事業の概要
- 医療器材の販売と管理:オルバヘルスケアホールディングスは、病院やクリニックで使用される医療機器や関連製品の販売を主な事業としています。グループ会社を通じて、人工呼吸器や人工関節などの高度な医療機器から、日常的に使われる消耗品まで幅広い製品を取り扱っており、医療現場のニーズに応えています。
- 物品・情報管理サービス(SPD):病院内の医療材料や消耗品の在庫管理、発注、配送を一元的に行うSPD(Supply Processing and Distribution)事業も展開しています。これにより、医療機関は効率的な物品管理が可能となり、コスト削減や医療従事者の負担軽減に貢献しています。
- 介護用品の販売とレンタル:在宅介護を支えるための介護用ベッドやその他の介護用品の販売・レンタルも行っています。高齢化社会の進展に伴い、自宅での療養を希望する人々が増える中で、必要な介護用品を提供することで、利用者の生活の質の向上をサポートしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 医療器材事業:この事業は、医療機器や関連機器の販売を主に行っています。売上高は1143.3664億円、営業利益は17.74169億円と、グループの中で最も大きな規模を誇る稼ぎ頭です。人工呼吸器や人工関節などの高度管理医療機器から、日常的に使用される医療消耗品まで幅広い製品を取り扱い、医療現場に不可欠な役割を担っています。
- SPD事業:SPD事業は、病院内の物品・情報管理および購買管理業務、さらに医療機器の販売も手掛けています。売上高は55.8873億円、営業利益は1.13906億円です。この事業は、医療機関の効率的な運営をサポートすることで、間接的に医療現場のコスト削減や業務改善に貢献しており、顧客との長期的な関係構築に寄与しています。
- 介護用品事業:この事業では、在宅介護用のベッドやその他の介護用品の販売・レンタルを行っています。売上高は27.77092億円、営業利益は2.05178億円です。高齢化社会の進展に伴い、自宅での介護ニーズが高まる中で、利用者の生活の質を向上させるための重要なサービスを提供しており、社会貢献性の高い事業です。
2025-06 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MedicalEquipment | 事業 | 1,143 | 18 | 1.6% |
| SPD | 事業 | 56 | 1 | 2.0% |
| CareNursingGoods | 事業 | 28 | 2 | 7.4% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、以下の9社からなります。なお、事業区分は「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一です。また、従来非連結子会社であったTHAI OLBA Healthcare Co.,Ltd.は、重要性が増したため、当連結会計年度より連結の範囲に含めています。さらに、当連結会計年度において、株式会社オルシードを新たに設立し、連結の範囲に含めています。加えて、連結子会社の株式会社エクソーラメディカルは、重要性が低下したため下記記載から除外しました。○ 持株会社・・・グループ全体を管理・統括・オルバヘルスケアホールディングス㈱(当社)○ 医療器材事業・・・医療機器及び関連機器の販売・㈱カワニシ ・サンセイ医機㈱ ・日光医科器械㈱ ・㈱カワニシバークメド ・㈱オルシード・THAI OLBA Healthcare Co.,Ltd.○ SPD事業・・・物品・情報管理及び購買管理業務並びに医療機器の販売・㈱ホスネット・ジャパン○ 介護用品事業・・・在宅介護用ベッド・用品の販売・レンタル・㈱ライフケア 当社グループ内の取引関係及び顧客との取引関係は以下の図のとおりです。 なお、当社は特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で求められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 償還価格が実勢販売価格をもとに引き下げられる傾向にあり、販売単価も下落傾向にあるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 医薬品医療機器等法に基づく医療機器販売業、製造販売業、医薬品卸売販売業等の許可・登録が必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:償還価格制度による収益性圧迫 / 事業継続のための法規制違反による許可取り消し / 商品に関する法規制違反による供給体制機能不全
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
オルバヘルスケアホールディングスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに関する情報は公開されておらず、無形資産による競争優位性は確認できません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
医療用医薬品卸売業という性質上、医療機関や薬局との取引関係は一定の継続性を持つと考えられるが、他社への乗り換えに対する顧客側の直接的な損失は限定的である可能性が高い。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が競争優位性として機能するビジネスモデルではないため、スコアは0とする。
コスト優位★★☆☆☆
医薬品卸売業は、規模の経済や効率的な物流網の構築がコスト競争力に影響を与える可能性がある。しかし、オルバヘルスケアホールディングス特有の構造的なコスト優位性を示す具体的な情報は現時点では確認できない。
規模の経済★★★☆☆
医薬品卸売業は、取扱量や販売網の広さが競争力の源泉となる。オルバヘルスケアホールディングスは、一定規模の事業を展開しており、効率規模のメリットを享受している可能性がある。ただし、業界内での絶対的な寡占状態ではない。
- 幅広い医療機器の取り扱い:グループ全体で多種多様な医療機器や関連製品を取り扱っており、医療機関の様々なニーズにワンストップで対応できる強みがあります。これにより、顧客である医療機関にとっての利便性が高く、安定した取引関係を築きやすいと考えられます。
