有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|17,230 文字
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、財務の状況等に関する事項のうち、当社グループが投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは以下のとおりです。ただし、将来の業績や財務に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。 1.リスクマネジメント推進体制について 当社グループのリスクマネジメント体制は、3つのディフェンスラインと5つのレイヤーで構成されております。各レイヤーの役割と責任を明確化することで、実効性の高いリスクマネジメント体制を構築しております。※リスクマネジメント体制図 当社グループは、グループ経営戦略会議の諮問機関であるリスクマネジメント委員会にて、経営戦略の推進や経営基盤に影響を与える重大な経営リスクについて検証および対応策等の検討を行い、その結果をグループ経営戦略会議に答申する体制を構築しております。また、グループ全体のリスクマネジメント推進のため、リスクマネジメント推進会議およびサイバーセキュリティ推進会議を設置しております。 リスクマネジメント推進会議では、リスクマネジメント年度方針ならびに実行計画等を策定し、その実行管理を通じてリスクマネジメント対策の実現を図っております。また、重点リスクへの具体的な対策を強化するため、リスク対策部会を設置しております。 サイバーセキュリティ推進会議では、サイバーセキュリティ年度方針ならびに実行計画等を策定し、その実行管理を通じてサイバーセキュリティ対策の実現を図っております。また、具体的な対策を強化するため、サイバーセキュリティ対策部会を設置しております。 2.リスクの分析・評価について 当社グループは、グループ全体の事業を取り巻くリスクを5つの領域(①経営戦略リスク②財務リスク③人事・労務リスク④災害・犯罪リスク⑤オペレーショナルリスク)に分類し、領域ごとにリスクを洗い出し、リスク一覧として整理しております。毎年、その内容を見直し、月次でリスクへの対応状況を確認し、必要に応じて評価を見直しております。経営戦略リスクについては、リスク一覧で管理しておりますが、事件事故事象となりうるインシデントについては、経営への影響度、発生頻度をもとにリスクマップ上に抽出し、その中から重点リスクを選定、3つの部会(コンプライアンス部会・リスク対策部会・サイバーセキュリティ対策部会)を通じて具体的な対策の強化を図っております。なお、リスクへの対応状況については、グループ経営戦略会議および監査役会に定期的に報告しております。 リスク領域リスク項目影響度人的損害物的損害経営・財務戦略遂行の阻害レピュテーション毀損(1)経営戦略リスクサステナビリティ経営推進に関するリスク特に大● ●●デジタル社会への対応に関するリスク特に大 ●●ビジネスモデル変革に関するリスク特に大 ●●海外情勢への対応に関するリスク大●●●●(2)財務リスク資金調達に関するリスク大 ● (3)人事・労務リスク人材確保に関するリスク特に大● ●●(4)災害・犯罪リスク災害等の対応に関するリスク特に大●●●●犯罪への対応に関するリスク特に大●●●●(5)オペレーショナルリスク商品取引上のリスク特に大● ●●個人情報漏洩に関するリスク特に大 ●● (1) 経営戦略リスク影響度:特に大① サステナビリティ経営推進に関するリスク外部リスク社会課題の深刻化(気候変動や人権侵害等)社会課題に対する企業の責任やステークホルダーからの要請の高まり内部リスクサステナビリティ経営推進の遅れ(脱炭素や人権デュー・ディリジェンス等) <当社グループのリスク認識> 近年、世界各地において気候変動に伴う自然災害の激甚化等、私たちを取り巻く社会課題は年々深刻さを増しております。このような背景から、各企業は気候変動への取り組みや循環型社会の実現、人権尊重、持続可能なサプライチェーンの構築、地域社会への貢献など、経済的価値の追求だけではなく、社会的価値の両立を目指した企業活動を行うことが強く求められております。 このような社会の潮流に対して、当社グループのサステナビリティ経営が遅れをとった場合、お客さまを始めとするステークホルダー(お取組先、株主、地域社会、従業員等)からの信用の失墜による市場競争力低下、資金調達や人材獲得が困難となる等、企業経営に悪影響を及ぼす可能性があります。 特に、脱炭素に向けた取り組みが遅れた場合、大量のエネルギー消費による環境負荷増加につながるだけでなく、将来的に環境規制の強化やエネルギーコストの増加等が発生し、当社グループの財務状況に悪影響を与える可能性があります。 <当社グループのリスク対策>■サステナビリティ経営推進・サステナビリティに関する課題は経営基盤を支える重要課題と捉え、サステナビリティ基本方針のもと取り組みを進めております。サステナビリティ推進体制・当社グループでは、CEOを議長とするサステナビリティ推進会議を通じ、サステナビリティ活動の方向性・重点取り組み等を共有し、取り組みの推進・浸透を図っております。また、CAO兼CROを議長とするサステナビリティ推進部会では、各課題の具体的な取り組みの検討を行っております。4つの重点取り組み(マテリアリティ)・本業を活かして取り組むことが出来るか、加えて当社グループが取り組む意義があり成果を上げることができるかという観点を踏まえ、各事業戦略とリンケージさせながら、4つの重点取り組み(①人・地域をつなぐ ②持続可能な環境・社会をつなぐ ③ひとの力の最大化 ④グループガバナンス・コミュニケーション)に取り組んでおります。サステナビリティ活動 think good の取り組み・“think good”の取り組みをグループ全社に拡大し、一丸となって取り組んでおります。①多様な価値観の尊重 ②地域社会との共創 ③文化の継承と革新 ④環境への取り組みステークホルダーへの取り組み・対お客さま:サステナビリティ活動に関するアンケートを、2013 年より毎年実施しております。 アンケートの集計結果を分析・情報開示の上、頂戴した貴重なご意見・ご要望を、サステナビリティ活動に活かしております。・対お取組先:小売業を中核とする当社グループの事業活動は、多数のお取組先との協働が不可欠と考えております。サプライチェーン上の持続可能性に配慮するため、お取組先と調達先に対して「お取組先行動規範」の遵守をお願いしております。また、2023年度には、「責任ある調達活動に関するお取組先アンケート」を実施し、潜在リスクをはじめとするサプライチェーン全体の状況把握を行っております。またお取組先との個別対話を実施し、実践に向けた課題やご要望をヒアリングするとともに、取り組みの改善に向けた意見交換を行っております。(2022~2024年度実績:約1,550社)人権デュー・ディリジェンスへの取り組み・当社グループでは、人権リスクを発生可能性と深刻度でマッピングした人権リスクマップを作成しております。これにより、特に深刻な人権リスクがサプライチェーン上に潜在する可能性を認識し、「人権リスクマップ」を活用して常に意識を高め、適切な対応を行うことで、人権リスクの未然防止、発生時における是正、防止、低減に向けた取り組みを進めております。加えて、サプライチェーンに開かれた通報窓口として25年4月に「人権救済外部窓口」を設置し、運用を開始しております。・対従業員:当社グループ全従業員が人権と事業活動とのつながりを理解することを目的に、グループ全社共通のeラーニングや全国のグループ百貨店とグループ会社を対象にした対面研修を実施し、当社グループを取り巻く環境への理解を深め、社会課題の解決に取り組んでおります。■気候変動・脱炭素社会の実現に向けた取り組み・当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)提言へ賛同しており、気候変動によるリスクの把握と当社の財務への影響を分析し、情報開示を行っております。・気候変動の緩和策としては、「三越伊勢丹グループ2030年環境中期目標(温室効果ガス排出量2023年比▲42%および再生可能エネルギー導入比率55%)」および「三越伊勢丹グループ2050年環境長期目標(温室効果ガス排出量実質ゼロ)」を設定し、脱炭素社会の実現に向けた様々な取り組みを推進しております。詳細は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する個別課題(ア)気候変動への対応」をご覧ください。・気候変動への適応策としては、自然災害の激甚化を想定した対応を行っております。詳細は、「(4)災害・犯罪リスク ①災害対応に関するリスク」の項目において詳しく記載しております。 影響度:特に大② デジタル社会への対応に関するリスク外部リスクデジタル化の加速・急速な情報化社会の進行・技術革新内部リスクDX推進対応の遅れ、デジタル人財不足、システム障害管理体制の不備従業員によるSNSトラブル、AIチャットサービスの不適切な利用 <当社グループのリスク認識> 当社グループは、デジタル社会の変化に対応するために、実店舗とオンラインをシームレスにつなぐオンラインサイトやアプリの提供、デジタルツールを利用した業務効率化を進めております。また、事業活動を通じて蓄積したデータを活用してお客さまやお取組先への新たな価値提供を目指すなど、デジタルテクノロジーを活用したビジネスモデル変革や業務改革にも取り組んでおります。 当社グループが、デジタル社会への対応に乗り遅れた場合、お客さまのご要望や購買行動が変化する中で、迅速な対応ができず、市場競争力の低下、収益性に悪影響を及ぼすリスクが増大します。また、DXを実行するデジタル人財不足により、経営効率化、業務効率化が進まずに中期経営計画実行、業績、財務状況に悪影響を与える可能性があります。その他、新システム導入や更改、日々のシステム運用のなかで不測の障害が発生することにより、実店舗およびオンライン上の営業活動に支障が生じる恐れがあります。さらに、SNS活用が浸透・拡大するにつれ、従業員個人が関与するSNSトラブル増加の恐れがあります。また、AIチャットサービスは、将来的には業務生産性を高める無限の可能性を持つツールとして積極的な活用が求められる一方で、使い方によっては重要な機密情報の漏洩や意図せず第三者の権利侵害につながるリスク等も懸念されております。 <当社グループのリスク対策>■デジタル社会への対応・仮想空間プラットフォームやAIを組み合わせた顧客データ分析等、新しいデジタルテクノロジーを活用したビジネス価値創造に持続的に取り組むことにより、デジタル社会に適応しております。■デジタルトランスフォーメーション(DX)推進・個客業化に向けたDX戦略を推進する目的でDX戦略プロジェクトを発足し、DX戦略全体像策定、個客業業務別DXアクション整理を行い、アクションロードマップに基づいてDXを推進しております。■デジタル人財強化・デジタルテクノロジーやデータ活用に長けた専門組織を設置し、人材育成や各部門へデジタル人材を配置することで、グループ全体としてDXを実行するデジタル人財の強化を図っております。■システム障害管理体制・システム部門による障害発生への事前対策とともに、システム部門と営業部門が一体となりシステム障害発生時における損失を最小化する取り組みを行っております。■従業員によるSNSトラブル未然防止・再発防止の取り組み・SNS活用が浸透・拡大するにつれ、想定しなかった事故やトラブルが増加していることから、デジタルな顧客接点として、お客さまに安心してご利用いただける環境の構築を図っております。・SNSを利用するにあたって従業員が公私を問わず遵守すべきルールとして、禁止・注意・推奨する事項を明示した「ソーシャルメディアガイドライン」を策定し、周知徹底を図っております。■AIチャットサービスの適切な利用・AIチャットサービスについては、当社グループ専用のデジタルツールを作成し、利活用できる環境を整備しております。また、利用前には必ずeラーニングを受講するなど社内ルールを周知徹底することで、機密情報漏洩や第三者の権利侵害といったリスク回避の対策を講じております。 影響度:特に大③ ビジネスモデル変革に関するリスク外部リスク既存の百貨店ビジネスモデルの衰退、想定を上回る環境変化(人件費、物価上昇等)内部リスクビジネスモデル変革の遅れ <当社グループのリスク認識> 当社グループの中核事業である百貨店事業は、これまでマスマーケティング型のビジネスモデルに重きを置いておりました。しかしながら、近年の少子高齢化といった人口動態の変化や所得・消費の二極化といった社会構造の変化、デジタル化の加速と情報化社会の進化により、お客さまの価値観、消費行動は大きく変化し続けています。 また、市場における競争激化を背景とした業界再編の動きが活発化してきており、新たなビジネスモデルへの転換が急務となっております。さらには、インフレの影響、労働市場の逼迫、サプライチェーンの混乱等に伴う人件費、資材、エネルギー等の高騰が、当社グループのビジネスモデル変革への阻害要因にもなり得ます。このような社会の変化の中で、当社グループのビジネスモデル変革が遅れた場合、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 <当社グループのリスク対策>■「館業」から「個客業」へのビジネスモデル変革・当社グループは、新中期経営計画(2025~2030年度)に基づき、従来の「館業」(マス向けビジネスモデル)から「個客業」(「個客業」プロセス活動を通して世界中からお客さまを集め、識別化し、つながったお客さまに多様な顧客価値を提案するビジネスモデル)への変革を進めてまいります。具体的には、百貨店事業でつながりを深めた識別顧客に向けて、グループ全体で連携し、百貨店以外の事業コンテンツ・サービスをご提案してまいります。これにより、お客さまのウォレットシェアを拡大し、各事業の収益性向上を目指す“連邦活動”を主軸に推進してまいります。「個客業」プロセス活動・集客:店舗やコンテンツの魅力で世界中からお客さまを集めます・識別化:集まった顧客とカードやアプリ、デジタルなどの「仕組み」でつながります・利用拡大:つながった顧客に当社グループの各種事業による多様な価値を提案します・生涯顧客化:顧客とのつながりを深め、LTV(ライフタイム・バリュー)を最大化します事業機会の獲得・世界へ拡大:国内・海外の枠を取り払い、世界中からお客さまを集めます・時間の拡大:百貨店の営業時間に留まらず、24時間・365日を活用したビジネスを展開します・空間の拡大:まち化(※)を手段に、お客さまを集め、深くお付き合いするための空間を創造します・用途の拡大:グループ各事業(百貨店事業/不動産事業/金融事業/関連事業)による三越伊勢丹グループならではの“高感度上質”で多様な価値を提供します※まち化:百貨店を核に複合用途を広げ、グループ全体でまちのインフラ機能まで展開、世界中のお客さまをまちに呼び込み、不動産事業だけにとどまらないグループ全体の収益モデルの進化を目指す戦略■変革を迅速に進めるための対応収益力向上の取り組み・継続的な収益力向上のため、成長戦略を推進しつつ、科学の視点における販売管理費コントロールでコスト抑制を継続しております。首都圏に加えて地域百貨店においても、科学の視点で3つの改革「組織要員改革」、「収支構造改革」、「店舗構造改革」を着実に推進しております。擬似カンパニー体制・2025年度より戦略に適合した組織運営体制をスタートさせ、その中で百貨店事業、不動産事業、金融事業の3つの大きな事業領域を“擬似カンパニー”体制としております。縦の”擬似カンパニー”では、各事業のユニークポイントを進化させ、横では、連邦戦略、まち化戦略、DX戦略などの全社戦略を推進し、縦と横の組み合わせによる新しい個客体験価値を提供し、「個客業」へのビジネスモデルの変革を実現させてまいります。本体制では、各擬似カンパニー単位でモニタリングを実施し、収益性・資本効率を高めるROIC経営を推進しております<参照先>「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)中長期的な経営戦略」において詳しく記載しております。 影響度:大④ 海外情勢への対応に関するリスク外部リスク地政学リスク(政治・経済的不安や社会的混乱等)内部リスク従業員の安全上・労務上の問題、現地法規制対応不備、現地のガバナンス不全 <当社グループのリスク認識> 当社グループは、百貨店事業における東南アジア、中国、台湾、および米国の店舗営業のほか、海外の不動産事業にも参画しております。これらの売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されており為替変動の影響を受けております。また事業展開をする各国において、事業・投資の許認可、税制等、様々な政府規制や法制度の適用を受けております。 外部リスクとしては、政治・経済的不安や社会的混乱等の地政学リスクがあります。なかでも国際紛争によるエネルギーコストや商品価格の高騰および商品供給のリードタイムの長期化等、当社グループのビジネスに影響を与える可能性があり、引き続き注視が必要であると捉えております。さらには、米国の関税政策等を背景としたインフレ加速、景気後退、為替変動等のリスクがあり、これらの影響が長引いた場合、海外現地店舗の来店客数および売上高の減少と、訪日外国人来店客数および免税売上高が減少し、業績や財務状況に悪影響をもたらします。 内部リスクとしては、海外で事業展開するうえで、従業員の安全上・労務管理上の問題、海外現地法規制への対応不備、現地のガバナンス不全等のリスクが内在しております。これらのリスクにより、海外実店舗の人的・物的損害の発生だけでなく、財務への損害、事業の停止・撤退を余儀なくされる可能性があります。また、商品供給網においても、お取組先を介してのグローバルな取引が多く存在し、商品供給の停滞、遅延が発生する可能性があります。また、これらの内部リスクを通じて、日本においても、レピュテーション毀損や財務への損害が発生する可能性があります。 <当社グループのリスク対策>■地政学リスクを背景としたインバウンド需要減少への取り組み・2025年3月より、海外顧客向けアプリ「MITSUKOSHI ISETAN JAPAN」のサービスを開始しました。国内のお客さま同様、海外のお客さまとつながることで売上と収益の安定化を図っております。■従業員の安全上・労務上への取り組み・海外へ赴任する従業員に対し、海外事業リスクに関する教育を実施しております。・海外拠点とのリモート会議やタイムリーな現地リスク情報の共有等、定期的なコミュニケーションを実施し、連携を図っております。・有事におけるレポートラインの確立や日本と海外拠点とが一体となった組織的対応の実施計画を策定しております。また、海外情勢の変化を常に注視し、赴任する従業員の家族や現地への出張者を含めた安全確保のための対策を講じております。■現地法規制対応・資金管理等は、銀行のシステムを利用し、日本側からのモニタリング体制を構築しております。■現地ガバナンス強化・海外拠点を対象にした内部通報制度を導入し、通報窓口を設置、運用しております。・資金管理等は、銀行のシステムを利用し、日本側からのモニタリング体制を構築しております。 (2)財務リスク影響度:大① 資金調達に関するリスク外部リスク市場金利の上昇に伴う資金調達コストの増加内部リスク業績悪化や格付け変更による資金調達力の低下 <当社グループのリスク認識> 当社グループは、「館業」から連邦(※注1)とまち化(※注2)を手段に、「個客業」への変革と進化を目指しております。その実現のため、コンテンツ、DX・システム、不動産、生産性向上、安心・安全等の投資に、1,000億円水準の投資が必要となります。しかしながら、当社グループの業績悪化や格付け変更による資金調達力の低下、さらには政策の転換による金融市場の資金調達コストの増加等、様々な要因が資金調達を困難にする可能性があります。資金調達が困難になった場合には、戦略実行の遅延や戦略変更を余儀なくされるリスクが内在しております※注1) 連邦:グループ内の各事業が連携し、顧客に個別最適なサービスを提供する戦略※注2) まち化:百貨店を核に複合用途を広げ、グループ全体でインフラ機能まで展開することで、世界中の顧客を街に呼び込み、不動産事業だけにとどまらない収益モデルを目指す戦略 <当社グループのリスク対策>■財務戦略・当社グループでは、円滑な資金調達の為、健全なバランスシートやキャッシュフローを維持し、負債比率等を適切に管理しております。具体的な取り組みは以下の通りです。財務体質の改善・当社グループは、収支構造改革を積極的に推進し、固定費の削減を実施することで、営業黒字を拡大する取り組みを行っております。また、営業キャッシュフロー改善を通じて、有利子負債削減に取り組むとともに、経費や投資キャッシュアウトのコントロールを徹底することで、財務体質の改善を図っております。