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セック(3741)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • リアルタイム技術専門
    セックは、時々刻々と変化する外部環境と相互作用するコンピュータシステムを開発する「リアルタイム技術」を専門としています。この技術は、センサーからのデータ入力に基づき、迅速かつ正確に処理を行うシステムに不可欠で、例えば自然現象を計測・制御するシステムなどに活用されます。
  • 社会インフラを支える
    同社は、社会の安全と発展をスローガンに掲げ、社会基盤システム、宇宙先端システム、モバイルネットワーク、インターネットの4つのビジネスフィールド(BF)で事業を展開しています。特に社会インフラや宇宙開発といった公共性の高い分野で、リアルタイムソフトウェアとソリューションを提供し、社会を支える重要な役割を担っています。
  • 多様な顧客基盤
    移動体通信事業者、電機メーカー、自動車メーカー、重工業メーカー、精密機械メーカー、各種研究機関、官公庁など、幅広い顧客に対して技術サービスを提供しています。これにより、特定の業界や企業に依存しすぎない安定した事業基盤を築き、多様なニーズに応えることで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 社会基盤システム分野
    高度交通システム、防衛関連システム、医療、環境エネルギーなど、社会公共性の高いシステム開発を手掛けています。国や独立行政法人、地方自治体向けのシステムも開発しており、社会インフラを支える重要な役割を担っています。
  • 宇宙先端システム分野
    科学衛星や惑星探査機に搭載されるソフトウェア、天体望遠鏡の制御、観測データ解析などの宇宙関連システムに加え、車両自動走行や次世代ロボットの研究開発など、最先端技術を要する分野で事業を展開しています。
  • モバイルネットワーク分野
    キャッシュレス決済端末や車載端末などのモバイルデバイスを利用したサービスシステム、スマートコンストラクション関連システム、XR(クロスリアリティ)技術を用いたエッジデバイスのソフトウェア開発を行っています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|2,396 文字
3【事業の内容】当社は、情報サービス事業の単一セグメントであり、セグメント情報を記載していないため、ビジネスフィールド別に記載しております。当社では、情報サービス事業のビジネスを事業分野別に分類したものを、ビジネスフィールドと呼んでおり、本文中では「BF」と略しております。 (1) 当社の事業内容について当社は、リアルタイムソフトウェアの提供を主体とするリアルタイム技術専門会社です。当社では、リアルタイム技術を「時々刻々と変化する外界と密接な相互作用を持ったコンピュータシステムを開発する技術」と定義しており、ユビキタス社会の基盤技術と位置づけております。 ①リアルタイム技術についてコンピュータは、センサーなどの入力データを、予めプログラミングされた処理を実行して、その結果を制御データとして出力する装置ですが、自然現象を入力とするようなシステムを設計する技術を「リアルタイム技術」といいます。自然現象をセンサーなどで計測して処理をする「センサーベースシステム」や「計測制御システム」などと呼ばれるシステムの設計技術です。この自然現象は、突然発生したり、集中したり、どんな順序で発生するかが予測できず、また、再現性もありません。このような事象に対して、迅速に対応し、24時間連続で動き、再現性がない事象であってもトラブルを解析できなければならない、高度な信頼性が求められるシステムがリアルタイムシステムです。このリアルタイムシステムは「割り込み処理」「優先処理」「並行処理」といったリアルタイム技術の特有な処理を用いて開発されます。 (a) 割り込み処理割り込みとは、ソフトウェアの処理とは非同期に発生するイベントで、システムに対して決められた電気信号(割り込みイベント)が入ると、現在実行している処理を一時停止させて、割り込みイベントに対応した処理をするものです。例えばスマートフォンであれば、電話の着信や緊急地震速報の受信、タッチパネル操作やスイッチ・ボタン操作などが割り込み処理に該当します。(b) 優先処理リアルタイムシステムでは、時間内に処理を完了させるため、各処理に優先度を設定して、優先度の高い順に実行することができます。優先処理には、優先度の高いものから順に実行する方式のほか、締め切り時刻(デッドライン)が早い処理から順に実行する方式や、処理時間の短いものから順に実行する方式があります。スマートフォンで例えると、ブラウザでホームページを閲覧している時に電話の着信があった場合に着信の画面に切り替わるのは優先度を高く設定しているためです。緊急地震速報の受信はさらに高い優先度が設定されており、どのような処理中であっても最優先されることになります。(c) 並行処理並行処理は、見かけ上、コンピュータに複数の処理を並列動作させるようにするための仕組みです。1つのCPUで複数の命令系列を同時に実行することはできませんが、1回あたりミリ秒あるいはマイクロ秒単位といった短い間隔でCPUを割り当てることで、あたかも複数の処理が同時に動作しているように見せています。例えば、スマートフォンでは、地図アプリケーションを表示させる処理をしている裏で、GPSの測位処理をするようなケースなどがあります。 ②リアルタイム技術が得意とする分野当社は、「社会の安全と発展のために」をスローガンとしております。この「社会の安全と発展」に関連する分野の中で、リアルタイム技術を多く使う分野が当社のビジネスフィールド(BF)になります。創業からの約20年間は「社会の安全=社会インフラ」として社会基盤システムBF、「社会の発展=夢の追求」として宇宙先端システムBFを中心に事業を行ってまいりました。