事業の概要
- 主力事業インフラ施設の腐食を防ぐ防食技術を提供し、長寿命化に貢献しています。
- 提供サービス腐食調査から設計、工事、維持管理まで一貫した総合防食システムを提供しています。
- 製品販売防食関連材料や装置の製造・販売も行い、事業を多角化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 港湾事業港湾施設や船舶の防食工事と製品販売が主力で、最も大きな収益源です。
- 地中事業ガス管や水道管などの地中埋設施設の防食工事と製品販売を行っています。
- 陸上事業陸上施設やプラント装置の防食工事と製品販売、応用技術も提供しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Port | 事業 | 93 | 23 | 25.3% |
| Underground | 事業 | 29 | 8 | 26.8% |
| Ground | 事業 | 11 | 5 | 42.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当事業年度末における当社グループは、当社及びその他の関係会社(三井金属鉱業株式会社)1社の2社より構成されております。当社は、1951年の創業以来、防食のリーディングカンパニーとして歩み続けてまいりました。当社のパーパスは「ひたむきに防食技術を追求し、社会基盤の価値をまもり続けることにより、安全安心な日常を次代につなげます」であり、「いまある“価値”を次代へ!」をスローガンに、インフラ施設の長寿命化を図るための防食技術を提供することにより、持続可能な社会の実現に貢献することを使命としております。そのために、各種環境に曝されている構造物の腐食・劣化調査と解析・評価を行い、その結果に基づいた腐食対策の提案、防食設計、対策工事そして維持管理という総合的な防食システムの提供(以下「工事」)を主たる業務としております。また、防食関連材料や装置の製造・販売(以下「製品等販売」)も行っております。当社は建設業法に則り、特定建設業許可のもとに、事業を行っております。事業の活動組織は、事業本部のもと国内に製造調達統括部、支店、営業所を配置し、地域顧客に密着した様々な商品・サービスを提供できる体制としております。営業本部は将来に向けたマーケティングと新規事業の育成を担い、技術本部が新技術・新商品の開発や、それらの現場への適用促進を行っております。事業区分としましては、対象施設別に港湾事業、地中事業、陸上事業、その他に区分しており、当該事業区分は、セグメント情報における区分と同一であります。それぞれの事業区分において、電気防食、被覆防食、塗装防食の技術の中から環境及び対象施設に適した工法を選定し、工事及び製品等販売を行っております。また、電気防食技術を応用して冷却管の内面を防食する電解鉄イオン供給、海生生物の付着を防止する防汚の工事及び製品等販売も行っております。 事業区分防食技術及びその応用技術対象施設港湾事業(1) 電気防食港湾施設及び船舶等(岸壁、桟橋、護岸、沖合構造物、防波堤、取水・放水施設、沈埋トンネル、生簀、船体外板、浮体構造物、バラストタンク等)(2) 被覆防食(3) 塗装防食地中事業(1) 電気防食地中埋設施設及び地上・地下タンク等(ガス、水道、農業用水、工業用水、石油等の埋設管、タンク底板、地下タンク、基礎杭等)(2) 被覆防食(3) 塗装防食陸上事業(1) 電気防食陸上施設及びプラント装置等(復水器、熱交換器、冷却器、ポンプ、バルブ、スクリーン、淡水化装置、水門、ダム・堰、河川構造物、タンク内面・外板、温水器・貯湯槽、水処理施設等)(2) 被覆防食(3) 塗装防食(4) 電解鉄イオン供給(5) 防汚その他(1) 電気防食鉄筋コンクリート構造物等(岸壁、桟橋、護岸、橋脚、橋梁等)(2) 被覆防食 (注) 「防食技術及びその応用技術」に表示しております(1)から(5)の番号につきましては、次葉より記載しております「1.防食技術及びその応用技術の説明」の番号に対応しております。 1.防食技術及びその応用技術の説明(1) 電気防食① 腐食現象の概要金属の表面は一見均一に見えますが、局部においてはその化学組成、組織、酸化皮膜、付着物等が異なっております。また、環境側でも含まれている各種のイオン濃度、溶存ガス濃度、温度等が異なります。これらの不均一性によって、局部的に電位の高低(陽極部と陰極部)を生じ、電池が形成されます。その結果、金属の中を電流は電位の高い方(陰極部)から低い方(陽極部)へ流れ、環境側では電位の低い方から高い方へ電流(腐食電流)が流れます。そして電位の低い部分で腐食(錆の発生)が起こります。 腐食の概念図 ② 電気防食の概要電気防食は、腐食を生じている金属表面に環境側から防食電流を流し、腐食電流を消滅させる技術であります。電気防食法には、防食電流を流す方式の違いにより流電陽極方式と外部電源方式があります。