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セルシス(3663)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • クリエイターエコノミー支援
    セルシスは、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・販売を主力としています。これは、世界中のクリエイターが作品を制作するためのツールを提供し、その利用料やサブスクリプションモデルを通じて収益を得ています。特に海外での利用者が80%以上を占めており、グローバル市場での存在感が大きいのが特徴です。
  • クリエイターの創作活動をサポート
    主力アプリの継続利用を促すため、会員向けWebサービス「CLIP STUDIO」や、アプリの活用情報を発信するサイトをグローバルに展開しています。これにより、クリエイターがより深くセルシスのサービスを利用し続ける環境を整え、顧客ロイヤルティを高めています。
  • 新たなプラットフォーム事業
    将来的には、クリエイターが作品を通じて収益を得るためのプラットフォームサービスを新たな事業の柱とすることを目指しています。2026年以降に順次新サービスを提供する計画で、クリエイターのマネタイズ支援やコミュニティ強化を通じて、事業領域の拡大を図る方針です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • クリエイターサポート分野
    イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・販売が中心です。この分野はセルシスの主力事業であり、売上高71.43207億円、営業利益28.48718億円と、会社全体の収益を牽引する稼ぎ頭となっています。特に海外クリエイターの利用が80%以上を占めており、グローバル市場での強みがあります。
  • クリエイタープラットフォーム分野
    クリエイターの創作活動を支援する会員向けWEBサービス「CLIP STUDIO」や、電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」などの流通ソリューションを提供しています。この分野は売上高10.61751億円ですが、営業利益は-6.81995億円と赤字であり、現在は投資フェーズにあると考えられます。
  • 新規プラットフォーム開発
    クリエイタープラットフォーム分野では、クリエイターのマネタイズ支援やユーザーコミュニティ強化のための新規プラットフォーム開発を進めています。これらの新サービスは2026年以降に順次提供開始される予定で、将来的な新たな収益の柱となることを目指しています。
2024-12 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CreativeSolutionsReportableSegment 事業 71 28 39.9%
ContentDistributionReportableSegment 事業 11 -7 -64.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,372 文字
3 【事業の内容】 当社は、グローバルで拡大を続けるクリエイターエコノミー市場において、サービス・プラットフォームを開発・提供する事業を展開し、「クリエイションで夢中を広げよう」をビジョンに掲げ、クリエイターエコノミー市場において、作品をつくるクリエイターと、それらを楽しむオーディエンスの活動の歩み「CREATOR JOURNEY」をサポートするサービス提供を通じて「一人ひとりの夢中がつなぐ、もっとカラフルな世界」の創造を目指しております。 当事業年度より連結子会社であった株式会社&DC3を吸収合併し、単体決算へと移行しております。これに伴い、従来の事業セグメントを見直し、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・販売を中心とする「コンテンツ制作ソリューション事業」を「クリエイターサポート分野」に、電子書籍ソリューション等から構成されていた「コンテンツ流通ソリューション事業」を「クリエイタープラットフォーム分野」とし、2つのセグメントを単一セグメントに統合いたしました。 (1)クリエイターサポート分野  創作活動を行うクリエイター向けのアプリ「CLIP STUDIO PAINT」の企画・開発・運営を全てセルシス社内で行っております。当社の主力サービスとなる「CLIP STUDIO PAINT」は、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作と幅広く利用されており、その80%以上が海外のクリエイターに利用されています。 提供形態は、主にセルシスが運営するインターネットサイトを通じた「CLIP STUDIO PAINT」の提供、App StoreやGoogle Play等のストアを通じたダウンロードによる提供、各種デバイス業者及び小売業者を通しての提供、使用許諾での提供等を行っております。一般消費者を中心にインターネットを通じたダウンロード提供やサブスクリプションモデルといった定額利用サービスの提供のほか、プロのアニメーション制作スタジオや教育機関等へのボリュームライセンスという形式でも提供しております。 (2)クリエイタープラットフォーム分野 クリエイターサポート分野における「CLIP STUDIO PAINT」の継続利用率の向上を図るために、クリエイターの創作活動を支援する会員向けのWEBサービス「CLIP STUDIO」のほか、「CLIP STUDIO PAINT」を使いこなすための様々な情報を提供するサイトをグローバルで展開しております。このほか電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」をはじめとした流通ソリューションを提供しております。 また、作品をつくるクリエイターと、それらを楽しむオーディエンスの活動の歩み「CREATOR JOURNEY」において、クリエイターの活動に価値を提供するプラットフォームサービスを展開し、新たな事業の柱とすることを目指しております。現在、クリエイターのマネタイズを支援する新規プラットフォームの開発およびユーザーコミュニティ強化のための新サービスの開発を行っております。これら新サービスは2026年以降に順次提供開始してまいります。以上に述べた事業の系統図は概ね以下のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
サブスクリプションモデルによる継続的な収益と、新サービス開発による差別化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