事業別利益と資本効率の改善・資本コストを意識して、事業利益・連邦利益の拡大と資産効率の改善を図っております。投資分類と規律・評価の考え方・中長期的な投資に向けた余力を確保しながら、株主還元や有利子負債削減、収益に貢献する投資をバランス良く実施しております。フローとストックの観点でも最適な財務基盤を構築することで、株主の皆さまをはじめとする全てのステークホルダーとの良好な関係性構築に努めております。 (3) 人事・労務リスク影響度:特に大① 人材確保に関するリスク外部リスク少子高齢化・生産労働人口減少に伴う人材獲得競争の激化内部リスク経営・戦略実現・事業基盤を支える持続的な人材獲得・育成の遅れ <当社グループのリスク認識> 当社グループは、戦略を遂行するうえで百貨店事業分野のみならず、不動産事業、金融事業、関連事業をはじめとした各事業の成長を担う専門人財と長期のグループ成長を担う経営人財の確保、持続的な育成が必要と認識しております。少子高齢化に伴う生産労働人口の減少を背景にした人財獲得競争が激化するなかで、計画通りに必要な知識・経験・スキルを有する人財の確保が図れなかった場合は、当社グループの目指す経営目標の達成や事業成長に影響を及ぼす可能性があります。 <当社グループのリスク対策>■人財獲得に向けた取り組み・当社グループでは、採用において、学生の皆さまとの価値観の共有を何より大切にしております。相互理解を深めるため、ワークショップ等で丁寧にコミュニケーションを重ねていっております。・内定を出した後にも価値観のすり合わせ、入社に対するモチベーションを高めてもらうため、複数回面談を実施するなど採用におけるミスマッチをなくし、一人一人の力を最大化しながら意欲的に働くことができるよう努めております。■経営・戦略実現・事業基盤を支える人財育成・従業員の成長と企業の戦略実現を両立させるため、処遇改善や人財育成、働く環境の整備や健康経営の推進、人事DX等、メリハリを持った人的資本投資を行っております。従業員の成長・当社グループは、「三越伊勢丹グループ人財マネジメント方針」の下、経営資源の成長分野への投入や従業員の能力開発、スキル向上等を通じて、イノベーションによる持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力しております。その上で、生み出した収益・成果に基づいて、従業員への持続的な還元を目指しております。企業の戦略実現・経営戦略の実現に向けた専門人財の育成に関しては、戦略的な出向政策や既存人財のリスキル、事業別に異なる専門スキルに応じた制度の拡充に取り組んでおります。・合わせて、経営戦略の実現に必要な「多様な事業の組み合わせ」により新たな価値を創造する人財の育成に向けて、グループ内外への人財流動化を計画的に進めることで、個人の持つ知と経験、ネットワークの多様性を拡大し、新たな価値を生み出す人財の育成に取り組んでおります。<参照先>・人的資本経営については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する個別課題(イ)人的資本経営」において詳しく記載しております。■従業員エンゲージメントの向上・社内のあらゆる関係における対話文化の醸成を進めることで、働きがい、働きやすさの向上を図っております。・従業員の心身の健康維持・増進に向け、会社と労働組合が共同で「安心して働くことのできる職場環境づくり」を宣言しております。本取り組みでは、ハラスメント撲滅や適正な労働時間の管理を全社的に進めております。・その他、一人一人のライフワークバランスを尊重し、個人のライフスタイルに合わせた多種多様な働き方を認める両立支援制度(育児・介護等)の拡充や、女性活躍推進に向けた取り組みにも継続して取り組んでおります。<参照先>サステナビリティレポート:https://www.imhds.co.jp/content/dam/imhds/corporate/pdf/sustainability/sustainability_report2024.pdf (4) 災害・犯罪リスク影響度:特に大① 災害等の対応に関するリスク外部リスク自然災害の激甚化、感染症拡大、他国からのミサイル攻撃内部リスク火災・消防法違反、災害等への対応不備 <当社グループのリスク認識> 当社グループは、百貨店事業を中核とした事業展開を行っております。そのため、自然災害(地震・津波・台風・水害・雪害等)が発生すると、店舗の営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。 大規模地震(首都直下地震、南海トラフ地震等)が発生した場合、お客さま、従業員への人的被害、建物・設備・商品等の物的被害、停電、ガス停止、断水等の社会インフラへの影響、さらには、地震の揺れや津波の影響による原子力発電所の運転停止等の事故発生時には、放射能による食品汚染などが営業活動に影響を及ぼす恐れがあります。加えて、百貨店事業は全国各地からの商品供給や物流により成り立っているため、供給網に影響が及ぶことで、当社グループの事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 また、台風、水害(集中豪雨・高潮・洪水等)、大雪の影響を受けた場合、お客さま、従業員への人的被害および建物・設備・商品等の物的被害が生じ、臨時休業等による営業損失を被る可能性があります。 さらに、富士山が噴火した場合、東海地方および首都圏の各社・各店において、火山灰が飛来することで、交通インフラの混乱が予想されるほか、通信・システム・電力・上下水道や物流網等、全国的な影響が想定され、当社グループの事業継続に多大なる影響を及ぼす可能性があります。 感染症が拡大した場合、国内の消費マインドやインバウンド需要の低迷等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。 近年では、他国からのミサイルが日本の領土等に着弾・落下する可能性もあり得ます。たとえ、お客さま、従業員、建物・設備・商品等に直接的な損害が無くても、攻撃が継続され、深刻な事態に発展した場合、当社グループの事業継続に甚大なる影響を及ぼす可能性があります。 火災が発生した場合、お客さま、従業員への人的被害、建物・設備・商品等への物的被害、被害者に対する損害賠償責任等が発生する可能性があります。その他、消防法違反が発覚した場合、罰則や営業停止に伴う営業損失等、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 <当社グループのリスク対策>■自然災害への取り組み平時の備え・当社グループでは、想定される大規模災害(地震、水害、パンデミック、富士山噴火、ミサイル攻撃等)への対応のため、事業継続計画書(以下、BCP)、災害対策基本計画を策定しております。・毎月開催されるリスク対策部会を通じて、自然災害に対する様々な取り組みを強化しております。※体制整備、物理的安全対策、防災資機材の整備、コミュニケーション手段の整備、訓練実施等・自主点検を年2回実施し、グループ各社の災害対策実施状況を把握し、適時フォローしております。有事の対応・年2回全国一斉安否確認訓練を実施し、従業員の安否報告と安否確認の周知徹底を図っております。・年2回BCP訓練(首都直下地震・南海トラフ地震)を実施し、災害対応力向上を図っております。 ※2024年度以降、複合災害への備え強化を目的に、大規模地震と合わせ富士山噴火対応も実施・年1回以上、グループ各社においても大規模地震を想定した災害対策本部訓練を実施しております。レジリエンス認証・株式会社三越伊勢丹では、BCPの取り組みと店頭での募金活動や従業員のボランティア活動を支援する仕組み等が評価され、「事業継続」と「社会貢献」の分野において外部認証機関より百貨店初のレジリエンス認証を取得しております。■風水害への取り組み・当社グループ全拠点のハザードマップを作成し、災害対策本部を立ち上げるための基準を個別に設定しております。また災害発生時には、風水害対策マニュアルに基づいた対応を行っております。■感染症への取り組み・当社グループのBCPでは、「新型インフルエンザ等によるパンデミック」について、被害想定ならびに行動目標を定めております。グループ内で感染症が拡大した場合、総合対策本部を立ち上げ、お客さまと従業員の安全・安心を第一に、グループ全社で感染予防対策を実施してまいります。■ミサイル攻撃への取り組み・ミサイル攻撃については、Jアラート発令時の対応マニュアルを作成し、周知しております。・リスク対策部会等を通じて、Jアラート発令時の訓練の事例共有を行い、横展開を図っております。■火災・消防法違反への取り組み・毎月開催されるリスク対策部会を通じて、火災に対する様々な取り組みを強化しております。※日々のお買場点検、年2回の自主点検実施、事例共有による火災未然防止・再発防止等・所轄消防署の協力のもと、防火防災訓練を実施し、火災発生時の対応力向上を図っております。・当社グループでは、消防法に基づき適切に防火管理者選任、自衛消防隊を編成しております。■従業員への教育・社内報での防災に関する情報発信を通じて、従業員への自助の取り組みを推進しております。 影響度:特に大② 犯罪への対応に関するリスク外部リスク組織犯罪等の増加((詐欺・強盗・窃盗、サイバー攻撃・不正アクセス等)内部リスク従業員による不正・違法行為 <当社グループのリスク認識> 近年、SNSなどを通じて緩やかに結びつく匿名・流動型犯罪グループ等による特殊詐欺をはじめ、高額品を狙った強盗や窃盗などの組織犯罪が増加し、手口が巧妙化してきています。強盗・窃盗等は、お客さまや従業員の人命や安全を脅かすだけでなく経済的、物理的損失や営業停止を引き起こし、ブランドイメージを脅かす恐れがあります。 特に、当社グループは多岐にわたる事業活動やサービス提供のなかで、お客さま、お取組先の様々な情報をお預かりし、厳重に管理しております。昨今、日本企業が国内外からのサイバー攻撃を受ける事例が増加しており、当社グループでも情報セキュリティガバナンスのさらなる強化は急務となっております。サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止、不正アクセス等による機密情報や個人情報の漏洩が発生した場合、システムの停止と復旧に時間を要することにより、広範な業務に支障をきたすことを余儀なくされます。 また、従業員による不正・違法行為が発生した場合、社会的信用の失墜による売上減少や賠償金等の支払い負担、レピュテーション棄損等、業績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。 <当社グループのリスク対策>■組織犯罪等への取り組み詐欺・強盗・窃盗等への取り組み・毎月開催されるリスク対策部会を通じて犯罪リスクに対する様々な取り組みを強化しております。※年2回の自主点検実施、事例共有による詐欺・強盗・窃盗未然防止・再発防止等・所轄警察署の協力のもと、強盗訓練を実施し、強盗発生時の対応力向上を図っております。サイバー攻撃・不正アクセス等への取り組み・当社グループでは、情報セキュリティガバナンス強化のため、サイバーセキュリティ対策部会において、日常の業務活動のなかで技術的および人的・組織的な対策の推進を図っております。・技術的対策では、サイバー攻撃を防御、監視、検知、駆除するためのセキュリティツールの導入と運用を強化しております。・人的・組織的対策では、情報セキュリティに関する従業員のリテラシーの向上を図るため、システム部門における専門的なセキュリティ人財の育成や、従業員へのセキュリティ教育・サイバーインシデント訓練を適時実施しております。■従業員による不正・違法行為 未然防止の取り組み ・「三越伊勢丹グループ企業理念」を実践するため、グループの役職員が日々の業務でいかに判断し、行動すべきかの倫理的基準を示す「三越伊勢丹グループ行動規範」を定め徹底を図っております。・不正・違法行為を内部通報する「三越伊勢丹グループホットライン」を設けております。・オンライン上の不正行為を抑止するために、技術的対策の導入を一層強化していっております。 (5) オペレーショナルリスク影響度:特に大① 商品取引上のリスク外部リスク法令遵守に対する社会的要請の高まり内部リスクお取組先との公平・公正な取引における問題(商品調達等)商品の品質・安全管理における体制上の問題 <当社グループのリスク認識> 当社グループは、百貨店事業を中核とした事業展開を行っております。お客さまのニーズに合わせて、常に安全で安心な商品やサービスを提供することを最優先に考え、お客さまのご満足と信頼に応えられる品質を追求しております。百貨店事業は、私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律を始めとする経済法や各種消費者保護法、また営業許認可に関わる各種業法の適用を受けております。これらの法規制を遵守し、お取組先や消費者との取引においても、競争力や情報量の格差に乗じた不当な拘束等を排除し、公正な取引を行うことが求められております。これらの法規制を遵守できなかった場合、行政処分により当社グループの営業活動に制限がかかる可能性や、社会的信用の失墜、売上の減少、罰金や課徴金の負担等の財務上の損失が生じる可能性など、当社グループの営業活動に大きな影響を与えることが考えられます。 当社グループが実施しているサステナビリティ活動に関するお客さまアンケートにおいても、例年「商品の品質・安全の確保・正確な表示」が、当社グループに期待されている項目の上位に挙げられております。なかでも食料品販売から飲食サービスまで多岐にわたる食品衛生に関わる事業においては、アレルギー表記の不備等が原因となる食物アレルギー有症事故や、調理者の健康管理不良や食材管理不良等に伴う食中毒が懸念されます。これらが発生した場合、お客さまへの重篤な健康被害だけでなく、営業停止や罰則などの行政処分、社会的信用の失墜による売上の減少や損害賠償金等の支払いが発生し、当社グループの業績、財務状況に悪影響を与える可能性があります。 <当社グループのリスク対策>■法令遵守への取り組み三越伊勢丹グループ行動規範の策定と周知・「三越伊勢丹グループ企業理念」を実践するため、グループの役職員が日々の業務でいかに判断し、行動すべきかの倫理的基準を示す「三越伊勢丹グループ行動規範」を定め浸透を図っております。コンプライアンス推進体制・コンプライアンス推進会議を組織し、定例会議において、法改正等への対応指針の策定と社内懸念事項の報告および解決に向けた取り組みを強化しております。従業員への教育・グループ全体の商品取引における法令遵守体制を構築するために、下請代金支払遅延等防止法や不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律に則したガイドラインやマニュアルを整備し、法改正やオペレーションの見直し等時宜に適った改定を行い、社内に周知しております。・コンプライアンスを担当する実務者向けに、法令、社内規程等を含めた定期的な教育を実施し、実務とコンプライアンス遵守の両立に取り組んでおります。事件・事故発生時の対応・事件・事故が発生した場合、各ガイドラインとレポートラインに則った関連部署間での連携による解決を図り、その後、社内にて事例を共有し、再発防止に努めております。■お取組先との公平・公正な取引への取り組み・当社グループは、持続可能なサプライチェーンの構築やビジネスと人権等の社会課題に対応するため、「三越伊勢丹グループ調達方針」、「三越伊勢丹グループ人権方針」を策定しております。・当社グループは、お取組先や価値創造を図る事業者の皆さまとの連携・共存共栄を重視して、新たなパートナーシップを構築することを宣言する「パートナーシップ構築宣言」を策定しております。宣言の内容は、eラーニングを通じて従業員全員が理解・実践に努めており、公平・公正な取引を通じてお取組先との信頼関係を築き、社会的価値と経済的価値の両立を目指しております。・アンケートの実施、お取組先との対話、方針説明会の開催等を通じて、お取組先各社との対話を深め、サプライチェーン・マネジメント体制を整えております。・当社グループ内に派遣いただいている従業員を含め、店頭において法令違反や社内規程に反する行為がないか、定期的に点検を行うとともに、法令、社内規程等のOJT教育を実施しております。■商品の品質・安全管理体制 食品事故 未然防止・再発防止への取り組み・食品衛生の基本となるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画書を策定し、お取組先まで共有することで食品衛生確保の網羅性を図っております。また、計画書に基づき日々の記録と保管を徹底し、定期的な点検を実施することで、法令遵守と食中毒等予防の両面からお客さまの安全確保に取り組んでおります。・アレルギー有症事故を予防するため、正確なアレルギー情報を提供するためのマニュアルと社内体制を整備しております。定期的な点検を通じて情報の正確性を確認し、お客さまとも積極的なリスクコミュニケーションを日々推進しております。 影響度:特に大② 個人情報漏洩に関するリスク外部リスクサイバー攻撃、不正アクセス等の増加内部リスク管理体制不備による個人情報等の漏洩・紛失 <当社グループのリスク認識> 昨今、個人情報を用いたビジネスの拡大や新規ビジネス創出に伴う個人情報の漏洩や不適切な利用事案の増加から、消費者の個人情報保護への意識と利用状況への関心が高まっております。また、個人情報に関する各国法も相次いで整備されるなか、企業には、越境移転も踏まえた厳重な管理体制や、目的内利用の仕組みの構築が求められております。 当社グループは、百貨店事業、金融事業、不動産事業、関連事業における事業活動やサービス提供のなかで、多くのお客さま、お取組先から個人情報をお預かりし厳重に管理しております。しかし、サイバー攻撃、不正アクセス等による個人情報漏洩や管理体制不備による個人情報漏洩・紛失、また個人情報の保護に関する法律等への違反が発覚した場合には、損害賠償費用や罰金などの費用が発生する可能性があります。さらに、当社グループの社会的信用の失墜による売上の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 <当社グループのリスク対策>■サイバー攻撃、不正アクセス等への取り組み・情報セキュリティリスクへの備えとしてサイバーセキュリティ対策部会において、人的・組織的・技術的な対策の推進を図っております。人的・組織的対策では、情報セキュリティに関する従業員のリテラシー向上を図るため、システム部門における専門的なセキュリティ人財の育成や、セキュリティ教育、サイバーインシデント訓練を実施しております。また、技術的対策では、サイバー攻撃に対し、防御、監視、検知、対応するためのセキュリティツールの導入と運用を強化しております。■グループ情報管理基盤の構築・グループ経営戦略会議の諮問機関であるリスクマネジメント委員会を通じて、「館業」から「個客業」への転換に向けて、堅固なグループ情報管理基盤の構築に向けた対策の強化を図っております。個人情報漏洩・紛失等の未然防止・再発防止の取り組み・適切な個人情報の取得および利用のための自主基準やマニュアルを策定し、これらに基づいて管理システム・社内管理体制を整備し、実店舗からオンライン環境に至る全ての事業環境において、日々厳重に個人情報の管理を実施しております。・個人情報を含む情報セキュリティ体制の策定と周知徹底を行い、さらに継続的な見直しとモニタリングを実施しております。・従業員に向けた教育を実施し、対応スキルの向上・リテラシーと意識向上を図っております。・行政によるデジタル社会の形成に向けた法整備状況や個人情報の保護に関する法律、法規制、ガイドライン等への対応を進めております。海外拠点における取り組み・海外拠点においては、現地法規制に関する情報収集を継続的に行い適切な対応を行っております。
