3900

クラウドワークス(3900)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • マッチング事業
    クラウドワークスは、企業とフリーランスを繋ぐ日本最大級のオンラインプラットフォームを運営しています。企業は必要なスキルを持つ人材に仕事を依頼でき、フリーランスは場所や時間にとらわれずに仕事を見つけられます。このプラットフォームを通じて、子育て中の人や副業希望者など、多様な働き方を支援しています。
  • エージェント事業
    専門性の高い人材を求める企業向けに、フリーランス人材を提案するエージェントサービス「クラウドワークス エージェント」を提供しています。企業の経営課題に合わせて、最適な人材を迅速かつ柔軟な期間で提供し、人材マッチングだけでなく課題解決まで支援することで収益を得ています。
  • SaaS事業
    企業向けの工数管理ツール「クラウドログ」を中心に、企業の生産性向上を支援するSaaS(Software as a Service)を提供しています。このツールは累計900社以上の企業に導入されており、月額利用料などの形で安定的な収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • マッチング事業
    この事業は、オンライン人材マッチングプラットフォーム「クラウドワークス」と、フリーランス人材を企業に紹介するエージェントサービス「クラウドワークス エージェント」で構成されています。売上高は214.39733億円、営業利益は17.59453億円と、同社グループの主要な収益源であり、事業全体の大部分を占めています。
  • SaaS事業
    企業向けの工数管理ツール「クラウドログ」などを提供し、企業の生産性向上を支援する事業です。売上高は10.97648億円、営業利益は0.53933億円であり、マッチング事業と比較すると規模は小さいですが、安定的な収益基盤として成長を目指しています。
  • DXコンサルティングの推進
    マッチング事業の一環として、DXコンサルティングの立ち上げを推進しています。これは、単なる人材紹介に留まらず、企業のDX推進における戦略立案から実行支援までを一貫して提供することで、新たな成長ドライバーと位置づけられています。
2025-09 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
MatchingBusiness 地域 214 18 8.2%
SaaSBusiness 地域 11 1 4.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,450 文字
3【事業の内容】 当社グループは、「個のためのインフラになる」というミッションを掲げ、フリーランス業界最大級プラットフォーム(登録ワーカー数700万人・登録企業100万社)を基盤に、IT人材&DXコンサルティングサービスを提供しております。 当社グループのマッチング事業では、オーガニックで年間約70万人が新規登録するオンライン人材マッチングプラットフォーム「クラウドワークス」のワーカーを、当社のエージェント人材がクライアントニーズに合わせて提案するアカウントセールス体制を構築しています。さらに、M&AによるDXケイパビリティ獲得およびコンサルタント・常駐エンジニアの採用活動強化により、DXコンサルティングの立ち上げにも取り組んでおります。また、ビジネス向けSaaS事業においては、工数管理SaaS「クラウドログ」を中心に、企業の生産性向上を支援しています。  当連結会計年度におけるセグメント情報及び事業内容との関連は次のようになっております。 (マッチング事業) 当社グループのマッチング事業は、プラットフォーム領域と、エージェント領域に分かれています。プラットフォーム領域の主事業は、日本最大級のオンライン人材マッチングプラットフォームである「クラウドワークス」です。同サービス上で企業が登録した仕事の依頼に個人が応募し、個人のスキルや条件が仕事依頼に合致すればマッチングが成立します。企業はプラットフォームに登録する個人の中から、必要な時に必要なスキルを持つ人材に仕事を依頼でき、個人は自ら顧客開拓を行うことなく仕事をする機会を獲得できます。マッチング後も、原則的にオンラインで成果物の納品・検収、報酬の決済が行われるため、個人にとっては時間や場所にとらわれることのない働き方が実現できます。これにより、子育てや介護を理由にフルタイムで働くことが難しい方や、より自由なライフスタイルを求めるエンジニアやクリエイター、副業・兼業希望者への新たな活躍の場を提供しております。 エージェント領域の主事業は、フリーランス登録数No.1の総合人材ソリューションパートナー「クラウドワークス エージェント」です。より専門性の高い人材を定期的に活用したい企業に対して、「ピンポイントな人材提供」「スピーディーなマッチング」「フレキシブルな期間設定」で経営課題解決を支援します。また、第3の収益事業として、DXコンサルティングの立ち上げを推進しています。DXコンサルティング事業の特長は、人材マッチングのみならず、顧客課題を捉え、解決に資するソリューションを提供することに主眼を置いている点にあります。正社員コンサルタントと課題解決に最適なスキルを持つフリーランス、グループ会社のDX開発ケイパビリティを組み合わせることで、戦略から実行支援まで一気通貫で提供する体制を構築しております。  マッチング事業のビジネスモデルは、以下の通りです。プラットフォーム領域は、システム型のマッチング契約で、システム利用料(テイクレート)及びオプション料を売上として計上しています。エージェント領域はサポート型のマッチング契約で、業務委託料+手数料の総額を売上として計上しています。 (ビジネス向けSaaS事業) ビジネス向けSaaS事業では、企業向けの工数管理ツール「クラウドログ」を中心に、企業の生産性を向上するツールを提供しております。導入社数は累計900社以上となり、大手企業を中心に順調に伸ばしております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
フリーランス業界最大級プラットフォームの登録ワーカー数700万人・登録企業100万社。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
フリーランス業界最大級プラットフォーム(登録ワーカー数700万人・登録企業100万社)
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:事業構造の変革に伴うリスク / DXコンサルティング事業への積極的な先行投資に関する影響 / DX事業の急拡大に伴う組織体制・人材確保の遅延
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

