経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、社会的使命、永続的な目標および企業としての姿勢を「The TECNISCO WAY」として企業理念に掲げており、その社会的使命として掲げた「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」を果たすため、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」で、真の顧客ニーズと市場ニーズを捉えたモノづくりに取り組んでおります。また、永続的な目標の“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”において、顧客より求められる部品加工の領域は幅広くありますが、当社グループはその中でも高機能ヒートシンク及びガラスの領域においては、顧客が困ったときには当社に相談したいと思わせられる存在になりたいと考えており、企業としての姿勢の“誠実な企業として生きる 独創の企業として生きる”を基に、世の中の快適につながる部品加工の技術開発を進めております。 なお、企業を構成する主要な要素と当社を取り巻くステークホルダーとの関係性という観点から、当社グループが2029年度末(2030年6月期)に実現すべき姿を「VISION 2030」として定義し、その具現化を継続して進め、景気の波に左右されず着実に成長・拡大するビジネスモデルを構築すること、企業としての基礎体力を強化して安定的な収益構造を実現することを中期的な課題として継続的に取り組んでおります。 (2)経営戦略等 果たすべき社会的使命、「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人々の喜びの実現の一助になる」の実現を目指す上で、当社グループは、中長期のマイルストーンとして「VISION 2030」を策定しています。その策定にあたっては、「VISION 2023」の活動の振り返りを行い、進化を目指して未来からの視点で描かれており、売上高や利益などの定量的な要素によらず、より定性的な要素も含めた内容になっています。事業、会社、文化といった企業を構成する様々な要素の姿と「顧客」「サプライヤー」「従業員」「株主」などのステークホルダーとの関係性から、当社グループの2029年度末(2030年6月期)の到達点を定義しています。例えば中長期の経営指標に関して、事業の姿においては2024年7月時点の製品カテゴリと比較して、新規の独創的な製品が一定のボリュームで量産化されていることを掲げています。 現在、当社グループは、ヒートシンク製品、ガラス製品の製造販売を主な事業として、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場などを主な展開領域として当社製品の浸透を図っております。そのためには、これまで取引先からのニーズに対し、どうやって作るか(HOW)に主眼を置いた受託加工を主体としたビジネスモデルから、新たに何を作るか(WHAT)を主眼にした自社素材及び自社製品の開発、製造も並列させたビジネスモデルへの転換に取り組んでまいります。 これらを実現させるために、ヒートシンク製品においては産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場及び航空宇宙市場でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の開発、また、複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造、ガラス製品においてはライフサイエンス市場に向けた高信頼性製品の開発、さらに、成長市場である環境エネルギー市場へ独自加工技術による展開など、技術開発と製造の効率化を継続的に実施してまいります。 また、社会的使命を果たすために、企業体質の強化は不可欠ですが、リスクマネジメントシステムの推進、働き方改革の推進、健康経営の推進、人材の育成開発、スピーディな情報連携、内部統制整備運用などを継続的に実施してまいります。特に果たすべき社会的使命について、継続的なチャレンジによって「人々の喜びの実現の一助になる」と定義しているように、人々の喜びを実現するのは、顧客です。すなわち当社グループが「クロスエッジ®Technology」を求める先端製品開発に携わる人々から、認められた存在であることがマテリアリティ(最重要課題)です。当社グループは、これを推進する体制として「テクニスコCSマネジメントシステム」という全社的な体制にて、顧客の正直な声を全従業員に届け、CS向上のための活動を行ってまいります。 (3)経営環境 当社グループの主要製品であるヒートシンク製品は、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場等において、様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。 現況において、当社グループは、半導体レーザーの市場セグメント、材料処理、医療、光通信、LiDARセンサー、ディスプレイと照明など様々な分野における主要な半導体レーザーメーカーと取引実績があります。現在、中国市場においては、市況環境の悪化および中国競合との価格競争の継続により、売上が大幅に減少しています。