3841

ジーダット(3841)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 電子系CADソフトウェア開発・販売
    LSIやFPDなどの電子デバイス、磁気ヘッドやMEMSなどの微細加工部品の設計に使う「電子系CADソフトウェア(EDA)」を自社で開発し、販売、サポート、コンサルティングまで一貫して提供しています。このソフトウェアは、設計作業の品質検証や自動化を支援し、設計者の作業を効率化する役割を担っています。
  • ソリューションビジネスの提供
    EDA製品の販売やサポートだけでなく、顧客の特定のニーズに応じたソフトウェアの受託開発も行っています。さらに、半導体やFPDなどの電子デバイスの設計自体を受託したり、EDAソフトウェアを効果的に使える環境を構築する支援サービスも提供しており、幅広いソリューションで収益を上げています。
  • 多様な顧客層と販売チャネル
    主な顧客は、半導体メーカー、液晶パネルメーカー、電子機器メーカー、マスクメーカー、設計受託会社など多岐にわたります。国内では直接販売が中心ですが、米国、台湾、中国、韓国といった海外市場へは、現地の代理店を通じて製品を販売しており、グローバルな顧客基盤を持っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • EDA製品事業
    LSIやFPDなどの電子デバイス設計に不可欠な電子系CADソフトウェア(EDA)を自社で開発し、販売しています。これは同社の主力事業であり、設計の品質向上や自動化を支援することで、顧客の生産性向上に貢献しています。この製品群が主要な収益源となっています。
  • 保守サービス事業
    販売したEDA製品に対する保守サービスを提供しています。ソフトウェアのアップデートや技術サポートを通じて、顧客が製品を安定して利用できるよう支援しており、継続的な収益を確保する重要な事業です。顧客との長期的な関係構築にも寄与しています。
  • ソリューション事業
    EDA製品の販売・サポートに加えて、顧客の特定の要望に応じたソフトウェアの受託開発や、半導体・FPDなどの電子デバイスの設計受託、さらにはEDA環境構築支援といったサービスを提供しています。これにより、顧客の多様なニーズに対応し、事業領域を拡大しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|686 文字
3 【事業の内容】当社は、LSI(Large Scale Integrated Circuit,大規模集積回路)やFPD(Flat Panel Display, フラットパネルディスプレイ)をはじめとした電子デバイス及び磁気ヘッドやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems,マイクロマシン) 等の微細加工部品を設計するための電子系CAD(Computer Aided Design, コンピューターによる設計支援)ソフトウェア製品を自社開発し、販売・サポート・コンサルテーションを行っております。電子系CADソフトウェアは、一般にEDA(Electronic Design Automation,電子設計用CAD)と呼ばれており、電子機器や電子デバイスの設計作業に対して、コンピューティングシステムのもとで、設計者の手足となり時には代行者として、設計品質の検証や自動化を支援するものであります。さらに当社は、EDA製品の販売やサポートに加えて、ソフトウェアの受託開発、半導体やFPD等電子デバイスの設計受託、及びEDA環境構築支援等のソリューション・ビジネスも行っております。 当社の事業の系統図は、次のとおりであります。 当社は、EDA製品、保守サービス及びソリューションを、顧客に提供しております。当社の主な顧客は、半導体メーカー、液晶パネルメーカー、電子機器メーカー、マスクメーカー、設計受託会社等であります。国内顧客への販売は、直販が中心でありますが、米国、台湾、中国、韓国等海外顧客への販売は、現地代理店を通じて行っております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2026時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
技術革新が速い市場で最先端ニーズを先取りし、製品に反映する必要があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
半導体やFPD等の市場は技術革新が極めて速く、常に最先端のニーズ、技術を先取りする必要がある。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:大規模災害による情報資産喪失 / 市場構造の変化への対策遅延 / 新製品開発力の低下
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