クラウドワークスはフリーランス・副業マッチングプラットフォーム「クラウドワークス」を運営。ブランド認知度は一定あるが、特許や独占的IPによる明確な優位性は見えにくい。新規参入障壁は低いとは言えない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

プラットフォーム利用者は、過去の評価や実績が蓄積されるため、他のプラットフォームへの移行には一定の心理的・実務的コストが発生する可能性がある。しかし、手数料や機能面で魅力的なサービスがあれば移行は十分に考えられる。

ネットワーク効果★★★☆☆
根拠:中程度利用者増が価値を生む

プラットフォームの価値は、求職者(ワーカー)と求人者(クライアント)双方の数に依存する。ワーカーが増えればクライアントにとって魅力が増し、クライアントが増えればワーカーにとって仕事が増えるというネットワーク効果が働く可能性がある。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

情報通信業であり、特定の製造プロセスや仕入れルートによるコスト優位性は見られない。プラットフォーム運営における規模の経済は存在する可能性があるが、構造的なコスト優位性とは異なる。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

国内のクラウドソーシング市場においては一定のシェアを持つが、業界全体がまだ成熟しておらず、絶対的な寡占状態とは言えない。今後の市場拡大に伴い、規模の経済が働く可能性はある。

  • 最大級のプラットフォーム
    クラウドワークスは登録ワーカー数700万人、登録企業数100万社という業界最大級のプラットフォームを運営しており、この規模が大きな強みです。多くのワーカーと企業が集まることで、多様なニーズに対応できるマッチング機会が生まれ、さらに多くのユーザーを引き寄せるネットワーク効果を生んでいます。
  • 多様な働き方の支援
    子育てや介護でフルタイム勤務が難しい人、自由な働き方を求めるエンジニアやクリエイター、副業希望者など、様々な背景を持つ個人に仕事の機会を提供しています。これにより、社会全体の労働力活用に貢献し、企業側も多様なスキルを持つ人材を確保できるというメリットがあります。
  • DXコンサルティングへの展開
    単なる人材マッチングに留まらず、DXコンサルティング事業を立ち上げ、企業の課題解決に踏み込んだソリューションを提供しています。正社員コンサルタントとフリーランス、グループ会社の開発力を組み合わせることで、戦略立案から実行支援まで一貫したサービスを提供できる点が強みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループは『人とテクノロジーが調和する未来を創り、個の幸せと社会の発展に貢献する』というビジョンを掲げ、フリーランス業界最大級プラットフォーム(登録ユーザー700万人・登録企業100万社)を基盤に、IT人材&コンサルティングサービスを提供しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは上記に掲げたビジョン実現に向け、ワーカーに対しては報酬の獲得機会や働く選択肢の拡大を、企業に対してはコンサルティングによる顧客課題の特定、DX推進支援、課題解決に最適な人材の提供を通じて市場拡大に努めており、2025年9月期についても引き続き成長率の向上と利益拡大を図ってまいりました。また、当社グループは、創業以来、投資と生産性向上を繰り返すことで、営業利益を拡大しつつ、営業利益率も向上してまいりました。この業績拡大サイクルに基づき、飛躍的成長を目指して、定期的な事業ポートフォリオの構造改革と経営資源の最適配分を通じた高収益な事業構造への転換を継続的に図ってまいります。 (2)事業環境 日本の構造的な人手不足が深刻化する中、企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)やAX(AIトランスフォーメーション)推進による労働基盤改革の需要が高まっており、こうした流れは当社グループにとっては追い風となります。一方で、従来型業務のAI等への置き換えが進み、人材に求められるスキルは高度化しています。また、労働構造の変化に伴い、個人は多様な働き方を求める一方で、チーム連携を重視したオフィス回帰も加速しており、個人と企業の間で最適な働き方を巡るミスマッチが発生しやすい状況にあります。 当社グループは、このスキルの高度化と最適な働き方を巡るミスマッチの発生が、既存のマッチング事業の成長鈍化を招く可能性があると認識しております。この課題を克服し、中長期目標を達成するため、当社グループは正社員コンサルタントと700万人超のユーザーデータベースから課題解決に最適なフリーランスを組み合わせたハイブリッドコンサルティングモデルの確立に取り組んでおります。戦略立案から実行までをリーズナブルに提供することで、中堅・中小企業に対しても経営知見を解放する「コンサルの民主化」を推進し、日本全体の生産性向上に貢献してまいります。 (3)中長期の成長に向けて対処すべき課題等 今般グループでは、継続的な成長実現のため、以下の事項を重要課題として取り組んでまいります。 ① 収益基盤の拡大 当社グループはこれまで人材マッチングを軸に企業の生産性を向上するソリューションを提供してまいりました。しかしながら、AI等のテクノロジーの急速な発達や、企業のオフィス回帰に伴うリモートワーカーを中心としたワーカー需要の構造変化により、既存事業の成長が鈍化するおそれがあります。これに対応すべく、当社グループは収益基盤を抜本的に見直し、収益源を拡大することが重要課題であると認識しております。そのため、正社員コンサルタント及び常駐エンジニアの採用を強化し、第3の収益事業としてDXコンサルティング事業を立ち上げております。専任のコンサルタントが、700万人を超えるユーザーデータベースとM&Aにより獲得したDXケイパビリティを総合的に活用し、クライアント企業の生産性向上を推進してまいります。 ② 組織体制の強化と高度スキル人材の確保 事業ポートフォリオの構造改革、およびDXコンサルティングの確立を実現するためには、高度人材の確保と育成が重要な課題となります。当社グループは、専門性の高い正社員コンサルタントの戦略的な採用を強化しており、2025年9月期においては採用コストを抑制しつつ、計画通り10名のコンサルタント採用に成功いたしました。また、DX事業を牽引する人材の定着を重要課題と位置づけ、コンサルタント職専用の評価制度の設計も推進しております。今後も継続的な成長を支えるため、早期の制度稼働と、専門性の高い組織体制の整備を引き続き図ってまいります。 ③ 新事業のブランド確立 当社グループが提唱する「コンサルの民主化」という概念を市場に浸透させ、継続的な成長を実現するためには、DXコンサルティング事業における確固たるブランドイメージの確立が重要な課題です。これに対応するため、グループ会社である株式会社インゲートを存続会社、株式会社CLOCK・ITを消滅会社とする吸収合併を実施し、社名を株式会社クラウドワークス コンサルティングに変更いたしました。