「CLIP STUDIO PAINT」の企画・開発・運営を全てセルシス社内で行う技術力と、機械学習の研究開発。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:業績の変動 / 技術革新 / 人材の確保及び育成
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

セルシスは、デジタルマンガ・イラスト制作ツール「CLIP STUDIO PAINT」を主力製品としているが、そのブランド力や特許、IPの独占性に関する具体的な情報は限定的である。競合製品も存在し、明確な無形資産による優位性は確認しにくい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

CLIP STUDIO PAINTは、プロの漫画家やイラストレーターに広く利用されており、長年の使用による操作慣れや、過去の作品データとの互換性から、一定のスイッチングコストが存在する可能性がある。しかし、無料プランやサブスクリプションモデルの普及により、乗り換えのハードルは低下傾向にある。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

セルシスは、プラットフォームとしてのネットワーク効果を直接的に構築している事業モデルではない。ユーザーが増えることで製品の価値が向上するような、いわゆる「フライホイール」効果は限定的である。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

セルシスは、ソフトウェア開発・販売を主軸としており、製造業のような規模の経済や、原材料調達におけるコスト優位性を確立しているとは考えにくい。競合他社との価格競争力に関する明確な情報もない。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

デジタルクリエイター向けソフトウェア市場は、一定の規模を持つが、セルシスがその中で圧倒的なシェアや寡占的な地位を築いているとは言えない。Adobeなどの大手ソフトウェアベンダーも競合として存在し、効率規模による優位性は限定的である。

  • グローバルな顧客基盤
    主力製品である「CLIP STUDIO PAINT」は、その80%以上が海外のクリエイターに利用されており、世界中に広がる強固な顧客基盤を持っています。これにより、特定の地域経済の変動リスクを分散し、安定的な収益源を確保しています。
  • 一貫した開発・運営体制
    創作活動を行うクリエイター向けのアプリ「CLIP STUDIO PAINT」の企画・開発・運営を全てセルシス社内で行っています。これにより、顧客のニーズに迅速に対応し、高品質なサービスを提供できる体制を構築しており、製品の競争力を維持しています。
  • サブスクリプションモデル
    主力サービスは、インターネットを通じたダウンロード提供やサブスクリプションモデル(定額利用サービス)が中心です。これにより、新規ソフトウェア製品の発売時期に左右されにくい、継続的かつ安定した収益基盤を築き、業績の平準化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末において、当社が判断したものであります。(1) 経営方針当社は、デジタルによるコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの諸活動をトータルに支援できる環境の提供を経営理念に掲げ、事業を推進しております。(2) 目標とする経営指標等目標とする中長期の経営指標といたしましては、安定した経営を持続していく上で、自己資本当期純利益率(ROE)のほか、売上高と営業利益の目標数値を重要な経営指標の一つと考え、その向上に努めてまいります。(3) 経営戦略等 中長期的な会社の経営戦略 当社は、中長期の目標を実現するため、以下のとおり施策を推進してまいります。① 開発力の強化当社内における研究開発業務の重複を防ぎ、人的リソース等の効率化を図るため、機動的な開発プロジェクト推進を可能にする組織体制の構築を図ってまいります。また、社内の開発環境を整備し、全体で使用できる共通コアエンジンの開発を推進し、各社のアプリケーションソフトウェアに実装する体制を構築し、自社IP製品の開発体制を強化してまいります。② 分野別施策(イ)クリエイターサポート分野主力製品でありますイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の更なる研究開発と同時に、インターネットを中心としたサービスの充実を図り、「CLIP STUDIO PAINT」を利用して創作活動を行うクリエイター数を国内外で最大化させることに努めてまいります。(ロ)クリエイタープラットフォーム分野クリエイターエコノミー市場において、コンテンツ制作のサポートにとどまらない、より広い領域で、新たなクリエイターの活動の場となりうる新サービス・新プラットフォームの開発・提供・運営を行い、クリエイターの創作活動の活性化を図ると共に、「CLIP STUDIO PAINT」に次ぐ第二の柱を構築してまいります。また、電子書籍配信ソリューションにおいては、顧客サポートの強化等、電子書籍市場における現在のポジションを保持しながら、流通ソリューションを推進しております。 (4) 優先的に対処すべき課題 ① 人材の確保及び育成当社は、急速な技術革新への対応と継続的な研究開発等が事業拡大には不可欠であり、このような環境や変化に対応し、適切にニーズにあったサービスを提供することが可能な体制を構築していくことが重要であると認識しております。 そのために、優秀な人材の確保と育成、従業員のエンゲージメント向上は事業発展のための根幹と考え、適時必要な戦力となる社員の採用を行い、育成していくことにより、業容拡大への源泉としてまいります。   ② 経営の効率化当社の事業において、生産性・収益性の高いオペレーションを実現していく必要があります。そのために、組織の統廃合やオペレーションの見直し等による効率化を継続して推進してまいります。また、当社の製品開発部門の集約化を進めることによって、自社製品開発の効率化を図り収益性の改善を実現してまいります。③ 新規事業による事業ポートフォリオの拡大当社が継続的な成長を実現するための戦略として、既存事業の成長を図る施策のみならず、新規プラットフォームやユーザーコミュニティ強化のための新サービスの開発等へ投資することにより成長を加速させることが重要であると考えております。既存事業と異なる事業を組み合わせたポートフォリオ戦略によって、ビジネスモデルを多様化して将来にわたる収益の持続的な成長に繋げてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当事業年度末において、当社が判断したものであります。(1) 経営方針当社は、デジタルによるコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの諸活動をトータルに支援できる環境の提供を経営理念に掲げ、事業を推進しております。