4025

多木化学(4025)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

化学 素材・化学

事業の概要

  • 多角的な事業展開:多木化学グループは、肥料製造販売のアグリ事業、水処理薬剤や機能性材料を手がける化学品事業を中核に、石こうボード製造販売の建材事業、石油販売の石油事業、商業ビル賃貸の不動産事業、海上・陸上輸送の運輸事業と、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存しない安定した収益構造を目指しています。
  • 化学品とアグリが柱:売上高では化学品事業が202.12億円と最も大きく、次いでアグリ事業が118.63億円です。営業利益では化学品事業が23.12億円と圧倒的に高く、グループ全体の収益を牽引する主力事業であることが分かります。これらの事業がグループの収益基盤を支えています。
  • 子会社による事業補完:グループは当社(多木化学)と15の子会社、4つの関連会社で構成されており、各社がそれぞれの専門分野を担っています。例えば、多木建材が建材事業、しき島商事が石油事業、別府鉄道が不動産事業の一部、多木商事と多木物流が運輸事業を運営し、グループ全体の事業ポートフォリオを強化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 化学品事業が収益柱:化学品事業は売上高202.12億円、営業利益23.12億円と、グループ内で最も大きな売上と利益を上げています。水処理薬剤や機能性材料の製造・販売が中心で、特に機能性材料は技術革新の激しい分野で競争力を維持しており、グループ全体の収益を牽引する重要な事業です。
  • アグリ事業も主要部門:アグリ事業は売上高118.63億円、営業利益4.85億円で、肥料の製造・販売や農業関連資材の販売を行っています。日本の農業を支える基盤事業であり、安定した需要が見込まれる一方で、気候変動や国際的な肥料価格の動向が業績に影響を与える可能性があります。
  • 多角的な事業ポートフォリオ:建材事業(石こうボード製造販売、売上37.97億円)、石油事業(石油販売、売上19.63億円)、不動産事業(商業ビル賃貸、売上13.15億円)、運輸事業(海上・陸上輸送、売上28.26億円)と、多岐にわたる事業を展開しています。これらの事業はそれぞれ異なる市場で収益を上げ、グループ全体の安定性とリスク分散に貢献しています。
2025-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Fertilizer 事業 119 5 4.1%
ChemicalProducts 事業 202 23 11.4%
GypsumBoard 事業 38 2 4.0%
Petroleum 事業 20 0 0.8%
RealEstate 事業 13 7 54.8%
Transportation 事業 28 3 10.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|444 文字
3【事業の内容】   当社グループ(当社及び当社の関係会社)が営んでいる主な事業内容(セグメント情報の事業区分)と事業を構成する当社及び関係会社(子会社15社、関連会社4社)の当該事業に係わる位置づけは次のとおりであります。アグリ事業 当社が肥料を製造・販売、農業関連資材などを販売しております。化学品事業 当社が水処理薬剤、機能性材料などを製造・販売しております。 なお、令和7年1月7日に洛東化成工業㈱(決算日10月31日)を株式取得により子会社化し、化学品事業に加えました。建材事業 連結子会社である多木建材㈱が石こうボードを製造・販売しております。石油事業 連結子会社であるしき島商事㈱が石油の販売などをしております。不動産事業 当社と連結子会社である別府鉄道㈱が商業ビル及びその近隣などの不動産を賃貸しております。 運輸事業 連結子会社である多木商事㈱と多木物流㈱が海上及び陸上輸送などをしております。 [事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図に示すと、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
エネルギーコスト高騰時の製品価格への転嫁遅れ、為替変動コスト吸収困難、競争激化
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
機能性材料は技術革新が激しい業界であり、新規技術開発による市場構造変化のリスク
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:事業環境の変動 / エネルギーコスト高騰 / 為替レートの変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

多木化学は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する情報は公開情報からは確認できない。汎用的な化学製品を扱っており、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

化学製品は顧客の製造プロセスに組み込まれることが多く、仕様変更やサプライヤー変更には一定のコストやリスクが伴う。しかし、多木化学の製品群において、顧客が乗り換えを困難にするほどの強固なスイッチング・コストが構築されているかは不明瞭。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

多木化学の事業モデルは、ネットワーク効果を生み出すようなプラットフォーム型ビジネスや、ユーザー数増加がサービス価値を向上させる構造ではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業継続による生産ノウハウや、特定の地域における原料調達の効率性などが考えられるが、業界全体で見て圧倒的なコスト優位性を示す具体的な情報は乏しい。規模の経済によるコスト削減効果も限定的と推測される。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

化学業界は一般的に規模の経済が働くが、多木化学の市場シェアや事業規模は、業界全体に対して最適化された少数寡占を形成するほどの優位性を持っているとは言えない。ニッチ市場での一定の地位は考えられる。

  • 多角化による安定性:多木化学グループはアグリ、化学品、建材、石油、不動産、運輸と幅広い事業を展開しており、特定の市場変動リスクを分散できる強みがあります。これにより、一つの事業が不調でも他の事業で補い、企業全体の安定性を高めることが期待されます。
