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セーラー広告(2156)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

サービス業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • 広告事業全般
    セーラー広告グループは、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌といった伝統的なメディアから、インターネット広告、セールスプロモーション、イベント企画・運営まで、広告に関するあらゆるサービスを提供しています。市場調査やブランド開発、メディア選定、効果的な広告表現の企画・立案を通じて、クライアント企業の課題解決を支援し、広告費を主な収益源としています。
  • 地域密着型ビジネス
    四国、中国、九州エリアおよび東京を主要事業エリアとし、地域に根差した広告活動を展開しています。フリーマガジン『ワイヤー』やタウン情報誌『めぐる、』の発行、地域アプリ『あわわアプリ』の運営など、地域住民の生活に密着した情報提供も行い、地域の顧客基盤を強固にしています。
  • リテール事業の展開
    広告事業に加え、物産館『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』の運営やECサイト『トモニ市場オンライン』を通じて、徳島県・香川県の特産品販売を行うリテール事業も展開しています。これは地域商社ビジネスとして、地域経済の活性化にも貢献し、事業の多角化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 広告事業
    セーラー広告グループの主力事業であり、売上高204億6,153万円、営業利益3,006万8千円を計上しています。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット広告、セールスプロモーション、イベント企画など、多岐にわたる広告サービスを提供し、四国、中国、九州エリアおよび東京を主要事業エリアとしています。
  • リテール事業
    地域商社ビジネスとして展開されており、売上高5,149万5千円、営業利益はマイナス1,494万3千円となっています。徳島県・香川県の特産品を販売する物産館『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』の運営やECサイト『トモニ市場オンライン』を通じて、地域産品の販路拡大に取り組んでいます。
  • ヘルスケア事業
    このセグメントの売上高は不明ですが、営業利益はマイナス188万8千円を計上しています。詳細な事業内容は記載されていませんが、グループ全体の事業多角化の一環として、ヘルスケア分野への取り組みを進めていることが示唆されます。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
AdvertisingBusiness 地域 20 0 1.5%
RetailBusinessReportableSegment 地域 1 -0 -29.0%
HealthCare 事業 -0
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2025|858 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社(セーラー広告株式会社)および連結子会社7社(株式会社あわわ、アド・セイル株式会社、株式会社ゴング、南放セーラー広告株式会社、株式会社FISH、株式会社MD&アソシエイツ、株式会社メディア・エーシー)および持分法非適用関連会社(ひょうたん島不動産合同会社)で構成しております。当社グループは、広告業を主たる事業とし、四国中国九州エリアおよび東京を主要事業エリアとして、テレビ、ラジオ、新聞および雑誌を中心とする各種メディアを媒体とした広告の企画、立案、制作、ならびに、セールスプロモーションやインターネット関連広告など、広告に関するあらゆるサービス活動を行うほか、『あわわアプリ』の運営、徳島県全域においてフリーマガジン『ワイヤー』およびタウン情報誌『めぐる、』の発行を行っております。その他、物産館『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』の運営ならびにECサイト『トモニ市場オンライン』の運営を行っております。〔広告事業〕○コミュニケーションプランニング市場調査や環境分析等によるブランド開発、ターゲット戦略、ポジショニング戦略、企業・商品広報戦略、コンセプト開発等の企画・立案○メディアプランニングテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネット・モバイル・印刷物など各媒体を活用した広告活動の企画・立案、および、これらを組み合わせたメディア戦略および表現戦略の企画・立案○セールスプロモーション折込チラシやダイレクトメール、屋外広告、交通広告等を用いた広告戦略の構築や各種イベント・式典等の企画など生活者の購買意欲等を喚起する広告の企画・立案・運営・管理○催事・イベント官公庁・行政・各種団体の式典・大会および啓蒙活動の企画・運営・管理〔リテール事業〕〇通信販売事業、店舗販売事業徳島県および香川県の物産販売店舗『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』の運営、および、オンラインショップ『トモニ市場オンライン』の運営 〔事業系統図〕当社グループの事業系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合激化により広告の受注を確保できない状況が続いた場合、業績に影響を及ぼす可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 なし
広告制作技術の進展や広告代理店を通さない広告ビジネスの変化により参入障壁が低下。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変動と経営成績の季節的変動 / 市場環境の変化による競合激化 / 人材の確保および育成
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

セーラー広告は、地域密着型の広告代理店としての歴史と実績を持つが、強力なブランド力や特許などの無形資産は限定的。地域経済への貢献や長年の顧客との関係性は、一定の信頼を築いているものの、模倣されにくいほどの強固な無形資産とは言えない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

顧客は地域の中小企業が中心であり、広告媒体の変更や他社への乗り換えは比較的容易と考えられる。特定のシステムやサービスへの依存度は低く、スイッチングコストは低いと推測される。ただし、長年の取引による慣性や、地域特有のネットワークが多少の障壁となる可能性はある。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

