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博報堂DYホールディングス(2433)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 統合マーケティングソリューション: 博報堂DYホールディングスは、広告事業会社と総合メディア会社を中心に、顧客企業のマーケティング戦略立案から、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネット、屋外広告といった多様な媒体での広告取扱いや広告制作までを一貫して提供しています。コンサルティング、リサーチ、セールスプロモーション、イベント実施など、幅広い専門サービスを通じて顧客の課題解決を支援し、収益を得ています。
  • 持株会社体制: 当社は持株会社として、国内外に多数の子会社と関連会社を擁する企業集団を統括しています。これにより、各専門分野の子会社が連携し、顧客に対して多角的なマーケティングサービスを提供できる体制を構築しています。グループ全体の連携を強化し、効率的な事業運営とシナジー効果の創出を目指しています。
  • 多様な専門サービス: 広告媒体の取扱いや制作だけでなく、コンサルティング、市場調査、販売促進、広報活動(PR)、イベント企画・実施など、マーケティングに関するあらゆる専門サービスを提供しています。これにより、顧客のニーズに合わせた最適なソリューションを提案し、多角的な収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 統合マーケティング事業(国内): 博報堂、大広、読売広告社、Hakuhodo DY ONE、ソウルドアウトなどが中心となり、国内の顧客企業に対して幅広いマーケティングサービスを提供しています。新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネット、屋外広告などの媒体取扱いや広告制作、コンサルティング、リサーチ、セールスプロモーション、イベント実施など多岐にわたります。
  • 統合マーケティング事業(海外): DAC ASIA PTE.LTD.、省广博報堂整合営銷有限公司、Hakuhodo(Bangkok) Co., Ltd.など、アジアを中心に海外の地域を拠点として広告事業を展開しています。現地の顧客企業に対し、各地域の市場特性に合わせたマーケティングソリューションを提供し、グローバルな事業拡大を目指しています。
  • 戦略事業組織kyu: kyuは、コンサルティング会社やデザイン会社など、多様な専門性を持つ企業群で構成される戦略事業組織です。広告事業の枠を超え、顧客企業の経営課題解決に貢献する高付加価値なサービスを提供しています。これにより、新たな事業領域の開拓と収益源の多様化を図っています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,721 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社(持株会社)の他、子会社384社及び関連会社64社により構成されており、マーケティングサービス企業集団として顧客に対する統合マーケティングソリューションの提供を主たる業務としております。具体的には、広告事業会社である㈱博報堂(注1)、㈱大広、㈱読売広告社、㈱Hakuhodo DY ONE、㈱アイレップ及びソウルドアウト㈱、総合メディア会社である㈱博報堂DYメディアパートナーズ(注1)並びに戦略事業組織であるkyuを中心に、顧客企業のマーケティング戦略・マーケティングに関する各種計画の立案に始まり、国内外の新聞・雑誌・ラジオ・テレビ・インターネット・屋外広告等の広告媒体取扱や広告制作、コンサルティング、リサーチ、セールスプロモーション、パブリックリレーションズ、イベント実施等の専門マーケティングサービスの提供を国内外において実施しております。なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。重要な子会社である、㈱博報堂、㈱博報堂DYメディアパートナーズ、㈱大広、㈱読売広告社、㈱博報堂プロダクツ、㈱セレブリックス、日本トータルテレマーケティング㈱、㈱東北博報堂、㈱新潟博報堂、㈱静岡博報堂、㈱中国四国博報堂、㈱北海道博報堂、㈱北陸博報堂、㈱TBWA\HAKUHODO、㈱博報堂DYスポーツマーケティング、ユナイテッド㈱(注2、3)、㈱Hakuhodo DY ONE、㈱中央アド新社、㈱博報堂コンサルティング、㈱博報堂キャスティング&エンタテインメント、㈱博報堂Gravity、㈱オズマピーアール、㈱バックスグループ、㈱カラック、㈱ディー・ブレーン、㈱ジェーピーディーエイチ、㈱OMDHAKUHODO、㈱九州博報堂、㈱博報堂アイ・スタジオ、㈱読広クロスコム、㈱大広WEDO、㈱ディー・クリエイト、㈱大広九州、㈱博報堂DYミュージック&ピクチャーズ、㈱博報堂テクノロジーズ、㈱博報堂DYコーポレートイニシアティブ、ソウルドアウト㈱、SO Technologies㈱、ENNDPARTNERS㈱は国内の各地域を拠点として、DAC ASIA PTE.LTD.、省广博報堂整合営銷有限公司、北京代博広告有限公司、広東省広代博広告営銷有限公司、Hakuhodo Taipei Investment Inc.、Hakuhodo(Bangkok) Co., Ltd.、Hakuhodo First Co., Ltd.、AdGlobal360 India Pvt. Ltd.、Square Communications Joint Stock Company、Hakuhodo Integrated Communications Group、Hakuhodo & Saigon Advertising Co., Ltd.、KYU Investment Incorporated、SYPartners LLC、Sid Lee Inc、IDEO LLC、Kepler Group LLC、Godfrey Dadich Partners LLC、Lexington Communications Limited、Public Digital Holdings Limitedは海外の地域を拠点として広告事業を行っております。 (注1)㈱博報堂及び㈱博報堂DYメディアパートナーズは、2025年4月1日付で㈱博報堂を承継会社とし、㈱博報堂DYメディアパートナーズを分割会社とする吸収分割を行いました。また、㈱博報堂DYメディアパートナーズは同日より休眠会社となっております。(注2)2026年3月期第1四半期より持分法適用会社へ移行しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載の通りです。(注3)東京証券取引所グロース市場上場会社であります。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
広告主がコスト削減、取引関係の合理化等の要請を強める昨今の状況の中で、報酬等の水準が今後も保証されるものではないため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
サービスの多様化、企画力、創造的提案力、経験、広告主との長年の継続的な取引関係。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済状況・市場環境の変動 / 当社グループの事業活動に関するリスク / 広告業界における取引慣行