(2) 目標とする経営指標等目標とする中長期の経営指標といたしましては、安定した経営を持続していく上で、自己資本当期純利益率(ROE)のほか、売上高と営業利益の目標数値を重要な経営指標の一つと考え、その向上に努めてまいります。(3) 経営戦略等 中長期的な会社の経営戦略 当社は、中長期の目標を実現するため、以下のとおり施策を推進してまいります。① 開発力の強化当社内における研究開発業務の重複を防ぎ、人的リソース等の効率化を図るため、機動的な開発プロジェクト推進を可能にする組織体制の構築を図ってまいります。また、社内の開発環境を整備し、全体で使用できる共通コアエンジンの開発を推進し、各社のアプリケーションソフトウェアに実装する体制を構築し、自社IP製品の開発体制を強化してまいります。② 分野別施策(イ)クリエイターサポート分野主力製品でありますイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の更なる研究開発と同時に、インターネットを中心としたサービスの充実を図り、「CLIP STUDIO PAINT」を利用して創作活動を行うクリエイター数を国内外で最大化させることに努めてまいります。(ロ)クリエイタープラットフォーム分野クリエイターエコノミー市場において、コンテンツ制作のサポートにとどまらない、より広い領域で、新たなクリエイターの活動の場となりうる新サービス・新プラットフォームの開発・提供・運営を行い、クリエイターの創作活動の活性化を図ると共に、「CLIP STUDIO PAINT」に次ぐ第二の柱を構築してまいります。また、電子書籍配信ソリューションにおいては、顧客サポートの強化等、電子書籍市場における現在のポジションを保持しながら、流通ソリューションを推進しております。 (4) 優先的に対処すべき課題 ① 人材の確保及び育成当社は、急速な技術革新への対応と継続的な研究開発等が事業拡大には不可欠であり、このような環境や変化に対応し、適切にニーズにあったサービスを提供することが可能な体制を構築していくことが重要であると認識しております。 そのために、優秀な人材の確保と育成、従業員のエンゲージメント向上は事業発展のための根幹と考え、適時必要な戦力となる社員の採用を行い、育成していくことにより、業容拡大への源泉としてまいります。   ② 経営の効率化当社の事業において、生産性・収益性の高いオペレーションを実現していく必要があります。そのために、組織の統廃合やオペレーションの見直し等による効率化を継続して推進してまいります。また、当社の製品開発部門の集約化を進めることによって、自社製品開発の効率化を図り収益性の改善を実現してまいります。③ 新規事業による事業ポートフォリオの拡大当社が継続的な成長を実現するための戦略として、既存事業の成長を図る施策のみならず、新規プラットフォームやユーザーコミュニティ強化のための新サービスの開発等へ投資することにより成長を加速させることが重要であると考えております。既存事業と異なる事業を組み合わせたポートフォリオ戦略によって、ビジネスモデルを多様化して将来にわたる収益の持続的な成長に繋げてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要)(1) 財政状態及び経営成績の状況当社は、グローバルで拡大を続けるクリエイターエコノミー市場において、サービス・プラットフォームを開発・提供する事業を展開し、さらなる成長の実現を目指して、収益基盤と経営体制の強化に取り組んでおります。2023年のUI/UX事業の譲渡による構造改革、2024年の東証プライム市場への上場、そして2025年1月に行った子会社・株式会社&DC3の吸収合併を経て、次の成長に向けた経営体制の構築が完了し、「中期経営計画2025-2027」を策定いたしました。本中期経営計画においては、「クリエイションで夢中を広げよう」をビジョンに掲げ、クリエイターエコノミー市場において、作品をつくるクリエイターと、それらを楽しむオーディエンスの活動の歩み「CREATOR JOURNEY」をサポートするサービス提供を通じて「一人ひとりの夢中がつなぐ、もっとカラフルな世界」の創造を目指してまいります。なお、中期経営計画では、期間中のROE30%以上を重要なKPIとして設定しております。当事業年度より従来の事業セグメントを見直し、これまでイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の開発・販売を中心とする「コンテンツ制作ソリューション事業」及び「DC3ソリューション」や「電子書籍ソリューション」から構成されていた「コンテンツ流通ソリューション事業」の2セグメントを、単一セグメントに統合いたしました。これにより、当事業年度からは前者を「クリエイターサポート分野」、後者を「クリエイタープラットフォーム分野」と再定義しております。引き続き「CLIP STUDIO PAINT」の収益力をさらに強化しながら、事業領域をクリエイターエコノミー市場全体へと拡大し、制作ソリューションで築いたクリエイターからの信頼や強みと、流通ソリューションで蓄積した資産を活用することで、新たにクリエイタープラットフォーム分野でもサービスを開発・提供し、新たな事業の柱とすることを目指してまいります。当事業年度におきましても、世界で通用する日本発のサブスクリプションモデルによるクリエイター向け創作サービスである「CLIP STUDIO PAINT」を核とした経営に重点を置き、戦略的な開発投資を継続して行い、企業価値の向上に注力してまいりました。「中期経営計画2025-2027」の初年度における当社の経営成績は、主力の「CLIP STUDIO PAINT」を中心に、堅調な事業推進の結果、売上高、営業利益等の主要な収益指標において 過去最高を更新し、持続的な成長基盤の確立と財務健全性を維持した経営を実現し、計画に対して順調に推移いたしました。当事業年度の売上高は9,471,638千円、営業利益は2,967,854千円となりました。経常利益は、営業外収支として受取配当金21,291千円及び受取利息7,401千円を計上した一方で、自己株式取得手数料27,291千円及び為替差損34,475千円を計上したこと等により2,934,988千円となりました。当期純利益は、抱合せ株式消滅差益153,875千円を特別利益として計上した一方で、投資有価証券評価損480,307千円及び創業者功労金555,180千円を特別損失として計上し、法人税等397,745千円を計上したことにより、1,681,102千円となりました。2025年11月14日開示の通期業績予想修正に対する達成率は、売上高が102.3%、営業利益が102.3%となりました。以上の結果、当事業年度の自己資本当期純利益率(ROE)につきましては、35.5%となり、中期経営計画で定めている重要なKPIであるROE30%以上を達成いたしました。なお、当社は、2025年1月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社andDC3を吸収合併したことに伴い、単体決算に移行しました。