経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「時間を与えるソフトウエアを創り続ける」をミッションに掲げ、時代のニーズに合ったオリジナルのパッケージソフトウエアやサービスを開発・販売しています。社会の変化や顧客のニーズを捉え、最新の技術を活用しながら社員の自由な発想を活かし、新しい製品・サービスを事業化しています。自社で製品・サービスを開発することにより、市場ニーズの変化にすばやく対応し、高度な独自技術を蓄積することで収益性の高い事業とすることができます。 また、昨今の生成AIの急速な進化は、ソフトウエア業界に根本的な問いを突きつけています。「操作させるだけのソフトウエア」や「言われたことを正確にこなす仕事」が急速に価値を失いつつあり、旧来のビジネスモデルに依存し続けることは許されません。一方で、この変化は当社グループにとり大きなチャンスでもあります。製造業の業務プロセスに深く入り込み、上流工程から課題を本質的に解決する当社グループの強みは、AIが容易に代替できるものではなく、むしろAIを組み合わせることで付加価値がさらに高まると確信しています。 このような経営環境において、当社グループは「風通しの良い相互尊重の精神あふれる職場環境をみんなで作り、みんなが働きやすい雰囲気の中で創造力、技術力を常に磨き、品質の高いソリューションを提供し続ける。」ことを経営方針とし、働きやすい環境作りを目指しています。 当社グループが位置する業界では「人」が唯一の資産です。昨今、ITエンジニアの採用は競争が激しく非常に困難な状況が続いていますが、入社後の人材育成と早期戦力化が最も重要な成功要因です。当社グループでは、人材教育を積極的に行うとともに、社員が働きやすい環境作りに力を入れています。ヒトやコトに高い関心を持ち、良いものを評価し、相互に尊重し、自身の創造力や技術力をさらに磨くことで、優れた発想やアイデアを生むことができると考えています。また、そのためには自律・自立した社員の一人ひとりが働きやすい職場環境を創り出していくことが理想と考え、そのような仕組み作りが会社の責務だと認識し、これを経営方針としています。 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 現在の世界経済は、依然として不安定な要素が散見されますが、IT業界においてはAIやクラウド、SaaSなどの最先端テクノロジーの活用が進み、デジタル化及び自動化の動きが加速しています。このため、企業システムの再構築や機能追加に対する需要が高まり、IT投資は引き続き増加傾向にあります。これらの新しいテクノロジーは、開発効率を飛躍的に向上させる一方で、顧客ニーズの高度化や多様化、さらには急増する需要が影響し、業界全体で深刻なエンジニア不足が顕在化しています。 当社グループは、「ものつくり企業のビジネスプロセスをITの力で本質的に変革する」という長期ビジョンを掲げ、「時間を与えるソフトウエアを創り続ける」「プロダクト指向からの脱皮、課題解決のためのシステムインテグレーション」を実現するため、2033年2月期に売上高120億円、営業利益20億円(営業利益率16.6%)を目指しています。 また、当社グループは、この長期ビジョン達成に向けた当面の短期目標を「2年経営計画」として策定しております。前「2年経営計画」(2025年度~2026年度)では、当社グループは既存事業の成長と収益力の改善を着実に進めてまいりました。一方で、生成AIの急速な進化により、当業界及び顧客企業の業務変革のスピードは一段と加速しております。こうした環境認識のもと、現「2年経営計画」(2026年度~2027年度)では、今後2年間を過去の延長線上での事業運営ではなく、将来の成長軌道を明確に切り替えるための重要な移行期間と位置付けております。なお、2026年度は売上高63億円、営業利益7億円(営業利益率11.1%)、2027年度は売上高71億円、営業利益8億円(営業利益率11.3%)を数値目標としております。 ①事業戦略 a. 収益基盤の多軸化とクロスセルによる成長加速 当社グループは、これまでの「GRANDIT」中心の収益構造から一歩進み、グローバル標準ERPである「SAP」及び製造業特化型ソリューションである「mcframe」を次なる成長の柱として育成してまいります。これにより、グローバル展開を進める企業や製造現場のDX需要を着実に取り込むとともに、ERP、製造業向けソリューション、AIソリューション、開発ツールを組み合わせたクロスセルを強化し、顧客単価及び顧客接点の拡大を図ってまいります。収益基盤の多軸化とクロスセルの推進により、「2年経営計画」を実現してまいります。 b. 「AIネイティブ」組織への進化と人的資本の最大化 当社グループは、全社員のAI活用能力を高め、「AIファースト」から、提案、設計、開発、品質管理などの業務そのものをAI前提でゼロから再設計する「AIネイティブ」な組織への進化を進めてまいります。具体的には、職種別AIスキルモデルの整備、社内AIアシスタントの活用、業務プロセスの見直し等を通じて、社員一人ひとりの生産性と付加価値創出力の向上を図ります。このような取り組みを通じ、収益成長を支える実行力と利益率向上の基盤を強化してまいります。 c. AIを軸にした新規事業の創出とアライアンスを通じた飛躍的な成長 当社グループは、既存事業による安定的な収益基盤を維持しつつ、将来の新たな収益の柱を構築するため、AIを軸とした新規事業の立ち上げを推進してまいります。