事業の概要
- データ活用型ソリューションオークファンは、過去の膨大な売買データとAI技術を使い、商品の価値を「見える化」し、流通を効率化するサービスを提供しています。主な収益源は、このデータを利用できる有料会員からの課金収入や、サイト内の広告収入です。例えば、『aucfan.com』では、過去10年間の落札相場検索や出品者向け機能が利用でき、プロPlus会員は月額11,000円で高度なデータ分析機能も利用できます。これにより、ユーザーは最適な価格設定や仕入れ判断が可能になります。
- BtoB取引のDX化支援企業間の取引(BtoB)市場のデジタル化を推進しています。特に、EC化されていない約200兆円規模の市場に注目し、オンライン卸モール『NETSEA』などを運営しています。これにより、企業の滞留在庫や返品、型落ち品などの流通を支援し、効率的な売買を促進しています。この事業は、国内のBtoB取引市場のデジタル化という大きな流れに乗って成長を目指しています。
- D2Xコマースへの転換従来のBtoB取引支援に加え、今後は「D2X(Direct to X)コマース」という新しい事業領域に力を入れています。これは、自社で商品を企画・製造し、直接消費者や法人に販売するモデルです。具体的には、中国の生産拠点で自社ブランド商品を開発・販売する「AP LAB」や、ライブ配信を通じて商品を販売する「NETSEA MallLive」があります。これにより、より収益性の高い事業ポートフォリオへの転換を図り、新たな成長ドライバーとして位置づけています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- ソリューション事業この事業は、オークファンの核となるデータとAI技術を活用し、商品の価値を可視化・最適化するサービスを提供しています。主なサービスは、過去の落札相場を検索できる『aucfan.com』で、有料会員からの課金収入とネット広告収入が主な収益源です。その他、ネットショップ一元管理サービス『タテンポガイド』や副業支援サービス『good sellers』なども含まれます。2025年9月期の売上高は約27.89億円、営業利益は約6.19億円と、グループ内で最も収益性の高い事業です。
- プラットフォーム事業この事業では、企業の在庫や滞留商品を流通させるためのオンライン・オフラインのマーケットプレイスを運営しています。BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』が主要サービスで、企業の余剰在庫や型落ち品などの流動化を支援しています。2025年9月期の売上高は約16.11億円ですが、営業利益は約-1.00億円と赤字であり、収益性の改善が課題となっています。
- インキュベーション事業この事業は、新しい成長戦略として位置づけられているD2Xコマース領域に注力しています。具体的には、中国の生産拠点で自社ブランド商品を開発・販売する「AP LAB」や、ライブコマース「NETSEA MallLive」などが含まれます。これらの新規事業への先行投資が積極的に行われており、2025年9月期の売上高は約2.57億円に対し、営業利益は約-3.08億円と大きな投資フェーズにあります。中長期的な事業拡大に向けた基盤づくりを目指しています。
2025-09 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Solution | 事業 | 28 | 6 | 22.2% |
| PlatformReportableSegment | 事業 | 16 | -1 | -6.2% |
| IncubationReportableSegment | 事業 | 3 | -3 | -119.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】(1) 事業の概要当社グループは、創業以来、膨大な売買データとAI技術を活用して流通の可視化・効率化を推進してまいりました。コーポレートアイデンティティを「RE-INFRA COMPANY」と定義し、社会のさまざまな「RE(再構築・再定義・再流通など)」を統合した唯一無二の流通インフラの構築を目指しています。また、当社グループの各サービスを利用するSmallB(個人事業主)・副業・インフルエンサー等のお客様を「Appreciator(アプリシエイター)」と定義しています。“Appreciate”には「真価を認める」「価値を高める」といった意味があり、当社は価値を見出し感謝できる人々=Appreciatorが活躍できる社会の実現を目指しています。 こうした理念のもと、当社は「BtoB取引市場のDX化」を中核戦略に掲げ、国内流通構造のデジタル化に取り組んでまいりました。国内のBtoB取引市場は約300兆円規模(※1)と推定され、そのうちEC化されていない取引は約200兆円に上ります。こうした巨大な未開拓領域のデジタル化は、創業当初から取り組んできた「データによる流通の可視化・効率化」という理念を発展させたものであり、現在の成長戦略の基盤を形成しています。 一方で、過去3年間はこの戦略をさらに発展させ、海外事業(主に中国)を新規事業・成長戦略の柱として展開してまいりました。Japan to Chinaでは義烏日本国家館・NETSEA CHINAを通じた日本商材の越境販売支援、China to Japanでは中国商品の展示会「大阪義烏マーケット」や「アリババ1688セレクション」の開催、NETSEA×アリババ1688の連携など、さまざまな新規施策に取り組んでまいりました。これらの取り組みは市場開拓やネットワーク構築の面で一定の成果を得た一方、事業としての収益化には時間を要しており、当社は今後の方向性を見直しながら、より収益性の高い領域へのシフトを進めています その中で、成果が具体的に現れ始めているのが、OEM自社ブランド販売「AP LAB(エーピーラボ)」とライブコマース「NETSEA MallLive(ネッシーモールライブ)」です。「AP LAB」は、中国の生産拠点で当社自らが工場を開拓・製造し、日本国内で販売を行うモデルであり、個人向け販売に加えて法人への卸も行うことから、Direct to Consumer(D2C)に加えBusiness(B)も含む「D2X(Direct to X)コマース」として位置づけています。また「NETSEA MallLive」は、当社が自ら商品を仕入れ、TikTokなどのライブ配信を通じて販売するモデルで、将来的にはライバーや販売者への商材提供へと拡張する可能性を有しています。 今後は、このD2Xコマース領域を新たな成長ドライバーと位置づけ、収益性の高い事業ポートフォリオの確立を目指してまいります。当社グループは現在、従来のBtoB流通DXからD2Xコマースへの事業転換期にあり、「AP LAB」及び「NETSEA MallLive」への積極的な先行投資を進めています。これらの投資は短期的には収益を圧迫するものの、中長期的な事業拡大に向けた基盤づくりを目的としています。 ※1 経済産業省2025年8月26日発表 電子商取引に関する市場調査、BtoB-EC市場規模の業種別内訳より推察 a.ソリューション事業ソリューション事業は、データを基にAI技術を活用し商品価値の可視化・最適化等を推進するソリューションを提供しております。主なサービスとしては当社が保有する流通相場データを活用した『aucfan.com(オークファンドットコム)』となり、主たる収益源は有料課金収入及びネット広告収入となります。その他、ネットショップ一元管理サービス『タテンポガイド』の提供、専門知識がなくても直感的に操作できるRPAツール『オークファンロボ』、副業・複業として物販ビジネスを行う事業主を対象とするスクール形式の副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』、Amazonセラー専用アプリ「Amacode(アマコード)」を提供しております。なお、Amacode(アマコード)については収益性の改善が見込めない状態が続いたことから、事業の効率化及び収益構造の健全化を目的に、当該サービスを第三者へ譲渡し、2025年2月をもって事業から撤退いたしました。 なお、ソリューション事業における主要サービスの概要は以下の通りです。 ソリューション事業の主要サービス一覧サービス名会員名月額利用料(税込)機能の概要aucfan.comゲストユーザー無料商品名やキーワードから複数ECサイト・オークションから横断的に商品を比較・検索ができます。オークションでは過去に落札された価格相場を確認することができます。