その後、移動体通信事業者向けの基地局のシステム開発を中心とするモバイルネットワークBFを1984年に、インターネットの普及に伴いWebシステムの開発を中心とするインターネットBFを1995年にスタートするなど、事業分野を広げてまいりました。当社はこの4つのBFでリアルタイムソフトウェアとリアルタイムソリューションを提供しております。 (a) 社会基盤システムBF社会公共性の高いシステムを開発している分野です。高度交通システムや防衛関連システム、医療、環境エネルギーなど、社会公共分野の技術アプリケーションを開発しております。また、国や独立行政法人、地方自治体などで利用される情報システムを開発しております。(b) 宇宙先端システムBF科学衛星や惑星探査機に搭載される組込みソフトウェアや、天体望遠鏡の制御、観測データの解析などの宇宙関連システムと、車両自動走行の研究開発や、次世代ロボットに関する研究開発、サービスロボットシステム、各種研究機関向けの技術アプリケーションなどの先端システムを開発している分野です。(c) モバイルネットワークBFキャッシュレス決済端末や車載端末などモバイルデバイスを使ったサービスシステムや、スマートコンストラクションに関するシステム、XR(クロスリアリティ)など次世代技術を使ったエッジデバイスのソフトウェアを開発している分野です。(d) インターネットBF非接触ICに搭載される組込みソフトウェアや、IoT関連システム、民間企業向けの技術アプリケーションやクラウドシステムなどを開発している分野です。 (2) 子会社について当社には、非連結子会社が1社(AMSEC,INC.)あり、当社より米国最新技術及びビジネス動向調査を委託しております。 (3) 事業系統について当社は、移動体通信事業者、電機メーカー、自動車メーカー、重工業メーカー、精密機械メーカー、各種研究機関、官公庁などに技術サービスを提供しております。当社の事業系統図は以下のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
高付加価値化による受注価格の引上げや生産性向上によるコスト削減に努力しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
リアルタイム技術(割り込み処理、優先処理、並行処理)という専門性の高い技術を要する。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:問題プロジェクトの発生 / 大型プロジェクトの採算 / 大型プロジェクトの組み替え不調
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

セックは、特定の強力なブランド、特許ポートフォリオ、規制ライセンス、または独占的な知的財産権に関する公開情報が限定的であり、無形資産による競争優位性は現時点では明確に評価できない。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

セックの提供するシステム開発・保守サービスは、顧客の基幹システムに関わる場合が多く、一度導入・運用が開始されると、他のベンダーへの切り替えには多大な時間、コスト、リスクが伴う可能性がある。しかし、技術革新や競合の低価格戦略により、スイッチングコストが低下するリスクも存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

セックの事業モデルは、直接的なネットワーク効果(ユーザーが増えるほどサービス価値が高まる)を生まないため、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

システム開発・保守業界は競争が激しく、価格競争に陥りやすい。セックが構造的に競合他社よりも低コストでサービスを提供できるという明確な証拠は現時点では確認できない。効率化努力は行われていると考えられるが、それが持続的なコスト優位に繋がるかは不透明。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

セックは情報通信業において一定の事業規模を有しているが、業界全体で見ると、より大規模なプレイヤーも多数存在する。業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは言い難く、規模の経済による明確な優位性は限定的である。

  • リアルタイム技術の専門性
    セックは「リアルタイム技術」に特化した専門会社であり、この分野における深い知見と長年の経験が強みです。割り込み処理、優先処理、並行処理といったリアルタイムシステム特有の高度な技術を駆使し、高い信頼性が求められるシステム開発において競争優位性を確立しています。
  • 社会貢献性の高い事業
    社会基盤システムや宇宙先端システムなど、社会の安全と発展に直結する分野で事業を展開している点が特徴です。これにより、公共性の高いプロジェクトに参画しやすく、安定的な需要が見込めるほか、社会的な信頼やブランドイメージの向上にも繋がっています。
  • 多様なビジネスフィールド