提供された財務サマリでは、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPに関する具体的な情報は確認できませんでした。情報通信業でありながら、無形資産に関する開示が限定的です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客がジーダットのシステムやサービスから他社へ移行する際のコストや手間に関する具体的な情報は開示されていません。しかし、基幹システムや業務アプリケーションの導入・運用においては、一定のスイッチングコストが発生する可能性が示唆されます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ジーダットの事業内容において、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果に関する具体的な証拠は見当たりませんでした。プラットフォーム型ビジネスではないと考えられます。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

情報通信業であり、競争環境は激しいと推測されますが、ジーダットが構造的に競合他社よりも低コストでサービスを提供できるという証拠は、提供された情報からは確認できませんでした。効率化努力は行われていると考えられます。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

ジーダットの市場シェアや業界内でのポジションに関する具体的なデータが不足しています。情報通信業は規模の経済が働きやすい分野ですが、ジーダットが業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているかは不明です。

  • 専門性の高い自社開発技術
    LSIやFPD、MEMSなどの最先端電子デバイス設計に特化した電子系CADソフトウェア(EDA)を自社で開発しています。これにより、市場のニーズに合わせた柔軟な製品開発が可能となり、競合他社との差別化を図っています。長年の研究開発で培われた技術ノウハウが強みです。
  • 包括的なソリューション提供力
    単にソフトウェアを販売するだけでなく、導入後のサポート、コンサルテーション、さらには顧客の要望に応じたソフトウェアの受託開発や電子デバイスの設計受託まで手掛けています。これにより、顧客はジーダットに一元的に依頼できるため、高いスイッチングコストが発生し、顧客との長期的な関係構築に繋がっています。
  • 多重分散管理による情報資産保護
    膨大なソフトウェアのソースコードや開発環境、顧客のライセンス情報といった極めて重要な情報資産を、東京都中央区と大阪府大阪市などで多重分散管理しています。これにより、大規模災害発生時にも事業継続性を高め、顧客への安定したサービス提供を可能にする体制を構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 経営方針(1) 会社の経営の基本方針当社は、『技術革新の激しい顧客企業等のパートナーたるにふさわしい知識、技術力を備え、常に最先端の技術を見つめつつ、顧客の現実の課題を確実に解決していくことにより社会に貢献する。』ことを経営の基本理念としております。この経営理念を実現すべく、半導体、FPD及び微細加工分野をターゲットとした電子系CADソフトウェア関連の事業領域において、No.1のポジションを目指し、強い自社開発製品を主軸とした高収益の事業を築いてまいります。具体的には、以下を経営方針としております。① 自社の強みや資源をフォーカスし、日本EDA市場において確固たる位置を占める② 世界に通用するNo.1技術、No.1製品を追求し、海外市場へ積極的に展開する③ 設計支援ソフトウェアの使命に鑑み、製品及びサポートサービスにおける品質を常に追求する (2) 目標とする経営指標当社は長年の事業実績と、安定したカスタマーベースを持ち、研究開発型の企業として継続的な先行開発投資を続けておりますが、主要顧客である半導体業界及びFPD業界の幅広い技術要求と激しい技術革新に適切に対応し、かつ米国のEDA大手企業に対抗して、如何に事業を拡大していくかが重要な経営課題となっております。当社では、事業対象を自社の強みを持つ分野にフォーカスし、他社との徹底的な差別化を図ることで、この課題に取り組んでおります。目標とする経営指標としては、ソフトウェア開発事業の特徴である固定費中心の費用構造であることから高収益な事業体質を目指し、経常利益率10%を目標としております。 経営環境国内の電子部品業界においては、電子部品が産業界から一般消費材にまで深く浸透してきたことによる、底堅いニーズに支えられながらも、厳しい国際競争の中、事業対象を特定分野に絞り込み、企業毎に多様化・専門化する傾向が続いております。特に半導体業界においては、人工知能(AI)の普及による高性能な半導体、特にGPU(Graphics Processing Unit)の需要が高まっております。海外メーカーが最先端プロセスを追求する微細化路線を突き進んでおり、国内にも最先端プロセス工場の建設が進められております。