地域に根差した広告代理店として、地域企業とのネットワークは存在する。しかし、プラットフォーム型ビジネスのような強力なネットワーク効果は見られない。顧客が増えることで直接的な価値向上に繋がるわけではなく、限定的なネットワーク効果に留まる。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

広告代理業という業態上、他社との明確なコスト優位性を築くことは困難。規模の経済や独自の効率化によるコスト削減効果は限定的であり、競合他社とのコスト競争力は高くないと考えられる。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

売上高は20億円台で推移しており、地域密着型としては一定の規模を持つ。しかし、全国展開する大手広告代理店と比較すると規模の経済は小さく、スケールメリットによる競争優位性は限定的。地域内でのシェア拡大が主な成長ドライバーとなる。

  • 地域に根差した広範なサービス
    四国・中国・九州エリアを中心に、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット広告、イベント企画など、多岐にわたる広告サービスをワンストップで提供しています。地域特有のニーズや市場動向を深く理解し、地域密着型のきめ細やかな提案ができる点が強みです。
  • 多様なメディアとコンテンツ
    フリーマガジン『ワイヤー』やタウン情報誌『めぐる、』の発行、地域アプリ『あわわアプリ』の運営を通じて、地域住民に直接アプローチできる独自のメディアチャネルを保有しています。これにより、広告主はターゲット層に合わせた多様なプロモーション戦略を展開できます。
  • 長年の取引関係と顧客基盤
    特定の顧客に依存せず、多業種にわたる顧客基盤を構築しており、長年の取引を通じて安定的な関係を築いています。これにより、市場環境の変動や広告主との関係変化による影響を軽減し、安定した事業運営を可能にしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、企業と生活者を結ぶ情報の橋渡し役として、社会生活の向上と文化の発展に貢献することを経営の基本方針としております。そして、この基本方針のもと、お客さまの課題を提案活動によって解決し、地域の皆様とともに豊かな文化を育て、社会をより楽しく、より美しく、より豊かにすることを目指しております。 (2) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略 2020年1月から2023年5月にかけてのコロナ禍を経て、社会のデジタル化は急速に加速し、メディアの多様化も相まって、社会全体の情報量が飛躍的に増加した結果、生活者が情報に接する機会の増加とともに情報選択の自由度も高まりました。企業はAIやクラウド技術を活用して業務効率を高め、医療分野では遠隔診療が普及し、政府は行政手続きをオンライン化することで国民の利便性を向上させています。日常生活でもスマートデバイスやキャッシュレス決済が普及し、生活がより便利になっています。特にスマートフォンの普及によって、オンラインの利用が常態化し、インターネットに接続されたデバイスの多様化とともに、さまざまなコンテンツの閲覧が可能になりました。2024年の国内広告業界の売上高は、人流活発化や好調なインバウンドなどを背景に5兆7,584億円、前年比101.6%となりました(特定サービス産業動態統計調査、経済産業省)。また、前述した社会のデジタル化を背景に、インターネット広告費は1兆5,817億円、前年比106.4%となり、依然として広告費全体の伸びを牽引する状況となりました。このような環境の中、各企業ともデジタル技術を活用したプロモーション活動への関心が高く、デジタルデータを積極的に活用したマーケティング手法やデジタル戦略へのシフトを進めております。また、同時に、企業のコミュニケーション領域につきましても、従来のメディア以外に、ECサイトやSNS、動画配信サイトのほかリクルートやサステナビリティなど多方面に拡大しており、こうした変化の中で、企業のコミュニケーション活動には従来とは異なる発想が必要とされております。当社グループはこれまで、お客さまの経営課題の解決に繋がる戦略を設計し、共に実践するパートナーになることを今後の在り方と定義し、これを『マーケティングデザイン』と称して、デジタル領域の拡大と新しい事業領域の開発に取り組んでまいりました。次年度(2026年3月期)以降につきましても、この基本概念を踏襲し、地域に密着した広告会社としての強みを活かしながら、データやAIなどを活用したコンサルティング型ソリューションの拡充と、人材・組織の強化を進め、次世代デジタル技術を活用したマーケティングデザイン企業へと進化し、地域社会とともに未来を創造できる地元企業の成長を支えるパートナーを目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの外注費を除く諸費用は変動が少なく固定的であるため、当社グループにおきましては、売上総利益の確保が営業利益および経常利益の獲得に大きく影響するという事業特性があります。従いまして、営業の成果である売上高と連動した収益性の指標として、売上総利益および売上総利益率(=売上総利益/総売上高)を重要な経営指標とし、日々の行動管理・業績管理・人事評価等に連動させ、目標の達成に向けて取り組んでおります。 ※総売上高は、当社グループの営業活動によって得た販売額の総額であります。『収益認識に関する会計基準』に準拠した指標ではありませんが、投資者が当社グループの事業規模を判断するうえで重要な指標であると認識し、従前の企業会計原則に基づき算出し、参考情報として開示しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題(1)および(2)に記載の、経営方針および経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の経営課題は以下のとおりであります。 〔広告事業〕① 次世代デジタル技術を活用した付加価値提案力の向上 広告業界は、コロナ禍を経て急速に進むデジタル化の中で、新たな挑戦に直面しています。社会のデジタル化とメディアの多様化により情報量が増大し、生活者は自らの欲しい情報を選択するようになりました。また、広告を効果的に届けるためには、生活者の価値観を理解することも不可欠です。企業のコミュニケーション活動には新たな発想が求められ、広告の領域も多方面に拡大しています。今後、ますますスマートフォン利用の拡大とインターネット利用者数の増加に伴い、インターネット広告の需要が増加するとともに、動画ストリーミングサービスの需要や広告クリエイティブのAI化が進むとともに、SNSを起点としたコミュニケーション活動が重要性を増してくると予想されます。当社グループは、このような社会全体、業界全体の変化に対応すべく、地域に密着した広告会社としての強みを活かしながら、データやAIなどを活用したコンサルティング型ソリューションの拡充を図り、お客さまにとって付加価値の高い提案活動を実践することによって、次世代デジタル技術を活用したマーケティングデザイン企業への進化を目指してまいります。 ② 地域資源を活用したプロモーション活動の展開 当社グループは、地域に密着した営業活動で培ったきめ細かな対応と、四国中国エリアに福岡、東京を加えた拠点ネットワーク、75年の実績に基づくノウハウによってお客さまの様々なニーズに応え、時代に即した提案活動によって、より質の高いコミュニケーション効果の創造に努めてまいりました。