    社会基盤、宇宙先端、モバイルネットワーク、インターネットという4つのビジネスフィールドを持つことで、特定の市場の変動リスクを分散し、幅広い顧客ニーズに対応できる柔軟性があります。それぞれの分野でリアルタイム技術を応用し、多角的な収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 経営の基本方針当社は、「社会の安全と発展のために」を会社理念とするリアルタイム技術専門会社であります。当社は、情報社会のキーコンセプトはリアルタイムにあるとし、創業以来、リアルタイム技術を中核に据えてビジネスを展開してまいりました。これからも、リアルタイム技術にこだわり、トップブランドのリアルタイム技術専門会社を目指して、ビジネスを展開してまいります。そして、当社会社目標である「最良のリアルタイムソフトウェアを提供して、社会に貢献する」ことの追究を通して、お客様満足度を継続的に改善して事業成長に繋げることで、株主・投資家の皆様のご期待に応えてまいります。 (2) 経営戦略等当社は、「QCD&I」―QCD(品質・価格・納期)を窮め、I(イノベーション)で飛躍する。―をビジネスコンセプトとして、主体的なビジネスに取り組んでおります。基本的な事業基盤として、お客様からの厳しいQCD改善要請への対応力を強化したうえで、さらなるイノベーション努力で、ニューエレメント(革新的技術、標準化技術、ソリューション製品、特許など知的財産権、新ビジネスモデルなど)を生み出し、このニューエレメントを核とした高付加価値化ビジネスで他社差別化を図って飛躍していくことを基本方針としております。お取引先展開としては、訴求力あるニューエレメントでお取引先を開拓し、開拓後は、強力なQCD対応力などで高いお客様満足度を獲得してリピートオーダーに確実に繋げ、横展開・深掘りで量的拡大を図り、こうしたお取引先毎の新たな成長曲線を重ね合わせていくことで会社全体での成長を実現することを基本方針としております。また、イノベーションの連鎖を断つことなくニューエレメントを継続的に得ていくために、R&Dのテーマを「ユビキタス」として研究開発・製品開発活動を強化し、また大学や企業などとの共同研究を積極的に推進してまいります。 (3) 経営環境プログラミング的思考が義務教育化され、デジタル庁が発足するなど、国全体がデジタル化を推進され、また民間企業もDXを積極体に推進するなど、ソフトウェアが主役の時代になりました。このような時代にあっては、技術的な優位性により、ソフト会社の競争力が決まり、他社差別化に繋がります。特に、生成AIを始めとするソフトウェア技術が多様化・高度化し、高度な技術に対応できる技術者を育成する必要があります。当社は、「基礎なくして高度な専門性なし」のもと、高度な技術に適応可能な基礎能力が高い人材を採用し、6か月間の新入社員教育でリアルタイム技術だけでなく最新の技術を習得させることにより、優秀な技術者を育て上げることを基本方針としております。ソフトウェア業界は、今までお客様の効率化や生産性向上に寄与してまいりましたが、これからは、お客様のパートナーとなって新しい価値を創造していくことが必須になります。お客様のご期待に応えるには、当社単独では限界があり、他社・大学・官公庁・研究機関などと連携し、新しい価値を創造する「オープン・イノベーション」を実践することが重要であると認識しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①高い成長性の確保当社では、安定的な成長に加え、高い成長性を確保することが課題であります。技術が急速に進歩していくソフトウェアビジネスでは、現場の感度を高め研究開発で変化先取りに注力して新技術をいち早く習得し、主体的なビジネスを展開することが高い成長に繋がると認識しております。官公庁を主体とした社会基盤系の開発で業績のベースを確保し、その上に研究開発や製品開発を強化し、ビジネスモデルを含めた新技術の提案力で成長分野を戦略的に受注し、高い成長性に繋げてまいります。また、安定的な成長を維持するには需要構造の変化に迅速に対応する必要があります。そのためには、社員が敏感に変化を感じる感度とその環境変化に適応する能力が必須であります。当社では、基礎能力の高い人材を採用し、知識教育と実践教育を行い、研究開発機能を開発部門に置くことにより、適用分野に必須となる新技術や業務知識を保有し提案力のある技術者を育成してまいります。 ②安定的な収益確保当社では、安定的な収益を確保することが課題であります。安定的に収益を確保するためには、不採算プロジェクトを発生させないことが重要であり、プロジェクトマネージメント力の強化を図ってまいります。また組織的なリスク管理の強化、品質マネジメントシステムの徹底、品質管理部門によるプロジェクト管理支援、内部統制機能や社員教育の強化などを推進して、この課題に取り組んでまいります。③優秀な人材の確保当社では、高い成長性を確保するために、優秀な人材の確保が課題であります。人間力が競争力の元であるソフトウェアビジネスでは、社員の質が会社の質を決め、社員の成長が会社の成長に繋がります。このため、社会的信用力と知名度の向上を活かし、優秀な人材をより多く獲得し、入社後は社員自らが成長できる環境を用意し、社員の成長を促す教育制度を充実させ、「学ぶ組織」を構築してまいります。また優秀な人材には、魅力あるチャレンジングな仕事と魅力的な待遇が重要であり、イノベーションを生む環境を研究し、社員の能力を最大限に発揮できる執務環境も構築してまいります。さらにグローバルなビジネス展開を意識しながら、大学との共同研究や他社とのアライアンスを積極的に推進し、魅力あるビジネスを推進してまいります。④優良な外注先の確保当社では、高い成長性を確保するために、経営資源の一部を社外に求める必要があり、優良な外注先を確保することが課題であります。優良な外注先を確保するためには、まずは当社が魅力ある会社になる必要があり、外注先の開発力と当社の開発分野の適合性をみながら、協力関係を構築してまいります。一方、売上高に対する外注比率が高くなりすぎると、技術の空洞化や品質の劣化に繋がるため、受注弾力性を考慮しながら適正な外注比率を追究してまいります。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社では、会社理念の方針のひとつである「質重視経営」の成果は売上高営業利益率に表れると考え、売上高営業利益率2桁を維持するよう努力してまいります。 (6) 今後の見通しについて次期の我が国情報サービス業は、地政学的リスクや世界経済の減速、インフレなどによる影響が懸念されるものの、DX推進のためのIT投資が増加し、IT需要は全体としては堅調であると予想しております。当社事業領域では、全体的には今期と同様の需要環境が継続するものと予想しております。こうした傾向の中、次期の重点テーマは、今期と同様、「先端技術を窮め、オープン・イノベーションで事業成長を目指す」とします。