研究開発費(時系列)
| 年度 | R&D費用(億円) | 設備投資(億円) |
|---|---|---|
| 2025-03 | - | 29 |
| 2024-03 | - | 19 |
| 2023-03 | - | 12 |
| 2022-03 | - | 8 |
| 2021-03 | - | 26 |
研究開発活動(本文)
FY2025|5,022 文字
6【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術・開発本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社技術部および建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は428百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は167百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する工事が相次いで発注されており、今後もこれに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。② 接合技術に関する研究 工場溶接および現場溶接の生産性向上を目的に、高能率溶接法の適用に取り組んでおります。特に、現場溶接作業者の高齢化や若年層の不足による現場溶接作業者の減少への対応として、小型可搬型溶接ロボットの適用拡大について研究を進めております。ボルト接合においては,大規模更新等で採用される接合面の種類が異なる異種接合において、効率的なボルト接合を実施工に反映するために、各種異種接合面のすべり係数を検証しております。③ 工場製作のDX推進への取り組み 工場製作のDX推進による生産性向上を目的に、協働ロボットの適用について検討を開始しました。工場製作には鋼板の切断や孔あけ等の加工に手作業に頼る作業がありますが、その作業に適した協働ロボットの適用について検討を行っております。 (2)新材料・新素材に関する研究開発 FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を実施しました。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、歩道拡幅用床版や歩道橋用の取替床版、鉄道用の壁高欄・防音壁、道路橋用の壁高欄型枠を実用化し、さらなる構造改善や常設足場などへの用途の拡大を図るため、耐衝撃性や耐火性を確認するための試験を行っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震などで生じた橋梁の段差を、道路啓開時に車両の通行を可能とする渡し板「F-Deck」および阪神高速技術株式会社と共同で開発した、緊急輸送時にも対応できる製品「ダンパスデッキ」は、他の道路管理者への拡販を図っております。さらに、大規模更新工事における床版取替え時の交通解放技術としてFRP舗装覆工板を開発し、実証実験を終え、試験施工による適用性の確認を進めております。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 鋼・コンクリート合成構造に関する技術検討中小規模の架け替えのための合成床版橋「QS Bridge」および鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」について、コスト削減のための構造・製作および施工に関する合理化検討と、各種規準の更新に伴う技術改良を継続して進めております。② 腐食・防食に関する研究腐食・防食に関する研究を琉球大学と共同で実施しており、腐食した高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法を実験および解析の結果から検証しております。また、鋼橋の防食性能向上のためのFRPパネルによる多機能防食デッキの適用拡大のため、実験橋による実験結果から耐風設計法に関して研究を行っております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステムを用いた構造物の健全性診断技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。無線式の光ストランドセンサー(OSMOS)によるケーブル張力管理、補修工事における安全・品質管理等のためのモニタリングの新たな適用方法およびLPWA(Low Power Wide Area)、BLE(Blue-tooth Low Energy)を用いた新型センサーの導入による合理化・コスト低減に向けた開発を進めており、LPWAを用いた安全管理におけるLPWAを用いたベント傾斜監視システムおよびBLEを用いた新型OSMOS変位計を実工事にて適用開始いたしました。また、架設時の安全管理・品質管理におけるモニタリングシステムの適用実績を拡大しております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)の適用について検討を行っております。③ 環境配慮型の新製品や新技術の研究開発社会的要請であるカーボンニュートラルに資する環境配慮型のボルト関連製品や新製品を使用した新しい施工技術等の研究開発を行っております。④ インフラDXへの取り組み構造物の3次元モデルを活用した設計・施工を実現するBIM/CIMの導入に加え、ドローン、レーザスキャナ、VRなど、ICT(情報通信技術)を活用した先進技術の導入・開発を推進しています。また、AI(人工知能)やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による業務の自動化・効率化にも取り組み、鋼構造物の製作工場および施工現場における生産性と安全性の向上を図るとともに、働き方改革につながるDXを推進しています。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC業者、異種業者、補修業者との連携既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者、異種業者と連携して共同で研究することにより、高速道路各社の大規模更新事業に対応すべく継続して取り組んでおり、新たなプレキャストPC床版の現場継手の開発を進めております。② 送り出し工法の合理化に関する研究当社グループで請け負う鋼桁架設工事は鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、送り出し架設工法が多く採用され、限られた時間内で安全かつ急速に鋼桁を送り出すことが求められております。社会のニーズに応えるため、当社戦略機材である「ジャッキ装置付全輪駆動式高速台車」を活用することで、急速送り出し架設を実現しております。さらに曲線桁・拡幅桁・および断面変化の桁送り出し架設に対し、従来型の送り出し装置と比較して送り出し速度やジャッキ操作による省力・省人化に優位性を持った「新型送り出し装置」を開発し、運用を開始しております。また送り出し架設の照査業務効率化と解析精度の向上を目的とした照査ソフトの改良にも取り組んでおり、照査結果の色分け表示による「見える化」などの改善を行い、より安全な施工を目指してまいります。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野では大空間構造物である大屋根鉄骨建方工事を数多く手掛けています。今般、非対称な大屋根鉄骨ブロックの建方作業の効率化を図るため、遠隔操作で安全かつ迅速に吊上げ形状調整が可能となる油圧式玉掛装置を開発し、続いて2点吊りと4点吊りができるように改良いたしました。本装置を活用することで高所作業の省力化を図り、更なる現場施工の安全性の向上を進めてまいります。また全長600mにも及ぶ長大な発電施設、工場建屋鉄骨を、当社が保有する特殊機材を活用した「多機能式移動ステージ工法」により、高所作業の効率化、作業足場の省力化を実現して施工技術の有効性を実証しております。今後も難易度の高い鋼構造物の建方工事に挑戦するとともに、先端技術を取り入れて一歩進んだ施工技術を提供できるよう研究開発を推進いたします。④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究先に開発した完全無水式ワイヤーソーによる建築構造物の鉄骨コンクリート柱・壁の切断および完全無水式ワイヤーソーシステムを用いた「M-SRシステム」により、高速道路大規模更新工事での合成桁の床版撤去時に床版ブロックを主桁上でスタッドジベルごと水平切断することで撤去作業の効率化を図り、現場施工でその有効性を実証しております。⑤ 災害復旧(応急復旧橋)に関する取り組み近年、日本各地で大規模地震や異常気象に伴う豪雨などの自然災害が頻発しています。災害発生時にまず求められるのは啓開(応急復旧の前に支援ルートを確保するために道を切り開くこと)であり、大型工事車両・重機を必要としない、汎用性のある山留材を利用した簡易的かつ軽量で施工性に優れる応急復旧橋やFRP覆工板による人道橋の開発を継続して行っております。今後も有事の際には、早期のインフラ復旧に貢献するように取り組んでまいります。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は260百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 大規模事業・保全事業に関する研究高速道路各社において需要が高まっている床版の取り替え、拡幅、架け替え工事を対象として、プレキャストPC床版の現場継手の開発を継続して進めております。あわせて、大規模事業に適用できる施工技術の開発を行っております。また、腐食・損傷した鋼部材の補修工法に関する研究を継続して実施しております。② 橋梁の耐風設計に関する研究従来は風洞試験により耐風性検討を行ってまいりましたが、風洞試験を補完する手法として期待される数値流体解析を橋梁に適用するための調査・研究を継続して実施しております。また、風洞試験における計測の合理化を目的として、各種デジタルセンサーを用いた計測方法の風洞試験への適用検討を進めております。③ モニタリングシステムの開発点検・診断業務、保全工事で必要とされる変形や振動の計測を効率的に行うことを目的として、無線技術を活用したシンプルなモニタリングシステムの開発を行いました。このシステムを受注工事での各種計測に適用することで検証を重ねており、信頼性の向上、適用拡大を進めております。 (2)新製品・新技術に関する研究開発① 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証水産庁の新たな「漁港漁場整備長期計画」における養殖生産拠点の形成として、養殖適地の拡大を目的とした静穏水域の確保が施策として挙げられています。本施策の実現のために、静穏水域を沖合に展開するための長波長対応型の浮消波堤の開発を行っております。数値流体解析による性能検証に加えて大型水槽を用いた模型実験により消波性能の確認と設計手法の評価に取り組んでおります。生物多様性を保全する上でサンゴ礁は特に重要な生態系とされております。生物多様性の保全に貢献する技術として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に着目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。新たな研究サイトを設け様々な環境下での適用性についての実証を継続しております。また、サンゴの増殖をモニタリングする際に使用できる、水中ドローンが撮影した画像から、深層学習を用いたAIでサンゴを自動抽出する画像解析技術を開発しました。この技術により、ダイバーの潜水機会を減らすことが可能となり、省人化、安全性の向上、リモート作業による作業環境の改善が可能となります。今後は、教師データの拡充と、アルゴリズム改良により精度向上に向けた検討を進めてまいります。② 省人化・生産性向上・スムーズで効果的な技術伝承に資するDX技術に関する研究国土交通省が推進するDXの推進に関連して、ICT(情報通信技術)を活用した省人化と生産性向上に向けた要素技術の開発、試行、検証に取り組んでおります。また、社内プロセスをワークフローにより見える化し、プロセスの改善・省人化の検討を進めております。③ 耐震補強工事に関する研究従来、建築・機械分野で用いられている慣性接続要素について、長大橋他の耐震補強工事に適用するための実用化研究を継続して実施しております。