この株式会社クラウドワークス コンサルティングをコンサルティング特化の専門組織として位置づけ、積極的な広報・マーケティング活動を通じてブランド価値の確立に努めてまいります。 ④ グループ経営の強化とシナジーの最大化 当社グループは、多様化・複雑化する顧客の経営課題解決のため、M&Aにより獲得したケイパビリティの活用が不可欠であると認識しており、M&A後の統合プロセス(PMI)を効果的に推進することが重要課題となります。PMIの一環として、「CW Growth Driver」としてポリシー化した当社の経営ノウハウをグループ各社に提供しており、かかる取り組みを通じて2025年9月期にはグループ会社の営業利益の黒字化を実現いたしました。今後、さらなるシナジー最大化を図るため、グループ企業間の共同顧客提案を通じた業績拡大を目指します。また、規模拡大に伴うグループ全体の経営管理体制(財務・法務・内部統制)のガバナンス強化を引き続き図ってまいります。 ⑤ プラットフォームの競争優位性維持と技術革新 当社グループの競争優位性の源泉である100万社超の企業と700万人超のユーザーデータベースの価値を維持・強化するため、継続的な技術開発を行うとともに、収益構造のさらなる強化が重要な課題となります。これに対応するため、AIチャットボット等の発注UX改善と、ユーザーデータベースを活用したBPOパッケージ化を通じた「AI-BPO」サービスの開発を行ってまいります。BPO業務のAI完結モデルを内製で先行構築することで、品質および信頼性を担保いたします。将来的には高利益率モデルをフリーランスへ開放することで、提供規模を拡充し、市場の拡大を図ってまいります。 ⑥ 財務基盤の健全性維持と資本効率の向上 DXコンサルティングへの積極投資と、人材マッチングにおける不採算事業の整理・撤退を伴う構造改革を断行する上で、財務規律の維持は極めて重要な課題と認識しております。特に、最大25.5億円の成長投資を実行する2026年9月期においては、一時的に営業損失を計上する見込みであるため 、投資対効果を厳格に管理し、中長期的な資本効率の向上と財務健全性を両立させることが重要課題となります。これに対応するため、人材マッチングの収益性を重視した構造改革を推進し、全10サービス・8グループ会社を対象にWACC(加重平均資本コスト)を下回る不採算事業の撤退検討を機動的に実施することで、経営資源の最適配分を図ってまいります。 (4)その他経営における重要な取り組み ① 継続的な生産性向上文化の推進とAI/AXの活用 当社グループは、創業以来、「投資と生産性向上を繰り返す業績拡大サイクル」を経営の基盤として維持・強化しております。このサイクルに基づき、2020年9月期に策定した生産性向上ポリシーに則り、継続的な生産性向上のための活動を行っております。主な取り組みとして、生産性向上ナレッジ共有コンテスト「PPP(Personal Purpose Pitch)」を通じて部門を横断したナレッジ共有を図るなど、全社最適で生産性向上に取り組んでおります。 この企業文化を背景に、2025年9月期よりAX戦略室を発足し、全社的なAI/AX投資を通じたさらなる生産性を実現し、中核事業の成長投資の原資を持続的に創出しております。具体的な成果として、今期は160件のAI活用事例創出と、9,977時間/年の工数削減を実現いたしました。 ② 人的資本経営への取り組み 当社はミッション「個のためのインフラになる」実現のために、人への投資は重要な課題と考えています。人材育成並びに組織体制の強化のため、当社のミッションと従業員一人ひとりの働く目的や社会的な意義を接続し、各々が「個」として活躍できる企業風土の整備を推進しています。また、柔軟な働き方を体現するため、フルフレックスやフルリモートワーク、副業制度を導入し、社員のリスキリング機会の提供や能力向上を図るなど、多様なキャリアパスを支援しております。 2025年9月期においては、女性活躍推進に関する優良企業として、厚生労働大臣認定制度「えるぼし」2つ星を取得いたしました。女性管理職比率25.7%(同業界平均の2.4倍*)、女性労働者の比率は37.1% (同業界平均25.8%の1.4倍*)を達成するなど、性別や働き方に依らず誰もが能力を最大限に発揮できる環境づくりを推進しています。 *情報通信業の産業平均については厚生労働省 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定制度に係る基準における「平均値」について(令和6年) を参照https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001265719.pdf
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループは『人とテクノロジーが調和する未来を創り、個の幸せと社会の発展に貢献する』というビジョンを掲げ、フリーランス業界最大級プラットフォーム(登録ユーザー700万人・登録企業100万社)を基盤に、IT人材&コンサルティングサービスを提供しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは上記に掲げたビジョン実現に向け、ワーカーに対しては報酬の獲得機会や働く選択肢の拡大を、企業に対してはコンサルティングによる顧客課題の特定、DX推進支援、課題解決に最適な人材の提供を通じて市場拡大に努めており、2025年9月期についても引き続き成長率の向上と利益拡大を図ってまいりました。また、当社グループは、創業以来、投資と生産性向上を繰り返すことで、営業利益を拡大しつつ、営業利益率も向上してまいりました。この業績拡大サイクルに基づき、飛躍的成長を目指して、定期的な事業ポートフォリオの構造改革と経営資源の最適配分を通じた高収益な事業構造への転換を継続的に図ってまいります。 (2)事業環境 日本の構造的な人手不足が深刻化する中、企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)やAX(AIトランスフォーメーション)推進による労働基盤改革の需要が高まっており、こうした流れは当社グループにとっては追い風となります。一方で、従来型業務のAI等への置き換えが進み、人材に求められるスキルは高度化しています。また、労働構造の変化に伴い、個人は多様な働き方を求める一方で、チーム連携を重視したオフィス回帰も加速しており、個人と企業の間で最適な働き方を巡るミスマッチが発生しやすい状況にあります。 当社グループは、このスキルの高度化と最適な働き方を巡るミスマッチの発生が、既存のマッチング事業の成長鈍化を招く可能性があると認識しております。この課題を克服し、中長期目標を達成するため、当社グループは正社員コンサルタントと700万人超のユーザーデータベースから課題解決に最適なフリーランスを組み合わせたハイブリッドコンサルティングモデルの確立に取り組んでおります。戦略立案から実行までをリーズナブルに提供することで、中堅・中小企業に対しても経営知見を解放する「コンサルの民主化」を推進し、日本全体の生産性向上に貢献してまいります。 (3)中長期の成長に向けて対処すべき課題等 今般グループでは、継続的な成長実現のため、以下の事項を重要課題として取り組んでまいります。 ① 収益基盤の拡大 当社グループはこれまで人材マッチングを軸に企業の生産性を向上するソリューションを提供してまいりました。しかしながら、AI等のテクノロジーの急速な発達や、企業のオフィス回帰に伴うリモートワーカーを中心としたワーカー需要の構造変化により、既存事業の成長が鈍化するおそれがあります。これに対応すべく、当社グループは収益基盤を抜本的に見直し、収益源を拡大することが重要課題であると認識しております。そのため、正社員コンサルタント及び常駐エンジニアの採用を強化し、第3の収益事業としてDXコンサルティング事業を立ち上げております。専任のコンサルタントが、700万人を超えるユーザーデータベースとM&Aにより獲得したDXケイパビリティを総合的に活用し、クライアント企業の生産性向上を推進してまいります。 ② 組織体制の強化と高度スキル人材の確保 事業ポートフォリオの構造改革、およびDXコンサルティングの確立を実現するためには、高度人材の確保と育成が重要な課題となります。当社グループは、専門性の高い正社員コンサルタントの戦略的な採用を強化しており、2025年9月期においては採用コストを抑制しつつ、計画通り10名のコンサルタント採用に成功いたしました。また、DX事業を牽引する人材の定着を重要課題と位置づけ、コンサルタント職専用の評価制度の設計も推進しております。今後も継続的な成長を支えるため、早期の制度稼働と、専門性の高い組織体制の整備を引き続き図ってまいります。 ③ 新事業のブランド確立 当社グループが提唱する「コンサルの民主化」という概念を市場に浸透させ、継続的な成長を実現するためには、DXコンサルティング事業における確固たるブランドイメージの確立が重要な課題です。これに対応するため、グループ会社である株式会社インゲートを存続会社、株式会社CLOCK・ITを消滅会社とする吸収合併を実施し、社名を株式会社クラウドワークス コンサルティングに変更いたしました。この株式会社クラウドワークス コンサルティングをコンサルティング特化の専門組織として位置づけ、積極的な広報・マーケティング活動を通じてブランド価値の確立に努めてまいります。 ④ グループ経営の強化とシナジーの最大化 当社グループは、多様化・複雑化する顧客の経営課題解決のため、M&Aにより獲得したケイパビリティの活用が不可欠であると認識しており、M&A後の統合プロセス(PMI)を効果的に推進することが重要課題となります。PMIの一環として、「CW Growth Driver」としてポリシー化した当社の経営ノウハウをグループ各社に提供しており、かかる取り組みを通じて2025年9月期にはグループ会社の営業利益の黒字化を実現いたしました。今後、さらなるシナジー最大化を図るため、グループ企業間の共同顧客提案を通じた業績拡大を目指します。また、規模拡大に伴うグループ全体の経営管理体制(財務・法務・内部統制)のガバナンス強化を引き続き図ってまいります。 ⑤ プラットフォームの競争優位性維持と技術革新 当社グループの競争優位性の源泉である100万社超の企業と700万人超のユーザーデータベースの価値を維持・強化するため、継続的な技術開発を行うとともに、収益構造のさらなる強化が重要な課題となります。これに対応するため、AIチャットボット等の発注UX改善と、ユーザーデータベースを活用したBPOパッケージ化を通じた「AI-BPO」サービスの開発を行ってまいります。BPO業務のAI完結モデルを内製で先行構築することで、品質および信頼性を担保いたします。将来的には高利益率モデルをフリーランスへ開放することで、提供規模を拡充し、市場の拡大を図ってまいります。 ⑥ 財務基盤の健全性維持と資本効率の向上 DXコンサルティングへの積極投資と、人材マッチングにおける不採算事業の整理・撤退を伴う構造改革を断行する上で、財務規律の維持は極めて重要な課題と認識しております。特に、最大25.5億円の成長投資を実行する2026年9月期においては、一時的に営業損失を計上する見込みであるため 、投資対効果を厳格に管理し、中長期的な資本効率の向上と財務健全性を両立させることが重要課題となります。これに対応するため、人材マッチングの収益性を重視した構造改革を推進し、全10サービス・8グループ会社を対象にWACC(加重平均資本コスト)を下回る不採算事業の撤退検討を機動的に実施することで、経営資源の最適配分を図ってまいります。 (4)その他経営における重要な取り組み ① 継続的な生産性向上文化の推進とAI/AXの活用 当社グループは、創業以来、「投資と生産性向上を繰り返す業績拡大サイクル」を経営の基盤として維持・強化しております。このサイクルに基づき、2020年9月期に策定した生産性向上ポリシーに則り、継続的な生産性向上のための活動を行っております。主な取り組みとして、生産性向上ナレッジ共有コンテスト「PPP(Personal Purpose Pitch)」を通じて部門を横断したナレッジ共有を図るなど、全社最適で生産性向上に取り組んでおります。 この企業文化を背景に、2025年9月期よりAX戦略室を発足し、全社的なAI/AX投資を通じたさらなる生産性を実現し、中核事業の成長投資の原資を持続的に創出しております。具体的な成果として、今期は160件のAI活用事例創出と、9,977時間/年の工数削減を実現いたしました。 ② 人的資本経営への取り組み 当社はミッション「個のためのインフラになる」実現のために、人への投資は重要な課題と考えています。人材育成並びに組織体制の強化のため、当社のミッションと従業員一人ひとりの働く目的や社会的な意義を接続し、各々が「個」として活躍できる企業風土の整備を推進しています。また、柔軟な働き方を体現するため、フルフレックスやフルリモートワーク、副業制度を導入し、社員のリスキリング機会の提供や能力向上を図るなど、多様なキャリアパスを支援しております。 2025年9月期においては、女性活躍推進に関する優良企業として、厚生労働大臣認定制度「えるぼし」2つ星を取得いたしました。女性管理職比率25.7%(同業界平均の2.4倍*)、女性労働者の比率は37.1% (同業界平均25.8%の1.4倍*)を達成するなど、性別や働き方に依らず誰もが能力を最大限に発揮できる環境づくりを推進しています。 *情報通信業の産業平均については厚生労働省 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定制度に係る基準における「平均値」について(令和6年) を参照https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001265719.pdf
