事業の概要
- DX活用資産運用PFクリアルは、ITを駆使した資産運用プラットフォーム事業を展開しています。不動産投資の全プロセス(投資、資金調達、仕入れ、運用、売却)をデジタル化し、効率的な運営を目指しています。これにより、これまで一部の富裕層や機関投資家に限られていた不動産投資の機会を、より多くの個人投資家にも提供しています。
- 不動産投資の民主化同社は「不動産投資を変え、社会を変える」をミッションに掲げ、一般の個人投資家がアクセスしにくかった非公開市場の不動産投資を、オンラインプラットフォーム「CREAL」を通じて可能にしています。これにより、1万円から手軽に不動産投資を始められるようになり、金融包摂の実現を目指しています。
- 多様な投資機会提供CREALでは、保育園などのESG不動産からレジデンスまで、多様な不動産への投資機会を提供しています。また、機関投資家や超富裕層向けの「CREAL PRO」(1億円から)、個人投資家向けの実物不動産投資サービス「CREAL PB」(1,000万円から)も展開し、幅広い顧客層のニーズに応えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 不動産ファンドオンラインマーケット(CREAL)1万円から投資可能な不動産ファンドオンラインマーケットで、同社の主軸成長事業です。保育園などのESG不動産からレジデンスまで多様な不動産に投資でき、投資家登録から投資実行まで全てオンラインで完結します。不動産投資の民主化を目指し、幅広い個人投資家が手軽に利用できるサービスです。
- 機関投資家・超富裕層向け不動産投資(CREAL PRO)1億円からの大型不動産投資を通じて、機関投資家や純金融資産5億円以上の超富裕層向けに資産運用サービスを提供しています。プロ向けのノウハウを活かし、大規模な不動産投資機会を提供することで、高額な資産を持つ顧客層のニーズに応えています。
- 個人投資家向け実物不動産投資(CREAL PB)1,000万円から投資可能な個人投資家向けサービスで、ITを活用して効率的に実物不動産(主に首都圏の中古区分レジデンス)に投資できます。DXを大きく活用したサービスであり、中規模の個人投資家が実物不動産にアクセスする機会を提供しています。
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3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社(クリアルパートナーズ株式会社、CREAL ASIA Pte Ltd、クリアルホテルズ会社、ステイシー新大阪合同会社、臼木証券株式会社)並びに関連会社(株式会社ティーエーティー)の計7社で構成されており、「不動産投資を変え、社会を変える」というグループミッションを実現すべく、DX(注1)を活用した資産運用プラットフォーム事業を展開しております。当社グループが展開する資産運用プラットフォーム事業は不動産への投資、資金調達、物件仕入れ、運用、売却といった不動産投資運用にかかる一連のフローのDXを推進しており、ITの活用により効率的に運営される新しい資産運用プラットフォームです。世界の運用資産残高は増え続け、また国内でも老後の年金問題に挙げられるように、資産運用の重要性やニーズは機関・個人投資家問わず増しています。あらゆる資産運用の手段の中でも、不動産投資は他の上場金融商品と比較して、金融市場の影響を受けにくく、価値が相対的に安定した、資産運用に欠かせない重要な商品のひとつにもかかわらず、不動産投資への機会は一部の富裕層や機関投資家に限定され、また管理手法や業務プロセスには大きな変革の余地がある状況です。従来イノベーションが進んでいなかった不動産投資の業界においても、大きなIT化の進む局面に来ており、当社ではITプラットフォームの有無が資産運用業界における競争優位性を持ち始める時代に入っていると考えています。海外では不動産投資のDX化が進展を続け、例えばグローバルの不動産投資クラウドファンディング (注2)のマーケットは約142億ドル(2022年)から約7,934億ドル(2032年) (注3)へ成長するという予測もされております。当社では、従前より機関投資家等のプロ向けに不動産投資運用サービスを展開しておりますが、当社の有するプロ向け資産運用ノウハウにDXを組み合わせ、一般個人には手の届きにくい非公開市場である不動産投資市場へすべての個人がアクセスできるようなプラットフォームを構築しています。不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は従来の人的リソースに依拠していた資産運用プロセスのDXを推し進め、多くの人が手軽に楽しく安心してオンラインで不動産投資による効率的な資産運用を始められるサービスを創造し、金融包摂(注4)の実現を企図するサービスです。すなわち「CREAL」は、いままで大型不動産投資への参加機会を持てなかった多くの個人へ不動産投資の門戸を開放することにより、不動産投資の民主化を実現します。また、「CREAL」では個人投資家の多くの共感を呼び込むことが可能であるため、従来投資が進んでいなかったESG不動産(注5)及び地方創生領域を含めた新しい不動産投資対象領域への投資の促進を図り、経済的リターンと社会的リターン(注6)の両立を図ります。このように当社は、ITと資産運用のノウハウの活用により、誰もが不動産投資による安定的な資産運用を開始できる資産運用プラットフォーム事業を提供することで、資産運用の民主化という社会課題を解決します。また同時に、日本に滞留する約1,100兆円(注7)の現預金を資産運用へ振り向ける転機となるサービスとなることを目指しています。 (注)1. DXとはDigital Transformationの略で、進化したデジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革していくことを指します。2.クラウドファンディングとは群衆(クラウド)と資金調達(ファンディング )を組み合わせた造語で、インターネットを通じて特定のプロジェクト等に共感した人より資金を募る仕組みです。3.Polaris Market Research & Consulting LLP, Real Estate Crowdfunding Market Report (Forecast to 2032)より。4. 「金融包摂(Financial Inclusion)」とは、世界銀行による定義では「すべての人々が、経済活動のチャンスを捉えるため、また経済的に不安定な状況を軽減するために必要とされる金融サービスにアクセスでき、またそれを利用できる状況」のことを指しており、経済活動に必要な金融サービスをすべての人々が利用できるようにする取り組みです。5.「ESG不動産」は、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資対象となる不動産を指します。6.「社会的リターン」とは、社会的な成果をもたらす事業に資金を投入することにより得られる、社会の状況が改善したという成果・事実を指します。7. 日本銀行が2025年3月21日発表した2024年第4四半期の資金循環統計(速報)によると、2024年12月末時点の家計の金融資産は2,230兆円、うち現預金が1,134兆円となっています。 (1) 事業の具体的内容当社グループでは資産運用プラットフォーム事業を有機的に一体となり運営しているため単一セグメントでありますが、当社が展開する、①「CREAL」②「CREAL PRO」③「CREAL PB」、当社連結子会社が展開する賃貸管理サービス等の④「その他」の4つのサービスにより構成されております。①1万円から資産運用が可能なサービスである「CREAL」では、保育園などESG不動産からレジデンスに至るまで多様な不動産へ投資ができる不動産ファンドオンラインマーケットです。また、②1億円からの資産運用となる「CREAL PRO」は、機関投資家・超富裕層(注)向けの大型不動産への投資を通じた資産運用サービスです。そして、③1,000万円からの資産運用が可能な「CREAL PB」は、ITを活用し効率的に実物不動産(主に首都圏の中古区分レジデンス)に投資ができる個人投資家向けの資産運用サービスです。なかでも、「CREAL」及び「CREAL PB」はDXを大きく活用したサービスであり、「CREAL」は当社の主軸成長事業です。(注)「超富裕層」とは、純金融資産(預貯金、株式、投資信託、一時払い生命保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた金額)について5億円以上を保有する世帯を指します。 セグメントサービス投資金額サービス内容資産運用プラットフォーム事業CREAL1万円~不動産ファンドオンラインマーケットCREAL PRO1億円~機関投資家や超富裕層向けの不動産投資サービスの提供CREAL PB1,000万円~実物不動産(主に首都圏の中古区分レジデンス)への投資を通じた資産運用サービスの提供その他-レジデンス・ホテルの管理・運営サービスの提供等 (2) 事業の特徴① 「CREAL」「CREAL」は、クラウドファンディングを活用した不動産ファンドオンラインマーケットです。資産運用において重要な位置づけを占めるにも拘わらず、投資に必要な多額の資金と手間、専門的な知識が障害となり個人にとっては遠い存在であった不動産投資への門戸を広く個人に開放するサービスです。当社が予め設定した分配金リターンを目的として投資家が一口1万円からさまざまな不動産へ投資できるサービスであり、投資家登録から投資実行に至るまですべてオンラインで不動産投資を完結することができる仕組みです。また、投資後の物件の管理から運用、そして売却に至る全運用プロセスについて不動産投資ノウハウを有する当社に一任することができ、投資家は手間や高度な知識を要することなく不動産投資運用が可能となります。 「CREAL」の業務の流れは以下のとおりであります。a. 物件供給の業務提携契約締結先の会社、ホテルや保育園の運営者、仲介会社等から収集した投資物件情報からスクリーニングを行い投資適格物件の選定を行います。b. 当社が選定した投資適格物件についてファンドの組成を行い、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」上に公開します。 c. 投資家は掲載されたファンド情報及びファンドに応じて設定された利回りを考慮のうえ投資金額を決定します。d. ファンドが成立した場合には、当社が「CREAL」にて募集完了した投資金額を用いて対象不動産を売主より購入します。その際、当社はファンド組成費用として一定の手数料(アップフロント・フィー)を受領します。e. ファンド運用期間中に不動産を賃貸することにより賃借人から得られる賃料を基にして、投資家へ配当を行います。当社はファンド運用時に管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領します。f. ファンド運用終了時に不動産を売却することにより得られた売却代金を基にして、投資家へ最終配当及び元本償還を行います。ファンド運用終了時においては不動産売却手数料(エグジット・フィー)を受領し、さらに当社が物件を売却して利益が生じた場合には、当社は当該売却利益または当該売却利益の一部(プロフィットシェア)を受領します。 また、「CREAL」では、これまでの不動産投資において課題となっていた「情報の非対称性」(注1)を解消すべく、楽しくも分かりやすい徹底した情報開示を実践しております。以下は「CREAL」における情報開示項目の例となります。・募集金額、想定利回り(インカムゲイン、キャピタルゲイン内訳)、想定運用期間、想定初回配当日・投資対象の不動産や運営者へのインタビューについてのとりまとめ動画・プロジェクトについての投資リスクの考え方・物件が所在する地図と建物図面・不動産価格調査報告書やエンジニアリングレポート等の不動産鑑定を含めた専門家の第三者レポート・物件の運営者の概要・投資対象が所在するエリアや市場のマクロマーケットの概況・投資リターンの参考となる類似物件についての賃貸事例や売却事例・ファンドにおける調達資金とその使途・投資リターンのシミュレーション 「CREAL」はサービス開始以来、社会的に資金を必要としているが十分に流れていないESG不動産領域へ注力してまいりました。