- 医療現場の効率化支援:SPD事業を通じて、医療機関の物品管理や購買業務の効率化を支援しています。これは単なる製品販売に留まらず、医療機関の経営改善に貢献する付加価値の高いサービスであり、顧客との長期的な関係構築に繋がる競争優位性となります。
- 介護分野への事業展開:医療分野だけでなく、在宅介護用品の販売・レンタル事業も展開しており、高齢化社会の進展という社会的なニーズに対応しています。これにより、事業ポートフォリオの多様化が図られ、特定の市場変動リスクを軽減する効果が期待できます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針当社グループでは、会社の経営の基本方針として「社員憲章」を定めています。この「社員憲章」は、①事業のあり方、②組織のあり方、③メンバーのあり方、の3項目から構成され、当社グループのメンバーがよって立つべき企業理念を体現したものにもなっています。また、国連の採択したSDGs(持続可能な開発目標)はこうした当社の経営方針と非常に親和性が高いため、その17項目のうち、「3. すべての人に健康と福祉を」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「8.働きがいも経済成長も」「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」「13.気候変動に具体的な対策を」「17. パートナーシップで目標を達成しよう」の6つを実現するように努めています。当社グループは、絶えずサービスのイノベーションを図り、グループ会社間でのノウハウ共有とインフラ統合を進めていくとともに、新技術や独自のノウハウを持つ企業と幅広く連携・提携を進めていきます。 オルバグループ社員憲章 事業のあり方○ ビジネスを通じて、医学・医療・介護の発展に貢献し、国民の健康長寿に寄与する○ 革新的な新機能・新技術の恩恵を、患者と医療機関に速やかに適切に提供する○ ステークホルダー(顧客、取引先、社員、地域社会、株主)の皆様に、誠実かつ継続的に価値を 提供し、持続可能な経営を追求する○ 業界の内外を問わず積極的に交わり、創造性を育み、グローバルな視点でフロンティアを探求する 組織のあり方○ 人材育成を尊び、「マネジメント(人を通じて事を成す)」に重きをおく○ ダイバーシティを重視し、多様な意見や価値観、働き方を認め合う○ いかなるときも、フェアーな競争と取引を心掛ける○ 競争によってもたらされた成果は、新たな価値を創造するために再投資する○ メンバーが心身ともに健康で、貢献意欲を持つことのできる環境を整備する メンバーのあり方○ 自発的かつ主体的な成長意志を持つ○ 過去の成果に安住せず、謙虚に学び続ける○ 自身の貢献や努力なしに便益を得ようとするフリーライディングを善しとしない○ 社内外のビジネス上のパートナーを尊重し、高い倫理観と誇りをもって業務に臨む (2) 目標とする経営指標 当社は、企業集団の成長、ならびに業務プロセスの効率性を測定するうえで、売上高と営業利益を重視しています。2025年6月期を初年度とする中期経営計画においては、2027年6月期の連結売上高1,350億円、連結営業利益27億円を目標としていました。中期計画の初年度である2025年6月期は、連結売上高はおおむね予算通りでしたが、連結営業利益は予算を大きく下回る結果となりました。この要因として、設備備品の需要減退、消耗品の利益率の低下が挙げられます。顧客である医療・介護施設においては、人員不足に伴う人件費の増大、物価高騰、補助金などの財政支援の減少といった外部環境の影響を受け、設備投資に慎重な姿勢が見られました。消耗品に関しては、物価高騰の影響で上昇した仕入価格を、販売価格へ十分に転嫁できませんでした。今後は現業を強化すべく、手術関連、整形外科、循環器といった各専門領域におけるグループ内連携をさらに進めるとともに、新たな収益源の確立に向けて、自動精算機をはじめとする当社グループオリジナル製品の拡販も推進していきます。また、変わりゆく事業環境に適応し、持続可能な経営を実現していくためには、DX(Digital transformation:デジタル化によるビジネスモデル等の再構築)と給与ベースアップや人材育成を含む人的資本への継続的な投資も必要であると考えています。これらの取り組みを基盤に、2026年6月期を初年度とする中期経営計画をあらためて策定し、2028年6月期に目指す経営指標を、連結売上高1,420億円、連結営業利益27億円としました。また、上記のような投資余力を保持するためには、ROEを現状水準程度に保ちながらも自己資本を充実させることが重要と考えています。(過去5年のROEの単純平均実績:14.2%) (3) 中長期的な会社の経営戦略 厚生労働省が示した「地域医療構想」においては、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けてさまざまな取り組みが進められてきました。その後継策として2024年12月に取りまとめが行われた「新たな地域医療構想」においては、85歳以上の高齢者人口の増加や人口減少がさらに進む2040年頃を視野に入れ、全ての地域・全ての世代の患者が適切に医療・介護を受けながら生活し、必要に応じて入院し、日常生活に戻ることができ、同時に、医療従事者が持続可能な働き方を確保できる医療提供体制を整備することが課題に挙げられています。これらの課題に対応するためには、限られた医療資源を最適化・効率化しながら、「治す医療」を担う医療機関と「治し支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、地域完結型の医療・介護提供体制を構築することが必要とされています。一方で、ロボットを使用した手術や、がんゲノム等の遺伝子解析による個別化医療が一部で実現されるなど医療技術は目覚ましく進歩しています。もちろん、従前より当社グループが得意としてきた整形外科領域や循環器領域(循環器内科・心臓血管外科)、手術関連領域、またその他の領域においても、引き続き様々なサービス提供が医療現場より求められています。こうした環境に対応すべく、当社グループでは2028年6月期を最終年度とする中期経営計画のポイントを以下の図のようにまとめました。