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JESCOホールディングス(1434)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

JESCOホールディングスは、日本国内外で電気設備工事や通信設備工事などを手掛ける「EPC事業」と、不動産の賃貸・売買を行う「不動産事業」を展開しています。EPC事業では、再生可能エネルギー関連設備や通信基地局、空調衛生設備などの設計・調達・建設・保守を一貫して提供し、特にベトナムを中心としたアセアン地域での事業拡大にも注力しています。不動産事業では、駅近の高付加価値オフィスビルを保有・賃貸・売買することで収益を上げています。特定の元請けに依存せず、多様な顧客から案件を受注し、ワンストップサービスで差別化を図ることで安定的な収益基盤を築いています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
2025-08 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DomesticEPCBusiness 地域 128 12 9.2%
ASEANEPCBusiness 地域 14 -2 -12.1%
RealEstateBusinessReportableSegment 地域 49 8 16.7%
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FY2025|4,492 文字
3 【事業の内容】(1) グループの概況当社グループは、持株会社制を導入しており、当社及び連結子会社10社(JESCOネットワークシステム株式会社(以下、JESCOネットワークシステム)、JESCOエコシステム株式会社(以下、JESCOエコシステム)、JESCO SUGAYA株式会社(以下、JESCO SUGAYA)、JESCO AKUZAWA株式会社(以下、JESCO AKUZAWA)、JESCO MAGNA株式会社(以下、JESCO MAGNA)、JESCO ASIA JOINT STOCK COMPANY(以下、JESCO ASIA)、JESCO HOA BINH ENGINEERING CO.,LTD.(以下、JHE)、JESCO PEICO ENGINEERING JOINT STOCK COMPANY(以下、JESCO PEICO)、JESCO HOLDING SINGAPORE PTE. LTD.(以下、JESCO SINGAPORE)、JESCO CRE株式会社(以下、JESCO CRE))及び非連結子会社1社(JESCOエキスパートエージェント株式会社(以下、JEA))の計11社で構成され、① 国内EPC(注1)事業、② アセアン(注2)EPC事業及び③ 不動産事業の3つの事業セグメントを展開しております。 当社グループは、「FOR SAFETY FOR SOCIETY」、「安心して暮らせる豊かな社会づくりに貢献する」との基本理念に基づき、主に再生可能エネルギー、電気無線設備工事、電気通信設備工事、空調衛生設備工事、不動産の所有、売買又は賃貸借の事業分野において、株主、取引先、従業員等、当社グループに関わる全てのステークホルダーの満足度を高めるよう努めております。 (注1)EPC:Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)の略(注2)アセアン:インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー及びラオスの計10ヶ国 (2) 事業の内容① 国内EPC事業当事業は、当社連結子会社であるJESCOネットワークシステム、JESCOエコシステム、JESCO SUGAYA、JESCO AKUZAWA、JESCO MAGNAの5社が行っております。日本国内における再生可能エネルギー関連設備工事、電気無線設備工事及び電気通信設備工事等を事業領域として、主に太陽光発電設備、移動体通信基地局、防災行政無線、工業用監視カメラ、通信指令システム、道路付帯設備及び商業施設等を受注し、設計業務、調達業務、施工管理業務及び保守メンテナンス業務等を展開しております。なお、上記の各業務の内容は、以下のとおりであります。設計業務とは、施主又は元請事業者の仕様に基づいて、設計図面を作成する業務であります。調達業務とは、工事に必要となる資材の選定、資材業者への発注、工事後の元請事業者等への設置引渡しを行うことであります。施工管理業務とは、施工の外注先である協力会社が行う工事全体の管理を行うことであります。管理には、工程管理、安全管理、品質管理、原価管理等が含まれます。保守メンテナンス業務とは、機器設置引渡し後のシステム品質の維持管理に係る保守点検のことであります。また、当社グループでは、上記業務をワンストップで受注できる体制を整えております。 ② アセアンEPC事業当事業は、当社連結子会社であるJESCO ASIA、JHE、JESCO PEICOの3社が行っております。2001年ホーチミンにて開始した設計積算業務の拠点をダナン、ハノイにも設置し、さらに2020年12月にロンアン地域に、2022年10月にカントー市に5拠点目を設置し、拡大してまいりました。BIM技術者の育成など、日本からの設計積算業務のアウトソーシングを展開しております。また、ベトナムを中心としたアセアン地域における建築工事、電気設備工事、電気無線・通信設備工事及び空調衛生設備工事等を事業領域として、主に空港、太陽光発電設備、防災減災関連設備、工場、商業施設、高層コンドミニアムなどを施主又は建設会社、電気設備会社、通信電機機器メーカー等の元請事業者から受注し、設計業務、調達業務、施工管理業務及び保守メンテナンス業務等を展開しております。なお、上記の各業務の内容は、国内EPC事業における業務内容と同様であります。また、当社グループでは、上記業務をワンストップで受注できる体制を整えております。当事業において、JESCO ASIAは、主に建築工事、電気設備工事及び電気通信設備工事等の設計業務、調達業務、施工管理業務及び保守メンテナンス業務等を展開しております。JHEは、主に電気設備工事、電気通信設備工事及び空調衛生設備工事等の調達業務、施工管理業務及び保守メンテナンス業務等を展開しております。JESCO PEICOは、主に電気設備工事、機械・配管設備工事、土木工事等の設計・積算、保守・メンテナンス等を展開しております。 ③ 不動産事業当事業は、当社及びJESCO CREが行っております。企業価値向上を目的に不動産を保有、売買又は賃貸し、収益の中心としております。駅に近い立地の高付加価値のオフィスビルを所有し、これを適正な価格で売買又は賃貸することで確かな収益を生んでおります。規模の追求ではなく、高い収益性を維持しながら、高品質のサービスを提供し、顧客満足度の向上に努めております。 (3) 事業の特徴当社グループの事業は、以下の2つの特徴を有しております。① 独立系当社グループが属する設備工事業界では、大手元請事業者を中心とした下請事業者による集団が形成され、当該集団に属する下請事業者及び下請事業者の外注先である協力会社は、特定の元請事業者からのみ工事を受注する傾向にあります。このため、特定のグループに属する設備工事会社の事業は、一部の元請事業者からの発注に依存することになり、下請事業者及び下請事業者の外注先への業務量は安定しないことが問題点として挙げられます。このような業界構造の中、当社グループでは、創業時より、当社グループの元請事業者となる建設会社、電気設備会社及び通信電機機器メーカー等とバランスよく取引関係を構築し、特定の元請事業者に受注先を限定させないことを基本方針としてまいりました。この方針のもと事業展開を継続してきたことにより、当社グループが工事案件を受注する元請事業者は偏りがなく多岐に渡り、当社グループ及び当社グループの協力会社の業務量の安定化につながっていると認識しております。さらに、近年は自らが元請事業者として受注することにも注力しております。今まで培ってきたノウハウや実績、プロジェクトマネジメント力により、元請比率のさらなる拡大を図り、売上・利益率の向上を目指してまいります。 ② 継続的な受注及び利益を確保するための施策A ワンストップでのビジネスの展開による継続的な受注の実現当社グループが属する設備工事業界、その中でも電気設備工事及び電気通信設備工事に係る業界の課題として、工程や工種ごとに担当する事業者が細分化されている構造となっており、その工程間、工種間で規格や事業者の選定等、様々なコストが発生していることが挙げられます。このような業界環境の中、当社グループは、設計、調達、施工管理及び保守メンテナンスに至るまで、案件を施工するための多様な機能を有しており、工事案件のプロセスをワンストップで受注できる体制を構築し、同業他社との差別化を図っております。これにより、当社グループでの短納期、低コストでの施工、及び元請事業者にとっても工事の進捗管理に係る負担の軽減にもつながり、採算性の確保や元請事業者からの継続的な受注を実現させております。 B 「低コスト」「ジャパンクオリティ」「DX(デジタルトランスフォーメーション)強化」の実現アセアンEPC事業に属するJESCO ASIAは、当社グループのベトナムにおける設計積算業務のコスト削減と品質向上を目的として2001年に設立いたしました。設立以降、現地採用のベトナム人に設計業務の実務を担当させつつ、日本語研修を充実させることで、実務能力と語学力を兼ね備えた従業員を養成しております。また、工事に関しても品質確保のため、工事作業員に対して日本で行われている教育(作業員の作業着衣指導、保護具の完全着用、朝礼、危険予知ミーティング等)を実施しているほか、作業現場では、IEC(国際電気標準会議)等の規格に基づいた工事を実施しております。設計積算業務におきましては、従来から設計業務のデジタル化により進化させてまいりましたが、今般、WEB会議システムと360度カメラを活用してリアルタイムで日本国内の現地調査を行うなどの効率化を図り、スピーディーな設計・積算のオフショア業務体制を構築しております。このようなDX化をベースに、300人への増員やロンアン地域及びカントー市への拡大、BIM導入など、更なる体制強化に取り組んでいます。このような取り組みにより、低コスト(ベトナムにおける低賃金での人材確保による設計業務の低コスト化)を実現させつつも、日本のクオリティに準じた設計・工事の品質(研修、実務を通じて養成した実務能力の高いベトナム人従業員による役務の提供)をベトナム現地で保持することができ、継続的な受注と利益の確保に貢献しております。 C 安全・品質の確保当社グループは、創業時に高い安全基準が求められる原子力発電所での格納容器のリークテスト(原子炉格納容器漏洩率試験)業務を行っていたこと等から、当初より安全・品質への意識が高いことが特徴として挙げられます。具体的には、1999年1月に品質に関する国際規格であるISO9001認証登録、2004年4月に労働安全衛生の国際規格であるOHSAS18001(現ISO45001)認証登録等、国際規格を取得して安全・品質の確保に努めてまいりました。また、2020年10月からインターネットを利活用した「JESCOアカデミー」を開講しました。クラウドを活用したオンデマンド配信による技術者教育で、いつでもどこでも受講することが出来、人材の早期育成にも取り組んでおります。将来的には、国内外のパートナー会社にも拡大してまいります。このような新たな取り組みに加え、各種研修の開催、取引先を含めたJESCOグループ安全衛生協議会(※)の組織化、安全大会の開催等、安全・品質への意識と知識の向上に努めております。(※JESCOグループ安全衛生協議会は、安全衛生管理、労働災害防止、設備事故防止を推進し、工事の品質向上を図ることを目的として当社グループ及び当社グループの取引先とで組織されております。)   (事業系統図)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
国内EPC事業、アセアンEPC事業において多くの企業と競合し、価格競争が激化する可能性
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
建設業法、電気通信事業法等の関連法規制や多くの許認可が必要
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:保有資産の時価下落による減損損失の発生 / 景気変動による市場規模の変化や粗利率の低下 / 建設資材価格の急激な高騰
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

JESCOホールディングスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを基盤とした無形資産による競争優位性は、現時点では明確に確認できません。事業内容は電気設備工事が中心であり、技術力や実績は重要ですが、それが直接的な無形資産として評価できるかは疑問です。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

電気設備工事においては、一度構築されたインフラや納入実績が、顧客(ゼネコンやデベロッパー)にとって一定の信頼となり、新規業者への切り替えコストを生む可能性があります。しかし、プロジェクトごとに競争入札が行われることも多く、スイッチング・コストは限定的と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

