事業の概要
- システムソリューション提供キューブシステムは、ITを活用して顧客企業のビジネス変革を支援するシステムソリューション・サービスを提供しています。具体的には、顧客の情報化サイクルに合わせて「システムインテグレーション」「システムアウトソーシング」「プロフェッショナルサービス」の3つの品目でサービスを展開しており、企業のIT課題解決から運用まで一貫してサポートすることで収益を得ています。
- デジタルビジネス推進デジタル技術を駆使した企画型のビジネスモデルも展開しています。これは、キューブシステム独自のノウハウを活かしたコンサルティング、自社プロダクト開発、ソリューション提供、知的財産化などを通じて新たな事業を創出し、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するものです。これにより、高付加価値なサービス提供を目指しています。
- SI・エンハンス事業システムの企画から設計、開発、導入までを一貫して手掛けるSI(システムインテグレーション)ビジネスと、既存システムの性能・品質を向上させるエンハンスビジネスが主力です。特にエンハンスビジネスは、顧客のビジネス環境変化や新技術進化に対応し、システムの価値を高めるサービスであり、キューブシステムが長年強みとしてきた高生産性・高収益性の源泉となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- システムインテグレーション顧客のITシステムを企画・設計・開発・導入するサービスです。企業の業務効率化や新規事業立ち上げをIT面から支援し、システムの構築を通じて収益を上げています。マルチクラウドやマイクロサービス案件を軸に、レガシー環境からクラウドへの移行を推進し、新しい運用モデルへの変革を目指しています。
- システムアウトソーシング構築されたシステムの運用・保守を顧客から請け負うサービスです。システムの安定稼働を支え、障害対応や性能改善などを行うことで、継続的な収益を得ています。顧客が本業に集中できるよう、ITインフラの管理や運用を代行し、長期的な関係構築を目指しています。
- プロフェッショナルサービスITに関する専門的な知識や技術を提供し、顧客の課題解決を支援するコンサルティングサービスです。デジタル技術を活用した企画型ビジネスや、DX推進における戦略立案、技術導入支援など、高付加価値なサービスを提供することで、顧客のビジネス変革を促進し、収益源としています。
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3【事業の内容】 当社グループ(当社及び子会社3社(2025年3月31日現在)により構成)においては、ITを用いて顧客のビジネスモデルの変革を促し、経営環境の急速な変化への対応を支援するシステムソリューション・サービスを事業としております。 当社グループはシステムソリューション・サービスの単一事業であるため、事業領域を品目別に区分記載しております。顧客の情報化サイクルに応じて「システムインテグレーション・サービス」「システムアウトソーシング・サービス」「プロフェッショナル・サービス」の3つの品目別に区分しております。〔システムソリューション・サービス〕 加えて、当社事業の特徴をより的確に示すため、3つのビジネスモデルについてご説明いたします。 ・デジタルビジネス デジタル技術を活用した当社発の企画型ビジネスです。当社のノウハウを結集したコンサルティングサービス、 自社プロダクト、当社発のソリューション、IP(知的財産)化などのアプローチによって新たな事業創出を目指し ます。そしてDXを通じて、お客様のビジネス変革を支援いたします。 ・SIビジネス システムの企画から、設計、開発、導入までを行うサービスです。マルチクラウド・マイクロサービス案件を軸 としたシステムの提供と新しい運用モデルへの変革をテーマにレガシー環境のクラウド環境への移行(Lift)と新 たな方法論の確率(Shift)による、Lift&Shiftモデルを確立してまいります。 ・エンハンスビジネス お客様のビジネス環境の変化や新たな技術の進化に合わせて、システムの性能や品質を向上させ、システムの価 値を高めるサービスで、当社がもっとも強みとしてきたビジネスモデルです。これまでも進めてきた高生産性、高 収益性の実現に向けた取り組みを一層加速してまいります。 〔業務系統図〕
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 請負契約が原則で、想定外の仕様変更や追加作業で収益性低下の可能性。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 システム開発技術の向上・蓄積、DX事業推進によるシステムの高難度化への対応。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:デジタル人材不足と価格競争の激化 / 特定の取引先への依存度が高いこと / プロジェクトの品質・損益管理の難しさ
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
提供された財務サマリに具体的な無形資産に関する情報が含まれていないため、評価不能。
スイッチングコスト☆☆☆☆☆
提供された財務サマリに顧客のスイッチング・コストに関する情報が含まれていないため、評価不能。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
提供された財務サマリにネットワーク効果に関する情報が含まれていないため、評価不能。
コスト優位☆☆☆☆☆
提供された財務サマリにコスト優位性に関する情報が含まれていないため、評価不能。
規模の経済☆☆☆☆☆
提供された財務サマリに効率規模に関する情報が含まれていないため、評価不能。
- 長年の顧客関係構築キューブシステムは、特定の主要顧客(野村総合研究所グループ、富士通グループ)との長年にわたる取引実績があり、安定的な収益基盤を築いています。これらの顧客との関係を維持しつつ、常にエンドユーザーに密着したサービスを提供することで、顧客のニーズを深く理解し、信頼関係を強化している点が強みです。
- 技術力とノウハウシステムインテグレーションやエンハンスビジネスを通じて培われた高度な技術力と豊富なノウハウが競争優位性です。特に、レガシーシステムからクラウド環境への移行(Lift)と新しい運用モデルへの変革(Shift)を組み合わせた「Lift&Shiftモデル」の確立や、高難度なDX案件に対応できる技術力は、他社との差別化に繋がっています。