  • 化学品事業の技術力:化学品事業は水処理薬剤や機能性材料を製造・販売しており、特に機能性材料は技術革新の激しい業界で競争力を維持しています。長年の研究開発で培われた技術力とノウハウが、高品質な製品提供と顧客からの信頼に繋がっていると考えられます。
  • 不動産事業の安定収益:不動産事業は商業ビルなどの賃貸を行っており、安定した賃料収入が期待できます。特に別府鉄道などの子会社が保有する不動産は、長期的な収益源としてグループ全体の財務基盤を強化する役割を担っていると推測されます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、グループ理念「創業者精神に則り、自然と環境を守り、確かな価値の創造を通じて、豊かな社会の実現に貢献」のもと、企業の持続的発展と企業価値の向上を図り、株主、取引先、従業員、地域社会等からの信頼と期待に応えるとともに、法令その他の社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行い、社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。また、先行きが不透明で予測が困難な状況下、将来のありたい姿を「環境、社会、地域に配慮した持続可能な事業戦略の実践」と明確化した「長期ビジョン2050」を構築し、長期的な成長に向けた取り組みを進めることとしております。 政府の掲げる温室効果ガス削減目標を踏まえた非財務に関する取り組みについては「サステナビリティビジョン2030」を策定し、持続可能な社会の実現に貢献していくこととしております。ESGに配慮し、社会課題の解決と企業価値の向上を両立すべくグループ一丸となって取り組んでまいります。 (2) 経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、製品需要は概ね堅調に推移しているものの、資源価格の高騰や為替レートの影響による原燃料価格の変動などによる事業活動への影響が懸念されます。また、気候変動への対応をはじめとするサステナビリティの取り組みについては、新たなリスク及び収益機会について適時・適切に対処していくことで、当社グループの持続的成長につなげていく必要があります。なお、事業別の経営環境については以下のとおりです。 アグリ事業は、農業従事者の高齢化と減少に歯止めがかからない中、令和6年改正の「食料・農業・農村基本法」による「食料安全保障」と「環境と調和のとれた食料システムの確立」の基本理念のもと、2050年に向けた「みどりの食料システム戦略」に基づく化成肥料の使用量削減や国内未利用資源の活用などがさらに推し進められ、アグリ事業を取り巻く環境は重要な転換期を迎えています。このような中、肥料をはじめとした国内のアグリ事業は将来を見据えた収益構造の改革が求められています。 化学品事業の水処理薬剤は、国際的な需給バランスの変動や円安に伴う原料高、働き方改革に伴う物流運賃の上昇などコストの上昇が懸念される中、国内需要は好調に推移し、気候変動などによる原水の水質悪化、環境負荷低減の観点から、当社が開発した超高塩基度ポリ塩化アルミニウムの市場への浸透が進んできております。 化学品事業の機能性材料は、自動車産業においてEV化への流れはやや減速したものの、将来にわたるEV化のトレンドは継続しており、またスマートフォンなど移動体通信の技術革新も予想され、先行きは依然不透明であります。 建材事業は、石こうボード出荷量と関連性の高い新設住宅着工戸数の漸減が予想されているほか、将来にわたり燃料価格をはじめとした製造コストの上昇が懸念されます。 石油事業は、自動車のEV化、気候変動への対応強化に伴う化石燃料からの燃料転換等により、需要の減退が予想されています。 不動産事業は、ショッピングセンターが堅調に推移しているものの、電子商取引が台頭する中、実店舗販売を取り巻く環境は厳しさを増しております。 運輸事業は、景気の先行きが不透明な中、荷動きの動向にも不確実性があります。 (3) 経営戦略等 当社グループにおいては令和6年を初年度とする5カ年の「中期経営計画2028」の2年目が終了いたしました。「中期経営計画2028」では、①成長事業への積極的投資と新事業の創出、②既存事業の深化による収益力向上、③サステナビリティ・トランスフォーメーションの実践、④GRCの推進、を基本方針としております。令和7年度は、肥料及び水処理薬剤の販売数量の増加、原料価格の上昇に伴う販売価格の値上がりが進んだことに加え、各セグメントの事業が堅調に推移しました。その結果、当社グループの業績は、連結売上高419億77百万円、連結営業利益31億63百万円、ROE8.1%となりました。令和8年度は、成長戦略の一環である「水処理薬剤の生産能力増強」に伴う増販などが寄与し、当初目標を上回る見通しにあります。 また「中期経営計画2028」の最終年度の経営目標につきましては、連結売上高440億円、連結営業利益35億円、ROE7.0%以上に上方修正しております。引き続き積極的な成長投資と適切な資本政策を両立させ、持続的な企業価値向上に邁進してまいります。 なお、令和7年1月7日に洛東化成工業株式会社の株式の56.3%を取得して子会社化しました。同社の株式取得は、当社グループの主要セグメントであるアグリ事業におけるバイオスティミュラントや化学品事業における環境に配慮した水処理薬剤の開発、さらに新たな研究開発において事業シナジーを発揮することが期待されており、長期ビジョンの達成に向けて強力な推進力の一つとなると考えております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 企業が持続的に成長するためには、事業の競争力を高めて収益を確保するとともに、社会や環境の問題に真摯に向き合い、課題解決に貢献することは、企業価値を本質的に高める上で必要な要素であります。「中期経営計画2028」では4つの基本方針を掲げ、財務・非財務の両面から企業価値の向上に取り組んでまいります。 ① 成長事業への積極的投資と新事業の創出 成長事業に対しては、積極的な投資によって事業の早期拡大を実現していきます。メディカル材料、コラーゲン材料は、品質や機能の向上によりライフサイエンス分野への展開を推進します。アルミニウム化合物やナノ材料などの機能性材料は顧客ニーズや技術動向を踏まえ開発と拡販に取り組みます。完全人工栽培に成功した「バカマツタケ」は、引き続き事業化に向け課題解決に取り組んでまいります。また、新事業・新商品の創出に関しては、自社開発に加え、産官学連携、M&A、海外進出などについても積極的に検討してまいります。 ② 既存事業の深化による収益力向上 アグリ事業は、国内需要のさらなる縮小が予想される中、生産の合理化、物流の効率化などの取り組みの徹底に加え、農業関連の周辺領域の開拓により事業の拡大に努めます。化学品事業の水処理薬剤は、環境配慮型の水処理薬剤の市場浸透が進んできており、引き続き拡販に努めるとともに、気候変動に伴う水質の変化に対応した薬剤の開発等により新たな収益機会の獲得を目指します。不動産事業は、事業拡大と地域社会への貢献の両立を目指し、自社開発エリアを中心としたコンパクトシティ化に取り組んでまいります。 ③ サステナビリティ・トランスフォーメーションの実践 「サステナビリティビジョン2030」で定めた4つのマテリアリティ、重要課題への取り組みを推進します。特に温室効果ガス削減を含む気候変動への対応、人的資本経営の推進、DXの推進など、当社グループの持続的な成長、発展に向けた取り組みにより企業価値の向上を図ります。 ④ GRCの推進 進展するビジネスのグローバル化、ICTの急速な発達など、企業を取り巻く経営環境の変化がますます激しくなる中、対応すべきリスクや要求されるコンプライアンスも複雑化・多様化してきております。ガバナンス(G)、リスク管理(R)、コンプライアンス(C)を一体的に捉え、責任ある企業活動を推進します。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針 当社グループは、グループ理念「創業者精神に則り、自然と環境を守り、確かな価値の創造を通じて、豊かな社会の実現に貢献」のもと、企業の持続的発展と企業価値の向上を図り、株主、取引先、従業員、地域社会等からの信頼と期待に応えるとともに、法令その他の社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行い、社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。また、先行きが不透明で予測が困難な状況下、将来のありたい姿を「環境、社会、地域に配慮した持続可能な事業戦略の実践」と明確化した「長期ビジョン2050」を構築し、長期的な成長に向けた取り組みを進めることとしております。 政府の掲げる温室効果ガス削減目標を踏まえた非財務に関する取り組みについては「サステナビリティビジョン2030」を策定し、持続可能な社会の実現に貢献していくこととしております。ESGに配慮し、社会課題の解決と企業価値の向上を両立すべくグループ一丸となって取り組んでまいります。 (2) 経営環境 当社グループを取り巻く経営環境は、製品需要は概ね堅調に推移しているものの、資源価格の高騰や為替レートの影響による原燃料価格の変動などによる事業活動への影響が懸念されます。また、気候変動への対応をはじめとするサステナビリティの取り組みについては、新たなリスク及び収益機会について適時・適切に対処していくことで、当社グループの持続的成長につなげていく必要があります。なお、事業別の経営環境については以下のとおりです。 アグリ事業は、農業従事者の高齢化と減少に歯止めがかからない中、令和6年改正の「食料・農業・農村基本法」による「食料安全保障」と「環境と調和のとれた食料システムの確立」の基本理念のもと、2050年に向けた「みどりの食料システム戦略」に基づく化成肥料の使用量削減や国内未利用資源の活用などがさらに推し進められ、アグリ事業を取り巻く環境は重要な転換期を迎えています。このような中、肥料をはじめとした国内のアグリ事業は将来を見据えた収益構造の改革が求められています。 化学品事業の水処理薬剤は、国際的な需給バランスの変動や円安に伴う原料高、働き方改革に伴う物流運賃の上昇などコストの上昇が懸念される中、国内需要は好調に推移し、気候変動などによる原水の水質悪化、環境負荷低減の観点から、当社が開発した超高塩基度ポリ塩化アルミニウムの市場への浸透が進んできております。 化学品事業の機能性材料は、自動車産業においてEV化への流れはやや減速したものの、将来にわたるEV化のトレンドは継続しており、またスマートフォンなど移動体通信の技術革新も予想され、先行きは依然不透明であります。 建材事業は、石こうボード出荷量と関連性の高い新設住宅着工戸数の漸減が予想されているほか、将来にわたり燃料価格をはじめとした製造コストの上昇が懸念されます。 石油事業は、自動車のEV化、気候変動への対応強化に伴う化石燃料からの燃料転換等により、需要の減退が予想されています。 不動産事業は、ショッピングセンターが堅調に推移しているものの、電子商取引が台頭する中、実店舗販売を取り巻く環境は厳しさを増しております。 運輸事業は、景気の先行きが不透明な中、荷動きの動向にも不確実性があります。 (3) 経営戦略等 当社グループにおいては令和6年を初年度とする5カ年の「中期経営計画2028」の2年目が終了いたしました。「中期経営計画2028」では、①成長事業への積極的投資と新事業の創出、②既存事業の深化による収益力向上、③サステナビリティ・トランスフォーメーションの実践、④GRCの推進、を基本方針としております。令和7年度は、肥料及び水処理薬剤の販売数量の増加、原料価格の上昇に伴う販売価格の値上がりが進んだことに加え、各セグメントの事業が堅調に推移しました。その結果、当社グループの業績は、連結売上高419億77百万円、連結営業利益31億63百万円、ROE8.1%となりました。令和8年度は、成長戦略の一環である「水処理薬剤の生産能力増強」に伴う増販などが寄与し、当初目標を上回る見通しにあります。 また「中期経営計画2028」の最終年度の経営目標につきましては、連結売上高440億円、連結営業利益35億円、ROE7.0%以上に上方修正しております。引き続き積極的な成長投資と適切な資本政策を両立させ、持続的な企業価値向上に邁進してまいります。 なお、令和7年1月7日に洛東化成工業株式会社の株式の56.3%を取得して子会社化しました。同社の株式取得は、当社グループの主要セグメントであるアグリ事業におけるバイオスティミュラントや化学品事業における環境に配慮した水処理薬剤の開発、さらに新たな研究開発において事業シナジーを発揮することが期待されており、長期ビジョンの達成に向けて強力な推進力の一つとなると考えております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 企業が持続的に成長するためには、事業の競争力を高めて収益を確保するとともに、社会や環境の問題に真摯に向き合い、課題解決に貢献することは、企業価値を本質的に高める上で必要な要素であります。「中期経営計画2028」では4つの基本方針を掲げ、財務・非財務の両面から企業価値の向上に取り組んでまいります。 ① 成長事業への積極的投資と新事業の創出 成長事業に対しては、積極的な投資によって事業の早期拡大を実現していきます。