流電陽極方式は、異なる金属間の電位差による電池作用を利用して防食電流を流す方式であります。鋼材を防食する場合は、その相手としてより電位の低い金属であるアルミニウム合金(ALAP)、マグネシウム合金(MAGNAP)あるいは亜鉛合金(ZAP)を取り付けます。これらの金属は鋼材に取り付けられると陽極となり、鋼材に防食電流を流し、腐食を抑制します。 流電陽極方式の概念図 港湾施設(鋼管杭)に取付けられた アルミニウム合金陽極 外部電源方式は、直流電源装置と難溶性の電極を使用し、防食対象物と電極の間に直流電圧をかけて防食電流を流す方式であります。電極としては磁性酸化鉄、白金めっきチタン、金属酸化物被覆電極(MMO)等が使用されます。また、直流電源装置としては、一般にシリコン整流器が使用されますが、太陽光や風力等の自然エネルギーを利用することもできます。 外部電源方式の概念図 埋設管に対する外部電源方式の概念図 ③ 電気防食システム電気防食は、調査⇒設計⇒施工⇒維持管理⇒更新のサイクルで行われます。それぞれの概要は次のとおりであります。(調査)構造物が建造、埋設される環境は、海水、淡水、土壌、コンクリート中と多岐にわたっており、それぞれの環境も地域、海域等により腐食や防食条件に及ぼす影響度が異なります。このため、構造物の腐食原因の調査、また、それぞれの環境に適合した電気防食設計を行うための環境調査を行っております。(設計)前記の調査結果を踏まえて、防食装置の仕様、数量、設置位置等を含め、より合理的で経済的な防食設計を行っております。(施工)調査、設計によって作成された仕様書に基づき施工計画書を作成し、これをもとに施工しております。当社の主力工事である港湾施設(岸壁、桟橋等)の電気防食工事の場合、その大部分がアルミニウム合金陽極(ALAP)の取付工事であり、鋼矢板や鋼管杭の所定の位置に陽極を水中溶接にて取り付けております。完成後は、防食対象物の電位を測定して防食状態を確認します。 港湾施設のアルミニウム合金陽極取付け概要図 (維持管理)電気防食装置の耐用年数は、10年から30年の場合が大半ですが、港湾施設に取り付けられるアルミニウム合金陽極は、50年、100年という長期耐用の製品もあります。港湾施設の電気防食でアルミニウム合金陽極を取り付けた場合、防食状態が維持されているかを確認するため、防食対象物の電位を測定しております。また、耐用期限の2~3年前から陽極の実際の消耗状態を調査することも行われます。ガス、石油、水道等の埋設管は、周辺の土壌環境の変化、他の埋設管の電気防食装置あるいは電車の軌道からの洩れ電流の影響等により電気防食施工当初と条件が異なる場合があり、当初の電気防食装置では防食状態が維持できない状態になることもあるので、定期的に電気防食装置の維持管理を行う必要があります。維持管理の方法には、電話回線を利用した遠隔監視制御装置を電気防食装置に取り付け、電位測定や直流電源装置の制御を行う方法もあります。(更新)電気防食装置の所定の耐用年数が経過し、継続して防食対象施設の腐食防止を図る場合には、維持管理の結果をもとに、電気防食装置の取替えや更新工事を行っております。 (2) 被覆防食被覆防食は、防食対象物を腐食環境から遮断する防食方法であります。岸壁、桟橋、護岸、橋脚等の鋼材の飛沫帯及び干満帯部分を防食テープ等の防食材及びFRPやチタン、ステンレス等の保護カバーで覆って防食します。当社では近年の環境問題の高まりを考慮して、無溶出性の特殊樹脂を防食層とした被覆防食工法を開発しております。 防食テープによる被覆防食工法 特殊樹脂による被覆防食工法 (3) 塗装防食塗装防食も防食対象物を腐食環境から遮断する防食方法であります。石油タンクの外板、岸壁・桟橋、橋梁等に使用されている鋼材の腐食を特殊な塗料によって防食します。 (4) 電解鉄イオン供給海水を冷却水として使用する復水器や熱交換器において、冷却水中に電解した鉄イオンを供給し、銅合金製の管板や冷却管内面に鉄皮膜を形成させて防食します。移動式槽型鉄イオン供給装置は、トラックの荷台上に鉄電極を組み込んだ電解槽と直流電源装置を設置し、必要に応じて鉄イオンの供給を行うことが可能な装置であります。 (5) 防汚(海生生物付着防止技術)臨海地帯に建設されている発電所の取水路、スクリーン、熱交換器内面においては、海水との接水面でフジツボやイガイ等の海生生物が付着し、装置の機能障害が生じる場合があります。当社の防汚技術は、電気化学理論を利用した方法であり、対象物の表面に触媒と一体化したチタンシートを貼り付け、表面から微弱な電流を流すことにより海生生物の付着を防止させるものであります。 2.新技術『鉄筋コンクリート構造物の電気防食』コンクリート中の鉄筋は、通常はコンクリートの強いアルカリ性により表面に不動態皮膜という保護膜を作りサビることはありません。しかし、飛来塩分や凍結防止剤などが構造物に降りかかり、コンクリート中の塩化物イオンが一定量以上になると不動態皮膜が破壊され、鉄筋は腐食が進行しサビを形成します。