事業の概要
- インターネット関連サービスフリービットグループは、「Being The NET Frontier!」という企業理念のもと、インターネットのコアテクノロジー開発と大規模システム運用を強みとしています。主に法人と個人向けに、インターネット接続やモバイル通信、クラウドサービスなどを提供し、社会のインターネット利用を支えることで収益を上げています。
- Gインフラ支援事業ISP(インターネットサービスプロバイダ)やMVNO(仮想移動体通信事業者)向けの事業支援サービス、法人向けクラウドサービスを提供しています。これは、他社がインターネットサービスを提供する際の基盤技術や設備を提供することで、安定的な収益を確保するビジネスモデルです。
- G生活様式支援事業個人向けのモバイル通信やインターネット接続サービス、集合住宅向けのインターネット接続サービス、不動産関連サービス、Web3関連プラットフォームなどを展開しています。個人の生活に密着したサービスを提供することで、幅広い顧客層から収益を得ています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- Gインフラ支援事業ISPやMVNO向けの事業支援、法人向けクラウドサービスを提供しており、売上は85.5149億円、営業利益は14.05438億円です。他社のインターネットサービス基盤を支えることで、安定した収益を上げています。
- G生活様式支援事業個人向けモバイル通信・インターネット接続、集合住宅向けサービス、不動産関連、Web3プラットフォームなどを展開し、売上は261.53767億円、営業利益は35.45579億円です。グループ内で最も売上・利益規模が大きく、個人の生活に密着したサービスが収益の柱となっています。
- 企業・クリエイター5G DX支援事業インターネットマーケティング、アドテクノロジー、クリエイター向け支援プラットフォームを提供しており、売上は203.67948億円、営業利益は9.54448億円です。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)やクリエイター活動を支援することで収益を得ています。
2025-04 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| FiveGInfrastructureSupportBusiness | 地域 | 86 | 14 | 16.4% |
| FiveGLifestyleSupportBusiness | 地域 | 262 | 35 | 13.6% |
| EnterpriseCreator5GDXSupportBusiness | 地域 | 204 | 10 | 4.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社グループは、「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」という企業理念を掲げ、インターネットに関わるコアテクノロジーの開発、大規模システムの運用といった技術力の蓄積を強みとして、主に法人向け、個人向けにインターネット関連サービスを提供しています。 当連結会計年度における報告セグメントは下記のとおりです。報告セグメント事業の内容5Gインフラ支援事業・ISP向け事業支援サービス・MVNO向け事業支援(MVNE)サービス・法人向けクラウドサービス5G生活様式支援事業・個人向けモバイル通信関連サービス・個人向けインターネット接続関連サービス・集合住宅向けインターネット接続関連サービス・不動産関連サービス・web3関連プラットフォーム企業・クリエイター5G DX支援事業・インターネットマーケティング関連サービス・アドテクノロジー関連サービス・クリエイター向け支援プラットフォーム [事業系統図]当社グループにおける事業の概要系統図は、下記のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 競合他社のサービスに対して技術的、価格的に優位性を保持しうる保証がないため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 ネットワークインフラ及び技術力を利用するため、事業開始時に相応の設備投資が必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:国内不動産市況の悪化による新規受注減少 / インターネット広告需要の減退 / 技術革新への対応困難による事業影響
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
フリービットの財務サマリデータが未収録であり、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPに関する具体的な情報が入手できないため、無形資産による競争優位性は評価できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
IoTプラットフォーム「EP-i」やクラウドサービスを提供しているが、顧客の乗り換えコストに関する具体的な情報は乏しい。一部の顧客はシステム連携の複雑さから乗り換えを躊躇する可能性はあるが、明確なスイッチング・コストの強固さは見られない。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
IoTプラットフォーム事業において、接続デバイス数の増加がプラットフォーム価値を高める可能性はある。しかし、現時点ではネットワーク効果が明確に確立されているとは言えず、その優位性は限定的である。
コスト優位☆☆☆☆☆
情報通信業であり、製造業のような構造的なコスト優位性を築く要素は少ない。価格競争力に関する具体的な情報も乏しく、コスト優位性は見られない。
規模の経済★☆☆☆☆
情報通信業全体としては規模の経済が働く可能性があるが、フリービット単体での業界規模に対する最適な少数寡占を形成しているとは言えない。事業規模の拡大による効率化の余地はあるものの、現時点での優位性は低い。
- 技術力とノウハウの蓄積長年のインターネット接続サービス提供で培ったネットワーク技術や運用ノウハウが強みです。特にWeb3領域では、レイヤー1ブロックチェーンにおいて世界有数のノード数を運用するなど、最新技術への対応力と実績があります。
- 参入障壁の高い事業領域インターネット・通信関連事業は、ネットワークインフラや技術力を利用するため、事業開始に相応の設備投資が必要です。これにより、新規参入が比較的難しい事業環境を構築しており、競争優優位性を保っています。
- 多様な事業ポートフォリオ5Gインフラ支援、5G生活様式支援、5G DX支援と多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の市場や技術への依存を低減し、リスクを分散しながら安定的な収益基盤を築いていると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】事業の状況において使用する名称の正式名称及びその説明は、下記のとおりであります。使用名称正式名称説 明web3web3巨大プラットフォーマーを介さずに、ユーザー同士で直接データやコンテンツ等のやり取りができる分散型の次世代インターネットの概念Web2.0Web2.0ユーザーがインターネット上で生成したコンテンツを、SNSなど中央集権型のプラットフォームを通じて共有・配信できるインターネットの形態AIArtificial Intelligence計算機(コンピュータ)を用いて、人間の知的行動を研究または行わせる技術IoTInternet of Thingsモノに通信機能を持たせてモノ同士が相互通信することにより、ヒトが介在することなく自動認識や自動制御などが行える仕組みDXDigital Transformationデータとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデル等を変革すること5G5th Generation第5世代移動通信システムの略称で、次世代通信規格の1つクラウドCloud Computingソフトウエア等をネットワーク越しに利用者に提供する仕組みやそのデータが蓄積・運用されているデータセンターやサーバー群の総称Trusted WebTrusted Web内閣官房デジタル市場競争本部が2021年3月に発表した「Trusted Webホワイトペーパー ver1.0」の中で提唱される「Webで流通される情報やデータの信頼性を保証する仕組み」に関する概念特定のサービスに過度に依存せずに、データの検証及びそのデータのやり取りを検証できる領域を拡大し、Trust(信頼)を向上する仕組みMVNEMobile Virtual Network EnablerMVNOの支援事業者MVNOMobile Virtual Network Operator仮想移動体通信事業者 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」という企業理念に基づき、インターネットに関わるコアテクノロジーの開発、大規模システムの運用といった技術力の蓄積を強みとして、主に法人向け、個人向けにインターネット関連サービスを提供しています。