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 11 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

博報堂DYグループは、長年にわたり培ってきた強力なブランド力とクリエイティブ能力、そして多様な顧客基盤を持つ。特に、大手広告主との長期的な関係性や、独自の調査・分析能力は、新規参入障壁となっている。統合マーケティング・コミュニケーション(IMC)の推進によるブランド価値向上への貢献は大きい。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

大手広告主との長期契約や、顧客の事業戦略に深く関与するコンサルティング的なサービス提供により、顧客企業は博報堂DYグループのサービスを容易に切り替えられない。特に、ブランド構築や大規模キャンペーンにおいては、信頼関係と実績が重視されるため、スイッチング・コストは高い。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

広告業界全体として、メディアプラットフォームやクリエイターとのネットワークは存在するが、博報堂DYグループ固有の強力なネットワーク効果(ユーザー増→価値増)は限定的。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、直接的なネットワーク効果は薄い。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

広告制作やメディアバイイングにおいて、規模の経済によるコスト削減の余地はあるが、業界全体として価格競争が激しく、構造的なコスト優位性を確立しているとは言えない。個々の案件における交渉力や効率化努力は存在する。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

日本の広告業界において、電通グループと並ぶ大手であり、国内市場におけるプレゼンスは大きい。大規模なキャンペーンやグローバル案件に対応できる体制、多様なメディアへのアクセス力、人材リソースは、中小広告代理店に対する優位性となっている。

  • 幅広い顧客基盤と多様なサービス: 広範囲の業種にわたる顧客基盤を構築しており、特定の業界の景気変動に左右されにくい安定性を持っています。また、マーケティング・コミュニケーションサービスの多様化を進めることで、顧客の様々なニーズに対応し、競争優位性を確立しています。
  • グループの総合力と専門性: 博報堂、大広、読売広告社といった主要な広告事業会社に加え、博報堂DYメディアパートナーズのような総合メディア会社、さらには戦略事業組織kyuなど、多様な専門性を持つグループ会社が連携しています。これにより、顧客に対して統合的かつ質の高いマーケティングソリューションを提供できる点が強みです。
  • 国内外の事業展開: 国内の主要都市に拠点を置く子会社に加え、アジアを中心に海外にも多数の拠点を展開しています。これにより、グローバルな視点でのマーケティングサービス提供が可能となり、海外市場の成長を取り込むことで事業規模の拡大とリスク分散を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループを取り巻くビジネス環境は大きな変革期を迎えております。生活者があらゆるものの中心となる、「生活者主導社会TM」が本格的に到来したことに加え、生活者や企業の行動においてサステナビリティが重要なファクターとなりつつあります。また、AIなど先端テクノロジーやデジタルインフラの充実により産業構造が変化すると同時に、テクノロジーによる人の能力や可能性の拡張が進行しています。このような中、広告・マーケティングのみならず、ビジネスモデルの変革や顧客接点の質的向上に対する企業のニーズが高まっています。当社グループは、このような大きな変化の中で、広告会社をオリジンとしつつも、その枠を超えた価値を提供するグループとして事業構造を変革し、ビジネスを拡大することを目指しています。不確実かつ変化の激しい環境下で、グループ全体での変革を進めるためには、その判断軸・動機づけの根幹となる当社グループの存在意義やそこで働く事の意味合いを明確に示すことが重要であると考え、グローバル市場・グローバル社会の視座に立った当社グループ共通の価値観として、グローバルパーパス「生活者、企業、社会。それぞれの内なる想いを解き放ち、時代をひらく力にする。Aspirations Unleashed」を策定しました。このグローバルパーパスを全ての企業活動の起点に据え、当社グループのクリエイティビティをエッジに、生活者、企業、社会をつなぎ、新たな関係価値を生み出すことで、広告会社グループから「クリエイティビティ・プラットフォーム」となることを目指します。 (1) 中期基本戦略当社グループが新たな関係価値を生み出す事業領域として、「マーケティング」「コンサルティング」「テクノロジー」「コンテンツ」「インキュベーション」「グローバル」の6つの事業領域を設定しました。これら6つの事業領域は、それぞれが異なるビジネスモデルによって収益拡大を図ると同時に、相互に連携し更なる収益拡大と事業の安定性向上を目指します。現中期経営計画期間(2025年3月期~2027年3月期)を収益性の改善と成長オプションを創造する期間と位置づけ、マーケティングビジネスの構造改革と新たな成長機会の開発に注力します。そして、2032年3月期をターゲットに、6つのビジネス領域を確立し相互連携を行うとともに、利益構造を大きく変革することを目指します。この基本戦略に基づき、以下に掲げる3つの取り組みを進めます。 (2) 収益性の改善と成長オプションの創造・マーケティングビジネスの構造変革統合マーケティングに対するニーズが拡大する中、事業会社間の連携強化と収益モデルの多様化を進め、グループとして最適なサービス設計・提供体制を構築します。成長を続けるデジタルマーケティング領域、コマースビジネス領域を強化することで、規模の拡大を実現します。特に、2024年4月に設立したデジタルマーケティング領域におけるグループのリソースとノウハウを集約した新会社「株式会社Hakuhodo DY ONE」では、グループシナジーによる新規案件の追加獲得に加え、重複機能の合理化とリソースの共用化により、初年度より統合効果を創出しています。また、フルファネルマーケティング機能の高度化を推進するため、株式会社博報堂・株式会社博報堂DYメディアパートナーズを2025年4月に統合しました。企業のフルファネルマーケティングニーズに対して、よりシームレスに対応するとともに、データに基づいたプラニングやメディア対応などのコア機能をグループ共通基盤として強化することで、統合効果の早期創出を図ります。加えて、当社グループがこれまで集積してきたメディア/生活者データやナレッジ、外部データを統合した、生活者データプラットフォームをコアに、AI技術の先端研究開発を行う「Human-Centered AI Institute」の研究成果を活用することで、「統合マーケティングプラットフォーム」の開発と実装を推進し、“生活者データ・ドリブン”フルファネルマーケティングの高度化・効率化を実現します。