一般会員無料『aucfan.com』内に「マイページ」を開設することにより、気に入った商品情報及び価格情報を保存する機能や有料会員の機能の一部(出品テンプレートの保存、入札予約など)を制限付で利用できます。ライト会員1,100円『aucfan.com』サイトにおける広告コンテンツの非表示、過去10年間分の落札相場検索、入札予約ツールなどのサービスを利用できます。プレミアム会員2,200円有料会員の基本サービスであり、過去10年間の落札データ検索や出品者向け機能の利用が可能になる他、出品テンプレートの保存、入札予約等のサービスが利用できます。プロPlus会員11,000円オークション出品者向けの相場検索機能及びデータ分析機能等の利用が可能になります。Amacode(アマコード)※2025年2月に事業整理Amacode無料スマートフォンのカメラで商品のバーコードを読み取るだけで、Amazonで販売する際の価格帯や売れ行きなどを瞬時に分析することが可能となる、モバイルアプリです。Amacode Pro5,500円Amacode無料機能に、価格推移や出品増減グラフ機能、カスタムオプション、WEBからのアクセスなどさらに機能が追加されます。タテンポガイド11,000円~ネットショップ一元管理サービス。複数ECサイトにおける商品情報の一括登録・編集・更新、在庫数の自動同期、受注情報の自動取り込み・ステータス管理・在庫ステータス管理が可能です。good sellers(グッドセラーズ)内容に併せ個別に設定副業・複業として物販ビジネスを行なう事業主を対象とするスクール形式の副業支援サービスです。オークファンロボ132,000円~専門知識がなくても直感的に操作ができるRPAツールです。競合調査・在庫の発注・受注処理・発送伝票作成・人事労務業務などバックオフィス業務などをRPA(Robotic Process Automation)で自動化することが可能です。 aucfan.comの商品情報及び価格情報についてはサイト開設から2025年9月末時点で、約700億件を超えるデータを蓄積しており、一般会員(無料会員)数は1,078,844人、有料会員数は31,328人に至っております。また直近3年間の一般会員数(無料会員数)、有料会員数(※1)及び毎年9月時点における有料会員1人あたりの平均月額課金額の年次推移は以下のとおりとなります。※1 オークファンプレミアム会員、オークファンプロPlus会員、オークファンライト会員の合計にて算出 『aucfan.com』関連の一般会員数(無料会員数)、有料会員数、有料会員1人あたりの平均月額課金額の推移年月2023年9月期末2024年9月期末2025年9月期末一般会員数(無料会員数)1,034,251人1,060,499人1,078,844人有料会員数40,430人33,599人31,328人有料会員1人あたりの平均月額課金額1,508円/月2,418円/月2,216円/月 b.プラットフォーム事業プラットフォーム事業は、企業の在庫・滞留商品等の流通を支援しており、オンライン及びオフラインにて複数のマーケットプレイスを運営しております。主なサービスとしては、BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、滞留在庫・返品・型落ち品等の流動化支援を行う『NETSEAオークション(旧 ReValueBtoBモール)』、オフラインの展示・商談会事業『OSR(オーエスアール)展示商談会』等を提供しております。また、当連結会計年度よりOEM自社ブランド販売「AP LAB(エーピーラボ)」及びライブコマース「NETSEA MallLive」を成長ドライバーと位置付け、『D2Xコマース』として販売活動を開始しております。 より具体的には『NETSEA』においては、在庫を保有するメーカー・卸(以下、「サプライヤー」といいます。)と幅広い商品の仕入れニーズを持つ小売店・卸(以下、「バイヤー」といいます。)をオンライン上でマッチングさせ、既存流通網ではアプローチできなかった新たな販路の提供を行っております。主な収益モデルは、流通金額の8.5~10.5%程度の流通手数料、及びサプライヤーに対する月会費であります。『NETSEAオークション』においては、滞留在庫・返品・型落ち品等、サプライヤーの持つ在庫をインターネット上でのクローズドなオークションサイトにて、リユース事業者を中心とするバイヤーに販売を行っております。主な収益モデルは、商品売買における販売収益であります。なお、NETSEAオークションについては、収益性及び市場環境を総合的に勘案した結果、今後の成長が見込めないと判断し、成長戦略領域への事業資源集中を目的として、2025年3月をもってサービスを終了いたしました。『OSR(オーエスアール)展示商談会』においては、サプライヤーとバイヤーをオフラインでマッチングさせることにより、サプライヤーには卸売販売機会の提供、バイヤーには仕入れ機会の提供を行っております。主な収益モデルは、サプライヤーからの決済手数料数収入及びその出店料収入となります。『D2Xコマース』においては、中国の工場・サプライヤーにて生産された商品を、日本国内のバイヤー及び消費者に向けて販売しております。主な収益モデルは、商品売買における販売収益であります。 直近3年間の『NETSEA』、『NETSEAオークション』及び『OSR』の流通額(※1)は以下のとおりとなります。 『NETSEA』、『NETSEAオークション』及び『OSR』の流通額の推移(単位:百万円)年月2023年9月期末2024年9月期末2025年9月期末NETSEA9,5908,9358,119NETSEAオークション804453153OSR3,0552,8652,764 ※1 NETSEA流通額は注文後のキャンセルを勘案した流通額にて計算 c.インキュベーション事業インキュベーション事業は、事業投資及び投資先企業の支援を通じて、当社が中長期にわたり競合優位性を構築・維持していくための知見とネットワークを得ることを目的とした事業セグメントであります。主たる収益源は、営業投資有価証券の売却益、投資先企業へのコンサルティング収益となります。なお、当セグメントでは将来成長の基盤となる新規事業の開発等も実施しており、中長期の事業拡大に向け取り組んでいる海外事業においても当事業セグメントにて展開しております。 (2) 事業系統図以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 膨大な売買データとAI技術の活用、先端的なテクノロジーの知見やノウハウの蓄積 |
|---|---|
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:インターネット関連市場の動向 / 特定のサービスへの依存 / 海外事業展開における政治的・経済的要因
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
オークファンは「オークション相場情報」のデータベースを構築しているが、その特許やブランド力は限定的。競合サービスも存在し、明確な無形資産としての優位性は確立されていない。データ蓄積によるノウハウは存在するが、数値化しにくい。
スイッチングコスト★★☆☆☆
オークション出品者やバイヤーは、オークション相場情報サイトを複数比較検討することが一般的。オークファンに特化した高いスイッチングコストは確認できない。ただし、長年利用しているユーザーにとっては、情報収集の手間を省く意味での一定の慣性が存在する可能性はある。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
オークション相場情報サイトとしてのユーザー数は存在するが、ユーザー数の増加が直接的に情報価値を高めるネットワーク効果は限定的。情報提供側としてのプラットフォーム機能も持つが、その規模は競合と比較して大きくない。
コスト優位☆☆☆☆☆
情報提供サービスであり、構造的なコスト優位性を持つ要素は見当たらない。サーバー費用や人件費は発生するが、競合と比較して著しく低いわけではない。
規模の経済★☆☆☆☆
オークション相場情報市場において、一定のシェアは持つと考えられるが、業界全体から見て最適化された少数寡占状態とは言えない。競合も複数存在し、規模の経済による圧倒的な優位性は見られない。
- 膨大な流通データとAI技術オークファンは、サイト開設以来約700億件を超える商品情報と価格データを蓄積しており、これをAI技術で分析・活用しています。この膨大なデータは、商品の適正価格の把握や市場トレンドの予測に不可欠であり、他社が容易に模倣できない強力な競争優位性となっています。これにより、ユーザーは精度の高い情報に基づいてビジネス判断を下すことができ、オークファンサービスの価値を高めています。