(2)経営戦略等2021年から2030年の10ヵ年計画を視野に入れた企業経営を推進しており、2027年4月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画『SiLK VISION 2027』を当連結会計年度よりスタートしています。中期経営計画『SiLK VISION 2027』では世界規模で直面している社会課題の解決に必要なものとして「信用の所在地」を追求することをテーマとしています。これは、我々を取り巻く環境が不透明な情報で溢れていることに対して、信用がおける状態を作っていくことが重要であるとの考えのもと、当社が有するweb3技術や特許技術等を活用していくことで、その実現に取り組むものです。そして、これまで培ってきた通信分野におけるノウハウと、当社が独自開発したレイヤ1ブロックチェーン技術を組み合わせ、Web2.0とweb3をハイブリッドで段階的・補完的に運用しながら様々なモノを「Trust化」していくことで社会課題の解決を目指しております。こうした取り組みをさらに加速させるべく、2025年1月31日に「ソフトバンク株式会社との資本業務提携及び第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ」及び、「株式会社ギガプライズ株式(証券コード:3830)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」(以下、「本公開買付け」)を公表いたしました。その後、2025年3月18日に本公開買付けが成立、2025年4月3日にはソフトバンク株式会社(以下、「ソフトバンク」)への第三者割当による自己株式の処分が完了しました。そして、本公開買付けの成立を受け、スクイーズアウト手続きとして2025年3月27日に株式売渡請求を実施し、これに基づき、2025年4月22日、株式会社ギガプライズ(以下、「ギガプライズ」)の普通株式の全て(但し、本公開買付けの公開買付者である株式会社LERZが所有する普通株式及びギガプライズが所有する自己株式を除く。)を取得いたしました。 当社グループは、ソフトバンクとの資本業務提携において、「web3/AIの社会実装のさらなる推進、加速化」「新たなサービスをさらに幅広い層に届けていくためのモバイル事業の充実」「IoTやUnmanned Device(無人デバイス)の拡大」そして「住宅市場での競争力拡大」といった事業戦略の実現を企図しております。また、ギガプライズにつきましては、集合住宅向けインターネット接続関連サービスにおける今後のさらなる成長と当社グループ全体の企業価値の最大化を目指す上で、当社の経営資源をギガプライズに柔軟に投入し、その競争優位性向上のための抜本的施策を講じる必要があると考え、ギガプライズの議決権の全てを取得するにいたりました。当社グループは、成長戦略の一環として上記のような取り組みを行うことで、通信サービスにとどまらない、「通信生まれのweb3実装企業」へとカテゴリーチェンジを行うとともに、中期経営計画『SiLK VISION 2027』の最終年度である2027年4月期の連結業績においては、売上高630億円~700億円、営業利益80億円を目標とし、当社グループ全体で総力をあげて事業領域の拡大と中期経営計画の達成を推し進めてまいります。 (3)経営環境当社グループを取り巻く経営環境におきましては、依然として不安定な国際情勢や資源価格の変動、物価上昇などが経済全体に影響を及ぼしており、先行き不透明な状況が続いています。一方で、生成AIをはじめとする先端技術への投資意欲の高まりや、業種・業態を問わず加速するDX化の進展を背景に、国内のIT市場環境は堅調な成長を続けております。また、5Gの普及とともに、インターネットサービスにおいては従来のWeb2.0(中央集権型)からweb3(非中央集権型)へという新しい概念が登場し、非中央集権的なインフラやサービスを活用した新たなビジネスの創出が国内外で活発化しています。このような環境のもと、当社グループが事業を行う情報通信市場では、テレワークやクラウドの普及、リッチコンテンツやSNS利用の拡大により、固定回線網・モバイル回線網いずれのインターネットサービスも需要が引き続き増加しており、より高品質な回線網やサイバーセキュリティ対応など、信頼性の高いネットワーク及びシステムの安定的な運用の重要性が増していくと予想されます。また、集合住宅向けインターネットサービス市場においては、インターネット常設化やオートロック・防犯カメラ等のセキュリティ機器の標準化が進み、今後も通信回線を介した安心・安全な住まいへの需要は堅調に推移すると見込まれており、物件の快適性を重視した資産価値向上を図る動きが進んでいます。加えて、インターネットマーケティング市場においても、デジタル化やモバイル技術の進展により成長が継続しており、SNS広告やインフルエンサーマーケティングが市場を牽引しています。動画コンテンツとeコマースの統合が進み、顧客体験の最適化を重要視したアプローチ手法や新たなサービス分野の出現、事業参入者の増加など競争が激化しており、今後さらに差別化の必要性が増していくと考えられます。そして、当社グループが目指すweb3の社会実装という新たな社会インフラの提供においては、web3の非中央集権型技術と「Trusted Web」構想をベースとしたユーザー主導での個人情報を含むデータ管理が可能なID基盤を構築し、この基盤と連携した非中央集権型のサービスを、スマートフォン端末をはじめとする様々な機器にも搭載していくことで、情報の信頼性と公平性の確保、向上を目指してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記のような経営環境の中、インターネットはあらゆる産業及び局面において、改めて重要なインフラであることが再認識されており、5Gのサービスの普及やweb3、AIといった技術の普及など、大きな構造の変化も進んでおります。MVNE・MVNOサービスについても個人・法人向けの一般的なデータ通信サービスに限らず多様な利用方法が増えてきました。これらの事業環境は通信事業者の収益獲得のための活動をさらに活発にさせると同時に通信事業者の競争の激化を促進しております。こうした状況下において、当社は2025年4月期を初年度とする中期経営計画『SiLK VISION 2027』を始動させました。前中期経営計画である『SiLK VISION 2024』で先端技術のキャッチアップや成長領域への集中的な経営資源投下を行ってきた新規事業の分野において、より実践的な「社会実装」を目指してまいります。 (インターネット接続サービスにおける市場環境への対応)スマートフォンやタブレット端末などの高機能モバイル通信機器の普及によるモバイル通信環境における著しい利便性の向上により、インターネットへの接続がこれまでの固定回線によるものからモバイルデータ通信へと加速度的にシフトしております。また、5G StandAlone(LTEとの併用ではない5G単独の通信規格)方式の普及が始まっており、これまでの「超高速・大容量」に加えて「超低遅延」「多数同時接続」といった特徴を備えることにより、仮想的にネットワークを分割する「ネットワークスライシング」が実現し、多種類のネットワークの安定的な運用により、IoTをはじめとした様々な技術分野において急速な発展を促すことが見込まれております。しかしながら、5G StandAloneの提供のためには、ネットワーク設備側の更新の他、端末の対応も必要となっており、MNOキャリアとの技術的な調整や端末製造における投資が課題となっております。 当社グループでは、このような環境の変化を機敏に捉え、ユーザーのニーズを見据えた新たなサービスを開発し、いち早く提供を行うなど、必要と考えられる施策を推進しておりますが、今後も、5G、6Gといったモバイル通信網の技術革新や、衛星通信網を活用したネットワークサービスの普及などのインターネット接続サービスの市場環境に影響を受ける可能性があるため、これらの変化を見据えた事業開発を行うとともに、市場環境の変化にスピーディに対応するためにこれまでの実績や経験に裏付けされた安定したサービスの開発及び適切な戦略投資が重要であると認識しております。