事業の概要
- 多角的な事業展開帝国繊維グループは、帝国繊維株式会社を中心に、子会社4社と関連会社2社で構成されています。主に自社で開発・製造・輸入した製品を日本国内で卸売や直接販売しており、防災、繊維、不動産賃貸の3つの主要事業を展開しています。これにより、特定の市場に依存しない安定した収益基盤を構築しています。
- 防災事業が主力消防ホースや防災機器、救急救助器具、特殊車両の製造・販売が中心です。帝商株式会社やキンパイ商事株式会社が地域販売を担い、株式会社テイセンテクノが特殊車両の製造・保守を担当しています。社会の安全・安心に貢献する製品を提供し、公共機関や企業からの需要に応えています。
- 繊維製品と不動産賃貸麻や麻化合繊混紡製品、化合繊製品の製造・加工・販売も行っています。キンパイ商事株式会社が繊維製品の販売を、テイセン産業株式会社が重布や繊維製品の縫製・加工・販売を担っています。また、安定的な収益源として不動産賃貸事業も展開しており、多様な収益構造を持つことが特徴です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 防災事業帝国繊維グループの最大の収益源であり、売上高272.58億円、営業利益42.96億円を計上しています。各種消防ホース、防災機器、救急救助器具、CBRNE関連資機材、救助工作車などの製造・販売が主な事業内容です。社会の安全・安心を支える重要な役割を担っており、公共機関や企業からの安定した需要が特徴です。
- 繊維事業麻および麻化合繊混紡製品、化合繊製品の製造、加工、販売を行っており、売上高58.35億円、営業利益9.92億円を計上しています。キンパイ商事株式会社やテイセン産業株式会社が販売や縫製・加工を担っています。伝統的な繊維技術を活かしつつ、多様な製品を提供することで、市場ニーズに応えています。
- 不動産賃貸事業不動産の賃貸を行っており、売上高5.47億円、営業利益4.11億円を計上しています。これは、安定した収益をもたらす事業であり、グループ全体の財務基盤を支える一助となっています。保有不動産の有効活用を通じて、継続的な収益確保を目指しています。
2025-12 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DisasterPreventionAndPreparedness | 事業 | 273 | 43 | 15.8% |
| Textile | 事業 | 58 | 10 | 17.0% |
| RealEstate | 事業 | 5 | 4 | 75.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループは、帝国繊維㈱およびその子会社4社(うち連結子会社4社)および関連会社2社(うち1社が持分法適用会社)により構成され、主として帝国繊維㈱で開発、製造、輸入される製品を日本国内において、卸売並びに直接販売を行う事業グループであります。 当社グループの事業別に見た位置付けおよびセグメントとの関係は、次の通りであります。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 (防災事業) 当社は、各種消防ホースとその関連製品、防災機器・救急救助器具、探索機器・警報器具、CBRNE(化学・生物・放射能物質・核・爆発物)・危険物処理関連資機材および救助工作車・防災特殊車輌・空港用化学消防車などの製造、仕入、販売を行っております。帝商㈱およびキンパイ商事㈱は、当社の地域別販売会社として消防ホース・防災機器・救急救助器具・危険物処理関連資機材および救助工作車などの販売のほか、連結送水管などの点検業務を行っております。㈱テイセンテクノは、救助工作車・その他特殊車輌の製造および各種機器の製造、保守を行っております。(繊維事業) 当社は、主として麻および麻化合繊混紡製品・化合繊製品の製造、加工、販売を行っており、キンパイ商事㈱は、当社の販売会社として同繊維製品の販売を行っております。テイセン産業㈱は、重布、繊維製品の縫製、加工、販売を行っております。(不動産賃貸事業) 当社は、不動産の賃貸を行っております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次の通りであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 必要不可欠な幅広い商材の提供と高機能・高性能商材の提供により優位性を確保。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 消防ホースや防災特殊車両、高機能防護服などの独自の研究開発と内外の有力提携先との共同開発。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:品質クレーム・トラブルによる信用失墜と市場の喪失 / 法令違反等による処罰・訴訟・社会的制裁・信用失墜 / 消防等の予算・補助金の削減
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
帝国繊維は、特に高級インテリアファブリック分野で長年の歴史と高いブランド認知度を持つ。しかし、特許や独占的IPによる明確な競争優位性は限定的であり、ブランド力は主に品質とデザインへの信頼に依存している。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