当社の強みである先端技術を窮めるため、高度技術教育を充実させ、大学や国、企業の研究機関との共同研究を推進して、継続的な成長を目指します。BF別には、モバイルネットワークBFは、前期と同様の環境が継続し、減少を見込んでおります。インターネットBFは、非接触IC関連の開発が堅調であることに加え、民間企業向けのDX関連の開発が増加し、増加を見込んでおります。社会基盤システムBFは、環境分野や福祉分野をはじめとした官公庁向けの開発が好調であることに加え、医療分野の大型案件や防衛分野の開発が増加し、増加を見込んでおります。宇宙先端システムBFは、車両自動走行の研究開発案件や宇宙ロボット関連の開発が堅調であることに加え、国の研究機関向けの開発が増加し、増加を見込んでおります。営業利益は、人に対する投資(定期昇給に加え大幅なベースアップ、及び先端技術の教育拡充)、技術に対する投資(研究開発投資)、イノベーションを促進し、最適な働き方を実現する環境への投資(執務環境や開発環境への投資)を引き続き行うものの、生産性向上により、増加を予想しております。経常利益は、国の研究機関からの受託研究による補助金収入の増加を見込み、増加を予想しております。当期純利益は、今期は賃上げ促進税制が適用され実効税率が下がったことにより増加しましたが、次期は税金費用を法定実効税率どおりで計算しております。以上により、次期の業績としては、売上高10,700百万円、営業利益1,840百万円、経常利益2,010百万円、当期純利益1,395百万円を見込んでおります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。(1) 経営の基本方針当社は、「社会の安全と発展のために」を会社理念とするリアルタイム技術専門会社であります。当社は、情報社会のキーコンセプトはリアルタイムにあるとし、創業以来、リアルタイム技術を中核に据えてビジネスを展開してまいりました。これからも、リアルタイム技術にこだわり、トップブランドのリアルタイム技術専門会社を目指して、ビジネスを展開してまいります。そして、当社会社目標である「最良のリアルタイムソフトウェアを提供して、社会に貢献する」ことの追究を通して、お客様満足度を継続的に改善して事業成長に繋げることで、株主・投資家の皆様のご期待に応えてまいります。 (2) 経営戦略等当社は、「QCD&I」―QCD(品質・価格・納期)を窮め、I(イノベーション)で飛躍する。―をビジネスコンセプトとして、主体的なビジネスに取り組んでおります。基本的な事業基盤として、お客様からの厳しいQCD改善要請への対応力を強化したうえで、さらなるイノベーション努力で、ニューエレメント(革新的技術、標準化技術、ソリューション製品、特許など知的財産権、新ビジネスモデルなど)を生み出し、このニューエレメントを核とした高付加価値化ビジネスで他社差別化を図って飛躍していくことを基本方針としております。お取引先展開としては、訴求力あるニューエレメントでお取引先を開拓し、開拓後は、強力なQCD対応力などで高いお客様満足度を獲得してリピートオーダーに確実に繋げ、横展開・深掘りで量的拡大を図り、こうしたお取引先毎の新たな成長曲線を重ね合わせていくことで会社全体での成長を実現することを基本方針としております。また、イノベーションの連鎖を断つことなくニューエレメントを継続的に得ていくために、R&Dのテーマを「ユビキタス」として研究開発・製品開発活動を強化し、また大学や企業などとの共同研究を積極的に推進してまいります。 (3) 経営環境プログラミング的思考が義務教育化され、デジタル庁が発足するなど、国全体がデジタル化を推進され、また民間企業もDXを積極体に推進するなど、ソフトウェアが主役の時代になりました。このような時代にあっては、技術的な優位性により、ソフト会社の競争力が決まり、他社差別化に繋がります。特に、生成AIを始めとするソフトウェア技術が多様化・高度化し、高度な技術に対応できる技術者を育成する必要があります。当社は、「基礎なくして高度な専門性なし」のもと、高度な技術に適応可能な基礎能力が高い人材を採用し、6か月間の新入社員教育でリアルタイム技術だけでなく最新の技術を習得させることにより、優秀な技術者を育て上げることを基本方針としております。ソフトウェア業界は、今までお客様の効率化や生産性向上に寄与してまいりましたが、これからは、お客様のパートナーとなって新しい価値を創造していくことが必須になります。お客様のご期待に応えるには、当社単独では限界があり、他社・大学・官公庁・研究機関などと連携し、新しい価値を創造する「オープン・イノベーション」を実践することが重要であると認識しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①高い成長性の確保当社では、安定的な成長に加え、高い成長性を確保することが課題であります。技術が急速に進歩していくソフトウェアビジネスでは、現場の感度を高め研究開発で変化先取りに注力して新技術をいち早く習得し、主体的なビジネスを展開することが高い成長に繋がると認識しております。官公庁を主体とした社会基盤系の開発で業績のベースを確保し、その上に研究開発や製品開発を強化し、ビジネスモデルを含めた新技術の提案力で成長分野を戦略的に受注し、高い成長性に繋げてまいります。また、安定的な成長を維持するには需要構造の変化に迅速に対応する必要があります。そのためには、社員が敏感に変化を感じる感度とその環境変化に適応する能力が必須であります。当社では、基礎能力の高い人材を採用し、知識教育と実践教育を行い、研究開発機能を開発部門に置くことにより、適用分野に必須となる新技術や業務知識を保有し提案力のある技術者を育成してまいります。 ②安定的な収益確保当社では、安定的な収益を確保することが課題であります。安定的に収益を確保するためには、不採算プロジェクトを発生させないことが重要であり、プロジェクトマネージメント力の強化を図ってまいります。