FY2024|4,702 文字
6【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社技術部および建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は246百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は125百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する工事が相次いで発注されており、今後もこれに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。② 溶接技術に関する研究 工場溶接および現場溶接の生産性向上を目的に、高能率溶接法の適用に取り組んでおります。特に、現場溶接作業者の高齢化や若年層の不足による現場溶接作業者の減少への対応として、小型可搬型溶接ロボットの適用拡大について研究を進めております。③ 工場製作のDX推進への取り組み 工場製作のDX推進による生産性向上を目的に、協働ロボットの適用について検討を開始しました。工場製作には鋼板の切断や孔あけ等の加工に手作業に頼る作業がありますが、その作業に適した協働ロボットの適用について検討を行っております。 (2)新材料・新素材に関する研究開発 FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を実施しました。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、歩道拡幅用床版や歩道橋用の取替床版、鉄道用の壁高欄・防音壁、道路橋用の壁高欄型枠を実用化し、さらなる構造改善や常設足場などへの用途の拡大を図っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震などで生じた橋梁の段差を、道路啓開時に車両の通行を可能とする渡し板「F-Deck」は、他の道路管理者への拡販を図るとともに、緊急輸送時にも対応できる新たな商品「ダンパスデッキ」を阪神高速技術株式会社と共同で開発しました。さらに、大規模更新工事における床版取替え時の交通解放技術としてFRP舗装覆工板を開発し、実証実験を終え、試験施工による検討に取り組んでおります。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 鋼・コンクリート合成構造に関する技術検討中小規模の架け替えのための合成床版橋「QS Bridge」および鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」について、コスト削減のための構造・製作および施工に関する合理化検討と、各種規準の更新に伴う技術改良を継続して進めております。② 腐食・防食に関する研究腐食・防食に関する研究を琉球大学と共同で実施しており、腐食した高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法を実験および解析の結果から検証しております。また、鋼橋の防食性能向上のためのFRPパネルによる多機能防食デッキの適用拡大のため、実験橋による実験結果から耐風設計法に関して研究を行っております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステムを用いた構造物の健全性診断技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおり、無線式の光ストランドセンサー(OSMOS)によるケーブル張力管理、補修工事における安全・品質管理等のためのモニタリングの新たな適用方法およびLPWA(Low Power Wide Area),BLE(Blue-tooth Low Energy)を用いた新型センサーの導入による合理化・コスト低減に向けた開発を進めております。また、架設時の安全管理・品質管理におけるモニタリングシステムの適用実績を拡大しております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)の適用について検討を行っております。③ 環境配慮型の新製品や新技術の研究開発社会的要請であるカーボンニュートラルに資する環境配慮型のボルト関連製品や新製品を使用した新しい施工技術等の研究開発を行っております。④ インフラDXへの取り組み構造物の3次元モデルをツールとした設計や施工を行うBIM/CIMおよびドローンやレーザスキャナ、VR等を駆使したICT(情報通信技術)関連技術の導入や開発を推進するとともに、鋼構造物の製作工場および施工現場の生産性と安全性の向上を図り、働き方改革につなぐDX化の取り組みを行っております。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC業者、異種業者、補修業者との連携既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者、異種業者と連携し、共同で研究することにより、現在高速道路会社で計画されている鋼道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。また、今後本格化する補修・保全工事への対応に向け、補修業者と連携し、各種の課題に取り組んでおります。② 送り出し工法の合理化に関する研究当社グループで請け負う鋼桁架設工事は鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、送り出し架設工法が多く採用され、限られた時間内で安全かつ急速に鋼桁を送り出すことが求められております。社会のニーズに応えるため、当社戦略機材である「ジャッキ装置付全輪駆動式高速台車」を活用することで、急速送り出し架設を実現しております。さらに曲線桁・拡幅桁・および断面変化の桁送り出し架設に対し、従来型の送り出し装置と比較して送り出し速度やジャッキ操作による省力・省人化に優位性を持った「新型送り出し装置」の開発を行っております。また送り出し架設の照査業務効率化と解析精度の向上を目的とした照査ソフトの改良にも取り組んでおり、照査結果の色分け表示による「見える化」などの改善を行い、より安全な施工を目指してまいります。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野では大空間構造物である大屋根鉄骨建方工事を数多く手掛けています。今般、非対称な大屋根鉄骨ブロックの建方作業の効率化を図るため、遠隔操作で安全かつ迅速に吊上げ形状調整が可能となる油圧式玉掛装置を開発し、続いて2点吊りと4点吊りができるように更に改良いたしました。安全性等の検証のため実物大試験を実施し、現在、難易度の高い大規模開閉鉄骨建方工事において、本装置を活用し、高所作業の省力化および安全性の向上に貢献しております。また全長600mにも及ぶ長大な発電施設、工場建屋鉄骨を、当社が保有する特殊機材を活用した「多機能式移動ステージ工法」により、高所作業の効率化、作業足場の省力化を実現して施工技術の有効性を実証しております。さらに今後も難易度の高い鋼構造物の建方工事に前向きに挑戦すると共に、先端技術を取り入れて、一歩進んだ施工技術を提供できるよう研究開発を推進いたします。④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究先に開発した、建築構造物の鉄骨コンクリート柱・壁および橋梁のコンクリート床版を大パネル形状で切断する完全無水式ワイヤーソーシステムを用いた「M-SRシステム」により、実橋梁のコンクリート床版を粉塵や廃水を出さずに高効率に大型パネル形状での切断撤去工事を実施し、その有効性を実証しております。さらに橋面上への影響を最少とした新工法のM-SRシステムと排水処理設備を大きく省力化する吸水式道路カッターの組合せ工法についても、実証実験を終え高速道路床版更新時の床版撤去工事に適用すべく、更新工事に適用した効率的な急速施工の実現に向けて取り組んでおります。⑤ 災害復旧(応急復旧橋)に関する取り組み近年、日本各地で大規模地震や異常気象に伴う豪雨などの自然災害が頻発しています。災害発生時にまず求められるのは啓開(応急復旧の前に支援ルートを確保するために道を切り開くこと)であり、大型工事車両・重機を必要としない、汎用性のある山留材を利用した簡易的かつ軽量で施工性に優れる応急復旧橋やFRP覆工板による人道橋の開発を行っております。今後も有事の際には、早期のインフラ復旧に貢献するように取り組んでまいります。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は120百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 大規模更新・保全事業に関する研究高速道路各社において需要が高まっている床版の取り替え、拡幅、架け替え工事を対象として、プレキャストPC床版の現場継手の開発を継続して進めております。また、腐食・損傷した鋼部材の補修工法に関する研究を継続して実施しております。② 橋梁の耐風設計に関する研究従来は風洞試験により耐風性検討を行ってまいりましたが、風洞試験を補完する手法として期待される数値流体解析を橋梁に適用するための調査・研究を継続して実施しております。③ モニタリングシステムの開発点検・診断業務、保全工事で必要とされる変形や振動の計測を効率的に行うことを目的として、無線技術を活用したシンプルなモニタリングシステムの開発を行っております。開発したシステムは、フィールド試験により実地検証し更なる適用拡大を進めております。 (2)新製品・新技術に関する研究開発① 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証水産庁の新たな「漁港漁場整備長期計画」における養殖生産拠点の形成として、養殖適地の拡大を目的とした静穏水域の確保が施策として挙げられています。本施策の実現のために、静穏水域を沖合に展開するための長波長対応型の浮消波堤の開発を行っております。数値流体解析による性能検証に加えて大型水槽を用いた模型実験により消波性能の確認に取り組んでおります。生物多様性を保全する上でサンゴ礁は特に重要な生態系とされております。生物多様性の保全に貢献する技術として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に着目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。新たな研究サイトを設け様々な環境下での適用性についての実証を継続しております。2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、浮体橋や浮桟橋で培った浮体構造物のエンジニアリング技術を活用して、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を水上及び洋上に導入するための実証実験を開始しております。② 省力化・安全性向上に資するDX技術に関する研究国土交通省が推進するDXの推進に関連して、ICT(情報通信技術)を活用した省力化と安全性向上に向けた要素技術の開発、試行、検証に取り組んでおります。③ 耐震補強工事に関する研究従来、建築・機械分野で用いられている慣性接続要素について、長大橋他の耐震補強工事に適用するための実用化研究を継続して実施しております。
FY2023|4,110 文字