一方、日米欧等の主要メーカーも当社グループの顧客であり、その需要を確実に取り込めるように、既存取引先との関係強化及び新規取引先開拓に取り組んでまいります。また、半導体レーザー用途以外でもパワー半導体向け等の高機能ヒートシンク製品を提供しておりますが、これらを含めた半導体市場全体は、デジタル革命の進展に伴い今後も右肩上がりで成長し、2030年には約100兆円(経済産業省:2023年6月 半導体・デジタル産業戦略 参考資料より)に達すると言われています。半導体の微細化、極小化により大容量、高速、高信頼性や低消費電力、性能比低価格化など、半導体の進化に向けた追求は止まることがありません。当社グループは、顧客の最先端製品のR&D・開発担当者と直接対話し、共に解決する提案型の営業を行うことで、顧客製品の信頼性、長寿命化に必要不可欠な電気の放熱問題を解決する、ヒートシンク製品を提供してまいります。 もう一つの当社グループの主要製品であるガラス製品は、自動車市場、ライフサイエンス市場等における様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。 ガラス製品は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの小型化、高機能化を可能とする構成部品です。特に車の自動運転技術が進む自動車市場向けの各種センサーやモバイル機器向け、バイオ・医療向け等に精密ガラス製品を提供しております。それぞれの市場においては、顧客製品の高性能化、小型化が進んでおり、当社グループは顧客ニーズを確実に取り込めるように、取り組んでおります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、株式会社ディスコの研削切断加工技術をもとに受託加工を提供しておりましたが、2000年代、顧客ニーズも踏まえてコーティング技術である薄膜の設備を導入し、新たな加工技術を身に付けました。その後、技術開発を繰り返し、さらなるコア技術を中心に複数工程を組み合わせ、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげ、専業メーカーでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。当社の強みである「クロスエッジ®Technology」は、このように確立された歴史があります。当社グループでは、下記の事項を対処すべき課題と認識して、さらなる進化のためにコア技術を増やし、レベルアップを図る研究開発活動に取り組み、安定的な収益構造の実現を推進してまいります。 ①ヒートシンク製品でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の活用・開発 当社グループの主力製品であるレーザー機器用ヒートシンクは、現在は主に窒化アルミニウム(AIN)、銅タングステン(CuW)が原材料ですが、高出力用レーザーを出す半導体素子に直接接合されるため、熱膨張率が半導体素子に近くないと、素子自体を損傷します。一方でレーザー加工機は、用途の多様化により高出力化や微細加工のために信頼性が求められ、機器や部品の冷却需要が高まっております。当社グループは、より効率よく熱を吸収し、放熱する高性能ヒートシンク材料の活用(SiC等の新素材)や開発に注力しております。 ②ヒートシンク製品での複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造 上記研究開発の一環で、当社のシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.において、さらに熱伝導が高い素材として、銀とダイヤモンドを原材料としたシルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製造開発を行っています。この製品は、熱膨張率が様々な半導体素子の数値に近く、熱伝導が当社従来品の2~2.5倍の性能を有しています。今後の用途は、データセンターのサーバー、ハイパーフォーマンスコンピューティング、MPU向けヒートシンク、通信用RF増幅器、高出力レーザー用ヒートシンク、X線装置などで、将来性のある用途を見込んでおります。 ③ガラス製品での高信頼性製品の開発 ガラス製品は、微細加工を施す精密部品で、当社グループは、顧客の真のニーズを引出し、提案、製品化しております。用途は、CMOSイメージセンサー、MEMS(微小機械システム)の各種センサー、半導体パッケージ等です。近年、使われる環境が人体である医療用チップや、自動運転車の各種センサー、LiDAR(レーザー光による距離計測システム他)など人命に係わる製品の部品になりますので、高い信頼性を備えた製品の開発に注力しております。 ④ガラス製品での独自加工技術による展開 従来の機械加工技術に加えレーザー加工機の活用と、原点である「クロスエッジ®Technology」を併せ、それぞれのメリットを活かす複合加工へと発展させる取り組みを進めています。さらに将来的には、金属・ガラスとセラミック複合体など新たな技術開発の必要性も認識しており、将来的なお客様への提案力の強化に努めております。 ⑤優秀な人材の確保 「クロスエッジ®Technology」を継続して進化し成長を続けるためには、優秀な人材の確保が重要であると考えております。当社ではこれまで、経験者を中心とした積極的な人員の確保に努めるとともに、社員に対してもハラスメントの防止や労働環境改善のES(従業員満足度)調査への配慮に加え、健康経営による働き方改革等を踏まえた人事施策を行っており、今後も継続、強化を図ってまいります。