また組織的なリスク管理の強化、品質マネジメントシステムの徹底、品質管理部門によるプロジェクト管理支援、内部統制機能や社員教育の強化などを推進して、この課題に取り組んでまいります。③優秀な人材の確保当社では、高い成長性を確保するために、優秀な人材の確保が課題であります。人間力が競争力の元であるソフトウェアビジネスでは、社員の質が会社の質を決め、社員の成長が会社の成長に繋がります。このため、社会的信用力と知名度の向上を活かし、優秀な人材をより多く獲得し、入社後は社員自らが成長できる環境を用意し、社員の成長を促す教育制度を充実させ、「学ぶ組織」を構築してまいります。また優秀な人材には、魅力あるチャレンジングな仕事と魅力的な待遇が重要であり、イノベーションを生む環境を研究し、社員の能力を最大限に発揮できる執務環境も構築してまいります。さらにグローバルなビジネス展開を意識しながら、大学との共同研究や他社とのアライアンスを積極的に推進し、魅力あるビジネスを推進してまいります。④優良な外注先の確保当社では、高い成長性を確保するために、経営資源の一部を社外に求める必要があり、優良な外注先を確保することが課題であります。優良な外注先を確保するためには、まずは当社が魅力ある会社になる必要があり、外注先の開発力と当社の開発分野の適合性をみながら、協力関係を構築してまいります。一方、売上高に対する外注比率が高くなりすぎると、技術の空洞化や品質の劣化に繋がるため、受注弾力性を考慮しながら適正な外注比率を追究してまいります。 (5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社では、会社理念の方針のひとつである「質重視経営」の成果は売上高営業利益率に表れると考え、売上高営業利益率2桁を維持するよう努力してまいります。 (6) 今後の見通しについて次期の我が国情報サービス業は、地政学的リスクや世界経済の減速、インフレなどによる影響が懸念されるものの、DX推進のためのIT投資が増加し、IT需要は全体としては堅調であると予想しております。当社事業領域では、全体的には今期と同様の需要環境が継続するものと予想しております。こうした傾向の中、次期の重点テーマは、今期と同様、「先端技術を窮め、オープン・イノベーションで事業成長を目指す」とします。当社の強みである先端技術を窮めるため、高度技術教育を充実させ、大学や国、企業の研究機関との共同研究を推進して、継続的な成長を目指します。BF別には、モバイルネットワークBFは、前期と同様の環境が継続し、減少を見込んでおります。インターネットBFは、非接触IC関連の開発が堅調であることに加え、民間企業向けのDX関連の開発が増加し、増加を見込んでおります。社会基盤システムBFは、環境分野や福祉分野をはじめとした官公庁向けの開発が好調であることに加え、医療分野の大型案件や防衛分野の開発が増加し、増加を見込んでおります。宇宙先端システムBFは、車両自動走行の研究開発案件や宇宙ロボット関連の開発が堅調であることに加え、国の研究機関向けの開発が増加し、増加を見込んでおります。営業利益は、人に対する投資(定期昇給に加え大幅なベースアップ、及び先端技術の教育拡充)、技術に対する投資(研究開発投資)、イノベーションを促進し、最適な働き方を実現する環境への投資(執務環境や開発環境への投資)を引き続き行うものの、生産性向上により、増加を予想しております。経常利益は、国の研究機関からの受託研究による補助金収入の増加を見込み、増加を予想しております。当期純利益は、今期は賃上げ促進税制が適用され実効税率が下がったことにより増加しましたが、次期は税金費用を法定実効税率どおりで計算しております。以上により、次期の業績としては、売上高10,700百万円、営業利益1,840百万円、経常利益2,010百万円、当期純利益1,395百万円を見込んでおります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当事業年度における我が国情報サービス業の業況は、総務省「サービス産業動態統計」(2024年12月調査までは経済産業省「特定サービス産業動態統計」)によると、2024年4月以降の月別売上高は前年同月比で増加しており、IT需要は全体的には概ね堅調と推察されます。当社事業分野では、官公庁向けの開発が好調であったことに加え、医療分野や防衛分野の開発が大幅に増加するなど、需要構造の変化が継続しております。こうした傾向の中、当社は、重点テーマであります「先端技術を窮め、オープン・イノベーションで事業成長を目指す」を実践し、増収増益となりました。ビジネスフィールド(以下、ビジネスフィールドをBFと省略)別には、モバイルネットワークBFは、スマートコンストラクション関連の開発が引き続き堅調であるものの、XR(クロスリアリティ)サービス関連の開発が減少し、売上高は922百万円(前期比26.1%減)となりました。インターネットBFは、非接触IC関連の開発が堅調であることに加え、民間企業向けのDX関連の開発が増加し、売上高は1,336百万円(同15.6%増)となりました。社会基盤システムBFは、環境分野や福祉分野をはじめとした官公庁向けの開発が引き続き好調であることに加え、医療分野や防衛分野の開発が大幅に増加し、売上高は4,972百万円(同49.5%増)となりました。宇宙先端システムBFは、車両自動走行の研究開発案件や宇宙ロボット関連の開発が増加し、売上高は3,064百万円(同9.2%増)となりました。この結果、全社売上高に占める割合では、社会基盤システムBFが増加し、モバイルネットワークBF、宇宙先端システムBF、インターネットBFが減少しております。