直近の概況としては、AI関連分野は堅調に推移しているものの、スマートフォン、パソコン、産業機械向けの半導体デバイスについては低迷が続き、二極化の様相を呈しております。また、イラン情勢による我が国における石油の供給状況次第では、今後、不透明感や景気減速感が顕在化する可能性があり、世界経済全体に対しても下押し要因となることが想定されます。 対処すべき課題このような状況にある電子部品業界を、EDA製品や設計サービスの提供という側面からサポートしている当社は、顧客の技術力の進化に同期したEDA製品や設計サービスの絶え間ない技術革新に加えて、顧客の多様なニーズに応えるために特定の分野に特化したEDA製品や設計サービスの提供が必須であり、技術力や製品力、開発力を強化し続けることが大きな課題となっております。また、当社の業容を速やかに拡大していくためには、販売市場や顧客層の拡張も並行して実施することが必要であり、情報発信力や営業力の強化、そして海外市場への展開が喫緊の課題となっております。具体的な課題は次のとおりです。 (1) 製品力・技術力の拡張:設計の更なる効率化とデバイス進化への適応に向けて研究開発を進めて、極めて難易度が高いと言われておりますアナログLSI設計の自動化に向けて挑戦を続けていきます。段階的にレイアウト設計自動化ツールの機能拡張を継続して、自動化の比率を高めていきます。更に、現在EV化の促進や省エネ対策として注目を集めております、パワー半導体の設計効率化と省電力化の追求を行っていきます。まずはパワー半導体向け設計ツールに自動化機能を付加して、設計効率向上を図ります。これらの機能拡張に向けた研究開発を円滑に進めるために、社外からの技術導入や技術提携を積極的に進めて、必要な基幹技術を確保していきます。また産学連携等も推進して、当社の基礎開発力の向上を図っていきます。 (2) 製品ラインアップの拡張:多様なニーズに応えるために今後、特に日本国内でニーズが高まると予想される、電子部品分野や半導体後工程分野にも研究開発範囲を拡張していきます。更にお客様の多様なニーズに応えるため、当社研究開発の対象外の分野に関しては、国内外から競争力のある特徴的な代理販売品を厳選し、その製品をお客様に販売・サポートしていきます。 (3) 販売力の拡張:デバイスソリューションの売上拡大デバイスソリューション分野においては、従来の国内の顧客に加え、海外販路の開拓と拡張を展開してまいります。また、SX-Meisterを駆使した設計&コンサル型提案にシフトし、利益率の改善に努めてまいります。 (4) 販売チャネルの拡張:幅広いお客様層を求めてこれまで当社の販売・サポート対象は、日本国内が中心でしたが、今後は重点海外パートナー企業を定め、その会社との販売連携を強化して、特に「プラットフォーム」戦略を推進してまいります。また従来EDA製品の普及度が低かった、製造装置・テスタ・検査装置分野そして素材分野にも販売チャネルを拡張していく予定であります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 経営方針(1) 会社の経営の基本方針当社は、『技術革新の激しい顧客企業等のパートナーたるにふさわしい知識、技術力を備え、常に最先端の技術を見つめつつ、顧客の現実の課題を確実に解決していくことにより社会に貢献する。』ことを経営の基本理念としております。この経営理念を実現すべく、半導体、FPD及び微細加工分野をターゲットとした電子系CADソフトウェア関連の事業領域において、No.1のポジションを目指し、強い自社開発製品を主軸とした高収益の事業を築いてまいります。具体的には、以下を経営方針としております。① 自社の強みや資源をフォーカスし、日本EDA市場において確固たる位置を占める② 世界に通用するNo.1技術、No.1製品を追求し、海外市場へ積極的に展開する③ 設計支援ソフトウェアの使命に鑑み、製品及びサポートサービスにおける品質を常に追求する (2) 目標とする経営指標当社は長年の事業実績と、安定したカスタマーベースを持ち、研究開発型の企業として継続的な先行開発投資を続けておりますが、主要顧客である半導体業界及びFPD業界の幅広い技術要求と激しい技術革新に適切に対応し、かつ米国のEDA大手企業に対抗して、如何に事業を拡大していくかが重要な経営課題となっております。当社では、事業対象を自社の強みを持つ分野にフォーカスし、他社との徹底的な差別化を図ることで、この課題に取り組んでおります。目標とする経営指標としては、ソフトウェア開発事業の特徴である固定費中心の費用構造であることから高収益な事業体質を目指し、経常利益率10%を目標としております。 経営環境国内の電子部品業界においては、電子部品が産業界から一般消費材にまで深く浸透してきたことによる、底堅いニーズに支えられながらも、厳しい国際競争の中、事業対象を特定分野に絞り込み、企業毎に多様化・専門化する傾向が続いております。特に半導体業界においては、人工知能(AI)の普及による高性能な半導体、特にGPU(Graphics Processing Unit)の需要が高まっております。海外メーカーが最先端プロセスを追求する微細化路線を突き進んでおり、国内にも最先端プロセス工場の建設が進められております。