献
    化成品事業は売上高857.65億円、営業利益81.66億円と、ガラス事業と比較して高い営業利益を上げており、会社の主要な稼ぎ頭となっています。素材化学品、医療化学品、電子材料、エネルギー材料、肥料など多岐にわたる製品を展開し、グローバルに製造・販売を行っています。
  • ガラス事業の安定的な基盤
    ガラス事業は売上高584.67億円、営業利益24.62億円を計上しており、化成品事業に次ぐ重要な収益源です。建築用ガラス、自動車用ガラス、ガラス繊維といった製品を扱い、主に国内の子会社を通じて製造・販売を行っており、社会インフラやモビリティ分野を支える基盤事業としての役割を担っています。
  • 二つの柱による事業構成
    セントラル硝子は、化成品とガラスという異なる特性を持つ二つの事業セグメントで構成されています。化成品事業が高い収益性を持ち、ガラス事業が安定的な需要を支えることで、事業ポートフォリオのバランスを取り、全体としての安定成長を目指していることが伺えます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ChemicalSegment 事業 858 82 9.5%
GlassSegment 事業 585 25 4.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,142 文字
3【事業の内容】 当社及び当社の関係会社(当社、子会社28社、関連会社11社(2025年3月31日現在)により構成)においては、化成品、ガラスの2部門に関係する事業を主として行っており、各事業における当社及び関係会社の位置付けは次のとおりであります。 なお、次の2部門は「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。(化成品事業) 当事業の主要な製品は、素材化学品、医療化学品、電子材料、エネルギー材料、肥料があります。素材化学品、医療化学品につきましては、当社が主に製造、販売しております。電子材料につきましては、当社が製造し、当社、基佳電子材料股份有限公司及び基佳電子材料シンガポール Pte.Ltd.が主に販売しております。エネルギー材料につきましては、当社、セントラルガラスチェコ s.r.o.、浙江中硝康鵬化学有限公司及びジェイセル㈱が製造し、当社、セントラルガラスチェコ s.r.o.、セントラルガラスインターナショナル,Inc.、上海中硝商貿有限公司及び韓国セントラル硝子㈱が主に販売しております。肥料につきましては、セントラル化成㈱が主に製造、販売しております。 <主な関係会社>製造・販売セントラル化成㈱アポロサイエンティフィック Ltd.セントラルガラスチェコ s.r.o.シンクェストラボラトリーズ,Inc.浙江中硝康鵬化学有限公司ジェイセル㈱販売㈱東商セントラルセントラルガラスインターナショナル,Inc.基佳電子材料股份有限公司基佳電子材料シンガポール Pte.Ltd.韓国セントラル硝子㈱上海中硝商貿有限公司建設・修繕セントラルエンジニアリング㈱その他セントラルガラスヨーロッパ Ltd. (ガラス事業) 当事業の主要な製品は、建築用ガラス、自動車用ガラス、ガラス繊維があります。建築用ガラスにつきましては、セントラル硝子プロダクツ㈱が主に製造し、セントラル硝子販売㈱を通じて主に販売しております。自動車用ガラスにつきましては、セントラル硝子プロダクツ㈱が主に製造し、セントラル・サンゴバン㈱を通じて主に販売しております。ガラス繊維につきましてはセントラルグラスファイバー㈱が主に製造、販売しております。 <主な関係会社>製造・販売セントラル硝子プロダクツ㈱日本特殊硝子㈱セントラルグラスファイバー㈱販売・工事セントラル・サンゴバン㈱セントラル硝子販売㈱セントラル硝子工事㈱建設・修繕・加工セントラル硝子プラントサービス㈱三重硝子工業㈱  事業の系統図は次のとおりであります。  連結子会社であったセントラル・サンゴバン・インベストメント㈱については、清算結了したため、連結の範囲から除外しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合他社との競争が激しく、原材料市況の変動影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
フッ素化学を基盤とした機能性材料開発、SiC単結晶製造技術など高度な技術開発力。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済動向及び販売市況の動向 / 競合他社との競争 / 特定分野への依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

セントラル硝子は特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、または規制ライセンスによる明確な無形資産の優位性を示唆する情報は限定的です。主力事業であるガラス事業や化学品事業において、他社との差別化を明確に打ち出す無形資産の存在は確認できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

