研究開発活動(本文)
FY2025|4,557 文字
6 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は2,451百万円(主に建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。 商品開発部においては、「環境」「防災」「ライフスタイル」をはじめ「少子高齢化」など社会的課題も軸にした「新しい価値」を創造する賃貸住宅のラインナップを充実させるため、上半期7タイプ(7商品)、下半期9タイプ(5商品)の計16タイプ(12商品)を新たに開発いたしましたので、その一部をご紹介いたします。「環境」に配慮した商品『フォルターブⅢ』は、コンクリートに匹敵する強度を持つ木質系材料「CLT」を採用した3階建商品で、当社オリジナルのCLTパネル工法により中層建築物を可能とした環境配慮型の商品です。標準でZEHオリエンテッド基準に対応し、太陽光パネルや建物の高断熱化によりZEHにも対応しており、構造体と合わせまして脱炭素社会の実現に大きく貢献ができる商品です。また、鉄筋コンクリート造でもZEHオリエンテッドに対応した4階建商品『リグノZEH』も開発しております。「防災」「少子高齢化」に配慮した『シエルクラス』は1階住戸を2LDKとすることで、子育て世帯や高齢者世帯といった幅広い世代へ床段差の少ない日常生活や、災害時の避難のしやすさを考慮した長屋形式の商品です。2階を単身者・カップル向けの1LDKとした新しい住戸構成とすることで特許も出願中です。また国土交通省の「子育て支援型共同住宅事業」に対応した商品『こそだてニューライズ』をはじめ、有料老人ホーム『ソエルガーデン』や障がい者グループホーム『パートナーガーデン』といった商品も拡充することで、多様な入居者様に対応し、安心して暮らせる住まいを開発するとともに、社会課題解決に関与して参ります。「ライフスタイル」に配慮した『ニューライズアドヴァンス』は、リビングにデスク付きの「多用途ライブラリー」を設けるなど家族の集まる暮らしを考えた新しい住まいです。また都市部向け3階建て長屋商品『ニューデフィⅢ』は、忙しいシングル層向けに最近の部屋干ニーズを反映した「サンルーム」を1階住戸に採用するなど、ライフスタイルニーズを取り入れた商品です。その他にもシングル・カップル向けの『ニューデフィ』など社会環境変化や多様な市場・入居者様ニーズを取り入れた商品ラインナップを取りそろえ、地域に根付く賃貸住宅を供給して参ります。デジタル技術を活用したDX戦略の1つとしてBIMの研究開発も継続して進めております。BIMによる商品開発により営業・工事・管理までグループ全体で活用し、総合賃貸業の強化を図っていきます。 技術開発部においては、持続可能な社会、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、継続した賃貸集合住宅の省エネルギー化を推進しており、地域特性に合わせたZEH賃貸住宅の開発に取り組みました。北海道エリアにおいては、積雪量やガスの種類に関わらずZEH基準を満たすパネルヒーター仕様の開発を行いました。また関西電力エリアにおいては、電力単価の影響を受けないよう、低圧一括受電ではなく各戸受電方式を採用したZEH賃貸住宅の開発を完了し、運用を開始致しました。更なる販売エリアの拡大のために塩害の影響を受けやすいエリア向けに塩害対応パワーコンディショナー仕様の開発にも取り組みました。さらに、現在運用している2×4工法、鉄骨造のZEH賃貸住宅に加え、鉄筋コンクリート造と2×4戸建のZEH賃貸住宅の開発も完了し、主な構造タイプにおいて、ZEH標準仕様での賃貸住宅商品の提供が可能となりました。また、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)基準を満たす賃貸集合住宅(以下LCCM賃貸住宅)においても、2023年度に引き続き、2024年度も国土交通省所管の補助金事業(サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)LCCM低層共同住宅部門)の採択を受けました。本補助事業の採択を受けたのは3年連続して当社だけとなります。今後もZEH賃貸住宅並びにLCCM賃貸住宅等の普及促進を目指し、新仕様の開発に取り組んで参ります。脱炭素社会への実現に向けた取り組みとして、国産木材の更なる有効活用を推進するために、2019年にリリースしたCLTパネルを採用した商品『フォルターブ(4階建て耐火木造)』に加え、新たに木の現しを室内外に設けて木を身近に感じられる商品『フォルターブⅢ(3階建て準耐火木造)』の販売を2024年5月に開始致しました。なお『フォルターブ』・『フォルターブⅢ』ともにZEH-Oriented基準を標準仕様としており、ZEH-Ready基準以上を達成させるため、太陽光発電設備を搭載しても建物意匠性を大きく変更する必要が無い新屋根仕様を開発し2024年10月から運用を開始しました。炭素を固定化するCLTパネルと再生可能エネルギーを創出する太陽光発電設備の相乗効果によりカーボンニュートラル社会の実現に向けて販売促進を図って参ります。また更なる国産木材の有効活用と2×4構造材のBCP対策として群馬県並びに鹿児島県での国産スギ材の活用拡大を行いました。オーナー様の事業性向上、入居者様の利便性・セキュリティの向上、当社グループ会社の管理業務削減を目的とし、大東建託オリジナルスマートロック(以下スマートDKロック)の開発を行い、2024年10月から全国運用を開始致しました。スマートDKロックはオートロック機能を標準で実装し、戸別玄関鍵の「DKロック」、エントランス集合玄関機の「DKエントランス」、通用口の「DKゲート」にて構成されます。現行の当社戸別玄関鍵はシリンダー錠仕様ですが、「DKロック」は入居者様のスマートフォンや交通系ICカード等で解錠が可能な仕様となっており、「DKエントランス」も同様にスマートフォンや交通系ICカードなどで解錠が可能な仕様、「DKゲート」は「DKロック」・「DKエントランス」と同じ交通系ICカードで解錠ができる仕様となっております。今後も入居者様のライフスタイルの変化に対応できる仕様の開発を継続して参ります。オーナー様提案力向上並びに資材安定調達を目的として、2024年10月からお施主様への外壁ご提案資料をメーカー作成から外壁パースセンターに一元化致しました。今後は更なる業務効率化とオーナー様により良いご提案が出来るシステム開発を進めて参ります。現場省力化の取り組みとして、2×4工法において、軒の出が短い従来仕様に比べて2つの工程を削減できる「軒ゼロ金物」を開発致しました。また、従来では軒天材と下貼りが必要だった告示仕様を、準耐火45分の性能を持つ「軒天材一枚貼り仕様」に簡略化し、大臣認定を取得しました。