FY2024|12,939 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは以下のとおりであります。ただし、将来の業績や財務に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 1.リスクマネジメント推進体制について当社グループは、執行役会の諮問機関であるリスクマネジメント委員会にて、経営戦略の推進や経営基盤に影響を与える重大な経営リスクについて検証および対応策等の検討を行い、その結果を執行役会に答申する体制を構築しております。また、グループ全体のリスクマネジメント推進のため、リスクマネジメント推進会議およびサイバーセキュリティ推進会議を設置しております。リスクマネジメント推進会議では、リスクマネジメント年度方針ならびに実行計画等を策定し、その実行管理を通じてリスクマネジメント対策の実現を図っております。また、その具体的な実践や徹底を図るため、リスク対策部会を設置しております。サイバーセキュリティ推進会議では、サイバーセキュリティ対策の年度方針ならびに実行計画等を策定し、その実行管理を通じてサイバーセキュリティ対策の実現を図っております。また、その具体的な実践や徹底を図るため、サイバーセキュリティ対策部会を設置しております。※リスクマネジメント体制図 また、当社グループのリスクマネジメント体制は、3つのディフェンスラインと5つのレイヤーで構成されております。各グループ事業会社を第1線、三越伊勢丹ホールディングス(以下、HDS)リスク管理部門を第2線、HDS内部監査室を第3線とする3つのディフェンスラインをベースとして、グループ体制を事業実態に応じた5つのレイヤー(❶グループ事業会社現業部門、❷グループ事業会社管理部門、❸HDS統括部門、❹HDSリスクマネジメント室、❺HDS内部監査室)に整理し、各レイヤーの役割と責任を明確化することで、実効性の高いリスクマネジメント体制の構築を図っております。 2.リスクの分析・評価について当社グループは、リスクを捉えるにあたり、日々変化する外部環境とグループの事業特性・事業戦略を考慮し、多角的な視点からリスクの把握に努めております。グループ全体の事業を取り巻くリスクを5つのカテゴリー(①経営戦略上のリスク、②財務に関するリスク、③人事・労務に関するリスク、④災害等のリスク、⑤オペレーショナルリスク)に分類し、カテゴリーごとのリスクを洗い出し、リスク一覧として整理しております。リスク一覧については、毎年、その内容を見直し、月次でリスクへの対応状況を確認し、必要に応じて評価を見直しております。また、リスクが顕在化した際には、物的損害、人的損害、財務・経営戦略遂行の阻害、レピュテーション毀損などの損害を被るものと捉え、発生頻度や事業への影響をもとにリスクマップを作成し、その中から重点リスクを選定、部会等を通じて対策の強化を図っております。なお、リスクへの対応状況については、執行役会および監査委員会に定期的に報告を実施しております。 リスク領域リスク項目影響度物的損害人的損害財務・経営戦略遂行の阻害レピュテーション毀損経営戦略上のリスクサステナビリティ経営の推進に関するリスク特に大 ●●●デジタル社会への対応に関するリスク特に大 ●●●新たなビジネスモデル構築に関するリスク特に大 ●●海外情勢への対応に関するリスク大●●●●財務に関するリスク資金調達に関するリスク大 ● 人事・労務に関するリスク人財確保に関するリスク特に大 ●●●災害等のリスク災害等の対応に関するリスク特に大●●●●情報セキュリティに関するリスク特に大● ●●オペレーショナルリスク商品取引上のリスク特に大 ●●●個人情報漏洩に関するリスク特に大 ●● (1) 経営戦略上のリスク① サステナビリティ経営の推進に関するリスク:影響度 特に大・サステナビリティ経営のビジネスモデル推進の遅れ・脱炭素に向けた取り組みの遅れ (リスク)昨今、世界各地において気候変動による自然災害の頻発・激甚化や格差の拡大等の、社会課題が顕在化しております。そのような背景から、各企業はサーキュラーエコノミー社会の推進や人権の尊重、地域社会への貢献、ESG・SDGsへの取り組みなど、社会的な課題の解決に根差したビジネスモデルを推進しております。しかし、このような社会の潮流に対して当社グループのサステナビリティ推進が遅れをとった場合、お客さまやお取組先、株主・投資家、従業員、地域社会・コミュニティ、全てのステークホルダーの信頼を失うことで資金調達が困難となる等、企業経営に悪影響を及ぼす可能性があります。あわせて脱炭素に向けた取り組みが遅れた場合、将来的に環境規制の強化等を背景に、エネルギーコストの増加等が発生し、当社グループの財務に悪影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループは、お客さま、お取組先、株主・投資家、従業員、地域社会・コミュニティ、全てのステークホルダーと未来志向で友好的な対話やコミュニケーションを通じて、Win-Winの関係性を構築することで企業価値の向上を目指しております。また、ステークホルダーからの意見を経営の意思決定に反映する事は、社会課題や経営課題の解決に繋がる手段と考えております。各ステークホルダーとのコミュニケーションにより得た情報や要望を踏まえ、毎年取り組みの見直しを行っております。・当社グループではサステナビリティを推進するにあたり基本方針を策定し、CEOを議長とするサステナビリティ推進会議を通じ、グループ全体の重要取り組みを共有し、実効性の向上につなげております。また、従業員に向けた教育を実施し、当社グループを取り巻く環境への理解を深め、環境・社会課題の解決に向けた施策に取り組んでおります。・当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)へ賛同しており、気候変動によるリスクの把握と当社の財務への影響を分析し、情報開示を行っております。そして「三越伊勢丹グループ2030年環境中期目標」および「三越伊勢丹グループ2050年環境長期目標」を設定し、脱炭素社会の実現に向けた様々な取り組みを推進しております。気候変動への対応については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する個別課題(ア)気候変動への対応」において詳しく記載しております。・当社グループは、サステナビリティの基本方針に基づき、当社グループの強みを活かしたサステナビリティ活動を通じた環境・社会課題の解決を目指しております。サステナビリティ活動に関するスローガンとして「think good」を掲げ、営業施策としてサステナブルな商品・サービスの提供に取り組んでおります。・小売業を中核とする当社グループの事業活動は、多種多様、多数のお取組先との協働が不可欠と考えております。サプライチェーン上の持続可能性に配慮するため「お取組先行動規範」の遵守をお取組先と調達先に対してお願いしております。2021年度と2023年度にお取組先へアンケート調査を実施し、サプライチェーン上の実態・課題の把握と改善に努めております。 ② デジタル社会への対応に関するリスク:影響度 特に大・内部リスク:社内リソースの不足、システム障害の発生、従業員によるSNSトラブル、AIチャットサービスの不適切な利用・外部リスク:オンライン上での詐欺犯罪の増加 (リスク)当社グループは、デジタル社会への変化に対応するために、実店舗とオンラインをシームレスにつなぐオンラインサイトやアプリの提供、デジタルツールを利用した業務効率化を進めております。また、事業活動を通じて蓄積したデータを活用してお客さまやお取組先への新たな価値提供を目指すなど、デジタルテクノロジーを活用したビジネスの変革(以下、DX)に取り組んでおります。デジタル社会に対応すべきリスクの捉え方としては内部リスクと外部リスクが存在していると認識しております。内部リスクとしては、DXを実行する社内リソースの不足により、デジタル社会を前提としたお客さまのご要望への迅速な対応や業務効率化、経営効率化が進まずに業績や財務状況、今後の経営計画の実行への悪影響を与える可能性があります。また、新システム導入や更改、日々のシステム運用のなかで不測の障害が発生することにより、実店舗およびオンライン上の営業活動に支障が生じる恐れがあります。さらに、SNS活用が浸透・拡大するにつれ、従業員個人が関与するSNSトラブル増加の恐れがあります。また、AIチャットサービスは、将来的には業務生産性を高める無限の可能性を持つツールとして積極的な活用が求められる一方で、使い方によっては重要な機密情報の漏洩や意図せず第三者の権利侵害につながるリスク等も懸念されております。外部リスクとしては、デジタル社会における詐欺犯罪の増加が挙げられます。当社グループのECサイト等においても対策が不十分な場合、財務上の損失につながる可能性があります。(対 応)・デジタルテクノロジーやデータの活用に長けた専門組織を設置し、人財育成や各部門へのデジタル人財の配置を行うことで、グループ全体としてDXを実行する社内リソースの強化を図っております。・システム部門による障害発生の事前防止活動とともに、システム部門と営業部門が一体となり障害発生時の損失を極小化する対応力を向上させる取り組みを行っております。・SNS活用が浸透・拡大するにつれ、想定しなかった事故やトラブルが増加していることから、デジタルな顧客接点として、お客さまに安心してご利用いただける環境の構築を図るとともに、従業員が公私を問わず、SNSを利用するにあたって遵守すべきルールとして、禁止・注意・推奨する事項を明示した「ソーシャルメディアガイドライン」を策定しております。・AIチャットサービスについては、昨年、当社グループ専用のデジタルツールを作成し、利活用できる環境を整備しております。また、利用前には必ずeラーニングを受講するなど社内ルールを周知徹底することで、機密情報の漏洩や第三者の権利侵害といったリスク回避の対策を講じております。・オンライン上の不正行為を抑止するために、技術的対策の導入をより一層強化してまいります。・仮想空間プラットフォームやAIを組み合わせた顧客データ分析等、新しいデジタルテクノロジーを活用したビジネス価値創造に持続的に取り組むことによって、デジタル社会の発展に適応してまいります ③ 新たなビジネスモデル構築に関するリスク:影響度 特に大・社会構造の変化に対応したビジネスモデルへの転換の遅れ・従来型の百貨店ビジネスモデルの衰退 (リスク)当社グループの主要事業である百貨店事業は、これまでマスマーケティング型のビジネスモデルに重きを置いておりました。しかしながら、近年の少子高齢化といった人口動態の変化や所得の二極化といった社会構造の変化、さらにはデジタル化の加速と情報化社会の進化により、お客さまの価値観、消費行動は大きく変化を遂げております。このような時代の変化に対応したビジネスモデルへの転換が遅れた場合、業績や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。また、同業や異業態の小売業他社との競争激化を背景とした業界再編の動きが活発化してきており、新たなビジネスモデルの構築が急務となっております。(対 応)・当社グループは、上記のリスクを加味したうえで新しいビジネスモデルの確立が必須であるという認識のもと、次期中期経営計画(2025~2030年度)において、従来の「“館”業」(百貨店の“館”の力に頼ったマス向けビジネスモデル)から「個客業」(「館」+「まち」の力で世界中からお客さまを集め、識別化し、つながったお客さまに多様な顧客価値を提案するビジネスモデル)への変革を図ってまいります。・個客業ビジネスモデルへの変革は、次の4つの視点で進めてまいります。「世界へ拡大」国内/海外の枠を取り払い、世界中からお客さまを集めます。「時間の拡大」百貨店の営業時間に留まらず、24時間・365日を活用したビジネス展開を図ります。「空間の拡大」“まち化”を手段に、お客さまを集め、深くお付き合いするための空間を創造します。「用途の拡大」当社グループ各事業(百貨店事業/不動産事業/金融事業/関連事業)による、三越伊勢丹ならではの“高感度上質”で多様な価値を提供します。 ④ 海外情勢への対応に関するリスク:影響度 大・海外情勢リスク:政治・経済的不安や社会的混乱等の地政学リスク・海外事業リスク:従業員の安全管理上の問題、海外現地法規制への対応不備、現地のガバナンス不全等 (リスク)当社グループは、百貨店事業での東南アジア、中国、台湾、および米国の店舗営業のほか、海外の不動産事業にも参画しております。これらの売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されており為替変動の影響を受けております。また事業展開をする各国において、事業・投資の許可、税制等、様々な政府規制や法制度の適用を受けております。海外情勢リスクとしては、テロ・戦争・政治・宗教その他の要因による政治・経済的不安や社会的混乱等の地政学リスクがあります。なかでもウクライナや中東情勢の悪化は、エネルギーコストや商品価格の高騰および商品供給のリードタイムの長期化等、当社グループのビジネスに影響を与えており、引き続き注視が必要であると捉えております。海外事業リスクとしては、海外で事業展開するうえで、従業員の安全管理上の問題、海外現地法規制への対応不備、現地のガバナンス不全等のリスクが内在しております。これらのリスクにより、当社財務への損害だけでなく、海外実店舗の物的・人的損害の発生や事業の停止・撤退を余儀なくされる可能性があります。また、商品供給網においても、現地法人やお取組先を介してのグローバルな取引が多く存在し、商品供給の停滞、遅延が発生する可能性があります。(対 応)・当社グループは、海外へ赴任する従業員に対し、海外事業リスクに関する教育を実施しております。・海外拠点とのリモート会議やタイムリーな現地リスク情報の共有等、定期的なコミュニケーションを実施し連携を図っております。・有事におけるレポートラインの確立や日本と海外拠点とが一体となった組織的対応の実施計画を策定しております。昨今では特に、従業員の安全を確保できるよう、東アジアを中心とした海外情勢の変化を常に注視しております。・資金管理等においては、銀行のシステムを利用し、日本側からのモニタリング体制を構築しております。・ガバナンス強化の一環として、海外拠点を対象にした内部通報制度を導入し、通報窓口を設置、運用しております。 (2)財務に関するリスク① 資金調達に関するリスク:影響度 大・業績悪化や格付け変更による資金調達力の低下・市場金利の上昇に伴う資金調達コストの増加 (リスク)当社グループは、事業を多角的に展開しており、今後の経営計画として、保有不動産の開発にあたり百貨店の魅力あるインフラ機能を併せ持つ「まちづくり」として結実させていくビジョンを描いております。その実現のため、保有不動産の建て替え、改修等で今後一定の資金が必要となることが想定されます。しかしながら、当社グループの業績の悪化や格付けの変更による資金調達力の低下、さらには政策の転換による金融市場の資金調達コストの上昇等、様々な要因が資金調達を困難にする可能性があります。資金調達が困難になった場合には、事業計画実行の遅延や戦略の変更を余儀なくされるリスクがあります。(対 応)・当社グループは、構造改革を積極的に推進し、固定費の削減を実施することで、営業黒字を拡大する取り組みを行っております。また、営業キャッシュフロー改善を通じて、有利子負債削減に取り組むとともに、経費や投資キャッシュアウトのコントロールを徹底することで、財務体質の改善を図っております。・さらに、中長期的な投資に向けた余力を確保しながら、株主還元や有利子負債削減、収益に貢献する投資をバランス良く実施しております。このような取り組みにより、フローとストックの観点でも最適な財務基盤を構築することで、全てのステークホルダーとの良好な関係性を築いてまいります。 (3) 人事・労務に関するリスク① 人財確保に関するリスク:影響度 特に大・事業戦略遂行のために必要なスキルを有する人財の不足・人財獲得競争の激化・既存人財の離職率の増加 (リスク)当社グループにおいては事業戦略を遂行するうえで既存の事業分野のみならず、不動産、金融、デジタルをはじめとした新たな事業分野で、高度な専門知識を有する人財の持続的な育成、確保が必要と認識しております。人財獲得競争が激化するなかで、計画通りに事業戦略に必要なスキルを有する人財の確保が図れなかった場合は、当社グループの目指す経営目標の達成や事業の存続に影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・当社グループは、「マルチステークホルダー方針」を公表しており、経営資源の成長分野への重点的な投入や従業員の能力開発、スキル向上等を通じて、イノベーションによる持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力しております。その上で、生み出した収益・成果に基づいて、従業員への持続的な還元を目指しております。・経営戦略の実現に向けた専門人財の育成に関しては、戦略的な出向政策や既存人材のリスキル、事業別に異なる専門スキルに応じた制度の拡充に取り組んでおります。・合わせて、経営戦略の実現に必要な「多様な事業の組み合わせ」により新たな価値を創造する人材の育成に向けて、グループ内外への人材流動化を計画的に進めることで、個人の持つ知と経験、ネットワークの多様性を拡大し、新たな価値を生み出す人財の育成に取り組んでおります。・人財獲得競争の激化に対しては、従業員エンゲージメントの向上に継続的に取り組むことでグループ従業員の離職率低下や、企業イメージの向上による外部人財の獲得を図っております。・人財基盤を支える取り組みとしては、一人ひとりのライフワークバランスを尊重し、個人のライフスタイルに合わせた多種多様な働き方を認める両立支援制度の拡充やひとの力を引き出すための対話活動の推進、従業員の心身の健康に配慮した適正な労働時間管理やハラスメント撲滅の取り組みを推進しております。・その他、女性活躍推進に向けた取り組みや、高年齢者雇用安定法の改正を踏まえた、エルダー社員人財の活用、障がい者の活動機会の確保などの施策にも継続して取り組んでおります。・人的資本については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する個別課題(イ)人的資本経営」において詳しく記載しております。(4) 災害等のリスク① 災害等の対応に関するリスク:影響度 特に大・地震、水害等の自然災害の影響・店舗等の火災発生の影響・感染症拡大の影響 (リスク)当社グループは、百貨店事業を中心として店舗による事業展開を行っております。このため、地震、水害、火山噴火などの自然災害が発生すると、店舗の営業継続に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、首都直下型の大地震が発生した場合、当社グループの店舗は首都圏に集中しているため、お客さま、従業員および建物等が甚大な損害を受けることが予想されます。これにより、業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災の経験から、大規模震災による電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染などが営業活動に影響を及ぼすことが予想されます。特に富士山噴火では、東海地方および首都圏の店舗において、噴火発生時に火山灰が飛来することで、営業活動をはじめ、交通インフラを中心とした混乱が予想されるほか、システムや物流網等、全国的な影響が考えられます。さらに近年の地球環境の変化に伴い、台風や集中豪雨といった災害の規模と被害が甚大化するケースが増加しております。また、洪水や浸水、強風により、お客さま、従業員および建物等に被害が発生し、営業停止による営業損失を引き起こす可能性があります。加えて、百貨店事業は全国各地からの商品供給や物流により成り立っているため、供給網に影響が及ぶことで、当社グループの事業活動全体に影響を及ぼす可能性があります。火災については、当社グループでは火災の発生を防止するために消防法に基づいた対策を徹底しております。しかし、店舗にて火災が発生した場合、お客さまや従業員の罹災による人命の危機の発生および人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、被害者に対する損害賠償責任等が発生する可能性があります。さらに、これらの被害以外にも法令違反が発覚した場合の罰則や営業停止に伴う営業損失も懸念され、当社グループの業績や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。近年では、他国からのミサイルが日本の領土等に着弾・落下するケースも想定されます。従業員や施設に直接的な損害が無くても、攻撃が継続され、より深刻な事態となれば、全国的な事業継続に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、新たな感染症の拡大により、国内の消費マインドやインバウンド需要の低迷等、当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループでは、地震、水害、パンデミック、富士山噴火、ミサイル攻撃等、今後想定される大規模災害への対応のため、災害対策基本計画および事業継続計画(以下、BCP)において、日頃の防災・減災対策や災害発生時の初動・復旧に向けた具体的な行動計画を策定しております。・計画の実行性を高めるために、各店舗および事業所での非常用物資の備蓄や定期的な訓練、安否確認システムの導入、ITツールを活用した情報共有等を実施しております。