また、合弁事業やM&Aを含むアライアンスを機動的に活用し、自社単独では獲得が難しい技術・顧客基盤・市場機会を取り込むことで、中長期的な成長余地の拡大を目指してまいります。「2年経営計画」では、このような将来成長に向けた種まきと事業化の加速を重点的に進めてまいります。 ②人材戦略 当社グループは、個人の成長と企業価値向上を両立させるため、一人ひとりが自ら考え、行動し、価値を創出できる「未来型人材」の育成を進めてまいります。問題発見力、予測力、創造力を備えた人材を育成するため、教育制度の整備と継続的な人材投資を実施するとともに、AIを実務で使いこなせる「一流の技術者」としての高度人材育成に取り組みます。 このように、人的資本経営として当社の成長に寄与して活躍する「未来型人材」の育成に投資を行い、「社員全員が一流の技術者」となることにより、社員が付加価値の高いサービスを高い生産性で提供できるようになることが、持続的な利益成長を実現する強固な収益基盤の構築、ひいては長期ビジョン達成の基盤になると考えております。 ③グループ戦略 当社グループは、親会社と子会社を単なる上下関係ではなく、それぞれが自立した競争力を持ちながら相互に知見を循環させる「自立型グループモデル」として進化させてまいります。当社が保有するERP技術、AI技術、業界業務知見をグループ各社へ展開し、グループ各社はそれを基盤として独自のナレッジやビジネスモデルを強化してまいります。 これにより、グループ全体として市場開拓力と収益力を高め、連結売上高及び利益の拡大につなげてまいります。 ④資本戦略 当社は、「業務システム×AI×開発ツール」の領域に経営資源を集中し、事業活動により獲得したキャッシュを、必要に応じて負債も活用しながら、次の成長に向けた戦略投資へ配分してまいります。具体的には、新規事業・製品開発、人材育成、業務効率化のための社内システムやオフィス環境の整備、並びに機能補完やシナジー創出が見込まれるM&Aに対し、継続的に投資を行ってまいります。投資判断にあたっては、資本コスト(WACC)を意識した投資効率(ROIC)の向上と、一株当たり利益(EPS)の持続的改善を重視いたします。 また、株主還元については、連結配当性向30%を下限とすることを基本方針としつつ、中長期的には累進配当を志向し、配当性向を35%、さらに40%の水準へ引き上げていくことを目指してまいります。 ⑤サステナビリティへの取り組み 当社グループは、企業の社会的責任を果たすため、さいたま、大阪、福岡の各拠点における地域社会への貢献活動への取り組みを推進します。サステナビリティへの取り組みに関する詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。 ⑥経営の透明性確保と適切なガバナンス体制の構築 当社グループは、社内の各種データを整備し、データ駆動経営を強化します。事業活動を定量化し、俯瞰的かつ客観的にモニタリングしております。社外役員による監督のもと少数株主の利益にも配慮しながら、適時適切な意思決定を行ってまいります。 (3)目標とする経営指標 当社グループは、成長性と収益性を重視しており、それぞれの指標として売上高成長率及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けています。これらの指標をバランスよく伸ばしながら企業価値を向上させることを経営課題としています。 また、事業別の運営実態や業績状況を視るものとして、主に次のような指標を注視しています。 ・事業別の売上高、売上総利益(率)及び事業利益(率)の推移 ・事業別の従業員一人当たり売上高及び売上総利益 ・事業別、部門別の稼働率 さらに、健全性や安定性を表すものとして、次のような指標も重視しています。 ・プロジェクト利益の計画・実績の推移 ・プロジェクト失敗件数の推移 ・販売費比率、管理費比率の推移 ・離職率、社員満足度の推移 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、2032年度に向けた長期ビジョンとして「ものつくり企業のビジネスプロセスをITの力で本質的に変革する」ことを掲げ、時間を奪うのではなく時間を与えるソフトウエアを創り続け、日常の課題解決のためのシステムインテグレータとなることを目指しております。また、「2年経営計画」(2026年度~2027年度)の数値目標の達成に向け、エンタープライズ領域をターゲットとし、「業務系システム」「AI」「開発ツール」の3つの事業ドメインに経営資源を集中し、以下の各項目を重要課題と認識して解決に向けて取り組んでおります。 ①AIネイティブ経営への転換 AIの急速な進化により、「操作させるだけのソフトウエア」や「言われたことを正確にこなす仕事」は急速に価値を失いつつあります。これは当社事業そのものが問い直される変化であり、過去の延長線上にある対応では不十分です。当社は、業務の発想をゼロから再設計する「AIネイティブ」な組織体制への転換を、この2年間の最重要課題と位置づけます。 全従業員がAIを自らの武器として使いこなし、提案・設計・開発・品質管理・顧客対応のあらゆる領域で業務を再設計します。職種別AIスキルモデルの導入と社内AIアシスタントの整備により、一人ひとりの生産性と付加価値を飛躍的に高めます。また、当社製品にAIを組み込んで顧客への提供価値を高めるとともに、AI活用を前提とした新しいビジネスモデルの創出を推進してまいります。 ②ERP事業の多軸化と新規事業の創出 当社の収益は特定製品への依存度が高く、業績が事業年度により大きく変動しやすい構造的課題を抱えてきました。今後の持続的な成長のためには、GRANDIT依存からの脱却と複数の収益軸の確立が不可欠です。 