(インターネットマーケティング事業におけるテクノロジーによる差別化)インターネットマーケティング市場は、景気の変動に比例して広告支出量が変化するため、市場の変化や景気の影響を受けやすい特徴があります。今後も景気の見通しが不透明な中、インターネットマーケティング事業を行う株式会社フルスピード(以下、「フルスピード」)は、この影響を受けにくい事業構造へ転換し、市場における国内外の経済動向や景気変動に大きく影響を受ける広告代理店事業中心の事業から、安定的に顧客に対してテクノロジーによる差別化を図った商品を提供するように努めてまいりました。しかしながら、事業参入者の増加に伴う競争の激化に加え、様々な規制の強化など、市場自体が過渡期にあるものと捉えています。そのため、今後も持続的な成長を遂げていくには新たな事業を展開する必要があり、ひいては将来の成長を見据えた先行投資が不可欠であると認識しています。当社は2022年11月に同社を完全子会社として以来、グループ全体のより一層の事業のDX化・データ連携の強化を促進し、同社のビジネスモデルの再設計、人材リソースの最適化、バックオフィス機能の効率的集約化等を図ってまいりました。これによりフルスピードグループ各社の役割が明確になり、特に人材リソースの最適化や人的交流面においてポジティブな効果が出始めておりますが、今後、これらの施策が当社グループ全体の利益に貢献するように推進していく必要があると認識しております。(IoT/AI市場への対応)インターネットの普及により、通信分野では機器と機器がデータをやりとりするIoTが急激に拡大しています。また、生成AIの普及・拡大に見られるように、AI関連技術は急速に発達しており、通信とAI関連技術が連携することにより、日々新たなビジネス手法が生まれています。当社グループでは、これらの新たな市場において重要な役割を担うべく、グループ内で保有する技術やデータを有機的に管理するように推進し、国内外を問わず多くのパートナー企業との連携を充実させるように努めております。今後、積極的に当社グループの技術・サービスを多くの顧客に提供すべく、新技術に関する営業力の強化、継続的な技術開発による最先端のサービスの提供及び当社グループの技術を保護するための知財関連の強化等を推進してまいります。(モバイル端末を中心としたモバイル通信網サービスの対応)MVNE・MVNO事業は、無線通信インフラ(移動体回線網)を有する事業者(MNO)から借り受けてサービスを提供することになるため、MNOの通信料金値下げはサービス原価の低減になると同時に、他社のMVNE・MVNO事業との差別化が一層困難になっています。また、本格的な5Gサービスの開始に伴い、MVNE・MVNO事業者はインフラの提供のみならず、そのインフラ上で提供できる顧客体験が求められるようになってきています。当社グループでは、長年のインターネット接続サービスの提供で培ってきたネットワーク技術やノウハウを活用し、また、グループ内の様々な付加価値サービスと組み合わせ、新しい仕組みやサービスを提供することにより差別化を図るとともに、安心・安全に利用できるモバイルサービスを提供することはもちろんのこと、継続的な技術開発に努めることにより、次世代のインターネットの在り方にあわせたソリューションの提供が必要であると認識しております。グループ内各社にてAIやweb3技術を活用した各種実証実験を行い、また、様々なサービスを提供しており、そこで得た顧客の意見をサービスに反映することで、サービス向上及び差別化の優れた循環を目指していきます。 (関係会社管理の徹底及び社内管理体制と従業員教育の強化)当社グループでは、当社のみならず各連結子会社を通じて、インターネットインフラを中心として多岐にわたる事業を展開しており、各社にて新規人員の採用や教育を行っています。人員の交流も積極的に行っていますが、事業の拡大に伴い、さらにグループ全体の一体感を高め、管理の徹底及び従業員教育の向上が必要であると認識しています。そのため、子会社の計数管理の徹底、統一的な監査の実施を通じて適切な子会社管理を行い、グループ内の内部通報制度の周知等を通じてコンプライアンス意識の向上に努めるとともに、企業理念や経営方針、統一的な教育プログラムをグループ各社で共有し浸透させることで、当社グループ社員の連帯意識の強化を図り、グループ会社間の枠に捉われない発展を促してまいります。 また、内部統制の観点でも、金融商品取引法等に基づく財務報告の信頼性を確保するために必要な内部統制の整備や構築等を行ってまいりましたが、さらにグループを通じて、内部統制強化のための連携・改善等を継続的に行っていく必要があると認識しております。そのため、各グループ会社の監査役、内部監査室の連携を促進し、また継続的な従業員教育を通して、コーポレートガバナンスの充実及び法令遵守の徹底にグループ全社をあげて取り組んでおります。(就業環境の整備について)新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、当社グループでは、デジタルアセットを最大限に活用した働き方を従業員一丸となって試行してきました。これにより、実行施策のノウハウとメリット・デメリットの分析が進んできたため、厳しい規制が緩和された後でも、社内会議やイベントのオンライン活用、在宅勤務の推進、AIやセンサーを駆使した従業員の健康管理等を継続して行っております。これらの施策の実行は、当社グループで働くことの魅力を向上させるとともに、通信事業者として社会経済活動の支えとなるようなサービスの提供が可能であることを示しております。今後もネットワークを活用した新たな事業形態の創出や、安定的なサービス提供を行う健全な企業体力の維持、従業員及び関係者の健康と安全を守るための新しい働き方の推進等について継続的に取り組むことで、持続可能な開発目標を掲げる社会への貢献を積極的に進めていくことが必要であると考えております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】事業の状況において使用する名称の正式名称及びその説明は、下記のとおりであります。使用名称正式名称説 明web3web3巨大プラットフォーマーを介さずに、ユーザー同士で直接データやコンテンツ等のやり取りができる分散型の次世代インターネットの概念Web2.0Web2.0ユーザーがインターネット上で生成したコンテンツを、SNSなど中央集権型のプラットフォームを通じて共有・配信できるインターネットの形態AIArtificial Intelligence計算機(コンピュータ)を用いて、人間の知的行動を研究または行わせる技術IoTInternet of Thingsモノに通信機能を持たせてモノ同士が相互通信することにより、ヒトが介在することなく自動認識や自動制御などが行える仕組みDXDigital Transformationデータとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデル等を変革すること5G5th Generation第5世代移動通信システムの略称で、次世代通信規格の1つクラウドCloud Computingソフトウエア等をネットワーク越しに利用者に提供する仕組みやそのデータが蓄積・運用されているデータセンターやサーバー群の総称Trusted WebTrusted Web内閣官房デジタル市場競争本部が2021年3月に発表した「Trusted Webホワイトペーパー ver1.0」の中で提唱される「Webで流通される情報やデータの信頼性を保証する仕組み」に関する概念特定のサービスに過度に依存せずに、データの検証及びそのデータのやり取りを検証できる領域を拡大し、Trust(信頼)を向上する仕組みMVNEMobile Virtual Network EnablerMVNOの支援事業者MVNOMobile Virtual Network Operator仮想移動体通信事業者 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」という企業理念に基づき、インターネットに関わるコアテクノロジーの開発、大規模システムの運用といった技術力の蓄積を強みとして、主に法人向け、個人向けにインターネット関連サービスを提供しています。(2)経営戦略等2021年から2030年の10ヵ年計画を視野に入れた企業経営を推進しており、2027年4月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画『SiLK VISION 2027』を当連結会計年度よりスタートしています。中期経営計画『SiLK VISION 2027』では世界規模で直面している社会課題の解決に必要なものとして「信用の所在地」を追求することをテーマとしています。これは、我々を取り巻く環境が不透明な情報で溢れていることに対して、信用がおける状態を作っていくことが重要であるとの考えのもと、当社が有するweb3技術や特許技術等を活用していくことで、その実現に取り組むものです。