- BtoB市場のネットワーク効果BtoB卸モール『NETSEA』は、多くの企業が参加することで、出品者と購入者の双方にとって魅力が増すネットワーク効果を持っています。出品者が増えれば商品ラインナップが充実し、購入者が増えれば出品者の販売機会が拡大します。この相互作用により、プラットフォームの価値が高まり、新たな参入者にとって障壁となります。これにより、安定した取引基盤を構築し、市場での存在感を確立しています。
- 多様なサービス展開と顧客基盤オークファンは、『aucfan.com』の有料会員3万人以上、無料会員100万人以上という強固な顧客基盤を持っています。また、ネットショップ一元管理サービス『タテンポガイド』や副業支援サービス『good sellers』など、物販ビジネスを行う個人事業主や企業向けの多様なサービスを展開しています。これにより、顧客の様々なニーズに対応し、顧客の囲い込みやクロスセルを促進することで、事業の安定性と成長性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、創業以来、膨大な売買データとAI技術を活用して流通の可視化・効率化を推進してまいりました。コーポレートアイデンティティを「RE-INFRA COMPANY」と定義し、社会のさまざまな「RE(再構築・再定義・再流通など)」を統合した唯一無二の流通インフラの構築を目指しています。また、当社グループの各サービスを利用するSmallB(個人事業主)・副業・インフルエンサー等のお客様を「Appreciator(アプリシエイター)」と定義しています。“Appreciate”には「真価を認める」「価値を高める」といった意味があり、当社は価値を見出し感謝できる人々=Appreciatorが活躍できる社会の実現を目指しています。 こうした理念のもと、当社は「BtoB取引市場のDX化」を中核戦略に掲げ、国内流通構造のデジタル化に取り組んでまいりました。国内のBtoB取引市場は約300兆円規模(※1)と推定され、そのうちEC化されていない取引は約200兆円に上ります。こうした巨大な未開拓領域のデジタル化は、創業当初から取り組んできた「データによる流通の可視化・効率化」という理念を発展させたものであり、現在の成長戦略の基盤を形成しています。 一方で、過去3年間はこの戦略をさらに発展させ、海外事業(主に中国)を新規事業・成長戦略の柱として展開してまいりました。Japan to Chinaでは義烏日本国家館・NETSEA CHINAを通じた日本商材の越境販売支援、China to Japanでは中国商品の展示会「大阪義烏マーケット」や「アリババ1688セレクション」の開催、NETSEA×アリババ1688の連携など、さまざまな新規施策に取り組んでまいりました。これらの取り組みは市場開拓やネットワーク構築の面で一定の成果を得た一方、事業としての収益化には時間を要しており、当社は今後の方向性を見直しながら、より収益性の高い領域へのシフトを進めています。 その中で、成果が具体的に現れ始めているのが、OEM自社ブランド販売「AP LAB(エーピーラボ)」とライブコマース「NETSEA MallLive(ネッシーモールライブ)」です。「AP LAB」は、中国の生産拠点で当社自らが工場を開拓・製造し、日本国内で販売を行うモデルであり、個人向け販売に加えて法人への卸も行うことから、Direct to Consumer(D2C)に加えBusiness(B)も含む「D2X(Direct to X)コマース」として位置づけています。また「NETSEA MallLive」は、当社が自ら商品を仕入れ、TikTokなどのライブ配信を通じて販売するモデルで、将来的にはライバーや販売者への商材提供へと拡張する可能性を有しています。 今後は、このD2Xコマース領域を新たな成長ドライバーと位置づけ、収益性の高い事業ポートフォリオの確立を目指してまいります。当社グループは現在、従来のBtoB流通DXからD2Xコマースへの事業転換期にあり、「AP LAB」及び「NETSEA MallLive」への積極的な先行投資を進めています。これらの投資は短期的には収益を圧迫するものの、中長期的な事業拡大に向けた基盤づくりを目的としています。 ※1 経済産業省2025年8月26日発表 電子商取引に関する市場調査、BtoB-EC市場規模の業種別内訳より推察 当社グループが対処すべき課題は、次のとおりです。 ① 事業ポートフォリオの再構築と選択と集中当社グループは現在、事業転換期にあり、中長期的な企業価値向上の観点から、事業ポートフォリオの再構築を重要課題として認識しております。既存事業においては、収益性・成長性・市場性・シナジー等を基準とした評価を進め、採算性の低い領域については縮小又は撤退を実施し、限られた経営資源を将来性の高い領域へ集中的に配分する体制へ移行しております。本取り組みにより、固定費構造の最適化、投資効率の改善、意思決定プロセスの明確化を図り、新規事業立ち上げに伴う先行投資負担と事業成長のタイミングを適切に管理しながら、持続的な事業成長モデルへの転換を進めてまいります。 ② D2Xコマース事業の確立と収益モデル構築新規事業領域であるD2Xコマース事業(「AP LAB」「NETSEA MallLive」)においては、将来の収益基盤として重要な位置づけにある一方、事業フェーズとしては市場検証段階から事業化段階への移行期にあります。今後は、商品供給体制・販売チャネル・ブランド戦略・顧客獲得効率・LTV向上施策など、複数の要素を統合的に最適化し、持続可能な収益モデルの確立が課題となります。また、データ分析に基づく商品企画、在庫運用精度の向上、ライブ販売者との関係構築など、運営モデルの再現性強化にも取り組んでまいります。 ③ 国内既存事業の収益性改善及び競争力強化既存事業におきましては、安定的な収益基盤の維持に加え、収益性改善・運用効率化・ユーザー体験向上が引き続き重要な課題となっております。サービス機能や提供価値の継続的改善、ユーザー属性に応じた価格体系・提供メニューの最適化、企業・SmallBユーザーへの支援体制の強化などに取り組み、顧客基盤の維持・拡大と解約率の低減を図ってまいります。 ④ 海外事業戦略の再評価と重点領域の選定海外事業については、これまでの取り組みで得た市場反応・顧客特性・商習慣・コスト構造・収益性を踏まえ、事業としての実行可能性評価が重要課題となっております。今後は、海外事業の位置付けを明確化し、単なる市場開拓ではなく、日本企業及び海外バイヤー双方に対する価値提案の再整理、事業領域・対象地域・投資配分の明確化を進めてまいります。将来的には、海外事業をD2Xコマースとの連動領域として統合し、国内・海外を一体化した流通モデルの構築に取り組む方針です。 ⑤ 技術基盤・データ活用体制・セキュリティの高度化当社グループの事業はオンラインサービスを基盤としており、システムの安定稼働、データ管理、情報セキュリティ体制の強化は引き続き重要な課題です。今後の事業成長に対応するため、クラウド基盤強化、自動化・効率化の推進、AI・データ活用の仕組み整備、安全性・信頼性確保に向けた継続的な投資を行ってまいります。 ⑥ 内部統制と組織運営体制の強化当社グループでは、これまで取り組んできたガバナンス強化施策の確実な運用と継続的改善が引き続き重要課題となります。また、新規事業比率が高まる中、意思決定プロセス、内部統制、リスク管理、権限設計、モニタリング体制の整備が求められております。今後も上場企業として適切なガバナンスを維持しつつ、迅速な事業展開を可能にする組織体制の確立を進めてまいります。 当社グループは、事業変革期におけるこれらの課題に取り組むことで、事業再構築と成長基盤の確立を進め、中長期的な企業価値向上の実現を目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループは、創業以来、膨大な売買データとAI技術を活用して流通の可視化・効率化を推進してまいりました。コーポレートアイデンティティを「RE-INFRA COMPANY」と定義し、社会のさまざまな「RE(再構築・再定義・再流通など)」を統合した唯一無二の流通インフラの構築を目指しています。また、当社グループの各サービスを利用するSmallB(個人事業主)・副業・インフルエンサー等のお客様を「Appreciator(アプリシエイター)」と定義しています。“Appreciate”には「真価を認める」「価値を高める」といった意味があり、当社は価値を見出し感謝できる人々=Appreciatorが活躍できる社会の実現を目指しています。 