なお、中期経営計画は毎年見直し、常に最新の中期計画による目標管理を行ってまいります。①OLBA-DX:DXによって、あらゆる業務のあり方を見直します。非生産業務をできるだけ効率化して顧客へのサービス提供時間の最大化を図ると同時に、ICTツールを用いて営業活動の質を向上させ、顧客満足度を高めていきます。社員のITスキルを向上させる取り組みにも注力します。②生産性向上:現業の強化・効率化とロジスティクスの革新がポイントです。仕入交渉力の強化、業務合理化などをさらに進めるほか、グループ内連携の強化、医療機器の安定供給に向けたロジスティクス基盤の充実により、顧客提供価値の最大化を目指します。③未来への投資:新規事業育成・外部連携促進・サステナビリティ確保がポイントです。新規事業として、タイ王国でのビジネス基盤の確立、カワニシバークメドによるクリニック向けビジネスの拡大、ならびに次世代ごみ処理機の開発・販売を通じて地球環境保護にも貢献する新会社「オルシード」の育成を進めていきます。また、業界内外を問わない業務連携、人的資本への投資も行っていきます。 なお、2030年に向けて当社グループが目指す姿として、2024年6月期に設定した「VISION2030」の内容は以下のとおりです。1)国内最高の医療機器商社を目指す2)営業利益の20%は、海外から獲得する3)30以上の新製品・サービスを上市する (4) 会社の対処すべき課題当社は、「会社の経営の基本方針」に基づき、グループ各社に対する資金・人材・インフラ事業政策等をサポートすることで企業価値の向上に努めていきます。また、コンプライアンスの徹底、適切なリスク管理並びに適正な情報の開示を行い、グループの社会的価値を高めていきます。 (5) その他、会社の経営上重要な事項該当事項はありません。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針当社グループでは、会社の経営の基本方針として「社員憲章」を定めています。この「社員憲章」は、①事業のあり方、②組織のあり方、③メンバーのあり方、の3項目から構成され、当社グループのメンバーがよって立つべき企業理念を体現したものにもなっています。また、国連の採択したSDGs(持続可能な開発目標)はこうした当社の経営方針と非常に親和性が高いため、その17項目のうち、「3. すべての人に健康と福祉を」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「8.働きがいも経済成長も」「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」「13.気候変動に具体的な対策を」「17. パートナーシップで目標を達成しよう」の6つを実現するように努めています。当社グループは、絶えずサービスのイノベーションを図り、グループ会社間でのノウハウ共有とインフラ統合を進めていくとともに、新技術や独自のノウハウを持つ企業と幅広く連携・提携を進めていきます。 オルバグループ社員憲章 事業のあり方○ ビジネスを通じて、医学・医療・介護の発展に貢献し、国民の健康長寿に寄与する○ 革新的な新機能・新技術の恩恵を、患者と医療機関に速やかに適切に提供する○ ステークホルダー(顧客、取引先、社員、地域社会、株主)の皆様に、誠実かつ継続的に価値を 提供し、持続可能な経営を追求する○ 業界の内外を問わず積極的に交わり、創造性を育み、グローバルな視点でフロンティアを探求する 組織のあり方○ 人材育成を尊び、「マネジメント(人を通じて事を成す)」に重きをおく○ ダイバーシティを重視し、多様な意見や価値観、働き方を認め合う○ いかなるときも、フェアーな競争と取引を心掛ける○ 競争によってもたらされた成果は、新たな価値を創造するために再投資する○ メンバーが心身ともに健康で、貢献意欲を持つことのできる環境を整備する メンバーのあり方○ 自発的かつ主体的な成長意志を持つ○ 過去の成果に安住せず、謙虚に学び続ける○ 自身の貢献や努力なしに便益を得ようとするフリーライディングを善しとしない○ 社内外のビジネス上のパートナーを尊重し、高い倫理観と誇りをもって業務に臨む (2) 目標とする経営指標 当社は、企業集団の成長、ならびに業務プロセスの効率性を測定するうえで、売上高と営業利益を重視しています。2025年6月期を初年度とする中期経営計画においては、2027年6月期の連結売上高1,350億円、連結営業利益27億円を目標としていました。中期計画の初年度である2025年6月期は、連結売上高はおおむね予算通りでしたが、連結営業利益は予算を大きく下回る結果となりました。この要因として、設備備品の需要減退、消耗品の利益率の低下が挙げられます。顧客である医療・介護施設においては、人員不足に伴う人件費の増大、物価高騰、補助金などの財政支援の減少といった外部環境の影響を受け、設備投資に慎重な姿勢が見られました。消耗品に関しては、物価高騰の影響で上昇した仕入価格を、販売価格へ十分に転嫁できませんでした。今後は現業を強化すべく、手術関連、整形外科、循環器といった各専門領域におけるグループ内連携をさらに進めるとともに、新たな収益源の確立に向けて、自動精算機をはじめとする当社グループオリジナル製品の拡販も推進していきます。また、変わりゆく事業環境に適応し、持続可能な経営を実現していくためには、DX(Digital transformation:デジタル化によるビジネスモデル等の再構築)と給与ベースアップや人材育成を含む人的資本への継続的な投資も必要であると考えています。これらの取り組みを基盤に、2026年6月期を初年度とする中期経営計画をあらためて策定し、2028年6月期に目指す経営指標を、連結売上高1,420億円、連結営業利益27億円としました。また、上記のような投資余力を保持するためには、ROEを現状水準程度に保ちながらも自己資本を充実させることが重要と考えています。(過去5年のROEの単純平均実績:14.2%) (3) 中長期的な会社の経営戦略 厚生労働省が示した「地域医療構想」においては、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けてさまざまな取り組みが進められてきました。