そして、これまで培ってきた通信分野におけるノウハウと、当社が独自開発したレイヤ1ブロックチェーン技術を組み合わせ、Web2.0とweb3をハイブリッドで段階的・補完的に運用しながら様々なモノを「Trust化」していくことで社会課題の解決を目指しております。こうした取り組みをさらに加速させるべく、2025年1月31日に「ソフトバンク株式会社との資本業務提携及び第三者割当による自己株式の処分に関するお知らせ」及び、「株式会社ギガプライズ株式(証券コード:3830)に対する公開買付けの開始に関するお知らせ」(以下、「本公開買付け」)を公表いたしました。その後、2025年3月18日に本公開買付けが成立、2025年4月3日にはソフトバンク株式会社(以下、「ソフトバンク」)への第三者割当による自己株式の処分が完了しました。そして、本公開買付けの成立を受け、スクイーズアウト手続きとして2025年3月27日に株式売渡請求を実施し、これに基づき、2025年4月22日、株式会社ギガプライズ(以下、「ギガプライズ」)の普通株式の全て(但し、本公開買付けの公開買付者である株式会社LERZが所有する普通株式及びギガプライズが所有する自己株式を除く。)を取得いたしました。 当社グループは、ソフトバンクとの資本業務提携において、「web3/AIの社会実装のさらなる推進、加速化」「新たなサービスをさらに幅広い層に届けていくためのモバイル事業の充実」「IoTやUnmanned Device(無人デバイス)の拡大」そして「住宅市場での競争力拡大」といった事業戦略の実現を企図しております。また、ギガプライズにつきましては、集合住宅向けインターネット接続関連サービスにおける今後のさらなる成長と当社グループ全体の企業価値の最大化を目指す上で、当社の経営資源をギガプライズに柔軟に投入し、その競争優位性向上のための抜本的施策を講じる必要があると考え、ギガプライズの議決権の全てを取得するにいたりました。当社グループは、成長戦略の一環として上記のような取り組みを行うことで、通信サービスにとどまらない、「通信生まれのweb3実装企業」へとカテゴリーチェンジを行うとともに、中期経営計画『SiLK VISION 2027』の最終年度である2027年4月期の連結業績においては、売上高630億円~700億円、営業利益80億円を目標とし、当社グループ全体で総力をあげて事業領域の拡大と中期経営計画の達成を推し進めてまいります。 (3)経営環境当社グループを取り巻く経営環境におきましては、依然として不安定な国際情勢や資源価格の変動、物価上昇などが経済全体に影響を及ぼしており、先行き不透明な状況が続いています。一方で、生成AIをはじめとする先端技術への投資意欲の高まりや、業種・業態を問わず加速するDX化の進展を背景に、国内のIT市場環境は堅調な成長を続けております。また、5Gの普及とともに、インターネットサービスにおいては従来のWeb2.0(中央集権型)からweb3(非中央集権型)へという新しい概念が登場し、非中央集権的なインフラやサービスを活用した新たなビジネスの創出が国内外で活発化しています。このような環境のもと、当社グループが事業を行う情報通信市場では、テレワークやクラウドの普及、リッチコンテンツやSNS利用の拡大により、固定回線網・モバイル回線網いずれのインターネットサービスも需要が引き続き増加しており、より高品質な回線網やサイバーセキュリティ対応など、信頼性の高いネットワーク及びシステムの安定的な運用の重要性が増していくと予想されます。また、集合住宅向けインターネットサービス市場においては、インターネット常設化やオートロック・防犯カメラ等のセキュリティ機器の標準化が進み、今後も通信回線を介した安心・安全な住まいへの需要は堅調に推移すると見込まれており、物件の快適性を重視した資産価値向上を図る動きが進んでいます。加えて、インターネットマーケティング市場においても、デジタル化やモバイル技術の進展により成長が継続しており、SNS広告やインフルエンサーマーケティングが市場を牽引しています。動画コンテンツとeコマースの統合が進み、顧客体験の最適化を重要視したアプローチ手法や新たなサービス分野の出現、事業参入者の増加など競争が激化しており、今後さらに差別化の必要性が増していくと考えられます。そして、当社グループが目指すweb3の社会実装という新たな社会インフラの提供においては、web3の非中央集権型技術と「Trusted Web」構想をベースとしたユーザー主導での個人情報を含むデータ管理が可能なID基盤を構築し、この基盤と連携した非中央集権型のサービスを、スマートフォン端末をはじめとする様々な機器にも搭載していくことで、情報の信頼性と公平性の確保、向上を目指してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記のような経営環境の中、インターネットはあらゆる産業及び局面において、改めて重要なインフラであることが再認識されており、5Gのサービスの普及やweb3、AIといった技術の普及など、大きな構造の変化も進んでおります。MVNE・MVNOサービスについても個人・法人向けの一般的なデータ通信サービスに限らず多様な利用方法が増えてきました。これらの事業環境は通信事業者の収益獲得のための活動をさらに活発にさせると同時に通信事業者の競争の激化を促進しております。こうした状況下において、当社は2025年4月期を初年度とする中期経営計画『SiLK VISION 2027』を始動させました。前中期経営計画である『SiLK VISION 2024』で先端技術のキャッチアップや成長領域への集中的な経営資源投下を行ってきた新規事業の分野において、より実践的な「社会実装」を目指してまいります。 (インターネット接続サービスにおける市場環境への対応)スマートフォンやタブレット端末などの高機能モバイル通信機器の普及によるモバイル通信環境における著しい利便性の向上により、インターネットへの接続がこれまでの固定回線によるものからモバイルデータ通信へと加速度的にシフトしております。また、5G StandAlone(LTEとの併用ではない5G単独の通信規格)方式の普及が始まっており、これまでの「超高速・大容量」に加えて「超低遅延」「多数同時接続」といった特徴を備えることにより、仮想的にネットワークを分割する「ネットワークスライシング」が実現し、多種類のネットワークの安定的な運用により、IoTをはじめとした様々な技術分野において急速な発展を促すことが見込まれております。しかしながら、5G StandAloneの提供のためには、ネットワーク設備側の更新の他、端末の対応も必要となっており、MNOキャリアとの技術的な調整や端末製造における投資が課題となっております。 当社グループでは、このような環境の変化を機敏に捉え、ユーザーのニーズを見据えた新たなサービスを開発し、いち早く提供を行うなど、必要と考えられる施策を推進しておりますが、今後も、5G、6Gといったモバイル通信網の技術革新や、衛星通信網を活用したネットワークサービスの普及などのインターネット接続サービスの市場環境に影響を受ける可能性があるため、これらの変化を見据えた事業開発を行うとともに、市場環境の変化にスピーディに対応するためにこれまでの実績や経験に裏付けされた安定したサービスの開発及び適切な戦略投資が重要であると認識しております。(インターネットマーケティング事業におけるテクノロジーによる差別化)インターネットマーケティング市場は、景気の変動に比例して広告支出量が変化するため、市場の変化や景気の影響を受けやすい特徴があります。今後も景気の見通しが不透明な中、インターネットマーケティング事業を行う株式会社フルスピード(以下、「フルスピード」)は、この影響を受けにくい事業構造へ転換し、市場における国内外の経済動向や景気変動に大きく影響を受ける広告代理店事業中心の事業から、安定的に顧客に対してテクノロジーによる差別化を図った商品を提供するように努めてまいりました。しかしながら、事業参入者の増加に伴う競争の激化に加え、様々な規制の強化など、市場自体が過渡期にあるものと捉えています。そのため、今後も持続的な成長を遂げていくには新たな事業を展開する必要があり、ひいては将来の成長を見据えた先行投資が不可欠であると認識しています。当社は2022年11月に同社を完全子会社として以来、グループ全体のより一層の事業のDX化・データ連携の強化を促進し、同社のビジネスモデルの再設計、人材リソースの最適化、バックオフィス機能の効率的集約化等を図ってまいりました。これによりフルスピードグループ各社の役割が明確になり、特に人材リソースの最適化や人的交流面においてポジティブな効果が出始めておりますが、今後、これらの施策が当社グループ全体の利益に貢献するように推進していく必要があると認識しております。