今までは投資規模が小さいため世の中に必要な不動産であるのにもかかわらず機関投資家からの投資がされにくかった保育園、学校、ヘルスケア、地方創生関連のアセットに対して、クラウドファンディングにより個人投資家からの投資資金を送る導管としての役割を果たし、社会性と投資商品性の両立を図ることを目指しております。「CREAL」における初めてのESG不動産への投資は2019年4月、東京都豊島区駒込に所在する保育園となります。以後、「CREAL」におけるこれまでの投資金額に占めるESG不動産への投資額は50億円超(注2)となっております。 (注)1.不動産会社である売主と一般個人である買主の間で保有する情報に格差があり、買主にとって不利な条件で不動産投資をせざるを得ない状況のことを指します。2.サービスローンチから2025年3月末日時点における「CREAL」にて投資した全不動産の投資金額のうちESG不動産が占める金額の総額。 ② 「CREAL PRO」1億円からの資産運用サービスである「CREAL PRO」は、機関投資家・超富裕層向けの資産運用サービスであり、大型不動産への投資を通じた資産運用サービス事業を展開しております。具体的には、当社が情報を入手した投資物件を基に仲介業務や私募ファンドを組成・運用する業務が中心となります。また、当社グループが固定資産として保有するホテルの運営事業も含まれております。 「CREAL PRO」の業務の流れは以下のとおりであります。a. 物件供給の業務提携契約締結先の会社、ホテルや保育園の運営会社、仲介会社等から収集した投資物件情報からスクリーニングを行い投資適格物件の選定を行います。b. 当社が選定した投資適格物件についてファンドの組成もしくは仲介業務を行い、当該ファンドへ出資に興味をもつ投資家の探索もしくは当該物件への購入意欲のある投資家の探索を行います。 c. 投資家による当該ファンドへの出資が行われファンドが成立した場合、もしくは投資物件を購入した場合には、当社はファンド組成費用として一定の手数料(アップフロント・フィー)もしくは仲介手数料を受領します。d. ファンド運用期間中、当社は物件の運用管理を行うことにより管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領します。e. ファンド運用終了時に不動産を売却することにより得られた売却代金を基にして、投資家へ最終配当及び元本償還を行います。ファンド運用終了時においては不動産売却手数料(エグジット・フィー)を受領し、さらに当社が物件を売却して利益が生じた場合には、当社は当該売却利益の一部(プロフィットシェア)を受領します。 法人や機関投資家向けの不動産投資運用サービスを提供するに当たっては、取り扱う商品により適用される法規制・必要な許認可は異なりますが、当社では宅地建物取引業・第二種金融商品取引業及び金融商品取引法第29条に基づく登録を行い、現物不動産のみならずファンドの信託受益権の媒介業務や投資助言・代理業を行っています。また、「CREAL PRO」における不動産特定共同事業法による現物不動産の取引・運用業務につきましても今後展開していく予定でございます。 ③ 「CREAL PB」「CREAL PB」は、個人投資家向けに、実物不動産(主に首都圏の中古区分レジデンス)への投資を通じた資産運用サービスを提供しております。個人投資家向けに販売する投資用不動産を当社が仕入れ、個人投資家に販売することにより売却利益を獲得します。「CREAL PB」では、不動産投資に関わる一連のプロセス各所でのDX化を通じ、業務改善やコスト削減、また顧客にとっての利便性が高まるような取り組みをしております。 ・投資案件の物件評価・仕入システム「CREAL buyer」物件仕入れを効率的に行うために自社開発をしたAIを用いた物件評価・仕入システム「CREAL buyer」は、膨大なオンライン上の中古区分レジデンス不動産情報の中から、当社グループが仕入れるべき物件を自動的に収集・提案します。「CREAL buyer」のAIは、不動産に関わる膨大な量のデータを常時学習しており、ロケーションやエリア、面積・築年数・スペックに応じた適正な賃料や価格査定を可能としており、当社グループの購入する物件についての適切な価格査定を行っている他、割安な価格や賃料が設定されているハイパフォーマンスな物件をインターネット上で常に選別し、そのような物件がある際には仕入れの提案を担当者に通知します。「CREAL buyer」のAIによる適正賃料・適正価格の提示を通じ、投資商品の安定的な供給をサポートしています。 ・不動産投資運用のDXを推進する「CREAL concierge」物件の収支や契約書がオンラインで一元管理できる「CREAL concierge」の利用により、いままで書面や対面でのやりとりに大きく依存していた不動産投資運用プロセスのDXを推進します。「CREAL PB」の顧客である不動産オーナーは、物件の賃貸状況や収支状況がオンラインでいつでも手軽に確認可能となります。また、顧客である不動産オーナーに対して最新の販売中の不動産を表示することも可能とすることにより、顧客の更なるロイヤルティ育成をし、物件の買い増しを促進します。 ④「その他」「その他」は、主に連結子会社であるクリアルパートナーズ株式会社が提供する不動産賃貸管理サービスと、クリアルホテルズ株式会社及びその子会社が提供するホテル運営サービスで構成されております。不動産賃貸管理サービスは顧客である不動産オーナーより、集金代行手数料や契約事務手数料等の賃貸管理収入を継続して受領します。ホテル運営サービスには、不動産オーナーと賃貸借契約を締結し宿泊者から宿泊料を継続して受領する方式と、不動産オーナーからホテル運営の業務委託を受け運営手数料を継続して受領する方式があります。 ・物件管理業務効率化ツール「CREAL manager」物件の賃貸管理を一元化する「CREAL manager」の利用により、区分中古レジデンス不動産における賃貸管理業務を効率的に運用できる仕組みを構築しています。書面やエクセルなどで分散管理していた情報が一元化され、契約管理及び入出金管理を効率的に管理することはもちろん、オーナー向け明細の作成や希望者への郵送が自動化され効率的な作業を可能としております。 [事業系統図]当社グループの事業系統図は以下のとおりです。 ※「CREAL」は短期の資産運用(5年以内)サービスとなりますが、サービスローンチから2025年3月末までの各ファンドの想定運用期間は1か月~7年となっております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 銀行借入に依存せず個人から直接資金調達可能であり、金融機関の貸出姿勢に左右されないため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 ITプラットフォームの有無が資産運用業界における競争優位性を持ち始める時代に入っている。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 軽い(資本不要) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:不動産市場の動向 / 新型コロナウイルス等の感染症の拡大 / 劣後出資を通じた案件売却時の損失発生可能性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
クリアルは不動産賃貸業を主軸としており、特許やブランド力、規制ライセンスといった明確な無形資産による競争優位性は確認できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
賃貸物件の入居者にとっては、現在の住居からの引っ越しは手間や費用がかかるため、一定のスイッチング・コストが存在する。しかし、物件選択肢は多く、乗り換え障壁は高くない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、入居者と物件のマッチングであり、ネットワーク効果が働く構造ではない。
コスト優位☆☆☆☆☆
不動産賃貸業において、構造的に他社より大幅に低いコストで物件を仕入れたり、運営したりする優位性は見られない。
規模の経済★★☆☆☆
一定規模の物件ポートフォリオを保有しているが、不動産業界全体で見ると、規模の経済による圧倒的な優位性を確立しているとは言えない。
- DXによる効率化クリアルは、不動産投資の全プロセスをDX(デジタルトランスフォーメーション)で効率化しています。これにより、従来の人的リソースに依存した運用プロセスを革新し、低コストで迅速なサービス提供を可能にしています。ITプラットフォームの有無が競争優位性を持つ時代において、この効率化は大きな強みとなります。
- 個人投資家への門戸開放同社の主要サービス「CREAL」は、1万円からの少額投資を可能にし、これまで多額の資金や専門知識が必要だった不動産投資を一般個人に開放しました。これにより、幅広い層の個人投資家を取り込み、市場の拡大に貢献しています。投資家登録から投資実行まで全てオンラインで完結できる手軽さも魅力です。
- 劣後出資による投資家保護CREALでは、投資家保護のため、当社が劣後出資を行うことで、優先出資者(個人投資家)が優先的に配当を受け取れる仕組みを構築しています。これにより、万が一収益が想定を下回った場合でも、当社が損失を負担することで投資家のリスクを軽減し、サービスの信頼性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「不動産投資を変え、社会を変える」というグループミッションを掲げております。魅力的な資産運用の手段である不動産投資について、投資の機会が一部の富裕層や機関投資家に限定され、また管理手法や業務プロセスには依然として非効率な状況にあるという社会課題に対して、当社グループは不動産投資プロセスにDXを推し進めることにより、不動産投資を変え課題を解決いたします。具体的には、当社では、従前より機関投資家等のプロ向けに不動産投資運用サービス「CREAL PRO」を展開しておりますが、当社の有するプロ向け資産運用ノウハウにDXを組み合わせ、一般個人には手の届きにくい非公開市場である不動産投資市場へすべての個人がアクセスできるようなプラットフォームを構築しています。当社が運営する、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は、クラウドファンディングを活用することによりこれまで多額の資金や借入、時間と手間が必要であった不動産投資を一口1万円からオンラインで誰もが気軽に始められる新しい資産運用ツールとなります。また、「CREAL PB」は、物件の仕入、販売、顧客管理といった不動産投資運用のさまざまなプロセスにITを活用することで業務効率向上と中間費用の削減を目指し、個人投資家が実物不動産投資による中長期的な資産形成を効率的に行うためのサービスとなります。 (2) 経営環境資産運用業(アセットマネジメント)が経済成長の柱の一つと位置づけられ、国全体で資産運用業を育成・強化していく資産運用立国実現の構想が掲げられる中、「資産運用」という市場は拡大傾向にあり、中でも「Fintech」を活用した資産運用のツールは急速に拡大しております。「資産運用」と「ITの活用」という拡大が見込まれる二つの領域は、参入企業は多いものの、市場の成長性を鑑みると市場のポテンシャルは高く、当社の不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」には大きな可能性があると考えております。不動産投資クラウドファンディングのマーケットはグローバルで約142億ドル(2022年)から、今後は約7,934億ドル(2032年)まで成長するという予測がなされております。日本においても約10億ドル(2022年)から、今後は約583億ドル(2032年)へと成長するという予測もなされております(注1)。このように不動産投資クラウドファンディングのマーケットは、日本・海外ともに大きな市場の成長が想定されます。 (注)1.Polaris Market Research & Consulting LLP, Real Estate Crowdfunding Market Report (Forecast to 2032)より。 (3) 当社が考える強み① 不動産テック(注1)×EC(注2)というユニークなビジネスと多様なメンバー構成当社は、IT業界において熟練した技術経験を積んだエンジニア・デザイナー・マーケターで構成されるDX事業本部と不動産ファンド事業において長年の経験を有するメンバーで構成されたCREAL事業本部を同時に有し、業界でも非常に稀有なポジショニングを有しております。長らくイノベーションが発生していなかった不動産投資プロセスにDXを推し進める不動産テック会社であり、ITの活用による業務効率向上と中間費用削減により、投資家の皆様に安定的なリターンの提供が可能となります。また、同時に自社で組成したファンド商品を自社で運営する不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」にてダイレクトに販売するEC事業の側面を有します。自ら商品を企画・組成の上、一般個人投資家への販売までも一貫してオンライン上で直接行う、ユニークな事業モデルを展開しております。 (注)1.不動産テックとは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのことをいいます。2.ECとは、Electronic Commerceの略で、日本においては「電子商取引」と訳され、インターネットを利用して、売買、決済及びサービスの契約等の商取引を行うことをいいます。 ② 不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL(クリアル)」の競争優位性「CREAL」は、クラウドファンディングを活用した不動産ファンドオンラインマーケットです。投資家が一口1万円からすべてオンラインで不動産投資運用を完結することができる仕組みであり、不動産投資運用のDXを推進する事業です。競争優位性の源泉はシステム開発能力、商品組成、マーケティングの3点にあると考えます。 ・システム開発における優位性 社内のエンジニア・デザイナーによる自社開発であり、投資家のニーズを「CREAL」のシステムにスピーディーに反映することが可能です。技術基盤と洗練されたUI/UX(注1)により、「CREAL」は『Ruby biz Grand prix 2020』(主催:Ruby biz グランプリ実行委員会(事務局:島根県 商工労働部 産業振興課 情報産業振興室))においてVertical Solution賞を受賞、また2020年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しております。 ・商品組成における優位性 不動産ファンド事業において長年の経験を有するメンバーで構成されたCREAL事業本部におけるノウハウにより、サービスローンチ以来、保育園、学校、ホテル、オフィス、レジデンス、物流施設、商業施設、老人ホーム等の様々なアセットタイプの商品化を実現しております。また、各種施設運営会社や開発事業者との案件供給や情報共有を目的とした業務提携により、機動的な商品組成を可能としております。 ・マーケティングにおける優位性 投資未経験の方に投資に対して広く関心を持って頂けるようなサービスを目指し、自社でのオンラインマーケティングの他に、以下のパートナーと提携しています。提携パートナーがお客様へ「CREAL」の紹介・誘導を行う報酬として、当社がお客様から頂く手数料を提携パートナーとシェアしており、今後も提携パートナーを増やしていく方針です。 提携パートナー企業提携サービス提携内容日本航空株式会社 CREAL for JAL日本航空株式会社がマイレージ会員へ「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアするCCCMKホールディングス株式会社 CREAL × ⅤポイントCCCMKホールディングス株式会社がⅤポイント会員へ「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする小田急電鉄株式会社 CREAL × ONE(オーネ)ポイント小田急電鉄株式会社がONE会員へ「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする株式会社SBJ銀行CREAL × SBJ銀行株式会社SBJ銀行が自社サイトにて「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする 株式会社ロイヤリティ マーケティングCREAL ×Ponta株式会社ロイヤリティ マーケティングがPonta会員へ「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする株式会社NTTドコモ-株式会社NTTドコモが自社サイトにて「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社が広告料を支払うオリックス銀行株式会社-オリックス銀行株式会社が自社サイトにて「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする楽天証券株式会社-楽天証券株式会社が自社サイトにて「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社が広告料を支払う 以上の強みを背景に、当社の不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は、高い資金調達力を誇っており、2025年3月末日現在において、130ファンドを組成し、うち96ファンドは償還済みであり、いずれも元本割れ・配当遅延も無く想定利回りの配当を完了しております。 (注)1.「UI/UX」のUIとは、User Interface(ユーザー インターフェース)の略で、インターネットサービスとユーザーの接点です。UXはUser Experience(ユーザー エクスペリエンス)の略で、ユーザーがサービスを通じて得る体験のことをいいます。 ③ 「CREAL」の高い再投資率による積み上型モデルとしての収益安定性「CREAL」は、ファンドが成立した場合に一定の管理手数料(アップフロント・フィー)を、また、ファンド運営時にも管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領します。さらに、ファンド運営終了時においては売却手数料(エグジット・フィー)に加え、当社が物件を売却し利益が生じた場合には、当該売却利益の全部もしくはその一部(プロフィットシェア)を獲得します。投資家へ安定した投資商品を供給する対価としての手数料と、商品の利回り実績が、あらかじめ投資家へ提示している想定利回りを上回ったときに得られるプロフィットシェア(成功報酬)の二段構えのフィー体系となっており、投資家の満足度を維持しつつ当社にとっても安定かつ収益率の高いフィー体系となっております。また、「CREAL」における投資家のリピート投資率(注1)は安定的に推移しており、ファンド運営終了後も償還された金額と同水準、もしくはそれ以上の金額を新ファンドへ投資するロイヤルティの高いユーザー層を獲得しており、安定的な積み上げ型モデルの収益構造となっております。 (注)1.「リピート投資率」とは、GMV(注2)のうち過去1年間において投資実績がある登録会員の投資金額の割合を指し、以下の計算式で算出されます。リピート投資率=該当四半期において過去1年以内に投資実績がある登録会員の投資金額GMV(=該当四半期における登録会員の投資金額総額) 2. GMVとは「流通取引総額:Gross Merchandise Value」の略であり、「CREAL」においてファンド組成のため投資家から調達した資金額をいいます。 ④ 「CREAL PRO」及びDX化を通じた「CREAL PB」の成長ポテンシャル「CREAL PRO」は機関投資家や超富裕層を顧客とした不動産ファンド事業が中心となります。取得対象となる不動産は相対的に大きい規模(10億以上~)となり、かかる対象市場は主に不動産証券化市場になります。当該市場は年間約33兆円(注2)の市場規模であり、大きな市場となります。また、「CREAL PB」では都心部の中古区分マンションの販売及びその後の各種管理サービスの提供を行っていますが、首都圏の区分マンションの年間取引額約1.7兆円(注1)のなかで、「CREAL PB」のシェアは0.4%であり、DX化により差別化されたサービスや効率的な業務運営を通じ大きな成長ポテンシャルがあります。「CREAL PB」では当社が独自で開発する「CREAL buyer」「CREAL concierge」がビジネスの各バリューチェーンにおいてDX化を推し進めており、IT化が今後進展していく不動産業界の中で、その強みを生かして大きな成長を目指します。 (注)1.国土交通省 土地・建設産業局 不動産市場整備課「不動産投資市場の現状について」2.公益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ(2023年4月度~2024年3月度) Ⅰ.中古マンションレポート 1.首都圏・都県別概況 (1)成約状況」より算出。 ⑤ 「CREAL」を起点とした「CREAL PRO」及び「CREAL PB」の事業シナジー「CREAL」における各種ファンドの物件売却先として「CREAL PRO」が展開する機関投資家や超富裕層向けの不動産ファンドへの売却を推し進めております。その結果、「CREAL」投資家への安定的なリターンの提供のみならず、「CREAL PRO」の顧客である機関投資家・超富裕層に対しても良質な投資案件を独占的に紹介できるといったメリットがあります。また「CREAL」オンライン投資家の中には、中長期な資産運用形成の実現のために実物不動産投資に興味がある投資家も一定数存在しており、そのような投資家を「CREAL PB」へ送客するケースや、「CREAL PB」の富裕層顧客を「CREAL PRO」へ送客するケース等もあり、クロスセル(注1)の実現を図っております。 (注)1.クロスセルとはある商品の購入を検討している顧客に対し、別の商品も組み合わせで購入してもらうための営業活動のことをいいます。 (4) 経営戦略及び目標とする経営指標① 経営戦略当社グループは、従来イノベーションが進んでいなかった不動産投資のプロセス変革のため積極的なIT投資を継続的に行っており、そうした成長投資の継続により「CREAL」を資産運用の代表的なサービスとしての地位を確立いたします。また、「CREAL PB」では当社が独自で開発する「CREAL buyer」「CREAL concierge」、及び「その他」では「CREAL manager」を活用し、IT化が今後進展していく不動産業界の中で、差別化されたDX戦略により成長を図っていきます。「CREAL」、「CREAL PRO」、「CREAL PB」の商品ラインナップで、誰もが不動産投資による安定的な資産運用を実践できる社会、すなわち資産運用の民主化を目指していきます。 ② 目標とする経営指標当社グループの主な収益の源泉は、「CREAL」上でファンド組成・運用・物件の売却を行う場合に発生する一連の各種フィー及び売却益(第1 3 事業の内容 (2)事業の特徴 に記載)及び「CREAL PRO」におけるアセットマネジメント・フィーや不動産の売却益、並びに「CREAL PB」における投資用不動産の売却益となります。なお、当社「CREAL」における一連の各種フィーは、概ね以下のように設定しております。報酬内容報酬体系アップフロント・フィー(ファンド組成時に発生する手数料) GMV×手数料率アセットマネジメント・フィー(ファンド運用中に発生する手数料) エグジット・フィー(ファンド終了時に発生する手数料)プロフィットシェア(あらかじめ投資家へ提示している目標利益を上回ったときに得られる利益)売却益-目標利益 すなわち、GMVが増加すれば当社が収受する各種フィーもダイレクトに増加いたします。このように「CREAL」においてはECサイトのフィーモデルと近い体系となっており、そのため経営指標としてGMVを重視しております。 様々なDX開発を行う当社グループにおいては、人件費を含む開発費用のほか、継続的に広告宣伝費等の販管費が先行投資として必要です。