- 品質・損益管理体制プロジェクトの品質と損益管理を徹底する体制を構築しています。システム開発会議での工程ごとのレビューや部門QMS(品質マネジメントシステム)の基本徹底、モニタリング機能の強化により、リスクの早期発見と品質向上を図っています。また、DX事業では契約形態を準委任契約へ変更することで、リスクコントロールを強化し、安定的な事業運営を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、経済・社会を支えるインフラを担う基幹産業として、顧客の競争力強化、情報社会の更なる発展に貢献していくことを使命と考えております。 基本方針 「顧客第一主義」 全ての判断基準はお客様にとっての価値とし、お客様の視点で思考することを基本と致します。「重点主義」 企業には人、モノ、金と時間の4つの要素があります。これらを最大限に活かすために、顧客第一主義により決定された最重要事項に経営資源を集約致します。「総員営業主義」 ユーザーオリエンテッドなサービスを提供するため、全社員が自立したビジネスパーソンとして社業発展に邁進致します。 この基本方針のもと、社員一人ひとりが株主、顧客をはじめとするあらゆるステークホルダーと向かい合い、個人と組織のもつノウハウの全てを駆使して、更なる顧客満足を創出してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、中長期経営ビジョン≪VISION 2026≫の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画では、社員一人ひとりが事業を通じて社会に貢献し、事業成長を果たすとともに、企業価値の向上を目指してまいります。そのために、「企画型+受託型ビジネス※で事業成長を果たす」「社員自らが志とビジネスマインドを持ち、自ら考え、行動する」をミッション・ステートメントとして、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の3つのビジネスモデルを強化推進する方針と目標をそれぞれ立案し、事業成長に向けて邁進しております。 最終年度にあたる2026年度に向けて、エンハンスビジネスで創出した利益を源泉にSIビジネス、デジタルビジネスでの領域を拡大し、売上高構成比6:3:1を目指してまいります。 ※企画型ビジネス:当社開発ソフトウェアやIP(ノウハウ・技術を含む)を活用し、販売およびASP/SaaS等を通じて収益を確保するビジネス 受託型ビジネス:お客様に応じたシステムソリューションをオーダーメイドで開発するビジネス また、第2次中期経営計画では、以下の5つの指標を重視し、目標設定しております。 財務目標 ・株主にとっての企業価値向上の観点から、ROE14%以上 ・収益性を測る指標として、連結営業利益率10.5% ・従業員一人ひとりのパフォーマンスを高めていきたいとの趣旨から、従業員(海外子会社の従業員は除く)一人当たりの連結売上高25百万円 非財務目標 ・社員の健康を最重視したウェルビーイング経営実践の為、時間外勤務時間月あたり平均25時間 ・社員の働きがいと機会の創出による能力発揮に向け、エンゲージメント指標71以上※ ※株式会社アトラエが提供するエンゲージメント解析ツール「Wevox」を利用し、キューブシステム単体の社員を対象に調査するエンゲージメント指標のやりがい度 当期における状況は、以下のとおりです。 1点目の指標であるROEは12.0%、2点目の指標である連結営業利益率は7.5%となり、目標未達となりました。資本効率を高め利益率の向上を図ることで、改善に努めます。 3点目の指標である従業員一人当たりの連結売上高は、23.6百万円となりました。業務の効率化と教育研修の充実、生産体制の強化を図り、最終年度での目標達成に向けて取り組んでまいります。 4点目と5点目の指標につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ経営 d.指標及び目標」に含まれております。 (3)対処すべき課題 当社が属する情報サービス産業は、DX需要の継続やAI技術の活用に伴う情報化投資、省力化に向けたソフトウェア投資需要等が増加する見通しですが、一方で、原材料価格の上昇や諸資源の供給面の制約が継続し、金融資本市場の変動リスクは景気の行方を不透明な状況に晒しています。こうした経営環境のもとで、企業には中長期的な課題対策のみならず、リスクに対する機動的な対応が求められます。 当社グループでは、2021年11月に「サステナビリティ基本方針」を定め、企業価値の向上と社会課題の解決双方の実現に向けてサステナビリティ経営を遂行しております。この経営方針のもとで、中長期経営ビジョン《VISION 2026》の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画で飛躍的な事業成長に向けて取り組んでおります。 このような状況の中、優先的に取り組むべき重点施策は、以下の通りです。 1 )事業の成長 当社は、これまで培ってきた強みと実績を基に、デジタルビジネス、SIビジネス、エンハンスビジネスの3つを事業の軸として推進しております。第2次中期経営計画では、当社ビジネスモデルを以下の3つのビジネススタイルでお客様に価値を提供し事業成長を加速してまいります。①受託ビジネス ・Sier向け事業 ・プライム向け事業②企画ビジネス ・サービス提供事業 受託ビジネスにおける「Sier向け事業」では、主要Sierとの協業推進を図るとともに、案件の大規模化やワンストップサービスの確立、モダナイゼーションへの対応による領域拡大を実行してまいります。また、当社の強みである「ソフトウェアエンジニアリング」において競争優位を発揮し、受注案件において様々な業種・業務、新しい技術にチャレンジすることで、さらなる強みの強化に努めます。現状の受託開発における契約形態を見直し、改善することで、高度・多様化するお客様の要望に合致する付加価値の提供を行い、収益性の向上を図ってまいります。 「プライム向け事業」では、受注規模の拡大ならびに収益性向上の両面を目指してまいります。お客様との関係性をより一層強化するとともに、お客様の事業成長に直結した経営課題に対して、先進技術も用いた積極的な提案活動を行い、既存案件の更なる拡大を図ります。また、当社の保有するノウハウや知的資本を武器に、新領域でのお客様の獲得や事業開拓を行い、成長の軸となる顧客基盤の形成に努めてまいります。 企画ビジネスにおける「サービス提供事業」では、国内企業のビジネス基盤を変革するサービスの提供を目指し、お客様のビジネス課題を解決するアプリケーションサービスや、高いクラウド技術力によるプラットフォームを活用したプロフェッショナルサービスの提供を実施してまいります。具体的には、Sier企業やクラウドソリューションベンダーとの協業を図るとともに、当社発の人的資本サービス『H・CUBiC※』の確立による新たな収益モデルの構築を行ってまいります。 ※当社が構想する人的資本サービス。人的資本経営をトータルに支援するサービスとして、人材情報管理システム、AI技術を活用した分析ソリューション、人材・組織の価値向上支援プロダクトから構成されている。 