・株式会社三越伊勢丹は、BCPの取り組みと店頭での募金活動や従業員のボランティア活動を支援する仕組み等が評価され、「事業継続」と「社会貢献」の分野において、外部の認証機関より、百貨店として初の「レジリエンス認証」を取得しております。・各店舗において、所轄消防署と協力のうえ、火災を想定した消防訓練の実施や設備点検、さらには自衛消防隊設置による平時からの安全管理を実施しております。・他国からのミサイル発射等による脅威については、Jアラートが発動された場合の対応マニュアルを作成し、あわせて、訓練強化に取り組んでおります。・新たな感染症の拡大に際しては、当社グループはお客さまと従業員の安心・安全を第一に、グループ全店舗で感染状況に応じた対策を実施してまいります。また、当社グループのBCPにおいても、「新型インフルエンザ等によるパンデミック」について、被害想定ならびに行動目標を定め、対応しております。 ② 情報セキュリティに関するリスク:影響度 特に大・サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止・不正アクセス犯罪等による機密情報や個人情報の漏洩 (リスク)当社グループは多岐にわたる事業活動やサービス提供のなかで、お客さま、お取組先の様々な情報をお預かりし、管理しております。昨今、日本企業が国内外からのサイバー攻撃を受ける事例が増加しており、当社グループでも情報セキュリティガバナンスのさらなる強化は急務となっております。サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止、不正アクセス犯罪等による機密情報や個人情報の漏洩が発生した場合、システムの停止と復旧に時間を要することにより広範な業務に支障をきたすことを余儀なくされます。加えて、社会的信用の失墜による売上の減少や賠償金等の支払い負担等、当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループでは、情報セキュリティガバナンス強化のため、サイバーセキュリティ対策部会において、日常の業務活動のなかで技術的および人的・組織的な対策の推進を図っております。・技術的対策では、サイバー攻撃を防御、監視、検知、駆除するためのセキュリティツールの導入と運用を強化しております。・人的・組織的対策では、情報セキュリティに関する従業員のリテラシーの向上を図るため、システム部門における専門的なセキュリティ人財の育成や、従業員へのセキュリティ教育・訓練を適時実施しております。 (5) オペレーショナルリスク① 商品取引上のリスク:影響度 特に大・商品調達に関して、お取組先との公平・公正な取引における問題・商品の品質・安全管理における体制上の問題 (リスク)当社グループは、百貨店事業を中心として事業展開を行っております。お客さまのニーズに合わせて、 常に安全で安心な商品やサービスを提供する事を最優先に考え、お客さまのご満足と信頼に応えられる品質を追求しております。百貨店事業は、私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律を始めとする経済法や各種消費者保護法、また営業許認可に関わる各種業法の適用を受けております。これらの法規制に適合し、お取組先との取引や、消費者との取引においても、競争力や情報量の格差に乗じた不当な拘束等を排除し公正な取引を行うことが求められております。これらの法規制を遵守できなかった場合、行政処分により当社グループの活動に制限がかかる可能性や、社会的信用の失墜、売上の減少、損害賠償金の支払い、罰金や課徴金の負担等の財務上の損失が生じる可能性など、当社グループの事業継続に大きな影響を与えることが考えられます。当社グループが実施しているサステナビリティ活動に関するお客さまアンケートでも、例年「商品の品質・安全の確保・正確な表示」が、当社グループに期待されている項目の上位に挙げられております。なかでも食料品販売から飲食サービスまで多岐にわたる食品衛生に関わる事業においては、アレルギー表記の不備等が原因となる食物アレルギー有症事故や、調理者の健康管理不良や食材管理不良等に伴う食中毒が懸念されます。これらが発生した場合、お客さまへの重篤な健康被害だけでなく、営業停止や罰則などの行政処分、社会的信用の失墜による売上の減少や損害賠償金等の支払いが発生し、当社グループの財務に悪影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループは、持続可能なサプライチェーンやビジネスと人権等の社会課題に対応するため、「三越伊勢丹グループ調達方針」、「三越伊勢丹グループ人権方針」を策定しております。また、主要お取組先を対象としたサステナビリティ調達に関するアンケートの実施や方針説明会の開催等を通じて、お取組先各社との対話を深め、サプライチェーン・マネジメント体制を整えております。・当社グループは、お取組先や価値創造を図る事業者の皆さまとの連携・共存共栄を重視して、新たなパートナーシップを構築することを宣言する「パートナーシップ構築宣言」を策定しております。宣言の内容は、eラーニングを通じて従業員全員が理解・実践に努めており、公平・公正な取引を通じてお取組先との信頼関係を築き、社会的価値と経済的価値の両立を目指しております。・グループ全体の商品取引における法令遵守体制を構築するために、下請代金支払遅延等防止法や不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律に則したガイドラインやマニュアルを整備し、法改正やオペレーションの見直し等時宜に適った改定を行い、社内に周知しております。・コンプライアンス推進会議を組織し、定例会議において、法改正等への対応の指針の策定と社内懸念事項の報告および解決に向けた取り組みを強化しております。・「三越伊勢丹グループ企業理念」を実践するために、グループの役職員が日々の業務においていかに判断し、行動すべきかの倫理的基準を示す「三越伊勢丹グループ行動規範」を定め浸透を図っております。・コンプライアンスを担当する実務者向けに、法令、社内規程等を含めた定期的な教育を実施し、実務とコンプライアンス遵守の両立に取り組んでおります。・当社グループ内に派遣いただいている従業員を含め、店頭において法令違反や社内規程に反する行為がないか、定期的に点検を行うとともに、法令、社内規程等のOJT教育を実施しております。・万が一、事件・事故が発生した場合には、各ガイドラインとレポートラインに則った関連部署間での連携による解決を図り、その後、社内にて事例を共有し再発防止に努めております。・不正行為等があった場合に、その事実を速やかに認識し自浄的に改善するため、「三越伊勢丹グループホットライン」を設置するなど、内部通報に係る適切な体制整備を行っております。・食品衛生の基本となるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画書を策定し、お取組先まで共有することで食品衛生確保の網羅性を図っております。また、計画書に基づき日々の記録と保管を徹底し、定期的な点検を実施することで、法令遵守と食中毒予防の両面からお客さまの安全確保に取り組んでおります。・アレルギー有症事故を予防するため、正確なアレルギー情報を提供するためのマニュアルと社内体制を整備しております。定期的な点検を通じて情報の正確性を確認し、お客さまとも積極的なリスクコミュニケーションを日々推進しております。 ② 個人情報漏洩に関するリスク:影響度 特に大・管理体制の不備による個人情報等の漏洩・紛失 (リスク)昨今、個人情報を用いたビジネスの拡大や新規ビジネス創出に伴う個人情報の漏洩や不適切な利用事案の増加から、消費者の個人情報保護への意識と利用状況への関心が高まっております。また、個人情報に関する各国法も相次いで整備されるなか、企業には、越境移転も踏まえた厳重な管理体制や、厳格な目的内利用の仕組みの構築が求められております。当社グループは、百貨店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、多くのお客さまの個人情報をお預かりし管理しております。しかし、犯罪による漏洩や管理体制の不備による紛失、また個人情報の保護に関する法律等への違反が発覚した場合には、損害賠償費用や罰金などの費用が発生する可能性があります。さらに、当社グループの社会的信用の失墜による売上の減少等、当社グループの業績や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・適切な個人情報の取得および利用のための自主基準やマニュアルを策定し、これらに基づいて管理システム・社内管理体制を整備し、実店舗からオンライン環境に至る全ての事業環境において、日々厳重に個人情報の管理を実施しております。・個人情報を含む情報セキュリティ体制の策定と周知の徹底を行い、さらに継続的な見直しとモニタリングを実施しております。・対応スキルの維持向上を目的として従業員に向けた教育を実施し、リテラシーと意識の向上を図っております。・行政によるデジタル社会の形成に向けた法整備状況や個人情報の保護に関する法律、法規制、ガイドライン等への対応を図っております。・海外拠点においては、関連する現地法規制に関する情報収集を継続的に行い、適切な対応を行っております。
FY2023|12,378 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しているリスクは以下のとおりであります。ただし、将来の業績や財政状態に影響を与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 1.リスクマネジメント推進体制について当社グループは、執行役社長を議長とするコンプライアンス・リスクマネジメント推進会議にて、リスクマネジメント体制・取り組み方針を周知徹底し、所管する4つの部会(リスク対策部会・コンプライアンス推進部会・サイバーリスク対策プロジェクト・コロナ対策本部会議)を通じて、実効性のある未然防止対策を講じております。また、当社グループのリスクマネジメント体制は、3つのディフェンスラインと5つのレイヤーで構成されております。各グループ会社を第1線、三越伊勢丹ホールディングス(HDS)リスク管理部門を第2線、HDS内部監査室を第3線とする3つのディフェンスラインをベースとして、より具体的な役割を明確化した5つのレイヤー(①グループ事業会社現業部門、②グループ事業会社管理部門、③HDS統括部門、④HDSリスクマネジメント室、⑤HDS内部監査室)に区分することで、実効性の高いリスクマネジメント体制の構築を図っております。 ※リスクマネジメント体制図 2.リスクの分析・評価について当社グループは、リスクを捉えるにあたり、日々変化する外部環境とグループの事業特性・事業戦略を考慮し、多角的な視点からリスクの把握に努めております。グループ全体の事業を取り巻くリスクを5つのカテゴリー(①経営戦略上のリスク、②財務に関するリスク、③人事・労務に関するリスク、④災害等のリスク、⑤オペレーショナルリスク)に分類し、さらに、各々におけるリスクを細分化した上で定期的な評価を行い、対策の進捗を確認するフローを確立しております。その中でも特にリスクが大きいと評価している項目は以下の10項目になります。また、リスクが顕在化した際には、物的損害、人的損害、財務・経営戦略遂行の阻害、レピュテーション毀損などの損害を被るものと捉え、早期に対策を講じてまいります。 リスク領域リスク項目影響度物的損害人的損害財務・経営戦略遂行の阻害レピュテーション毀損経営戦略上のリスクサステナビリティ経営の推進に関するリスク特に大 ●●●デジタル社会への対応に関するリスク特に大 ●●●新たなビジネスモデル構築に関するリスク特に大 ●●海外情勢への対応に関するリスク大●●●●財務に関するリスク資金調達に関するリスク大 ● 人事・労務に関するリスク人財確保に関するリスク特に大 ●●●災害等のリスク災害等の対応に関するリスク特に大●●●●情報セキュリティに関するリスク特に大● ●●オペレーショナルリスク商品取引上のリスク特に大 ●●●個人情報漏洩に関するリスク特に大 ●● (1) 経営戦略上のリスク① サステナビリティ経営の推進に関するリスク:影響度 特に大・サステナビリティ経営のビジネスモデル推進の遅れ・脱炭素に向けた取り組みの遅れ (リスク)昨今、世界各地において気候変動による自然災害の頻発・甚大化や格差の拡大等、様々な環境・社会課題が顕在化しております。そのような背景から、各企業はサーキュラーエコノミー社会の推進、人権の尊重、地域社会への貢献、ESG経営、SDGsへの取り組みといった社会的課題の解決に根差したビジネスモデルを推進しております。しかし、このような社会の潮流に対して当社グループのサステナビリティ推進が遅れをとった場合、お客さま、お取組先、株主・投資家、従業員、地域社会、全てのステークホルダーの信頼を失うことで資金調達が困難となる等、企業経営に悪影響を与える可能性があります。あわせて脱炭素に向けた取り組みが遅れた場合、環境規制の強化等を背景に、将来的にエネルギーコストの増加等、当社グループの財務に悪影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループは、お客さま、お取組先、株主・投資家、従業員、地域社会、全てのステークホルダーと未来志向で友好的な対話やコミュニケーションを通じてWin-Winの関係性を構築することで、企業価値の向上を目指しております。そのために、グループ全従業員が同じ視点で常に意識して取り組んでいけるよう、ステークホルダーからの意見を経営の意思決定に活用する仕組みづくりを強化し、社会課題や経営課題の認識につながる手段と位置づけ、日頃より積極的なコミュニケーション活動を行っております。・当社グループではサステナビリティを推進するにあたり基本方針を策定し、CEOを議長とするサステナビリティ推進会議を実施することで、グループ全体の重要取り組みの共有と実効性向上につなげております。また、従業員に向けた教育を実施し、当社グループを取り巻く環境への理解を深め、社内での様々な環境や社会に対する課題解決に向けた施策に取り組んでおります。・当社グループは、TCFDへ賛同しており、気候変動拡大によるリスクの把握と当社の財務への影響を分析し、情報開示を行っております。そして「三越伊勢丹グループ2030年環境中期目標」および「三越伊勢丹グループ2050年環境長期目標」を設定し、低炭素社会の実現に向けた様々な取り組みを推進しております。TCFDへの対応については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する個別課題(ア)気候変動への対応」において記載しております。・当社グループのサステナビリティの基本方針に適合した各店舗での商品・サービスの提供および建物への新技術の導入を進め、環境負荷削減を推進しております。・責任ある調達を実現するために、2021年度に実施したお取組先への「サステナビリティ調達に関するアンケート」結果をもとに、お取組先と対話を開始しております。引き続き、サプライチェーン上の課題解決に向けたコミュニケーションに取り組んでまいります。 ② デジタル社会への対応に関するリスク:影響度 特に大・内部リスク:社内リソースの不足、システム障害の発生、従業員によるSNSトラブル、AIチャットサービスの不適切な利用・外部リスク:オンライン上での詐欺犯罪の増加 (リスク)当社グループでは、デジタル社会への変化に対応するために、実店舗とオンラインをシームレスにつなぐオンラインサイト・アプリの提供や、デジタルツールを利用した業務効率化を進めております。また、事業活動を通じて蓄積したデータを使ってお客さまやお取組先への新たな価値提供を目指すなど、デジタルテクノロジーを活用したビジネスの変革(DX)に取り組んでおりますが、デジタル社会への対応には内部リスクと外部リスクが存在しております。内部リスクとしては、DXを実行する社内リソースの不足により、デジタル社会を前提としたお客さまのご要望に迅速に対応できないことや、業務効率化、経営効率化が進まずに事業全体の業績や財務状況、今後の経営計画の実行への悪影響を与える可能性があります。また、新システム導入や更改、日々のシステム運用のなかで不測の障害が発生することで、実店舗およびオンライン上の営業活動に支障をきたす可能性があります。あわせてSNS活用が浸透・拡大するにつれ、従業員個人が関与するSNSトラブルの増加の恐れがあります。また昨今のAIチャットサービスは、将来的には業務生産性を高める無限の可能性を持つツールとして積極的な活用が考えられる一方で、使い方によっては重要な機密情報の漏洩や、意図せず第三者の権利侵害につながるといったリスクが考えられます。外部リスクとしては、デジタル社会の負の側面としてオンライン上での詐欺犯罪が増加しております。当社グループのECサイトにおいても不正利用の発生件数は増加傾向にあり、対応が不十分な場合は財務に損失を与える可能性があります。(対 応)・デジタルテクノロジーやデータの活用に長けた専門組織の設置、ならびに人財育成や、各部門へのデジタル人財の配置を行い、グループ全体としてDXを実行する社内リソースの強化を図っております。・システム部門による障害発生の事前防止活動とともに、システム部門と営業部門が一体となり障害発生時の損失を極小化する対応力向上を図っております。・SNS活用が浸透・拡大するにつれ、想定しなかった事由や事故が増加していることから、従業員が公私を問わず SNSを利用するにあたって遵守すべきルールとして、禁止・注意・推奨する事項を明示した「ソーシャルメディアガイドライン」を策定しております。・AIチャットサービスについては、安全な利用方法や適切な利用目的が確立されるまでに一定の時間がかかることを想定し、現時点ではリスク回避のための暫定的な措置として利用を制限する社内ルールを設けておりますが、今後の環境変化に応じて適時見直しを行い、利活用できる環境の準備を進めております。・オンライン上の不正な行為を抑止する技術的対策の導入を、より一層強化してまいります。・仮想空間プラットフォーム、AIを組み合わせた顧客データ分析等、新しいデジタルテクノロジーを活用したビジネス価値創造に持続的に取り組み、デジタル社会の発展に適応してまいります。 ③ 新たなビジネスモデル構築に関するリスク:影響度 特に大・社会構造の変化に対応したビジネスモデルへの転換の遅れ・従来型の百貨店ビジネスモデルの衰退 (リスク)当社グループの主要事業である百貨店事業は、マスマーケティング型のビジネスモデルに重きを置いておりました。しかしながら、近年の少子高齢化といった人口動態の変化や所得の二極化といった社会構造の変化、さらにはデジタル化の加速と情報化社会の進化により、お客さまの価値観、消費行動は大きく変化を遂げております。このような時代の変化に対応したビジネスモデルへの転換が遅れた場合、業績や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。また、同業・異業態の小売業他社との競争激化を背景とした業界再編の動きが活発化してきており、新たなビジネスモデルの構築が急務となっております。(対 応)・当社グループは、中期経営計画にて上記のリスクを加味したうえで新しいビジネスモデルの確立が必須であるという認識のもと、多岐にわたる事業の強化を図ってまいります。・具体的には、"高感度上質"戦略を策定し、生活にこだわりを持ち上質で豊かな生活を求めるお客さまに向け、一人ひとりのご要望にお応えする「個」のマーケティングへのシフトを徹底的に進め、店舗・デジタルともにあらゆる手段でお客さまとつながり続け、マスから個への転換を図ってまいります。・あわせて「連邦戦略」においてグループ各社へと収益拡大を図り、さらにその先に、保有不動産の再開発や新興国での不動産プロジェクトへの参入といった事業の強化を図り、「まちづくり」の実現という大きなステップを目指しております。 ④ 海外情勢への対応に関するリスク:影響度 大・海外情勢リスク:政治・経済的不安や社会的混乱等の地政学リスク・海外事業リスク:従業員の安全管理上の問題、海外現地法規制への対応不備、現地のガバナンス不全等 (リスク)当社グループは、百貨店事業では東南アジア、中国、台湾、および米国での店舗の営業のほか、不動産事業においても海外に参画しております。これらの売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されており為替変動の影響を受けております。また事業展開をする各国において、事業・投資の許可、税制等、様々な政府規制や法制度の適用を受けております。海外情勢リスクとしては、テロ・戦争・政治・宗教その他の要因による政治・経済的不安や社会的混乱等の地政学リスクがあります。