そのため、当社グループの事業基盤の着実な拡大を把握する指標として、営業利益ではなく、売上総利益を重要視する指標の1つとしております。従って、当社の目標とする経営指標は当社グループ及び各サービス毎の売上総利益、並びに「CREAL」におけるGMVが最も重要な経営指標(以下、「KPI」という。)となります。 単位:千円2024年3月期2025年3月期連結売上総利益3,562,1325,666,282CREAL売上総利益1,437,5922,219,373CREAL PRO売上総利益1,272,7062,492,385CREAL PB売上総利益637,072718,137CREAL GMV20,071,00025,687,000 また、「CREAL」に係るKPIについては、登録会員数、累計調達額及びリピート投資率を重視しており、直近3年間の推移は以下のとおりです。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期6月9月12月3月6月9月12月3月6月9月12月3月登録会員(人)(注1)31,33033,95237,14640,86046,38952,67958,43063,87975,03481,54988,14397,065累計調達額(億円)(注2)174.4201.6242.6275.5339.3377.3413.7476.2535.9595.0667.9733.2リピート投資率(%)87.387.590.289.886.485.586.888.583.387.689.689.8 (注)1.「登録会員数」とは、本人確認及び登録審査手続きを終えて口座開設が完了し、いつでも投資が行える状態にある会員の数を指します。また、数値は期末時点のものになります。2.「累計調達額」とは、実際の物件取得の金額のうち「CREAL」を通じて調達した金額の総累計額(償還額は控除せず)を指します。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上課題① 不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の認知度の更なる向上事業の成長のためには、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の登録会員数増加とそれに伴うGMVの継続的な増加が不可欠です。サイトを魅力的に保つための創意工夫を継続的に実践していくとともに、各種マーケティング活動を通じて、更なる認知度の向上と登録会員数及びGMVの増加を図っていく必要があります。 ② 良質な不動産投資案件の仕入れ投資家に対して安定的なリターンを創出し、かつ売却時にキャピタルゲインを獲得できる良質な不動産を安定的に仕入れることは、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」登録会員数及びGMVの増加と利益確保のために非常に重要なファクターとなります。当社の投資物件の情報入手は、不動産仲介会社及び事業提携をしているパイプライン提供企業からの日常的な情報提供が中心であります。今後は、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の認知度・知名度拡大により仲介会社を介さない不動産保有者からのダイレクトソーシングを推進するとともに、ホテル・介護施設・病院・保育園、デベロッパー等といった運営会社を始めとするパイプライン提携企業を増やし、継続的にネットワークを拡大していくことが、案件の安定的な確保のために重要と考えています。 ③ 新規許認可の取得当社は不動産特定共同事業法に基づく第三号及び第四号事業者(注1)としての許可につき金融庁および国土交通省へ申請中となります。当該許認可を取得することにより、外部のSPCを利用したクラウドファンディングでの案件組成が可能となります。外部のSPCにてクラウドファンディングを活用することで、「物件のオフバランス化」「金融機関・機関投資家のファンドへの参画」が期待され、より大型の案件組成も可能となることから、早期の許認可取得を目指し体制整備を行っております。(注)1. 不動産特定共同事業法二条4項3号・4号に掲げる行為を業とする事業者 ④ 優秀な人材の確保と育成当社グループは今後の事業の拡大のために優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。そのため、継続的に業界経験者を中心とした中途採用を行っております。また、入社した社員に対しては定期的に社内の研修プランに従った研修・教育を実施することによりその育成に取り組んでおります。今後も継続的に採用を進め、社員への研修・教育制度の質を高めていくことで、優秀な人材の確保と育成を推進する方針であります。 ⑤ 内部管理体制の強化当社グループの更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの更なる強化が重要な課題となります。当社グループは、監査役と内部監査室の連携、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部管理体制の一層の強化に取り組んでいく方針であります。 ⑥ 財務基盤の強化当社グループにおいて、新たなサービスの新規開発に取り組むため、また良質な不動産を安定的に仕入れるためには、手許資金の流動性確保が重要であると認識しております。このため、金融機関との良好な取引関係の構築や、内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の強化を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「不動産投資を変え、社会を変える」というグループミッションを掲げております。魅力的な資産運用の手段である不動産投資について、投資の機会が一部の富裕層や機関投資家に限定され、また管理手法や業務プロセスには依然として非効率な状況にあるという社会課題に対して、当社グループは不動産投資プロセスにDXを推し進めることにより、不動産投資を変え課題を解決いたします。具体的には、当社では、従前より機関投資家等のプロ向けに不動産投資運用サービス「CREAL PRO」を展開しておりますが、当社の有するプロ向け資産運用ノウハウにDXを組み合わせ、一般個人には手の届きにくい非公開市場である不動産投資市場へすべての個人がアクセスできるようなプラットフォームを構築しています。当社が運営する、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は、クラウドファンディングを活用することによりこれまで多額の資金や借入、時間と手間が必要であった不動産投資を一口1万円からオンラインで誰もが気軽に始められる新しい資産運用ツールとなります。また、「CREAL PB」は、物件の仕入、販売、顧客管理といった不動産投資運用のさまざまなプロセスにITを活用することで業務効率向上と中間費用の削減を目指し、個人投資家が実物不動産投資による中長期的な資産形成を効率的に行うためのサービスとなります。 (2) 経営環境資産運用業(アセットマネジメント)が経済成長の柱の一つと位置づけられ、国全体で資産運用業を育成・強化していく資産運用立国実現の構想が掲げられる中、「資産運用」という市場は拡大傾向にあり、中でも「Fintech」を活用した資産運用のツールは急速に拡大しております。「資産運用」と「ITの活用」という拡大が見込まれる二つの領域は、参入企業は多いものの、市場の成長性を鑑みると市場のポテンシャルは高く、当社の不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」には大きな可能性があると考えております。不動産投資クラウドファンディングのマーケットはグローバルで約142億ドル(2022年)から、今後は約7,934億ドル(2032年)まで成長するという予測がなされております。日本においても約10億ドル(2022年)から、今後は約583億ドル(2032年)へと成長するという予測もなされております(注1)。このように不動産投資クラウドファンディングのマーケットは、日本・海外ともに大きな市場の成長が想定されます。 (注)1.Polaris Market Research & Consulting LLP, Real Estate Crowdfunding Market Report (Forecast to 2032)より。 (3) 当社が考える強み① 不動産テック(注1)×EC(注2)というユニークなビジネスと多様なメンバー構成当社は、IT業界において熟練した技術経験を積んだエンジニア・デザイナー・マーケターで構成されるDX事業本部と不動産ファンド事業において長年の経験を有するメンバーで構成されたCREAL事業本部を同時に有し、業界でも非常に稀有なポジショニングを有しております。長らくイノベーションが発生していなかった不動産投資プロセスにDXを推し進める不動産テック会社であり、ITの活用による業務効率向上と中間費用削減により、投資家の皆様に安定的なリターンの提供が可能となります。また、同時に自社で組成したファンド商品を自社で運営する不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」にてダイレクトに販売するEC事業の側面を有します。自ら商品を企画・組成の上、一般個人投資家への販売までも一貫してオンライン上で直接行う、ユニークな事業モデルを展開しております。 (注)1.不動産テックとは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのことをいいます。2.ECとは、Electronic Commerceの略で、日本においては「電子商取引」と訳され、インターネットを利用して、売買、決済及びサービスの契約等の商取引を行うことをいいます。 ② 不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL(クリアル)」の競争優位性「CREAL」は、クラウドファンディングを活用した不動産ファンドオンラインマーケットです。投資家が一口1万円からすべてオンラインで不動産投資運用を完結することができる仕組みであり、不動産投資運用のDXを推進する事業です。競争優位性の源泉はシステム開発能力、商品組成、マーケティングの3点にあると考えます。 ・システム開発における優位性 社内のエンジニア・デザイナーによる自社開発であり、投資家のニーズを「CREAL」のシステムにスピーディーに反映することが可能です。技術基盤と洗練されたUI/UX(注1)により、「CREAL」は『Ruby biz Grand prix 2020』(主催:Ruby biz グランプリ実行委員会(事務局:島根県 商工労働部 産業振興課 情報産業振興室))においてVertical Solution賞を受賞、また2020年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しております。 ・商品組成における優位性 不動産ファンド事業において長年の経験を有するメンバーで構成されたCREAL事業本部におけるノウハウにより、サービスローンチ以来、保育園、学校、ホテル、オフィス、レジデンス、物流施設、商業施設、老人ホーム等の様々なアセットタイプの商品化を実現しております。また、各種施設運営会社や開発事業者との案件供給や情報共有を目的とした業務提携により、機動的な商品組成を可能としております。 ・マーケティングにおける優位性 投資未経験の方に投資に対して広く関心を持って頂けるようなサービスを目指し、自社でのオンラインマーケティングの他に、以下のパートナーと提携しています。提携パートナーがお客様へ「CREAL」の紹介・誘導を行う報酬として、当社がお客様から頂く手数料を提携パートナーとシェアしており、今後も提携パートナーを増やしていく方針です。 