さらに、従来の遮音性能を維持しながら資材を軽量化した「直階段」も開発し、運用を開始しています。今後も引き続き、現場の省力化を図るための資材開発を進めて参ります。構造開発分野における取り組みとして、2×4工法における「国産材の利活用」、「現場の省力化向上」、「スケルトンインフィル空間の実現」を目的に林野庁補助事業「令和6年度 都市木造建築技術実証事業」に採択された「2×4材を利用した重ね床根太」および「自社実験棟新築工事の建築実証」を継続しています。このプロジェクトでは、住宅だけでなく、木材利用がこれまで少なかった非住宅建築物や中高層建築物にも木材の使用を促進し、建築物全体における木材の利用割合を向上させることを目指し、炭素の貯蔵能力を高めつつ、二酸化炭素の排出削減を通じて脱炭素社会の実現に貢献します。また、都市や地域における快適な生活空間の形成や地域経済の活性化にも大きく寄与することを目指しています。 環境分野における取り組みとして、「省エネルギー住宅のCO2排出削減量」をクレジット化する方法論を2021年1月に日本で初めてJクレジット制度に登録し、2023年度は498tを創出しました。2024年度においても昨年同様に「いい部屋ネットレディス2024(ゴルフ大会)」、「大東建託オープン2024(テニス大会)」で発生するCO2排出量を算定し、カーボンオフセットを実施しました。また、2023年9月に2030年を見据えた次世代型賃貸住宅「ゼロカーボンハウス」が東京都青梅市に完成いたしました。ゼロカーボンハウスは、LCCM住宅に蓄電池として利用する「電気自動車」や昼間の太陽光電力でお湯を沸かす「おひさまエコキュート(オール電化)」、電力需給を自動管理する「EMS(エネルギーマネジメントシステム)」などを導入し、市場電力の調達をできるだけ避け、太陽光発電による創エネ電力で最大限自給自足する住宅です。自給自足率は約80%となり、それでも不足する電力は、木質バイオマス発電の再エネ電力を調達することで、再エネ100%(ゼロカーボン)を実現しています。その他の環境分野の取り組みとして、当社グループは2023年6月にサステナブルな世界の実現を目指すイニシアティブ、国連グローバル・コンパクト(以下UNGC)に署名しました。UNGCは、企業が人権、労働、環境保護、腐敗防止の4つの分野において、国際的な原則を遵守することを約束するものです。当社グループはこれに賛同し、持続可能な発展に貢献するためのさまざまな取り組みを進めてまいります。 また、RE100達成に向け兵庫県朝来市にある「大東バイオエナジー株式会社」は2024年4月より朝来バイオマス発電所の営業運転を開始しました。朝来バイオマス発電所で発電した電力は西日本エリアの自社グループ274拠点に再生可能エネルギーを供給することで、国内RE100達成率50%を達成する見込みとなっております。その他、2020年より、弊社品川本社ビルを使いながらZEB(ゼブ:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化に向けた改修工事を試験的にすすめ、2023年3月、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)のZEB認証を取得しました。当社も、2050年までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指しており、今回のZEB化改修計画により同ビルは、事務所用途部分で基準一次エネルギー消費量から40%以上、建物全体では20%以上削減することができます。国内でZEBの認証を取得した物件の内、10万m2超の既存ビル改修のZEB化は国内初の事例となります。改修工事は2025年度より、当社グループ使用フロアから開始し、順次全フロアに拡大いたします。本社ビルの運用を通じてエネルギー収支を引き続き検証するとともに、2050年ネットゼロ目標の着実な達成と脱炭素社会実現に貢献します。
FY2024|4,033 文字
6 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,820百万円(主に建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。 商品開発部においては、「環境」「防災」「ライフスタイル」の3つを軸にした「新しい価値」を創造する賃貸住宅のラインナップを充実させるため、上半期7商品、下半期6商品の計13商品を新たに開発しており、一部をご紹介いたします。「環境」に配慮した商品『ニューライズ』は、標準でZEHオリエンテッド基準に対応した商品です。太陽光パネルや建物の高断熱化、省エネ性能の高い設備のオプション設置により、ZEHからLCCM基準まで対応しており、企業活動を通じて脱炭素社会の実現に貢献ができる商品です。今期はファミリー向けの間取タイプや狭小間口の敷地にも計画対応出来る間取タイプを拡充し、環境貢献をさらに進めるべく、商品提案力を強化致しました。「防災」に配慮した『ぼ・く・ラボ賃貸』第3弾となる『ドーモ』はシングル向けの商品です。いつもの暮らしが災害時の「もしもに備える」をコンセプトに、アウトドア感覚を取り入れたインナーテラスや水害にも強い鉄骨らせん階段を採用しています。また災害の原因となる環境負荷に対し低減策としてZEHにも対応しています。「ライフスタイル」に配慮した50周年記念商品『ヴィジョン マイタグ』は、多摩美術大学との産学共同研究により、Z世代の視点を通して次世代の「ライフスタイル」を反映しており、第1号棟も完成致しました。住人同士が相互のコミュニケーションを暮らしの価値と感じ、その価値観が街とつながることで賃貸住宅が地域活性の場として貢献する新しい住まいです。また都市部向け商品『ニューデフィ』は、忙しいシングル層向けに最近の部屋干ニーズを反映した「サンルーム」を1・2階住戸ともに採用するなど、ライフスタイルニーズを取り入れた商品です。その他にも『ルタンウィル北海道』や『ニューライズ多雪』など全国の各地域環境にあわせた商品ラインナップを取りそろえ、社会環境変化や多様な市場・入居者様ニーズに対応すると共に、「高齢化対策」として住宅型有料老人ホーム『ソエルガーデン』も開発するなど、幅広く取り組んでおります。デジタル技術を活用したDX戦略の1つとしてBIMの研究開発も継続して進めております。BIMによる商品開発により営業・工事・管理までグループ全体で活用し、総合賃貸業の強化を図っていきます。 技術開発部門においては、持続可能な社会、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、継続した賃貸集合住宅の省エネルギー化を推進しております。