このように、AIやテクノロジーを積極的に活用することで、マーケティングビジネスの生産性を高め、将来的な成長領域への人的リソースの再配置を目指します。・新たな成長オプションの創造当中期経営計画の3カ年の間、「コンサルティング」「テクノロジー」「コンテンツ」「インキュベーション」の各事業領域に対し積極的な投資を行い、事業基盤を構築することで、グループの収益の柱として育成します。テクノロジービジネスでは、生活者発想に基づくデマンドチェーン革新を目指す新会社「株式会社HAKUHODO ITTENI」、デジタル生活接点/体験の変革に向けデジタルサービスの開発・実装を担う新会社「株式会社HAKUHODO BRIDGE」が、2025年4月に営業を開始しています。コマース領域を起点としたシステム・アプリ開発体制を強化し、ITコンサルティング領域への本格参入を行います。・グローバルビジネスのリモデル海外に拠点を置くグループ各社が、それぞれ個別戦略の推進とサービス提供エリアの拡張を遂行すると同時に、グループ内連携を強化します。戦略事業組織kyuの持つ専門性・先進性と、博報堂の生活者発想をかけあわせることで、ユニークな“モダンネットワーク”を形成し、デジタルマーケティング領域を中心に収益力を強化します。加えて、M&Aによる非連続な成長機会の探索を継続します。戦略事業組織kyuでは、2025年3月期を通じて構造改革に取り組みました。機能の統廃合、人的リソースの再配分を行い、固定費を中心とした費用削減に取り組んだ結果、一定の成果が出始めています。加えて、マーケティングビジネスでシームレスなソリューション提供を可能とする「kyu Pulse」を組成し、競争力を強化しています。更なる競争力強化に向けたテクノロジーへの積極投資と、コンサルティングビジネスのオファリング強化に向けたグループ連携を推進することで、収益力強化を図ります。 (3) グループ経営基盤の強化前中期経営計画期間に設立した、株式会社博報堂テクノロジーズ、株式会社博報堂DYコーポレートイニシアティブの2社をはじめとしたグループ共通基盤の強化を継続することで、グループとしての競争力を高めます。 (4) サステナビリティ経営の推進当社グループは、人を中心としたサステナブルな経営により社会への価値創出を目指します。社員、株主、取引先、メディア、コンテンツホルダー、各種団体をはじめとするマルチステークホルダーとの適切な協働に取り組み、生活者一人ひとりが、自分らしく、いきいきと生きていける社会の実現を目指しています。サステナビリティ経営の進捗に関しては、環境及びジェンダー平等に対する目標値を設定し各種取組を進めております。環境課題については、2050年度のカーボンニュートラルを目標としており、中間指標として2030年度のスコープ1+2の排出量を2019年度(2020年3月期)比で50%削減する目標を設定しております。また、ジェンダー平等については、2030年度までに管理職の女性比率30%の達成を目指しています。今後は、ESG各領域でサステナビリティ経営を推進すると同時に、社会課題に対応する人材の育成を行い、生活者の想いがあふれ、いきいきと活躍できる社会の実現を目指します。 (5) 中期経営計画における目標当社グループは、2025年3月期から2027年3月期までの3カ年を収益性の改善と成長オプションを創造する期間と位置付けており、「成長性の維持・向上」「収益力の強化」を踏まえた計画値としました。新たな中期経営目標は、以下のとおりです。 調整後のれん償却前営業利益年平均成長率(注1):+10%以上調整後売上総利益年平均成長率(注2):+5%以上調整後のれん償却前オペレーティング・マージン(注3):13%以上のれん償却前ROE(注4):10%以上 (注1)調整後のれん償却前営業利益年平均成長率とは、メルカリ株売却益を除いた主力事業における企業買収によって生じるのれんの償却額等を除外して算出される連結営業利益をもとに、2024年3月期の実績を基準とした、2025年3月期から2027年3月期までの3年間の年平均成長率のこと。(注2)調整後売上総利益年平均成長率とは、メルカリ株売却益を除いた主力事業における連結売上総利益をもとに、2024年3月期の実績を基準とした、2025年3月期から2027年3月期までの3年間の年平均成長率のこと。(注3)調整後のれん償却前オペレーティング・マージン=調整後のれん償却前営業利益÷調整後連結売上総利益(注4)企業買収によって生じるのれんの償却額等を除外して算出される親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本(期首・期末平均) 上記に掲げた中期経営目標の達成に向け、掲げた中期基本戦略に則り、グループの変革を着実に進め、中長期での大きな成長と、企業価値の向上を目指してまいります。 なお、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関して実施された各テストイベント計画立案等業務委託契約等(本業務)に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、連結子会社である株式会社博報堂と本業務に従事していた株式会社博報堂DYメディアパートナーズの社員1名が2023年2月に東京地方検察庁より起訴されました件につきましては、2024年7月11日に有罪判決を言い渡され、判決を不服とし、同年7月24日に東京高等裁判所に控訴しました。その後、2025年5月8日に東京高等裁判所において控訴棄却の判決の言い渡しがなされましたが、判決を不服とし、同年5月19日に最高裁判所に上告しました。株式会社博報堂では、特別検証委員会からの提言も踏まえ、事案発生以降継続して再発防止策の実施を徹底しております。引き続き、法令遵守の徹底と再発防止及びコンプライアンス意識のさらなる向上により信頼の回復に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループを取り巻くビジネス環境は大きな変革期を迎えております。生活者があらゆるものの中心となる、「生活者主導社会TM」が本格的に到来したことに加え、生活者や企業の行動においてサステナビリティが重要なファクターとなりつつあります。また、AIなど先端テクノロジーやデジタルインフラの充実により産業構造が変化すると同時に、テクノロジーによる人の能力や可能性の拡張が進行しています。このような中、広告・マーケティングのみならず、ビジネスモデルの変革や顧客接点の質的向上に対する企業のニーズが高まっています。当社グループは、このような大きな変化の中で、広告会社をオリジンとしつつも、その枠を超えた価値を提供するグループとして事業構造を変革し、ビジネスを拡大することを目指しています。不確実かつ変化の激しい環境下で、グループ全体での変革を進めるためには、その判断軸・動機づけの根幹となる当社グループの存在意義やそこで働く事の意味合いを明確に示すことが重要であると考え、グローバル市場・グローバル社会の視座に立った当社グループ共通の価値観として、グローバルパーパス「生活者、企業、社会。それぞれの内なる想いを解き放ち、時代をひらく力にする。Aspirations Unleashed」を策定しました。このグローバルパーパスを全ての企業活動の起点に据え、当社グループのクリエイティビティをエッジに、生活者、企業、社会をつなぎ、新たな関係価値を生み出すことで、広告会社グループから「クリエイティビティ・プラットフォーム」となることを目指します。 (1) 中期基本戦略当社グループが新たな関係価値を生み出す事業領域として、「マーケティング」「コンサルティング」「テクノロジー」「コンテンツ」「インキュベーション」「グローバル」の6つの事業領域を設定しました。これら6つの事業領域は、それぞれが異なるビジネスモデルによって収益拡大を図ると同時に、相互に連携し更なる収益拡大と事業の安定性向上を目指します。現中期経営計画期間(2025年3月期~2027年3月期)を収益性の改善と成長オプションを創造する期間と位置づけ、マーケティングビジネスの構造改革と新たな成長機会の開発に注力します。そして、2032年3月期をターゲットに、6つのビジネス領域を確立し相互連携を行うとともに、利益構造を大きく変革することを目指します。この基本戦略に基づき、以下に掲げる3つの取り組みを進めます。 (2) 収益性の改善と成長オプションの創造・マーケティングビジネスの構造変革統合マーケティングに対するニーズが拡大する中、事業会社間の連携強化と収益モデルの多様化を進め、グループとして最適なサービス設計・提供体制を構築します。成長を続けるデジタルマーケティング領域、コマースビジネス領域を強化することで、規模の拡大を実現します。特に、2024年4月に設立したデジタルマーケティング領域におけるグループのリソースとノウハウを集約した新会社「株式会社Hakuhodo DY ONE」では、グループシナジーによる新規案件の追加獲得に加え、重複機能の合理化とリソースの共用化により、初年度より統合効果を創出しています。また、フルファネルマーケティング機能の高度化を推進するため、株式会社博報堂・株式会社博報堂DYメディアパートナーズを2025年4月に統合しました。企業のフルファネルマーケティングニーズに対して、よりシームレスに対応するとともに、データに基づいたプラニングやメディア対応などのコア機能をグループ共通基盤として強化することで、統合効果の早期創出を図ります。加えて、当社グループがこれまで集積してきたメディア/生活者データやナレッジ、外部データを統合した、生活者データプラットフォームをコアに、AI技術の先端研究開発を行う「Human-Centered AI Institute」の研究成果を活用することで、「統合マーケティングプラットフォーム」の開発と実装を推進し、“生活者データ・ドリブン”フルファネルマーケティングの高度化・効率化を実現します。このように、AIやテクノロジーを積極的に活用することで、マーケティングビジネスの生産性を高め、将来的な成長領域への人的リソースの再配置を目指します。・新たな成長オプションの創造当中期経営計画の3カ年の間、「コンサルティング」「テクノロジー」「コンテンツ」「インキュベーション」の各事業領域に対し積極的な投資を行い、事業基盤を構築することで、グループの収益の柱として育成します。テクノロジービジネスでは、生活者発想に基づくデマンドチェーン革新を目指す新会社「株式会社HAKUHODO ITTENI」、デジタル生活接点/体験の変革に向けデジタルサービスの開発・実装を担う新会社「株式会社HAKUHODO BRIDGE」が、2025年4月に営業を開始しています。コマース領域を起点としたシステム・アプリ開発体制を強化し、ITコンサルティング領域への本格参入を行います。・グローバルビジネスのリモデル海外に拠点を置くグループ各社が、それぞれ個別戦略の推進とサービス提供エリアの拡張を遂行すると同時に、グループ内連携を強化します。戦略事業組織kyuの持つ専門性・先進性と、博報堂の生活者発想をかけあわせることで、ユニークな“モダンネットワーク”を形成し、デジタルマーケティング領域を中心に収益力を強化します。加えて、M&Aによる非連続な成長機会の探索を継続します。戦略事業組織kyuでは、2025年3月期を通じて構造改革に取り組みました。機能の統廃合、人的リソースの再配分を行い、固定費を中心とした費用削減に取り組んだ結果、一定の成果が出始めています。加えて、マーケティングビジネスでシームレスなソリューション提供を可能とする「kyu Pulse」を組成し、競争力を強化しています。更なる競争力強化に向けたテクノロジーへの積極投資と、コンサルティングビジネスのオファリング強化に向けたグループ連携を推進することで、収益力強化を図ります。 (3) グループ経営基盤の強化前中期経営計画期間に設立した、株式会社博報堂テクノロジーズ、株式会社博報堂DYコーポレートイニシアティブの2社をはじめとしたグループ共通基盤の強化を継続することで、グループとしての競争力を高めます。 (4) サステナビリティ経営の推進当社グループは、人を中心としたサステナブルな経営により社会への価値創出を目指します。社員、株主、取引先、メディア、コンテンツホルダー、各種団体をはじめとするマルチステークホルダーとの適切な協働に取り組み、生活者一人ひとりが、自分らしく、いきいきと生きていける社会の実現を目指しています。サステナビリティ経営の進捗に関しては、環境及びジェンダー平等に対する目標値を設定し各種取組を進めております。環境課題については、2050年度のカーボンニュートラルを目標としており、中間指標として2030年度のスコープ1+2の排出量を2019年度(2020年3月期)比で50%削減する目標を設定しております。また、ジェンダー平等については、2030年度までに管理職の女性比率30%の達成を目指しています。今後は、ESG各領域でサステナビリティ経営を推進すると同時に、社会課題に対応する人材の育成を行い、生活者の想いがあふれ、いきいきと活躍できる社会の実現を目指します。 (5) 中期経営計画における目標当社グループは、2025年3月期から2027年3月期までの3カ年を収益性の改善と成長オプションを創造する期間と位置付けており、「成長性の維持・向上」「収益力の強化」を踏まえた計画値としました。新たな中期経営目標は、以下のとおりです。 調整後のれん償却前営業利益年平均成長率(注1):+10%以上調整後売上総利益年平均成長率(注2):+5%以上調整後のれん償却前オペレーティング・マージン(注3):13%以上のれん償却前ROE(注4):10%以上 (注1)調整後のれん償却前営業利益年平均成長率とは、メルカリ株売却益を除いた主力事業における企業買収によって生じるのれんの償却額等を除外して算出される連結営業利益をもとに、2024年3月期の実績を基準とした、2025年3月期から2027年3月期までの3年間の年平均成長率のこと。(注2)調整後売上総利益年平均成長率とは、メルカリ株売却益を除いた主力事業における連結売上総利益をもとに、2024年3月期の実績を基準とした、2025年3月期から2027年3月期までの3年間の年平均成長率のこと。(注3)調整後のれん償却前オペレーティング・マージン=調整後のれん償却前営業利益÷調整後連結売上総利益(注4)企業買収によって生じるのれんの償却額等を除外して算出される親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本(期首・期末平均) 上記に掲げた中期経営目標の達成に向け、掲げた中期基本戦略に則り、グループの変革を着実に進め、中長期での大きな成長と、企業価値の向上を目指してまいります。 