6【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社技術部および建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は236百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は178百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する工事が相次いで発注されており、今後もこれに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。② 溶接技術に関する研究 工場溶接および現場溶接の生産性向上を目的に、高能率溶接法の適用と完全溶込み溶接継手の狭開先化の研究に取り組んでおります。また、特に現場溶接作業者の高齢化や若年層の不足による現場溶接作業者の減少への対応として、小型可搬型溶接ロボットの適用拡大について研究を進めております。 (2)新材料・新素材に関する研究開発 FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を実施しました。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、歩道拡幅用床版や歩道橋用の取替床版、鉄道用の壁高欄、道路橋用の壁高欄型枠を実用化し、さらなる構造改善や常設足場などへの用途の拡大を図っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震などで生じた橋梁の段差を、道路啓開時に車両の通行を可能とする渡し板「F-Deck」は、他の道路管理者への拡販を図るとともに、緊急輸送時にも対応できる新たな商品「ダンパスデッキ」を阪神高速技術株式会社と共同で開発しました。さらに、西日本高速道路株式会社と共同開発したFRP伸縮装置は適用性に関する基礎試験、試験施工を終え、商品化のための検討をしております。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 鋼・コンクリート合成構造に関する技術検討中小規模の架け替えのための合成床版橋「QS Bridge」および鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」について、コスト削減のための構造・製作および施工に関する合理化検討と、各種規準の更新に伴う技術改良を継続して進めております。② 腐食・防食に関する研究腐食・防食に関する研究を琉球大学と共同で実施しており、腐食した高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法を実験および解析の結果から検証しております。また、鋼橋の防食性能向上のためのFRPパネルによる多機能防食デッキの適用拡大のため、実験橋による実験結果から耐風設計法に関して研究を行っております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステムを用いた構造物の健全性診断技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおり、無線式の光ストランドセンサー(OSMOS)によるケーブル張力のモニタリングなどの新たな適用方法およびコスト低減に向けた開発を進めております。また、施工時の安全性・品質確保へのモニタリングシステムの適用を進め、無線式傾斜計を用いた安全管理のためのM-STモニタリングシステムの適用実績を拡大しております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)の適用について検討を行っております。③ 環境配慮型の新製品や新技術の研究開発社会的要請であるカーボンニュートラルに資する環境配慮型のボルト関連製品や新製品を使用した新しい施工技術等の研究開発を行っております。④ インフラDXへの取り組み構造物の3次元モデルをツールとした設計や施工を行うBIM/CIMおよびドローンやレーザスキャナ、VR等を駆使したICT(情報通信技術)関連技術の導入や開発を推進するとともに、鋼構造物の製作工場および施工現場の生産性と安全性の向上を図り、働き方改革につなぐDX化の取り組みを行っております。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC業者、異種業者、補修業者との連携既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者、異種業者と連携し、共同で研究することにより、現在高速道路会社で計画されている鋼道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。また、今後本格化する補修・保全工事への対応に向け、補修業者と連携し、各種の課題に取り組んでおります。② 送り出し工法の合理化に関する研究当社グループで請け負う鋼桁架設工事は鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、送り出し架設工法が多く採用され、限られた時間内で安全かつ急速に鋼桁を送り出すことが求められております。社会のニーズに応えるため、当社戦略機材である「ジャッキ装置付全輪駆動式高速台車」を活用することで、急速送り出し架設を実現しており、かつ送り出し架設の照査業務効率化と解析精度の向上を目的とした照査ソフトの改良にも取り組んでおります。今後もさらなる改善を行い、より安全な施工を目指してまいります。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野では大空間構造物である大屋根鉄骨建方工事を数多く手掛けています。今般、非対称な大屋根鉄骨ブロックの建方作業の効率化を図るため、遠隔操作で安全かつ迅速に吊上げ形状調整が可能となる油圧式玉掛装置を開発し、続いて2点吊りと4点吊りができるように更に改良いたしました。安全性等の検証のため実物大試験を実施し、現在、難易度の高い大規模開閉鉄骨建方工事において、本装置を活用し、高所作業の省力化および安全性の向上に貢献しております。また全長600mにも及ぶ長大な発電施設、工場建屋鉄骨を、当社が保有する特殊機材を活用した「多機能式移動ステージ工法」により、高所作業の効率化、作業足場の省力化を実現して施工技術の有効性を実証しております。さらに今後も難易度の高い鋼構造物の建方工事に前向きに挑戦すると共に、先端技術を取り入れて、一歩進んだ施工技術を提供できるよう研究開発を推進いたします。④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究先に開発した、建築構造物の鉄骨コンクリート柱・壁および橋梁のコンクリート床版を大パネル形状で切断する完全無水式ワイヤーソーシステムを用いた「M-SRシステム」により、実橋梁のコンクリート床版を粉塵や廃水を出さずに高効率に大型パネル形状での切断撤去工事を実施し、その有効性を実証しております。さらに橋面上への影響を最少とした新工法のM-SRシステムと排水処理設備を大きく省力化する吸水式道路カッターの組合せ工法についても、実証実験を終え高速道路床版更新時の床版撤去工事に適用すべく、更新工事に適用した効率的な急速施工の実現に向けて取り組んでおります。⑤ 災害復旧に関する取り組み近年、日本各地で大規模地震や異常気象に伴う豪雨などの自然災害が頻発しています。災害発生時にまず求められるのは啓開(応急復旧の前に支援ルートを確保するために道を切り開くこと)であり、大型工事車両・重機を必要としない、簡易的かつ軽量で施工性に優れる応急復旧橋およびFRP覆工板の開発を検討しております。今後も有事の際には、早期のインフラ復旧に貢献するように取り組んでまいります。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は58百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 大規模更新・保全事業に関する研究高速道路各社において需要が高まっている床版の取り替え、拡幅、架け替え工事を対象として、プレキャストPC床版の現場継手の開発を継続して進めております。また、腐食・損傷した鋼部材の補修工法に関する研究を継続して実施しております。② 橋梁の耐風設計に関する研究従来は風洞試験により耐風性検討を行ってまいりましたが、風洞試験を補完する手法として期待される数値流体解析を橋梁に適用するための調査・研究を継続して実施しております。③ モニタリングシステムの開発点検・診断業務、保全工事で必要とされる変形や振動の計測を効率的に行うことを目的として、無線技術を活用したシンプルなモニタリングシステムの開発を行っております。 (2)新製品・新技術に関する研究開発① 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。水産庁の新たな「漁港漁場整備長期計画」における養殖生産拠点の形成として、養殖適地の拡大を目的とした静穏水域の確保が施策として挙げられています。本施策の実現のために、静穏水域を沖合に展開するための浮消波堤の開発に取り組んでおります。② 省力化と安全性向上に資するDX技術に関する研究国土交通省が推進するDXの推進に関連して、ICT(情報通信技術)を活用した省力化と安全性向上に向けた要素技術の開発、試行、検証に取り組んでおります。③ 耐震補強工事に関する研究従来、建築・機械分野で用いられている慣性接続要素について、長大橋他の耐震補強工事に適用するための実用化研究を継続して実施しております。
FY2022|4,094 文字
5【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の生産・技術部、建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は160百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は119百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する工事が相次いで発注されており、今後もこれに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。② 溶接技術に関する研究 工場溶接および現場溶接の生産性向上を目的に、高能率溶接法の適用と完全溶込み溶接継手の狭開先化の研究に取り組んでおります。また、特に現場溶接作業者の高齢化や若年層の不足による現場溶接作業者の減少への対応として、小型可搬型溶接ロボットの適用拡大について研究を進めております。③ 溶断技術に関する研究 工場製作における厚板鋼材の切断はガス切断にて溶断しております。このガス切断工程の生産性向上とカーボンニュートラルへの対応として、切断速度のアップと溶断時のCO2排出量の大幅削減ができる水素ガス切断について検討し、適用開始しております。 (2)新材料・新素材に関する研究開発 FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を実施しました。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、歩道拡幅用床版や歩道橋用の取替床版、鉄道用の壁高欄、道路橋用の壁高欄型枠を実用化し、さらなる構造改善や常設足場などへの用途の拡大を図っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震などで生じた橋梁の段差を、道路啓開時に車両の通行を可能とする渡し板「F-Deck」は、他の道路管理者への拡販を図るとともに、緊急輸送時にも対応できる新たな商品「ダンパスデッキ」を阪神高速技術株式会社と共同で開発しました。さらに、西日本高速道路株式会社と共同開発したFRP伸縮装置は適用性に関する基礎試験、試験施工を終え、商品化のための検討をしております。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 鋼・コンクリート合成構造に関する技術検討中小規模の架け替えのための合成床版橋「QS Bridge」および鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」について、コスト削減のための構造・製作および施工に関する合理化検討と、費用対効果と市場性の観点から今後の研究の方向性の検討を継続して進めております。② 腐食・防食に関する研究腐食・防食に関する研究を琉球大学と共同で実施しており、腐食した高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法を実験および解析の結果から検証しております。また、鋼橋の防食性能向上のためのFRPパネルによる多機能防食デッキの適用拡大のため、実験橋による実験結果から耐風設計法に関して研究を行っております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステムを用いた構造物の健全性診断技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。