2023年度は、これまで一般、寒冷地域(省エネ基準地域区分での1~7地域)にて提案を行っておりました、木造のZEH基準(ZEH Oriented)を満たす賃貸集合住宅(以下ZEH賃貸集合住宅)について、沖縄仕様(省エネ基準地域区分8地域)の開発を完了させ、販売開始いたしました。本開発により全国においてZEH賃貸集合住宅の提案が可能になるとともに、鉄骨造の商品につきましてもZEH賃貸集合住宅での販売を新たに開始いたしました。また、太陽光発電設備を搭載したZEH賃貸集合住宅においても、京セラ株式会社と電力買取契約を締結し、FITによらない電力需給スキーム(非FIT)での販売を2023年4月より開始しており、販売エリア、販売対象商品の拡大を行い、再エネ賦課(ふか)金の電気料金への上乗せによる電力利用者の負担増加という社会的課題への取り組みを強化致しました。脱炭素社会への更なる実現に向け、成長過程で炭素を固定する木材を使用した木質材料、CLTパネルを採用した商品『フォルターブ(4階建て耐火木造)』に、新たに木の現しを室内外に設けて木を身近に感じられる商品『フォルターブⅢ(3階建て準耐火木造)』の販売を開始し、これらCLT商品においてもZEH-Oriented以上を達成する仕様の開発も完了しております。そして、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)基準を満たす賃貸集合住宅(以下LCCM賃貸集合住宅)についても、2022年度に引き続き、2023年度も国土交通省所管の補助金事業(サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)LCCM低層共同住宅部門)にて採択を受けました。本補助事業の採択を受けたのは2年連続して当社だけとなります。 現場職人不足という社会課題への対応として資材の軽量化を目的とし、建物屋根の下葺き材に従来のアスファルト素材の約1/4程度の重量となる樹脂素材のルーフィング材の導入を、一部地域から開始致しました。当社は、業界最高水準の技術力を目指し、オーナー様、入居者様、現場で施工する協力業者様を満足させる「資材・設備」、「機能性」、「意匠性」、「耐久性」、「施工性」等の研究・開発を行って参ります。構造開発分野における取り組みとして、工学院大学との産学連携による「CLTパネルを用いた水平構面のせん断試験に関する共同研究」を実施しました。この研究を通じて、CLTパネル工法と2×4工法を組み合わせた床版の設計が可能になり、CLTの持つ意匠性を活かした柔軟な設計を進めています。また、2×4工法の技術向上を目的として、林野庁補助事業「令和5年度 都市木造建築技術実証事業」を通じて、「2×4材を利用した重ね床根太」の開発研究を行い、その実用化に向けた取り組みを継続しています。さらに、弊社が重要課題として位置付けている「持続可能な木材の調達と活用」に関して、国産材のより広範な活用を目指し、2024年1月に岩手県で国産アカマツなどを使用した100%国産ランバー材を活用した2×4工法の賃貸住宅を建設しました。岩手県はアカマツの主要生産地でありながら、マツ枯れの問題が進行しており、未被害材の伐採・利用を通じて被害の拡大防止と資源の有効活用を進めています。この背景を踏まえ、2022年にけせんプレカット事業協同組合、国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所、岩手県林業技術センターと協力し、アカマツの強度試験を実施しました。その結果を基に、弊社初の国産材100%の2×4工法賃貸住宅が実現しました。木材を多く利用する弊社にとって、世界情勢に左右されない安定供給が可能な国産材の活用は不可欠です。弊社は引き続き国産材の導入研究を継続し、地域の林業振興及び地域創生に貢献していきます。環境分野における取り組みとして、「省エネルギー住宅のCO2排出削減量」をクレジット化する方法論を2021年1月に日本で初めてJクレジット制度に登録し、2023年度は498tを創出しました。創出したクレジットは「いい部屋ネットレディス2023(ゴルフ大会)」、「大東建託オープン2023(テニス大会)」で発生するCO2排出量を算定し、カーボンオフセットを実施しました。また、2023年9月に2030年を見据えた次世代型賃貸住宅「ゼロカーボンハウス」が東京都青梅市に完成いたしました。ゼロカーボンハウスは、LCCM住宅に蓄電池として利用する「電気自動車」や昼間の太陽光電力でお湯を沸かす「おひさまエコキュート(オール電化)」、電力需給を自動管理する「EMS(エネルギーマネジメントシステム)」などを導入し、市場電力の調達をできるだけ避け、太陽光発電による創エネ電力で最大限自給自足する住宅です。自給自足率は約80%となり、それでも不足する電力は、木質バイオマス発電の再エネ電力を調達することで、再エネ100%(ゼロカーボン)を実現しています。その他の環境分野の取り組みとして、当社グループは2023年6月にサステナブルな世界の実現を目指すイニシアティブ、国連グローバル・コンパクト(以下UNGC)に署名しました。UNGCは、企業が人権、労働、環境保護、腐敗防止の4つの分野において、国際的な原則を遵守することを約束するものです。当社グループはこれに賛同し、持続可能な発展に貢献するためのさまざまな取り組みを進めてまいります。また、RE100達成に向け兵庫県朝来市にあるバイオマス発電所及び燃料供給施設の事業継承を行う契約を2023年7月に締結致しました。同9月にバイオマス発電事業を行う子会社「大東バイオエナジー株式会社」を設立し、営業運転開始を2024年4月目標とし事業継承手続きを進めてまいりました。本事業への参入により西日本エリアの自社グループ274拠点に再生可能エネルギーを供給することで、国内RE100達成率50%を達成する見込みとなっております。その他、2020年より、弊社品川本社ビルを使いながらZEB(ゼブ:ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化に向けた改修工事を試験的にすすめ、2023年3月、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)のZEB認証を取得しました。当社も、2050年までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指しており、今回のZEB化改修計画により同ビルは、事務所用途部分で基準一次エネルギー消費量から40%以上、建物全体では20%以上削減することができます。国内でZEBの認証を取得した物件の内、10万m2超の既存ビル改修のZEB化は国内初の事例となります。今後は、本社ビルの運用を通じてエネルギー収支を引き続き検証するとともに、2050年ネットゼロ目標の着実な達成と脱炭素社会実現に貢献します。
FY2023|3,318 文字