また、社員一人ひとりが独創的な挑戦を継続し、進化し続ける企業風土の醸成を推進してまいります。 ⑥安定的な資金調達の構築及び継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループがメーカーとして最新の生産設備を保持し、維持していくためには、安定的な資金調達が重要であります。今後の事業拡大のために、資金需要の増加を見込んでいることから、安定した調達能力を高め、十分な手許資金の確保に取り組んでまいります。 なお、当社グループは、当連結会計年度において、営業損失1,443,128千円、経常損失1,629,152千円及び親会社株主に帰属する当期純損失2,976,832千円を計上しております。その結果、当社が、一部の取引金融機関と締結している金銭消費貸借契約証書の財務制限条項に付されている条項に抵触しております。これらの状況から、当連結会計年度末において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、当連結会計年度の手元資金の確保状況をもとに、当社の年度事業計画に基づく今後の収支推移見込み、取引金融機関との協議及び借入、関連当事者への資金面の支援要請及び連結子会社を含めた資金繰りを踏まえ、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、企業理念に掲げている「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」という社会的使命のもと、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」の提供により、“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”の実現に向けて取り組んでおります。 このことから当社グループでは、現在展開している市場での事業規模拡大及び新たな市場への展開を推進し、安定的な収益構造を実現することを中期的な課題としていることから、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営方針 当社グループは、社会的使命、永続的な目標および企業としての姿勢を「The TECNISCO WAY」として企業理念に掲げており、その社会的使命として掲げた「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」を果たすため、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」で、真の顧客ニーズと市場ニーズを捉えたモノづくりに取り組んでおります。また、永続的な目標の“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”において、顧客より求められる部品加工の領域は幅広くありますが、当社グループはその中でも高機能ヒートシンク及びガラスの領域においては、顧客が困ったときには当社に相談したいと思わせられる存在になりたいと考えており、企業としての姿勢の“誠実な企業として生きる 独創の企業として生きる”を基に、世の中の快適につながる部品加工の技術開発を進めております。 なお、企業を構成する主要な要素と当社を取り巻くステークホルダーとの関係性という観点から、当社グループが2029年度末(2030年6月期)に実現すべき姿を「VISION 2030」として定義し、その具現化を継続して進め、景気の波に左右されず着実に成長・拡大するビジネスモデルを構築すること、企業としての基礎体力を強化して安定的な収益構造を実現することを中期的な課題として継続的に取り組んでおります。 (2)経営戦略等 果たすべき社会的使命、「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人々の喜びの実現の一助になる」の実現を目指す上で、当社グループは、中長期のマイルストーンとして「VISION 2030」を策定しています。その策定にあたっては、「VISION 2023」の活動の振り返りを行い、進化を目指して未来からの視点で描かれており、売上高や利益などの定量的な要素によらず、より定性的な要素も含めた内容になっています。事業、会社、文化といった企業を構成する様々な要素の姿と「顧客」「サプライヤー」「従業員」「株主」などのステークホルダーとの関係性から、当社グループの2029年度末(2030年6月期)の到達点を定義しています。例えば中長期の経営指標に関して、事業の姿においては2024年7月時点の製品カテゴリと比較して、新規の独創的な製品が一定のボリュームで量産化されていることを掲げています。 現在、当社グループは、ヒートシンク製品、ガラス製品の製造販売を主な事業として、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場、ライフサイエンス市場、航空宇宙市場、環境エネルギー市場などを主な展開領域として当社製品の浸透を図っております。そのためには、これまで取引先からのニーズに対し、どうやって作るか(HOW)に主眼を置いた受託加工を主体としたビジネスモデルから、新たに何を作るか(WHAT)を主眼にした自社素材及び自社製品の開発、製造も並列させたビジネスモデルへの転換に取り組んでまいります。 