特に世界経済の減速の要因となっている直近のウクライナ情勢は、エネルギーコストの高騰、原材料・物価高による商品価格の高騰および商品供給のリードタイムの長期化や停滞等、当社グループのビジネスに影響を与えており、引き続き注視する必要があると捉えております。海外事業リスクとしては、海外で事業展開するうえで、従業員の安全管理上の問題、海外現地法規制への対応不備、現地のガバナンス不全等のリスクが内在しております。これらのリスクにより、当社財務への損害だけでなく、海外実店舗の物的・人的損害の発生や事業の停止・撤退を余儀なくされる可能性があります。また、商品供給網においても、現地法人やお取組先を介してのグローバルな取引が多くあり、商品供給の停滞、遅延が発生する可能性があります。(対 応)・当社グループでは、従業員の海外赴任前に海外事業リスクに関する教育を実施しております。・海外拠点とのリモート会議やタイムリーな現地リスク情報の共有等、定期的なコミュニケーションを実施し連携を図っております。・事件事故や有事の発生時におけるレポートラインの確立と、日本と海外拠点が一体となった組織的対応の実施計画を策定しております。昨今では、従業員の安全を確保できるよう、特に東アジアを中心とした海外情勢の変化を常に注視しております。・資金管理等においては銀行のシステムを利用し、日本側からのモニタリング体制を構築しております。・ガバナンス強化の一環として、海外拠点を対象に内部通報制度を導入し、通報窓口を設置・運用しております。 (2)財務に関するリスク① 資金調達に関するリスク:影響度 大・業績悪化や格付け変更による資金調達力の低下・市場金利の上昇に伴う資金調達コストの増加 (リスク)当社グループは多角化した事業を展開しており、今後の経営計画として、保有不動産の開発を百貨店の魅力でインフラ機能も併せ持つ「まちづくり」として結実させていくビジョンを描いております。その実現のため、保有不動産の建て替え、改修等で今後多くの資金需要が発生する可能性があります。しかしながら、当社グループの業績の悪化や格付けの変更による資金調達力の低下、さらには政策の転換による金融市場における資金調達コストの上昇等により資金調達が困難になった場合は、当社グループの財務への悪影響のみならず、事業計画の実行の遅延および戦略の変更を余儀なくされる可能性があります。(対 応)・当社グループは、構造改革を強力に推進し固定費削減を実施することで営業黒字確保に取り組んでおります。また、営業キャッシュフロー改善による有利子負債の削減や、経費および投資キャッシュアウトのコントロールにより、財務体質の改善を図っております。・あわせて、中長期の投資に向けた余力を確保しながら、株主還元、有利子負債削減、収益に貢献する投資をバランス良く実施し、フローとストックの観点でも最適な財務基盤を構築することで、全てのステークホルダーと良好な関係性を築いてまいります。 (3) 人事・労務に関するリスク① 人財確保に関するリスク:影響度 特に大・経営戦略遂行のための専門スキルを有する人財の不足・人財獲得競争の激化・既存人財の離職率の増加 (リスク)人財獲得競争の激化が国内のみならずグローバルに発生しており、当社グループにおいても、不動産、金融、デジタルをはじめとした新たな事業分野において、高度な専門知識を有する人財の育成、確保が急務と認識しております。しかし、採用競争が激化するなかで、百貨店業界そのものの魅力度の低下や処遇競争力の低下等により、計画通りに高度なスキルを有する人財の確保が図れなかった際は、当社グループの目指す経営目標の達成や事業の存続に影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・当社グループは、「マルチステークホルダー方針」を公表し、経営資源の成長分野への重点的な投入、従業員の能力開発やスキル向上等を通じて、持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力しております。その上で、生み出した収益・成果に基づいて、従業員への持続的な還元を目指しております。・経営戦略の実現に向けた専門人財の育成に関しては、戦略的な出向政策やグループ内での人財流動化により、計画的な人財の育成に取り組んでおります。・人財獲得競争の激化に向けては、従業員エンゲージメントの向上に継続的に取り組むことで、グループ従業員の離職防止につなげるだけでなく、企業イメージの向上による外部人財の獲得につなげております。・また、既存人財のリスキル、人財育成の観点としては、「個人の力」と「組織の力」を最大化させ続けるために、従業員一人ひとりに寄り添った「生涯CDP」に取り組んでおります。上司・部下間でのキャリア開発のための対話時間の創出や、会社によるグループ内の仕事情報の公開、自律的なキャリア開発を後押しする研修や学びの機会の提供、あわせて、自律的なキャリア開発のための制度の拡充を行うことで、全従業員が自身のキャリアについて主体的に考え、将来のキャリア目標の達成と継続的な成長につなげられるよう支援しております。・具体的な人財育成の実績事例としては、自律的な学びの機会の拡充として、eラーニングプログラムの拡張に取り組み、利用人数とともに大きく伸長を続けております。あわせて、チャレンジキャリア制度の利用人数も大きく伸長しております。・その他、人財基盤を支える取り組みとして、一人ひとりのライフワークバランスを尊重し、個人のライフスタイルに合わせた多種多様な働き方を認める各種制度を構築しております。あわせて、適正な労働時間管理の実現に向けて、経営層からの発信や教育、労使協働での労働時間モニタリング等を行い、総実労働時間の低減に取り組んでおります。・高年齢者雇用安定法の改正を踏まえ、エルダー社員人財の活躍の場の提供をはじめとした高齢化社会への対応に取り組んでまいります。・人的資本については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)サステナビリティに関する個別課題(イ)人的資本」において記載しております。 (4) 災害等のリスク① 災害等の対応に関するリスク:影響度 特に大・地震、水害等の自然災害の影響・店舗等の火災発生の影響・感染症拡大の影響 (リスク)当社グループは、百貨店事業を中心として店舗による事業展開を行っております。このため、地震、水害、火山噴火といった自然災害により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。特に、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に店舗が集中している当社グループは、お客さま、従業員および建物等に甚大な損害を受けることにより、業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。あわせて、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が営業活動に影響を及ぼすことが予想されます。なかでも富士山噴火は、東海地方および首都圏の店舗において、噴火発生時に火山灰が飛来することで、営業活動をはじめ、交通インフラを中心とした混乱が予想されるほか、システムや物流網等、全国への影響が考えられます。さらに近年の地球環境の変化に伴い、台風や集中豪雨といった災害規模と被害が甚大化するケースが増加しております。洪水や浸水、強風により、お客さま、従業員および建物等に被害や営業停止による営業損失を与える可能性があります。また全国各地からの供給網により成り立っている百貨店事業において、商品供給や物流が影響を受けることで、当社グループの事業活動全体に影響を及ぼす可能性があります。火災については、当社グループでは消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っております。しかし、店舗にて火災が発生した場合、お客さま、従業員の罹災による人命の危機の発生および人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、被害者に対する損害賠償責任等が発生します。さらに、これらの被害以外にも法令違反が発覚した際の罰則や営業停止に伴う営業損失により、当社グループの業績や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。新型コロナウイルス感染症の再拡大ならびに新たな感染症の拡大により、国内の消費マインドやインバウンド需要の低迷等、当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。また近年では、他国からのミサイルが日本の領土等に着弾・落下するケースも想定され、従業員や施設に直接的な損害が無くとも、攻撃が継続され、より深刻な事態となった場合、全国的な事業継続に多大な影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・当社グループでは、地震、水害、パンデミック、富士山噴火、ミサイル攻撃等、今後想定される大規模災害への対応計画および発生後におけるBCPを策定しており、これらの計画とBCPに基づいた災害時の組織体制の策定と対策、訓練を実施しております。・防災・減災対策と災害発生時の初動・復旧・復興に向けた行動想定や、実効性向上のための各店舗および事業所での定期的な訓練、安否確認システムの導入、ITツールを活用した情報共有を実施しております。・当社グループは、株式会社三越伊勢丹の事業継続計画の取り組みが評価され、百貨店としては初のレジリエンス認証を取得しております。さらに「事業継続」の分野に加え、店頭での募金活動や従業員のボランティア活動を支援する仕組み等が評価され、「社会貢献」の分野においても同認証を取得しております。・各店舗にて消防署と協力のうえ、火災を想定した消防訓練の実施や設備点検、さらには自衛消防隊設置による平時からの安全管理を実施しております。・新型コロナウイルス感染症の再拡大ならびに新たな感染症の拡大に際しては、当社グループはお客さまと従業員の安心・安全を第一に、グループ全店舗で感染状況に応じた対策を実施してまいります。また、当社グループのBCPにおいても、「新型インフルエンザ等によるパンデミック」について、被害想定ならびに行動目標を定め、対応しております。・他国からのミサイル発射等による脅威については、Jアラートが発動された場合の対応マニュアルを作成し、あわせて、訓練強化に取り組んでおります。 ② 情報セキュリティに関するリスク:影響度 特に大・サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止・不正アクセス犯罪等による個人情報や機密情報の漏洩 (リスク)当社グループは多岐にわたる事業活動やサービス提供のなかで、お客さま、お取組先の様々な情報をお預かりし、管理しております。昨今、日本企業が国内外からのサイバー攻撃を受ける事例が増加しており、当社グループでも情報セキュリティガバナンスのさらなる強化は急務となっております。サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止、不正アクセス犯罪等による個人情報や機密情報の漏洩が発生した場合、システムの停止と復旧に時間を要することにより広範な業務に支障をきたすことを余儀なくされます。加えて、社会的信用の失墜による売上の減少や賠償金等の支払い負担等、当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループでは、情報セキュリティガバナンス強化としてサイバーリスク対策プロジェクトを設置し、日常の業務活動のなかで技術的および人的・組織的な対策の強化を図っております。・技術的対策では、サイバー攻撃を防御、監視、検知、駆除するためのセキュリティツールの導入・運用を強化しております。・人的・組織的対策では、情報セキュリティに関する従業員のリテラシー向上策として、システム部門における専門的なセキュリティ人財の育成や、従業員へのセキュリティ教育および訓練を適時実施しております。 (5) オペレーショナルリスク① 商品取引上のリスク:影響度 特に大・商品調達に関して、お取組先との公平・公正な取引における問題・商品の品質・安全管理における体制上の問題 (リスク)当社グループは、百貨店事業を中心として事業展開を行っており、お客さまのニーズとともに 多様化する商品やサービスについて、常に安全・安心を最優先に、お客さまのご満足と信頼に応えられる品質を追求しております。当該事業は、私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律を始めとする経済法や各種消費者保護法、また営業許認可に関わる各種業法の適用を受け、お取組先との取引においても、消費者との取引においても、競争力や情報量の格差に乗じた不当な拘束等を排除し公正な取引を行うことが求められております。これらの法規制を遵守できなかった場合、社会的信用の失墜、行政処分による当社グループの活動の制限、売上の減少や損害賠償金の支払い、罰金・課徴金の支払い等による財務上の損失が発生するなど、当社グループの事業継続に大きな影響が生じることが考えられます。当社グループが実施しているサステナビリティ活動に関するお客さまアンケートでも、例年「商品の品質・安全の確保・正確な表示」が、当社グループに期待されている項目の上位に挙げられております。なかでも食料品販売から飲食サービスまで多岐にわたる食品衛生に関わる事業においては、アレルギー表記の不備等が原因となる食物アレルギー有症事故や、調理者の健康管理不良や食材管理不良等に伴う食中毒が発生した場合、お客さまへの重篤な健康被害、営業停止や罰則などの行政処分、社会的信用の失墜による売上の減少や損害賠償金等の支払いが発生し財務に悪影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループは、持続可能なサプライチェーンやビジネスと人権等の社会課題に対応するため、「三越伊勢丹グループ調達方針」、「三越伊勢丹グループ人権方針」を策定しております。また、主要お取組先を対象としたサステナビリティ調達に関するアンケートの実施や方針説明会の開催等、お取組先各社との対話を深めることで、サプライチェーン・マネジメント体制を整えております。・当社グループは、お取組先や価値創造を図る事業者の皆さまとの連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを宣言する「パートナーシップ構築宣言」を策定しております。宣言の内容は、eラーニングを通じて従業員全員が理解・実践に努めており、公平・公正な取引を通じてお取組先との信頼関係を築き、社会的価値と経済的価値の両立を目指しております。・グループ全体の商品取引における法令遵守体制を構築するために、下請代金支払遅延等防止法や不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律に則したガイドラインやマニュアルを整備し、法改正やオペレーションの見直し等時宜に適った改定を行い、社内に周知しております。・コンプライアンス推進部会を組織し、定例会議において、法改正等への対応の指針の策定と社内懸念事項の報告および解決に向けた取り組みを強化しております。・コンプライアンスを担当する実務者向けに、法令、社内規程等を含めた定期的な教育を実施し、実務とコンプライアンス遵守の両立に取り組んでおります。・当社グループ内に派遣いただいている従業員を含め、店頭において法令違反や社内規程に反する行為がないか、定期的に点検を行うとともに、法令、社内規程等のOJT教育を実施しております。・万が一、事件・事故が発生した際には、各ガイドラインとレポートラインに則った関連部署間での連携による解決を図り、その後事例を社内にて共有し再発防止に努めております。・食品衛生の基本となるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画書を策定し、お取組先まで共有することで食品衛生確保の網羅性を図っております。また計画書に基づき、日々の記録と保管を徹底して定期的な点検を実施、法令遵守と食中毒予防の両面からお客さまの安全確保に取り組んでおります。・アレルギー有症事故を予防するため、正しいアレルギー情報を提供するためのマニュアルと社内体制を整備しております。アレルギー情報が正しく提供されていることを定期的に点検すると共に、お客さまとも積極的なリスクコミュニケーションを日々推進しております。 ② 個人情報漏洩に関するリスク:影響度 特に大・管理体制の不備による個人情報等の漏洩・紛失 (リスク)昨今、旧来の個人情報保護の観点のみならず、個人情報を用いたビジネスの拡大や新規ビジネスの創出に伴う個人情報の漏洩・不適切利用事案の増加から、消費者の個人情報保護への意識と利用状況への関心が高まっております。また個人情報に関する各国法も相次いで整備されるなか、企業には、越境移転も踏まえた厳重な管理体制や、厳格な目的内利用の仕組みの構築が求められております。あわせてSNS活用が浸透・拡大するにつれ、従業員による不適切投稿等、個人が関与するSNSトラブルが発生する可能性があります。当社グループは、百貨店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、多くのお客さまの個人情報をお預かりし管理しておりますが、犯罪等により外部に漏洩した場合や管理体制の不備により紛失した場合、また個人情報の保護に関する法律等の法令違反が発覚した場合には、損害賠償費用や罰金などの費用の発生、さらには当社グループの社会的信用の失墜による売上の減少が考えられ、当社グループの業績や財務に悪影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・適切な個人情報の取得および利用のための自主基準やマニュアルを策定し、これらに基づいて管理システム・社内管理体制を整備し、実店舗からオンライン環境に至る全ての事業環境において、日々厳重に個人情報の管理を実施しております。・個人情報を含む情報セキュリティ体制の策定と周知の徹底を行い、さらに継続的な見直しとモニタリングを実施しております。・対応スキルの維持向上を目的として従業員に向けた教育を実施し、リテラシーと意識の向上を図っております。・行政によるデジタル社会の形成に向けた法整備状況、個人情報の保護に関する法律をはじめとした法規制やガイドライン等への対応を図っております。