6 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,706百万円(主に建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。 商品開発部においては、「環境」「防災」「ライフスタイル」の3つを軸にした「新しい価値」を創造する賃貸住宅のラインナップを充実させるため、上半期8商品、下半期6商品の計14商品を新たに開発しており、一部をご紹介します。「環境」に配慮した商品『ニューライズ』は、標準でZEHオリエンテッド基準に対応しています。加えて、太陽光パネルや建物の高断熱化、省エネ性能の高い設備のオプション設置により、ZEHからLCCM基準まで対応し、企業活動を通じて脱炭素社会の実現に貢献ができる商品です。「防災」に配慮した『ぼ・く・ラボ賃貸』第2弾となる『エール』は、災害時に求められる「自助・共助」の必要性と、「在宅避難」へのシフトを社会課題として捉え、地域防災を後押しする商品として「備蓄」と「コミュニティ形成」をコンセプトに開発しました。災害時には非常用電源にもなる「蓄電池」を設置できる防災オプションもとりいれています。多様化する「ライフスタイル」で自分らしい暮らしを楽しめる『シエルパティオ』は、1階はカップル向け間取りとしプライバシーに配慮したプライベートテラスを設定。2階のファミリー向け間取りには生活空間をきれいに広く快適に生活できる約4帖の「小屋裏収納」を設置しています。また、2022年10月改正された長期優良住宅の新基準に適合する高性能・高耐久の商品です。多摩美術大学との産学共同研究により、Z世代の視点を通して次世代の「ライフスタイル」を反映した『ヴィジョン マイタグ』を開発しました。住人同士が相互のコミュニケーションを暮らしの価値と感じ、その価値観が街とつながることで賃貸住宅が地域活性の場として貢献します。その他にも、都市部における自宅の建築や建て替え時に、自宅を収益化する賃貸併用住宅『シエルオーナー』や、北海道向け『ルタンウィル(北海道)』、沖縄向け木造3階建て『ルタンⅢ(沖縄)』など全国の各地域環境にあわせた商品ラインナップを取りそろえ、社会環境変化や多様な市場・入居者様ニーズに対応できるように取り組みました。 商品の開発以外にも将来の活用に向けた研究開発の取り組みとして、主力2×4構造の新たな工法「ミッドプライウォールシステム(MPW)改良型」をカナダ林産業協議会と共同で開発しました。合板を2×4材で挟み込み、従来の2倍の強さを発揮する強靭な高耐力壁で「木造建築新工法性能認証」を取得しました。「賃貸×野遊び×防災」をテーマとした地域コミュニティをプロデュースする「野遊び賃貸プロジェクト」を発足しました。「防災に強い賃貸住宅」を目指す大東建託と、キャンプの分野で培った強みを活かし住宅や広場に「野遊び」の要素を取り入れた空間作りを進めるスノーピークが、それぞれの理念や取り組みに共感し、野遊び賃貸の拠点『nonoka(野の家)シェアフィールド』の開発に取り組んでいます。デジタル技術を活用したDX戦略の1つとしてBIMの研究開発にも着手しています。BIMによる商品開発により営業・工事・管理までコア事業で活用し、総合賃貸業の強化を図っていきます。 技術開発部門においては、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして賃貸集合住宅の省エネルギー化を推進しており、今年度はこれまで一般地域(省エネ基準地域区分での4~6地域)でしか提案できなかったZEH基準(ZEH Oriented)を満たす賃貸集合住宅(以下ZEH賃貸集合住宅)について、寒冷地仕様(北海道含む省エネ基準地域区分1~3地域)の開発を完了し、運用開始しました。太陽光発電設備を搭載したZEH賃貸集合住宅においても、再生可能エネルギー(以下再エネ)の利用促進が進む一方、再エネ電力の固定価格買取制度(以下FIT)に伴う、再エネ賦課(ふか)金の電気料金への上乗せによる電力利用者の負担増加という社会的課題の解決のために、京セラ株式会社と電力買取契約を締結し、FITによらない電力需給スキーム(非FIT)を構築するとともに、販売エリアを拡大しました。 さらに、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)基準を満たす賃貸集合住宅(以下LCCM賃貸集合住宅)の開発も行い、2022年10月5日には日本初の規格型LCCM賃貸集合住宅の販売を開始するとともに、国土交通省所管の補助金事業(サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)LCCM低層共同住宅部門)にて採択を受けました。また戸建賃貸住宅においても、国内初となるLCCM住宅認定を取得したCLTパネル工法のLCCM戸建賃貸住宅が2023年1月に都内に完成いたしました。 入居者様への付加価値向上となる内装建材・住宅設備の開発として室内の眺望および意匠性と耐久性を向上する防火サッシ仕様の新規導入を行いました。建物の外装には深堀サイディングと、職人不足への対策を兼ね備えた木目柄プレカット軒天材を一部デザインに設定し、意匠性と現場省力化建材を開発いたしました。2021年度、埋もれていた環境価値を顕在化させる技術として当社初の取り組み、「省エネルギー住宅のCO2排出量削減量」をクレジット化する方法論が、日本で初めてJ-クレジット制度認証委員会から承認・登録され、2022年度に初めてクレジットを創出しました。創出したクレジットは「いい部屋ネットレディス」でのカーボンオフセットに充当し、カーボンゼロのゴルフ大会として開催いたしました。また、上述の「省エネ」Jクレジットの他に、ZEH賃貸住宅に設置した太陽光による創エネの自家消費分を「再エネ」Jクレジットとして創出する方法論を2023年1月13日に登録完了しました。この方法論によって創出されるJクレジットは非化石証書のように、通常電源に充てることにより再エネとみなすことが可能となります。再エネに切り替えられない、他社ビルのテナントとして入居している弊社グループの支店・営業所・店舗などの電力や、現場の仮設電気に充てることにより、RE100の推進に使用する予定です。新型コロナウイルス感染症の流行を発端としたウッドショックや、気候変動抑止に向けた森林保全、国内の林業・木材産業保護などの観点から、国産材の利活用は建設業界全体の重要課題です。木造の賃貸集合住宅を主力商品に据える当社グループにおいても、「大東建託グループ 7つのマテリアリティ」で「持続可能な木材の調達と活用」を重要課題に掲げており、2009年に当社の建設する賃貸集合住宅に初めて国産スギ材を採用したことを皮切りに、国産材利活用や森林保全の取り組みを進めてきました。今回、更なる国産材の利活用を目指して、アカマツの研究に取り組んでいます。アカマツは床を支える床根太、屋根面を構成する垂木などの横架材に必要な強度が高いと評価されていますが、2×4工法材としての材料強度試験データが少なく、2×4工法建築における構造材としての利用が進んでいませんでした。そこで、今回、けせんプレカット事業協同組合、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所、岩手県林業技術センターの協力を得て、岩手県を中心に伐採期を迎えたアカマツを使用し、強度試験を実施しました。今回得られた試験結果をもとにアカマツを2×4工法材として利活用を進めることで、国産材100%の2×4工法建築物の実現を目指していきます。また、更なる国産材利用促進に向け、アカマツ以外の樹種についても研究を進め、建設業界の技術革新と国産材利用を国内の森林・林業保全に貢献していきます。