その後継策として2024年12月に取りまとめが行われた「新たな地域医療構想」においては、85歳以上の高齢者人口の増加や人口減少がさらに進む2040年頃を視野に入れ、全ての地域・全ての世代の患者が適切に医療・介護を受けながら生活し、必要に応じて入院し、日常生活に戻ることができ、同時に、医療従事者が持続可能な働き方を確保できる医療提供体制を整備することが課題に挙げられています。これらの課題に対応するためには、限られた医療資源を最適化・効率化しながら、「治す医療」を担う医療機関と「治し支える医療」を担う医療機関の役割分担を明確化し、地域完結型の医療・介護提供体制を構築することが必要とされています。一方で、ロボットを使用した手術や、がんゲノム等の遺伝子解析による個別化医療が一部で実現されるなど医療技術は目覚ましく進歩しています。もちろん、従前より当社グループが得意としてきた整形外科領域や循環器領域(循環器内科・心臓血管外科)、手術関連領域、またその他の領域においても、引き続き様々なサービス提供が医療現場より求められています。こうした環境に対応すべく、当社グループでは2028年6月期を最終年度とする中期経営計画のポイントを以下の図のようにまとめました。なお、中期経営計画は毎年見直し、常に最新の中期計画による目標管理を行ってまいります。①OLBA-DX:DXによって、あらゆる業務のあり方を見直します。非生産業務をできるだけ効率化して顧客へのサービス提供時間の最大化を図ると同時に、ICTツールを用いて営業活動の質を向上させ、顧客満足度を高めていきます。社員のITスキルを向上させる取り組みにも注力します。②生産性向上:現業の強化・効率化とロジスティクスの革新がポイントです。仕入交渉力の強化、業務合理化などをさらに進めるほか、グループ内連携の強化、医療機器の安定供給に向けたロジスティクス基盤の充実により、顧客提供価値の最大化を目指します。③未来への投資:新規事業育成・外部連携促進・サステナビリティ確保がポイントです。新規事業として、タイ王国でのビジネス基盤の確立、カワニシバークメドによるクリニック向けビジネスの拡大、ならびに次世代ごみ処理機の開発・販売を通じて地球環境保護にも貢献する新会社「オルシード」の育成を進めていきます。また、業界内外を問わない業務連携、人的資本への投資も行っていきます。 なお、2030年に向けて当社グループが目指す姿として、2024年6月期に設定した「VISION2030」の内容は以下のとおりです。1)国内最高の医療機器商社を目指す2)営業利益の20%は、海外から獲得する3)30以上の新製品・サービスを上市する (4) 会社の対処すべき課題当社は、「会社の経営の基本方針」に基づき、グループ各社に対する資金・人材・インフラ事業政策等をサポートすることで企業価値の向上に努めていきます。また、コンプライアンスの徹底、適切なリスク管理並びに適正な情報の開示を行い、グループの社会的価値を高めていきます。 (5) その他、会社の経営上重要な事項該当事項はありません。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 (1) 財政状態及び経営成績の分析①経営成績の分析2027年6月期を最終年度とする当社グループの中期経営計画では「現業強化・生産性向上」、「SDGs推進・ESG経営」、「新規事業探索・育成」、「DXの推進」を重点ポイントに定め、各種施策を推進しています。そして、さらに長期的な視点で経営を行うべく、2030年に向けて当社グループが目指す姿として、「国内最高の医療機器商社」、「営業利益の20%を海外から獲得」、「30以上の新製品・サービスを上市」という3本柱からなる「VISION2030」を制定し、実現に向けた基盤づくりを開始しています。一方、顧客である医療・介護施設では、人員不足や物価高騰に伴う人件費の増加、補助金などの財政支援の減少によって設備投資に慎重になりつつあり、当期の設備備品は例年を下回る結果となりました。しかしながら、ロボット手術や不整脈治療など、新技術へのニーズが高い領域では、引き続き積極的な設備投資が行われています。 <医療器材事業>医療器材事業の商品分類別売上高は下記のとおりです。ただし、当該商品分類別売上高については、管理会計に基づく集計値を元に分析を行っています。そのため、商品分類別売上高の合計は医療器材事業の売上高と一致していませんが、これによる分析の正確性への影響は軽微であると判断しています。また、各商品分類における前期比の記載においては、今期から一部商品の集計区分を変更したため、前期実績も同じ区分で再集計して比較しています。 単位:百万円 前期当期増減 金額構成比(%)金額構成比(%)金額増減率(%)手術関連消耗品48,56742.550,45742.71,8903.9整形外科消耗品26,12222.928,88524.52,76210.6循環器消耗品22,46019.624,08320.41,6237.2消耗品 小計97,15085.0103,42587.66,2756.5設備備品17,17215.014,68712.4△2,485△14.5商品分類別売上高 合計114,322100.0118,113100.03,7913.3調整額△2,158-△2,235-△77-医療器材事業 合計112,164-115,878-3,7143.3 医療器材事業の成長の軸は消耗品の売上高です。特に近年は関西地方を重点エリアとした営業活動を推進してきましたが、顧客獲得に一定の見通しがついたことにより、今期から連結子会社である株式会社カワニシの神戸営業所を関西支店に昇格させ、営業基盤の強化を図りました。また、世界的な物価高騰に伴う医療機器の仕入価格上昇は現在も継続していますが、我々は顧客ニーズを満たした安価な代替品提案を織り交ぜながら、可能な限り販売価格に転嫁する交渉を行っています。これらの結果、医療器材事業の消耗品の売上高は前期比6.5%増となりました。その内訳は以下のとおりです。 手術関連消耗品の売上高は、前期比3.9%増となりました。主力の外科関連製品が同5.2%増と堅調に推移したことに加え、従来から重点的に営業活動を行っている糖尿病関連製品を含む内科関連製品が同12.3%増と業績を牽引しました。また、2023年4月より始まった福島県におけるオリンパスマーケティング社の代理店としての活動により、消化器内視鏡関連製品が同5.1%増となりました。 整形外科消耗品の売上高は、前期比10.6%増となりました。