事業の概要
- コンテンツ企画・販売ほぼ日は、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を核に、手帳、オンラインストア、リアル店舗「TOBICHI」、イベント「生活のたのしみ展」など多岐にわたる「場」を企画・運営しています。これらの「場」を通じて、作り手と受け取り手が交流し、共感を生むコンテンツや商品を展開することで収益を得ています。特に「ほぼ日手帳」は世界中にファンを持つ主力商品です。
- デジタルとリアルの融合ウェブサイトやアプリといったデジタルな「場」だけでなく、リアル店舗「TOBICHI」やイベント「生活のたのしみ展」「ほぼ日曜日」といった物理的な「場」も提供しています。これにより、オンラインとオフラインの両方で顧客との接点を持ち、多様なニーズに応えることで、幅広い層からの収益機会を創出しています。例えば、オンラインストアではオリジナル商品を販売し、イベントでは直接顧客と交流しながら商品を販売しています。
- 「いい時間」の提供単に商品やサービスを提供するだけでなく、「やさしく、つよく、おもしろく。」を行動指針とし、「場」を通じて「いい時間」を提供することを目指しています。顧客がコンテンツや商品に触れることで得られる体験や感動を重視し、それがリピーターや新たな顧客の獲得につながっています。この独自の価値提供が、ほぼ日のビジネスモデルの根幹をなしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- コンテンツ企画・制作事業ほぼ日は、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を中心に、エッセイ、インタビュー、読み物などの多様なコンテンツを企画・制作しています。これらのコンテンツは、読者に「いい時間」を提供し、ほぼ日の世界観を伝える重要な役割を担っています。直接的な収益源というよりは、他の事業への顧客誘導やブランド価値向上に貢献しています。
- 商品販売事業主力商品である「ほぼ日手帳」をはじめ、生活雑貨、衣料品、食品など、ほぼ日の世界観を反映したオリジナル商品を企画・販売しています。これらの商品は、主に「ほぼ日オンラインストア」やリアル店舗「TOBICHI」、イベント「生活のたのしみ展」を通じて販売され、ほぼ日の売上高の約7割をインターネット通販が占める主要な収益源となっています。
- イベント・リアル店舗事業展覧会やライブ、買い物などが楽しめるイベントスペース「ほぼ日曜日」や、大規模な販売イベント「生活のたのしみ展」、リアル店舗「TOBICHI」を運営しています。これらの「場」は、オンラインでは得られない顧客体験を提供し、顧客との直接的な交流を通じて、ブランドへの愛着を深めるとともに、商品の販売機会を創出しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社(株式会社ほぼ日)及び関連会社1社(株式会社エイプ)(注)により構成されています。当社は、「やさしく、つよく、おもしろく。」を行動指針とし、「場」をつくり、「いい時間」を提供するコンテンツを企画、編集、制作、販売しています。「場」では、コンテンツの作り手と受け取り手が出会います。当社が目指す「場」では、作り手だけでなく、コンテンツの受け取り手も前向きな姿勢で参加します。また、「場」に参加する者の役割は必ずしも固定されていません。作る者が、場にある別のコンテンツを楽しむ者にもなる。買い手が、次の機会には作るほうに回ることもある。作り手と受け取り手の、互いの関係がフラットで、役割が固定されすぎず、互いにリスペクトしあう能動的な当事者である。そのような「場」をつくる会社であろうとしています。 <当社がつくる様々な場> 場場の紹介ほぼ日(旧:ほぼ日刊イトイ新聞)1998年から1日も休まずに続いているウェブサイト。有名無名を問わず、あらゆる人の興味をコンテンツにして共有し合う場です。ほぼ日手帳ほぼ日がプロデュースし、世界にファンが広がっている手帳です。つかう人のLIFEが刻まれ、世界に1冊しかない小さな物語が生まれる場です。ほぼ日手帳アプリスマートフォンが集めている写真やでかけた場所、スケジュールなどの記録が、その日の思い出とともに残る、デジタル版の「LIFEのBOOK」です。ほぼ日オンラインストア(旧:ほぼ日ストア)ほぼ日がつくるさまざまな商品を販売しています。ほしいものが形になる場であり、ものを通じてひとびとの価値観が混ざり合う場です。ほぼ日のアースボール軽くて持ち運べてスマホをかざせばさまざまな情報にアクセスできる新しい地球儀です。言語を超えて、直感的に地球のことが理解できる場です。TOBICHIほぼ日の運営するリアル店舗です。ウェブサイトや商品を通じて共感し合った人が、現実の場で、実際に、見て、触って、出合う場です。ドコノコ犬や猫とのつながりを深めるSNSです。思い出の記録であり、機能的なサービスであり、犬と猫を主役にしたコミュニケーションの場です。ほぼ日曜日展覧会やライブ、買い物と、さまざまなことが起こっていくイベントスペースです。生活のたのしみ展大量生産品ともアートとも違う、よいものを集めて販売するイベント・フェスです。つくった人と買う人がお買い物を中心に、つながる場です。ほぼ日の學校「2歳から200歳までの。」をコンセプトに、人に会い、話を聞くことから、誰もがたのしく学べる、映像配信を中心とした学び場です。 (注)株式会社エイプは、関連会社で、ゲーム等のコンテンツに係る知的財産権の管理を主な業務としています。「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)第10条第2項に照らし判断した結果、重要性が乏しいと判断したため、株式会社エイプは持分法非適用の関連会社としています。 <コンテンツを生み出すプロセス> 円環の内側[集合][動機][実行]当社発信のコンテンツに顧客が集まります。社内で、顧客の反応等から、生活者が暗黙のうちに感じている「あったらいいな」という気持ちを考察し、共有します。企画担当者は、自らが「作りたい」と発する動機と、「集合」から得た考察を対照させながら企画を掘り下げます。企画を編集・制作するプロセスです。「集合」の様子や「動機」の掘り下げと常に同期しながら、臨機応変に進みます。 円環の外側 [社会]「集合」「動機」「実行」が「社会」に対して開いているのは、独りよがりな内輪受けにならず、社会を意識し、社会に対してオープンでありたいからです。 当社では、当社の独自性を生むカギとなるプロセスを模式化し、「クリエイティビティの3つの輪」と呼んでいます。「社会」が円環で示され、その内側が当社の活動です。「クリエイティビティの3つの輪」で示したプロセスでコンテンツを企画、制作してきた結果として、生活者の気持ちに関する考察が蓄積され、当社の独自性を形作っていると考えます。 事業の系統図は、次のとおりです。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 市場を創造する方針で付加価値の高い独自商品を開発し、販売価格の見直しも行っているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ブランド ウェブサイト「ほぼ日」の独自の位置づけと信頼、主力商品「ほぼ日手帳」のブランド認知。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:ブランド力の低下 / 新コンテンツに関するリスク / 代表取締役社長CEO兼CCOへの依存