提携パートナー企業提携サービス提携内容日本航空株式会社 CREAL for JAL日本航空株式会社がマイレージ会員へ「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアするCCCMKホールディングス株式会社 CREAL × ⅤポイントCCCMKホールディングス株式会社がⅤポイント会員へ「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする小田急電鉄株式会社 CREAL × ONE(オーネ)ポイント小田急電鉄株式会社がONE会員へ「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする株式会社SBJ銀行CREAL × SBJ銀行株式会社SBJ銀行が自社サイトにて「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする 株式会社ロイヤリティ マーケティングCREAL ×Ponta株式会社ロイヤリティ マーケティングがPonta会員へ「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする株式会社NTTドコモ-株式会社NTTドコモが自社サイトにて「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社が広告料を支払うオリックス銀行株式会社-オリックス銀行株式会社が自社サイトにて「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社がお客様から頂く手数料をシェアする楽天証券株式会社-楽天証券株式会社が自社サイトにて「CREAL」の紹介・誘導を行う対価として当社が広告料を支払う 以上の強みを背景に、当社の不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は、高い資金調達力を誇っており、2025年3月末日現在において、130ファンドを組成し、うち96ファンドは償還済みであり、いずれも元本割れ・配当遅延も無く想定利回りの配当を完了しております。 (注)1.「UI/UX」のUIとは、User Interface(ユーザー インターフェース)の略で、インターネットサービスとユーザーの接点です。UXはUser Experience(ユーザー エクスペリエンス)の略で、ユーザーがサービスを通じて得る体験のことをいいます。 ③ 「CREAL」の高い再投資率による積み上型モデルとしての収益安定性「CREAL」は、ファンドが成立した場合に一定の管理手数料(アップフロント・フィー)を、また、ファンド運営時にも管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領します。さらに、ファンド運営終了時においては売却手数料(エグジット・フィー)に加え、当社が物件を売却し利益が生じた場合には、当該売却利益の全部もしくはその一部(プロフィットシェア)を獲得します。投資家へ安定した投資商品を供給する対価としての手数料と、商品の利回り実績が、あらかじめ投資家へ提示している想定利回りを上回ったときに得られるプロフィットシェア(成功報酬)の二段構えのフィー体系となっており、投資家の満足度を維持しつつ当社にとっても安定かつ収益率の高いフィー体系となっております。また、「CREAL」における投資家のリピート投資率(注1)は安定的に推移しており、ファンド運営終了後も償還された金額と同水準、もしくはそれ以上の金額を新ファンドへ投資するロイヤルティの高いユーザー層を獲得しており、安定的な積み上げ型モデルの収益構造となっております。 (注)1.「リピート投資率」とは、GMV(注2)のうち過去1年間において投資実績がある登録会員の投資金額の割合を指し、以下の計算式で算出されます。リピート投資率=該当四半期において過去1年以内に投資実績がある登録会員の投資金額GMV(=該当四半期における登録会員の投資金額総額) 2. GMVとは「流通取引総額:Gross Merchandise Value」の略であり、「CREAL」においてファンド組成のため投資家から調達した資金額をいいます。 ④ 「CREAL PRO」及びDX化を通じた「CREAL PB」の成長ポテンシャル「CREAL PRO」は機関投資家や超富裕層を顧客とした不動産ファンド事業が中心となります。取得対象となる不動産は相対的に大きい規模(10億以上~)となり、かかる対象市場は主に不動産証券化市場になります。当該市場は年間約33兆円(注2)の市場規模であり、大きな市場となります。また、「CREAL PB」では都心部の中古区分マンションの販売及びその後の各種管理サービスの提供を行っていますが、首都圏の区分マンションの年間取引額約1.7兆円(注1)のなかで、「CREAL PB」のシェアは0.4%であり、DX化により差別化されたサービスや効率的な業務運営を通じ大きな成長ポテンシャルがあります。「CREAL PB」では当社が独自で開発する「CREAL buyer」「CREAL concierge」がビジネスの各バリューチェーンにおいてDX化を推し進めており、IT化が今後進展していく不動産業界の中で、その強みを生かして大きな成長を目指します。 (注)1.国土交通省 土地・建設産業局 不動産市場整備課「不動産投資市場の現状について」2.公益財団法人東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ(2023年4月度~2024年3月度) Ⅰ.中古マンションレポート 1.首都圏・都県別概況 (1)成約状況」より算出。 ⑤ 「CREAL」を起点とした「CREAL PRO」及び「CREAL PB」の事業シナジー「CREAL」における各種ファンドの物件売却先として「CREAL PRO」が展開する機関投資家や超富裕層向けの不動産ファンドへの売却を推し進めております。その結果、「CREAL」投資家への安定的なリターンの提供のみならず、「CREAL PRO」の顧客である機関投資家・超富裕層に対しても良質な投資案件を独占的に紹介できるといったメリットがあります。また「CREAL」オンライン投資家の中には、中長期な資産運用形成の実現のために実物不動産投資に興味がある投資家も一定数存在しており、そのような投資家を「CREAL PB」へ送客するケースや、「CREAL PB」の富裕層顧客を「CREAL PRO」へ送客するケース等もあり、クロスセル(注1)の実現を図っております。 (注)1.クロスセルとはある商品の購入を検討している顧客に対し、別の商品も組み合わせで購入してもらうための営業活動のことをいいます。 (4) 経営戦略及び目標とする経営指標① 経営戦略当社グループは、従来イノベーションが進んでいなかった不動産投資のプロセス変革のため積極的なIT投資を継続的に行っており、そうした成長投資の継続により「CREAL」を資産運用の代表的なサービスとしての地位を確立いたします。また、「CREAL PB」では当社が独自で開発する「CREAL buyer」「CREAL concierge」、及び「その他」では「CREAL manager」を活用し、IT化が今後進展していく不動産業界の中で、差別化されたDX戦略により成長を図っていきます。「CREAL」、「CREAL PRO」、「CREAL PB」の商品ラインナップで、誰もが不動産投資による安定的な資産運用を実践できる社会、すなわち資産運用の民主化を目指していきます。 ② 目標とする経営指標当社グループの主な収益の源泉は、「CREAL」上でファンド組成・運用・物件の売却を行う場合に発生する一連の各種フィー及び売却益(第1 3 事業の内容 (2)事業の特徴 に記載)及び「CREAL PRO」におけるアセットマネジメント・フィーや不動産の売却益、並びに「CREAL PB」における投資用不動産の売却益となります。なお、当社「CREAL」における一連の各種フィーは、概ね以下のように設定しております。報酬内容報酬体系アップフロント・フィー(ファンド組成時に発生する手数料) GMV×手数料率アセットマネジメント・フィー(ファンド運用中に発生する手数料) エグジット・フィー(ファンド終了時に発生する手数料)プロフィットシェア(あらかじめ投資家へ提示している目標利益を上回ったときに得られる利益)売却益-目標利益 すなわち、GMVが増加すれば当社が収受する各種フィーもダイレクトに増加いたします。このように「CREAL」においてはECサイトのフィーモデルと近い体系となっており、そのため経営指標としてGMVを重視しております。 様々なDX開発を行う当社グループにおいては、人件費を含む開発費用のほか、継続的に広告宣伝費等の販管費が先行投資として必要です。そのため、当社グループの事業基盤の着実な拡大を把握する指標として、営業利益ではなく、売上総利益を重要視する指標の1つとしております。従って、当社の目標とする経営指標は当社グループ及び各サービス毎の売上総利益、並びに「CREAL」におけるGMVが最も重要な経営指標(以下、「KPI」という。)となります。 単位:千円2024年3月期2025年3月期連結売上総利益3,562,1325,666,282CREAL売上総利益1,437,5922,219,373CREAL PRO売上総利益1,272,7062,492,385CREAL PB売上総利益637,072718,137CREAL GMV20,071,00025,687,000 また、「CREAL」に係るKPIについては、登録会員数、累計調達額及びリピート投資率を重視しており、直近3年間の推移は以下のとおりです。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期6月9月12月3月6月9月12月3月6月9月12月3月登録会員(人)(注1)31,33033,95237,14640,86046,38952,67958,43063,87975,03481,54988,14397,065累計調達額(億円)(注2)174.4201.6242.6275.5339.3377.3413.7476.2535.9595.0667.9733.2リピート投資率(%)87.387.590.289.886.485.586.888.583.387.689.689.8 (注)1.「登録会員数」とは、本人確認及び登録審査手続きを終えて口座開設が完了し、いつでも投資が行える状態にある会員の数を指します。また、数値は期末時点のものになります。2.「累計調達額」とは、実際の物件取得の金額のうち「CREAL」を通じて調達した金額の総累計額(償還額は控除せず)を指します。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上課題① 不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の認知度の更なる向上事業の成長のためには、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の登録会員数増加とそれに伴うGMVの継続的な増加が不可欠です。サイトを魅力的に保つための創意工夫を継続的に実践していくとともに、各種マーケティング活動を通じて、更なる認知度の向上と登録会員数及びGMVの増加を図っていく必要があります。 ② 良質な不動産投資案件の仕入れ投資家に対して安定的なリターンを創出し、かつ売却時にキャピタルゲインを獲得できる良質な不動産を安定的に仕入れることは、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」登録会員数及びGMVの増加と利益確保のために非常に重要なファクターとなります。当社の投資物件の情報入手は、不動産仲介会社及び事業提携をしているパイプライン提供企業からの日常的な情報提供が中心であります。今後は、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の認知度・知名度拡大により仲介会社を介さない不動産保有者からのダイレクトソーシングを推進するとともに、ホテル・介護施設・病院・保育園、デベロッパー等といった運営会社を始めとするパイプライン提携企業を増やし、継続的にネットワークを拡大していくことが、案件の安定的な確保のために重要と考えています。 ③ 新規許認可の取得当社は不動産特定共同事業法に基づく第三号及び第四号事業者(注1)としての許可につき金融庁および国土交通省へ申請中となります。当該許認可を取得することにより、外部のSPCを利用したクラウドファンディングでの案件組成が可能となります。外部のSPCにてクラウドファンディングを活用することで、「物件のオフバランス化」「金融機関・機関投資家のファンドへの参画」が期待され、より大型の案件組成も可能となることから、早期の許認可取得を目指し体制整備を行っております。