しかしながら、前述したような社会全体でデジタル化が急速に進展し、あらゆる面において大きな変化が見られている状況にあっては、急速な変化に対応したマーケティング戦略の立案が求められております。前述したように、社会のデジタル化を含めた変化の激しい経営環境を乗り越えていくためには、お客さまに提供できる価値(サービス)を拡充する必要があります。当社グループにおきましては、地域観光や食文化の振興を目指し、四国内の大型スポーツイベントのサポートを通じた自治体や企業との連携強化、地元企業や自治体との協力による地域の観光振興、文化振興、商業活性化を視野に入れた実践的なプロジェクトの構想を進めるなど、地域資源の活用を促進した取り組みをとおして地方創生に貢献しながら、収益の改善にも取り組んでまいります。 ③ コミュニケーションビジネスと親和性の高い新規事業への取り組みの推進 当社グループの営むコミュニケーションビジネスの領域では、効果的なコミュニケーション活動は、ブランドの認知度を高め、信頼を築くのに役立ち、顧客との良好なコミュニケーションは、長期的な関係を築き、顧客満足度を向上させるものとなります。当社グループは、コミュニケーションビジネスをとおして、お客さまの製品やサービスのほかブランドイメージなどを生活者に効果的に伝えるための戦略を提供しており、お客さまのニーズや期待を的確に把握し、それに基づいたコミュニケーション戦略を構築してまいりました。また、当社グループの持つ創造的なアイデアを生み出す力は、様々なビジネスにおいて新しい価値を提供するための原動力となり、市場での競争力を高める他社との差別化を図るものとなります。当社グループにおきましては、コミュニケーションビジネスの遂行により得られた強みを活かし、商業空間やオフィス空間における快適で魅力的な空間づくりによる生活者満足度の向上や生産性の向上に繋がる空間プロデュースに取り組むほか、地域商社機能と連携した製品開発から販売促進までの一貫したサポート体制の実現など、コミュニケーションビジネスと親和性の高い新規事業への取り組みを推進してまいります。 ④ 事業エリアの拡大 当社グループは、今後の事業拡大および収益力強化のための施策として、既存事業の拡大や新規事業への参入を目的とした事業エリアの拡大を選択肢のひとつとして、当社グループの重要な成長戦略と位置付けております。そのためには、当社グループと高いシナジー効果を有する企業や、地域創生の推進に寄与する企業等を対象として積極的に成長投資を推進していく方針であります。具体的には、当社グループのコア事業であるコミュニケーションサービス業を中心に、デジタル領域において優れた技術力を有する企業、特定の市場において顧客基盤や優秀な人材を有する企業、異業種であっても新たな収益機会の創出に資する企業等をターゲットとして、幅広く投資機会を検討してまいります。また、当社グループは、四国中国エリアに福岡・東京を加えた拠点ネットワークを有しておりますところ、さらなる事業エリアの拡大を図るため、2025年4月に設置したマーケティングデザイン推進局が中心となって、関東・関西圏を中心に、新規案件の開拓を推進するとともに、大手顧客との連携を強化してまいります。 ⑤ 人材への投資当社グループの競争力の源泉は人材であり、当社グループにとって最も重要な経営資源であります。お客様に満足いただけるコミュニケーションサービスを提供するためには、優秀な人材の確保と育成のほか、専門的な知識を持った人材の獲得も重要な経営課題であります。また、社員の「健康」や「働き方」も企業の業績や存続に関係する重要な経営課題であります。当社グループにおきましては、優秀な人員の確保と育成はもちろんのこと、多様な働き方の尊重や心身の健康に配慮した安全衛生について、引き続き取り組んでまいります。なお、詳細につきましては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本に関する戦略・指標目標」をご参照ください。 〔リテール事業〕① 強みを活かした多面的な取り組みの強化当社グループにおきましては、今後の事業拡大および収益力強化のための施策として、既存事業の拡大や新規事業への参入に取り組んでおり、四国の選りすぐりの逸品を販売するオンラインショップ『トモニ市場オンライン』の運営に努めるほか、徳島県および香川県の物産販売店舗『徳島・香川トモニ市場〜ふるさと物産館〜』の運営をとおして地域産品の販路拡大に取り組んでおります。こうした取り組みによって、地域産品メーカーの帳合をとれることが強みとなり、百貨店や大型量販店での展示販売に繋がっております。当社グループにおきましては、県外の物産展や催事へ出展するほか、既存商品の見直しによる商品開発や地域産品のブランディングと販路拡大を実施し、強みを活かした多面的な取り組みと確実な収益化に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、企業と生活者を結ぶ情報の橋渡し役として、社会生活の向上と文化の発展に貢献することを経営の基本方針としております。そして、この基本方針のもと、お客さまの課題を提案活動によって解決し、地域の皆様とともに豊かな文化を育て、社会をより楽しく、より美しく、より豊かにすることを目指しております。 (2) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略 2020年1月から2023年5月にかけてのコロナ禍を経て、社会のデジタル化は急速に加速し、メディアの多様化も相まって、社会全体の情報量が飛躍的に増加した結果、生活者が情報に接する機会の増加とともに情報選択の自由度も高まりました。企業はAIやクラウド技術を活用して業務効率を高め、医療分野では遠隔診療が普及し、政府は行政手続きをオンライン化することで国民の利便性を向上させています。日常生活でもスマートデバイスやキャッシュレス決済が普及し、生活がより便利になっています。特にスマートフォンの普及によって、オンラインの利用が常態化し、インターネットに接続されたデバイスの多様化とともに、さまざまなコンテンツの閲覧が可能になりました。2024年の国内広告業界の売上高は、人流活発化や好調なインバウンドなどを背景に5兆7,584億円、前年比101.6%となりました(特定サービス産業動態統計調査、経済産業省)。また、前述した社会のデジタル化を背景に、インターネット広告費は1兆5,817億円、前年比106.4%となり、依然として広告費全体の伸びを牽引する状況となりました。このような環境の中、各企業ともデジタル技術を活用したプロモーション活動への関心が高く、デジタルデータを積極的に活用したマーケティング手法やデジタル戦略へのシフトを進めております。また、同時に、企業のコミュニケーション領域につきましても、従来のメディア以外に、ECサイトやSNS、動画配信サイトのほかリクルートやサステナビリティなど多方面に拡大しており、こうした変化の中で、企業のコミュニケーション活動には従来とは異なる発想が必要とされております。当社グループはこれまで、お客さまの経営課題の解決に繋がる戦略を設計し、共に実践するパートナーになることを今後の在り方と定義し、これを『マーケティングデザイン』と称して、デジタル領域の拡大と新しい事業領域の開発に取り組んでまいりました。