《人的資本サービス H・CUBiC》 2 )事業基盤の強化 当社グループにおいて、事業成長を加速・促進するための事業基盤の強化は、重要な経営課題と捉えております。特に成長の軸となる基盤を以下の4点について、その強化に努めてまいります。・品質の強化・生産体制の拡充・協業推進・研究投資 ①「品質の強化」では、不採算案件の発生を防ぐため、小規模プロジェクトを含めてリスクを早期に発見・対応できるように品質管理体制の強化を図ります。 品質管理においては、プロジェクトの管理とフォローを実施するとともに、お客様の外部環境変化や先進技術、新規開発手法などの新たなリスクにも柔軟に対応することで、継続的な品質向上活動を推進します。また、見積提案段階ではリスクを十分に洗い出し、後工程での品質・コスト・納期への影響を最小限にとどめる対策を講じるとともに、トラブルプロジェクトが発生した場合は、他プロジェクトへの影響を常に注視し、必要に応じて対策本部を設置し迅速に問題対応を行います。 並行して、プライム案件のさらなる拡大を進めるべく、財務・法務・セキュリティといったリスクへの対応力の強化に努めるとともに、現状の当社独自フレームワークに加え、品質管理ノウハウを蓄積・体系化することで、品質管理体制を確保してまいります。②「生産体制の拡充」では、全社横断的なリソースコントロールを推進し、開発拠点のヘッドクォーター(本社:ソフトウェア開発本部)を中心にグループ各社やビジネスパートナーとの連携を深めてまいります。また、国内の各拠点(北海道、名古屋、大阪、福岡)では、生産性向上に資する施策の推進と生産革新への投資を積極的に進めるとともに、開発拠点の拡充による安定した生産体制の構築に努めてまいります。 ビジネスパートナー戦略においては多様な国内外パートナーとの協業を拡大し、新規ビジネスパートナーとの関係構築に取り組みます。 海外の開発拠点の一つであるベトナムキューブシステムでは、人材の育成を強化し、オンサイトでのブリッジエンジニアを活用してオフショア開発案件の拡大を図り、グループ全体としての総合力を高めてまいります。③「協業推進」では、主要なSierとのシナジーを更に生み出すべく、協業テーマの具体化を通じて多様な社会課題の解決促進と顧客サービスの充実・拡大を通じて持続的な成長を目指してまいります。 また、当社はSier案件を上流から下流までワンストップで請負うソフトウェアエンジニアリング(ワンストップサービス)を志向し、取り組んでおります。当社の担当範囲の拡大や生産技術革新、生産性の向上などを図り、開発後のエンハンスも視野に入れた事業活動を展開することで、お客様との関係性を向上してまいります。 社内では提案力強化研修や営業ナレッジの共有を推進し、全社一丸となって付加価値の向上に努めてまいります。これらの取り組みにより、協業を通じた事業成長と社会貢献を実現してまいります。④「研究投資」に関しては、事業成長の実現を見据え、顧客ニーズやマーケット動向を的確にとらえながら、AIやIoTをはじめとする先進技術を積極的に取り込んでまいります。また、全社横断での中期投資活動を通じ、生産・運用関連技術や新規事業創発、エンゲージメント向上といった多様なテーマに取り組み、研究プロジェクトの推進を加速させております。今後もプロトタイプの設計・製作・実証実験を積極的に展開し、AI活用を含めた新たな分野への研究成果を新規事業へと展開してまいります。 また、新規ソリューションサービスの調査・研究開発を着実に進めるとともに、当社が培ってきた強みであるソフトウェアエンジニアリングの知的資産化を図り、競争優位性のさらなる強化に努めてまいります。 3 )経営基盤の強化 当社グループでは、事業を支える経営基盤の強化・構築は重要な経営課題と位置づけ、多様な活動に取り組んでおります。第2次中期経営計画では、3点に注力することで持続的に成長してまいります。 ・人的資本の充実 ・内部統制/ガバナンス ・企業風土改革 ①「人的資本の充実」では、V2026第2次中期経営計画の実現に向けた人的資本経営の確立を目指し、「量的充実」として社会の要請に応えるエンジニアリング力の増強、「質的充実」として社員のパフォーマンスを高める育成・制度・報酬の向上、そして「意欲の向上」として働き方や環境改善によるウェルビーイング経営の推進、これら3つを柱に実践を進めています。 具体的施策として、量的充実においては、新卒・中途両面で採用チャネルを多様化し、地方での採用やアルムナイ、ヘッドハンティング等による多様な人材の確保に取り組んでまいります。質的充実においては、若手リーダーの早期育成を目的としたプログラムや、スペシャリスト・マネジメントなど各層への成長支援施策、eラーニングや外部研修など実践的な学びの機会も提供してまいります。さらに、社員一人ひとりのキャリアや目標に合わせた育成計画を作成し、PDCAを回しながら成長をサポートしてまいります。 最後に意欲の向上においては、新人事制度や柔軟な働き方施策、多様なキャリアパスの実現を促進してまいります。成績評価やMVP制度による報酬・処遇面の向上も図ってまいります。 あわせて、ウェルビーイング経営や健康経営、快適なオフィス環境の整備にも注力し、社員がやりがいや働きがいを実感できる職場づくりに取り組むことで、社員との更なるエンゲージメント向上に努めてまいります。②「内部統制/ガバナンス」では、市場や顧客に満足いただけるソリューションサービスを提供し続けるために、公正かつ効率的な経営を支えるコーポレートガバナンスを重要課題と捉え、その充実に努めております。当社のガバナンス体制は、監督・モニタリング、適正かつ機動的な意思決定に資するだけでなく、会社の経営プロセスを有効かつ効率的に機能させるために多面的な助言を行うことで、その実効性を高めております。特に事業戦略、人事戦略、コンプライアンス、セキュリティといった重要課題に対する経営の取り組み状況を注視し、対策の補強や適正化に貢献しております。また、パンデミックや、その他災害への対策、地政学的リスクなどを加味した事業継続プログラム(BCP)の改善も進めていくことで、持続可能な運営に努めてまいります。③「企業風土改革」では、経営理念に基づき、社会発展のために果たすべき義務や役割を理解し、社員一人ひとりが事業や地域貢献などの活動を通じて企業価値向上と社会課題解決の実現に向けた意識改革を進めてまいります。その基盤となるコンプライアンスの実践を重要な経営課題の一つとして位置づけ、「法令や規則を守ること」に留まらず「会社に関わる全てのステークホルダーの信頼に応えること」を当社のあるべき姿として意識醸成に努めております。 この考え方に基づいて、社員と会社が共に成長し、共に成果を分かち合うウェルビーイング経営を志向してまいります。そして、地域社会発展への貢献や環境にやさしい経営の実践、企業活動における人権尊重などにも取り組んでまいります。 これらの施策により、2026年3月期の連結業績の見通しにつきましては、売上高19,500百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,750百万円(同26.7%増)、経常利益1,760百万円(同26.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,220百万円(同3.3%減)を見込んでおります。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、2025年3月期に退職給付制度の移行による特別利益の計上があったため2025年3月期から減少しております。 《価値創造プロセス》