そのため、当期は前年比較の数値を記載しておりません。当社は、株主還元を重視しており、自己株式の取得については、2022年12月期に10億円、2023年12月期に20億円、2024年12月期に15億円、2025年12月期に20億円と、累計で65億円分を実施しております。あわせて、2025年12月期の1株当たり配当につきましては、プライム市場上場記念配当10円を含めた中間配当22円、期末配当14円を実施(前年より12円の増配)しております。分野別の売上高は、次のとおりです。 当事業年度金額(千円)増減率クリエイターサポート(拡大フェーズの分野)8,122,870 ―%クリエイタープラットフォーム(準備フェーズの分野)1,348,768―%合 計9,471,638―% <クリエイターサポート分野>クリエイターサポート分野は、グラフィック分野で活動するクリエイターの創作活動をサポートする、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」の提供を通じて、コンテンツの制作に関わるサービスをグローバルに展開しております。主力サービスである「CLIP STUDIO PAINT」は、累計出荷本数が2025年12月に5,957万本(前年同月比26.5%増)に、2026年1月には6,000万本に達しました。なお、同アプリのサブスクリプションモデルによるソフトウェア提供のARR(年間経常収益)は、毎月開示しております「月次事業進捗レポート」をご参照ください。当社が注力している、「CLIP STUDIO PAINT」におけるサブスクリプションモデルでのライセンス提供は、利用開始時の価格が抑えられており、ユーザーの導入ハードルを下げる一方で、買い切りモデルに比べて短期的な収益性は限定的です。しかしながら、継続利用による中長期的な安定収益が見込めることから、今後も契約数の拡大に取り組んでまいります。なお、「CLIP STUDIO PAINT」の月次のチャーンレートは2025年12月末が4.6%となっております。「CLIP STUDIO PAINT」は世界11言語に対応しており、出荷の80%以上が日本語以外の海外市場向けです。引き続き、売上高及び利用者数の増加を目的に、英語、韓国語、ドイツ語、フランス語圏等はもちろんのこと、今後の成長期待が大きい、東南アジアや中南米地域の新興国に対するマーケティングや決済手段のローカライズ強化も進めてまいります。当事業年度では、2025年3月に「CLIP STUDIO PAINT」の売上及びユーザー数の底上げを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップを実施し、Ver.4.0の提供を開始しました。グローバルで提供開始したVer.4.0は、多くの反響をいただき、当初計画を上回る売上実績となりました。なお、サブスクリプションモデルと並行して販売を継続している買い切りモデルのユーザーは、Ver.4.0以降の最新機能を利用するためには、サブスクリプション契約、または、新バージョンの優待購入が必要となる提供モデルとしております。これにより、サブスクリプション契約の増加や、既存の買い切りモデルユーザーからの新バージョン購入により収益が伸長しました。また、同メジャーバージョンアップにあわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、買い切り版の価格を改定し、最大8%の値上げも行っております。今後も、定期的なメジャーバージョンアップとサービスの価値向上に応じた価格改定を行ってまいります。 <クリエイタープラットフォーム分野>「クリエイタープラットフォーム分野」では、「CLIP STUDIO PAINT」で培ったクリエイターからの信頼や強みと、流通ソリューションにおける資産を活用して、クリエイターエコノミー市場において、コンテンツの制作にとどまらない、より広い領域で、新たなクリエイターの活動の場となりうるサービス・プラットフォームの開発・提供・運営を行い、クリエイターの創作活動の活性化を図ると共に、事業の拡大を目指してまいります。当事業年度では、クリエイターエコノミー市場におけるエコシステム、グローバルでの業界動向やサービスに関する調査を進めながら、新規プラットフォームサービスの企画・検討を推進してまいりました。現在、クリエイターのマネタイズを支援するプラットフォームおよび、グローバルでのユーザーコミュニティ強化のためのサービスについて2026年以降のリリースに向けた企画・開発を継続しております。あわせて、社内の配置転換を通じた人材の最適化で新規サービス開発に向けた組織体制の強化にも取り組んでおります。また、従来より提供している、「CLIP STUDIO PAINT」の利用をサポートするコミュニティサービスの運営を行いながら、継続的な機能改善を実施して「CLIP STUDIO PAINT」のサブスクリプション契約者の継続利用率向上にも努めております。また、漫画家志望者と新たな才能を探すマンガ編集者のマッチングを支援するサービス「モチコミonline」等の運営や、機能改善アップデートを実施し、プラットフォームサービスの利用者数の増加に努めました。なお、当社が提供するクリエイタープラットフォームサービスの全世界での利用者数は、1,100万人超え(前年同月比20.4%増)となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当社は、当事業年度より非連結となったことから、前期の数値及びこれに係る対前期増減率等の比較分析は行っておりません。当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4,039,786千円となりました。なお、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、2,616,170千円となりました。これは主として、法人税等の支払額1,089,956千円、その他127,843千円等の資金の減少要因があったものの、税引前当期純利益2,078,848千円の計上や減価償却費の計上677,504千円、創業者功労金555,180千円、投資有価証券評価損480,307千円等の資金の増加要因があったことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、901,507千円となりました。これは主として、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による支出864,587千円、工具、器具及び備品等の有形固定資産の取得による支出61,701千円等があったことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、3,022,936千円となりました。これは主として、自己株式の取得による支出2,000,013千円や配当金の支払額1,042,882千円等があったことによるものであります。この結果、現金及び現金同等物の当事業年度末残高は、4,039,786千円となりました。 (3) 生産、受注及び販売の状況① 生産実績当事業年度における生産実績は、次のとおりであります。生産高(千円)前年同期比(%)4,286,178― (注)1.金額は、当期製造費用によっております。  2.当社は当事業年度より非連結となったことから、対前年同期比較分析は行っておりません。 ② 仕入実績当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。仕入高(千円)前年同期比(%)47,238― (注)1.金額は、仕入価格によっております。  2.当社は当事業年度より非連結となったことから、対前年同期比較分析は行っておりません。 ③ 受注実績当事業年度における生産業務は、ライセンス販売を目的とした見込生産であり、個別受注生産の占める割合が低いため、受注金額の記載を省略しております。 ④ 販売実績当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。販売高(千円)前年同期比(%)9,471,638― (注)当社は当事業年度より非連結となったことから、対前年同期比較分析は行っておりません。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容) 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、有価証券・固定資産の減損、棚卸資産の評価、貸倒引当金の設定、ビューア利用料売上の見積り計上等の重要な会計方針及び見積りに関する判断を行っています。当社の経営陣は、過去の実績や状況等に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (2) 財政状態の分析当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比べて246,377千円減少し7,910,280千円となりました。この主な要因は、繰延税金資産が424,282千円、ソフトウエア仮勘定が229,817千円、前払費用が226,355千円、売掛金が145,302千円、貸倒引当金が93,344千円増加したものの、自己株式の取得等により現金及び預金が1,102,544千円、投資有価証券が95,838千円減少したこと等によるものであります。当事業年度末の負債は、前事業年度末と比べて684,527千円増加し3,576,266千円となりました。この主な要因は、未払法人税等が267,398千円減少したものの、役員退職慰労引当金が583,170千円、前受金が237,008千円、買掛金が63,186千円、退職給付引当金が38,182千円増加したこと等によるものであります。当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べて930,905千円減少し4,334,014千円となりました。この主な要因は、利益剰余金が639,397千円、その他有価証券評価差額金が387,449千円増加したものの、自己株式の取得により自己株式が1,965,443千円増加したこと等によるものであります。なお、自己資本比率は、54.0%となりました。 (3) 経営成績の分析当事業年度における当社の売上計画、営業利益の達成状況は以下のとおりです。指標 計画数値実績計画比売上高期初9,079,000千円9,471,638千円392,638千円修正後9,262,000千円209,638千円営業利益期初2,555,000千円2,967,854千円412,854千円修正後2,900,000千円67,854千円 当事業年度における売上高は、期初では9,079,000千円、営業利益では2,555,000千円の計画を見込んでおりました。2025年11月14日開催の取締役会において、売上高を9,262,000千円、営業利益を2,900,000千円へ修正いたしました。修正後計画に対し売上高では209,638千円上回り、営業利益は67,854千円上回りました。 その他、営業利益の状況、経常利益、当期純利益につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。 (4) 経営成績に重要な影響を与える要因について当社が主に事業展開しているソフトウェア業界は、技術革新の速度及びその変化度が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社としては、担当部門において当該技術革新に対応するよう研究開発に努めております。しかしながら、当社が想定していない新技術、新サービス等が普及した場合には、当社の提供するソフトウェア、サービス等が陳腐化し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社では、継続的に研究開発に注力し、競争力を維持するために魅力ある製品、サービス等を提供していく所存であります。 (5) キャッシュ・フローの分析当事業年度のキャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 (6) 資本の財源及び資金の流動性当社の運転資金需要のうち主なものは、ソフトウェア開発に係る人件費のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資及びM&A等によるものであります。当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及びM&A等の資金調達につきましては自己資金及び自己株式の割当並びに金融機関からの長期借入を基本とし、資金調達の多様性を図っております。なお、当事業年度末における有利子負債の残高はありません。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は4,039,786千円となっております。 (7) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標等当社は、営業利益を経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等とし、目標数値を設定しております。 2025年11月14日に発表した事業年度の業績予想、売上高9,262,000千円、営業利益2,900,000千円、経常利益2,859,000千円、当期純利益1,400,000千円の達成状況は、下記のとおりです。  ① 売上高当社の売上高につきましては、9,471,638千円となりました。分野別では、下記のとおりとなっております。<クリエイターサポート分野>クリエイターサポート分野は、主力サービスでイラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」をグローバルで展開しており、累計出荷本数が2025年12月に5,957万本(前年同月比26.5%増)、2026年1月には6,000万本に達しました。