高級インテリアファブリックやユニフォーム事業では、顧客(デザイナー、建築家、企業)との長年の取引関係や、特定のプロジェクトへの適合性から、一定のスイッチング・コストが存在する可能性がある。しかし、乗り換えによる損失が極めて大きいとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が事業の競争優位性に寄与する要素は見当たらない。製品の価値は個々の品質やデザインに依存し、ユーザー数の増加が直接的な価値向上に繋がる構造ではない。
コスト優位★☆☆☆☆
長年の経験に基づく生産ノウハウや、一部の素材調達における効率化の可能性はあるが、業界全体で構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。特に、高級品市場では品質やデザインが優先される傾向がある。
規模の経済★★☆☆☆
インテリアファブリックやユニフォーム分野において、一定の市場シェアと生産規模を持つ。しかし、グローバルな繊維業界全体で見ると、最適規模の少数寡占を形成しているとは言い難く、規模の経済による明確な優位性は限定的。
- 防災分野での高い専門性帝国繊維は、消防ホースや防災機器、救急救助器具、CBRNE関連資機材、救助工作車などの製造・販売において、長年の経験と技術を蓄積しています。これにより、高品質で信頼性の高い製品を提供し、防災・減災分野における確固たる地位を築いています。特に、救助工作車などの特殊車両製造能力は、他社との差別化要因となっています。
- 全国的な販売・保守ネットワーク帝商株式会社やキンパイ商事株式会社といった地域別販売会社を通じて、日本全国に製品を供給し、連結送水管などの点検業務も行っています。また、株式会社テイセンテクノによる特殊車両の製造・保守体制も整っており、製品販売後のアフターサービスまで一貫して対応できる強みがあります。これにより、顧客との長期的な関係構築を可能にしています。
- 多角的な事業ポートフォリオ防災事業を主力としつつも、麻製品を中心とした繊維事業や不動産賃貸事業も展開しています。これにより、特定の市場変動リスクを分散し、安定した経営基盤を維持しています。特に、防災事業は公共性の高い分野であり、安定した需要が見込まれるため、景気変動の影響を受けにくい特性も持ち合わせています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営環境 創業以来の繊維(麻)事業から業態転換を進めていた当社は、阪神淡路大震災を契機として、消防防災(官需防災)を顧客基盤とする防災事業へと一気に業態転換を図ることとなりました。また、東日本大震災以降は、国による国土強靭化政策をはじめとする防災関連政策の推進を背景に、原子力発電所の再稼働にあたりシビアアクシデントに対応する安全対策を必須とする電力会社向けや石油コンビナート施設を保有しBCPの観点から自主防災の強化に取り組む石油精製会社向けなど、民需防災事業への進出を果たし、さらにN.Y.同時多発テロ発生等によりセキュリティ対策が急務となった空港施設・航空会社を対象とするセキュリティ事業分野にも顧客基盤を拡げてまいりました。 この間、当社は2007年に創立100周年を迎え、2008年度以降、中期経営計画(3ヵ年計画)を策定し、収益力の持続的強化を目指し、グループ一丸となって中期経営計画に掲げるテーマに取り組んでまいりました。さらに、2023年には、10年に亘り取り組み、防災業界におけるリーディングカンパニーへの進化を目指す「テイセン未来創造計画」を策定いたしました。同計画は、「人を創る」「仕事を創る」「人と仕事を繋ぐ企業文化を創る」をテーマに掲げ、「防災のテイセン」としての未来を切り拓き、世界に通用する防災企業として、名実ともに社会及びステークホルダーの皆様から絶対的な信任を頂くことを目指してまいります。 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 2026年度からの2028年度における新中期経営計画「テイセン2028」では、第1フェーズである前中期経営計画「テイセン2025/未来への基盤づくり」での成果を土台に、当社グループが「成長・発展」に向かうための第2フェーズとして、 ≪先進的防災事業を確立し 安心安全な未来を創る≫ ことをミッションとして掲げ、その実現に向けた取組みを推進してまいります。 数値目標2028年度における連結営業利益水準58億円以上2028年度における連結経常利益水準70億円以上 新中期経営計画「テイセン2028」においては、テイセン未来創造計画の最終年度である2032年度に掲げた業績水準に到達するためにも、計画最終年度の2028年度において着実な進展を示す収益水準の達成を目指します。株主還元施策としては総還元性向50%水準を目指して運営してまいります。 また、これらの達成に向け、本計画では以下に掲げた戦略テーマの完遂を通じ、着実な収益拡大と企業価値の向上に取り組んでまいります。 1.市場創造と圧倒的市場競争力の確立 (1)自治体・コンビナート・原子力向け送排水ビジネスの拡大 (2)セキュリティビジネスのマーケット開拓 (3)次世代型防災特殊車輌マーケットの創造 (4)基盤事業(ホース・機材・車輌・消防被服)の拡大・発展 2.