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、経済・社会を支えるインフラを担う基幹産業として、顧客の競争力強化、情報社会の更なる発展に貢献していくことを使命と考えております。 基本方針 「顧客第一主義」 全ての判断基準はお客様にとっての価値とし、お客様の視点で思考することを基本と致します。「重点主義」 企業には人、モノ、金と時間の4つの要素があります。これらを最大限に活かすために、顧客第一主義により決定された最重要事項に経営資源を集約致します。「総員営業主義」 ユーザーオリエンテッドなサービスを提供するため、全社員が自立したビジネスパーソンとして社業発展に邁進致します。 この基本方針のもと、社員一人ひとりが株主、顧客をはじめとするあらゆるステークホルダーと向かい合い、個人と組織のもつノウハウの全てを駆使して、更なる顧客満足を創出してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、中長期経営ビジョン≪VISION 2026≫の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画では、社員一人ひとりが事業を通じて社会に貢献し、事業成長を果たすとともに、企業価値の向上を目指してまいります。そのために、「企画型+受託型ビジネス※で事業成長を果たす」「社員自らが志とビジネスマインドを持ち、自ら考え、行動する」をミッション・ステートメントとして、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の3つのビジネスモデルを強化推進する方針と目標をそれぞれ立案し、事業成長に向けて邁進しております。 最終年度にあたる2026年度に向けて、エンハンスビジネスで創出した利益を源泉にSIビジネス、デジタルビジネスでの領域を拡大し、売上高構成比6:3:1を目指してまいります。 ※企画型ビジネス:当社開発ソフトウェアやIP(ノウハウ・技術を含む)を活用し、販売およびASP/SaaS等を通じて収益を確保するビジネス 受託型ビジネス:お客様に応じたシステムソリューションをオーダーメイドで開発するビジネス また、第2次中期経営計画では、以下の5つの指標を重視し、目標設定しております。 財務目標 ・株主にとっての企業価値向上の観点から、ROE14%以上 ・収益性を測る指標として、連結営業利益率10.5% ・従業員一人ひとりのパフォーマンスを高めていきたいとの趣旨から、従業員(海外子会社の従業員は除く)一人当たりの連結売上高25百万円 非財務目標 ・社員の健康を最重視したウェルビーイング経営実践の為、時間外勤務時間月あたり平均25時間 ・社員の働きがいと機会の創出による能力発揮に向け、エンゲージメント指標71以上※ ※株式会社アトラエが提供するエンゲージメント解析ツール「Wevox」を利用し、キューブシステム単体の社員を対象に調査するエンゲージメント指標のやりがい度 当期における状況は、以下のとおりです。 1点目の指標であるROEは12.0%、2点目の指標である連結営業利益率は7.5%となり、目標未達となりました。資本効率を高め利益率の向上を図ることで、改善に努めます。 3点目の指標である従業員一人当たりの連結売上高は、23.6百万円となりました。業務の効率化と教育研修の充実、生産体制の強化を図り、最終年度での目標達成に向けて取り組んでまいります。 4点目と5点目の指標につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ経営 d.指標及び目標」に含まれております。 (3)対処すべき課題 当社が属する情報サービス産業は、DX需要の継続やAI技術の活用に伴う情報化投資、省力化に向けたソフトウェア投資需要等が増加する見通しですが、一方で、原材料価格の上昇や諸資源の供給面の制約が継続し、金融資本市場の変動リスクは景気の行方を不透明な状況に晒しています。こうした経営環境のもとで、企業には中長期的な課題対策のみならず、リスクに対する機動的な対応が求められます。 当社グループでは、2021年11月に「サステナビリティ基本方針」を定め、企業価値の向上と社会課題の解決双方の実現に向けてサステナビリティ経営を遂行しております。この経営方針のもとで、中長期経営ビジョン《VISION 2026》の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画で飛躍的な事業成長に向けて取り組んでおります。 このような状況の中、優先的に取り組むべき重点施策は、以下の通りです。 1 )事業の成長 当社は、これまで培ってきた強みと実績を基に、デジタルビジネス、SIビジネス、エンハンスビジネスの3つを事業の軸として推進しております。第2次中期経営計画では、当社ビジネスモデルを以下の3つのビジネススタイルでお客様に価値を提供し事業成長を加速してまいります。①受託ビジネス ・Sier向け事業 ・プライム向け事業②企画ビジネス ・サービス提供事業 受託ビジネスにおける「Sier向け事業」では、主要Sierとの協業推進を図るとともに、案件の大規模化やワンストップサービスの確立、モダナイゼーションへの対応による領域拡大を実行してまいります。また、当社の強みである「ソフトウェアエンジニアリング」において競争優位を発揮し、受注案件において様々な業種・業務、新しい技術にチャレンジすることで、さらなる強みの強化に努めます。現状の受託開発における契約形態を見直し、改善することで、高度・多様化するお客様の要望に合致する付加価値の提供を行い、収益性の向上を図ってまいります。 「プライム向け事業」では、受注規模の拡大ならびに収益性向上の両面を目指してまいります。お客様との関係性をより一層強化するとともに、お客様の事業成長に直結した経営課題に対して、先進技術も用いた積極的な提案活動を行い、既存案件の更なる拡大を図ります。また、当社の保有するノウハウや知的資本を武器に、新領域でのお客様の獲得や事業開拓を行い、成長の軸となる顧客基盤の形成に努めてまいります。 企画ビジネスにおける「サービス提供事業」では、国内企業のビジネス基盤を変革するサービスの提供を目指し、お客様のビジネス課題を解決するアプリケーションサービスや、高いクラウド技術力によるプラットフォームを活用したプロフェッショナルサービスの提供を実施してまいります。