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
「ほぼ日」ブランドは、糸井重里氏の哲学とライフスタイル提案に根差した強い共感を生み出している。オリジナル手帳「ほぼ日手帳」は、単なる文具を超え、生活様式を提案するコンテンツとして機能し、熱狂的なファン層を形成。ブランドロイヤリティは高く、模倣困難な無形資産となっている。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
「ほぼ日手帳」のユーザーは、長年の使用による習慣や、手帳に書き込んだ個人的な情報・思い出の蓄積から、他社製品への乗り換えに心理的・時間的コストを感じる可能性がある。しかし、手帳のフォーマット自体に高いスイッチングコストがあるわけではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
「ほぼ日」のビジネスモデルは、直接的なネットワーク効果(ユーザーが増えるほどサービス価値が高まる)を主軸とするものではない。コンテンツ発信やコミュニティ形成はあるものの、それが直接的な売上や競争優位に繋がる度合いは限定的。
コスト優位☆☆☆☆☆
「ほぼ日」は、高品質な商品企画・デザインに強みを持つが、製造や仕入れにおいて構造的なコスト優位性を持つわけではない。むしろ、ブランド価値を維持するための品質維持コストは高いと考えられる。
規模の経済☆☆☆☆☆
「ほぼ日」はニッチな市場で独自のポジションを築いているが、業界全体に対する規模の経済性や、寡占化による優位性を享受するほどの規模ではない。むしろ、小規模だからこその機動性を活かしている。
- 独自のブランド力と信頼1998年から毎日更新されるウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を通じて、長年にわたり高品質なコンテンツを提供し続けることで、独自のブランドと高い信頼を築いています。特に創業者である糸井重里氏の存在は大きく、その発信するメッセージやコンテンツが多くのファンを惹きつけ、強力なブランドイメージを形成しています。このブランド力は、新規事業や商品展開においても顧客の期待感を高める要因となっています。
- 顧客参加型コミュニティほぼ日は、コンテンツの作り手と受け取り手がフラットな関係で、互いにリスペクトし合う「場」づくりを重視しています。ウェブサイトでの読者投稿やSNSでのフィードバック活用、イベントでの直接交流など、顧客が積極的に参加できる機会を多く設けることで、強いコミュニティを形成しています。これにより、顧客のロイヤルティを高め、継続的な利用や購買につながる独自の強みとなっています。
- 多角的なコンテンツ展開ウェブサイト、手帳、オンラインストア、リアル店舗、イベント、SNS、学習コンテンツなど、多様な形式でコンテンツを展開しています。これにより、顧客は様々な接点からほぼ日の世界観に触れることができ、一つのコンテンツから別のコンテンツへと興味が広がる可能性が高まります。この多角的な展開は、特定の事業に依存しない安定した収益基盤を築く上で有利に働いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針<行動指針>当社は、「やさしく、つよく、おもしろく。」を行動指針としています。[やさしく]私たちの会社が社会に受け入れられるための前提となるものです。相互に助け合うということ、自分や他人を「生きる」「生かす」ということです。 [つよく]企画やアイディアやコンテンツを、会社として、組織として「実現」「実行」できること、現実に成り立たせることです。 [おもしろく]新しい価値を生み出し、コンテンツとして成り立たせるということです。「ほぼ日」や「TOBICHI」のように「場」を生み出し、人が「場」に集まる理由です。これがほぼ日の強みです。 ほぼ日は、この言葉の順番もたいせつにしています。まず「やさしく」が、おおもとの前提にあり、「やさしく」を実現する力が「つよく」です。その上に、新しい価値となる「おもしろく」をどれだけ生み出せるかが、ほぼ日の特徴です。 <社是>これまで述べた基本方針にのっとり、当社は「夢に手足を。」つける会社を目指します。夢には翼しかついていない。 足をつけて、歩き出させよう。 夢に手足を。 そして、手足に夢を。 (2) 中長期の経営戦略と対処すべき課題当社では、会社の未来の姿を時間的に遠いほうから「遠景」「中景」「近景」の3つに分けて考えています。会社がどこに向かおうとしているのか(遠景)、途中でどうなっていたら順調だと判断するか(中景)、遠景に向けて今、どちらに一歩を踏み出すか(近景)、の道標にしようというものです。「遠景」は、創業者である代表取締役社長の糸井重里が引退し、次世代経営陣が率いるチームが生き生きと事業を運営している姿です。糸井と当社がよきライバルとなり、お互いにおもしろいから「じゃあ、手を組もう」といったかたちで仕事ができるようになる未来像をイメージしています。「遠景」に至る道程の途中の段階である「中景」は、「『いい時間』を提供する場をつくり、育てている」姿です。国内外を問わず今よりも幅広い属性のたくさんのお客様とお付き合いしている姿をイメージしています。それには、コンテンツを生み出す力や仕入れる力、そして届ける力も、今よりつよくなっている必要があります。同時に、「場」を今よりも広げるためには、それを支える土台も強化しなくてはなりません。ITシステムに関する技術開発やサプライチェーン開発、近年、急速に技術革新が進む生成AIの利用については、今後も大切な課題であり続けると考えています。また、世界的な情報セキュリティリスクの増大や個人情報保護の関心の高まり、越境DtoCの活性化を踏まえたインターネット通販を取り巻く環境変化にも注意を払っています。さらに、「やさしく、つよく、おもしろく。」が社内に浸透し、実践され続けるよう、たゆまぬ組織づくりが必要だと考えています。当社を取り巻く市場環境においてはスマートフォンの普及などによりインターネットの利用時間が増加しているほか、経済産業省の調査では2024年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、26.1兆円(前年比5.1%増)と拡大し、内訳として物販系分野では前年比3.70%増と伸長しています。一方で、国際的な情勢不安による燃料価格や原材料費の上昇、米国関税政策の影響による貿易コストの上昇及び外国為替相場の変動など、先行き不透明な状況が続くものと思われます。このような環境の中、当社は「いい時間」を提供するためのコンテンツを、種類、量ともに増やし、新しい場を生み育てていけるように取り組んでいきます。 