以上の結果、当事業年度の業績は、売上高10,295百万円(前期比20.6%増)、営業利益1,793百万円(同22.2%増)、経常利益1,893百万円(同22.3%増)、当期純利益1,344百万円(同21.6%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ736百万円減少して、期末残高は2,231百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において営業活動の結果支出した資金は250百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益1,893百万円による増加、売上債権の増加1,889百万円による減少、棚卸資産の増加による減少360百万円、仕入債務の増加532百万円による増加、法人税等の支払額433百万円による減少の結果であります。前期は384百万円の収入でした。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において投資活動の結果支出した資金は40百万円となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出301百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入300百万円、有形固定資産の取得による支出24百万円によるものであります。前期と比較して98百万円の支出減となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当事業年度において財務活動の結果支出した資金は445百万円となりました。これは主に、配当金支払いによる支出443百万円によるものであります。前期と比較して92百万円の支出増となりました。 ③生産、受注及び販売の実績当社は単一セグメントであるため、ビジネスフィールド別に記載しております。 (a) 生産実績当事業年度の生産実績をビジネスフィールド別に示すと、次のとおりであります。ビジネスフィールド金額(千円)前期比(%)モバイルネットワーク922,13273.9インターネット1,239,499115.0社会基盤システム4,949,317149.9宇宙先端システム3,038,361109.2合計10,149,310120.7(注)1.金額は販売価格によっております。2.リアルタイムソリューションの製品ビジネスは、サービスの性格上生産実績を定義することが困難であるため、金額に含まれておりません。 (b) 受注実績当事業年度の受注実績をビジネスフィールド別に示すと、次のとおりであります。ビジネスフィールド受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)モバイルネットワーク866,46272.4 178,78876.3インターネット1,442,825116.8 429,562132.9社会基盤システム5,482,543109.0 4,833,547111.8宇宙先端システム2,995,43297.3 819,66792.3合計10,787,264102.3 6,261,566108.5 (c) 販売実績当事業年度の販売実績をビジネスフィールド別に示すと、次のとおりであります。ビジネスフィールド金額(千円)前期比(%)モバイルネットワーク922,13273.9インターネット1,336,419115.6社会基盤システム4,972,717149.5宇宙先端システム3,064,101109.2合計10,295,370120.6 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析a.当事業年度の経営成績の分析(a) 売上高売上高は、官公庁向けの開発が好調であったことに加え、医療分野や防衛分野の開発が大幅に増加するなど需要環境は好調で、前事業年度と比較して1,760百万円増加し、10,295百万円となりました。詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。(b) 営業利益売上原価は、外注費や仕入高の増加などにより、前事業年度と比較して1,241百万円増加し、7,224百万円となりました。売上総利益は、前事業年度と比較して519百万円増加し、3,070百万円となりました。売上総利益率は29.8%となり、前事業年度と比較して0.1ポイント低下しました。販売費及び一般管理費は、新入社員の増加やベースアップなどに伴う人件費の増加、研究開発費の増加などにより、前事業年度と比較して193百万円増加し、1,277百万円となりました。以上の結果、営業利益は、前事業年度と比較して325百万円増加し、1,793百万円となりました。当社では、会社理念の方針のひとつである「質重視経営」の成果は売上高営業利益率に表れると考えて、その向上に努力しております。当事業年度は17.1%で計画しましたが、計画を0.3ポイント上回って17.4%となり、前事業年度と比較して0.2ポイント改善いたしました。(c) 経常利益営業外収益は、研究開発の補助金収入や、受取出向料が増加したことなどにより、前事業年度と比較して20百万円増加し、102百万円となりました。営業外費用は、前事業年度と比較して0百万円増加し、1百万円となりました。以上の結果、経常利益は前事業年度と比較して345百万円増加し、1,893百万円となりました。(d) 当期純利益特別利益、特別損失は発生しませんでした。法人税・住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等の合計は、賃上げ促進税制適用による税負担の減少などにより、前事業年度と比較して107百万円の増加にとどまり、549百万円となりました。以上の結果、当期純利益は前事業年度と比較して238百万円増加し、1,344百万円となりました。 b.当事業年度の財政状態の分析(a) 資産の状況当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ1,666百万円増加し、11,775百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少736百万円・売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産)の増加1,892百万円などによる流動資産の増加1,540百万円、投資その他の資産の増加112百万円などによる固定資産の増加125百万円によるものであります。