前期に開業した医療機関の本格稼働や、今期新たに獲得した施設の影響により、人工関節関連製品が同10.5%増、外傷・スポーツ・関節鏡(※1)関連製品が同8.3%増となり、医療器材事業の業績を牽引しました。また、2024年6月の償還価格改定の影響などにより減少傾向にあった脊椎関連製品も、第3四半期には増加に転じ、前期比1.2%増となりました。なお、人工関節の分野において普及しているロボット手術については、前期に引き続き、その導入支援を積極的に行っています。(※1)膝や肩などの関節内にカメラを挿入して行われる低侵襲手術 循環器消耗品の売上高は、前期比7.2%増となりました。昨年まで増加を続けていた心臓血管外科領域はTAVI(※2)の症例数の伸びが落ち着いてきたことから、前期比3.1%減となったものの、新規獲得施設の影響により、カテーテルアブレーション(※3)関連製品が同13.4%増、心臓虚血治療関連製品が同8.8%増と業績拡大に寄与しました。(※2)心臓の大動脈弁を低侵襲に人工弁へ置換する治療(※3)頻脈の原因となる心筋組織を焼灼もしくは凝固する治療 設備備品の売上高は、各種補助金による需要が一段落したことに加え、医療機関の設備投資意欲が見込みよりも減退したことで前期比14.5%減となりました。その一方で新規領域の開発を進めており、クリニック向け自動精算機テマサックは順調に販売台数を伸ばしています。また、2025年1月6日に設立した株式会社オルシードでは、環境に配慮したサーキュラーエコノミー(循環経済)による持続可能な社会の実現を目指し開発した、次世代型ごみ処理機「低熱分解型アップサイクルユニット OLSTECH®(オルステック)」の販売も開始し、売上実績を計上しています。 その結果、医療器材事業は、売上高1,158億78百万円(前期比3.3%増)となりました。しかしながら、設備備品の需要減少により売上総利益が伸び悩んだことに加え、人的資本への投資としての給与ベースアップ、組織体制の強化に向けた人員補強、OLBA-DX推進のためのシステム投資などにより販売管理費が前年を上回ったことから、営業利益は17億74百万円(前期比12.9%減)となりました。 <SPD事業>SPD事業は、仕入価格の上昇分を販売価格に転嫁する活動を継続したことと、物価上昇に伴う管理料の値上げ交渉を粘り強く継続した結果、売上高は57億17百万円(前期比9.4%増)となりました。また、販売管理費は給与ベースアップなどの影響により増加しましたが、仕入改善に努めたことにより、営業利益は1億13百万円(前期比9.0%増)となりました。 <介護用品事業>介護用品事業は、在宅医療・居宅介護の需要が引き続き高く、主力のレンタル事業が前期比4.7%増と順調に推移しました。また、レンタルに付随する物品販売についても、提案営業を強化したことにより同10.8%増となりました。その結果、売上高は27億77百万円(前期比5.2%増)となりました。営業利益が2億5百万円(前期比1.8%減)となっているのは、四国地方における新規出店に伴う経費の増加によるもので、今後の営業活動拡大への先行投資と位置づけています。 以上の結果、当期の連結売上高は1,227億2百万円(前期比3.5%増)、連結営業利益19億79百万円(前期比11.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益14億30百万円(前期比4.7%減)となりました。 (仕入及び販売の状況)(1) 仕入実績区分金額(千円)前期比(%)医療器材事業104,765,115104.1SPD事業2,749,549107.5介護用品事業1,492,686104.3合計109,007,351104.2 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しています。 (2) 販売実績区分金額(千円)前期比(%)医療器材事業114,336,640103.2SPD事業5,588,730109.8介護用品事業2,777,092105.3合計122,702,463103.5 (注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)エム・シー・ヘルスケア株式会社12,886,54110.914,817,15712.1 2 セグメント間の取引については相殺消去しています。 ②財政状態の分析 当連結会計年度末の総資産は458億71百万円となり、前連結会計年度末と比べ26億34百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が7億38百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が6億71百万円、商品が4億73百万円、工具、器具及び備品が3億61百万円、建設仮勘定が10億12百万円それぞれ増加した一方で、電子記録債権が4億15百万円、リース資産が1億93百万円それぞれ減少したことによるものです。 また、負債は336億15百万円となり、前連結会計年度末と比べ17億52百万円増加しました。主な要因は、支払手形及び買掛金が5億84百万円、電子記録債務が2億58百万円、1年内返済予定の長期借入金が4億円、長期借入金が15億16百万円それぞれ増加した一方で、短期借入金が6億円、未払法人税等が2億22百万円それぞれ減少したことによるものです。 純資産は122億55百万円となり、前連結会計年度末と比べ8億81百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益により14億30百万円増加した一方で、退職給付に係る調整累計額が27百万円、配当金により4億88百万円それぞれ減少したことによるものです。 この結果、自己資本比率は、0.4ポイント増加し、26.7%となりました。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は前連結会計年度末に比べ7億38百万円増加し、34億20百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。営業活動による資金の増加は、16億26百万円(前期は20億84百万円の増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益により19億19百万円、減価償却費により6億28百万円、仕入債務の増加により8億43百万円それぞれ増加した一方で、売上債権の増加により2億56百万円、棚卸資産の増加により3億99百万円、法人税等の支払額により7億97百万円それぞれ減少したことによるものです。