次年度(2026年3月期)以降につきましても、この基本概念を踏襲し、地域に密着した広告会社としての強みを活かしながら、データやAIなどを活用したコンサルティング型ソリューションの拡充と、人材・組織の強化を進め、次世代デジタル技術を活用したマーケティングデザイン企業へと進化し、地域社会とともに未来を創造できる地元企業の成長を支えるパートナーを目指してまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの外注費を除く諸費用は変動が少なく固定的であるため、当社グループにおきましては、売上総利益の確保が営業利益および経常利益の獲得に大きく影響するという事業特性があります。従いまして、営業の成果である売上高と連動した収益性の指標として、売上総利益および売上総利益率(=売上総利益/総売上高)を重要な経営指標とし、日々の行動管理・業績管理・人事評価等に連動させ、目標の達成に向けて取り組んでおります。 ※総売上高は、当社グループの営業活動によって得た販売額の総額であります。『収益認識に関する会計基準』に準拠した指標ではありませんが、投資者が当社グループの事業規模を判断するうえで重要な指標であると認識し、従前の企業会計原則に基づき算出し、参考情報として開示しております。 (4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題(1)および(2)に記載の、経営方針および経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の経営課題は以下のとおりであります。 〔広告事業〕① 次世代デジタル技術を活用した付加価値提案力の向上 広告業界は、コロナ禍を経て急速に進むデジタル化の中で、新たな挑戦に直面しています。社会のデジタル化とメディアの多様化により情報量が増大し、生活者は自らの欲しい情報を選択するようになりました。また、広告を効果的に届けるためには、生活者の価値観を理解することも不可欠です。企業のコミュニケーション活動には新たな発想が求められ、広告の領域も多方面に拡大しています。今後、ますますスマートフォン利用の拡大とインターネット利用者数の増加に伴い、インターネット広告の需要が増加するとともに、動画ストリーミングサービスの需要や広告クリエイティブのAI化が進むとともに、SNSを起点としたコミュニケーション活動が重要性を増してくると予想されます。当社グループは、このような社会全体、業界全体の変化に対応すべく、地域に密着した広告会社としての強みを活かしながら、データやAIなどを活用したコンサルティング型ソリューションの拡充を図り、お客さまにとって付加価値の高い提案活動を実践することによって、次世代デジタル技術を活用したマーケティングデザイン企業への進化を目指してまいります。 ② 地域資源を活用したプロモーション活動の展開 当社グループは、地域に密着した営業活動で培ったきめ細かな対応と、四国中国エリアに福岡、東京を加えた拠点ネットワーク、75年の実績に基づくノウハウによってお客さまの様々なニーズに応え、時代に即した提案活動によって、より質の高いコミュニケーション効果の創造に努めてまいりました。しかしながら、前述したような社会全体でデジタル化が急速に進展し、あらゆる面において大きな変化が見られている状況にあっては、急速な変化に対応したマーケティング戦略の立案が求められております。前述したように、社会のデジタル化を含めた変化の激しい経営環境を乗り越えていくためには、お客さまに提供できる価値(サービス)を拡充する必要があります。当社グループにおきましては、地域観光や食文化の振興を目指し、四国内の大型スポーツイベントのサポートを通じた自治体や企業との連携強化、地元企業や自治体との協力による地域の観光振興、文化振興、商業活性化を視野に入れた実践的なプロジェクトの構想を進めるなど、地域資源の活用を促進した取り組みをとおして地方創生に貢献しながら、収益の改善にも取り組んでまいります。 ③ コミュニケーションビジネスと親和性の高い新規事業への取り組みの推進 当社グループの営むコミュニケーションビジネスの領域では、効果的なコミュニケーション活動は、ブランドの認知度を高め、信頼を築くのに役立ち、顧客との良好なコミュニケーションは、長期的な関係を築き、顧客満足度を向上させるものとなります。当社グループは、コミュニケーションビジネスをとおして、お客さまの製品やサービスのほかブランドイメージなどを生活者に効果的に伝えるための戦略を提供しており、お客さまのニーズや期待を的確に把握し、それに基づいたコミュニケーション戦略を構築してまいりました。また、当社グループの持つ創造的なアイデアを生み出す力は、様々なビジネスにおいて新しい価値を提供するための原動力となり、市場での競争力を高める他社との差別化を図るものとなります。当社グループにおきましては、コミュニケーションビジネスの遂行により得られた強みを活かし、商業空間やオフィス空間における快適で魅力的な空間づくりによる生活者満足度の向上や生産性の向上に繋がる空間プロデュースに取り組むほか、地域商社機能と連携した製品開発から販売促進までの一貫したサポート体制の実現など、コミュニケーションビジネスと親和性の高い新規事業への取り組みを推進してまいります。 ④ 事業エリアの拡大 当社グループは、今後の事業拡大および収益力強化のための施策として、既存事業の拡大や新規事業への参入を目的とした事業エリアの拡大を選択肢のひとつとして、当社グループの重要な成長戦略と位置付けております。そのためには、当社グループと高いシナジー効果を有する企業や、地域創生の推進に寄与する企業等を対象として積極的に成長投資を推進していく方針であります。具体的には、当社グループのコア事業であるコミュニケーションサービス業を中心に、デジタル領域において優れた技術力を有する企業、特定の市場において顧客基盤や優秀な人材を有する企業、異業種であっても新たな収益機会の創出に資する企業等をターゲットとして、幅広く投資機会を検討してまいります。また、当社グループは、四国中国エリアに福岡・東京を加えた拠点ネットワークを有しておりますところ、さらなる事業エリアの拡大を図るため、2025年4月に設置したマーケティングデザイン推進局が中心となって、関東・関西圏を中心に、新規案件の開拓を推進するとともに、大手顧客との連携を強化してまいります。 ⑤ 人材への投資当社グループの競争力の源泉は人材であり、当社グループにとって最も重要な経営資源であります。お客様に満足いただけるコミュニケーションサービスを提供するためには、優秀な人材の確保と育成のほか、専門的な知識を持った人材の獲得も重要な経営課題であります。また、社員の「健康」や「働き方」も企業の業績や存続に関係する重要な経営課題であります。当社グループにおきましては、優秀な人員の確保と育成はもちろんのこと、多様な働き方の尊重や心身の健康に配慮した安全衛生について、引き続き取り組んでまいります。なお、詳細につきましては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本に関する戦略・指標目標」をご参照ください。 〔リテール事業〕① 強みを活かした多面的な取り組みの強化当社グループにおきましては、今後の事業拡大および収益力強化のための施策として、既存事業の拡大や新規事業への参入に取り組んでおり、四国の選りすぐりの逸品を販売するオンラインショップ『トモニ市場オンライン』の運営に努めるほか、徳島県および香川県の物産販売店舗『徳島・香川トモニ市場〜ふるさと物産館〜』の運営をとおして地域産品の販路拡大に取り組んでおります。