また、施工時の安全性・品質確保へのモニタリングシステムの適用を進めており、OSMOS(光学ストランドモニタリングシステム)の無線型センサーLIRISを用いた遠隔モニタリングのNEXCO西日本における大規模更新工事などでの適用実績の拡大と、新たな適用方法の開発を進めております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)、複合構造であるポータルラーメン橋の適用拡大等について検討を行っております。③ 環境配慮型の新製品や新技術の研究開発社会的要請であるカーボンニュートラルに資する環境配慮型のボルト関連製品や新製品を使用した新しい施工技術等の研究開発を行っております。④ インフラDXへの取り組み構造物の3次元モデルをツールとした設計や施工を行うBIM/CIMおよびドローンやレーザスキャナ、VR等を駆使したICT(情報通信技術)関連技術の導入や開発を推進するとともに、鋼構造物の製作工場および施工現場の生産性と安全性の向上を図り、働き方改革につなぐDX化の取り組みを行っております。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC業者、異種業者、補修業者との連携既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者、異種業者と連携し、共同で研究することにより、現在高速道路会社で計画されている鋼道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。また、今後本格化する補修・保全工事への対応に向け、補修業者と連携し、各種の課題に取り組んでおります。② 送り出し工法の合理化に関する研究当社グループで請け負う鋼桁架設工事は鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、送り出し架設工法が多く採用され、限られた時間内で安全かつ急速に鋼桁を送り出すことが求められております。社会のニーズに応えるため、当社戦略機材である「ジャッキ装置付全輪駆動式高速台車」を活用することで、急速送り出し架設を実現しており、かつ送り出し架設の照査業務効率化と解析精度の向上を目的とした照査ソフトの改良にも取り組んでおります。今後もさらなる改善を行い、より安全な施工を目指してまいります。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野では大空間構造物である大屋根鉄骨建方工事を数多く手掛けています。今般、非対称な大屋根鉄骨ブロックの建方作業の効率化を図るため、遠隔操作で安全かつ迅速に吊上げ形状調整が可能となる玉掛装置を開発いたしました。安全性等の検証のため実物大試験を実施し、現在、難易度の高い大規模開閉ドーム鉄骨建方工事において、本装置を活用し、高所作業の効率化および安全性の向上に貢献しております。また全長600mにも及ぶ長大な発電施設を、当社が保有する特殊機材を活用した「多機能式移動ステージ工法」により、作業の効率化を実現して施工技術の有効性を実証しております。さらに今後も難易度の高い鋼構造物の建方工事に前向きに挑戦すると共に、先端技術を取り入れて、一歩進んだ施工技術を提供できるよう研究開発を推進いたします。④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究先に開発した、建築構造物の鉄骨コンクリート柱・壁および橋梁のコンクリート床版を大パネル形状で切断する完全無水式ワイヤーソーシステムを用いた「M-SRシステム」により、実橋梁のコンクリート床版を粉塵や廃水を出さずに高効率に大型パネル形状での切断撤去工事を実施し、その有効性を実証しております。さらに橋面上への影響を最少とした新工法のM-SRシステムについても、実証実験を終え高速道路床版更新時の床版撤去工事に適用すべく、更新工事に適用した効率的な急速施工の実現に向けて取り組んでおります。⑤ 災害復旧に関する取り組み近年、日本各地で大規模地震や異常気象に伴う豪雨などの自然災害が頻発しています。災害発生時にまず求められるのは啓開(応急復旧の前に支援ルートを確保するために道を切り開くこと)であり、大型工事車両・重機を必要としない、簡易的かつ軽量で施工性に優れる応急復旧橋およびFRP覆工板の開発を検討しております。今後も有事の際には、早期のインフラ復旧に貢献するように取り組んでまいります。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は41百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 大規模更新・保全事業に関する研究高速道路各社において需要が高まっている床版の取り替え、拡幅、架け替え工事を対象として、プレキャストPC床版の現場継手の開発を継続して進めております。また、腐食・損傷した鋼部材の補修工法に関する研究を継続して実施しております。② 橋梁の耐風設計に関する研究従来は風洞試験により耐風性検討を行ってまいりましたが、風洞試験を補完する手法として期待される数値流体解析を橋梁に適用するための調査・研究を継続して実施しております。③ モニタリングシステムの開発点検・診断業務、保全工事で必要とされる変形や振動の計測を効率的に行うことを目的として、無線技術を活用したシンプルなモニタリングシステムの開発を行っています。 (2)新製品・新技術に関する研究開発① 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。② 生産性、安全性向上に資するi-Construction技術に関する研究国土交通省が推進するi-Constructionに関連して、ICT(情報通信技術)を活用した生産性、安全性向上に向けた要素技術の開発、試行、検証に取り組んでおります。③ 耐震補強工事に関する研究従来、建築・機械分野で用いられている慣性接続要素について、長大橋他の耐震補強工事に適用するための実用化研究を継続して実施しております。
FY2021|3,935 文字
5【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の生産・技術部、建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は211百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は137百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する工事が相次いで発注されており、これに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。② 工場溶接技術に関する研究 工場溶接工程の生産性向上を目的に、完全溶込み溶接継手の狭開先化について研究を行い、標準化し、実施工に適用しております。今後も、さらなる狭開先化を目指して研究を進めてまいります。また、高能率溶接法の適用の研究にも取り組んでおります。③ 現場溶接技術に関する研究 橋梁の現場溶接においては、これまでに多くの実験を重ね、現場溶接の新技術を開発してきました。現場溶接適用継手が多様化するなか、溶接品質の確保と施工性の向上に向けた研究を継続しております。 (2)新材料・新素材に関する研究開発 FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を実施しました。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、歩道拡幅用床版や、鉄道用の壁高欄、道路橋用の壁高欄型枠を実用化し、さらなる構造改善や常設足場などへの用途の拡大を図っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震などで生じた橋梁の段差を、道路啓開時に車両の通行を可能とする渡し板「F-Deck」は、他の道路管理者への拡販を図るとともに、緊急輸送時にも対応できる新たな商品「ダンパスデッキ」を阪神高速技術株式会社と共同で開発しました。さらに、西日本高速道路株式会社と共同開発したFRP伸縮装置は適用性に関する基礎試験を終え、実施工・商品化のための検討をしております。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 鋼・コンクリート合成構造に関する技術検討中小規模の架け替えのための合成床版橋「QS Bridge」および鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」について、継続して構造・製作および施工に関する合理化、コスト削減のための改良の検討を進めると同時に、費用対効果と市場性の観点から今後の研究の方向性を継続して検討しております。② 腐食・防食に関する研究腐食・防食に関する研究を琉球大学と共同で実施しており、腐食した高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法の実験および解析による検討を進めております。また、鋼橋の防食性能向上のためのFRPパネルによる多機能防食デッキの開発のための基礎実験を開始しております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステム等の診断技術、耐荷力評価技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。また、施工時の安全性・品質確保へのモニタリングシステムの適用検討を進めており、OSMOS(光学ストランドモニタリングシステム)の無線型センサーLIRISを用いた遠隔モニタリングの大規模更新工事等への適用実績を増やし、より有効活用が進むよう検討を継続しております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)、複合構造であるポータルラーメン橋の適用拡大等について検討を行っております。③ i-Constructionへの取り組み構造物の3次元モデルをツールとした設計や施工を行うBIM/CIMおよびドローンやレーザースキャナー、VR等を駆使したICT(情報通信技術)関連技術の導入や開発を推進するとともに、鋼構造物の製作工場および施工現場の生産性と安全性の向上を目的としたi-Constructionへの取り組みを行っております。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC業者、補修業者との連携既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者と連携し、共同で研究することにより、現在高速道路会社で計画されている鋼道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。また、今後本格化する補修・保全工事への対応に向け、補修業者と連携し、各種の課題に取り組んでおります。② 送り出し工法の合理化に関する研究当社グループで請け負う桁架設工事は鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、送り出し架設工法が多く採用され限られた時間内で安全かつ高速に鋼桁を送り出すことが求められております。社会のニーズにこたえるため、北陸新幹線の鋼桁架設工事では、ここ数年をかけて新開発した「ジャッキ装置付全輪駆動式高速台車」をフル活用し、1夜間(高速自動車道全面通行止め間合い)で移動量123mの急速送り出しを実施し、新型高速台車の有効性を実証いたしました。今後は適用工事範囲を増やし、さらなる改善を行いより安全な急速施工を目指してまいります。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野では大空間構造物である大屋根鉄骨建方工事を数多く手掛けています。今般、非対称な大屋根鉄骨ブロックの建方作業の効率化を図るため、遠隔操作で安全かつ迅速に吊上げ形状調整が可能となる玉掛装置を開発いたしました。安全性等の検証のため実物大試験を実施し、現在、難易度の高い大規模開閉ドーム鉄骨建方工事において、本装置を活用し、高所作業の効率化および安全性の向上に貢献しております。また全長600mにも及ぶ長大な発電施設を、当社が保有する特殊機材を活用した「多機能式移動ステージ工法」を提案し、作業の効率化を実現して施工技術の有効性を実証しております。更に今後は難易度の高い鋼構造物の建方工事に前向きに挑戦すると共に、先端技術を取り入れて、一歩進んだ施工技術を提供できるよう研究開発を推進いたします。