これらの状況を踏まえた具体的な課題は、次のとおりです。 ①「場」の立ち上げと育成当社は「ほぼ日」の他に「ほぼ日手帳」「ほぼ日の學校」「生活のたのしみ展」「ほぼ日曜日」 といった、「場」を立ち上げてきました。当事業年度においても「ほぼ日手帳アプリ」の開発に注力し、2025年10月にサービスを開始しました。今後も魅力的なオリジナルコンテンツの幅を広げるよう、これらの「場」を育て、さらに新しい「場」も立ち上げ、「やさしく、つよく、おもしろく。」の姿勢で複数の「場」を運営する企業になることを目指しています。社外のクリエイターの方々にとってもコンテンツを生む新しい「場」となり、より多くのユーザーにたのしんでいただけるよう、新しいサービスの開発を進めていきます。また、複数の場を開発するとともに、統合IDサービス「ほぼ日ID」をとおして、当社が提供する各サービスを容易に横断して利用できるよう努めています。 ②多様な人材の確保及び育成と組織づくり今後想定される事業拡大や新サービスを実現するには、継続的な人材の確保及び育成と、 当社の考え方や価値を生む仕組みが定着するような組織づくりが重要だと考えています。当社は、コンテンツを生み出す力や届ける力をつけるため、また、それを支える経営基盤を強化するために、職種を限定せず多様な人材の確保に努めています。今後も「やさしく、つよく、おもしろく。」が社内に浸透し、実践され続けるよう、人材の確保及び育成と組織づくりに取り組んでいきます。 ③インターネット環境変化への対応総務省の情報通信白書によると、インターネットは2024年の国内利用率(個人)が85.6%と、情報化社会の基盤となっています。この基盤の上には、利便性故にさまざまなサービスが展開されており、利用するデバイスや、アクセスする環境も多様化が進んでいます。当社も黎明期からコンテンツを提供する「場」としてインターネットを活用してきましたが、今後のサービスの展開にあたっては、日に日に高まる情報セキュリティリスクへの対応及び、国内だけでなく、多くの国や地域で導入が進む個人情報保護制度への準拠など、ユーザーの場所やアクセス手段にかかわらず、いつでも安心してたのしんでいただける「場」であり続けられるよう、組織的、技術的な対応を進めていきます。 ④経営基盤の強化中期的な事業成長に向けた経営基盤の強化として、基幹業務システム更改やデータ利活用の促進により経営判断の迅速化や業務効率化を実現し、クリエイティブ活動に集中できる時間を増やすことによるコンテンツを生み出す力の向上、海外ユーザーへの越境DtoCの利便性向上と法適合性の強化、ほぼ日手帳の全世界的な市場成長に伴うサプライチェーンマネジメントの強化に重点を置き、施策を推進します。 ⑤市場の拡大「ほぼ日」で開発した商品コンテンツは、直販ECサイトで販売を重ね、同時に他の販路にも展開し、より多くのユーザーにたのしんでいただくことが重要だと考えています。近年の、「ほぼ日手帳」のユーザーの拡大と売上増加に加え、ユーザーがSNS上で発信する「ほぼ日手帳/hobonichi」に関する投稿(UGC)の増加による認知拡大を背景に、SNS上で複数言語のコンテンツ発信を強化するとともに、国内では既存取組先販路との連携強化、海外では主要国に適した販路開拓、海外ユーザーとのリアルイベントでの交流等を通してユーザーとの接点を増やし、関係づくりを進め市場拡大を推進します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針<行動指針>当社は、「やさしく、つよく、おもしろく。」を行動指針としています。[やさしく]私たちの会社が社会に受け入れられるための前提となるものです。相互に助け合うということ、自分や他人を「生きる」「生かす」ということです。 [つよく]企画やアイディアやコンテンツを、会社として、組織として「実現」「実行」できること、現実に成り立たせることです。 [おもしろく]新しい価値を生み出し、コンテンツとして成り立たせるということです。「ほぼ日」や「TOBICHI」のように「場」を生み出し、人が「場」に集まる理由です。これがほぼ日の強みです。 ほぼ日は、この言葉の順番もたいせつにしています。まず「やさしく」が、おおもとの前提にあり、「やさしく」を実現する力が「つよく」です。その上に、新しい価値となる「おもしろく」をどれだけ生み出せるかが、ほぼ日の特徴です。 <社是>これまで述べた基本方針にのっとり、当社は「夢に手足を。」つける会社を目指します。夢には翼しかついていない。 足をつけて、歩き出させよう。 夢に手足を。 そして、手足に夢を。 (2) 中長期の経営戦略と対処すべき課題当社では、会社の未来の姿を時間的に遠いほうから「遠景」「中景」「近景」の3つに分けて考えています。会社がどこに向かおうとしているのか(遠景)、途中でどうなっていたら順調だと判断するか(中景)、遠景に向けて今、どちらに一歩を踏み出すか(近景)、の道標にしようというものです。「遠景」は、創業者である代表取締役社長の糸井重里が引退し、次世代経営陣が率いるチームが生き生きと事業を運営している姿です。糸井と当社がよきライバルとなり、お互いにおもしろいから「じゃあ、手を組もう」といったかたちで仕事ができるようになる未来像をイメージしています。「遠景」に至る道程の途中の段階である「中景」は、「『いい時間』を提供する場をつくり、育てている」姿です。国内外を問わず今よりも幅広い属性のたくさんのお客様とお付き合いしている姿をイメージしています。それには、コンテンツを生み出す力や仕入れる力、そして届ける力も、今よりつよくなっている必要があります。同時に、「場」を今よりも広げるためには、それを支える土台も強化しなくてはなりません。ITシステムに関する技術開発やサプライチェーン開発、近年、急速に技術革新が進む生成AIの利用については、今後も大切な課題であり続けると考えています。また、世界的な情報セキュリティリスクの増大や個人情報保護の関心の高まり、越境DtoCの活性化を踏まえたインターネット通販を取り巻く環境変化にも注意を払っています。さらに、「やさしく、つよく、おもしろく。」が社内に浸透し、実践され続けるよう、たゆまぬ組織づくりが必要だと考えています。当社を取り巻く市場環境においてはスマートフォンの普及などによりインターネットの利用時間が増加しているほか、経済産業省の調査では2024年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、26.1兆円(前年比5.1%増)と拡大し、内訳として物販系分野では前年比3.70%増と伸長しています。一方で、国際的な情勢不安による燃料価格や原材料費の上昇、米国関税政策の影響による貿易コストの上昇及び外国為替相場の変動など、先行き不透明な状況が続くものと思われます。このような環境の中、当社は「いい時間」を提供するためのコンテンツを、種類、量ともに増やし、新しい場を生み育てていけるように取り組んでいきます。 これらの状況を踏まえた具体的な課題は、次のとおりです。 ①「場」の立ち上げと育成当社は「ほぼ日」の他に「ほぼ日手帳」「ほぼ日の學校」「生活のたのしみ展」「ほぼ日曜日」 といった、「場」を立ち上げてきました。