SAP・mcframe・KENZなどへの多軸展開を進め、ものつくり企業のビジネスプロセス全体を支えるERPポートフォリオを構築します。また、保守・運用・クラウドサービスによるストック型収益の比率を高め、単発プロジェクト依存からの脱却を図ります。これにより、外部環境の変化に左右されにくい、継続的で再現性の高い収益モデルを確立し、安定的な経営基盤を実現してまいります。 ③AI時代を見据えた新規事業の創出 当社グループの持続的成長のためには、現在の基盤事業に加え、AI時代に競争優位を持てる新たな収益の柱を育てることが必要です。ECM-SCM業務支援AI(検図AI)、図面・BOM・調達変更の自動化、ERP+AIを融合した設計ハブや経営管理ツールなど、製造業の現場課題をAIで解決する新規事業の立ち上げを加速します。 独自のステージゲート制度により、小規模実証から段階的に投資判断を行う規律あるプロセスを徹底し、リスクを管理しながら新規事業の成功確率を高めます。また、合弁事業やM&Aを機動的に活用し、社内リソースだけに頼らない事業展開を進めてまいります。 ④人材の採用・育成と早期戦力化 当社の事業競争力は、エンジニアをはじめとする人材の質と量に直接依存しています。AI時代においても、業務を深く理解し、顧客の課題を本質から解決できる「一流の技術者」を育て続けることが当社の最大の差別化要因です。 事業成長に合わせた計画的な採用を進めるとともに、採用した人材の早期戦力化をAIで加速します。AIによるコードレビューや技術スキル診断、パーソナライズされた学習プラン自動生成など、最先端の人材育成システムを構築し、若手社員の成長スピードを高めます。また、「挑戦して失敗した人を評価する」文化の醸成に加え、女性活躍をはじめとする人材の多様性の向上や、働きやすい環境づくりを推進します。こうした取り組みによる社員エンゲージメントの継続的な向上により、優秀な人材が定着し、会社とともに持続的に成長できる環境を整えてまいります。 ⑤計画的な資本政策と株主価値の向上 AI時代において事業上のポジションを確立するためには、機を逸せず積極的な成長投資を行うことが不可欠です。一方で、財務健全性を維持しながら株主への安定的な還元を続けることも経営の責任です。当社は、成長投資と株主還元を両立させる計画的な資本政策を推進してまいります。 合弁事業やM&Aへの投資、新規事業への種まき投資を戦略的に実行しつつ、事業投資効率(ROIC)の向上と継続的な1株当たり利益(EPS)の成長により株式価値の向上を図ります。配当性向30%以上を継続することを基本方針とし、投資と還元のバランスを投資家に対して透明性高く開示してまいります。 ⑥顧客中心の営業・提案力の強化 当社が持続的に成長するためには、製品を売るプロダクト志向から、顧客の経営課題を起点に最適なソリューションを提案する顧客中心のアプローチへの転換が必要です。業務プロセス理解・ERP実装力・AI技術の三位一体による差別化提案を実現し、顧客とともに成長するパートナーとしての地位を確立します。 顧客管理・営業支援ツールとAIを組み合わせ、マーケットと顧客動向の分析に基づく効果的な営業戦略を立案するとともに、AI活用による提案書作成や案件管理の効率化により、営業力と企画提案力を強化してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、「時間を与えるソフトウエアを創り続ける」をミッションに掲げ、時代のニーズに合ったオリジナルのパッケージソフトウエアやサービスを開発・販売しています。社会の変化や顧客のニーズを捉え、最新の技術を活用しながら社員の自由な発想を活かし、新しい製品・サービスを事業化しています。自社で製品・サービスを開発することにより、市場ニーズの変化にすばやく対応し、高度な独自技術を蓄積することで収益性の高い事業とすることができます。 また、昨今の生成AIの急速な進化は、ソフトウエア業界に根本的な問いを突きつけています。「操作させるだけのソフトウエア」や「言われたことを正確にこなす仕事」が急速に価値を失いつつあり、旧来のビジネスモデルに依存し続けることは許されません。一方で、この変化は当社グループにとり大きなチャンスでもあります。製造業の業務プロセスに深く入り込み、上流工程から課題を本質的に解決する当社グループの強みは、AIが容易に代替できるものではなく、むしろAIを組み合わせることで付加価値がさらに高まると確信しています。 このような経営環境において、当社グループは「風通しの良い相互尊重の精神あふれる職場環境をみんなで作り、みんなが働きやすい雰囲気の中で創造力、技術力を常に磨き、品質の高いソリューションを提供し続ける。」ことを経営方針とし、働きやすい環境作りを目指しています。 当社グループが位置する業界では「人」が唯一の資産です。昨今、ITエンジニアの採用は競争が激しく非常に困難な状況が続いていますが、入社後の人材育成と早期戦力化が最も重要な成功要因です。当社グループでは、人材教育を積極的に行うとともに、社員が働きやすい環境作りに力を入れています。ヒトやコトに高い関心を持ち、良いものを評価し、相互に尊重し、自身の創造力や技術力をさらに磨くことで、優れた発想やアイデアを生むことができると考えています。また、そのためには自律・自立した社員の一人ひとりが働きやすい職場環境を創り出していくことが理想と考え、そのような仕組み作りが会社の責務だと認識し、これを経営方針としています。 