JESCOホールディングスの事業モデルは、ユーザーが増えることでサービスの価値が増すネットワーク効果を生み出す構造ではありません。個別の工事案件を受注・遂行するビジネスであり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果は期待できません。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

建設業全体として、規模の経済や効率化によるコスト優位性は追求されますが、JESCOホールディングスが業界内で突出したコスト競争力を持っているという具体的な証拠は現時点では見当たりません。標準的なコスト管理努力の範囲内と考えられます。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

電気設備工事分野において、JESCOホールディングスは一定の事業規模と実績を有しており、業界内での地位を確立しています。大規模プロジェクトの遂行能力や、複数の地域・分野での事業展開は、効率規模の観点から一定の優位性を示唆します。しかし、業界全体が多数のプレイヤーで構成されているため、寡占度は高くありません。

競争優位性(モート)の要約は、有報の事業内容・経営戦略から順次生成中です。

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営基本方針当社グループは、「For Safety For Society」を基本理念に掲げ、国内及びベトナムを中心とするアセアンにおいて、カーボンニュートラルやSociety5.0等、 持続可能で豊かな社会の実現に向けて、ダイナミックにChallenge&Innovationする企業集団を目指しております。長年培ってきた電気設備・電気通信設備工事の技術や経験を活かし、様々な社会インフラの構築及び保守メンテナンス、さらに老朽化したインフラ設備の更新工事に取り組んでおり、総合エンジニアリング企業として、社会インフラに関する各種の課題に対し、企画・調査・コンサル・設計・施工・保守メンテナンス等、高度なサービスをワンストップで提供することによって、安心して暮らせる豊かな社会づくりに貢献してまいります。 (2) 中長期的な目標当社グループは、“Challenge & Innovation”をスローガンに掲げ「中期経営計画(2026/8期~2028/8期)」を策定しました。10年先のあるべき姿の実現を見据え、注力分野における事業を深化・拡大するとともに、人材採用・教育施策等により、経営基盤をさらに強固なものとしてまいります。また、資本コストや株価を意識した戦略的な資本政策を通じて、企業価値向上と株主価値の最大化を図ってまいります。当社は、利益を追求するだけでなく、お客様と社会とともに成長し、社員が誇りをもって働くことができるグッドカンパニーを目標としております。このグッドカンパニーを体現することにより、持続的な成長を果たし、時価総額150億円の実現に向けた歩みを進めてまいります。 <中期経営計画(2026/8期~2028/8期)の目指す姿>  売上高・営業利益の飛躍的な成長、高水準のROEの継続を実現すべく、以下の成長戦略に取り組みます。  数値目標:2028年8月期 売上250億円 営業利益25億円 ROE15%以上 配当性向40% (3) 会社の対処すべき課題◆「国内EPC事業を柱に据えた成長の実現」国内EPCの3つの成長領域「太陽光発電設備」、「電気設備」、「通信システム」での事業拡大を柱とし、さらにアセアンEPCでの設計・積算の受注拡大、不動産事業の安定収益化のもと、成長を実現してまいります。(太陽光発電設備)第7次エネルギー基本計画では、2040年に国内電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を40~50%程度とする目標が掲げられており、今後も市場拡大が見込まれています。当社は、長年の実績を持つ太陽光発電設備工事において、自家消費型太陽光発電設備の需要を確実に取り込んでまいります。さらに、2025年8月期より新たに取り組んできた系統用蓄電所の建設工事についても、再生可能エネルギーの増加に伴いさらなる需要拡大が期待されており、事業機会を的確に捉えてまいります。(電気設備)データセンターや物流倉庫の増設に伴い電気設備工事の需要は増加の一途をたどる一方、電気設備工事業界においては人材不足となっています。このような中、当社においては、公共設備や民間設備、さらに送電線・発変電の各種電気設備工事に対応可能な幅広い技術力により電気設備工事の引き合いが増加しており、さらなる受注拡大に向けて、取り組んでまいります。(通信システム)通信システムの市場環境は、国土強靭化5ヵ年計画(~2030年度)の事業規模が約20兆円に拡大しており、また防衛施設の強靭化に伴う5年間の総事業費は総額4兆円に上ることから、関連領域のさらなる拡大が期待されます。当社では、情報通信工事や無線工事、電気工事、保守まで幅広く対応可能な強みを活かし、引き続き防災減災対策に向けた防災行政無線やCCTV(監視カメラ)の需要を取り込むとともに、防衛関連施設の老朽化対策等の更新工事にも展開を広げてまいります。(アセアンEPC事業)設計・積算部門においては、日本の建設業界での人材不足を背景に、日本企業からの受注拡大に注力するとともに、ベトナムの若手人材の活用と技術教育により、300名体制構築を進めてまいります。工事部門においては、ベトナム民間企業からの新規受注は一時停止し、日系企業・欧米系企業からの受注へ転換、また未収入金の回収を強化することにより、黒字化を図ってまいります。(不動産事業)不動産価格が高騰する中、当社においては再生可能な不動産を割安で取得し、バリューアップ工事により不動産価値を高める、不動産再生型ビジネスモデルへ転換するとともに、ストックの拡充により安定収益化に取り組んでまいります。(M&A)上記成長領域での拡大に加え、高度技術者の確保や国内ネットワークの拡充、事業領域の拡大を目的とした積極的なM&Aの実施により、さらなる成長を実現してまいります。 ◆「資本コストや株価を意識した経営の実現による高水準のROEの継続」国内EPC事業の拡大に向けたM&A、また人材の採用・定着を目的とした処遇や福利厚生等のさらなる向上に向けた成長投資を行う方針です。また、2025年8月期の1株当たり配当金40円を下限として配当性向を段階的に引き上げ、2028年8月期には配当性向40%の実現を目指し、株主還元の強化を図ってまいります。前述の成長戦略及びこれらの取り組みにより、株主資本コスト11%を上回るROEを継続するとともに、2028年8月期には15%超の達成を目指します。 (4) 資金面での取り組み資金につきましては、保有不動産の適切な運用により流動性の確保を図りつつ、M&A資金等に活用する方針であります。