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2 【事業等のリスク】本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 (当社グループのリスクマネジメント推進体制について)当社グループでは、外部環境の変化により事業を取り巻くリスクが多様化・複雑化する今日において、事業活動に負の影響を及ぼすような事象と、企業の持続的な成長を妨げる要因をリスクとして幅広く定義し、分析・評価を行い一層の対応の強化を図ることで、レジリエンスの高い企業経営を実現してまいります。平時におけるリスクへの備えと発生時の適切な対応によるリスクの低減のための組織の構築、事業の対応計画を策定し推進することでグループとしてのリスクマネジメント力を強化しております。当社グループの掲げる事業計画を達成し、将来にわたって持続的な成長を可能にするとともにお客さま、お取組先、従業員の安心、安全を最優先としてリスクマネジメントを推進してまいります。 ※リスクマネジメント体制 当社グループではリスクの管理体制の枠組みとして3つのディフェンスラインを整備し、さらに各組織を5つのレイヤーに分類した上でリスクマネジメントにおける役割と責任を明確化し、実効性のあるリスクマネジメント体制の実現を図っております。その実践のための最高機関として、当社グループCEOを議長とするコンプライアンス・リスクマネジメント推進会議を設置するとともに、具体的な対策の立案と推進、検証のPDCAサイクルを回すための部会として、リスク対策部会、コンプライアンス推進部会、サイバーリスク対策プロジェクトと新型感染症(コロナ)対策本部会議の4つの部会を設置し、当社グループの統合的なリスクマネジメントの体制を構築しております。 (リスクの分析・評価について)リスクを分析・評価するに際し、日々変化する外部環境、当社グループの事業特性と事業戦略を考慮し、多角的かつ多面的なリスクの把握に努めております。事業を取り巻く事象を5つのカテゴリー(①災害・外部リスク、②経営戦略リスク、③財務リスク、④人事・労務リスク、⑤オペレーショナルリスク)に分類し、リスクの分析と評価を行います。そしてリスクが顕在化した際には、物的損害、人的損害、財務・経営戦略遂行の阻害、レピュテーション毀損などの損害を被ると捉えております。以下の記載においては、主要な事業領域(百貨店事業)を中心とする当社グループ経営全体への影響度と発生可能性を想定した主要なリスクを記載しております。 区分リスク項目影響度物的損害人的損害財務、経営戦略遂行の阻害レピュテーション毀損災害・外部リスク自然災害・事故大●●●● 感染症大 ●●● 情報セキュリティ大 ●●経営戦略リスクデジタル社会への対応大 ● サステナビリティ経営の推進大 ●● ビジネスモデルの変化への対応大 ●● 海外事業におけるリスク中●●●●財務リスク企業(被)買収大 ● 資金調達中 ● 人事・労務リスク人材確保の激化大 ●●●オペレーショナルリスク商品取引上のリスク大 ●●● 個人情報の漏洩・紛失等大 ●● (1,災害・外部リスク)(1) 自然災害・事故:影響度 大(リスク)当社グループは、百貨店事業を中心として店舗による事業展開を行っております。このため、地震、台風といった自然災害により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。特に、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、お客さま、従業員及び建物等に甚大な損害を受ける恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。更に近年の地球環境の変化に伴い、台風や集中豪雨といった災害規模と被害が甚大化するケースが増加しております。洪水や浸水、強風によりお客さま、従業員及び建物等に被害や営業停止による営業損失を与える可能性があります。また全国各地からの供給網により成り立っている百貨店事業において商品供給や物流にも影響を与える可能性があり、当社グループの事業活動全体に影響を及ぼす可能性があります。そして、当社グループでは消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っております。しかし、店舗にて火災が発生した場合、お客さま、従業員の罹災による人命の危機の発生および人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、そして被害者に対する損害賠償責任等が発生します。さらに、これらの被害以外にも法令違反が発覚した際の罰則処分、営業停止に伴う営業損失により当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・当社グループでは、地震、台風等の今後想定される大規模災害への対応計画及び発生後におけるBCPを策定しており、これらの計画とBCPに基づいた災害時の組織体制の策定と対策、訓練を実施しております。・防災・減災対策と災害発生時の初動・復旧・復興にむけた行動想定や実効性向上のための各店舗および事業所での定期的な訓練、安否確認システムの導入、ITツールを活用した情報共有を実施しております。・複数のリスクに対応したBCPを策定しどのような災害が起きても継続すべき業務を重要継続業務と定め、そのガイドラインの策定と更新を随時行っております。・各店舗にて消防署と協力の上、火災を想定した消防訓練の実施や設備点検、更には自衛消防隊設置による平時からの安全管理を実施しております。 (2) 感染症:影響度 大(リスク)2020年度より新型コロナウィルス感染症の発生により、感染拡大防止のための特別措置法の改正および措置等が行われ、主要な経済活動地域に対して度重なる人流の制限や政府から4度の緊急事態宣言が発令されました。更に変異株の発生や感染状況等に対して、解除の延長および各地方自治体によるまん延防止措置が実施されました。当社グループでは、お客さまと従業員の安心、安全を第一に感染対策を実施して営業を継続しておりますが、今後感染状況が長期化した場合、国内の消費マインドの低迷やインバウンド需要の回復の遅れ等により当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。(対 応)・日本百貨店協会等の業界ガイドラインに基づいた対応基準の適用を行っております。・基礎的な感染症対策の重要性を強く認識し、グループ全店舗等に繰り返し周知徹底を行っております。・各店舗にて体温検査・消毒といったお客さまの安全確保のための感染防止対策と従業員の活動エリアでの感染対策を徹底しております。・感染者確認の際には該当従業員の最終出勤日および行動範囲を把握した上で、当該範囲に対する適時消毒を実施し各店舗のホームページ等への感染者発生情報等の速やかな情報開示手続きに務めております。 ・グループ全体の感染対策の一元化と連携を図るべく一連の拡大防止対応プロセスを集中管理し、コロナ対策本部会議への報告と感染状況に応じた対策の更新を随時実施しております。 (3) 情報セキュリティ:影響度 大(リスク)当社グループは多岐にわたる事業活動やサービス提供の中で、お客さま、お取組先の様々な情報を日々お預かりし管理しております。昨今、日本企業が国内外からのサイバー攻撃を受ける事例が増加しており、当社グループでも情報セキュリティガバナンスの更なる強化は急務となっております。サイバー攻撃等によるシステムの破壊や停止、そして不正アクセス犯罪等による個人情報や機密情報の漏洩が発生した場合、システムの停止と復旧に時間を要することにより広範な業務に支障をきたすことを余儀なくされます。加えて、社会的信用の失墜による売上の減少や賠償金等の支払い負担など、当社グループの業績や財務に影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループでは、情報セキュリティガバナンス強化としてサイバーリスク対策プロジェクトを設置し、日常の業務活動の中で技術的及び人的・組織的な対策の強化を図っております。・技術的対策では、サイバー攻撃を防御、監視、検知、駆除するためのセキュリティツールの導入・運用を強化しております。・人的・組織的対策では、情報セキュリティに関する従業員のリテラシー向上策として、システム部門における専門的なセキュリティ人材の育成や、従業員へのセキュリティ教育及び訓練を適時実施しております。 (グループ連携組織CSIRTについて)二次被害防止の範囲を含めたリスクの局限化のため、初動と組織連携による十分な対応ができるよう、CSIRT(Computer security incident response team)の設置、迅速な行政等への報告、外部専門機関との情報連携などの体制を構築したことに加えて、定期的に訓練を実施する等、さらに実効性を向上させる取り組みを行い、情報資産の保全を強化しております。 (2,経営戦略リスク)(1) デジタル社会への対応:影響度 大(リスク)当社グループでは、デジタル社会への変化に対応するために、店舗とオンラインをシームレスにつなぐオンラインサイト・アプリの提供や、デジタルツールを利用した業務効率化を進めております。また、事業活動を通じて蓄積したデータを使ってお客さまやお取組先への新たな価値提供を目指すなど、デジタルテクノロジーを活用したビジネスの変革(DX)に取り組んでおります。一方で、デジタル社会への対応には内部リスクと外部リスクが存在しております。内部リスクとしては、DXを実行する社内リソースの不足により、デジタル社会を前提としたお客さまのご要望に迅速に対応できないことや、業務効率化、経営効率化が進まずに事業全体の業績や財務状況、今後の経営計画の実行への悪影響を与える可能性があります。また、新システム導入や更改、日々のシステム運用の中で不測の障害が発生することで、実店舗およびオンライン上の営業活動に支障をきたす可能性があります。外部リスクとしては、デジタル社会の負の側面としてオンライン上での詐欺犯罪が増加しております。当社グループのECサイトにおいても不正利用の発生件数の増加傾向が見られ、対応が不十分な場合は財務に損失を与える可能性があります。 (対 応)・デジタルテクノロジーやデータの活用に長けた専門組織の設置と人材育成や、各部門へのデジタル人材の配置を行い、グループ全体としてDXを実行する社内リソースの強化を図っております。・システム部門による障害発生の事前防止活動とともに、システム部門と営業部門が一体となり障害発生時の損失を極小化する対応力向上を図っております。・オンライン上の不正な行為を抑止する技術的対策の導入を、より一層強化してまいります。・仮想空間プラットフォーム、AIを組み合わせた顧客データ分析など、新しいデジタルテクノロジーを活用したビジネス価値創造に持続的に取り組み、デジタル社会の発展に適応してまいります。 (2) サステナビリティ経営の推進:影響度 大(リスク)昨今世界各地において気候変動による自然災害の頻発・甚大化や格差の拡大等、様々な環境・社会課題が顕在化してきております。そのような背景から各企業はサーキュラーエコノミー社会の推進、人権の尊重、地域社会への貢献、ESG経営、SDGsへの取り組みといったような社会的責任の追及に根差したビジネスモデルを推進しております。しかし、このような社会の潮流に対して当社グループの対応が不十分であり、且つ遅れをとった際には、時代とともに地域とお客さまと進化してきた百貨店事業の根幹を否定することとなり、社会的な信用の失墜や資金調達が困難となることから企業経営の存続と財務状況に悪影響を与える可能性があります。そして、気候変動による環境規制の強化やエネルギー価格高騰による設備費増や商品価格への影響は、当社グループビジネスの財務に影響を与える可能性があります。(対 応)・当社グループではサステナビリティを推進するにあたり基本方針を策定し、CEOを議長とするサステナビリティ推進会議を組織し定例会議を実施しております。また、従業員に向けた教育を実施し、当社グループを取り巻く環境への理解を深め、社内での様々な環境や社会に対する課題解決への取り組み施策を実施しております。・当社グループはTCFDへ賛同しており、気候変動拡大によるリスクの把握と当社の財務への影響を分析し、情報開示を行っております。そして「三越伊勢丹グループ2030年環境中期目標」及び「三越伊勢丹グループ2050年環境長期目標」を設定し、低炭素社会の実現に向けた様々な取り組みを推進しております。 ・当社グループのサステナビリティの基本方針に適合した各店舗での商品・サービスの提供及び建物への新技術の導入を進め環境負荷削減を推進しております。 ・責任ある調達を実現するためにお取組先に対し「サステナビリティ調達に関するアンケート」を実施しサプライチェーン上の課題抽出を図っております。 (3) ビジネスモデルの変化への対応:影響度 大(リスク)当社グループの主要事業である百貨店事業は、マスマーケティング型のビジネスモデルに重きを置いておりましたが、近年のデジタル化の加速と情報化社会の進化によりお客さまの価値観、消費行動は大きく変化を遂げております。このような時代の変化に対応したビジネスモデルへの転換が遅れますと、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、同業・異業態の小売業他社との競争があり、現在では業界外部・内部からの業界再編の動きが活発化しております。また、業界自体の需要は事業展開する国内・海外各国における気候状況や政治状況、景気動向・消費動向等の経済情勢、少子高齢化といった人口動態の変化や所得の二極化といった社会情勢に大きな影響を受けます。従って、これらの要因や不測な社会情勢の変化に対し当社グループの対応が不十分でありますと業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・当社グループは中期経営計画にて上記のリスクを加味した上で新しいビジネスモデルの確立が必須であるという認識のもと、多岐にわたる事業の強化を図ってまいります。・基本戦略として "高感度上質"戦略を策定し、生活にこだわりを持ち上質で豊かな生活を求めるお客さまに向けた実店舗の構築や外商改革を進めるとともに、全国のお客さまに向けた、デジタル技術を駆使した、新たな購買体験等の提供を促進しております。・百貨店事業以外のビジネスとして首都圏及び地域の保有不動産の再開発や新興国での不動産プロジェクトへの参入といった事業の強化を行っております。 (4) 海外事業におけるリスク:影響度 中(リスク)当社グループでは、百貨店事業では東南アジア、中国、台湾、米国での店舗の営業の他、不動産事業においても海外に参画しております。これらの売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されており為替変動の影響を受けております。また事業展開をする各国において、事業・投資の許可、税制等、さまざまな政府規制や法制度の適用を受けております。そして海外での事業展開には、従業員の安全管理上の問題、海外現地法規制への対応不備による違反金の支払い義務の発生、コミュニケーション不足、テロ・戦争・政治・宗教その他の要因による政治・経済的情勢不安や社会的混乱、現地のガバナンス不全等の地政学リスクが内在しております。これらのリスクにより、当社財務への損害だけでなく、海外実店舗の物的・人的損害の発生や事業の停止・撤退を余儀なくされる可能性があります。また、商品供給網においても、現地法人やお取組先を介してのグローバルな取引が多くあり、商品供給の停滞、遅延が発生する可能性がございます。特に、直近のウクライナ情勢による影響は、商品価格の高騰及び商品供給のリードタイムの長期化や停滞、エネルギーコストの高騰、海外駐在員の安全等、当面の間、注視する必要があると捉えております。(対 応)・当社グループ従業員の海外赴任前教育等による安全教育機会の提供を実施しております。・海外拠点とのリモート会議やタイムリーな現地リスク情報の共有等、定期的なコミュニケーションを実施し連携を図っております。・事件事故や有事の発生時におけるレポートラインの確立と、日本と海外拠点が一体となった組織的対応の実施計画を策定しております。・資金管理等においては銀行のシステムを利用し日本側からのモニタリング体制を構築しております。・ガバナンス強化の一環として、海外拠点を対象に内部通報制度を導入し社外の通報窓口を設置し運用しております。 (3,財務リスク)(1) 企業(被)買収:影響度 大(リスク)外部環境として、事業の多角化や再構築を図る企業が増加傾向にあることや業界再編の動きが活発化しており、企業買収・合併はグローバルに増加しております。当社グループの取り巻く様々な状況及び理由から、企業価値や株価向上に繋がらない短期的な視点での敵対的買収や中長期的な価値向上に資さない買収が発生する可能性がございます。(対 応)・事業ポートフォリオの明確化とIRポリシーを制定し、お客さま・株主の皆様への情報公開を積極的に行っております。・企業価値向上を目的とした経営戦略、財務の具体的なKPI、収支構造改革を公表し実行に移しており、財務戦略としては「事業の収益性」、「バランスシートの内容の最適化」、「資本の効率性」の3要素を推進し、さらなる営業キャッシュ・フローの創出を図ってまいります。 (2) 資金調達:影響度 中(リスク)当社グループでは、多角化した事業を展開しております。今後の経営計画として不動産事業の強化を目指しており国内不動産の有効活用や海外不動産案件の参画を目指しております。そのため、保有不動産の建て替え、改修等で今後多くの資金需要が発生する可能性がございます。当社グループの業績の悪化や格付けの変更、更には政策の転換による金融市場における資金調達コストの上昇等により資金調達が困難になった場合は、当社グループの財務状況への悪影響と事業計画の実行の遅延及び戦略の変更を余儀なくされる可能性がございます。 (対 応)・将来の投資への備えと不測の事態にも対応しうる財務基盤の強化に努めており、具体的には純有利子負債÷EBITDAの具体的な目標数値を設定し、その実現を目指すと共に営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・フロー、有利子負債削減、株主還元のバランスの取れたキャッシュアロケーションを実施してまいります。・潤沢な資金調達を可能とするために、資金調達手法の多角化を推進しております。 (4,人事・労務リスク) (1) 人材確保の激化:影響度 大(リスク) 人材獲得競争の激化が国内のみならずグローバルに発生しており、当社グループにおいても昨今のデジタル技術の進化に伴うデジタル人材や新規事業を始める際に各分野の専門的知見をもつ人材の育成、確保は急務と認識しております。更に、ダイバーシティ&インクルージョンの推進としてハイブリッド勤務の導入を実施するなど個人のライフスタイル、ライフステージに対応した人事制度の設計を行っております。しかし、当社グループが、競争が激化する中で人事制度の設計不備等により、高度なスキルを有する人材の確保が図れなかった際には当社グループの目指す経営目標の達成や事業の存続に影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・全従業員が部署や事業を通して従来の縦割り型から脱却を図り協業しやりがいと誇りを持てる風土を醸成することを当社の人事制度の方向性として定めております。・定期的な人事制度の見直し及び、従業員のモチベーションの向上を図るべく教育制度やグループ内出向及び外部出向を拡充しており、自己啓発や公募制度を通した社内外での人材交流の活発化を行うことで人材強化を達成する制度設計を実施しております。・ライフワークバランスを尊重し個人のライフスタイルに合わせた多種多様な働き方を認める各種制度を実施しております。 (5,オペレーショナルリスク)(1) 商品取引上のリスク:影響度 大(リスク)当社グループは、百貨店事業を中心として事業展開を行っております。当該事業は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律を始めとする経済法や各種消費者保護法、また営業許認可に関わる各種業法の適用を受け、お取組先との取引においても、消費者との取引においても、競争力や情報量の格差に乗じた不当な拘束等を排除し公正な取引を行うことが求められています。これらの法規制を遵守できなかった場合、社会的信用の失墜、行政処分による当社グループの活動の制限、売上の減少や損害賠償金の支払い、罰金・課徴金の支払い等による財務上の損失が発生するなど、当社グループの事業継続に大きな影響が生じることが考えられます。なかでも食料品販売から飲食サービスまで多岐にわたる食品衛生に関わる事業においては、アレルギー表記の不備等が原因となる食物アレルギー有症事故や、調理者の健康管理不良や食材管理不良等に伴う食中毒が発生した場合、お客さまへの重篤な健康被害、営業停止や罰則などの行政処分、社会的信用の失墜による売上の減少や損害賠償金等の支払いが発生し財務状況に悪影響を与える可能性がございます。(対 応)・グループ全体の商品取引における法令遵守体制を構築するために、下請代金支払遅延等防止法や不当景品類及び不当表示防止法、特定商取引に関する法律に則したガイドラインやマニュアルを整備し、法改正やオペレーションの見直し等時宜に適った改定を行い、社内に周知しております。・コンプライアンス推進部会を組織しており定例会議を開催し、法改正等への対応の指針の策定と社内懸念事項の報告及び解決に向けた取り組みを強化しております。・従業員やお取組先から派遣いただく社員に対し、法令、社内規程、倫理観を重視したコンプライアンスカルチャーを醸成するため様々な教育実施と、法令違反や社内規程に反する行為がないかの定期的な点検の実施を行っております・万が一、事件・事故が発生した際には各ガイドラインとレポートラインに則った関連部署間での連携による解決を図り、その後事例を社内にて共有し再発防止に努めております・食品衛生の基本となるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画書を策定し、お取組先まで共有することで食品衛生確保の網羅性を図っております。計画書に基づいた日々の記録と保管を徹底し、定期的な点検を実施することで、法令遵守と食中毒予防の両面からお客さまの安全確保に取り組んでおります。・アレルギー有症事故を予防するため、正しいアレルギー情報を提供するためのマニュアルと社内体制を整備しております。アレルギー情報が正しく提供されていることを定期的に点検すると共に、お客さまとも積極的なリスクコミュニケーションを日々推進しております。 (2) 個人情報の漏洩・紛失等:影響度 大(リスク)昨今、旧来の個人情報保護の観点のみならず、個人情報を用いたビジネスの拡大や新規ビジネスの創出に伴う個人情報の漏洩・不適切利用事案の増加から、消費者の個人情報保護への意識と利用状況への関心が高まっております。また個人情報に関する各国法も相次いで整備される中、越境移転も踏まえた、厳重な管理体制や厳格な目的内利用の仕組みの構築が、企業に求められております。当社グループでは百貨店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、多くのお客さまの個人情報をお預かりし管理しておりますが、犯罪等により外部に漏洩した場合や管理体制の不備により紛失した場合、また個人情報の保護に関する法律等の法令違反が発覚した場合には、損害賠償費用や罰金などの費用の発生、さらには当社グループの社会的信用の失墜による売上の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (対 応)・適切な個人情報の取得及び利用のための自主基準やマニュアルを策定し、これらに基づいて管理システム・社内管理体制を整備し、実店舗からオンライン環境に至る全ての事業環境において日々厳重に個人情報の管理を実施しております。・個人情報を含む情報セキュリティ体制の策定と周知の徹底を行い、さらに継続的な見直しとモニタリングを実施しております。・対応スキルの維持向上を目的として従業員に向けた教育を実施しリテラシーと意識の向上を図っております。・行政によるデジタル社会の形成に向けた法整備状況、個人情報の保護に関する法律を始めとした法規制やガイドライン等への対応を図っております。・外部の専門団体に加盟し、他社発生事象の情報共有を含め専門的な知見からなる指摘を受けながら外部環境変化に即した制度設計を図っております。