こうした理念のもと、当社は「BtoB取引市場のDX化」を中核戦略に掲げ、国内流通構造のデジタル化に取り組んでまいりました。国内のBtoB取引市場は約300兆円規模(※1)と推定され、そのうちEC化されていない取引は約200兆円に上ります。こうした巨大な未開拓領域のデジタル化は、創業当初から取り組んできた「データによる流通の可視化・効率化」という理念を発展させたものであり、現在の成長戦略の基盤を形成しています。 一方で、過去3年間はこの戦略をさらに発展させ、海外事業(主に中国)を新規事業・成長戦略の柱として展開してまいりました。Japan to Chinaでは義烏日本国家館・NETSEA CHINAを通じた日本商材の越境販売支援、China to Japanでは中国商品の展示会「大阪義烏マーケット」や「アリババ1688セレクション」の開催、NETSEA×アリババ1688の連携など、さまざまな新規施策に取り組んでまいりました。これらの取り組みは市場開拓やネットワーク構築の面で一定の成果を得た一方、事業としての収益化には時間を要しており、当社は今後の方向性を見直しながら、より収益性の高い領域へのシフトを進めています。 その中で、成果が具体的に現れ始めているのが、OEM自社ブランド販売「AP LAB(エーピーラボ)」とライブコマース「NETSEA MallLive(ネッシーモールライブ)」です。「AP LAB」は、中国の生産拠点で当社自らが工場を開拓・製造し、日本国内で販売を行うモデルであり、個人向け販売に加えて法人への卸も行うことから、Direct to Consumer(D2C)に加えBusiness(B)も含む「D2X(Direct to X)コマース」として位置づけています。また「NETSEA MallLive」は、当社が自ら商品を仕入れ、TikTokなどのライブ配信を通じて販売するモデルで、将来的にはライバーや販売者への商材提供へと拡張する可能性を有しています。 今後は、このD2Xコマース領域を新たな成長ドライバーと位置づけ、収益性の高い事業ポートフォリオの確立を目指してまいります。当社グループは現在、従来のBtoB流通DXからD2Xコマースへの事業転換期にあり、「AP LAB」及び「NETSEA MallLive」への積極的な先行投資を進めています。これらの投資は短期的には収益を圧迫するものの、中長期的な事業拡大に向けた基盤づくりを目的としています。 ※1 経済産業省2025年8月26日発表 電子商取引に関する市場調査、BtoB-EC市場規模の業種別内訳より推察 当社グループが対処すべき課題は、次のとおりです。 ① 事業ポートフォリオの再構築と選択と集中当社グループは現在、事業転換期にあり、中長期的な企業価値向上の観点から、事業ポートフォリオの再構築を重要課題として認識しております。既存事業においては、収益性・成長性・市場性・シナジー等を基準とした評価を進め、採算性の低い領域については縮小又は撤退を実施し、限られた経営資源を将来性の高い領域へ集中的に配分する体制へ移行しております。本取り組みにより、固定費構造の最適化、投資効率の改善、意思決定プロセスの明確化を図り、新規事業立ち上げに伴う先行投資負担と事業成長のタイミングを適切に管理しながら、持続的な事業成長モデルへの転換を進めてまいります。 ② D2Xコマース事業の確立と収益モデル構築新規事業領域であるD2Xコマース事業(「AP LAB」「NETSEA MallLive」)においては、将来の収益基盤として重要な位置づけにある一方、事業フェーズとしては市場検証段階から事業化段階への移行期にあります。今後は、商品供給体制・販売チャネル・ブランド戦略・顧客獲得効率・LTV向上施策など、複数の要素を統合的に最適化し、持続可能な収益モデルの確立が課題となります。また、データ分析に基づく商品企画、在庫運用精度の向上、ライブ販売者との関係構築など、運営モデルの再現性強化にも取り組んでまいります。 ③ 国内既存事業の収益性改善及び競争力強化既存事業におきましては、安定的な収益基盤の維持に加え、収益性改善・運用効率化・ユーザー体験向上が引き続き重要な課題となっております。サービス機能や提供価値の継続的改善、ユーザー属性に応じた価格体系・提供メニューの最適化、企業・SmallBユーザーへの支援体制の強化などに取り組み、顧客基盤の維持・拡大と解約率の低減を図ってまいります。 ④ 海外事業戦略の再評価と重点領域の選定海外事業については、これまでの取り組みで得た市場反応・顧客特性・商習慣・コスト構造・収益性を踏まえ、事業としての実行可能性評価が重要課題となっております。今後は、海外事業の位置付けを明確化し、単なる市場開拓ではなく、日本企業及び海外バイヤー双方に対する価値提案の再整理、事業領域・対象地域・投資配分の明確化を進めてまいります。将来的には、海外事業をD2Xコマースとの連動領域として統合し、国内・海外を一体化した流通モデルの構築に取り組む方針です。 ⑤ 技術基盤・データ活用体制・セキュリティの高度化当社グループの事業はオンラインサービスを基盤としており、システムの安定稼働、データ管理、情報セキュリティ体制の強化は引き続き重要な課題です。今後の事業成長に対応するため、クラウド基盤強化、自動化・効率化の推進、AI・データ活用の仕組み整備、安全性・信頼性確保に向けた継続的な投資を行ってまいります。 ⑥ 内部統制と組織運営体制の強化当社グループでは、これまで取り組んできたガバナンス強化施策の確実な運用と継続的改善が引き続き重要課題となります。また、新規事業比率が高まる中、意思決定プロセス、内部統制、リスク管理、権限設計、モニタリング体制の整備が求められております。今後も上場企業として適切なガバナンスを維持しつつ、迅速な事業展開を可能にする組織体制の確立を進めてまいります。 当社グループは、事業変革期におけるこれらの課題に取り組むことで、事業再構築と成長基盤の確立を進め、中長期的な企業価値向上の実現を目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当社グループは、創業以来、膨大な売買データとAI技術を活用して流通の可視化・効率化を推進してまいりました。コーポレートアイデンティティを「RE-INFRA COMPANY」と定義し、社会のさまざまな「RE(再構築・再定義・再流通など)」を統合した唯一無二の流通インフラの構築を目指しています。また、当社グループの各サービスを利用するSmallB(個人事業主)・副業・インフルエンサー等のお客様を「Appreciator(アプリシエイター)」と定義しています。“Appreciate”には「真価を認める」「価値を高める」といった意味があり、当社は価値を見出し感謝できる人々=Appreciatorが活躍できる社会の実現を目指しています。 こうした理念のもと、当社は「BtoB取引市場のDX化」を中核戦略に掲げ、国内流通構造のデジタル化に取り組んでまいりました。国内のBtoB取引市場は約300兆円規模(※1)と推定され、そのうちEC化されていない取引は約200兆円に上ります。こうした巨大な未開拓領域のデジタル化は、創業当初から取り組んできた「データによる流通の可視化・効率化」という理念を発展させたものであり、現在の成長戦略の基盤を形成しています。 一方で、過去3年間はこの戦略をさらに発展させ、海外事業(主に中国)を新規事業・成長戦略の柱として展開してまいりました。Japan to Chinaでは義烏日本国家館・NETSEA CHINAを通じた日本商材の越境販売支援、China to Japanでは中国商品の展示会「大阪義烏マーケット」や「アリババ1688セレクション」の開催、NETSEA×アリババ1688の連携など、さまざまな新規施策に取り組んでまいりました。これらの取り組みは市場開拓やネットワーク構築の面で一定の成果を得た一方、事業としての収益化には時間を要しており、当社は今後の方向性を見直しながら、より収益性の高い領域へのシフトを進めています。 その中で、成果が具体的に現れ始めているのが、OEM自社ブランド販売「AP LAB(エーピーラボ)」とライブコマース「NETSEA MallLive(ネッシーモールライブ)」です。「AP LAB」は、中国の生産拠点で当社自らが工場を開拓・製造し、日本国内で販売を行うモデルであり、個人向け販売に加えて法人への卸も行うことから、Direct to Consumer(D2C)に加えBusiness(B)も含む「D2X(Direct to X)コマース」として位置づけています。