また、金融機関や証券市場を通じた資金確保も可能であります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営基本方針当社グループは、「For Safety For Society」を基本理念に掲げ、国内及びベトナムを中心とするアセアンにおいて、カーボンニュートラルやSociety5.0等、 持続可能で豊かな社会の実現に向けて、ダイナミックにChallenge&Innovationする企業集団を目指しております。長年培ってきた電気設備・電気通信設備工事の技術や経験を活かし、様々な社会インフラの構築及び保守メンテナンス、さらに老朽化したインフラ設備の更新工事に取り組んでおり、総合エンジニアリング企業として、社会インフラに関する各種の課題に対し、企画・調査・コンサル・設計・施工・保守メンテナンス等、高度なサービスをワンストップで提供することによって、安心して暮らせる豊かな社会づくりに貢献してまいります。 (2) 中長期的な目標当社グループは、“Challenge & Innovation”をスローガンに掲げ「中期経営計画(2026/8期~2028/8期)」を策定しました。10年先のあるべき姿の実現を見据え、注力分野における事業を深化・拡大するとともに、人材採用・教育施策等により、経営基盤をさらに強固なものとしてまいります。また、資本コストや株価を意識した戦略的な資本政策を通じて、企業価値向上と株主価値の最大化を図ってまいります。当社は、利益を追求するだけでなく、お客様と社会とともに成長し、社員が誇りをもって働くことができるグッドカンパニーを目標としております。このグッドカンパニーを体現することにより、持続的な成長を果たし、時価総額150億円の実現に向けた歩みを進めてまいります。 <中期経営計画(2026/8期~2028/8期)の目指す姿>  売上高・営業利益の飛躍的な成長、高水準のROEの継続を実現すべく、以下の成長戦略に取り組みます。  数値目標:2028年8月期 売上250億円 営業利益25億円 ROE15%以上 配当性向40% (3) 会社の対処すべき課題◆「国内EPC事業を柱に据えた成長の実現」国内EPCの3つの成長領域「太陽光発電設備」、「電気設備」、「通信システム」での事業拡大を柱とし、さらにアセアンEPCでの設計・積算の受注拡大、不動産事業の安定収益化のもと、成長を実現してまいります。(太陽光発電設備)第7次エネルギー基本計画では、2040年に国内電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を40~50%程度とする目標が掲げられており、今後も市場拡大が見込まれています。当社は、長年の実績を持つ太陽光発電設備工事において、自家消費型太陽光発電設備の需要を確実に取り込んでまいります。さらに、2025年8月期より新たに取り組んできた系統用蓄電所の建設工事についても、再生可能エネルギーの増加に伴いさらなる需要拡大が期待されており、事業機会を的確に捉えてまいります。(電気設備)データセンターや物流倉庫の増設に伴い電気設備工事の需要は増加の一途をたどる一方、電気設備工事業界においては人材不足となっています。このような中、当社においては、公共設備や民間設備、さらに送電線・発変電の各種電気設備工事に対応可能な幅広い技術力により電気設備工事の引き合いが増加しており、さらなる受注拡大に向けて、取り組んでまいります。(通信システム)通信システムの市場環境は、国土強靭化5ヵ年計画(~2030年度)の事業規模が約20兆円に拡大しており、また防衛施設の強靭化に伴う5年間の総事業費は総額4兆円に上ることから、関連領域のさらなる拡大が期待されます。当社では、情報通信工事や無線工事、電気工事、保守まで幅広く対応可能な強みを活かし、引き続き防災減災対策に向けた防災行政無線やCCTV(監視カメラ)の需要を取り込むとともに、防衛関連施設の老朽化対策等の更新工事にも展開を広げてまいります。(アセアンEPC事業)設計・積算部門においては、日本の建設業界での人材不足を背景に、日本企業からの受注拡大に注力するとともに、ベトナムの若手人材の活用と技術教育により、300名体制構築を進めてまいります。工事部門においては、ベトナム民間企業からの新規受注は一時停止し、日系企業・欧米系企業からの受注へ転換、また未収入金の回収を強化することにより、黒字化を図ってまいります。(不動産事業)不動産価格が高騰する中、当社においては再生可能な不動産を割安で取得し、バリューアップ工事により不動産価値を高める、不動産再生型ビジネスモデルへ転換するとともに、ストックの拡充により安定収益化に取り組んでまいります。(M&A)上記成長領域での拡大に加え、高度技術者の確保や国内ネットワークの拡充、事業領域の拡大を目的とした積極的なM&Aの実施により、さらなる成長を実現してまいります。 ◆「資本コストや株価を意識した経営の実現による高水準のROEの継続」国内EPC事業の拡大に向けたM&A、また人材の採用・定着を目的とした処遇や福利厚生等のさらなる向上に向けた成長投資を行う方針です。また、2025年8月期の1株当たり配当金40円を下限として配当性向を段階的に引き上げ、2028年8月期には配当性向40%の実現を目指し、株主還元の強化を図ってまいります。前述の成長戦略及びこれらの取り組みにより、株主資本コスト11%を上回るROEを継続するとともに、2028年8月期には15%超の達成を目指します。 (4) 資金面での取り組み資金につきましては、保有不動産の適切な運用により流動性の確保を図りつつ、M&A資金等に活用する方針であります。また、金融機関や証券市場を通じた資金確保も可能であります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況  (経営成績の状況)当連結会計年度(2024年9月1日~2025年8月31日)におけるわが国経済は、建設分野における人材不足、原材料価格や資源・エネルギー価格の高騰、また国際経済環境の不透明感があるものの、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の拡大等により、景気は緩やかな回復基調で推移しました。 当社グループは、国内及びベトナムを中心とするアセアンにおいて、カーボンニュートラルやSociety5.0等、持続可能で豊かな社会の実現に向けて、ダイナミックにChallenge&Innovationする企業集団を目指しています。当社グループが長年培ってきた電気設備・電気通信設備工事の技術や経験を活かし、再生可能エネルギーや無線通信インフラ設備等、国土強靭化に関わる様々な社会インフラの構築及び保守メンテナンス、老朽化したインフラ設備の更新工事等のEPC*1事業に取り組んでおります。さらに、2022年に新たに立ち上げた不動産事業を両輪とする「両利きの経営」により、事業の多角化を図るとともに、事業を通じてサステナブルな社会構築を目指しております。 a サステナブル経営を目指して-1. 太陽光パネルのライフサイクルサポート当社グループでは、太陽光発電所の建設やO&Mに20年以上取り組んでおります。