営業を支える下野・鹿沼両工場の革新 (1)「製造拠点」から「技術集約拠点」への脱皮 ・技術・開発機能の強化 ・コスト・品質管理機能の強化と定着 ・教育・訓練・実証実験等の機能を備えた施設の充実 3.アライアンスによる収益機会の創出 それぞれの戦略テーマの具体的な実行プランは以下の通りです。 1.市場創造と圧倒的市場競争力の確立 (1)自治体・コンビナート・原子力向け送排水ビジネスの拡大 前中期経営計画「テイセン2025」にて市場開拓を進めた送排水ビジネスについては、デモ等営業活動の徹底強化策が結実し、当社の取り扱う「ハイドロサブシステム」が、各分野における「防災・危機管理対応システム」として広く認知されつつあります。かかる状況を踏まえ、今後は特に多発化・激甚化・多様化する水害や山林火災への対処に向けた、国及び地方自治体に対する展開を加速するとともに、民間事業所におけるBCP対策等、更なる用途展開・拡販に向けても引き続き注力してまいります。 (2)セキュリティビジネスのマーケット開拓 前中期経営計画「テイセン2025」では、コロナ禍終息後のインバウンド拡大や、ロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスク増大をはじめとした社会不安を引き起こしている各種事件・事故が増加していることに加え、最近の人手不足対策の必要性からも、これまで以上に空港をはじめとした重要施設等において、高性能なセキュリティ機材のニーズが拡大し、マーケット開拓が着実に進展しております。今中計においても、鉄道や大規模集客施設等いわゆるソフトターゲットのテロ対策や、物流施設における盗難・不正などによる損失を防ぐ「ロスプリベンション」対策、データセンターなど高度なセキュリティが求められる施設等の需要に対し最新鋭の機材を提案することで、広範なセキュリティニーズを取り込み、セキュリティビジネスのマーケット開拓を鋭意進めてまいります。 (3)次世代型防災特殊車輌マーケットの創造 前中期経営計画「テイセン2025」においては、災害の多様化、技術革新及び省人化ニーズに対応し、新たな価値を提供する次世代型防災特殊車輌の企画・設計・開発・製造に取組んでまいりました。当社グループは、新中期経営計画においてもこの取組みを更に加速し、市場ニーズを踏まえつつ、防災の将来の在り方を見据えた新型車輌の開発や商材の充実に注力し、引き続きマーケット創出に邁進してまいります。 (4)基盤事業(ホース・機材・車輌・消防被服)の拡大・発展 消防ホース、防災資機材、防災車輌、消防被服事業はそれぞれ当社の基盤事業であり、消防防災分野全般においてのトップサプライヤーの地位を確たるものとするべく、市場ニーズや環境変化に対応した新製品・新商材の開発による市場の拡大・発展に努めてまいります。 2.営業を支える下野・鹿沼両工場の革新 前中期経営計画期間中、当社グループの生産拠点としての鹿沼・下野両工場においては、品質維持・向上と製造コスト低減を実現するため、「5S3定」等の基本に立ち返った工場品管の再構築に取組み、一定の成果を得ることができました。新中期経営計画では「コスト・品質管理機能の強化と定着」はもちろんのこと、技術・開発機能を徹底して強化し、「製造拠点」から「技術集約拠点」への脱皮を目指します。また、特に下野工場においては、消防関係者のみならず、防災に携わる広範なニーズに応え、様々な技術や情報を提供することが出来るよう、これまで以上に教育・訓練・実証実験等の機能を備えた施設の充実を図ってまいります。 3.アライアンスによる収益機会の創出 当社グループは、祖業である繊維事業についてはリネン(麻)および高機能な特殊繊維に絞り事業を継続しつつ、約30年前からは防災事業を中核に据えることで、収益力の強化と企業価値の向上に取組んでまいりました。「テイセン2028」においては防災分野のマーケットの開拓・拡大・深化による収益力強化に引き続き取り組んでいくとともに、テイセン未来創造計画の最終年、2032年度までには、更なる事業規模の拡大・収益基盤の充実を図るべく、アライアンス強化に向けた取組みを進めてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、3「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、当社経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が重要であると考えます。 ① 連結営業利益、連結経常利益 当社及び連結子会社の経営成績を把握する指標として、連結営業利益及び連結経常利益を重視しております。ただし、当社は大型案件の受注獲得有無及びその売上計上時期により業績が上下するため、単年度における利益額ではなく、3年程度の中期的なレンジでその水準を拡大させることを目指しております。「テイセン2028」では、「2028年度における連結営業利益水準58億円以上、連結経常利益水準70億円以上」を数値目標として掲げております。② 受注残 当社のビジネスは受注先行型であり、前期末の受注残が、翌期の売上の先行指標として有用であり、かかる指標を重視しています。また、各々の事業分野で、毎期確実かつ安定的に受注残を確保することを目指しております。③ 配当性向 利益配分につきましては、収益に応じた配当を行うことを基本としつつ、企業体質の一層の強化及び将来の事業展開に備えるための内部留保の充実を併せて図る方針としております。