これらを実現させるために、ヒートシンク製品においては産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場及び航空宇宙市場でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の開発、また、複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造、ガラス製品においてはライフサイエンス市場に向けた高信頼性製品の開発、さらに、成長市場である環境エネルギー市場へ独自加工技術による展開など、技術開発と製造の効率化を継続的に実施してまいります。 また、社会的使命を果たすために、企業体質の強化は不可欠ですが、リスクマネジメントシステムの推進、働き方改革の推進、健康経営の推進、人材の育成開発、スピーディな情報連携、内部統制整備運用などを継続的に実施してまいります。特に果たすべき社会的使命について、継続的なチャレンジによって「人々の喜びの実現の一助になる」と定義しているように、人々の喜びを実現するのは、顧客です。すなわち当社グループが「クロスエッジ®Technology」を求める先端製品開発に携わる人々から、認められた存在であることがマテリアリティ(最重要課題)です。当社グループは、これを推進する体制として「テクニスコCSマネジメントシステム」という全社的な体制にて、顧客の正直な声を全従業員に届け、CS向上のための活動を行ってまいります。 (3)経営環境 当社グループの主要製品であるヒートシンク製品は、産業機器市場、自動車市場、光・無線通信市場等において、様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。 現況において、当社グループは、半導体レーザーの市場セグメント、材料処理、医療、光通信、LiDARセンサー、ディスプレイと照明など様々な分野における主要な半導体レーザーメーカーと取引実績があります。現在、中国市場においては、市況環境の悪化および中国競合との価格競争の継続により、売上が大幅に減少しています。一方、日米欧等の主要メーカーも当社グループの顧客であり、その需要を確実に取り込めるように、既存取引先との関係強化及び新規取引先開拓に取り組んでまいります。また、半導体レーザー用途以外でもパワー半導体向け等の高機能ヒートシンク製品を提供しておりますが、これらを含めた半導体市場全体は、デジタル革命の進展に伴い今後も右肩上がりで成長し、2030年には約100兆円(経済産業省:2023年6月 半導体・デジタル産業戦略 参考資料より)に達すると言われています。半導体の微細化、極小化により大容量、高速、高信頼性や低消費電力、性能比低価格化など、半導体の進化に向けた追求は止まることがありません。当社グループは、顧客の最先端製品のR&D・開発担当者と直接対話し、共に解決する提案型の営業を行うことで、顧客製品の信頼性、長寿命化に必要不可欠な電気の放熱問題を解決する、ヒートシンク製品を提供してまいります。 もう一つの当社グループの主要製品であるガラス製品は、自動車市場、ライフサイエンス市場等における様々な領域の機器の一部を構成する部品として利用されております。 ガラス製品は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用ガラスに、微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの小型化、高機能化を可能とする構成部品です。特に車の自動運転技術が進む自動車市場向けの各種センサーやモバイル機器向け、バイオ・医療向け等に精密ガラス製品を提供しております。それぞれの市場においては、顧客製品の高性能化、小型化が進んでおり、当社グループは顧客ニーズを確実に取り込めるように、取り組んでおります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社は、株式会社ディスコの研削切断加工技術をもとに受託加工を提供しておりましたが、2000年代、顧客ニーズも踏まえてコーティング技術である薄膜の設備を導入し、新たな加工技術を身に付けました。その後、技術開発を繰り返し、さらなるコア技術を中心に複数工程を組み合わせ、独創的な加工技術を生み出し製品化へとつなげ、専業メーカーでは対応できない技術力を蓄積してまいりました。当社の強みである「クロスエッジ®Technology」は、このように確立された歴史があります。当社グループでは、下記の事項を対処すべき課題と認識して、さらなる進化のためにコア技術を増やし、レベルアップを図る研究開発活動に取り組み、安定的な収益構造の実現を推進してまいります。 ①ヒートシンク製品でのサーマルマネジメント用途に向けた高性能ヒートシンク材料の活用・開発 当社グループの主力製品であるレーザー機器用ヒートシンクは、現在は主に窒化アルミニウム(AIN)、銅タングステン(CuW)が原材料ですが、高出力用レーザーを出す半導体素子に直接接合されるため、熱膨張率が半導体素子に近くないと、素子自体を損傷します。一方でレーザー加工機は、用途の多様化により高出力化や微細加工のために信頼性が求められ、機器や部品の冷却需要が高まっております。当社グループは、より効率よく熱を吸収し、放熱する高性能ヒートシンク材料の活用(SiC等の新素材)や開発に注力しております。 ②ヒートシンク製品での複合加工技術の開発による高機能ヒートシンク製品の製造 上記研究開発の一環で、当社のシンガポール子会社であるTECNISCO Advanced Materials Pte. Ltd.において、さらに熱伝導が高い素材として、銀とダイヤモンドを原材料としたシルバーダイヤによる高機能ヒートシンクの製造開発を行っています。この製品は、熱膨張率が様々な半導体素子の数値に近く、熱伝導が当社従来品の2~2.5倍の性能を有しています。今後の用途は、データセンターのサーバー、ハイパーフォーマンスコンピューティング、MPU向けヒートシンク、通信用RF増幅器、高出力レーザー用ヒートシンク、X線装置などで、将来性のある用途を見込んでおります。 ③ガラス製品での高信頼性製品の開発 ガラス製品は、微細加工を施す精密部品で、当社グループは、顧客の真のニーズを引出し、提案、製品化しております。用途は、CMOSイメージセンサー、MEMS(微小機械システム)の各種センサー、半導体パッケージ等です。近年、使われる環境が人体である医療用チップや、自動運転車の各種センサー、LiDAR(レーザー光による距離計測システム他)など人命に係わる製品の部品になりますので、高い信頼性を備えた製品の開発に注力しております。 ④ガラス製品での独自加工技術による展開 従来の機械加工技術に加えレーザー加工機の活用と、原点である「クロスエッジ®Technology」を併せ、それぞれのメリットを活かす複合加工へと発展させる取り組みを進めています。さらに将来的には、金属・ガラスとセラミック複合体など新たな技術開発の必要性も認識しており、将来的なお客様への提案力の強化に努めております。 ⑤優秀な人材の確保 「クロスエッジ®Technology」を継続して進化し成長を続けるためには、優秀な人材の確保が重要であると考えております。当社ではこれまで、経験者を中心とした積極的な人員の確保に努めるとともに、社員に対してもハラスメントの防止や労働環境改善のES(従業員満足度)調査への配慮に加え、健康経営による働き方改革等を踏まえた人事施策を行っており、今後も継続、強化を図ってまいります。また、社員一人ひとりが独創的な挑戦を継続し、進化し続ける企業風土の醸成を推進してまいります。 ⑥安定的な資金調達の構築及び継続企業の前提に関する重要事象等 当社グループがメーカーとして最新の生産設備を保持し、維持していくためには、安定的な資金調達が重要であります。今後の事業拡大のために、資金需要の増加を見込んでいることから、安定した調達能力を高め、十分な手許資金の確保に取り組んでまいります。 なお、当社グループは、当連結会計年度において、営業損失1,443,128千円、経常損失1,629,152千円及び親会社株主に帰属する当期純損失2,976,832千円を計上しております。その結果、当社が、一部の取引金融機関と締結している金銭消費貸借契約証書の財務制限条項に付されている条項に抵触しております。これらの状況から、当連結会計年度末において、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりますが、当連結会計年度の手元資金の確保状況をもとに、当社の年度事業計画に基づく今後の収支推移見込み、取引金融機関との協議及び借入、関連当事者への資金面の支援要請及び連結子会社を含めた資金繰りを踏まえ、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、企業理念に掲げている「高度なクロスエッジ®Technologyへの継続的なチャレンジによって人びとの喜びの実現の一助となる」という社会的使命のもと、「切る」「削る」「磨く」「メタライズ」「接合」を中心とした複数の先端加工技術を融合させた「クロスエッジ®Technology」の提供により、“いつの時代にも人びとから「次も」期待される存在となる”の実現に向けて取り組んでおります。 このことから当社グループでは、現在展開している市場での事業規模拡大及び新たな市場への展開を推進し、安定的な収益構造を実現することを中期的な課題としていることから、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国及び世界経済は、米国の関税政策リスク、インフレ率の高止まり、ウクライナ情勢、中東情勢などの地政学的リスクの高まりを受け依然として先行き不透明な状況にあります。 このような経営環境のもと、当社グループの主力製品である産業用レーザー機器市場向け高性能ヒートシンクについて、主に中国市場で、不動産問題に端を発する景況感の悪化、中国競合との価格競争の継続、一部顧客の需要減が重なったことなどにより、ヒートシンク製品全体の売上高は前年度より減少しました。ガラス製品は、主に日本、欧米向け製品において顧客の短期的な需要変動があったことなどによって、売上高は前年度より減少しました。 売上総利益については、前述の中国市場での売上減少の影響、及び、欧米向けの売上総利益率が高い製品の短期的な需要変動、さらに中国市場で売上総利益率が大幅に低下したヒートシンク関連の在庫廃棄などによって、前年度より減少しました。 販売費及び一般管理費については、継続的な経費削減の取組みにより、前年度より減少しました。 