メディカル材料、コラーゲン材料は、品質や機能の向上によりライフサイエンス分野への展開を推進します。アルミニウム化合物やナノ材料などの機能性材料は顧客ニーズや技術動向を踏まえ開発と拡販に取り組みます。完全人工栽培に成功した「バカマツタケ」は、引き続き事業化に向け課題解決に取り組んでまいります。また、新事業・新商品の創出に関しては、自社開発に加え、産官学連携、M&A、海外進出などについても積極的に検討してまいります。 ② 既存事業の深化による収益力向上 アグリ事業は、国内需要のさらなる縮小が予想される中、生産の合理化、物流の効率化などの取り組みの徹底に加え、農業関連の周辺領域の開拓により事業の拡大に努めます。化学品事業の水処理薬剤は、環境配慮型の水処理薬剤の市場浸透が進んできており、引き続き拡販に努めるとともに、気候変動に伴う水質の変化に対応した薬剤の開発等により新たな収益機会の獲得を目指します。不動産事業は、事業拡大と地域社会への貢献の両立を目指し、自社開発エリアを中心としたコンパクトシティ化に取り組んでまいります。 ③ サステナビリティ・トランスフォーメーションの実践 「サステナビリティビジョン2030」で定めた4つのマテリアリティ、重要課題への取り組みを推進します。特に温室効果ガス削減を含む気候変動への対応、人的資本経営の推進、DXの推進など、当社グループの持続的な成長、発展に向けた取り組みにより企業価値の向上を図ります。 ④ GRCの推進 進展するビジネスのグローバル化、ICTの急速な発達など、企業を取り巻く経営環境の変化がますます激しくなる中、対応すべきリスクや要求されるコンプライアンスも複雑化・多様化してきております。ガバナンス(G)、リスク管理(R)、コンプライアンス(C)を一体的に捉え、責任ある企業活動を推進します。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、経済社会活動の正常化が進む中で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復しているものの、物価の上昇や通商政策などアメリカの政策動向、金融資本市場の変動による下振れリスクの影響など不透明な状況で推移しました。 このような環境の中、当社グループにおいては令和6年1月から推進している「中期経営計画2028」に基づいて、既存事業の収益力向上などに努めた結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。 a.財政状態 当連結会計年度末における資産合計は、656億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ72億50百万円増加いたしました。 当連結会計年度末における負債合計は、223億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億81百万円増加いたしました。 当連結会計年度末における純資産合計は、433億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ53億68百万円増加いたしました。 b.経営成績 当連結会計年度の売上高は419億77百万円(前期比7.9%増)、営業利益は31億63百万円(前期比18.6%増)、経常利益は37億80百万円(前期比19.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は32億77百万円(前期比42.5%増)となりました。 なお、洛東化成工業株式会社(決算日10月31日)が当社連結子会社となったことを受けて、当社グループ化学品事業として、同社の令和7年2月から10月の9カ月間の業績を反映させております。  セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (アグリ) 肥料の販売数量が増加したことや、販売価格が原料価格の上昇により値上がりし、売上高は118億63百万円と前期に比べ10.1%の大幅な増加となり、加えて生産方式の合理化などにより、営業利益は4億85百万円と前期に比べ110.9%の大幅な増加となりました。 (化学品) 水処理薬剤は、超高塩基度ポリ塩化アルミニウムの販売数量が増加したことに加え、原料価格の上昇に伴う販売価格の是正に努めたことにより、売上高は134億17百万円と前期に比べ11.8%の大幅な増加となりました。 機能性材料は、スマートフォン向け高純度酸化タンタルの販売数量が競争の激化により減少したものの、自動車関連セラミック繊維向け高塩基性塩化アルミニウム等の販売数量が好調に推移し、売上高は66億19百万円と前期に比べ7.3%の増加となりました。 その他化学品の売上高は1億75百万円と前期に比べ11.4%の増加となりました。 それらの結果、売上高は202億12百万円と前期に比べ10.3%の大幅な増加となり、営業利益は23億12百万円と前期に比べ10.8%の大幅な増加となりました。 (建材) 石こうボードの販売数量は減少したものの、販売価格が上昇したことにより、売上高は37億97百万円と前期に比べ2.5%の増加となり、加えてエネルギーコストの減少などにより、営業利益は1億52百万円と前期に比べ178.7%の大幅な増加となりました。 (石油) 燃料油の販売数量は需要の減退により減少したものの、販売価格が値上がりしたことにより、売上高は19億63百万円と前期に比べ0.3%の増加となり、加えて販売費及び一般管理費の削減などにより、営業利益は16百万円と前期に比べ28.1%の大幅な増加となりました。(不動産) ショッピングセンターの賃料収入は前期並みに推移したものの、賃貸物件の減少などにより、売上高は13億15百万円と前期に比べ1.8%の減少となり、営業利益は7億21百万円と前期に比べ2.0%の減少となりました。 (運輸) 物品販売は減少したものの、貨物輸送量や荷役量が増加したことにより、売上高は28億26百万円と前期に比べ0.5%の増加となり、営業利益は3億8百万円と前期に比べ3.9%の増加となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは23億10百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは10億56百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは14億55百万円の支出となり、その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に比べ2億2百万円減少し、72億56百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 売上債権の増加による資金の減少が9億68百万円、棚卸資産の増加による資金の減少が9億63百万円、その他の資産の増加による資金の減少が3億33百万円、法人税等の支払が12億79百万円ありましたが、税金等調整前当期純利益43億74百万円、減価償却費13億62百万円、仕入債務の増加による資金の増加が7億52百万円あったことなどにより、23億10百万円の資金の増加(前年同期は43億43百万円の増加)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資有価証券の売却による収入が8億40百万円ありましたが、固定資産の取得による支出が15億62百万円あったことなどにより、10億56百万円の資金の減少(前年同期は16億13百万円の減少)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 自己株式の取得による支出が7億円、配当金の支払による支出が4億66百万円あったことなどにより、14億55百万円の資金の減少(前年同期は3億52百万円の減少)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称 当連結会計年度(自 令和7年1月1日  至 令和7年12月31日) 前年同期比(%)アグリ(百万円)11,539107.4化学品(百万円)20,425113.3建材(百万円)3,783102.3石油(百万円)1,927100.2不動産(百万円)130.9運輸(百万円)41284.2合計(百万円)38,089109.2 (注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.上記の金額には、外注製品受入高が含まれております。 b.受注実績 製品の大部分について、需要予測をもとに見込生産方式を採用しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称 当連結会計年度(自 令和7年1月1日  至 令和7年12月31日) 前年同期比(%)アグリ(百万円)11,863110.1化学品(百万円)20,212110.3建材(百万円)3,797102.5石油(百万円)1,963100.3不動産(百万円)1,31598.2運輸(百万円)2,826100.5合計(百万円)41,977107.9 (注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1) 財政状態(資産合計) 当連結会計年度末の総資産は、656億53百万円(前期比72億50百万円増)となりました。流動資産は、現金及び預金が2億92百万円減少しましたが、受取手形及び売掛金が7億16百万円、電子記録債権が3億94百万円、商品及び製品が7億99百万円、原材料及び貯蔵品が2億73百万円、流動資産のその他が3億70百万円それぞれ増加したことなどにより、298億16百万円(前期比25億42百万円増)となりました。固定資産は、有形固定資産が7億80百万円、投資有価証券が35億85百万円それぞれ増加したことなどにより、358億36百万円(前期比47億7百万円増)となりました。(負債合計) 負債の部は、退職給付に係る負債が3億50百万円減少しましたが、支払手形及び買掛金が7億75百万円、繰延税金負債が15億29百万円それぞれ増加したことなどにより、223億24百万円(前期比18億81百万円増)となりました。(純資産合計) 純資産の部は、自己株式の取得などにより6億11百万円減少しましたが、利益剰余金が28億11百万円、その他有価証券評価差額金が24億38百万円、退職給付に係る調整累計額が2億70百万円、洛東化成工業株式会社を新たに連結子会社化したことなどにより、非支配株主持分が3億62百万円それぞれ増加したことなどにより、433億28百万円(前期比53億68百万円増)となりました。 2) 経営成績(売上高及び営業利益) 売上高は419億77百万円(前期は389億16百万円)、営業利益は31億63百万円(前期は26億68百万円)となりました。(経常利益) 営業外収益は6億51百万円と前連結会計年度に比べ1億30百万円の増加、営業外費用は34百万円と前連結会計年度に比べ6百万円の増加となり、経常利益は37億80百万円(前期は31億61百万円)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益) 特別利益は6億97百万円と前連結会計年度に比べ1億9百万円の減少、特別損失は1億4百万円と前連結会計年度に比べ6億2百万円の減少、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた税金費用は10億81百万円と前連結会計年度に比べ1億17百万円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は32億77百万円(前期は22億99百万円)となりました。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの経営に影響を及ぼす可能性のある要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。これらのリスクの回避に努めるとともに発生した場合の対応に万全を期してまいります。 c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは、企業の持続的発展と企業価値の向上を実現するためには、株主資本の有効活用が不可欠であると考え、売上高、営業利益に加えてRОEを重要な指標の一つとして位置づけております。 当社グループでは、令和6年から5カ年を対象とする「中期経営計画2028」をスタートさせ、①成長事業への積極的投資と新事業の創出、②既存事業の深化による収益力向上、③サステナビリティ・トランスフォーメーションの実践、④GRCの推進、を基本方針とし、連結売上高440億円、連結営業利益35億円、ROE7.0%以上を最終年度の経営目標として定めております。 d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況 当社グループは、営業活動によって得られた資金を、市場環境や資本効率等を総合的に勘案し、更新投資及び成長投資、手元資金、株主還元等に適切なバランスで配分し、また必要に応じて追加の資金を財務活動によって調達することをキャッシュ・フローの基本方針としております。なお、更新投資は生産設備の更新及び合理化に、成長投資は研究開発及びそれに伴う設備投資並びに人材獲得・育成等に、手元資金は運転資金、財務基盤の強化等に、株主還元は配当金の支払等に充当しております。  