具体的には、Sier企業やクラウドソリューションベンダーとの協業を図るとともに、当社発の人的資本サービス『H・CUBiC※』の確立による新たな収益モデルの構築を行ってまいります。 ※当社が構想する人的資本サービス。人的資本経営をトータルに支援するサービスとして、人材情報管理システム、AI技術を活用した分析ソリューション、人材・組織の価値向上支援プロダクトから構成されている。 《人的資本サービス H・CUBiC》 2 )事業基盤の強化 当社グループにおいて、事業成長を加速・促進するための事業基盤の強化は、重要な経営課題と捉えております。特に成長の軸となる基盤を以下の4点について、その強化に努めてまいります。・品質の強化・生産体制の拡充・協業推進・研究投資 ①「品質の強化」では、不採算案件の発生を防ぐため、小規模プロジェクトを含めてリスクを早期に発見・対応できるように品質管理体制の強化を図ります。 品質管理においては、プロジェクトの管理とフォローを実施するとともに、お客様の外部環境変化や先進技術、新規開発手法などの新たなリスクにも柔軟に対応することで、継続的な品質向上活動を推進します。また、見積提案段階ではリスクを十分に洗い出し、後工程での品質・コスト・納期への影響を最小限にとどめる対策を講じるとともに、トラブルプロジェクトが発生した場合は、他プロジェクトへの影響を常に注視し、必要に応じて対策本部を設置し迅速に問題対応を行います。 並行して、プライム案件のさらなる拡大を進めるべく、財務・法務・セキュリティといったリスクへの対応力の強化に努めるとともに、現状の当社独自フレームワークに加え、品質管理ノウハウを蓄積・体系化することで、品質管理体制を確保してまいります。②「生産体制の拡充」では、全社横断的なリソースコントロールを推進し、開発拠点のヘッドクォーター(本社:ソフトウェア開発本部)を中心にグループ各社やビジネスパートナーとの連携を深めてまいります。また、国内の各拠点(北海道、名古屋、大阪、福岡)では、生産性向上に資する施策の推進と生産革新への投資を積極的に進めるとともに、開発拠点の拡充による安定した生産体制の構築に努めてまいります。 ビジネスパートナー戦略においては多様な国内外パートナーとの協業を拡大し、新規ビジネスパートナーとの関係構築に取り組みます。 海外の開発拠点の一つであるベトナムキューブシステムでは、人材の育成を強化し、オンサイトでのブリッジエンジニアを活用してオフショア開発案件の拡大を図り、グループ全体としての総合力を高めてまいります。③「協業推進」では、主要なSierとのシナジーを更に生み出すべく、協業テーマの具体化を通じて多様な社会課題の解決促進と顧客サービスの充実・拡大を通じて持続的な成長を目指してまいります。 また、当社はSier案件を上流から下流までワンストップで請負うソフトウェアエンジニアリング(ワンストップサービス)を志向し、取り組んでおります。当社の担当範囲の拡大や生産技術革新、生産性の向上などを図り、開発後のエンハンスも視野に入れた事業活動を展開することで、お客様との関係性を向上してまいります。 社内では提案力強化研修や営業ナレッジの共有を推進し、全社一丸となって付加価値の向上に努めてまいります。これらの取り組みにより、協業を通じた事業成長と社会貢献を実現してまいります。④「研究投資」に関しては、事業成長の実現を見据え、顧客ニーズやマーケット動向を的確にとらえながら、AIやIoTをはじめとする先進技術を積極的に取り込んでまいります。また、全社横断での中期投資活動を通じ、生産・運用関連技術や新規事業創発、エンゲージメント向上といった多様なテーマに取り組み、研究プロジェクトの推進を加速させております。今後もプロトタイプの設計・製作・実証実験を積極的に展開し、AI活用を含めた新たな分野への研究成果を新規事業へと展開してまいります。 また、新規ソリューションサービスの調査・研究開発を着実に進めるとともに、当社が培ってきた強みであるソフトウェアエンジニアリングの知的資産化を図り、競争優位性のさらなる強化に努めてまいります。 3 )経営基盤の強化 当社グループでは、事業を支える経営基盤の強化・構築は重要な経営課題と位置づけ、多様な活動に取り組んでおります。第2次中期経営計画では、3点に注力することで持続的に成長してまいります。 ・人的資本の充実 ・内部統制/ガバナンス ・企業風土改革 ①「人的資本の充実」では、V2026第2次中期経営計画の実現に向けた人的資本経営の確立を目指し、「量的充実」として社会の要請に応えるエンジニアリング力の増強、「質的充実」として社員のパフォーマンスを高める育成・制度・報酬の向上、そして「意欲の向上」として働き方や環境改善によるウェルビーイング経営の推進、これら3つを柱に実践を進めています。 具体的施策として、量的充実においては、新卒・中途両面で採用チャネルを多様化し、地方での採用やアルムナイ、ヘッドハンティング等による多様な人材の確保に取り組んでまいります。質的充実においては、若手リーダーの早期育成を目的としたプログラムや、スペシャリスト・マネジメントなど各層への成長支援施策、eラーニングや外部研修など実践的な学びの機会も提供してまいります。さらに、社員一人ひとりのキャリアや目標に合わせた育成計画を作成し、PDCAを回しながら成長をサポートしてまいります。 最後に意欲の向上においては、新人事制度や柔軟な働き方施策、多様なキャリアパスの実現を促進してまいります。成績評価やMVP制度による報酬・処遇面の向上も図ってまいります。 あわせて、ウェルビーイング経営や健康経営、快適なオフィス環境の整備にも注力し、社員がやりがいや働きがいを実感できる職場づくりに取り組むことで、社員との更なるエンゲージメント向上に努めてまいります。②「内部統制/ガバナンス」では、市場や顧客に満足いただけるソリューションサービスを提供し続けるために、公正かつ効率的な経営を支えるコーポレートガバナンスを重要課題と捉え、その充実に努めております。当社のガバナンス体制は、監督・モニタリング、適正かつ機動的な意思決定に資するだけでなく、会社の経営プロセスを有効かつ効率的に機能させるために多面的な助言を行うことで、その実効性を高めております。特に事業戦略、人事戦略、コンプライアンス、セキュリティといった重要課題に対する経営の取り組み状況を注視し、対策の補強や適正化に貢献しております。また、パンデミックや、その他災害への対策、地政学的リスクなどを加味した事業継続プログラム(BCP)の改善も進めていくことで、持続可能な運営に努めてまいります。③「企業風土改革」では、経営理念に基づき、社会発展のために果たすべき義務や役割を理解し、社員一人ひとりが事業や地域貢献などの活動を通じて企業価値向上と社会課題解決の実現に向けた意識改革を進めてまいります。