こうした取り組みによって、地域産品メーカーの帳合をとれることが強みとなり、百貨店や大型量販店での展示販売に繋がっております。当社グループにおきましては、県外の物産展や催事へ出展するほか、既存商品の見直しによる商品開発や地域産品のブランディングと販路拡大を実施し、強みを活かした多面的な取り組みと確実な収益化に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善などによって緩やかな回復基調となりましたが、原材料価格の高騰や物価上昇による個人消費への圧迫のほか、米国の政策動向など海外経済の下振れリスクもあり、景気の先行きにつきましては依然不透明な状況となりました。広告業界におきましては、人流活発化や好調なインバウンドなどを背景に広告需要が高まったほか、社会のデジタル化の進展によってインターネット広告が増加し、2024年の広告業の売上高は5兆7,584億円、前年比101.6%となりました(特定サービス産業動態統計調査、経済産業省)。当社グループ商勢圏におきましても、個人消費の持ち直しやインバウンド消費の活発化などから広告出稿量につきましては全体的に回復基調となりました。このような環境のもと、当社グループにおきましては、お客さまの経営課題の解決に繋がる戦略を設計し、共に実践するパートナーになることを『マーケティングデザイン』と称し、この基本概念のもとデジタル領域の拡大と新しい事業領域の開発に取り組んでまいりました。当社グループにおきましては、広告主からの受注内容の高度化・複雑化がありましたが、利益率向上に向けた営業活動を徹底した結果、収益は2,097百万円(前期比102.3%)、売上総利益は1,658百万円(前期比105.6%)となり、売上総利益率は0.2ポイントの改善となりました。また、提案活動の活発化に伴う営業活動費用と営業力・提案力強化を目的とした社内DX推進費用に加え、賃上げによる人件費の増加と譲渡制限付株式報酬の導入に伴う株式報酬費用のほか、新しい事業への挑戦として『共同・協業販路開拓支援補助事業』へ取り組んだ事業経費の計上があり、販売費及び一般管理費が1,648百万円(前期比107.5%)となった結果、営業利益は9百万円(前期比25.7%)となりましたが、営業外収益において、『共同・協業販路開拓支援補助事業』等に関する助成金収入が53百万円あり、経常利益は84百万円(前期比135.1%)となりました。なお、特別損失として固定資産の減損損失20百万円の計上があり、親会社株主に帰属する当期純利益は27百万円(前期は74百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 ○セグメント別の業績セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。(広告事業)広告事業におきましては、デジタル領域の拡大につきましては、リスティング広告やアフィリエイト広告、SEO対策などのほかTVerやYouTube、Instagramなどの利用者に向けた広告の受注もあってインターネット広告が順調に増加したほか、地元企業のWebプロモーションやWebサイトの構築、アプリの制作なども受注いたしました。そのほか、人流活発化やインバウンドを背景に、展示会・集客イベント・屋外広告を受注し、昨年10月の衆議院選挙関連やオフィスの改装工事なども受注いたしました。また、「サイクリングしまなみ2024」の開催もあって、当社グループの広告事業収益は2,046百万円(前期比104.5%)、セグメント利益は30百万円(前期比47.4%)となりました。 (ヘルスケア事業)ヘルスケア事業におきましては、2024年3月末をもって事業を廃止したこともあって、収益は無く、セグメント損失は1百万円(前期は3百万円のセグメント損失)となりました。 (リテール事業)リテール事業におきましては、徳島県および香川県の物産販売店舗『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』の運営をとおして地域産品の販路拡大に取り組んでまいりました。同店舗におきましては、購入者数も順調に増え安定した売上を確保することができ、物産展へ出展するほか、自主開催の催事などにも挑戦いたしました。こうした取り組みの結果、当社グループのリテール事業収益は55百万円(前期比87.6%)、セグメント損失は14百万円(前期は23百万円のセグメント損失)となりました。 ○生産実績および受注実績当社グループは、広範囲かつ多種多様にわたる広告業務サービスの提供を主たる事業としております。受注実績については、広告業務サービスの内容、構造、形式等が必ずしも一様でないため、その金額あるいは数量を記載しておりません。 ○販売実績当連結会計年度の販売実績(総売上高)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(百万円)前期比(%) 広告事業7,859104.3 テ レ ビ1,301103.7 ラ ジ オ150100.6 新   聞88091.7 雑   誌16694.3 セールスプロモーション1,131100.9 イ ベ ン ト1,17097.7 屋   外375154.3 インターネット/モバイル1,979115.4 制作・その他1,10196.3 セグメント内の内部売上高△39792.5 リテール事業111177.6 調整額△2― グループ合計7,968104.5 広告事業におきましては、人流活発化やインバウンドを背景に、展示会・集客イベント・屋外広告を受注し、昨年10月の衆議院選挙関連やオフィスの改装工事なども受注いたしました。また、「サイクリングしまなみ2024」の開催もあって、販売額は前年を上回る水準となりました。リテール事業につきましては、徳島県および香川県の物産販売店舗『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』における購入者数の安定から販売額は堅調となりました。 (2) 財政状態の状況当連結会計年度末における総資産は4,238百万円となり、前連結会計年度末に比べ152百万円の増加となりました。資産の部では、現金及び預金の増加と受取手形及び売掛金の増加を主な要因として、流動資産は前連結会計年度末に比べ159百万円増加し、2,216百万円となりました。また、減損処理による投資不動産の減少と2024年10月1日付で株式会社メディア・エーシーを連結子会社としたことによる固定資産の増加とのれんの計上を主な要因として、固定資産は前連結会計年度末に比べ6百万円減少し、2,021百万円となりました。負債の部では、支払手形及び買掛金の減少のほか、短期借入金の増加と1年以内に返済予定である長期借入金および1年以内に償還予定である社債の固定項目からの振替えを主な要因として、流動負債は前連結会計年度末に比べ176百万円増加し、1,742百万円となりました。また、長期借入金の返済のほか1年以内に返済予定である長期借入金の流動項目への振替えを主な要因として、固定負債は前連結会計年度末に比べ131百万円減少し、457百万円となりました。