このような観点から、「テイセン2028」では、「総還元性向50%水準」を目指すことを利益配分方針として掲げております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営環境 創業以来の繊維(麻)事業から業態転換を進めていた当社は、阪神淡路大震災を契機として、消防防災(官需防災)を顧客基盤とする防災事業へと一気に業態転換を図ることとなりました。また、東日本大震災以降は、国による国土強靭化政策をはじめとする防災関連政策の推進を背景に、原子力発電所の再稼働にあたりシビアアクシデントに対応する安全対策を必須とする電力会社向けや石油コンビナート施設を保有しBCPの観点から自主防災の強化に取り組む石油精製会社向けなど、民需防災事業への進出を果たし、さらにN.Y.同時多発テロ発生等によりセキュリティ対策が急務となった空港施設・航空会社を対象とするセキュリティ事業分野にも顧客基盤を拡げてまいりました。 この間、当社は2007年に創立100周年を迎え、2008年度以降、中期経営計画(3ヵ年計画)を策定し、収益力の持続的強化を目指し、グループ一丸となって中期経営計画に掲げるテーマに取り組んでまいりました。さらに、2023年には、10年に亘り取り組み、防災業界におけるリーディングカンパニーへの進化を目指す「テイセン未来創造計画」を策定いたしました。同計画は、「人を創る」「仕事を創る」「人と仕事を繋ぐ企業文化を創る」をテーマに掲げ、「防災のテイセン」としての未来を切り拓き、世界に通用する防災企業として、名実ともに社会及びステークホルダーの皆様から絶対的な信任を頂くことを目指してまいります。 (2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 2026年度からの2028年度における新中期経営計画「テイセン2028」では、第1フェーズである前中期経営計画「テイセン2025/未来への基盤づくり」での成果を土台に、当社グループが「成長・発展」に向かうための第2フェーズとして、 ≪先進的防災事業を確立し 安心安全な未来を創る≫ ことをミッションとして掲げ、その実現に向けた取組みを推進してまいります。 数値目標2028年度における連結営業利益水準58億円以上2028年度における連結経常利益水準70億円以上 新中期経営計画「テイセン2028」においては、テイセン未来創造計画の最終年度である2032年度に掲げた業績水準に到達するためにも、計画最終年度の2028年度において着実な進展を示す収益水準の達成を目指します。株主還元施策としては総還元性向50%水準を目指して運営してまいります。 また、これらの達成に向け、本計画では以下に掲げた戦略テーマの完遂を通じ、着実な収益拡大と企業価値の向上に取り組んでまいります。 1.市場創造と圧倒的市場競争力の確立 (1)自治体・コンビナート・原子力向け送排水ビジネスの拡大 (2)セキュリティビジネスのマーケット開拓 (3)次世代型防災特殊車輌マーケットの創造 (4)基盤事業(ホース・機材・車輌・消防被服)の拡大・発展 2.営業を支える下野・鹿沼両工場の革新 (1)「製造拠点」から「技術集約拠点」への脱皮 ・技術・開発機能の強化 ・コスト・品質管理機能の強化と定着 ・教育・訓練・実証実験等の機能を備えた施設の充実 3.アライアンスによる収益機会の創出 それぞれの戦略テーマの具体的な実行プランは以下の通りです。 1.市場創造と圧倒的市場競争力の確立 (1)自治体・コンビナート・原子力向け送排水ビジネスの拡大 前中期経営計画「テイセン2025」にて市場開拓を進めた送排水ビジネスについては、デモ等営業活動の徹底強化策が結実し、当社の取り扱う「ハイドロサブシステム」が、各分野における「防災・危機管理対応システム」として広く認知されつつあります。かかる状況を踏まえ、今後は特に多発化・激甚化・多様化する水害や山林火災への対処に向けた、国及び地方自治体に対する展開を加速するとともに、民間事業所におけるBCP対策等、更なる用途展開・拡販に向けても引き続き注力してまいります。 (2)セキュリティビジネスのマーケット開拓 前中期経営計画「テイセン2025」では、コロナ禍終息後のインバウンド拡大や、ロシア・ウクライナ情勢等の地政学リスク増大をはじめとした社会不安を引き起こしている各種事件・事故が増加していることに加え、最近の人手不足対策の必要性からも、これまで以上に空港をはじめとした重要施設等において、高性能なセキュリティ機材のニーズが拡大し、マーケット開拓が着実に進展しております。今中計においても、鉄道や大規模集客施設等いわゆるソフトターゲットのテロ対策や、物流施設における盗難・不正などによる損失を防ぐ「ロスプリベンション」対策、データセンターなど高度なセキュリティが求められる施設等の需要に対し最新鋭の機材を提案することで、広範なセキュリティニーズを取り込み、セキュリティビジネスのマーケット開拓を鋭意進めてまいります。 (3)次世代型防災特殊車輌マーケットの創造 前中期経営計画「テイセン2025」においては、災害の多様化、技術革新及び省人化ニーズに対応し、新たな価値を提供する次世代型防災特殊車輌の企画・設計・開発・製造に取組んでまいりました。当社グループは、新中期経営計画においてもこの取組みを更に加速し、市場ニーズを踏まえつつ、防災の将来の在り方を見据えた新型車輌の開発や商材の充実に注力し、引き続きマーケット創出に邁進してまいります。 (4)基盤事業(ホース・機材・車輌・消防被服)の拡大・発展 消防ホース、防災資機材、防災車輌、消防被服事業はそれぞれ当社の基盤事業であり、消防防災分野全般においてのトップサプライヤーの地位を確たるものとするべく、市場ニーズや環境変化に対応した新製品・新商材の開発による市場の拡大・発展に努めてまいります。 2.営業を支える下野・鹿沼両工場の革新 前中期経営計画期間中、当社グループの生産拠点としての鹿沼・下野両工場においては、品質維持・向上と製造コスト低減を実現するため、「5S3定」等の基本に立ち返った工場品管の再構築に取組み、一定の成果を得ることができました。新中期経営計画では「コスト・品質管理機能の強化と定着」はもちろんのこと、技術・開発機能を徹底して強化し、「製造拠点」から「技術集約拠点」への脱皮を目指します。また、特に下野工場においては、消防関係者のみならず、防災に携わる広範なニーズに応え、様々な技術や情報を提供することが出来るよう、これまで以上に教育・訓練・実証実験等の機能を備えた施設の充実を図ってまいります。 3.アライアンスによる収益機会の創出 当社グループは、祖業である繊維事業についてはリネン(麻)および高機能な特殊繊維に絞り事業を継続しつつ、約30年前からは防災事業を中核に据えることで、収益力の強化と企業価値の向上に取組んでまいりました。「テイセン2028」においては防災分野のマーケットの開拓・拡大・深化による収益力強化に引き続き取り組んでいくとともに、テイセン未来創造計画の最終年、2032年度までには、更なる事業規模の拡大・収益基盤の充実を図るべく、アライアンス強化に向けた取組みを進めてまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、3「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、当社経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が重要であると考えます。 ① 連結営業利益、連結経常利益 当社及び連結子会社の経営成績を把握する指標として、連結営業利益及び連結経常利益を重視しております。ただし、当社は大型案件の受注獲得有無及びその売上計上時期により業績が上下するため、単年度における利益額ではなく、3年程度の中期的なレンジでその水準を拡大させることを目指しております。「テイセン2028」では、「2028年度における連結営業利益水準58億円以上、連結経常利益水準70億円以上」を数値目標として掲げております。② 受注残 当社のビジネスは受注先行型であり、前期末の受注残が、翌期の売上の先行指標として有用であり、かかる指標を重視しています。また、各々の事業分野で、毎期確実かつ安定的に受注残を確保することを目指しております。③ 配当性向 利益配分につきましては、収益に応じた配当を行うことを基本としつつ、企業体質の一層の強化及び将来の事業展開に備えるための内部留保の充実を併せて図る方針としております。このような観点から、「テイセン2028」では、「総還元性向50%水準」を目指すことを利益配分方針として掲げております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の概要 当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続くインフレの高止まりが消費マインドを下押しした一方、企業の積極的な賃上げが景気を下支えするとともに、新政権の経済財政政策の効果もあり、日経平均株価は史上最高値を更新するなど、日本経済は長い低迷から脱却しつつあるかに見えます。然しながら、大幅な円安の状況や、米国トランプ政権の関税政策による経済全体への影響に加え、同政権の対外政策によって、ロシア・ウクライナ情勢やイランなどの中東情勢のみならず、更なる国際情勢の不透明化が懸念されており、先行きの予測が極めて困難な状況が続いております。 防災事業とその関連分野においては、多発化する大規模山林火災に加え、毎年のように発生する水害の被害についても、北海道で観測史上初の線状降水帯が発生するなど、気候変動による異常気象がもたらす各種災害は多発化・激甚化・多様化の一途を辿っております。また、2024年8月に発表された「南海トラフ地震臨時情報」や、12月に青森県東方沖で発生した地震に伴う「後発地震注意情報」の発表を受けて、大規模地震や津波の脅威が迫っていることも改めて認識することとなりました。更に、埼玉県八潮市の道路陥没事故に見る如く、インフラ老朽化対策についても喫緊の課題となっております。尚、10月からの高市政権においては、「防災・国土強靭化」に対する取組みが戦略17分野の一つとして重要な成長投資対象分野に位置づけられ、今後、官民挙げての防災に対する体制整備の進展が期待されております。 また、AI・ロボティクス等の新技術の汎用化に伴い、企業を標的としたサイバー攻撃対策に加え、人の入退室管理、持込持出管理の強化など、今後、民間企業においても自然災害のみならず、セキュリティ分野を含めたBCP策定もしくは見直しへの取組み強化が急務となっております。 繊維事業の分野では、リネン(麻)については気候変動の影響による不作が続き原料価格が高止まりしている一方で、猛暑期間の長期化による需要の拡がりが進んでおり、「サスティナブル素材」に加えて「オールシーズン素材」としてもイメージ定着を図るべく、他素材との複合等により多様なニーズに対応した商品開発を進めてまいります。