④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究先に開発した、建築構造物の鉄骨コンクリート柱・壁および橋梁のコンクリート床版を大パネル形状で切断する完全無水式ワイヤーソーシステムを用いた「M-SRシステム」により、実橋梁のコンクリート床版を粉塵や廃水を出さずに高効率に大型パネル形状での切断撤去工事を実施し、その有効性を実証しております。更に橋面上への影響を最少とした新工法のM-SRシステムについても、実証実験を終え高速道路床版更新時の床版撤去工事に適用すべく、同システムの検証と改良を進めており、今期中に更新工事に適用し効率的な急速施工の実現に向けて取り組んでまいります。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は73百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 大型起振機による実橋での加振試験今後、新たに設計・建設される斜張橋の減衰特性、耐風安定性の評価に関する知見を深めるために、東北地整/気仙沼湾横断橋にてエム・エム ブリッジ株式会社が保有する大型起振機を用いて加振試験を実施しております。加振試験と並行して、試験に対応する解析を実施し、試験の有効性を確認し、長大橋に対する知見を蓄積しております。また、加振試験や橋梁の動態観測での活用を目指して、無線技術を用いたシンプルなモニタリングシステムの開発を実施しております。② 大規模更新・保全事業に関する研究高速道路各社において需要が高まっている床版の取り替え、拡幅、架け替え工事を対象として、プレキャストPC床版の現場継手の開発を進めており、構造試験を実施しております。また、腐食・損傷した鋼部材の補修工法に関する研究を継続して実施しております。③ 橋梁の耐風設計に関する研究超小型模型でかつ、信頼性のある耐風検討を実現することが可能な簡易風洞実験ツール(S-VFD)を活用するなど、数値流体解析について、橋梁への適用を継続して検討しております。 (2)新製品・新技術に関する研究開発① 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。② 生産性、安全性向上に資するi-Construction技術に関する研究国土交通省が推進するi-ConstructionによるICT技術を活用した生産性、安全性向上に向けた適切な要素技術の開発、試行、検証に取り組んでおります。③ 耐震補強工事に関する研究従来、建築・機械分野で用いられている慣性接続要素について、長大橋耐震補強工事に適用するための実用化研究を東北大学他と共同で実施しております。
FY2020|3,888 文字
5【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の生産・技術部、建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は134百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は87百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する計画が相次いで公表されており、これに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。② 工場溶接技術に関する研究 工場溶接工程の生産性向上を目的に、完全溶込み溶接継手の開先形状の狭開先化、ならびに高能率溶接法の適用の研究に取り組んでおります。③ 現場溶接技術に関する研究 橋梁の現場溶接においては、これまでに多くの実験を重ね、現場溶接の新技術を開発してきました。現場溶接適用継手が多様化するなか、溶接品質の確保と施工性の向上に向けた研究を継続しております。 (2)新材料・新素材に関する研究開発 FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を目指して継続的に実験、調査を実施しております。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、歩道拡幅用床版や、鉄道用の壁高欄、防風柵を実用化し、さらなる構造改善や常設足場などへの用途の拡大を図っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震などで生じた橋梁の段差を、道路啓開時に車両の通行を可能とする渡し板「F-Deck」は、他の道路管理者への拡販を図るとともに、緊急輸送時にも対応できる新たな商品「ダンパスデッキ」の開発を阪神高速技術株式会社と共同で進めております。さらに、西日本高速道路株式会社と共同開発したFRP伸縮装置は適用性に関する基礎試験を完了し、商品化のための検討をしております。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 鋼・コンクリート合成構造に関する技術検討中小規模の架け替えのための合成床版橋「QS Bridge」および鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」について、継続して構造・製作および施工に関する合理化、コスト削減のための改良の検討を進めると同時に、費用対効果と市場性の観点から今後の研究の方向性を継続して検討しております。② 腐食・防食に関する研究腐食・防食に関する研究を琉球大学と共同で実施しており、腐食した高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法の実験および解析による検討を進めております。また、鋼橋の防食性能向上のためのFRPパネルによる多機能防食デッキの開発のための基礎実験を開始しております。③ 溶接継手の非破壊検査に関する研究橋梁の完全溶込み溶接継手の超音波探傷検査に関する研究であり、溶接欠陥を挿入した試験体を用いて超音波自動探傷における溶接欠陥の検出性能の評価、適切な判定方法の検討を非破壊検査会社と共同で進めております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステム等の診断技術、耐荷力評価技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。また、施工時の安全性・品質確保へのモニタリングシステムの適用検討を進めており、OSMOS(光学ストランドモニタリングシステム)の無線型センサーLIRISを用いた遠隔モニタリングの適用実績を増やして有効性と有効活用に関する適用を進めております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)、複合構造であるポータルラーメン橋の適用拡大等について検討を行っております。また、エム・エム ブリッジ株式会社との高速道路のオーバーブリッジにおけるロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関してする共同研究は、合理的な補強構造と適用条件について検討を継続しております。東日本旅客鉄道株式会社の工程短縮を目的としたバラスト撤去低減可能な工事桁(斜めウェブ工事桁)の開発は、実橋への適用のための設計手法及び構造詳細の実験を含めた検討を実施しております。③ i-Constructionへの取り組み構造物の3次元モデルをツールとした設計や施工を行うBIM/CIMおよびドローンやレーザースキャナー、VR等を駆使したICT(情報通信技術)関連技術の導入や開発を推進するとともに、鋼構造物の製作工場および施工現場の生産性と安全性の向上を目的としたi-Constructionへの取り組みを行っております。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC業者、補修業者との連携既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者と連携し、共同で研究することにより、現在高速道路会社で計画されている鋼道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。また、今後本格化する補修・保全工事への対応に向け、補修業者と連携し、各種の課題に取り組んでおります。② 送り出し工法の合理化に関する研究当社で請け負う桁架設工事は鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、送り出し架設工法が多く採用され、限られた時間内で安全に高速で鋼桁を送り出すことが求められております。これらの社会のニーズに応えるため、ここ数年をかけ新開発した「ジャッキ装置付全輪駆動式高速台車」をフル活用した、高速道路を跨ぐ支間100m級の長支間橋梁急速施工工事の詳細架設計画を進めており、今期中の実施工を予定しております。今後は適用工事範囲を増やし、さらなる効果の検証・改善を行いながら、より安全な急速施工を目指してまいります。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野で得意としている競技場大屋根鉄骨などの大空間構造物の建方について、総鋼重7000t級の大屋根をリフトアップ工法にて施工し工法の妥当性を検証することができました。また全長600mにも及ぶ長大な建屋を移動ステージ工法により最少設備を駆使して短工期で施工し、施工技術の有効性を実証しております。今後は実工事においてさらなる改良を加えながら、常に一歩進んだ技術を提供できるよう研究してまいります。④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究先に開発した、建築構造物のコンクリート柱・壁や橋梁のコンクリート床版を切断する完全無水式ワイヤーソーシステムを応用した「M-SRシステム」により、実橋梁のコンクリート床版を粉塵や廃水を出さずに高効率に切断撤去工事を実施しその有効性を実証しております。橋面上への影響を最少とした新型のM-SRについても実証実験を終え、高速道路における床版更新時の床版撤去工事に適用すべく、同システムの検証と改良を進めています。今後は、実施工事に交通規制を最少にした高効率なシステムとなるよう、改良研究・開発に取り組んでおります。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は47百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 大規模更新・保全事業に関する研究高速道路各社において需要が高まっている床版の取り替え、拡幅、架け替え工事を対象として、床版取り替えならびに壁高欄撤去時の作業の効率化・省力化と交通規制の影響を最小化するための施工方法、機材等の開発、実証試験を実施しております。また、腐食・損傷した鋼部材の補修工法に関する研究を実施しております。② 橋梁の耐風設計に関する研究超小型模型でかつ、信頼性のある耐風検討を実現することが可能な簡易風洞実験ツール(S-VFD)を活用するなど、数値流体解析について、橋梁への適用を継続して検討しております。 (2)新製品・新技術に関する研究開発① 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。② 生産性、安全性向上に資するi-Construction技術に関する研究国土交通省が推進するi-ConstructionによるICT技術を活用した生産性、安全性向上に向けた適切な要素技術の開発、試行、検証に取り組んでおります。③ 耐震補強工事に関する研究従来、建築・機械分野で用いられている慣性接続要素について、長大橋耐震補強工事に適用するための実用化研究を東北大学他と共同で実施しています。④ 複合・合成構造の研究開発1.宮地エンジニアリング の項でも記載のとおり、ロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関する共同研究を実施しております。
FY2019|4,052 文字