また、同アプリのサブスクリプションモデルによるARR(年間経常収益)は、2025年12月に54億円(前年同月比25.4%増)となり、過去最高を更新しております。なお、「CLIP STUDIO PAINT」の月次のチャーンレート(解約率)は2025年12月末が4.6%と安定して推移しております。当事業年度では、2025年3月に「CLIP STUDIO PAINT」の売上及びユーザー数の底上げを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップを実施し、Ver.4.0の提供を開始しました。また、同メジャーバージョンアップにあわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、買い切りモデルの価格を改定し、最大8%の値上げも行っております。グローバルで提供開始したVer.4.0は、多くの反響をいただきました。買い切りモデルについては新規ユーザー獲得およびサブスクリプション契約へ移行促進させるために販売を継続しております。メジャーバージョンアップに加え定期的なキャンペーン施策を実施し、買い切りモデルはとりわけ海外において想定を上回る需要となり売上高の増加を牽引いたしました。なお、ユーザーが最新機能を利用するためには、サブスクリプション契約、または、新バージョンの優待購入が必要となる提供モデルとしております。当事業年度においても、サブスクリプション契約の増加や既存の買い切りモデルユーザーによる新バージョンの優待購入もありサブスクリプションの収益も伸長いたしました。 <クリエイタープラットフォーム分野>クリエイタープラットフォーム分野では、「CLIP STUDIO PAINT」で培ったクリエイターからの信頼や強みと、流通ソリューションにおける資産を活用して、クリエイターエコノミー市場において、コンテンツの制作にとどまらない、より広い領域で、新たなクリエイターの活動の場となりうるサービス・プラットフォームの開発・提供・運営を行い、クリエイターの創作活動の活性化を図ると共に、事業の拡大を目指してまいります。当事業年度では、新規プラットフォームサービスの企画・検討を推進してまいりました。現在、グローバルでクリエイターのマネタイズを支援するプラットフォームおよび、ユーザーコミュニティ強化のためのサービスについて2026年以降のリリースに向けた企画・開発を継続しております。また、従来より提供している、「CLIP STUDIO PAINT」の利用をサポートするコミュニティサービスの運営を行いながら、継続的な機能改善を実施して「CLIP STUDIO PAINT」のサブスクリプション契約者の継続利用率向上にも努めてまいりました。また、漫画家志望者と新たな才能を探すマンガ編集者のマッチングを支援するサービス「モチコミonline」等の運営や、機能改善アップデートを実施し、運営中のプラットフォームサービスの利用者数増加に努めてまいりました。なお、当社が提供・運営中のクリエイタープラットフォームサービスの全世界利用者数は、1,100万人超え(前年同月比20.4%増)となりました。 ② 営業利益上記の「売上高」に記載のとおり、3月に実施した「CLIP STUDIO PAINT」のメジャーバージョンアップ、あわせて、収益性の向上と継続的なサービス提供を実現することを目的に、「CLIP STUDIO PAINT」のサブスクリプション契約の増加及び買い切りモデルの想定を上回る需要により増収となる中、原価及び販管費の費用面において、外注費、広告宣伝費及び販売促進費の計画的なコストコントロールに努めた結果、2,967,854千円となりました。③ 経常利益営業外収益として受取配当金を21,291千円、受取利息7,401千円計上したこと、営業外費用として自己株式取得に係る支払手数料27,291千円及び為替差損34,475千円を計上したこと等により2,934,988千円となりました。④ 当期純利益 特別利益として抱合せ株式消滅差益153,875千円、特別損失として創業者功労金555,180千円及び投資有価証券評価損480,307千円をそれぞれ計上、税金費用として法人税、住民税及び事業税を822,028千円、法人税等調整額△424,282千円を計上したこと等により、1,681,102千円となりました。 今後も絶対売上高の拡大、営業利益の拡大を目標として経営を行うことにより、当社の企業価値の向上を図ってまいります。

事業リスク

  • 業績の変動リスク
    新しいソフトウェア製品の発売時期に売上が集中する傾向があるため、四半期ごとの業績が変動する可能性があります。ただし、サブスクリプションモデルへの移行を進めることで、継続的な収益の確保と業績の平準化を目指しています。
  • 技術革新への対応
    ソフトウェア業界は技術革新が非常に速く、新しい技術やサービスが次々と生まれています。セルシスがこれらの変化に対応できなかった場合や、競合他社が優れた製品を投入した場合、製品が陳腐化し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 人材確保と育成の課題
    事業の成長には、急速な技術革新に対応できる優秀な人材の確保と育成が不可欠です。計画通りに人材を確保・育成できなかった場合、研究開発や事業拡大に支障が生じ、業績や財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|6,024 文字
3 【事業等のリスク】当事業年度において、当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、記載内容のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。(1) 業績の変動について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:常時、影響度:中)当社の業績は、新しいソフトウェア製品の発売時期に大きな売上計上となりますので、これらの影響により当社の業績も変動するという事業構造となっております。したがって、経営方針や製品の開発スケジュール等に影響を受けるため、当社の業績も四半期毎に変動する可能性があります。(リスクへの対応策)当社サービスのビジネスモデルは、サブスクリプションを中心とした継続的な収益モデルであることから、新規顧客の獲得、既存顧客の維持及び単価向上により、当社の継続的な成長及び収益の平準化を図ってまいります。(2) 技術革新について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社が主に事業展開しているソフトウェア業界は、技術革新の速度及びその変化が著しい業界であり、新技術、新サービスが次々と生み出されております。当社としましては、当該技術革新に対応するよう研究開発を続けております。