その基盤となるコンプライアンスの実践を重要な経営課題の一つとして位置づけ、「法令や規則を守ること」に留まらず「会社に関わる全てのステークホルダーの信頼に応えること」を当社のあるべき姿として意識醸成に努めております。 この考え方に基づいて、社員と会社が共に成長し、共に成果を分かち合うウェルビーイング経営を志向してまいります。そして、地域社会発展への貢献や環境にやさしい経営の実践、企業活動における人権尊重などにも取り組んでまいります。 これらの施策により、2026年3月期の連結業績の見通しにつきましては、売上高19,500百万円(前期比6.3%増)、営業利益1,750百万円(同26.7%増)、経常利益1,760百万円(同26.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,220百万円(同3.3%減)を見込んでおります。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、2025年3月期に退職給付制度の移行による特別利益の計上があったため2025年3月期から減少しております。 《価値創造プロセス》
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況a.経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善に伴う所得の向上や円安に伴う輸出の拡大、インバウンドの増加に伴う消費の拡大等が牽引し、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の政策変更を起点とする世界経済の不確実性は高まっており、世界的な資源・原材料価格の高騰ならびに物価の上昇等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。 このような状況下において、情報サービス産業では、顧客のサービスの高付加価値化ならびに人材不足を背景としたDX(ビジネス変革・プロセス変革)需要は継続しており、AI技術の活用に伴う情報化投資やその導入支援が活発化しております。また、レガシーな基幹システムのクラウドへの移行(Lift)、利便性の向上に向けたシステム構築(Shift)に対するニーズも根強く、今後もIT投資は拡大する見通しです。一方で、長期化するIT人材の不足から生じる受注機会の損失や人材獲得競争の激化に起因する人件費の増加により、収益環境が悪化する懸念があります。 当社グループにおきましては、デジタルビジネスおよびエンハンスビジネスにおいて、公共分野やエネルギー分野での受注が拡大する中、リソースの最適化や生産体制の確保に努め、業容拡大に向けた施策を実施してまいりました。しかしながら、当初見込んでいた高収益案件が減少したことや、不採算案件等の発生により利益水準が低下しました。また、人事制度の改定による社員処遇の向上およびインセンティブ・プランの導入、新入社員の採用拡大等により人件費が11%上昇したことも要因の一つです。加えて、海外子会社における教育投資や、社員のエンゲージメント強化施策の実施等により、製造経費および販管費が大幅に増加しました。なお、退職給付制度の改定に伴い発生した退職給付制度改定益と政策保有株式の保有方針に基づく投資有価証券の売却により、特別利益を計上しております。当連結会計年度における業績は売上高18,351百万円(前年同期比1.8%増)、営業利益は1,380百万円(同10.1%減)、経常利益は1,393百万円(同12.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,261百万円(同18.2%増)となりました。 ビジネスモデル別の業績を示すと次のとおりであります。 (デジタルビジネス) コンサルティングおよび先進技術支援案件の受注拡大により、売上高は808百万円(前期比43.4%増)となりました。(SIビジネス) 地銀・ネットバンクおよび教育事業会社向け案件の縮小により、売上高は6,239百万円(同6.5%減)となりました。(エンハンスビジネス) 中央省庁向け等の既存領域での派生開発案件の受注が進み、売上高は11,303百万円(同4.8%増)となりました。 b.財政状態(資産) 当連結会計年度末における流動資産は9,806百万円となり、前連結会計年度末と比べ172百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金の減少601百万円、契約資産の増加207百万円、売掛金の増加197百万円によるものです。また、固定資産合計は4,560百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,050百万円増加いたしました。これは主に退職給付に係る資産の増加750百万円、敷金及び保証金の増加123百万円、投資有価証券の増加102百万円によるものです。 これらの結果、総資産は14,366百万円となり、前連結会計年度末に比べ878百万円増加いたしました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は2,387百万円となり、前連結会計年度末に比べ72百万円減少いたしました。これは主に預り金の減少78百万円、未払消費税等の減少71百万円、未払法人税等の減少64百万円、賞与引当金の増加108百万円によるものです。固定負債は1,104百万円となり、前連結会計年度末に比べ209百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債の増加233百万円、資産除去債務の増加53百万円、株式報酬引当金の減少105百万円によるものです。 これらの結果、負債合計は3,491百万円となり、前連結会計年度末に比べ137百万円増加いたしました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は10,874百万円となり、前連結会計年度末に比べ740百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加631百万円、退職給付に係る調整累計額の増加183百万円、その他有価証券評価差額金の増加80百万円、自己株式の取得による減少151百万円によるものです。 この結果、自己資本比率は75.7%(前連結会計年度末は75.1%)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ601百万円減少し、6,213百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は255百万円(前期比75.5%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上額1,771百万円、法人税等の支払額473百万円、売上債権の増加406百万円、退職給付制度改定益359百万円、退職給付に係る資産および負債の増減額152百万円の資金減少によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は68百万円(同73.7%減)となりました。