ガラス事業においては、建築用や自動車用など、特定の用途向けにカスタマイズされた製品を提供している可能性があります。これらの製品は顧客の仕様に合致している場合、仕様変更に伴うコストや手間から、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がありますが、その程度は限定的と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

セントラル硝子の事業モデルにおいて、ネットワーク効果が競争優位の源泉となっている兆候は見られません。製品やサービスがユーザーの増加によって価値を高めるようなプラットフォーム型ビジネスではありません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

化学品事業においては、長年の操業で培われた製造ノウハウや、一部の原料調達における効率化の可能性が考えられます。しかし、グローバルな化学業界全体で見ると、構造的なコスト優位性を確立しているとは断定し難い状況です。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

ガラス事業(特に建築用・自動車用)やフッ素化学品事業において、一定の生産規模と市場シェアを有しています。これにより、原料調達や生産効率において、小規模事業者に対する優位性を発揮していると考えられます。しかし、業界全体を寡占するほどの規模ではありません。

  • 多角的な事業ポートフォリオ
    セントラル硝子は、化成品とガラスという異なる分野の事業を展開しており、それぞれの市場変動リスクを分散しています。これにより、一方の事業が不調でも、もう一方の事業で補完し、安定した経営基盤を築いていると考えられます。
  • グローバルな生産・販売体制
    化成品事業においては、日本、チェコ、中国、シンガポール、韓国などに製造・販売拠点を持ち、地域ごとの需要に対応できる体制を構築しています。これにより、特定の国や地域のリスクを低減し、安定的な供給と販売を実現しています。
  • 専門子会社による効率化
    ガラス事業では、建築用ガラス、自動車用ガラス、ガラス繊維といった製品ごとに専門の子会社が製造・販売を担っています。これにより、各分野の専門性を高め、効率的な事業運営と顧客ニーズへのきめ細やかな対応を可能にしていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(経営の基本方針)当社及び当社の関係会社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)は、“ものづくりで築く より良い未来”「セントラル硝子グループは、ものづくりを通じて、真に豊かな社会の実現に貢献します。」を基本理念としており、また、「独創的な素材・技術により、サステナブルな社会の実現に寄与する」をパーパスとして定義しております。当社グループが創業当時から企業活動の中心に据えております「ものづくり」は、誠実を基本姿勢とした、研究開発、製造、販売等の企業活動全般を意味しており、今後の更なる飛躍に向けても、すべての基礎になるものと考えております。各事業活動においては、伸ばすべき事業に経営資源を投入し、その事業基盤の強化を図るとともに、当社の強みである「技術優位性、独創性、サステナビリティ」を持つスペシャリティ製品の拡充を図ります。また、環境対応・省エネルギー化の推進や、グローバルな事業展開による収益力の向上に注力し、安定した財務体質のもと企業価値を増大させることを常に目指し続けてまいります。これらの方針のもと、経営全般にわたり効率性を高め企業体質の変革を図るとともに、研究開発力の強化と成長事業への経営資源の重点的な投入を行い、グループ企業力の強化に努めてまいります。 当社グループは、2024年5月に長期ビジョン「VISION 2030」を公表し、2030年のありたい姿や、その実現のための事業戦略等を示し、2025年5月14日には、「VISION 2030」の実現に向け、新たな中期経営計画を策定し発表しました。それぞれの概要は以下の通りです。①長期ビジョン「VISION 2030」 ②中期経営計画(2025~2030年)(イ)長期ビジョン「VISION 2030」の実現に向けた取組み 2025年から2030年までの6年間を2つのフェーズに分け、それぞれのフェーズごとの経営課題に取り組んでまいります。『Phase 1』 2025~2027年度:成長への基盤強化『Phase 2』 2028~2030年度:本格的な成長軌道へ(ロ)基本方針 (a)事業戦略 ・スペシャリティ製品の拡大 ・エッセンシャル製品の強化 (b)成長戦略(事業ポートフォリオ最適化) (ⅰ)投資戦略  ・「成長性×ROIC」分析によるメリハリをつけた経営資源の最適配分  ・近視眼的にならない中長期的な目線での成長投資 (ⅱ)ROICマネジメント  ・事業ロードマップに基づく あるべき姿の追求  ・事業ROICのモニタリングにより資本効率を改善 (c)ESG経営による事業基盤強化 ・人的資本経営の推進 ・環境課題の対応 ・デジタル活用の推進 ③中期経営計画の財務目標 2027年度(Phase1最終年度)2030年度(Phase2最終年度)営業利益130億円200億円ROE8.7%10%以上ROIC6.1%7.0%年間配当額(1株あたり)170円(下限配当)改めて検討 (経営の基本方針)今後の見通しにつきましては、AI半導体の需要は引続き堅調に推移するものと考えておりますが、米国の関税政策が各国の景気、当社製品の販売に与える影響は不確かで、今後も不透明な状況が続くものと思われます。 