当事業年度においても「ほぼ日手帳アプリ」の開発に注力し、2025年10月にサービスを開始しました。今後も魅力的なオリジナルコンテンツの幅を広げるよう、これらの「場」を育て、さらに新しい「場」も立ち上げ、「やさしく、つよく、おもしろく。」の姿勢で複数の「場」を運営する企業になることを目指しています。社外のクリエイターの方々にとってもコンテンツを生む新しい「場」となり、より多くのユーザーにたのしんでいただけるよう、新しいサービスの開発を進めていきます。また、複数の場を開発するとともに、統合IDサービス「ほぼ日ID」をとおして、当社が提供する各サービスを容易に横断して利用できるよう努めています。 ②多様な人材の確保及び育成と組織づくり今後想定される事業拡大や新サービスを実現するには、継続的な人材の確保及び育成と、 当社の考え方や価値を生む仕組みが定着するような組織づくりが重要だと考えています。当社は、コンテンツを生み出す力や届ける力をつけるため、また、それを支える経営基盤を強化するために、職種を限定せず多様な人材の確保に努めています。今後も「やさしく、つよく、おもしろく。」が社内に浸透し、実践され続けるよう、人材の確保及び育成と組織づくりに取り組んでいきます。 ③インターネット環境変化への対応総務省の情報通信白書によると、インターネットは2024年の国内利用率(個人)が85.6%と、情報化社会の基盤となっています。この基盤の上には、利便性故にさまざまなサービスが展開されており、利用するデバイスや、アクセスする環境も多様化が進んでいます。当社も黎明期からコンテンツを提供する「場」としてインターネットを活用してきましたが、今後のサービスの展開にあたっては、日に日に高まる情報セキュリティリスクへの対応及び、国内だけでなく、多くの国や地域で導入が進む個人情報保護制度への準拠など、ユーザーの場所やアクセス手段にかかわらず、いつでも安心してたのしんでいただける「場」であり続けられるよう、組織的、技術的な対応を進めていきます。 ④経営基盤の強化中期的な事業成長に向けた経営基盤の強化として、基幹業務システム更改やデータ利活用の促進により経営判断の迅速化や業務効率化を実現し、クリエイティブ活動に集中できる時間を増やすことによるコンテンツを生み出す力の向上、海外ユーザーへの越境DtoCの利便性向上と法適合性の強化、ほぼ日手帳の全世界的な市場成長に伴うサプライチェーンマネジメントの強化に重点を置き、施策を推進します。 ⑤市場の拡大「ほぼ日」で開発した商品コンテンツは、直販ECサイトで販売を重ね、同時に他の販路にも展開し、より多くのユーザーにたのしんでいただくことが重要だと考えています。近年の、「ほぼ日手帳」のユーザーの拡大と売上増加に加え、ユーザーがSNS上で発信する「ほぼ日手帳/hobonichi」に関する投稿(UGC)の増加による認知拡大を背景に、SNS上で複数言語のコンテンツ発信を強化するとともに、国内では既存取組先販路との連携強化、海外では主要国に適した販路開拓、海外ユーザーとのリアルイベントでの交流等を通してユーザーとの接点を増やし、関係づくりを進め市場拡大を推進します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。(1) 経営成績の状況当社は、「夢に手足を。」つけて、歩き出させる会社であることを目指し、「やさしく、つよく、おもしろく。」を行動指針として、新しい価値を生み出し、人びとが集う「場」をつくり、「いい時間」を提供するコンテンツを企画、編集、制作、販売しています。コンテンツとはクリエイティブの集積であり、読みもの、動画、商品、イベントなど、全てがコンテンツであるととらえています。具体的には、1998年の創刊から27年間、毎日更新をしているウェブサイト「ほぼ日」、有名無名を問わずあらゆるジャンルの人たちの話を聞くことができる動画サービス「ほぼ日の學校」、さまざまな体験を提供する場として渋谷PARCOで展開する「ほぼ日曜日」、ギャラリーショップの「TOBICHI」、犬と猫と人間をつなぐSNSアプリ「ドコノコ」、さまざまなアーティストやブランドとつくるお買いものフェス「生活のたのしみ展」といった「場」をつくり、「ほぼ日手帳」をはじめとした生活のたのしみを提供する商品や動画、読みものなどのコンテンツを国内外へお届けしています。 当事業年度の経営成績は、次の表のとおりです。 前事業年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)当事業年度(自 2024年9月1日至 2025年8月31日)対前年同期比(増減額)対前年同期比(増減率)売上高7,534,785千円8,677,878千円1,143,093千円15.2%営業利益547,476千円616,897千円69,421千円12.7%経常利益543,812千円651,043千円107,231千円19.7%当期純利益399,197千円448,354千円49,156千円12.3% 当事業年度における当社を取り巻く事業環境として、EC市場規模の継続的な拡大があげられます。経済産業省の調査によると、2024年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、26.1兆円(前年比5.1%増)と拡大し、内訳として物販系分野では前年比3.70%増と伸長しています。また、日本・米国・中国の3か国間における越境ECの市場規模は、いずれの国の間でも昨年に引き続き増加しています。当社は当事業年度において、主力商品の『ほぼ日手帳2025』を例年どおり2024年9月1日より、4月はじまり版の『ほぼ日手帳2025 spring』を2025年2月1日より販売開始しました。「ほぼ日手帳」においては幅広いユーザーの手にとってもらえるような新たなブランド、IPやアーティストとのコラボレーションを実施してきましたが、2025年版では、2024年版に引き続き『ONE PIECE magazine』やイラストレーターの北岸由美さん、2026年版では新たに「たまごっち」や『ムーミン』をはじめとした、多種多様なコラボレーションが実現しています。また、カバーや下敷き、シールなど周辺文具の拡充を進め、2025年版は新作アイテムが手帳と文具あわせて350以上となる過去最大のラインナップとなりました。販路については、自社ECサイト「ほぼ日オンラインストア」のみならず、Amazon(国内・海外)や楽天市場、天猫国際など外部ECサイトでの取扱を拡充するほか、国内外の取り組み先への卸販売を通して、より多くのユーザーが普段利用する場所で「ほぼ日手帳」を購入できる環境を構築しています。また、ニューヨークやロンドンなどの海外主要都市にて現地ユーザーとの交流イベント「ほぼ日手帳ミーティングキャラバン」を開催し、販売拡大が続く海外販路におけるプロモーションを強化しました。このような取り組みに加え、SNS上ではユーザー生成コンテンツ(UGC)が海外で特に増加しており、ユーザーの広がりを見せています。