投資活動による資金の減少は、16億35百万円(前期は6億73百万円の減少)となりました。主な要因は、投資事業組合からの分配による収入により9百万円増加した一方で、有形固定資産の取得による支出により14億45百万円、無形固定資産の取得による支出により1億63百万円、投資有価証券の取得による支出により39百万円それぞれ減少したことによるものです。財務活動による資金の増加は、6億86百万円(前期は10億89百万円の減少)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入により20億円、自己株式の処分による収入により1億39百万円それぞれ増加した一方で、短期借入金の返済による支出により6億円、長期借入金の返済による支出により83百万円、リース債務の返済による支出により1億56百万円、自己株式の取得による支出により1億35百万円、当社の配当金の支払により4億88百万円それぞれ減少したことによるものです。 また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。 当社グループの事業活動における運転資金需要は、商品仕入代金並びに販売費及び一般管理費の支払など、日常の運転資金が主なものです。これに対する資金は、顧客への販売代金の回収及び金融機関からの短期借入金で賄います。また運転資金に加えて、設備・システム・M&A等の投資資金需要が随時発生します。これに対する資金は、上記の方法に加えて、金融機関からの長期借入金により賄います。これらの資金調達方法により、毎月末のグループ全体の現預金残高は、概ね20億円程度確保することを方針としています。 (3) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りを合理的な基準に基づいて実施していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があることから、これらの見積りと異なる場合があります。なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち重要なものはありません。 (4) 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。これらのリスクに対して継続的にモニタリングを行って現状把握に努めるとともに、平時から対応策を検討し、リスクの最小化・分散化を図っていきます。
事業リスク
- 償還価格制度による収益圧迫:健康保険法に基づく診療報酬点数表で定められる医療材料の償還価格は、約2年ごとに見直され、実勢販売価格を基に引き下げられる傾向にあります。これにより、医療機関への販売単価も下落し、グループ全体の収益性が圧迫される可能性があります。
- 法規制違反による事業停止リスク:医薬品医療機器等法をはじめとする多数の法規制に基づき事業を継続しており、これらの許可は定期的な更新が必要です。もし法令違反などにより許可が取り消された場合、事業の継続が困難となり、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
- 介護保険法改正による影響:介護用品事業は介護保険法に基づく指定を受けて運営されており、この法律の改正や指定要件の変更、または指定取り消し処分などがあった場合、事業の継続や収益に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、高齢化社会の進展に伴い、介護保険制度の見直しは常に検討されるため、その動向を注視する必要があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。なお、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクの全てを網羅するものではありません。 (1)償還価格制度について健康保険法第76条第2項の規定に基づき厚生労働大臣が告示する診療報酬点数表の中に特定保険医療材料及びその材料価格基準(償還価格)が示されています。医療制度改革の一環として、償還価格はおよそ2年ごとに見直しが行われていますが、実勢販売価格をもとに引き下げられる傾向にあります。これに連動して、当社グループの主な顧客である医療機関への販売単価も下落傾向にあり、収益性を圧迫する要因となっています。これに対処するため当社グループでは、仕入先との価格交渉力を高めたり、より付加価値の高い製品の取扱いを拡大したりなど収益改善に努めています。 (2)事業を継続するための法規制について当社グループは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」)をはじめとして、関連法規に基づく許可等を得て事業を継続しています。しかし、法令違反等により当該許可等が取り消された場合、当社グループの業績及び事業継続について重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは統括部門を設置し、法令の遵守、適切な運用が行われるよう管理体制を整えています。また、定期的に役職員に対する教育研修を行うことで遵法意識の向上を図っています。当社グループが取得している主な許可等とその内容は以下のとおりです。 ①医療機器販売に係る届出及び許可について当社グループは医療機器や医薬品の販売業として医薬品医療機器等法の規制を受けており、所在地都道府県知事の許可等が必要となります。当社グループ各社の取扱商品には高度管理医療機器が含まれていますので、医薬品医療機器等法に定められた要件に準拠して管理者の設置やシステムの整備を進め、高度管理医療機器を取り扱っている全ての事業所で各都道府県知事より許可を取得しました。当該許可は6年ごとに更新をする必要があります。また医療の安全は国民国家にとって重要な課題であるため、今後、医療機器に対する新たな法規制や許認可制度が制定される可能性もあります。 (注)高度管理医療機器多種多様な医療機器につき人体に与えるリスクに対応した安全対策を講ずるため、国際分類を踏まえ、医療機器は3つの類型(高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器)に分類されています。