当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 同期間における営業活動によるキャッシュ・フローは23億10百万円の収入であり、投資活動によるキャッシュ・フローは固定資産の取得等により10億56百万円の支出及び財務活動によるキャッシュ・フローは自己株式の取得による支出、配当金の支払等により14億55百万円の支出となったことから、当連結会計年度における連結ベースの資金は、前連結会計年度から2億2百万円減少し、72億56百万円となっております。 b.資本の財源及び資金の流動性 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資資金については長期借入金での調達をしております。また、多額の資金需要が発生した場合には、これらに加えエクイティファイナンス等による調達手段についても検討することとしております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。ただし、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますので、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものはありません。

事業リスク

  • 事業環境の変動リスク:国内外の経済情勢や業界再編、最終製品の市況変化が、特に機能性材料を扱う化学品事業や不動産事業の賃料収入に影響を与える可能性があります。経済の減速や競争激化は、売上や利益の減少に直結する恐れがあります。
  • エネルギーコスト高騰:石油・ガスの価格変動は、生産・販売コストに大きな影響を与えます。中東情勢や世界経済の変動による急激な価格上昇は、製品価格への転嫁が遅れると利益を圧迫します。また、炭素税導入などの環境規制強化もコスト増につながる可能性があります。
  • 原材料調達の不安定性:主要原料の多くが輸入品であり、海外の需給バランスや為替レートの変動に影響を受けます。各国の政策変更、情勢悪化、自然災害、感染症などによる供給中断や価格高騰は、安定的な生産活動を阻害し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|7,230 文字
3【事業等のリスク】当社グループにおけるリスク管理の体制と枠組みは、「危機管理方針」に基づいており、危機管理委員会において、当社グループに関する経営リスクの抽出・評価を行い、重大リスクの未然防止策や危機発生時の対応策等を策定するなど、グループ各社が連携してリスク管理やリスク対応力の向上に努めています。そして、経営会議及び取締役会において、事業及び投資に係るリスクの総合的かつ多面的な検討のほか、重点的に管理すべきリスクの評価・管理などをそれぞれ行っております。財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)に重要な影響を与える可能性があると当社グループが認識しているリスクのうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性があると考えられる主な事項は、以下のとおりです。ただし、これらのリスクは必ずしもそれぞれ独立して存在するものではなく、ある事象の発生に伴って、ほかの様々なリスクが増大する可能性があります。また、記載したリスク以外にも投資者の判断に重要な影響を与える事項が発生する可能性があります。なお、以下の(1)から(5)までの各区分に記載のリスクの順序は、当該リスクが現実化した場合の影響度やその蓋然性をそれぞれ5段階評価(下図参照)の上、経営会議及び取締役会において総合的に評価した結果に応じた順序としております。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 影響度評価蓋然性評価5高い高い4やや高いやや高い3中中2やや低いやや低い1低い低い (1) 経営環境に関するリスク① 事業環境の変動(影響度評価:4、蓋然性評価:4) 当社グループを取り巻く事業環境において、国内外の経済情勢や業界再編等の変動が、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 特に、化学品事業のうち機能性材料の製品群は、中間原材料であり、最終製品の市況の変化により、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、各担当部門において、業界、市況及びユーザーの動向を可能な限り確認し、速やかに必要な情報を関係部門と共有することなどにより、それぞれの対応に遅れが出ないよう注力しております。 また、不動産事業では、経済情勢や事業環境の変化等に伴うテナントからの賃料収入の減少により、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、リニューアルやリノベーションを行うことで常に商業施設としての価値の維持・強化に努めております。 ② エネルギーコスト(影響度評価:4、蓋然性評価:5) 当社グループが生産・販売にあたって購入する石油・ガスの価格は、中東情勢や世界経済の変動の影響を受け、急激な価格変動を起こすことがあります。これらの価格が急激に上昇することによりエネルギーコストが高騰した場合、製品価格への転嫁が遅れることなどにより、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また中長期的には、気候変動問題解決のため環境規制の強化策として、炭素税等が導入された場合、エネルギーコストの上昇につながる可能性があります。当該リスクへの対応策として、エネルギー管理の徹底・強化及びエネルギーのベストミックスに関する取り組みなどを行っておりますが、状況によっては当社グループの生産・販売活動への影響を十分に回避できない可能性があります。なお、当社グループは、脱炭素社会・カーボンニュートラルの実現に貢献するため、TCFD提言に基づいた情報開示を行っております。今後、シナリオ分析を進め情報開示を拡充していくとともに、策定したロードマップに沿って、脱炭素エネルギーの調達や省エネルギー施策などへの投資・資源配分などを通じて気候変動問題への対応に努めてまいります。 ③ 為替レートの変動(影響度評価:3、蓋然性評価:4) 当社グループが購入する主要原料の多くが輸入品であるため、為替レートの変動の影響を受ける場合があります。当該リスクへの対応策として、為替レートの動向・見通しを確認しつつ、購入の時期、数量を見極め、適宜調整するなどしております。また、一部の原料購入分については為替予約を行い、変動リスクを抑えるよう努めております。