業務提携をしているJ&T環境株式会社(JFEグループのリサイクル企業)とともに、太陽光パネルの施工からリパワリング、リサイクルまでライフサイクル全般にわたってサポートすることにより、循環型社会の構築に貢献してまいります。 -2. 人財・DXへの取り組み建設工事の需要が高まる一方、日本国内においては人口減少が続き、電気工事を含む建設業の高度技術者の不足が大きな課題となっており、当社グループでは、Webを活用した自社教育システム「JESCOアカデミー」を中心とした技術者教育を推進してまいりました。また、業務プロセス変革の推進を掲げ、生成AIの活用による施工のフロントローディング*2強化、バックオフィスの業務改革に向けて、環境構築に着手いたしました。-3. BCP対策/防災拠点の新設グループ全体のBCP(Business Continuity Plan)対策として、群馬県高崎市に防災拠点を建設し、2025年3月に竣工いたしました。一次エネルギー消費量が正味ゼロ(CO2削減量78t/年)となる建築物等の ZEB(Net Zero Energy Building)化・省CO2化普及加速事業として認証された本建物は、JESCO AKUZAWA株式会社の本社としても活用しております。 b 当期業績について国内EPCでは、今後さらなる拡大が期待される再生可能エネルギーや無線通信インフラ設備を注力分野として取り組んでまいりました。2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画においては、主力電源として太陽光の割合を2040年度には23~29%とする目標が掲げられており、この目標達成に向けて2026年度より、化石燃料利用が多い工場等を持つ事業者に屋根置き太陽光パネルの導入目標策定が義務付けられます。このような背景から、自家消費型太陽光発電設備の受注が前期に引き続き拡大いたしました。また、再生可能エネルギー設備の増加に伴う出力制御拡大の影響等により、系統用蓄電設備*3の需要も高まっており、幅広い地域からの受注と多くの引き合いにつながりました。このような中、当社が新たに施工を手掛けた九州地区及び新潟地区の系統用蓄電所が無事完工いたしました。無線通信インフラ関連分野では、多方面でセキュリティ強化の重要性が高まる中、各種プラント向けのITV(工業用監視カメラ)や、防災減災に向けた通信システム工事が拡大するとともに、移動体通信設備工事においては、総務省の「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」の2030年末5G人口カバー率99%実現に向けて、展開地域を関東から東海・東北エリアへと拡大し、順調に進捗いたしました。アセアンEPCでは、注力分野であるベトナムでの設計・積算部門において、日本企業からの設計・積算業務の受注が拡大した他、ホーチミン市東部にハブ空港として建設されるロンタイン国際空港ターミナルビルの電気設備及びICT*4施工監理業務が順調に進捗いたしました。また、さらなる拡大に向け、専門教育により技術力強化やBIM*5要員拡大に取り組むとともに、設計人員300名体制の早期構築に向けて増員を進めてまいりました。工事部門では、ベトナム不動産市場の規制強化等の影響による建設市場の停滞は、一部回復の傾向が見られるものの、厳しい状況が続く展開となりました。当社においては状況を注視しつつ、日系企業や欧米系企業からの受注獲得に向けて対応を進めてまいります。 このような状況のもと、当連結会計年度の受注高は、199億37百万円(前年同期比19.8%増)、経営成績は、売上高190億67百万円(前年同期比28.8%増)、営業利益17億21百万円(前年同期比50.6%増)、経常利益16億92百万円(前年同期比39.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益10億76百万円(前年同期比6.3%増)となりました。 セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。 a 国内EPC事業注力分野である再生可能エネルギー関連設備において、自家消費型太陽光発電設備工事や需要が高まる系統用蓄電設備工事、また無線通信インフラ設備においては、セキュリティ強化に向けた各種プラント向け通信システム工事等が計画を上回り順調に推移し、増収増益となりました。当連結会計年度における当セグメントの受注高は、137億62百万円(前年同期比4.7%増)、経営成績は、売上高128億20百万円(前年同期比14.6%増)、セグメント利益11億79百万円(前年同期比38.2%増)となりました。 b アセアンEPC事業 設計・積算部門においては、現在注力している技術力強化及び技術員の増員等が新規顧客の獲得に寄与し、順調に推移いたしました。一方、工事部門においては、依然としてベトナムにおける規制強化等が建設業に影響を与えており、貸倒引当金の回収に注力してまいりました。当連結会計年度における当セグメントの受注高は、13億16百万円(前年同期比11.7%増)、経営成績は、売上高13億87百万円(前年同期比7.2%増)、セグメント損失1億68百万円(前年同期はセグメント損失3億54百万円)となりました。 c 不動産事業不動産の賃貸借事業をベースに、リニューアルによるバリューアップ等幅広く事業に取り組む中、保有ビルの満床稼働により、賃貸管理収入が順調に推移いたしました。また、販売用不動産を計2件売却したことにより、増収増益となりました。当連結会計年度における当セグメントの受注高は、48億59百万円(前年同期比109.5%増)、経営成績は、売上高48億59百万円(前年同期比109.5%増)、セグメント利益8億11百万円(前年同期比6.3%増)となりました。 <受注高、売上高及び繰越受注残高>                                  (単位:百万円)期間セグメント期首繰越受注残高当期受注高当期売上高次期繰越受注残高前連結会計年度(自 2023年9月1日 至 2024年8月31日)国内EPC事業6,23413,14311,1908,187アセアンEPC事業1,0611,1771,294944不動産事業―2,3192,319―合計7,29516,64114,8049,131当連結会計年度(自 2024年9月1日 至 2025年8月31日)国内EPC事業8,18713,76212,8209,129アセアンEPC事業9441,3161,387872不動産事業―4,8594,859―合計9,13119,93719,06710,001 *1 EPC:設計・調達・建設(Engineering、Procurement、Construction)の略*2 フロントローディング:上流工程での検討を強化し、プロジェクト全体の品質向上と工期短縮を図る手法*3 系統用蓄電設備:電力ネットワーク(系統)や再生可能エネルギー発電所等に大規模な蓄電池を接続し、  電力の充放電を行う設備。