純資産の部は、前連結会計年度末に比べ107百万円増加し、2,037百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上と期末配当金の支払い、および、2025年1月6日に発行した新株予約権の権利行使による自己株式の処分によるものであります。 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ135百万円増加し、677百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は52百万円(前連結会計年度は使用した資金50百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益65百万円、減損損失20百万円、仕入債務の減少額69百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は10百万円(前連結会計年度は使用した資金5百万円)となりました。これは主に新規連結子会社の取得による支出44百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、得られた資金は93百万円(前連結会計年度は使用した資金178百万円)となりました。これは主に自己株式の処分による収入80百万円、社債の発行による収入100百万円および配当金の支払25百万円によるものであります。 (4) 資本の財源および資金の流動性についての分析当社グループの資金需要のうち主なものは、営業取引上の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用のほか、保有資産の修繕費用、M&A資金等であります。当社グループは、毎月の資金繰り計画に基づき、経常的運転資金については短期的な銀行借入により、設備投資や企業買収資金などの経営戦略的事業資金については、原則、長期的な銀行借入によって資金調達することを基本としております。 (5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容○経営成績の分析当連結会計年度における当社グループの経営成績は、収益2,097百万円(前期比102.3%)、営業利益9百万円(前期比25.7%)、経常利益84百万円(前期比135.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益27百万円(前期は74百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。当社グループの経営成績につきましては、外注費を除く諸費用については変動が少ないため、総売上高(※1)の増減が獲得する売上総利益の額に影響し、売上総利益の獲得状況が営業利益、経常利益の獲得に影響してまいりますが、当連結会計年度におきましては、新規事業に関する費用を販売費及び一般管理費に計上したことと、この事業経費に関する助成金の収入が利益の獲得に影響いたしました。広告業界におきましては、人流活発化や好調なインバウンドなどを背景に広告需要が高まったほか、社会のデジタル化の進展によってインターネット広告が増加し、2024年の広告業の売上高は5兆7,584億円、前年比101.6%となり(特定サービス産業動態統計調査、経済産業省)、当社グループ商勢圏におきましても、個人消費の持ち直しやインバウンド消費の活発化などから広告出稿量につきましては全体的に回復基調となりました。このような環境のもと、当社グループにおきましては、お客さまの経営課題の解決に繋がる戦略を設計し、共に実践するパートナーになることを『マーケティングデザイン』と称し、この基本概念のもとデジタル領域の拡大と新しい事業領域の開発に取り組んでまいりました。デジタル領域の拡大につきましては、リスティング広告やアフィリエイト広告、SEO対策などのほかTVerやYouTube、Instagramなどの利用者に向けた広告の受注もあってインターネット広告が順調に増加したほか、地元企業のWebプロモーションやWebサイトの構築、アプリの制作なども受注いたしました。また、新しい事業領域への取り組みとして運営している『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』につきましても、安定した売上を確保いたしました。そのほか、人流活発化やインバウンドを背景に、展示会・集客イベント・屋外広告を受注し、昨年10月の衆議院選挙関連やオフィスの改装工事なども受注いたしました。また、「サイクリングしまなみ2024」の開催もあって、当社グループの総売上高は前年を上回る水準の7,968百万円(前期比104.5%)となりました。収益面につきましては、広告主からの受注内容の高度化・複雑化がありましたが、利益率向上に向けた営業活動を徹底した結果、収益は2,097百万円(前期比102.3%)、売上総利益は1,658百万円(前期比105.6%)となり、売上総利益率は0.2ポイントの改善となりました。また、提案活動の活発化に伴う営業活動費用と営業力・提案力強化を目的とした社内DX推進費用に加え、賃上げによる人件費の増加と譲渡制限付株式報酬の導入に伴う株式報酬費用のほか、新しい事業への挑戦として『共同・協業販路開拓支援補助事業』へ取り組んだ事業経費の計上があり、販売費及び一般管理費が1,648百万円(前期比107.5%)となった結果、営業利益は9百万円(前期比25.7%)と前年を下回る水準となりましたが、営業外収益において、『共同・協業販路開拓支援補助事業』等に関する助成金収入が53百万円あり、経常利益は84百万円(前期比135.1%)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、固定資産の減損損失20百万円の計上から27百万円となりましたが、前年を上回る水準(前期は74百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 (※1)総売上高は、当社グループの営業活動によって得た販売額の総額であります。『収益認識に関する会計基準』に準拠した指標ではありませんが、投資者が当社グループの事業規模を判断するうえで重要な指標であると認識し、従前の企業会計原則に基づき算出し、参考情報として開示しております。(※2)売上総利益率=売上総利益/総売上高 ○財政状態およびキャッシュ・フローの分析当連結会計期間末における総資産は4,238百万円となり、前連結会計年度末に比べ152百万円の増加となりました。当社グループにおきましては、多額の設備投資を必要とする業種ではないため、前述したように総売上高の増減が利益獲得額に影響するとともに、財政状態につきましては、売上のほか仕入を含めた営業取引量の増減が売掛債権および仕入債務の増減等に繋がり、財政状態へ影響を与えることになります。当連結会計年度末におきましては、税金等調整前当期純利益が65百万円となったことと、大型イベント案件の売掛金回収が当連結会計年度末にあったことから受取手形及び売掛金の増加が4百万円に留まったこと、仕入債務の減少が51百万円となったこと、ならびに、前述した固定資産の減損損失の計上20百万円から、営業活動によって得得られた資金は52百万円となり、営業活動によるキャッシュ・フローは改善いたしました。当連結会計年度におきましては、当社グループ所有の投資不動産の賃貸による収益等がありましたが、昨年10月に新たな子会社として株式会社メディア・エーシーを取得したことによる支出が44百万円となり、当連結会計年度末における投資活動により使用した資金は10百万円となりました。