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1)経営成績 当連結会計年度における我が国経済は、賃上げが進展し、インバウンド需要の堅調な回復を背景に、個人消費やサービス業活動に持ち直しの動きが見られ、回復基調を維持しています。一方で、主要経済圏における政策動向の変化や金融環境の不安定化、ならびに地政学的な緊張の高まりの影響を受け、先行きは依然として不透明な状況が続いています。 労働市場においては、構造的な人手不足の深刻化の影響を受け、企業は人材確保の課題に直面しています。こうした背景から、企業では業務の効率化・生産性向上に向けた動きが一層加速し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)やAX(AIトランスフォーメーション)推進による労働基盤改革の需要が高まっています。その結果、エンジニア市場においてはAIを活用した設計・分析・運用などのスキルを持つエンジニアへの需要は増加しています。一方で、従来型の業務はAI等の活用が進んでおり、エンジニアに求められるスキルの内容は高度化しています。 また、終身雇用・年功序列を主とした労働構造に変化が見られ、個人においては自律的なキャリア選択やライフステージに応じた多様な働き方に対するニーズが高まっています。一方で、企業側はチーム連携やコミュニケーションを重視する観点からオフィス回帰が加速しており、個人と企業の双方にとって最適な働き方を模索する局面にあります。 このような社会・経済環境のもと、当社グループは「個のためのインフラになる」をミッション、「人とテクノロジーが調和する未来を創り、個の幸せと社会の発展に貢献する」をビジョンとして掲げ、フリーランス人材を中心とした人材マッチングサービス及び企業の生産性を向上するDX・AIソリューションを展開しています。2025年9月末時点で登録ユーザー数は743.8万人(前年同期比+71.6万人)、登録クライアント数は107.2万社(前年同期比+6.6万社)となりました。当社の5つの経営アセット「CW Growth Driver(国内最大級の人材データベース、プロダクトカルチャー、CWセールスモデル、生産性向上文化、CWマネジメントポリシー)」の活用と、グループ連携を通じたアカウントセールス体制の強化を通じ、売上・利益の拡大に取り組んでおります。  以上の結果、当連結会計年度の当社グループの業績は、売上高は22,657,413千円(前年同期比32.4%増)、営業利益は1,759,112千円(前年同期比31.2%増)、経常利益は1,759,193千円(前年同期比26.9%増)となりましたが、特別損失にのれんの減損損失1,075,141千円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は257,066千円(前年同期は910,756千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 ① マッチング事業 売上高は21,439,733千円(前年同期比32.1%増)、セグメント利益は1,759,453千円(前年同期比30.2%増)となりました。 ② ビジネス向けSaaS事業 売上高は1,097,963千円(前年同期比42.8%増)となり、セグメント利益は53,933千円(前年同期のセグメント損失は71,463千円)となりました。 (2)生産、受注及び販売の実績 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績 生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。 ② 受注実績 受注に該当する事項が無いため、受注実績に関する記載はしておりません。 ③ 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前期比(%)マッチング事業21,439,73332.1%ビジネス向けSaaS事業1,097,64842.9%その他120,0319.1%合計22,657,41332.4%(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。 (3)財政状態(資産) 当連結会計年度末における総資産は15,690,790千円となり、対前期末比で2,153,708千円増加いたしました。流動資産は対前期末比で2,658,562千円の増加となり、その主な内訳は、現金及び預金が2,130,000千円、売掛金及び契約資産が540,408千円増加したものであります。固定資産は対前期末比で504,854千円の減少となり、その主な内訳は、のれんが1,151,060千円増加、投資その他の資産のその他に含まれる投資有価証券が1,900,113千円減少したものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は8,944,727千円となり、対前期末比で2,712,105千円増加いたしました。流動負債は対前期末比で58,618千円の増加となり、その主な内訳は、短期借入金が835,162千円、契約負債が32,689千円減少、未払金が455,052千円、未払法人税等が259,373千円増加したものであります。固定負債は対前期末比で2,653,486千円の増加となり、その主な内訳は、長期借入金が2,713,563千円増加したものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は6,746,063千円となり、対前期末比で558,396千円減少いたしました。純資産の減少の主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純損失257,066千円の計上及び剰余金の配当283,561千円によるものであります。 (4)キャッシュ・フロー 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は8,282,371千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による収入は1,738,297千円(前連結会計年度は営業活動による収入1,680,811千円)となりました。主なキャッシュ・フローの増加要因は、税金等調整前当期純利益624,435千円、減価償却費62,002千円、のれん償却費550,966千円、減損損失1,075,141千円、投資有価証券評価損245,701千円、未収入金の減少109,516千円によるものであります。一方で主な減少要因としては、投資有価証券売却益185,307千円、株式報酬費用91,995千円、利息の支払額53,518千円、法人税等の支払額574,907千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による支出は1,061,508千円(前連結会計年度は投資活動による支出2,440,683千円)となりました。主なキャッシュ・フローの増加要因としては、投資有価証券の売却による収入1,825,106千円によるものであります。一方で、減少要因としては、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,515,552千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による収入は1,490,746千円(前連結会計年度は財務活動による収入960,626千円)となりました。