*4 ICT:デジタル化された情報やデータを交換・共有する技術。   ICT…Information and Communication Technology(情報通信技術)*5 BIM:ICTを活用し、3次元の建設デジタルモデルに建築物のデータベースを含めた建築の新しいワークフロー  を提供する設計ソフト。 BIM…Building Information Modeling   (財政状態の状況)当連結会計年度末における流動資産は、142億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億6百万円の増加となりました。これは、販売用不動産が12億30百万円増加したこと等によるものであります。当連結会計年度末における固定資産は、34億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億93百万円の減少となりました。これは、建物及び構築物が2億15百万円、土地が10億78百万円、のれんが65百万円減少したこと等によるものであります。この結果、当連結会計年度末における資産合計は、176億47百万円となり、86百万円の減少となりました。当連結会計年度末における流動負債は、54億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億67百万円の減少となりました。これは1年内返済予定の長期借入金が2億31百万円増加し、支払手形・工事未払金等が2億46百万円、短期借入金が2億70百万円減少したこと等によるものであります。当連結会計年度末における固定負債は、46億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ34百万円の減少となりました。これは、長期借入金が46百万円増加し、その他に含まれる長期前受収益が1億57百万円減少したこと等によるものであります。この結果、当連結会計年度末における負債合計は、100億86百万円となり、9億1百万円の減少となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、75億61百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億14百万円の増加となりました。なお、自己資本比率は前連結会計年度末の37.4%から当連結会計年度末は42.4%になりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ6億62百万円増加し、30億12百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フロ-は、税金等調整前当期純利益17億28百万円、減価償却費2億54百万円等の増加要因に対し、仕入債務の減少額2億7百万円、法人税等の支払額10億4百万円等の減少要因により、8億96百万円の収入(前連結会計年度は8億51百万円の支出)となりました。投資活動によるキャッシュ・フロ-は、定期預金の払戻による収入3億14百万円、固定資産の売却による収入2億10百万円等の増加要因に対し、固定資産の取得による支出4億45百万円等の減少要因により、17百万円の収入(前連結会計年度は16億77百万円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フロ-は、短期借入れによる収入67億91百万円、長期借入による収入26億28百万円等の増加要因に対し、短期借入金の返済による支出70億52百万円、長期借入金の返済による支出23億50百万円、配当金の支払額2億7百万円等の減少要因により、2億10百万円の支出(前連結会計年度は7億59百万円の支出)となりました。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループは、主に営業活動から得られるキャッシュ・フローのほか、外部からの資金調達については、銀行借入れ等により実施しております。また、営業債務や設備投資資金の支払、借入金の返済等に向けた資金需要に備えて、充分な資金を確保するために、適時にグループ各社からの報告に基づき資金繰計画を作成する等の方法により、資金の流動性確保を図りつつ、余剰資金が生じた場合には、財務体質の改善、更なる事業の拡大を目指した今後のM&A資金、海外事業の拡大に向けた投資、業務改革の推進や事業競争力の強化に向けたIT投資等の目的に充当する方針であります。  ③ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。 b 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)国内EPC事業13,762,6554.79,129,51511.5アセアンEPC事業1,316,05811.7872,299△7.6不動産事業4,859,191109.5--合計19,937,90519.810,001,8159.5 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 c 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)国内EPC事業12,820,69014.6アセアンEPC事業1,387,7587.2不動産事業4,859,191109.5合計19,067,64028.8 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。   2. 総販売実績の100分の10以上の売上高割合を占める販売先は無いため、主要な販売先の記載は省略しております。 d 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称仕入高(千円)前期比(%)国内EPC事業3,414,26115.6アセアンEPC事業512,79380.1合計3,927,05521.3 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 e 外注実績当連結会計年度における外注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称外注高(千円)前期比(%)国内EPC事業4,546,56625.3アセアンEPC事業166,199△2.0合計4,712,76624.1 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行う必要があります。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 財政状態の分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況  (財政状態の状況)」をご参照ください。 