また、当該子会社の取得に伴う固定資産の増加とのれんの計上のほか、前述した固定資産の減損損失から、固定資産は前連結会計年度末に比べ6百万円減少し、2,021百万円となりました。また、当連結会計年度におきましては、前述の子会社の取得に伴い社債を100百万円発行したことと、昨年12月19日開催の取締役会決議に基づき発行した新株予約権の権利行使による自己株式の処分による収入が80百万円あったため、財務活動により得られた資金は93百万円となり、新株予約権の権利行使によって純資産が107百万円増加しております。以上の活動を主な要因として、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ135百万円増加し、677百万円となりました。当社グループにおきましては、このように経営成績の成果としての総売上高および利益の獲得額が当社グループの財政状態ならびにキャッシュ・フローへ影響し、その度合いも高いため、経営方針と経営戦略の実現を目指し、前述した経営課題に取り組んでまいります。なお、当社グループにおきましては、手元現預金に加え、借入枠の利用が可能であり、当面の資金繰りに関して懸念事項はありません。

事業リスク

  • 景気変動と季節性
    広告主の広告費は景気動向や企業業績に左右されるため、国内経済の低迷はグループの業績に影響を及ぼす可能性があります。特に、年末商戦や年度末の広告需要が高い第3四半期以降の受注が予測と乖離した場合、財政状態や経営成績に悪影響が出るリスクがあります。
  • 競合激化と市場変化
    広告制作技術の進展やインターネット広告の台頭により、印刷会社やイベント会社、インターネット専門企業など、競合が多様化・激化しています。既存メディアの広告需要低下や、競争激化による受注確保の困難さが、グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 取引先との関係性
    マスコミ四媒体への広告売上が約3割を占めるため、媒体社との良好な取引関係の維持が重要です。また、専門性の高い業務を外部協力会社に委託するケースも多く、これらの取引関係に変化が生じた場合、事業遂行能力や財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|5,215 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 〔広告事業に関するリスクについて〕① 市場環境の変動と経営成績の季節的変動について広告主は、経済動向や自社の企業業績に応じて広告費を増減する傾向にあるため、当社グループの業績は国内の景気動向全般に大きく影響を受ける傾向にあります。そのため、国内経済が低迷し、さらに深刻化した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループは、四国中国九州エリアを中心として地域に密着した事業を展開しているため、これら地域の個人消費や景気が低迷したり、異常気象および大規模な震災、感染症の拡大等により経済情勢が悪化した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループにおきましては、特定の業種・業態の顧客に依存しておらず、かつ、顧客も多分に分散されているため、売上高および仕入高を差し引いた売上総利益におきましては大きな変動はありません。しかしながら、10月から12月にかけての第3四半期にみられる年末商戦に合わせた広告需要や1月の年始広告需要等におきましては利益率の高い案件が多く、3月決算会社の年度末の広告活動や官公庁受託案件の収益計上などが3月の年度末にかけて重なるため、当社グループの経営成績につきましては年後半のウェイトが高い特徴があります。当社グループにおきましては、毎月開催する経営会議の場におきまして、当社および子会社の今後3ヶ月の受注予測を確認するほか、週単位での進捗状況の把握につとめ、以降の対策に繋げておりますが、前述した景気の低迷や経済情勢が悪化し、特に、第3四半期以降の受注予測との乖離が生じた場合には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループにおきましては、前述した業績管理のほかに、新規開拓に貢献した社員や斬新な企画提案を実行した社員に対する表彰制度を設け、毎年業績貢献賞として表彰し、従業員のモチベーションの維持を図り、市場環境や経営成績の季節的変動に関するリスクの低減に努めております。 ② 市場環境の変化による競合激化について当社グループの各事業エリアにおきましては、従来から地元有力広告会社や大手広告会社の地方拠点と競合状態にあります。また、広告制作技術の進展や広告代理店を通さない広告ビジネスの在り方の変化によって、広告ビジネスへの参入障壁が低下し、印刷会社やイベント会社など広告会社以外との競合も見られるようになりました。さらに、インターネットを中心とする新たなメディアを通じたコミュニケーション手段が発達したことにより、当社グループにおきましても年々インターネット広告の扱い高が増加しており、インターネットを専門に扱う企業との新たな競合も発生してまいりました。インターネットを活用した情報発信手段の多様化は、メディア環境の変化と、各企業のマーケティングコミュニケーション戦略の変化をもたらし、広告主の広告費投下に対する慎重な姿勢として広告会社に対する要望の多様化に繋がりました。当社グループにおきましては、お客さまの経営課題の解決に繋がる戦略を設計し、共に実践するパートナーになることを今後のグループの在り方と定義し、これを『マーケティングデザイン』と称して、デジタル領域の拡大と新しい事業領域の開発に取り組んでまいりました。引き続き、この基本概念を踏襲し、地域に密着した広告会社としての強みを活かしながら、データやAIなどを活用したコンサルティング型ソリューションの拡充と、人材・組織の強化を進め、次世代デジタル技術を活用したマーケティングデザイン企業へと進化し、地域社会とともに未来を創造できる地元企業の成長を支えるパートナーを目指しており、①次世代デジタル技術を活用した付加価値提案力の向上、②地域資源を活用したプロモーション活動の展開、③コミュニケーションビジネスと親和性の高い新規事業への取り組みの推進、④事業エリアの拡大、⑤人材への投資、に取り組み、提供するサービスの充実、ならびに、地元企業としての特性を活かした営業活動や提案力の強化によって、競争力の維持および強化を図っておりますが、前述の競合激化によって広告の受注を確保できない状況が続いた場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループにおきましては、インターネットを活用した広告活動を取り扱う子会社や他社との業務提携、ウェブ解析士の認定取得、ウェブ広告運用セミナーの開催、AI研修の受講などをとおしてインターネット広告や次世代デジタルメディアの取扱いにも注力しておりますが、今後、こうした新しいメディアの発展によって既存メディアを活用した広告需要が低下した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 取引先との関係について当社グループの販売先につきましては、拠点ごとに業種や広告手法等に一定の傾向はあるものの、特定の顧客に対する依存関係はありません。