また「NETSEA MallLive」は、当社が自ら商品を仕入れ、TikTokなどのライブ配信を通じて販売するモデルで、将来的にはライバーや販売者への商材提供へと拡張する可能性を有しています。 今後は、このD2Xコマース領域を新たな成長ドライバーと位置づけ、収益性の高い事業ポートフォリオの確立を目指してまいります。当社グループは現在、従来のBtoB流通DXからD2Xコマースへの事業転換期にあり、「AP LAB」及び「NETSEA MallLive」への積極的な先行投資を進めています。これらの投資は短期的には収益を圧迫するものの、中長期的な事業拡大に向けた基盤づくりを目的としています。 「ソリューション事業」は、当社が保有するデータとAI技術を活用し、商品の価値を可視化・最適化することで、ECや副業に取り組むAppreciator(SmallB・個人事業主・インフルエンサーなど)を支援するソリューションサービスを提供しております。主なサービスとしては当社が保有する流通相場データを活用した『aucfan.com(オークファンドットコム)』であり、主たる収益源は有料課金収入及びネット広告収入となります。その他、EC事業者向けマーケティング支援サービス『aucfan marketing(オークファンマーケティング)』、ネットショップ一元管理サービス『タテンポガイド』、直感的に操作できるRPAツール『オークファンロボ』、副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』、Amazonセラー専用アプリ『Amacode(アマコード)』等を提供しています。当連結会計年度においては、aucfan.com(オークファンドットコム)で2024年7月に実施した会員機能強化に伴う価格改定の効果により課金売上が好調に推移いたしました。また、aucfan marketing(オークファンマーケティング)においても広告運用サービス売上が好調に推移しました。一方で、Amacode(アマコード)については収益性の改善が見込めない状況が続いたことから、事業の効率化及び収益構造の健全化を目的に、当該サービスを第三者へ譲渡し、2025年2月をもって事業から撤退いたしました。 これらの結果、売上高2,893,258千円(前年同期比8.8%増)、営業利益619,197千円(前年同期比8.8%増)となりました。 「プラットフォーム事業」は、商品供給力を強みに、国内外の双方において商品流通支援サービスを提供しており、オンライン及びオフラインで複数のマーケットプレイスを運営しております。主なサービスとしては、BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、滞留在庫・返品・型落ち品等の流動化支援を行う『NETSEAオークション(旧 ReValueBtoBモール)』、オフラインの展示・商談会事業『OSR(オーエスアール)展示商談会』、中国生産商品のOEM自社ブランド販売『AP LAB(エーピーラボ)』等がございます。主たる収益源は、NETSEAでは流通手数料収入及び有料課金収入、NETSEAオークション並びにAP LABにおける商品販売収入、OSRにおける決済手数料収入及び出店料となります。当連結会計年度においては、NETSEAオークションにて大手サプライヤーの返品商品の取り扱いが減少したことにより売上高が減少しました。一方、海外事業のマーケティングとして取り組んでいるOEM自社ブランド販売「AP LAB(エーピーラボ)」が順調に立ち上がり、売上の創出が進みました。AP LABについては、商品販売開始時に一定の初期コストが発生したことから、販売費及び一般管理費が増加しております。また、新規施策であるライブコマース関連サービスにおいても、2025年6月末よりTikTokShopサービスが開始され、『NETSEA MallLive(ネッシーモールライブ)』として販売を開始いたしました。この領域に注力すべく先行投資を行った結果、販売費及び一般管理費が増加しております。なお、NETSEAオークションについては、収益性及び市場環境を総合的に勘案した結果、今後の成長が見込めないと判断し、成長戦略領域への事業資源集中を目的として、2025年3月をもってサービスを終了いたしました。 これらの結果、売上高1,639,300千円(前年同期比3.7%減)、営業損失100,014千円(前年同期は113,668千円の営業利益)となりました。 「インキュベーション事業」は、事業投資及び投資先企業の支援を通じて、当社が中長期的に競合優位性を構築・維持するための知見とネットワークを得ることを目的としております。主たる収益源は、営業投資有価証券の売却益・配当収益、投資先企業へのコンサルティング収益であり、あわせて海外事業等の新規事業開発にも取り組んでおります。当連結会計年度においては、営業投資有価証券の売却収入等があったものの、前年同期水準には至りませんでした。また、投資先企業の将来収益性を保守的に見積もり、一部の営業投資有価証券について評価損を計上したことにより、営業損失が拡大いたしました。 これらの結果、売上高316,954千円(前年同期比47.2%減)、営業損失308,238千円(前年同期は98,785千円の営業利益)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は4,657,045千円(前年同期比3.8%減)、営業損失は201,012千円(前年同期は356,357千円の営業利益)、経常損失は168,562千円(前年同期は353,801千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は329,112千円(前年同期は187,448千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。当連結会計年度の自己資本当期純利益率に関しましては△7.7%(前年同期比11.9ポイント減)となりました。 ※1 経済産業省2025年8月26日発表 電子商取引に関する市場調査、BtoB-EC市場規模の業種別内訳より推察 ② 財政状態の状況資産の部(流動資産)当連結会計年度末における流動資産は、5,922,231千円(前連結会計年度末は6,805,834千円)となりました。主な要因といたしましては、商品が111,325千円増加したものの、現金及び預金が712,326千円減少、営業投資有価証券が220,160千円減少、売掛金が103,610千円減少した結果であります。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産は、1,162,236千円(前連結会計年度末は887,144千円)となりました。主な要因といたしましては、ソフトウエアが71,977千円減少、繰延税金資産が89,345千円減少したものの、投資有価証券が297,511千円増加、その他(投資その他の資産)が126,155千円増加した結果であります。 負債の部(流動負債)当連結会計年度末における流動負債は、2,945,689千円(前連結会計年度末は3,181,146千円)となりました。主な要因といたしましては、未払金が201,296千円増加したものの、短期借入金が200,000千円減少、1年内返済予定の長期借入金が96,674千円減少、未払法人税等が86,055千円減少した結果であります。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債は、46,157千円(前連結会計年度末は103,585千円)となりました。主な要因といたしましては、長期借入金が61,122千円減少した結果であります。 純資産の部当連結会計年度末における純資産は、4,092,621千円(前連結会計年度末は4,408,246千円)となりました。