FY2022|1,889 文字
5 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,712百万円(主に建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。 商品開発部においては、自分らしい自由な暮らしを実現する賃貸住宅『DK SELECT商品』のラインナップを充実させるため、上半期11商品、下半期8商品の計19商品を新たに開発しており、一部をご紹介します。「防災目線」で開発した商品『ぼ・く・ラボ賃貸 ニーモ』は、水害にフォーカスし、1階をRC造のピロティにするなど、日々の暮らしの中で災害への対策を無理なく取り入れた「フェーズフリー」な賃貸住宅をコンセプトに、地域防災の拠点としても近隣地域に貢献できる活動を視野に入れた商品として開発しました。3階建て重量鉄骨造商品『アルバス』は、建物コーナーの開口部やオーバーハングの外壁が表情豊かな陰影を演出する新たなデザインで、間取りはカップルをターゲットにいつまでも快適に暮らせる1LDK中心の商品です。高付加価値賃貸『シエルシリーズ』として2商品を開発しました。『シエルコート』は、コート(中庭)を、『シエルガレージ』は1階部分にガレージを採用した、高付加価値を付けたこれまでにない賃貸住宅商品です。『コンテチェストⅢ』は、一人暮らし向け商品として、ゆとりのある洗面化粧台・ユニットバス等を備えた住宅設備を用意しました。構造は、高倍率耐力壁を使用しシンプルにして、1階の間取り変更を計画しやすくした商品です。その他にも、落ち着いた外観と、室内物干しなどの機能的な住宅設備を兼ね備えた『リヴァーサK』や、建物構造や階数、間取りを幅広くラインナップしたRC造商品『リヴァーサ RC ロコモK』『リヴァーサ RC ロコモKW』、カップル向け商品『クルール』などを全国向けに発売、戸建て商品『ココダテウィズ』の開発など、多くのラインナップを取りそろえることで、多様な市場ニーズや入居者ニーズに対応できるように取り組みました。 技術開発部においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による“新しい生活様式”に対応するために当社が建築する賃貸物件にSIAA(抗菌製品技術協議会)により抗菌加工の認証を受けた、壁・天井クロスとフローリングに加え『キッチンパネル』『メラミンカウンター』でのSIAA認証を追加取得し、運用を開始しました。また、更なる入居者様のサービス向上として『当社オリジナル屋根付き宅配ボックス』、キーレスで荷物が受け取れる『電子式宅配ボックス』を開発し運用を開始しました。建物性能向上への取り組みとして住宅性能等級で最高等級4となる『界壁遮音性能Rr55』を開発・公的試験場での性能確認を実施し、2×4工法のペット仕様物件に対して標準導入を開始しました。また、界床遮音仕様の開発としてRC造・2×4造に対して業界最高性能となる『重量衝撃音LH50、軽量衝撃音LL35』の仕様を開発・公的試験場での性能確認を実施し、オーナー様のご要望に応じた提案を開始しました。現場職人不足への対策として、現場施工に時間が掛かる『木製内部階段のプレカット仕様』を開発し、低層木造物件での運用を開始しました。また、従前のFRP防水や板金防水工法に加え、新素材となる『吹き付け防水』工法の採用を開始しました。環境配慮への取り組みとしては、脱炭素社会に向けた取り組みとして、ZEH仕様の賃貸住宅の拡大を図るために2×4造で『ZEH-Oriented性能』となる仕様の開発を行い、北海道及び断熱地域区分1~3を除くエリアでの提案を開始しました。また、木材利用促進に向けた国内初の木造耐火建築物である大東建託のCLT商品『フォルターブ』1号棟が、林野庁から「先駆性が高い建築物」として実証されました。埋もれていた環境価値を顕在化させる技術として当社初の取り組み、「省エネルギー住宅のCO2排出量削減量」をクレジット化する方法論が、J-クレジット制度認証委員会から承認・登録されました。本プロジェクトは、方法論「省エネルギー住宅の新築又は省エネルギー住宅への改修」を活用した、国内初のプロジェクトとなり、住宅業界でのカーボンオフセットの活性化に寄与します。
FY2021|1,673 文字
5 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,699百万円(主に建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。 商品開発部においては、上半期7商品、下半期10商品の計17商品を新たに開発しました。社会が目まぐるしく変化するなか、住まいで過ごす時間も増え、ライフスタイルの多様化と相まって、変化する住まいへのニーズに対応した商品の開発を行っています。DK SELECTに新たにラインナップした『ルタンNK』は、アートパネルを移動することで変化する暮らしに対応できる快適な可変空間を実現した間取り自由度の高い商品です。集合住宅に比べて長期入居を見込める、平屋の戸建賃貸に可変間取りとテレワークスペース等のマルチスペースを取り入れた、『ココダテワンズ』を開発しました。都市部の防火地域で、三階建て2×4造(木造)耐火建築物として建築可能で、狭小敷地にも対応したシングルやカップル向け賃貸住宅『リベルテフロー』を開発しました。高級感を演出した、変化に富む外壁面を織り交ぜたリズミカルなデザインで、エントランスは風除室付オートロック自動ドア、コンパクト宅配ボックスなど「高セキュリティ設備」を標準で装備、シングル向け間取りながら、ファミリー並みの快適な住宅設備を装備した『リグノアール』は高さ制限(日陰制限等)10m内で4階建てを実現する商品です。『リヴァーサ』は洗礼された外観と充実した室内空間、機能的な住宅設備が確かな価値と満足を新たに作り出す、スタンダードなフラットタイプの集合住宅です。 