主なキャッシュ・フローの増加要因は、長期借入れによる収入3,735,000千円によるものであります。一方で主なキャッシュ・フローの減少要因としては、短期借入金の減少1,200,000千円、長期借入金の返済による支出777,237千円によるものであります。 (資本の財源及び資金の流動性) 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、マッチング事業における事業運営のための人件費、ワーカーへの報酬支払いであります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、マッチング事業におけるユーザー獲得のための広告宣伝費、従業員採用のための採用教育費、成長戦略上必要な企業または事業の買収資金であります。 当社グループは、運転資金については主に自己資金または借入金により資金調達をすることとしております。投資を目的とした資金については、同じく自己資金または借入金による資金調達を基本としつつ、その規模により適宜新株発行等のエクイティファイナンスによる資金調達を行なうことを基本方針としております。 資金の流動性管理にあたっては、適宜、資金繰り計画を作成・更新して手元流動性等をモニタリングするとともに、取引金融機関との当座貸越契約の締結等により、将来に渡り必要な資金流動性を確保できるよう計画しております。 (5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって採用された重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示情報に影響を与える見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断のもと継続的に見積り及び予測を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(経営成績の分析)a.売上高、売上総利益 当連結会計年度における売上高は22,657,413千円、売上総利益は9,566,824千円と過去最高を更新しました。これは主に採用した人材の戦力化による発注社数の増加や、単価向上施策による発注単価が向上したことによるものであります。 b.販売費及び一般管理費、営業利益 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は7,807,712千円となりました。これは主に人件費3,653,363千円、広告宣伝費842,115千円、のれん償却費及び減価償却費607,611千円、業務委託費532,787千円、支払手数料や家賃などのその他費用2,171,834千円によるものであり、この結果、営業利益は1,759,112千円となりました。 c.営業外収益、営業外費用、経常利益 当連結会計年度における営業外収益は145,402千円となりました。これは主に預り金失効益74,344千円及び保険解約返戻金23,844千円によるものであります。 当連結会計年度における営業費用は145,321千円となりました。これは主に支払利息53,518千円、持分法による投資損失22,041千円、支払手数料38,088千円、出資金運用損15,957千円によるものであり、この結果、経常利益は1,759,193千円となりました。 d.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益 当連結会計年度における特別利益は186,085千円となりました。これは主に関連会社であった株式会社サーキュレーションの株式売却に伴い発生した投資有価証券売却益185,307千円によるものであります。 当連結会計年度における特別損失は1,320,843千円となりました。これは主に連結上ののれんの減損損失1,075,141千円及び投資有価証券評価損245,701千円によるものであります。 また、当連結会計年度において、法人税等合計838,196千円が計上され、この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は257,066千円となりました。 (財政状態の分析) 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)財政状態」をご参照ください。 (キャッシュ・フローの分析) 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(4)キャッシュ・フロー」をご参照ください。 (6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループでは売上高、売上総利益の成長率、営業利益およびEBITDA(Non-GAAP)を経営成績における評価指標として使用しております。当社グループの当連結会計年度の経営成績については、売上総利益及びEBITDA(Non-GAAP)が計画比で未達となったものの、売上高及び営業利益は計画を達成いたしました。 <2025年9月期 経営成績(対計画比)> 2025年9月期実績計画達成率2025年9月期計画売上高22,657,413千円1.8%22,247,000千円売上総利益9,566,824千円△2.5%9,808,000千円営業利益1,759,112千円9.3%1,608,000千円EBITDA(Non-GAAP)2,274,728千円△3.2%2,351,000千円 <参考:2025年9月期 経営成績(対前年実績比)> 2025年9月期実績前年比2024年9月期実績売上高22,657,413千円32.4%17,113,505千円売上総利益9,566,824千円21.9%7,846,840千円営業利益1,759,112千円31.2%1,340,620千円EBITDA(Non-GAAP)2,274,728千円30.6%1,741,501千円 (2026年9月期の見通し) 当社グループを取り巻く事業環境においては、AI等のテクノロジーの急速な発達や、企業のオフィス回帰に伴うリモートワーカーを中心としたワーカー需要の構造変化が見られております。これに対応すべく、当社グループは収益基盤の見直しを図り、収益源を拡大することが重要課題であると認識しております。 このような中、当社グループは2023年に掲げた中期経営目標「YOSHIDA300」(売上高300億円、EBITDA(Non-GAAP)25億円)を継続しつつ、将来的には売上高1,000億円、営業利益100億円以上の達成を目指しております。そのための成長基盤を構築するため、2026年9月期に事業ポートフォリオの構造改革を行う意思決定に至りました。 具体的な戦略として、収益性重視の「人材マッチング」において、不採算事業の撤退・売却を含む事業整理を検討する一方で、高収益な主要サービスで得られた利益を成長投資の原資に充当いたします 。さらに、「DXコンサルティング」を中核事業とするべく、コンサルタントや常駐エンジニアの採用、および「AI-BPO」の推進に対し、最大25.5億円の戦略的投資を行います。 以上により、2026年9月期の当社グループの業績は、売上高は20,000百万円(前年比11.7%減)、売上総利益は8,400百万円(前年比12.2%減)、営業利益は△1,000百万円~0百万円(前年度1,759百万円)、EBITDA(Non-GAAP)△350百万円~650百万円(前年度2,274百万円)を見込んでおります。