(IoT/AI市場への対応)インターネットの普及により、通信分野では機器と機器がデータをやりとりするIoTが急激に拡大しています。また、生成AIの普及・拡大に見られるように、AI関連技術は急速に発達しており、通信とAI関連技術が連携することにより、日々新たなビジネス手法が生まれています。当社グループでは、これらの新たな市場において重要な役割を担うべく、グループ内で保有する技術やデータを有機的に管理するように推進し、国内外を問わず多くのパートナー企業との連携を充実させるように努めております。今後、積極的に当社グループの技術・サービスを多くの顧客に提供すべく、新技術に関する営業力の強化、継続的な技術開発による最先端のサービスの提供及び当社グループの技術を保護するための知財関連の強化等を推進してまいります。(モバイル端末を中心としたモバイル通信網サービスの対応)MVNE・MVNO事業は、無線通信インフラ(移動体回線網)を有する事業者(MNO)から借り受けてサービスを提供することになるため、MNOの通信料金値下げはサービス原価の低減になると同時に、他社のMVNE・MVNO事業との差別化が一層困難になっています。また、本格的な5Gサービスの開始に伴い、MVNE・MVNO事業者はインフラの提供のみならず、そのインフラ上で提供できる顧客体験が求められるようになってきています。当社グループでは、長年のインターネット接続サービスの提供で培ってきたネットワーク技術やノウハウを活用し、また、グループ内の様々な付加価値サービスと組み合わせ、新しい仕組みやサービスを提供することにより差別化を図るとともに、安心・安全に利用できるモバイルサービスを提供することはもちろんのこと、継続的な技術開発に努めることにより、次世代のインターネットの在り方にあわせたソリューションの提供が必要であると認識しております。グループ内各社にてAIやweb3技術を活用した各種実証実験を行い、また、様々なサービスを提供しており、そこで得た顧客の意見をサービスに反映することで、サービス向上及び差別化の優れた循環を目指していきます。 (関係会社管理の徹底及び社内管理体制と従業員教育の強化)当社グループでは、当社のみならず各連結子会社を通じて、インターネットインフラを中心として多岐にわたる事業を展開しており、各社にて新規人員の採用や教育を行っています。人員の交流も積極的に行っていますが、事業の拡大に伴い、さらにグループ全体の一体感を高め、管理の徹底及び従業員教育の向上が必要であると認識しています。そのため、子会社の計数管理の徹底、統一的な監査の実施を通じて適切な子会社管理を行い、グループ内の内部通報制度の周知等を通じてコンプライアンス意識の向上に努めるとともに、企業理念や経営方針、統一的な教育プログラムをグループ各社で共有し浸透させることで、当社グループ社員の連帯意識の強化を図り、グループ会社間の枠に捉われない発展を促してまいります。 また、内部統制の観点でも、金融商品取引法等に基づく財務報告の信頼性を確保するために必要な内部統制の整備や構築等を行ってまいりましたが、さらにグループを通じて、内部統制強化のための連携・改善等を継続的に行っていく必要があると認識しております。そのため、各グループ会社の監査役、内部監査室の連携を促進し、また継続的な従業員教育を通して、コーポレートガバナンスの充実及び法令遵守の徹底にグループ全社をあげて取り組んでおります。(就業環境の整備について)新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、当社グループでは、デジタルアセットを最大限に活用した働き方を従業員一丸となって試行してきました。これにより、実行施策のノウハウとメリット・デメリットの分析が進んできたため、厳しい規制が緩和された後でも、社内会議やイベントのオンライン活用、在宅勤務の推進、AIやセンサーを駆使した従業員の健康管理等を継続して行っております。これらの施策の実行は、当社グループで働くことの魅力を向上させるとともに、通信事業者として社会経済活動の支えとなるようなサービスの提供が可能であることを示しております。今後もネットワークを活用した新たな事業形態の創出や、安定的なサービス提供を行う健全な企業体力の維持、従業員及び関係者の健康と安全を守るための新しい働き方の推進等について継続的に取り組むことで、持続可能な開発目標を掲げる社会への貢献を積極的に進めていくことが必要であると考えております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況各セグメントの事業の内容は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」のとおりであります。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を一部変更しており、以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。5Gインフラ支援事業固定回線網においては、働き方や生活スタイルの変化に伴い、自宅でのオンライン動画の視聴やゲームをはじめとしたリッチコンテンツ及びSNSの利用等の増加、テレワークや在宅学習の普及などに伴うオンライン形式の会議や学習の一般化により、インターネットを介した多くのサービスの利用増加が継続しており、それによって回線利用量が増加することでネットワーク原価の高止まり基調が続いています。 モバイル回線網においては、大手モバイル通信キャリアによる格安プランの提供やサブブランドでの展開が独自型MVNOサービス事業者の成長に影響を与える傾向が続いておりますが、IoTやインバウンド向けの利用が増加する見込みであるなど、モバイル市場全体としての成長は継続しており、今後も拡大していくと捉えています。このような状況のもと、5Gインフラ支援事業においては、MVNEとしてのMVNO向け事業支援サービスの規模拡大が堅調に推移した一方、通信品質の向上や人材強化に係る費用などが増加した結果、売上高は10,567,877千円(前連結会計年度比6.4%増)、セグメント利益は1,405,438千円(前連結会計年度比13.0%減)となりました。5G生活様式支援事業「5Gインフラ支援事業」における説明のとおり、固定回線網サービス市場においては、ネットワーク原価は上昇しているものの、5G Homestyle(集合住宅向けインターネットサービス)につきましては、建物の資産価値及び入居率の向上を目的とした高速ブロードバンド環境が標準化しつつあることに加え、テレワークやオンライン学習、動画コンテンツ視聴等の利用がスタンダードなものとして認識されたことから、その市場規模は今後も着実に成長していくものと考えられます。そのような事業環境を踏まえ、集合住宅向けインターネットサービスや戸建賃貸住宅向けサービスに加え、防犯・監視クラウドカメラサービスといったセキュリティ関連サービスなどへと提供範囲を拡大し、さらなる収益基盤の拡充を図りました。5G Homestyle(集合住宅向けインターネットサービス)を提供するギガプライズは、新築物件及び既存物件ともにサービス提供戸数を伸ばし、集合住宅向けISPサービスの提供戸数については、前連結会計年度末1,209,522戸に比べ132,844戸増加し、1,342,366戸となりました。5G Lifestyle(個人向けのモバイル通信サービスやインターネット関連サービス)では、当社グループが提供する独自のテクノロジーを活用したスマートフォンサービス「トーンモバイル」で培った技術やサービスを自社以外のスマートフォンや幅広い機器でも利用可能とし、IoTを始めとした他分野へと展開していく「TONE IN」戦略に則り、サービス対象のスマートフォン機種を拡大することで利用者の増加を推進するとともに、「トーンモバイル」における獲得コストのコントロール等による利益改善を図っております。このような状況のもと、5G生活様式支援事業においては、主に5G Homestyle(集合住宅向けインターネットサービス)におけるサービス提供戸数が順調に推移した結果、売上高は26,307,622千円、セグメント利益は3,545,579千円となりました。なお、前連結会計年度より、連結子会社であるギガプライズ及びその子会社は決算日を3月31日から4月30日に変更しており、前連結会計年度は決算期変更の経過期間であったことから、対前連結会計年度比増減率は記載しておりません。企業・クリエイター5G DX支援事業連結子会社であるフルスピード及びその子会社が展開するインターネットマーケティング、アドテクノロジーサービスにおいては、消費者のデジタルシフトが進む中、コロナ禍を契機とした社会や働き方の多様化によるデジタル施策の加速に伴い、広告需要が引き続き増加しました。