直近の概況としては、AI関連分野は堅調に推移しているものの、スマートフォン、パソコン、産業機械向けの半導体デバイスについては低迷が続き、二極化の様相を呈しております。また、イラン情勢による我が国における石油の供給状況次第では、今後、不透明感や景気減速感が顕在化する可能性があり、世界経済全体に対しても下押し要因となることが想定されます。 対処すべき課題このような状況にある電子部品業界を、EDA製品や設計サービスの提供という側面からサポートしている当社は、顧客の技術力の進化に同期したEDA製品や設計サービスの絶え間ない技術革新に加えて、顧客の多様なニーズに応えるために特定の分野に特化したEDA製品や設計サービスの提供が必須であり、技術力や製品力、開発力を強化し続けることが大きな課題となっております。また、当社の業容を速やかに拡大していくためには、販売市場や顧客層の拡張も並行して実施することが必要であり、情報発信力や営業力の強化、そして海外市場への展開が喫緊の課題となっております。具体的な課題は次のとおりです。 (1) 製品力・技術力の拡張:設計の更なる効率化とデバイス進化への適応に向けて研究開発を進めて、極めて難易度が高いと言われておりますアナログLSI設計の自動化に向けて挑戦を続けていきます。段階的にレイアウト設計自動化ツールの機能拡張を継続して、自動化の比率を高めていきます。更に、現在EV化の促進や省エネ対策として注目を集めております、パワー半導体の設計効率化と省電力化の追求を行っていきます。まずはパワー半導体向け設計ツールに自動化機能を付加して、設計効率向上を図ります。これらの機能拡張に向けた研究開発を円滑に進めるために、社外からの技術導入や技術提携を積極的に進めて、必要な基幹技術を確保していきます。また産学連携等も推進して、当社の基礎開発力の向上を図っていきます。 (2) 製品ラインアップの拡張:多様なニーズに応えるために今後、特に日本国内でニーズが高まると予想される、電子部品分野や半導体後工程分野にも研究開発範囲を拡張していきます。更にお客様の多様なニーズに応えるため、当社研究開発の対象外の分野に関しては、国内外から競争力のある特徴的な代理販売品を厳選し、その製品をお客様に販売・サポートしていきます。 (3) 販売力の拡張:デバイスソリューションの売上拡大デバイスソリューション分野においては、従来の国内の顧客に加え、海外販路の開拓と拡張を展開してまいります。また、SX-Meisterを駆使した設計&コンサル型提案にシフトし、利益率の改善に努めてまいります。 (4) 販売チャネルの拡張:幅広いお客様層を求めてこれまで当社の販売・サポート対象は、日本国内が中心でしたが、今後は重点海外パートナー企業を定め、その会社との販売連携を強化して、特に「プラットフォーム」戦略を推進してまいります。また従来EDA製品の普及度が低かった、製造装置・テスタ・検査装置分野そして素材分野にも販売チャネルを拡張していく予定であります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当事業年度における、当社の主要顧客である半導体を含む電子部品業界では、引き続きAI関連分野は堅調に推移しているものの、スマートフォン、パソコン、産業機械向けの半導体デバイスについては低迷が続き、二極化の様相を呈しております。また、イラン情勢による我が国における原油の供給状況次第では、今後、不透明感や景気減速感が顕在化する可能性があり、世界経済全体に対しても下押し要因となることが想定されます。このような状況の中、当社は産官学との協力を強化し、アナログ半導体向けにAIを用いた設計の自動化に取り組み、設計環境の効率化を追求しており、さらに政府および自治体が推進している半導体人材育成にもツールの提供などで貢献しております。2025年6月にはフォトマスクの静電破壊検証の技術を実装した「SX-Meister PowerVolt(V19.0)」をリリースしました。この「SX-Meister PowerVolt(V19.0)」の機能追加により、マスク製造前にCADデータ上でフォトマスクの静電破壊のリスク検証を世界で初めて実現しました。これにより、製造コストのロスを大幅に削減でき、品質向上に大きく貢献することが期待できます。また、12月には、主力製品であるSX-Meisterの1つである「SX-Meister SCAI」の機能強化など、様々な製品の機能追加、レイアウトの編集効率の向上、操作性の向上などを実装した「SX-Meister V20.0」をリリースしました。産官学との協力強化という面では、2025年4月1日に有明工業高等専門学校が開設しましたCircuit Design and Education Center(CDEC)に教育利用を目的としたSX-Meisterのライセンスを提供しました。10月には、木村情報技術株式会社(本社:佐賀県佐賀市、代表取締役:木村 隆夫)と、教育分野における半導体設計の学習環境を整備することを目的に、教育機関向けクラウド版SX-Meisterの提供に関する覚書を締結し2026年4月より提供を開始しました。