(注)1. 不動産特定共同事業法二条4項3号・4号に掲げる行為を業とする事業者 ④ 優秀な人材の確保と育成当社グループは今後の事業の拡大のために優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。そのため、継続的に業界経験者を中心とした中途採用を行っております。また、入社した社員に対しては定期的に社内の研修プランに従った研修・教育を実施することによりその育成に取り組んでおります。今後も継続的に採用を進め、社員への研修・教育制度の質を高めていくことで、優秀な人材の確保と育成を推進する方針であります。 ⑤ 内部管理体制の強化当社グループの更なる事業の拡大、継続的な成長のためには、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの更なる強化が重要な課題となります。当社グループは、監査役と内部監査室の連携、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部管理体制の一層の強化に取り組んでいく方針であります。 ⑥ 財務基盤の強化当社グループにおいて、新たなサービスの新規開発に取り組むため、また良質な不動産を安定的に仕入れるためには、手許資金の流動性確保が重要であると認識しております。このため、金融機関との良好な取引関係の構築や、内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の強化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済は、消費者物価指数が前年同期比で継続的に2.0%を超過しインフレが継続するなかで、賃上げによる雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな経済の回復が見られました。また、日本銀行が2024年3月に10年国債金利の変動許容幅の拡大やマイナス金利の解除を決定したことに続き、6月には長期国債買入れを減額していく方針であることを決定、7月に政策金利を引き上げるなど金融政策の正常化も進展しており、デフレからの本格的な脱却が期待されます。海外経済については、米国では景気拡大が続きソフトランディングを意識した政策金利の引き下げが行われていましたが、米政権の関税政策によるマクロ経済への影響については不確実性が高まっています。欧州では一部の地域の景気には足踏みが見られます。為替レートについては、欧米の高い金利水準の継続により日本との金利差縮小には一定の時間がかかるとの見通しから円安水準で推移しています。また、エネルギー価格は下落の兆しがみられるものの依然として高く、国内の物価上昇へと波及しております。加えて、米政権の政策動向、中東情勢、中国経済の下振れなど、依然として先行き不透明な状況を注視する必要があります。当社グループが属する不動産及び不動産クラウドファンディング業界におきましては、円安を背景とする外国人旅行者数・インバウンド消費の増加を背景に、国内ホテルの宿泊者数はコロナ禍以前を上回り、商業施設の販売額もコロナ禍以前の水準を上回りました。レジデンスのうちマンションの売買市場におきましては、首都圏を中心に中古マンション、新築マンションともに平米単価は上昇傾向を維持して高い水準を維持しています。また、日本の低金利と円安を背景にした海外投資家による国内不動産への投資需要が継続しています。一方で、原材料費高騰や人件費上昇による建築コストの増加、日銀の政策変更や国内外の金融情勢の変化が及ぼす影響について、今後も注視する必要があります。こうした環境の中、当社グループは、「CREAL」サービスにおいて商業施設、ホテル、オフィス、老人ホーム、一棟レジデンス、物流施設の不動産ファンドをオンラインで提供して運用資産の残高とアセットタイプの拡大を図るとともに、着実に売却を実行しオンライン投資家にリターンを提供することで、2025年3月末時点で、投資家会員数は9.7万人、累計投資金額は700億円を突破しました。「CREAL PRO」サービスにおいては、機関投資家向けに物件を売却したほか、これまでに継続して蓄積してきたアセットマネジメント契約を背景に、安定収入の基盤となるアセットマネジメントフィーを着実に計上しています。そして「CREAL PB」サービスでは、中古ワンルームマンションの販売本数を伸ばしました。一方で、事業拡大に伴い先行投資も含めた人員の拡充が進み、人件費が大きく増加をいたしました。この結果、売上高は41,823,444千円(前年同期比98.7%増)、売上総利益5,666,282千円(前年同期比59.1%増)、営業利益1,968,257千円(前年同期比100.8%増)、経常利益1,830,123千円(前年同期比94.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,351,394千円(前年同期比108.7%増)となりました。なお、当社グループは資産運用プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。 資産・負債及び純資産の状況(資産)当連結会計年度末における総資産は52,936,860千円となり、前連結会計年度末と比べ17,187,737千円増加しております。これは主に、現金及び預金の増加7,839,908千円、預託金の増加958,469千円、販売用不動産の増加6,232,186千円、また、臼木証券株式会社を連結子会社としたことにより証券業における預託金867,000千円及び証券業における信用取引資産5,103千円を、並びに株式会社ティーエーティーの株式を取得したことにより関係会社株式730,742千円を計上しております。(負債) 当連結会計年度末における負債合計は47,663,084千円となり、前連結会計年度末に比べ15,720,897千円増加しております。これは主に、「CREAL」事業の拡大に伴う匿名組合出資預り金の増加15,994,840千円、短期借入金の減少2,680,359千円、長期借入金の増加912,488千円によるものであります。また、臼木証券株式会社を連結子会社としたことにより証券業における預り金751,895千円、証券業における信用取引負債5,103千円、証券業における受入保証金75千円、及び特別法上の準備金として金融商品取引責任準備金700千円を計上しております。(純資産) 当連結会計年度末における純資産合計は5,273,775千円となり、前連結会計年度に比べ1,466,840千円増加しております。これは主に、新株予約権の行使により資本金が35,484千円及び資本剰余金が35,484千円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1,351,394千円によるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ7,739,897千円増加し15,499,520千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは10,020,598千円の収入(前年同期は1,211,263千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,830,616千円、匿名組合出資預り金の増加額15,994,840千円の影響により資金が増加し、預託金の増加額958,469千円、棚卸資産の増加額6,084,837千円、クラウドファンディング預り金の減少額680,519千円の影響により資金が減少したことによります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは1,170,208千円の支出(前年同期は134,776千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入200,000千円による資金の増加の一方で、定期預金の預入による支出300,012千円、関係会社株式の取得による支出753,283千円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出197,278千円により資金が減少したことによるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは1,114,305千円の支出(前年同期は2,906,965千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純減額2,680,359千円、長期借入金の返済による支出1,256,512千円の影響により資金が減少した一方で、長期借入れによる収入2,754,878千円により資金が増加したことによります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当社は生産活動を行っていないため、生産実績に関する記載はしておりません。b. 受注実績提供するサービスの性質上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。c. 販売実績サービスの名称第14期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)販売高(千円)前年同期比(%)CREAL21,386,564194.9CREAL PRO11,689,738452.7CREAL PB8,281,716115.6その他465,424143.3合計41,823,444198.7 (注)1.当社グループは資産運用プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。2.主な相手先別の販売実績及び販売実績に対する割合は以下のとおりであります。相手先第13期連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)第14期連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)なんば南ホテル合同会社--8,010,29019.2REUNION WINNER LIMITED2,596,17112.3--株式会社MCA不動産2,300,00010.9-- (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 財政状態当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 b. 経営成績(売上及び売上総利益)「CREAL」サービスにおいて商業施設、ホテル、オフィス、老人ホーム、一棟レジデンス、物流施設の不動産ファンドをオンラインで提供して運用資産の残高とアセットタイプの拡大を図るとともに、着実に売却を実行しオンライン投資家にリターンを提供することで、2025年3月末時点で、投資家会員数は9.7万人、累計投資金額は700億円を突破しました。「CREAL PRO」サービスにおいては、機関投資家向けに物件を売却したほか、これまでに継続して蓄積してきたアセットマネジメント契約を背景に、安定収入の基盤となるアセットマネジメントフィーを着実に計上しています。そして「CREAL PB」サービスでは、中古ワンルームマンションの販売本数を伸ばしました。結果、売上高は41,823,444千円となり、売上総利益は5,666,282千円となりました。 (販売費及び一般管理費及び営業利益)販売費及び一般管理費は、主に不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」登録会員数獲得のための広告宣伝費、及び事業拡大に伴う人件費の増加により3,698,025千円となりました。この結果、営業利益は1,968,257千円となりました。 (営業外損益及び経常利益)テナント解約の違約金収入の他、保険金の受取や業務委託料の受領等により営業外収益を12,859千円計上した一方で、資金調達に伴う利息及び手数料の計上により営業外費用は150,993千円となりました。この結果、経常利益は1,830,123千円となりました。 (特別損益、法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)税金等調整前当期純利益の計上により、法人税等は479,261千円となり、当期純利益は1,351,354千円となりました。非支配株主に帰属する当期純損失39千円を計上し、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,351,394千円となりました。 なお、経営者の問題意識と今後の方針、及び当社グループに重要な影響を与える要因については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資金需要の主なものは、クラウドファンディング組成時に行う劣後出資、不動産取得のための取得資金であります。資金調達につきましては、増資を通じた自己資金の他、各プロジェクトや物件ごとに金融機関からの借入を行っております。また、資金繰りの悪化の際に機動的に資金を調達する観点から、金融機関と当座借越契約を締結しており、流動性の確保に努めております。今後の事業拡大にともなう運転資金需要については、自己資金の他、適宜金融機関より調達を行う方針であります。 ④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析・検討内容「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社の主な収益の源泉は、「CREAL」上でファンドを組成・運用・物件の売却を行う場合に発生する一連の各種フィーと不動産の売却益、及び「CREAL PRO」におけるアセットマネジメント・フィーや不動産の売却益、並びに「CREAL PB」における投資用不動産の売却益となります。成長段階にある当社においては、人件費を含む開発費用のほか、継続的に広告宣伝費等の販管費が先行投資として必要です。そのため、当社グループの事業基盤の着実な拡大を把握する指標として、営業利益ではなく、売上総利益を重要視する指標の1つとしております。また、「CREAL」サービスにおいては、GMV(流通取引総額:Gross Merchandise Value)が増加すれば当社が収受する各種フィーもダイレクトに増加するため、経営指標としてGMVを重視しております。2025年3月期における各指標の前年同期比の増減率は以下のとおりであり、順調に増加をしているとの認識でおります。引続き対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。単位:千円2025年3月期前年同期比連結売上総利益5,666,282159.1%CREAL 売上総利益2,219,373154.4%CREAL PRO売上総利益2,492,385195.8%CREAL PB売上総利益718,137112.7%CREAL GMV25,687,000128.0%
事業リスク
- 不動産市場の変動リスク不動産業界は景気や金利、地価の変動に大きく影響されます。不動産価格が下落すれば棚卸資産の評価損が発生する可能性があり、高騰すれば物件の仕入れが困難になったり、収益性が低下したりする可能性があります。これにより、同社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 劣後出資による損失負担CREALでは投資家保護のため、当社が投資案件総額の5%〜20%を劣後出資しています。案件売却時に損失が発生した場合、当社が劣後出資額を上限として優先的に損失を負担するため、不動産市況によっては当社が損失を被る可能性があります。これにより、同社の業績に影響が出る可能性があります。
- 案件仕入れの困難化同社の事業は、良質な投資案件の安定的な仕入れに依存しています。仲介会社や施設運営事業者など多岐にわたるネットワークから案件を仕入れていますが、計画通りに良質な案件を仕入れられない場合、売上や各種フィー収入が減少し、同社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断上重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しています。当社グループはこれらのリスクの可能性を十分認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針です。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1)当社のリスクマネジメント体制 当社は、リスクの顕在化防止のため、また発生した場合の適切な対応による損失の最小化を図るため、代表取締役社長を委員長とし、取締役を中心に構成するリスク管理委員会を設置しております。 (2)当社のリスクマネジメント体制の運用状況 リスク管理委員会は、四半期に1回定期的に開催し、リスクの調査、その重要度に応じた各種リスクへの対応策の検討及び決定、対策の実施状況のモニタリング等を行っております。 (3)事業等のリスク① 不動産市場の動向について(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利動向及び地価の変動等の不動産市場の動向に影響され、当社グループにおいてもこれらの経済情勢の変化により、各事業の業績に影響を受けます。将来不動産価格が下落した場合には、棚卸資産の評価損が発生する可能性があります。また、不動産の価格が高騰し、これに伴い購入金額が上昇した場合には、物件の仕入が困難となる可能性があり、また、販売の際にはその収益性が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。もっとも、当社の運営する不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」の活用により、当社は銀行借入に依存することなく個人からダイレクトに資金を調達することができるため、金融機関の貸出姿勢の変化にかかわらず安定して不動産への投資が可能となっております。 ② 新型コロナウイルス等の感染症の拡大について(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)新型コロナウイルス等の感染症の拡大は、生活防衛のための資産運用の重要性について認識される契機となり、在宅ワークを通じた個人投資家の時間的融通もあり、当社グループの展開するサービスへの追い風となる側面があります。一方で、その影響が長期化し経済不況が生じるような場合には、資産運用に対するニーズの動向が不透明になる可能性があり、また経済不況が不動産市況に影響がある場合には、不動産価格の下落や各種不動産の稼働率低下等を通じて、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは各種不動産に対して適切なアセットアロケーションを図るとともに、運営状況を慎重に把握することとしています。 ③ 劣後出資を通じて案件売却時に損失が発生する可能性について(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社の運営する不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」では、投資家保護の観点から、出資持分を優先部分と劣後部分に分け、優先部分を保有する投資家は劣後部分を保有する投資家より優先的に配当等を受け取る仕組みを構築しております。想定どおりに収益が生じなかった場合のリスクを、劣後部分を有する投資家(当社)が劣後出資額を上限として負担することにより、優先部分への配当等の確実性を高めております。結果的には優先部分は劣後部分に比べてリターンは低くなるものの安定性が高く、劣後部分はハイリスク・ハイリターンとなります。なお、2020年12月以後の案件においては劣後出資割合を5%程度と設定しております。当社は投資案件毎に案件総額の5%〜20%を劣後出資部分として投資(劣後出資)しています。つまり、投資案件売却時に損失が発生する場合には、劣後出資額を上限として当社が優先して損失を負担することから、不動産市況次第では売却時に損失が出る可能性があります。なお、当該劣後出資については当社のみ出資を可能としております。売却時期においては原則として事前に案内をしている想定運用期間内で売却を目指しますが、例外として想定運用期間内に対象不動産の売却が完了しない場合には満了日の1ヶ月前までに投資家へ通知することにより、満了日から60ヶ月を超えない範囲で期間を延長する場合がございます。すなわち、不動産市況が下降局面で売却損失が発生する可能性が高い場合は、投資家との契約上、投資期間を長期に延長し、不動産市況が回復することを待つことのできる合意を予めとりつけております。かかる対応策を講じているにもかかわらず、売却損失が多く発生する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、サービス開始から当連結会計年度末現在に至るまで売却損失が発生した案件はございません。 ④ クラウドファンディング市場の成長性について(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)不動産投資クラウドファンディングのマーケットはグローバルで約142億ドル(2022年)から、今後は約7,934億ドル(2032年)まで成長するという予測がなされております。日本においても約10億ドル(2022年)から今後は約583億ドル(2032年)へと成長するという予測もされております(注1)。今後も当社としては投資リターンを目的とした商品の市場成長を期待していますが、クラウドファンディング市場の成長速度によっては会員獲得のスピード、ひいては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。(注)1.Polaris Market Research & Consulting LLP, Real Estate Crowdfunding Market Report (Forecast to 2032)より。 ⑤ 不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」案件募集時に成立下限額を調達できない場合について (顕在化可能性:低/影響度:小/発生時期:特定時期なし)「CREAL」にて大型案件を募集する際には、案件成立にあたっての下限調達額を設定することがあります。投資家からの応募金額が下限調達額を下回る場合には案件自体が成立せず、応募金額を投資家に返還することになりますが、案件の不成立が続く場合には投資家からの応募が減少していく可能性があり、ひいては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また成立下限額を調達できない場合、募集の前提となる不動産の売買契約の条件によっては、売主へ違約金を支払う場合があり、当該違約金の支払いが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 案件仕入について(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社グループの資産運用プラットフォーム事業では、個人向け及び法人向けに数多くの投資対象から良質と思われる案件の仕入れを行っていますが、それらは仲介会社、施設運営事業者(ホテル・介護施設・病院・保育園等の運営者)、一般事業法人、個人不動産オーナー等多岐に分散しています。案件仕入は特定の会社に集中せずに常に広いネットワークの中から行っていますが、当社グループが良質と判断できる案件の仕入れを計画どおりに行うことができない場合、売上や各種フィー収入の減少を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 運営事業者の運営能力及び与信状況について(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)ホテルや老人ホームといった、運営管理にあたり特別な専門性が求められるオペレーショナルアセットは、運営事業者の運営能力や与信状況次第で、その物件から生み出される収益、ひいては、その物件価値自体が大きく変動する可能性があります。