そのような環境のもと、アドテクノロジーサービスのアフィリエイト事業における海外での需要獲得が好調に推移しました。また、5G/web3時代におけるファンコミュニティの形成とクリエイターエコノミー(クリエイターが自らのスキルによって収益化をおこなう経済圏)の拡大を目指した、クリエイターが大手プラットフォーマーを介さずに自ら情報発信し、その価値を最大化できるクリエイタープラットフォーム「StandAlone」サービスの提供件数も伸長いたしました。このような状況のもと、企業・クリエイター5G DX支援事業においては、アフェリエイトを中心とした海外事業等の業績が堅調に推移した一方、「StandAlone」の多面展開及びEC事業の先行投資による費用増加等の結果、売上高は20,699,423千円(前連結会計年度比7.4%増)、セグメント利益は954,448千円(前連結会計年度比14.0%減)となりました。以上の結果、売上高は55,073,206千円、営業利益は5,883,783千円、経常利益は5,230,578千円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,748,537千円となりました。なお、前連結会計年度より、連結子会社であるギガプライズ及びその子会社は決算日を3月31日から4月30日に変更しており、前連結会計年度は決算期変更の経過期間であったことから、対前連結会計年度比増減率は記載しておりません。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は20,677,536千円となり、前連結会計年度末比で1,955,163千円増加しました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金は、4,573,382千円の増加(前連結会計年度は4,225,973千円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払額が1,929,818千円あったものの、税金等調整前当期純利益が5,074,007千円、減価償却費が692,553千円及び未払金の増加が796,505千円あったことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金は、687,485千円の減少(前連結会計年度は1,085,370千円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が194,220千円、無形固定資産の取得による支出が372,542千円及び投資有価証券の取得による支出が199,920千円あったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金は、1,924,976千円の減少(前連結会計年度は2,720,485千円の減少)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が13,250,000千円、自己株式の売却による収入が2,042,373千円及び非支配株主からの払込みによる収入が2,000,000千円あったものの、長期借入金の返済による支出が5,204,484千円及び連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が12,740,094千円あったことによるものです。③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは、ネットワーク維持費用及びユーザーの利用度に応じて発生する費用が費用の大半を占め、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。b.受注実績 当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績の記載はしておりません。c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年5月1日至 2025年4月30日)前年同期比(%)5Gインフラ支援事業(千円)10,567,877106.45G生活様式支援事業(千円)26,307,62298.9企業・クリエイター5G DX支援事業(千円)20,699,423107.4報告セグメント計(千円)57,574,922103.1その他(千円)--消去(千円)△2,501,71689.8合計(千円)55,073,206103.8(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)D.U-NET株式会社8,952,53316.98,205,32914.9 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の売上高は、各報告セグメントにおいて環境の変化に対応した事業展開を図ったことで、総じて需要の取り込みが堅調に推移した結果、55,073,206千円となりました。営業利益については、売上高の増加に加え、『SiLK VISION 2027』の実現に向けた「新たな成長ドライバー」への投資を実行しつつも、原価抑制をはじめとしたコストコントロールや効率的なマーケティング戦略の実施、グループ内リソースの最適化等の施策が奏功したことで、5,883,783千円となりました。経常利益については、事業収益が増加した一方、営業外費用においてソフトバンクとの資本業務提携及びギガプライズ100%子会社化(議決権)に係る関連費が一時的に発生したことにより、5,230,578千円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益についても、上記一時費用の発生を受け、2,748,537千円となりました。なお、前連結会計年度より、連結子会社であるギガプライズ及びその子会社は決算日を3月31日から4月30日に変更しており、前連結会計年度は決算期変更の経過期間であったことから、対前連結会計年度比増減率は記載しておりません。当社グループの当連結会計年度の経営成績の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。② 財政状態の分析a.資産の部当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末比2,375,306千円増加の40,558,896千円となりました。これは主として、建設仮勘定が402,144千円減少したものの、現金及び預金が1,955,163千円、売掛金が354,281千円、賃貸資産が348,483千円及びソフトウエアが420,536千円増加したことによるものです。b.負債の部当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末比9,035,596千円増加の32,022,359千円となりました。これは主として、未払法人税等が620,381千円減少したものの、未払金が2,051,241千円及び長期借入金が7,528,824千円増加したことによるものです。c.純資産の部当連結会計年度の純資産合計は、ソフトバンク株式会社に対する第三者割当等により自己株式を1,703,309千円処分したものの、連結子会社である株式会社ギガプライズの議決権の全てを取得したこと等により、資本剰余金が1,496,844千円、利益剰余金が5,331,446千円及び非支配株主持分が1,398,060千円減少し、前連結会計年度末比6,660,290千円減少の8,536,536千円となり、この結果、自己資本比率は16.0%となりました。③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に示したとおりであります。b.資本の財源及び資金の流動性当連結会計年度末の有利子負債は、21,750,041千円となりました。その内訳は、金融機関からの短期借入金300,000千円及び長期借入金20,623,683千円(1年内返済予定の長期借入金を含む)、リース債務826,358千円となっております。有利子負債については、当社及び連結子会社の事業活動により獲得するキャッシュ・フローにより返済を行う考えであります。なお、必要な資金を安定的に確保するため、複数の金融機関と良好な関係を維持しており、内部資金の活用も合わせ、事業活動の維持拡大に必要な運転資金及び設備資金の調達は今後も十分可能であると考えております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性に加え、世界情勢悪化の影響、為替や資本市場の変動などによる原材料価格の上昇等の影響もあり、これらの見積りに基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 景気変動の影響主要事業である通信・インターネット関連サービスは景気変動に比較的強いものの、集合住宅向けISPサービスは不動産市況に、インターネット広告事業は国内景気に大きく左右されます。景気悪化は新規受注の減少や広告需要の減退を招き、業績に悪影響を与える可能性があります。