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略 現在の世界経済は、依然として不安定な要素が散見されますが、IT業界においてはAIやクラウド、SaaSなどの最先端テクノロジーの活用が進み、デジタル化及び自動化の動きが加速しています。このため、企業システムの再構築や機能追加に対する需要が高まり、IT投資は引き続き増加傾向にあります。これらの新しいテクノロジーは、開発効率を飛躍的に向上させる一方で、顧客ニーズの高度化や多様化、さらには急増する需要が影響し、業界全体で深刻なエンジニア不足が顕在化しています。 当社グループは、「ものつくり企業のビジネスプロセスをITの力で本質的に変革する」という長期ビジョンを掲げ、「時間を与えるソフトウエアを創り続ける」「プロダクト指向からの脱皮、課題解決のためのシステムインテグレーション」を実現するため、2033年2月期に売上高120億円、営業利益20億円(営業利益率16.6%)を目指しています。 また、当社グループは、この長期ビジョン達成に向けた当面の短期目標を「2年経営計画」として策定しております。前「2年経営計画」(2025年度~2026年度)では、当社グループは既存事業の成長と収益力の改善を着実に進めてまいりました。一方で、生成AIの急速な進化により、当業界及び顧客企業の業務変革のスピードは一段と加速しております。こうした環境認識のもと、現「2年経営計画」(2026年度~2027年度)では、今後2年間を過去の延長線上での事業運営ではなく、将来の成長軌道を明確に切り替えるための重要な移行期間と位置付けております。なお、2026年度は売上高63億円、営業利益7億円(営業利益率11.1%)、2027年度は売上高71億円、営業利益8億円(営業利益率11.3%)を数値目標としております。 ①事業戦略 a. 収益基盤の多軸化とクロスセルによる成長加速 当社グループは、これまでの「GRANDIT」中心の収益構造から一歩進み、グローバル標準ERPである「SAP」及び製造業特化型ソリューションである「mcframe」を次なる成長の柱として育成してまいります。これにより、グローバル展開を進める企業や製造現場のDX需要を着実に取り込むとともに、ERP、製造業向けソリューション、AIソリューション、開発ツールを組み合わせたクロスセルを強化し、顧客単価及び顧客接点の拡大を図ってまいります。収益基盤の多軸化とクロスセルの推進により、「2年経営計画」を実現してまいります。 b. 「AIネイティブ」組織への進化と人的資本の最大化 当社グループは、全社員のAI活用能力を高め、「AIファースト」から、提案、設計、開発、品質管理などの業務そのものをAI前提でゼロから再設計する「AIネイティブ」な組織への進化を進めてまいります。具体的には、職種別AIスキルモデルの整備、社内AIアシスタントの活用、業務プロセスの見直し等を通じて、社員一人ひとりの生産性と付加価値創出力の向上を図ります。このような取り組みを通じ、収益成長を支える実行力と利益率向上の基盤を強化してまいります。 c. AIを軸にした新規事業の創出とアライアンスを通じた飛躍的な成長 当社グループは、既存事業による安定的な収益基盤を維持しつつ、将来の新たな収益の柱を構築するため、AIを軸とした新規事業の立ち上げを推進してまいります。また、合弁事業やM&Aを含むアライアンスを機動的に活用し、自社単独では獲得が難しい技術・顧客基盤・市場機会を取り込むことで、中長期的な成長余地の拡大を目指してまいります。「2年経営計画」では、このような将来成長に向けた種まきと事業化の加速を重点的に進めてまいります。 ②人材戦略 当社グループは、個人の成長と企業価値向上を両立させるため、一人ひとりが自ら考え、行動し、価値を創出できる「未来型人材」の育成を進めてまいります。問題発見力、予測力、創造力を備えた人材を育成するため、教育制度の整備と継続的な人材投資を実施するとともに、AIを実務で使いこなせる「一流の技術者」としての高度人材育成に取り組みます。 このように、人的資本経営として当社の成長に寄与して活躍する「未来型人材」の育成に投資を行い、「社員全員が一流の技術者」となることにより、社員が付加価値の高いサービスを高い生産性で提供できるようになることが、持続的な利益成長を実現する強固な収益基盤の構築、ひいては長期ビジョン達成の基盤になると考えております。 ③グループ戦略 当社グループは、親会社と子会社を単なる上下関係ではなく、それぞれが自立した競争力を持ちながら相互に知見を循環させる「自立型グループモデル」として進化させてまいります。当社が保有するERP技術、AI技術、業界業務知見をグループ各社へ展開し、グループ各社はそれを基盤として独自のナレッジやビジネスモデルを強化してまいります。 これにより、グループ全体として市場開拓力と収益力を高め、連結売上高及び利益の拡大につなげてまいります。 ④資本戦略 当社は、「業務システム×AI×開発ツール」の領域に経営資源を集中し、事業活動により獲得したキャッシュを、必要に応じて負債も活用しながら、次の成長に向けた戦略投資へ配分してまいります。具体的には、新規事業・製品開発、人材育成、業務効率化のための社内システムやオフィス環境の整備、並びに機能補完やシナジー創出が見込まれるM&Aに対し、継続的に投資を行ってまいります。投資判断にあたっては、資本コスト(WACC)を意識した投資効率(ROIC)の向上と、一株当たり利益(EPS)の持続的改善を重視いたします。 また、株主還元については、連結配当性向30%を下限とすることを基本方針としつつ、中長期的には累進配当を志向し、配当性向を35%、さらに40%の水準へ引き上げていくことを目指してまいります。 ⑤サステナビリティへの取り組み 当社グループは、企業の社会的責任を果たすため、さいたま、大阪、福岡の各拠点における地域社会への貢献活動への取り組みを推進します。サステナビリティへの取り組みに関する詳細は、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりです。 ⑥経営の透明性確保と適切なガバナンス体制の構築 当社グループは、社内の各種データを整備し、データ駆動経営を強化します。事業活動を定量化し、俯瞰的かつ客観的にモニタリングしております。社外役員による監督のもと少数株主の利益にも配慮しながら、適時適切な意思決定を行ってまいります。 (3)目標とする経営指標 当社グループは、成長性と収益性を重視しており、それぞれの指標として売上高成長率及び売上高営業利益率を重要な経営指標と位置付けています。これらの指標をバランスよく伸ばしながら企業価値を向上させることを経営課題としています。 また、事業別の運営実態や業績状況を視るものとして、主に次のような指標を注視しています。 ・事業別の売上高、売上総利益(率)及び事業利益(率)の推移 ・事業別の従業員一人当たり売上高及び売上総利益 ・事業別、部門別の稼働率 さらに、健全性や安定性を表すものとして、次のような指標も重視しています。 ・プロジェクト利益の計画・実績の推移 ・プロジェクト失敗件数の推移 ・販売費比率、管理費比率の推移 ・離職率、社員満足度の推移 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループは、2032年度に向けた長期ビジョンとして「ものつくり企業のビジネスプロセスをITの力で本質的に変革する」ことを掲げ、時間を奪うのではなく時間を与えるソフトウエアを創り続け、日常の課題解決のためのシステムインテグレータとなることを目指しております。また、「2年経営計画」(2026年度~2027年度)の数値目標の達成に向け、エンタープライズ領域をターゲットとし、「業務系システム」「AI」「開発ツール」の3つの事業ドメインに経営資源を集中し、以下の各項目を重要課題と認識して解決に向けて取り組んでおります。 ①AIネイティブ経営への転換 AIの急速な進化により、「操作させるだけのソフトウエア」や「言われたことを正確にこなす仕事」は急速に価値を失いつつあります。これは当社事業そのものが問い直される変化であり、過去の延長線上にある対応では不十分です。当社は、業務の発想をゼロから再設計する「AIネイティブ」な組織体制への転換を、この2年間の最重要課題と位置づけます。 全従業員がAIを自らの武器として使いこなし、提案・設計・開発・品質管理・顧客対応のあらゆる領域で業務を再設計します。職種別AIスキルモデルの導入と社内AIアシスタントの整備により、一人ひとりの生産性と付加価値を飛躍的に高めます。また、当社製品にAIを組み込んで顧客への提供価値を高めるとともに、AI活用を前提とした新しいビジネスモデルの創出を推進してまいります。 ②ERP事業の多軸化と新規事業の創出 当社の収益は特定製品への依存度が高く、業績が事業年度により大きく変動しやすい構造的課題を抱えてきました。今後の持続的な成長のためには、GRANDIT依存からの脱却と複数の収益軸の確立が不可欠です。 SAP・mcframe・KENZなどへの多軸展開を進め、ものつくり企業のビジネスプロセス全体を支えるERPポートフォリオを構築します。また、保守・運用・クラウドサービスによるストック型収益の比率を高め、単発プロジェクト依存からの脱却を図ります。これにより、外部環境の変化に左右されにくい、継続的で再現性の高い収益モデルを確立し、安定的な経営基盤を実現してまいります。 ③AI時代を見据えた新規事業の創出 当社グループの持続的成長のためには、現在の基盤事業に加え、AI時代に競争優位を持てる新たな収益の柱を育てることが必要です。ECM-SCM業務支援AI(検図AI)、図面・BOM・調達変更の自動化、ERP+AIを融合した設計ハブや経営管理ツールなど、製造業の現場課題をAIで解決する新規事業の立ち上げを加速します。 独自のステージゲート制度により、小規模実証から段階的に投資判断を行う規律あるプロセスを徹底し、リスクを管理しながら新規事業の成功確率を高めます。また、合弁事業やM&Aを機動的に活用し、社内リソースだけに頼らない事業展開を進めてまいります。 ④人材の採用・育成と早期戦力化 当社の事業競争力は、エンジニアをはじめとする人材の質と量に直接依存しています。AI時代においても、業務を深く理解し、顧客の課題を本質から解決できる「一流の技術者」を育て続けることが当社の最大の差別化要因です。 事業成長に合わせた計画的な採用を進めるとともに、採用した人材の早期戦力化をAIで加速します。AIによるコードレビューや技術スキル診断、パーソナライズされた学習プラン自動生成など、最先端の人材育成システムを構築し、若手社員の成長スピードを高めます。また、「挑戦して失敗した人を評価する」文化の醸成に加え、女性活躍をはじめとする人材の多様性の向上や、働きやすい環境づくりを推進します。こうした取り組みによる社員エンゲージメントの継続的な向上により、優秀な人材が定着し、会社とともに持続的に成長できる環境を整えてまいります。 ⑤計画的な資本政策と株主価値の向上 AI時代において事業上のポジションを確立するためには、機を逸せず積極的な成長投資を行うことが不可欠です。一方で、財務健全性を維持しながら株主への安定的な還元を続けることも経営の責任です。当社は、成長投資と株主還元を両立させる計画的な資本政策を推進してまいります。 