b 経営成績の分析イ 売上高当連結会計年度における売上高は、190億67百万円(前年同期比28.8%増)となりました。 当社グループのセグメントごとの外部顧客への売上高の内訳は、国内EPC事業が128億20百万円(同14.6%増)、アセアンEPC事業が13億87百万円(同7.2%増)、不動産事業が48億59百万円(同109.5%増)となりました。 国内EPCの3つの成長領域「太陽光発電設備」、「電気設備」、「通信システム」での事業拡大を柱とし、さらにアセアンEPCでの設計・積算の受注拡大、不動産事業の安定収益化のもと、さらなる成長を実現してまいります。 ロ 営業利益当連結会計年度における営業利益は、17億21百万円(前年同期比50.6%増)となりました。当社グループのセグメント利益の内訳は、国内EPC事業がセグメント利益11億79百万円(前年同期比38.2%増)、アセアンEPC事業がセグメント損失1億68百万円(前年同期はセグメント損失3億54百万円)、不動産事業がセグメント利益8億11百万円(前年同期比6.3%増)となりました。 ハ 経常利益当連結会計年度における経常利益は、16億92百万円(前年同期比39.5%増)となりました。これは、営業外収益1億円を計上した一方、営業外費用1億29百万円を計上したことによるものであります。 ニ 親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、10億76百万円(前年同期比6.3%増)となりました。これは主に、固定資産売却益62百万円、減損損失33百万円等を計上し、法人税、住民税及び事業税6億31百万円、法人税等調整額22百万円を計上したこと等によるものであります。 c キャッシュ・フローの状況の分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。 d 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、組織体制、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。 e 経営戦略の現状と見通し今後における当社グループの事業を取り巻く経営環境は、原材料の高騰や、同業者間での価格やサービスの競争等により、引き続き厳しい状況で推移していくことが予想されます。こうした状況のなか、当社グループにおきましては、日本国内において今後も安定した収益基盤を構築するとともに、今後更なるインフラ整備の需要増大が期待されるアセアン地域において、事業の拡大を図るため、積極的な事業展開を図ってまいります。  f 経営者の問題意識と今後の方針について当社グループが今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくためには、経営者は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 会社の対処すべき課題」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。これらの課題に対応するために、常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、優秀な人材の採用と教育、安全への取り組み、営業体制の強化を図ってまいります。

事業リスク

JESCOホールディングスは、保有する不動産や販売用不動産の価値下落による減損損失や評価損のリスクがあります。また、国内EPC事業では景気変動による市場規模の変化や競争激化、建設資材価格の急激な高騰が業績に影響を与える可能性があります。アセアンEPC事業では、進出国の政治経済情勢の変化、法的規制の変更、為替相場の変動、人件費の上昇などがリスク要因となります。さらに、工事の進捗や検収時期の集中により四半期ごとの業績が変動する可能性や、競合他社との競争激化、特定の仕入先への依存、建設業界の慣行、政府のエネルギー政策の動向なども事業に影響を及ぼす可能性があります。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2025|4,047 文字
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。 (1) 保有資産について営業活動上の必要性から、不動産等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合には減損損失の発生、また、販売用不動産の収益性が著しく低下した場合には、棚卸資産評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 景気変動について国内EPC事業においては、民間設備投資や公共投資の増減による電気設備工事、電気通信設備工事の市場規模の変化や、受注競争激化による粗利率の低下等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 建設資材価格の変動について当社グループは、国内EPC事業、アセアンEPC事業を遂行するにあたり、多くの建設資材を調達しておりますが、建設資材価格が急激に高騰した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) アセアンEPC事業における社会的変動と為替相場の変動について当社グループを構成する関係会社11社の内4社は海外現地法人であり、今後、進出国の政治・経済情勢、法的規制の変更等の著しい変化により、日系企業の投資抑制や、現地設備建設工事需要の減退の可能性があります。また、人件費が著しく上昇する場合、工事の遂行計画や採算、代金回収等への影響が生じた場合や金利水準の急激な上昇や為替相場の大幅な変動等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 業績の変動について国内EPC事業においては、電気通信設備工事等の事業を行っていることから、工事の進捗や検収時期の集中によって収益が偏重することがあります。このため、特定の四半期業績のみをもって当社グループの通期業績見通しを判断することは困難であります。なお、2025年8月期の四半期ごとの国内EPC事業の売上高推移は、以下のとおりであります。 第1四半期(9月~11月)第2四半期(12月~2月)第3四半期(3月~5月)第4四半期(6月~8月)売上高(千円)2,411,4523,277,3933,380,7603,777,611   (注)連結調整前の金額を記載しております。 (6) 競合他社による影響について国内EPC事業及びアセアンEPC事業においては、大手・中小を問わず多くの企業と競合しております。