- 技術革新への対応通信・インターネット市場は技術革新が非常に速く、5G、Web3、AIなどの新技術が既存の産業構造を変える可能性があります。対応が困難な技術変化や多大な投資が必要な技術革新が起きた場合、事業や業績に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
- 法的規制の強化インターネットを取り巻く法令整備は日々進んでおり、誹謗中傷の厳罰化、プライバシー保護、電気通信事業者への規制強化などが挙げられます。新たな法的規制の制定や法令違反が発生した場合、業務が制約され、事業や業績に影響が出る可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、事業上のリスクとして具体化する可能性は必ずしも高くないと見られる事項も含め、以下のとおりであります。当社グループは、投資家の投資判断上重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する情報開示の観点から積極的に開示しており、これらのリスクが発生する可能性を認識した上でその発生の予防及び対応に努力する方針ですが、リスク要因が網羅されているわけではありません。また、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、現時点では想定できないリスクが発生する可能性もあります。本株式に対する投資判断は、これらの事項も十分踏まえた上で、慎重にご検討ください。 (1)市場環境リスク① 景気変動について当社グループの主要事業である通信・インターネット関連サービスは、比較的景気変動の影響を受けにくいビジネスモデルとなっております。一方で、当社グループ売上の大きなシェアを占めるギガプライズが展開する集合住宅向けISPサービスは、主に不動産業界向けにサービスを提供しており、当該業界は、国内の景気動向、金利動向、地価動向等の影響を大きく受けるため、不況による国内不動産市況の大幅な悪化が起きた場合、提供サービスの新規受注の減少等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、主にフルスピード、株式会社フォーイットがサービスを展開するインターネット広告業界も、国内景気の変動を大きく受ける傾向があり、急激に国内景気が悪化した場合、企業収益の大幅悪化に伴い広告需要が減退し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。② 技術革新について当社グループが主たる事業を展開する通信・インターネット関連市場は技術革新の早い業界であり、日々新しい技術が生まれております。5G/web3/AIなどの最新技術は、これまでの既存の産業構造の形を変えてしまう可能性を持っており、当社グループもこれらの技術へ深くかかわるとともに、既存事業の着実な成長と利益創出を行うことで安定的な事業を運用し、同時にこれら最新技術の既存事業へのネガティブな影響も考慮しながら、これら最新技術を利用した今後のビジネスモデルの構築を推進しております。当社グループでは、インターネットインフラを中心に、これらの技術革新に対応するため、専門の知識を持った従業員を採用し、研究開発に努めております。また、長年のインターネット接続サービスの提供で培ってきたネットワーク技術やノウハウを活用することで、web3領域においてレイヤ1ブロックチェーンにおいて世界でも有数のノード数を運用するなど、一定の成果を上げております。しかし、何らかの理由で当社グループにおいて対応が困難であるほどの技術の変化や、多大な投資を必要とする技術革新が起こった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 法的規制について当社及び当社子会社である株式会社ドリーム・トレイン・インターネット、ギガプライズ及び株式会社ベッコアメ・インターネット等は、いずれも電気通信事業者として総務省に届出を行っており、電気通信事業法及び関連する省令等を遵守しております。一方で、インターネット上の誹謗中傷の厳罰化や法的な手続の明確化の検討、電気通信事業者と消費者との契約ルールの明確化、インターネット上のプライバシー保護の観点から個人情報保護法の改正や様々なガイドラインや規制が実施されるなど、インターネットを取り巻く法令等の整備は日々進んでおります。当社グループも業界団体と連携しながら随時対応に努めておりますが、今後新たにインターネット関連業者を対象とした法的規制等が制定された場合、またはこれらの法令に違反した場合に、当社グループの業務が一部制約を受け、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。(2)ビジネス・戦略リスク① 競争リスクについて当社グループのインターネット・通信関連事業は、ネットワークインフラ及び技術力を利用してサービスを提供することを特徴としており、事業開始時に相応の設備投資を必要とするため、比較的参入障壁が高い事業に属していると認識しております。また、インターネット広告事業におきましても、業界知見、人材・ノウハウ等の蓄積、独自のアフィリエイトプラットフォーム「afb」等が当社グループの競争力の源泉となっております。しかしながら、今後登場する可能性がある他社の競合サービスに対して技術的、価格的に優位性を保持しうる保証はありません。また、当社グループの事業である、ISP事業、データセンター事業、MVNO・MVNE事業、クラウドコンピューティング関連事業、インターネット広告事業等において、資本力、マーケティング力において、当社より優れ、より高い知名度や専門性を有する大手企業等が存在しております。これらの競合に相対するため、当社グループは商品・サービスの差別化を図るべく諸々の施策を展開しております。しかしながら、競争の激化やその対策のためのコスト負担等が大幅に増えた場合には、収益性や販売力が低下し、当社グループの事業展開及び業績に影響を与える可能性があります。② 依存リスクについて(調達に関する依存)当社グループが提供する通信・インターネット関連サービスは、主にNTTドコモビジネス株式会社、株式会社NTTドコモ、NTT東日本株式会社、NTT西日本株式会社が提供する通信回線を利用してサービスを提供しております。今後、これらの企業の経営方針変更等により、サービスの提供条件や通信回線の仕入価格上昇等、取引条件の悪化等があった場合、また大規模な障害が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、インターネット広告についても、取引形態の性格上、Google LLC、LINEヤフー株式会社、Meta Platforms,Inc.からの仕入の依存度が高くなっております。これは、現状の広告市場が上記企業による寡占状態にあることに起因するものでありますが、これらの企業の事業方針の変更等により、係る取引が継続されない場合又は取引条件が変更された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (特定事業・販売先に関する依存)当社グループのインターネット広告関連事業においては、リスティング広告やアフィリエイトプラットフォーム「afb」等が売上の大部分を占めております。上記事業等に何らかの問題が生じた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、集合住宅向けISPサービス事業における主なサービス提供先の売上高合計は、当社グループ連結売上高の約3割を占めております。当該サービス提供先の経営方針の変更等により、想定を超えるサービス提供価格の下落、競合企業等の進出によるサービス提供数の減少や取引停止等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。 (設備に関する依存)当社グループは、ネットワーク回線及びデータセンターの設備の一部を自社で保有することなく、NTTドコモビジネス株式会社等他社の回線及び施設内に自社の仕様に合わせた機器を設置し、顧客にサービスを提供する形態により事業展開しております。当社グループといたしましては、ネットワーク回線及びデータセンターの設備所有者との間でサービス提供契約及び賃貸借契約を締結し、契約期間満了後も賃貸借契約の継続を予定しております。