このサビがコンクリートを押し広げ、ひび割れや剥離などを生じさせます。コンクリート中鉄筋の腐食についても電気防食で防止することができます。今までに多くの構造物で実施されてきたリボンメッシュ方式は、リボン状のチタン製帯状陽極を溝切りしたコンクリートの中に埋め込み、直流電源装置を使用して鉄筋に防食電流を供給します。当社とオリエンタル白石(株)殿と共同で開発した「TCユニット」方式は、白金系酸化物被覆したチタン製ラス材陽極をイオン伝導性に優れる充填材に包み込み、保護カバーに納めた陽極ユニットをコンクリート表面に線状に配置し、直流電源装置を使用して鉄筋に防食電流を供給する外部電源法による電気防食工法であります。特徴は陽極をユニット化したため、施工が容易で躯体コンクリートを傷めずに陽極ユニットの設置が可能となります。 TCユニット方式によるコンクリート構造物の電気防食 [事業系統図]地域支店制をベースとした事業系統図は次のとおりであります。 (注) 各支店はそれぞれ、港湾、地中、陸上、その他の事業活動を行っております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 原材料高騰を製品価格に転嫁する努力をしているが、タイムラグが生じる可能性。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 防食に関する調査、設計、製造、施工までを一貫して行う長年培った技術力・営業力。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:公共投資への依存度 / 与信リスク / 原材料の高騰
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ナカボーテックは、主にインフラ構造物の維持管理・補修工事を手掛けており、長年の経験と実績に基づくノウハウが蓄積されていると考えられる。しかし、特許やブランド力といった明確な無形資産は限定的であり、競争優位性の源泉としては弱い。
スイッチングコスト★★☆☆☆
インフラ構造物の維持管理・補修工事は、公共事業や長期契約が多く、顧客との継続的な関係性が重要となる。一度契約すると、他社への切り替えには構造物の特性理解や安全性の検証など、一定の手間やコストが発生する可能性がある。しかし、新規参入の障壁が極めて高いわけではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業は、特定のプラットフォームやサービスを介した利用者間のネットワーク効果を生み出すものではない。個別の工事案件ごとに完結するビジネスモデルであり、ネットワーク効果による競争優位性は見られない。
コスト優位★☆☆☆☆
建設業全体として、熟練工の確保や資材調達においてコスト競争力は重要となる。同社は長年の事業継続により、効率的なオペレーションや資材調達ルートを構築している可能性はあるが、他社と比較して明確なコスト優位性を示す情報は少ない。
規模の経済★★☆☆☆
売上高は直近5期で130億円台後半から140億円台後半で推移しており、一定の事業規模を有している。しかし、建設業界全体で見ると、大手ゼネコンと比較して規模の経済性は限定的であり、圧倒的な優位性とは言えない。
- 技術力1951年創業以来の防食技術のリーディングカンパニーとしての実績と信頼があります。
- 一貫体制調査から設計、製造、施工まで一貫して提供できる専門業者としての強みがあります。
- 公共事業実績港湾施設など官公庁向けの防食事業で長年の経験とノウハウを蓄積しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】事業を取り巻く社会・経済の環境変化が大きくなり、ますます先行きが不透明な時代となる中、日常の経営・事業活動の基軸となるパーパス、そして、経営計画をステークホルダーの皆様と共有することが重要と考え、当社の「パーパス」と中期経営計画「23中計」を策定し、2023年5月に公表いたしました。 当社の基軸となる存在意義を明確にするために策定した「パーパス」及び「パーパス」を一言で表現する「スローガン」は以下のとおりであります。 パーパス ひたむきに防食技術を追求し、社会基盤の価値をまもり続けることにより、安全安心な日常を次代につなげます スローガン いまある“価値”を次代へ! 「23中計」においては、2023年度から2025年度までの3年間を事業基盤整備の期間と位置付け、対処すべき課題への対応として以下に注力することを骨子としております。 ① 当社の主力である港湾事業を中心とした既存事業で堅実な業績を確保する。② 「23中計」期間後に新規事業が収益貢献するための基盤を形成する。③ 業務効率化を推進して建設業の2024年問題に対応し体質を強化する。④ ESGの取組みを開始し、内部ステークホルダーのエンゲージメント向上と気候変動リスク対応に取り組む。 