合弁事業やM&Aへの投資、新規事業への種まき投資を戦略的に実行しつつ、事業投資効率(ROIC)の向上と継続的な1株当たり利益(EPS)の成長により株式価値の向上を図ります。配当性向30%以上を継続することを基本方針とし、投資と還元のバランスを投資家に対して透明性高く開示してまいります。 ⑥顧客中心の営業・提案力の強化 当社が持続的に成長するためには、製品を売るプロダクト志向から、顧客の経営課題を起点に最適なソリューションを提案する顧客中心のアプローチへの転換が必要です。業務プロセス理解・ERP実装力・AI技術の三位一体による差別化提案を実現し、顧客とともに成長するパートナーとしての地位を確立します。 顧客管理・営業支援ツールとAIを組み合わせ、マーケットと顧客動向の分析に基づく効果的な営業戦略を立案するとともに、AI活用による提案書作成や案件管理の効率化により、営業力と企画提案力を強化してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は以下のとおりです。 ①財政状態(資産)当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ382,106千円増加し4,845,069千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加257,098千円、契約資産の増加90,209千円などによるものです。当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ317,405千円増加し836,434千円となりました。これは主に、株式会社システム開発研究所を取得したことに伴うのれんの増加122,556千円、投資有価証券の増加113,335千円などによるものです。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ699,512千円増加し、5,681,503千円となりました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ310,582千円増加し1,166,093千円となりました。これは主に、未払消費税等の増加95,158千円、賞与引当金の増加63,114千円、未払費用の増加40,497千円などによるものです。当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ40,586千円増加し50,407千円となりました。これは主に、株式会社システム開発研究所を取得したことに伴う退職給付に係る負債の計上29,727千円、業績連動報酬引当金の減少9,820千円などによるものです。この結果、負債は、前連結会計年度末に比べ351,168千円増加し、1,216,500千円となりました。 (純資産)当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ348,343千円増加し4,465,003千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加349,270千円などによるものです。 ②経営成績当連結会計年度の業績は、売上高5,558,183千円(前年同期比16.5%増)、売上総利益1,922,997千円(同24.1%増)、営業利益595,411千円(同119.3%増)、経常利益569,088千円(同88.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益458,447千円(同21.4%減)となりました。セグメント別の業績は、次のとおりです。Object Browser事業の売上高は831,722千円(前年同期比5.2%増)、セグメント利益は327,492千円(同1.8%減)となりました。ERP事業の売上高は4,649,893千円(前年同期比20.7%増)、セグメント利益は987,379千円(同40.7%増)となりました。AI事業の売上高は76,568千円(前年同期比16.9%減)、セグメント損失は3,242千円(前年同期は22,128千円のセグメント損失)となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、2,351,453千円となりました。主な要因は以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、693,432千円のプラス(前連結会計年度は360,375千円のマイナス)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上648,388千円、減価償却費の計上115,273千円などの資金増加要因が、法人税等の支払額189,703千円、売上債権及び契約資産の増加82,545千円、持分変動利益の計上79,300千円などの資金減少要因を上回ったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、688,894千円のマイナス(前連結会計年度は69,814千円のマイナス)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出801,340千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出172,910千円、無形固定資産の取得による支出138,049千円などの資金減少要因が、定期預金の払戻による収入500,000千円などの資金増加要因を上回ったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、111,517千円のマイナス(前連結会計年度は131,012千円のマイナス)となりました。