なお、当社グループの生産設備等について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、足元の市場環境及び生産状況を適切に見積もった将来計画を踏まえ、投資の回収可能性を検討した結果、当該固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額1,271,201千円を減損損失として特別損失に計上しました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,362,209千円(前年比28.2%減)、営業損失1,443,128千円(前年同期は営業損失476,939千円)、経常損失1,629,152千円(前年同期は経常損失318,634千円)、親会社株主に帰属する当期純損失2,976,832千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失603,632千円)となりました。 なお、セグメント別の状況は、精密加工部品事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。 ② 財政状態の状況(資産) 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて2,940,491千円減少し、6,568,881千円となりました。これは主に、現金及び預金が267,191千円の減少、売掛金が436,383千円の減少、仕掛品が275,153千円の減少、機械装置及び運搬具が1,435,478千円減少したことによるものであります。 (負債) 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて123,545千円増加し、4,944,704千円となりました。これは主に、短期借入金が1,360,200千円の増加であった一方で、1年内返済予定の長期借入金が181,184千円の減少、長期借入金が930,572千円減少したことによるものであります。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて3,064,037千円減少し、1,624,177千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が2,976,832千円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は24.57ポイント減少して24.73%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、減価償却費、減損損失、短期借入金の純増加額の計上等の要因があったものの、税金等調整前当期純損失、長期借入金の返済による支出等により、前連結会計年度末に比べ267,191千円減少し、当連結会計年度末には1,812,905千円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、営業活動の結果使用した資金は256,771千円(前年同期は386,636千円の支出)となりました。これは主に、減損損失1,271,201千円、減価償却費530,065千円、棚卸資産の減少507,880千円、売上債権の減少315,017千円、税金等調整前当期純損失3,023,818千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は184,577千円(前年同期は434,589千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入244,685千円、定期預金の預入による支出244,685千円、有形固定資産の取得による支出166,275千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は226,269千円(前年同期は2,092,750千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,360,200千円、長期借入金の返済による支出1,111,756千円によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)精密加工部品事業5,699,45574.5合計5,699,45574.5 (注)金額は製造原価によっております。 b.受注実績 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)精密加工部品事業3,189,00774.41,091,62186.3合計3,189,00774.41,091,62186.3 c.販売実績 当社グループは精密加工部品事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)精密加工部品事業3,362,20971.8合計3,362,20971.8 (注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度におけるWuhan Raycus Fiber Laser Technologies Co., Ltd.については、総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。