FY2021|4,599 文字
2 【事業等のリスク】本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 (当グループのコンプライアンスリスクマネジメント推進体制について)当社では、事業活動に支障をきたす事象とそのおそれを含めて、持続可能な社会づくりへの貢献にマイナス影響をおよぼす要因をリスクとして定義を行い、特に主要なリスクをコンプライアンス・リスクマネジメント推進会議および執行役会で選定し、方向性の決定に基づいて既設置のリスク対策部会、公正取引部会、サイバーリスク対策会議に加え、2020年4月に設置した新型コロナウイルス感染症対策会議等、連携する階層組織体制のなかで、適切に発生事象情報及びその対応を踏まえたリスク管理の方向付けを明確化したうえ、実効性あるリスクマネジメントを推進しています。 また、以下の記載においては、主要な事業領域(百貨店事業)を中心とするグループ経営への影響度及び可能性を想定した、グループ全体に共通しかつ主要なリスクを記載しております。 ※コンプライアンス・リスクマネジメント推進会議の位置づけ (新型コロナウイルス感染症による影響)2020年度において感染拡大防止のための特別措置法の改正及び措置等が行われ、主要な経済活動地域に対してさらなる人流の制限が強化されています。また、2021年4月に入り、政府から3度目の緊急事態宣言が発令され、新型コロナウイルス感染症の変異株が持つ新たな病原性と感染力の変化や、感染状況等に対して、解除の延長および各地方自治体によるまん延防止措置の要請により、生活必需品以外の営業を一部制限いたしました。変異株の発生などもあり、安定・収束へ向かう時期については、有効なワクチン接種までの間、相当程度の期間を要すると考えられます。自粛の更なる長期化による経済活動の停滞は、消費行動への様々な影響だけでなく、消費者の価値観および嗜好にも影響を及ぼす可能性もあります。引き続き消費マインドおよび消費行動への波及は続くものとみられますが、この感染状況が収束を迎えて経済活動が正常化するまでの間において、引き続きライフスタイルおよび消費構造は変化する可能性があると考えられます。 (対応および見通し) ・日本百貨店協会等の業界ガイドラインに基づいた対応基準の適用 ・基礎的な感染症対策の重要性を強く認識し、グループ全店舗等に繰り返し周知徹底 ・店舗勤務のお取組先従業員を含めた当社従業員および家族の身体生命の安全確保と感染拡大防止 ・体調不良による医療機関受診時のPCR検査受検指示については、各事業所への報告を義務付け ・最終出勤日および行動範囲の把握、当該範囲に対する適時消毒の実施 ・一連の拡大防止対応プロセスを集中管理し、新型コロナウイルス感染症対策会議への報告実施 ・ホームページ等への感染者発生情報等の速やかな開示手続きの実施 (1) 需要動向におけるリスク:影響度 大(リスク)当社グループの主要なセグメントである、百貨店業の需要は、事業展開する国内・海外各国における気候状況や景気動向・消費動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競争状況等に大きな影響を受けます。従って、これらの要因により、当社グループの業績や財務状況に、悪影響を及ぼす可能性があります。(対 応)デジタル化による社会環境変化への対応:DXによる消費行動の変容および非接触型のニューノーマル社会への伸展のなかで、ECサイトでのオンライン提案の強化や、アプリによるリモートショッピングなど、EC事業を拡充し、シームレスに百貨店のサービスを提供することにより、あらたな顧客創造および顧客獲得に結び付けていく施策を経営計画に位置付けて着手推進しています。 (2) 海外の事業展開におけるリスク:影響度 中(リスク)当社グループのセグメントのうち、百貨店業は東南アジア、中国、台湾、米国、欧州で店舗の営業等を行っております。これらの売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されています。また事業展開をする各国において、事業・投資の許可等、さまざまな政府規制の適用を受けています。 海外における事業展開には、従業員の安全管理上の問題、海外現地法規制への対応不備、コミュニケーション不足、テロ・戦争・政治・宗教その他(新型コロナウイルス感染症含む)の要因による社会的混乱、ガバナンス不全等のリスクが内在しています。(対 応)・海外赴任前教育等による安全教育機会の提供・海外拠点とのリモート会議やタイムリーなリスク情報の共有等、定期的なコミュニケーションの実施や施策の立案・事件事故等の発生時におけるレポートラインの確立と、日本と拠点が一体となった組織的対応の実施 ・資金管理等においてはシステム導入による日本側からのモニタリング体制の構築 ・ガバナンス強化の一環として、海外事業所を対象に内部通報制度を導入し、社外の通報窓口を設置し運用 (3) 公的規制におけるリスク:影響度 大(リスク)当社グループの事業展開においては、独占禁止、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制等の適用を受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性や、費用の増加につながる可能性があります。これらの規制は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(対 応)DXの進展に伴いこれまでの事業展開に加え、EC事業の拡大強化およびプラットフォームビジネス戦略を推進するなか、行政によるデジタル社会のルール構築に向けた整備に伴う事業関連法令を始めとした、法規その他ガイドライン等への対応を図ります。 (4) 自然災害・事故におけるリスク:影響度 大(リスク)当社グループは、百貨店業を中心として店舗による事業展開を行っています。このため、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。当社グループでは、大規模災害等への対応及び発生後における事業継続計画の策定などに積極的に取り組んでおります。しかし、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、従業員及び建物等に甚大な被害を被る恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。なお、火災については、消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っております。しかし、店舗において火災が発生した場合、被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、消防法による規制等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(対 応)・首都圏直下型地震発生を想定した事業継続計画等に基づく災害対策の実現 ・災害発生時の初動・復旧・復興にむけた行動想定や実効性向上のための訓練実施等 ・災害発生時の本社および百貨店の各機能を強化するための仕組み構築 (5) 商品取引におけるリスク:影響度 大(リスク)当社グループでは、百貨店業を中心として、消費者向け取引を行っています。これらの事業において欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に消費者からの信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また当社グループでは、百貨店業の外商部門やその他事業の卸売業を中心として、法人向けの取引を行っております。これらの事業は契約先1社当たりの販売額が高額であり、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等により費用が発生した場合や、契約先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(対 応)当社グループでは適正な品質管理に向けて、調達方針および商品取引基準に基づいた契約締結による商品取引上のリスク低減対策を講じるとともに、年間取扱商品と同様に、催事・イベント・プロモーション・外販等に至るまでの多様な商品提供においても、事故防止のための点検をはじめとした品質管理体制を構築しています。 (6) データ・センター運用上のリスク:影響度 大(リスク)当社グループが事業を展開するための各種システムは、主にデータ・センターのコンピューター設備で一括管理しています。当該データ・センターでは、電源・通信回線の二重化、耐震工事、不正侵入抑止等の対策を講じていますが、完全にリスク回避できるものではありません。自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、通信回線や電力供給に支障が出た場合、不正侵入や従業員の過誤による障害が起きた場合、業務の遂行に支障をきたし、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループではこれらのデータ・センター運用上のリスクを軽減するため、各種システムを安全性の高いデータ・センター仕様の外部施設へ設置しております。(対 応)・平常時からのシステム障害への対応・分析・低減・回復の対応力維持向上 ・大規模自然災害に起因するセキュリティ上の脅威への防護対策強化 ・運用継続計画の構築および見直しの実施 (7) 顧客情報の流出におけるリスク:影響度 大(リスク)当社グループでは百貨店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しております。当グループ個人情報保護方針に基づいて、これらの個人情報管理の重要性を認識したうえ、社内管理体制を整備して、厳重に行っておりますが、犯罪等により外部に漏洩した場合、顧客個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (対 応)・セキュリティ体制の継続的見直しの実施 ・モニタリングの実施 ・他社発生事象の情報共有を含め外部の専門団体への加盟 ・対応スキルの維持向上(グループ連携組織CSIRTについて)二次被害防止の範囲を含めたリスクの局限化のため、初動と組織連携による十分な対応ができるよう、CSIRT(Computer security incident response team)の設置、迅速な行政等への報告、外部専門機関との情報連携などの体制を構築したことに加えて、定期的に訓練を実施する等、さらに実効性を向上させる取組みを行い、情報資産の保全を強化しております。
FY2020|3,262 文字
2 【事業等のリスク】本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の拡大防止として、政府より大都市を中心とする一層の不要不急の外出自粛要請がなされました。感染リスクによる不安が消費行動に及び、その結果訪日外国人を含む来店者数が減少するなどし、これまでになく消費行動全体への影響が長引くことが懸念されます。 なお、当社グループでは、社会的影響力の大きい新型感染症を以下(4)の自然災害・事故等におけるリスクの地震・大規模水害と同様に、緊急時対応の項目として事業継続計画に位置付けております。 (1) 需要動向におけるリスク当社グループの主要なセグメントである、百貨店業の需要は、事業展開する国内・海外各国における気候状況や景気動向・消費動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競争状況等に大きな影響を受けます。従って、これらの要因により、当社グループの業績や財務状況に、悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 海外の事業展開におけるリスク当社グループのセグメントのうち、百貨店業は東南アジア、中国、台湾、米国、欧州で店舗を営業しています。これらの売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける場合があります。 また、海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しています。 1) 予期しない法律または規制の変更 2) 不利な政治または経済要因 3) 潜在的に不利な税制度 4) テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱 (3) 公的規制におけるリスク当社グループは、事業展開をする各国において、事業・投資の許可等、さまざまな政府規制の適用を受けています。また、独占禁止、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性や、費用の増加につながる可能性があります。これらの規制は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 自然災害・事故におけるリスク当社グループでは、百貨店業を中心として、店舗による事業展開を行っています。このため、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。 当社グループでは、大規模災害等への対応及び発生後における事業継続計画の策定などに積極的に取り組んでおります。しかし、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、従業員及び建物等に甚大な被害を被る恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。 火災については、消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っております。しかし、店舗において火災が発生した場合、被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、消防法による規制等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 ※新型感染症の拡大防止への対応について 感染症拡大状況における消費行動の変化や、特措法に基づく行政および各自治体からの事業所使用制限等の要請を受けての営業自粛を行う場合、その程度および期間に対して、当社グループの業績や財務状況に相当程度の影響を被る可能性があります。そのため、今般の新型感染症を非常時と位置づけ、CEOを本部長とした対策本部を設置し、感染状況の確認、初動対応、および感染拡大防止策を講じながら、顧客と従業員、従業員の家族の生命・健康の確保を前提とした、事業の継続、再開に向けた意思決定を行いました。 その中において、緊急事態宣言の発令下においては、来店利用客および従業員等の感染リスクと、経営維持・存続のための売上等収入確保の必要性などを勘案し、当社グループの事業継続計画を基に事業継続を検討した結果、首都圏百貨店店舗での52日間の休業をはじめとした営業自粛を行いました。 あわせて、事業再開にあたっては、日本百貨店協会等の業界ガイドラインに基づいた社会的距離の確保・マスクの着用・手洗いの基本事項をはじめとする感染拡大防止対策を実施し、お客さまおよび従業員の安全確保に努めております。 (5) 商品取引におけるリスク当社グループでは、百貨店業を中心として、消費者向け取引を行っています。これらの事業において欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に消費者からの信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 また当社グループでは、百貨店業の外商部門やその他事業の卸売業を中心として、法人向けの取引を行っております。これらの事業は契約先1社当たりの販売額が高額であり、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等により費用が発生した場合や、契約先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 当社グループでは、調達方針および商品取引基準による契約締結による商品取引上のリスク低減対策を講じるとともに、年間取扱商品と同様に、催事・イベント・プロモーション・外販等に至るまでの多様な商品提供においても、事故防止のための点検をはじめとした品質管理体制を構築しています。 (6) データ・センター運用上のリスク当社グループが事業を展開するための各種システムは、主にデータ・センターのコンピューター設備で一括管理しています。当該データ・センターでは、電源・通信回線の二重化、耐震工事、不正侵入抑止等の対策を講じていますが、完全にリスク回避できるものではありません。自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、通信回線や電力供給に支障が出た場合、不正侵入や従業員の過誤による障害が起きた場合、業務の遂行に支障をきたし、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、当社グループではこれらのデータ・センター運用上のリスクを軽減するため、各種システムを安全性の高いデータ・センター仕様の外部施設へ設置しております。 (7) 顧客情報の流出におけるリスク当社グループでは百貨店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しております。当社グループ個人情報保護方針に基づいて、これらの個人情報管理の重要性を認識したうえ、社内管理体制を整備して、厳重に行っておりますが、犯罪等により外部に漏洩した場合、顧客個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、不正アクセス等への対応として、セキュリティインシデントに対処するための組織CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を構築し情報資産の保全を強化しております。
FY2019|2,287 文字