しかしながら、その可能性は低いと判断しておりますが、所有者が何らかの理由で、契約の継続を全部もしくは一部拒絶した場合又は契約内容の変更等を求めてきた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 調達コストについてインターネット上では帯域を多く利用するリッチコンテンツや、IoTのための通信が急激に増加しており、流通データ量が急激に増えております。また、在宅勤務・テレビ会議等の利用が多くなったことで、職場だけではなく家庭での通信に対する需要が増えたことにより、インターネット業界全体で、通信回線設備の需給バランスの不安定化や、帯域の不足の可能性が指摘されております。当社では、回線・帯域調達の効率化やデータの最適化を含めた高効率のネットワーク運用を行うなどの努力を行い、また、長年培ってきた技術力を最大限に活かし、これらの環境に対応すべく努めております。しかしながら、通信速度等のサービス品質を維持するための新規回線や帯域の確保増加等により原価が上昇した場合や、設備メーカーの政治的・経済的な国際競争の影響や半導体不足、為替の影響等による設備機器の価格高騰を含め、更なる設備供給不足や、巨額の設備投資が必要となるような技術革新が進んだ場合には、これらの要因により、当社の事業運営及び拡大が制約され、調達の遅れやコスト増加により、機会損失や採算への影響が生じる可能性があります。④ 事業投資リスクについて当社グループは、顧客ニーズに即したサービスの提供を行うために、新規に事業を立ち上げることがあります。新たに手掛けた事業を早期に一定の事業規模にまで成長させ、市場における地位を確立するため、必要に応じ人材投資、システム投資、広告投資等を積極的に行うことがありますが、これらの投資が必ずしも収益に結びつかない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、自社での新規事業立ち上げに加え、早期の規模拡大、事業リソースの補完及び強化等を目的に企業買収を実施する場合があります。対象となる企業の事業面や法務面、財務面についてデューデリジェンスを実施し、事前にリスクの把握を行うよう努めておりますが、買収時には一定規模ののれんを計上することもあり、買収後に不測の債務などが発生した場合や経営環境、事業環境の変化によって当初想定したグループシナジーによる成果が十分に得られなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 知的財産権について当社グループでは特許として登録される可能性のある独自技術については特許出願を行うことにより権利化を図るとともに、第三者の知的財産権を侵害する事態を可能な限り回避するべく努力しております。しかしながら、当社グループが事業の展開を進めている各国において成立している特許権の全てを検証し、さらに将来的にどのような特許権が成立するかを正確に把握することは困難です。このため、当社グループの事業に現在利用されている技術と抵触関係をなす特許権などの知的財産権を第三者が既に取得している可能性や将来的に当社グループの事業における必須技術と抵触関係をなす特許権などの知的財産権が第三者に取得される可能性を完全に否定することはできず、そのような可能性が現実化した場合には、当該特許権の知的財産権に関する侵害訴訟の結果として当社グループに損害賠償義務が課せられたり、当社グループの事業の全部あるいは一部が差し止められて継続できなくなる可能性があります。⑥ 人材確保・育成について当社グループが今後も継続して成長していくためには、優秀な人材を確保し、育成していくことが重要であると考えており、積極的に採用活動を進めております。しかしながら、インターネット市場の急速な拡大で専門的知識や技術を有する人材が恒常的に不足しており、今後、当社グループが必要とする数の人材を適時に確保できる保証はなく、人員計画に基づいた採用が行えなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社及び当社子会社は、事業規模の拡大や多様化に対応するべく、人員増強及び内部管理体制の充実を図り、同時に福利厚生の充実、教育体制の確立により人員の社外流出の防止にも努めていく方針であります。しかし、人材等の拡充が予定どおり進まなかった場合や予想外の人員の社外流出が生じた場合には業務運営に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(3)財務リスク① 資金調達リスクについて当社グループでは、ネットワーク並びにサーバ設備、ソフトウエア、システム等の開発、調達及び新規事業・M&A等に投資し、当社グループのサービスの更なる差別化を推進し事業拡大を図る計画です。しかしながら、業績や財務悪化等により、計画を実行する上で必要な投資資金の確保が困難な場合、事業機会を逸し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは事業拡大に伴う効率的な資金調達の手段として、金融機関からの借入金を積極的に活用しておりますが、当社の金融機関からの借入金の一部には財務制限条項が付されており、その財務制限条項に抵触し、当該借入金の弁済を求められた場合、当社の財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、急激な金利上昇により当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。② 在庫リスクについて当社グループでは、主に集合住宅向けISPサービスにおいて、受注見込み等に基づき必要数量の機器を確保し、原材料及び貯蔵品として計上しております。今後受注見込みの大幅な落ち込み、または技術革新による保有機器の陳腐化等が生じた場合には、棚卸資産の評価額が下落し、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。(4)ハザードリスク① 情報セキュリティについて当社グループの主要事業である通信・インターネット関連事業において、そのサーバ群には、顧客の通信行為にかかる通信記録やサービス利用者の個人情報がデータとして蓄積されております。また、インターネット広告事業においても会員等の個人情報(氏名、メールアドレス、住所等)を取得しております。このため、当社グループ各社は、個人情報保護法に定める個人情報取扱事業者に該当し、個人情報の取扱いについての規制の対象となっております。当社グループでは、これら情報の重要性に鑑み、情報保護に関する各種規程を定め、技術的措置、従業員教育、外部委託先との機密保持契約を締結するなど厳格に運用しており、プライバシーポリシー等を定めて当社グループ各社のサイトに提示しております。現時点までにおいて、情報管理に関する重大な事故やトラブルの発生は認識しておりませんが、これら情報等が何らかの形で外部漏洩したり、不正使用されたりする可能性が完全に排除されておらず、これらの事態に備え個人情報漏洩に対応する保険に加入しておりますが、すべての損失を完全に補填するものではありません。そのため、これらの事態が起こった場合、とりわけ通信記録の漏洩が発生した場合には、監督官庁より業務改善命令が発せられる可能性もあり、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの信用の低下等によって当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。② システムトラブルについて 当社グループの使用するネットワーク回線及びデータセンターは、主にNTTドコモビジネス株式会社、株式会社NTTドコモ及び三菱電機デジタルイノベーション株式会社等からサービス提供契約及び賃貸借契約を締結して提供を受けております。当該データセンターは、登録電気通信事業者として基準とされている迂回経路を確保した冗長構成、大規模地震に耐えられる耐震構造、消火設備、停電時に備えたバックアップ電源等、24時間365日安定した運用ができるよう最大限の業務継続対策が講じられております。また、インターネット広告事業においては、リスティング広告、アフィリエイト広告、ディスプレイ型広告等の提供をインターネット環境において行っております。そのため、当社はサービスの安定供給を図るためのセキュリティ対策と、コンピュータウィルスやハッカーの侵入等を回避するために必要と思われる対策を講じております。しかし、これらの対策を講じているものの、サイバーアタック、システム又はハードウェアの不具合、電力会社の電力不足や大規模停電、想定したレベルをはるかに超える地震、台風、洪水等の自然災害、戦争、テロ、事故等、予測不可能な事態によってシステム障害が発生した場合には一定期間サービスの停止を余儀なくされる可能性があり、当社グループの信用が毀損、損害賠償請求等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。