これは主に、配当金の支払額109,177千円などによるものです。 ④生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)Object Browser事業333,045114.2ERP事業2,640,694109.7AI事業88,999225.8報告セグメント計3,062,739111.9その他5,05434.5合計3,067,793111.5(注)金額は、当期総制作費用であります。 b.受注実績 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)Object Browser 事業829,533106.610,25882.4ERP事業4,883,516141.71,202,488124.1AI事業76,56899.7--報告セグメント計5,789,618134.61,212,746123.6その他----合計5,789,618133.51,212,746123.6 c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)Object Browser 事業831,722105.2ERP事業4,649,893120.7AI事業76,56883.1報告セグメント計5,558,183117.4その他--合計5,558,183116.5(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該販売実績の 総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 ②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容当社は「時間を与えるソフトウエアを創り続ける」というミッションのもと、社会や産業の変化に即した自社開発プロダクトを通じて、お客様の生産性と創造性を最大化することを目指しています。2026年2月期からの2年間は、既存事業の安定基盤を一層強化するとともに、AIを活用した新しい価値創造に本格的に踏み出す「進化と挑戦のフェーズ」と位置づけております。主力ERP「GRANDIT」をはじめとする業務系システム事業、開発ツール事業の深化に加え、AI事業の拡大によって、当社はお客様の業務高度化と日本の製造業の競争力強化に貢献してまいります。また、事業ポートフォリオの拡充に向けて、2025年3月には製造業向け生産管理システムの開発に強みを持つ株式会社システム開発研究所を完全子会社化しております。さらに、2025年5月には株式会社BizSaaSを設立し、同年6月に富士ソフト株式会社等から出資を受け、共同で事業を推進しております。これらの取り組みは直近業績に与える影響は限定的ですが、今後の中長期的な成長基盤を支える重要な布石と考えております。当社は引き続き、「業務系システム」「開発ツール」「AI」の3つの事業ドメインに経営資源を集中させ、次の成長ステージに向けて確実に歩みを進めてまいります。当連結会計年度の業績は、売上高5,558,183千円(前年同期比16.5%増)、売上総利益1,922,997千円(同24.1%増)、営業利益595,411千円(同119.3%増)、経常利益569,088千円(同88.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益458,447千円(同21.4%減)となりました。当連結会計年度は、主要事業であるERP事業がDX推進や自動化の強いニーズを受けて好調な業績が続いており、本業の業績は前連結会計年度と比べて増収増益となっております。一方、前連結会計年度は関係会社株式売却益547,508千円があったところ、当連結会計年度は持分変動利益79,300千円を計上し、特別利益が差し引き470,981千円減少したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しております。 セグメント別の業績の状況は次のとおりです。(Object Browser事業)Object Browser事業は、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」、データベース設計支援ツール「SI Object Browser ER」及び統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」の3製品で構成されています。「SI Object Browser」と「SI Object Browser ER」はソフトウエア開発の生産性向上ツールとして、「OBPM Neo」はプロジェクト管理の合理化ツールとしてIT業界を中心に多くのお客様にご利用いただいております。Object Browser事業は、Oracleだけでなく「Microsoft SQL Server」、「Postgre SQL」などの主要なデータベースへの対応や、買取型からクラウドサービスへの移行など、お客様の要望を取り入れながら利便性の向上を続けています。当連結会計年度では、「OBPM Neo」の新規顧客開拓及び既存顧客へのアップセルが順調に進捗した結果、MRR(Monthly Recurring Revenue:月次経常収益)は、前連結会計年度末の36,887千円から10.7%増の40,820千円となり、ストック収益の基盤を着実に拡大させております。