主な要因といたしましては、自己株式が155,175千円減少したものの、利益剰余金が329,112千円減少、資本剰余金が79,238千円減少、その他有価証券評価差額金が65,515千円減少した結果であります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末より707,110千円減少し、3,790,567千円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)税金等調整前当期純損失182,918千円、法人税等の支払額137,618千円、棚卸資産の増加額119,488千円などにより資金が減少した一方で、減価償却費267,899千円、未払金の増加額200,879千円、営業投資有価証券の減少額124,532千円、売上債権の減少額103,606千円などにより資金が増加したため、営業活動の結果獲得した資金は203,032千円(前年同期は1,003,532千円の獲得)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資有価証券の取得による支出287,575千円、無形固定資産の取得による支出197,046千円などにより資金が減少したため、投資活動の結果使用した資金は546,283千円(前年同期は206,780千円の使用)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)短期借入れによる収入660,000千円などにより資金が増加した一方で、短期借入金の返済による支出860,000千円、長期借入金の返済による支出157,796千円などにより資金が減少したため、財務活動の結果使用した資金は391,244千円(前年同期は431,870千円の獲得)となりました。 なお、当社グループの運転資金及び設備投資資金は自己資金並びに借入金等により充当しております。当連結会計年度末の有利子負債残高は1,302,253千円となり、前連結会計年度末に比べ358,581千円減少しており、自己資本比率は57.8%と依然として高い水準を維持しております。資金の流動性に関しましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,790,567千円と十分な流動性を確保しております。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループの主たる事業は、インターネットを利用したサービスの提供であり、提供するサービスには生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。 b.受注実績当社グループでは概ね受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度のセグメント別の販売実績は、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年10月1日至 2025年9月30日)前年同期比(%)ソリューション(千円)2,789,282108.3プラットフォーム(千円)1,610,54896.8インキュベーション(千円)257,21442.8合計(千円)4,657,04596.2 (注)最近2連結会計年度の主要な販売先はいずれも総販売実績に対する販売実績の割合が10%未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の分析当連結会計年度における売上高は4,657,045千円(前年同期比3.8%減)、営業損失は201,012千円(前年同期は356,357千円の営業利益)、経常損失は168,562千円(前年同期は353,801千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は329,112千円(前年同期は187,448千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。 b.資本の財源及び資金の流動性について当社グループにおける運転資金需要の主なものは、仕入費用、販売費及び一般管理費の営業費用による営業資金及び設備投資資金であります。当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入による資金調達となります。 ③ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの事業に関連するEC市場規模については、今後も継続的な拡大が見込まれており、国内外の流通構造におけるデジタル化は引き続き進展するものと考えております。当社グループは、この市場環境を踏まえ、事業領域ごとに客観的指標(KPI)を設定し、経営目標の達成状況把握及び事業運営における意思決定に活用しております。 プラットフォーム事業におきましては、GMV(流通総額)、サプライヤー数、掲載商品数、販売者数、リピート率等を主要指標としております。これらの指標は、流通量の拡大、供給力の強化、取引活性化、顧客定着状況等を測定するものであり、事業成長フェーズに応じた投資判断、改善施策の検証、収益構造の最適化に活用しております。当該事業では、既存事業である「NETSEA」「OSR」に加え、新規領域としてD2Xコマース事業「AP LAB」「NETSEA MallLive」の拡大を進めており、これらの領域についても同様にKPIを設定し、事業成果の可視化、投資効果の評価、事業拡大に向けた運営指標としてモニタリングしております。 ソリューション事業におきましては、課金会員数、広告関連指標、媒体アクセス(UU・PV)、データ取得件数及び対応マーケットプレイス数等を主要指標としております。これらの指標は、利用者基盤の拡大状況、サービス価値向上の進捗、継続利用状況、データ資産の拡張性等を測定する目的で設定しており、事業成長性や利用実態を把握するための重要指標としております。当該事業では、利用者属性やニーズ変化、機能改善効果、提供価値の向上状況等を継続的に検証し、サービス利用満足度の向上及び市場浸透の最大化に向けた判断材料として活用しております。 インキュベーション事業におきましては、投資利回り及び情報収集状況をKPIとしております。今後もベンチャー企業を中心とした投資活動を継続するとともに、当社グループを取り巻く市場環境や最新テクノロジー等に関する情報収集を進め、海外向けサービスによるGMV創出を通じた新たな収益機会の獲得を目指してまいります。 これらのKPIにもとづき、当社グループは、事業ポートフォリオの最適化、成長領域への経営資源の選択と集中、収益性改善施策の進捗を客観的に評価し、中長期的な企業価値向上の実現に取り組んでおります。 ④ 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループは「RE-INFRA COMPANY」をコーポレートアイデンティティとし、社会に存在するさまざまな「RE」を統合し、独自のインフラを構築するという考えのもと事業を推進しております。「RE」とは、既存の価値や仕組みを捉え直し、より適切な形へ再編集・再構成する概念を指しております。当社グループは、「RE」に関連する機能を連携・統合することで、モノとそれに関わるヒトの価値を最適に循環させ、社会課題の解決につなげてまいります。これにより、サービス利用者及び顧客の満足度向上を図り、企業価値・株主価値の向上を目指してまいります。
事業リスク
- インターネット市場の変動オークファンはインターネットを活用したEC関連事業が主軸であるため、インターネットの利用に関する新たな規制導入や予期せぬ市場環境の変化が、事業展開や業績に影響を与える可能性があります。特に、ヤフー株式会社などが運営するインターネットオークション市場の動向に依存する部分が大きく、その運営者の戦略変更などが収益に直接影響するリスクがあります。
- 技術革新への対応遅れインターネット業界は技術革新のスピードが速く、新たなテクノロジーを基盤としたサービスが次々と登場します。オークファンが最新技術の知見やノウハウの蓄積、優秀な技術者の確保に遅れをとった場合、技術的優位性やサービス競争力が低下し、事業展開や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。常に変化に対応し続けることが求められます。