このうち、高度管理医療機器を取り扱う販売業者については、都道府県知事の許可を得ることが必要です。なお高度管理医療機器とは、適正な使用目的にしたがって適正に使用したにもかかわらず、副作用又は機能障害が生じた場合に、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある医療機器と定義されており、当社グループの取扱商品においては、人工呼吸器、人工関節、ステント、ペースメーカー等がこれに該当します。 ②医療機器製造販売に係る許可について当社グループは医療機器の製造販売業者として「医薬品医療機器等法」の規制を受けており、所在地都道府県知事の許可が必要となります。当社グループでは管理医療機器の製造・販売を行うため「医薬品医療機器等法」に定められた要件に準拠して管理者の設置や品質管理ならびに製造販売後安全管理について体制を整備し、第二種医療機器製造販売業許可を受けています。当該許可は5年ごとに更新をする必要があります。また医療の安全は国民や国家にとって重要な課題であるため、今後、医療機器に対する新たな法規制や許認可制度が制定される可能性もあります。 (注)管理医療機器多種多様な医療機器につき人体に与えるリスクに対応した安全対策を講ずるため、国際分類を踏まえ、医療機器は3つの類型(高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器)に分類されています。このうち、管理医療機器を取り扱う製造販売業者については、都道府県知事の許可を得ることが必要です。なお管理医療機器とは、高度管理医療機器以外の医療機器で、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する医療機器と定義されています。 ③医薬品の販売に係る法的規制について当社グループは医療機器に付帯する薬品、試薬、体外診断用検査薬等(以下、医薬品等)を卸売販売しています。当社グループにおいては、医薬品医療機器等法に基づき卸売販売業の管理者を設置し、保管設備等の整備を行い、医薬品等を取り扱っている全ての事業所で各都道府県知事より許可を取得しています。今後、何らかの理由により医薬品医療機器等法の基準に適合しなくなった場合は、その事業所は医薬品の卸売販売業の許可を取り消される可能性があります。 ④毒物及び劇物取締法について当社グループが販売している医薬品等の一部には、毒物及び劇物取締法に基づき毒物又は劇物の指定を受けている製品があります。当社グループにおいては、毒物及び劇物取締法に基づく取扱責任者の設置、保管場所等の整備を行い、毒物又は劇物を取り扱っている全ての事業所で各都道府県知事の登録を受けています。今後、何らかの理由により毒物及び劇物取締法の基準に適合しなくなった場合、その事業所は登録を取り消される可能性があります。 ⑤特定・一般建設業に係る法的規制について建設工事及び内装仕上工事と管工事等に係る工事を受注するため、建設業法第3条に基づき福島県知事より特定・一般建設業の許可を受けています。今後、法的規制の新設や適用基準の変更等があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥福祉用具販売事業に係る介護保険法について介護保険法では、居宅介護福祉用具購入費の支給対象となる特定福祉用具(注1)は、都道府県知事より指定を受けた特定福祉用具販売事業者(注2)又は特定介護予防福祉用具販売事業者(注3)から購入されたものであると定められています。株式会社ライフケアでは、特定福祉用具の販売に当たり、全営業拠点に管理者及び福祉用具専門相談員を設置し安全管理体制を整備して、各都道府県知事より特定福祉用具販売事業者及び特定介護予防福祉用具販売事業者の指定を受けています。今後、何らかの理由により当該要件が満たせなくなった場合、その事業所に対し指定取り消し処分等が下されることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (注) 1 居宅介護福祉用具購入費の支給対象となる特定福祉用具とは、腰掛便座、特殊尿器、入浴補助具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分の5種目をいいます。 2 特定福祉用具販売事業者とは、介護保険法の要介護度1~5の要介護者を対象に特定福祉用具を販売する事業者をいいます。 3 特定介護予防福祉用具販売事業者とは、介護保険法の要支援度1~2の要支援者を対象に特定福祉用具を販売する事業者をいいます。 ⑦福祉用具貸与事業に係る介護保険法について介護保険法では、介護保険法の支給対象となる福祉用具を貸与する事業者は、都道府県知事より福祉用具貸与事業者(注1)又は介護予防福祉用具貸与事業者(注2)の指定を受けることが義務付けられています。株式会社ライフケアでは、福祉用具の貸与に当たり、全営業拠点に管理者及び福祉用具専門相談員を設置し安全管理体制を整備して、各都道府県知事より福祉用具貸与事業者及び介護予防福祉用具貸与事業者の指定を受けています。今後、何らかの理由により当該要件が満たせなくなった場合、指定取り消し処分等が下されることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (注1)福祉用具貸与事業者とは、介護保険法の要介護度1~5の要介護者を対象に福祉用具を貸与する事業者をいいます。(注2)介護予防福祉用具貸与事業者とは、介護保険法の要支援度1~2の要支援者を対象に福祉用具を貸与する事業者をいいます。 (3)商品に関する法規制について当社グループでは、医薬品医療機器等法の規制を受ける商品の取り扱いが高い割合を占めているため、当該法規制に違反するなどして当社グループの商品の供給体制が機能しなくなった場合、業績及び事業継続について重大な影響を及ぼす可能性があります。想定される内容は以下のとおりです。 ①医療機器及び医薬品の使用期限に係る法的規制について当社グループの販売する医療機器及び医薬品の一部は、使用期限が設定されています。これは医療機器等が保健衛生上の危険を生じないように安全に使用出来る期限を定めたものです。