結果として、「ほぼ日手帳」の国内売上高は2,777,166千円(前期比17.0%増)、海外売上高は3,072,835千円(前期比19.6%増)と国内外ともに伸長し、国内外合計で5,850,001千円(前期比18.4%増)となりました。海外売上高の構成比率は52.5%(前期比0.5pt増)と増加しました。当事業年度の2025年版の販売部数は、過去最高の販売部数となった2024年版の90万部を超えて96万部となっています。 「ほぼ日手帳」以外の商品については、売上高は2,282,585千円(前期比9.9%増)となりました。特に、コンテンツのフェスティバル「生活のたのしみ展」に加え、「ほぼ日オンラインストア」で「自己買い物肯定感の向上」がテーマの「Hello! Good Buy!(ハロー・グッバイ!)」セールを実施したことにより、好調に推移しました。さらに「ほぼ日曜日」では、過去最高となる約20,000人のお客様にご来場いただいたかくれんぼ絵本『ミッケ!』を体験できる展覧会、全国から70種以上のご当地アイスを取り寄せた「冬なのにご当地アイスまつり」、渋谷PARCO6階での期間限定ポップアップショップ「MOTHERのおみせ。」と同時開催した「MOTHERのかたち。」などが大盛況となりました。これらの結果、売上高は8,677,878千円(前期比15.2%増)となりました。 売上原価については、「ほぼ日手帳」の原価率は37.1%(前期比0.7pt減)と改善している一方、「ほぼ日手帳」以外の原価率は55.0%(前期比1.2pt増)と上昇し、全体の売上原価率は43.0%(前期比0.3pt減)となりました。※1販売費及び一般管理費については、「生活のたのしみ展」による一時的な費用発生のほか、海外直営販路での売上増加による販売費用上昇などにより増加しました。また、コンテンツを生み出す基盤づくりの強化を目的に行った「ほぼ日の『いわゆる管理部門の』大開拓採用」により人員が増加し、人件費が増加しました。その結果、当事業年度の営業利益は616,897千円(前期比12.7%増)、経常利益は651,043千円(前期比19.7%増)、当期純利益は448,354千円(前期比12.3%増)となりました。 その他の事業活動として、ウェブサイト「ほぼ日」では、「老いと死」特集のコンテンツとして公開した元ほぼ日乗組員へのインタビュー「笠井さんが老人ホームに入った。」は大きな反響を呼びました。加えて、糸井重里が自身の手がけた広告コピーについて語る「まずは状況から話そうか。糸井重里のコピー10 」、私立灘高等学校の生徒からの依頼メールにより実現した「僕たちは、たいしたことなくてかけがえない希望。」などのコンテンツを、ウェブサイト「ほぼ日」では読みものコンテンツとして、「ほぼ日の學校」では動画コンテンツとして展開しました。また、「TOBICHI」では、さまざまなイベントの開催のみならず、「ほぼ日手帳」をはじめとする商品を実際に手に取れる場所として来店者数と売上金額が増加しました。このように、当社は運営する「場」において、生活のたのしみとなるような「いい時間」を過ごしていただけるよう、コンテンツを作り、編集し届けています。業績はこうしたすべての活動の結果だと考えています。なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。 ※1 当事業年度における「ほぼ日手帳」の売上高・売上原価・売上総利益は次の表の通りです。 前事業年度 (自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)当事業年度 (自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)対前年同期比 (増減額)対前年同期比 (増減率)実績構成比実績構成比売上高4,942,077千円100.0%5,850,001千円100.0%907,924千円18.4%売上原価1,869,697千円37.8%2,172,066千円37.1%302,369千円16.2%売上総利益3,072,379千円62.2%3,677,935千円62.9%605,555千円19.7% 当事業年度においては、「ほぼ日手帳」の売上総利益が前期比19.7%増と成長しました。また、売上原価率においては、実績は37.1%(前期比0.7pt減)となり、「ほぼ日手帳」の売上総利益率は62.9%(前期比0.7pt増)と微増しています。 (生産、受注及び販売の実績)当事業年度における販売実績は次のとおりです。なお、当社は単一セグメントのためセグメント別の記載はしていません。 内訳販売高(千円)前年同期比(%)直販6,166,792116.2 卸売 (注)1.1,965,795 114.8 商品売上 計8,132,587 115.9その他売上 (注)2.545,291 105.7 売上 合計8,677,878 115.2 (注) 1.主要な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しています。2.その他売上は主に送料売上、サービス売上、ライセンス収入等です。 (2) 財政状態の状況の概要・分析 前事業年度末(2024年8月31日)当事業年度末(2025年8月31日)前事業年度末比増減資産合計6,492,759千円6,918,112千円425,352千円負債合計1,969,229千円2,024,547千円55,318千円純資産合計4,523,530千円4,893,564千円370,033千円 (資産の部)流動資産は、4,889,692千円と前事業年度末に比べて189,275千円の増加となりました。これは主に『ほぼ日手帳2026』関連商品の入荷による商品の増加380,171千円、海外販路への一部出荷に伴う売掛金の増加255,024千円、現金及び預金の減少439,418千円によるものです。有形固定資産は、254,668千円と前事業年度末に比べて11,164千円の減少となりました。これは主に減価償却による減少48,796千円、工具、器具及び備品の取得による増加22,070千円、建設仮勘定の増加13,593千円によるものです。無形固定資産は、871,432千円と前事業年度末に比べて183,807千円の増加となりました。これは主に「ほぼ日手帳アプリ」開発などによるソフトウエア仮勘定の増加371,667千円と減価償却による減少177,054千円によるものです。投資その他の資産は、902,318千円と前事業年度末に比べて63,433千円の増加となりました。これは主に「ほぼ日の學校」の授業制作による長期前払費用の増加95,267千円、償却による減少68,746千円、投資有価証券の時価評価額の増加39,360千円、繰延税金資産の減少14,102千円によるものです。(負債の部)流動負債は、1,799,765千円と前事業年度末に比べて58,500千円の増加となりました。これは主に未払金の増加38,418千円、未払法人税等の増加91,524千円、買掛金の減少14,577千円、未払消費税等の減少67,283千円によるものです。固定負債は、224,782千円と前事業年度末に比べて3,181千円の減少となりました。