5【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の生産・技術部、建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は110百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は69百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する計画が相次いで公表されており、これに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。② 工場溶接技術に関する研究 工場溶接工程の生産性向上を目的に、完全溶込み溶接継手の開先形状の狭開先化に取り組んでおります。③ 現場溶接技術に関する研究 橋梁の現場溶接においては、これまでに多くの実験を重ね、現場溶接の新技術を開発してきました。現場溶接適用継手が多様化するなか、溶接品質の確保と施工性の向上に向けた研究を継続しております。 (2)新材料・新素材に関する研究開発① FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を目指して継続的に実験、調査を実施しております。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、歩道拡幅用床版や、鉄道用の壁高欄、防風柵を実用化し、さらなる構造改善を図っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震などで生じた橋梁の段差を、道路啓開時に車両の通行を可能とする渡し板「F-Deck」は、他の道路管理者への拡販を図るとともに、緊急輸送時にも対応できる新たな商品開発も進めております。さらに、FRP伸縮装置、スマートカバー(FRP飛来塩分防護板)についても、大学等との共同研究として要素試験、載荷試験を継続的に実施しており、早期の商品化を目指しております。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 合成床版橋「QS Bridge」に関する技術検討合成床版橋「QS Bridge」については、今後増加する市町村などの中小規模の架け替え需要を目標として、他の構造形式に対してコスト品質において優位性を持たせるため、継続して構造・製作および施工に関する合理化、コスト削減のための改良の検討を進めております。② 鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」に関する技術検討橋梁床版の現場施工を簡易化するために鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」は、継続して施工性、経済性の向上のための構造の合理化と製作コストの縮減検討を行ってまいりましたが、構造的にコスト低減に限界があり他社との競争力が低く、コンクリート充填確認等の品質確保のための非破壊検査方法の開発費用の増大も考えられるため、費用対効果と市場性の観点から今後の研究の方向性を継続して検討しております。③ 高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法に関する研究老朽化が進む鋼橋において、簡易的な維持管理手法の構築が社会的ニーズとなっており、腐食損傷を受けた鋼橋の強度評価が求められています。このため、琉球大学と共同で、腐食が著しい高力ボルト摩擦接合継手の腐食状態と残存すべり耐力に関する研究を進めています。現在までに、「高力ボルトの腐食減肉と残存軸力の評価法」及び「連結板の腐食減肉とすべり耐力の評価法」を提案しております。今後は、腐食した高力ボルト摩擦接合継手の総合的な耐力診断手法を検討してまいります。④ 溶接継手の非破壊検査に関する研究橋梁の完全溶込み溶接継手の超音波探傷検査に関する研究であり、溶接欠陥を挿入した試験体を用いて超音波自動探傷における溶接欠陥の検出性能の評価、適切な判定方法の検討を非破壊検査会社と共同で進めております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステム等の診断技術、耐荷力評価技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。特に光ファイバーを用いた経時モニタリングシステムの既設構造物の延命化技術としての適用検討を継続して進めております。OSMOS(光学ストランドモニタリングシステム)の無線型センサーLIRISを用いて、架設時の安全管理のための傾斜モニタリング、補修工事における架設時品質管理と補修効果評価のための変位モニタリングを実施し、モニタリングの有効性の検証と有効活用に関する検討を実施しております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)について、実際に同構造形式の受注を想定して設計手法の改良を継続しております。また、複合構造であるポータルラーメン橋についても中小規模の橋梁への適用拡大について検討を行っております。また、エム・エム ブリッジ株式会社とともに参画した、高速道路のオーバーブリッジにおけるロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関する高速道路総合技術研究所との共同研究は、載荷試験結果に基づくFEM解析による検討を実施し、補強効果について定性的・定量的な評価を実施しております。さらに、東日本旅客鉄道株式会社の工程短縮を目的としたバラスト撤去低減可能な工事桁の開発に参画し、FEM解析を用いた最適な断面検討と載荷実験による性能評価を実施しており、その成果として共同で特許を出願しております。③ i-Constructionへの取り組み構造物の3次元モデルをツールとした設計や施工を行うBIM/CIMおよびドローンやレーザースキャナー、VR等を駆使したICT(情報通信技術)関連技術の導入や開発を推進するとともに、鋼構造物の製作工場および施工現場の生産性と安全性の向上を目的としたi-Constructionへの取り組みを行っております。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC業者、補修業者との連携既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者と連携し、共同で研究することにより、現在高速道路会社で計画されている鋼道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。また、今後本格化する補修・保全工事への対応に向け、補修業者と連携し、各種の課題に取り組んでおります。② 送り出し工法の合理化に関する研究当社で請け負う桁架設工事は鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、送り出し架設工法が多く採用され、限られた時間内で安全に高速で鋼桁を送り出すことが求められております。これらの社会のニーズにこたえるため、ここ数年をかけ新開発した「ジャッキ装置付全輪駆動式高速台車」を実工事でフル活用し、その有効性を実証しており、今後は適用工事範囲を増やし、さらなる効果の検証・改善を行いながら、より安全な急速施工を目指してまいります。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野で得意としている競技場大屋根鉄骨やビル鉄骨のメガトラスなどの大空間構造物の建方について、リフトアップ工法や移動ステージによるスライド工法を用いた施工を実施し、その有効性を実証しております。今後は実工事において更なる改良を加えながら、常に一歩進んだ技術を提供できるよう研究してまいります。④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究先に開発した、建築構造物のコンクリート柱・壁や橋梁のコンクリート床版を切断する完全無水式ワイヤーソーシステムを応用した「M-SRシステム」により、実橋梁のコンクリート床版を粉塵や廃水を出さずに高効率に切断撤去工事を実施しその有効性を実証しております。今後、急増すると思われる高速道路における床版更新時の床版撤去工事に適用すべく、同システムのさらなる改良に着手し、交通規制を最小にした高効率なシステムとなる様、改良研究・開発に取り組んでおります。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は41百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 保全工事生産性向上のための研究高速道路各社において実施される床版の掛け替え工事を対象として、各種施工方法、機材等を選定して実施試験を行い、施工方法、施工時間他の検証をしております。② 橋梁の耐風設計に関する研究建築分野他での活用が広がっている数値流体解析について橋梁への適用を検討しております。 (2)新製品・新技術に関する研究開発① i-Constructionへの取組現地調査での活用が期待出来る写真測量技術、付属物取付のマーキング時等に活用が期待できるMR(複合現実)技術他の生産性向上につながると考えられるICT技術の橋梁への適用について調査・検証を実施しております。② 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。③ 複合・合成構造の研究開発1.宮地エンジニアリング の項でも記載のとおり、ロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関する共同研究を実施しております。
FY2018|3,878 文字
5【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の生産・技術部、建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は1億12百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は58百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する計画が相次いで公表されており、これに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。② 現場溶接技術に関する研究 橋梁の現場溶接においては、これまでに多くの実験を重ね、現場溶接の新技術を開発してきました。現場溶接適用継手が多様化するなか、溶接品質の確保と施工性の向上に向けた研究を継続しております。 (2)新材料・新素材に関する研究開発① 新素材の施工性・耐久性の検討高機能鋼材の実工事への適用に関する基礎的研究であり、現在は過去の研究に加え、より厚い高機能鋼材を対象に溶接施工性等の基礎的研究を継続しております。② FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を目指して継続的に実験、調査を実施しております。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、鉄道用の壁高欄、防風柵を実用化し、さらなる構造改善を図っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震などで生じた橋梁の段差を、道路啓開時に車両の通行を可能とする渡し板「F-Deck」は、他の道路管理者への拡販を図るとともに、緊急輸送時にも対応できる新たな商品開発も進めております。さらに、FRP伸縮装置、スマートカバー(FRP飛来塩分防護板)についても、大学等との共同研究として要素試験、載荷試験を継続的に実施しており、早期の商品化を目指しております。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 合成床版橋「QS Bridge」に関する技術検討合成床版橋「QS Bridge」については、今後増加する市町村などの中小規模の架け替え需要を目標として、他の構造形式に対してコスト品質において優位性を持たせるため、継続して構造・製作および施工に関する合理化、コスト削減のための改良の検討を進めております。② 鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」に関する技術検討橋梁床版の現場施工を簡易化するために鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」は、継続して施工性、経済性の向上のための構造の合理化と製作コストの縮減検討を行って参りましたが、構造的にコスト低減に限界があり他社との競争力が低く、コンクリート充填確認等の品質確保のための非破壊検査方法の開発費用の増大も考えられるため、費用対効果と市場性の観点から今後の研究の方向性を検討しております。