この使用期限を経過した医療機器等を販売することは医薬品医療機器等法に違反することとなり、この場合には、保健所等により医療機器販売業等の業務の停止などの処分を受ける可能性があります。そのため当社グループでは、統括部門を設置し、使用期限を経過した医療機器等が流通しないよう手順を定め、適切な運用が行われるよう管理体制を整えています。また、定期的に役職員に対する教育研修を行うことで使用期限管理の徹底を図っています。 ②生物由来製品の販売に係る法的規制について医薬品医療機器等法により、生物由来製品の販売業者は、生物由来製品を販売した際、販売先の住所・氏名その他厚生労働省令で定める事項に関する情報を、当該生物由来製品の製造承認取得者等に提供することが義務付けられています。そのため、上記法令に従って、生物由来製品の販売情報を製造承認取得者等に通知しています。 (注)生物由来製品人その他の生物(植物を除く)に由来するものを原料又は材料として製造(小分けも含む)される医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものを言います。当社グループの取扱商品の中には、生物由来成分を使用しているものがあるため、当該製品は生物由来製品に指定されています。 ③商品の回収、販売の停止等について医療機器及び医薬品は、医薬品医療機器等法の定めにより、その使用において保健衛生上の危害が発生し、又は拡大する恐れがあることを知った場合は、これを防止するために廃棄、回収、販売の停止、情報の提供等の措置を講じなければならないとされています。当社グループは、グループ外部の医療機器製造販売業者より仕入れた商品を販売するため、直接的にはこれらの義務を負うことはありませんが、間接的には、販売する商品が不具合等により回収、販売の停止等の事態になった場合には、販売業者である当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは、特定の商品が販売不能になった場合でも代替可能な商品を供給できるよう、多様な仕入先との取引関係を維持することに努めています。 (4)医療機器業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約(以下、医療機器業公正競争規約)について医療機器業公正競争規約は、1998年11月に公正取引委員会の認定を受け、1999年4月に施行された、景品類提供の制限に関する公正競争規約です。事業者団体(医療機器業公正取引協議会)の自主規制ルールではありますが、不当景品類及び不当表示防止法(以下、景品表示法)に基づいて制定されており、医療機器業公正競争規約に違反することは、そのまま景品表示法違反となります。当社グループでは、営業活動において医療機器業公正競争規約を遵守し、社員への教育啓発にも努めていますが、今後当局との間で認識の違いが生じ、医療機器業公正競争規約に違反した場合は、景品表示法違反に問われ、違約金が課される等の罰則を受ける場合があります。 (5)個人情報の管理について当社グループでは、個人情報の管理の徹底を図っており、現在まで個人情報の流出による問題は発生していませんが、今後個人情報の流出により問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用低下等により、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 (6)情報セキュリティについて当社グループは、外部からのサイバー攻撃やウィルス感染の侵入における対策としてIT環境の整備を行っていますが、想定外のリスクは、完全になくならないと考えています。その為、以下の3つのポイントでリスク軽減を図っています。・情報セキュリティ基本方針及び情報セキュリティ管理規程を定め、コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)を整備・従業員のセキュリティ教育や標的型攻撃メール訓練といった、セキュリティーリテラシーの向上・感染被害拡大を防ぐため、24時間PCのモニタリングと感染時の迅速な検知と駆除、及び従業員向けの24時間セキュリティ問い合わせ窓口の設置 (7)企業再編、企業買収、合併等について当社グループは今後も事業の拡大や統廃合に際して、関係会社の設立や売却、合併・分割・買収・提携の手法を用いる可能性があります。そのため、これらにかかる費用等が、一時的に当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。また、当該事業が当初の計画どおりに進捗しない場合、投資価値の減損損失を行う必要が生じるなど、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8)固定資産の減損について当社グループが保有する、土地・建物等の事業用資産や投資有価証券等について、価格下落等による資産価値の低下、外部環境の変化による事業収益・キャッシュ・フローの悪化等によって減損損失が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9)海外事業について当社グループはアジア地域において海外事業を展開しています。各国においては、為替リスクに加え、政治・経済情勢の変化、法規制の変更、商習慣の違い等に起因する予測不可能な事態が発生する可能性があります。これらの事象により事業計画が想定通りに進まない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)自然災害、感染症の拡大について当社グループは国内の数多くの仕入先から医療機器等の商品を仕入れ、各地域の医療機関等へ販売をしています。大規模な地震、風水害等の自然災害が発生した場合、国内各地の物流網に影響が生じることで当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、感染症の拡大に対し、医療機関において当該感染症への対応のため、緊急性の低い治療、手術の見送り、延期などの対策が取られた場合、当該治療、手術において使用が見込まれていた医療機器などの販売機会が失われ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは事業継続計画(BCP計画)の策定・見直しを進め、これらの自然災害等が発生した際に速やかに行動が出来るように対策をとっています。