事業リスク

  • 事業構造変革の遅延
    AI技術の進化やオフィス回帰によるリモートワーカー需要の変化に対応するため、DXコンサルティングを新たな成長の柱として事業構造改革を進めています。しかし、不採算事業の撤退や事業整理が計画通りに進まなかったり、市場の変化速度に追いつけなかったりすると、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 先行投資の不確実性
    将来の売上目標達成のため、DXコンサルティング事業に最大25.5億円の積極的な先行投資を行う方針です。この投資により一時的な営業損失を計上する見込みですが、コンサルタントやエンジニアの採用が遅れたり、投資効果が計画を下回ったりすると、業績や財務状況に重大な影響が出る可能性があります。
  • 人材獲得競争の激化
    DXコンサルティング事業の拡大には、高度な専門スキルを持つコンサルタントやエンジニアの確保が不可欠です。しかし、これらの人材は市場での獲得競争が激しいため、計画通りの人材確保が遅れると、サービスの品質低下や成長戦略の停滞を招き、事業や業績に重要な影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,970 文字
3【事業等のリスク】 事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項には、以下のようなものがあります。 また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)事業構造の変革に伴うリスク ① 人材市場の変動および事業ポートフォリオの構造改革による影響 当社グループは、創業以来、マッチング事業への継続的な投資と生産性向上の取り組みによって成長を続けてまいりました。しかしながら、AI等のテクノロジーの急速な発達や、企業におけるオフィス回帰の加速に伴うリモートワーカー需要の構造変化は、既存事業の成長鈍化を招く可能性があります。 このような環境変化に対応するため、当社グループはDXコンサルティングを成長の柱と位置づけ、事業ポートフォリオの構造改革を実施してまいります。この構造改革においては、全10サービス・8グループ会社を対象にWACC(加重平均資本コスト)を下回る不採算事業の撤退を検討しており、撤退や事業整理が計画通りに進捗しない場合、または市場の変化速度が当社の構造改革速度を上回った場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ② DXコンサルティング事業への積極的な先行投資に関する影響 当社グループは、将来的な売上1,000億円・営業利益100億円以上の達成を目指し、2026年9月期において最大25.5億円の成長投資を実施する方針です。この積極的な先行投資に伴い、2026年9月期の連結業績予想では一時的な営業損失を計上する見込みです。投資対象であるコンサルタント・常駐エンジニアの採用計画が遅延した場合や、投資対効果が計画を大幅に下回った場合には、当社グループの業績および財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応すべく、当社グループは投資対効果を厳格に測定・管理し、投資戦略を機動的に見直す体制を構築しております。 ③ DX事業の急拡大に伴う組織体制・人材確保の遅延 当社グループは、DXコンサルティングの確立に伴い、戦略的な正社員コンサルタントおよび常駐エンジニアの採用を最重要課題として推進しております。しかしながら、高度人材の獲得競争が激化する中で、計画通りの人材確保が遅延した場合や、事業ポートフォリオの構造改革に伴うグループ全体の組織設計が遅れた場合には、DXコンサルティング案件のデリバリー品質低下や成長戦略の停滞を招き、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応すべく、当社グループはDX事業を牽引する人材の確保と定着を重点課題と位置づけ、コンサルタント専用の人事評価制度の設計を推進するとともに、専門性の高い組織体制の整備を図ってまいります。 (2)外部人材の獲得競争激化およびプラットフォームに関するリスク ① 外部人材の獲得競争激化および需要構造の変化 当社グループは企業の課題解決に最適なスキルを持つフリーランスや副業人材を獲得するために、プラットフォームである「クラウドワークス」を中心とするマーケティングを行っております。プラットフォームの認知度やSearch Engine Optimization(以下SEO)を武器に、グループ全体で効率的な人材獲得を行っておりますが、高度な専門スキルを有する人材の獲得競争が激化した場合は、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応すべく、エージェント領域の主事業を「クラウドワークス エージェント」と名称変更し、「クラウドワークス」ブランドに統一しました。これにより、高い認知度のさらなる活用とマーケティング効率の向上を図っております。また、ワーカーコミュニティや交流会を通じた関係性構築、積極的なワーカー報酬の向上により、ワーカーからの信頼獲得に努め、離脱防止に取り組んでいます。 ② 広告効率の悪化およびユーザー獲得コストの上昇に関する影響 当社グループは、デジタルマーケティングによる広告投資を継続的に実施することにより、新規ユーザーの獲得を図っております。今後もSEOやリスティング広告を中心にユーザー獲得を進めてまいりますが、検索エンジンのアルゴリズムの変化や競合他社の参入による広告単価の上昇など広告効率の悪化等が発生した場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応すべく、デジタルマーケティング以外のユーザー獲得手法は、様々な手段を確立しています。中でも、昨今のオフライン回帰の影響により、展示会でのユーザー獲得が好調となっています。 ③ サイトの安全性及び健全性確保に関する影響 当社グループが運営する「クラウドワークス」では、不特定多数のユーザー同士がサービス内でメッセージ機能などを利用してコミュニケーションを図ることにより取引を行っております。これらのコミュニケーションを通じた個人情報の流出や違法行為、また、決済サービスを利用した不正等が行われる危険性があります。