(b) 負債の状況負債は、前事業年度末に比べ734百万円増加し、2,445百万円となりました。これは主に、買掛金の増加532百万円・未払法人税等の増加150百万円・未払消費税等の減少137百万円・未払金の増加137百万円などによる流動負債の増加741百万円によるものであります。(c) 純資産の状況純資産は、当期純利益による増加、配当金支払いによる減少、自己株式処分による増加などの結果、前事業年度末に比べ931百万円増加し、9,330百万円となりました。自己資本比率は前事業年度末の83.1%から79.2%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.当事業年度のキャッシュ・フローの状況当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ736百万円減少して、期末残高は2,231百万円となりました。詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 b.資金需要の主な内容当社の資金需要は、主に生産活動に必要となる人件費、外注費となります。これらについて、現在手元資金でまかなえる状況でありますが、手元資金の変動を平準化し、突発的な資金需要に備えるため、賞与資金の一部について短期借入を行っております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 問題プロジェクトの発生
    納期遅延や顧客クレーム、過大勤務を伴う問題プロジェクトが発生した場合、多額の原価が発生し不採算に陥る可能性があります。特に大型プロジェクトで問題が発生すると、会社全体の業績に大きな影響を与え、顧客からの信用失墜により取引減少や停止に繋がるリスクがあります。
  • 大型プロジェクトへの依存
    大型プロジェクトは事業効率が高い一方で、開発要員の多くを投入するため、その採算が会社全体の業績に直接影響します。また、プロジェクト完了後の技術者稼働率の低下や、新しいプロジェクトへの切り替えがうまくいかない場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • IT人材争奪戦とコスト増
    IT人材の獲得競争激化や社会的要請により、ソフトウェア開発に必要な人件費や外注費が増加傾向にあります。これらのコスト増を受注価格に適切に反映できない場合、利益率が圧迫され、会社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、優秀な人材を確保・定着できない場合、成長機会を逸するリスクもあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|3,878 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1) 当社の事業全体に共通する業績変動要因①問題プロジェクトの発生当社では、納期遅延、お客様クレーム、過大勤務を発生させたプロジェクトを問題プロジェクトと定義しております。問題プロジェクトは必ずしも不採算プロジェクトではありませんが、過去の実績では多額な原価を発生させて不採算となるケースが多く、問題プロジェクトが大型プロジェクトである場合には、当社全体の業績に影響を及ぼすことがあります。また、問題プロジェクトを発生させたことでお客様からの信用が失墜して、取引が減少あるいは停止となった場合には、当社業績に影響が及ぶことがあります。②大型プロジェクトの採算大型プロジェクトは事業効率が高いなどのメリットも大きく積極的に受注していく方針であります。当社は原則としてプロジェクト全体を一括して受注する契約形態を基本としていることもあり、開発要員などの経営資源の多くの割合を投入する大型プロジェクトの採算は、当社全体の業績に影響を及ぼすことになります。③大型プロジェクトの組み替え不調大型プロジェクトの場合、開発工程が完了すると多くの開発技術者が一斉に手空きとなる一方で、都合良く多くの開発技術者を要する後続のプロジェクトを用意できていることはまれであり、技術者の稼働率が低下しがちで、大型プロジェクトの切り替えが不調の場合には当社業績に影響が及ぶことがあります。④受注価格水準の変動当社の売上原価の大部分は、ソフトウェア開発に関する人件費と外注費で構成されていますが、最近のIT人材争奪戦と社会的要請から、いずれも増加傾向にあります。当社は、高付加価値化による受注価格の引上げやQCD(品質・コスト・納期)改善活動の一環として生産性向上によるコスト削減に努力しておりますが、増加したコスト分を受注価格に反映できなかった場合には、当社業績に影響が及ぶことがあります。⑤先行投資の影響当社は、これからも研究開発・製品開発投資、研究開発型ベンチャー企業への投資、事務所移転・拡張、社内開発環境の最新化などを実施してまいりますが、当社の計画どおりに投資効果が得られなかった場合や、投資先企業の経営が悪化した場合などには、当社の業績に影響が及ぶことがあります。⑥取引先の事業再編や組織変更当社の取引先において、グループ再編やM&Aなどにより経営体制が代わり、外注への発注方針が変更になった場合には、当社の業績に影響が及ぶことがあります。⑦取引先の事業計画や研究開発計画の変更当社の取引先自体の激しい競争や環境の変化を背景に、事業計画や研究開発計画の変更や中止が発生し、それに伴い技術者の稼働率が大きく変動した場合には、当社の業績に影響が及ぶことがあります。⑧新しい要素技術の適用当社の事業領域では、新しい要素技術を実装する案件が多く、経験に基づく見積が困難な難度の高い新技術の一括受託契約での見積を誤った場合には不採算になりがちで、逆に新しい要素技術の適用が減少した場合には、需要そのものが減少する可能性があり、当社の業績に影響が及ぶことがあります。