これは主に敷金及び保証金の差入による支出127百万円、有形固定資産の取得による支出39百万円、投資有価証券の取得による支出20百万円、投資有価証券の売却による収入124百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は780百万円(同16.1%増)となりました。これは主に配当金の支払による支出629百万円、自己株式の増加151百万円によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績 当社グループは、システムソリューション・サービスの単一セグメントのため、生産、受注及び販売の実績については、セグメントに代えてビジネスモデル別に示しております。 a.生産実績 当連結会計年度におけるビジネスモデル毎の生産実績を示すと、次のとおりであります。ビジネスモデル金額(百万円)前期比(%)デジタルビジネス808143.4SIビジネス6,23993.5エンハンスビジネス11,303104.8合計18,351101.8 (注)1.金額は販売価格によっております。 2.従来、品目別で記載しておりましたが、当連結会計年度よりビジネスモデル別で記載することに変更いたしました。 b.受注実績 当連結会計年度におけるビジネスモデル毎の受注実績を示すと、次のとおりであります。ビジネスモデル受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)デジタルビジネス930150.5347154.5SIビジネス6,52298.21,622121.2エンハンスビジネス11,040101.92,81991.5合計18,493102.24,789103.1 (注)1.金額は販売価格によっております。 2.従来、品目別で記載しておりましたが、当連結会計年度よりビジネスモデル別で記載することに変更いたしました。 c.販売実績 当連結会計年度におけるビジネスモデル毎の販売実績を示すと、次のとおりであります。ビジネスモデル金額(百万円)前期比(%)デジタルビジネス808143.4SIビジネス6,23993.5エンハンスビジネス11,303104.8合計18,351101.8(注)1.従来、品目別で記載しておりましたが、当連結会計年度よりビジネスモデル別で記載することに変更いたしました。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社野村総合研究所7,83943.57,33139.9富士通株式会社2,90016.13,85221.0 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.売上高 当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ329百万円増加し、18,351百万円(前期比1.8%増)となりました。 ビジネスモデル別では、デジタルビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ245百万円増加(同43.4%増)しております。主な要因としましては、コンサルティングおよび先進技術支援案件の受注拡大によるものであります。 SIビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ431百万円減少(同6.5%減)しております。主な要因としましては、地銀・ネットバンクおよび教育事業会社向け案件の縮小によるものであります。 エンハンスビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ517百万円増加(同4.8%増加)しております。主な要因としましては、金融機関および中央省庁向け等の既存領域での派生開発案件の受注が進んだことによるものであります。 b.売上原価、売上総利益 売上原価は、前連結会計年度に比べ304百万円増加し、14,403百万円(前期比2.2%増)となりました。売上総利益は、前連結会計年度に比べ25百万円増加し、3,947百万円(同0.6%増)となりました。これは主に、生産体制の積極的な投資および不採算案件の影響によるものです。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ180百万円増加し、2,566百万円(前期比7.6%増)となりました。これは主に新人事制度導入による人件費の増加や自社事業(H・CUBiC)の創発に向けた研究開発への投資、生産体制の拡充、エンゲージメント強化施策への投資等の増加によるものです。営業利益は、前連結会計年度に比べ155百万円減少し、1,380百万円(同10.1%減)となっております。 d.経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益 経常利益は、前連結会計年度に比べ197百万円減少し、1,393百万円(前期比12.4%減)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ194百万円増加し、1,261百万円(同18.2%増)となりました。これは主に退職金制度改定および投資有価証券売却に伴う特別利益の増加によるものであります。 ③当連結会計年度の財政状態の分析 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態」をご覧ください。 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析資金調達について金融経済環境が大きく変化する中、コミットメントライン契約の締結により、運転資金枠を確保し、資金調達の機動性と安定性を高め、積極的な事業展開を図るとともに、資金効率を高め、財務体質の強化に努めてまいります。
事業リスク
- 人材不足と競争激化情報サービス産業全体でシステム/ネットワークエンジニアが慢性的に不足しており、優秀な人材の確保や育成が困難になる可能性があります。また、他業種からの新規参入や海外企業の台頭により価格競争が激化したり、DXや技術革新のスピードが想定以上に速い場合、キューブシステムの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 特定顧客への依存野村総合研究所グループと富士通グループへの販売実績が総販売実績の大部分を占めており、これら特定顧客の受注動向がキューブシステムの業績に大きな影響を与える可能性があります。顧客の事業戦略変更や需要減少があった場合、売上や利益が大きく変動するリスクがあります。
- プロジェクトの品質・損益悪化システム開発プロジェクトは、想定外の仕様変更や追加作業、顧客との認識相違、技術力・マネジメント不足などにより、収益性が低下したり、不採算となるリスクがあります。特にDX事業の推進によりシステムの高難度化が進む中で、品質確保が困難になった場合、修補責任や売上減額請求が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について、現時点で想定される主なものを記載いたしました。 なお、文中記載の事項のうち将来に関するものについては、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)当社グループを取り巻く事業環境について 当社グループが属する情報サービス産業では、DX需要の継続やAI技術の活用に伴う情報化投資、省力化に向けたソフトウェア投資需要等が増加する見通しです。しかしながら、デジタル人材の供給面に目を向けると、慢性的なシステム/ネットワークエンジニアの不足が継続しております。 当社では継続した積極的技術投資を行い対応に努めておりますが、他業種からの新規参入や海外企業の台頭による想定以上の価格競争の発生、DX等による顧客のビジネスモデルの変革や広範な領域における急速な技術革新が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (2)特定の取引先への依存度について 当社グループの当連結会計年度末における野村総合研究所グループ及び富士通グループへの販売実績の総販売実績に対する割合は、それぞれ49.0%及び23.5%となっております。このため、上記顧客の受注動向等は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 これに対して、当社グループは常にエンドユーザーに密着したサービスを提供することを志向し、上記顧客との関係を維持しながら、新規領域の獲得を目指し、サービスの最終的な利用者であるエンドユーザーとの緊密な関係の構築に注力することで、当社グループの経営成績に及ぼす悪影響の軽減を図っております。 (3)プロジェクトの品質・損益管理について 当社グループでは、システム開発技術の向上・蓄積及び将来の受注拡大を目的として、収益性の低いプロジェクト又は赤字になると見込まれるプロジェクトであっても積極的に受託する可能性があります。また、当社グループの提供するサービスは原則として請負契約となるため、受注時に採算が取れると見込まれるプロジェクトであっても、想定外の仕様変更や当初の見積りを超える追加作業の発生等により収益性が低下し、不採算となる可能性があります。 今後、DX事業の推進により顧客から要求されるシステムの高難度化が進み、品質の確保が困難な局面は増加傾向にあると考えられます。また、顧客との認識相違や当社の技術力・マネジメント不足による品質不良が発生した場合、2020年4月に施行された民法改正での契約不適合期間の延長による長期の修補責任や、売上の減額請求を行われる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 その対策として、システム開発会議において工程ごとのレビューを徹底することでプロジェクトに内包するリスクの早期共有や見える化を図るとともに、部門QMSの基本を徹底することでリスク管理を行い、各プロジェクトに対するモニタリング機能の強化による品質向上を図っております。さらにDX事業を筆頭とし契約形態を準委任契約へ変更することでリスクコントロールしてまいります。 (4)情報管理・情報漏洩に関するリスク 当社グループが顧客に提供するシステムソリューション・サービスにおいては、当社グループの従業員及び当社グループが委託するビジネスパートナーの従業員が、顧客企業の保有する機密情報へアクセス可能な環境にある場合があります。当社グループでは顧客及び従業員情報の保全や機密情報の適切な管理及び情報セキュリティ・マネジメントシステムの強化・改善を重要課題と位置づけ、昨今のビジネス環境の変化によるセキュリティリスクへの対応も含め、様々な取組みを行っております。また、当社の社内環境や開発環境がサイバー攻撃にさらされるというリスクについても適正な対策を行っております。しかしながら、これらの施策にもかかわらず個人情報や企業情報が万一漏洩した場合には、損害賠償責任を負う可能性があるほか、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)事業継続について 当社グループは、各地で相次ぐ災害への対策、地政学的リスク、また災害等の発生の影響により顧客へのサービス提供の中断が不可避となった場合等を加味した事業継続プログラム(BCP)の再構築を行い、その実効性の点検や課題の解決を図っております。しかしながら、災害規模が想定よりも甚大な場合には顧客と合意した水準でのサービス提供が困難となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6)海外子会社を含めた海外での事業活動について 当社グループは、海外での事業拡大を進めております。しかし多くの海外市場において、日本とは異なる法制度、商慣習及び労使関係や経済の動向並びに為替相場の変動、その他政治的及び社会的要因といった様々な要因の発生が見込まれ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (7)投資有価証券の価値の棄損について 当社グループは、取引先との関係強化や情報収集を目的に保有する上場株式の他に、業務提携等で取得した未上場株式や資金運用を目的とする債券を保有しております。また、新技術を保有するベンチャー企業の発掘を目的に投資事業組合への出資を行っております。これらの投資有価証券は、発行体の業績悪化や経営破綻等が発生した場合には、会計上減損処理を行うことや、投資額を回収できないことがあり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 これらのリスクに対して、市場並びに運用先のモニタリングを充実させ、適切な対処を行ってまいります。 (8)人材確保に関するリスク 当社グループの事業拡大にとって、優秀な人材の確保や人材の育成は、重要な経営課題であると認識しております。当社グループが属する情報サービス産業では慢性的なシステム/ネットワークエンジニアの不足が続いており、今後、計画通りの人材を確保できない場合や人材の流出に加え、プロフェッショナルIT人材の育成に遅れが生じる場合には、生産性の高いプロジェクト遂行や案件獲得の機会損失を招く恐れがあり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対して、当期より新たに、役員・従業員が採用候補者を会社に紹介するリファラル採用制度を導入いたしました。計画的な採用活動を通じて新卒採用及び中途採用を実施し、人材の確保を図ると同時に、人材育成の仕組み作りやウェルビーイング向上等の施策を引き続き実施してまいります。