なお、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関して実施された各テストイベント計画立案等業務委託契約等(本業務)に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、連結子会社である株式会社博報堂と本業務に従事していた株式会社博報堂DYメディアパートナーズの社員1名が2023年2月に東京地方検察庁より起訴されました件につきましては、2024年7月11日に有罪判決を言い渡され、判決を不服とし、同年7月24日に東京高等裁判所に控訴しました。その後、2025年5月8日に東京高等裁判所において控訴棄却の判決の言い渡しがなされましたが、判決を不服とし、同年5月19日に最高裁判所に上告しました。株式会社博報堂では、特別検証委員会からの提言も踏まえ、事案発生以降継続して再発防止策の実施を徹底しております。引き続き、法令遵守の徹底と再発防止及びコンプライアンス意識のさらなる向上により信頼の回復に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当連結会計年度における日本経済は、春季労使交渉で大幅な賃上げが行われた一方で、足元の物価高の影響により、個人消費は緩やかな回復にとどまりましたが、企業による設備投資は堅調に推移しました。そのような経済情勢の中、国内広告市場(注1)は回復基調にあります。このような環境下、当社グループは、2027年3月期を最終年度とする中期経営計画に則り、積極的な事業展開を継続してまいりました。 ① 売上高及び収益当連結会計年度の売上高(注2)は1兆6,131億1百万円(前期比2.1%増収)、収益は9,533億16百万円(同0.7%増収)となりました。当連結会計年度の売上高を種目別に見ますと、インターネットメディア及びアウトドアメディアが前年を上回り、メディア合計で増収となりました。メディア以外においても、マーケティング/プロモーションにおいて大型案件の貢献もあり、前年を大きく上回りました。また、得意先業種別では、「自動車・輸送機器・関連品」及び「飲料・嗜好品」などで前年を下回りましたが、「官公庁・団体」及び「情報・通信」で前年を大きく上回り、21業種中、13業種が前年を上回りました。(注3) ② 売上総利益及び営業利益売上総利益に関しても、3,995億98百万円(前期比1.4%増加)と前期より54億24百万円の増加となりました。なお、このうち国内事業については2,970億97百万円と2.1%の増加、海外事業については、ASEANにおいて堅調に推移しているものの、北米と中国において厳しい状況が続いており、1,078億99百万円と0.2%の減少となりました。販売費及び一般管理費については、前年とほぼ同水準で推移した結果、営業利益は375億81百万円(同9.6%増加)となりました。 ③ 営業外損益及び経常利益営業外収益は、受取配当金が22億13百万円、条件付取得対価に係る公正価値変動額が23億42百万円計上されたこと等により、前年同期比5億10百万円増加の97億74百万円となりました。営業外費用は、支払利息が12億96百万円、持分法による投資損失が13億46百万円計上されたこと等により、前年同期比10億41百万円減少の46億95百万円となりました。以上の結果、経常利益は前年同期比12.8%増加の426億60百万円となりました。 ④ 特別損益及び税金等調整前当期純利益投資有価証券売却益を48億64百万円計上したこと等の結果、特別利益は61億11百万円となりました。また投資有価証券評価損を46億7百万円、減損損失を47億70百万円計上したこと等の結果、特別損失は174億30百万円となりました。以上を加味した税金等調整前当期純利益は313億42百万円(前期比38.9%減少)となりました。 ⑤ 法人税等、非支配株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計は、前年同期比55億83百万円減少の189億58百万円、非支配株主に帰属する当期純利益は、前年同期比2億54百万円減少の16億14百万円となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は107億68百万円(前期比56.8%減少)となり、前期より141億54百万円の減益となりました。 (注1)「特定サービス産業動態統計調査」(経済産業省)および「サービス産業動態統計調査」(総務省)(注2)「売上高」は従前の会計基準に基づくものですが、財務諸表利用者にとって有用であると考えていることから、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等に準拠した開示ではないものの、自主的に開示しております。(注3) 当社の社内管理上の区分と集計によります。 (2) 財政状態当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ151億77百万円増加し、1兆501億91百万円となりました。主な増減は、現金及び預金の増加269億77百万円、受取手形及び売掛金の増加111億91百万円、棚卸資産の減少127億89百万円、投資有価証券の減少120億1百万円であります。負債は、前連結会計年度末に比べ106億96百万円増加し、6,365億9百万円となりました。主な増減は、預り金の増加320億92百万円、社債の増加300億円、長期借入金の減少505億43百万円であります。純資産は、前連結会計年度末に比べ44億81百万円増加し、4,136億82百万円となりました。主な増減は、利益剰余金の減少16億81百万円、為替換算調整勘定の増加111億14百万円、その他有価証券評価差額金の減少29億69百万円であります。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて274億52百万円増加し、2,075億20百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(313億42百万円)の計上等に対して、減価償却費(137億66百万円)、のれん償却額(125億84百万円)、棚卸資産の増減額(132億65百万円)、預り金の増減額(320億86百万円)等により、824億46百万円の増加(前連結会計年度末は98億83百万円の増加)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入(136億88百万円)、無形固定資産の取得による支出(△127億61百万円)等により、135億29百万円の減少(前連結会計年度末は63億29百万円の増加)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出(△515億32百万円)、社債の発行による収入(300億円)、配当金の支払額(△117億45百万円)等により、458億48百万円の減少(前連結会計年度末は10億97百万円の増加)となりました。 (4) 生産、受注及び販売の状況当社グループは、広範囲かつ多種多様にわたる広告業務サービスの提供を主たる事業としており、その内容、構造、形式が必ずしも一様ではないため、生産実績及び受注実績について、その金額あるいは数量を記載しておりません。また、販売実績については、(1) 経営成績に含めて記載しております。 (5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2024年6月に2027年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表し、各種取り組みを進めてきました。