しかし、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、為替レートが大きく円安に振れ、それが継続した場合、コスト上昇分を吸収しきれないことや競争激化などで価格転嫁できないことにより、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 ④ 原材料の確保(影響度評価:4、蓋然性評価:4) 当社グループが購入する原料、資材、燃料等は、海外の需給バランスの影響を受けるものが多くあり、当該リスクへの対応策として、国内外の複数の取引先からの購入を行い、当社工場や国内の外部倉庫等に需要に応じた一定量の在庫を維持するなど、原材料価格の変動リスクを低減するための調整、及び原材料の安定調達に努めております。しかし、各国の政策変更、情勢悪化や輸出規制による供給不足、需要拡大による原材料価格の高騰が発生した場合や戦争、暴動、テロ、自然災害、感染症や伝染病等の蔓延、気候変動その他環境規制、ストライキ等により供給が中断及び制限された場合は、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 ⑤ 風評等(影響度評価:1、蓋然性評価:1) 当社グループの商品・サービス等に関連した、悪意のある風評・風説(以下、「風評等」という。)や、不正確または不十分な情報に基づくネガティブな報道等に起因する風評等が、それが事実であるか否かにかかわらず、当該商品・サービス等に対する信頼を毀損し、それが当社グループ全体に対する社会的信用にも影響を与えるような場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、風評被害への対応マニュアル等を定めておりますほか、平時から関係部門が風評等に関する情報の把握に努めております。 (2) 経営戦略に関するリスク① 技術革新(影響度評価:5、蓋然性評価:4) 当社グループの製品のうち、機能性材料の主要販売先は、技術革新の激しい業界であり、新規技術が開発されることにより、市場構造が急速に変化する場合があります。それに伴って、当社製品の競争力が著しく低下し、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、水処理薬剤など、上記以外の業界向け製品についても、競争力の高い代替製品の出現が、同様の影響を与える可能性があります。これらのリスクへの対応策として、将来の技術革新の方向性を注視し、次世代の技術に必要とされる機能性材料の開発などを進めてまいります。 ② 研究開発(影響度評価:4、蓋然性評価:3) 当社グループは、「研究開発は企業価値向上の原動力」と位置づけ、新製品・新技術の研究開発に注力しております。しかしながら、当社グループの研究開発は、新規事業の創出のための研究を含んでいるため、研究開発期間が長期間にわたる場合があり、また、研究開発活動の結果が目標と大きく乖離するような場合には、競争力が低下し、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、研究マネジメントの徹底により、研究開発の案件ごとに進捗状況や見通しを厳しく管理し、必要に応じて当該研究開発案件の継続可否、方向修正等の判断を行うこととしております。 (3) 事業運営に関するリスク① 自然災害及び感染症(影響度評価:5、蓋然性評価:5) 当社グループでは、自然災害及び感染症に関するリスクへの対応策として、自然災害や新型インフルエンザ等の感染症への対策等を定めておりますが、事業継続計画(BCP)の想定を超える大規模な地震や大雨、高潮等の自然災害や新型インフルエンザ等の未知の感染症による製造の中断、物流ルートの寸断などにより、製品の供給が長期間にわたって滞った場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 ② 事故等による操業停止(影響度評価:5、蓋然性評価:2) 当社グループは、組織的な労働安全衛生体制及び保安防災管理体制の構築・運用並びに設備の保全・保守等の対応策により、労働災害及び生産設備等の事故防止に取り組んでおります。しかしながら、重篤な労働災害や重大な火災・爆発・漏洩事故等の不測の事態が発生することを完全に防止することはできません。また、重大な事故等に至らない状況においても、安全、環境、製品の品質等を確保するために操業を停止しなければならない場合があります。これらのリスクが顕在化し、当社グループのいずれかの設備における一時的または長期にわたる操業の停止があった場合、製品によっては代替生産が難しいものもあるため、供給に支障をきたす可能性があり、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 ③ 情報セキュリティ(影響度評価:4、蓋然性評価:3) 当社グループの事業活動における情報システム・ネットワークへの依存度は年々高まっており、その対応策として、シンクライアント化、クラウドの利用等、セキュリティの高度化等により、システムやデータの保護に努めておりますが、自然災害等に伴う停電やコンピューターウイルスへの感染、ハッキング等により、ネットワーク障害、情報漏洩が発生する可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、事業活動に支障をきたし、当社グループに対する社会的信用に影響を与える場合があるほか、多額のコストが発生し、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、当社グループは、システムの運用やメンテナンス等の一部を第三者に委託しているため、システムの不具合等について、当社グループのみでは対処できない可能性があります。加えて、情報インフラの構築、運用、拡張に係るシステム投資や維持費用が、将来大幅に増加する可能性があります。 ④ 製造物責任(影響度評価:4、蓋然性評価:2) 当社グループでは、製造する各種製品の販売にあたり、製造物責任に関するリスク検討を確実に実施することで、製造物責任に関する問題の未然防止を図っております。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、製造物責任に関する問題が発生しないという保証はありません。製造物責任に基づく損害賠償については、PL保険に加入し、万一の事態に備えておりますが、賠償額が保険の補償範囲を超える大規模な製造物責任につながるような製品の欠陥が発生した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、品質保証体制を整備し、品質方針に基づく品質管理を徹底しておりますほか、関係部門が平時から潜在的なリスクの把握に努めております。 ⑤ 内部統制(影響度評価:2、蓋然性評価:1) 当社グループは、財務報告の信頼性を確保するための体制を整備・運用するとともに、継続的な改善により内部統制システムの強化に努めております。しかしながら、内部統制システムが有効なものであっても、役職員の悪意または重大な過失に基づく行動など、様々な要因により機能しなくなる可能性があります。 また当社グループは、業務の有効性と効率性を確保するための体制についても整備・運用するとともに、継続的な改善を図っております。しかしながら、内部統制システム構築時点では想定していなかった非定型な取引や事業・社会環境等の変化に、当社グループ内の組織・機能が適切に対応できず、構築された業務プロセスが十分に機能しない可能性があります。 これらの事象に適切に対処できない場合、将来的に法令違反等の問題が発生する可能性があり、それに伴い、当社グループの社会的信用の失墜により事業に影響が生じる、または課徴金や罰金、損害賠償等の支払いが生じることにより、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 以上のとおり、内部統制システムには本質的に内在する固有のリスク把握には限界があるため、その目的が完全に達成されることを保証するものではありませんが、これらのリスクへの対応策として、コンプライアンス教育を含む不正防止策の強化・徹底及びその不断の見直しによる改善のほか、平時より業務プロセスの機能不全につながるような潜在的リスクの把握に努めております。 (4) 経理・財務に関するリスク① 棚卸資産(影響度評価:2、蓋然性評価:4) 当社グループの棚卸資産の評価方法は、総平均法による原価法(収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)であります。当社グループが保有する棚卸資産について、市場価格の下落等により多額の簿価切下げが発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、各担当部門において販売計画、製品在庫、原料在庫及び原料購入の適正化等をそれぞれ実施しております。 ② 有価証券の減損(影響度評価:2、蓋然性評価:3) 当社グループは、株式市場の変動の影響を受ける有価証券を保有しております。当社グループが保有する有価証券の市場価格の大幅な下落等により、減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、保有目的が純投資目的である株式については、株式市場の変動を踏まえ機動的に売却できる体制としているほか、保有目的が純投資目的以外である投資株式については、定期的に保有の合理性を検証し、適宜縮減する方針としております。 ③ 固定資産の減損(影響度評価:3、蓋然性評価:2) 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。将来、当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下や市場価格の下落等により減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、定期的に減損テストを実施することにより、潜在的な減損リスクの把握や販売計画の適正化、減損が必要な事態となる前の売却等の見極めに努めております。また、必要に応じて不動産鑑定評価などを実施しております。 ④ 繰延税金資産(影響度評価:2、蓋然性評価:2) 当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断を行っております。将来の課税所得の予測・仮定を変更した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。また、税制改正に伴い、税率変更等が実施された場合は、繰延税金資産の計算の見直しが必要となり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、関係部門が平時から監査法人と十分にコミュニケーションをとり、潜在的な税務リスクの把握に努めております。 (5) 法務・知財に関するリスク① 訴訟等(影響度評価:3、蓋然性評価:2) 当社グループは、国内及び海外における事業活動の中で、訴訟、係争、その他の法的手続きの対象となる可能性があり、将来重要な訴訟等が提起された場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、コンプライアンス研修を定期的に実施するほか、関係部門が平時から潜在的な訴訟リスクの把握に努め、必要に応じて外部専門家と連携するなどしております。 ② 知的財産(影響度評価:3、蓋然性評価:1) 当社グループは、独自の技術やノウハウを蓄積し、競争力の強化を図ってまいりましたが、係る技術やノウハウは、厳正な管理を行っているものの、予期しない事態により外部へ流出する可能性があります。加えて、第三者が当社グループの知的財産を不正に使用して類似商品を製造する可能性があります。また将来、知的財産に係る紛争が生じ、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。当該リスクへの対応策として、関係部門が平時から潜在的な知財紛争リスクの把握に努め、必要に応じて外部専門家と連携するなどしております。また、役職員の退職にあたっては、係る技術やノウハウが社外に流出することを防ぐため、秘密保持契約を締結するなどしております。さらに、これらのリスクへの対応策の実効性を上げるため、知的財産保護についての教育を継続して行っております。 ③ 法規制等(影響度評価:3、蓋然性評価:3) 当社グループに関連する法令等に関しては、国内外において大幅な変更や規制の強化等が行われる可能性があります。特に、温室効果ガス排出の規制強化や炭素税などの新しい法規制・政策が導入される可能性があり、係る法令の改変が、当社グループの事業活動に支障をきたす場合があります。また、諸法令に基づき当社グループが受けている許認可等について、現時点においては、それら法規制等に基づく許認可等が取消しとなるような事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により取消事由等に該当し、事業活動の制限や新たなコストが発生した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。 これらのリスクへの対応策として、関係部門が係る法令の改変に関する最新の情報を収集し、また許認可等の状況を定期的に確認することにより、必要に応じて迅速に対応できる体制としております。

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