当社グループといたしましては、昨年公表した、長期ビジョン「VISION 2030」、ありたい姿「サステナブルな社会の実現に寄与する『スペシャリティ・マテリアルズ・カンパニー』になる」の実現に向けて、2025年度を初年度とする中期経営計画に基づき、事業戦略、成長戦略を着実に推進し、当社グループの企業力強化に努めてまいります。また、2024年5月に発表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」に基づきPBR改善につながる取組みを着実に実行することで、1倍を超えるPBRの早期実現と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(経営の基本方針)当社及び当社の関係会社(以下、総称して「当社グループ」といいます。)は、“ものづくりで築く より良い未来”「セントラル硝子グループは、ものづくりを通じて、真に豊かな社会の実現に貢献します。」を基本理念としており、また、「独創的な素材・技術により、サステナブルな社会の実現に寄与する」をパーパスとして定義しております。当社グループが創業当時から企業活動の中心に据えております「ものづくり」は、誠実を基本姿勢とした、研究開発、製造、販売等の企業活動全般を意味しており、今後の更なる飛躍に向けても、すべての基礎になるものと考えております。各事業活動においては、伸ばすべき事業に経営資源を投入し、その事業基盤の強化を図るとともに、当社の強みである「技術優位性、独創性、サステナビリティ」を持つスペシャリティ製品の拡充を図ります。また、環境対応・省エネルギー化の推進や、グローバルな事業展開による収益力の向上に注力し、安定した財務体質のもと企業価値を増大させることを常に目指し続けてまいります。これらの方針のもと、経営全般にわたり効率性を高め企業体質の変革を図るとともに、研究開発力の強化と成長事業への経営資源の重点的な投入を行い、グループ企業力の強化に努めてまいります。 当社グループは、2024年5月に長期ビジョン「VISION 2030」を公表し、2030年のありたい姿や、その実現のための事業戦略等を示し、2025年5月14日には、「VISION 2030」の実現に向け、新たな中期経営計画を策定し発表しました。それぞれの概要は以下の通りです。①長期ビジョン「VISION 2030」 ②中期経営計画(2025~2030年)(イ)長期ビジョン「VISION 2030」の実現に向けた取組み 2025年から2030年までの6年間を2つのフェーズに分け、それぞれのフェーズごとの経営課題に取り組んでまいります。『Phase 1』 2025~2027年度:成長への基盤強化『Phase 2』 2028~2030年度:本格的な成長軌道へ(ロ)基本方針 (a)事業戦略 ・スペシャリティ製品の拡大 ・エッセンシャル製品の強化 (b)成長戦略(事業ポートフォリオ最適化) (ⅰ)投資戦略  ・「成長性×ROIC」分析によるメリハリをつけた経営資源の最適配分  ・近視眼的にならない中長期的な目線での成長投資 (ⅱ)ROICマネジメント  ・事業ロードマップに基づく あるべき姿の追求  ・事業ROICのモニタリングにより資本効率を改善 (c)ESG経営による事業基盤強化 ・人的資本経営の推進 ・環境課題の対応 ・デジタル活用の推進 ③中期経営計画の財務目標 2027年度(Phase1最終年度)2030年度(Phase2最終年度)営業利益130億円200億円ROE8.7%10%以上ROIC6.1%7.0%年間配当額(1株あたり)170円(下限配当)改めて検討 (経営の基本方針)今後の見通しにつきましては、AI半導体の需要は引続き堅調に推移するものと考えておりますが、米国の関税政策が各国の景気、当社製品の販売に与える影響は不確かで、今後も不透明な状況が続くものと思われます。 当社グループといたしましては、昨年公表した、長期ビジョン「VISION 2030」、ありたい姿「サステナブルな社会の実現に寄与する『スペシャリティ・マテリアルズ・カンパニー』になる」の実現に向けて、2025年度を初年度とする中期経営計画に基づき、事業戦略、成長戦略を着実に推進し、当社グループの企業力強化に努めてまいります。また、2024年5月に発表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」に基づきPBR改善につながる取組みを着実に実行することで、1倍を超えるPBRの早期実現と中長期的な企業価値向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に含めて記載しております。 ② 生産、受注及び販売の状況当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。