また、耐熱、耐切創、高強力など優れた機能を特徴とする高機能繊維につきましては、従来からの防護服分野においては酷暑対策等の環境変化を踏まえた製品の改善・改良を引き続き進めるとともに、高機能な素材の特徴を活かし、モバイルバッテリー火災などの社会課題を解決するための新規商材の開発にも鋭意取り組んでまいります。 このような状況下、2023年度より「テイセン未来創造計画」をスタートさせ、2023年度からの3年間を第1フェーズと位置づけ、第1フェーズにおける中期経営計画「テイセン2025/未来への基盤作り」では、 ≪ 先進的防災事業を確立・発展させ 多発化・激甚化・多様化する各種災害の脅威から 社会や事業の安心・安全を守る ≫を旗印に、以下のテーマを推進し、防災ビジネスの拡がりと深みを追求してまいりました。 1.市場開拓の強化と圧倒的市場競争力の確立 (1)送排水ビジネスの拡大 (2)セキュリティビジネスの開拓 (3)防災特殊車輌ビジネスの創造 (4)メンテナンス業務の事業化 (5)基盤事業(ホース・機材・車輌・防火衣)の一層の磨き上げ 2.営業を支える下野・鹿沼両工場の機能拡充・強化 (1)コスト・品管センターとしての役割徹底 (2)技術・開発センターとしての能力強化 (3)教育、訓練、実証実験等の幅広い分野での施設充実と活用 3.持続的収益力の強化 新たな事業基盤の獲得による収益基盤の強化 当連結会計年度では、中期経営計画に掲げたテーマである送排水ビジネスについて、水害対策でのハイドロサブシステムの全国地方自治体への導入が拡大するとともに、民間事業所のBCP対策用途としても市場での評価が益々高まっております。セキュリティビジネス分野では、インバウンドの増加や国際貨物の取扱量拡大に伴うボディスキャナーや爆発物検知器などのテロ対策商材の導入が進むとともに、空港以外の重要施設におけるセキュリティニーズにも対応した商材の開発に取り組んでおります。更に、次世代型防災特殊車輌の開発をはじめ、消防ホース・防災車輌・資機材・防火衣等特殊被服の4事業分野でも市場でのプレゼンスはますます高まっております。 生産体制については、2021年に新設した防災車輌の製造拠点である下野工場、ならび2023年にホース生産新ラインが稼働開始した鹿沼工場は、当社事業を製造拠点として支えるとともに、教育・訓練・実証実験等、営業を支える技術集約拠点とすべく機能の拡充強化に努めております。 (財政状態) 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ84億9千3百万円増加し、913億4千3百万円となりました。 負債は、前連結会計年度末に比べ26億4千1百万円増加し、189億5千5百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末に比べ58億5千2百万円増加し、723億8千8百万円となりました。 (経営成績) 当連結会計年度の売上高は336億3千9百万円(前期比6.9%増)、営業利益は40億5千5百万円(前期比17.2%増)、経常利益は53億8百万円(前期比16.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億4千2百万円(前期比15.0%増)となりました。 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。 防災事業では、救助工作車、セキュリティ機材や原子力発電関連の大型防災資機材の売上が増加したことから、売上高は前期対比22億6千9百万円増加し、272億5千7百万円となりました。 繊維事業では、官公庁向け繊維資材の売上が増加した一方で、アパレル向けの麻素材の売上が減少したことから、売上高は前期対比8千7百万円減少し、58億3千5百万円となりました。 不動産賃貸事業は、順調に推移しており、売上高は5億4千6百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が増加したほか、棚卸資産が増加した一方で、売上債権が減少したことから、前期比9億5千3百万円増加し、29億5百万円の収入となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得が増加したこと等により、支出額は前期比8億3千6百万円増加し、8億4千8百万円となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得が増加したことから、支出額は前期比16億8千5百万円増加し、29億2千7百万円となりました。 以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期比8億7千万円減少し、118億7千2百万円となりました。③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)防災(千円)3,370,753106.1繊維(千円)1,803,47392.4不動産賃貸(千円)--合計(千円)5,174,227100.9 (注)1.生産金額は製造原価にて記載しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.金額には外注による生産実績を含んでおります。3.前連結会計年度において、「その他」に含まれていた保険代理事業を譲渡したことに伴い、当連結会計年度より「その他」の報告セグメントを廃止しております。