③ 高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法に関する研究老朽化が進む鋼橋において、簡易的な維持管理手法の構築が社会的ニーズとなっており、腐食損傷を受けた鋼橋の強度評価が求められています。このため、琉球大学と共同で、腐食が著しい高力ボルト摩擦接合継手の腐食状態と残存すべり耐力に関する研究を進めています。現在は、添接板の腐食減厚分布がすべり耐力へ及ぼす影響について、すべり試験やFEM解析により検証を進めております。④ 溶接継手の非破壊検査に関する研究橋梁の完全溶込み溶接継手の超音波探傷検査に関する研究であり、溶接欠陥を挿入した試験体を用いて超音波自動探傷における溶接欠陥の検出性能の評価、適切な判定方法の検討を非破壊検査会社と共同で進めております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステム等の診断技術、耐荷力評価技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。特に光ファイバーを用いた経時モニタリングシステムの既設構造物の延命化技術としての適用検討を継続して進めております。さらに、i-Constructionへの適用として、架設時の安全性確保のためのモニタリングシステムを開発対象として、ICTを用いた無線センサー等の有効活用に関する研究を開始しております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)について、実際に同構造形式の受注を想定して設計手法の改良を継続しております。また、複合構造であるポータルラーメン橋について、構造と設計の合理化に関する日本橋梁建設協会と土木研究所との共同研究成果から、中小規模の橋梁への適用拡大について検討を行っております。また、エム・エム ブリッジ株式会社とともに参画した、高速道路のオーバーブリッジにおけるロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関する高速道路総合技術研究所との共同研究は、補強構造の検討と載荷試験が完了し、補強構造の合理化、設計方法の提案について研究を進めております。さらに、東日本旅客鉄道株式会社の工程短縮を目的としたバラスト撤去低減可能な工事桁の開発に参画し、FEM解析を用いた最適な断面検討と載荷実験による性能評価を実施しており、その成果として共同で特許を出願しております。③ i-Constructionへの取り組み構造物の3次元モデルをツールとした設計や施工を行うCIMおよびドローンやレーザースキャナー等を駆使したICT(情報通信技術)関連技術の導入や開発を推進するとともに、鋼構造物の製作工場および施工現場の生産性と安全性の向上を目的としたi-Constructionへの取り組みを行っております。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC業者、補修業者との連携既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者と連携し、共同で研究することにより、現在高速道路会社で計画されている鋼道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。また、今後本格化する補修・保全工事への対応に向け、補修業者と連携し、各種の課題に取り組んでおります。② 送り出し工法の合理化に関する研究鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、限られた時間内で安全に鋼桁を送り出すためのジャッキ装置付重量台車を開発し、この台車を用いて送り出し時の反力を自動計測・調整するシステムを実工事に適応し大きな成果をあげてきました。これまでの成果と反省点を踏まえ、より安全性と施工の高速化を両立させた「全輪駆動式高速台車」を新規開発し実用化に成功しました。今後は、効果の検証・改善を行いながら、より安全な急速施工を目指しております。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野で得意としている競技場大屋根鉄骨やビル鉄骨のメガトラスなどの大空間構造物の建方について、以前より取り組んできたリフトアップ工法や移動ステージによるスライド工法を実工事において改良を加えながら、常に一歩進んだ技術を提供できるよう研究しております。④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究先に開発した、建築構造物のコンクリート柱・壁や橋梁のコンクリート床版を切断する完全無水式ワイヤーソーシステムを進化させ、橋梁のコンクリート床版を粉塵や廃水を出さずに高効率に短時間で切断撤去する「M-SRシステム」を開発しました。すでに試験施工も完了し、今期は実工事で実績を積み上げ、改善改良を加え、環境にやさしい時代にマッチした実用性の高いシステムに成長させていきます。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は54百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 大規模更新に関する研究鋼桁架け替え時の運搬装置の開発に関する研究を高速道路会社他と共同で前年度から引き続き実施しております。② 耐候性鋼材に関する研究ライフサイクルコスト縮減の観点から採用が増えている耐候性鋼材を用いた橋梁に対して、保護性さびの早期生成技術とさび評価技術に関する研究を実施しております。③ 補修工事用機材の開発改築・補修工事での効率化のための機材の開発や工法の検討を進めております。 (2)新製品・新技術に関する研究開発① 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。② 複合・合成構造の研究開発1.宮地エンジニアリング の項でも記載のとおり、ロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関する共同研究を実施しております。
FY2017|4,179 文字
6【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社技術本部、計画本部および千葉工場技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の生産・技術部、建設部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は92百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は54百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する計画が相次いで公表されております。特に首都高速道路株式会社では2020年東京オリンピック・パラリンピック大会開催に向けて急ピッチで大規模更新工事が本格化するものと予想されます。これに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。特に大学と民間企業11社で構成される「取替用高性能鋼床版パネル開発研究会」の活動にエム・エム ブリッジ株式会社とともに参画し、研究成果として特許を取得すると共に、実橋梁への適用の検討を進めております。② 現場溶接技術に関する研究 橋梁の現場溶接においては、これまでに多くの実験を重ね、現場溶接の新技術を開発してきました。現場溶接適用継手が多様化するなか、溶接品質の確保と施工性の向上に向けた研究を継続しております。③ 建築構造物の製作に関する研究 宮地エンジニアリング株式会社千葉工場は、Hグレード製作工場として、国土交通大臣認定を取得し、建築構造物の製作を行っております。本研究は、建築構造物の品質向上と製作コスト縮減に向けた製作技術の研究であります。 (2)新材料・新素材に関する研究開発① 新素材の施工性・耐久性の検討高機能鋼材の実工事への適用に関する基礎的研究であり、現在は過去の研究に加え、より厚い高機能鋼材を対象に溶接施工性等の基礎的研究を継続しております。② FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化や長支間化を目指して継続的に実験、調査を実施しております。「FRP合成床版」の材料技術を生かした新たな商品として、鉄道用の壁高欄、防風柵を実用化し、さらなる構造改善を図っております。また、首都高速道路株式会社と共同で開発した、地震時に生じた橋梁の段差を、車両の通行が可能となる渡し板「F-Deck」は、他の道路管理者への拡販を図っております。さらに、FRP伸縮装置、スマートカバー(FRP飛来塩分防護板)についても、大学等との共同研究として要素試験、載荷試験を継続的に実施しており、早期の商品化を目指しております。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 合成床版橋「QS Bridge」に関する技術検討合成床版橋「QS Bridge」については、今後増加する市町村などの中小規模の架け替え需要を目標として、他の構造形式に対してコスト品質において優位性を持たせるため、構造・製作および施工に関する合理化、改良の検討を進めております。② 鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」に関する技術検討橋梁床版の現場施工を簡易化するために鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」は、引き続き施工性、経済性の向上のための構造の合理化と製作コストの縮減検討とコンクリート充填確認等の品質確保のための非破壊検査方法の確実性向上を進めております。③ 高力ボルト摩擦接合継手の残存すべり耐力評価手法に関する研究老朽化が進む鋼橋において、簡易的な維持管理手法の構築が社会的ニーズとなっており、腐食損傷を受けた鋼橋の強度評価が求められています。このため、琉球大学と共同で、腐食が著しい高力ボルト摩擦接合継手の腐食状態と残存すべり耐力に関する研究を進めています。現在は、添接板の腐食減厚分布がすべり耐力へ及ぼす影響について、すべり試験やFEM解析により検証を進めております。④ 溶接継手の非破壊検査に関する研究橋梁の完全溶込み溶接継手の超音波探傷検査に関する研究であり、溶接欠陥を挿入した試験体を用いて超音波自動探傷における溶接欠陥の検出性能の評価、適切な判定方法の検討を非破壊検査会社と共同で進めております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステム等の診断技術、耐荷力評価技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。特に光ファイバーを用いた経時モニタリングシステムの既設構造物の延命化技術としての適用検討を進めており、道路管理者へのプレゼンテーションおよび土木学会の委員における研究活動への参加等から、道路管理者のニーズの反映とモニタリング結果の評価方法について検討を継続しております。さらに、無線センサー等の最新のシステムの採用について検討を進めております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)について、実際に同構造形式の受注を想定して設計手法の改良を継続しております。また、複合構造であるポータルラーメン橋について、構造と設計の合理化に関する日本橋梁建設協会と土木研究所との共同研究において接合部の耐力実験・解析を実施し、設計法の提案と、中小規模の橋梁への適用拡大について検討を行っております。さらに、本年度から、高速道路のオーバーブリッジにおけるロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関する高速道路総合技術研究所との共同研究にエム・エム ブリッジ株式会社とともに参画し、補強構造の検討と載荷試験による補強効果の検証を実施しております。③ i-Constructionへの取り組み構造物の3次元モデルをツールとした設計や施工を行うCIMおよびドローンやレーザースキャナー等を駆使したICT(情報通信技術)関連技術の導入や開発を推進するとともに、鋼構造物の製作工場および施工現場の生産性と安全性の向上を目的としたi-Constructionへの取り組みを行っております。