技術開発部においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による“新しい生活様式”に対応するために2021年3月から当社が建築する賃貸物件にSIAA(抗菌製品技術協議会)により抗菌加工の認証を受けた壁・天井クロスとフローリングを採用しました。また、仕様関連としては上下間の遮音性能を向上させる仕様の開発を行い、2021年3月から弊社オリジナル鉄骨造のシステムブレース造に『重量衝撃音LH50、軽量衝撃音LL35』性能となる仕様をオプションでの運用を開始しました。2×4造及びRC造についても遮音性能を向上させる仕様の開発を行い、2021年4月から『重量衝撃音LH50、軽量衝撃音LL35』性能となる仕様の運用を開始しました。さらに、2×4造の隣戸間遮音性能を向上できる仕様の開発にも取り組み、住宅性能評価で最高等級4となるRr55仕様の開発を完了させ、2021年4月からオプションでの運用を開始しました。環境配慮への取り組みとしては、従来現場加工で発生していた断熱材のサイズを2×4工法に最適なサイズにプレカットされた仕様の開発を行うことで、産業廃棄物の削減に寄与しました。また、昨年度から運用を開始した屋外宅配ボックスによる入居者様サービス向上として、雨天時にも荷物の受け渡しができるよう専用屋根材の開発を行い、運用を開始しました。脱炭素に向けた取り組みとして、国内初のLCCM賃貸住宅(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)の建設に着手しました。LCCMはZEHの上位水準として、省エネの最高峰に位置しますが、これまでは戸建て住宅にしか水準がありませんでした。当社は集合住宅でも戸建て水準を満たすだけでなく、県立広島大学の小林淳教授とタイアップすることによりLCA評価上でも水準を満たすことを確認し、商品化に成功しました。ZEHが戸建てから集合住宅に波及してZEH-Mができたように、LCCMも集合住宅でもできるという事実を元に、LCCM集合住宅の基準の策定と普及につなげ、建設業界の脱炭素への取り組みに寄与します。
FY2020|1,480 文字
5 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,541百万円(主に建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。 商品開発部においては、上半期4商品、下半期11商品の計15商品を新たに開発しました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっています。DK SELECTの新たなラインナップとして、DINKs(ディンクス)や父子・母子世帯など近年多様化し増加する「2人世帯」をターゲットに、“ふたりらしさ”でアレンジを楽しめる「ふたりのカタチアイテム」を標準装備した一般地域向け商品『ルタンパルトスリー』を開発しました。小さなお子様がいる世帯でも使いやすい広めの主寝室など、子育て世代にもやさしい戸建賃貸住宅商品『リベルテデュプレ』を開発しました。また、研究開発を進めていたオリジナルCLT工法による木造4階建て賃貸住宅「フォルターブ」を開発しました。既存2商品について、新たに3プランを開発しました。高断熱化及び高効率設備と太陽光発電設備を設置することで、一次消費エネルギー量の収支をゼロにしたZEH-M賃貸住宅『ソレイユ』を開発し、販売開始しました。また、本商品の太陽光パネルの電源を災害時に地域の方も使えるなど、賃貸住宅における防災意識向上を目指す取り組み『ぼ・く・ラボ』が2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。更なる居住性・快適性向上のために、内部建具やフローリングなどの内装仕様、及び住宅設備仕様を刷新し、新商品より導入を開始しました。 技術開発部においては、木造4階建て賃貸住宅「フォルターブ」にも採用した『オリジナルCLT工法』を開発しました。日本初のCLT集合住宅の商品化によりCLTの普及を促進する取り組みに対し、「地球環境温暖化防止活動環境大臣表彰(技術開発・製品化部門)」を受賞しました。また、同取り組みが「脱炭素チャレンジカップ2020」の企業・自治体部門で「環境大臣 金賞」を受賞しました。当社は今後も環境・社会課題の解決と利益創出を両立し、脱炭素社会の実現へ貢献していきます。資材開発としては、施工現場における簡易施工が可能となる透明シーリング材の開発を行いました。透明シーリング材は、従来外壁部分に設置される換気フードや電気盤の周りに止水材として使用される色付きシーリングの仕上げ工程で発生する養生テープ処理やへら押え等の工程を省略することができる仕様となっています。また省力化仕様の開発として木製階段の新仕様の開発を行いました。従来仕様では階段の『側板』・『踏板』・『蹴込板』を接合させる際に階段の表・裏からビス止め等の接合処理を行っていましたが、新仕様では階段の表面のみで接合処理が可能となり、木製階段の施工時間の短縮化が図れるようになっています。環境配慮への取り組みとしては従来現場加工で発生していた断熱材のサイズを2×4工法に最適なサイズにプレカットされた仕様の開発を行うことで、産業廃棄物の削減に寄与しました。また、昨年度から運用を開始した屋外宅配ボックスによる入居者様サービス向上として雨天時にも荷物の受け渡しができるよう専用屋根材の開発を行い、運用を開始しました。
FY2019|1,109 文字
5 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・設計部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,983百万円(すべて建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。 商品開発グループにおいては、上半期2商品、下半期3商品の計5商品を新たに開発しました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっています。DK SELECTの新たなラインナップとして、増加するシングル層をターゲットに、自分らしさでアレンジできる“わたしのカタチアイテム”を採用した一般地域向け商品『ルタンラシック』を開発しました。また、カップル・ファミリーをターゲットとして、コミュニケーションを楽しむ『キャッチウォール』や女性に嬉しい『ドレッサーカウンター』等、集って楽しんで飾れる“おしゃれライフアイテム”を標準装備した『ポポラ』を開発しました。また、既存3商品について、新たに4プランを開発しました。社会状況に合わせ、ペット共生オプション『にゃんRoom わんRoom』を新たに開発しました。「ペットクローク」や「キャットウォール」など、ペットと入居者様が楽しく暮らせる仕様を採用しました。