b.受注実績 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称受注高前年同期比(%)受注残高前年同期比(%)防災(千円)20,648,632136.320,286,458129.1繊維(千円)3,745,153161.13,563,543131.6不動産賃貸(千円)----合計(千円)24,393,785139.623,850,001129.4 (注)1.金額は販売価額にて記載しております。2.前連結会計年度において、「その他」に含まれていた保険代理事業を譲渡したことに伴い、当連結会計年度より「その他」の報告セグメントを廃止しております。c.製品仕入実績 当連結会計年度の製品仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)防災(千円)17,102,128153.6繊維(千円)2,671,825109.8不動産賃貸(千円)--合計(千円)19,773,954145.7 (注)1.金額は仕入価額にて記載しております。2.前連結会計年度において、「その他」に含まれていた保険代理事業を譲渡したことに伴い、当連結会計年度より「その他」の報告セグメントを廃止しております。 d.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)前年同期比(%)防災(千円)27,257,578109.1繊維(千円)5,835,46098.5不動産賃貸(千円)546,849103.3合計(千円)33,639,887106.9 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2.前連結会計年度において、「その他」に含まれていた保険代理事業を譲渡したことに伴い、当連結会計年度より「その他」の報告セグメントを廃止しております。3.最近2連結会計年度の主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日)当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)官公庁10,967,60434.811,099,29233.0合計10,967,60434.811,099,29233.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたり、当連結会計年度末における資産・負債及び当連結会計年度の収益・費用の報告数値並びに開示に影響を与える会計上の見積りを行っております。当該見積りに際しましては、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる要因等に基づき行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性により、実際の結果は異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容 a.当連結会計年度の経営成績の分析<連結経常利益> (百万円) 2023年度2024年度2025年度連結経常利益3,5694,5535,308 2023年には、今後10年に亘り取組みとして防災業界におけるリーディングカンパニーへの進化を目指す「テイセン未来創造計画」を策定いたしました。同計画では、当初2023年からの3年間を第1フェーズと位置付け、第1フェーズにおける中期経営計画(「テイセン2025/未来への基盤作り」)を策定し、取組むべき課題を掲げるとともに、数値目標(連結営業利益50億円以上、連結経常利益60億円以上、配当性向40%程度)を設定いたしました。最終年度にあたる2025年度においては、救助工作車、空港化学消防車等の納入拡大、またセキュリティ関連ビジネス、送排水ビジネスの拡大により前期比増収増益となりました。来期は新たに中期経営計画「テイセン2028」を策定し、新たに掲げる課題に着実に取組むことで、収益基盤の更なる強化を目指します。 <売上> (百万円)セグメント2023年度2024年度2025年度防災22,65924,98827,257繊維4,8045,9235,835不動産賃貸他568569546計28,03231,48133,639 <受注残> (百万円)セグメント2023年度2024年度2025年度防災13,55615,71920,286繊維3,3152,7083,563計16,87218,42823,850 <防災> 2025年度末の受注残高は2024年度を上回る水準となり、救助資機材、救助工作車、空港用化学消防車の受注が好調であったことに加え、2023年度からスタートした「テイセン2025」でも主要テーマと位置付けた大量送排水システム(ハイドロサブシステム)分野では、水害対策でのハイドロサブシステムの全国地方自治体への導入が拡大するとともに、民間事業所のBCP対策用途としても市場での評価が益々高まっていることが受注拡大に結びついております。セキュリティビジネスにおいても、インバウンドの増加や国際貨物の取扱量拡大に伴うボディスキャナーや爆発物検知器などのテロ対策商材の導入が進んできたことから、着実な受注を得られております。<繊維> リネン(麻)分野では異常気象による原材料供給減ならびに価格高騰の影響を受け、繊維事業分野全体でも2025年度の売上高は減少しました。