⑨公的セクターの予算変動や規制当社の社会公共分野の事業領域では、公的セクターの予算の増減や規制が業績変動要因となっております。当社では、社会公共分野での新事業領域への拡大に努力をしておりますが、予算削減や予算の執行が滞ると、当社の業績に影響が及ぶことがあります。⑩競争入札の拡大当社の公的セクターや大手民間企業の開発案件は、競争入札になります。当社では、技術力を背景とした積極的な提案活動を展開しておりますが、戦略的な低価格での落札や失注した場合には、当社の業績に影響が及ぶことがあります。また数年間にわたる長期大型案件や高額の仕入れ等がある開発案件を受注した場合は、四半期や年度の期間損益に影響が及ぶことがあります。 (2) 主要取引先への依存度について当社では、継続して営業活動を強化して取引先バランスの確保に努めておりますが、上位取引先の受注動向等によっては当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 需要構造の変化やイノベーションの停滞について当社では、創業以来、技術革新などによる需要構造の激変を何回か経験してきましたが、研究開発・製品開発活動によりニューエレメントを得て、それを核とした主体的ビジネスで業績成長を果たしてまいりました。今後も研究開発による変化先取りで対応していく方針ですが、需要構造の変化に対して当社が適切に対応できなかった場合やイノベーションが停滞した場合には、当社業績に影響が及ぶことがあります。(4) 人材の確保について当社成長の元は優秀な人材の獲得・定着にあります。当社では、上場企業であることの信用力や知名度を活かし、また処遇面も向上させ、優秀な人材を獲得していく方針ですが、IT人材争奪戦の激化に伴い、こうした獲得策が成果に繋がらない場合、当社の更なる成長機会を逸する可能性があります。また、獲得した人材が定着しなかった場合は、技術の伝承や再利用が途切れたり、プロジェクト編成に支障をきたしたりして、当社の業績に影響が及ぶことがあります。(5) 安全衛生・労働災害について当社は、従業員の安全、衛生及び健康の確保に向けて、労働安全衛生法その他の法令や通達の遵守など安全衛生管理に努めておりますが、プロジェクトに予期せぬ事態が発生して過大な勤務が続くなどで、精神性疾患や体調に不調をきたす従業員が発生し発病した場合、士気の低下や休職者・退職者の増加に繋がり、当社の業績に影響が及ぶことがあります。(6) 優良な外注先の確保について当社は、受注責任を全うできる範囲に外注範囲を限定することを基本方針として、業容の拡大、高収益の維持、受注弾力性の確保などを期して外注体制の強化を図っておりますが、優良な外注先が確保できない場合、当社の更なる成長機会を逸する可能性があります。(7) 法令違反・内部統制について当社では、法令・規制要求事項やISO 9001、ISO 14001、ISO/IEC 27001、ISO 22301、JIS Q 15001、プライバシーマークなどを含め、広くお客様の要請を満たしていく経営をコンプライアンス経営と定義しておりますが、何らかの事故が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は効率的な内部統制の仕組みを構築しておりますが、何らかの財務報告上の指摘があった場合には、業績に影響が及ぶ可能性があります。(8) セキュリティ事故について当社は、情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC 27001)や個人情報保護マネジメントシステム(JIS Q 15001)の認証、プライバシーマークの使用許諾を得て、サイバーセキュリティ経営ガイドラインに則り組織を挙げてセキュリティ事故の防止に努めておりますが、何らかのセキュリティ事故が発生し、信用の失墜による取引停止や賠償金の支払いなどが発生した場合、当社の業績に影響が及ぶ可能性があります。また、セキュリティ要求レベルの高い案件を受注する場合には、取引先から特別なセキュリティ設備の設置を要請されることもあり、その設備投資の金額によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。(9) 大規模な自然災害の発生や感染症の拡大について当社は、事業継続マネジメントシステム(ISO 22301)認証を取得し、地震や台風などの自然災害、火災、テロなどの発生、感染症の拡大に備え、事業継続計画(BCP)を整備して被害の最小化を図っておりますが、社員や設備、取引先の被害状況によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。(10) 賠償責任の発生について当社が提供した技術サービスの瑕疵が原因でお客様が経済的損害を被った場合に、損害賠償金等を請求されることがあります。当社では、賠償責任保険に加入して備えておりますが、当該保険の免責事項に該当する、ないし支払限度額を超えた損害を発生させた場合には、当社の業績に影響が及ぶことになります。 (11) 売上高計上について当社では、請負契約案件について、案件毎に費消製造原価を発生主義で認識し、原価進捗率(費消製造原価の見積総製造原価に対する割合)に応じて売上高を認識し、計上しております。そのため、売上高の認識には受注総額と総製造原価の見積りが不可欠であり、契約・見積管理や計画管理を厳格に行うことが求められます。この受注総額と総製造原価の見積りを誤った場合には、請負契約案件の期末日時点の適時・適正な売上高計上が阻害される可能性があります。 当社は経営上の主要なリスクについて、毎年取締役会において棚卸を実施し、リスクを評価しております。上記のリスクの中で、当事業年度末現在において特に重要な影響を与えうる可能性があるのは、需要構造の変化や上位取引先の受注動向の変化、問題プロジェクトの発生、大型プロジェクトの採算、セキュリティ事故の発生であると認識しており、対応をより一層強化してまいります。

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