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC業者との連携既設RC床版の更新技術、特に取り替え用プレキャストPC床版に関する技術(製品、施工)をPC業者と連携し、共同で研究することにより、現在高速道路会社で計画されている鋼道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。② 送り出し工法の合理化に関する研究鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、限られた時間内で安全に鋼桁を送り出すためのジャッキ装置付重量台車を開発し、この台車を用いて送り出し時の反力を自動計測・調整するシステムの開発・研究を進めてまいりました。現在、実工事に適用し、効果の検証・改善を行いながら、より安全な急速施工を目指しております。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野で得意としている競技場大屋根鉄骨やビル鉄骨のメガトラスなどの大空間構造物の建方について、以前より取り組んできたリフトアップ工法や移動ステージによるスライド工法を実工事において改良を加えながら、常に一歩進んだ技術を提供できるよう研究しております。④ 建築構造物およびコンクリート床版切断技術の研究建築構造物のコンクリート柱・壁や橋梁のコンクリート床版を切断する完全無水式ワイヤーソーシステムを新たに開発し、粉塵や廃水を出さず、さらに施工スピードをアップさせるべく試験施工を実施しながら、実用化につながるよう研究を進めております。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は38百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 大規模更新に関する研究都市内高速道路の床版の架け替えに関する技術の研究・開発に取り組み、1.宮地エンジニアリング の項でも記載のとおり、「取替用高性能鋼床版パネル開発研究会」の活動に参画して共同研究を実施し、実橋梁への適用の検討を進めております。また、鋼桁架け替え時の運搬装置の開発に関する研究を高速道路会社他と共同で実施しております。② 耐候性鋼材に関する研究ライフサイクルコスト縮減の観点から採用が増えている耐候性鋼材を用いた橋梁に対して、保護性さびの早期生成技術とさび評価技術に関する研究を実施しております。③ 鋼床版疲労き裂探傷に関する研究鋼床版Uリブ溶接部から生じる可能性のある疲労き裂の早期検出を目的として、フェーズドアレイ超音波探傷装置を用いた疲労き裂探傷に関する研究を実施しております。④ リベット交換に適用する特殊装置の開発トラス橋のような部材断面が小さい部材に対する補修・補強を目的としたリベット交換時に適用する特殊装置を開発し、実橋梁への適用を進めております。 (2)新製品・新技術に関する研究開発① 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証東亜建設工業株式会社と共同で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「海洋エネルギー発電システム実証研究」に採択された高効率波力発電システムの実証研究を実施しました。平成23年に研究に着手し、平成27年には山形県酒田港の護岸にて実証試験を実施しました。また、環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。② 複合・合成構造の研究開発1.宮地エンジニアリング の項でも記載のとおり、ロッキングピアの波形鋼板を用いた耐震補強に関する共同研究を実施しております。
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6【研究開発活動】当社グループは、主に橋梁工事の建設コスト縮減、品質向上、橋梁新製品開発および既設橋梁の維持管理、鋼構造物の生産技術、沿岸構造物の開発・実証に関連した研究開発活動を行っております。当社グループにおける研究開発活動は、連結子会社である宮地エンジニアリング株式会社千葉工場技術部および技術研究所、ならびにエム・エム ブリッジ株式会社の技術部が中心となり推進しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は80百万円となっており、セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりです。 1.宮地エンジニアリング 当連結会計年度における研究開発費は55百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術に関する研究① 大規模更新に関する研究高速道路各社において、大規模更新、大規模修繕に関する計画が相次いで公表されております。特に首都高速道路株式会社では2020年東京オリンピック・パラリンピック大会開催に向けて急ピッチで大規模更新工事が本格化するものと予想されます。これに貢献できる、老朽化した橋梁や床版の架け替えを短期間で可能とする技術の研究・開発に取り組んでおります。特に平成24年より、大学と民間企業11社で構成される「取替用高性能鋼床版パネル開発研究会」の活動にエム・エム ブリッジ株式会社とともに参画し、共同研究を実施しております。② 現場溶接技術に関する研究 橋梁の現場溶接においては、これまでに多くの実験を重ね、現場溶接の新技術を開発してきました。現場溶接適用継手が多様化するなか、溶接品質の確保と施工性の向上に向けた研究を継続しております。③ 建築構造物の製作に関する研究 宮地エンジニアリング株式会社千葉工場は、Hグレード製作工場として、国土交通大臣認定を取得し、建築構造物の製作を行っております。本研究は、建築構造物の品質向上と製作コスト縮減に向けた製作技術の研究であります。 (2)新材料・新素材に関する研究開発① 耐疲労性に優れた鋼材の疲労特性の研究新しく開発された耐疲労性に優れた鋼材の疲労強度の確認と、疲労強度をさらに向上させる手法を実工事に適用することを目的とした研究であります。既に大型試験体を用いて鋼材の疲労強度を確認し、超音波ピーニング法により引っ張り残留応力を低減することで耐疲労性が向上することを確認しており、実工事での実績を重ね、改良事項等の検証を進めております。② 新素材の施工性・耐久性の検討高機能鋼材の実工事への適用に関する基礎的研究であり、現在は過去の研究に加え、より厚い高機能鋼材を対象に溶接施工性等の基礎的研究を継続しております。③ FRPの橋梁構造物への適用に関する研究橋梁の計画的な維持管理の必要性から、今後市場の拡大が予測されるFRP検査路について、コスト削減のための構造の合理化と耐食性のさらなる向上を目指して継続的に実験、調査を実施しております。「FRP合成床版」の技術を生かした新たな商品として、FRP拡幅床版の研究開発を官学との共同研究により実施しており、実構造物への適用を実現するとともに,鉄道のホーム用床版としても実用化しました。また、首都高速道路株式会社と共同で、地震時に生じた橋梁の段差を、車両の通行が可能となる渡し板「F-Deck」を開発し、商品化を図っております。さらに、FRP伸縮装置、スマートカバー(FRP飛来塩分防護板)についても、大学等との共同研究として要素試験、載荷試験を継続的に実施しており、早期の商品化を目指しております。なお、これらの商品については、類似構造の発生防止のため構造に関する特許を取得いたしました。 (3)構造・強度・検査に関する研究開発① 合成床版橋「QS Bridge」に関する技術検討合成床版橋「QS Bridge」については、今後増加する市町村などの中小規模の架け替え需要を目標として、他の構造形式に対してコスト品質において優位性を持たせるため、構造・製作および施工に関する合理化、改良の検討を進めております。② 鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」に関する技術検討橋梁床版の現場施工を簡易化するために鋼・コンクリート合成床版「QS Slab」は、引き続き施工性、経済性の向上のための構造の合理化と製作コストの縮減検討とコンクリート充填確認等の品質確保のための非破壊検査方法の確実性向上を進めております。③ 腐食部材の非破壊検査および耐荷力・耐久性に関する研究実橋の余寿命評価に関する技術提案等に、残存板厚測定にレーザ変位計の適用した腐食鋼板の疲労強度評価法を適用するため、継続して実工事への試行準備を進めております。また、腐食した摩擦接合継手の強度を把握するため、大学と共同で、実橋の接合面の腐食状況計測、すべり試験による強度特性の評価を実施して研究を進めております。 (4)新製品・新技術に関する研究開発① 橋梁のモニタリングシステムの適用に関する検討既設構造物の延命化技術としてモニタリングシステム等の診断技術、耐荷力評価技術、補修・補強技術の開発、改良に取り組んでおります。特に光ファイバーを用いた経時モニタリングシステムの既設構造物の延命化技術としての適用検討を進めており、土木学会モニタリング小委員会への参加、国土交通省近畿地方整備局管内の有年橋での長期モニタリングを通じ、道路管理者のニーズの反映とモニタリング結果の評価方法について検討を継続しております。さらに、無線センサー等の最新のシステムの採用について検討を進めております。② 複合・合成構造の研究開発従来のCFT(コンクリート充填鋼管)と比較して耐荷力・靭性の向上が期待できるRCFT(鉄筋コンクリート充填鋼管)について、実際に同構造形式の受注を想定して設計手法の改良を継続しております。また、複合構造であるポータルラーメン橋について、構造と設計の合理化に関する日本橋梁建設協会と土木研究所との共同研究に参加し、中小規模の橋梁への適用拡大について検討を行っております。 (5)施工工法等に関わる研究、取り組み① PC橋との連携PC橋に関する技術を研究することにより、現在高速道路会社で計画されている道路橋の大規模改修事業に対応すべく、新工法等に取り組んでおります。② 送り出し工法の合理化に関する研究鉄道・道路を跨ぐ工事が多いことから、限られた時間内で安全に鋼桁を送り出すためのジャッキ装置付重量台車を開発し、この台車を用いて送り出し時の反力を自動計測・調整するシステムの開発・研究を進めてまいりました。現在、実工事に適用し、効果の検証・改善を行いながら、より安全な急速施工を目指しております。③ 建築分野における大空間鉄骨建方の研究当社グループの建築分野で得意としている競技場大屋根鉄骨やビル鉄骨のメガトラスなどの大空間構造物の建方について、以前より取り組んできたリフトアップ工法や移動ステージによる工法を実工事で改良を加えながら、常に一歩進んだ技術を提供できるよう研究しております。④ 建築構造物免震化工事の研究東日本大震災以降、加速する建築構造物の免震化工事に際し、以前より導入しているRC柱を切断する完全無水式ワイヤーソーの使用により、廃水・粉塵を出さない切断工法を実用化しており、また、OA機器による仮受けジャッキの荷重集中管理システムを用いて、安全施工を提供しております。 2.エム・エム ブリッジ 当連結会計年度における研究開発費は24百万円であり、主な研究開発の状況は以下のとおりであります。(1)施工技術・構造・材料・検査に関する研究開発① 大規模更新に関する研究都市内高速道路の床版の架け替えに関する技術の研究・開発に取り組み、1.宮地エンジニアリング の項でも記載のとおり、「取替用高性能鋼床版パネル開発研究会」の活動に参画し、共同研究を実施しております。② 耐候性鋼材に関する研究ライフサイクルコスト縮減の観点から採用が増えている耐候性鋼材を用いた橋梁に対して、保護性さびの早期生成技術とさび評価技術に関する研究を実施しております。③ 鋼床版疲労き裂探傷に関する研究鋼床版Uリブ溶接部から生じる可能性のある疲労き裂の早期検出を目的として、フェーズドアレイ超音波探傷装置を用いた疲労き裂探傷に関する研究を実施しております。 (2)新製品・新技術に関する研究開発 沿岸構造物・環境技術に関する研究・実証東亜建設工業株式会社と共同で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「海洋エネルギー発電システム実証研究」に採択された高効率波力発電システムの実証研究を実施しました。平成23年に研究に着手し、平成27年には山形県酒田港の護岸にて実証試験を実施しました。また、環境技術に対する研究開発として、微弱電流が流れる浮桟橋で活発に生息するサンゴの生態に注目し、サンゴの移植・増殖技術の研究を継続して実施しております。