耐熱、耐切創、高強力など優れた機能を特徴とする高機能繊維につきましては、従来からの防護服分野においては酷暑対策等の環境変化を踏まえた製品の改善・改良を引き続き進めるとともに、高機能な素材の特徴を活かし、モバイルバッテリー火災などの社会課題を解決するための新規商材の開発にも鋭意取り組んでまいります。 b.当連結会計年度の財政状態の分析 当連結会計年度末の財政状態を概観いたしますと、総資産は棚卸資産の増加に加え、株価上昇に伴う投資有価証券の増加などから、前連結会計年度末対比84億9千3百万円増加し、913億4千3百万円となりました。 負債は、繰延税金負債が増加したことから、前連結会計年度末対比26億4千1百万円増加し、189億5千5百万円となりました。 純資産は、自己株式を取得した一方で、利益剰余金や保有上場株式の評価益の増加により、前連結会計年度末対比58億5千2百万円増加し、723億8千8百万円となりました。この結果、自己資本比率は79.1%となりました。 c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性の分析当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 <キャッシュ・フロー> (百万円)区分2023年度2024年度2025年度営業活動△9321,9512,905投資活動△718△11△848財務活動△1,473△1,242△2,927計△3,124698△870 当連結会計年度における営業活動による資金収入は、29億5百万円となりましたが、これは税金等調整前当期純利益が増加したほか、棚卸資産が増加した一方で、売上債権が減少したことなどによるものです。 投資活動による資金の支出は、8億4千8百万円となりましたが、これは有形固定資産の取得が増加したこと等によるものです。 財務活動による資金の支出は、29億2千7百万円となりましたが、これは自己株式の取得が増加したことによるものです。 当社グループの運転資金及び投資資金は、営業活動によって生み出される自己資金を原資としております。様々なリスクへの対処及び将来の事業展開への備えとして資金の確保により財務基盤の安定に努め、同時に収益に応じた配当を継続的に実施しつつ、中長期的な視点で時期を見極めた上で必要とされる投資活動を実施してまいります。
事業リスク
- 製品の品質問題製品に欠陥があった場合、品質クレームやトラブルが発生し、企業の信用が失墜する可能性があります。これにより、市場での競争力が低下し、売上や利益に悪影響を及ぼす恐れがあります。設計力の向上や品質保証体制の充実が重要とされています。
- 法令違反のリスク独占禁止法や下請法、会社法などの法令に違反した場合、罰則や訴訟、社会的制裁を受ける可能性があります。これにより、企業のブランドイメージが著しく損なわれ、事業活動に重大な支障をきたす恐れがあります。リスク管理体制の強化や従業員へのコンプライアンス研修が不可欠です。
- 市場環境の変化消防予算や補助金の削減、法律・基準の改正、競合他社の参入、新たな技術の出現などが、事業に影響を与える可能性があります。特に、公共事業に依存する部分が大きいため、予算削減は売上減少に直結する恐れがあります。常に情報収集を行い、高機能・高性能な商材の提供や新市場開拓への対応が求められます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりでありますが、リスクを不確実性と捉え、機会とリスクに分け記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 項目機会(〇)とリスク(●)主要な取組み◎品質リスク製品の欠陥●品質クレーム・トラブルによる信用失墜と市場の喪失設計力向上と品証体制の充実等を対応、財務基盤の充実◎コンプライアンスリスク独占禁止法下請法会社法等●法令違反等の場合、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁・信用失墜リスク管理体制強化と従業員への研修等により、コンプライアンスを徹底市場リスク消防等の予算・補助金〇予算・補助金の増額●予算・補助金の削減必要不可欠な幅広い商材の提供・民需等への展開法律・基準の改正等○規制強化等により当社が新たな市場を開拓できる可能性●規制強化等に対応できないこと等による市場喪失の可能性情報収集と高機能・高性能商材の提供競合出現●当社が優位な市場への他社参入性能の向上等により優位性を確保新商材・新技術○新たな商材・技術による当社が新たな市場を開拓できる可能性●新たな商材・技術による他社から当社優位市場が侵食される可能性海外サプライヤーとの連携強化により、最先端の商材・技術を準備・提供する災害○新たな防災ニーズが顕在化●社会的混乱、経済的損失防災・減災に向けた商材の準備、財務基盤の充実その他為替●為替変動による仕入価格上昇為替予約にてリスク低減主要原材料価格●天候・需給関係による仕入価格上昇販売価格への転嫁など生産設備の被災●水害・火災・地震等による被害生産拠点の防災体制の強化、保険等の活用サプライチェーン●災害等によるサプライチェーンの毀損・寸断情報交換、リスクへの協働商材調達先の多角化・拡充人材確保・育成●人材確保の不調○優秀な人材による事業の深化・拡大人材獲得手法を多角化社員教育の充実特に重要なリスクについては、項目の前に◎を付しております。