2 【事業等のリスク】本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 (1) 需要動向におけるリスク当社グループの主要なセグメントである、百貨店業の需要は、事業展開する国内・海外各国における気候状況や景気動向・消費動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競争状況等に大きな影響を受けます。従って、これらの要因により、当社グループの業績や財務状況に、悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 海外の事業展開におけるリスク当社グループのセグメントのうち、百貨店業は東南アジア、中国、台湾、米国、欧州で店舗を営業しています。これらの売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける場合があります。また、海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しています。1) 予期しない法律または規制の変更2) 不利な政治または経済要因3) 潜在的に不利な税制度4) テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱 (3) 公的規制におけるリスク当社グループは、事業展開をする各国において、事業・投資の許可等、さまざまな政府規制の適用を受けています。また、独占禁止、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性や、費用の増加につながる可能性があります。また、将来の消費税率の引き上げ等による個人の消費動向への影響も懸念されます。従って、これらの規制は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 自然災害・事故におけるリスク当社グループのうち、百貨店業を中心として、店舗による事業展開を行っています。このため、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。当社グループでは、大規模災害等への対応及び発生後における事業継続計画の策定などに積極的に取り組んでおります。しかし、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、従業員及び建物等に甚大な被害を被る恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。 火災については、消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っております。しかし、店舗において火災が発生した場合、被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、消防法による規制等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 商品取引におけるリスク当社グループでは、百貨店業を中心として、消費者向け取引を行っています。これらの事業において欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に消費者からの信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また当社グループでは、百貨店業の外商部門やその他事業の卸売業を中心として、法人向けの取引を行っております。これらの事業は契約先1社当たりの販売額が高額であり、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等により費用が発生した場合や、契約先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) データ・センター運用上のリスク当社グループが事業を展開するための各種システムは、主にデータ・センターのコンピューター設備で一括管理しています。当該データ・センターでは、電源・通信回線の二重化、耐震工事、不正侵入抑止等の対策を講じていますが、完全にリスク回避できるものではありません。自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、通信回線や電力供給に支障が出た場合、不正侵入や従業員の過誤による障害が起きた場合、業務の遂行に支障をきたし、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループではこれらのデータ・センター運用上のリスクを軽減するため、各種システムを安全性の高いデータ・センター仕様の外部施設へ設置しております。 (7) 顧客情報の流出におけるリスク当社グループでは百貨店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しております。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備して、厳重に行っておりますが、犯罪等により外部に漏洩した場合、顧客個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2018|2,317 文字
2 【事業等のリスク】本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 (1) 需要動向におけるリスク当社グループの主要なセグメントである、百貨店業及び小売・専門店業の需要は、事業展開する国内・海外各国における気候状況や景気動向・消費動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競争状況等に大きな影響を受けます。従って、これらの要因により、当社グループの業績や財務状況に、悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 海外の事業展開におけるリスク当社グループのセグメントのうち、百貨店業は東南アジア、中国、台湾、米国、欧州で店舗を営業しています。これらの売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける場合があります。また、海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しています。1) 予期しない法律または規制の変更2) 不利な政治または経済要因3) 潜在的に不利な税制度4) テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱 (3) 公的規制におけるリスク当社グループは、事業展開をする各国において、事業・投資の許可等、さまざまな政府規制の適用を受けています。また、独占禁止、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性や、費用の増加につながる可能性があります。また、将来の消費税率の引き上げ等による個人の消費動向への影響も懸念されます。従って、これらの規制は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 自然災害・事故におけるリスク当社グループのうち、百貨店業や小売・専門店業においては、店舗による事業展開を行っています。このため、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。当社グループでは、大規模災害等への対応及び発生後における事業継続計画の策定などに積極的に取り組んでおります。しかし、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、従業員及び建物等に甚大な被害を被る恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。 火災については、消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っております。しかし、店舗において火災が発生した場合、被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、消防法による規制等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 商品取引におけるリスク当社グループでは、百貨店業や小売・専門店業において、消費者向け取引を行っています。これらの事業において欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に消費者からの信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また当社グループでは、百貨店業の外商部門やその他事業の卸売業を中心として、法人向けの取引を行っております。これらの事業は契約先1社当たりの販売額が高額であり、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等により費用が発生した場合や、契約先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。(6) データ・センター運用上のリスク当社グループが事業を展開するための各種システムは、主にデータ・センターのコンピューター設備で一括管理しています。当該データ・センターでは、電源・通信回線の二重化、耐震工事、不正侵入抑止等の対策を講じていますが、完全にリスク回避できるものではありません。自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、通信回線や電力供給に支障が出た場合、不正侵入や従業員の過誤による障害が起きた場合、業務の遂行に支障をきたし、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループではこれらのデータ・センター運用上のリスクを軽減するため、各種システムを安全性の高いデータ・センター仕様の外部施設へ設置しております。 (7) 顧客情報の流出におけるリスク当社グループでは百貨店業及び小売・専門店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しております。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備して、厳重に行っておりますが、犯罪等により外部に漏洩した場合、顧客個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2017|2,314 文字
4 【事業等のリスク】本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 (1) 需要動向におけるリスク当社グループの主要なセグメントである、百貨店業及び小売・専門店業の需要は、事業展開する国内・海外各国における気候状況や景気動向・消費動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競争状況等に大きな影響を受けます。従って、これらの要因により、当社グループの業績や財務状況に、悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 海外の事業展開におけるリスク当社グループのセグメントのうち、百貨店業は東南アジア、中国、台湾、米国、欧州で店舗を営業しています。これらの売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける場合があります。また、海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しています。1) 予期しない法律または規制の変更2) 不利な政治または経済要因3) 潜在的に不利な税制度4) テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱 (3) 公的規制におけるリスク当社グループは、事業展開をする各国において、事業・投資の許可等、さまざまな政府規制の適用を受けています。また、独占禁止、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性や、費用の増加につながる可能性があります。また、将来の消費税率の引き上げ等による個人の消費動向への影響も懸念されます。従って、これらの規制は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 自然災害・事故におけるリスク当社グループのうち、百貨店業や小売・専門店業においては、店舗による事業展開を行っています。このため、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。当社グループでは、大規模災害等への対応及び発生後における事業継続計画の策定などに積極的に取り組んでおります。しかし、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、従業員及び建物等に甚大な被害を被る恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。 火災については、消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っています。しかし、店舗において火災が発生した場合、被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、消防法による規制等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 商品取引におけるリスク当社グループでは、百貨店業や小売・専門店業において、消費者向け取引を行っています。これらの事業において欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に消費者からの信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また当社グループでは、百貨店業の外商部門やその他事業の卸売業を中心として、法人向けの取引を行っています。これらの事業は契約先1社当たりの販売額が高額であり、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等により費用が発生した場合や、契約先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) データ・センター運用上のリスク当社グループが事業を展開するための各種システムは、主にデータ・センターのコンピューター設備で一括管理しています。当該データ・センターでは、電源・通信回線の二重化、耐震工事、不正侵入抑止等の対策を講じていますが、完全にリスク回避できるものではありません。自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、通信回線や電力供給に支障が出た場合、不正侵入や従業員の過誤による障害が起きた場合、業務の遂行に支障をきたし、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループではこれらのデータ・センター運用上のリスクを軽減するため、各種システムを安全性の高いデータ・センター仕様の外部施設へ設置しております。 (7) 顧客情報の流出におけるリスク当社グループでは百貨店業及び小売・専門店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しています。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備して、厳重に行っていますが、犯罪等により外部に漏洩した場合、顧客個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
FY2016|2,314 文字
4 【事業等のリスク】本報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。但し、将来の業績や財政状態に与えうるリスクや不確実性は、これらに限定されるものではありません。また、文中における将来に関する事項は当社グループが当連結会計年度末において判断したものであります。 (1) 需要動向におけるリスク当社グループの主要なセグメントである、百貨店業及び小売・専門店業の需要は、事業展開する国内・海外各国における気候状況や景気動向・消費動向等の経済情勢、同業・異業態の小売業他社との競争状況等に大きな影響を受けます。従って、これらの要因により、当社グループの業績や財務状況に、悪影響を及ぼす可能性があります。 (2) 海外の事業展開におけるリスク当社グループのセグメントのうち、百貨店業は東南アジア、中国、台湾、米国、欧州で店舗を営業しています。これらの売上高、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける場合があります。また、海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しています。1) 予期しない法律または規制の変更2) 不利な政治または経済要因3) 潜在的に不利な税制度4) テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱 (3) 公的規制におけるリスク当社グループは、事業展開をする各国において、事業・投資の許可等、さまざまな政府規制の適用を受けています。また、独占禁止、消費者、租税、為替管理、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けています。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性や、費用の増加につながる可能性があります。また、将来の消費税率の引き上げ等による個人の消費動向への影響も懸念されます。従って、これらの規制は、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 自然災害・事故におけるリスク当社グループのうち、百貨店業や小売・専門店業においては、店舗による事業展開を行っています。このため、自然災害・事故等により、店舗の営業継続に悪影響をきたす可能性があります。当社グループでは、大規模災害等への対応及び発生後における事業継続計画の策定などに積極的に取り組んでおります。しかし、首都直下型の大地震が発生した場合、首都圏に基幹店が集中している当社グループは、従業員及び建物等に甚大な被害を被る恐れがあり、それにより当社グループの業績や財務状況に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。また、東日本大震災後に現出した電力の使用制限や消費の自粛、放射能による食料品汚染など、大規模災害が当社グループの営業活動に影響を及ぼす可能性があります。 火災については、消防法に基づいた火災発生の防止を徹底して行っています。しかし、店舗において火災が発生した場合、被害者に対する損害賠償責任、従業員の罹災による人的資源の喪失、建物等固定資産や棚卸資産への被害、消防法による規制等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 商品取引におけるリスク当社グループでは、百貨店業や小売・専門店業において、消費者向け取引を行っています。これらの事業において欠陥商品や食中毒を引き起こす商品等、瑕疵のある商品を販売した場合、公的規制を受ける可能性があるとともに、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等による費用が発生する場合があります。更に消費者からの信用失墜による売上高の減少等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また当社グループでは、百貨店業の外商部門やその他事業の卸売業を中心として、法人向けの取引を行っています。これらの事業は契約先1社当たりの販売額が高額であり、製造物責任や債務不履行による損害賠償責任等により費用が発生した場合や、契約先の倒産による売掛金の回収が不能となった場合の費用の発生等、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) データ・センター運用上のリスク当社グループが事業を展開するための各種システムは、主にデータ・センターのコンピューター設備で一括管理しています。当該データ・センターでは、電源・通信回線の二重化、耐震工事、不正侵入抑止等の対策を講じていますが、完全にリスク回避できるものではありません。自然災害や事故等により甚大な設備の損壊があった場合、通信回線や電力供給に支障が出た場合、不正侵入や従業員の過誤による障害が起きた場合、業務の遂行に支障をきたし、グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループではこれらのデータ・センター運用上のリスクを軽減するため、各種システムを安全性の高いデータ・センター仕様の外部施設へ設置しております。 (7) 顧客情報の流出におけるリスク当社グループでは百貨店業及び小売・専門店業、クレジット・金融・友の会業、情報処理サービス業を中心に、顧客の個人情報を保有・処理しています。これらの個人情報の管理は社内管理体制を整備して、厳重に行っていますが、犯罪等により外部に漏洩した場合、顧客個人に支払う損害賠償による費用の発生や、当社グループの社会的信用の失墜による売上高の減少が考えられ、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。