また、当社グループと広告主との間には、長年のお付き合いによる継続的かつ安定的な取引関係が成立していると考えております。当社グループにおきましては、地域市場環境の変動や広告主との関係変化による影響を軽減するために、新規広告主の獲得を含め多業種にわたる顧客基盤の構築を図っておりますが、これらの対応が不十分な場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループにおきましては、マスコミ四媒体の広告売上高が約3割を占めており、今後ともマス媒体広告の販売を行う方針であります。当社グループにおきましては仕入先である媒体社との良好な取引関係維持に努めておりますが、媒体社との取引関係に変化が生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、広告の企画や制作、広報活動、市場調査等において、業務を外部の協力会社に委託する場合があり、インターネット広告における広告効果測定などは高い専門的技術を要するため、そのほとんどを外部に委託しております。当社グループは、外部協力会社の情報や取引内容を事前に確認し良質な協力会社の選定をとおして委託業務遂行能力が高い優秀な協力会社との取引関係維持に努めておりますが、協力会社との取引関係に変化が生じ、当社グループが的確に対応できなかった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 〔リテール事業に関するリスクについて〕① 競合について当社グループは、新しい事業領域の開発として地域商社ビジネスに取り組んでおり、通信販売事業としてオンラインショップ『トモニ市場オンライン』の運営等に努めるほか、店舗販売事業として徳島県および香川県の物産販売店舗『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』の運営をとおして地域産品の販路拡大に取り組んでおります。通信販売事業におきましては多数の競合会社が存在しており、また、店舗販売事業におきましても地方の産出する特産品などを販売する各物産館が多く店舗を構え、特に東京エリアにおいては競合店舗が数多く存在しております。当社グループにおきましては、特色ある産品のセレクトや販売手法の工夫により商品点数や購入者数の増加に努め、販売する商品の差別化を図っておりますが、既存事業者や新規参入事業者を含めた競争が激化するほか、生活者の嗜好変化が生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 商品に関する損害賠償について当社グループは、新しい事業領域の開拓として地域商社ビジネスに取り組んでおり、その事業特性から他社の地域産品を数多く取り扱うとともに、当社グループが直接製造する製品も一部取り扱っております。当社グループにおきましては、取り扱う商品の品質については十分留意し、また、製造物責任賠償についても保険に加入し事業を遂行しておりますが、何らかの理由により予想外のリコールや製造物責任賠償につながるような問題が生じ、保険が最終的に負担する賠償額を充分にカバーできない場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 〔その他のリスクについて〕① 人材の確保および育成について当社グループの中心となるコミュニケーションビジネスは「物」としての特定の商品を販売しておらず、コミュニケーション効果の創造、すなわち顧客の課題解決につながる広告活動(コミュニケーション活動)という付加価値を販売しているため、当社グループの成長性および競争上の優位性の持続的な確保は、優秀な人材の獲得に大きく依存すると考えております。また、インターネットやモバイルなどの普及により、専門的知識を有する人材の確保が急務となっております。当社グループにおきましては、定期採用や即戦力となる中途採用の推進によって優秀な人材の獲得を図るほか、課題解決型営業力向上研修といった当社グループ戦略に沿った研修の開催や、若手営業及び企画社員スキルアップ研修の実施などによる人材育成に努めておりますが、何らかの理由により優秀な人材が流出するなどの事態が生じた場合、当社グループの競争力が低下し、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 法的規制等について広告業に関連する法的規制として、景品表示法、屋外広告物法、著作権法、商標法、不正競争防止法、薬事法等があり、そのほかに、広告主や広告業者などの広告団体が定める自主規制があります。また、広告業そのものには業法規制はないものの、付随する業務に関して、建設業法、警備業法、労働者派遣法、下請代金支払遅延等防止法、個人情報保護法などの法的規制の適用を受けております。その他、通信販売事業としてオンラインショップ『トモニ市場オンライン』の運営のほか、店舗販売事業として徳島県および香川県の物産販売店舗『徳島・香川トモニ市場~ふるさと物産館~』の運営に取り組んでおりますが、当該事業は特定商取引に関する法律や製造物責任法の法的規制の適用を受けております。当社グループにおきましては、個人情報の管理をはじめ、各種法改正については十分な注意を払い適切な対策を講じておりますが、各種法令の強化や解釈の変化に対して適切に対応できなかった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの扱うサービスには、インターネット広告がありますが、昨今、プライバシー保護の観点から、企業が取得した個人データの利用に関してポリシーの策定などが要求されております。当社グループにおきましては、インターネット広告を専門に扱う拠点のホームページ上にプライバシーポリシーを掲載するなど対応を図っておりますが、個人データの取得や利用に関して規制が強化された場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 事故の発生について当社グループは、屋上看板や広告塔の設置などの屋外広告のほかに、イベントや式典の企画・運営・会場設営等を受注しております。これらの業務の実施にあたっては、警備業や一般建設業等に関し公的認可を受け、安全性の確保に充分配慮したうえで業務に取り組んでおりますが、不測の事故等が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 訴訟等について当社グループと媒体社との広告取引は、広告主からの受注に基づきますが、広告主の倒産等により広告料金を回収できない場合には、広告会社は媒体社および制作会社に対して媒体料金および制作費の支払債務を負担することになります。また、広告業界におきましては、広告内容の変更に柔軟に対処するため、慣行上、文書による契約がなじまない場合があります。現在、当社グループにおいて、これら営業取引上の訴訟・紛争は生じておりませんが、広告業界の取引慣行が認められず、今後何らかの要因によって当社グループが関係する訴訟・紛争等が発生した場合、広告主からの信頼の低下や損害賠償請求等により当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

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