このため生産、受注及び販売の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ① 経営成績」におけるセグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、物価上昇による消費マインドの弱含みはあるものの、雇用・所得環境の改善による個人消費の持ち直し、堅調な企業収益を背景にした設備投資の持ち直し等により、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界経済は、消費の伸びが減速しているものの、米国では、依然景気の拡大が継続、欧州では、一部で持ち直しが見られるものの、景気は足踏みの状態が継続、また、各種政策の効果がみられるものの、中国でも、景気は足踏みの状態が継続しております。加えて、ウクライナ及び中東の紛争は完全な停戦時期が見通せておらず、今後は米国の関税政策の影響等、先行きは非常に不透明な状況が続いております。このような経済環境の下、当社グループは積極的な販売活動を展開いたしましたが、当期の売上高は144,233百万円と、前期比10.0%の減少となりました。損益面につきましては、経営全般にわたる業務の効率化・合理化施策を推進してまいりました結果、経常利益は前期比4,104百万円減少の12,164百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比6,799百万円減少の5,678百万円となりました。 (化成品事業) 百万円売上高営業利益当 期85,7658,166前 期100,92610,588増減額△15,160△2,422増減率△15.0%△22.9% 素材化学品につきましては、発泡剤原料及び農薬関連製品の販売が堅調に推移したことから、売上高は前期を上回りました。医療化学品につきましては、海外向けの麻酔原薬の販売が低調に推移したため、売上高は前期を下回りました。電子材料につきましては、AI半導体等の需要増加により、半導体向け特殊ガスの販売が増加したため、売上高は前期を上回りました。エネルギー材料につきましては、欧州を中心としたEVの需要低迷により、リチウムイオン電池用電解液の販売が減少したため、売上高は前期を大幅に下回りました。肥料につきましては、主力の被覆肥料の販売が堅調に推移したため、売上高は前期を上回りました。 以上、化成品事業の売上高は85,765百万円(前期比15.0%減)となり、損益につきましては8,166百万円の営業利益(前期比2,422百万円の減少)となりました。 (ガラス事業) 百万円売上高営業利益当 期58,4672,462前 期59,4133,938増減額△945△1,475増減率△1.6%△37.5% 建築用ガラスにつきましては、建築需要が低調に推移したため、売上高は前期を下回りました。自動車用ガラスにつきましては、顧客の一部稼働停止により販売は減少したものの、原燃材料他のコスト上昇を継続して製品価格に転嫁したことから、売上高は前期並みとなりました。ガラス繊維につきましては、自動車向け製品の販売の回復により、売上高は前期を上回りました。以上、ガラス事業の売上高は58,467百万円(前期比1.6%減)となり、損益につきましては2,462百万円の営業利益(前期比1,475百万円の減少)となりました。 ② 財政状態当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ、現金及び預金が4,482百万円増加する一方、受取手形、売掛金及び契約資産が3,435百万円、固定資産の減損処理などにより有形固定資産が3,354百万円、関係会社株式の売却などにより投資有価証券が4,509百万円それぞれ減少したことなどにより、9,570百万円減少し204,834百万円となりました。負債は借入金の返済などにより有利子負債が10,762百万円減少したことなどにより、10,583百万円減少し83,770百万円となりました。純資産は配当金の支払により4,710百万円減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益により5,678百万円増加したことなどにより、1,012百万円増加し121,063百万円となりました。また、自己資本比率は3.4%増加し57.0%になりました。 ③ キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ、2,182百万円増加し、22,040百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金収支は、税金等調整前当期純利益9,547百万円、減価償却費8,888百万円、運転資金の増減(売上債権及び契約資産、棚卸資産、仕入債務の増減合計額)による収入5,009百万円などにより、23,587百万円の収入(前年同期は22,236百万円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金収支は、定期預金の払戻による収入5,397百万円、投資有価証券の売却による収入4,270百万円などの一方で、定期預金の預入による支出7,496百万円、有形固定資産の取得による支出5,593百万円などにより、4,244百万円の支出(前年同期は3,338百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金収支は、長短借入金の減少による支出10,684百万円、配当の支払による支出4,710百万円、非支配株主に対する清算配当金の支払いによる支出1,149百万円などにより、17,567百万円の支出(前年同期は15,971百万円の支出)となりました。