同計画では、中期経営目標を掲げております。当連結会計年度の実績は、調整後のれん償却前営業利益年平均成長率(注1)が、回復傾向にある広告需要の取り込みに加えて、グループフォーメーションの再編による収益性改善が大きく寄与し、目標値を上回りました。調整後売上総利益年平均成長率(注2)は目標値には届かなかったものの、成長を維持しました。調整後のれん償却前オペレーティング・マージン(注3)は、中期経営計画の初年度にして既に2027年3月期の目標水準に近づいており、今後は一層の効率化と成長施策の実行を通じて、持続的な収益性の強化を図ります。のれん償却前ROE(注4)は、北米事業の構造改革に伴う一時的な費用などの影響を受け、目標値を下回る結果となりました。また、中期経営計画では本計画期間を「収益性改善と成長オプションの創造」と位置付け、事業構造改革を推進しております。「マーケティングビジネスの構造改革」では、グループフォーメーションの再編による競争力強化とAIやテクノロジーの積極活用による業務の高度化・効率化を推進しています。「新たな成長オプションの創造」では、テクノロジー領域において、ITコンサルティング領域への本格参入に向け、体制強化を行いました。「グローバルビジネスのリモデル」では、厳しい経営環境の中、北米事業の構造改革を推進するとともに、成長軌道への回帰を目指し、新たなネットワークを組成しました。依然として、国内外の経済の先行きは不確実性が高い状況にありますが、引き続き、掲げた中期経営計画の達成に向け、各種取組を推進してまいります。 (注1)調整後のれん償却前営業利益年平均成長率とは、メルカリ株売却益を除いた主力事業における企業買収によって生じるのれんの償却額等を除外して算出される連結営業利益をもとに、2024年3月期の実績を基準とした、2025年3月期から2027年3月期までの3年間の年平均成長率のこと。(注2)調整後売上総利益年平均成長率とは、メルカリ株売却益を除いた主力事業における連結売上総利益をもとに、2024年3月期の実績を基準とした、2025年3月期から2027年3月期までの3年間の年平均成長率のこと。(注3)調整後のれん償却前オペレーティング・マージン = 調整後のれん償却前営業利益÷調整後連結売上総利益(注4)のれん償却前ROEとは、企業買収によって生じるのれんの償却額等を除外して算出される親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本(期首・期末平均) (6) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、経営環境のいかなる変化のもとでも事業活動を安定的に継続させる為に必要な手元流動性を確保した上で、事業活動から生み出されるネットキャッシュを、中期経営計画に基づき成長分野に重点的に投下することを基本方針としております。また、安定かつ継続的に株主に配当を実施することを株主還元の基本方針とし、資金需要の状況、業績の動向及び内部留保の充実等を総合的に勘案の上、配当額を決定しております。将来の成長の為に必要な投資資金や株主還元の為の資金は、前述の通り自己資金から賄うことを基本方針としておりますが、M&Aや設備投資は個別案件毎の規模やタイミングにも依存するため、状況次第では手元資金のみで賄えない場合も想定されます。このような場合には、当社グループの財務状況や金融・資本市場の動向を鑑み、コストや機動性等を精査した上で、金融機関からの借入等の適切な手段で資金調達を実行する所存であります。なお、現在の当社グループの財政状態等から勘案すると、十分な資金調達能力を有していると判断しております。 (7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 経済状況・市場環境の変動: 国内企業の広告費支出は景気動向に大きく影響される傾向があり、国内売上高の割合が高い当社グループは、国内景気の悪化が財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。景気回復の遅れや不十分な対応は、収益に直接的な打撃を与えるリスクがあります。
  • 事業活動に関する環境変化への対応: マスメディア広告の売上構成比は依然として高いものの、インターネット広告の成長や急速なテクノロジーの進展により、ビジネス環境は大きく変化しています。これらの変化に迅速かつ十分に対応できない場合、事業構造の変革が遅れ、財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 広告業界における取引慣行のリスク: 広告主の倒産等による債権回収不能リスクや、契約書締結が一般的ではないことによる取引内容の疑義・紛争発生リスクがあります。また、欧米の取引慣行が日本に影響を与え、報酬構造や決定方法が変化した場合、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|7,000 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業及びその他に関するリスク要因となる可能性がある主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項について、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めておりますが、当社の株式に関する投資判断は、本項目及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。また、本項目に記載した予想、見通し、方針等、将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来実現する実際の結果とは異なる可能性がありますのでご留意ください。 (1) 経済状況・市場環境の変動国内企業の広告費の支出は、企業が景況に応じて広告費を調整する傾向にあるため、国内の景気動向に大きく影響を受ける傾向にあります。当社グループの国内売上高は、連結売上高全体に占める割合が高く、国内景況が悪化すると当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。当社グループは、景況の悪化による影響を軽減するため、広範囲の業種にわたる顧客基盤の構築、マーケティング・コミュニケーションサービスの多様化、海外展開等をはかる所存でありますが、日本経済の回復が遅いもしくは不十分な場合、又は当社グループの対応が十分ではない場合もしくは十分にはかかる影響を軽減できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (2) 当社グループの事業活動に関するリスク当社グループの新聞・雑誌・ラジオ・テレビといったマスメディア広告の国内売上高は、ここ数年、売上高全体に占める構成比が減少してきているものの、2025年3月期においても、31%程度と大きなシェアを占めております。また、今後も引き続き、広告主のマーケティング活動に活用され、当社グループの中心的な事業のひとつであり続けると認識しております。また、インターネット広告の国内売上高は引き続き成長しております。インターネット広告は従来のマスメディア広告と組み合わせることでより高い広告効果が得られるため、複数のメディアを最適化するプラニングが求められます。