「23中計」期間中の事業環境は、港湾・港湾RC分野の成長が期待できる一方、地中・陸上分野は概ね現状水準で推移し、全体としては緩やかに成長するものと予測しております。新規事業については、特に洋上風力発電分野と橋梁RC分野に注力し、「23中計」期間後に収益貢献するよう、尽力してまいります。 また、財務面におきましては、当社は有利子負債がなく、十分な流動性を確保しているため、株主への利益還元に優先的に取り組んでおります。実績及び計画の数値につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】事業を取り巻く社会・経済の環境変化が大きくなり、ますます先行きが不透明な時代となる中、日常の経営・事業活動の基軸となるパーパス、そして、経営計画をステークホルダーの皆様と共有することが重要と考え、当社の「パーパス」と中期経営計画「23中計」を策定し、2023年5月に公表いたしました。 当社の基軸となる存在意義を明確にするために策定した「パーパス」及び「パーパス」を一言で表現する「スローガン」は以下のとおりであります。 パーパス ひたむきに防食技術を追求し、社会基盤の価値をまもり続けることにより、安全安心な日常を次代につなげます スローガン いまある“価値”を次代へ! 「23中計」においては、2023年度から2025年度までの3年間を事業基盤整備の期間と位置付け、対処すべき課題への対応として以下に注力することを骨子としております。 ① 当社の主力である港湾事業を中心とした既存事業で堅実な業績を確保する。② 「23中計」期間後に新規事業が収益貢献するための基盤を形成する。③ 業務効率化を推進して建設業の2024年問題に対応し体質を強化する。④ ESGの取組みを開始し、内部ステークホルダーのエンゲージメント向上と気候変動リスク対応に取り組む。 「23中計」期間中の事業環境は、港湾・港湾RC分野の成長が期待できる一方、地中・陸上分野は概ね現状水準で推移し、全体としては緩やかに成長するものと予測しております。新規事業については、特に洋上風力発電分野と橋梁RC分野に注力し、「23中計」期間後に収益貢献するよう、尽力してまいります。 また、財務面におきましては、当社は有利子負債がなく、十分な流動性を確保しているため、株主への利益還元に優先的に取り組んでおります。実績及び計画の数値につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況主力である港湾事業において大型案件が順調に出件し、陸上及び地中事業も堅調に推移いたしました。この結果、受注高は前事業年度に比べ1,077百万円増の14,914百万円となり、売上高は前事業年度に比べ945百万円増の14,725百万円となりました。受注残高は前事業年度末に比べ189百万円増の3,656百万円となりました。損益面では、相場影響によって主要原材料価格が上昇する悪化要因はありましたが、増販環境に支えられるとともに、DXを活用した効率化等によるコスト低減努力と原材料価格等の販売価格への転嫁が進み、経常利益は前事業年度に比べ298百万円増の1,502百万円となり、当期純利益は同212百万円増の1,047百万円となりました。なお、各セグメントの詳細については、「④ 生産、受注及び販売の実績 1) セグメント別受注高・売上高・繰越高」に記載しております。 ② 財政状態の状況当事業年度末の総資産合計は、前事業年度末に比べ818百万円増の12,146百万円となりました。 負債合計は、前事業年度末に比べ385百万円増の3,415百万円となりました。 純資産合計は、前事業年度末に比べ432百万円増の8,730百万円となりました。 なお、財政状態の詳細については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 2) 財政状態の分析」に記載しております。 ③ キャッシュ・フローの状況当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度に比べ535百万円収入減の692百万円の収入となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは前事業年度に比べ24百万円支出増の114百万円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは前事業年度に比べ37百万円支出減の590百万円の支出となりました。この結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ12百万円減の3,916百万円となりました。 なお、キャッシュ・フローの詳細については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 3) キャッシュ・フローの分析」に記載しております。 ④ 生産、受注及び販売の実績1) セグメント別受注高・売上高・繰越高区分前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)金額(千円)構成比(%)金額(千円)構成比(%)増減率(%)前期繰越高港湾1,840,58654.02,135,37861.616.0地中670,59219.7685,63219.82.2陸上296,0658.7317,3979.27.2その他603,52317.7329,2979.5△45.4合計3,410,767100.03,467,705100.01.7受注高港湾8,466,90961.28,745,51658.63.3地中2,798,06620.23,203,72121.514.5陸上994,7537.21,069,3357.27.5その他1,577,56811.41,896,27312.720.2合計13,837,299100.014,914,846100.07.8売上高港湾8,172,11859.39,268,57562.913.4地中2,783,02620.22,860,19519.42.8陸上973,4217.11,078,1007.310.8その他1,851,79413.41,518,73210.3△18.0合計13,780,361100.014,725,604100.06.9繰越高港湾2,135,37861.61,612,31944.1△24.5地中685,63219.81,029,15828.150.1陸上317,3979.2308,6328.4△2.8その他329,2979.5706,83819.3114.7合計3,467,705100.03,656,948100.05.5 2) 工事部門におけるセグメント別の受注工事高及び施工高(イ)当社の主要事業である工事部門の状況は次のとおりであります。期別セグメントの名称前期繰越工事高(千円)当期受注工事高(千円)計(千円)当期完成工事高(千円)次期繰越工事高当期施工高(千円)手持工事高(千円)うち施工高(%)(千円)前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)港湾1,507,5336,336,5637,844,0966,073,1491,770,9477.9139,4376,082,958地中657,7732,701,9813,359,7552,689,171670,5849.865,9122,676,884陸上211,070404,410615,481418,034197,4473.77,229404,119その他591,5231,304,7421,896,2661,578,869317,3977.022,2621,561,032工事合計2,967,90110,747,69813,715,59910,759,2242,956,3757.9234,84110,724,994当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)港湾1,770,9476,373,6798,144,6266,705,3961,439,2297.8112,1026,678,061地中670,5843,105,8723,776,4562,776,611999,8454.241,6762,752,375陸上197,447480,479677,926469,966207,9596.112,589475,327その他317,3971,655,6991,973,0961,396,843576,2529.353,6331,428,215工事合計2,956,37511,615,73014,572,10511,348,8193,223,2866.8220,00211,333,979 (注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減高が含まれております。2.次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事施工高-前期の次期繰越工事施工高)に一致しております。 (ロ)受注工事高の受注方法別比率工事受注方法は、特命と競争に大別されます。期別特命(%)競争(%)合計(%)前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)71.029.0100.0当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)71.828.2100.0 (注) 比率は請負工事高の比率であります。 (ハ)完成工事高期別セグメントの名称官公庁民間計金額(千円)比率(%)金額(千円)比率(%)金額(千円)比率(%)前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)港湾3,579,80358.92,493,34641.16,073,149100.0地中1,257,15646.71,432,01553.32,689,171100.0陸上50,80912.2367,22587.8418,034100.0その他1,413,69389.5165,17510.51,578,869100.0計6,301,46258.64,457,76141.410,759,224100.0当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)港湾3,618,14154.03,087,25446.06,705,396100.0地中1,137,71441.01,638,89759.02,776,611100.0陸上99,66221.2370,30378.8469,966100.0その他1,143,57881.9253,26518.11,396,843100.0計5,999,09852.95,349,72047.111,348,819100.0 (注) 1.官公庁の金額及び比率は建設会社、商社等民間を経由して官公庁から受注した物件も含めて表示しております。2.当社の一般的な工事の場合、受注から完工まで3ヶ月程度、着工から完工まで2ヶ月程度の期間を要しております。3.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。前事業年度発注者工事件名東京港埠頭株式会社令和4年度 大井コンテナ埠頭及びお台場ライナー埠頭電気防食更新工事東洋建設株式会社太平洋セメント株式会社南袖骨材センター桟橋防食工事 当事業年度発注者工事件名株式会社不動テトラ大正区船町2丁目(F-7)堤防補修工事東京都令和5年度日の出ふ頭桟橋補修工事 4.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。 (ニ)手持工事高(2025年3月31日現在)期別セグメントの名称官公庁民間計金額(千円)比率(%)金額(千円)比率(%)金額(千円)比率(%)当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)港湾804,03455.9635,19444.11,439,229100.0地中465,35246.5534,49253.5999,845100.0陸上9,1574.4198,80295.6207,959100.0その他515,93289.560,32010.5576,252100.0計1,794,47655.71,428,81044.33,223,286100.0 (注) 1.官公庁の金額及び比率は建設会社、商社等民間を経由して官公庁から受注した物件も含めて表示しております。2.当社の一般的な工事の場合、受注から完工まで3ヶ月程度、着工から完工まで2ヶ月程度の期間を要しております。3.手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。発注者工事件名完成予定年月東京港埠頭株式会社令和6年度大井コンテナ埠頭電気防食更新工事2026年2月東亜建設工業株式会社令和4年度 横浜港本牧地区岸壁(-16m)(改良)他改良等工事2025年9月 3) 生産実績品目前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)電気防食アルミニウム合金陽極(ALAP)数量(トン)2,4372,333電極製品金額(千円)142,270192,126 (注) 1.製品品目によっては、複数のセグメントに使用するため、セグメント別の集計はしておりません。2.当社は埼玉県上尾市に所在する製造部(工場)において、工事用材料を生産しております。3.工事用材料については、当社請負工事として使用される場合と、外部に製品として販売される場合があります。4.電極製品については種類が多岐にわたるため、標準原価による表示としております。 4) 商品等仕入実績部門前事業年度(自 2023年4月1日至 2024年3月31日)当事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)全事業部門(千円)1,235,3881,302,842 (注) 1.仕入品目によっては、複数のセグメントに使用するため、セグメント別の集計はしておりません。2.金額は、仕入価額によっており、生産に投入した額は除いております。3.仕入品は製品等販売に供する仕入で、主に防食工事用副材料として使用しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。その作成においては、貸借対照表上の資産・負債の計上額、及び損益計算書上の収益・費用の計上額に影響を与える見積りを必要とします。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりであります。 