当社グループでは、このような行為が行われることを防ぐため、利用規約及び各種ガイドラインを制定し対応していますが、これらでは対応しきれないトラブルが発生した場合には、当社グループのサービスの信用力低下やイメージの悪化、さらには取引金額の未回収リスクが高まるなど、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応すべく、社会情勢に応じて定期的な利用規約及び各種ガイドラインの見直しを行うほか、登録前に全案件をAI活用+目視で確認してから公開を行っております。また、ユーザーが違反を発見した場合には、当社グループ宛に通知が届く違反報告制度の設置や悪質案件の検出機能により、健全性を損なう恐れのある案件に対して適切かつ効率的に対応できる体制を整備しております。 ④ システムトラブルに関する影響 当社グループのサービスは、インターネットを介した業務が多数行われており、そのサービス基盤はインターネットに接続するための通信ネットワークに依存しております。アクセスの急激な増加等による負荷の拡大や地震などの自然災害や事故などにより予期せぬトラブルが発生し、大規模なシステム障害が起こった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応すべく、安定的なサービス運営を行うために、サーバー設備等の強化や社内体制の構築を行っております。 (3)組織体制およびグループ経営に関するリスク ① グループ経営の強化とM&A後の統合(PMI)に関する影響 当社グループは、成長戦略の一環として、新たな事業領域への進出、新技術・ビジネス基盤の獲得、既存事業の競争力強化などを目的とした企業買収を推進しています。買収後に当初期待した成果が十分に得られなかった場合や、M&A後の事業・組織・システム・文化の統合プロセス(PMI)が迅速かつ効果的に進まなかった場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応すべく、具体的な実施にあたっては「EV/EBITDAマルチプル設定」、「のれん償却費計上前営業利益黒字」、「WACC超の投資回収率36ヶ月以内の実現」を3つの規律に据え、入念な調査・検討を行っております。また、経営ノウハウを「CW Growth Driver」としてポリシー化し、グループ各社に展開することでPMIの成功を図っております。 ② 内部管理体制の構築に関する影響 当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識をしております。事業が急拡大することにより、コーポレート・ガバナンスが有効に機能しなかった場合には、適切な業務運営を行うことができず、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応すべく、管理部門の経験のある人材を確保し、管理体制の強化を図ることで、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、さらに各社内規程及び法令遵守を徹底してまいります。 (4)法令、コンプライアンス等に関するリスク ① 重要な訴訟等に関するリスク 当社グループは、現在においてその業績に重要な影響を与えうる訴訟等に関与しておりませんが、当社グループの事業活動等が今後重要な訴訟等の対象となった場合、その結果によっては当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このようなリスクに対応すべく、当社グループは法務体制を強化し、適切なリスク管理を行うことで、潜在的な訴訟リスクを最小限に抑えるよう努めています。また、従業員に対しては、定期的に全員必須のコンプライアンス研修を設けるほか、また、コンプライアンス違反行為に関する相談・通報窓口を設置することで、問題を早期に把握し、適切に対応する体制を整えております。 ② 個人情報の保護 当社グループが運営する各サービスでは、メールアドレスをはじめとする利用者本人を識別することができる個人情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。個人情報については、個人情報保護方針に基づき適切に管理するとともに、社内規程として個人情報保護規程を定め、社内教育を徹底してまいります。しかしながら、何らかの理由でこれらの個人情報が外部に流出し、悪用されるといった事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績並びに企業としての社会的信用力に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法的規制 当社グループが運営する「クラウドワークス」は、「電気通信事業法」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「特定商取引に関する法律」、「プロバイダ責任制限法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等といった法規制の対象となっております。これらの法規制を遵守した運営を行ってきており、今後も社内教育や体制の構築などを行っていく予定です。しかしながら、今後新たな法令の制定や、既存法令の強化などが行われ、当社グループが運営する事業が規制の対象となるなど制約を受ける場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 ④ 知的財産権 当社グループが運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、運営する「クラウドワークス」内においては、違反報告制度を導入するなど、第三者の知的財産権侵害などが起こらないような管理体制の構築を行っております。しかしながら、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立していることにより事業運営が制約を受ける場合や、第三者の知的財産権侵害が発覚した場合などにおいては、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (5)その他① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について 当社グループは、当社取締役、当社従業員に対するインセンティブ、及び、資金調達を目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。 ② 自然災害に関するリスク 地震、風水害等の自然災害により事務所、システム等の設備、社員等に被害が発生するリスクに対して、事業継続計画(BCP)の策定、防災訓練の実施、社員安否システムの導入検討等、防災管理体制強化の対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものではなく、災害の規模によっては主要設備、データの損傷等により、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

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