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析(イ)資本政策の基本的な方針について当社は、中長期的な持続的成長と企業価値の向上を目指し、2025年5月14日には中期経営計画(2025~2030年度)を策定いたしました。その基盤にあります利益の配分及び資本効率等を総合的に勘案した資本政策の基本的な方針は以下のとおりとなります。(a)資本政策企業価値の最大化を目的として、投資と資金調達の最適化を重視した資本構成を目標とする。<基本方針>・調達     資金コストと継続性(リスク)のバランスを考慮し、適切な方法を組み合わせて、計画的に安定して調達を行う。・運用(投資) 調達資金コストを上回る利益、投下資本以上のキャッシュ・フローを産みだす源泉に選別して資本を投入する。・分配     産み出したキャッシュは、株主還元、投資、財務規律のバランスを考えた配分を基本にして適切に利益分配を行う。(b)資本政策に関連する方針(ⅰ)収益性・効率性について指 標2027年度(Phase1最終年度)2030年度(Phase2最終年度)ROE(自己資本利益率)8.7%10%以上ROIC(投下資本利益率)6.1%7.0% 資本効率性を意識し、資本コストを上回る収益性を達成すべくROE(自己資本利益率)およびROIC(投下資本利益率)を経営指標とし、中期経営計画(2025~2030年度)目標を上記としております。 (ⅱ)財務の健全性について指 標目 標自己資本比率現状維持資金調達は、資本・負債コストを考え、現状の金融環境(低金利)を活用して計画的に実施し、有利子負債による調達については、借入や社債発行による複数の選択肢をバランスよく組み合わせて実施してまいります。そのためには、中長期的に事業や金融環境の変動などのリスクに耐えうる健全な財務規律により信用力を確保し、格付けを維持していくことが必要と考え、上記目標としております。 (ⅲ)利益還元について指 標Phase1Phase2年間配当額(1株あたり)170円(下限配当)改めて検討中期経営計画(2025~2030年度)における2025~2027年度の期間においては、「VISION 2030」実現に向けて、スペシャリティ製品の研究開発の更なる強化、積極的な設備投資を進める一方で、安定配当継続の基本方針に則り、1株当たり170円を下限配当とさせていただきたいと考えます。なお、Phase2(2028~2030年度)については、改めて検討いたします (ロ)資金調達当社グループの資金調達は、(イ)(b)(ⅱ)の方針に基づき、自己資金のほか、金融機関からの借入等による間接調達、資本市場からの直接調達により行っております。間接調達については、金融機関からの借入について相対での借入枠を十分確保しており、かつ10,000百万円を借入限度額とするコミットメントラインを設定し、長期・短期のバランスを考慮して安定的に調達しております。また、直接調達については、社債の発行等により調達しております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は42,548百万円、現金及び現金同等物の残高は22,040百万円、よってネット有利子負債は20,508百万円となりました。 ⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ⑥ 経営戦略の現状と見通し 経営戦略の現状と見通しについては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

事業リスク

  • 経済動向と販売市況の変動
    国内外の経済状況や関連業界の市場動向が大きく変化した場合、製品の販売価格や数量に影響が出て、会社の業績や財務状況が悪化する可能性があります。特に、景気変動に敏感な建築や自動車関連の需要が落ち込むと、ガラス事業に大きな影響が出ることが考えられます。
  • 原材料価格の高騰と調達難
    重油などの市況変動の影響を受けやすい原材料や、調達先が限られる特殊な原材料を使用しているため、市場価格の高騰や入手困難になった場合、製造コストが増加したり、生産が滞ったりする可能性があります。これにより、会社の利益が圧迫され、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 海外情勢と環境規制の変化
    海外での予期せぬ法令・規制変更、政治・社会情勢の混乱、テロ、戦争、感染症の拡大などは、海外事業活動に直接的な影響を与え、会社の業績や財務状況を悪化させる可能性があります。また、PFAS(有機フッ素化合物)に関する環境規制の強化は、化成品事業に大きな影響を与える可能性があり、代替製品の開発状況や規制内容によっては、事業継続に支障をきたす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,483 文字