さらに、近年急速なテクノロジーの進展により、当社グループを取り巻くビジネス環境は大きく変革期を迎えております。従来の広告領域をオリジンとしつつも、その枠を超えた価値を提供することで、ビジネスの拡大を目指しております。当社グループは、環境変化に対応するため事業構造の変革を進めています。しかし、このような取り組みを迅速かつ十分に行うことができない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (3) 広告業界における取引慣行マスメディアの広告取引は、主として、広告主からの受注に基づき行いますが、各広告会社は自社の責任で媒体社等と取引を行うのが一般的です。そのため、広告主の倒産等により、債権を回収できなかった場合には、広告会社が媒体料金や制作費を負担することとなり、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。また、広告業界では、慣行上、広告計画や内容の変更に柔軟かつ機動的に対応できるよう契約書を締結することは一般的には行われておりません。当社グループにおいても、継続的な取引関係が成立している広告主との間であっても、個別取引に関する書面は存在するものの、基本契約書等を締結していないことが一般的であります。そのため、広告主との間で明確な契約書を締結していないことにより、取引関係の内容、条件等について疑義が生じたり、これをもとに紛争が生じたりする可能性があります。なお、欧米では「一業種一社制」(同一業種では一社のみの広告主を広告代理店が担当する取引形態)が一般的であり、広告会社の報酬構造や報酬決定方法も異なっております。日本においてはこのような取引形態は一般的ではありませんが、欧米の広告主、広告会社が日本に進出してきている昨今の状況に鑑みると、今後これらの取引形態及び報酬構造や報酬決定方法が日本の広告の取引慣行に影響を与える可能性があります。当社グループにおきましては、こうした動向に対応し、サービス形態の多様化等に努めてきておりますが、今後、取引慣行の動向・変化に適切に対応できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (4) 法規制等の導入や変更広告主の広告活動、メディアにおける広告の掲載・放送方法や内容等、広告会社の事業活動等に関する法令・規制・制度の導入や強化、法令等の解釈の変更等がなされる場合があります。法規制等の導入や強化等に対して当社グループが適切に対応できない場合又は広告主の広告活動が減少する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (5) 広告主との関係当社グループと広告主の間は、継続的な取引関係が成立しておりますが、広告主がコスト削減、取引関係の合理化等の要請を強める昨今の状況の中で、今後取引関係が解消、縮減等されない保証はなく、また、報酬等の水準は当事者間の合意によるものであり、その水準が今後も保証されるものではありません。従前と同様の取引関係が継続されない場合又は従前の取引条件が変更される場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。なお、2025年3月期における当社グループの上位広告主10社に対する売上高は、当社グループの国内売上高の20%程度となっております。 (6) 媒体社との関係当社グループの広告事業においては、新聞・雑誌・ラジオ・テレビといったマスメディアの広告及びインターネット広告に関する事業が主体であるため、主要媒体社等からの仕入れの依存度は高くなっております。当社グループと媒体社等は、長年の継続的な取引関係が成立しておりますが、媒体社等との取引が継続されない場合又は取引条件等が変更された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (7) 競合に関するリスク日本の広告業界では、サービスの多様性、対応力、企画力、販売力等の観点から、売上高で上位の広告会社への集中傾向が高く、またインターネット広告専業を含む上位広告会社を中心に熾烈な競争が行われております。さらに、大手の海外広告会社や各種プラットフォーマーも参入し、競争がますます激しくなる傾向にあります。また、事業領域を拡大していく中で、コンサルティング会社など異業種企業と新たな競合が生じる機会も増加しております。当社グループは、サービスの多様化、企画力、創造的提案力、経験、広告主との長年の継続的な取引関係等により競争上の優位性を確保していく所存でありますが、継続してかかる優位性を確保できる保証はなく、優位性を逸した場合あるいは競争の激化に伴い報酬が減額した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (8) インターネット広告等の進展近年、インターネット広告の進展は著しく、この分野においては技術の進化や多様な広告手法が生み出されております。当社グループは、これまで培ってきたグループのリソースとノウハウを集約した新会社「株式会社Hakuhodo DY ONE」を2024年4月に新たに設立し、フロントラインの最適化、QCD(クオリティ・コスト・デリバリー)の改善、プラットフォーマー対応機能強化を通じて、更なる競争力の強化と生産性・収益性の向上を目指しています。しかしながら、今後、インターネットメディアの拡大をはじめとしたマーケティングのデジタル化の進展に対して当社グループが適切に対応できない場合や新しいメディアやマーケティング手法に対する当社グループの事業戦略や取り組みが功を奏しないもしくは十分ではない場合には、当社グループのサービスの品質の低下が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (9) 当社グループの事業展開に関するリスク当社グループは、広告事業会社である株式会社博報堂、株式会社大広、株式会社読売広告社、株式会社Hakuhodo DY ONE及びソウルドアウト株式会社、総合メディア・コンテンツ事業会社である株式会社博報堂DYメディアパートナーズの6社並びに専門性と先進性の継続的な当社グループへの取り込みを狙った当社傘下の事業組織「kyu」に加えて、各組織がそれぞれ所有する広告関連サービスを提供する子会社群等から形成されており、広告主に対しワンストップでのマーケティング・コミュニケーションサービスを提供すべく国内外において事業展開をしております。また、中期経営計画においては「マーケティングビジネスの構造改革」「新たな成長オプションの創造」「グローバルビジネスのリモデル」の3つの取り組みを進め、事業構造を変革することとしており、「収益性改善と成長オプションの創造期」と位置づけております。グループ会社を通じた事業展開、新たな価値を生み出す事業領域として注力する会社の設立、買収、資本業務提携等により出資を含むグループ会社関係を構築することについては、出資額あるいは場合によっては出資額を超える損失が発生するリスク、グループの信用を低下させるリスク等を伴う可能性があり、出資会社の事業活動や経営成績によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (10) 知的財産権広告業において一般的なリスクではありますが、当社グループにおいても同様に、事業活動を行う過程で、当社グループが所有する又は使用許諾を受けている以外の知的財産権の侵害及び逆に当社グループが所有する知的財産権が侵害されてしまうおそれがあり、当社グループがかかる事態を防止し、あるいは適切な回復をすることができない可能性があります。