しかしながら、当社が新しい技術に対応できなかった場合、当社が想定していない新技術、新サービスが普及した場合又は競合他社が機能的、価格的に優位な製品で参入し、当社の市場シェアの維持が困難になった場合、当社の提供するソフトウェア、サービス等が陳腐化し、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社では、採用しているビジネスモデルや技術について、最新の動向を分析するとともに、新たなビジネスモデルや、新規サービスの提供による事業展開を検討しております。また、採用の強化や人材の育成によるサービス価値の向上を図っており、より付加価値の高いサービスの提供を可能にするための体制の整備を図っております。(3) 法的規制について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:常時、影響度:中)現在、当社の主な事業を推進するうえで、直接的規制を受けるような法的規制はありませんが、当社は顧客の個人情報を保有・管理しており、「個人情報の保護に関する法律」に規定される個人情報取扱事業者に該当します。完全に外部からの不正アクセスを防止する保障はなく、また、人的ミス等社内管理上の問題により、個人情報が漏洩する可能性は常に存在するため、個人情報の管理コストが増加する等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。万一、個人情報が外部に漏洩するような事態になった場合には、社会的信用の失墜、損害賠償の請求等により、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社では、社内教育等により法令遵守に努めているほか、コーポレート・ガバナンス及びコンプライアンス推進体制の強化を実施しております。また、外部の脆弱性診断を実施し、脆弱性が発見された場合には対策を講じる等、不正アクセスを防ぐ対策に務めております。なお、顧問弁護士等の外部専門家とコミュニケーションを取り必要に応じて相談を行い、適時に情報を入手する体制の整備を図っております。更に、リスク・コンプライアンス委員会及び内部監査等において、法令遵守状況のモニタリングを行っております。(4) 知的財産権について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:常時、影響度:中)当社は、第三者の知的財産権に関して、これを侵害することのないよう留意し、製品開発、販売を行っております。また、コンテンツ等の受託制作においては、第三者の知的財産権に関する許諾を取得していること等を取引先委託企業に確認するよう努めております。しかしながら、当社の事業分野における知的財産権の現況を全て把握することは非常に困難であり、当社が把握できていないところで第三者の知的財産権を侵害している可能性は否定できません。万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より損害賠償請求又は使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があります。こうした場合、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は研究開発型の企業であり、新製品の開発、販売を行っております。当社では、特許権、商標権等の出願を行い、知的財産権の保全を図っておりますが、これらの出願が認められない可能性や取得済の特許権等が第三者により侵害される可能性があります。このような場合には、解決するまでに多くの費用や時間を費やすことが予想され、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社が有する知的財産権の侵害について顧問弁護士及び弁理士といった外部専門家に定期的な相談を行うことにより、知的財産権に関する管理を行う体制の整備を行っております。また、新規サービス開始時には、外部専門家に調査を依頼する等、他社の知的財産権を侵害しないための体制の整備を行っております。(5) 人材の確保及び育成について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社の事業は、その大半がヒューマンリソースに依存しており、事業拡大にあたっては、急速な技術革新への対応、継続的な研究開発等が不可欠であり、これらに対応する優秀な人材を適切な時期に採用し、育成することが必要不可欠であると考えております。そのため、当社では人材確保に注力しておりますが、必要とする能力のある人材を計画どおりに採用又は育成できなかった場合には、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社は、優秀な人材を獲得すべく、新卒採用向けのインターンシップの機会を設けるほか、キャリア採用にも力を入れております。加えて、適切な育成計画に基づく人材の育成、育児休暇やリモートワークの推奨、有給休暇の取得推奨等働きやすい環境づくりに力を入れて取り組んでおります。(6) 出資等による業務提携について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社では、当事業年度末において、投資有価証券567,648千円を保有しております。当社は事業シナジーが見込める国内外のソフトウェア関連企業に対して出資をしております。また、研究開発型である当社は技術獲得のためにもM&A及び提携戦略は重要であり、必要に応じてこれらを検討していく方針であります。これらの出資先は今後の当社の事業推進に貢献するものと考えておりますが、出資先の経営環境や経済環境の急変等、何らかの事象により出資・投資の採算が期待どおりにならない可能性を完全に否定できません。このような場合、出資先の株式の減損処理等により当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社は、出資を行う際には、事業内容、法務及び財務等に関して十分に調査し、既存事業とのシナジー等について十分な検討を行っております。その上で、取締役会における承認等の社内手続を経て意思決定を行うこととする等、リスクを十分に検討するための体制の整備を行っております。(7) システムトラブルによるリスクについて(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:常時、影響度:大)当社の事業は、コンピューターシステムを結ぶネットワークに依存しており、インターネットを利用したサービスを提供するにあたっては、バックアップ体制の構築等の様々なトラブル対策を施しております。しかしながら、自然災害や不慮の事故等によって、これらのネットワークが正常に機能しなくなった場合には、サービス提供等の当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社では、十分な検証やテストを実施した上でサービス提供を行っております。また、定期的なアップデートやモニタリングの実施により、安定的なサービスの提供を行うことが可能であり、不具合が発生した場合でも迅速な対応をとることができる体制の整備を行っております。