また「ZEH-M」基準を達成した商品『ルタンソレイユ』『ルタン(低圧一括受電)』を開発しました。高断熱化及び高効率設備と太陽光発電設備を設置することで、エネルギー消費量を削減しました。また更なる居住性・快適性向上のために、木造2×4工法商品の界床の仕様を刷新して遮音性能を向上させ、加えて全商品の住設仕様も刷新しました。技術開発グループにおいては、新工法開発としてCLT工法の商品化に向けた実験・検証に取り組み、オリジナル金物接合部を含めた構造設計についての評定を取得しました。外壁仕様についてはオリジナル1時間耐火仕様の実験及び性能評価が完了し、現在大臣認定申請を行ってます。さらに、CLT工法の実大実験棟を建設しオリジナル金物の接合部に関する施工性や施工人工の削減効果によるコスト検証及び入居者様満足度向上に向けた界床の遮音性能など各種についての検証・実験を実施しました。資材開発としては、入居者様への更なる安心・安全と新規サービス提供のために、建設中から建物完成後の管理運営までを一貫管理できるスマートキーシステムの開発を行い、実棟での検証を実施しました。
FY2018|1,800 文字
5 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しております。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・設計部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,609百万円(すべて建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。 商品開発グループにおいては、上半期3商品、下半期3商品の計6商品を新たに開発いたしました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっております。前年から開始した外部建築家とのコラボレーションによる“進化する賃貸住宅”事業化プロジェクトの第二弾で、ストレス社会に対応した賃貸住宅の企画開発を実施し、建築家の設計による『プロトタイプ 02』と、プロトタイプ02の要素を取り入れた普及型商品『リフラ』、更に、都市部向けにコンパクトでセキュリティを強化した中階段形式商品『コンテ』の3商品を開発いたしました。また、増加するシングル層を対象に、4階建てでありながら高さを10mに抑えた都市部向けWRC造商品『リグノ』、一人暮らしを便利にさせるアイテムを多数取り入れた一般地域商品『コンテ ココ』、そして、自分らしさをアレンジできるアイテムを導入した多雪地域商品『ルタン ラシック』の3商品を開発いたしました。さらに、既存3商品について、新たに5プランを開発いたしました。社会状況に合わせ、街並みを損なわず最大容量の太陽光パネル設置によるオーナー様売電事業に対応した商品の開発や、防犯仕様を強化し「選べるセキュリティ賃貸」として『DK SELECT セキュリティ』の商品運用を開始、無料インターネット(Wi-Fi)接続サービスである『DK SELECT ネットサービス』の運用商品を拡大、更に国産杉の利用促進のため、2×4工法用ランバー材にフィンガージョイント材の使用を可能としました。また、日本唯一の建築倉庫へ『プロトタイプ 02』の模型を展示し、当社のブランドイメージ向上、技術力や先進的な取り組みのアピールに継続して取り組んでおります。技術開発グループにおいては、 入居者様満足度向上のために2×4商品の“上下階の生活音”が改善できる界床仕様の開発を行い、引戸及び引違戸のソフトクローズ機能の標準化やシステムキッチンの標準化など、全商品に対して住設機器の機能及び仕様を刷新し、2×4商品の新界床仕様と共に平成30年2月19日から販売を開始いたしました。内装建材においては、入居者様が自由にお部屋をアレンジできる“セレクトフック”の開発を行い、2月販売開始した新商品に導入いたしました。設備においては、防犯性能を高めた賃貸住宅の開発に取り組んでおります。防犯優良賃貸住宅認定事業への積極的な取り組みを行い、平成30年3月23日付けにて共同住宅仕様の基幹商品で認定を取得しました。既にフラットタイプの基幹商品においては、平成29年2月24日付けにて認定を取得しています。防犯優良賃貸住宅認定事業を取得した物件並びにオートロックを設置した物件など防犯性能を高めた商品は、『DK SELECT セキュリティ』として位置付けて、専用表示シールを貼り付けることで犯罪抑制を図ります。また、性能向上策として、洗面化粧台への給水管給湯管への立上げ配管をストレート止水栓仕様から、樹脂管直接立上げ仕様に変更して漏水のリスクを軽減させます。電気設備においては、防雨型非常灯兼用シーリングライトを常時LED灯(非常時:蛍光灯)に仕様を向上させて環境配慮に貢献します。テレビ共聴設備においては、4K放送対応の機器導入を始めます。さらに、災害に強い社会づくりへ寄与する賃貸住宅の高耐震化を促進するため、耐震等級3仕様に耐力を向上させた『DK SELECT 高耐震グレード G3シリーズ』を3月より導入しました。その耐震等級を実現する技術開発として、鉄骨造の「鉄骨造システムブレース構造」では、従来より高耐力のシステムブレースを採用し、在来木造工法「エコプレカット工法」では、高耐力のオリジナル制振ダンパーを開発し、現在、国土交通大臣認定(壁倍率5.0倍)を申請中です。
FY2017|1,697 文字
6 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しております。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・設計部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発活動に係わる投資総額は、1,425百万円であり、その主なものは以下のとおりです。(1) 建設事業商品開発グループにおいては、上半期3商品、下半期3商品の計6商品を新たに開発いたしました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっております。前年から継続開発していた、共働き世帯の増加などの社会変化に対応した賃貸住宅の企画開発を、外部建築家とのコラボレーションにより実施し、建築家の設計による『プロトタイプ 01』と、当期よりスタートした賃貸住宅ブランドDK SELECT第一弾として、プロトタイプ01の要素を取り入れた普及型商品『ディエラ』の2商品を、DK SELECT第二弾として、ふたりの時間をカタチにするアイテムを多数取り入れた住まい『ルタン』『ルタンパルト』の2商品を開発いたしました。