また、新規クラウド契約数の伸長に伴い、導入支援や研修サービスといった関連収益も堅調に推移いたしました。今後は「AIエージェント機能」の実装をはじめとするプロダクト力強化により、新規獲得の加速を図ります。併せて、プロフェッショナルサービスやカスタマーサクセスの体制を拡充することで、既存顧客のLTV(顧客生涯価値)最大化と解約率の低減に努め、持続的な成長を実現してまいります。「SI Object Browser」については、お客様からのニーズに応えるべく「SI Object Browser」シリーズの製品がすべて利用できる「コンプリートサブスクリプションライセンス」をリリースいたしました。さらに、2025年10月には、生成AI機能を組み込んでデータベース開発作業の生産性を大幅に向上させる自動化機能(特許第7763432号)を多数実装し、2026年2月に機能強化のバージョンアップも実施しました。当連結会計年度の売上高は831,722千円(前年同期比5.2%増)、セグメント利益は327,492千円(同1.8%減)となりました。「OBPM Neo」のMRRが増加したことで増収となったものの、オープンソースデータベースMySQLに対応した「SI Object Browser」製品の開発投資に伴い減益となりました。「OBPM Neo」は、今回のメジャーバージョンアップを通じてプロダクト競争力を一層向上させてまいります。並行して、2026年3月には新たに受講コースを追加してカリキュラムを充実させる予定の「プロジェクト管理研修サービス」との連携を深め、その相乗効果を新規顧客の獲得と既存顧客へのアップセル拡大につなげてまいります。また、「SI Object Browser」は、マルチデータベースに対応した幅広いエンジニア向けの開発支援ツールとして、AI機能の強化なども行い開発生産性を更に高める製品として販売数を伸ばしてまいります。 (ERP事業)ERP事業は、Web-ERP「GRANDIT」を中核に、製造・建設・IT・卸売など主要産業向けに業種特化型の基幹業務システムを提供しています。2024年4月にはクラウド型「SAP Cloud ERP」の提供を開始し、2025年1月には国内で多くの導入実績を持つSCMパッケージ「mcframe」の取り扱いを開始しました。独自要件への適合やアドオン開発を重視する企業には「GRANDIT」、グローバル標準や業界ベストプラクティスを活用したグループ経営・業務変革を志向する企業には「SAP Cloud ERP」、プロセス系や見込生産など生産や物流に競争優位性を持つ企業には「mcframe」をそれぞれ提案します。これにより、お客様は自社・業界の要件に適したソリューションを選択しやすくなるとともに、当社は短期によりコストパフォーマンスのよいシステム導入を提供することができます。これら3つのソリューション展開により新規顧客からの引き合いは堅調に推移し、受注は期初計画を上回りました。導入案件の順調な進捗に加え、周辺インフラの同時導入も伸長した結果、当連結会計年度の売上高は4,649,893千円(前年同期比20.7%増)、セグメント利益は987,379千円(同40.7%増)となり、増収増益を確保しました。今後も各製品の戦略的棲み分けを明確にしつつ、販売面では提案書作成や要件整理等へのAI活用を進め、開発・導入面では設計、プログラム開発、テスト等における生産性向上を図るとともに、当社グループ連携による開発力強化を進めてまいります。 (AI事業)AI事業は、ディープラーニング異常検知システム「AISIA Anomaly Detection(アイシアAD)」をベースに、AIの画像認識技術を使って外観検査作業を自動化するビジネスを行ってまいりましたが、第1四半期連結会計期間から生成AIを用いたサービス提供に事業リソースを段階的にシフトしております。2025年4月にはAIエージェント事業を開始し、同年5月には検図AI「KENZ」のリリースを発表しました。両サービスとも製造業のエンジニアリング領域を起点に自動化や属人知の継承を実現するサービスとして多くの引き合いをいただいており、第3四半期連結会計期間から本格的な営業活動を開始し、引き続き開発体制の強化も進めてまいります。なお、本件による当連結会計年度の業績への影響は軽微ですが、翌連結会計年度からの本格的な収益貢献を見込んでおります。当連結会計年度の売上高は76,568千円(前年同期比16.9%減)、セグメント損失は3,242千円(前年同期は22,128千円のセグメント損失)となりました。 (3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、2,351,453千円となりました。税金等調整前当期純利益の計上などがあった一方、株式会社システム開発研究所の株式取得による支出、定期預金の預入による支出、無形固定資産の取得による支出、法人税等及び配当金の支払いによる支出などが発生しました。当社は、今後の事業拡大のための新規の製品・サービスの研究開発、既存製品の機能拡充、AIビジネス拡大の研究開発、社員教育及び人材採用等の人材開発などの投資を行ってまいります。投資資金の財源としては、まずは自己資金を充当し、一時的に多額の資金が必要となる場合には、必要に応じ金融機関からの借入れを行う考えです。当連結会計年度末における手元資金は3,225,688千円と資産合計の56.8%を占めており、現時点では借入れを要する多額の投資等の予定はありません。 (4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおりです。