2332

クエスト(2332)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 情報サービス事業全般
    クエストは、情報システムに関するコンサルティングから、システムの開発・保守、ITインフラの構築・運用管理まで、一貫したサービスを提供しています。これにより、顧客企業のITに関するあらゆる課題に対応し、ビジネスをサポートしています。
  • システム開発
    半導体、金融、医療など多岐にわたる業界の顧客に対し、ERPやビッグデータ分析といった業務システム開発と保守を提供しています。顧客のニーズに合わせて、企画から設計、開発、運用までを一貫して手掛けることで、企業のデジタル変革を支援しています。
  • インフラサービス
    クラウド、ネットワーク、セキュリティといったITインフラの設計、構築、保守、運用サービスを提供しています。PCやスマートフォン、IoT機器など、多様なデバイスに対応したインフラを構築し、企業の安定したIT環境を支えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • システム開発事業
    クエストの主力事業であり、売上高92.52億円、営業利益16.51億円を計上しています。半導体、金融、医療など幅広い業種の顧客に対し、ERPやビッグデータ分析などの業務システム開発と保守サービスを提供しており、会社の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • インフラサービス事業
    売上高56.35億円、営業利益8.73億円を計上しており、システム開発事業に次ぐ主要な収益源です。クラウド、ネットワーク、セキュリティといったITインフラの設計、構築、保守、運用サービスを提供し、顧客企業のIT基盤を支えています。
  • その他事業
    商品販売業務などを行っていますが、上記の主要セグメントには含まれない規模の事業です。主にシステム開発やインフラサービスに付随する形で収益を上げており、全体の売上や利益に占める割合は小さいと考えられます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SystemDevelopment 事業 93 17 17.8%
InfrastructureServices 事業 56 9 15.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|683 文字
3 【事業の内容】当社グループは、情報サービスを主たる事業とし、情報システムに係るコンサルティングから、業務システムの開発と保守及びITインフラの構築と運用管理に至る一貫したサービスを提供しています。当社グループの事業内容を、セグメント別に表すと次のとおりです。 (1) システム開発半導体、エレクトロニクス、金融、情報通信、エンタテインメント、公共・社会、移動・物流、ヘルスケア・メディカルの業種の顧客に対して、ERP、SCM、CRM、MES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)、PLM(ProductLifecycle Management:製品ライフサイクル管理)、ビッグデータ分析等のソリューション及び業務システムのコンサルティングから要件定義、設計、開発、保守に至る一連のシステム開発サービスを提供しています。 (2) インフラサービスクラウド、ネットワーク、クライアント(PC、スマホ、IoT機器)、セキュリティに関するITインフラソリューションから設計、構築、保守、運用に至る一連のインフラサービスを提供しています。 (3) その他商品販売業務などを行っています。 (注) 「その他」としたセグメントに関しては、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」(企業会計基準第17号 平成22年6月30日)及び「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第20号 平成20年3月21日)適用の報告セグメントには含まれない事業セグメントとなっています。 事業の系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
多くの先端技術に深く関連しており、豊富な専門知識と高度なスキルを有する人材の確保が重要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:人材の確保に対するリスク / 事業環境の変化に伴うリスク / 不採算案件が発生するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

クエストの財務サマリデータが未収録であり、ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報が入手できないため、無形資産による競争優位性は現時点では評価できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

同社は主にシステムインテグレーション事業を展開しており、顧客の基幹システムに関わる場合、システム変更に伴うコストやリスクから、スイッチング・コストは一定程度存在すると考えられます。しかし、具体的な顧客基盤や契約内容に関する情報が不足しています。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

情報通信業に属するものの、同社の事業内容から直接的なネットワーク効果(ユーザー増加がサービス価値を向上させる構造)は想定されにくく、その証左となる具体的なデータもありません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

システムインテグレーション事業は一般的に労働集約型であり、同社が構造的に競合他社よりも低コストでサービスを提供できるという証拠はありません。人件費や開発効率に関する具体的な比較データも不足しています。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

情報通信業におけるシステムインテグレーション市場は競争が激しいですが、同社が特定のニッチ市場で一定のシェアを確保している可能性はあります。しかし、業界全体に対する規模の経済性や寡占度を示す具体的なデータは現時点では不明です。

  • 一貫したサービス提供
    クエストは、情報システムの企画から開発、保守、さらにITインフラの構築・運用まで、ITに関する全ての工程を一貫して提供できる強みがあります。これにより、顧客は複数のベンダーと契約する手間を省き、効率的にIT投資を進めることができます。
  • 多様な業界への対応力
    半導体、金融、医療、エンターテインメントなど、幅広い業界の顧客に対してシステム開発サービスを提供しています。これにより、特定の業界の景気変動に左右されにくい安定した事業基盤を築き、多様なニーズに応える専門知識と経験を蓄積しています。
  • 先端技術への対応
    ERP、SCM、CRM、ビッグデータ分析といった最新のソリューションや、クラウド、セキュリティに関するITインフラ技術に対応しています。これにより、常に進化するIT技術を取り入れ、顧客に最適なソリューションを提供することで、競争力を維持しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものです。 (1) 経営の基本方針(企業理念:Philosophy)技術を探究し、価値を創造し、お客様とともに成長する(存在意義:Purpose)技術と創造力で人と社会の安心と幸せを支え続けます(経営目標:Vision)価値を共創するデジタルデータ社会の実現に向けて、「あなたに信頼されるITサービス」のリーディングカンパニーへ(※あなた:お客様、パートナーを含む全ての取引先)(提供価値:Values)技術を創意工夫し、時と場の制約を超え、業務を自動化し、人の力を補完補強するITサービスを真心を込めて提供します (2) 中長期計画「Quest Vision2030」当社では、2030年度の目標として中長期計画「Quest Vision2030」を策定しています。Quest Vision2030では、持続的な成長と高収益体質の維持、そして企業価値向上に向けた"QCSV"(Quest Creating Shared Value:クエストの共通価値の創造)へのストーリー及び6つのコミットメントを定義しています。具体的な目標として、2030年度の売上高200億円超、企業価値250億円超を設定しています。当事業年度を初年度とする「第2期・中期経営計画(2024-2026年度)」では2030年度の飛躍と持続的成長を念頭に、着実な成長と計画的な投資継続、収益性の向上に取り組み、Quest Vision2030のさらなる加速と企業価値向上を実現していきます。 (図:Quest Creating Shared Value Story) (図:6つのコミットメント) (3) ブランドの目指す姿当社が目指すブランドの世界観としてブランドスローガンを、全てのステークホルダーの方へのブランドの約束としてブランドプロミスを定義しています。(ブランドスローガン)Quest For More(ブランドプロミス)Digital Future As One 「Quest For More」の意味は文字通り、“もっと探究・もっと探求”することです。探究:誠実な精神と創造力を通じてお客様の業務をより効率化し、期待を超える価値を提供していきます。探求:新しい市場の開拓や技術の獲得に挑戦し、より便利で幸せな社会の実現に貢献していきます。「Digital Future As One」には、お客様やパートナー、社員も、家族も、ともに1つになり、デジタルの未来に向かって邁進していくメッセージを込めています。 (4) 目標とする経営指標及び達成状況当社は、事業の発展を通じて企業価値を安定的に成長させていくことを目標とし、中長期計画「Quest Vision2030」に基づいた3か年ごと中期計画を作成し、進捗と達成の状況レビューを行いながら事業を推進しています。「2021-2023年度・中期経営計画」では、当初の目標としていた以下の指標を達成することができました。 売上高営業利益ROE2023年度 当初目標130億円9億5百万円10.4%2023年度 実績142億円9億97百万円10.7% 当事業年度を初年度とする「2024-2026年度・中期経営計画」では、当初、以下の目標を設定していました。一方で、2025年4月15日に株式会社セプトを新たにグループに迎え、売上高については1年前倒しで達成する見込みです。今後、エンジニアリソースを強化するとともにサービス供給体制を安定化させることで中期経営計画のさらなる前倒し実現を目指していきます。なお、現行の中期経営計画及び2030年度までの中長期経営計画に変更がある場合には確定次第、速やかにお知らせします。 売上高営業利益ROE2026年度 目標168億円13億50百万円11%超 (5) 会社の対処すべき課題我が国経済の雇用情勢や所得環境は改善傾向にあり、緩やかな景気回復が期待される一方で、物価上昇や人手不足の継続に加え、米国の関税政策の影響による世界的な景気後退懸念から、引き続き先行きは不透明な状況が続くと予想されます。このような状況下において、当社は顧客産業の市況の変化を的確に捉えながら、Quest Vision2030の飛躍的な成長を念頭に以下の課題に取り組み、収益の維持・拡大と企業価値の向上に努めていきます。 ① ITプロフェッショナル人材の獲得と育成高度IT人材の獲得競争が激化するなか、事業のさらなる変革と発展のためには豊富な専門知識と高度なスキルを有する人材を確保することがより一層重要になっています。社員の積極的な採用活動に加えて、ビジネスパートナーとの戦略的なアライアンスやM&Aを含めた人材の獲得を強化していきます。また、技術者が自分に適したキャリアを選択し成長できる環境と仕組みの整備や社員が能力を十分に発揮し成長するための教育投資を計画的かつ継続的に取り組んでいきます。 ② 新たな強み「ソリューションサービス」の強化当社は顧客に密着した常駐型サービスにおいて強みを有しています。日本・世界を代表する大手顧客への長年のサービス提供で培った豊富な経験を生かし、運用保守サービスの高度化や自動化を実現していきます。さらに、新たな強みとして「ソリューションサービス」を強化していきます。技術・ソリューションの全社横断的な育成と立ち上げを目指し、2024年4月にソリューションデザイン部を新設しました。新しい技術領域の規模拡大と高付加価値化に向けて取り組んでいきます。 ③ 企業価値向上に向けた取り組みの強化当社では全社的な中長期経営目標を策定し、その中で企業価値向上のストーリーをQCSV(※1)として掲げています。2030年度に企業価値250億円超を達成すべく、その実現に向けて新規ビジネスの創出やIT人材の育成、重点領域への投資等を含む収益性の向上に取り組んでいきます。当社は創業以来、株主様、お客様、社員、パートナー様、社会等、全てのステークホルダーに対して常に誠実堅実であることを経営方針としています。今後もCGCとCSV経営を重視し、透明性の高い経営を継続し、ITによる社会課題の解決、さらに一層の企業価値の向上と持続的成長のために邁進していきます。 ※1.QCSV:Quest Creating Shared Value
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものです。 (1) 経営の基本方針(企業理念:Philosophy)技術を探究し、価値を創造し、お客様とともに成長する(存在意義:Purpose)技術と創造力で人と社会の安心と幸せを支え続けます(経営目標:Vision)価値を共創するデジタルデータ社会の実現に向けて、「あなたに信頼されるITサービス」のリーディングカンパニーへ(※あなた:お客様、パートナーを含む全ての取引先)(提供価値:Values)技術を創意工夫し、時と場の制約を超え、業務を自動化し、人の力を補完補強するITサービスを真心を込めて提供します (2) 中長期計画「Quest Vision2030」当社では、2030年度の目標として中長期計画「Quest Vision2030」を策定しています。Quest Vision2030では、持続的な成長と高収益体質の維持、そして企業価値向上に向けた"QCSV"(Quest Creating Shared Value:クエストの共通価値の創造)へのストーリー及び6つのコミットメントを定義しています。具体的な目標として、2030年度の売上高200億円超、企業価値250億円超を設定しています。当事業年度を初年度とする「第2期・中期経営計画(2024-2026年度)」では2030年度の飛躍と持続的成長を念頭に、着実な成長と計画的な投資継続、収益性の向上に取り組み、Quest Vision2030のさらなる加速と企業価値向上を実現していきます。 (図:Quest Creating Shared Value Story) (図:6つのコミットメント) (3) ブランドの目指す姿当社が目指すブランドの世界観としてブランドスローガンを、全てのステークホルダーの方へのブランドの約束としてブランドプロミスを定義しています。(ブランドスローガン)Quest For More(ブランドプロミス)Digital Future As One 「Quest For More」の意味は文字通り、“もっと探究・もっと探求”することです。探究:誠実な精神と創造力を通じてお客様の業務をより効率化し、期待を超える価値を提供していきます。探求:新しい市場の開拓や技術の獲得に挑戦し、より便利で幸せな社会の実現に貢献していきます。「Digital Future As One」には、お客様やパートナー、社員も、家族も、ともに1つになり、デジタルの未来に向かって邁進していくメッセージを込めています。 (4) 目標とする経営指標及び達成状況当社は、事業の発展を通じて企業価値を安定的に成長させていくことを目標とし、中長期計画「Quest Vision2030」に基づいた3か年ごと中期計画を作成し、進捗と達成の状況レビューを行いながら事業を推進しています。「2021-2023年度・中期経営計画」では、当初の目標としていた以下の指標を達成することができました。 売上高営業利益ROE2023年度 当初目標130億円9億5百万円10.4%2023年度 実績142億円9億97百万円10.7% 当事業年度を初年度とする「2024-2026年度・中期経営計画」では、当初、以下の目標を設定していました。一方で、2025年4月15日に株式会社セプトを新たにグループに迎え、売上高については1年前倒しで達成する見込みです。今後、エンジニアリソースを強化するとともにサービス供給体制を安定化させることで中期経営計画のさらなる前倒し実現を目指していきます。なお、現行の中期経営計画及び2030年度までの中長期経営計画に変更がある場合には確定次第、速やかにお知らせします。 売上高営業利益ROE2026年度 目標168億円13億50百万円11%超 (5) 会社の対処すべき課題我が国経済の雇用情勢や所得環境は改善傾向にあり、緩やかな景気回復が期待される一方で、物価上昇や人手不足の継続に加え、米国の関税政策の影響による世界的な景気後退懸念から、引き続き先行きは不透明な状況が続くと予想されます。このような状況下において、当社は顧客産業の市況の変化を的確に捉えながら、Quest Vision2030の飛躍的な成長を念頭に以下の課題に取り組み、収益の維持・拡大と企業価値の向上に努めていきます。 ① ITプロフェッショナル人材の獲得と育成高度IT人材の獲得競争が激化するなか、事業のさらなる変革と発展のためには豊富な専門知識と高度なスキルを有する人材を確保することがより一層重要になっています。社員の積極的な採用活動に加えて、ビジネスパートナーとの戦略的なアライアンスやM&Aを含めた人材の獲得を強化していきます。また、技術者が自分に適したキャリアを選択し成長できる環境と仕組みの整備や社員が能力を十分に発揮し成長するための教育投資を計画的かつ継続的に取り組んでいきます。 ② 新たな強み「ソリューションサービス」の強化当社は顧客に密着した常駐型サービスにおいて強みを有しています。日本・世界を代表する大手顧客への長年のサービス提供で培った豊富な経験を生かし、運用保守サービスの高度化や自動化を実現していきます。さらに、新たな強みとして「ソリューションサービス」を強化していきます。技術・ソリューションの全社横断的な育成と立ち上げを目指し、2024年4月にソリューションデザイン部を新設しました。新しい技術領域の規模拡大と高付加価値化に向けて取り組んでいきます。 ③ 企業価値向上に向けた取り組みの強化当社では全社的な中長期経営目標を策定し、その中で企業価値向上のストーリーをQCSV(※1)として掲げています。2030年度に企業価値250億円超を達成すべく、その実現に向けて新規ビジネスの創出やIT人材の育成、重点領域への投資等を含む収益性の向上に取り組んでいきます。当社は創業以来、株主様、お客様、社員、パートナー様、社会等、全てのステークホルダーに対して常に誠実堅実であることを経営方針としています。今後もCGCとCSV経営を重視し、透明性の高い経営を継続し、ITによる社会課題の解決、さらに一層の企業価値の向上と持続的成長のために邁進していきます。 ※1.QCSV:Quest Creating Shared Value
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)における我が国経済は、インバウンド需要の増加や賃上げによる雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、物価の上昇や米国の政策動向、中東情勢等の影響により、先行きの不透明な状況が続いています。当社グループが属する情報サービス産業においては、人手不足を背景とした業務効率化ニーズに加え、情報セキュリティ対策、既存システムの刷新及びクラウド化、AI導入支援等の需要が高まっており、企業のIT投資意欲は引き続き高い状況です。 このような事業環境のもと、当社は中長期ビジョン「Quest Vision2030」(※1)の第2期である「2024-2026年度・中期経営計画」で掲げた以下の基本方針に基づき、基盤の強化と着実な成長を念頭に活動を展開しました。■事業ポートフォリオの変革・当社の強みである顧客密着型の既存事業(コアサービス)の深耕と、ソリューションサービスの拡大を通し収益性向上を目指します。・当事業年度においては、組織体制を抜本的に改革し、顧客産業の需給動向や今後の拡大可能性を考慮し、顧客を「重点強化領域」「安定成長領域」「社会課題解決領域」の3つの領域(※2)に区分・定義しました。これに基づき、日常のビジネスにおける適正なリソース配分と強化すべき技術領域に向けた計画的なリソースシフト等を進めています。■人と技術への未来投資・人的資本投資を拡充するとともに、「ソリューションサービス」の強化に向けた新たな技術獲得への投資を引き続き実施します。・当事業年度においては、ソリューションサービスに関するビジネスデザインや人財・技術開発を強化しました。さらに、持株会制度の改善と加入プロモーションを通じた従業員への還元施策を実施しました。■事業体質と経営基盤の強化・持続的成長と企業価値向上の実現を支える強固な事業基盤を構築します。・当事業年度においては、資本コストと株価を意識した経営計画に基づくキャッシュアロケーションやリソース強化に向けたM&Aの実行を推進しました。(2025年4月15日に株式会社セプトを完全子会社化)上記の結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。売上高は、前期比5.0%増の149億36百万円となりました。これは重点強化領域の主要顧客である半導体分野顧客(イメージセンサ、メモリ)、社会課題解決領域の顧客である移動・物流分野顧客及び公共・社会分野顧客における新規案件受注の拡大等によるものです。営業利益は10億55百万円(前期比5.8%増)、経常利益は11億12百万円(前期比4.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億67百万円(同10.3%増)となりました。当社は従業員の処遇向上や教育を含む人的資本投資の拡充に引き続き取り組んでおり、これらの成長投資に加えて物価上昇によりコストが増加しましたが、増収に伴う収益改善により吸収しました。また、親会社株主に帰属する当期純利益については、「賃上げ促進税制(による税額控除)」を適用したことにより対前期比で大きく増加しています。連結会計の適用に伴い、一定期間において顧客関連資産及びのれんの償却費用が計上されることとなります。比較可能性を担保するための指標として、当連結会計年度におけるEBITDA(※3)は12億73百万円、EBITDAマージン(※4)は8.5%となりました。参考値として、前連結会計年度のEBITDAは12億28百万円、EBITDAマージンは8.6%となります。 セグメント別の経営成績は次のとおりです。システム開発事業については、重点強化領域の半導体分野顧客、安定成長領域のエンタテインメント分野顧客、社会課題解決領域の移動・物流分野顧客における開発案件の受注が増加したことにより、売上高は92億52百万円(前期比7.0%増)、セグメント利益は16億50百万円(同14.0%増)となりました。インフラサービス事業については、重点強化領域の半導体分野顧客及び製造分野顧客、社会課題解決領域の公共・社会分野顧客に対するサービス提供が増加したことにより、売上高は56億34百万円(同1.2%増)、セグメント利益は8億73百万円(同5.6%減)となりました。 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しています。2.セグメント利益については、全社費用等の配分前で記載しています。3.2024年4月に組織体制の大幅な再編を行い、協力会社管理をはじめとした事業基盤を強化しました。この結果、増加した間接費の配賦によりセグメント利益の対前期比はセグメント間で大きな変動があります。※1.Quest Vision2030:当社のウェブページをご参照ください。https://www.quest.co.jp/corporate/ir-info/quest-vision-2030.html2.重点強化領域:半導体分野、製造分野安定成長領域:金融分野、情報通信分野、エンタテインメント分野社会課題解決領域:公共・社会分野、移動・物流分野、ヘルスケア・メディカル分野3.EBITDA:税金等調整前当期純利益+支払利息+減価償却費+顧客関連資産償却費+のれん償却費4.EBITDAマージン:EBITDA÷売上高 (2) 生産、受注及び販売の実績 ① 生産実績当社は、プロジェクトごとに作業完了した業務につき、顧客の検収書あるいは当社の完了報告書に基づき売上計上しています。このため、販売実績のほとんどが生産実績であることから、生産実績の記載を省略しています。 ② 受注実績当連結会計年度の受注状況をセグメント別に示すと、次のとおりです。セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)システム開発9,780,31214.42,549,58926.1 (注) 1.システム開発セグメント以外のセグメントについては、受注に該当する取引形態に相当しないため、記載していません。2.受注残高は契約金額を記載しています。 ③ 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)システム開発9,252,1717.0インフラサービス5,634,6921.2その他49,282263.5合計14,936,1465.0 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しています。2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、商品販売事業を含んでいます。 ④ 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)キオクシア株式会社2,912,91320.53,113,31020.8 (3) 財政状態<資産>当連結会計年度末における資産の残高は98億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億58百万円増加しました。これは主に現金及び預金が4億16百万円、退職給付に係る資産が2億63百万円増加したこと等によるものです。<負債>当連結会計年度末における負債の残高は25億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億7百万円減少しました。これは主に買掛金が81百万円増加したものの、役員退職慰労引当金が55百万円、未払法人税等が42百万円減少したこと等によるものです。<純資産>当連結会計年度末における純資産の残高は72億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億65百万円増加しました。これは主に利益剰余金が5億5百万円増加したこと、その他有価証券評価差額金が1億27百万円減少したこと等によるものです。 (4) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は35億31百万円となり、前連結会計年度末と比較し、4億16百万円増加しました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりです。<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動の結果、5億90百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益11億12百万円、法人税等の支払額3億32百万円、売上債権及び契約資産の増加による資金の減少2億35百万円によるものです。<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動の結果、91百万円の収入となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入79百万円、投資有価証券の払戻による収入11百万円、投資事業組合からの分配による収入10百万円等によるものです。<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動の結果、2億65百万円の支出となりました。これは主に配当金の支払額2億62百万円によるものです。 当社グループは財務の安全性を重視するとともに、銀行借入に依存しない経営を継続しています。資金の運用は短期的な預金等に限定するとともに、運転資金については内部資金により調達することを原則としています。当社グループの資本の財源及び資金の流動性について当社グループの運転資金の需要は、人件費や外注費等の営業費用によるものがその多くを占めていますが、これらの運転資金の需要は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー等によりまかなっています。また、設備投資資金等についても、現金及び預金を使用することとしており、安全性を重視しつつも効率的な資金運用を目指しています。当連結会計年度末における資金は、資産合計の36.0%を占めており、また流動比率は331.0%であることから、十分な流動性を確保しています。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しています。 (6) 経営戦略の現状と見通し2026年3月期においては、賃金の上昇を背景に緩やかな景気回復が期待される一方で、物価上昇や人手不足の継続に加え、米国の関税等の政策の影響による世界的な景気後退懸念から、先行きは不透明な状況が続くと予想されます。また、当社グループの属する情報サービス業界においては、生成AIやIoT等のデジタル技術、ビッグデータを活用したDX推進の動きが加速しており、IT関連投資は引き続き堅調に推移すると予想されます。一方で、IT人材の不足が深刻さを増しており、高度なスキルを有する人材の確保・育成に伴う人件費や採用費等の増加が収益を圧迫する懸念があります。当社グループは、中長期ビジョン「Quest Vision2030」の第2期・中期経営計画(2024-26年度)において、「高収益体質への変革」、「成長に向けた未来投資の実行」を軸として活動を展開しています。その一環として、2026年3月期第1四半期より、株式会社セプトを完全子会社として当社グループに迎えます。Quest Vision2030実現に向けてエンジニアリソースを強化し、より高度な顧客課題の解決と安定したサービス供給を実現していきます。2026年3月期の連結業績見通しについては、売上高168億60百万円、営業利益11億80百万円、経常利益12億40百万円、親会社株主に帰属する当期純利益8億45百万円を予想しています。 (注) 業績予想につきましては、本資料作成日時点で入手可能な情報に基づいて当社で判断したものであり、実際の業績がこれらの予想数値と異なる場合があります。

事業リスク

  • 人材確保の難しさ
    システム開発やインフラサービスは、高度な専門知識とスキルを持つ人材に大きく依存しています。IT人材の獲得競争が激化する中で、計画通りに優秀な人材を確保・育成できない場合、事業の拡大が難しくなり、会社の業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 事業環境の変化
    国内外の経済状況の悪化や地政学的リスク、原材料価格の高騰などにより、顧客企業がIT投資を抑制する可能性があります。これにより、クエストへのシステム開発やインフラサービスの需要が減少し、売上や利益に影響を与えるリスクがあります。
  • 不採算案件の発生
    システム開発プロジェクトは、難易度が高く、予期せぬバグや仕様変更などにより、想定外のコストが発生することがあります。品質管理を徹底していますが、低収益または不採算のプロジェクトが発生した場合、会社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|1,101 文字
3 【事業等のリスク】現時点で、当社の事業展開上その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものです。 (1) 人材の確保に対するリスク当社グループでは、事業活動の根幹をなすシステム開発事業、インフラサービス事業ともに多くの先端技術に深く関連しており、事業のさらなる発展のためには豊富な専門知識と高度なスキルを有する人材を確保することが重要になっています。人材の獲得競争が激化するなか、技術者の獲得、定着、育成及びビジネスパートナーとの連携などの取り組みを強化していますが、人材確保が計画通りに進まない場合には、事業の発展拡大に制約を受け、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 事業環境の変化に伴うリスク国内外の経済状況や地政学的リスク、原材料価格の高騰や製品の需給バランスの変動などによって顧客企業がIT投資を抑制することにより、当社の事業活動や業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、事業環境の変化を注視し、8つの顧客セグメントから需要の高い産業にリソースをシフトすることで収益の安定確保に努めています。 (3) 不採算案件が発生するリスク当社では品質管理強化及び収益性向上への取り組みとして、プロジェクトの内容や規模から高リスクとみなされたプロジェクトについては、全社会議により受注可否の判断を行ったうえで、進捗状況を個々にモニタリングしています。また「ビジネスイノベーション推進部」を設置し、プロジェクト品質管理と不採算案件防止に向けた活動を行っています。しかしながら、案件の難易度やバグの発生等による想定外のコスト発生、低収益又は不採算プロジェクト発生等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。 (4) 個人情報の管理・情報セキュリティについて近年、世間ではサイバー攻撃やランサムウェア、委託先の管理不備、情報機器の紛失等による情報流出といった事件が起きており、より慎重かつ厳格な管理体制の構築及び運営が求められます。そのため当社では情報セキュリティ教育やネットワークの監視、委託先への調査、毎月委員会形式でセキュリティ活動の状況を報告する「統合セキュリティ委員会」により情報保護強化に向けた取り組みを行っています。しかしながらこれらの対策を講じていても機密情報の漏洩や紛失、喪失等が生じた場合には、社会的信用やブランドイメージの低下や取引停止、損害賠償責任が生じることにより、当社の事業活動や業績に影響を与える可能性があります。

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