これは主にその他に含まれる長期未払費用の減少12,779千円、長期リース債務の増加5,487千円、退職給付引当金の増加4,111千円によるものです。(純資産の部)純資産の部は、4,893,564千円と前事業年度末に比べて370,033千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加343,946千円と、その他有価証券評価差額金の増加24,706千円によるものです。 (3) キャッシュ・フローの状況 当事業年度における現金及び現金同等物は755,176千円と前年同期末と比べ439,418千円の減少となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 前事業年度(2024年8月期)当事業年度(2025年8月期)対前年同期(増減額)営業活動によるキャッシュ・フロー401,591千円158,468千円△243,122千円投資活動によるキャッシュ・フロー△467,331千円△485,578千円△18,246千円財務活動によるキャッシュ・フロー△106,447千円△105,049千円1,397千円 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、158,468千円の純収入(前年同期は401,591千円の純収入)となりました。これは主に税引前当期純利益651,043千円、減価償却費の計上295,665千円による増加要因と、仕入の早期化や販売規模拡大に伴う棚卸資産の増加342,161千円、卸先への販売数量増加に伴う売上債権の増加255,024千円、未払消費税等の減少65,922千円、法人税等の支払による減少115,403千円による減少要因によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、485,578千円の純支出(前年同期は467,331千円の純支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得30,489千円、無形固定資産の取得346,843千円、長期前払費用の取得96,603千円によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、105,049千円の純支出(前年同期は106,447千円の純支出)となりました。これは主に配当金の支払額104,177千円によるものです。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移 2024年8月期2025年8月期自己資本比率69.7%70.7%時価ベースの自己資本比率117.9%104.7%キャッシュ・フロー対有利子負債比率--インタレスト・カバレッジ・レシオ-- 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。(注2)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。(注3)有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債(リース債務を除く)を対象としています。 (資本の財源及び資金の流動性について)当事業年度末現在において、流動比率は272%、総負債額に対する現金及び現金同等物は0.4倍です。当社は将来の経営環境への対応や将来の新規事業のために必要な資金を内部留保しています。当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入及び販売活動に伴い生じる諸費用、人件費のほか、配当金や法人税等の支払いです。このほか、中長期的な成長に必要な人材への投資等についても、自己資金でまかなうことを原則としています。主力商品である「ほぼ日手帳」の販売開始時期には、一時的な売上債権、仕入債務、棚卸資産等の増加があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。また、有価証券の取得・売却が生じた場合には、投資活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。 (4)重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択・適用、当事業年度末日における資産及び負債、会計年度における収益及び費用並びに開示に影響を及ぼす見積りを必要としています。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案して合理的に見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性のため実際の結果とは異なる場合があります。当社の財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
事業リスク
- ブランド力低下の可能性ほぼ日の事業は、ウェブサイト「ほぼ日」や「ほぼ日手帳」などのブランド力に大きく依存しています。生活者の志向の変化や、SNS等での情報拡散による炎上などが発生した場合、ブランド価値が低下し、サイト訪問数や商品販売数の減少につながる可能性があります。これにより、ほぼ日の事業全体や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
- 創業者への依存度創業者であり代表取締役社長CEO兼CCOの糸井重里氏は、経営方針の立案、新規事業の構想、コンテンツ制作など、ほぼ日の事業活動において極めて重要な役割を担っています。もし糸井氏が業務を継続することが困難になった場合、一時的に事業推進力が停滞し、ほぼ日の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。組織的な経営体制への移行を進めていますが、現時点では依存度が高い状況です。
- インターネット環境の変化ほぼ日の事業は、ウェブサイト運営やインターネット通販など、インターネット環境に大きく依存しています。ICT(情報通信技術)の急速な進展により、ユーザーが利用する機器やプラットフォームが変化する中で、これらの変化への対応が不十分な場合、ユーザーの訪問数や購買者数の減少につながる可能性があります。また、サイバー攻撃やシステム障害が発生した場合、事業運営に支障をきたし、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあり、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しています。これらのリスクについては、その発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。なお、文中にある一部将来に関するリスクについては、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、将来において発生可能性のあるすべての事項を網羅するものではありません。 (1) ブランドに関するリスク① ブランド力の低下当社は、ウェブサイト「ほぼ日」で毎日のエッセイ「糸井重里の今日のコラム」をはじめとする様々なコンテンツを1998年6月より毎日更新し、高品質のコンテンツをつくり続けており、ウェブサイトとして独自の位置づけと信頼を得てきました。主力商品「ほぼ日手帳」はウェブサイト「ほぼ日」から独立したブランドとして認知されています。また近年では、「ほぼ日の學校」「生活のたのしみ展」「ほぼ日曜日」といった新しい「場」も立ち上げてきました。今後もコンテンツを生む力を強化し、ウェブメディアのみならず、リアルスペースや商品についてもブランド価値を高めていきます。そのために、経営方針に則って事業を運営していきますが、生活者の志向の変化等をきっかけに当社のブランド価値が低下した場合、サイトへの訪問数や販売数量の低下により、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社コンテンツについては、メールやSNS等を通じて顧客から多くのフィードバックを得ており、日々のコンテンツ制作に顧客の声を役立てています。一方、ウェブメディアやSNS等で発信した情報は、即座に拡散され、炎上を引き起こしてしまう可能性が高まっており、これにより当社のブランド力の低下を引き起こす可能性が存在します。ウェブメディアやSNS等の運用については社内外からの継続的なチェックにより、その品質の確保に努めています。② 新コンテンツに関するリスク当社は、より多くの顧客に喜んでいただき、持続的な成長を図るため、生活雑貨の販売イベント「生活のたのしみ展」、映像配信を中心とした「ほぼ日の學校」、幅広い表現で企画やイベントをおこなうリアルスペース「ほぼ日曜日」等の新しいサービスや商品の開発を進めています。加えて、「ほぼ日×地域」に関するプロジェクトや「ほぼ日手帳アプリ」など、さらなるコンテンツの充実に向けての取り組みを進めています。今後も新たなコンテンツについては適切な人材配置や、損益管理を通して、リスクをコントロールしていきますが、予測困難な問題が発生して計画通りに進まない場合には、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(2) 組織に関するリスク① 人材投資当社は、長期的な事業継続と成長を目指して経営しています。そのために人材投資を強化しており、短期的な財務成果より投資を優先することがあります。当期は、会社の動きや仕組みをより健康的なものとし、成長につなげていくために、管理部門の「ほぼ日の大開拓採用」を実施するなど、採用手法や育成機会を多様化し、人材投資の効果向上を図っていますが、人材の確保や能力開発が計画通りに進まない等の場合、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。② 代表取締役社長CEO兼CCOへの依存について 創業者であり代表取締役社長CEO兼CCOの糸井重里は、当社全体の経営方針や経営戦略の立案をはじめ、社会的な知名度と信頼、広い人脈による関係構築、新規事業の構想、毎日のエッセイ「糸井重里の今日のコラム」執筆等、当社の事業活動上重要な役割を果たしています。代表取締役社長CEO兼CCOに依存しない組織的な経営体制を見据え、各取締役の業務執行区分を明確化するなど体制の構築を進めていますが、何らかの事情により代表取締役社長CEO兼CCOが業務を継続することが困難になった場合、一時的に事業推進力が停滞し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社は2025年11月29日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「取締役3名選任の件」を上程しており、また当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会の決議事項では「代表取締役社長および役付取締役選任ならびに取締役の役職変更承認の件」を付議する予定であり、それぞれ承認可決されると、取締役会の構成員については後記「第4 4(2)役員の状況①ロ.」の通りとなります。これにより、さらに代表取締役会長CEOとなる糸井重里に依存しない体制の構築が進んでいくものと考えております。③ 組織風土の維持、強化当社では、内発的動機と自己管理を基礎にした組織風土が、高品質のコンテンツやサービスを生む源となっています。そのため、組織風土の維持強化を念頭において、採用、人材育成、組織開発を進めていますが、急激な組織拡大等により、こうした組織風土が十分機能しなくなると、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。(3) インターネット環境等に関するリスク① インターネットを取り巻く環境について当社は、ウェブサイト「ほぼ日」の運営を事業の中核に据えています。また、新しい事業もすべてインターネットとの連動を前提にしています。メディアとして紙媒体や放送と比べて低コストでリアルタイムに発信でき、地域を問わず多くのユーザーとつながることができるメリットは、1998年の開設当時から変わりません。そのため、インターネット・デジタル社会のさらなる発展が、当社事業の成長にとって重要だと考えています。一方、ICT(情報通信技術)は進展が早い領域であり、例えばユーザーが利用する機器やプラットフォームも急速に変化します。そのため当社では、インターネットを含めたICTに関する技術動向の情報収集及び技術力の向上刷新を図っていますが、こうした変化への対応が不十分な場合、ユーザーの訪問数、購買者数の減少等を通じて、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。② インターネット通販の利用動向当社は、オリジナル企画商品を販売しており、売上高の約7割がインターネット通販によるものです。インターネット通販には、サイトを訪れた顧客に、商品の作り手とユーザー双方のエピソードを紹介し、その商品の魅力を詳しく伝えられるという、他の販路にはないメリットがあります。当社では、国内外のインターネット通販利用動向に関する情報を収集し、自社ECの強化や外部ECへの展開を図っていますが、何らかの予測困難な要因により、インターネット通販利用動向が急激に変化し、その対応が不十分な場合、ユーザーの訪問数、購入者数の減少等を通じて、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。③ システムトラブル当社は「ほぼ日」のコンテンツの配信、「ほぼ日オンラインストア」でのEC事業、「ほぼ日の學校」などのサービス運営に社内外の情報システム機器及びサービスを利用しています。個々のサービスの可用性を高い状態で維持するため、定期・不定期のシステムメンテナンス枠を設けて、ソフトウエアのアップデートを行うとともに、外部専門家による診断テストを適宜実施し、既知の脆弱性への対応と潜在的な脆弱性の発見・対策に努めています。また、予見できない障害の発生に備えて、主要なシステム及びネットワークの冗長化を行い単一障害点を作らない設計とし、より大規模な障害に備えて、独自のBCP(事業継続計画)を策定し、障害が発生しても事業を短時間で再開するための準備を行っています。