これにより、学生が場所を問わず実践的な半導体設計を学べる教育環境を提供できるようになりました。国内販売促進活動としては、2025年4月に開催された「Photomask Japan 2025」や、11月に開催された「JEVeC Day 2025」に、当社主力製品及び各パートナー企業の代理販売製品を出展し、多くの来場顧客に製品紹介を行うことができ、商談開拓につながりつつあります。また、10月には「SX-Meister Technology Seminar 2025 October」をウェビナー形式にて開催し、「SX-Meister 最新機能と開発ロードマップ」をご紹介しました。このセミナーには多くのお客様に参加を賜り、新たな商談につながりつつあります。デバイス設計受託サービスにおいては、国内での設計委託需要が引き続き活発であり、業績に順調に貢献しております。これらの活動の結果、売上高は20億41百万円(前年比1.0%減)となり、一部翌年度に期ズレした案件等もあり、わずかながら減収となりました。一方で、営業利益は前年より若干ながら増益の2億60百万円(同1.4%増)となり、経常利益は助成金の収入減により2億51百万円(同13.4%減)となりました。当期純利益は1億72百万円(同19.4%減)となりました。 種目別の売上状況は次のとおりであります。(製品及び商品売上高)製品及び商品売上高は11億78百万円(前期比1.8%増)となりました。製品売上高が増加した主な理由は、主に代理店製品の需要増によるものです。引き続き、国内外の市場に向けた積極的な営業活動を展開してまいります。(保守サービス売上高)保守サービス売上高は4億39百万円(前期比5.0%増)となりました。保守サービス売上高が増加した主な理由は、積極的な新機能提案活動とあわせて保守契約の締結の促進が功を奏したことによりますが、引き続き顧客ニーズに合わせたサポート・サービスの向上に努めてまいります。 (ソリューション売上高)ソリューション売上高(受託開発等)は4億23百万円(前期比13.0%減)となりました。ソリューション売上高が減少した主な理由は、前年度あった商談の規模が縮小したことによるものと一時的な受注減によるものです。現時点で受注状況は好調となっておりますので、引き続き、半導体関連の既存顧客の売上拡大に加えて、新規顧客の開拓を積極的に進めてまいります。 ② キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前事業年度末に比べて1億98百万円(7.8%)増加し27億44百万円となりました。営業活動の結果得られた資金は、2億40百万円(174.5%)増加し3億78百万円となりました。主な内訳は、税引前当期純利益2億51百万円及び、売上債権の減少1億17百万円であります。投資活動の結果使用した資金は、25百万円(前期は13百万円の収入)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出5百万円であります。財務活動の結果使用した資金は前期と同額の1億53百万円となりました。内訳は、配当金の支払額であります。 ③ 生産、受注及び販売の状況a. 生産実績当社はEDAソフトウェアの開発・販売及びコンサルテーション業であり、生産実績の把握が困難でありますので、記載を省略しております。 b. 仕入実績当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。 仕入区分(注)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)仕入高(千円)前年同期比(%)材 料98,87873.7商 品242,600113.0合計341,47997.9 (注) 当社は仕入実績を売上原価の区分別で記載しております。 c. 受注実績当事業年度における受注実績は、次のとおりであります。 受注区分(注)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)製品及び商品929,39782.6728,21074.5保守サービス378,27085.9312,62783.7ソリューション377,69570.236,00744.0合計1,685,36480.11,076,84575.1 (注) 当社は受注実績を売上区分別で記載しております。 d. 販売実績当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。 販売区分(注)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)販売高(千円)前年同期比(%)製品及び商品1,178,974101.8保守サービス439,043105.0ソリューション423,58687.0合計2,041,60499.0 (注) 当社は販売実績を売上区分別で記載しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたり、資産・負債の残高及び収益・費用の金額に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況並びに現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りを採用しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」中、「1財務諸表等(1)財務諸表」の「注記事項」の「重要な会計方針」に記載しております。 