1) 履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法による完成工事高の計上基準当社の完成工事高の計上について、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法では、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で、履行義務の充足に係る進捗率を算出しております。総原価の見積りは実行予算によって行いますが、実行予算作成時には作成時点で入手可能な情報に基づいた施工条件によって総原価を見積り、受注・着工後完成に至るまで随時総原価の検討・見直しを行っております。また、実際の工事の進捗率と累計発生原価率との乖離が疑われる場合には、その要因を調査・検討することで完成工事高計上額の妥当性を検証しております。このように、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法による完成工事高計上の基礎となる総原価の見積りは、適時かつ適切に行っておりますが、将来の損益は見積り金額と異なる場合があります。 2) 工事損失引当金手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、将来の損失に備えるため、その損失見込額を計上しております。損失見込額の算定に際しては現在入手可能な情報に基づいた施工条件によって総原価を適時かつ適切に見積っておりますが、将来の損益は見積り金額と異なる場合があります。 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 1) 経営成績の分析当社の当事業年度の売上高は、特に港湾事業において、官公庁の大型予算案件が順調に出件されたことに加え、民間企業の設備保全工事等を多数受注獲得した結果、前事業年度に比べ945百万円増の14,725百万円となりました。売上原価は、前事業年度に比べ533百万円増の10,940百万円となりました。この結果、売上総利益は前事業年度に比べ411百万円増の3,784百万円となり、売上総利益率は前事業年度に比べ1.2ポイント上昇し、25.7%となりました。販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ130百万円増の2,327百万円となりました。この結果、売上総利益の増411百万円と合わせ、営業利益は前事業年度に比べ280百万円増の1,457百万円となりました。経常利益は、営業利益の増加に伴い、前事業年度に比べ298百万円増の1,502百万円となりました。加えて、特別損益、税金費用を計上した結果、当期純利益は前事業年度に比べ212百万円増の1,047百万円となりました。なお、各セグメントの概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ④ 生産、受注及び販売の実績 1) セグメント別受注高・売上高・繰越高」に記載しております。 2) 財政状態の分析当事業年度末の総資産につきましては、前事業年度末に比べ818百万円増の12,146百万円となりました。主な増加要因は、現金預金の増273百万円、電子記録債権、完成工事未収入金及び売掛金の増1,146百万円であり、主な減少要因は、関係会社預け金の減285百万円であります。負債につきましては、前事業年度末に比べ385百万円増の3,415百万円となりました。主な増加要因は、工事未払金及び買掛金の増222百万円、契約負債の増194百万円であります。純資産につきましては、前事業年度末に比べ432百万円増の8,730百万円となりました。主な増加要因は、利益剰余金の増456百万円であります。 3) キャッシュ・フローの分析当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ12百万円減の3,916百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と主な増減要因は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動で獲得した資金は692百万円(前事業年度は1,227百万円)となりました。資金の主な増加要因は、税引前当期純利益の1,497百万円、仕入債務の増加222百万円、契約負債の増加194百万円及び減価償却費124百万円であり、資金の主な減少要因は、売上債権の増加794百万円、法人税等の支払い330百万円、その他の棚卸資産の増加135百万円及び退職給付引当金の減少120百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動に使用した資金は114百万円(前事業年度は89百万円)となりました。