当社が保有するオペレーショナルアセットに関して、その運営事業者の運営体制に問題が生じた場合や、事業者自体の与信不安が生じた際には、未回収の債権が生じる可能性があることに加え、物件自体の価値の下落を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 引き渡し時期による業績の変動について(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社グループでは、不動産の売却にあたっては引渡基準を採用しています。当社グループでは、引渡時期による業績の変動がないように案件管理・期日管理を徹底しておりますが、案件によっては1件あたりの売上高や損益が財務数値に大きな影響を与えることがあり、そのような案件の引渡時期が計画に対して前後することにより、当社グループの四半期や年度損益に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ KPIの動向について(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営戦略及び目標とする経営指標」に記載のとおり、各種KPIを設定して経営状況の管理を行っています。これらKPIの達成やその指標の改善に常に努めておりますが、各種KPIの実績が大幅に悪化することを通じて、売上高や収益率に大きな悪影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩ 競合について(顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)クラウドファンディング市場は急速な勢いで成長しているため、既存企業や新規参入企業との競合はあるものの、現在は市場成長の恩恵が上回っているものと考えています。しかしながら、今後市場の成長が鈍化した場合、あるいは参入企業が多く増える場合には、新規投資家獲得速度の減速や投資家離脱、あるいは投資家あたりの投資金額減少を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ 人材の確保について(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社グループでは、今後の事業拡大のためには、優秀な人材を確保することが最重要課題だと考えています。このため、今後も優秀な人材の採用及び教育研修実施の機会・内容の充実により、当社グループの企業理念及び経営方針を理解した、当社の成長を支える社員の育成を行うとともに、優秀な人材の確保を継続して行ってまいりますが、計画どおりに人材が確保できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 小規模組織であることについて(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)本書提出日現在における当社グループの組織は小規模であり、会社の規模に応じた内部管理体制や業務執行体制を構築しております。このため、業容拡大に応じた人員を確保できず、役職員による業務遂行に支障が生じる場合、あるいは役職員が予期せず退任又は退職した場合、内部管理体制や業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 ⑬ 訴訟などの可能性について(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社グループでは、コンプライアンス経営の重要性を認識しており、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。当社グループの事業に関連して、過去第三者との間で重要な訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はありませんが、当社グループが販売した物件の契約不適合やクレーム等に起因する訴訟等が発生する可能性は存在します。訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑭ 契約不適合責任について(顕在化可能性:低/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社グループが販売した物件に対して民法及び宅地建物取引業法のもと、契約不適合責任を負っています。万が一、当社グループが販売した物件に契約の内容に適合しないものがあるとされた場合には、当社グループは契約不適合責任に基づく、補修工事費用の負担等を追うことがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑮ 個人情報の管理について(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社グループの事業活動において、顧客・取引先・クラウドファンディングの会員の機密情報や個人情報を取得・保有しています。当社グループでは、これらの情報流出を防止するために、情報管理規程を定め、個人情報の保護に関する法律、関係諸法令及び監督当局のガイドライン等を遵守し、社内規程の制定及び管理体制の確立を図るとともに、個人情報管理責任者を選任して、上記関係規範を従業員に周知・徹底しています。個人情報の取り扱いについては、今後も、細心の注意を払ってまいりますが、不測の事態によって当社グループが保有する個人情報が外部流出した場合、賠償責任を課せられるリスクや当社グループに対する信用が毀損するリスク等があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 災害の発生及び地域偏在について(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)地震、暴風雨、洪水等の自然災害、暴動、火災等の人災、感染症の拡大が発生した場合、当社グループが保有する不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが保有する不動産は、売却時の需要を考慮した上で、東京を中心とする首都圏所在の比率が高い状況にあり、当該地域における地震その他の災害、地域経済の悪化等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑰ 法的規制等について(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社グループが行う主要な事業につきましては、主に以下の法令等による規制を受けています。しかしながら、今後、これらの法令等の解釈の変更及び改正が行われた場合、また、当社グループが行う事業を規制する法令等が新たに制定された場合には、事業内容の変更や新たなコスト発生等により、当社グループの業績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが取得している以下の許認可(登録)等につき、本書提出日現在において事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないことを認識していますが、今後、欠格事由又は取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消等の事態が発生した場合には、当社グループの事業に支障を来たすと共に業績に影響を及ぼす可能性があります。また、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」については、不動産特定共同事業法に基づき運営していますが、クラウドファンディング市場の歴史がまだ浅く、今後、不動産特定共同事業法の改正等が生じる可能性があります。かかる改正等が生じた場合は、当社として直ちに対応していく方針ですが、法改正による規制強化等によって事業運営に与える影響が大きい場合には、事業活動、並びに財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (a) 当社グループの事業活動に関係する主な法的規制法的規制・宅地建物取引業法・金融商品取引法・不動産特定共同事業法(電子取引業務) (b) 当社グループの取得している免許・登録等当社許認可等の名称許認可番号等/有効期間規制法免許取消条項宅地建物取引業免許東京都知事(2)第100911号2022年7月29日~2027年7月28日宅地建物取引業法同法第5条第66条第68条金融商品取引業登録(第二種金融商品取引業、投資助言・代理業)関東財務局長(金商)第2898号有効期間の定めはありません金融商品取引法同法第52条第54条不動産特定共同事業者許可(電子取引業務)東京都知事第112号有効期間の定めはありません不動産特定共同事業法同法第36条 クリアルパートナーズ株式会社許認可等の名称許認可番号等/有効期間規制法免許取消条項宅地建物取引業免許東京都知事(3)第96109号2023年12月21日~2028年12月20日宅地建物取引業法同法第5条第66条第68条賃貸住宅管理業登録国土交通大臣(01)第002476号2021年11月10日~2026年11月9日賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律同法第26条 ⑱ システムリスクについて(顕在化可能性:低/影響度:大/発生時期:特定時期なし)当社の不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」は、外部のサーバーや通信ネットワークシステムを利用し、事業を運営しています。従いまして、サーバーのシステムダウンや外部からの不正アクセス、サイバー攻撃等により、「CREAL」に何かしらの問題が発生した場合には、「CREAL」の運営に支障を来たし、当社グループに対する信用の毀損を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑲ 配当政策について(顕在化可能性:事業計画の進捗状況による/影響度:小/発生時期:特定時期なし)当社は、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施していく方針でありますが、業績が予想に届かず利益剰余金が不足する場合や、システム環境の整備等、投資の財源として資金を有効活用することが望ましいと考えられる場合には、配当を実施しない、あるいは予定していた配当を減ずる可能性があります。 ⑳ ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について(顕在化可能性:高/影響度:小/発生時期:権利行使期間内)当社では、取締役、監査役、従業員等に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しています。本書提出日の前月末現在における新株予約権による潜在株式数は205,700株であり、当連結会計年度末における発行済株式総数6,023,000株の3.4%に相当します。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。 大株主との関係について (顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社取締役会長である徳山明成は、当連結会計年度末時点の発行済株式総数の24.8%の議決権を所有している大株主であります。同氏は、現在当社の非常勤取締役として業務執行取締役ではないものの、相応の稼働時間をもって取引先開拓等の各種側面支援を行っており、今後も安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。同氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。 当社株式の流動性について (顕在化可能性:中/影響度:中/発生時期:特定時期なし)当社株式の流動性については、事業計画に沿った成長資金の公募増資による調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加等により、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。