- 特定のサービスへの依存オークファンの売上高の約34.6%(2025年9月期)は、複数のマーケットプレイス運営による収入に依存しています。もし、新たな法的規制の導入や予期せぬ事象の発生により、これらの主要サイトの利便性が低下して利用者数が減少したり、サイト運営が困難になったりした場合、オークファングループ全体の事業展開や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項につきましては、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) インターネット関連市場に関するリスクについて① インターネット及びインターネットオークション市場の動向当社グループは、インターネットを活用したEC関連市場及びインターネットメディア事業を主たる事業領域としていることから、インターネットの急激な普及に伴う弊害の発生や利用に関する新たな規制の導入、その他予期せぬ要因等によって、インターネット市場環境の変化があった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社はヤフー株式会社等が運営するインターネットオークション市場の商品情報及び価格情報の提供をユーザー向けに行っており、課金による収入を主たる事業としております。したがって、インターネットオークション市場運営者の動向により当社の事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 技術革新についてインターネット業界は、技術革新や顧客ニーズの変化のサイクルが極めて早いことが特徴の一つであり、新たなテクノロジーを基盤としたサービスの新規参入が相次いで行われております。当社グループは、このような急速に変化する環境に柔軟に対応すべく、オープンソースを含む先端的なテクノロジーの知見やノウハウの蓄積、更には高度な技能を習得した優秀な技術者の採用を積極的に推進していく方針であります。しかしながら、先端的なテクノロジーに関する知見やノウハウの蓄積、技術者の獲得に困難が生じる等、技術革新に関する適切な対応が遅れ、当社グループの技術的優位性やサービス競争力の低下を招いた場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業内容及び当社サービスに関するリスクについて① 特定のサービスへの依存について当社グループは、複数のマーケットプレイスの運営をしており、主たる収益はマーケットプレイスの収入であります。2025年9月期における売上高(4,657,045千円)に占める比率は34.6%(1,610,548千円)であり、マーケットプレイス収入への依存度が高い状況にあります。今後、新たな法的規制の導入や予期せぬ事象の発生等により、サイトの利便性の低下による利用者数の減少や、サイト運営が困難となった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② サイト機能の充実について当社グループは、利用者のニーズに対応するため、当社グループが運営する各サイトの機能の拡充を進めております。しかしながら、今後、有力コンテンツの導入や利用者のニーズの的確な把握が困難となり、十分な機能の拡充ができず利用者に対する訴求力が低下した場合には、サイト利用者数の減少により、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 検索エンジン・インターネット広告への対応について当社グループが運営するサービスの利用者の多くは、特定の検索エンジンからの集客、又はインターネット広告からの訪問であり、今後も検索エンジンからの集客施策及びインターネット広告の配信を実施していく予定です。しかしながら、検索結果を表示する検索エンジンのアルゴリズムが大幅に変更される等の事象が発生した場合、検索エンジンからのユーザー集客が減少すること及び適切なインターネット広告の配信が出来なくなる可能性が発生し、これらに対応するため追加的な費用等の発生や当社グループが運営する各サイトへの集客数が減少し、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 課金サービス利用料金における決済について当社グループの課金サービスについては、その利用料金の回収を回収代行業者に委託しております。当社は特定の回収代行業者に依存しているわけではありませんが、特にGMOペイメントゲートウェイ株式会社への委託が大きく、売上に占める割合も高くなっているため、今後取引条件等に変更があった場合、委託先のシステムトラブルにより決済に支障が生じた場合、委託先の経営状況や財政状態が悪化した場合、その他何らかの理由により委託先との取引関係が継続できない場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 『aucfan.com』で提供する商品情報及び価格情報について『aucfan.com』において利用者に提供している価格等の商品情報及び価格情報は、各ECサイトから公開されている商品情報及び価格情報を整理統合し、統計学的補正を施したものです。当社では、各ECサイトとは良好な関係を築いており本書提出日現在当社との関係において問題はないと認識しておりますが、今後、各ECサイトの戦略方針の変更等何らかの理由により商品情報及び価格情報の取得が困難になる場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 競合について当社グループは、インターネットメディア事業やEC事業を展開しておりますが、当該分野においては、大手企業を含む多くの企業が事業展開していることもあり、競合が現れる可能性があります。今後、十分な差別化や機能向上等が図られなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 海外の事業展開について当社グループは、中国を中心とした海外BtoB卸市場の開拓及び越境ECプラットフォーマーサービスの構築に取り組んでおり、現時点では中国における事業展開を計画・実行しております。今後はサービスを段階的に実施するとともに、日本及び中国の双方向での卸商品の流通を促進していく計画となっております。しかしながら、各国の政治的・経済的要因により、輸出入管理・投資規制・収益の本国送金規制・移転価格税制等に関する予期できない法律・規制の変更等のリスクに直面した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) システムに関するリスクについて① システム障害・通信トラブルについて当社グループのサービス提供では、サーバーを経由して当社グループが運営するサイトの利用者にサイト機能やサービスを提供しております。また、サーバー運用に際しては、国内大手データセンターへホスティングを中心とした業務を外部に委託するとともに、クラウド上のサーバーを併用しております。しかしながら、自然災害、火災、コンピュータウィルス、通信トラブル、第三者による不正行為、サーバーへの過剰負荷、人為的ミス等あらゆる原因によりサーバー及びシステムが正常に稼働できなくなった場合、あるいは当社グループが過去に蓄積してきた商品情報及び価格情報が消失した場合、当社グループのサービスが停止する可能性があります。当社グループでは上記のような場合に備え、当社内においても商品情報及び価格情報を保存しており、当社及びデータセンターで保存することで対策を図っております。当社グループでは上記のような対策を行っておりますが、それにもかかわらず何らかのシステム障害・通信トラブルにより当社グループのサービスが停止した場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 事業拡大に伴う設備投資について当社グループは、今後の利用者数及びアクセス数の拡大に備え、継続的なサーバー等のシステムインフラへの設備投資が必要であると認識しております。設備投資によりシステムインフラを増加したものの、想定していた利用者数及びアクセス数を下回った場合には、稼働率の低下となり、減価償却費等の費用の増加を吸収できず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 法的規制及び知的財産等に関するリスクについて① 法的規制について当社グループは、インターネット上の事業展開において各種法的規制等を受けており、その主な内容は以下のとおりであります。 a.不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)同法におけるアクセス管理者として、努力義務ながら不正アクセス行為からの一定の防御措置を講ずる義務が課されております。 b.特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)営利団体等が、個人(送信に同意した者等を除く。)に対し、広告・宣伝の手段として電子メールを送信する場合に、一定の事項を表示する義務等が課されております。当社グループは、会員向けメールマガジン等の配信においては、その送信につき事前に同意した会員等に対してのみ配信する方針を取っております。 c.特定商取引に関する法律当社グループの事業に関わる法的規制として、消費者保護に関して「特定商取引に関する法律」があり、規制を受けております。 d.青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境等に関する法律(青少年ネット規制法)同法における関係事業者の責務として、青少年有害情報の閲覧をする機会をできるだけ少なくするための措置を講ずるとともに、青少年のインターネットを適切に活用する能力の習得に資するための措置を講ずるよう努めることが課せられております。 