3【事業等のリスク】(1)リスクマネジメント体制<リスク管理体制>① 当社は、事業活動におけるリスクへの対応のため、経営への影響度に応じ、以下のリスク管理を行っています。当社及び子会社においてリスク事案が生じた、又は生じ得る場合、当該リスク発生部門の部門長は、管理すべき子会社を含むリスク情報を担当執行役員と速やかに共有し、リスクの影響度等の評価を踏まえ、必要に応じて、担当執行役員が社長執行役員及び監査等委員会へ報告する。社長執行役員は、リスクの重大性に鑑み、必要に応じて、当該事案を担当する執行役員を責任者とする組織横断的な危機対策本部を設置するなど適切に対応し、速やかに復旧、事後処理を実施しております。② 取締役会は、随時、執行役員等から報告を受け、又は報告を求めることにより、リスクの把握に努め、必要に応じて助言を行っております。③ 当社は、環境・安全推進委員会、独占禁止法遵守推進委員会、グループ品質コンプライアンス委員会、安全保障貿易管理委員会、財務報告リスク評価委員会、コンプライアンス推進委員会、サステナビリティ委員会を組織横断的に設置しており、各専門テーマに関する審議・調査・指導・啓発活動を行うとともに、これらの委員会を通じたコンプライアンスに関する研修等により、当社グループにコンプライアンスを尊重する意識の浸透、定着を図っております。④ 取締役会は、専門テーマを扱う各種委員会からの報告を受け、リスク情報を共有し、全社的にリスク管理体制を整備しております。⑤ 当社は、ステークホルダーに対して、経営への影響度等に応じて、適時・適切な情報開示を行っております。 (2)事業などのリスク有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当該事業等のリスクについては、当連結会計年度末日現在の判断によるものであり、また、当社グループの事業上のリスクすべてを網羅しているものではありません。 ① 経済動向及び販売市況の動向国内外での経済動向の著しい変化や当社グループの製品を展開する関連業界の動向に伴う販売市況の変動に対しては、随時モニタリングを行い、事業への影響を迅速に把握できる体制を整えておりますが、予期できない程度の変化・変動があった場合、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 競合他社との競争当社グループは、多岐にわたる製品の開発・生産・販売を行っており、様々な企業と競合しております。当社グループは今後とも競争力の維持・強化に向けて研究開発及び技術開発の強化など様々な取り組みを進めてまいりますが、競争優位性が確保できない場合、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特定分野への依存当社グループは、既存顧客との更なる関係強化を図ると共に、新規顧客の開拓により、販売先の多様化を推進しておりますが、一部製品の販売では、特定の顧客に依存しているため、当該顧客の投資・販売計画及び資材調達の方針等が当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 海外情勢の変化海外において、予期しない法令又は規制の変更、政治及び社会情勢の変化、テロ、戦争、感染症、その他の要因による社会的混乱などにより予期し得ない事態が発生した場合、当該地域での事業活動のみならず、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 原材料の市況及び調達当社グループの製品は重油等、市況変動の影響を受ける原材料や調達先が限られる特殊な原材料を使用しております。原材料の購入価格の低減、並びに原油デリバティブや主要原材料の備蓄を行うなど安定調達に向けた施策を推進しておりますが、市場価格の高騰並びに入手難による調達遅れが発生した場合、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 公的規制当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、労働、特許、租税、為替等の各種関係法令の適用を受けております。これらの法令の予期しない変更や新たな適用により、当社グループの経営成績と財政状態が影響を受ける可能性があります。 ⑦ 環境規制当社グループは、様々な環境関連法令の適用を受けております。当社グループはこれら法令に細心の注意を払い事業活動を行っておりますが、過去・現在及び将来の事業活動において、環境に関する費用負担の増加や賠償責任が発生する可能性があり、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。尚、当社グループでは、様々なフッ素関連製品を製造・販売しております。炭素とフッ素の原子を持つ化学物質は広い括りでPFASと総称され、PFASの中でも、環境や人体への影響懸念から、PFOSやPFOAといったごく一部が製造・輸入規制対象となっておりますが、当社グループではこれら規制対象製品の製造・販売は行っておりません。昨今、欧州などで全てのPFASを一括して規制しようとする動きがあり、当社は、当社グループのフッ素関連製品が生活産業上の重要な役割を担っていることを踏まえ、欧州当局へのパブリックコメントを提出するとともに、PFAS製品の代替製品としてPFASフリー製品の開発を進めております。