その場合、当社グループの財政状態、経営成績及び社会的信用に悪影響を与える可能性があります。 (11) 人材の確保及び育成当社グループの成長性及び競争上の優位性は、優秀な人材の確保に大きく依存します。人材に関しては、新卒者の安定的採用や即戦力となる中途採用の推進により確保をはかり、各職責、能力、市場環境の変化に対応した教育研修等による育成に努めておりますが、何らかの理由により優秀な人材の流出や人材の確保に支障をきたす可能性もあります。かかる事態が生じた場合、当社グループの競争力に悪影響を与える可能性があります。 (12) メディア・コンテンツビジネスに関わるリスク当社グループは、今後もスポーツ等イベントの権利取得や興業、映画製作への投資、アニメ・キャラクター関連番組制作等のコンテンツ関連ビジネスを行っております。しかしながら、メディア・コンテンツビジネスの事業展開には、投資リスクを伴う場合があり、計画通りに進行しない場合又は収益を確保できない場合には当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (13) 海外市場展開当社グループは、広告主のニーズに応えるため、また中期経営計画における基本戦略の一つとして、更なる拠点拡充や専門マーケティングサービス企業のM&Aによるグループ内への取り込みを含め、積極的な事業展開を行っておりますが、これらの事業展開には、海外の事業投資に伴うリスク(為替リスク、カントリーリスク等)、出資額あるいは出資額を超える損失が発生するリスク及びグループの信用を低下させるリスク等を伴う可能性があり、計画通りに事業展開ができない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (14) グループ経営基盤に関わるリスク 当社グループは、持株会社体制という枠組みの持つ優位性等、経営統合の相乗効果を最大限活用し、グループ経営基盤の強化に努めておりますが、持株会社統治等の効果が十分発揮されなかった場合には当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 また、資金運用面においても、グループ内での資金運用、配分の効率化を進めておりますが、その効果が十分に発揮されない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (15) 訴訟等に関わるリスク当社グループは、様々な要因により今後直接又は間接的に、何らかの訴訟・紛争に関与することとなる可能性は否定できません。当社グループが訴訟・紛争に関与した場合、その経過・結果如何によっては、当社グループの財政状態、経営成績及び社会的信用に悪影響を与える可能性があります。なお、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関する事案については、現在裁判中ですが、特別検証委員会からの提言も踏まえ再発防止策の実施を徹底しております。 (16) 投資有価証券に関わるリスク当社グループは、投資有価証券の評価基準及び評価方法として、市場価格のない株式等以外のものは期末の時価にて評価するため、株式市況等の変動により評価損を計上する可能性があります。一方、市場価格のない株式等は実質価額で評価するため、発行会社の財務状況や今後の見通しなどに鑑み、時価が著しく下落し、その回復が見込めない場合には、減損処理により評価損を計上する可能性があります。このような状況になった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (17) 退職給付債務に関わるリスク当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率、年金資産の期待運用収益率等の一定の前提条件に基づいて数理計算を行っております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、その差額は将来にわたって規則的に損益認識されます。金利の低下、運用利回りの低下、年金資産の時価の下落等があった場合や退職金制度、年金制度を変更した場合には、追加的な退職給付に係る負債の計上、未認識の過去勤務費用の発生又は将来の退職給付費用の増加により、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。当社グループは、これらの影響を軽減すべく退職給付制度の一部を2018年4月以降、確定給付年金から確定拠出年金に変更しておりますが、引き続き確定給付年金も残されているため、これらの可能性を完全になくすことはできません。また、退職給付に関する会計基準の変更等により、従来の会計方針を変更した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。 (18) 役職員等の不正行為のリスク役職員等の不正行為の防止を目的として、当社グループでは、「グループコンプライアンス委員会」を設置し、グループ全体のコンプライアンス活動を推進する体制を構築しております。また、株式会社博報堂及び株式会社博報堂DYメディアパートナーズにおいて、株式会社博報堂の代表取締役社長を委員長とする「ビジネス意識・行動改革委員会」を設置し、行動規範及び遵守事項の徹底、取引ルールの明確化と周知、倫理のみに頼らない仕組みづくりなど、各種テーマで再発防止策の策定と実施を行っております。しかし、法令及び社内規定の遵守のための様々な取組みをもってしても、役職員の不正行為を完全に防止することはできません。また、当社グループの取引先等の不正行為への関与が問題となる可能性もあります。これらの役職員等の不正行為により、当社グループの財政状態、経営成績及び社会的信用に悪影響を与える可能性があります。 (19) 災害、事故、紛争(あるいは戦争)、感染症の流行等に関わるリスク当社グループが事業を遂行又は展開する地域において、自然災害、電力その他の社会的インフラの障害、通信・放送の障害、流通の混乱、大規模な事故、伝染病、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が起こった場合又その回復状況等が、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動に悪影響を及ぼすことが想定されます。 (20) 情報システムに関わるリスク当社グループは、広告主のマーケティング又は広告に関する情報の管理を含む当社グループの事業のために、情報システムを使用し、情報インフラに依存しております。当社グループ又は当社グループが利用する第三者の情報システムに、システムの障害や停止、システムへの不正なアクセス、コンピュータウィルスの侵入、サイバーアタック、従業員の不適正な事務・事故・不正等による人為的過誤などが発生した場合、また同様の要因により情報の外部漏洩・不正使用等が発生した場合、当社グループ又は当社グループの取引先の事業活動あるいは当社グループの社会的信用に悪影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

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