しかしながら、ランサムウェアや悪意を持った外部からの標的型攻撃等のサイバー攻撃、人為的過誤、自然災害などにより、システムの障害が発生し、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。④ 情報セキュリティに関するリスク当社は、グローバルで事業を行うために必要な顧客、取引先及び当社内の機密情報や個人情報を保持しています。これらの情報の外部流出や破壊、改ざん等がないように、当社は管理体制を構築し、ITによるセキュリティ及び施設セキュリティの強化、従業員教育等の施策を実行し、2025年5月に国際標準規格であるISMS認証(ISO/IEC27001:2022)の継続及び移行審査に合格しました。個人情報の定義や保護のために求められている管理レベルは、国・地域で施行される法令により異なることから、当社が適用を受ける法令を理解し、要求される管理レベルを実践することが求められます。しかしながら、これらの情報セキュリティリスク対策にも関わらず、ランサムウェアや、外部からの標的型攻撃等のサイバー攻撃や、過失、盗難等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざんまたは情報システムの停止等が引き起こされる可能性があります。このような事態が生じた場合には、信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の多額の費用の発生または長時間にわたる業務の停止や、加えて適用される法令の過失認定により課せられる罰金などにより、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 商品開発と販売に関するリスク① 特定商品への依存度に関するリスク「ほぼ日手帳」は、売上高の約7割を占め、当社の主要商品となっています。近年のリモート勤務の広がりもあり、スケジュールをデジタルで管理する人が増加する一方で、プライベートな内容や日々感じたことをアナログの手帳に記録するといった用途も増加し、手帳の需要は新しい形に変化していると言われています。「ほぼ日手帳」は「LIFEのBOOK」をコンセプトにした自由度の高い手帳であり、足元の市場動向は堅調です。ただし、将来、市場動向が悪化し、また特定の仕入先への依存はないものの、仕入数量の減少や遅延等を通じて「ほぼ日手帳」の売上が減少する場合は、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。② 四半期の変動に関するリスク当社の主力商品「ほぼ日手帳」は、商品の性質上、例年秋から冬に多く購入され、春から夏には販売が低調になる季節性があります。当社では、手帳の閑散期に販売を補う商品や市場の開拓を図っていますが、当社の業績は四半期毎に大きく変動します。このため四半期毎の一定期間で区切った場合、期間毎の業績は大きく変動します。2025年8月期の四半期毎の売上高及び営業利益(損失)は、次のとおりです。 第1四半期(2024年11月30日)第2四半期(2025年2月28日)第3四半期(2025年5月31日)第4四半期(2025年8月31日)通期(2025年8月31日)売上高3,336,734千円2,407,362千円1,121,510千円1,812,271千円8,677,878千円売上構成比38.45%27.74%12.92%20.88%100.0%営業利益(損失)849,133千円172,857千円△297,422千円△107,670千円616,897千円 ③ 商品評価損に関するリスク当社は、市場を創造することを方針として、付加価値の高い独自商品を開発し、新販路を含む幅広い市場開拓を図っています。また、特に新商品では、少量販売や受注販売を活用して在庫リスクを抑えています。しかし、不測の事態により想定を超える滞留在庫が生じた場合には、棚卸資産に関して商品評価損を計上する結果、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。④ 物流業務の外部委託に関するリスク当社は、インターネット通販において仕入先から納品される商品の在庫管理業務、商品の梱包、発送等に関する業務、顧客への商品受け渡し、商品代金回収業務等の物流業務を外部業者に委託しています。当社では外部委託業者と緊密に連携し、サービス水準の把握と向上を図っており、また、外部委託先との契約に基づき、直接的な損害は外部委託業者に賠償請求できます。しかし、外部業者のサービスの遅延及び障害等が発生し、当社に対する顧客の信用低下が発生した場合等においては、当社への損害賠償請求や当社の信用下落等によって、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑤ 商品調達コストに関するリスク当社が取り扱う商品の調達価格及び調達に係る費用は、原材料費や燃料価格の高騰、外国為替相場の変動による影響、輸送費用の高騰により上昇する可能性があります。当社では、最適な価格での仕入れを実現するために必要に応じ仕入先の検討を行うほか、積載効率の改善を図り、また定期的に販売価格の見直しを行っていますが、商品調達コストの上昇が販売価格の見直しに先行する場合には、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。⑥ 海外での販売に対するリスク当社は、北米・欧州やアジア・オセアニアをはじめとした海外市場にも事業を展開しています。今後も、海外市場における販売に力をいれていきますが、これらの海外市場への販売には、予期しない法律または税制の変更、不利な政治または経済要因、テロ、戦争、その他の社会的混乱等のリスクが内在しています。事前に調査、把握して対処するよう努力していますが、これらの事象が起これば、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 法的規制に関するリスク当社は、コンテンツによって「場」をつくり、主にインターネット通販によって収益を得ています。そのため、コンテンツ制作における特許権、商標権、意匠権、実用新案権、著作権等知的財産権に関する各種法規制、特定商取引法、不当景品類及び不当表示防止法、消費者契約法等の消費者法一般、また独占禁止法等の物販に関する各種法規制、品質や製品安全に関する各種法規制、環境に関する法規制、個人情報保護法等情報管理に関する法規制等に基づいて事業を運営しています。当社は国内外におけるこれらの各種法規制を遵守しており、現時点において重大な法的問題は生じていないものと認識しています。また、各種法規制を遵守すべく、適宜行政当局や弁護士等に相談するとともに、法務の体制強化を進めています。しかしながら、法規制における解釈、運用の変化や規制の強化、新たな規制の制定等により、より厳格な対応を求められる場合には、当社の事業及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。