一方、日本を含む各国の行政機関、国内外企業及び関係団体等も社会経済的影響への懸念等について、欧州当局へパブリックコメントを提出していますが、今後の規制の内容次第では、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 製造物責任当社グループでは、製造物について、欠陥をなくし、安全性を高め、欠陥によって生じる製造物責任を予防することを目的に品質に係る関連規程を設け、品質の確保に取り組んでおりますが、予期せぬ事情により品質問題が発生した場合、賠償金など発生する損失の全てを生産物賠償責任保険によって補填できない可能性があり、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 知的財産権に関する問題当社グループでは、知的財産権の重要性を認識し、その保護に努めておりますが、予期しない事情により当社グループと第三者との間で知的財産権に関する紛争が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 訴訟当社グループでは法令遵守に努めておりますが、事業活動に関連して取引先や第三者から重要な訴訟を提起され当社の評判や信頼性が損なわれた場合等、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 災害・事故地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの拠点の設備等の損壊や電力、ガス、水の供給困難により、一部または全部の操業が中断し、生産及び出荷に影響が及ぶ可能性、並びに損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生する可能性があります。この結果、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこれらの影響を最小限にするため、自然災害や事故に対する対応策の検討や訓練を継続的に実施しております。 ⑫ 為替の変動当社グループは、世界の各地域にて事業活動を行っております。一般に現地通貨に対して円高は当社グループに悪影響を及ぼし、一方、円安は好影響をもたらします。当社グループにおいては、為替相場の変動リスクを縮小あるいはヘッジするための対策を講じておりますが、為替相場の大幅な変動は、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 固定資産の価値下落当社グループでは、既存事業に係る設備について、今後の事業の収益性や市況等の動向によっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 感染症の拡大に係る従業員の感染リスクと事業継続リスク感染症パンデミックが長期化した場合、個人消費の低迷、国内外のサプライチェーンの停滞などが発生し、当社グループの事業活動が減退する可能性があります。また、当社グループ社員の罹患が拡大した場合についても、工場の操業停止や営業活動の自粛など事業活動が減退し、それぞれ感染症の拡大が、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。感染症が拡大した場合は、当社グループの従業員及びその家族の健康に配慮し、国内外の出張を制限するとともに、在宅勤務や時差出勤の推奨、オンライン会議の活用等の感染防止策に取り組み、事業への影響を最小限に抑えるよう努めます。 ⑮ サイバーセキュリティ当社グループは、生産、販売、研究開発などの事業活動において、ネットワーク、システムを利用しております。近年、サイバー攻撃はこれまで以上に技術が高度化し、攻撃手法も多様化・巧妙化しており、このような状況を踏まえ、当社グループはサイバーセキュリティに関しリスクとして認識し、情報システム部門を中心に、ネットワーク及びシステムの監視をはじめとする各種サイバー攻撃対策を講じております。しかしながら、これらの対策にもかかわらず、サイバー攻撃やそれに伴う深刻なシステム障害等により実質的に事業活動が中断した場合、または個人を特定できる情報を含む重要データが逸失、破損、社外流出し、当社の評判や信頼性が損なわれた場合、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 人的資本当社グループは、競争の激しい市場において、製品やサービスの提供を継続し企業価値の向上のため、多様な技術・知識・視点を融合させてイノベーションを生み出せる高い専門性を持つ人材を獲得する必要があり、また経験豊富な人材並びに業務やプラント運転操作等のノウハウを持った人材確保も重要となります。こうした優秀な人材の確保が困難となる場合や、重要な人材の流出が生じた場合には、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対して、当社は「エンゲージメントの向上」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進」「健康経営の推進」の3つの観点で人的資本経営を推進しております。 ⑰ 気候変動当社グループが事業展開する各国において、GHG排出量規制、炭素税及び賦課金制度等が導入された場合や、当社グループの拠点がある地域にて気候変動による洪水等自然災害が増加した場合、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対して、当社は気候変動が当社事業に与える影響について、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の枠組みに沿って対応しております。

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