さらに、DK SELECT第三弾として、都市部向けに、コンパクトでセキュリティを強化した中階段形式商品、中層『コンテ・スリー』、低層『コンテ』の2商品を開発いたしました。また、既存2商品について、新たに6プランを開発し、既存含む全商品について、省エネ法改正に対応し平成28年省エネ基準適合仕様への改善を実施いたしました。さらに、社会状況にあわせ、無料インターネット(Wi-Fi)接続サービスである『DK SELECT ネットサービス』と警報器付きインターホン及びインターネット通販で利用されるメール便が収納できるメール便BOXの運用を開始いたしました。未来の賃貸住宅に対する新たな取り組みとしては、日本デザインセンター主催の展覧会「ハウスビジョン2016」に『賃貸空間タワー』を企画・開発いたしました。実棟を建設し、一般の方々に体感していただく事で、多くの貴重なご意見を入手する事が出来ました。また、日本唯一の建築倉庫へ『賃貸空間タワー』、『プロトタイプ 01』等の模型を展示し、当社のブランドイメージ向上、技術力や先進的な取り組みのアピールに取り組みました。技術開発グループにおいては、入居者様に快適な住空間をご提供するために、当社主力商品である2×4工法の建物にて生活音が気にならない“音性能”となる仕様の開発を継続して取り組んでおり、『間取り』・『階段形式』によって“音性能”にどのような影響を及ぼすのかについて研究しております。また、入居者様に満足していただける賃貸住宅の供給のために、入居者様の“使い勝手”や“ライフスタイル”に対応出来る内装建材や住宅設備機器の開発とともに、木造1時間耐火構造の商品化に向けた仕様・工法の開発についても継続して取り組んでおります。設備においては、防犯性能を高めた賃貸住宅の開発に取り組んでおります。防犯優良賃貸住宅認定事業への積極的な取り組みを行い、平成29年2月24日付けにてフラットタイプの基幹商品で認定を取得いたしました。また、健康住宅への取り組みとして、花粉やPM2.5などの入居者様に有害な外気を室内に侵入させないために、花粉除去が可能な高性能給気フィルターの開発にも取り組んでおり、平成29年2月より当社が管理する賃貸住宅に試行設置を行っております。基礎工法においては、小規模建築物を対象とした杭状地盤補強であるDK-Pileの仕様強化として、杭の先端径拡大による載荷実験を実施し、性能評価機関における追加認証を取得いたしました。以上により、建設事業の研究開発費は1,425百万円となりました。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。 (2) 不動産事業、金融事業及びその他 研究開発活動は特段行われておりません。 (3) 全社共通研究開発活動は特段行われておりません。
FY2016|1,719 文字
6 【研究開発活動】当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しております。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品企画部・設計部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発活動に係わる投資総額は、1,387百万円であり、その主なものは以下のとおりです。(1) 建設事業商品開発グループにおいては、5商品を新たに開発いたしました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっております。中層商品では、RC造マンション「ライル」の新シリーズとして、『オーナーズワン・ライル ディオ』を開発いたしました。入居者様が自由に装飾しオリジナルの空間を演出して楽しめる多彩な演出用アイテムや、働く女性の暮らしを応援する「女子ゴコロ100%プロジェクト」による女性目線から生まれたアイテムを選べる、画期的なシングル向け賃貸住宅です。また、S造の『モデストS』を開発いたしました。低層商品では、平成26年に設立した「賃貸住宅未来研究所」の活動から開発したシングル向け可変型商品「トイロシリーズ」のエリア展開として2×4造の『トイロ(多雪)』、『トイロ(北海道)』、また、オリジナル木造在来工法「エコプレカットネオ工法」の『コッティ・キュートEPneo』を開発いたしました。既存6商品については、新たに9プランを開発いたしました。また、共働き世帯の増加などの社会問題の解決に向けた賃貸住宅の企画開発を外部建築家とのコラボレーションにより実施、建築家の設計による「プロトタイプ版」、及び要素を取り入れ商品化した「普及版」の2商品を開発いたしました。さらに、少子高齢化社会による将来の需要構造変化を見据え、多世代コミュニティ賃貸住宅『エンテラス』を企画開発し、試行運用を開始いたしました。技術開発グループにおいては、軟弱地盤エリアの高額な基礎コストへの対応として、安全で価格競争力のある当社オリジナル新基礎工法『フローティング基礎工法』の開発を行い、性能確認試験を実施いたしました。現場職人不足や現場労務費高騰への対策として、2×4・2×6のスタッド材を用いた、工場生産壁パネル(特許出願済)を採用した当社オリジナル木造在来工法『エコプレカットネオ工法』の試行運用を開始いたしました。新規仕様・資材では、隣戸間の生活音(音、声)を低減させる「高遮音界壁」の開発を行い、公的機関にて音響透過損失『TLD-50』の性能値を確認し、2×4工法の一部商品にて運用開始いたしました。また、建物としての遮音性能を更に改善していくために、実験棟を建設いたしました。設備資材では、地球と住環境に優しい自然の力を利用した“パッシブデザイン”を導入した前期販売商品「ソヨカ」において、換気・通風により夏季の快適性が向上するという二次効果について、実際の物件を用いて測定し、効果があることを確認いたしました。また、防犯配慮型賃貸住宅の取り組みについては、入居者様には更なる「安心」とオーナー様には「建物価値」をお届けできる防犯カメラを開発し、新築にはオプション導入をし、既存物件にも設置可能といたしました。なお、当資材について『e-カメラ』の商標登録を行いました。以上により、建設事業の研究開発費は1,077百万円となりました。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。 (2) 不動産事業、金融事業及びその他 研究開発活動は特段行われておりません。 (3) 全社共通当社グループは、堅調な国内賃貸住宅市場に注力しつつ、蓄積したノウハウの展開を海外も含め検討しております。当連結会計年度では、米国において、不動産ファンドへの出資を通したバリューアッド型の既存賃貸集合住宅に関する情報収集を継続して行いつつ、地域を熟知したパートナーとJVを組成して新規賃貸集合住宅開発に参画し、新規不動産開発に関する情報収集も開始いたしました。以上により、全社共通の研究開発費は309百万円となりました。