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当事業年度の経営成績等は次のとおりであります。(売上高)当事業年度における当社の売上高は、前期比21百万円(1.0%)減少の20億41百万円となりました。種目別の内訳といたしましては、製品及び商品売上高は、前期比21百万円(1.8%)増加の11億78百万円、保守サービス売上高は、前期比21百万円(5.0%)増加の4億39百万円、ソリューション売上高は、前期比63百万円(13.0%)減少の4億23百万円であります。市場別にみますと、半導体市場においては海外向けの代理店製品の売上が拡大した一方でソリューション売上高の減少が影響し、前期比10百万円(0.7%)減少の15億32百万円となりました。液晶パネル等のFPD市場につきましては、継続した国内液晶メーカーの撤退や事業縮小の影響を受け、前期比10百万円(2.1%)減少の5億9百万円となりました。 (売上総利益)売上原価は前期比29百万円(3.9%)減少の7億27百万円となりました。売上総利益は、デバイス設計受託関連の受注が減少した結果利益率がやや向上したことにより、前期比8百万円(0.6%)増加の13億13百万円となりました。 (営業利益)販売費及び一般管理費のうち、研究開発費に関しては、引き続き主力製品である「SX-Meister」の開発投資を集中的に行った結果、前期比16百万円(4.4%)減少の3億47百万円となり、売上高比率としては17.0%となりました。その他経費については継続的な見直しを行い、販売費及び一般管理費合計は前期比4百万円(0.4%)増加の10億53百万円となりました。以上の結果、営業利益は前期比3百万円(1.4%)増加の2億60百万円となりました。 (経常利益)営業外収益は、受取利息の増加の一方で助成金収入がなくなったことにより、前期比21百万円(50.4%)減少の20百万円となりました。営業外費用は、主に投資事業組合運用損の増加により、前期比21百万円(237.5%)増加の30百万円となりました。以上の結果、経常利益は前期比38百万円(13.4%)減少の2億51百万円となりました。なお、当社が目標とする経営指標は経常利益率10%以上でありますが、助成金収入の減少及び投資事業組合運用損の増加があったものの、経常利益率12.3%(前年同期は14.1%)となり、目標を達成しております。 (当期純利益)税引前当期純利益は、前期比38百万円(13.4%)減少し、2億51百万円となりました。法人税、住民税及び事業税として70百万円(前年同期比106.3%増)、法人税等調整額を8百万円(前年同期比80.0%減)計上したことにより、当期純利益は前期比41百万円(19.4%)減少の1億72百万円となりました。 当事業年度の財政状態の分析は次のとおりであります。(流動資産)流動資産は、前期比85百万円(2.7%)増加の31億92百万円となりました。その主な要因は、電子記録債権が90百万円(41.5%)減少し1億28百万円となった一方で、現金及び預金が前期比1億98百万円(7.8%)増加し27億44百万円になったことによるものであります。 (固定資産)固定資産は、前期比31百万円(2.7%)減少の11億34百万円となりました。固定資産の内訳は、有形固定資産が前期比6百万円(28.9%)減少の16百万円、無形固定資産が前期比5百万円(40.4%)減少の8百万円、投資その他の資産が前期比19百万円(1.7%)減少の11億9百万円となりました。投資その他の資産の減少の主な要因は、投資有価証券が前期比18百万円(14.3%)減少し1億13百万円となったことによるものであります。 (流動負債)流動負債は、前期比35百万円(5.2%)増加の7億10百万円となりました。その主な要因は、前受金が前期比48百万円(10.9%)減少し3億93百万円となった一方で、未払法人税等が49百万円(400.7%)増加し61百万円となったこと及び、買掛金が19百万円(34.5%)増加し76百万円となったことによるものであります。 (固定負債)固定負債は、前事業年度末と同額の3百万円となりました。内訳は、資産除去債務であります。 (純資産)当事業年度末の純資産残高は、前期比18百万円(0.5%)増加し36億12百万円となりました。要因は、利益剰余金が前期比18百万円(0.9%)増加し19億85百万円となったことによるものであります。この結果、自己資本比率は前事業年度末の84.1%から83.5%となりました。 当事業年度のキャッシュ・フローの分析は次のとおりであります。当事業年度のキャッシュ・フローの分析は、(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況 に記載のとおりであります。なお当社は、事業の更なる拡大に向けて将来的にM&Aや技術提携ならびにIP調達等を行う方針であり、そのための資金の調達源として当社が現在保有している現預金等を充当する予定であります。それらの資金に関しましては、案件が発生した場合に速やかな資金調達を実現するべく高い流動性を維持しております。