そのため、競合他社との価格競争が更に激化した場合や、競合他社の技術力やサービス力の向上により、当社グループのサービス力が相対的に低下した場合は、当社グループが提案している営業案件の失注や、施工数の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。  (7) 特定の仕入先への依存について当社グループは、国内EPC事業において電気工事用・電気通信工事用資材を、資材商社であるヤマト電機株式会社から仕入れております。国内EPC事業の資材仕入金額に占める同社からの仕入金額が、引き続き一定割合を占めております(国内EPC事業の資材仕入金額に占める同社からの仕入割合 2024年8月期:11.6% 2025年8月期:3.9%)。 他の資材仕入と同様に、ヤマト電機株式会社からの資材仕入に際しても、他の資材業者からも見積を取ることにより、当社グループにとって有利な条件で仕入を行えるよう取り組みを行っております。また、ヤマト電機株式会社とは、継続的な関係を維持するため、商品取引基本契約を締結しております。しかしながら、今後何らかの要因により、当該契約が更新されない場合や商品を安定的に仕入れることが困難な状況となった場合、他の資材商社及びメーカーへ仕入先を切替えることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 業界取引慣行について当社グループが属する建設業界の一部では、慣習として契約書を締結しないまま取引をするケースがあります。このため、当社グループでは注文書・発注確認書の授受や請求受領書の回収を徹底して行う等、トラブルを未然に回避するための施策を講じておりますが、不測の事態や紛争が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 国内EPC事業について当社グループでは、国内EPC事業における再生可能エネルギー分野において、太陽光発電設備工事を受注するべく取り組んでおりますが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を始めとする政府のエネルギー政策の動向や電気事業者による発電事業者に対する系統接続の動向によっては、太陽光発電市場が当社グループの予想に反して十分に拡大せず、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 法的規制等について当社グループの主力事業である国内EPC事業において、建設業法、電気通信事業法等の関連法規制のほか、事業を営む上で必要とされる多くの許認可を取得しております。当社グループは、コンプライアンスを経営方針の最重要事項と位置付け、関連法規制の教育・指導・管理・監督体制の強化に努めておりますが、これらの関連法規制に違反するような事象が発生した場合、事業の停止命令や許認可の取り消し等の行政処分を受ける場合があり、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に甚大な影響を及ぼす可能性があります。(当社グループの主な許認可状況)事業名許認可の名称監督官庁有効期限国内EPC事業一般建設業許可国土交通省2030年4月29日国内EPC事業特定建設業許可国土交通省2030年4月29日国内EPC事業電気工事業者登録東京都知事期限なし なお、上記の事業の停止や許認可の取り消しとなる事由は、建設業法第29条、並びに電気工事業の業務の適正化に関する法律第28条に定められております。本書提出日現在において、当社グループが認識している限り、当社グループには、これら事業停止及び許認可の取り消しとなる事由に該当する事実はありません。 (11) 偶発事象について当社グループは、品質管理に万全を期しておりますが、瑕疵担保責任及び製造物責任による損害賠償が発生した場合や工事現場での人的災害等の発生で訴訟を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。  (12) システム障害について 当社グループは、業務効率の向上のため、基幹業務である総務・人事・会計の他、工事管理等の社内システムを有しております。そのコンピュータシステムに人的ミス・自然災害・コンピュータウイルス等による障害が発生した場合は、事業運営に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 重要な情報の管理について当社グループは、事業運営上、顧客が保有する技術データ・顧客データ等の重要な情報を取り扱っております。そのため、サイバーセキュリティを含め適切な情報管理を行ってはおりますが、不測の事態により当社グループからこれら重要な情報が流出した場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 自然災害等の発生について当社グループは、自然災害や新型ウイルスパンデミック等の発生に備え、人的被害の回避を最優先としつつ事業継続を図るため、各種設備の導入やデータファイルのバックアップ強化、訓練の実施及び規程・マニュアルの整備等により、リスク回避と被害最小化に努めております。 しかしながら、大規模災害等の発生及びそれに伴うライフラインの停止や燃料・資材・人員の不足による工事の中断・遅延、事業所の建物・資機材への損害等の不測の事態が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 安全品質に関するリスクについて 当社グループは、ISO45001 労働安全衛生マネジメントシステムの認証を取得して、お客様に信頼、評価される高品質なエンジニアリングサービスを提供できるよう、工事の「安全・品質の確保」に対する取り組みには万全を期し、事故の発生防止に日々努めております。 しかしながら、万が一重大な事故等不測の事態を発生させた場合には、工事の進捗に重要な影響を与えるだけでなく、社会的に大きな影響を与えるとともに各取引先からの信用を失い、営業活動に制約を受ける等、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (16) 人材の確保と育成について当社グループの国内事業拡大にあたっては、電気工事施工管理技士や電気通信工事施工管理技士、電気工事士、無線技師、工事担任者等の公的資格及び取引先固有の資格を有することが不可欠であります。クラウドを利用したオンデマンド研修「JESCOアカデミー」により、研修の充実を図り、社員がいつでもどこでも好きな時に受講できるようになりました。また、技術者、資格保有者の確保を目的の一つとした戦略的なM&Aにも努めております。しかしながら、工事施工を担える人材確保、育成ができない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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