上記以外にも、一般消費者を対象とした「消費者契約法」の適用を受けるほか、有料会員の募集及び広告の取扱いに際して「不当景品類及び不当表示防止法」の適用を受けております。近年、インターネット上のトラブル等への対応として、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されている状況にあり、今後、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等による規制や既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの事業が制約を受ける可能性があり、その場合、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 個人情報の取扱いについて当社グループは、事業運営に際して、当社グループのサービスを利用する会員にIDの登録を依頼しており、当社グループのデータベースサーバーには、個人情報がデータとして蓄積されております。これらの情報については、当社グループにおいて守秘義務があります。このため当社においては個人情報の保護の徹底を図るべく、個人情報に関する個人情報管理基本規程を作成し、当社が取得・保有する個人情報の取扱方法、個人情報データベースへのアクセス制限及びアクセスログの管理について定めるとともにISMSの取得を行うなど、個人情報の漏出を防止するための方策を実施しております。具体的には、当社が知り得た情報については、当社のシステム部門を中心に、データへアクセスできる人数の制限等の漏洩防止策が講じられております。しかしながら、当社が実施している上記方策にもかかわらず、当社からの個人情報の漏出を永久かつ完全に防止できるという保証はありません。今後、当社グループの保有する個人情報データベースへの不正侵入や人為的ミス等を原因として、当社グループが保有する個人情報が万が一社外に漏出した場合には、当社グループの風評の低下による当社グループを経由した売買件数及び会員数の減少、当該個人からの損害賠償請求等を招く可能性があり、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 当社グループにおける知的財産権について当社グループは、知的財産権の保護をコンプライアンスの観点から重要な課題であると認識しております。当社では管理部門である経営管理部により、知的財産権の管理体制を強化しておりますが、当社グループの知的財産権が侵害された場合、解決までに多くの時間及び費用が発生する等、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの属する市場がさらに成長し、ITの進展とあいまって、事業活動が複雑多様化するにつれ、競合も進み、知的財産権をめぐる紛争件数が増加する可能性があります。このような場合、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害したことによる損害賠償請求や差止請求、又は当社グループに対するロイヤリティの支払い要求等を受けることにより、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 事業運営体制に係わるリスクについて① 内部統制に関することについて当社及び当社連結完全子会社において、複数事業年度にわたって不適切な取引及び不適切な会計処理が行われていたことが判明しました。そのため当社は、調査を行った特別調査委員会からの提言を踏まえ、再発防止策を策定し、2023年3月8日付で「再発防止策及び関係者の処分に関するお知らせ」を公表しております。公表しました再発防止策については既に実行しております。今後も上場企業に相応しいコンプライアンス体制の構築を図り、内部統制体制の強化に努めてまいります。ただし、これらの再発防止策の着実な実行及びコンプライアンス体制の構築・強化が適切になされない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、その他内部統制の整備上の欠陥や運用上の認識不足等の不備により財務報告等に重大な誤りが生じた場合にも、当社の信用が失墜すると共に、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② 人材の確保及び育成について当社グループにおいて優秀な人材の確保、育成及び定着は今後の業容拡大のための重要課題であります。新入社員及び中途入社社員に対する研修の実施をはじめ、リーダー層となる中堅社員への幹部教育を通じ、将来を担う優秀な人材の確保・育成に努めております。また選択的時差出勤制度やリモートワーク制度など柔軟な働き方を積極的に活用できる風土を醸成するとともに、社内研修等を通じて役職員間のコミュニケーションを図ることで、定着率の向上を図っております。しかしながら、これらの施策が効果的である保証はなく、必要な人材を採用できない場合、また採用し育成した役職員が当社の事業に寄与しなかった場合、あるいは育成した役職員が社外流出した場合には、優秀な人材の確保に支障をきたし、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 特定人物への依存について当社代表取締役である武永修一は、事業の立案や実行等会社運営において重要な役割を果たしております。当社グループといたしましては、同氏に過度に依存しない事業体制の構築を目指し、人材の育成及び強化に注力しておりますが、今後不慮の事故等何らかの理由により同氏が当社の業務を執行することが困難になった場合には、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) その他① 資金使途について当社の調達資金の使途については、主に運営するBtoBサイトにおける仕入れ、プロモーション活動等による広告宣伝費、データ・ユーザー数増加のためのサーバー機器等の増設、サイト機能向上のためのソフトウエア開発、及び事業の拡大にかかる人材採用費等に充当する計画となっております。しかしながら、インターネット関連業界その他事業環境の変化に対応するために、調達した資金が計画どおり使用されない可能性があります。また、計画どおりに使用された場合でも、想定どおりの効果を得られず、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 配当政策について当社では、利益配分につきましては、経営成績及び財政状態を勘案して、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。しかしながら、当社は本書提出日現在、成長過程にあり、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保の確保を優先して、創業以来2025年9月期まで無配当としてまいりました。現在は内部留保の充実に努めておりますが、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益の配当を実施する方針であります。ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。 ③ 新株予約権の行使並びに譲渡制限付株式の発行に伴う株式価値の希薄化について当社グループは、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与する場合がございます。これらの新株予約権が行使された場合には、当社グループの1株当たりの株式価値が希薄化することになり、将来における株価へ影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは今後も新株予約権の付与を行う可能性があり、この場合、さらに1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、2019年11月28日開催の取締役会において、当社取締役(社外取締役を除く)、当社執行役員及び従業員並びに当社子会社の取締役、執行役員及び従業員に対して譲渡制限付株式報酬制度を導入することを決議いたしました。譲渡制限付株式報酬制度は、これらの株式が新株式発行により付与された場合、ストックオプション制度と同様に当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。