相手先前連結会計年度(自 2023年7月1日至 2024年6月30日)当連結会計年度(自 2024年7月1日至 2025年6月30日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)Wuhan Raycus Fiber Laser Technologies Co., Ltd.892,23319.1-- (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高) ヒートシンク製品群については、産業用レーザー機器市場向け高性能ヒートシンクについて、主に中国市場で、不動産問題に端を発する景況感の悪化、中国競合との価格競争の継続、一部顧客の需要減が重なったことなどにより、売上高は1,367,797千円(前期比45.7%減)となりました。ガラス製品群については、主に日本、欧米向け製品において顧客の短期的な需要変動があったことなどによって、売上高は1,118,313千円(前期比16.0%減)となりました。全体としては、売上高は3,362,209千円(前期比28.2%減)となりました。 (売上総利益) 売上原価については、前述の中国市場での売上減少の影響、及び、欧米向けの売上総利益率が高い製品の短期的な需要変動、さらに中国市場で売上総利益率が大幅に低下したヒートシンク関連の在庫廃棄などによって、売上原価は3,231,756千円(前期比7.9%減)となり、売上総利益は130,453千円(前期比88.9%減)、売上総利益率は21.2ポイント減少して3.9%となりました。 (営業利益) 販売費及び一般管理費については、継続的な経費削減の取組みにより、1,573,581千円(前期比4.8%減)となり、営業損失は1,443,128千円(前期の営業損失は476,939千円)となりました。 (経常利益) 営業外損益については、主に為替差損の計上により186,023千円の損失になったことで、経常損失は1,629,152千円(前期の経常損失は318,634千円)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益) 特別損益については、当社グループの生産設備等について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、足元の市場環境及び生産状況を適切に見積もった将来計画を踏まえ、投資の回収可能性を検討した結果、当該固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額1,271,201千円を減損損失として特別損失に計上しました。 この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は2,976,832千円(前期の親会社株主に帰属する当期純損失は603,632千円)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。 当社グループは、運転資金、設備投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について必要な資金を銀行等の金融機関から借入により調達しております。これらの自己資金は、機動的な事業経営、柔軟な研究開発活動を目的として、会社の対応力向上のために活用しており、設備投資の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。 なお、事業拡大に向けて急激な資金需要が生じる場合に備え、一部の金融機関と当座貸越契約を締結しております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積り及び仮定と異なる場合があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える可能性のある見積り及び仮定は、以下のとおりであります。 (固定資産の減損) 減損損失の認識において使用される将来キャッシュ・フロー、割引率等の前提条件については、一定の仮定に基づき設定しております。これらの仮定は、経営者が最善と判断した見積りに基づいて決定しておりますが、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合には、固定資産の減損を行い、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 (繰延税金資産の回収可能性) 繰延税金資産は、将来の課税所得の見積額及び実行可能なタックス・プランニング等を踏まえ、経営者が最善と判断した見積りに基づいて金額を算定しておりますが、将来の課税所得の見積額は業績等により変動するため、実際の課税所得の金額が見積りと異なった場合やタックス・プランニング等に変更が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 ⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について 当社グループでは、売上総利益率の向上と経常利益の拡大を経営において重視しています。当連結会計年度の数値については、次のとおりとなっております。詳細は、①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容の各項目をご参照ください。 前連結会計年度当連結会計年度売上総利益率25.1%3.9%経常利益△318,634千円△1,629,152千円 ⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について 経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。