(8) 新規ソフトウェア開発投資について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社が事業を展開するソフトウェア及びインターネットサービスの業界においては技術革新の速度が非常に速いことから、常に魅力ある製品・サービスを提供して競争力を維持する継続的な研究開発及び製品開発を行っております。しかしながら、業界動向の変化等により投資を回収できるだけの収益が得られなかった場合、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社は、最先端の開発環境と、優秀な開発人材の活用により、常に新技術を活用した開発に注力しております。(9) 海外展開について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:常時、影響度:中)当社は、グローバルな事業展開を行っておりますが、所在地の法令、制度、政治、経済、商慣習の違い、為替等の様々な潜在的リスクが存在しております。当社は、当該リスクを最小限にするために十分な対策を講じてまいりますが、それらのリスクに対処できないこと等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社では、各国・地域の法律や規制に係る動向には常に十分な注意を払い、現地の慣習に精通したグローバルな人材の働きにより情報の収集に努めております。また、現地の弁護士等と情報共有することにより、適時に必要な情報を収集するための体制の整備を行っております。(10) 為替相場変動による影響について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:常時、影響度:小)当社の売上高に対する海外売上高の比率は年々上昇しており、急激な為替変動が生じた場合等において、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社では、CLIP STUDIO PAINTの多言語化を進めております。併せて各国・地域の様々な通貨での決済が可能な仕組みを構築しており、為替変動リスクを軽減しております。(11) CLIP STUDIO PAINTへの依存(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社の売上高は、主力であるクリエイターサポート分野における「CLIP STUDIO PAINT」の販売への依存が大きくなっております。国内外においてユーザー数の増加やサービスの拡充等により、今後もクリエイターサポート分野は拡大していくものと考えておりますが、「CLIP STUDIO PAINT」の利用者の減少や市場規模の縮小等の要因によりクリエイターサポート分野の売上高が減少した場合には、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社は、主力製品の売上安定化を図るとともに継続的に新たなシステム開発により新製品・新サービスを生み出し、特定の製品による依存リスクの分散することに注力しております。(12) CLIP STUDIO PAINT の成長余地(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:大)当社は、クリエイターサポート分野において、「CLIP STUDIO PAINT」を提供しております。当分野が関連する市場は大きく広がっていることが想定され、また、「CLIP STUDIO PAINT」の多言語化対応等により今後の成長余地も大きいものと考えております。また、「CLIP STUDIO PAINT」のユーザー獲得に向けた取り組みを継続的に実施・強化しております。その一方で、今後の政治情勢や政府・当局の政策・規制の動向、あるいは競合会社との競争状況によっては、当社の売上に大きな影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社は、ユーザーの潜在的なニーズを汲み取った新たなサービスの開発ならびに既存サービスの改善を行うほか、当社のノウハウを生かした新たなサービスの創出により、競合他社との更なる差別化を図り、優位性の保持することに注力しております。(13) インターネット等による風評被害について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:常時、影響度:中)SNSの普及に伴い、インターネット上の書き込みや、それを発端とするマスコミの報道による風評被害が発生・拡散された場合において、当社の価値が棄損され、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社は、引き続き高品質の製品提供に努め、顧客等と良好な関係を構築してまいりますが、当該リスクが顕在化した場合には、速やかに削除要請等を行うとともに、顧問弁護士等と連携して警察への通報等も含めたしかるべき措置をとり、被害の回復へ向けた対応を行うこととしております。(14) ユーザーの嗜好変化について(顕在化の可能性:低、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社はイラスト・マンガ・アニメーションの制作ソフトと趣味性の高い商品を取り扱っているため、消費者の嗜好の変化に対応できず、適切な製品政策が実施できない場合には、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社は、マーケティング、技術開発、教育への投資及び製品の機能強化といった総合的な施策を継続して行っております。(15) 事業領域の拡大について(顕在化の可能性:中、顕在化の時期:中期、影響度:中)当社は、新しい事業やサービスを創出し、新たな事業領域にスピード感をもって参入することにより事業成長を続けております。一方でこのような事業展開を実現するためには、その事業固有のリスク要因が加わることとなり、当社のリスク要因となる可能性があります。そして、新規事業の参入のため、新たな人材の採用、システムの購入や開発、営業体制の強化等追加的な投資が必要とされ、新規事業が安定的な収益を生み出すには長期的な時間が必要とされることがあります。また、新規事業の拡大スピードや成長規模によっては、当初想定していた成果を挙げることができないことがあり、事業の停止、撤退等を余儀なくされ、当該事業用資産の処分や償却により損失が生じる可能性があり、このような場合には、当社の業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(リスクへの対応策)当社は、検討に際しては、当社の事業計画に照らし合わせ、市場、新規技術の動向や顧客ニーズ等のリスク分析を行ったうえで判断しております。また事業の状況等について定期的な検証を行い、戦略の見直しを実施しております。

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