このうち主な使途は、事業活動に必要な固定資産の取得125百万円であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動に使用した資金は590百万円(前事業年度は628百万円)となりました。このうち主な使途は、配当金の支払い590百万円であります。 4) 資本の財源及び資金の流動性について当社は、運転資金、設備投資資金及び株主還元のための資金につき、全て内部資金で賄っており、有利子負債はございません。当事業年度末の現金及び現金等価物の残高は3,916百万円(売上高の3.2ヶ月分)であり、上記の資金需要に対して十分な流動性を確保しております。<キャッシュ・フロー関連指標の推移(金額:百万円)>指標2020年度(第78期)2021年度(第79期)2022年度(第80期)2023年度(第81期)2024年度(第82期)営業キャッシュ・フロー△71,3288221,227692投資キャッシュ・フロー△122△224△185△89△114財務キャッシュ・フロー△627△800△544△628△590現金及び現金等価物の増減△75630392510△12現金及び現金等価物の事業年度末残高3,0213,3253,4183,9283,916 5) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「23中計」期間中の事業環境は、港湾・港湾RC分野の成長が期待できる一方、地中・陸上分野は概ね現状水準で推移し、全体としては緩やかに成長するものと予測しております。新規事業については、特に洋上風力発電分野と橋梁RC分野に注力し、「23中計」期間後に収益貢献するよう、尽力してまいります。また、利益配分について、継続的な安定配当を基本方針としつつ、配当性向、自己株式の取得を含めた株主資本総還元率を総合的に勘案した株主還元を行っております。具体的指標として、2024年3月期からの3年間を対象とした中期経営計画「23中計」において、配当性向70%を目途とした継続的な株主還元に努める方針としております。 <経営指標等の推移> 指標2022年度(第80期)実績2023年度(第81期)実績2024年度(第82期)実績2025年度(第83期)見込み売上高(百万円)14,15813,78014,72514,500経常利益(百万円)1,2731,2041,5021,318配当性向69.9%70.8%70.5%69.3%
事業リスク
- 公共投資依存港湾関連施設の防食事業は公共投資に大きく左右される可能性があります。
- 原材料価格変動アルミニウム地金などの原材料価格高騰が利益を圧迫するリスクがあります。
- 与信リスク下請け工事が多く、元請けの建設業者の与信状況によっては代金回収にリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。(1) 公共投資への依存度当社の基幹事業である港湾関連施設の防食事業は主に官公庁を対象としており、公共投資の動向に大きく左右されます。公共投資は財政の制約から、既存設備を延命化し、更新投資の発生を極力抑える取組が進められておりますが、設備の延命化を目的とした防食事業にとっては、中長期的に追い風となる状況であり、地域ごとに濃淡はあるものの、全国規模で官需が大幅に減少するリスクは当面極めて少ないと認識しております。また、需要の一時的な増減に対しては、コスト・ダウンや生産性向上による利益率の確保、新たな防食対象の掘り起こし等により対処しております。 (2) 与信リスク当社事業の防食工事は、お客様から単体で直接請け負うことは少なく、全体工事をゼネコン等の建設業者が元請し、当社は防食工事部分を下請することが多い状況にありますが、公共工事については、入札により小規模の建設業者が元請することも多く、与信リスクがあります。当社は、社内与信管理システムの強化により、与信問題の発生を最小限に抑えるよう努めております。 (3) 原材料の高騰当社製品の主要原材料であるアルミニウム地金等の価格が上昇し、それを製品価格に転嫁出来なかった場合に売上利益が減少するリスクがあります。当社では各調査会や官公庁等への情報提供を行うことにより、極力タイムラグを生じない製品価格への反映を図っております。また、地金取扱商社等から日々情報を入手し、適切な購入時期・量の調整を行うことにより、価格上昇リスクの軽減を図っております。 (4) 海外・異業種からの事業参入海外からの防食材料の流入、国内の異業種からの事業参入等があります。当社は、電気防食を中核として防食に関する調査、設計、製造、施工までを一貫して行う防食専業者として長年培った技術力・営業力によるお客様の信頼に加え、継続したコスト削減の実施により、競争力の維持を図っております。 (5) 特定対象物への依存度当社事業の対象物は、鋼構造物が主体であり、鉄から他の素材への転換に伴う需要の喪失リスクが一部想定されますが、中長期的な経済性等から判断し、事業への大きな影響はないと判断しております。