事業リスク

  • 大規模災害による事業継続リスク
    ソフトウェアのソースコードや開発環境、顧客ライセンス情報といった極めて重要な情報資産を保有しており、これらは東京都中央区と大阪府大阪市などで多重分散管理されています。しかし、大規模災害が発生し、これらの情報資産の大部分が失われた場合、事業の継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。
  • 市場構造変化への対応遅れリスク
    国内市場は縮小傾向にあるため、海外FPD市場での拡販や海外半導体市場への新製品投入による販売力強化を進めています。また、国内では高信頼性設計ニーズの掘り起こしによるシェア拡大を目指しています。これらの市場対策が遅れたり、適切でなかったりした場合、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 新製品開発力の低下リスク
    半導体やFPD市場は技術革新が非常に速く、常に最先端のニーズを捉え、タイムリーに製品に反映させる必要があります。しかし、新しい技術の研究開発から製品化、市場認知、事業化までには長い年月と多額の資金が必要です。市場ニーズを的確に捉えられず、優秀な人材や資金を確保できない場合、製品の競争力が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,273 文字
3 【事業等のリスク】提出日現在において当社が判断する、経営成績ならびに財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主な事項は、以下のとおりであります。 (1) 大規模災害あるいはその派生事象発生について当社は膨大なソフトウェア製品のソースコード及び開発環境、ならびに顧客へのライセンス情報を保有していますが、これらは極めて重要な情報資産であるため、東京都中央区及び大阪府大阪市等で、多重分散管理しております。大規模災害発生等により、これらの情報の全てあるいは多くが失われた場合には事業継続に重大な影響を及ぼす恐れがあります。 (2) 市場構造の変化について当社が対象としている国内市場はまだしばらくは縮小傾向にあります。この対策として、海外FPD市場での拡販強化を進めており、さらに海外半導体市場に対しても、新製品の投入等を実施して販売力を強化してまいります。また国内市場に対しても、従来の生産性向上ニーズに加えて高信頼性設計ニーズの掘り起こしを行い、シェア拡大を目指しております。これらの対策が遅れる場合や適切でない場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 新製品開発力について当社が対象とする半導体やFPD等の市場は、技術革新が極めて速いため、常に最先端のニーズ、技術を先取りしてタイムリーに製品に反映していく必要があります。しかしながら一方で、この分野は、新しい技術を研究、製品化し、その製品を市場に認知させ、事業化のレベルにまで持っていくには、かなりの年月が必要となります。また、これらの新しい技術、製品がそのまま市場に受け入れられるという保証もありません。当社が、市場のニーズの変化を的確に捉えることができず、研究開発型の企業として優秀な人材の確保、資金の確保ができず、製品の競争力が相対的に低下した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 知的財産権について当社が保有する技術については、特許として知的財産権を獲得するよりもノウハウとして蓄積した方が事業戦略上優位であると判断されるものを除き、その費用対効果も考慮に入れた上で特許権等の知的財産権の登録を行い、権利保護に努めております。また、他社知的財産権の侵害については、社内教育ならびに外注指導を徹底し細心の注意を払ってはおりますが、将来、当社が認識していない特許の成立等で、第三者より侵害の通告を受ける可能性はあります。その場合、裁判等に必要な費用も含めて多額の費用が必要となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) パートナー会社の事業当社は、自社開発製品を中心に事業を展開しておりますが、一部補完製品を他社より調達しております。これらのパートナー企業の多くは、海外のベンチャー企業であり、これらの企業が経営不振に陥ったり買収されたりするような場合には、仕入商品による売上比率が20%程度と低いとはいえ、先行的な営業活動等の投資が回収できない、更にその時点でキーとなる製品を失う等の理由で、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

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